(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】α-N-アセチルガラクトサミニドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ5(ST6GALNAC5)阻害剤による認知障害の治療
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20240628BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240628BHJP
A61K 31/7105 20060101ALI20240628BHJP
A61K 31/711 20060101ALI20240628BHJP
A61K 31/713 20060101ALI20240628BHJP
C12N 15/113 20100101ALN20240628BHJP
C12N 15/09 20060101ALN20240628BHJP
C12Q 1/6827 20180101ALN20240628BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P25/28
A61K31/7105
A61K31/711
A61K31/713
C12N15/113 Z ZNA
C12N15/09 110
C12Q1/6827 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500087
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 US2022035741
(87)【国際公開番号】W WO2023278713
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597160510
【氏名又は名称】リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】REGENERON PHARMACEUTICALS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】マルキーニ、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】フェレイラ、マヌエル アレン レベズ
(72)【発明者】
【氏名】コッポラ、ジョバンニ
(72)【発明者】
【氏名】アベカシス、ゴンサロ
(72)【発明者】
【氏名】バラス、アリス
【テーマコード(参考)】
4B063
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA17
4B063QQ03
4B063QQ42
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS34
4B063QX02
4C084AA17
4C084NA14
4C084ZA151
4C084ZA152
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA15
(57)【要約】
本開示は、認知障害を有するかまたは認知障害を発症するリスクがある対象を治療する方法、及び認知障害を発症する高いリスクを有する対象を特定する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認知障害を有するかまたは認知障害を発症するリスクのある対象を治療する方法であって、前記対象にα-N-アセチルガラクトサミニドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ5(ST6GALNAC5)阻害剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
ミエリン完全性低下を有するかまたはミエリン完全性低下を発症するリスクのある対象を治療する方法であって、前記対象にα-N-アセチルガラクトサミニドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ5(ST6GALNAC5)阻害剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項3】
神経変性を有するかまたは神経変性を発症するリスクのある対象を治療する方法であって、前記対象にα-N-アセチルガラクトサミニドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ5(ST6GALNAC5)阻害剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項4】
灰白質/白質コントラスト(GWC)低下を有するかまたはGWC低下を発症するリスクのある対象を治療する方法であって、前記対象にα-N-アセチルガラクトサミニドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ5(ST6GALNAC5)阻害剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項5】
軽度認知障害から認知症への転換があるかまたは軽度認知障害から認知症への転換のリスクのある対象を治療する方法であって、前記対象にα-N-アセチルガラクトサミニドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ5(ST6GALNAC5)阻害剤を投与することを含む、前記方法。
【請求項6】
前記ST6GALNAC5阻害剤が阻害性核酸分子を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記阻害性核酸分子が、ST6GALNAC5核酸分子とハイブリダイズするアンチセンス核酸分子、低分子干渉RNA(siRNA)、またはショートヘアピンRNA(shRNA)を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ST6GALNAC5阻害剤が、Casタンパク質と、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子内のガイドRNA(gRNA)認識配列とハイブリダイズするgRNAとを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記Casタンパク質がCas9またはCpf1である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記gRNA認識配列が配列番号1に記載の176,867位に対応する位置を含む、またはそれに近接する、請求項8または請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記gRNA認識配列が、配列番号1に記載の176,867位に対応する位置から約1000、約500、約400、約300、約200、約100、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約15、約10、または約5ヌクレオチド離れたところに位置する、請求項8または請求項9に記載の方法。
【請求項12】
プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列が、前記gRNA認識配列の下流の約2~約6ヌクレオチドである、請求項8または請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記gRNAが約17ヌクレオチド~約23ヌクレオチドを含む、請求項8~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記gRNA認識配列が、配列番号43~62のいずれか1つに記載のヌクレオチド配列を含む、請求項8~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記対象から得られた生体試料におけるST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子の存在または非存在を検出することをさらに含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
対象に標準的な投与量で認知障害を治療または阻害する治療剤を投与することをさらに含む、請求項15に記載の方法であって、前記ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子が前記生体試料に存在しない、前記方法。
【請求項17】
前記ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型である対象に、標準的な投与量と同じまたはそれより少ない投与量で認知障害を治療または阻害する治療剤を投与することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子が、Val135Ala、Val45Ala、Val45Ala
*、またはVal135Ala
*をコードする、請求項15~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子が、Val135Ala、Val45Ala、Val45Ala
*、またはVal135Ala
*をコードする、請求項15~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子が、
配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンを含むヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子;
配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン;もしくは配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子;または
配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン;もしくは配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含むヌクレオチド配列を有するcDNA分子である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記検出工程が試験管内で実施される、請求項15~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記検出工程が、前記生体試料における前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分が配列番号2に記載の176,867位またはその相補体に対応する位置を含み;
その際、前記生体試料における前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子の前記配列決定された部分が配列番号2に記載の176,867位に対応する位置にてシトシンを含む場合、前記生体試料における前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子はST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体ゲノム核酸分子である、請求項15~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記検出工程が、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 mRNA分子の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分が、配列番号11に記載の600位もしくはその相補体;配列番号12に記載の639位もしくはその相補体;配列番号13に記載の562位もしくはその相補体;配列番号14に記載の515位もしくはその相補体;配列番号15に記載の579位もしくはその相補体;配列番号16に記載の416位もしくはその相補体;配列番号17に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置を含み;
その際、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 mRNA分子の前記配列決定された部分が、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含む場合、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 mRNA分子は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子である、請求項15~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記検出工程が、前記生体試料におけるmRNA分子から生成された前記ST6GALNAC5 cDNA分子の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分が、配列番号27に記載の600位もしくはその相補体;配列番号28に記載の639位もしくはその相補体;配列番号29に記載の562位もしくはその相補体;配列番号30に記載の515位もしくはその相補体;配列番号31に記載の579位もしくはその相補体;配列番号32に記載の416位もしくはその相補体;配列番号33に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置を含み;
その際、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 cDNA分子の前記配列決定された部分が、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含む場合、前記生体試料におけるmRNA分子から生成された前記ST6GALNAC5 cDNA分子は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子である、請求項15~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記検出工程が:
a)配列番号2に記載の176,867位に対応する位置に近接する前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の一部分とハイブリダイズするプライマーに前記生体試料を接触させることと;
b)配列番号2に記載の176,867位に対応する前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の位置を少なくとも介して前記プライマーを伸長させることと;
c)前記プライマーの前記伸長産物が配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンを含むかどうかを決定することとを含む、
請求項15~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記検出工程が:
a)配列番号11に記載の600位、配列番号12に記載の639位、配列番号13に記載の562位、配列番号14に記載の515位、配列番号15に記載の579位、配列番号16に記載の416位、配列番号17に記載の639位、または配列番号18に記載の600位に対応する位置に近接する前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の一部分とハイブリダイズするプライマーに前記生体試料を接触させることと;
b)配列番号11に記載の600位、配列番号12に記載の639位、配列番号13に記載の562位、配列番号14に記載の515位、配列番号15に記載の579位、配列番号16に記載の416位、配列番号17に記載の639位、または配列番号18に記載の600位に対応する前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の位置を少なくとも介して前記プライマーを伸長させることと;
c)前記プライマーの前記伸長産物が、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含むかどうかを決定することとを含む、
請求項15~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記検出工程が:
a)配列番号27に記載の600位、配列番号28に記載の639位、配列番号29に記載の562位、配列番号30に記載の515位、配列番号31に記載の579位、配列番号32に記載の416位、配列番号33に記載の639位、または配列番号34に記載の600位に対応する位置に近接する前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の一部分とハイブリダイズするプライマーに前記生体試料を接触させることと;
b)配列番号27に記載の600位、配列番号28に記載の639位、配列番号29に記載の562位、配列番号30に記載の515位、配列番号31に記載の579位、配列番号32に記載の416位、配列番号33に記載の639位、または配列番号34に記載の600位に対応する前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の位置を少なくとも介して前記プライマーを伸長させることと;
c)前記プライマーの前記伸長産物が、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含むかどうかを決定することとを含む、
請求項15~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記検出工程が前記核酸分子全体を配列決定することを含む、請求項22~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記検出工程が:
a)前記生体試料における前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分が配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含む、前記増幅することと;
b)前記増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと;
c)前記標識した核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体に接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含む前記増幅した核酸分子の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと;
d)前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項15~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記検出工程が:
a)前記生体試料における前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分が、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、前記増幅することと;
b)前記増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと;
c)前記標識した核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体に接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む前記増幅した核酸分子の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと;
d)前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項15~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記検出工程が:
a)前記生体試料における前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分が、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、前記増幅することと;
b)前記増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと;
c)前記標識した核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体に接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む前記増幅した核酸分子の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと;
d)前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項15~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記試料における前記核酸分子がmRNAであり、前記増幅工程の前に前記mRNAがcDNAに逆転写される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記検出工程が:
前記生体試料における前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブに接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含む前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項15~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記検出工程が:
前記生体試料における前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブに接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと;
前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項15~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記検出工程が:
前記生体試料における前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブに接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと;
前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項15~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
認知障害を治療または予防する治療剤で対象を治療する方法であって、前記対象が認知障害を有するかまたは認知障害を発症するリスクがあり、前記方法が:
前記対象がα-N-アセチルガラクトサミニドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ5(ST6GALNAC5)の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子を有するかどうかを、
前記対象から生体試料を得ることまたは得たこと、及び
前記対象が前記ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードする前記ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子を含む遺伝子型を有するかどうかを決定するために前記生体試料にて配列分析を実施することまたは実施したことによって決定することと;
ST6GALNAC5基準である対象に、標準的な投与量で認知障害を治療もしくは阻害する前記治療剤を投与する、もしくは投与し続ける、及び/または前記対象にST6GALNAC5阻害剤を投与することと;
前記ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型である対象に、標準的な投与量と同じもしくはそれより少ない量で認知障害を治療もしくは阻害する前記治療剤を投与する、もしくは投与し続ける、及び/または前記対象にST6GALNAC5阻害剤を投与することとを含み;
その際、前記ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードする前記ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子を有する遺伝子型の存在は、前記対象が認知障害を発症する低いリスクを有することを示す、前記方法。
【請求項37】
前記対象がST6GALNAC5基準であり、前記対象が、標準的な投与量で認知障害を治療または阻害する前記治療剤を投与される、または投与され続ける、且つST6GALNAC5阻害剤を投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記対象がST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型であり、前記対象が、標準的な投与量と同じまたはそれより少ない量で認知障害を治療または阻害する前記治療剤を投与される、または投与され続ける、且つST6GALNAC5阻害剤を投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子が、Val135Ala、Val45Ala、Val45Ala
*、またはVal135Ala
*をコードする、請求項36~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子が、Val135Ala、Val45Ala、Val45Ala
*、またはVal135Ala
*をコードする、請求項36~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子が:
配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンを含むヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子;
配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、もしくは配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子;または
mRNA分子から生成されたcDNA分子であって、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、もしくは配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含むヌクレオチド配列を有する前記cDNA分子である、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記配列分析が、前記生体試料における前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分が配列番号2に記載の176,867位またはその相補体に対応する位置を含み;
その際、前記生体試料における前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の前記配列決定された部分が配列番号2に記載の176,867位に対応する位置にてシトシンを含む場合、前記生体試料における前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子はST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体ゲノム核酸分子である、請求項36~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記配列分析が、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分が、配列番号11に記載の600位もしくはその相補体;配列番号12に記載の639位もしくはその相補体;配列番号13に記載の562位もしくはその相補体;配列番号14に記載の515位もしくはその相補体;配列番号15に記載の579位もしくはその相補体;配列番号16に記載の416位もしくはその相補体;配列番号17に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置を含み;
その際、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 mRNA分子の前記配列決定された部分が、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含む場合、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 mRNA分子は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子である、請求項36~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記配列分析が、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分が、配列番号27に記載の600位もしくはその相補体;配列番号28に記載の639位もしくはその相補体;配列番号29に記載の562位もしくはその相補体;配列番号30に記載の515位もしくはその相補体;配列番号31に記載の579位もしくはその相補体;配列番号32に記載の416位もしくはその相補体;配列番号33に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置を含み;
その際、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 cDNA分子の前記配列決定された部分が、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含む場合、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 cDNA分子は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子である、請求項36~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記配列分析が:
a)配列番号2に記載の176,867位に対応する位置に近接する前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の一部分とハイブリダイズするプライマーに前記生体試料を接触させることと;
b)配列番号2に記載の176,867位に対応する前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の位置を少なくとも介して前記プライマーを伸長させることと;
c)前記プライマーの前記伸長産物が配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンを含むかどうかを決定することとを含む、
請求項36~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記配列分析が:
a)配列番号11に記載の600位、配列番号12に記載の639位、配列番号13に記載の562位、配列番号14に記載の515位、配列番号15に記載の579位、配列番号16に記載の416位、配列番号17に記載の639位、または配列番号18に記載の600位に対応する位置に近接する前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の一部分とハイブリダイズするプライマーに前記生体試料を接触させることと;
b)配列番号11に記載の600位、配列番号12に記載の639位、配列番号13に記載の562位、配列番号14に記載の515位、配列番号15に記載の579位、配列番号16に記載の416位、配列番号17に記載の639位、または配列番号18に記載の600位に対応する前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の位置を少なくとも介して前記プライマーを伸長させることと;
c)前記プライマーの前記伸長産物が、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含むかどうかを決定することとを含む、
請求項36~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記配列分析が:
a)配列番号27に記載の600位、配列番号28に記載の639位、配列番号29に記載の562位、配列番号30に記載の515位、配列番号31に記載の579位、配列番号32に記載の416位、配列番号33に記載の639位、または配列番号34に記載の600位に対応する位置に近接する前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の一部分とハイブリダイズするプライマーに前記生体試料を接触させることと;
b)配列番号27に記載の600位、配列番号28に記載の639位、配列番号29に記載の562位、配列番号30に記載の515位、配列番号31に記載の579位、配列番号32に記載の416位、配列番号33に記載の639位、または配列番号34に記載の600位に対応する前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の位置を少なくとも介して前記プライマーを伸長させることと;
c)前記プライマーの前記伸長産物が、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含むかどうかを決定することとを含む、
請求項36~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記配列分析が、前記核酸分子全体を配列決定することを含む、請求項42~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記配列分析が:
a)前記生体試料における前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分が配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含む、前記増幅することと;
b)前記増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと;
c)前記標識した核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体に接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含む前記増幅した核酸分子の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと;
d)前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項36~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記配列分析が:
a)前記生体試料における前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分が、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、前記増幅することと;
b)前記増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと;
c)前記標識した核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体に接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む前記増幅した核酸分子の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと;
d)前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項36~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記配列分析が:
a)前記生体試料における前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分が、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、前記増幅することと;
b)前記増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと;
c)前記標識した核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体に接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む前記増幅した核酸分子の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと;
d)前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項36~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記試料における前記核酸分子がmRNAであり、前記増幅工程の前に前記mRNAがcDNAに逆転写される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記配列分析が:
前記生体試料における前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブに接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含む前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項36~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記配列分析が:
前記生体試料における前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブに接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと;
前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項36~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記配列分析が:
前記生体試料における前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブに接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと;
前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項36~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記核酸分子が、前記対象から得られた細胞内に存在する、請求項36~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記ST6GALNAC5阻害剤が阻害性核酸分子を含む、請求項36~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記阻害性核酸分子が、ST6GALNAC5核酸分子とハイブリダイズするアンチセンス核酸分子、低分子干渉RNA(siRNA)、またはショートヘアピンRNA(shRNA)を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記ST6GALNAC5阻害剤が、Casタンパク質と、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子内のガイドRNA(gRNA)認識配列とハイブリダイズするgRNAとを含む、請求項36~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記Casタンパク質がCas9またはCpf1である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記gRNA認識配列が配列番号1に記載の176,867位に対応する位置を含む、またはそれに近接する、請求項59または請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記gRNA認識配列が、配列番号1に記載の176,867位に対応する位置から約1000、約500、約400、約300、約200、約100、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約15、約10、または約5ヌクレオチド離れたところに位置する、請求項59または請求項60に記載の方法。
【請求項63】
プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列が、前記gRNA認識配列の下流の約2~6ヌクレオチドである、請求項59または請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記gRNAが約17~約23ヌクレオチドを含む、請求項59~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記gRNA認識配列が、配列番号43~62のいずれか1つに記載のヌクレオチド配列を含む、請求項59~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
認知障害を発症する高いリスクを有する対象を特定する方法であって、前記方法が、
前記対象から得られた生体試料においてα-N-アセチルガラクトサミニドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ5(ST6GALNAC5)の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子の存在または非存在を決定することまたは決定したことを含み;
その際、
前記対象がST6GALNAC5基準である場合、前記対象は認知障害を発症する高いリスクを有し;且つ
前記対象が前記ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型またはホモ接合型である場合、前記対象は認知障害を発症する低いリスクを有する、前記方法。
【請求項67】
前記ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子が、Val135Ala、Val45Ala、Val45Ala
*、またはVal135Ala
*をコードする、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子が、Val135Ala、Val45Ala、Val45Ala
*、またはVal135Ala
*をコードする、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子が:
配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンを含むヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子;
配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、もしくは配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子;または
mRNA分子から生成されたcDNA分子であって、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、もしくは配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含むヌクレオチド配列を有する前記cDNA分子である、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記決定工程が試験管内で実施される、請求項66~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記決定工程が、前記生体試料における前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分が配列番号2に記載の176,867位またはその相補体に対応する位置を含み;
その際、前記生体試料における前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子の前記配列決定された部分が配列番号2に記載の176,867位に対応する位置にてシトシンを含む場合、前記生体試料における前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子はST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体ゲノム核酸分子である、請求項66~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記決定工程が、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分が、配列番号11に記載の600位もしくはその相補体;配列番号12に記載の639位もしくはその相補体;配列番号13に記載の562位もしくはその相補体;配列番号14に記載の515位もしくはその相補体;配列番号15に記載の579位もしくはその相補体;配列番号16に記載の416位もしくはその相補体;配列番号17に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置を含み;
その際、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 mRNA分子の前記配列決定された部分が、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含む場合、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 mRNA分子は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子である、請求項66~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記決定工程が、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、前記配列決定された部分が、配列番号27に記載の600位もしくはその相補体;配列番号28に記載の639位もしくはその相補体;配列番号29に記載の562位もしくはその相補体;配列番号30に記載の515位もしくはその相補体;配列番号31に記載の579位もしくはその相補体;配列番号32に記載の416位もしくはその相補体;配列番号33に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置を含み;
その際、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 cDNA分子の前記配列決定された部分が、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含む場合、前記生体試料における前記ST6GALNAC5 cDNA分子は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子である、請求項66~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
前記決定工程が:
a)配列番号2に記載の176,867位に対応する位置に近接する前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の一部分とハイブリダイズするプライマーに前記生体試料を接触させることと;
b)配列番号2に記載の176,867位に対応する前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の位置を少なくとも介して前記プライマーを伸長させることと;
c)前記プライマーの前記伸長産物が配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンを含むかどうかを決定することとを含む、
請求項66~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記決定工程が:
a)配列番号11に記載の600位、配列番号12に記載の639位、配列番号13に記載の562位、配列番号14に記載の515位、配列番号15に記載の579位、配列番号16に記載の416位、配列番号17に記載の639位、または配列番号18に記載の600位に対応する位置に近接する前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の一部分とハイブリダイズするプライマーに前記生体試料を接触させることと;
b)配列番号11に記載の600位、配列番号12に記載の639位、配列番号13に記載の562位、配列番号14に記載の515位、配列番号15に記載の579位、配列番号16に記載の416位、配列番号17に記載の639位、または配列番号18に記載の600位に対応する前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の位置を少なくとも介して前記プライマーを伸長させることと;
c)前記プライマーの前記伸長産物が、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含むかどうかを決定することとを含む、
請求項66~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記決定工程が:
a)配列番号27に記載の600位、配列番号28に記載の639位、配列番号29に記載の562位、配列番号30に記載の515位、配列番号31に記載の579位、配列番号32に記載の416位、配列番号33に記載の639位、または配列番号34に記載の600位に対応する位置に近接する前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の一部分とハイブリダイズするプライマーに前記生体試料を接触させることと;
b)配列番号27に記載の600位、配列番号28に記載の639位、配列番号29に記載の562位、配列番号30に記載の515位、配列番号31に記載の579位、配列番号32に記載の416位、配列番号33に記載の639位、または配列番号34に記載の600位に対応する前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列の位置を少なくとも介して前記プライマーを伸長させることと;
c)前記プライマーの前記伸長産物が、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含むかどうかを決定することとを含む、
請求項66~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
前記決定工程が、前記核酸分子全体を配列決定することを含む、請求項71~76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記決定工程が:
a)前記生体試料における前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分が配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含む、前記増幅することと;
b)前記増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと;
c)前記標識した核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体に接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含む前記増幅した核酸分子の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと;
d)前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項66~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
前記決定工程が:
a)前記生体試料における前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分が、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、前記増幅することと;
b)前記増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと;
c)前記標識した核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体に接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む前記増幅した核酸分子の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと;
d)前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項66~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記決定工程が:
a)前記生体試料における前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体の少なくとも一部分を増幅することであって、前記部分が、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、前記増幅することと;
b)前記増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと;
c)前記標識した核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体に接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む前記増幅した核酸分子の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと;
d)前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項66~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
前記試料における前記核酸分子がmRNAであり、前記増幅工程の前に前記mRNAがcDNAに逆転写される、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記検出工程が:
前記生体試料における前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブに接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含む前記ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと、
前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項66~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
前記検出工程が:
前記生体試料における前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブに接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む前記ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと;
前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項66~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記検出工程が:
前記生体試料における前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブに接触させることであって、前記変異特異的プローブが、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む前記ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体の前記ヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、前記接触させることと;
前記検出可能な標識を検出することとを含む、
請求項66~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
前記対象がST6GALNAC5基準であり、前記対象が、標準的な投与量で認知障害を治療または阻害する治療剤を投与される、且つST6GALNAC5阻害剤を投与される、請求項66~84のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
前記対象が、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型変異体についてヘテロ接合型であり、前記対象が、標準的な投与量と同じまたはそれより少ない量で認知障害を治療または阻害する治療剤を投与される、且つST6GALNAC5阻害剤を投与される、請求項66~84のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
認知障害を治療または阻害する治療剤であって、
配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、α-N-アセチルガラクトサミニドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ5(ST6GALNAC5)の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするゲノム核酸分子もしくはその相補体;
配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;もしくは配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするmRNA分子もしくはその相補体;または
配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;もしくは配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするcDNA分子もしくはその相補体を有すると特定された対象における認知障害の治療または予防において使用するための、前記治療剤。
【請求項88】
α-N-アセチルガラクトサミニドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ5(ST6GALNAC5)阻害剤であって、
a)ST6GALNAC5ゲノム核酸分子、ST6GALNAC5 mRNA分子、もしくはST6GALNAC5 cDNA分子について基準であるか、または
b)
i)配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするゲノム核酸分子もしくはその相補体;
ii)配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;もしくは配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするmRNA分子もしくはその相補体;または
iii)配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;もしくは配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするcDNA分子もしくはその相補体についてヘテロ接合型である、
対象における認知障害の治療または予防に使用するための、前記α-N-アセチルガラクトサミニドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ5(ST6GALNAC5)阻害剤。
【請求項89】
阻害性核酸分子である、請求項88に記載のST6GALNAC5阻害剤。
【請求項90】
前記阻害性核酸分子が、ST6GALNAC5核酸分子とハイブリダイズするアンチセンス核酸分子、低分子干渉RNA(siRNA)、またはショートヘアピンRNA(shRNA)である、請求項89に記載のST6GALNAC5阻害剤。
【請求項91】
Casタンパク質と、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子内のガイドRNA(gRNA)認識配列とハイブリダイズするgRNAとを含む、請求項88に記載のST6GALNAC5阻害剤。
【請求項92】
前記Casタンパク質がCas9またはCpf1である、請求項91に記載のST6GALNAC5阻害剤。
【請求項93】
前記gRNA認識配列が配列番号1に記載の176,867位を含む、またはそれに近接する、請求項91または請求項92に記載のST6GALNAC5阻害剤。
【請求項94】
前記gRNA認識配列が、配列番号1に記載の176,867位に対応する位置から約1000、約500、約400、約300、約200、約100、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約15、約10、または約5ヌクレオチド離れたところに位置する、請求項91または請求項92に記載のST6GALNAC5阻害剤。
【請求項95】
プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列が、前記gRNA認識配列の下流の約2~約6ヌクレオチドである、請求項91または請求項92に記載のST6GALNAC5阻害剤。
【請求項96】
前記gRNAが約17~約23ヌクレオチドを含む、請求項91~95のいずれか1項に記載のST6GALNAC5阻害剤。
【請求項97】
前記gRNA認識配列が、配列番号43~62のいずれか1つに記載のヌクレオチド配列を含む、請求項91~96のいずれか1項に記載のST6GALNAC5阻害剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表への参照
本出願は、2022年6月25日に作成された18923808002SEQという名称で634キロバイトのサイズのテキストファイルとして電子提出された配列表を含む。この配列表は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、広く、α-N-アセチルガラクトサミニドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ5(ST6GALNAC5)阻害剤による、認知障害を有する対象の治療、及び認知障害を発症する高いリスクを有する対象を特定する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
認知障害は、個体の記憶、新しい事柄の学習、集中、または日常生活に影響を及ぼす決断における困難を特徴とし得る。認知障害は、軽度から重度まで多岐にわたる。軽度の障害では、個体は、認知機能の変化に気付き始めながらも、依然として日常の活動を行うことができる場合がある。重篤なレベルの障害は、物事の意味または重要性を理解する能力及び発話または書字の能力の喪失につながり、結果として独立生活の不能をもたらす場合がある。認知障害は、ミエリン完全性低下、神経変性、灰白質/白質コントラスト(GWC)低下、及び軽度認知障害から認知症への転換を含むが、これらに限定されない。
【0004】
GWCは、認知障害を評価するために、広範なセットの脳領域にわたって使用することができる。GWCは、灰白質/白質の脳区画の境界間のぼやけの尺度であり、組織完全性及びミエリン分解の局所的な変動、白質中の含水量の増加、または鉄沈着の指標であると考えられている(非特許文献1)。より低いGWCは、加齢及びより低い認知指数(非特許文献2)、ならびに軽度認知障害から認知症への転換率の増加に関連する(非特許文献3)。
【0005】
α-N-アセチルガラクトサミニドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ5(ST6GALNAC5)は、脳におけるGM1bからのガングリオシドGD1αの生合成を触媒する遺伝子である(非特許文献4)。ST6GALNAC5遺伝子は、乳癌の脳転移を媒介する遺伝子の1つとして以前に特定された。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Uribeら、Front.Aging Neurosci.,2018,10,89
【非特許文献2】Lewisら、Neuroimage.,2018,173,341-350
【非特許文献3】Jeffersonら、Brain Imaging Behav.,2015,9,141-8
【非特許文献4】Okajimaら、J.Biol.Chem.,1999,274,30557-30562
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、認知障害を有するかまたは認知障害を発症するリスクのある対象を治療する方法を提供し、該方法は対象にST6GALNAC5阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、ミエリン完全性低下を有するかまたはミエリン完全性低下を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にST6GALNAC5阻害剤を投与することを含む。
【0008】
本開示はまた、神経変性を有するかまたは神経変性を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にST6GALNAC5阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、灰白質/白質コントラスト(GWC)低下を有するかまたはGWC低下を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にST6GALNAC5阻害剤を投与することを含む。
【0009】
本開示はまた、軽度認知障害から認知症への転換を起こしているかまたは軽度認知障害から認知症への転換のリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にST6GALNAC5阻害剤を投与することを含む。
【0010】
本開示はまた、認知障害を治療または阻害する治療剤で対象を治療する方法も提供し、該対象は認知障害を有するかまたは認知障害を発症するリスクがあり、該方法は、該対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子を有するかどうかを、該対象から生体試料を得ることまたは得たこと、及び該対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子を含む遺伝子型を有するかどうかを決定するために生体試料にて配列分析を実施することまたは実施したことによって決定する工程;ならびにi)ST6GALNAC5基準である対象に、標準的な投与量で認知障害を治療もしくは阻害する治療剤を投与する、もしくは投与し続ける、及び/または該対象にST6GALNAC5阻害剤を投与する工程;またはii)ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型である対象に、標準的な投与量と同じもしくはそれより少ない量で認知障害を治療もしくは阻害する治療剤を投与する、もしくは投与し続ける、及び/または該対象にST6GALNAC5阻害剤を投与する工程を含み;その際、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子を有する遺伝子型の存在は、該対象が認知障害を発症する低いリスクを有することを示す。
【0011】
本開示はまた、認知障害を発症する高いリスクを有する対象を特定する方法も提供し、該方法は、対象から得られた生体試料においてST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子の存在または非存在を決定することまたは決定したことを含み;その際、該対象がST6GALNAC5基準である場合、該対象は認知障害を発症する高いリスクを有し、該対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型またはホモ接合型である場合、該対象は認知障害を発症する低いリスクを有する。
【0012】
本開示はまた、対象におけるST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子またはその相補体を検出する方法も提供し、該方法は、対象から得られた生体試料をアッセイして、生体試料中の核酸分子が:i)配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子;ii)配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;もしくは配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有するmRNA分子;またはiii)生体試料におけるmRNA分子から生成されたcDNA分子であって、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;もしくは配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有するcDNA分子かどうかを決定することを含む。
【0013】
本開示はまた、認知障害を治療、阻害、または予防する治療剤であって、i)配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするゲノム核酸分子もしくはその相補体;ii)ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、該ヌクレオチド配列が、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;もしくは配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、該mRNA分子;またはiii)ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、該ヌクレオチド配列が、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;もしくは配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、該cDNA分子を有すると特定された対象における認知障害の治療または予防において使用するための(または認知障害を治療するための薬物の調製において使用するための)、治療剤も提供する。
【0014】
本開示はまた、ST6GALNAC5阻害剤であって、a)ST6GALNAC5ゲノム核酸分子、ST6GALNAC5 mRNA分子、もしくはST6GALNAC5 cDNA分子について基準であるか、またはb)i)配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするゲノム核酸分子もしくはその相補体;ii)配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;もしくは配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするmRNA分子もしくはその相補体;またはiii)配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;もしくは配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするcDNA分子もしくはその相補体についてヘテロ接合型である、対象における認知障害の治療または予防に使用するための(または認知障害を治療もしくは防止するための薬物の調製において使用するための)、ST6GALNAC5阻害剤も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の態様に関する種々の用語が本明細書及びクレームの全体を通して使用されている。特に指示されない限り、そのような用語には当該技術分野における通常の意味を付与するものとする。具体的に定義されている他の用語は、本明細書に示されている定義と一致する形で解釈されるものとする。
【0016】
別段に明示的な定めのない限り、本明細書に示されているいずれの方法または態様も、決してその工程を特定の順序で行う必要があるものとして解釈するようには意図されていない。したがって、方法クレームが、工程を特定の順序に限定すべきことをクレームまたは説明にて具体的に定めていない場合には、いかなる点においても、決して順序を定めるようには意図されていない。このことは、工程もしくは作業フローの手筈に関する論理事項、文法構成もしくは句読法に由来する一般的意味、または本明細書に記載されている態様の数もしくは種類を含め、あらゆる考え得る非明示的な解釈基準についても同様である。
【0017】
本明細書で使用する場合、文脈上明らかに別段に示されている場合を除き、「a」、「an」及び「the」という単数形には、複数の参照対象が含まれる。
本明細書で使用されるとき、「約」という用語は、引用された数値が概算であり、小さな変動が開示された実施形態の実践に有意に影響を及ぼさないことを意味する。数値が使用される場合、文脈によって別段の指示がない限り、「約」という用語は、数値が±10%変動し、開示された実施形態の範囲内に留まることができることを意味する。
【0018】
本明細書で使用されるとき、「comprising(含む)」という用語は、特定の実施形態では、所望に応じて、「consisting(成る)」または「consisting essentially of(から本質的に成る)」と置き換えてもよい。
【0019】
本明細書で使用されるとき、核酸分子またはポリペプチドに関して、「単離された」という用語は、核酸分子またはポリペプチドが、例えば、血液及び/または動物組織から離れて、その本来の環境以外の状態にあることを意味する。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子またはポリペプチドは、他の核酸分子または他のポリペプチド、特に動物起源の他の核酸分子またはポリペプチドを実質的に含まない。いくつかの実施形態では、核酸分子またはポリペプチドは、高度に精製された形態、すなわち、95%を超えて純粋または99%を超えて純粋であることができる。この文脈で使用される場合、「単離された」という用語は、二量体または代わりにリン酸化もしくは誘導体化された形態のような代わりの物理的形態における同じ核酸分子またはポリペプチドの存在を排除しない。
【0020】
本明細書で使用するとき、「核酸」、「核酸分子」、「核酸配列」、「ポリヌクレオチド」、または「オリゴヌクレオチド」という用語は、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を含むことができ、DNA及び/またはRNAを含むことができ、且つ一本鎖、二本鎖または多重鎖であることができる。核酸の一方の鎖はその相補体も指す。
【0021】
本明細書で使用されるとき、「対象」という用語は、哺乳動物を含む任意の動物を含む。哺乳動物には、家畜(例えば、ウマ、ウシ、ブタ)、ペット動物(例えば、イヌ、ネコ)、実験動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ)、及び非ヒト霊長類(例えば類人猿及びサル)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、医師のケア下にある患者である。
【0022】
ヒトにおける認知障害を発症する低いリスクに関連するST6GALNAC5遺伝子における稀な機能喪失型変異体が、本開示によって特定された。例えば、ST6GALNAC5基準ゲノム核酸分子(配列番号1を参照のこと)の176,867位におけるチミンをシトシンに変化させる遺伝子変異は、そのような変異を有する対象が認知障害を発症する低いリスクを有し得ることを示すことが観察されている。ST6GALNAC5の遺伝子またはタンパク質の変異体は、認知障害との既知の関連を有しないと考えられている。要するに、本明細書に記載されている遺伝子分析は、驚くべきことに、ST6GALNAC5遺伝子、そして特に、ST6GALNAC5遺伝子の変異体が、認知障害を発症する低いリスクと関連することを示す。したがって、ミエリン完全性低下、神経変性、GWC低下、及び軽度認知障害から認知症への転換のような認知障害を発症する高いリスクを有するST6GALNAC5基準である対象は、認知障害が予防され、その症状が軽減され、及び/または症状の発症が抑制されるように治療され得る。したがって、本開示は、対象におけるそのような変異体の特定を活用して、ミエリン完全性低下、神経変性、GWC低下、及び軽度認知障害から認知症への転換のような認知障害を発症するそのような対象におけるリスクを特定もしくは層別化し、またはミエリン完全性低下、神経変性、GWC低下、及び軽度認知障害から認知症への転換のような認知障害を発症する高いリスクを有すると対象を診断し、その結果リスクのある対象または活動性疾患のある対象がそれに応じて治療され得る方法を提供する。
【0023】
本開示の目的のために、任意の特定の対象は、3つのST6GALNAC5遺伝子型:i)ST6GALNAC5基準;ii)ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型;またはiii)ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてホモ接合型のうちの1つを有するものとして分類することができる。対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子のコピーを有しない場合、対象はST6GALNAC5基準である。対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子の単一コピーを有する場合、対象はST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型である。本明細書で使用されるとき、ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子は、部分的な機能喪失、完全な機能喪失、予測される部分的な機能喪失、または予測される完全な機能喪失を有するST6GALNAC5ポリペプチドをコードする任意のST6GALNAC5核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子)である。部分的な機能喪失(または予測される部分的な機能喪失)を有するST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子を有する対象は、ST6GALNAC5について低形質性である。ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子は、ST6GALNAC5 Val135Ala、Val45Ala、Val45Ala*、またはVal135Ala*ポリペプチドをコードするいかなる核酸分子でもよい。対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子の2コピーを有する場合、対象はST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてホモ接合型である。
【0024】
ST6GALNAC5基準であると遺伝子型決定されている、または決定されている対象については、そのような対象は、ミエリン完全性低下、神経変性、GWC低下、及び軽度認知障害から認知症への転換のような認知障害を発症する高いリスクを有する。ST6GALNAC5基準であるまたはST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型であると遺伝子型決定されている、または決定されている対象については、そのような対象は、ST6GALNAC5阻害剤で治療することができる。
【0025】
本開示全体を通して記載されている実施形態のいずれかでは、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子は、部分的な機能喪失、完全な機能喪失、予測される部分的な機能喪失、または予測される完全な機能喪失を有するST6GALNAC5ポリペプチドをコードする任意のST6GALNAC5核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子)であることができる。例えば、ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子は、ST6GALNAC5 Val135Ala、Val45Ala、Val45Ala*、またはVal135Ala*をコードするいかなる核酸分子でもよい。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子は、ST6GALNAC5 Val135Alaをコードする。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子は、ST6GALNAC5 Val45Alaをコードする。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子は、ST6GALNAC5 Val45Ala*をコードする。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子は、ST6GALNAC5 Val135Ala*をコードする。
【0026】
本開示全体を通して記載されている実施形態のいずれかでは、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドは、部分的な機能喪失、完全な機能喪失、予測される部分的な機能喪失、または予測される完全な機能喪失を有する任意のST6GALNAC5ポリペプチドであることができる。本開示全体を通して記載されている実施形態のいずれかでは、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドは、例えば、ST6GALNAC5 Val135Ala、Val45Ala、Val45Ala*、またはVal135Ala*を含む、本明細書に記載されているST6GALNAC5ポリペプチドのいずれでもよい。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドは、ST6GALNAC5 Val135Alaである。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドは、ST6GALNAC5 Val45Alaである。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドは、ST6GALNAC5 Val45Ala*である。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドは、ST6GALNAC5 Val135Ala*である。
【0027】
本開示全体を通して記載されている実施形態のいずれかでは、認知障害は、ミエリン完全性低下、神経変性、GWC低下、または軽度認知障害から認知症への転換である。本開示全体を通して記載されている実施形態のいずれかでは、認知障害は、ミエリン完全性低下である。本開示全体を通して記載されている実施形態のいずれかでは、認知障害は、神経変性である。本開示全体を通して記載されている実施形態のいずれかでは、認知障害は、GWC低下である。本開示全体を通して記載されている実施形態のいずれかでは、認知障害は、軽度認知障害から認知症への転換である。
【0028】
認知障害の症状は、記憶喪失、頻繁に同じ質問をするまたは同じ話を数回繰り返すこと、見慣れた人々及び場所を認識しないこと、判断を下すこと(緊急時に何をすべきかを理解することなど)の困難、気分または挙動の変化、視覚の問題、ならびにタスクを計画し実行することの困難を含むが、これらに限定されない。
【0029】
本開示は、認知障害を有するかまたは認知障害を発症するリスクのある対象を治療する方法を提供し、該方法は対象にST6GALNAC5阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、ミエリン完全性低下を有するかまたはミエリン完全性低下を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にST6GALNAC5阻害剤を投与することを含む。
【0030】
本開示はまた、神経変性を有するかまたは神経変性を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にST6GALNAC5阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、GWC低下を有するかまたはGWC低下を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にST6GALNAC5阻害剤を投与することを含む。
【0031】
本開示はまた、軽度認知障害から認知症への転換があるかまたは軽度認知障害から認知症への転換のリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にST6GALNAC5阻害剤を投与することを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5阻害剤は、阻害性核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、阻害性核酸分子は、アンチセンス分子、低分子干渉RNA(siRNA)分子、またはショートヘアピンRNA(shRNA)分子を含む。いくつかの実施形態では、阻害性核酸分子は、アンチセンス分子を含む。いくつかの実施形態では、阻害性核酸分子は、siRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、阻害性核酸分子は、shRNA分子を含む。そのような阻害性核酸分子は、mRNA分子などのST6GALNAC5核酸分子の任意の領域を標的とするように設計することができる。いくつかの実施形態では、阻害性核酸分子は、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはmRNA分子の範囲内の配列とハイブリダイズし、対象の細胞にてST6GALNAC5ポリペプチドの発現を低下させる。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5阻害剤には、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはmRNA分子とハイブリダイズし、対象の細胞におけるST6GALNAC5ポリペプチドの発現を低下させるアンチセンス分子が含まれる。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5阻害剤には、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはmRNA分子とハイブリダイズし、対象の細胞におけるST6GALNAC5ポリペプチドの発現を低下させるsiRNAが含まれる。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5阻害剤には、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはmRNA分子とハイブリダイズし、対象の細胞におけるST6GALNAC5ポリペプチドの発現を低下させるshRNAが含まれる。
【0033】
阻害性核酸分子は、RNA、DNA、またはRNAとDNAの双方を含むことができる。阻害性核酸分子を、例えばベクターにおける異種核酸配列、または異種標識に連結させる、または融合させることもできる。例えば、阻害性核酸分子は、阻害性核酸分子と異種核酸配列とを含むベクター内に、またはそれらを含む外来性ドナー配列として存在してもよい。阻害性核酸分子を異種標識に連結させる、または融合させることもできる。標識は、直接検出可能(例えば、蛍光色素分子)であることができる、または間接的に検出可能(例えば、ハプテン、酵素、または蛍光色素分子消光剤)であることができる。そのような標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的な手段によって検出可能であることができる。そのような標識には、例えば、放射性標識、顔料、染料、色原体、スピン標識、及び蛍光標識が挙げられる。標識はまた、例えば、化学発光物質;金属含有物質;または酵素であることもでき、その際、シグナルの酵素依存性の二次生成が発生する。「標識」という用語はまた、結合分子が、続いて基質とともに添加されると、検出可能なシグナルを生成するために使用されるように結合分子に選択的に結合することができる「タグ」またはハプテンを指すこともできる。例えば、ビオチンは、タグに結合するための西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)のアビジン結合体またはストレプトアビジン結合体と一緒にタグとして使用し、比色測定基質(例えば、テトラメチルベンジジン(TMB))または蛍光発生基質を使用して調べてHRPの存在を検出することができる。精製を促進するためのタグとして使用することができる例示的な標識には、myc、HA、FLAGまたは3×FLAG、6×Hisまたはポリヒスチジン、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質、エピトープタグ、または免疫グロブリンのFc部分が挙げられるが、これらに限定されない。多数の標識には、例えば、粒子、蛍光色素分子、ハプテン、酵素ならびにそれらの比色性、蛍光性及び化学発光性の基質、ならびに他の標識が挙げられる。
【0034】
阻害性核酸分子は、例えば、ヌクレオチド、または、例えば、ヌクレオチド類似体もしくはヌクレオチド置換体のような非天然ヌクレオチドもしくは修飾ヌクレオチドを含むことができる。そのようなヌクレオチドには、修飾された塩基、糖、もしくはリン酸基を含有するヌクレオチド、またはその構造内に非天然部分を組み込んでいるヌクレオチドが含まれる。非天然ヌクレオチドの例には、ジデオキシヌクレオチド、ビオチン化ヌクレオチド、アミノ化ヌクレオチド、脱アミノ化ヌクレオチド、アルキル化ヌクレオチド、ベンジル化ヌクレオチド、及び蛍光色素分子標識ヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
阻害性核酸分子は、1以上のヌクレオチド類似体またはヌクレオチド置換体を含むこともできる。ヌクレオチド類似体は、塩基、糖、またはリン酸の部分のいずれかに対する修飾を含有するヌクレオチドである。塩基部分に対する修飾には、A、C、G、及びT/Uの天然修飾及び合成修飾、ならびに、例えばシュードウリジン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、及び2-アミノアデニン-9-イルのようなさまざまなプリン塩基またはピリミジン塩基が挙げられるが、これらに限定されない。修飾された塩基には、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6-メチル誘導体及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2-プロピル誘導体及び他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル及びシトシン、5-プロピニルウラシル及びシトシン、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル及び他の8-置換のアデニン及びグアニン、5-ハロ(例えば、5-ブロモ)、5-トリフルオロメチル及び他の5-置換のウラシル及びシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン及び3-デアザアデニンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
ヌクレオチド類似体は糖部分の修飾を含むこともできる。糖部分に対する修飾には、リボース及びデオキシリボースの天然修飾、ならびに合成修飾が挙げられるが、これらに限定されない。糖修飾には、2’位における次の修飾:OH;F;O-、S-、またはN-アルキル;O-、S-、またはN-アルケニル;O-、S-またはN-アルキニル;またはO-アルキル-O-アルキルが挙げられるが、これらに限定されず、その際、アルキル、アルケニル、及びアルキニルは置換または非置換のC1~10アルキルまたはC2~10アルケニル、及びC2~10アルキニルであってもよい。例示的な2’糖修飾には、-O[(CH2)nO]mCH3、-O(CH2)nOCH3、-O(CH2)nNH2、-O(CH2)nCH3、-O(CH2)n-ONH2、及び-O(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2(式中、n及びmは独立して1~約10である)も挙げられるが、これらに限定されない。2’位における他の修飾には、C1~10アルキル、置換された低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリルまたはO-アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を改善するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、及び同様の特性を有する他の置換基が挙げられるが、これらに限定されない。同様の修飾を、糖における他の位置で、特に3’末端ヌクレオチドまたは2’-5’結合オリゴヌクレオチドにおける糖の3’位、及び5’末端ヌクレオチドの5’位で行ってもよい。修飾された糖は、CH2及びSのような架橋環酸素での修飾を含有するものも含むことができる。ヌクレオチド糖類似体はペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分のような糖模放体を有することもできる。
【0037】
ヌクレオチド類似体はリン酸部分にて修飾することもできる。修飾されたリン酸部分には、2つのヌクレオチド間の結合が、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルホスホネートならびに3’-アルキレンホスホネート及びキラルホスホネートを含む他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3’-アミノホスホルアミデート及びアミノアルキルホスホルアミデートを含むホスホルアミデート、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、ならびにボラノホスフェートを含有するように修飾することができるものが挙げられるが、これらに限定されない。2つのヌクレオチド間のこうしたリン酸結合または修飾リン酸結合は、3’-5’結合または2’-5’結合を介することができ、結合は3’-5’から5’-3’または2’-5’から5’-2’のような逆極性を含有することができる。種々の塩、混合塩、及び遊離酸の形態も含まれる。ヌクレオチド置換体にはペプチド核酸(PNA)も含まれる。
【0038】
いくつかの実施形態では、アンチセンス核酸分子はギャップマーであり、それによって5’末端及び3’末端の最初の1~7ヌクレオチドは、それぞれ2’-メトキシエチル(2’-MOE)修飾を有する。いくつかの実施形態では、5’末端及び3’末端の最初の5ヌクレオチドは、それぞれ2’-MOE修飾を有する。いくつかの実施形態では、5’末端及び3’末端の最初の1~7ヌクレオチドは、RNAヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、5’末端及び3’末端の最初の5ヌクレオチドは、RNAヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド間の骨格結合のそれぞれは、ホスホロチオエート結合である。
【0039】
いくつかの実施形態では、siRNA分子は末端修飾を有する。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の5’末端はリン酸化される。いくつかの実施形態では、加水分解することができない5’-リン酸類似体、例えば5’-(E)-ビニル-ホスホネートが使用される。
【0040】
いくつかの実施形態では、siRNA分子は骨格修飾を有する。いくつかの実施形態では、連続するリボースヌクレオシドを連結する修飾ホスホジエステル基は、siRNAの安定性及び生体内での生物学的利用能を高めることが示されている。ホスホジエステル結合の非エステル基(-OH、=O)を硫黄、ホウ素、またはアセテートと置き換えて、ホスホロチオエート、ボラノホスフェート、及びホスホノアセテート結合を得ることができる。加えて、ホスホジエステル基をホスホトリエステルで置換することにより、その負電荷を除去することによって、siRNAの細胞取り込み及び血清成分での保持を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、siRNA分子は糖修飾を有する。いくつかの実施形態では、糖は脱プロトン化され(エキソヌクレアーゼ及びエンドヌクレアーゼによって触媒される反応)、それによって2’-ヒドロキシルが求核剤として作用し、ホスホジエステル結合の隣接するリンを攻撃することができる。かかる代替物には、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル、及び2’-フルオロ修飾が挙げられる。
【0041】
いくつかの実施形態では、siRNA分子は塩基修飾を有する。いくつかの実施形態では、塩基は、シュードウリジン、5’-メチルシチジン、N6-メチルアデノシン、イノシン、及びN7-メチルグアノシンなどの修飾塩基で置換され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、siRNA分子は脂質に結合される。脂質はsiRNAの5’末端または3’末端に結合することができ、それらを血清リポタンパク質と会合させることにより、生体内での生物学的利用能を向上させることができる。代表的な脂質には、コレステロール及びビタミンE、ならびに脂肪酸、例えば、パルミチン酸、及びトコフェロールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
いくつかの実施形態では、代表的なsiRNAは以下の式:
センス:mN*mN*/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/*mN*/32FN/
アンチセンス:/52FN/*/i2FN/*mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN*N*N
を有し、式中、「N」は塩基であり;「2F」は2’-F修飾であり;「m」は2’-O-メチル修飾であり;「I」は内部塩基であり;「*」はホスホロチオエート骨格結合である。
【0044】
本開示は、阻害性核酸分子のいずれか1以上を含むベクターも提供する。いくつかの実施形態では、ベクターは、阻害性核酸分子のいずれか1以上、及び異種核酸を含む。ベクターは、核酸分子を輸送することが可能なウイルスベクターまたは非ウイルスベクターであり得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、プラスミドまたはコスミド(例えば追加のDNAセグメントがライゲーションされ得る環状二本鎖DNAなど)である。いくつかの実施形態では、ベクターは、追加のDNAセグメントがウイルスゲノムにライゲーションされ得る、ウイルスベクターである。発現ベクターとしては、プラスミド、コスミド、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、植物ウイルス、例えば、カリフラワーモザイクウイルス及びタバコモザイクウイルス、酵母人工染色体(YAC)、エプスタイン・バー(EBV)由来エピソーム、ならびに当該技術分野で既知の他の発現ベクターが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
本開示は、阻害性核酸分子のいずれか1以上を含む組成物も提供する。いくつかの実施形態では、組成物は医薬組成物である。いくつかの実施形態では、組成物は担体及び/または賦形剤を含む。担体の例には、ポリ(乳酸)(PLA)ミクロスフェア、ポリ(D,L-乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)ミクロスフェア、リポソーム、ミセル、逆ミセル、脂質コクリエート、及び脂質微小管が挙げられるが、これらに限定されない。担体は、PBS、HBSSなどのような緩衝化塩溶液を含んでもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5阻害剤は、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子内の認識配列(複数可)または認識配列に結合するDNA結合タンパク質にて1以上のニックまたは二本鎖切断を誘導するヌクレアーゼ剤を含む。認識配列は、ST6GALNAC5遺伝子のコード領域内、または遺伝子の発現に影響を及ぼす調節領域内に配置することができる。DNA結合タンパク質またはヌクレアーゼ剤の認識配列は、イントロン、エクソン、プロモーター、エンハンサー、調節領域、または任意の非タンパク質コード領域に配置することができる。認識配列はST6GALNAC5遺伝子の開始コドンを含む、またはそれに近接させることができる。例えば、認識配列は、開始コドンから約10、約20、約30、約40、約50、約100、約200、約300、約400、約500、または約1,000ヌクレオチドに配置することができる。別の例として、それぞれが開始コドンを含むまたはそれに近接するヌクレアーゼ認識配列を標的とする2以上のヌクレアーゼ剤を使用することができる。別の例として、1つが開始コドンを含むまたはそれに近接するヌクレアーゼ認識配列を標的とし、もう1つが終止コドンを含むまたはそれに近接するヌクレアーゼ認識配列を標的とする2つのヌクレアーゼ剤を使用することができ、これらのヌクレアーゼ剤による切断は2つのヌクレアーゼ認識配列間のコード領域の欠失を生じることができる。所望の認識配列にニックまたは二本鎖切断を誘導する任意のヌクレアーゼ剤を本明細書で開示されている方法及び組成物において使用することができる。所望の認識配列に結合する任意のDNA結合タンパク質を本明細書で開示されている方法及び組成物において使用することができる。
【0047】
本明細書で使用するのに好適なヌクレアーゼ剤及びDNA結合タンパク質には、ジンクフィンガータンパク質またはジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)対、転写活性化因子様エフェクター(TALE)タンパク質または転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、またはクラスター化された規則的に散在する短いパリンドローム反復(CRISPR)/CRISPR関連(Cas)システムが挙げられるが、これらに限定されない。認識配列の長さは異なることができるが、例えば、ジンクフィンガータンパク質またはZFN対については約30~36bp、各ZFNについては約15~18bp、TALEタンパク質またはTALENについては約36bp、及びCRISPR/CasガイドRNAについては約20bpである認識配列が挙げられる。
【0048】
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムを用いて、細胞内のST6GALNAC5ゲノム核酸分子を修飾することができる。本明細書で開示されている方法及び組成物は、ST6GALNAC5核酸分子の部位特異的切断のためにCRISPR複合体(Casタンパク質と複合体化したガイドRNA(gRNA)を含む)を利用することによってCRISPR-Cas系を採用することができる。
【0049】
Casタンパク質は一般に、gRNAと相互作用することができる少なくとも1つのRNA認識ドメインまたはRNA結合ドメインを含む。Casタンパク質はまた、ヌクレアーゼドメイン(例えば、DNaseまたはRNaseドメイン)、DNA結合ドメイン、ヘリカーゼドメイン、タンパク質-タンパク質相互作用ドメイン、二量体化ドメイン、及び他のドメインも含むことができる。好適なCasタンパク質には、例えば、野生型Cas9タンパク質及び野生型Cpf1タンパク質(例えば、FnCpf1)が挙げられる。Casタンパク質は、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子にて二本鎖切断を作り出すための完全な切断活性を有することができ、または、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子にて一本鎖切断を作り出すニッカーゼであることができる。Casタンパク質の追加の例として、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas5e(CasD)、Cas6、Cas6e、Cas6f、Cas7、Cas8a1、Cas8a2、Cas8b、Cas8c、Cas9(Csn1またはCsx12)、Cas10、Cas10d、CasF、CasG、CasH、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1(CasA)、Cse2(CasB)、Cse3(CasE)、Cse4(CasC)、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、及びCu1966、ならびにその相同体または改変体が挙げられるが、これらに限定されない。Casタンパク質を、融合タンパク質として異種ポリペプチドに操作可能に連結することもできる。例えば、Casタンパク質を、切断ドメイン、エピジェネティック修飾ドメイン、転写活性化ドメイン、または転写抑制因子ドメインに融合させることができる。Casタンパク質は任意の形態で提供することができる。例えば、Casタンパク質を、タンパク質、例えば、gRNAと複合体化したCasタンパク質の形態で提供することができる。あるいは、Casタンパク質を、Casタンパク質をコードする核酸分子、例えば、RNAまたはDNAの形態で提供することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、Casタンパク質と、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子における標的ゲノム遺伝子座内の1以上のgRNA認識配列とハイブリダイズする1以上のgRNAとに細胞を接触させることによって、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子の標的を定めた遺伝子組み換えを生成することができる。例えば、gRNA認識配列は配列番号1の領域内に位置することができる。gRNA認識配列はまた、配列番号1に記載の176,867位に対応する位置を含む、またはその位置に近接することができる。例えば、gRNA認識配列は配列番号1に記載の176,867位に対応する位置から約1000、約500、約400、約300、約200、約100、約50、約45、約40、約35、約30、約25、約20、約15、約10、または約5ヌクレオチド離れたところに位置することができる。gRNA認識配列は、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子の開始コドンまたはST6GALNAC5ゲノム核酸分子の終止コドンを含む、またはそれらに近接することができる。例えば、gRNA認識配列は開始コドンまたは終止コドンから約10、約20、約30、約40、約50、約100、約200、約300、約400、約500、または約1,000ヌクレオチド離れたところに位置することができる。
【0051】
ST6GALNAC5ゲノム核酸分子における標的ゲノム遺伝子座内のgRNA認識配列は、Cas9ヌクレアーゼが標的とするDNA配列の直後にある2~6塩基対のDNA配列であるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列の近くに位置する。標準的なPAMは、配列5’-NGG-3’であり、その際、「N」は任意の核酸塩基であり、その後に2つのグアニン(「G」)核酸塩基が続く。gRNAは遺伝子編集のためにCas9をゲノム内のどこにでも輸送することができるが、Cas9がPAMを認識する部位以外の部位では編集を行うことはできない。加えて、5’-NGA-3’はヒト細胞にとって高度に効率的な非標準的なPAMであることができる。一般に、PAMはgRNAの標的となるDNA配列の下流の約2~約6ヌクレオチドである。PAMはgRNA認識配列に隣接することができる。いくつかの実施形態では、gRNA認識配列にPAMを3’末端で隣接させることができる。いくつかの実施形態では、gRNA認識配列にPAMを5’末端で隣接させることができる。例えば、Casタンパク質の切断部位はPAM配列の上流または下流における約1~約10塩基対、約2~約5塩基対または3塩基対であることができる。いくつかの実施形態(例えば、S.pyogenes由来のCas9または密接に関連するCas9を使用する場合)では、非相補鎖のPAM配列は5’-NGG-3’であることができ、その際、Nは任意のDNAヌクレオチドであり、標的DNAの非相補鎖のgRNA認識配列の直近の3’側である。したがって、相補鎖のPAM配列は5’-CCN-3’であり、式中、Nは任意のDNAヌクレオチドであり、標的DNAの相補鎖のgRNA認識配列の直近の5’側である。
【0052】
gRNAは、Casタンパク質に結合し、Casタンパク質をST6GALNAC5ゲノム核酸分子内の特定の位置に標的指向化するRNA分子である。例示的なgRNAはST6GALNAC5ゲノム核酸分子に結合するまたはそれを切断するようにCas酵素を誘導するのに有効なgRNAであり、その際、gRNAは配列番号1に記載の176,867位に対応する位置を含む、またはそれに近接するST6GALNAC5ゲノム核酸分子内のgRNA認識配列とハイブリダイズするDNA標的化セグメントを含む。例えば、gRNAは配列番号1に記載の176,867位に対応する位置から約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約100、約200、約300、約400、約500、または約1,000ヌクレオチド離れたところに位置するgRNA認識配列とハイブリダイズするように選択することができる。他の例示的なgRNAは、開始コドンまたは終止コドンを含むまたはそれに近接するST6GALNAC5ゲノム核酸分子内に存在するgRNA認識配列とハイブリダイズするDNA標的化セグメントを含む。例えば、gRNAは、開始コドンから約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約100、約200、約300、約400、約500、または約1,000ヌクレオチド離れたところに位置するgRNA認識配列か、または終止コドンから約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約100、約200、約300、約400、約500、または約1,000ヌクレオチド離れたところに位置するgRNA認識配列とハイブリダイズするように選択することができる。好適なgRNAは約17~約25ヌクレオチド、約17~約23ヌクレオチド、約18~約22ヌクレオチド、または約19~約21ヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、gRNAは、20ヌクレオチドを含むことができる。
【0053】
ST6GALNAC5基準遺伝子内に位置する好適なgRNA認識配列の例は、配列番号43~62として表1に記述されている。
【0054】
【0055】
Casタンパク質とgRNAとは複合体を形成し、Casタンパク質は標的ST6GALNAC5ゲノム核酸分子を切断する。Casタンパク質は、gRNAのDNA標的化セグメントが結合する標的ST6GALNAC5ゲノム核酸分子に存在する核酸配列の内部または外部の部位で核酸分子を切断することができる。例えば、CRISPR複合体(gRNA認識配列とハイブリダイズし、Casタンパク質と複合体を形成するgRNAを含む)の形成は、gRNAのDNA標的化セグメントが結合するST6GALNAC5ゲノム核酸分子に存在する核酸配列内またはその近傍(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、または50以内、またはそれ以上の塩基対以内)において一方または双方の鎖の切断を生じることができる。
【0056】
そのような方法は、例えば、配列番号1のある領域が破壊される、開始コドンが破壊される、終止コドンが破壊される、またはコード配列が破壊されるもしくは欠失するST6GALNAC5ゲノム核酸分子を生じることができる。任意で、細胞を、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子の標的ゲノム遺伝子座内の追加のgRNA認識配列とハイブリダイズする1以上の追加のgRNAとさらに接触させることができる。細胞を1以上の追加のgRNA(例えば、第2のgRNA認識配列とハイブリダイズする第2のgRNA)と接触させることによって、Casタンパク質による切断は2以上の二本鎖切断または2以上の一本鎖切断を作り出すことができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5阻害剤は小分子を含む。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5阻害剤は、ミリセチンである。
いくつかの実施形態では、治療方法は、対象から得られた生体試料においてST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子の存在または非存在を検出することをさらに含む。本開示全体を通して使用されるとき、「ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子」は、部分的な機能喪失、完全な機能喪失、予測される部分的な機能喪失、または予測される完全な機能喪失を有するST6GALNAC5ポリペプチドをコードする任意のST6GALNAC5核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子)である。
【0058】
本開示はまた、認知障害を治療または阻害する治療剤で対象を治療する方法も提供する。いくつかの実施形態では、対象は、認知障害を有する。いくつかの実施形態では、該方法は、対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子を有するかどうかを、対象から生体試料を得ることまたは得たこと、及び対象がST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子を含む遺伝子型を有するかどうかを決定するために生体試料にて配列分析を実施することまたは実施したことによって決定することを含む。対象がST6GALNAC5基準である場合、認知障害を治療または阻害する治療剤が、標準的な投与量で対象に投与される、もしくは投与され続ける、及び/またはST6GALNAC5阻害剤が対象に投与される。対象がST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型である場合、認知障害を治療または阻害する治療剤が、標準的な投与量と同じもしくはそれより少ない量で対象に投与される、もしくは投与され続ける、及び/またはST6GALNAC5阻害剤が対象に投与される。ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子を有する遺伝子型の存在は、対象が認知障害を発症する低いリスクを有することを示す。いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5基準である。いくつかの実施形態では、対象はST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型である。
【0059】
ST6GALNAC5基準であるまたはST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型であると遺伝子型決定されている、または決定されている対象については、そのような対象は、本明細書に記載されているように、ST6GALNAC5阻害剤で治療することができる。
【0060】
対象からの生体試料においてST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子の存在または非存在を検出すること、及び/または対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子を有するかどうかを決定することは、本明細書に記載されている方法のいずれかによって実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は試験管内で実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は原位置で実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は生体内で実施することができる。これらの実施形態のいずれかでは、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子は対象から得られる細胞内に存在することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、対象がST6GALNAC5基準である場合、対象はまた、標準的な投与量で認知障害を治療または阻害する治療剤を投与される。いくつかの実施形態では、対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型である場合、対象はまた、標準的な投与量と同じまたはそれより少ない投与量で認知障害を治療または阻害する治療剤を投与される。
【0062】
いくつかの実施形態では、治療方法は、対象からの生体試料においてST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドの存在または非存在を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態では、対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドを有しない場合、対象はまた、標準的な投与量で認知障害を治療または阻害する治療剤を投与される。いくつかの実施形態では、対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドを有する場合、対象はまた、標準的な投与量と同じまたはそれより少ない投与量で認知障害を治療または阻害する治療剤を投与される。
【0063】
本開示はまた、認知障害を治療または予防する治療剤で対象を治療する方法も提供する。いくつかの実施形態では、対象は、認知障害を有する。いくつかの実施形態では、対象は、認知障害を発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、該方法は、対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドを有するかどうかを、対象から生体試料を得ることまたは得たこと、及び対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドを有するかどうかを決定するために生体試料にてアッセイを実施することまたは実施したことによって決定することを含む。対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドを有しない場合、認知障害を治療または阻害する治療剤が、標準的な投与量で対象に投与される、もしくは投与され続ける、及び/またはST6GALNAC5阻害剤が対象に投与される。対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドを有する場合、認知障害を治療または阻害する治療剤が、標準的な投与量と同じもしくはそれより少ない量で対象に投与される、もしくは投与され続ける、及び/またはST6GALNAC5阻害剤が対象に投与される。ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドの存在は、対象が認知障害を発症する低いリスクを有することを示す。いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドを有する。いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドを有しない。
【0064】
対象からの生体試料においてST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドの存在または非存在を検出すること、及び/または対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドを有するかどうかを決定することは、本明細書に記載されている方法のいずれかによって実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は試験管内で実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は原位置で実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は生体内で実施することができる。これらの実施形態のいずれかでは、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドは対象から得られる細胞内に存在することができる。
【0065】
認知障害を治療または予防する治療剤の例は、コリンエステラーゼ阻害剤、ビタミンE、及びイチョウを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、認知障害を治療または阻害する治療剤は、コリンエステラーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、認知障害を治療または阻害する治療剤は、ビタミンEである。いくつかの実施形態では、認知障害を治療または阻害する治療剤は、イチョウである。いくつかの実施形態では、コリンエステラーゼ阻害剤は、ARICEPT(登録商標)もしくはARICEPT(登録商標)ODT(ドネペジル)、COGNEX(登録商標)(タクリン)、EXELON(登録商標)もしくはEXELON(登録商標)パッチ(リバスチグミン)、RAZADYNE(登録商標)(ガランタミン)、NAMZARIC(登録商標)(メマンチン/ドネペジル)、MYTELASE(登録商標)(アンベノニウム)、またはBLOXIVERZ(登録商標)(ネオスチグミン)である。いくつかの実施形態では、コリンエステラーゼ阻害剤は、ドネペジル、タクリン、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチン/ドネペジル、アンベノニウム、またはネオスチグミンである。いくつかの実施形態では、コリンエステラーゼ阻害剤は、ドネペジルである。いくつかの実施形態では、コリンエステラーゼ阻害剤は、タクリンである。いくつかの実施形態では、コリンエステラーゼ阻害剤は、リバスチグミンである。いくつかの実施形態では、コリンエステラーゼ阻害剤は、ガランタミンである。いくつかの実施形態では、コリンエステラーゼ阻害剤は、メマンチン/ドネペジルである。いくつかの実施形態では、コリンエステラーゼ阻害剤は、アンベノニウムである。いくつかの実施形態では、コリンエステラーゼ阻害剤は、ネオスチグミンである。
【0066】
いくつかの実施形態では、認知障害を治療または予防する治療剤の用量は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型である対象については、ST6GALNAC5基準である(標準的な投与量を受け入れてもよい)対象と比べて約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%減らすことができる(すなわち、標準的な投与量よりも少ない)。いくつかの実施形態では、認知障害を治療または予防する治療剤の用量は、約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%減らすことができる。加えて、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型である対象における認知障害を治療または予防する治療剤の用量は、ST6GALNAC5基準である対象と比べてさらに少ない頻度で投与することができる。
【0067】
認知障害を治療もしくは予防する治療剤及び/またはST6GALNAC5阻害剤の投与は、例えば、1日後、2日後、3日後、5日後、1週後、2週後、3週後、1ヵ月後、5週後、6週後、7週後、8週後、2ヵ月後、または3ヵ月後に繰り返すことができる。反復投与は同じ用量または異なる用量であることができる。投与は1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、またはそれ以上繰り返すことができる。例えば、特定の投薬計画によれば、対象は、例えば、6ヵ月、1年、またはそれ以上のような長期間にわたって治療を受けることができる。さらに、認知障害を治療もしくは予防する治療剤及び/またはST6GALNAC5阻害剤は、逐次投与しても、同時に投与してもよい。さらに、認知障害を治療もしくは予防する治療剤及び/またはST6GALNAC5阻害剤は、別々の組成物で投与してもよく、または同じ組成物で一緒に投与してもよい。
【0068】
認知障害を治療もしくは予防する治療剤及び/またはST6GALNAC5阻害剤の投与は、非経口、静脈内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、くも膜下腔内、腹腔内、局所、鼻腔内、または筋肉内を含むが、これらに限定されない任意の好適な経路によって発生することができる。投与用の医薬組成物は、望ましくは無菌であり、実質的に等張であり、GMP条件下で製造される。医薬組成物は、単位剤形(すなわち、単回投与の用量)で提供することができる。医薬組成物は、1以上の生理学的及び薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤または補助剤を使用して製剤化することができる。製剤は選択した投与経路に依存する。「薬学的に許容される」という用語は、担体、希釈剤、賦形剤、または補助剤が製剤の他の成分と適合し、そのレシピエントにとって実質的に有害ではないことを意味する。
【0069】
本明細書で使用されるとき「治療する」、「治療すること」、及び「治療」ならびに「予防する」、「予防すること」、及び「予防」という用語は、それぞれ、治療効果及び予防効果のような所望の生物学的応答を引き出すことを指す。いくつかの実施形態では、治療効果は、薬剤または薬剤を含む組成物の投与後の、認知障害の減少/軽減、認知障害の重症度の減少/軽減(例えば、認知障害の発症の減少または抑制)、症状及び認知障害関連の影響の減少/軽減、症状の発症及び認知障害関連の影響の遅延、認知障害関連の影響の症状の重症度の軽減、急性エピソードの重症度の軽減、症状及び認知障害関連の影響の数の軽減、症状及び認知障害関連の影響の潜伏期間の短縮、症状及び認知障害関連の影響の改善、二次症状の軽減、二次感染の軽減、認知障害の再発の防止、再発エピソードの数または頻度の減少、症候性エピソード間の潜伏期間の増加、持続的な進行までの時間の増加、寛解の促進、寛解の誘導、寛解の増強、回復の加速、または代替治療剤の有効性の増加もしくは耐性の減少、及び/または罹患した宿主動物の生存期間の増加のうちの1以上を含む。予防効果は、治療プロトコールの投与に続く認知障害の発症/進行の完全なまたは部分的な回避/抑制または遅延(例えば、完全なまたは部分的な回避/抑制または遅延)、及び罹患した宿主動物の生存時間の増加を含んでもよい。認知障害の治療には、臨床段階または臨床症状のいずれかで何らかの形態の認知障害を有するとすでに診断された対象の治療、認知障害の症状または徴候の発症または進展または増悪または悪化の遅延、及び/または認知障害の重症度の予防及び/または軽減が包含される。
【0070】
本開示はまた、認知障害を発症する高いリスクを有する対象を特定する方法も提供する。いくつかの実施形態では、該方法は、対象から得られた生体試料においてST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子及び/またはcDNA分子)の存在または非存在を決定することまたは決定したことを含む。対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子を欠いている(すなわち、対象が遺伝子型決定でST6GALNAC5基準として分類される)場合、対象は認知障害を発症する高いリスクを有する。対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子を有する(すなわち、対象が、ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型またはホモ接合型である)場合、該対象は、ST6GALNAC5基準である対象と比較して認知障害を発症する低いリスクを有する。
【0071】
ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子の単一のコピーを有することは、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子のコピーを有しないことよりも、認知障害を発症することから対象をさらに保護する。特定の理論または作用機序に限定されることを意図するものではないが、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子の単一コピー(すなわち、ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型)は、認知障害を発症することから対象を保護すると考えられ、且つ、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子の2コピーを有すること(すなわち、ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてホモ接合型)は、単一コピーを持つ対象と比べて認知障害を発症することから対象をさらに保護し得るとも考えられる。したがって、いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子の単一コピーは認知障害を発症することから対象を完全に保護しなくてもよいが、代わりに、部分的または不完全に保護し得る。特定の理論に束縛されることを望むわけではないが、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子の単一コピーを有する対象に依然として存在する認知障害の発症に関与する追加の因子または分子が存在し得、それにより認知障害の発症からの完全ではない保護が生じ得る。
【0072】
対象からの生体試料においてST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子の存在または非存在を検出すること、及び/または対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子を有するかどうかを決定することは、本明細書に記載されている方法のいずれかによって実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は試験管内で実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は原位置で実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は生体内で実施することができる。これらの実施形態のいずれかでは、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子は対象から得られる細胞内に存在することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、対象が認知障害を発症する高いリスクを有すると特定されると、対象はさらに、本明細書に記載されているように、認知障害を治療もしくは阻害する治療剤及び/またはST6GALNAC5阻害剤で治療される。例えば、対象がST6GALNAC5基準であり、したがって認知障害を発症する高いリスクを有する場合、対象はST6GALNAC5阻害剤を投与される。いくつかの実施形態では、そのような対象は、認知障害を治療または阻害する治療剤を投与される。いくつかの実施形態では、対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型である場合、対象は標準的な投与量と同じまたはそれより少ない投与量で認知障害を治療または阻害する治療剤を投与される、及び/またはST6GALNAC5阻害剤を投与される。いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5基準である。いくつかの実施形態では、対象はST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子についてヘテロ接合型である。
【0074】
本開示はまた、対象から得られた生体試料におけるST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体ゲノム核酸分子、及び/または対象から得られた生体試料におけるST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子、及び/または対象から得られた生体試料におけるmRNA分子から生成されたST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子の存在または非存在を検出する方法も提供する。集団内の遺伝子配列、及びそのような遺伝子によってコードされるmRNA分子は、一塩基多型のような多型に起因して異なり得ることが理解される。ST6GALNAC5変異体ゲノム核酸分子、ST6GALNAC5変異体mRNA分子、及びST6GALNAC5変異体cDNA分子について本明細書で提供される配列は例示的な配列にすぎない。ST6GALNAC5変異体ゲノム核酸分子、変異体mRNA分子、及び変異体cDNA分子について他の配列も可能である。
【0075】
生体試料は、対象の任意の細胞、組織、または生体液に由来することができる。この生体試料は、例えば、骨髄試料、腫瘍生検、細針吸引物、または例えば、血液、歯肉溝滲出液、血漿、血清、リンパ、腹水、嚢胞液もしくは尿のような体液の試料のような任意の臨床的に関連する組織を含んでもよい。いくつかの実施形態では、生体試料は口腔スワブを含む。本明細書で開示されている方法において使用する生体試料は、アッセイ形式、検出方法の性質、及び試料として使用する組織、細胞、または抽出物に基づいて異なり得る。生体試料は採用されるアッセイに応じて異なる処理を行うことができる。例えば、ST6GALNAC5変異体核酸分子を検出する場合、ST6GALNAC5変異体核酸分子について生体試料を単離するまたは濃縮するように設計した予備処理を採用することができる。この目的では、種々の技術を使用してもよい。ST6GALNAC5変異体mRNA分子のレベルを検出する場合、さまざまな技術を使用してmRNA分子を含む生体試料を濃縮することができる。mRNA分子の存在もしくはレベル、または特定の変異体ゲノムDNA遺伝子座の存在を検出するために種々の方法を使用することができる。
【0076】
本開示はまた、対象においてST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子またはその相補体を検出する方法を提供する。該方法は、生体試料における核酸分子が、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子であるかどうかを決定するために、対象から得られた生体試料をアッセイすることを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子またはその相補体は、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含むヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子である。
【0078】
いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子またはその相補体は、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、mRNA分子である。
【0079】
いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子またはその相補体は、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、生体試料におけるmRNA分子から生成されたcDNA分子である。
【0080】
いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子は、i)配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシン(ゲノム核酸分子の場合)、ii)配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、もしくは配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシン(mRNA分子の場合)、またはiii)配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、もしくは配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシン(mRNA分子から得られたcDNA分子の場合)を含むヌクレオチド配列を有する。
【0081】
いくつかの実施形態では、生体試料には細胞または細胞溶解物が含まれる。そのような方法はさらに、例えば、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはmRNA分子を含む生体試料を対象から取得すること、及びmRNAであれば、任意でmRNAをcDNAに逆転写することを含むことができる。そのようなアッセイは、例えば、特定のST6GALNAC5核酸分子のこれらの位置の同一性を決定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、該方法は試験管内の方法である。
【0082】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は、生体試料におけるST6GALNAC5ゲノム核酸分子、ST6GALNAC5 mRNA分子、またはmRNA分子から生成されたST6GALNAC5 cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、その際、配列決定された部分は、機能喪失(部分的もしくは完全)を引き起こす、または機能喪失(部分的もしくは完全)を引き起こすと予測される、1つ以上の変異を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は、i)生体試料におけるST6GALNAC5ゲノム核酸分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定すること(その際、配列決定された部分は、配列番号2に記載の176,867位もしくはその相補体に対応する位置を含む);ii)生体試料におけるST6GALNAC5 mRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定すること(その際、配列決定された部分は、配列番号11に記載の600位もしくはその相補体;配列番号12に記載の639位もしくはその相補体;配列番号13に記載の562位もしくはその相補体;配列番号14に記載の515位もしくはその相補体;配列番号15に記載の579位もしくはその相補体;配列番号16に記載の416位もしくはその相補体;配列番号17に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置を含む);及び/またはiii)生体試料におけるmRNAから生成されたST6GALNAC5 cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定すること(その際、配列決定された部分は、配列番号27に記載の600位もしくはその相補体;配列番号28に記載の639位もしくはその相補体;配列番号29に記載の562位もしくはその相補体;配列番号30に記載の515位もしくはその相補体;配列番号31に記載の579位もしくはその相補体;配列番号32に記載の416位もしくはその相補体;配列番号33に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置を含む)を含む。生体試料におけるST6GALNAC5核酸分子の配列決定された部分が、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシン、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含む場合、生体試料におけるST6GALNAC5核酸分子は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子である。
【0084】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は、生体試料におけるST6GALNAC5ゲノム核酸分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、配列決定された部分は、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置またはその相補体を含む。生体試料におけるST6GALNAC5核酸分子の配列決定された部分が配列番号2に記載の176,867位に対応する位置にてシトシンを含む場合、生体試料におけるST6GALNAC5核酸分子はST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体ゲノム核酸分子である。
【0085】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は、生体試料におけるST6GALNAC5 mRNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、配列決定された部分は、配列番号11に記載の600位もしくはその相補体;配列番号12に記載の639位もしくはその相補体;配列番号13に記載の562位もしくはその相補体;配列番号14に記載の515位もしくはその相補体;配列番号15に記載の579位もしくはその相補体;配列番号16に記載の416位もしくはその相補体;配列番号17に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置を含む。生体試料におけるST6GALNAC5 mRNA分子の配列決定された部分が、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含む場合、生体試料におけるST6GALNAC5核酸分子は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子である。
【0086】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は、生体試料におけるmRNA分子から生成されたST6GALNAC5 cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部分を配列決定することを含み、配列決定された部分は、配列番号27に記載の600位もしくはその相補体;配列番号28に記載の639位もしくはその相補体;配列番号29に記載の562位もしくはその相補体;配列番号30に記載の515位もしくはその相補体;配列番号31に記載の579位もしくはその相補体;配列番号32に記載の416位もしくはその相補体;配列番号33に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置を含む。生体試料におけるST6GALNAC5 cDNA分子の配列決定された部分が、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含む場合、生体試料におけるST6GALNAC5核酸分子は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子である。
【0087】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は:a)ST6GALNAC5の:i)配列番号2に記載の176,867位もしくはその相補体に対応する位置に近接するゲノム核酸分子もしくはその相補体;ii)配列番号11に記載の600位もしくはその相補体;配列番号12に記載の639位もしくはその相補体;配列番号13に記載の562位もしくはその相補体;配列番号14に記載の515位もしくはその相補体;配列番号15に記載の579位もしくはその相補体;配列番号16に記載の416位もしくはその相補体;配列番号17に記載の639位もしくはその相補体;もしくは配列番号18に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置に近接するmRNA分子もしくはその相補体;及び/またはiii)配列番号27に記載の600位もしくはその相補体;配列番号28に記載の639位もしくはその相補体;配列番号29に記載の562位もしくはその相補体;配列番号30に記載の515位もしくはその相補体;配列番号31に記載の579位もしくはその相補体;配列番号32に記載の416位もしくはその相補体;配列番号33に記載の639位もしくはその相補体;もしくは配列番号34に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置に近接するcDNA分子もしくはその相補体のヌクレオチド配列の一部分とハイブリダイズするプライマーに生体試料を接触させることと;b)ST6GALNAC5の:i)配列番号2に記載の176,867位もしくはその相補体に対応するゲノム核酸分子もしくはその相補体;ii)配列番号11に記載の600位もしくはその相補体;配列番号12に記載の639位もしくはその相補体;配列番号13に記載の562位もしくはその相補体;配列番号14に記載の515位もしくはその相補体;配列番号15に記載の579位もしくはその相補体;配列番号16に記載の416位もしくはその相補体;配列番号17に記載の639位もしくはその相補体;もしくは配列番号18に記載の600位もしくはその相補体に対応するmRNA分子もしくはその相補体;及び/またはiii)配列番号27に記載の600位もしくはその相補体;配列番号28に記載の639位もしくはその相補体;配列番号29に記載の562位もしくはその相補体;配列番号30に記載の515位もしくはその相補体;配列番号31に記載の579位もしくはその相補体;配列番号32に記載の416位もしくはその相補体;配列番号33に記載の639位もしくはその相補体;もしくは配列番号34に記載の600位もしくはその相補体に対応するcDNA分子もしくはその相補体のヌクレオチド配列の位置を少なくとも介してプライマーを伸長させることと;c)プライマーの伸長産物が、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むかどうかを決定することとを含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は:a)配列番号2に記載の176,867位またはその相補体に対応する位置に近接するST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体のヌクレオチド配列の一部分とハイブリダイズするプライマーに生体試料を接触させることと;b)配列番号2に記載の176,867位またはその相補体に対応するST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体のヌクレオチド配列の位置を少なくとも介してプライマーを伸長させることと;c)プライマーの伸長産物が配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含むかどうかを決定することとを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は:a)配列番号11に記載の600位もしくはその相補体;配列番号12に記載の639位もしくはその相補体;配列番号13に記載の562位もしくはその相補体;配列番号14に記載の515位もしくはその相補体;配列番号15に記載の579位もしくはその相補体;配列番号16に記載の416位もしくはその相補体;配列番号17に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置に近接するST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体のヌクレオチド配列の一部分とハイブリダイズするプライマーに生体試料を接触させることと;b)配列番号11に記載の600位もしくはその相補体;配列番号12に記載の639位もしくはその相補体;配列番号13に記載の562位もしくはその相補体;配列番号14に記載の515位もしくはその相補体;配列番号15に記載の579位もしくはその相補体;配列番号16に記載の416位もしくはその相補体;配列番号17に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位もしくはその相補体に対応するST6GALNAC5 mRNA分子のヌクレオチド配列の位置を少なくとも介してプライマーを伸長させることと;c)プライマーの伸長産物が、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むかどうかを決定することとを含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は:a)配列番号27に記載の600位もしくはその相補体;配列番号28に記載の639位もしくはその相補体;配列番号29に記載の562位もしくはその相補体;配列番号30に記載の515位もしくはその相補体;配列番号31に記載の579位もしくはその相補体;配列番号32に記載の416位もしくはその相補体;配列番号33に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置に近接するST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体のヌクレオチド配列の一部分とハイブリダイズするプライマーに生体試料を接触させることと;b)配列番号27に記載の600位もしくはその相補体;配列番号28に記載の639位もしくはその相補体;配列番号29に記載の562位もしくはその相補体;配列番号30に記載の515位もしくはその相補体;配列番号31に記載の579位もしくはその相補体;配列番号32に記載の416位もしくはその相補体;配列番号33に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位もしくはその相補体に対応するST6GALNAC5 cDNA分子のヌクレオチド配列の位置を少なくとも介してプライマーを伸長させることと;c)プライマーの伸長産物が、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むかどうかを決定することとを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、核酸分子全体が配列決定される。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子のみが分析される。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5 mRNAのみが分析される。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5 mRNAから得られるST6GALNAC5 cDNAのみが分析される。
【0092】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は:a)生体試料におけるST6GALNAC5核酸分子またはその相補体の少なくとも一部分を増幅することであって、増幅される部分が、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、増幅することと;b)増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと;c)標識した核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体に接触させることであって、変異特異的プローブが、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、増幅した核酸分子の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと;d)検出可能な標識を検出することとを含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は:a)生体試料におけるST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体の少なくとも一部分を増幅することであって、該部分が、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含む、増幅することと;b)増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと;c)標識した核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体に接触させることであって、変異特異的プローブが、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含む増幅した核酸分子の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと;d)検出可能な標識を検出することとを含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は:a)生体試料におけるST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体の少なくとも一部分を増幅することであって、該部分が、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、増幅することと;b)増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと;c)標識した核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体に接触させることであって、変異特異的プローブが、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む増幅した核酸分子の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと;d)検出可能な標識を検出することとを含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は:a)生体試料におけるST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体の少なくとも一部分を増幅することであって、該部分が:配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、増幅することと;b)増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと;c)標識した核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体に接触させることであって、変異特異的プローブが、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む増幅した核酸分子の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと;d)検出可能な標識を検出することとを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、核酸分子はmRNAであり、決定工程は、増幅工程の前にmRNAをcDNAに逆転写することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は:生体試料におけるST6GALNAC5核酸分子またはその相補体を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブに接触させることであって、変異特異的プローブが、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、ST6GALNAC5核酸分子またはその相補体のヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと;検出可能な標識を検出することとを含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は:生体試料におけるST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブに接触させることであって、変異特異的プローブが、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含むST6GALNAC5ゲノム核酸分子またはその相補体のヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと;検出可能な標識を検出することとを含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は:生体試料におけるST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブに接触させることであって、変異特異的プローブが、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、ST6GALNAC5 mRNA分子またはその相補体のヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと;検出可能な標識を検出することとを含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は:生体試料におけるmRNA分子から生成されたST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体を、検出可能な標識を含む変異特異的プローブに接触させることであって、変異特異的プローブが、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、ST6GALNAC5 cDNA分子またはその相補体のヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、接触させることと;検出可能な標識を検出することとを含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5核酸分子は、対象から得られた細胞内に存在する。
変異特異的ポリメラーゼ連鎖反応技術を使用して核酸配列におけるSNPのような突然変異を検出することができる。変異特異的プライマーが使用され得るのは、鋳型とのミスマッチが存在するとDNAポリメラーゼが伸長しないからである。
【0101】
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は、ストリンジェントな条件下でST6GALNAC5変異体ゲノム配列、変異体mRNA配列、または変異体cDNA配列と特異的にハイブリダイズし、対応するST6GALNAC5基準配列とはハイブリダイズしない変異特異的プライマーまたは変異特異的プローブなどのプライマーまたはプローブに生体試料を接触させること、及びハイブリダイゼーションが生じたかどうかを決定することを含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、アッセイはRNAの配列決定(RNA-Seq)を含む。いくつかの実施形態では、アッセイは、例えば、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によってmRNAをcDNAに逆転写することも含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、該方法は、標的ヌクレオチド配列に結合し、ST6GALNAC5の変異体ゲノム核酸分子、変異体mRNA分子、または変異体cDNA分子を含むポリヌクレオチドを特異的に検出する及び/または特定するのに十分なヌクレオチド長のプローブ及びプライマーを利用する。ハイブリダイズの条件または反応条件は、この結果を達成するように作業者が決定することができる。ヌクレオチド長は、本明細書に記載されているまたは例示されている任意のアッセイを含む、最適な検出方法にて使用するのに十分である任意の長さであってもよい。そのようなプローブ及びプライマーは、高ストリンジェントなハイブリダイズ条件下で標的ヌクレオチド配列と特異的にハイブリダイズすることができる。標的ヌクレオチド配列とは異なり、且つ標的ヌクレオチド配列を特異的に検出する及び/または特定する能力を保持するプローブが従来の方法によって設計されてもよいが、プローブ及びプライマーは標的ヌクレオチド配列内の連続ヌクレオチドの完全なヌクレオチド配列同一性を有してもよい。プローブ及びプライマーは、標的核酸分子のヌクレオチド配列と約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%の配列同一性または相補性を有することができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、生体試料中のST6GALNAC5核酸分子(ゲノム核酸分子、mRNA分子、もしくはcDNA分子)またはその相補体が、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシン、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含むヌクレオチド配列を含むかどうかを決定するために、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシン、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンに隣接する5’隣接配列に由来する第1のプライマーと、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシン、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンに隣接する3’隣接配列に由来する第2のプライマーとを含むプライマー対を使用する増幅法に生体試料を供し、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシン、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンをコードする位置にてSNPの存在を示すアンプリコンを作り出すことができる。いくつかの実施形態では、アンプリコンの長さは、プライマー対に1ヌクレオチド塩基対を加えた長さの組み合わせからDNA増幅プロトコールによって作り出すことが可能なアンプリコンの任意の長さまでに及び得る。この距離は、1ヌクレオチド塩基対から増幅反応の限界、または約2万ヌクレオチド塩基対までに及ぶことができる。任意で、プライマー対は、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシン、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含む位置と、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシン、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシン、配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシン、配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシン、配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシン、配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシン、配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシン、または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンを含む位置の各側での少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のヌクレオチドとを含む領域に隣接する。
【0105】
同様のアンプリコンを、mRNA配列及び/またはcDNA配列から生成することができる。PCRプライマー対は、既知の配列から導出することができ、これは、例えば、Vector NTIバージョン10(Informax Inc.,Bethesda Md.)、PrimerSelect(DNASTAR Inc.,Madison,Wis.)、及びPrimer3(Version 0.4.0.COPYRGT.,1991,Whitehead Institute for Biomedical Research,Cambridge,Mass.)におけるPCRプライマー分析ツールのようなその目的のために意図されたコンピュータープログラムを使用して導出することができる。さらに、既知のガイドラインを用いて、配列を目視で精査し、プライマーを手動で特定することができる。
【0106】
核酸配列決定技術の説明に役立つ実例には、連鎖停止剤(Sanger)配列決定及びダイターミネーター配列決定が挙げられるが、これらに限定されない。他の方法には、精製DNA、増幅DNA及び固定細胞標本に対する標識プライマーまたは標識プローブの使用を含めて、配列決定以外の核酸ハイブリダイズ法(蛍光原位置ハイブリダイズ(FISH))が含まれる。いくつかの方法では、検出の前にまたは検出と同時に標的核酸分子を増幅してもよい。核酸増幅技術の説明に役立つ実例には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換型増幅法(SDA)、及び核酸配列に基づく増幅法(NASBA)が挙げられるが、これらに限定されない。他の方法には、リガーゼ連鎖反応、鎖置換型増幅法、及び好熱SDA(tSDA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
ハイブリダイズ技術では、プローブまたはプライマーがその標的と特異的にハイブリダイズするように、ストリンジェントな条件を採用することができる。いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下のポリヌクレオチドのプライマーまたはプローブは、他の非標的配列よりも検出可能に高い程度で、例えば、バックグラウンドの10倍を超えてを含めてバックグラウンドの少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍またはそれ以上高い程度でその標的配列とハイブリダイズするであろう。いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下のポリヌクレオチドのプライマーまたはプローブは、他のヌクレオチド配列よりも検出可能に高い程度でその標的ヌクレオチド配列と少なくとも2倍ハイブリダイズするであろう。いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下のポリヌクレオチドのプライマーまたはプローブは、他のヌクレオチド配列よりも検出可能に高い程度でその標的ヌクレオチド配列と少なくとも3倍ハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下のポリヌクレオチドのプライマーまたはプローブは、他のヌクレオチド配列よりも検出可能に高い程度でその標的ヌクレオチド配列と少なくとも4倍ハイブリダイズするであろう。いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下のポリヌクレオチドのプライマーまたはプローブは、他のヌクレオチド配列よりも検出可能に高い程度でその標的ヌクレオチド配列とバックグラウンドの10倍を超えてハイブリダイズするであろう。ストリンジェントな条件は配列に依存し、異なる状況では異なるであろう。
【0108】
DNAのハイブリダイズを促進する適当なストリンジェントな条件、例えば、約45℃での6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)、その後の50℃での2×SSCの洗浄は公知である、またはCurrent Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1-6.3.6に見いだすことができる。通常、ハイブリダイズ及び検出のためのストリンジェントな条件は、塩濃度が、pH7.0~8.3において約1.5M未満のNa+イオン、通常、約0.01~1.0MのNa+イオン濃度(または他の塩)であり、温度が、短いプローブ(例えば10~50ヌクレオチド)では少なくとも約30℃、それよりも長いプローブ(例えば50ヌクレオチド超)では少なくとも約60℃である条件であろう。ストリンジェントな条件は、ホルムアミドのような不安定化剤の添加により達成されてもよい。任意で、洗浄緩衝液は約0.1%~約1%のSDSを含んでもよい。ハイブリダイズの持続期間は一般に約24時間未満、ふつう約4~約12時間である。洗浄の持続期間は少なくとも平衡に達するのに十分な長さの時間であろう。
【0109】
本開示はまた、生体試料におけるST6GALNAC5ポリペプチドが、ポリペプチドに機能喪失(部分的なまたは完全な)または予測される機能喪失(部分的なまたは完全な)を持たせる1以上の変異を含有するかどうかを決定するために、対象から得られた生体試料にてアッセイを実施することを含む、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドの存在を検出する方法も提供する。ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドは、本明細書に記載されているST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドのいずれでもよい。いくつかの実施形態では、該方法は、ST6GALNAC5 Val135Ala、Val45Ala、Val45Ala*、またはVal135Ala*の存在を検出する。いくつかの実施形態では、該方法は、ST6GALNAC5 Val135Alaの存在を検出する。いくつかの実施形態では、該方法は、ST6GALNAC5 Val45Alaの存在を検出する。いくつかの実施形態では、該方法は、ST6GALNAC5 Val45Ala*の存在を検出する。いくつかの実施形態では、該方法は、ST6GALNAC5 Val135Ala*の存在を検出する。
【0110】
いくつかの実施形態では、該方法は、対象から得られた生体試料にアッセイを実施して、生体試料中のST6GALNAC5ポリペプチドが、配列番号39に記載の135位に対応する位置におけるアラニン、配列番号40に記載の45位に対応する位置におけるアラニン、配列番号41に記載の45位に対応する位置におけるアラニン、または配列番号42に記載の135位に対応する位置におけるアラニンを含むかどうかを決定することを含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、検出工程は、配列番号39に記載の135位、配列番号40に記載の45位、配列番号41に記載の45位、または配列番号42に記載の135位に対応する位置、または配列番号35、配列番号36、配列番号37、もしくは配列番号38を含むST6GALNAC5ポリペプチドの少なくとも一部分を配列決定することを含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、検出工程は、配列番号39に記載の135位、配列番号40に記載の45位、配列番号41に記載の45位、または配列番号42に記載の135位に対応する位置、または配列番号35、配列番号36、配列番号37、もしくは配列番号38を含むST6GALNAC5ポリペプチドの存在を検出するための免疫アッセイを含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドを有しない場合、対象は、認知障害、またはミエリン完全性低下、神経変性、GWC低下、及び軽度認知障害から認知症への転換のいずれかを発症する高いリスクを有する。いくつかの実施形態では、対象がST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドを有する場合、対象は、認知障害、またはミエリン完全性低下、神経変性、GWC低下、及び軽度認知障害から認知症への転換のいずれかを発症する低いリスクを有する。
【0114】
本開示はまた、ST6GALNAC5ミスセンス変異体ゲノム核酸分子、ST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子、及び/またはST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子(例えば、本明細書で開示されるゲノム変異体核酸分子、mRNA変異体分子、及びcDNA変異体分子のいずれか)とハイブリダイズする単離された核酸分子も提供する。いくつかの実施形態では、そのような単離された核酸分子は、ストリンジェントな条件下でST6GALNAC5ミスセンス変異体核酸分子とハイブリダイズする。そのような核酸分子は、例えば、本明細書に記載されているまたは例示されているようなプローブ、プライマー、変異特異的プローブ、または変異特異的プライマーとして使用することができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、配列番号2に記載の176,867位、配列番号11に記載の600位、配列番号12に記載の639位、配列番号13に記載の562位、配列番号14に記載の515位、配列番号15に記載の579位、配列番号16に記載の416位、配列番号17に記載の639位、配列番号18に記載の600位、配列番号27に記載の600位、配列番号28に記載の639位、配列番号29に記載の562位、配列番号30に記載の515位、配列番号31に記載の579位、配列番号32に記載の416位、配列番号33に記載の639位、または配列番号34に記載の600位に対応する位置を含むST6GALNAC5ミスセンス核酸分子の一部分とハイブリダイズする。
【0116】
いくつかの実施形態では、そのような単離された核酸分子は、少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、少なくとも約21、少なくとも約22、少なくとも約23、少なくとも約24、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、少なくとも約1000、少なくとも約2000、少なくとも約3000、少なくとも約4000、または少なくとも約5000のヌクレオチドを含むか、またはそれから成る。いくつかの実施形態では、そのような単離された核酸分子は、少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、少なくとも約21、少なくとも約22、少なくとも約23、少なくとも約24、または少なくとも約25のヌクレオチドを含むか、またはそれから成る。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は少なくとも約18のヌクレオチドを含むか、またはそれから成る。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は少なくとも約15のヌクレオチドを含むか、またはそれから成る。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は約10~約35、約10~約30、約10~約25、約12~約30、約12~約28、約12~約24、約15~約30、約15~約25、約18~約30、約18~約25、約18~約24、または約18~約22のヌクレオチドから成る、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は約18~約30のヌクレオチドから成る、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は少なくとも約15のヌクレオチド~少なくとも約35のヌクレオチドを含むか、またはそれから成る。
【0117】
いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、ST6GALNAC5ミスセンス変異体ゲノム核酸分子、ST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子及び/またはST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%同一である核酸分子の少なくとも約15の連続ヌクレオチドとハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は約15~約100のヌクレオチド、または約15~約35のヌクレオチドから成る、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は約15~約100のヌクレオチドから成る、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、約15~約35のヌクレオチドから成る、またはそれを含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、単離された変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは少なくとも約15ヌクレオチドを含み、その際、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーは、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス核酸分子またはその相補体の一部分のヌクレオチド配列と相補性であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、該部分は、配列番号2に記載の176,867位もしくはその相補体;配列番号11に記載の600位もしくはその相補体;配列番号12に記載の639位もしくはその相補体;配列番号13に記載の562位もしくはその相補体;配列番号14に記載の515位もしくはその相補体;配列番号15に記載の579位もしくはその相補体;配列番号16に記載の416位もしくはその相補体;配列番号17に記載の639位もしくはその相補体;配列番号18に記載の600位もしくはその相補体;配列番号27に記載の600位もしくはその相補体;配列番号28に記載の639位もしくはその相補体;配列番号29に記載の562位もしくはその相補体;配列番号30に記載の515位もしくはその相補体;配列番号31に記載の579位もしくはその相補体;配列番号32に記載の416位もしくはその相補体;配列番号33に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置を含む。いくつかの実施形態では、該部分は、配列番号2に記載の176,866~176,868位もしくはその相補体;配列番号11に記載の599~601位もしくはその相補体;配列番号12に記載の638~640位もしくはその相補体;配列番号13に記載の561~563位もしくはその相補体;配列番号14に記載の514~516位もしくはその相補体;配列番号15に記載の578~580位もしくはその相補体;配列番号16に記載の415~417位もしくはその相補体;配列番号17に記載の638~640位もしくはその相補体;配列番号18に記載の599~601位もしくはその相補体;配列番号27に記載の599~601位もしくはその相補体;配列番号28に記載の638~640位もしくはその相補体;配列番号29に記載の561~563位もしくはその相補体;配列番号30に記載の514~516位もしくはその相補体;配列番号31に記載の578~580位もしくはその相補体;配列番号32に記載の415~417位もしくはその相補体;配列番号33に記載の638~640位もしくはその相補体;または配列番号34に記載の599~601位もしくはその相補体に対応する位置を含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、変異特異的プローブ及び変異特異的プライマーはDNAを含む。いくつかの実施形態では、変異特異的プローブ及び変異特異的プライマーはRNAを含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているプローブ及びプライマー(変異特異的プローブ及び変異特異的プライマーを含む)は、本明細書で開示されている核酸分子のいずれかまたはその相補体と特異的にハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、プローブ及びプライマーはストリンジェントな条件下にて本明細書で開示されている核酸分子のいずれかと特異的にハイブリダイズする。
【0121】
いくつかの実施形態では、プライマーは変異特異的プライマーを含めて、第2世代配列決定またはハイスループット配列決定において使用することができる。時には、プライマーは変異特異的プライマーを含めて、修飾することができる。特に、プライマーは、例えば、大規模並行シグネチャー配列決定(Massive Parallel Signature Sequencing)(MPSS)、Polony配列決定、及び454パイロ配列決定のさまざまな工程において使用される種々の修飾を含むことができる。修飾されたプライマーは、クローニング工程におけるビオチン化プライマー、ならびにビーズ負荷工程及び検出工程にて使用される蛍光標識プライマーを含めて、プロセスのうちのいくつかの工程で使用することができる。Polony配列決定は一般的に、DNA鋳型の各分子が長さ約135bpであるペアエンドタグライブラリを使用して行われる。ビオチン化プライマーはビーズ負荷工程及びエマルジョンPCRにおいて使用される。蛍光標識された縮重ノナマーオリゴヌクレオチドは検出工程で使用される。アダプターは、ストレプトアビジン被覆ビーズにDNAライブラリを不動化するための5’-ビオチンタグを含有することができる。
【0122】
本明細書に記載されているプローブ及びプライマーを使用して、本明細書で開示されているST6GALNAC5ミスセンス変異体ゲノム核酸分子、ST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子、及び/またはST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子のいずれかの範囲内でヌクレオチド変異を検出することができる。本明細書に記載されているプライマーを使用して、ST6GALNAC5ミスセンス変異体ゲノム核酸分子、ST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子、またはST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子、またはそれらの断片を増幅することができる。
【0123】
本開示はまた、上述のプライマーのいずれかを含むプライマーの対も提供する。例えば、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子における配列番号1に記載の176,867位に対応する位置でチミン(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のゲノム核酸分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号2に記載の176,867位に対応する位置でシトシン(チミンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体ゲノム核酸分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0124】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号3に記載の600位に対応する位置でウラシル(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のmRNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 mRNA分子にて配列番号11に記載の600位に対応する位置でシトシン(ウラシルではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号11に記載の600位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0125】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号4に記載の639位に対応する位置でウラシル(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のmRNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 mRNA分子にて配列番号12に記載の639位に対応する位置でシトシン(ウラシルではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号12に記載の639位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0126】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号5に記載の562位に対応する位置でウラシル(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のmRNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 mRNA分子にて配列番号13に記載の562位に対応する位置でシトシン(ウラシルではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号13に記載の562位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0127】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号6に記載の515位に対応する位置でウラシル(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のmRNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 mRNA分子にて配列番号14に記載の515位に対応する位置でシトシン(ウラシルではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号14に記載の515位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0128】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号7に記載の579位に対応する位置でウラシル(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のmRNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 mRNA分子にて配列番号15に記載の579位に対応する位置でシトシン(ウラシルではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号15に記載の579位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0129】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号8に記載の416位に対応する位置でウラシル(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のmRNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 mRNA分子にて配列番号16に記載の416位に対応する位置でシトシン(ウラシルではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号16に記載の416位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0130】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号9に記載の639位に対応する位置でウラシル(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のmRNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 mRNA分子にて配列番号17に記載の639位に対応する位置でシトシン(ウラシルではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号17に記載の639位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0131】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号10に記載の600位に対応する位置でウラシル(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のmRNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 mRNA分子にて配列番号18に記載の600位に対応する位置でシトシン(ウラシルではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号18に記載の600位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0132】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号19に記載の600位に対応する位置でチミン(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のcDNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 cDNA分子にて配列番号27に記載の600位に対応する位置でシトシン(チミンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号27に記載の600位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0133】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号20に記載の639位に対応する位置でチミン(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のcDNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 cDNA分子にて配列番号28に記載の639位に対応する位置でシトシン(チミンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号28に記載の639位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0134】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号21に記載の562位に対応する位置でチミン(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のcDNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 cDNA分子にて配列番号29に記載の562位に対応する位置でシトシン(チミンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号29に記載の562位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0135】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号22に記載の515位に対応する位置でチミン(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のcDNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 cDNA分子にて配列番号30に記載の515位に対応する位置でシトシン(チミンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号30に記載の515位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0136】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号23に記載の579位に対応する位置でチミン(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のcDNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 cDNA分子にて配列番号31に記載の579位に対応する位置でシトシン(チミンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号31に記載の579位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0137】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号24に記載の416位に対応する位置でチミン(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のcDNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 cDNA分子にて配列番号32に記載の416位に対応する位置でシトシン(チミンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号32に記載の416位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0138】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号25に記載の639位に対応する位置でチミン(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のcDNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 cDNA分子にて配列番号33に記載の639位に対応する位置でシトシン(チミンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号33に記載の639位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0139】
プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5核酸分子にて配列番号26に記載の600位に対応する位置でチミン(シトシンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5基準のcDNA分子の存在を示す。逆に、プライマーの3’末端の1つが、特定のST6GALNAC5 cDNA分子にて配列番号34に記載の600位に対応する位置でシトシン(チミンではなく)とハイブリダイズする場合、増幅された断片の存在はST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子の存在を示す。いくつかの実施形態では、配列番号34に記載の600位に対応する位置でのシトシンに相補性のプライマーのヌクレオチドはプライマーの3’末端にあることができる。
【0140】
本開示の文脈において、「特異的にハイブリダイズする」とは、プローブまたはプライマー(例えば、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマー)が、ST6GALNAC5基準のゲノム核酸分子、ST6GALNAC5基準のmRNA分子、及び/またはST6GALNAC5基準のcDNA分子をコードする核酸配列とハイブリダイズしないことを意味する。
【0141】
本開示全体を通して記載されている実施形態のいずれかでは、プローブ(例えば、変異特異的プローブ)は標識を含むことができる。いくつかの実施形態では、標識は蛍光標識、放射性標識、またはビオチンである。
【0142】
本開示はまた、本明細書で開示されているプローブのいずれか1以上が結合している基材を含む支持体も提供する。固体支持体は、本明細書で開示されているプローブのいずれかのような分子が会合することができる固体状態の基材または支持体である。固体支持体の形態はアレイである。固体支持体の別の形態はアレイ検出器である。アレイ検出器は、複数の異なるプローブがアレイ状、グリッド状または他の組織化されたパターンで結合している固体支持体である。固体状態の基材の形態は標準的な96ウェル型のようなマイクロタイターディッシュである。いくつかの実施形態では、ふつう1ウェル当たりに1つのアレイを含有するマルチウェルスライドグラスを用いることができる。いくつかの実施形態では、支持体はマイクロアレイである。
【0143】
本開示はまた、本明細書に記載されているST6GALNAC5ミスセンス核酸分子(ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子)のいずれか、またはその相補体と、本明細書に記載されている変異特異的プライマーまたは変異特異的プローブのいずれかとを含む、またはそれらから成る分子複合体も提供する。いくつかの実施形態では、分子複合体におけるST6GALNAC5ミスセンス核酸分子(ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子)、またはそれらの相補体は一本鎖である。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5ミスセンス核酸分子は本明細書に記載されているゲノム核酸分子のいずれかである。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5ミスセンス核酸分子は本明細書に記載されているmRNA分子のいずれかである。いくつかの実施形態では、ST6GALNAC5ミスセンス核酸分子は本明細書に記載されているcDNA分子のいずれかである。いくつかの実施形態では、分子複合体は、本明細書に記載されているST6GALNAC5ミスセンス核酸分子(ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子)のいずれか、またはその相補体と、本明細書に記載されている変異特異的プライマーのいずれかとを含む、またはそれらから成る。いくつかの実施形態では、分子複合体は、本明細書に記載されているST6GALNAC5ミスセンス核酸分子(ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子)のいずれか、またはその相補体と、本明細書に記載されている変異特異的プローブのいずれかとを含む、またはそれらから成る。
【0144】
いくつかの実施形態では、分子複合体は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ゲノム核酸分子とハイブリダイズした変異特異的プライマーまたは変異特異的プローブを含むか、またはそれらから成り、その際、変異特異的プライマーまたは変異特異的プローブは、配列番号2に記載の176,867位またはその相補体に対応する位置にてST6GALNAC5ゲノム核酸分子とハイブリダイズしている。
【0145】
いくつかの実施形態では、分子複合体は、配列番号2に記載の176,866~176,868位に対応する位置にてGCGコドンとハイブリダイズした変異特異的プライマーまたは変異特異的プローブを含むか、またはそれらから成る。
【0146】
いくつかの実施形態では、分子複合体は、配列番号2を含むゲノム核酸分子を含むか、またはそれから成る。
いくつかの実施形態では、分子複合体は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5 mRNA分子とハイブリダイズした変異特異的プライマーまたは変異特異的プローブを含むか、またはそれから成り、その際、変異特異的プライマーまたは変異特異的プローブは、配列番号11に記載の600位もしくはその相補体;配列番号12に記載の639位もしくはその相補体;配列番号13に記載の562位もしくはその相補体;配列番号14に記載の515位もしくはその相補体;配列番号15に記載の579位もしくはその相補体;配列番号16に記載の416位もしくはその相補体;配列番号17に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置にてST6GALNAC5 mRNA分子とハイブリダイズしている。
【0147】
いくつかの実施形態では、分子複合体は、配列番号11に記載の599~601位に対応する位置におけるGCGコドン、配列番号12に記載の638~640位に対応する位置におけるGCGコドン、配列番号13に記載の561~563位に対応する位置におけるGCGコドン、配列番号14に記載の514~516位に対応する位置におけるGCGコドン、配列番号15に記載の578~580位に対応する位置におけるGCGコドン、配列番号16に記載の415~417位に対応する位置におけるGCGコドン、配列番号17に記載の638~640位に対応する位置におけるGCGコドン、または配列番号18に記載の599~601位に対応する位置におけるGCGコドンとハイブリダイズした変異特異的プライマーまたは変異特異的プローブを含むか、またはそれから成る。
【0148】
いくつかの実施形態では、分子複合体は、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、または配列番号18を含むmRNA分子を含むか、またはそれから成る。
【0149】
いくつかの実施形態では、分子複合体は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5 cDNA分子とハイブリダイズした変異特異的プライマーまたは変異特異的プローブを含むか、またはそれから成り、その際、変異特異的プライマーまたは変異特異的プローブは、配列番号27に記載の600位もしくはその相補体;配列番号28に記載の639位もしくはその相補体;配列番号29に記載の562位もしくはその相補体;配列番号30に記載の515位もしくはその相補体;配列番号31に記載の579位もしくはその相補体;配列番号32に記載の416位もしくはその相補体;配列番号33に記載の639位もしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位もしくはその相補体に対応する位置にてST6GALNAC5 cDNA分子とハイブリダイズしている。
【0150】
いくつかの実施形態では、分子複合体は、配列番号27に記載の599~601位に対応する位置におけるGCGコドン、配列番号28に記載の638~640位に対応する位置におけるGCGコドン、配列番号29に記載の561~563位に対応する位置におけるGCGコドン、配列番号30に記載の514~516位に対応する位置におけるGCGコドン、配列番号31に記載の578~580位に対応する位置におけるGCGコドン、配列番号32に記載の415~417位に対応する位置におけるGCGコドン、配列番号33に記載の638~640位に対応する位置におけるGCGコドン、または配列番号34に記載の599~601位に対応する位置におけるGCGコドンとハイブリダイズした変異特異的プライマーまたは変異特異的プローブを含むか、またはそれから成る。
【0151】
いくつかの実施形態では、分子複合体は、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、または配列番号34を含むcDNA分子を含むか、またはそれから成る。
【0152】
いくつかの実施形態では、分子複合体は標識を含む変異特異的プローブまたは変異特異的プライマーを含む。いくつかの実施形態では、標識は蛍光標識、放射性標識、またはビオチンである。いくつかの実施形態では、分子複合体はさらに非ヒトポリメラーゼを含む。
【0153】
ST6GALNAC5基準のゲノム核酸分子のヌクレオチド配列は配列番号1に記述されている。配列番号1を参照して、176,867位はチミンである。
176,867位のチミンがシトシンで置換されている、ST6GALNAC5ミスセンス変異体ゲノム核酸分子が存在する(rs756654226;GRCh38/hg38ヒトゲノムアセンブリ中のchr1:77044346)。このST6GALNAC5ミスセンス変異体ゲノム核酸分子のヌクレオチド配列は配列番号2に記述されている。
【0154】
ST6GALNAC5基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号3に記述されている。配列番号3を参照して、600位はウラシルである。別のST6GALNAC5基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号4に記述されている。配列番号4を参照して、639位はウラシルである。別のST6GALNAC5基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号5に記述されている。配列番号5を参照して、562位はウラシルである。別のST6GALNAC5基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号6に記述されている。配列番号6を参照して、515位はウラシルである。別のST6GALNAC5基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号7に記述されている。配列番号7を参照して、579位はウラシルである。別のST6GALNAC5基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号8に記述されている。配列番号8を参照して、416位はウラシルである。別のST6GALNAC5基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号9に記述されている。配列番号9を参照して、639位はウラシルである。別のST6GALNAC5基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号10に記述されている。配列番号10を参照して、600位はウラシルである。
【0155】
600位のウラシルがシトシンで置換されている、ST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号11に記述されている。
【0156】
639位のウラシルがシトシンで置換されている、別のST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号12に記述されている。
【0157】
562位のウラシルがシトシンで置換されている、別のST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号13に記述されている。
【0158】
515位のウラシルがシトシンで置換されている、別のST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号14に記述されている。
【0159】
579位のウラシルがシトシンで置換されている、別のST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号15に記述されている。
【0160】
416位のウラシルがシトシンで置換されている、別のST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号16に記述されている。
【0161】
639位のウラシルがシトシンで置換されている、別のST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号17に記述されている。
【0162】
600位のウラシルがシトシンで置換されている、別のST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体mRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号18に記述されている。
【0163】
ST6GALNAC5基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号19に記述されている。配列番号19を参照して、600位はチミンである。別のST6GALNAC5基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号20に記述されている。配列番号20を参照して、639位はチミンである。別のST6GALNAC5基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号21に記述されている。配列番号21を参照して、562位はチミンである。別のST6GALNAC5基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号22に記述されている。配列番号22を参照して、515位はチミンである。別のST6GALNAC5基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号23に記述されている。配列番号23を参照して、579位はチミンである。別のST6GALNAC5基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号24に記述されている。配列番号24を参照して、416位はチミンである。別のST6GALNAC5基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号25に記述されている。配列番号25を参照して、639位はチミンである。別のST6GALNAC5基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号26に記述されている。配列番号26を参照して、600位はチミンである。
【0164】
600位のチミンがシトシンで置換されている、ST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号27に記述されている。
【0165】
639位のチミンがシトシンで置換されている、別のST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号28に記述されている。
【0166】
562位のチミンがシトシンで置換されている、別のST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号29に記述されている。
【0167】
515位のチミンがシトシンで置換されている、別のST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号30に記述されている。
【0168】
579位のチミンがシトシンで置換されている、別のST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号31に記述されている。
【0169】
416位のチミンがシトシンで置換されている、別のST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号32に記述されている。
【0170】
639位のチミンがシトシンで置換されている、別のST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号33に記述されている。
【0171】
600位のチミンがシトシンで置換されている、別のST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子が存在する。このST6GALNAC5ミスセンス変異体cDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号34に記述されている。
【0172】
ゲノム核酸分子、mRNA分子、及びcDNA分子は、任意の生物に由来することができる。例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、及びcDNA分子は、ヒト、または別の生物(例えば、非ヒト哺乳動物、げっ歯類、マウス、もしくはラット)からのオーソログであり得る。集団内の遺伝子配列は、一塩基多型のような多型に起因して異なり得ることが理解される。本明細書で提供される例は、例示的な配列にすぎない。他の配列もまた可能である。
【0173】
本明細書で提供されるのはまた、開示されている核酸分子と相互作用することができる機能性ポリヌクレオチドである。機能性ポリヌクレオチドの例には、アンチセンス分子、アプタマー、リボザイム、三重鎖形成分子、及び外部ガイド配列が挙げられるが、これらに限定されない。機能性ポリヌクレオチドは標的分子が持つ特定の活性のエフェクター、阻害剤、モジュレーター、及び刺激剤として作用することができ、または機能性ポリヌクレオチドはいかなる他の分子とも無関係なデノボ活性を持つことができる。
【0174】
本明細書で開示されている単離された核酸分子は、RNA、DNA、またはRNAとDNAの双方を含むことができる。単離された核酸分子を、例えばベクターにおける異種核酸配列、または異種標識に連結させる、または融合させることもできる。例えば、本明細書で開示されている単離された核酸分子は、単離された核酸分子と異種核酸配列とを含むベクター内に、またはそれらを含む外来性ドナー配列として存在してもよい。単離された核酸分子を異種標識に連結させる、または融合させることもできる。標識は、直接検出可能(例えば、蛍光色素分子)であることができる、または間接的に検出可能(例えば、ハプテン、酵素、または蛍光色素分子消光剤)であることができる。そのような標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的な手段によって検出可能であることができる。そのような標識には、例えば、放射性標識、顔料、染料、色原体、スピン標識、及び蛍光標識が挙げられる。標識はまた、例えば、化学発光物質;金属含有物質;または酵素であることもでき、その際、シグナルの酵素依存性の二次生成が発生する。「標識」という用語はまた、結合分子が、続いて基質とともに添加されると、検出可能なシグナルを生成するために使用されるように結合分子に選択的に結合することができる「タグ」またはハプテンを指すこともできる。例えば、ビオチンは、タグに結合するための西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)のアビジン結合体またはストレプトアビジン結合体と一緒にタグとして使用し、比色測定基質(例えば、テトラメチルベンジジン(TMB))または蛍光発生基質を使用して調べてHRPの存在を検出することができる。精製を促進するためのタグとして使用することができる例示的な標識には、myc、HA、FLAGまたは3×FLAG、6×Hisまたはポリヒスチジン、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質、エピトープタグ、または免疫グロブリンのFc部分が挙げられるが、これらに限定されない。多数の標識には、例えば、粒子、蛍光色素分子、ハプテン、酵素ならびにそれらの比色性、蛍光性及び化学発光性の基質、ならびに他の標識が挙げられる。
【0175】
単離された核酸分子またはその相補体は、宿主細胞内に存在することができる。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、本明細書に記載されている核酸分子のいずれかまたはその相補体を含むベクターを含むことができる。いくつかの実施形態では、核酸分子は、宿主細胞内で活性なプロモーターに操作可能に連結する。いくつかの実施形態では、プロモーターは外因性プロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーターは誘導性プロモーターである。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞または哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、細菌細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、酵母細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、昆虫細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、哺乳動物細胞である。
【0176】
開示されている核酸分子は、例えば、ヌクレオチド、または、例えば、ヌクレオチド類似体もしくはヌクレオチド置換体のような非天然ヌクレオチドもしくは修飾ヌクレオチドを含むことができる。そのようなヌクレオチドには、修飾された塩基、糖、もしくはリン酸基を含有するヌクレオチド、またはその構造内に非天然部分を組み込んでいるヌクレオチドが含まれる。非天然ヌクレオチドの例には、ジデオキシヌクレオチド、ビオチン化ヌクレオチド、アミノ化ヌクレオチド、脱アミノ化ヌクレオチド、アルキル化ヌクレオチド、ベンジル化ヌクレオチド、及び蛍光色素分子標識ヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0177】
本明細書で開示されている核酸分子は、1以上のヌクレオチド類似体またはヌクレオチド置換体を含むこともできる。ヌクレオチド類似体は、塩基、糖、またはリン酸の部分のいずれかに対する修飾を含有するヌクレオチドである。塩基部分に対する修飾には、A、C、G、及びT/Uの天然修飾及び合成修飾、ならびに、例えばシュードウリジン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、及び2-アミノアデニン-9-イルのようなさまざまなプリン塩基またはピリミジン塩基が挙げられるが、これらに限定されない。修飾された塩基には、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6-メチル誘導体及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2-プロピル誘導体及び他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル及びシトシン、5-プロピニルウラシル及びシトシン、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル及び他の8-置換のアデニン及びグアニン、5-ハロ(例えば、5-ブロモ)、5-トリフルオロメチル及び他の5-置換のウラシル及びシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン及び3-デアザアデニンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0178】
ヌクレオチド類似体は糖部分の修飾を含むこともできる。糖部分に対する修飾には、リボース及びデオキシリボースの天然修飾、ならびに合成修飾が挙げられるが、これらに限定されない。糖修飾には、2’位における次の修飾:OH;F;O-、S-、またはN-アルキル;O-、S-、またはN-アルケニル;O-、S-またはN-アルキニル;またはO-アルキル-O-アルキルが挙げられるが、これらに限定されず、その際、アルキル、アルケニル、及びアルキニルは置換または非置換のC1~10アルキルまたはC2~10アルケニル、及びC2~10アルキニルであってもよい。例示的な2’糖修飾には、-O[(CH2)nO]mCH3、-O(CH2)nOCH3、-O(CH2)nNH2、-O(CH2)nCH3、-O(CH2)n-ONH2、及び-O(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2(式中、n及びmは独立して1~約10である)も挙げられるが、これらに限定されない。2’位における他の修飾には、C1~10アルキル、置換された低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリルまたはO-アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を改善するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、及び同様の特性を有する他の置換基が挙げられるが、これらに限定されない。同様の修飾を、糖における他の位置で、特に3’末端ヌクレオチドまたは2’-5’結合オリゴヌクレオチドにおける糖の3’位、及び5’末端ヌクレオチドの5’位で行ってもよい。修飾された糖は、CH2及びSのような架橋環酸素での修飾を含有するものも含むことができる。ヌクレオチド糖類似体はペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分のような糖模放体を有することもできる。
【0179】
ヌクレオチド類似体はリン酸部分にて修飾することもできる。修飾されたリン酸部分には、2つのヌクレオチド間の結合が、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルホスホネートならびに3’-アルキレンホスホネート及びキラルホスホネートを含む他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3’-アミノホスホルアミデート及びアミノアルキルホスホルアミデートを含むホスホルアミデート、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、ならびにボラノホスフェートを含有するように修飾することができるものが挙げられるが、これらに限定されない。2つのヌクレオチド間のこうしたリン酸結合または修飾リン酸結合は、3’-5’結合または2’-5’結合を介することができ、結合は3’-5’から5’-3’または2’-5’から5’-2’のような逆極性を含有することができる。種々の塩、混合塩、及び遊離酸の形態も含まれる。ヌクレオチド置換体にはペプチド核酸(PNA)も含まれる。
【0180】
本開示は、本明細書で開示されている核酸分子のいずれか1以上を含むベクターも提供する。いくつかの実施形態では、ベクターは、本明細書で開示されている核酸分子のいずれか1以上と異種核酸とを含む。ベクターは、核酸分子を輸送することが可能なウイルスベクターまたは非ウイルスベクターであり得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、プラスミドまたはコスミド(例えば追加のDNAセグメントがライゲーションされ得る環状二本鎖DNAなど)である。いくつかの実施形態では、ベクターは、追加のDNAセグメントがウイルスゲノムにライゲーションされ得る、ウイルスベクターである。発現ベクターとしては、プラスミド、コスミド、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、植物ウイルス、例えば、カリフラワーモザイクウイルス及びタバコモザイクウイルス、酵母人工染色体(YAC)、エプスタイン・バー(EBV)由来エピソーム、ならびに当該技術分野で既知の他の発現ベクターが挙げられるが、これらに限定されない。
【0181】
哺乳動物宿主細胞発現のために所望される調節配列としては、例えば哺乳動物細胞における高レベルのポリペプチド発現を指令するウイルスエレメント、例えばレトロウイルスLTR、サイトメガロウイルス(CMV)(例えばCMVプロモーター/エンハンサーなど)、シミアンウイルス40(SV40)(例えばSV40プロモーター/エンハンサーなど)、アデノウイルス(例えばアデノウイルス主要後期プロモーター(AdMLP)など)、ポリオーマに由来するプロモーター及び/またはエンハンサー、ならびに強力な哺乳動物プロモーター、例えば、ネイティブ免疫グロブリンプロモーター及びアクチンプロモーターが挙げられ得る。細菌細胞または真菌細胞(例えば酵母細胞など)中でポリペプチドを発現させる方法も周知である。プロモーターは、例えば構成的活性化プロモーター、コンディショナルプロモーター、誘導性プロモーター、時間的に制限されたプロモーター(例えば発生的に調節されたプロモーターなど)、または空間的に制限されたプロモーター(例えば細胞特異的または組織特異的プロモーターなど)であり得る。
【0182】
核酸分子内のヌクレオチド配列またはポリペプチド内のアミノ酸配列の特定の区間の間での同一性パーセント(%)(または相補性パーセント)は、BLASTプログラム(塩基局所配列比較検索ツール)とPowerBLASTプログラム(Altschul et al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403-410;Zhang and Madden,Genome Res.,1997,7,649-656)を用いて、または、SmithとWatermanのアルゴリズム(Adv.Appl.Math.,1981,2,482-489)を使用するデフォルト設定を用いたGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix(登録商標),Genetics Computer Group,University Research Park, Madison Wis.)を用いて日常的に決定することができる。本明細書において、配列同一性パーセントに言及している場合、配列同一性パーセントは低いよりも高い方が好ましい。
【0183】
本開示はまた、本明細書で開示されている単離された核酸分子、ゲノム核酸分子、mRNA分子、及び/またはcDNA分子のうちの1以上を含む組成物も提供する。いくつかの実施形態では、組成物は医薬組成物である。いくつかの実施形態では、組成物は担体及び/または賦形剤を含む。担体の例には、ポリ(乳酸)(PLA)ミクロスフェア、ポリ(D,L-乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)ミクロスフェア、リポソーム、ミセル、逆ミセル、脂質コクリエート、及び脂質微小管が挙げられるが、これらに限定されない。担体は、PBS、HBSSなどのような緩衝化塩溶液を含んでもよい。
【0184】
本明細書で使用されるとき、「に対応する」という表現またはその文法的変形は、特定のヌクレオチドまたはヌクレオチドの配列もしくは位置の番号付けの文脈で使用される場合、その特定のヌクレオチドまたはヌクレオチドの配列を参照配列(例えば、配列番号1、配列番号3、または配列番号19)と比べたときの指定された参照配列の番号付けを指す。言い換えれば、特定のポリマーの残基(例えば、ヌクレオチドまたはアミノ酸)の番号または残基(例えば、ヌクレオチドまたはアミノ酸)の位置は、その特定のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列の範囲内でのその残基の実際の位置番号によってではなく、参照配列を基準として指定される。例えば、特定のヌクレオチド配列は、ギャップを導入して、2つの配列間の残基の一致を最適化することによって参照配列に対して並べることができる。これらの場合では、ギャップは存在するが、その特定のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列における残基の番号付けはそれが並べられている参照配列を基準にして行われる。
【0185】
例えば、ヌクレオチド配列が配列番号2に記載の176,867位に対応する位置にてシトシンを含む、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むST6GALNAC5ミスセンス核酸分子は、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子のヌクレオチド配列が配列番号2の配列に対して並べられれば、ST6GALNAC5の配列が配列番号2の176,867位に対応する位置にてシトシン残基を有することを意味する。同様のことが、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むST6GALNAC5ミスセンスmRNA分子であって、該ヌクレオチド配列が配列番号11に記載の600位に対応する位置にてシトシンを含むmRNA分子にも当てはまり、且つST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むST6GALNAC5ミスセンスcDNA分子であって、該ヌクレオチド配列が配列番号27に記載の600位に対応する位置にてシトシンを含むcDNA分子にも当てはまる。言い換えれば、これらの表現は、ST6GALNAC5ポリペプチドをコードする核酸分子であって、ゲノム核酸分子が、配列番号2の176,867位のシトシン残基に相同であるシトシン残基を含むヌクレオチド配列を有する(または、mRNA分子が、配列番号11の600位のシトシン残基に相同であるシトシン残基を含むヌクレオチド配列を有するか、または、cDNA分子が、配列番号27の600位のシトシン残基に相同であるシトシン残基を含むヌクレオチド配列を有する)、核酸分子を指す。
【0186】
本明細書に記載されているように、配列番号2に記載の176,867位に対応するST6GALNAC5ミスセンスゲノム核酸分子内の位置は、例えば、特定のST6GALNAC5核酸分子のヌクレオチド配列と配列番号2のヌクレオチド配列との間で配列比較を行うことによって特定することができる。例えば、配列番号2の176,867位に対応するヌクレオチドの位置を特定するために配列比較を行うのに使用することができる種々のコンピューターアルゴリズムが存在する。例えば、NCBI BLASTアルゴリズム(Altschul et al.,Nucleic Acids Res.,1997,25,3389-3402)またはCLUSTALWソフトウェア(Sievers and Higgins,Methods Mol.Biol.,2014,1079,105-116)を使用することによって配列比較を実施してもよい。しかしながら、配列を手動で並べることもできる。
【0187】
ST6GALNAC5基準ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号35(アイソフォーム1)、配列番号36(アイソフォーム2)、配列番号37(アイソフォーム3)、及び配列番号38(アイソフォーム4)に記述されている。配列番号35(アイソフォーム1)を参照して、ST6GALNAC5基準ポリペプチドは336アミノ酸長である。配列番号35を参照して、135位はバリンである。配列番号36(アイソフォーム2)を参照して、ST6GALNAC5基準ポリペプチドは146アミノ酸長である。配列番号36を参照して、45位はバリンである。配列番号37(アイソフォーム3)を参照して、ST6GALNAC5基準ポリペプチドは246アミノ酸長である。配列番号37を参照して、45位はバリンである。配列番号38(アイソフォーム4)を参照して、ST6GALNAC5基準ポリペプチドは236アミノ酸長である。配列番号38を参照して、135位はバリンである。
【0188】
ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号39(アイソフォーム1;Val135Ala)、配列番号40(アイソフォーム2;Val45Ala)、配列番号41(アイソフォーム3;Val45Ala*)、及び配列番号42(アイソフォーム4;Val135Ala*)に記述されている。配列番号39を参照して、135位はアラニンである。配列番号40を参照して、45位はアラニンである。配列番号41を参照して、45位はアラニンである。配列番号42を参照して、135位はアラニンである。
【0189】
添付の配列表に列挙されているヌクレオチド配列及びアミノ酸配列は、ヌクレオチド塩基の標準的な略記及びアミノ酸の3文字表記を用いて示されている。ヌクレオチド配列は、配列の5’末端での開始から3’末端の方に(すなわち、各配列において左から右に)進む標準的な慣例に従う。各ヌクレオチド配列の片方の鎖のみが示されているが、示されている鎖の参照によって相補鎖が含まれるものと理解される。アミノ酸配列は、配列のアミノ末端での開始からカルボキシ末端の方に(すなわち、各配列において左から右に)進む標準的な慣例に従う。
【0190】
本開示はまた、認知障害を治療または予防する治療剤であって、本明細書に記載されているST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体ゲノム核酸分子、ミスセンス変異体mRNA分子、及び/またはミスセンス変異体cDNA分子のいずれかを有する対象における認知障害の治療に使用するための(または認知障害を治療するための薬物の調製において使用するための)、治療剤も提供する。認知障害を治療または予防する治療剤は、本明細書に記載されている認知障害を治療または予防する治療剤のいずれでもよい。
【0191】
いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするゲノム核酸分子であって、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、ゲノム核酸分子を有すると特定される。
【0192】
いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするmRNA分子であって、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、mRNA分子を有すると特定される。
【0193】
いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするcDNA分子であって、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、cDNA分子を有すると特定される。
【0194】
いくつかの実施形態では、対象は、i)ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、該ヌクレオチド配列が、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、ゲノム核酸分子;ii)ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、該ヌクレオチド配列が:配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;もしくは配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、mRNA分子;またはiii)ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、該ヌクレオチド配列が:配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;もしくは配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、cDNA分子を有すると特定される。
【0195】
いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、該ヌクレオチド配列が、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含む、ゲノム核酸分子を有すると特定される。
【0196】
いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、該ヌクレオチド配列が:配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、mRNA分子を有すると特定される。
【0197】
いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、該ヌクレオチド配列が:配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、cDNA分子を有すると特定される。
【0198】
いくつかの実施形態では、対象は、配列番号39に記載の135位に対応する位置におけるアラニン、配列番号40に記載の45位に対応する位置におけるアラニン、配列番号41に記載の45位に対応する位置におけるアラニン、または配列番号42に記載の135位に対応する位置におけるアラニンを含む、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドを有すると特定される。
【0199】
本開示はまた、ST6GALNAC5阻害剤であって、本明細書に記載されているST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするST6GALNAC5ミスセンス変異体ゲノム核酸分子、ミスセンス変異体mRNA分子、及び/またはミスセンス変異体cDNA分子のいずれかについてヘテロ接合型である対象、またはST6GALNAC5ゲノム核酸分子、mRNA分子、もしくはcDNA分子について基準である対象における認知障害の治療に使用するための(または認知障害を治療するための薬物の調製において使用するための)、ST6GALNAC5阻害剤も提供する。ST6GALNAC5阻害剤は、本明細書に記載されているST6GALNAC5阻害剤のいずれでもよい。
【0200】
いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子、ST6GALNAC5 mRNA分子、またはST6GALNAC5 cDNA分子について基準である。いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5ゲノム核酸分子について基準である。いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5 mRNA分子について基準である。いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5 cDNA分子について基準である。
【0201】
いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするゲノム核酸分子であって、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、ゲノム核酸分子についてヘテロ接合型であると特定される。
【0202】
いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするmRNA分子であって、配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、mRNA分子についてヘテロ接合型であると特定される。
【0203】
いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするcDNA分子であって、配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含むヌクレオチド配列を有する、cDNA分子についてヘテロ接合型であると特定される。
【0204】
いくつかの実施形態では、対象は、i)ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、該ヌクレオチド配列が、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、ゲノム核酸分子;ii)ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、該ヌクレオチド配列が:配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;もしくは配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、mRNA分子;またはiii)ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、該ヌクレオチド配列が:配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;もしくは配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、cDNA分子についてヘテロ接合型であると特定される。
【0205】
いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するゲノム核酸分子であって、該ヌクレオチド配列が、配列番号2に記載の176,867位に対応する位置におけるシトシンまたはその相補体を含む、ゲノム核酸分子についてヘテロ接合型であると特定される。
【0206】
いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するmRNA分子であって、該ヌクレオチド配列が:配列番号11に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号12に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号13に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号14に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号15に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号16に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号17に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号18に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、mRNA分子についてヘテロ接合型であると特定される。
【0207】
いくつかの実施形態では、対象は、ST6GALNAC5の予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するcDNA分子であって、該ヌクレオチド配列が:配列番号27に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号28に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号29に記載の562位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号30に記載の515位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号31に記載の579位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号32に記載の416位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;配列番号33に記載の639位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体;または配列番号34に記載の600位に対応する位置におけるシトシンもしくはその相補体を含む、cDNA分子についてヘテロ接合型であると特定される。
【0208】
上記または下記で引用されている特許文書、ウェブサイト、他の刊行物、受入番号などはすべて、個々の文献が具体的且つ個別に参照によってそのように組み込まれることが指示されている場合と同じ程度に、あらゆる目的のためにその全体が参照によって組み込まれる。配列のさまざまなバージョンが異なる時点での受入番号に関連付けられている場合、本出願の有効出願日での受入番号に関連付けられているバージョンを意味する。有効出願日とは、該当する場合、その受入番号について言及している実際の出願日または優先権主張出願の出願日のうちの早い方を意味する。同様に、異なるバージョンの刊行物、ウェブサイトなどが異なる時点で公開されている場合、特に指示されない限り、出願の有効出願日において最後に公開されたバージョンを意味するものとする。本開示のいずれの特徴、工程、要素、実施形態、または態様も、特に指示されない限り、任意の他の特徴、工程、要素、実施形態、または態様と組み合わせて使用することができる。明瞭性及び理解を目的として本開示を説明及び実例として多少詳細に説明してきたが、特定の変更及び改変が添付のクレームの範囲内で実施されてもよいことは明らかであろう。
【0209】
以下の実施例は、実施形態をさらに詳細に説明するために提供されている。これらは、特許請求する実施形態を例示することを意図しており、限定することを意図していない。以下の実施例は、本明細書に記載されている化合物、組成物、物品、装置及び/または方法がどのように作製され、且つ評価されるかについての開示及び説明を当業者に提供し、単に例示的なものであるように意図されており、いかなるクレームの範囲も限定するようには意図されていない。数(例えば、量、温度など)については、精度を確保するように努めてきたが、ある程度の誤差及び偏差が考慮され得る。特に指示されない限り、部は重量部であり、温度は℃または周囲温度であり、圧力は大気圧またはほぼ大気圧である。
【実施例】
【0210】
実施例1:脳イメージング形質との稀な変異体の関連
454,787のUKB試験参加者のエクソームが配列決定され、すでに記載されている通り標的塩基の95.8%が20倍以上の深さでカバーされた(Szustakowski,Advancing Human Genetics Research and Drug Discovery through Exome Sequencing of the UK Biobank.bioRxiv,2021;及びVan Hout et al.,Nature,2020)。18,659遺伝子のコード領域にわたって3900万の塩基対において1200万個の変異体が特定された(データは示されていない)。特定された変異体の中には、3,375,252(被験者あたりの中央値は10,260)の同義変異体、7,689,495(被験者あたり9,284)のミスセンス変異体、及び889,957(被験者あたり212)の推定機能喪失(pLOF)変異体(データは示されていない)があり、これらのうち約半分は、このデータセットで1回しか観察されなかった(シングルトン変異体;データは示されていない)。
【0211】
36,968人の被験者を含むUK Biobankのイメージング成分を分析した。GWASシグナルを条件として、磁気共鳴イメージング(MRI)から導出された2,077の脳イメージング表現型に対してエクソームワイド関連分析を行い、共通変異体シグナルから稀な変異体の関連を分離した。全体として、52個の遺伝子との343個の関連がP≦10-7で発見され、より保守的な有意性閾値のP≦10-10では7個の遺伝子との98個の関連が発見された(データは示されていない)。形質を増加させる、GWCとの最も強い関連は、ST6GALNAC5における有害なミスセンス変異体とのものであった(rs756654226、9人のキャリア;効果=1.7SD単位、95%CI 1.1~2.4、P=8.2×10-8)。これは、脳における特定のガングリオシドの相対的存在量が、年齢と共に、またハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脳卒中、多発性硬化症及びてんかんを含む一般的な神経学的病態において変化するという最新の証拠と一致する。
【0212】
本明細書に記載されているものに加えて、記載されている主題の種々の修正は前述の説明から当業者には明らかとなるであろう。そのような修正は添付のクレームの範囲内に入るようにも意図されている。本出願で引用されている各参考文献(雑誌記事、米国及び米国以外の特許、特許出願刊行物、国際特許出願刊行物、遺伝子バンク受入番号などを含むが、これらに限定されない)は、その全体が且つすべての目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。
【配列表】
【国際調査報告】