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特表2024-524557ポート用の一体型カテーテルロック機構
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】ポート用の一体型カテーテルロック機構
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/02 20060101AFI20240628BHJP
   A61M 39/04 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A61M39/02 112
A61M39/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500287
(86)(22)【出願日】2021-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 US2021040729
(87)【国際公開番号】W WO2023282899
(87)【国際公開日】2023-01-12
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521442637
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107249
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 恭久
(72)【発明者】
【氏名】アンダーセン、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】フィウメフレッド、ダイアナ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、イアン エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ホイ、ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】デンスリー、ブライオン レイ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066JJ01
(57)【要約】
本明細書に開示の実施形態は、カテーテルの外面に係合してカテーテルをポートのステムに固定するように構成された一体型カスロック機構、又は類似の医療デバイスを対象としている。係合構造は、複数のフィン又はOリングを含む。カスロック機構は、ステムの周りに環状に設けられかつロック解除構成とロック構成との間で移行するように構成された係合構造を含む。カスロック機構は、ロック構成に向かって付勢されている。タブは、カスロック機構に選択的に係合することができ、カスロック機構をロック解除構成に維持することができる。カテーテルをカスロック機構内にステム上に押し付けることで、締まり嵌めでステムに係合させることができる。その後、ユーザは、タブを取り外して、カスロック機構をロック構成へと移行させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルをポートに結合するためのロック機構であって、
長手方向軸線に沿って延びているステムであって、ステムの遠位端がカテーテルの管腔に係合するように構成され、ステムの近位端がポートに結合された、ステムと、
カテーテルに係合するように構成された係合構造を有するカスロックであって、開構成と閉構成との間で移行可能であり、閉構成になるように付勢される、カスロックと、
カスロックに係合して係合構造を開構成に維持するように構成されたタブであって、係合構造を開構成から閉構成に移行させるためにカスロックから選択的に取り外し可能な、タブと
を含む、ロック機構。
【請求項2】
請求項1に記載のロック機構において、
カスロックは、ポートと一体的に形成される、ロック機構。
【請求項3】
請求項2に記載のロック機構において、
カスロックは、ポートの本体から延びており凹部を画定するカウルを含み、凹部はカウルの遠位先端部から長手方向に延びており、その内部に配置されたステムを含む、ロック機構。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか一項に記載のロック機構において、
係合構造は、半径方向内向きに延びており半径方向外向きの開構成に弾性変形可能な1つ以上のフィンを含む、ロック機構。
【請求項5】
請求項4に記載のロック機構において、
1つ以上のフィンは、長手方向軸線に対してある角度で延びており、長手方向軸線に対して垂直に延びているか、又はポートに向かって近位方向に延びている、ロック機構。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のロック機構において、
閉構成における1つ以上のフィンの縁は、ステムの外径以下の直径を画定する、ロック機構。
【請求項7】
請求項4又は5に記載のロック機構において、
閉構成における1つ以上のフィンの縁は、ステムの外径より大きくかつカテーテルの外径より小さい直径を画定する、ロック機構。
【請求項8】
請求項4~7のうちいずれか一項に記載のロック機構において、
1つ以上のフィンは、カスロック内の第1の長手方向位置に配置された第1の一連のフィンと、第1の長手方向位置とは異なるカスロック内の第2の長手方向位置に配置された第2の一連のフィンとを含む、ロック機構。
【請求項9】
請求項8に記載のロック機構において、
第1の一連のフィンの第1のフィンは、長手方向軸線に沿って第2の一連のフィンの第1のフィンと位置合わせされる、ロック機構。
【請求項10】
請求項8に記載のロック機構において、
第1の一連のフィンの第1のフィンは、ステムの長手方向軸線の周りで第2の一連のフィンの第1のフィンからオフセットされる、ロック機構。
【請求項11】
請求項4~10のうちいずれか一項に記載のロック機構において、
1つ以上のフィンのうちの1つのフィンは、ステムの軸線を中心として360°の円弧距離にわたって延びている、ロック機構。
【請求項12】
請求項4~10のうちいずれか一項に記載のロック機構において、
1つ以上のフィンのうちの1つのフィンは、ステムの軸線を中心として360°未満の円弧距離にわたって延びている、ロック機構。
【請求項13】
請求項1~3のうちいずれか一項に記載のロック機構において、
係合構造は、ステムの軸線の周りに環状に延びており半径方向外向きの開構成に弾性変形可能なOリングを含む、ロック機構。
【請求項14】
請求項13に記載のロック機構において、
閉構成におけるOリングは、カテーテルの外径未満の内径を画定する、ロック機構。
【請求項15】
請求項1~14のうちいずれか一項に記載のロック機構において、
タブは、カスロックから取り外された後、カスロックに再係合して、カスロックを閉位置から開位置に移行させるように構成される、ロック機構。
【請求項16】
請求項1~15のうちいずれか一項に記載のロック機構において、
タブは、タブをカスロックに結合する脆弱ブリッジを含み、脆弱ブリッジは、タブがカスロックから選択的に取り外されるときに分離するように構成される、ロック機構。
【請求項17】
請求項1~16のうちいずれか一項に記載のロック機構において、
タブは、長手方向に延びておりタブ管腔を画定するシャフトを含み、タブ管腔の内径は、カテーテルの外径よりも大きい、ロック機構。
【請求項18】
請求項17に記載のロック機構において、
タブは、長手方向に延びておりタブの外面とタブ管腔との間で連通する細長い開口部を含み、細長い開口部は、タブ管腔に対するカテーテルの進入又は退出を可能にするように構成される、ロック機構。
【請求項19】
請求項18に記載のロック機構において、
細長い開口部は、カテーテルの外径未満の幅を画定する、ロック機構。
【請求項20】
請求項18に記載のロック機構において、
細長い開口部は、カテーテルの外径以上の幅を画定する、ロック機構。
【請求項21】
請求項17~20のうちいずれか一項に記載のロック機構において、
タブは、更に、シャフトの遠位端から延びており長手方向軸線に垂直でありかつタブの把持を容易にするように構成されたハンドルを含む、ロック機構。
【請求項22】
カテーテルをポートに結合する方法であって、
カテーテルをポートのステム上に押し付けて、カテーテルを締まり嵌めでステムに係合させるステップと、
カスロック機構からプルタブを取り外すステップであって、カスロック機構がロック構成に向かって付勢されており、プルタブがカスロック機構に係合し、かつカスロック機構をロック解除構成に維持するように構成されている、ステップと、
カスロック機構をロック構成に移行させるステップと
を含む、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、
カスロック機構は、ポートと一体的に形成される、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、
カスロック機構は、ポートの本体から延びており凹部を画定するカウルを含み、凹部は、カウルの遠位先端部から長手方向に延びており、その内部に配置されたステムを含む、方法。
【請求項25】
請求項22~24のうちいずれか一項に記載の方法において、
カスロック機構は、半径方向内向きに延びており半径方向外向きのロック解除構成に弾性変形可能な1つ以上のフィンを含む、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、
ロック構成における1つ以上のフィンの縁は、カテーテルの外径以下の直径を画定する、方法。
【請求項27】
請求項22~24のうちいずれか一項に記載の方法において、
係合構造は、ステムの軸線の周りに環状に延びており半径方向外向きのロック解除構成に弾性変形可能であるOリングを含む、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、
ロック構成におけるOリングは、カテーテルの外径未満の内径を画定する、方法。
【請求項29】
請求項22~28のうちいずれか一項に記載の方法は、更に、
タブをカスロックに再係合させて、カスロックをロック位置からロック解除位置に移行させるステップを含む、方法。
【請求項30】
請求項22~29のうちいずれか一項に記載の方法において、
タブをカスロック機構から取り外す前に、タブをカスロックに結合している脆弱ブリッジを切り離すステップをさらに含む、方法。
【請求項31】
請求項22~30のうちいずれか一項に記載の方法は、更に、
タブの細長い開口部を通してカテーテルを押すステップを含み、
細長い開口部は、タブ管腔と連通している、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法において、
細長い開口部は、カテーテルの外径未満の幅を画定する、方法。
【請求項33】
請求項17~20のうちいずれか一項に記載の方法において、
タブは、更に、長手方向軸線に垂直に延びておりタブをカスロック機構から取り外すことを容易にするように構成されたハンドルを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポート用の一体型カテーテルロック機構に関する。
【背景技術】
【0002】
簡潔に要約すると、本明細書に開示される実施形態は、カテーテルの近位端をポートのステム又は同様の医療デバイスに結合するように構成された一体型カテーテルロック(「カスロック」)機構を対象とする。
【0003】
近位方向にトリミング可能なカテーテルは、カテーテルの留置後のサイズ調整を可能にする。カテーテル及びポートアセンブリを留置するとき、カテーテルの遠位先端部の位置は、治療の有効性にとって重要であり得る。例えば、上大静脈内にカテーテルを留置するとき、カテーテルの遠位先端部が標的領域に届かない場合、薬剤の有効性が低下する。遠位先端部が深くまで前進し過ぎている場合、遠位先端部は、不整脈を引き起こす可能性がある。標的位置と、血管系への挿入部位と、ポートの位置との間の距離が、患者間及び手技間で変動し得るため、カテーテルの遠位先端部とポートとの間の距離が変動し得る。留置前にカテーテルの長さを推定することは、遠位先端部の誤留置をもたらすエラーにつながる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近位方向にトリミング可能なカテーテルは、カテーテルの近位部分を正しい長さにトリミングする前に、カテーテルの遠位先端部を標的位置に留置することを可能にする。次いで、臨床医は、カテーテルを皮下ポート、又は同様のアクセスデバイスに取り付けることができる。しかしながら、カテーテルをポートに固定することは困難であり得る。接続は、特に高圧注入の下で、漏れ防止でなければならない。さらに、皮下アクセス部位の閉鎖された湿潤環境内でカテーテル及びポートを操作することは、滑り、アクセス部位への過度の外傷、又はカテーテル遠位先端部の誤留置につながり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示されるのは、カテーテルをポートに結合するためのロック機構であり、このロック機構は、長手方向軸線に沿って延びているステムであって、ステムの遠位端がカテーテルの管腔に係合するように構成され、ステムの近位端がポートに結合された、ステムと、カスロックであって、カテーテルに係合するように構成され、開構成と閉構成との間で移行可能であり、閉構成になるように付勢される係合構造を有する、カスロックと、カスロックに係合して係合構造を開構成に維持するように構成されたタブであって、係合構造を開構成から閉構成に移行させるためにカスロックから選択的に取り外し可能な、タブと、を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、カスロックは、ポートと一体的に形成される。いくつかの実施形態では、カスロックは、ポートの本体から延びており凹部を画定するカウルを含み、凹部はカウルの遠位先端部から長手方向に延びており、その内部に配置されたステムを含む。いくつかの実施形態では、係合構造は、半径方向内向きに延びており半径方向外向きの開構成に弾性変形可能な1つ以上のフィンを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のフィンは、長手方向軸線に対してある角度で延びており、長手方向軸線に対して垂直に延びているか又はポートに向かって近位方向に延びているかのいずれかである。
【0007】
いくつかの実施形態では、閉構成における1つ以上のフィンの縁は、ステムの外径以下の直径を画定する。いくつかの実施形態では、閉構成における1つ以上のフィンの縁は、ステムの外径より大きく、かつカテーテルの外径より小さい直径を画定する。いくつかの実施形態では、1つ以上のフィンは、カスロック内の第1の長手方向位置に配置された第1の一連のフィンと、第1の長手方向位置とは異なるカスロック内の第2の長手方向位置に配置された第2の一連のフィンとを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1の一連のフィンの第1のフィンは、長手方向軸線に沿って第2の一連のフィンの第1のフィンと位置合わせされる。いくつかの実施形態では、第1の一連のフィンの第1のフィンは、ステムの長手方向軸線の周りで第2の一連のフィンの第1のフィンからオフセットされる。いくつかの実施形態では、1つ以上のフィンのうちの1つのフィンは、ステムの軸線を中心として360°の円弧距離にわたって延びている。いくつかの実施形態では、1つ以上のフィンのうちの1つのフィンは、ステムの軸線を中心として360°未満の円弧距離にわたって延びている。いくつかの実施形態では、係合構造は、ステムの軸線の周りに環状に延びており半径方向外向きの開構成に弾性変形可能なOリングを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、閉構成におけるOリングは、カテーテルの外径未満の内径を画定する。いくつかの実施形態では、タブは、カスロックから取り外された後、カスロックに再係合して、カスロックを閉位置から開位置に移行させるように構成される。いくつかの実施形態では、タブは、タブをカスロックに結合する脆弱ブリッジを含み、この脆弱ブリッジは、タブがカスロックから選択的に取り外されるときに分離するように構成される。いくつかの実施形態では、タブは、長手方向に延びておりタブ管腔を画定するシャフトを含み、タブ管腔の内径は、カテーテルの外径よりも大きい。
【0010】
いくつかの実施形態では、タブは、長手方向に延びておりタブの外面とタブ管腔との間で連通する細長い開口部を含み、細長い開口部は、タブ管腔に対するカテーテルの進入又は退出を可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、細長い開口部は、カテーテルの外径未満の幅を画定する。いくつかの実施形態では、細長い開口部は、カテーテルの外径以上の幅を画定する。いくつかの実施形態では、タブは、シャフトの遠位端から延びており、長手方向軸線に垂直である、タブの把持を容易にするように構成されたハンドルをさらに含む。
【0011】
また、カテーテルをポートに結合する方法が開示され、この方法は、カテーテルをポートのステム上に押し付けて、カテーテルを締まり嵌めでステムに係合させるステップと、カスロック機構からプルタブを取り外すステップであって、カスロック機構がロック構成に向かって付勢されており、プルタブがカスロック機構に係合し、かつカスロック機構をロック解除構成に維持するように構成されている、ステップと、カスロック機構をロック構成に移行させるステップとを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、カスロック機構は、ポートと一体的に形成される。いくつかの実施形態では、カスロック機構は、ポートの本体から延びており凹部を画定するカウルを含み、凹部は、カウルの遠位先端部から長手方向に延びており、その内部に配置されたステムを含む。いくつかの実施形態では、カスロック機構は、半径方向内向きに延びており半径方向外向きのロック解除構成に弾性変形可能な1つ以上のフィンを含む。いくつかの実施形態では、ロック構成における1つ以上のフィンの縁は、カテーテルの外径以下の直径を画定する。
【0013】
いくつかの実施形態では、係合構造は、ステムの軸線の周りに環状に延びており半径方向外向きのロック解除構成に弾性変形可能であるOリングを含む。いくつかの実施形態では、ロック構成におけるOリングは、カテーテルの外径未満の内径を画定する。いくつかの実施形態では、本方法は、タブをカスロックに再係合させて、カスロックをロック位置からロック解除位置に移行させるステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、タブをカスロック機構から取り外す前に、タブをカスロックに結合している脆弱ブリッジを切り離すステップをさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本方法は、タブの細長い開口部を通してカテーテルを押すステップをさらに含み、細長い開口部は、タブ管腔と連通している。いくつかの実施形態では、細長い開口部は、カテーテルの外径未満の幅を画定する。いくつかの実施形態では、タブは、長手方向軸線に垂直に延びておりタブをカスロック機構から取り外すことを容易にするように構成されたハンドルをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示のより具体的な説明を、添付の図面に図示されるその特定の実施形態を参照して行う。これらの図面は本発明の代表的な実施形態のみを描いており、そのためその範囲を制限すると見なしてはならないことは認識される。本発明の例示的な実施形態を、添付の図面を使用することにより追加の特性および細部まで記述し説明する。
図1A】本明細書に開示される実施形態による、一体型カスロック機構を含むポートの斜視図を示す。
図1B】本明細書に開示される実施形態による、一体型カスロック機構を含むポートの断面斜視図を示す。
図2】本明細書に開示される実施形態による、一体型カスロック機構を含むポートの長手方向断面図を示す。
図3A】本明細書に開示される実施形態による、一体型カスロック機構の例示的な使用方法を示す。
図3B】本明細書に開示される実施形態による、一体型カスロック機構の例示的な使用方法を示す。
図3C】本明細書に開示される実施形態による、プルタブを含む一体型カスロック機構を示す。
図4A】本明細書に開示される実施形態による、一体型カスロック機構の横方向断面図を示す。
図4B】本明細書に開示される実施形態による、一体型カスロック機構の横方向断面図を示す。
図5A】本明細書に開示される実施形態による、一体型カスロック機構を含むポートの斜視図を示す。
図5B】本明細書に開示される実施形態による、図5Aのポートの平面図を示す。
図5C】本明細書に開示される実施形態による、図5Aのポートの遠位端から見た図を示す。
図6】本明細書に開示される実施形態による、プルタブの斜視図を示す。
図7A】本明細書に開示される実施形態による、一体型カスロック機構についての例示的な使用方法を示す。
図7B】本明細書に開示される実施形態による、一体型カスロック機構についての例示的な使用方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
いくつかの特定の実施形態をより詳細に開示する前に、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書において提示される概念の範囲を限定しないことを理解されたい。本明細書に開示される特定の実施形態は、その特定の実施形態から容易に切り離すことができ、本明細書に開示される複数の他の実施形態のうちの任意の実施形態の特徴と任意選択で組み合わせまたは置換することができる特徴を有する場合があることも理解されたい。
【0017】
本明細書で使用する用語に関しては、各用語はいくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、本明細書において提示される概念の範囲を限定しないということも理解されたい。序数(たとえば、第1、第2、第3等)は、一般的に、複数の特徴または工程の群の中で互いに異なる特徴または工程を区別または識別するために使用され、順番の限定または数的な限定を加えるものではない。たとえば、「第1」、「第2」、および「第3」の特徴または工程は、必ずしもこの順序で現れる必要はなく、またそのような特徴または工程を含む特定の実施形態は、必ずしも3つの特徴または工程に限定される必要はない。「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」等の表記は、便宜的に使用されており、たとえば、いかなる特定の固定的な位置、向き、または方向も意味するものではない。むしろ、こうした表記は、たとえば相対的な位置、向き、または方向を示すために使用される。文脈からそうでないことが明らかに示されていなければ、「a」、「an」、および「the」で表す単数形は、複数形を含む。
【0018】
「近位」に関しては、例えば、本明細書に開示されるカテーテルの「近位部分」または「近位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「近位長さ(proximal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、ニードルの「近位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの近位端を含むことができるが、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの近位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長さは、カテーテルの末端部分または末端長さではない。
【0019】
「遠位」に関しては、例えば、本明細書に開示されているカテーテルの「遠位部分」または「遠位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くにあるか、または患者内にあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「遠位長さ(distal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くまたは患者内にあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、ニードルの「遠位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くまたは患者内にあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端を含むことができるが、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの遠位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長さは、カテーテルの末端部分または末端長さではない。
【0020】
本明細書に説明される実施形態の説明を助けるために、図1A及び図1Bに示すように、長手軸はカテーテルの軸方向の長さに実質的に平行に延びている。横軸は長手軸に垂直に延び、横断軸は長手軸および横軸の両方に垂直に延びている。本明細書では、水平面が横軸と長手軸とに沿って延びている。垂直面が水平面と垂直に延びている。
【0021】
別途定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。
図1A図2は、カテーテル90をステム120に固定するように構成された一体型カテーテルロック(「カスロック」)機構130を含むポート100の一実施形態を示す。図1Aは、ポート100の斜視図を示す。図1B図2は、ポート100の長手方向断面図を示す。ポート100は、概して、リザーバ112を画定するポート本体110を含むことができ、その上に配置された針貫通可能隔壁114を含むことができる。隔壁114は、アクセス針によるリザーバ112への経皮的アクセスを提供するように構成されることができる。アクセス針は、皮膚表面及び下層組織を貫通することができ、針貫通可能隔壁114を貫通するように押され、リザーバ112にアクセスし、リザーバ112との流体連通を提供することができる。
【0022】
ポート100は、リザーバ112と流体連通するステム管腔122を画定するステム120をさらに含むことができる。一実施形態では、カテーテル90の近位端94は、ステム120を覆うように押され、リザーバ112とカテーテル90の管腔92との間に流体連通を提供することができる。カテーテル90の遠位先端部は、患者の血管系内に配置され、血管系との流体連通を提供することができる。皮下ポート100は例示的な医療デバイスであり、本明細書に開示される実施形態は、コンプライアントチューブが剛性ステムと流体結合されてそれらの間に流体連通を提供することを必要とする様々な医療デバイスと共に使用され得ることが理解されるであろう。
【0023】
一実施形態では、ポート100は、一体型カスロック機構130を含むことができる。カスロック機構130は、ポート本体110から遠位方向に延びておりステム120の周りに環状に延びているカウル132を含むことができる。一実施形態では、カウル132の遠位先端部は、ステム120の遠位先端部より近位にある点まで延びていてもよい。一実施形態では、カウル132の遠位先端部は、ステム120の遠位先端部より遠位にある点まで延びていてもよい。一実施形態では、カウル132の遠位先端及びステム120の遠位先端部は、本体110から等距離に延びていてもよい。
【0024】
一実施形態では、カウル132は、カウル132の遠位先端部から長手方向に延びている実質的に円筒形の凹部134を画定することができ、その内部に配置されたステム120を含むことができる。一実施形態では、凹部134は、実質的に円形又は楕円形の断面形状を画定することができる。しかしながら、他の断面形状もまた考えられる。一実施形態では、凹部134は、カテーテル90の外径(d2)よりも大きくすることができる直径(d1)を画定することができる。
【0025】
一実施形態では、カスロック機構130は、凹部134内に配置されかつカテーテル90の外面に係合してカテーテル90をステム120に固定するように構成された係合構造140をさらに含むことができる。係合構造140は、開構成又はロック解除構成と閉構成又はロック構成との間で移行するように構成されることができる。一実施形態では、係合構造140は、閉又はロック構成へと付勢されることができる。
【0026】
一実施形態では、係合構造140は、凹部134の内面から半径方向内向きに延びている1つ以上のフィン142を含むことができる。一実施形態では、1つ以上のフィン142は、プラスチック、ポリマー、エラストマー、金属、合金、複合材料などから形成されることができる。一実施形態では、1つ以上のフィン142は、中心長手方向軸線80に対してある角度で延びることができる。一実施形態では、1つ以上のフィン142は、中心軸線80に垂直に延びることができる。一実施形態では、1つ以上のフィン142は、ポート本体110に向かって、すなわち近位方向に、ある角度で延びることができる。一実施形態では、1つ以上のフィン142は、閉位置から開位置へと半径方向外向きに弾性変形するように構成されることができる。
【0027】
例示的な使用方法では、図3A図3Bに示すように、閉位置に向かって付勢された1つ以上のフィン142(図3A)を含むカスロック機構130を提供することができる。1つ以上のフィン142の各フィンは、基部144において凹部134の内壁に結合することができ、配置された縁146まで半径方向内向きに延びることができる。明確にするために、図3A図3Cは、ステム120のない係合構造140を示すことに留意されたい。しかしながら、理解されるように、ステム120は、凹部134を通って延び、カテーテル90と係合することができる。好都合なことに、ステム120は、カテーテル90の近位端94が押されて凹部134内に入るときにカテーテル90に柱状の支持を提供することができる。
【0028】
ユーザは、カテーテル90の近位端94を、押して凹部134内に入れて、1つ以上のフィン142を通過させることができる。カテーテル90は、1つ以上のフィン142を弾性変形させて、閉位置から開位置に移行させることができる(図3B)。一実施形態では、1つ以上のフィン142の各フィンは、1つ以上のフィン142が基部144を中心として枢動し閉位置と開位置との間で移行することを可能にするように構成されたヒンジ又はリビングヒンジによって、基部144において凹部134の内壁に結合されることができる。
【0029】
一実施形態では、カテーテル90は、押されてカスロック機構130の凹部134内に入ることができ、ステム120は、カテーテル90の管腔92に係合することができる。ステム120の外径は、カテーテル90の管腔92の内径と同じであるか、又はそれよりわずかに大きくすることができる。ステム120は、弾性材料又は剛性材料から形成することができる。カテーテル90は、コンプライアントな材料又は弾性変形可能な材料から形成することができる。したがって、カテーテル90は、ステム120を覆ってフィットするように弾性変形し、締まり嵌めでステム120に係合することができる。
【0030】
閉構成に向かって付勢された1つ以上のフィン142は、カテーテル90の外面に係合し、カテーテル90を外面にさらに固定することができる。一実施形態では、1つ以上のフィン142は、中心軸線80に垂直に延びることができ、かつカテーテル90をステム上に圧縮することができる一方で、例えば、カテーテル90をポート100から取り外して交換しようとする場合などでは、近位方向及び遠位方向の両方へのカテーテル90の移動を依然として可能にすることができる。一実施形態では、図3Aに示すように、1つ以上のフィン142は、ポート本体110に向かって、すなわち近位方向に、ある角度で延びることができる。好都合なことに、フィン142は、近位方向へのカテーテル90の移動を可能にすることができるが、遠位方向へのカテーテル90の移動を軽減し、ポート100からのカテーテル90の偶発的な係合解除を軽減することができる。
【0031】
一実施形態では、図3C図6に示されるように、カスロック機構は、係合構造を開又はロック解除構成に維持するように構成されたプルタブ(「タブ」)260をさらに含むことができる。
【0032】
カテーテル90は、本明細書に説明されるように、タブ260の管腔264内へ前進させられ、締まり嵌めでステム120に係合することができる。次いで、ユーザがハンドル270を把持してタブを遠位方向に押すことによって、タブ260を凹部134から取り除くことができる。一実施形態では、タブ260は、脆弱ブリッジ150によってカスロック機構130に解放可能に結合することができる。脆弱ブリッジ150は、タブ260がカスロック機構130から時期尚早に係合解除されることを防止することができる。タブ260を凹部134から遠位方向に押すことにより、脆弱なブリッジ150がカスロック機構130から分離され、タブ260を解放することができる。
【0033】
一実施形態では、カテーテル90がステム120と係合される前又は係合された後のいずれかに、タブ260が、カスロック機構130と再係合され、係合構造140をロック位置からロック解除位置に移行させることができる。例えば、カスロック機構130を含むポート100は、常時閉位置(図3A)にある係合構造140を備えることができる。ユーザは、タブ260を凹部134内に挿入して、係合構造140を閉位置から開位置に移行させることができる。次いで、カテーテル90をタブ260の管腔264内に挿入し、ステム120と係合させることができる。タブ260を取り外して、係合構造140を開位置から閉位置に移行させることができる。一実施形態では、タブ260は、タブ260がカテーテル90と選択的に係合又は係合解除することを可能にするように構成された細長い開口部272を含むことができる。一実施形態では、次いで、タブ260を凹部134内に再挿入し、係合構造を閉位置から開位置に移行させることができる。次いで、カテーテル90を遠位方向に押して、ステム120を係合解除し、カスロック機構130を係合解除することができる。
【0034】
一実施形態では、図4A図4Bに示すように、1つ以上のフィン142の各フィンは、中心軸線80を中心として円弧距離(θ)にわたって環状に延びることができる。一実施形態では、円弧距離(θ)は、5°~360°とすることができる。一実施形態では、第1の一連のフィン142Aは、凹部134内の第1の長手方向位置に配置することができ、中心軸線80の周りに半径方向に配置された1つ以上のフィンを含むことができる。第1の一連のフィン142Aの各フィンは、360°以下の円弧距離(θ)にわたって延びることができる。一実施形態では、第2の一連のフィン142Bは、凹部134内の、第1の長手方向位置とは異なる第2の長手方向位置に配置することができ、中心軸線80の周りに半径方向に配置された1つ以上のフィンを含むことができる。第2の一連のフィン142Aの各フィンは、360°以下の円弧距離(θ)にわたって延びることができる。
【0035】
一実施形態では、図4Aに示すように、第1の一連のフィン142Aの第1のフィンは、長手方向軸線に沿って第2の一連のフィン142Bの第1のフィンと位置合わせすることができる。すなわち、中心軸線80の周りの同じ半径方向位置に配置される。一実施形態では、図4Bに示すように、第1の一連のフィン142Aの第1のフィンは、長手方向軸線に沿って第2の一連のフィン142Bの第1のフィンから半径方向にオフセットすることができる。一実施形態では、第1の一連のフィン142Aのうちの1つのフィンの内側縁146は、第1の半径(r1)だけ半径方向内向きに延びることができ、第2の一連のフィン142Bのうちの1つのフィンの内側縁146は、第2の半径(r2)だけ半径方向内向きに延びることができる。第1の半径(r1)は、第2の半径(r2)と比べて、大きくても、小さくても、又は等しくてもよい。一実施形態では、1つ以上のフィン142の内側縁146は、ステム120の外径以上の直径を画定することができる。一実施形態では、1つ以上のフィン142の内側縁146は、カテーテル90の外径(d2)以下の直径を画定することができる。
【0036】
図5A図7Bは、Oリング係合構造240を有する一体型カスロック機構130を含むポート100の一実施形態を示す。ポート100は、リザーバ112と流体連通しているステム管腔122を画定するステム120を含むことができる。ポート100は、本明細書に説明されるように、ポート100から延びており、凹部134を画定するカウル132を含む一体型カスロック機構130をさらに含むことができ、ステム120を取り囲む。
【0037】
一実施形態では、カスロック機構130は、凹部134内に配置され中心軸線80の周りに環状に延びているOリング係合構造240をさらに含むことができる。Oリング係合構造240は、弾性変形可能な材料から形成された1つ以上のOリング242を含むことができ、このOリング242は、伸びた、開構成又はロック解除構成(図7A)と縮んだ、閉構成又はロック構成(図7B)との間で移行可能である。一実施形態では、Oリング242は、ロック構成に向かって付勢されることができる。
【0038】
一実施形態では、カスロック機構130は、本明細書に説明されるように、タブ260をさらに含むことができる。図6に示すように、タブ260は、遠位開口部266と近位開口部268との間で長手方向に延びている管腔264を画定するシャフト262を含むことができる。タブ260又はその一部は、プラスチック、ポリマー、金属、合金、複合材料などの、弾性材料又は剛性材料から形成することができる。一実施形態では、タブ管腔264の内径(d3)は、カテーテル90の外径(d2)よりも大きくすることができる。タブシャフト262の外径(d4)は、凹部134の内径(d1)よりも小さくすることができる。
【0039】
タブ260は、シャフト262の遠位端部に結合され長手方向軸線に垂直に延びているハンドル270をさらに含むことができる。ハンドル270は、ユーザがタブ260を操作することを可能にするように構成されることができる。一実施形態では、ハンドル270は、指ループ、突出部、当接部、隆起部などを含むことができ、又は、特に皮下留置の閉鎖された湿潤環境内でハンドル270を把持することを容易にするために、異なる摩擦係数を有する1つ以上の材料(例えば、シリコーンゴム)を含むことができる。一実施形態では、シャフト262は、凹部134内へ延び、Oリング242を貫通するように延びてOリング242を開構成に維持するように構成することができる。一実施形態では、シャフトの外径(d4)は、閉構成にあるOリング242の内径(d5)よりも大きくすることができる。
【0040】
一実施形態では、タブ260は、遠位開口部266と近位開口部268との間でタブ260の底面に沿って長手方向に延びておりタブ管腔264と連通している細長い開口部272をさらに含むことができる。一実施形態では、細長い開口部272は、カテーテル90の外径(d2)以上の横幅(w1)を画定することができる。したがって、細長い開口部272は、カテーテル90のタブ管腔264への/からの進入又は退出を可能にすることができる。一実施形態では、細長い開口部272の横幅(w1)は、カテーテル90の外径(d2)よりも小さくすることができる。したがって、カテーテル90は、細長い開口部272を通して押されることができ、カテーテル90は、弾性変形して、細長い開口部272を通過することができる。好都合なことに、横幅(w1)が外径(d2)より小さいことにより、タブ260がカテーテル90から意図せず係合解除することを防止することができる。一実施形態では、細長い開口部272が内部に配置されたタブ管腔264は、中心軸線80を中心として180°以上にわたって環状に延びている。
【0041】
例示的な使用方法では、本明細書に説明されるように、カスロック機構230を含むポート100を提供することができる。一実施形態では、カスロック機構130は、凹部134内に配置され係合構造240を開構成に維持するように構成されたタブ260をさらに含むことができる。例えば、図7Aに示すように、タブシャフト262が、凹部134内に長手方向に延びて、Oリング242を、ロック解除又は開構成、すなわち、タブシャフト262の外径(d4)まで半径方向外向きに弾性変形させることができる。
【0042】
一実施形態では、タブ260は、凹部134内に「事前装填」されることができ、すなわち、製造中に係合構造240と組み合わされることができ、係合構造240は、輸送及び保管中に開構成に維持される。好都合なことに、これにより、本明細書でより詳細に説明されるように、カスロック機構130は使用準備ができており、ユーザはカテーテルをステム120と係合させてタブ260を取り外すだけでよいため、使用中の結合プロセスを簡略化することができる。
【0043】
一実施形態では、タブ260は、カテーテル90と係合する前に臨床医によって組み立てられ、凹部134内に配置されてもよい。別の言い方をすれば、係合構造240は、輸送及び保管中は閉構成に維持され、使用直前に開位置に移行される。好都合なことに、これにより、係合構造が長期間にわたって応力がかかった状態に維持されないため、保管中の材料の疲労又は「クリープ」を軽減することができる。
【0044】
タブ260が係合構造240を開構成に維持した状態で、ユーザは、近位端94がステム120に係合するまで、カテーテル90を遠位開口部266を通ってタブ管腔264内へ長手方向に摺動させることができる。カテーテル90がステム120と係合した状態で、ユーザは、ハンドル270を把持してタブ260を遠位方向に押すことによって、タブ260を凹部134から取り外すことができる。タブ260が取り外されると、係合構造240は、開位置から閉位置に移行することができる。例えば、伸びた構成に弾性変形されたOリング242は、縮んだ又は閉構成(図7B)に戻ることができる。閉位置では、Oリング242は、カテーテル90の外面の周りで環状に締まることができ、カテーテル90をステム120上に固定する。
【0045】
次いで、タブ260は、凹部134から遠位方向に摺動されて出ることができ、カテーテル90が、長い開口部272を通して押され、ポート100/カテーテル90アセンブリを係合解除することができる。一実施形態では、タブ260は、細長い開口部272を通してカテーテル90の一部分を押すことによって、カテーテル90と再係合されることができる。次いで、タブ260をカテーテル90の外面に沿って近位方向に押して、カスロック機構130を再係合することができる。シャフト262の近位端は、カテーテル90と係合構造240との間でシャフト262を長手方向に押して係合構造240を閉位置から開位置に移行させることを容易にするために、面取り縁部を含むことができる。次いで、カテーテル90をステム120から係合解除することができる。
【0046】
いくつかの特定の実施形態が本明細書に開示されるとともに、特定の実施形態がある程度詳細に開示されているが、特定の実施形態は、本明細書で提供された概念の範囲を制限することを意図するものではない。追加的な適応および/または変更が当業者に理解され得る。より広い態様では、これらの適応および/または変更もまた包含される。したがって、本明細書で提供される概念の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される特定の実施形態から逸脱してよい。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
【国際調査報告】