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特表2024-524558最適化されたポートステム幾何学形状
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】最適化されたポートステム幾何学形状
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/14 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
A61M25/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500288
(86)(22)【出願日】2021-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-07
(86)【国際出願番号】 US2021040715
(87)【国際公開番号】W WO2023282896
(87)【国際公開日】2023-01-12
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521442637
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107249
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 恭久
(72)【発明者】
【氏名】アンダーセン、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】フィウメフレッド、ダイアナ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、イアン エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ホイ、ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】デンスリー、ブライオン レイ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267BB02
4C267BB12
4C267BB31
4C267GG02
4C267GG23
4C267HH08
(57)【要約】
本明細書に開示される実施形態は、カテーテルの管腔との係合を容易にしながら、流体流を最大にするように構成される最適化された幾何学形状を含むステムを対象とする。ステムは、第1の直径を規定する遠位開口部を有する内腔を規定することができる。先端構造は、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する先端構造管腔を規定することができる。先端構造は、長手方向かつ遠位方向に延び、1つ以上のスロットを規定する1つ以上のフィンガを含むことができる。先端構造は、カテーテル管腔内に嵌合し、カテーテル管腔との係合を促進しながら、1つ以上のスロットは、流体流を改善し、遠位開口部に対する流体流をほとんど又は全く減少させないことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポートとカテーテルとの間の流体連通を提供するためのステムであって、
本体管腔を規定する長尺の本体であって、前記本体管腔の遠位開口部が第1の直径を有する、長尺の本体と、
前記遠位開口部から遠位方向に延びる先端構造と、を備え、前記先端構造は、
前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する先端管腔と、
前記先端構造の遠位端から前記本体管腔の前記遠位開口部まで延びる複数のスロットと、を備える、ステム。
【請求項2】
前記複数のスロットは、複数のフィンガを規定する、請求項1に記載のステム。
【請求項3】
前記複数のフィンガは、近位端における第1の壁厚から、前記第1の壁厚よりも薄い遠位端における第2の壁厚までテーパ状になっている、請求項2に記載のステム。
【請求項4】
前記先端構造は、第1の大きい直径から第2の小さい直径まで遠位方向にテーパ状になっている外面を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のステム。
【請求項5】
前記長尺の本体は、前記長尺の本体の外面に沿って配置された円周隆起部を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のステム。
【請求項6】
前記ステムは、締まり嵌め、圧入、又はスナップ嵌め係合のうちの1つで前記アクセスポートに結合される、請求項1~5のいずれか一項に記載のステム。
【請求項7】
前記スロットは、350°未満の円弧距離にわたって延びる、請求項1~6のいずれか一項に記載のステム。
【請求項8】
前記複数のフィンガのうちの1つのフィンガは、350°未満の円弧距離にわたって半径方向に延びる、請求項2~7のいずれか一項に記載のステム。
【請求項9】
医療デバイスとカテーテルとの間の流体連通を提供するためのステムであって、
近位開口部と遠位開口部との間に延びる管腔を規定する本体であって、前記遠位開口部が第1の直径を規定する、本体と、
前記本体の遠位端に配置された先端構造と、備え、前記先端構造は、前記遠位開口部から半径方向内側かつ遠位方向に延びる1つ以上のフィンガであって、前記1つ以上のフィンガのうちの第1のフィンガの内面が前記遠位開口部から半径方向内側に配置された軸線に沿って延びる、1つ以上のフィンガを備える、ステム。
【請求項10】
前記第1のフィンガは、350°未満の円弧距離にわたって半径方向に延びる、請求項9に記載のステム。
【請求項11】
前記フィンガは、前記遠位開口部から半径方向内側かつ遠位方向に延びる近位部分と、前記近位部分によって支持され、前記近位部分から遠位方向に延びる遠位部分と、を含む、請求項9又は10の記載のステム。
【請求項12】
前記遠位部分の内面は前記長手方向軸に平行に延び、前記遠位部分の外面は前記長手方向軸に対して角度をなして延びる、請求項11に記載のステム。
【請求項13】
前記複数のフィンガのうちの第2のフィンガであって、前記管腔の前記軸線の周りの別の半径方向位置に配置された第2のフィンガをさらに含み、前記第1のフィンガの内面及び前記第2のフィンガの内面は、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を規定する、請求項9~12のいずれか一項に記載のステム。
【請求項14】
前記第1のフィンガの外面及び前記第2のフィンガの外面は、前記第2の直径から前記第1の直径まで延びるテーパ状外側プロファイルを規定する、請求項13に記載のステム。
【請求項15】
前記第1のフィンガ及び前記第2のフィンガは、前記第1のフィンガと前記第2のフィンガとの間で前記遠位開口部まで長手方向に延びるスロットを規定する、請求項13又は14に記載のステム。
【請求項16】
前記スロットは、350°未満の円弧距離にわたって半径方向に延びる、請求項15に記載のステム。
【請求項17】
カテーテルを医療デバイスに結合する方法であって、
剛性材料から形成され、遠位開口部と近位開口部との間に延びる管腔を規定するステムを提供するステップであって、前記遠位開口部が第1の直径を規定し、前記ステムが前記遠位開口部から長手方向かつ遠位方向に延びる2つ以上のフィンガを含む遠位先端構造を有し、前記2つ以上のフィンガの遠位先端が協働して前記第1の直径よりも小さい第2の直径を形成する、ステップと、
コンプライアント材料から形成され、前記第2の直径よりも大きい第3の直径を有する管腔を規定するカテーテルを提供するステップと、
前記先端構造を前記カテーテル管腔内に付勢するステップと、
前記カテーテルを前記第3の直径から前記第1の直径に弾性変形させるステップと、を含む、方法。
【請求項18】
前記カテーテル管腔の前記第3の直径は、前記遠位開口部の前記第1の直径以下である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記2つ以上のフィンガのうちの1つのフィンガは、前記遠位開口部から半径方向内側に延びる近位部分と、前記近位部分から長手方向かつ遠位方向に延び、前記内面を規定する遠位部分と、を含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記2つ以上のフィンガの外面は、前記第2の直径から前記第1の直径まで近位方向に延びるテーパ状プロファイルを規定する、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記2つ以上のフィンガは、前記先端構造の遠位先端及び前記遠位開口部から前記2つ以上のフィンガの間で長手方向に延びるスロットを規定する、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、最適化されたポートステム幾何学形状に関する。
【発明の概要】
【0002】
簡潔に要約すると、本明細書に開示される実施形態は、カテーテルと医療デバイス(例えば、ポート)との間の流体連通を提供するように構成されたステムを対象とする。ステムは、カテーテルの管腔との係合を容易にしながら、ステム管腔を通る流体流を最大にするように構成される最適化された幾何学形状を含む。
【0003】
カテーテル又は類似のコンプライアント(compliant)管状デバイスを、剛性ステム、例えば、ポートステムなどと結合することは、特に、狭くて湿潤な皮下留置の環境内では、難しいプロセスとなり得る。典型的には、ステムは、カテーテルの管腔内に付勢され、コンプライアントカテーテルは、弾性変形してステムと締まり嵌めで係合する。任意選択で、カスロックにより、カテーテルをポートステムにさらに固定して、流体漏れを防止することができる。カテーテル管腔の内径とステムの外径との相対的な大きさは重要となり得る。ステム先端外径が大きすぎる場合、カテーテルをステムに結合することが難しくなり得、カテーテルのよじれ又は潰れにつながる。ステム先端外径が小さすぎる場合、ステム管腔の対応する内径が、ステム管腔を通る流体流を制限する。さらに、より細いカテーテル(すなわち、より小さいフレンチサイズのカテーテル)は、相対的に薄い壁を有するため、カテーテルがよりよじれたり潰れたりしやすくなる。
【0004】
本明細書に開示されるのは、アクセスポートとカテーテルとの間の流体連通を提供するためのステムである。このステムは、本体管腔を規定する長尺の本体であって、本体管腔の遠位開口部が第1の直径を有する、長尺の本体と、遠位開口部から遠位方向に延びる先端構造であって、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する先端管腔と、先端構造の遠位端から本体管腔の遠位開口部まで延びる複数のスロットとを有する、先端構造とを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、複数のスロットは、複数のフィンガを規定する。いくつかの実施形態では、複数のフィンガは、近位端における第1の壁厚から、第1の壁厚よりも薄い遠位端における第2の壁厚までテーパ状になっている。いくつかの実施形態では、先端構造は、第1の大きい直径から第2の小さい直径まで遠位方向にテーパ状になっている外面を備える。いくつかの実施形態では、長尺の本体は、長尺の本体の外面に沿って配置された円周隆起部を備える。
【0006】
いくつかの実施形態では、ステムは、締まり嵌め、圧入、又はスナップ嵌め係合のうちの1つでアクセスポートに結合される。いくつかの実施形態では、スロットは、350°未満の円弧距離(arc distance)にわたって延びる。いくつかの実施形態では、複数のフィンガのうちの1つのフィンガは、350°未満の円弧距離にわたって半径方向に延びる。
【0007】
また、医療デバイスとカテーテルとの間の流体連通を提供するためのステムも開示される。このステムは、近位開口部と遠位開口部との間に延びる管腔を規定する本体であって、遠位開口部が第1の直径を規定する、本体と、本体の遠位端に配置された先端構造と、を備え、前記先端構造は、遠位開口部から半径方向内側かつ遠位方向に延びる1つ以上のフィンガであって、1つ以上のフィンガのうちの第1のフィンガの内面が遠位開口部から半径方向内側に配置された軸線に沿って延びる、1つ以上のフィンガを有する。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1のフィンガは、350°未満の円弧距離にわたって半径方向に延びる。いくつかの実施形態では、フィンガは、遠位開口部から半径方向内側かつ遠位方向に延びる近位部分と、その近位部分によって支持され、そこから遠位方向に延びる遠位部分とを含む。いくつかの実施形態では、遠位部分の内面は長手方向軸に平行に延び、遠位部分の外面は長手方向軸に対して角度をなして延びる。
【0009】
いくつかの実施形態では、ステムは、複数のフィンガのうちの第2のフィンガであって、管腔の軸線の周りの別の半径方向位置に配置された第2のフィンガをさらに含み、第1のフィンガの内面及び第2のフィンガの内面は、第1の直径よりも小さい第2の直径を規定する。いくつかの実施形態では、第1のフィンガの外面及び第2のフィンガの外面は、第2の直径から第1の直径まで延びるテーパ状外側プロファイルを規定する。いくつかの実施形態では、第1のフィンガ及び第2のフィンガは、それらの間で遠位開口部まで長手方向に延びるスロットを規定する。いくつかの実施形態では、スロットは、350°未満の円弧距離にわたって半径方向に延びる。
【0010】
また、カテーテルを医療デバイスに結合する方法が開示される。この方法は、剛性材料から形成され、遠位開口部と近位開口部との間に延びる管腔を規定するステムを提供するステップであって、遠位開口部が第1の直径を規定し、ステムが、遠位開口部から長手方向かつ遠位方向に延びる2つ以上のフィンガを含む遠位先端構造を有し、2つ以上のフィンガの遠位先端が協働して第1の直径よりも小さい第2の直径を形成する、ステップと、コンプライアント材料から形成され、第2の直径よりも大きい第3の直径を有する管腔を規定するカテーテルを提供するステップと、先端構造をカテーテル管腔内に付勢するステップと、カテーテルを第3の直径から第1の直径に弾性変形させるステップとを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、カテーテル管腔の第3の直径は、遠位開口部の第1の直径以下である。いくつかの実施形態では、2つ以上のフィンガのうちの1つのフィンガは、遠位開口部から半径方向内側に延びる近位部分と、近位部分から長手方向かつ遠位方向に延び、内面を規定する遠位部分とを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上のフィンガの外面は、第2の直径から第1の直径まで近位方向に延びるテーパ状プロファイルを規定する。いくつかの実施形態では、2つ以上のフィンガは、先端構造の遠位先端及び遠位開口部から2つ以上のフィンガの間で長手方向に延びるスロットを規定する。
【0012】
本開示のより詳細な説明が、添付の図面に示されている本開示の特定の実施形態を参照することによって与えられる。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、それゆえ、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない点が理解されよう。本発明の例示的実施形態が、添付の図面の使用を通じて、さらなる具体性及び詳細と共に記述され、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本明細書に開示される実施形態による、例示的使用環境における最適化された先端幾何学形状を含むステムの斜視図を示す。
図2A】本明細書に開示される実施形態による、最適化された先端幾何学形状を含むステムの斜視図を示す。
図2B】本明細書に開示される実施形態による、最適化された先端幾何学形状を含むステムの側面図を示す。
図2C】本明細書に開示される実施形態による、最適化された先端幾何学形状を含むステムの長手方向断面図を示す。
図2D】本明細書に開示される実施形態による、図2Cのステムの拡大詳細を示す。
図3A】本明細書に開示される実施形態による、ステムの遠位端図を示す。
図3B】本明細書に開示される実施形態による、ステムの遠位端図を示す。
図3C】本明細書に開示される実施形態による、ステムの長手方向断面図を示す。
図3D】本明細書に開示される実施形態による、図3Cのステムの遠位端図を示す。
図4A】本明細書に開示される実施形態による、最適化された先端幾何学形状を含むステムの例示的使用方法を示す。
図4B】本明細書に開示される実施形態による、最適化された先端幾何学形状を含むステムの例示的使用方法を示す。
図5A】本明細書に開示される実施形態による、ステムの長手方向断面の拡大詳細を示す。
図5B】本明細書に開示される実施形態による、図5Aのステムの横方向断面図を示す。
図5C】本明細書に開示される実施形態による、ステムの長手方向断面の拡大詳細を示す。
図5D】本明細書に開示される実施形態による、図5Cのステムの横方向断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
いくつかの特定の実施形態がより詳細に開示される前に、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書に提供される概念の範囲を限定しないことを理解されたい。本明細書に開示される特定の実施形態は、特定の実施形態から容易に分離でき、任意選択で、本明細書に開示される他の多数の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせるか、又は置換することができる特徴を有することが可能であることも理解されたい。
【0015】
本明細書で使用される用語に関して、用語は、いくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、用語は、本明細書で提供される概念の範囲を限定しないことも理解されたい。序数(例えば、第1、第2、第3、等)は、一般に、複数の特徴又は複数のステップのグループ内の異なる特徴又はステップを区別又は識別するために使用され、連続的な限定又は数値限定を提供するものではない。例えば、「第1」、「第2」、及び「第3」の特徴又はステップは、必ずしもその順序で現れる必要はなく、そのような特徴又はステップを含む特定の実施形態は、必ずしも3つの特徴又はステップに限定される必要はない。「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」、等の表示は、便宜上使用されており、例えば、特定の固定位置、向き、又は方向を意味するものではない。代わりに、そのような表示は、例えば、相対的な位置、向き、又は方向を反映するために使用される。単数形の「一」、「1つ」、及び「その」は、文脈で明確に指示されていない限り、複数形の参照も含む。
【0016】
「近位」に関して、例えば、本明細書に開示されるカテーテルの「近位部分」又は「近位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「近位長さ(proximal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、カテーテルの「近位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、臨床医の近くにあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの近位部分、近位端部分、又は近位長さは、カテーテルの近位端を含むことができるが、カテーテルの近位部分、近位端部分、又は近位長さは、カテーテルの近位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの近位部分、近位端部分、又は近位長さは、カテーテルの末端部分又は末端長さではない。
【0017】
「遠位」に関して、例えば、本明細書に開示されているカテーテルの「遠位部分」又は「遠位端部分」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近くにあるか、又は患者内にあることを意図したカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「遠位長さ(distal length)」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近く又は患者内にあることを意図したカテーテルの長さを含む。例えば、カテーテルの「遠位端」は、カテーテルが患者に使用される場合、患者の近く又は患者内にあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの遠位部分、遠位端部分、又は遠位長さは、カテーテルの遠位端を含むことができるが、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、又は遠位長さは、カテーテルの遠位端を含む必要はない。すなわち、文脈から示唆される場合を除き、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、又は遠位長さは、カテーテルの末端部分又は末端長さではない。
【0018】
本明細書で説明される実施形態の説明を補助するために、図1図2Aに示されるように、長手方向軸が、ステム100の軸線方向長さに実質的に平行に延びている。横方向軸が、長手方向軸に対して垂直に延びており、横断軸が、長手方向軸及び横方向軸の双方に対して垂直に延びている。本明細書で使用される場合、水平面は、横方向軸及び長手方向軸に沿って延びている。垂直面は、水平面に対して垂直に延びている。
【0019】
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書に記載される実施形態は、流体流を最大化しながら、カテーテル90又は類似のコンプライアントチューブをステム100と結合することを容易にするように構成された先端幾何学形状を含むステム100を対象とする。図1は、例示的使用環境における最適化された幾何学形状を含むステム100を示す。一実施形態では、ステム100は、カテーテル90と、ポート50などの医療デバイスとの間の流体連通を提供するように構成されてもよい。ポート50は、一般に、ステム100の管腔102と流体連通しているリザーバ54を規定している本体52を含むことができる。ポート50はさらに、リザーバを覆うように配置され、リザーバへのアクセスを提供するように構成されている、針貫通可能中隔56を含むことができる。アクセス針は、使用時に、経皮的に、針貫通可能中隔56を貫通してリザーバ54内まで延び、リザーバ54との流体連通を提供することができる。理解されるように、ポート50は、非限定的な例示的医療デバイスであり、本明細書に開示される実施形態は、ステム又は類似構造を含む種々の類似医療デバイスで使用されることができる。
【0020】
カテーテル90は、長手方向に延び、カテーテル管腔92を規定している長尺のチューブを含むことができる。一実施形態では、カテーテル90の遠位先端は、患者の血管系内に配置され、血管系との流体連通を提供してもよい。カテーテル90の近位端は、本明細書でより詳細に説明するように、ステム100と結合させることができる。カテーテル90は限定を意図するものではなく、本明細書に開示される実施形態は、流体連通を提供するように構成された様々なコンプライアント管状デバイスで使用できることが理解されよう。カテーテル90は、プラスチック、ポリマー、エラストマー、複合材料などのコンプライアント材料から形成することができる。カテーテル90の近位端は、弾性変形するように構成することができ、ステム100を覆うように引き伸ばされて、カテーテル90とステム100との間に液密シールを提供することができる。理解されるように、例示的使用環境は限定的であることを意図するものではなく、本明細書に記載される実施形態は、剛性構造を有するコンプライアントチューブ継手を含み、流体の通過流量を最大にしながら、それらの間に液密シールを必要とする様々な医療用チューブ継手と共に使用することができる。
【0021】
図2A図2Dは、ステム100の一実施形態のさらなる詳細を示す。図2Aは、ステム100の斜視図を示す。図2Bは、ステム100の側面図を示す。図2Cは、ステム100の長手方向断面図を示す。図2Dは、ステム100の遠位先端構造104の拡大詳細を示す。一実施形態では、ステム100は、医療デバイス、例えばポート50と一体的に形成されてもよい。一実施形態では、ステム100は、(例えば、図2Aに示されるように)別個の構造として形成されてもよく、圧入、スナップ嵌め、締まり嵌め係合を使用して、及び/又は接着剤、接着、溶接などを用いて、医療デバイスと結合されてもよい。一実施形態では、ステム100は、プラスチック、ポリマー、金属、合金、複合材料、又は同様の適切な材料から形成された実質的に剛性の構造を規定していてもよい。一実施形態では、ステム100は、長手方向軸に平行に延びている中心軸線80の周りに延びている半径方向対称構造を規定していてもよい。
【0022】
図1及び図2Cに示すように、一実施形態では、ステム100は、遠位開口部114から近位開口部116まで長手方向に延びている管腔102を規定していてもよい。一実施形態では、遠位開口部114が、第1の直径(d1)を規定していてもよい。図2Cに示されるように、ステム100は、遠位開口部114から遠位方向に延び、遠位開口部114の第1の直径(d1)よりも小さい第2の直径(d2)を有する先端管腔108を規定している先端構造104をさらに含んでもよい。一実施形態では、弛緩状態のカテーテル管腔92の内径が、第3の直径(d3)を規定していてもよい。一実施形態では、カテーテル管腔直径(d3)は、本明細書でより詳細に説明されるように、第2の直径d2以上であってもよい。一実施形態では、カテーテル管腔92は、弛緩構成のカテーテル管腔直径(d3)よりも大きい直径まで弾性変形してもよい。
【0023】
図2A図2Cに示すように、一実施形態では、ステム100の外側プロファイルは、管腔102の内側プロファイルを反映していてもよい。一実施形態では、ステム100の外側プロファイルは、連続的な又は不連続的な円筒形又はテーパ形状を規定していてもよいし、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。一実施形態では、ステム100の外側プロファイルは、ステム100の1つ以上の外径間の外径の変化を規定している1つ以上の移行部分を含んでもよい。移行部分は、異なる直径の間のテーパ状又はステップ状の移行部を含んでもよい。ステップ状移行部分は、長手方向軸に対して実質的に垂直に延びている部分を含んでもよい。
【0024】
一実施形態では、ステム100は、中心軸線80の周りに円周方向に延びており、ステム100の外面に沿って配置された1つ以上の隆起部110を含んでもよい。隆起部110は、丸みを帯びた、三角形の、ステップ状の、又はかえし付きの長手方向プロファイルを規定し、ステム100の外径の増加を規定することができる。隆起部110は、カテーテル90と係合されるときに、ステム110とカテーテル90との間の摩擦を増加させて、カテーテル90を締まり嵌めで把持することを容易にするように構成することができる。
【0025】
一実施形態では、隆起部110は、カスロックと、ステム100及びカテーテル90のアセンブリとの結合を促進するように構成されてもよい。例えば、カテーテル90がステム100の外面と係合した状態で、カスロックが、カテーテル90の一部分の外面に係合してそこにカテーテル90を圧縮し、さらにカテーテル90をそこに固定してもよい。カスロックは、対応する当接部を含んでもよく、この当接部は、半径方向内側に延びており、任意選択で、カテーテル90を通して、スナップ嵌合又は締まり嵌め係合で隆起部110に係合するように構成される。一実施形態では、カスロックは、圧入、スナップ嵌め、又は締まり嵌め係合でポート50に係合してもよい。
【0026】
一実施形態では、ステム100は、近位開口部116に隣接して配置された近位係合部分106を含んでもよい。係合部分106は、長手方向に延びており、直径(d4)を規定している実質的に円筒形の形状を規定していてもよい。係合部分106は、圧入又は締まり嵌め係合でポート50に係合するように構成されてもよい。一実施形態では、係合部分106は、スナップ嵌め係合でポート50に係合するように構成された1つ以上の突起部、戻り止め部、爪部、隆起部、かえし部などを含んでもよい。係合部分106の近位リムは、ポート50との係合を容易にするために、斜角縁部又は面取り縁部を規定していてもよい。一実施形態では、係合部分106の直径(d4)は、ポート50内に配置されたステム受け入れ凹部の直径と同じであるか、又はそれよりわずかに大きくてもよい。
【0027】
図2C図2Dに示すように、一実施形態では、ステム管腔102は、遠位開口部114と近位開口部116との間に延びている円筒形プロファイルを規定していてもよく、すなわち、管腔102の壁は、長手方向軸に平行に延びていてもよい。一実施形態では、管腔102は、その長手方向長さに沿って連続した直径、例えば、第1の直径(d1)を規定していてもよい。一実施形態では、ステム管腔102は、遠位開口部114と近位開口部116との間に延びているテーパ状プロファイルを規定していてもよい、すなわち、管腔102の壁は、長手方向軸に対して角度をなして延びていてもよい。一実施形態では、管腔102は、その長手方向長さに沿って直径の連続的な変化を規定していてもよい。一実施形態では、近位開口部116の内径は、遠位開口部114の内径、例えば第1の直径(d1)よりも大きくてもよい。
【0028】
一実施形態では、ステム管腔102は、その長手方向長さに沿って直径の不連続な変化を規定していてもよい。例えば、図2Dに示すように、管腔102は、遠位開口部114に隣接して配置された第1の直径(d1)を規定している第1の部分を含んでもよい。管腔102は、第1の部分の第1の直径(d1)とは異なる直径を規定している1つ以上の第2の部分をさらに含んでもよい。1つ以上の第2の部分の直径は、第1の直径(d1)より大きくてもよいし、小さくてもよい。さらに、管腔102は、第1の直径(d1)を規定している第1の部分と、1つ以上の異なる直径を規定している1つ以上の第2の部分との間に配置された1つ以上の移行部分を含んでもよい。移行部分は、テーパ状、すなわち、その壁が長手方向軸に対して角度をなして延びているか、又はステップ状、すなわち、その壁が長手方向軸に対して垂直に延びているかのいずれかであり得る。
【0029】
一実施形態では、近位開口部116は、管腔102の内外への流体流を促進し、流体流の乱流を最小限にするように構成された斜角縁部を含んでもよい。一実施形態では、近位開口部116の直径は、遠位開口部114の直径(d1)と同じであってもよいし、又は異なっていてもよい。一実施形態では、近位開口部116の直径は、遠位開口部114の第1の直径(d1)より大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0030】
図2C図2Dに示すように、一実施形態では、遠位開口部114は、管腔102の軸線80の周りに環状に延びている連続内面を規定し、第1の直径(d1)を規定していてもよい。一実施形態では、ステム100は、ステム100の遠位開口部114から遠位方向に延びている先端構造104を含んでもよい。一実施形態では、先端構造104は、管腔102の軸線80の周りに環状に延びている不連続な内面を有する先端管腔108を規定し、第2の直径(d2)を規定していてもよい。一実施形態では、先端構造104は、遠位開口部114の遠位縁から遠位方向に延びている1つ以上のフィンガ120を含んでもよい。
【0031】
図3A図3Dは、1つ以上のフィンガ120を含む先端構造104の様々な構成を示す。一実施形態では、1つ以上のフィンガ120は、遠位開口部114の周りに半径方向に均等に配置されてもよい。一実施形態では、1つ以上のフィンガ120は、遠位開口部114の周りに半径方向に不均等に配置されてもよい。一実施形態では、図3Aに示すように、先端構造104は、4つのフィンガ120、すなわち、遠位開口部114の周りに半径方向に均等に配置された第1のフィンガ120A、第2のフィンガ120B、第3のフィンガ120C、及び第4のフィンガ120Dを含んでもよい。一実施形態では、図3Bに示すように、先端構造104は、遠位開口部114の周りに半径方向に配置された2つのフィンガ120、すなわち第1のフィンガ120A及び第2のフィンガ120Bを含んでもよい。例えば、第1のフィンガ120Aは、中心軸線80を挟んで第2のフィンガ120Bの反対側に配置されてもよい。一実施形態では、図3C図3Dに示すように、先端構造104は、本明細書でより詳細に説明するように、1つのフィンガ120を含んでもよい。しかしながら、より多数の又はより少数のフィンガ120もまた企図されることが理解されるであろう。
【0032】
一実施形態では、図3B及び図3Dに示すように、各フィンガ120は、円弧距離(θ)にわたって半径方向に延びていてもよい。一実施形態では、円弧距離(θ)は、360°未満であってもよい。一実施形態では、円弧距離(θ)は、5°~180°であってもよい。一実施形態では、円弧距離(θ)は、35°~55°であってもよい。一実施形態では、先端構造104は、先端構造104の遠位端から長手方向に延びているスロット130を含んでもよい。一実施形態では、2つ以上のフィンガ120が協働して、先端構造104の遠位端から遠位開口部114まで長手方向に延びているスロット130を規定していてもよい。一実施形態では、図3Bに示すように、スロット130は、円弧距離(δ)にわたって半径方向に延びていてもよい。一実施形態では、円弧距離(δ)は、360°未満であってもよい。一実施形態では、円弧距離(δ)は、5°~180°であってもよい。一実施形態では、円弧距離(δ)は、125°~145°であってもよい。
【0033】
図2Dに示すように、一実施形態では、1つ以上のフィンガ120のうちの1つのフィンガ、例えば第1のフィンガ120Aは、長手方向に延び、近位部分122によって支持される遠位部分124を含んでもよい。近位部分122は、遠位開口部114の遠位縁から、又は遠位開口部114の内面から延びていてもよく、そこから半径方向内側かつ遠位方向に、角度をなして延びていてもよい。遠位部分124は、近位部分122によって支持されてもよく、そこから長手方向かつ遠位方向に延びていてもよい。遠位部分124の内面126は、長手方向軸と実質的に平行に延びていてもよい。遠位部分124の外面128は、長手方向軸に対して角度をなして延びていてもよい。言い換えれば、遠位部分124は、近位部分122に隣接する第1の壁厚と、フィンガ120の遠位先端132における、第1の壁厚より小さい第2の壁厚とを規定していてもよい。
【0034】
一実施形態では、1つ以上のフィンガ120の内面126、例えば、第1の内面126A及び第2の内面126Bは、協働して、第2の直径(d2)を規定する先端構造104の管腔108を規定してもよい。一実施形態では、1つ以上のフィンガ120の遠位先端132は、協働して、第2の直径(d2)を規定してもよい。一実施形態では、第2の直径(d2)は、第1の直径(d1)よりも小さくてもよい。図2Dに示されるように、一実施形態では、1つ以上のフィンガ120の外面128、例えば、第1の外面128A及び第2の外面128Bは、協働して、フィンガ120の遠位先端132から長手方向に延びているテーパ状外側プロファイルを規定してもよい。
【0035】
図4A図4Bに示すように、遠位先端構造104は、ステム管腔102を通る流体流量を最大化しながら、カテーテル90をステム100と結合することを容易にするように構成することができる。図4Aに示されるように、カテーテル90は、カテーテル管腔直径(d3)を有する管腔92を規定することができる。カテーテル管腔直径(d3)は、先端構造104の1つ以上のフィンガ120によって規定される第2の直径(d2)以上とすることができる。一実施形態では、カテーテル管腔直径(d3)は、遠位開口部114の直径(d1)以下であってもよい。先端構造104は、カテーテル管腔92内に嵌合するように構成することができる。図4Bに示されるように、カテーテル90が近位方向に付勢されると、先端構造104のテーパ状外側プロファイルが、カテーテル90を、カテーテル管腔直径(d3)から遠位開口部114の第1の直径(d1)に弾性変形させ、ステム100を覆うように嵌めて、それらの間に液密シールを形成することができる。
【0036】
有利には、先端構造104の実施形態は、カテーテル管腔92の内面に係合して、遠位開口部114の直径(d1)と比べての流体流の減少を緩和しながら、カテーテル90とステム100との結合を容易にすることができる。例えば、図3Aに示すように、遠位開口部114の直径(d1)は、第1の断面積を提供し、したがってそこを通る第1の流体流量を提供することができる。先端構造104は、第2の直径(d2)を規定することができ、カテーテル管腔直径(d3)内に嵌合することができる。しかしながら、先端構造104の相対的に小さい直径(d2)もまた、遠位開口部114の直径(d1)と比べて、第2の小さい断面積を提供し、そこを通る第2の少ない流体流量を提供することができる。しかしながら、先端構造104はまた、第2の直径(d2)のみと比べて断面積の増加をもたらすことができるスロット130を含むことができ、遠位開口部114と先端構造104との間の流体流の減少を緩和することができる。
【0037】
一実施形態では、図3Aに示されるように、先端構造104は、2つ以上のスロット130を規定する2つ以上のフィンガ120を含んでもよい。したがって、2つ以上のスロット130を含む先端構造104は、第2の直径(d2)に加えて断面積のさらなる増加をもたらし、遠位開口部114を通る流体流に対する影響をさらに低減する。一実施形態では、図3Bに示されるように、1つ以上のフィンガ120の円弧距離(θ)の減少、及びそれによる1つ以上のスロット130の円弧距離(δ)の増加は、第2の直径(d2)に加えて断面積のさらなる増加をもたらし、第1の直径(d1)において遠位開口部114を通る流体流に対する影響をさらに低減する。
【0038】
一実施形態では、図5A図5Dに示すように、1つ以上のスロット130を含む先端構造104は、フィンガ120によって変位させられた流体が半径方向外側に流れることを可能にすることによって、遠位開口部114を通る流体流に対する影響をさらに低減してもよい。図5A図5Bに示すように、第1の直径(d1)で遠位開口部114まで遠位方向に延びているステム管腔102は、第1の断面積(図5B)、及びそこを通る第1の流体流70を提供する。
【0039】
図5C図5Dに示すように、先端構造104は、環状に延びている不連続な内面を有する管腔108を規定している、すなわち、先端構造は1つ以上のスロット130を含む。したがって、フィンガ構造120が半径方向内側に延びて円弧距離(θ)にわたって断面積を減少させても、スロット130が、フィンガ120によって変位させられた流体が半径方向外側に流れて第2の流体流72をもたらすことを可能にする。一実施形態では、第2の流体流72は、カテーテル管腔の内径(d3)まで半径方向外側に広がってもよい。一実施形態では、カテーテル管腔の内径(d3)は、遠位開口部の第1の直径(d1)以上であってもよい。図5Dに示すように、一実施形態では、第2の流体流72は、第1の直径(d1)よりも大きい直径まで半径方向外側に流れてもよい。したがって、第1の直径(d1)から第2の直径(d2)への先端構造104を通る断面積の低下は、スロット130を通る半径方向外側の流れ72によってさらに相殺される。
【0040】
一実施形態では、遠位先端構造104(図5D)を通る第2の流体流72の断面積は、遠位開口部114(図5B)を通る第1の流体流70の断面積以上であってもよい。したがって、遠位先端構造104は、ステム100とカテーテル90との結合を依然として容易にしながら、ステム100を通る流体流にほとんど又は全く影響を与えないことが可能である。
【0041】
一実施形態では、カテーテル管腔直径(d3)は、遠位開口部114の第1の直径(d1)よりも大きくてもよい。したがって、ステム100をカテーテル管腔92と係合したときに、カテーテル90が弾性変形することなく、遠位先端構造104がカテーテル管腔92内に延びることができる。カテーテル管腔92がステム100の外面に係合するとき、すなわち、ステム100の外面が管腔内径(d3)に一致する点において係合するとき、カテーテル90を弾性変形させてステム100を覆うように嵌めて、締まり嵌めでステムと係合させるためには、軸線方向の力が必要となる。有利には、カテーテル管腔92内に延びた先端構造104は、軸線方向の力が印加されると、コンプライアントカテーテル90に柱状の支持を提供することができる。したがって、遠位先端構造104は、カテーテル90のねじれを軽減し、カテーテル90との係合を容易にすることができる一方で、本明細書で説明されるように、流体の通過流量の影響をほとんど又は全く有しない。
【0042】
一実施形態では、図3C図3Dに示されるように、先端構造104は、遠位方向に延びている単一のフィンガ120を含んでもよい。フィンガ120の内面126の軸線は、遠位開口部114の縁部に対して半径方向内側に配置されてもよい。一実施形態では、フィンガ120の内面126は、中心軸線80から半径(r2)の位置に配置されてもよい。一実施形態では、2つの半径(r2)が、第2の直径d2に等しくてもよく、すなわち、2(r2)=(d2)であってもよい。フィンガ120は、ステム100を覆うようにカテーテル90を付勢するために軸線方向の力が必要となる前に、カテーテル管腔92内に延びることができる。有利には、フィンガ120は、カテーテル90をステム100上に案内することができるとともに、カテーテル90がステム100を覆うように付勢されるときにカテーテル90に柱状の支持を提供し、カテーテル管腔92のよじれ又は潰れを軽減する。有利には、本明細書に説明されるような先端構造104を含むステム100は、より幅広い範囲のカテーテルサイズと結合されることができ、ステムの多用途性を増加させ、ユーザによって輸送及び保管される必要がある製品在庫を減少させ、関連費用を減少させる。
【0043】
いくつかの特定の実施形態が本明細書で開示されており、それら特定の実施形態が、ある程度詳細に開示されているが、それら特定の実施形態が、本明細書で提供される概念の範囲を限定することは意図されていない。さらなる適合及び/又は修正が、当業者には明らかとなる可能性があり、より広範な態様においては、これらの適合及び/又は修正も同様に包含される。したがって、本明細書で提供される概念の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される特定の実施形態からの展開を実施することができる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
【国際調査報告】