(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】インラインデュアルルーメンポートのための直接流体経路
(51)【国際特許分類】
A61M 39/02 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
A61M39/02 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500289
(86)(22)【出願日】2021-07-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-13
(86)【国際出願番号】 US2021040723
(87)【国際公開番号】W WO2023282898
(87)【国際公開日】2023-01-12
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521442637
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107249
【氏名又は名称】中嶋 恭久
(72)【発明者】
【氏名】デンスリー、ブライオン レイ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、イアン エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】フィウメフレッド、ダイアナ
(72)【発明者】
【氏名】ホイ、ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】アンダーセン、クリスチャン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066FF04
4C066GG03
4C066LL07
(57)【要約】
本明細書に開示される実施形態は、近位リザーバとステムとの間に直接流体経路を有するデュアルインラインポートに関する。ポートは、遠位リザーバを貫通するとともに、近位リザーバおよびステムと流体連通するルーメンを画定する導管を含む。導管ルーメンの軸は、ステムルーメンと整列されることで、蛇行する流体経路を最小化するとともに、流体の流動抵抗を低減する。ポートはさらに、遠位リザーバの上に延在するとともに、アクセス針が遠位リザーバにアクセスするときに導管に衝突することを防止するように構成される、針ガードを含んでよい。実施形態は、遠位リザーバを区画する着脱可能なリザーバインサートをさらに含んでよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管アクセスポートであって、
ステムを含む本体であって、前記ステムは前記本体から縦方向遠位に延在するとともに、第1ステムルーメンおよび第2ステムルーメンを画定する、本体と、
前記ポートステムに隣接して配置されるとともに、前記第1ステムルーメンと流体連通する、遠位リザーバと、
前記遠位リザーバに隣接して配置されるとともに、前記遠位リザーバを貫通する導管と流体連通することで、前記第2ステムルーメンとの流体連通を提供する、近位リザーバと、
前記遠位リザーバおよび前記近位リザーバの一方または両方の上に配置された、セプタムと、
前記遠位リザーバの上に延在するとともに、針が前記導管に接触することを防止するように構成される、針ガードと、
を備える血管アクセスポート。
【請求項2】
前記針ガードは、前記セプタムの一部の上に延在する、請求項1に記載の血管アクセスポート。
【請求項3】
前記針ガードは、前記セプタムの一部を貫通する、請求項1に記載の血管アクセスポート。
【請求項4】
前記針ガードは、前記セプタムの下かつ前記遠位リザーバの上に延在する、請求項1に記載の血管アクセスポート。
【請求項5】
前記導管の軸は、前記第2ステムルーメンの軸と整列される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の血管アクセスポート。
【請求項6】
前記近位リザーバは、前記遠位リザーバの前記ポートステムとは反対側に配置される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の血管アクセスポート。
【請求項7】
前記ポートステム、前記遠位リザーバ、および前記近位リザーバは、直線軸に沿って配置される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の血管アクセスポート。
【請求項8】
前記本体および前記セプタムの一方または両方の上に配置されるとともに、前記遠位リザーバおよび前記近位リザーバの一方または両方の上の定位置に前記セプタムを固定するように構成された、ハウジングをさらに含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の血管アクセスポート。
【請求項9】
前記ハウジングは、コンプライアント材料から形成されるとともに、前記本体上にオーバーモールドされる、請求項8に記載の血管アクセスポート。
【請求項10】
前記ハウジングは、剛性材料から形成されるとともに、締まり嵌め、圧入、またはスナップ嵌め係合で前記本体に固定される、請求項8に記載の血管アクセスポート。
【請求項11】
基部をさらに含み、前記基部は、前記ハウジングに係合するとともに、前記本体および前記セプタムの一方または両方を、前記基部および前記ハウジングの間に固定するように構成される、請求項10に記載の血管アクセスポート。
【請求項12】
前記ハウジングは、前記遠位リザーバおよび前記近位リザーバの一方または両方と横断軸に沿って整列された1つまたは複数のセプタム開口を含み、前記セプタムの一部は、前記セプタム開口を貫通する、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の血管アクセスポート。
【請求項13】
前記本体は、リザーバインサートを受容するように構成された凹部を区画し、前記リザーバインサートは、前記遠位リザーバを区画する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の血管アクセスポート。
【請求項14】
皮下ポートシステムであって、
近位リザーバおよび凹部を画定する、本体と、
遠位リザーバを画定するとともに、前記凹部内に嵌合するように構成された、リザーバインサートと、
前記遠位リザーバと流体連通している第1ルーメンと、前記近位リザーバと流体連通している第2ルーメンとを含む、ステムと、
を備える皮下ポートシステム。
【請求項15】
前記近位リザーバおよび前記遠位リザーバの一方または両方の上に配置される、セプタムをさらに含む、請求項14に記載の皮下ポートシステム。
【請求項16】
前記本体および前記セプタムの一方または両方の上に配置されるとともに、前記近位リザーバおよび前記遠位リザーバの一方または両方の上の定位置に前記セプタムを固定するように構成された、ハウジングをさらに含む、請求項15に記載の皮下ポートシステム。
【請求項17】
前記リザーバインサートは、第1壁から第1壁の反対側の第2壁まで前記遠位リザーバを貫通する導管を含み、
前記導管は、前記近位リザーバと前記第2ステムルーメンとの間に流体連通を提供するように構成された導管ルーメンを画定する、請求項14乃至16のいずれか一項に記載の皮下ポートシステム。
【請求項18】
前記導管ルーメンの軸は、前記第2ステムルーメンの軸と整列されることで、前記近位リザーバと前記ステムの遠位先端との間の直線流体経路を提供する、請求項17に記載の皮下ポートシステム。
【請求項19】
前記凹部は、前記凹部の側壁に配置されるとともに、前記近位リザーバと連通する近位導管開口と前記第1ステムルーメンとの間で円周方向に延在するチャネルを含み、
前記凹部に配置された前記リザーバインサートは、前記チャネルと協働することで、前記近位リザーバと前記第2ステムルーメンとの間の流体連通を提供する湾曲導管を区画する、請求項14乃至16のいずれか一項に記載の皮下ポートシステム。
【請求項20】
アクセス針と、遠位リザーバの上に延在するとともに、前記導管と整列される、針ガードとをさらに含み、
前記針ガードは、前記針が前記導管に接触することを防止するように構成される、請求項17または18に記載の皮下ポートシステム。
【請求項21】
ポートを製造する方法であって、
近位リザーバ、遠位リザーバ、およびステムを有する本体を形成する工程と、
前記近位リザーバから前記ステムまで前記遠位リザーバを貫通することで、前記近位リザーバと前記ステムとの間の流体連通を提供する導管を形成する工程と、
前記導管の上に延在するとともに、針が前記導管に衝突することを防止するように構成される、針ガードを形成する工程と、
前記近位リザーバおよび前記遠位リザーバの一方または両方の上に配置されたセプタムを前記本体に結合する工程と、
前記セプタムを前記本体に固定するために、ハウジングを前記本体および前記セプタムの一方または両方に結合する工程と、
を備える方法。
【請求項22】
前記ハウジングは、横断軸に沿って前記遠位リザーバと整列されるセプタム開口を区画し、
前記針ガードは、前記ハウジングに結合されるとともに、前記セプタム開口を横断して延在する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記セプタムは、前記セプタムの上面を縦方向に貫通する溝を含み、前記溝は、前記針ガードを受容するように構成される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記針ガードは、前記セプタムと一体的に形成されるとともに、前記セプタムを貫通する、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記針ガードは、前記本体に結合されるとともに、前記遠位リザーバの第1縁部から、前記第1縁部の反対側の前記遠位リザーバの第2縁部まで延在する、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記遠位リザーバを区画するリザーバインサートを形成する工程をさらに含み、
前記リザーバインサートは、前記本体内に区画された凹部内に嵌合するように構成され、前記リザーバインサートは、着脱可能であるとともに、第2リザーバインサートと交換可能であるように構成される、請求項21乃至25のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インラインデュアルルーメンポートのための直接流体経路に関する。
【背景技術】
【0002】
簡潔に要約すると、本明細書に開示される実施形態は、リザーバとポートステムとの間に直接流体経路を有するデュアルリザーバインラインポートに関する。デュアルインラインポートは、インライン構成が皮下配置中に比較的小さい切開部位で済むので、並列デュアルポート構成よりも好ましい場合がある。しかしながら、ステムから最も遠いリザーバ(「近位」リザーバ)とステムルーメンとの間の流体経路は、蛇行し得る。蛇行する流体経路は、流体抵抗を増加させるか、または流体流れを減少させてしまう場合がある。あるいは、ステムに隣接するリザーバ(「遠位」リザーバ)の下方で流体経路が延在する場合、ポートの全体的な高さが増加し得るので、皮膚の引き伸ばしや皮膚組織の侵食、ひいてはポートの露出になりかねない。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に開示されるのは、血管アクセスポートであって、ステムを含む本体であって、ステムは本体から縦方向遠位に延在するとともに、第1ステムルーメンおよび第2ステムルーメンを画定する、本体と、ポートステムに隣接して配置されるとともに、第1ステムルーメンと流体連通する、遠位リザーバと、遠位リザーバに隣接して配置されるとともに、遠位リザーバを貫通する導管と流体連通することで、第2ステムルーメンとの流体連通を提供する、近位リザーバと、遠位リザーバおよび近位リザーバの一方または両方の上に配置された、セプタムと、遠位リザーバの上に延在するとともに、針が導管に接触することを防止するように構成される、針ガードと、を含む血管アクセスポートである。
【0004】
いくつかの実施形態では、針ガードは、セプタムの一部の上に延在する。いくつかの実施形態では、針ガードは、セプタムの一部を貫通する。いくつかの実施形態では、針ガードは、セプタムの下かつ遠位リザーバの上に延在する。いくつかの実施形態では、導管の軸は、第2ステムルーメンの軸と整列される。いくつかの実施形態では、近位リザーバは、遠位リザーバのポートステムとは反対側に配置される。いくつかの実施形態では、ポートステム、遠位リザーバ、および近位リザーバは、直線軸に沿って配置される。
【0005】
いくつかの実施形態では、血管アクセスポートは、本体およびセプタムの一方または両方の上に配置されるとともに、遠位リザーバおよび近位リザーバの一方または両方の上の定位置にセプタムを固定するように構成された、ハウジングをさらに含む。いくつかの実施形態では、ハウジングは、コンプライアント(compliant)材料から形成されるとともに、本体上にオーバーモールドされる。いくつかの実施形態では、ハウジングは、剛性材料から形成されるとともに、締まり嵌め、圧入、またはスナップ嵌め係合で本体に固定される。いくつかの実施形態では、血管アクセスポートは、基部をさらに含み、基部は、ハウジングに係合するとともに、本体およびセプタムの一方または両方を、基部およびハウジングの間に固定するように構成される。いくつかの実施形態では、ハウジングは、遠位リザーバおよび近位リザーバの一方または両方と横断軸に沿って整列された1つまたは複数のセプタム開口を含み、セプタムの一部は、セプタム開口を貫通する。いくつかの実施形態では、本体は、リザーバインサートを受容するように構成された凹部を区画し、リザーバインサートは、遠位リザーバを区画する。
【0006】
本明細書にさらに開示されるのは、皮下ポートシステムであって、近位リザーバおよび凹部を画定する、本体と、遠位リザーバを画定するとともに、凹部内に嵌合するように構成された、リザーバインサートと、遠位リザーバと流体連通している第1ルーメンと、近位リザーバと流体連通している第2ルーメンとを含む、ステムと、を含む皮下ポートシステムである。
【0007】
いくつかの実施形態では、皮下ポートシステムは、近位リザーバおよび遠位リザーバの一方または両方の上に配置される、セプタムをさらに含む。いくつかの実施形態では、皮下ポートシステムは、本体およびセプタムの一方または両方の上に配置されるとともに、近位リザーバおよび遠位リザーバの一方または両方の上の定位置にセプタムを固定するように構成された、ハウジングをさらに含む。いくつかの実施形態では、リザーバインサートは、第1壁から第1壁の反対側の第2壁まで遠位リザーバを貫通する導管を含み、導管は、近位リザーバと第2ステムルーメンとの間に流体連通を提供するように構成された導管ルーメンを画定する。いくつかの実施形態では、導管ルーメンの軸は、第2ステムルーメンの軸と整列されることで、近位リザーバとステムの遠位先端との間の直線流体経路を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、凹部は、凹部の側壁に配置されるとともに、近位リザーバと連通する近位導管開口と第1ステムルーメンとの間で円周方向に延在するチャネルを含み、凹部に配置されたリザーバインサートは、チャネルと協働することで、近位リザーバと第2ステムルーメンとの間の流体連通を提供する湾曲導管を区画する。いくつかの実施形態では、皮下ポートシステムは、アクセス針と、遠位リザーバの上に延在するとともに、導管と整列される、針ガードとをさらに含み、針ガードは、針が導管に接触することを防止するように構成される。
【0009】
本明細書にさらに開示されるのは、ポートを製造する方法であって、近位リザーバ、遠位リザーバ、およびステムを有する本体を形成する工程と、近位リザーバからステムまで遠位リザーバを貫通することで、近位リザーバとステムとの間の流体連通を提供する導管を形成する工程と、導管の上に延在するとともに、針が導管に衝突することを防止するように構成される、針ガードを形成する工程と、近位リザーバおよび遠位リザーバの一方または両方の上に配置されたセプタムを本体に結合する工程と、セプタムを本体に固定するために、ハウジングを本体およびセプタムの一方または両方に結合する工程と、を含む方法である。
【0010】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、横断軸に沿って遠位リザーバと整列されるセプタム開口を区画し、針ガードは、ハウジングに結合されるとともに、セプタム開口を横断して延在する。いくつかの実施形態では、セプタムは、セプタムの上面を縦方向に貫通する溝を含み、溝は、針ガードを受容するように構成される。いくつかの実施形態では、針ガードは、セプタムと一体的に形成されるとともに、セプタムを貫通する。いくつかの実施形態では、針ガードは、本体に結合されるとともに、遠位リザーバの第1縁部から、第1縁部の反対側の遠位リザーバの第2縁部まで延在する。いくつかの実施形態では、方法は、遠位リザーバを区画するリザーバインサートを形成する工程をさらに含み、リザーバインサートは、本体内に区画された凹部内に嵌合するように構成され、リザーバインサートは、着脱可能であるとともに、第2リザーバインサートと交換可能であるように構成される。
【0011】
添付の図面に示される特定の実施形態を参照することによって、本開示はより詳細に説明される。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解されたい。本発明の例示的な実施形態は、添付の図面を使用してさらに具体的かつ詳細に、記述および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本明細書に開示される実施形態による、直接流体経路を有するデュアルインラインポートの斜視図。
【
図1B】本明細書に開示される実施形態による、直接流体経路を有するデュアルインラインポートの分解図。
【
図2A】本明細書に開示される実施形態による、
図1Aのポートの本体の斜視図。
【
図2B】本明細書に開示される実施形態による、
図1Aのポートの本体の斜視図。
【
図2C】本明細書に開示される実施形態による、
図1Aのポートの本体の平面図。
【
図2D】本明細書に開示される実施形態による、
図1Aのポートの本体の側面図。
【
図2E】本明細書に開示される実施形態による、
図1Aのポートの本体の下側斜視図。
【
図2F】本明細書に開示される実施形態による、直接流体経路を有するとともに、針ガードを含むデュアルインラインポートの本体の斜視図。
【
図3A】本明細書に開示される実施形態による、
図1Aのポートのステムの斜視図。
【
図3B】本明細書に開示される実施形態による、
図1Aのポートのステムの平面図。
【
図4A】本明細書に開示される実施形態による、
図1Aのポートのセプタムの平面図。
【
図4B】本明細書に開示される実施形態による、
図1Aのポートのセプタムの側面図。
【
図5A】本明細書に開示される実施形態による、
図1Aのポートのハウジングの斜視図。
【
図5B】本明細書に開示される実施形態による、
図1Aのポートの基部の斜視図。
【
図5C】本明細書に開示される実施形態による、
図1Aのポートのハウジングの下側斜視図。
【
図6】本明細書に開示される実施形態による、リザーバインサートを含む直接インライン流体経路を有するポートの本体の実施形態を示す図。
【
図7A】本明細書に開示される実施形態による、湾曲した流体経路を有するポートの断面平面図。
【
図7B】本明細書に開示される実施形態による、直接インライン流体経路を有するポートの断面平面図。
【
図8A】本明細書に開示される実施形態による、
図6のポートのリザーバインサートの斜視図。
【
図8B】本明細書に開示される実施形態による、
図6のポートのリザーバインサートの斜視図。
【
図8C】本明細書に開示される実施形態による、
図6のポートのリザーバインサートの遠位端図。
【
図8D】本明細書に開示される実施形態による、
図6のポートのリザーバインサートの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
いくつかの特定の実施形態をより詳細に開示する前に、本明細書に開示される特定の実施形態は、本明細書において提示される概念の範囲を限定しないことを理解されたい。本明細書に開示される特定の実施形態は、その特定の実施形態から容易に切り離すことができ、本明細書に開示される複数の他の実施形態のうちの任意の実施形態の特徴と任意選択で組み合わせまたは置換してよい特徴を有する場合があることも理解されたい。
【0014】
本明細書で使用する用語に関しては、各用語はいくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、本明細書において提示される概念の範囲を限定しないということも理解されたい。序数(たとえば、第1、第2、第3等)は、一般的に、複数の特徴または工程の群の中で互いに異なる特徴または工程を区別または識別するために使用され、順番の限定または数的な限定を加えるものではない。たとえば、「第1」、「第2」、および「第3」の特徴または工程は、必ずしもこの順序で現れる必要はなく、またそのような特徴または工程を含む特定の実施形態は、必ずしも3つの特徴または工程に限定される必要はない。「左」、「右」、「上」、「下」、「前」、「後」等の表記は、便宜的に使用されており、たとえば、いかなる特定の固定的な位置、向き、または方向も意味するものではない。むしろ、こうした表記は、たとえば相対的な位置、向き、または方向を示すために使用される。文脈からそうでないことが明らかに示されていなければ、「a」、「an」、および「the」で表す単数形は、複数形を含む。
【0015】
「近位」に関しては、たとえば本明細書に開示されるカテーテルの「近位部分」または「近位端部分」は、カテーテルのうち、カテーテルを患者に使用するときに医師の近くにあるものである部分を含む。同様に、たとえばカテーテルの「近位長」は、カテーテルを患者に使用するときに医師の近くにあるものであるカテーテルの長さを含む。たとえばカテーテルの「近位端部」は、カテーテルを患者に使用するときに医師の近くにあるものである、カテーテルの端部を含む。カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長は、カテーテルの近位端部を含んでもよいが、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長は、カテーテルの近位端部を含む必要はない。つまり、文脈からそうでないことが示唆されていなければ、カテーテルの近位部分、近位端部分、または近位長は、カテーテルの終端部分や終端長ではない。
【0016】
「遠位」に関しては、たとえば本明細書に開示されるカテーテルの「遠位部分」または「遠位端部分」は、カテーテルのうち、カテーテルを患者に使用するときに患者の近くまたは中にあるものである部分を含む。同様に、たとえばカテーテルの「遠位長」は、カテーテルを患者に使用するときに患者の近くまたは体内にあるものであるカテーテルの長さを含む。たとえばカテーテルの「遠位端部」は、カテーテルを患者に使用するときに患者の近くまたは体内中にあるものである、カテーテルの端部を含む。カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長は、カテーテルの遠位端部を含んでもよいが、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長は、カテーテルの遠位端部を含む必要はない。つまり、文脈からそうでないことが示唆されていなければ、カテーテルの遠位部分、遠位端部分、または遠位長は、カテーテルの終端部分や終端長ではない。
【0017】
本明細書に記載の実施形態の説明を補助するために、
図1Aに示すように、縦軸は、ステム140の軸方向長さに実質的に平行に延在する。横軸は縦軸に対して垂直に延在しており、横断軸は縦軸および横軸の両方に対して垂直に延在する。本明細書で使用される場合、水平面は、横軸および縦軸に沿って延在する。垂直面は、水平面に対して垂直に延在する。
【0018】
別段の定めがない限り、本明細書に用いるあらゆる技術的用語および科学的用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味をもつ。
図1Aおよび
図1Bは、直接流体経路を有するデュアルインラインポート(「ポート」)100を示す。ポート100は、一般的に、ステム140を含む本体130を含んでよい。ステム140は、本体130から延在する。本体130は、リザーバ132、例えば、ステム140に隣接して配置された遠位リザーバ132A、およびステム140とは反対側で遠位リザーバ132Aに隣接して配置された近位リザーバ132Bを画定してよい。ポート100はさらに、遠位リザーバ132Aおよび近位リザーバ132Bのうちの1つの上に配置されるセプタム120と、セプタム120の上に配置されるとともに、セプタム120を本体130に対して定位置に固定するように構成される、本体110とを含んでよい。
【0019】
ステム140は、縦軸に沿って延在してよいとともに、カテーテル90の近位端に結合されるように構成される。カテーテル90の遠位先端は、患者の脈管構造内に配置されることで、患者との流体連通を提供してよい。選択的には、カテーテルロック80は、カテーテル90をポートステム140にさらに固定してよい。ステム140は、リザーバ132と流体連通するステムルーメン142を区画してよい。
【0020】
一実施形態では、本体130は、第1ステムルーメン142Aと流体連通している第1リザーバ、例えば、遠位リザーバ132Aを含んでよい。第2リザーバ、例えば、近位リザーバ132Bは、導管ルーメン152を画定する導管150と流体連通してよい。導管150は、第1遠位リザーバ132Aを貫通することで、第2ステムルーメン142Bとの流体連通を提供してよい。一実施形態では、導管ルーメン152の軸は、縦軸と平行に延在するとともに、第2ステムルーメン142Bの軸と整列されてよいので、本明細書でより詳細に説明されるように、近位リザーバ132Bと第2ステムルーメン142Bの遠位先端との間に延在する直接流体経路を提供し得る。
【0021】
一実施形態では、ポート100は、1つまたは複数の針貫通可能なセプタム120をさらに含んでよい。一実施形態では、ポート100は、遠位リザーバ132Aおよび近位リザーバ132Bの両方の上に配置された単一のセプタム120を含んでよい。一実施形態では、ポート100は、遠位リザーバ132Aの上に配置された第1セプタム120Aと、近位リザーバ132Bの上に配置された第2セプタム120Bとを含んでよい。1つまたは複数のセプタム120は、セプタム120の下に配置されるリザーバ132への経皮的アクセスをアクセス針によって提供するように構成されてよい。例えば、ポート100が皮下に配置されると、アクセス針は、皮膚表面および下にある組織を貫通してよい。アクセス針は、針貫通可能なセプタム120を通して、セプタム120の下に配置されるリザーバ132の中へと付勢されてよい。次いで、アクセス針は、リザーバ132との流体連通を提供してよい。
【0022】
一実施形態では、
図1Aおよび
図1Bならびに
図5A乃至
図5Cに示すように、ポート100は、本体130およびセプタム120の一方の上に配置されるとともに、セプタム120を本体130に対して定位置に固定するように構成されたハウジング110をさらに含んでよい。一実施形態では、ハウジング110は、樹脂、ポリマー、金属、合金、複合材料、これらの組合せなどの剛性または弾性材料を含んでよい。一実施形態では、ハウジング110は、樹脂、ポリマー、エラストマー、複合材料、これらの組み合わせなどのコンプライアント材料を含んでよい。
【0023】
一実施形態では、ハウジング110は基部112を含んでよい。基部112は、圧入、スナップ嵌め、および締まり嵌め係合のうちの1つでハウジング110に係合するように構成されてよい。一実施形態では、基部112は、接着剤、接合、溶接などによってハウジング110に結合されてよい。一実施形態では、基部112は、本体130の底縁または本体130の底面に係合するとともに、基部112とハウジング110との間に本体130および/またはセプタム120を固定するように構成されてよい。一実施形態では、ハウジング110および基部112のうちの1つは、本体130またはセプタム120のうちの1つの上にオーバーモールドされてよいとともに、セプタム120をリザーバ132の上の定位置に固定してよい。
【0024】
一実施形態では、ハウジング110および基部112は同一の材料で形成されてよい。一実施形態では、ハウジング110および基部112は、異なる機械的特性を示す異なる材料で形成されてよい。例えば、ハウジング110は比較的コンプライアントな材料で形成されてよく、基部112は比較的剛性の材料で形成されてよい。一実施形態では、ハウジング110は、1つまたは複数のセプタム開口116、例えば、横断軸に沿って遠位リザーバ132Aと整列されてよい遠位セプタム開口116A、および横断軸に沿って近位リザーバ132Bと整列されてよい近位セプタム開口116Bを含んでよい。一実施形態では、セプタム120の一部は、本明細書でより詳細に説明するように、セプタム開口116を貫通してよい。
【0025】
一実施形態では、ハウジング110は、触診フィーチャ118を含んでよい。触診フィーチャ118は、ポート100が皮下に配置されたときに医師によって触診されるとともに、遠位リザーバ132Aおよび近位リザーバ132Bの一方の位置を示すように構成されてよい。一実施形態では、ハウジング110は、ポート110を皮下で定位置に固定することを可能にするように構成された1つまたは複数の縫合穴114を含んでよい。
【0026】
一実施形態では、ハウジング110は、ステム140と整列されたステム開口170を含んでよい。ステム140は、本明細書に説明されるように、ハウジング110のステム開口170を通過することで、本体130に係合してよい。一実施形態では、ハウジング110はハウジングステム凹部172を含んでよく、基部112は基部ステム凹部174を含んでよい。基部112がハウジング110に係合すると、ハウジングステム凹部172および基部ステム凹部174は、協働してステム開口170を形成してよい。
【0027】
一実施形態では、ポート100は、縦軸に沿って延在するとともに、遠位リザーバ132Aにアクセスするアクセス針が導管150を貫通するのを防止するように構成された針ガード160をさらに含んでよい。針ガード160は、樹脂、ポリマー、金属、合金、複合材料、それらの組み合わせなどの針不貫通材料から形成されてよい。一実施形態では、針ガード130は、ハウジング110および本体130のうちの1つと同一の材料で形成されてよい。針ガード160は、遠位リザーバ132Aの一部の上を縦方向に延在してよい。例えば、針ガード160は、遠位セプタム開口116Aの近位縁から遠位セプタム開口116Aの遠位縁まで延在してよい。針ガード160は、横幅および横断高さを区画してよい。一実施形態では、針ガード160の横幅は、横断高さに等しいか、横断高さよりも小さいか、または横断高さよりも大きくてもよい。一実施形態において、針ガード160は、ハウジング110と一体的に形成されてよい。一実施形態では、針ガード160は、別個の構造として形成されるとともに、接着剤、接合、溶接などを使用してハウジング110に結合されてよい。
【0028】
一実施形態では、針ガード160は、セプタム120の一部、例えば、遠位セプタム120Aの一部を貫通してよい。一実施形態では、セプタム120は、セプタム120を貫通するとともに、セプタム120中に針ガード160を受容するように構成される、溝162を含んでよい。一実施形態では、
図4Aおよび
図4Bに示すように、針ガード160は、セプタム120と一体的に形成されてよい、すなわち、針ガード160は、セプタム120内に配置されてよい。一実施形態では、針ガード160は、セプタム120とは異なる材料で形成されてよい。一実施形態では、セプタム120は、針ガード160上にオーバーモールドされてよい。
【0029】
一実施形態では、針ガード160は、セプタム120の下かつリザーバ132の上に延在してよい。一実施形態では、
図2Fに示すように、針ガード160は、本体130と一体的に形成されてよいとともに、遠位リザーバ132Aの上に延在してよい。一実施形態では、針ガード160は、別個の構造として形成されるとともに、接着剤、接合、溶接などを使用して本体130に結合されてよい。
【0030】
図2A乃至
図2Fは、ポート100の本体130のさらなる詳細を示す。一実施形態では、本体130は、本体130の外周に沿って延在するとともに、本体130から横断軸方向上方に延在するレール134を含んでよい。一実施形態では、セプタム120の外周124は、レール134内に嵌合してよく、レール134は、本体130に対するセプタム120の横方向または縦方向の移動を抑制してよい。一実施形態では、セプタム120の外周124は、横軸、縦軸のうちの1つに沿って、または横軸と縦軸の間の角度で延在する軸に沿って、レール134の内周よりもわずかに大きくてよい。したがって、レール134は、圧入または締まり嵌めでセプタム120に係合することで、セプタム120をリザーバ132上の定位置に固定してよい。
【0031】
一実施形態では、
図2Eに示すように、本体130の下面は、下面に刻まれた1つまたは複数の記号、英数字記号などを含んでよい。一実施形態では、ポート100が皮下に配置されたときに医用画像において記号が見えるように、刻まれた部分内に放射線不透過性材料または音響不透過性材料を配置してよい。有利には、記号は、ポート100の特性(例えば、C.T.に適している、または高圧注入に適しているなど)を示してよいか、または遠位リザーバ132Aと近位リザーバ132B等を区別してよい。
【0032】
図3Aおよび
図3Bは、ポート100のステム140のさらなる詳細を示す。一実施形態では、ステム140は、本体130と一体的に形成されてよい。一実施形態では、ステム140は、別個の構造として形成されるとともに、圧入、スナップ嵌め、もしくは締まり嵌め係合で本体130に結合されてもよく、または接着剤、接合、溶接、それらの組み合わせなどを使用して本体130に結合されてもよい。有利には、別個の構造として形成され、かつ、本体130に結合されるステム140によって、ステム140は、異なるサイズまたは構成のステムと交換されることで、ポート100全体を交換する必要なく、異なるカテーテル90に適合することが可能である。これにより、輸送および保管に必要な在庫の量を減らすことができるとともに、関連するコストを削減することが可能である。
【0033】
一実施形態では、ステム140は、第1ステムルーメン142Aおよび第2ステムルーメン142Bを区画してよい。一実施形態では、ポート100は、第1ステムルーメン142Aを画定する第1ステム140Aと、第2ステムルーメン140Bを画定する第2ステム140Bとを含んでよい。一実施形態では、ステム140は、締まり嵌めなどでカテーテル90のルーメン92に係合してよい。一実施形態では、ステム140の外面は、カテーテル90に締まり嵌めで係合するように構成されたバーブ144、または同様の構造を含んでよい。
【0034】
一実施形態では、ステム140は、デュアルルーメンカテーテル90に係合するように構成されてよい。第1ステム140Aは、第1カテーテルルーメンに係合することで、遠位リザーバ132Aと第1カテーテルルーメンとの間の流体連通を提供する。第2ステム140Bは、第2カテーテルルーメンに係合することで、近位リザーバ132Bと第2カテーテルルーメンとの間の流体連通を提供する。
【0035】
図4Aおよび
図4Bは、ポート100のセプタム120のさらなる詳細を示す。一実施形態では、セプタム120は、本明細書で説明されるように、本体130のリム134に係合するように構成された外周124を区画してよい。
図4Aに示すように、平面図で見たときの外周124の「フットプリント」または形状は、本体130のリム134の形状に一致してよい。例えば、フットプリントの形状は、2つの収束した円、またはカッシーニの卵形線を表してよい。しかしながら、他の形状のフットプリントも考えられることが理解されよう。
【0036】
一実施形態では、セプタム120は、本体110の1つまたは複数のセプタム開口116に係合するように横断軸方向上方に延在し得る、1つまたは複数の上部122を含んでよい。例えば、遠位上部122Aは、遠位セプタム開口116Aに係合するように横断軸方向上方に延在してよい。近位上部122Bは、近位セプタム開口116Bに係合するように横断軸方向上方に延在してよい。一実施形態では、セプタム120は、1つまたは複数のリザーバ132に係合するように横断軸方向下方に延在し得る、1つまたは複数の下部128を含んでよい。例えば、遠位下部128Aは、遠位リザーバ132Aに係合するように横断軸方向下方に延在してよい。近位下部128Bは、近位リザーバ132Bに係合するように横断軸方向下方に延在してよい。一実施形態では、下部128は、リザーバ132の水平断面形状に一致する水平形状を区画してよい。図示のように、下部の形状は円形を区画してよいが、他の形状も考えされる。下部128の直径は、リザーバ132の直径と等しいか、またはわずかに小さくてよい。有利には、上部122および下部128は、協働してセプタム開口116を横断軸に沿ってリザーバ132と整列してよい。
【0037】
一実施形態では、セプタム120は、皮下に配置されたときにポート100の位置決めを可能にするように構成された1つまたは複数の触診フィーチャ126を含んでよい。例えば、セプタム120は、セプタム触診フィーチャ126を含んでよい。同様に、本体110は、本明細書で説明されるように、本体触診フィーチャ118を含んでよい。一実施形態では、1つまたは複数のセプタム触診フィーチャ126は、セプタム120の1つまたは複数の上部122の上に配置されるとともに、本体110のセプタム開口116を貫通してよい。触診フィーチャ118、126は、1つまたは複数の突起、記号、英数字記号、形状などを含んでよい。1つまたは複数の突起、記号、英数字記号、形状などは、触診フィーチャの下に配置されたリザーバ132の位置の1つを示し、および/または1つもしくは複数のリザーバ132、例えば、遠位リザーバ132Aと近位リザーバ132Bとを区別するように構成される。一実施形態では、上部122の一部、またはセプタム触診フィーチャ126の一部は、本体110の上面に係合するように、横断軸から外向きに水平に延在してよい。有利には、セプタム120は、本体110との係合を維持してよい。
【0038】
一実施形態では、
図1Bに示すように、遠位上部122Aは、遠位上部122A中に針ガード160を受容するように構成された溝162を含んでよい。例えば、針ガード160は、ハウジング110に結合してよいとともに、遠位セプタム開口116Aの一部を横断して延在してよい。ハウジング110がセプタム120および本体130と組み立てられると、針ガード160は、セプタム120内に配置された溝122内に受容されてよい。一実施形態では、
図4Aおよび
図4Bに示されるように、セプタム120は、セプタム120の中に形成されるとともに、セプタム120の一部を貫通する針ガード160を含んでよい。例えば、針ガード160は、セプタム120の材料とは異なる材料から形成されるとともに、異なる機械的特性を示してよい。針ガード160は、遠位上部122A内に形成されるとともに、遠位上部122Aの下に配置された導管150と整列されてよい。一実施形態では、針ガード160は、樹脂、ポリマー、金属、合金、複合材料などの剛性または針不貫通材料から形成されてよい。セプタム120は、シリコーンゴムなどのコンプライアントな、または針貫通可能な材料で形成されてよい。一実施形態では、針ガード160は、ハウジング110と同一の材料で形成されてよい。
【0039】
図6乃至
図8Dは、ポート100と共に使用することができる本体230の一実施形態の様々な詳細を示す。本体230は、近位リザーバ232Bと、遠位リザーバ232Aを区画するリザーバインサート238を受容するように構成された凹部236とを区画してよい。本体230は、近位リザーバ232Bと遠位リザーバ凹部236との間に延在する、本体230の壁を貫通する導管開口254をさらに含んでよい。導管開口254は、近位リザーバ232Bと凹部236との間を連通してよい。一実施形態では、導管開口254は、凹部236の壁に配置されたチャネル256と連通してよい。チャネル256は、導管開口254から、凹部236を横断して導管開口254の反対側に配置された、本体230の遠位端にあるステム凹部270まで円周方向に延在してよい。
【0040】
一実施形態において、第1リザーバインサート238Aは、遠位リザーバ232Aと、第1リザーバインサート238Aの壁を貫通する第1ステムルーメン開口246Aとを区画してよい。第1リザーバインサート238Aがリザーバ凹部236内に配置されるとき、第1ステムルーメン開口246Aは、第1ステムルーメン142Aと整列されることで、遠位リザーバ232Aと第1ステムルーメン142Aとの間の流体連通を提供してよい。一実施形態では、第2ステムルーメン242Bは、チャネル256と連通してよい。一実施形態では、
図7Aに示されるように、第1リザーバインサート238Aの外面は、チャネル256と協働することで、湾曲した導管ルーメン252を形成してよい。導管ルーメン252は、遠位リザーバ232Aの周囲で延在するとともに、近位リザーバ232Bと第2ステムルーメン142Bとの間の流体連通を提供する。
【0041】
一実施形態において、凹部236はまた、第1リザーバインサート238Aの代わりに第2リザーバインサート238Bを受容するように構成されてもよい。
図8A乃至
図8Dは、第2リザーバインサート238Bのさらなる詳細を示す。第2リザーバインサート238Bは、遠位リザーバ232Aを区画してよいとともに、第1ステムルーメン開口246Aを含んでよい。第1ステムルーメン開口246Aは、第1ステムルーメン142Aと整列されることで、遠位リザーバ232Aと第1ステムルーメン142Aとの間の流体連通を提供してよい。一実施形態において、第2リザーバインサート238Bは、ルーメン152を画定するとともに、遠位リザーバ232Aを貫通する直線導管150をさらに含んでよい。
【0042】
図7Bに示すように、第2リザーバインサート238Bが凹部236内に受容されると、直線導管150は、近位リザーバ232Bと第2ステムルーメン142Bとの間の流体連通を提供してよい。導管150の一部は、第2リザーバインサート238Bの外面から延在することで、チャネル256を閉塞し、チャネル256を通じた流体連通を防止してよいことに留意されたい。
【0043】
したがって、本体230は、遠位リザーバ232Aの周囲で円周方向に延在する湾曲した導管ルーメン252を形成するように構成されてよい。あるいは、第1リザーバインサート238Aは、近位リザーバ232Bとステム140との間に直接ライン導管150を形成するように、第2リザーバインサート238Bと交換されてよい。有利には、本体230は、部品または組立ツールの最小限の変更で、製造または組立中に容易に再構成されてよい。これは、在庫および製造における効率の向上につながり、関連するコストを改善することができる。
【0044】
いくつかの特定の実施形態が本明細書に開示されるとともに、特定の実施形態がある程度詳細に開示されているが、特定の実施形態は、本明細書で提供された概念の範囲を制限することを意図するものではない。追加的な適応および/または変更が当業者に理解され得る。より広い態様では、これらの適応および/または変更もまた包含される。したがって、本明細書で提供される概念の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される特定の実施形態から逸脱してよい。
【国際調査報告】