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特表2024-524574印刷品質に優れた金属素材プリント設備とプリント方法及びこれから得られたプリントされた金属素材
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】印刷品質に優れた金属素材プリント設備とプリント方法及びこれから得られたプリントされた金属素材
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/01 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
G03G15/01 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500395
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 KR2022010058
(87)【国際公開番号】W WO2023287138
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090917
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】パク、 ソン-ホン
【テーマコード(参考)】
2H300
【Fターム(参考)】
2H300EA05
2H300EB04
2H300EB07
2H300EB12
2H300EC02
2H300EC05
2H300ED04
2H300EJ10
2H300EJ49
2H300KK02
2H300NN04
(57)【要約】
本発明は、鋼板などの金属素材の表面に文字、絵などのイメージを印刷するためのプリント設備とこれを用いたプリント方法、並びにこれから得られたプリントされた金属素材に関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に移動する金属素材100の表面に白色イメージを印刷する先印刷設備1000、1000’;及び
前記白色イメージが印刷された金属素材100の表面にイメージを印刷する本印刷設備2000、2000’;
を含む、印刷品質に優れたプリント設備。
【請求項2】
前記先印刷設備1000は、
前記金属素材100に密着していずれかの一方向に回転しながら、表面に付着した白色トナーWを前記金属素材100の表面に伝達して定着させる先印刷感光ドラム1300;
前記先印刷感光ドラム1300の一側に備えられ、前記先印刷感光ドラム1300の表面に前記白色トナーWを提供する先印刷現像手段1500;
前記白色トナーWが提供される前に、前記先印刷感光ドラム1300の表面を帯電させる先印刷感光ドラム帯電手段1410;
前記先印刷現像手段1500及び先印刷感光ドラム帯電手段1410の間で、要求されるイメージに応じて前記先印刷感光ドラム300の表面に光エネルギーを付与する先印刷露光手段1200;
前記先印刷感光ドラム1300の表面に付着した白色トナーWが前記金属素材100の表面に伝達されるように前記金属素材100の表面を帯電させる先印刷金属素材帯電手段101;
前記白色トナーWが金属素材100の表面に定着した後、前記先印刷感光ドラム1300の表面に残留する白色トナーWを除去する先印刷除去手段1600;
前記白色トナーWを除去した後、前記先印刷感光ドラム1300の電荷を除去する先印刷感光ドラム放電手段1420;及び
前記先印刷感光ドラム1300の後端に位置して、前記金属素材100の表面に定着した白色トナーWを固定させる先印刷固定手段1700;
を含む、請求項1に記載の印刷品質に優れたプリント設備。
【請求項3】
前記先印刷設備1000’は、
前記金属素材100に密着していずれかの一方向に回転しながら、表面に付着した白色トナーWを前記金属素材100の表面に伝達して定着させる先印刷転写ベルト1800’;
前記先印刷転写ベルト1800’に密着して、反対方向に回転しながら表面に付着した白色トナーWを前記先印刷転写ベルト1800’の表面に伝達する先印刷感光ドラム1300’;
前記先印刷感光ドラム1300’の一側に備えられ、前記先印刷感光ドラム1300’の表面に前記白色トナーWを提供する先印刷現像手段1500’;
前記白色トナーWが提供される前に、前記先印刷感光ドラム1300’の表面を帯電させる先印刷感光ドラム帯電手段1410’;
前記先印刷現像手段1500’及び先印刷感光ドラム帯電手段1410’の間で、要求されるイメージに応じて前記先印刷感光ドラム1300’の表面に光エネルギーを付与する先印刷露光手段1200’;
前記先印刷転写ベルト1800’の表面に付着した白色トナーWが前記金属素材100の表面に伝達されるように前記金属素材100の表面を帯電させる先印刷金属素材帯電手段1101’;
前記白色トナーWが金属素材100の表面に定着した後、前記先印刷感光ドラム1300’の表面に残留する白色トナーWを除去する先印刷除去手段1600’;
前記白色トナーWを除去した後に前記先印刷感光ドラム1300’の電荷を除去する先印刷感光ドラム放電手段1420’;及び
前記転写ベルト1800’の後端に位置して、前記金属素材100の表面に定着した白色トナーWを固定させる先印刷固定手段1700’;
を含む、請求項1に記載の印刷品質に優れたプリント設備。
【請求項4】
前記本印刷設備2000は、
前記先印刷された金属素材100に密着していずれかの一方向に回転しながら、表面に付着したトナーTを前記金属素材100の表面に伝達して定着させる本印刷感光ドラム2300;
前記本印刷感光ドラム2300の一側に備えられ、前記本印刷感光ドラム2300の表面に前記トナーTを提供する本印刷現象手段2500;
前記トナーTが提供される前に、前記本印刷感光ドラム2300の表面を帯電させる本印刷感光ドラム帯電手段2410;
前記本印刷現像手段2500及び本印刷感光ドラム帯電手段2410の間で、要求されるイメージに応じて前記本印刷感光ドラム2300の表面に光エネルギーを付与する本印刷露光手段2200;
前記本印刷感光ドラム2300の表面に付着したトナーTが前記金属素材100の表面に伝達されるように前記金属素材100の表面を帯電させる本印刷金属素材帯電手段2101;
前記トナーTが金属素材100の表面に定着した後、前記本印刷感光ドラム2300の表面に残留するトナーTを除去する本印刷除去手段2600;
前記トナーTを除去した後、前記本印刷感光ドラム2300の電荷を除去する本印刷感光ドラム放電手段2420;及び
前記本印刷感光ドラム2300の後端に位置して、前記金属素材100の表面に定着したトナーTを固定させる本印刷固定手段2700;
を含む、請求項1に記載の印刷品質に優れたプリント設備。
【請求項5】
前記本印刷設備2000’は、
前記先印刷された金属素材100に密着していずれかの一方向に回転しながら、表面に付着したトナーTを前記金属素材100の表面に伝達して定着させる本印刷転写ベルト2800’;
前記本印刷転写ベルト2800’に密着して前記本印刷転写ベルト2800’と反対方向に回転しながら、表面に付着したトナーTを前記本印刷転写ベルト2800’の表面に伝達する本印刷感光ドラム2300’;
前記本印刷感光ドラム2300’の一側に備えられ、前記本印刷感光ドラム2300’の表面に前記トナーTを提供する本印刷現象手段2500’;
前記トナーTが提供される前に、前記本印刷感光ドラム2300’の表面を帯電させる本印刷感光ドラム帯電手段2410’;
前記本印刷現像手段2500’及び本印刷感光ドラム帯電手段2410’の間で、要求されるイメージに応じて前記本印刷感光ドラム2300’の表面に光エネルギーを付与する本印刷露光手段2200’;
前記本印刷転写ベルト2800’の表面に付着したトナーTが前記金属素材100の表面に伝達されるように前記金属素材100の表面を帯電させる本印刷金属素材帯電手段2101’;
前記トナーTが金属素材100の表面に定着した後、前記本印刷感光ドラム2300’の表面に残留するトナーTを除去する本印刷除去手段2600’;
前記トナーTを除去した後に前記本印刷感光ドラム2300’の電荷を除去する本印刷感光ドラム放電手段2420’;及び
前記本印刷転写ベルト2800’の後端に位置して、前記金属素材100の表面に定着したトナーTを固定させる本印刷固定手段2700’;
を含む、請求項1に記載の印刷品質に優れたプリント設備。
【請求項6】
前記光エネルギーは、レーザまたはLEDを用いる、請求項2から5のいずれか一項に記載の印刷品質に優れたプリント設備。
【請求項7】
前記光エネルギーがレーザである場合に、先印刷露光手段1200、1200’及び本印刷露光手段2200、2200’は、レーザ発生装置及びスキャニングミラー(scanning mirror)を含む、請求項6に記載の印刷品質に優れたプリント設備。
【請求項8】
前記プリント設備は、
転写ベルト1800’、2800’を走行方向に駆動させる転写ベルト駆動ロール1810’、2810’;
前記転写ベルト1800’、2800’で白色トナーWまたはトナーTが提供される前に、転写ベルト1800’、2800’を帯電させる転写ベルト帯電手段1820’、2820’;
前記白色トナーWまたはトナーTを金属素材100に伝達した後、転写ベルト1800’、2800’に残留したトナーTを除去する転写ベルトトナー除去手段1840’、2840’;及び
前記白色トナーWまたはトナーTの除去後に転写ベルトを放電させる転写ベルト放電手段1830’、2830’;
を含む、請求項3または5に記載の印刷品質に優れたプリント設備。
【請求項9】
前記除去手段1600、1600’、2600、2600’は、ブレード1610、1610’、2610、2610’、及び前記ブレードの下端に位置した収集容器1842、1842’、2842、2842を含む、請求項2から5のいずれか一項に記載の印刷品質に優れたプリント設備。
【請求項10】
前記転写ベルトトナー除去手段1840’、2840’は、ブレード1841’、2841’及び前記ブレードの下端に位置した収集容器1842’、2842’を含む、請求項8に記載の印刷品質に優れたプリント設備。
【請求項11】
前記現像手段1500、1500’、2500、2500’は、トナーコンテナ1520、1520’、2520、2520’及び前記トナーコンテナのトナーを感光ドラム1300、1300’、2300、2300’に提供する現像ローラ1510、1510’、2510、2510’を含む、請求項2から5のいずれか一項に記載の印刷品質に優れたプリント設備。
【請求項12】
前記固定手段1700、1700’、2700、2700’は、ヒューズドロール1710、1710’、2710、2710’及び加圧ロール1720、1720’、2720、2720’を含む、請求項2から5のいずれか一項に記載の印刷品質に優れたプリント設備。
【請求項13】
前記本印刷感光ドラム、本印刷感光ドラム帯電手段、本印刷感光ドラム放電手段、本印刷露光手段、本印刷現像手段、及び本印刷除去手段は、前記金属素材100の進行方向に沿って対を成して2つ以上備えられ、
各本印刷現像手段は、互いに異なる色相のトナーを提供する、請求項4に記載の印刷品質に優れたプリント設備。
【請求項14】
前記本印刷感光ドラム、本印刷感光ドラム帯電手段、本印刷感光ドラム放電手段、本印刷露光手段、本印刷現像手段、及び本印刷除去手段は、前記転写ベルト2800の進行方向に沿って対を成して2つ以上備えられ、
各本印刷現像手段は、互いに異なる色相のトナーを提供する、請求項5に記載の印刷品質に優れたプリント設備。
【請求項15】
前記先印刷設備及び本印刷設備は、金属素材の上部及び下部に位置する、請求項1に記載の印刷品質に優れたプリント設備。
【請求項16】
連続的に移動する金属素材100の表面に白色イメージを印刷する先印刷段階;及び
前記白色イメージが印刷された金属素材100の表面にイメージを印刷する本印刷段階
を含む、印刷品質に優れたプリント方法。
【請求項17】
前記先印刷段階は、
いずれかの一方向に回転する先印刷感光ドラム1300の表面を帯電させる先印刷帯電段階;
前記帯電された先印刷感光ドラム1300の表面に、要求される白色イメージに応じて光エネルギーを付与する先印刷露光段階;
前記露光後の先印刷感光ドラム1300の表面に白色トナーWを提供する先印刷現像段階;
前記先印刷感光ドラム1300の表面に付着した白色トナーWを帯電された金属素材100の表面に移動させて定着させる先印刷転写段階;
前記金属素材100の表面に定着した白色トナーWを固定させる先印刷固定段階;
前記転写後の先印刷感光ドラム300の表面に残留する白色トナーWを除去する先印刷除去段階;及び
前記先印刷感光ドラム300の表面を放電させる先印刷放電段階;
を含む、請求項16に記載の印刷品質に優れたプリント方法。
【請求項18】
前記先印刷段階は、
いずれかの一方向に回転する先印刷感光ドラム1300’の表面を帯電させる先印刷帯電段階;
前記帯電された先印刷感光ドラム1300’の表面に、要求される白色イメージに応じて光エネルギーを付与する先印刷露光段階;
前記露光後の先印刷感光ドラム1300’の表面に白色トナーWを提供する先印刷現像段階;
前記先印刷感光ドラム1300’の表面に付着した白色トナーWを帯電された先印刷転写ベルト1800’の表面に移動させる段階;
前記先印刷転写ベルト1800’の表面に付着したトナーを帯電された金属素材100の表面に移動させて定着させる先印刷転写段階;
前記金属素材100の表面に定着した白色トナーWを固定させる先印刷固定段階;
前記転写後の先印刷感光ドラム1300’及び先印刷転写ベルト1800’の表面に残留する白色トナーWを除去する先印刷除去段階;及び
前記先印刷感光ドラム1300’及び先印刷転写ベルト1800’の表面を放電させる先印刷放電段階;
を含む、請求項16に記載の印刷品質に優れたプリント方法。
【請求項19】
前記本印刷段階は、
いずれかの一方向に回転する本印刷感光ドラム2300の表面を帯電させる本印刷帯電段階;
前記帯電された本印刷感光ドラム2300の表面に、要求されるイメージに応じて光エネルギーを付与する本印刷露光段階;
前記露光後に本印刷感光ドラム2300の表面にトナーTを提供する本印刷現像段階;
前記本印刷感光ドラム2300の表面に付着したトナーを帯電された金属素材100の表面に移動させて定着させる本印刷転写段階;
前記金属素材100の表面に定着したトナーを固定させる本印刷固定段階;
前記転写後に本印刷感光ドラム2300の表面に残留するトナーを除去する本印刷除去段階;及び
前記本印刷感光ドラム2300の表面を放電させる本印刷放電段階;
を含む、請求項16に記載の印刷品質に優れたプリント方法。
【請求項20】
前記本印刷段階は、
いずれかの一方向に回転する本印刷感光ドラム2300’の表面を帯電させる本印刷帯電段階;
前記帯電された本印刷感光ドラム2300’の表面に、要求されるイメージに応じて光エネルギーを付与する本印刷露光段階;
前記露光後に本印刷感光ドラム2300’の表面にトナーTを提供する本印刷現像段階;
前記本印刷感光ドラム2300’の表面に付着したトナーを帯電された本印刷転写ベルト2800’の表面に移動させる段階;
前記本印刷転写ベルト2800’の表面に付着したトナーを帯電された金属素材100の表面に移動させて定着させる本印刷転写段階;
前記金属素材100の表面に定着したトナーを固定させる本印刷固定段階;
前記転写後に本印刷感光ドラム2300’及び本印刷転写ベルト2800’の表面に残留するトナーを除去する本印刷除去段階;及び
前記本印刷感光ドラム2300’及び本印刷転写ベルト2800’の表面を放電させる本印刷放電段階;
を含む、請求項16に記載の印刷品質に優れたプリント方法。
【請求項21】
前記先印刷固定段階または本印刷固定段階は、25~400℃に加熱する、請求項17から20のいずれか一項に記載の印刷品質に優れたプリント方法。
【請求項22】
前記先印刷固定段階または本印刷固定段階は、加圧することを追加する、請求項17から20のいずれか一項に記載の印刷品質に優れたプリント方法。
【請求項23】
前記本印刷段階は、2つ以上のトナーを用いて印刷する場合に2つ以上の本印刷感光ドラムが要求され、
各本印刷感光ドラムを用いて2以上の前記本印刷帯電段階、本印刷露光段階、本印刷現像段階、本印刷転写段階及び本印刷除去段階を行う、請求項19または20に記載の印刷品質に優れたプリント方法。
【請求項24】
金属素材;
前記金属素材上に形成された白色イメージ層;及び
前記白色イメージ層上に形成されたプリント層
を含む、印刷品質がプリントされた金属素材。
【請求項25】
前記プリントされた金属素材は、請求項1から5のいずれか一項のプリント設備を用いて製造された、請求項24に記載の印刷品質に優れたプリントされた金属素材。
【請求項26】
前記プリントされた金属素材は、請求項16から20のいずれか一項の方法で製造された、請求項24に記載の印刷品質に優れたプリントされた金属素材。
【請求項27】
前記金属素材及び白色イメージ層の間にはコーティング層をさらに含む、請求項24に記載の印刷品質に優れたプリントされた金属素材。
【請求項28】
前記コーティング層は、電気亜鉛めっき(EG)層または溶融亜鉛めっき(GI)層である、請求項27に記載の印刷品質に優れたプリントされた金属素材。
【請求項29】
前記コーティング層は、前記電気亜鉛めっき(EG)層または溶融亜鉛めっき(GI)層上に形成された前処理層、前記前処理層上に形成された中塗り層及び前記中塗り層上に形成された上塗り層を含む、請求項28に記載の印刷品質に優れたプリントされた金属素材。
【請求項30】
前記プリント層上に形成された透明塗装層をさらに含む、請求項27に記載の印刷品質に優れたプリントされた金属素材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板などの金属素材の表面に文字、絵などのイメージを印刷するためのプリント設備とこれを用いたプリント方法、そしてこれから得られたプリントされた金属素材に関する。
【背景技術】
【0002】
金属素材の表面に文字、絵などのイメージを印刷する方法としては、ポリマー転写方式、ロール(Roll)転写方式、インクジェット噴射プリント方式がある。
【0003】
ポリマー転写方式は、シート状のイメージフィルムを出力して金属の表面に熱転写、化学的転写などの方式でイメージを伝達するものである。フィルムを用いた金属表面のイメージ転写方式はフィルムに出力することは容易であるが、フィルムを鋼板に転写することによって製造速度が遅いという欠点があり、フィルム状に金属表面に付着したイメージは温度や天気によってイメージが変形され得るという欠点がある。
【0004】
ロール(Roll)転写方式は、ロール表面に一定の柄のパターン(pattern)をロール(Roll)表面に形成し、ロールツーロール(Roll to Roll)方式を用いて金属素材の表面にイメージを転写する方式である。しかしながら、転写されるイメージは繰り返されるイメージに限定され、上記ロール転写方式を利用するためには各イメージがパターニング(patterning)されたロールを準備しなければならないため、様々なイメージのためにはパターニングされたロールを毎回準備しなければならないという困難がある。
【0005】
インクジェット噴射プリント方式は、顔料と高分子樹脂が含まれた液状のインクを用いて金属素材の表面にイメージや活字を印刷する方式である。上記インクジェット噴射プリント方式は、液体のインクを用いる際に、液体が鋼板の表面に良く吸着するように金属素材の表面をプラズマ処理したり、表面粗さを制御しなければならないという問題がある。また、インクジェット噴射プリント方式は液状のインクを用いるため、インクが噴射されるノズルに目詰まり現象が発生して、ノズルの管理だけでなく、周期的なノズルの清掃と交替が必要である。また、液状のインクを用いるため、インク噴射後の安定化作業が必須であり、ロールツーロール(Roll to Roll)方式では製造が難しいため、バッチタイプ(Batch type)として使用が限定される。特に、インクジェット噴射プリント素材は、液状高分子が連結された形態であり、その中に顔料がイメージを形成するため、折り曲げや切断時に印刷されたイメージの剥離が発生する可能性があるという問題がある。
【0006】
最近、金属素材が様々な分野に用いられ、金属表面に文字、絵などのイメージが適用される場合が多くなっている。しかしながら、従来方式のイメージプリント方式は、紙や高分子素材などの表面にプリントする方式であり、金属素材の表面に適用するには技術的、生産的限界が存在する。したがって、従来のプリント方式の限界を解決することができる方案が必要な実情である。
【0007】
また、金属素材は固有の色相を有しているため、金属素材の表面に印刷を行う場合に、イメージが鮮明でない場合がある。そのため、金属素材の表面に印刷された品質に優れたプリント方法に対する要求が増加している実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一側面は、金属素材の表面に文字、絵などのイメージを印刷(print)する技術であり、金属素材の表面にイメージを高速かつ安定して印刷することができるプリント設備とこれを用いたプリント方法、そしてこれから得られたプリントされた金属素材を提供しようとすることである。
【0009】
また、本発明の他の一側面は、金属素材上に形成された印刷の品質を向上させることができるプリント設備とこれを用いたプリント方法、そしてこれから得られたプリントされた金属素材に関するものである。
【0010】
本発明の課題は、上述した事項に限定されない。本発明のさらなる課題は明細書の全体内容に記述されており、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の明細書に記載された内容から本発明のさらなる課題を理解するのに何ら困難がない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、連続的に移動する金属素材100の表面に白色イメージを印刷する先印刷装備1000、1000’と、
上記白色イメージが印刷された金属素材100の表面にイメージを印刷する本印刷装備2000、2000’と、
を含む印刷品質に優れたプリント設備を提供する。
【0012】
本発明の他の一態様は、連続的に移動する金属素材100の表面に白色イメージを印刷する先印刷段階と、
上記白色イメージが印刷された金属素材100の表面にイメージを印刷する本印刷段階
を含む印刷品質に優れたプリント方法を提供する。
【0013】
本発明のまた他の一態様は金属素材と、
上記金属素材上に形成された白色イメージ層と、
上記白色イメージ層上に形成されたプリント層
を含む印刷品質がプリントされた金属素材を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、金属などの素材に安定して文字、絵などのイメージを印刷することができる技術を提供し、これを連続的に製造することで製品の生産効率を向上させることができる。また、多様かつ多彩なイメージを容易に形成することで、高付加価値製品を製造することができるという利点がある。
【0015】
さらに、金属素材固有の色相に干渉されず、印刷されたイメージが鮮明であり、優れた印刷品質を確保することができるという利点がある。
【0016】
本発明の多様でありながらも有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のプリンタ設備の一実施例を模式的に示した模式図である。
図2】本発明のプリント設備のうち先印刷設備の一実施例を具体的に示した模式図である。
図3】本発明のプリント設備のうち先印刷設備の他の一実施例を具体的に示した模式図である。
図4】本発明のプリント設備のうち本印刷設備の一実施例を具体的に示した模式図である。
図5】本発明のプリント設備のうち本印刷設備の他の一実施例を具体的に示した模式図である。
図6】本発明のプリント設備においてレーザ露光手段の一実施例を具体的に示した模式図である。
図7】本発明のプリント設備において除去手段の一実施例を具体的に示した模式図である。
図8】本発明のプリント設備のうち本印刷設備のまた他の一実施例を具体的に示した模式図である。
図9】本発明のプリント設備のうち本印刷設備のまた他の一実施例を具体的に示した模式図である。
図10】本発明のプリントされた金属素材の断面を模式的に示した模式図である。
図11】金属素材上にイメージをプリントしたものであり、(a)は白色イメージ層上にイメージを印刷したものであり、(b)は白色イメージ層なしでイメージを印刷したものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書で用いられる用語は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。また、本明細書で用いられる単数の形態は、関連定義がこれと明らかに反対される意味を表さない限り、複数の形態も含む。
【0019】
明細書で用いられる「含む」の意味は、構成を具体化し、他の構成の存在や付加を除外するものではない。
【0020】
異なって定義しない限り、本明細書で用いられる技術用語及び科学用語を含むすべての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が一般的に理解する意味と同じ意味を有する。事前に定義された用語は、関連技術文献と現在開示された内容に符合する意味を有するように解釈される。
【0021】
一般的に知られたレーザまたはLEDプリントは、紙などの柔軟性を有する対象体に印刷するものであるが、本発明は金属素材にイメージを印刷する技術に関するものである。本発明は、ロールツーロール(Roll-to-Roll)などの方式で連続的に移動する金属素材の表面に印刷するために、帯電手段、感光ドラム、ヒューズドロールなどの各構成を金属素材の進行方向に応じた一方向に実現したプリント設備とこれを利用するプリント方法に関するものである。
【0022】
特に、本発明によると、従来の金属素材上に印刷する方式に比べて、多様かつ複雑なイメージだけでなく、多彩な色相のイメージを容易かつ経済的に実現することができる。
【0023】
一方、金属素材はそれ自体が固有の色相を有している場合が多い。したがって、その表面にイメージを印刷しても、すべてのイメージが鮮明ではない。すなわち、印刷品質が低下する可能性がある。そこで、本発明の発明者らは、金属素材にイメージを印刷する前に金属素材の表面に白色のイメージを先に印刷(先印刷)してから、これを背景として所望のイメージを印刷(本印刷)すると、より優れた印刷品質を確保することができる。
【0024】
以下、図面を参考して本発明の好ましい実施例を説明する。本発明の実施例は様々な形態に変形されることができ、図面及び下記で説明される実施例に限定されるものと解釈されてはならず、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者に詳細に説明するために提供されるものである。
【0025】
図1は、本発明のプリンタ設備の一実施例を模式的に示したものである。上記図1を参考すると、上記本発明のプリント設備は一例として、ロールツーロール(Roll-to-Roll)などの方式で連続的に移動する金属素材100の表面にイメージを印刷するプリント設備であって、上記連続的に移動する金属素材の表面に白色イメージを印刷する先印刷設備1000、1000’と、上記白色イメージが印刷された金属素材100の表面にイメージを印刷する本印刷設備2000、2000’を含む。
【0026】
上記イメージは文字、柄、絵などを意味し、単色、無彩色、有彩色、立体模様などの様々な形態であり、但し、白色イメージは白色の単色で実現したものを意味する。
【0027】
上記先印刷設備1000、1000’を介して金属素材100の表面に白色イメージを形成し、本印刷設備2000、2000’によるイメージが印刷される前に、金属素材100の表面に白色イメージを形成して、上記本印刷のイメージが優れた鮮明性を確保することができるという利点がある。
【0028】
まず、先印刷設備1000、1000’について詳細に説明する。
【0029】
図2は、上記先印刷設備1000の一例を示したものである。図2を参考すると、上記先印刷設備1000は、先印刷感光ドラム1300、先印刷感光ドラム充電手段1410及び先印刷感光ドラム放電手段1420、先印刷露光手段1200、先印刷現像手段1500、先印刷金属素材帯電手段1101、先印刷除去手段1600、先印刷固定手段1700などを含む。以下、図2を参照して各構成について詳細に説明する。
【0030】
先印刷感光ドラム1300は、上記金属素材100の表面に密着していずれかの一方向に回転しながら、表面に付着した白色トナーWを上記金属素材100の表面に伝達して定着させてイメージを転写させる。上記先印刷感光ドラム1300は、図2において一方向に回転するものと示されているが、必ずしも一方向にのみ回転するものではなく、両方向の回転も可能である。上記先印刷感光ドラム1300は、本発明が属する技術分野で通常用いられるものであれば十分であり、その種類を特に限定しない。好ましい一例としては、OPC(Organic Photo Conductor)ドラムを用いることができる。
【0031】
先印刷現像手段1500は、上記先印刷感光ドラム1300の一側に備えられ、表面にイメージを形成するための白色トナーWを提供する。上記先印刷現像手段1500は、先印刷感光ドラム1300に白色トナーWを提供することができれば十分であり、その形態や形状を特に制限しない。図2では、好ましい一例として、上記先印刷現像手段1500は、白色トナーWを含むトナーコンテナ1520と、上記トナーコンテナ1520から先印刷感光ドラム1300で白色トナーを伝達する現像ローラ1510を含む。上記現像ローラ1520は必須ではなく、場合によってトナーコンテナ1520から直接先印刷感光ドラム1300に提供されることができる。一方、上記白色トナーWは、金属素材の表面に白色イメージを形成するためのものである。
【0032】
上記白色トナーWが提供される前に、上記先印刷感光ドラム1300の表面を帯電させる先印刷感光ドラム帯電手段1410を含む。上記先印刷感光ドラム帯電手段1410は、先印刷感光ドラムの表面に静電気的な電荷を印加する。帯電のための手段としては、通常コロナワイヤ(corona wire)を多く利用する。
【0033】
上記先印刷現像手段1500と先印刷感光ドラム帯電手段1410との間で、帯電された先印刷感光ドラム1300の表面に、要求されるイメージに応じて光エネルギーを付与する先印刷露光手段1200が備えられる。上記先印刷露光手段1200の位置は重要ではないが、上記光エネルギーは、上記先印刷現像手段1500と先印刷感光ドラム帯電手段1410との間の感光ドラム3100の表面に付与される。上記光エネルギーにより先印刷感光ドラム1300の表面は一部の電荷が除去され、上記先印刷現像手段1500によってトナーが先印刷感光ドラム1300の表面に付着する。上記光エネルギーは、レーザまたはLED(Light Emitting Diode)であることが好ましい。
【0034】
図6は、上記レーザを用いる場合の先印刷露光手段1200を模式的に示したものであり、レーザ発生装置1210及び上記レーザ発生装置1210から出るレーザを調節して、上記先印刷感光ドラム1300の表面上に要求されるイメージに応じてスキャニングして電荷を除去するスキャニングミラー(scanning mirror)1220を含む。上記図6の構造は、先印刷設備1000、1000’だけでなく、本印刷設備2000、2000’で適用される露光手段1200、1200’、2200、2200’、2201、2201’、2202、2202’、2203、2203’、2204、2204’と同じ原理で適用されることができる。
【0035】
上記先印刷感光ドラム1300に付着した白色トナーWが金属素材100に移動して定着できるように、上記金属素材100の表面を帯電させる先印刷金属素材帯電手段1101を含む。上記先印刷金属素材帯電手段1101は、金属素材100を一定の電荷に帯電させる役割を果たすだけでなく、金属素材が一定の速度で移動できるようにするガイドロール(Guide Roll)の役割も果たすことができる。上記先印刷金属素材帯電手段1101は1つ以上備えられることができ、上記先印刷金属素材帯電手段1101は、金属素材100の進行方向を基準として上記先印刷感光ドラム1300の前端、後端または前後端に形成されることができ、金属素材100の上部、下部または上下部の全てに位置することができる。上記先印刷金属素材帯電手段1101が2つ以上であっても互いに異なる役割を果たすものではなく、2回以上の帯電を介して、より強い静電気的な引力を確保できるという点で利点がある。
【0036】
一方、金属素材100の表面に別途のコーティング層、例えば樹脂層などが形成されており、上記コーティング層上に印刷する場合には、上記コーティング層を帯電させるための先印刷金属素材帯電手段1101がコーティング層の上部に位置することができる。コーティング層の上部に位置する金属素材帯電手段は、先印刷設備1000、1000’だけでなく、後述する本印刷設備2000、2000’においても同じ原理で適用されることができる。
【0037】
上記白色トナーWが上記金属素材100の表面に定着した後、上記先印刷感光ドラム1300の表面に残留する白色トナーWを除去する先印刷除去手段1600を含む。上記先印刷除去手段1600は、上記先印刷感光ドラム1300の表面の残留トナーを分離するためのブレード1610と上記分離されたトナーが上記金属素材100に落下して印刷品質が低下することを防止するために、上記ブレード1610の下端に分離されたトナーを回収する収集容器1620を含むことができる。図7は、上記先印刷感光ドラム1300の表面に残存するトナーを除去する除去手段1600をより具体化したものであり、上述したブレード1610及び収集容器1620の他に、追加的にアルコールブラシ1630をさらに含むことができる。上記先印刷感光ドラム1300は高速で回転してイメージを転写して、上記トナーの除去が容易でない場合がある。このような場合には、イメージの残像が残っている可能性があるという問題がある。このために、上記ブレード1610で1次除去を行った後、アルコールブラシ1630などを用いて化学的方法で2次除去を行うことができる。上記ブレード、収集容器及びアルコールブラシの構成は、先印刷設備1000、1000’だけでなく、本印刷設備2000、2000’においても同じ構造及び原理が適用されることができる。
【0038】
上記白色トナーWが金属素材上に定着した後、上記金属素材100上の白色トナーWを固定させて、イメージを安定して形成するための先印刷固定手段1700が金属素材100の進行方向を基準として先印刷感光ドラム1300の後端に備えられることができる。上記先印刷固定手段1700は、上記白色トナーWに熱を加えて、金属素材100上に定着した白色トナーWを固定するヒューズドロール(Fused roll)1710及び圧力を加えて、固定することを助ける加圧ロール(Pressure Roll)1720が含まれることができる。このとき、ヒューズドロール1710の加熱温度は25~400℃であることが好ましい。上記固定手段、ヒューズドロール及び加圧ロールの構成は、先印刷設備1000、1000’だけでなく、後述する本印刷設備2000、2000’においても同じ構造及び原理が適用されることができる。
【0039】
本発明において、金属素材帯電手段1101、1101’、2101、2101’及び加圧ロール1720、1720’2720、2720’は、上下移動が可能な構造であることがより好ましい。上記金属素材100は、常に一定の厚さを有することはできず、非常に薄い薄膜であることもでき、厚板であることもできる。したがって、金属素材100の厚さに応じて、上記金属素材帯電手段1101、1101’、2101、2101’及び加圧ロール1720、1720’2720、2720’が可変型構造で上下移動が可能であれば、金属素材100の厚さに関係なく、イメージを印刷することができる。
【0040】
一方、図3は、本発明において先印刷設備1000’の他の一例を示したものである。図3を参考すると、先印刷設備1000’は、先印刷転写ベルト1800’、先印刷感光ドラム1300’、先印刷感光ドラム充電及び放電手段1400’、先印刷露光手段1200’、先印刷現像手段1500’、先印刷除去手段1600’、先印刷固定手段1700’などを含む。以下、図3を参照して各構成について詳細に説明する。
【0041】
先印刷転写ベルト1800’は、上記金属素材100に密着していずれかの一方向に回転しながら、表面に付着した白色トナーWを上記金属素材100の表面に伝達して、定着させる機能を提供し、同時に、先印刷感光ドラム1300’の表面を保護し、イメージの品質を向上させることができる役割を果たす。上記金属素材100の硬度が高い場合に、上記金属素材100と先印刷感光ドラム1300’の接触により、先印刷感光ドラム1300’の表面が損傷する可能性がある。この場合には、先印刷感光ドラム1300’の修理及び交替費用が増加することになり、転写されるイメージの正確度も低下することがあるため、印刷品質が低下する可能性がある。上記先印刷感光ドラム1300’から金属素材100にトナーが移動せず、上記先印刷転写ベルト1800’を経て転写される方式を採用したものである。
【0042】
一方、上記先印刷転写ベルト1800’を走行方向に駆動するための先印刷転写ベルトの駆動ロール1810’が備えられ、白色トナーWを受け取るために、上記先印刷感光ドラム1300’から白色トナーWを受け取る前に、先印刷転写ベルト1800’の表面を帯電させる先印刷転写ベルトの帯電手段1820’が備えられ、通常的にコロナワイヤ(corona wire)を多く利用する。一方、上記先印刷転写ベルト1800’の白色トナーWが上記金属素材100に伝達されてイメージを転写した後、転写ベルトに残留した白色トナーWを除去するトナー除去手段1840’が備えられ、トナーWが除去された後に転写ベルトの電荷を放電させる先印刷転写ベルトの放電手段1830’が備えられることができる。上記先印刷転写ベルト1800’を駆動するための装置は、後述する本印刷転写ベルト2800’を駆動するための設備構成が実質的に同じである。
【0043】
上記先印刷感光ドラム1300’は転写ベルトに接して、反対方向に回転しながら、表面に付着した白色トナーWを上記転写ベルト1800’に伝達する役割を果たす。上記先印刷感光ドラム1300’は、本発明が属する技術分野で通常用いられるものであれば十分であり、その種類を特に限定しない。好ましい一例としては、OPC(Organic Photo Conductor)ドラムを用いることができる。
【0044】
先印刷現像手段1500’は、上記先印刷感光ドラム1300’の一側に備えられ、表面にイメージを形成するための白色トナーWを提供する。上記先印刷現像手段1500’は、上述した図2の先印刷設備と実質的に同一であって、その詳しい説明は上述した内容に置き換える。
【0045】
上記白色トナーWが提供される前に上記感光ドラム1300’の表面を帯電させる先印刷感光ドラム帯電手段1410’を含む。上記先印刷感光ドラム帯電手段1410’は感光ドラムの表面に静電気的な電荷を印加する。上記帯電手段としては、通常コロナワイヤ(corona wire)を多く用いる。
【0046】
上記先印刷現像手段1500’と先印刷感光ドラム帯電手段1410’との間で、帯電された先印刷感光ドラム1300’の表面に、要求されるイメージに応じて光エネルギーを付与する先印刷露光手段1200’が備えられる。上記先印刷露光手段1200’の位置は重要ではないが、上記光エネルギーは上記先印刷現像手段1500’と先印刷感光ドラム帯電手段1410’との間の先印刷感光ドラム1300’の表面に与えられる。この先印刷露光手段1200’の具体的な機能と構造などは、先の図2及び図6を参考して説明した先印刷露光手段1200と差異がないため、上述した内容に置き換える。
【0047】
上記先印刷感光ドラム1300’から先印刷転写ベルト1800’に伝達されたイメージ形成白色トナーWが金属素材100に移動して定着できるように、上記金属素材100の表面を帯電させる先印刷金属素材帯電手段1101’を含む。上記先印刷金属素材帯電手段1101’は、金属素材を一定の電荷に帯電させる役割を果たすだけでなく、金属素材が一定の速度で移動できるように助けるガイドロール(Guide Roll)の役割も果たすことができる。上記先印刷金属素材帯電手段1101’は1つ以上備えられることができ、上記先印刷金属素材帯電手段1101’は金属素材100の進行方向を基準として上記転写ベルト1800’の前端、後端または前後端に形成されることができ、金属素材100の上部、下部または上下部の全てに位置することができる。
【0048】
上記先印刷金属素材帯電手段1101’が2つ以上であっても互いに異なる役割を果たすものではなく、2回以上の帯電を介して、より強い静電気的な引力を確保することができるという点で利点がある。
【0049】
上記先印刷感光ドラム1300’は、表面のトナーを上記先印刷転写ベルト1800’に提供した後、その表面に残留するトナーを除去するための先印刷除去手段1600’を含む。この先印刷除去手段1600’の具体的な機能と構造などは、先の図2及び図7を参考して説明した先印刷除去手段1600と差異がないため、上述した内容に置き換える。
【0050】
一方、トナーを除去するための除去手段は、先印刷転写ベルト1800’においても備えられることができる。すなわち、イメージ形成のためのトナーを金属素材100上に定着させた後、先印刷転写ベルト1800’の表面に残留するトナーを除去するために、ブレード1810’と上記分離されたトナーが上記金属素材100に落下して印刷品質が低下することを防止するために、上記ブレード1810’の下端に分離されたトナーを回収する収集容器1820’を含むことができる。上記先印刷転写ベルト1800’上に残存するトナーを除去するための構成は、後述する本印刷転写ベルト2800’においても差異がない。
【0051】
上記白色トナーWが金属素材100上に定着した後、上記金属素材100上に白色トナーWを固定させ、イメージを安定して形成するための先印刷固定手段1700’が金属素材100の進行方向を基準として先印刷感光ドラム1300’と先印刷転写ベルト1800’の後端に備えられることができる。この先印刷固定手段1700’の具体的な機能と構造などは、先の図2を参考して説明した先印刷固定手段1700と差異がないため、上述した内容に置き換える。
【0052】
次に、本印刷設備2000、2000’について詳細に説明する。
【0053】
図4は、上記本印刷設備2000の一例を示したものである。図4に示された本印刷設備2000は、本印刷感光ドラム2300、本印刷感光ドラム充填手段2410、及び本印刷感光ドラム放電手段2420、本印刷露光手段2200、本印刷現象手段2500、本印刷金属素材帯電手段2101、本印刷除去手段2600、本印刷固定手段2700などを含む。
【0054】
上記本印刷感光ドラム2300は、白色イメージが先印刷された金属素材100の表面に密着していずれかの一方向に回転しながら、表面に付着したトナーTを上記金属素材100の表面に伝達して定着させてイメージを転写させる。図4で、上記本印刷感光ドラム2300は一方向に回転すると示されているが、必ずしも一方向にのみ回転するものではなく、両方向の回転も可能である。上記本印刷感光ドラム2300は、本発明が属する技術分野で通常用いられるものであれば十分であり、その種類を特に限定しない。好ましい一例としては、OPC(Organic Photo Conductor)ドラムを用いることができる。
【0055】
上記本印刷現像手段2500は、上記本印刷感光ドラム2300の一側に備えられ、表面にイメージを形成するためのトナーTを提供する。上記本印刷現像手段2500は、本印刷感光ドラム2300にトナーを提供することができれば十分であり、その形態や形状を特に制限しない。上記図4では、好ましい一例として、上記本印刷現像手段2500は、トナーTを含むトナーコンテナ2520と上記トナーコンテナ2520から本印刷感光ドラム2300にトナーを伝達する現像ローラ2510を含む。上記現像ローラ2520は必須ではなく、場合によってはトナーコンテナ2520から直接感光ドラム2300に提供されることができる。一方、上記トナーTは金属素材の表面にイメージを形成するものであり、本発明が属する技術分野で通常の技術者が認知しているものは全て使用が可能であり、その種類を特に限定するものではない。一例として、高分子構造を有する物質が用いられることができる。また、本発明では、トナーに多様な機能を付与することができる物質(例えば、蛍光物質、磁性物質、電気伝導物質など)を追加することができ、機能を有するイメージを実現することができるだけでなく、トナーの粒子を多様に用いて粗さを付与したり、立体的な形状を実現することもできる。
【0056】
上記トナーTが提供される前に、上記本印刷感光ドラム2300の表面を帯電させる本印刷感光ドラム帯電手段2410を含む。上記本印刷感光ドラム帯電手段2410は感光ドラムの表面に静電気的な電荷を印加する。上記帯電手段としては、通常コロナワイヤ(corona wire)を多く用いる。
【0057】
上記本印刷現像手段2500と本印刷感光ドラム帯電手段2410との間で、帯電された本印刷感光ドラム2300の表面に、要求されるイメージに応じて光エネルギーを付与する本印刷露光手段2200が備えられる。上記本印刷露光手段2200の位置は重要ではないが、上記光エネルギーは、上記本印刷現像手段2500と本印刷感光ドラム帯電手段2410との間の本印刷感光ドラム2300の表面に付与される。上記光エネルギーにより、本印刷感光ドラム2300の表面は一部の電荷が除去され、上記本印刷現像手段2500によってトナーが本印刷感光ドラム2300の表面に付着する。上記光エネルギーは、レーザまたはLED(Light Emitting Diode)であることが好ましい。上記光エネルギーを用いる場合に、上記本印刷露光手段2200の具体的な構造及び機能は、先に説明した図6の先印刷露光手段1200の内容と差異がない。
【0058】
上記本印刷感光ドラム2300に付着したトナーTが上記白色イメージが先印刷された金属素材100に移動して定着されるように、上記金属素材100の表面を帯電させる本印刷金属素材帯電手段2101を含む。上記本印刷金属素材帯電手段2101の構造及び機能は、先に説明した先印刷金属素材帯電手段1101、1101’のそれと変わらないため、詳細な説明は省略する。
【0059】
一方、上記トナーTが上記金属素材100の表面に定着した後、上記本印刷感光ドラム2300の表面に残留するトナーTを除去する本印刷除去手段2600を含む。上記本印刷除去手段2600は、上記本印刷感光ドラム2300の表面の残留トナーを分離するためのブレード2610と上記分離されたトナーが上記金属素材100に落下して印刷品質が低下することを防止するために、上記ブレード2610の下端に分離されたトナーを回収する収集容器2620を含むことができる。アルコールブラシをさらに含むことができ、上記アルコールブラシは、先の先印刷除去手段1600の説明及び図7の内容と変わらないため、詳細な説明は省略する。
【0060】
上記トナーTが上記金属素材100上に定着した後、上記金属素材100上にトナーTを固定させ、イメージを安定して形成するための本印刷固定手段2700が金属素材100の進行方向を基準として本印刷感光ドラム2300の後端に備えられることができる。上記本印刷固定手段2700は、上記トナーTに熱を加えて、金属素材100上に定着したトナーTを固定するヒューズドロール(Fused roll)2710及び圧力を加えて固定することを助ける加圧ロール(Pressure Roll)2720を含むことができる。このとき、ヒューズドロール2710の加熱温度は25~400℃であることが好ましい。
【0061】
上記本印刷金属素材帯電手段2101及び加圧ロール2720は、上下移動が可能な構造であることがより好ましい。上記金属素材100は常に一定の厚さを有することはできず、非常に薄い薄膜であることもでき、厚板であることもできる。したがって、金属素材100の厚さに応じて、上記本印刷金属素材帯電手段2101と加圧ロール2720の可変型構造で上下移動が可能であれば、金属素材100の厚さに関係なく、イメージを印刷することができる。
【0062】
一方、様々なイメージを印刷するために1つ以上のトナーを用いることができ、この場合には、本印刷感光ドラム、本感光ドラム帯電手段、本印刷感光ドラム放電手段、本印刷露光手段、本印刷現像手段、本印刷除去手段が金属素材の進行方向に応じて対を成して2つ以上備えられることができる。図8は、このような本印刷設備のまた他の一実施例を模式的に示したものである。上記図8は、カラーイメージを印刷するために、4種のトナーを提供してイメージを転写するための本印刷設備を実現したものであり、4種のトナーTの色相がそれぞれC(Cyan)、Y(Yellow)、M(Magenta)、K(Black)であり得る。上記トナーの種類は必ずしも4種を使用すべきではなく、W(White)を含むこともできる。このうち一部または以上、重複して用いることも可能であり、その順序も定められたものではない。要求されるイメージ、作業効率などを考慮して当業者が任意に選択することができる。
【0063】
図8では、4種のトナー使用時の本印刷設備を示したものである。そこで、図8では、4種のトナーを金属素材100に定着させるために、各4対の本印刷感光ドラム2301、2302、2303、2304、本印刷感光ドラム帯電及び放電手段2401、2402、2403、2404、本印刷露光手段2201、2202、2203、2204、本印刷現象手段2501、2502、2503、2504、及び本印刷除去手段2601、2602、2603、2604が備えられる。但し、金属素材100上に定着したトナーを固定するための本印刷固定手段2700は最終的にイメージを定着させるためのものであり、必ずしも複数個である必要はない。
【0064】
一方、図8のように、多数の感光ドラムを用いる場合に、ロールツーロール(Roll to Roll)などの連続方式の特性上、金属素材100のたるみが発生するおそれがあるため、上記金属素材を支えつつ、連続的な移動を図る支持ロール2111、2112、2113、2114が多数備えられることができる。上記支持ロール2111、2112、2113、2114も金属素材100の厚さに応じて上下移動が可能な可変構造であることが好ましい。
【0065】
図5は、上記本印刷設備2000’の他の一例を示したものである。図5に示された本印刷設備2000’は、本印刷転写ベルト2800’、本印刷感光ドラム2300’、本印刷感光ドラム充電及び放電手段2400’、本印刷露光手段2200’、本印刷現像手段2500’、本印刷除去手段2600’、本印刷固定手段2700’などを含む。
【0066】
本印刷転写ベルト2800’は、上記白色イメージが先印刷された金属素材100に密着していずれかの一方向に回転しながら、表面に付着したトナーTを上記金属素材100の表面に伝達して、定着させる機能を提供し、同時に本印刷感光ドラム2300’の表面を保護し、イメージの品質を向上させることができる役割を果たす。上記金属素材100の硬度が高い場合に、上記金属素材100と本印刷感光ドラム2300’の接触により、本印刷感光ドラム2300’の表面が損傷される可能性がある。この場合には、本印刷感光ドラム2300’の修理及び交替費用が増加するようになり、転写されるイメージの正確度も低下することがあるため、印刷品質が低下する可能性がある。上記本印刷感光ドラム2300’から金属素材100にトナーが移動せず、上記本印刷転写ベルト2800’を介して転写される方式を採用したものである。
【0067】
一方、上記本印刷転写ベルト2800’を走行方向に駆動されるための本印刷転写ベルトの駆動ロール2810’が備えられ、トナーTを伝達するために、上記本印刷感光ドラム2300’からトナーTが提供される前に、本印刷転写ベルト2800’の表面を帯電させる本印刷転写ベルトの帯電手段1820’が備えられ、通常的にコロナワイヤ(corona wire)を多く用いる。一方、上記本印刷転写ベルト2800’のトナーTが上記金属素材100に転写されてイメージを転写した後、転写ベルトに残留したトナーTを除去するトナー除去手段2840’が備えられ、トナーTが除去された後に本印刷転写ベルトの電荷を放電させる本印刷転写ベルトの放電手段2830’が備えられることができる。
【0068】
上記本印刷感光ドラム2300’は転写ベルトに接し、反対方向に回転しながら表面に付着したトナーTを上記転写ベルト2800’に伝達する役割を果たす。上記本印刷感光ドラム2300’は、先に説明した先印刷感光ドラム1300’と差異がない。
【0069】
本印刷現像手段2500’は、上記本印刷感光ドラム2300’の一側に備えられ、表面にイメージを形成するためのトナーTを提供する。上記本印刷現象手段2500’は、上述した図2図3及び図4の先印刷現象手段及び本印刷現象手段と技術的内容と構成が実質的に同一であり、その詳細な説明は上述した内容に置き換える。
【0070】
上記トナーTが提供される前に、上記本印刷感光ドラム2300’の表面を帯電させる本印刷感光ドラム帯電手段2410’と帯電された本印刷感光ドラムを放電させる本印刷感光ドラム放電手段2420’は、上述の図2図3及び図4の先印刷設備及び本印刷設備で説明した感光ドラム帯電手段及び感光ドラム帯電手段と技術的内容、構成が実質的に同一であるため、その詳細な説明は上述した内容に置き換える。
【0071】
上記本印刷現像手段2500’と本印刷感光ドラム帯電手段2410’との間で、帯電された本印刷感光ドラム2300’の表面に、要求されるイメージに応じて光エネルギーを付与する本印刷露光手段2200’が備えられる。上記本印刷露光手段2200’の位置は重要ではないが、上記光エネルギーは上記本印刷現像手段2500’と本印刷感光ドラム帯電手段2410’との間の本印刷感光ドラム2300’の表面に付与される。この本印刷露光手段2200’の具体的な機能と構造などは、先の図2及び図6を参考して説明した先印刷露光手段1200と差異がないため、上述した内容に置き換える。
【0072】
上記本印刷感光ドラム2300’から本印刷転写ベルト2800’に転写されたイメージ形成トナーTが白色イメージが先印刷された金属素材100に移動して定着することができるように、上記金属素材100の表面を帯電させる本印刷金属素材帯電手段2101’を含む。上記本印刷金属素材帯電手段2101’は、先に説明した図2図3及び図4の金属素材帯電手段と構成及び技術的内容に差異がないため、上述した内容に置き換える。
【0073】
上記本印刷感光ドラム2300’は、表面のトナーを上記本印刷転写ベルト2800’に提供した後、その表面に残留するトナーを除去するための本印刷除去手段2600’を含む。この本印刷除去手段2600’の具体的な機能と構造などは、先の図2及び図7を参考して説明した先印刷除去手段1600と差異がないため、上述した内容に置き換える。
【0074】
一方、トナーを除去するための除去手段は、本印刷転写ベルト1800’にも備えられることができる。すなわち、イメージ形成のためのトナーを金属素材100上に定着させた後、本印刷転写ベルト2800’の表面に残留するトナーを除去するために、ブレード2810’と上記分離されたトナーが上記金属素材100に落下して印刷品質が低下することを防止するために、上記ブレード2810’の下端に分離されたトナーを回収する収集容器1820’を含むことができる。上記本印刷転写ベルド2800’上に残存するトナーを除去するための構成は、上述した先印刷転写ベルト1800’と差異がない。
【0075】
上記トナーTが金属素材100上に定着した後、上記金属素材100上のトナーWを固定させて、イメージを安定して形成するための本印刷固定手段2700’が金属素材100の進行方向を基準として本印刷感光ドラム2300’と本印刷転写ベルト2800’の後端に備えられることができる。この本印刷固定手段2700’の具体的な機能及び構造などは、先の図2図3及び図4を参考して説明した先印刷固定手段1700、1700’及び本印刷固定手段2700と差異がないため、上述した内容に置き換える。
【0076】
一方、様々なイメージを印刷するために1つ以上のトナーを用いることができ、この場合には、本印刷感光ドラム、本印刷感光ドラム帯電手段、本印刷感光ドラム放電手段、本印刷露光手段、本印刷現像手段、本印刷除去手段が転写ベルト800の進行方向に応じて対を成して2つ以上備えられることができる。図9は、本発明の本印刷設備のまた他の一実施例を模式的に示したものである。上記図9は、具体的にカラーイメージを印刷するために、4種類のトナーを提供してイメージを転写するためのプリント設備を実現したものであり、4種類のトナーTはそれぞれC(Cyan)、Y(Yellow)、M(Magenta)、K(Black)であり得る。上記トナーの種類は必ずしも4種を使用すべきではなく、W(White)を含むこともできる。このうち、一部または以上、重複して用いることも可能であり、その順序も定められたものではない。要求されるイメージ、作業効率などを考慮して当業者が任意に選択することができる。
【0077】
図9では、4種のトナー使用時のプリント設備を示したものである。そこで、図9では、4種のトナーを白色イメージが先印刷された金属素材100に定着させるために、各4対の本印刷感光ドラム2301’、2302’、2303’、2304’、本印刷感光ドラム帯電及び放電手段2401’、2402’、2403’、2404’、本印刷露光手段2201’、2202’、2203’、2204’、本印刷現像手段2501’、2502’、2503’、2504’及び本印刷除去手段2601’、2602’、2603’、2604’が転写ベルト2800’の進行方向に沿って位置する。これにより、図9に示されたように、各対によって移送されたトナーTが1つの本印刷転写ベルト2800’に伝達され、本印刷転写ベルト2800’はこれを再び金属素材100上に定着させる。なお、このとき、上記金属素材100上に定着したトナーを固定するための本印刷固定手段2700’は、最終的に転写されたイメージを定着させるためのものであり、必ずしも複数個である必要はない。
【0078】
一方、図9のように、多数の感光ドラムを用いる場合に、本印刷転写ベルト2800’の長さが長くなることがあり、これによりたわみが発生するおそれがあるため、上記本印刷転写ベルト2800’を支えながら、連続的な移動を図る転写ベルトの支持ロール2811’、2812’、2813’、2814’をさらに備えることができる。
【0079】
一方、金属素材100の板材の両面に印刷を行う場合に、上記先印刷設備1000、1000’のうち1つ以上と、本印刷設備2000、2000’のうち1つ以上を上記金属素材100の上部及び下部に位置させることが好ましい。
【0080】
次に、本発明のプリント方法について詳細に説明する。本発明のプリント方法は、連続的に移動する金属素材100の表面に白色イメージを印刷する先印刷段階及び上記白色イメージが印刷された金属素材100の表面にイメージを印刷する本印刷段階を含む。
【0081】
上記白色イメージを印刷する先印刷方法の一実施例を図2を参考して説明すると、いずれかの一方向に回転する先印刷感光ドラム1300の表面を帯電させる先印刷帯電段階;上記帯電された先印刷感光ドラム1300の表面に、要求される白色イメージに応じて光エネルギーを付与する先印刷露光段階;上記露光後の先印刷感光ドラム1300の表面に白色トナーWを提供する先印刷現像段階;上記先印刷感光ドラム1300の表面に付着した白色トナーWを帯電された金属素材100の表面に移動させて定着させる先印刷転写段階;上記金属素材100の表面に定着した白色トナーWを固定させる先印刷固定段階;上記転写後の先印刷感光ドラム300の表面に残留する白色トナーWを除去する先印刷除去段階;及び上記先印刷感光ドラム300の表面を放電させる先印刷放電段階を含む。
【0082】
具体的に説明すると、まず、上記いずれかの一方向に回転する先印刷感光ドラム1300の表面を帯電(先印刷帯電)させる。上記先印刷感光ドラム1300をいずれか一つの電荷に帯電された電荷層を形成し、この後、白色トナーWを用いて白色イメージを塗る準備をする。上記先印刷感光ドラム1300の表面は、正(+)電荷や負(-)電荷のいずれでもよい。
【0083】
上記電荷層を形成して帯電された先印刷感光ドラム1300の表面に光エネルギーを与える露光(先印刷露光)を行う。上記露光は、光エネルギーを用いて上記先印刷感光ドラム1300の表面の電荷を除去することによって要求される白色イメージに応じて上記先印刷感光ドラム1300の表面にトナーを移動させることができる。上記光エネルギーは様々な形態であることができ、レーザ、LED光源を用いることが好ましい。
【0084】
上記露出された先印刷感光ドラム1300の表面に白色トナーWを付着し、これを現像過程(先印刷現象)という。上記白色トナーWは、上記先印刷感光ドラム1300の帯電電荷と反対の電荷で帯電されており、先印刷感光ドラム1300の表面に付着する。上記現像過程では、図2の一例を参考すると、現像ローラ1510が一定量の白色トナーWをトナーコンテナ1520から先印刷感光ドラム1300に移す。しかしながら、上記現像ローラ1510が必ずしも必要ではなく、上記トナーコンテナ1520から先印刷感光ドラム1300に直接移動することもできる。すなわち、先印刷現像段階は、上記先印刷感光ドラム300の表面に要求されるイメージに応じてトナーが付着する過程である。
【0085】
この後、上記先印刷感光ドラム1300の表面に付着したトナーが帯電された金属素材100に移動して、金属素材100の表面に白色トナーを定着させる転写(先印刷転写段階)が進行される。上記金属素材100は、上記先印刷感光ドラム1300と同じ電荷で帯電され、トナーとは反対の電荷で帯電されて、先印刷感光ドラム1300に付着していた白色トナーWが上記金属素材100に移動するようになる。上記先印刷転写段階は、金属素材100の表面にイメージが印刷される過程であって、上記金属素材100が上記トナーとは反対の電荷に帯電されており、上記トナーを引くようになって、金属素材100の表面に定着させる過程である。上記金属素材100の帯電は、上記先印刷転写段階の前や後、または前後の全てにおいて行われることができる。一方、上記金属素材100の表面に別途のコーティング層が形成された場合、コーティング層上に転写させるために、コーティング層が帯電されるように、先印刷金属素材帯電手段がコーティング層に接するように備えられることができる。
【0086】
上記金属素材100の表面に定着した白色トナーが固定される段階(先印刷固定段階)を経て、上記固定は熱圧着方式で行われることができ、具体的にはヒューズドロール1710と加圧ロール1720によって熱が加わると同時に圧着される。このとき、加熱温度は25~400℃であることが好ましい。本発明で用いられる白色トナーWの場合は、上述したように金属素材の印刷に用いられるものであり、主要成分が高分子構造となっている。特に、金属素材は熱伝達率が高いことからトナーの溶融吸着に困難があるため、適正温度に加熱してトナーが吸着できなければならない。このために、常温以上の温度で反応して金属素材の表面に固定されることができるため、上記加熱温度は25℃以上であることが好ましい。一方、400℃を超過するようになると、上記トナーの高分子構造が分解される問題が発生する可能性があるため、上記加熱は400℃を超過しないことが好ましい。より好ましくは50~300℃に加熱する。
【0087】
上記金属素材100とは別に、転写後の先印刷感光ドラム1300の表面に残留するトナーを除去する除去段階(先印刷除去段階)が行われる。これは、残留されたトナーにより後続する印刷過程で残像が残る可能性があるため、印刷品質を低下させる可能性がある。このとき、除去方法は、図2及び図7に示されたように、ブレード1610を介して物理的除去を行い、このように除去されたトナーが金属素材に落下することを防止するために、収集容器1620に回収されることができる。一方、より完全な除去のために、上記物理的除去後にアルコールブラシ1630を用いて化学的除去をさらに行うことができる。
【0088】
この後、上記先印刷感光ドラム1300に残っている電荷を消滅させるために、先印刷感光ドラム1300の表面を放電する段階(先印刷放電段階)を行う。上記放電により、先印刷感光ドラム1300は新しい印刷を進めることができるように準備される。
【0089】
一方、上記白色イメージを印刷する先印刷方法の他の一実施例を図3を参考して説明すると、いずれかの一方向に回転する先印刷感光ドラム1300’の表面を帯電させる先印刷帯電段階;上記帯電された先印刷感光ドラム1300’の表面に、要求される白色イメージに応じて光エネルギーを付与する先印刷露光段階;上記露光後の先印刷感光ドラム1300’の表面に白色トナーWを提供する先印刷現像段階;上記先印刷感光ドラム1300’の表面に付着した白色トナーWを帯電された先印刷転写ベルト1800の表面に移動させる段階;上記先印刷転写ベルト1800の表面に付着したトナーを帯電された金属素材100の表面に移動させて定着させる先印刷転写段階;上記金属素材100の表面に定着した白色トナーWを固定させる先印刷固定段階;上記転写後の先印刷感光ドラム1300’及び先印刷転写ベルト1800の表面に残留する白色トナーWを除去する先印刷除去段階;及び上記先印刷感光ドラム1300’及び先印刷転写ベルト1800の表面を放電させる先印刷放電段階を含む。
【0090】
具体的に説明すると、まず、上記いずれかの一方向に回転する先印刷感光ドラム1300’の表面を帯電(先印刷帯電)させる。一方向を回転する先印刷感光ドラム1300’の表面を帯電させる。これにより、上記先印刷感光ドラム1300’をいずれか一つの電荷で電荷層を形成し、この後、白色トナーWを用いて白色イメージを塗る準備をする。上記先印刷感光ドラム1300’の表面は正(+)電荷や負(-)電荷のいずれでもよい。
【0091】
上記電荷層を形成して帯電された先印刷感光ドラム1300’の表面に光エネルギーを付与する露光(先印刷露光)を行う。上記露光は、先印刷感光ドラム1300’の表面の電荷を除去することによって要求される白色イメージに応じて上記先印刷感光ドラム1300’の表面にトナーを移動させることができる。上記光エネルギーは様々な形態であることができ、レーザ、LED光源を用いることが好ましい。
【0092】
上記露出された先印刷感光ドラム1300’の表面に白色トナーWを付着する。これを現像過程(先印刷現象段階)とする。上記白色トナーWは、上記先印刷感光ドラム1300’の帯電電荷とは反対の電荷で帯電されており、先印刷感光ドラム1300’の表面に付着する。上記現像過程では、図3の一例を参考すると、現像ローラ1510’が一定量の白色トナーWをトナーコンテナ1520’から先印刷感光ドラム1300’に移す。しかしながら、上記現像ローラ1510’が必ずしも必要ではなく、上記トナーコンテナ1520’から先印刷感光ドラム1300’に直接移動することもできる。すなわち、先印刷現像段階は、上記先印刷感光ドラム1300’の表面で電荷が除去された位置にトナーが付着する過程である。
【0093】
この後、上記先印刷感光ドラム1300’の表面に付着した白色トナーWが帯電された先印刷転写ベルト1800’に移動して、先印刷転写ベルト1800’の表面に白色トナーWを移動させた。このとき、上記先印刷転写ベルト1800’の表面は上記白色トナーWとは反対の電荷で帯電されており、トナーを引いて先印刷転写ベルト1800’の表面に移動させる。上記先印刷転写ベルト1800’を用いて、先印刷感光ドラム1300’が直接金属素材100と接触することを避けることができる。特に、硬度の高い金属素材を用いる場合に感光ドラムの表面が損傷されることを防止するために、上記先印刷感光ドラム1300’の表面の白色トナーWを先に先印刷転写ベルト1800’に移動させる。
【0094】
上記のように先印刷転写ベルト1800’の表面に付着した白色トナーWが帯電された金属素材100に移動して、金属素材100の表面に白色トナーWを定着させる転写(先印刷転写段階)が進行される。上記金属素材100は、上記先印刷転写ベルト1800’と同じ電荷で帯電され、トナーとは反対の電荷で帯電されて、先印刷転写ベルトの白色トナーが上記金属素材100に移動するようになる。上記転写過程は、金属素材100の表面に白色イメージが印刷される過程であり、上記金属素材100が上記白色トナーとは反対の電荷で帯電されており、上記白色トナーを引くようになって金属素材100の表面に定着させる過程である。上記金属素材100の帯電は、上記先印刷転写段階の前や後、または前後の全てにおいて行われることができる。一方、上記金属素材100の表面に別途のコーティング層が形成された場合、コーティング層上に転写させるために、コーティング層が帯電されるように、先印刷金属素材帯電手段がコーティング層に接するように備えられることができる。
【0095】
上記金属素材100の表面に定着した白色トナーが固定される段階(先印刷固定段階)を経て、上記固定は熱圧着方式で行われることができ、具体的にはヒューズドロール1710’と加圧ロール1720’によって熱が加えられると同時に圧着されることが好ましい。このとき、加熱温度は25~400℃であることが好ましい。より好ましくは50~300℃に加熱する。このような温度範囲は先に説明したものと変わらないため、上述した内容に置き換える。
【0096】
上記先印刷転写ベルト1800’にトナーが移動された後、先印刷感光ドラム1300’の表面に残留するトナー及び上記金属素材100にトナーが定着した後、先印刷転写ベルト1800’の表面に残留するトナーを除去する先印刷除去段階が行われる。これは、上記先印刷感光ドラム1300’及び先印刷転写ベルト1800’に残留したトナーによって、後続する印刷過程で残像が残ることがあることから、印刷品質を低下させることを防止するためのものである。このとき、除去方法は、図3及び図7に示されたように、ブレード1610、1610’を介して物理的除去を行い、このように除去されたトナーが金属素材に落下されることを防止するために、収集容器1620、1620’に回収されることができる。一方、より完全な除去のためには、上記物理的除去後にアルコールブラシ1630を用いて化学的除去をさらに行うことができる。本発明には示されていないが、場合によっては転写ベルトにおいても上記アルコールブラシをさらに含むことができる。
【0097】
この後、上記先印刷感光ドラム1300’及び先印刷転写ベルト1800’に残っている電荷を消滅させるために、先印刷感光ドラム1300’及び先印刷転写ベルト1800’の表面を放電する先印刷放電段階を行う。上記放電により、新しい印刷を再び進行することができるように準備される。
【0098】
本発明は、上記先印刷段階を含んで、イメージ修正がより容易であるという利点がある。従来のインクジェットを用いる場合にはイメージエラーが生じた場合には廃棄処分しなければならないが、本発明では金属素材を逆方向に移送して再び白色イメージを実現することにより、修正及び再作業が可能であるという利点がある。また、金属素材が逆方向に移送するか非連続的である場合にも再移送によって可能である。
【0099】
次に、上記白色イメージが印刷された金属素材100の表面にイメージ(本印刷イメージ)を印刷する本印刷段階について説明する。上記本印刷段階の一実施例を図4を参考すると、以下の通りである。
【0100】
上記本印刷段階の一実施例は、いずれかの一方向に回転する本印刷感光ドラム2300の表面を帯電させる本印刷帯電段階;上記帯電された本印刷感光ドラム2300の表面に要求されるイメージに応じて光エネルギーを付与する本印刷露光段階;上記露光後に本印刷感光ドラム2300の表面にトナーTを提供する本印刷現像段階;上記本印刷感光ドラム2300の表面に付着したトナーを帯電された金属素材100の表面に移動させて定着させる本印刷転写段階;上記金属素材100の表面に定着したトナーを固定させる本印刷固定段階;上記転写後に本印刷感光ドラム2300の表面に残留するトナーを除去する本印刷除去段階;及び上記本印刷感光ドラム2300の表面を放電させる本印刷放電段階を含む。
【0101】
上記本印刷段階における各本印刷帯電段階、本印刷露光段階、本印刷現像段階、本印刷転写段階、本印刷固定段階、本印刷除去段階及び本印刷放電段階は、先に図2を参考して説明した先印刷段階で白色トナーWを本印刷イメージのためのトナーTに変えて用いることを除くと、技術的作用と内容に差異がない。したがって、各段階の説明は、図2を参考して説明した先印刷段階の説明に置き換える。
【0102】
一方、上記本印刷段階では、2以上の色相、例えば、W(White)、C(Cyan)、Y(Yellow)、M(Magenta)、K(Black)などの多様な色相のトナーを用いてカラーのイメージを印刷することができる。このとき、2つ以上のトナーを用いて印刷することができ、このときは、上述したように、本印刷感光ドラム、本印刷感光ドラム帯電手段、本印刷感光ドラム放電手段、本印刷露光手段、本印刷現像手段及び本印刷除去手段が対を成して2つ以上備えられており、金属素材の進行方向に沿って本印刷帯電段階;本印刷露光段階、本印刷現像段階、本印刷転写段階、本印刷除去段階を2回以上行いながら、様々な色相の実現が可能である。これに対する一例を図8に示した。図8では、4つの対を成す本印刷感光ドラム、本印刷感光ドラム帯電手段、本印刷感光ドラム放電手段、本印刷露光手段、本印刷現像手段及び本印刷除去手段が備えられて、各段階を進行することで、本印刷を行う。上記色相の順序は、本発明において特に限定されず、要求されるイメージ、作業効率などを考慮して定めることができる。
【0103】
上記白色イメージが印刷された金属素材100の表面にイメージ(本印刷イメージ)を印刷する本印刷段階の他の一実施例を、図5を参考して説明すると、以下の通りである。
【0104】
上記本印刷段階の他の一実施例は、いずれかの一方向に回転する本印刷感光ドラム2300’の表面を帯電させる本印刷帯電段階;上記帯電された本印刷感光ドラム2300’の表面に、要求されるイメージに応じて光エネルギーを付与する本印刷露光段階;上記露光後に本印刷感光ドラム2300’の表面にトナーTを提供する本印刷現像段階;上記本印刷感光ドラム2300’の表面に付着したトナーを帯電された本印刷転写ベルト2800の表面に移動させる段階;上記本印刷転写ベルト2800’の表面に付着したトナーを帯電された金属素材100の表面に移動させて定着させる本印刷転写段階;上記金属素材100の表面に定着したトナーを固定させる本印刷固定段階;上記転写後に本印刷感光ドラム2300’及び本印刷転写ベルト2800’の表面に残留するトナーを除去する本印刷除去段階;及び上記本印刷感光ドラム2300’及び本印刷転写ベルト2800’の表面を放電させる本印刷放電段階を含むことが好ましい。
【0105】
上記転写ベルトを用いた本印刷段階における各本印刷帯電段階、本印刷露光段階、本印刷現像段階、トナーを本印刷転写ベルトに移動させる段階、本印刷転写段階、本印刷固定段階、本印刷除去段階及び本印刷放電段階は、先の図3を参考して説明した転写ベルトを用いた先印刷段階で白色トナーWを本印刷イメージのためのトナーTに変えて用いることを除くと、技術的作用と内容に差異がない。したがって、各段階の説明は、図3を参考して説明した先印刷段階の説明に置き換える。
【0106】
一方、上記転写ベルト2800’を用いた本印刷段階では、2以上の色相、例えば、W(White)、C(Cyan)、Y(Yellow)、M(Magenta)、K(Black)などの様々な色相のトナーを用いてカラーのイメージを印刷することができる。このとき、2つ以上のトナーを用いて印刷することができ、このときは上述したように、本印刷感光ドラム、本印刷感光ドラム帯電手段、本印刷感光ドラム放電手段、本印刷露光手段、本印刷現像手段及び本印刷除去手段が対を成して2つ以上備えられており、転写ベルトの進行方向に沿って備えられ、各対での本印刷帯電段階;本印刷露光段階、本印刷現像段階、本印刷転写段階、本印刷除去段階を2回以上行いながら、様々な色相の印刷実現が可能である。これに対する一例を図9に示した。図9では、4つの対を成す本印刷感光ドラム、本印刷感光ドラム帯電手段、本印刷感光ドラム放電手段、本印刷露光手段、本印刷現像手段及び本印刷除去手段が備えられて、各段階を進行することで印刷を行う。上記色相の順序は、本発明において特に限定されず、要求されるイメージ、作業効率などを考慮して定めることができる。
【0107】
一方、上記金属素材の両面に全てイメージを印刷するために、上述した本発明の先印刷段階と本印刷段階を上面と下面に順次又は同時に適用して金属素材の両面にイメージを印刷することができる。
【0108】
次に、上述したプリント設備ないしプリント方法を用いて製造される金属素材について詳細に説明する。図10は、本発明のプリントされた金属素材を模式的に示したものであり、以下、図10を参考して本発明について詳細に説明する。
【0109】
本発明のプリントされた金属素材は、図10の(a)のように、金属素材上に形成された白色イメージ層と、上記白色イメージ層上に形成されたプリント層を含む。上記金属素材は、上述したように、鋼板、非鉄金属、金属合金などのその種類を特に制限しない。
【0110】
上記白色イメージ層は、上述した先印刷設備1000、1000’を利用するか、上述の先印刷段階を経て形成されることが好ましい。上記白色イメージ層が存在して、後続して形成されるプリント層(本印刷を介して形成されるイメージプリント層)がより優れた印刷品質を確保することができる。
【0111】
上記プリント層は、上述した本印刷設備2000、2000’を利用するか、上述した本印刷段階を経て形成されることが好ましい。上記プリント層は、従来の金属素材上に形成されたイメージに比べて、より多様なイメージを形成することができる。
【0112】
上記プリント層は、従来のプリント方式で形成されたイメージに比べて、形態や色相が明確であるだけでなく、剥離に対する抵抗性が高くて加工特性に優れるという利点がある。
【0113】
従来の金属素材上のプリント方式は、液状の顔料や染料を用いるロールコーティング、インクジェットコーティング方式で主に行った。このような液状タイプの方式は、透明な高分子樹脂(約70~80wt.%)に色相粒子(約20~30wt.%)を混合して用いる。すなわち、顔料や染料を構成するほとんどが透明高分子樹脂であるため、形態や色相が明確に現れず、液状粒子が大きい場合には高分子の全体に加えられる応力により剥離が起こる可能性が高くなるため、加工特性が低い。
【0114】
これに対し、本発明のレーザ、LEDなどを用いたプリント方式を採択して、固体粉末であるトナーを用いるため、粉末1つの粒子が色相を含む単位粒子に該当して、優れた色相を形成することができる。また、従来のプリント方式は液状の顔料や染料を用いるため、印刷される素材の表面状態に大きな影響を受ける。例えば、素材表面の粗さや表面形状によって印刷品質が影響を受ける点で、粗さ管理などの事前表面のための前処理に努力が求められる。しかしながら、本発明によるプリント方式は、トナー粉末が電気的吸着及び圧着過程で印刷される方式であるため、従来の方式に比べて金属素材上に容易にイメージを形成することができる。
【0115】
また、本発明のプリントされた金属素材は、従来の白色インクを用いて印刷する場合に比べてプリント層の密着性が高くなるという利点がある。すなわち、白色液状インクを用いると、高分子を含む白色インク粒子が大きく、曲面加工や切断時のイメージ層の剥離が高くなる反面、本発明の白色イメージ層は、粉末粒子の分散により応力作用時にもプリント層の剥離発生を低減することができる利点がある。
【0116】
図11は、銅フォイル(foil)上にレーザプリント方式でイメージを印刷したプリントされた金属素材を製造したものであり、図11の(a)は本発明のように白色イメージ層は先印刷し、白色イメージ層上に所望のイメージをプリントしたものであり、図11の(b)は銅の固有の色相上に所望のイメージをプリントしたものである。上記図11の(a)と(b)から分かるように、(b)に比べて(a)は、白色イメージ層が存在する場合には、よりイメージが鮮明であり、優れた印刷品質を確保することができることが分かる。
【0117】
一方、本発明のプリントされた金属素材は、図10の(b)に示されたように、上記金属素材と白色イメージ層との間にはコーティング層をさらに含むことができる。上記コーティング層は、電気亜鉛めっき(EG)層、溶融亜鉛めっき(GI)層などの湿式または乾式めっき層を含むことができる。
【0118】
さらに、上記コーティング層は、上記めっき層上に形成された前処理層、上記前処理層上に形成された中塗り層、及び上記中塗り層上に形成された上塗り層を含むことができる。
【0119】
上記前処理層、中塗り層、上塗り層は、本発明において特に限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で知られたものを全て含むことができる。以下、好ましい一例について説明する。
【0120】
上記前処理層は、下地金属と中塗り層(プライマー層)との接合力を向上させようとするものであり、通常1μm以内で形成し、クロムフリー(Cr-free)高分子コーティングやクロム6価(Cr6+)、クロム3価(Cr3+)コーティングが行われることができる。
【0121】
上記中塗り層(プライマー層)は、耐食性確保及び下地層の隠蔽のためのものであり、約5μm程度で行い、ポリエステル、ウレタン、エポキシなどを用いてコーティングすることができる。但し、上記中塗り層は目的に応じて省略が可能である。
【0122】
上記上塗り層(トップコーティング層)は、表面物性を示すものであり、製品の物性と直接的に関連があり、上記白色イメージ層が上塗り層上に形成される。これによって、上記上塗り層は、表面の物理的打撃時の保護や色相、隠蔽などを目的とし、このために15~20μmの厚さレベルとすることができ、ポリエステル、ウレタン、エポキシなどが用いられることができる。
【0123】
一方、本発明のプリントされた金属素材は、図10の(c)及び(d)に示されたように、プリント層上に透明塗装層をさらに含むことができる。上記透明塗装層は、光沢を要するか、上記プリント層を保護することができる役割を果たす。上記透明塗装層も本発明において特に限定するものではなく、本発明が属する技術分野で知られた全てを含むことができる。
【0124】
一例として、上記透明塗装層は一般的にポリマー系列が用いられ、上記上塗り層と類似してポリエステル、ウレタンなどの高分子樹脂を用いる場合もあり、屋外使用の場合には、フッ素樹脂を用いることもできる。上記透明塗装層は、用途に応じて約1~5μmの厚さに形成することができる。
【符号の説明】
【0125】
100 金属素材
1000、1000’ 先印刷設備
2000、2000’ 本印刷設備
1101、1101’ 先印刷金属素材帯電手段
2101、2101’ 本印刷金属素材帯電手段
1200、1200’ 先印刷露光手段
2200、2200’、2201、2201’、2202、2202’、2203、2203’、2204、2204’ 本印刷露光手段
1210 レーザ発生装置
1220 スキャニングミラー
1300、1300’ 先印刷感光ドラム
2300、2300’、2301、2301’、2302、2302’、2303、2303’、2304、2304’ 本印刷感光ドラム
1400、1400’ 先印刷感光ドラム帯電及び放電手段
2400、2400’、2401、2401’、2402、2402’、2403、2403’、2404、2404’ 本印刷感光ドラム帯電及び放電手段
1410、1410’ 先印刷感光ドラム帯電手段
2410、2410’、2411、2411’、2412、2412’、2413、2413’、2414、2414’ 本印刷感光ドラム帯電手段
1420、1420’ 先印刷感光ドラム放電手段
2420、2420’、2421、2421’、2422、2422’、2423、2423’、2424、2424’ 本印刷感光ドラム帯電手段
1500、1500’ 先印刷現象手段
2500、2500’、2501、2501’、2502、2502’、2503、2503’、2504、2504’ 本印刷現象手段
1510、1510’、2510、2510’、2511、2511’、2512、2512’、2513、2513’、2514、2514’ 現像ローラ
1520、1520’、2520、2520’、2521、2521’、2522、2522’、2523、2523’、2524、2524’ トナーコンテナ
1600、1600’ 先印刷除去手段
2600、2600’、2601、2601’、2602、2602’、2603、2603’、2604、2604’ 本印刷除去手段
1610、1610’、2610、2610’、2611、2611’、2612、2612’、2613、2613’、2614、2614’ ブレード
1620、1620’、2620、2620’、2621、2621’、2622、2622’、2623、2623’、2624、2624’ 収集容器
1630 アルコールブラシ
1700、1700’ 先印刷固定手段
2700、2700’ 本印刷固定手段
1710、1710’、2710、2710’ ヒューズドロール
1720、1720’、2720、2720’ 加圧ロール
1800’ 先印刷転写ベルト
2800’ 本印刷転写ベルト
1810’、2810’ 転写ベルト駆動ロール
1811’、1812’、1813’、1814’、2811’、2812’、2813’、2814’ 転写ベルト支持ロール
1820’、2820’ 転写ベルト帯電手段
1830’、2830’ 転写ベルト放電手段
1840’、2840’ 転写ベルトトナー除去手段
1841’、2841’ 転写ベルトブレード
1842’、2842’ 転写ベルト収集容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11(a)】
図11(b)】
【国際調査報告】