(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】収穫装置
(51)【国際特許分類】
A01D 46/00 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
A01D46/00 A
A01D46/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500407
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-01-05
(86)【国際出願番号】 EP2022069140
(87)【国際公開番号】W WO2023281080
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523472168
【氏名又は名称】サイア ホールディング ビー.ヴイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルト、ルート
(72)【発明者】
【氏名】ファン テュイル、バルト アドリアヌス ヨハンネス
【テーマコード(参考)】
2B075
【Fターム(参考)】
2B075AA03
2B075GA01
2B075GA05
2B075HB09
2B075JD08
2B075JD11
2B075JD19
2B075JD20
2B075JD21
2B075JE01
2B075JE11
2B075JF02
2B075JJ05
(57)【要約】
本発明は温室栽培における植物茎から園芸作物を収穫するための収穫装置に関し、この装置は、貫通植物通路を画定すると共に、使用中に植物茎を少なくとも部分的に取り囲むように構成された案内部材と、案内部材に取り付けられると共に、植物茎に付いた作物の柄を切断して植物茎から分離するように構成された切断部材とを備える。収穫装置が長手方向軸に沿う植物茎に沿って相対移動する際に、植物茎が案内部材の内部に案内されるように構成され、切断部材が収穫装置の移動中に案内部材を通過する柄を切断するように構成されている。収穫装置は、案内部材を少なくとも部分的に取り囲むと共に、植物茎から分離された作物を収集するように構成され、好ましくは副芽及び葉を落下させるように構成された収容部材をさらに備える。
収穫装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温室栽培において植物茎から園芸作物、副芽及び/又は葉を収穫するための収穫装置であって、
-貫通植物通路を画定すると共に、使用中に植物茎を少なくとも部分的に取り囲むように構成された案内部材と、
-前記案内部材に取り付けられると共に、前記植物茎に付いた作物の柄、副芽及び/又は葉柄を切断して前記植物茎から分離するように構成された切断部材と、
を備え、
前記収穫装置が長手方向軸に沿う前記植物茎に沿って、すなわち垂直方向上向きに相対移動する際に、前記植物茎が前記案内部材の内部に案内されるように構成されており、
前記切断部材が、前記収穫装置の移動中に、前記案内部材を通過する前記柄、前記副芽及び/又は前記葉柄を切断するように構成されており、
-前記案内部材を少なくとも部分的に取り囲むと共に、前記植物茎から分離された作物を収集するように構成され、好ましくは前記副芽及び前記葉を落下させるように構成された収容部材をさらに備えることを特徴とする、
収穫装置。
【請求項2】
前記収容部材は、前記案内部材及び/又は前記切断部材に対して、前記長手方向軸を中心に回転可能である、請求項1に記載の収穫装置。
【請求項3】
前記収容部材はスカート面、例えば、少なくとも部分的に円錐形状のスカート面を備え、前記スカート面は、前記切断部材からの距離が増加するに従い、半径方向に外側に、すなわち、垂直方向下向きにテーパ状になる、請求項1又は請求項2に記載の収穫装置。
【請求項4】
前記スカート面は、前記長手方向軸に対してスカート角度で設置され、前記スカート角度は、好ましくは30°~60°の範囲で選択される、請求項3に記載の収穫装置。
【請求項5】
前記スカート面は、
-前記案内部材に取り付けられ、例えば、前記案内部材の下方に配置される第1のスカート部と、
-前記案内部材とは反対側で、例えば、前記第1のスカート部の下方に位置する側で、前記第1のスカート部に取り付けられる第2のスカート部と、を備え、
前記第1のスカート部は第1のスカート角度で設置され、前記第2のスカート部は第2のスカート角度で設置され、前記第2のスカート角度が、前記第1のスカート角度よりも大きい、
請求項4に記載の収穫装置。
【請求項6】
前記案内部材は、クラウン形状であり、
-上向きに整列され、長手方向軸に実質的に平行であり、植物通路の円周の周りに離間して配置される複数の先端部と、
-隣接する2つの先端部の間にある、各々がテーパ状の案内谷部と、を備え、
前記案内谷部は、半径方向で見たときにU字形状又はV字形状であり、及び/又は
前記切断部材は、前記案内谷部の各々に、各々の切断装置を備える、
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の収穫装置。
【請求項7】
前記切断部材、例えば、前記切断装置の各々は、振動切断部材、例えば、音波切断部材又は超音波切断部材である、請求項1に記載の収穫装置。
【請求項8】
前記切断部材、例えば、前記切断装置の各々は、回転切断部材、例えば、回転ナイフである、請求項1に記載の収穫装置。
【請求項9】
センサ装置をさらに備え、前記センサ装置は、園芸作物の存在、すなわち、植物通路に隣接する園芸作物の存在を検出し、好ましくは、作物の成熟度及び/又は重量を検出するように構成されている、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の収穫装置。
【請求項10】
前記収容部材、前記案内部材、及び/又は前記切断部材は、前記長手方向軸を中心に回転可能であり、 前記センサ装置は、収穫される1つの作物の位置を検出し、前記1つの作物の位置を表す位置センサ信号を出力するように構成され、 前記収穫装置は、前記位置センサ信号に応じて前記植物茎に対して前記収容部材を回転させるように構成される、請求項9に記載の収穫装置。
【請求項11】
ノズルをさらに備え、前記ノズルは、圧縮空気の供給源に取り付け可能であり、前記収容部材において圧縮空気のバーストを送出して、前記収容部材から葉を除去するように構成されている、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の収穫装置。
【請求項12】
基部と、
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の収穫装置と、
前記収穫装置を前記基部に対して移動させて、前記収穫装置を前記長手方向軸に沿う前記植物茎に対して移動させるように構成されるアクチュエータ装置と、
を備える収穫器具。
【請求項13】
請求項9に記載の収穫装置を備え、
前記センサ装置からのセンサ信号に基づいて、前記アクチュエータ装置による前記収穫装置の移動を制御するように構成された制御ユニットをさらに備える、
請求項12に記載の収穫器具。
【請求項14】
温室栽培において植物茎から園芸作物、副芽及び葉を収穫する方法であって、
-収穫装置の案内部材によって植物通路内で植物茎を少なくとも部分的に取り囲むステップと、
-前記収穫装置を長手方向軸に沿う前記植物茎に沿って移動させるステップと、
-前記案内部材によって前記植物茎に付いた作物の柄、副芽、及び/又は葉柄を案内するステップと、
-前記収穫装置の切断部材によって前記柄、前記副芽、及び/又は前記葉柄を切断し、それらを植物茎から分離するステップと、
-前記植物茎から分離された前記作物を前記収穫装置の収容部材に収集するステップと、
を含み、
任意選択で、前記収容部材を前記植物茎に対して回転させるステップをさらに含む、
方法。
【請求項15】
収穫される1つの作物の位置を検出し、前記1つの作物の位置を表す位置センサ信号を発するステップをさらに含み、前記収容部材を回転させるステップが、前記位置センサ信号に応じて前記収容部材を回転させることを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温室栽培における植物茎から園芸作物、副芽及び/又は葉を収穫するための収穫に関する。本発明はさらに、温室栽培における植物茎からの園芸作物、副芽及び/又は葉の収穫装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、温室栽培に使用される様々な種類の収穫装置が知られている。その第1の例は、とりわけ、ワーゲニンゲン大学及び研究所(オランダ)によって開発された、いわゆるスイーパー(Sweeper)収穫ロボットである。このロボットはマニピュレータアームに取り付けられた収穫装置を備え、センサ信号に基づいて、収穫装置を園芸作物、すなわちピーマンに移動させるように構成され、収穫装置は植物から作物を切断し、マニピュレータアームによって作物を貯蔵庫に搬送するように構成されている。
【0003】
このスイーパーロボットは、まずセンサを用いて植物の茎を見つける必要があり、次にセンサを用いて茎を辿って熟した作物を見つける必要があるという欠点を有する。収穫後、収穫装置は切断された作物を捕捉する必要があり、マニピュレータアームを用いてそれを貯蔵庫に向かって移動させる必要がある。このため、スイーパーロボットの動作が比較的遅いという欠点がある。
【0004】
切断装置の別の例は、蘭国特許発明第1024702号公報から知られており、この特許は、マニピュレータアームと、植物茎を取り囲み、植物茎に沿って移動するように構成された切断装置とを開示している。この切断装置は植物の葉及び副芽を切断することができるが、植物から作物を収穫することができない。したがって、植物の切断された部分、すなわち葉及び副芽は、温室の床に落下するだけである。作物が切断される場合、このシステムは、例えば包装及び/又はさらなる加工のために、切断された作物を処理する手段を含まない。
【0005】
最後に、国際公開第2005/058013号公報は、トマト植物からトマトを収穫するための装置を開示しており、トマト植物の茎を把持するための把持部材を備えた位置決め部材と、トレイ部品によって形成された分離部材とを備えている。この装置を用いた収穫の際、植物茎をクランプし、トレイ部分を上方に移動させて、トマトを植物茎から分離する。この既知の収穫装置は、トマトを植物茎から分離するために、トマトに上向きの切断力を及ぼすように植物茎をクランプする必要があるという欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、園芸作物をより効率的な方法で収穫することができる収穫装置を提供すること、又は少なくとも代替の収穫装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、温室栽培において植物茎から園芸作物、副芽及び/又は葉を収穫するための収穫装置を提供する。この装置は、
-貫通植物通路を画定すると共に、使用中に植物茎を少なくとも部分的に取り囲むように構成された案内部材と、
-案内部材に取り付けられると共に、植物茎に付いた作物の柄、副芽及び/又は葉柄を切断部材と、を備え、
収穫装置が長手方向軸に沿う植物茎に沿って、すなわち垂直方向上向きに相対移動する際に、植物茎が案内部材の内部に案内されるように構成されており、
切断部材が、収穫装置の移動中に、案内部材を通過する柄、副芽及び/又は葉柄を切断するように構成されており、
-案内部材を少なくとも部分的に取り囲むと共に、植物茎から分離された作物を収集するように構成され、好ましくは副芽及び葉を落下させるように構成された収容部材(storage member)をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
本発明による収穫装置は、植物茎に沿って移動するように構成されており、その間、植物茎は、貫通植物通路内に実質的に取り囲まれている。実質的に取り囲まれているとは、植物茎が案内部材によって完全に取り囲まれているか、又は案内部材によって部分的に取り囲まれているかのいずれかであることを意味する。
【0009】
収穫装置は、案内部材の植物通路内に植物茎を受け入れるように構成されている。通路は長手方向軸に沿って延在し、その結果、植物茎も同様に長手方向軸に沿って延在する。長手方向軸は、実質的に垂直方向上向きに整列(aligned)されていてもよいが、水平方向の成分を有してもよく、例えば、垂直方向上向きに対して0°~20°の角度で整列されていてもよい。
【0010】
収穫装置は、植物茎が案内部材内に受け入れられた結果として、すなわち、植物茎が案内部材内の植物貫通路によって少なくとも部分的に取り囲まれた結果として、植物茎に対して案内されるように構成されている。
【0011】
案内されるとは、収穫装置がその周囲に対して移動され、植物茎が案内部材の移動に従うことを意味する。例えば、収穫装置が、例えば長手方向軸に沿って上方に移動され、植物が貫通植物通路内で案内される結果として、側方に移動されることを意味する。さらに、収穫装置は、少なくとも長手方向軸に垂直な成分を有する方向に能動的に移動されてもよく、その結果、収穫装置は、植物茎における任意の屈曲又は湾曲(bends or curves)に能動的に追従することができる。
【0012】
あるいは、案内されるとは、収穫装置が実質的に静止した状態で保持され、植物が貫通植物通路内で移動されること、例えば、貫通植物通路内で上昇又は下降されることを意味する。例えば、収穫装置は、長手方向軸に平行な方向には静止した状態で保持されてもよいが、任意選択で、少なくとも長手方向軸に垂直な成分を有する方向には能動的に移動されてもよく、その結果、収穫装置は、植物茎における任意の屈曲又は湾曲に能動的に追従することができる。
【0013】
収穫装置の切断部材は、案内部材に取り付けられて、案内部材と連動して植物茎に対して移動されるようにも構成されている。切断部材は、案内部材の取り囲みと同様に、貫通植物通路を少なくとも部分的に取り囲むように設けられてもよい。
【0014】
植物茎と収穫装置との間の相対的な移動、例えば、植物茎に沿った収穫装置の移動の際に、収穫装置は、トマト、例えば、枝付きトマト、ピーマン、ナス、及びキュウリなど、果柄によって植物茎に付いた園芸作物に突き当たる場合がある。同様に、植物茎には、望ましくない副芽を有する場合があり、また、葉柄(例えば、トマトの各枝の間の3枚の葉)によって植物茎に付いた葉を有する場合があり、それらは両方とも、植物の成長中に除去される必要がある。
【0015】
切断部材は、収穫装置が植物茎に対して移動されるときに、切断部材に対向するようになるこれらの果柄、副芽及び葉柄のすべてを切断するように構成され、例えば、植物茎に対していわゆるもぎ取り動作(stripping action)を実行する。果柄、副芽及び葉柄は、植物茎から側方に突出し、例えば植物茎から水平に離れるように突出し、その結果、植物茎自体よりも幅広に配置される。
【0016】
切断部材は、植物茎自体が切断されるのを避け、代わりに、外向きに突出する果柄、副芽及び葉柄のみが切断されるように、案内部材内の貫通植物通路から間隔を置いて配置することができる。しかしながら、切断部材は一方で、切断後に植物茎上に残存する茎(stub)ができるだけ短くなるように、できるだけ植物茎に近い位置で切断を行うように構成されている。
【0017】
本発明による収穫装置は、収穫装置の一部を形成し、植物茎に対して移動される収容部材をさらに備えている。収容部材は、例えば、案内部材が貫通植物通路を取り囲むのと同様に、案内部材を取り囲む。収容部材は、植物茎を実質的に取り囲むように配置されてもよく、これは植物茎が収容部材によって完全に取り囲まれるか、又は植物茎が収容部材によって部分的に取り囲まれるかのいずれかであることを意味する。
【0018】
収容部材は、長手方向軸線に対する半径方向において、案内部材及び切断部材から離れる方向に突出する。このように、収容部材は、案内部材及び切断部材よりも大きな輪郭又はフットプリントを有し得ることが影響を与える。この大きな輪郭は、収容部材が園芸作物の下に突出し、園芸作物が、切断部材の半径方向外側に位置することを確実にする。切断後、園芸作物を収容部材上に捕捉することが可能であり、園芸作物が地面に落ちるのを防止すると共に、従来技術で必要とされたように切断前に作物を把持することや、切断後に積極的に作物を除去することを回避することができる。
【0019】
収容部材は、例えば、収容部材を作物に向かって移動させるという能動的なステップを必要とせずに、切断部材によって植物茎から切断された園芸作物を自律的に収集するように構成されている。収容部材は、切断部材の下方に配置されてもよく、その結果、作物は作物に作用する重力の影響下で切断後に収容部材上に落下することが可能である。収容部材は、好ましくは切断部材全体の下方に配置され、その結果、例えば、切断部材のどの部分で切断されたかに拘わらず、すべての作物が収容部材上に収集される。
【0020】
収容部材は、好ましくは副芽及び葉を落とすように構成されるが、なぜなら、これらは収容されることを望まれていないからである。代わりに、副芽及び葉は有意な価値のない望ましくない副産物であり、維持される必要はないが、結局、切断部材によって切断される。副芽及び葉は、作物の形状、サイズ、及び/又は重量とは異なる形状、サイズ、及び/又は重量を有する場合があり、これは収容部材が、作物のみがその上に収集され、副芽及び葉が落下し得るように、寸法決めされ得ることを意味する。
【0021】
一例として、トマトの葉は約50センチメートルのサイズを有する幾分三角形の形状を有し、一方、トマトの枝は、約20センチメートルの長さで略細長く、重量は約10倍重い。トマトの枝の重心が収容部材の輪郭内となり、一方、葉の重心が収容部材の輪郭の外側となるように、収容部材は、約20センチメートルの幅を有してもよく、その結果、葉は、収容部材上に落下した後、収容部材の外縁を越えて傾き、それに応じて、葉は収容部材から落下する。
【0022】
一実施形態では、収容部材は、長手方向軸を中心として案内部材及び/又は切断部材に対して回転可能である。この回転により、作物が特定の位置で収容部材上に収集された後、収容部材を回転させて、収容部材の新たな占有されていない部分が、後続の作物が切断され、収集される案内部材及び/又は切断部材の部分に対向するようにすることができるという効果を得ることができる。このようにして、続いて行われる各2つの切断ステップの間に収容部材を空にする必要なく、複数の切断ステップを引き続いて行うことができる。
【0023】
案内部材及び/又は切断部材に対する収容部材の回転は、案内部材と収容部材との間及び/又は切断部材と収容部材との間に設けられた環状軸受などの軸受によって容易にすることができる。回転を能動的に作動させるために、電気モータが設けられてもよい。
【0024】
さらなる実施形態では、収穫装置は、収容部材を植物茎に対して回転させるように構成されている。収容部材は、長手方向軸を中心に回転されてもよく、回転は、例えば、切断部材及び/又は案内部材に対する収容部材のみの回転を伴ってもよい。あるいは、回転は、収穫装置全体(収容部材を含む)の回転を伴ってもよい。
【0025】
収穫装置は、収穫される次の作物の位置を表すセンサ信号に応じて、収容部材を回転させるように構成されてもよい。収容部材は、収容部材の占有されていない部分が作物の下に配置され得るように、作物に対して回転されてもよい。これにより、作物が、以前に収穫された作物の上ではなく、収容部材の空いている部分で受け取られるという利点を提供することができる。
【0026】
収容部材及び/又は収穫装置全体の回転は、使用中に収穫装置が取り付けられる、フレーム要素などの支持体及び/又はマニピュレータアームなどのアクチュエータ装置に対して行うことができる。
【0027】
一実施形態では、収容部材は、長手方向軸に対して見たときに対称形状を有することができる。例えば、収容部材は、収容部材が長手方向軸の周りに回転対称であるように、長手方向軸に沿って見たときに円形形状を有することができる。
【0028】
この対称性は、収容部材が、作物と収容部材との間の相互の向きに拘わらず、特に、長手方向軸を中心とする収容部材の回転位置に拘わらず、切断後の作物を収容することができるという利点を提供することができる。
【0029】
一実施形態では、収容部材は、長手方向軸に垂直な幅、すなわち直径が、30センチメートルより大きく、好ましくは60センチメートルより大きく、例えば約90センチメートルである。この範囲の幅を有する収容部材は、十分な量の作物を支持するのに有利であることが見出された。
【0030】
一実施形態では、収穫装置はクランプ装置を備えておらず、その結果、果柄、副芽及び/又は葉柄の切断は、それらの上に作用する重力の影響下でのみ実施されてもよい。使用中、植物茎は切断中に案内部材の内側に位置するが、クランプされない。代わりに、必要な切断力は、果柄、副芽及び/又は葉柄に作用する重力よりも小さいので、果柄、副芽及び/又は葉柄は切断部材に突き当り、植物茎から分離されることになる。
【0031】
一実施形態では、収穫装置は、収穫装置を水平傾斜軸に対して傾斜させるように構成された揺動機構をさらに備える。この傾斜は、植物の果柄、副芽及び葉柄を切断部材に向かって案内することに寄与することができる。果柄、副芽及び葉柄が植物茎から外側に突出する結果として、望ましくないことに、案内部材に対して詰まる可能性がある。収穫装置を揺動させることによって、この詰まりが解消され、果柄、副芽及び葉柄を切断部材に向かってさらに案内することができる。
【0032】
揺動機構は、固定基準に対して実行されてもよく、例えば、長手方向軸に沿う植物茎に沿った移動を行うために収穫装置が取り付けられるアクチュエータ又はマニピュレータアームに対して実行されてもよい。水平傾斜軸は、長手方向軸に対して垂直に整列されてもよく、揺動は、収容部材の回転と重畳されてもよく、その結果、収容部材は固定基準に対して傾斜され、かつ回転され得る。
【0033】
一実施形態では、長手方向軸に垂直な平面で見たときに、案内部材、切断部材、及び収容部材は共に、
-第1の案内部材部分、第1の切断部材部分、及び第1の収容部材部分を備える第1の装置部分と、
-第2の案内部材部分、第2の切断部材部分、及び第2の収容部材部分を備える第2の装置部分と、に細分化され、
第1の装置部分及び第2の装置部分は、植物茎の植物通路内への出入りを可能にするために、開いた構成で互いに離れるように移動可能であり、第1の装置部分及び第2の装置部分は、植物通路を完全に取り囲むように、すなわち、植物茎を完全に取り囲むように、閉じた構成で互いに向かって移動可能である。
【0034】
第1の装置部分及び第2の装置部分における収穫装置の分離は、好ましくは長手方向軸に平行な1つ以上の平面内で行われ、その結果、例えば収穫装置上を見下ろしたときに、長手方向軸に垂直な平面内において部分間の分離を見ることができる。
【0035】
第1の装置部分は、第1の案内部材部分、第1の切断部材部分、及び第1の収容部材部分が一体化された部分であってもよく、第2の装置部分は、第2の案内部材部分、第2の切断部材部分、及び第2の収容部材部分が一体化された部分であってもよい。その結果、一体化された第1の装置部分は、一体化された第2の装置部分から完全に分離可能であり、かつ一体化された第2の装置部分に対して移動可能である。
【0036】
収穫装置を第1の装置部分と第2の装置部分とに分割することによって、案内部材内の貫通植物通路は、使用中、例えば閉じた構成において、収穫装置によって全体的にかつ完全に取り囲まれてもよい。使用中、第1の装置部分及び第2の装置部分は、植物茎を完全に取り囲むように互いに対して配置されてもよい。
【0037】
例えば、切断が所望の程度まで行われて、植物通路から植物茎を除去することが望まれる場合、又は植物通路に新しい植物茎を挿入することが望まれる場合、第1の装置部分及び第2の装置部分は、開いた構成にされる。開いた構成では、装置部分が少なくとも部分的に互いに離れるように移動することができ、その結果、軸は側方から植物通路に向かって提供される。したがって、植物通路はもはや完全に取り囲まれておらず、その代わりに、側方から、例えば長手方向軸に対して垂直に、植物茎が植物通路内に出入りすることを可能にする。
【0038】
第1の装置部分及び第2の装置部分がない場合、代替の実施形態では、貫通植物通路は、植物通路内への植物茎の出入りが常時可能であるように完全に取り囲まれていないか、又は、貫通植物通路は、植物通路内への植物茎の出入りが、例えば長手方向軸に沿ってその先端部(head ends)においてのみ可能であるように完全に取り囲まれていてもよい。
【0039】
さらなる実施形態では、第1の装置部分及び第2の装置部分は、開いた構成と閉じた構成との間の移動時に、
-長手方向軸に平行な回転軸を中心に互いに対して回転可能であり、及び/又は
-長手方向軸に垂直な変位方向に互いに対して変位可能である。
【0040】
装置部分は、ヒンジによって互いに取り付けられ、それら装置部分間の相対的な回転を可能にすることができる。ヒンジは、開いた構成において装置部分間の唯一の接続を形成することができ、開いた構成では、装置部分は、回転軸、例えば、実質的に垂直な回転軸を中心に互いに離れるように回転している。装置部分が閉じた構成に移動されると、装置部分は互いに向かって回転され、その結果、装置部分はヒンジの反対側で互いに当接するようになる。
【0041】
代替的に又は追加的に、装置部品は、例えばリニアアクチュエータによって互いに対して変位させることができる。このように、装置部品は、開いた構成では互いから距離を置いて設置されてもよく、閉じた構成では互いに当接してもよい。
【0042】
代替的な実施形態では、収穫装置は側部開口をさらに備え、この側部開口は、長手方向軸に実質的に垂直なアクセス方向において植物通路へのアクセスを提供して、アクセス方向において植物通路内への植物茎の出入りを可能にする。この実施形態によれば、案内部材、切断部材、及び収容部材は、一体の(すなわち、植物通路内への植物の進入を可能にするように互いにヒンジで接続されない)収穫装置を形成する。側部開口は、側方から植物通路へのアクセスを可能にするように設けられ、植物通路内への植物茎の出入りを可能にする。これにより、収穫装置がより複雑でなく、より堅牢に具現化されて、その信頼性を向上させることができるという利点が提供され得る。
【0043】
一実施形態では、収容部材は、スカート面、例えば、少なくとも部分的に円錐形状のスカート面を備え、このスカート面は、切断部材からの距離が増加するに従って、半径方向の外側に、すなわち、垂直方向下向きにテーパ状になる。スカート面は、案内部材及び切断部材を取り囲み、作物が、切断後にその上に着地し、さらなる取り扱いのために収集される支持面を形成する。
【0044】
スカート面は、案内部材から外側に向かってテーパ状になっており、また、下方に向かって傾斜している、すなわち、垂直方向下方に平面成分(planar component)を有している。例えば、長手方向軸に垂直な円形の断面を有する、円形の植物通路を備える実施形態の場合、スカート面は、円形の外側輪郭形状を有することができ、スカート面を実効的に円錐形状にする。
【0045】
収容部材は、最下端、例えばスカート面の最下端の周縁部に配置され、作物が底部でスカート面から脱落するのを防止するように構成された区切り手段(delimiting means)をさらに備えてもよい。区切り手段は、例えば、スカート面の最下端に周縁リッジを備えてもよい。
【0046】
さらなる実施形態では、スカート面は、長手方向軸に対してあるスカート角度で設置され、スカート角度は、好ましくは30°~60°の範囲で選択される。
【0047】
スカート面のスカート角度は、スカート面の平面と長手方向軸との間の角度として定義される。スカート角度を変化させることにより、スカート面の勾配を変更することができ、その結果、例えば、どの切断部分(例えば、作物、副芽、又は葉)がスカート面上に残り、どの切断部分が落下するかに関して、収容部材の特性を変化させることができる。
【0048】
スカート角度は、切断後に作物を最適に支持し、作物がスカート面上に落下すること、又は一般に切断後に損傷を受けることを回避するように選択することができる。さらに、スカート角度の選択は、切断前及び収穫装置の上方への移動の間、作物自体のみがスカート面によって支持されるが、作物が植物茎に接続されたままであるときに、植物茎全体が持ち上げられることが防止されるように選択されてもよい。
【0049】
スカート角度は、収穫される作物の種類に応じて選択されてもよく、その結果、スカート面は、作物が実質的に延びる細長い方向に対して実質的に平行に整列されてもよい。例えば、キュウリは植物の茎から略垂直にぶら下がっており、これは、収穫装置がキュウリを収穫するために使用される場合、比較的小さいスカート角が選択され得ることを意味する。しかしながら、枝付きトマトはキュウリよりも水平に成長するため、収穫装置がトマトを収穫するために使用される場合、より大きなスカート角が選択され得ることを意味する。
【0050】
スカート角度の選択と同様の方法で、収穫される作物の長さに基づいてスカート面の高さを選択することができる。例えば、収穫装置がキュウリを収穫するために使用される場合、収穫装置がピーマン(一般にキュウリよりも短い)を収穫するために使用される場合よりも大きな高さが選択され得る。
【0051】
スカート面があるスカート角度で設置される本実施形態は、副芽及び葉を収容部材から落下させることができるという更なる利点を有することができる。テーパ形状のスカート面は、特に、30°~60°の範囲のスカート角度が選択されると、作物を保持することができる一方、副芽及び葉にとっては急勾配すぎるため、副芽及び葉が落下する可能性がある。
【0052】
さらなる実施形態では、スカート面は、スカート角度を調整可能であるように、切断部材及び/又は案内部材に対して移動可能であってもよい。これにより、単一の収穫装置、すなわち単一のスカート面が、多くの異なる種類の作物を収穫するために使用され得るという利点が提供され得る。収穫装置がキュウリを収穫するために使用される場合は、スカート角度を比較的小さく設定することができ、一方、トマトの収穫を所望する場合は、スカート角度を比較的大きく設定することができる。
【0053】
追加的又は代替的な実施形態においては、スカート面は、
-案内部材に取り付けられ、例えば、案内部材の下方に配置される第1のスカート部と、
-案内部材とは反対側で、例えば、第1のスカート部の下方に位置する側で、第1のスカート部に取り付けられる第2のスカート部と、を備え、
第1のスカート部は第1のスカート角度で設置され、第2のスカート部は第2のスカート角度で設置され、第2のスカート角度が、第1のスカート角度よりも大きい。
【0054】
この実施形態によれば、スカート面は、それぞれ異なる機能を有する2つのセクションに細分される。第1のスカート部は、案内部材の真下に配置され、切断装置によって切断される前に、作物のための初期支持体を形成する。収穫装置がさらに上方に移動すると、作物は切断され、作物は、第1のスカート部の真下に位置する第2のスカート部上に滑り落ちる。第2のスカート部は、第1のスカート部よりも水平に整列され、例えば、第1のスカート部よりも大きなスカート角度を有し、それにより、切断された作物が第1のスカート部から滑り落ちた後に減速し、第2のスカート部上で作物が収集される。
【0055】
第1のスカート部及び第2のスカート部は、好ましくは滑らかな移行部によって互いに取り付けられ、第1のスカート部から第2のスカート部へのスライド中に作物が不必要に損傷することを回避する。
【0056】
一実施形態では、切断部材は、半径方向から見たときに、植物通路からある距離だけ離間して配置され、その距離は、好ましくは5mm~15mmの範囲で選択される。
【0057】
例えば、植物茎が切断部材と直接接触する前に必ず案内部材に接触するので、案内部材によって画定される植物通路と切断部材との間の間隔は、植物茎が切断部材に接触することがないようにされる。植物通路と距離を置く代わりに、切断部材は、植物茎自体が切断されることを避けるために、案内部材の貫通植物通路から間隔をあけて配置することができるが、代わりに、外側に突出した果柄、副芽及び葉柄のみが切断される。この距離を例えば5mmから15mmの範囲内で適切に選択することにより、切断部材は、切断後に植物茎上に残存する茎葉ができるだけ短くなるように、植物茎にできるだけ近い位置で切断するように構成することができる。
【0058】
一実施形態では、案内部材は、クラウン形状であり、
-上向きに整列され、長手方向軸に実質的に平行であり、植物通路の円周の周りに離間して配置される複数の先端部と、
-隣接する2つの先端部の間にある、各々がテーパ状の案内谷部と、を備える。
【0059】
クラウン形状は、隣接する2つの先端部の間にあるテーパ状の案内谷部の結果として、果柄、副芽及び葉柄を側方に案内するように構成されている。したがって、原則として、果柄、副芽及び葉柄を、植物茎の全周囲に配置することができる。クラウン形状の場合、果柄、副芽及び葉柄は、切断部材が設けられている谷部の特定の不連続な位置に案内される。その結果、切断部材は植物通路の全周に配置する必要がなく、その代わりに、果柄、副芽及び葉柄が案内される場所にのみ配置される。
【0060】
収穫装置の使用中に、果柄、副芽及び葉柄が収穫装置の移動中にすでに谷部に配置されている場合、それらは谷部の底部に向かって収束することができる。果柄、副芽及び葉柄が先端部の上に位置する場合、揺動機構が収穫装置を揺動させ、その結果、果柄、副芽及び葉柄は、結局、谷部に位置するようになる。
【0061】
さらなる実施形態では、案内谷部は、半径方向から見たときに、U字形状又はV字形状である。U字形状及びV字形状は、いずれも底部の中心点に向かって収束しているので、収穫装置が植物茎に対して上方に移動する間に、果柄、副芽及び葉柄はこの中心点に向かって案内される。これにより、果柄、副芽及び/又は葉柄が案内部材に対して回転することが防止されるので、さらなる利点を提供することができる。代わりに、案内谷部、特にV字形状の案内谷部は、果柄、副芽及び/又は葉柄をある程度までクランプすることができ、それらをより確実に、茎から比較的短い距離で切断することができる。特に、案内谷部は、果柄、副芽及び/又は葉柄の位置を側方に拘束して、切断中にそれらの側方へのずれを防止することができる。
【0062】
追加的又は代替的な実施形態では、切断部材は、案内谷部の各々にそれぞれの切断装置を備えている。このようにして、果柄、副芽及び葉柄は、谷部の底部でそれぞれの切断装置に自動的に突き当り、その結果、それらは谷部の底部に到達するとすぐに切断される。
【0063】
この実施形態では、切断装置が、植物通路の全周のほんの一部である谷部の底部にのみ配置され、これにより、収容部材の周囲の特定の部分のみが収穫された作物を受け取ることができる。回転可能な収容部材と組み合わせると、収穫された作物は、収容部材の全周にわたって行き渡らせることができ、その結果、収容部材の容量を増加させることができる。
【0064】
各切断装置は、例えば、長手方向軸に沿って上向きの歯を備える切断ブレードであってもよく、これにより、果柄、副芽及び葉柄は、この歯によって切断される。
【0065】
案内谷部を有することと、案内谷部の底部に切断装置を有することとの組み合わせは、案内谷部の内部で行われる拘束(confining)に起因して、果柄、副芽及び/又は葉柄の間のすべての相互の力が、実質的に垂直方向上向きに、すなわち、そこに作用する重力とは反対方向に整列され得るという利点を提供することができる。特に、案内谷部における側方への拘束により、切断中に果柄、副芽及び/又は葉柄の側方へのずれを防止することができる。これにより、果柄、副芽及び/又は葉柄に作用する切断装置の正味の切断力を増大させて、その切断を改善することができる。
【0066】
例えば、請求項1のプリアンブルによる収穫装置の一実施形態では、切断部材、例えば、切断装置の各々は、振動切断部材、例えば、音波切断部材又は超音波切断部材である。これにより、切断装置は移動可能であり、例えば、谷部の内部で振動(vibrate or oscillate)するように構成される。切断装置のこのような振動は、切断動作を改善し、収穫装置によって植物茎に作用する必要がある上向きの力を減少させる。
【0067】
例えば、請求項1のプリアンブルによる収穫装置の代替的な実施形態では、切断部材、例えば切断装置の各々は回転切断部材、例えば回転ナイフである。このような回転切断部材は、歯付き回転切断部材として具現化されてもよい。回転切断部材の利点は、振動切断部材で生じる移動方向の反転が生じないことであり、これは、収穫装置が植物茎に対してあまりにも速く上方に移動する場合に、ナイフが詰まるリスクを低減することによって切断動作をさらに改善する。
【0068】
あるいは、切断装置は、案内部材に固定して取り付けられてもよく、例えば、谷部の各々に固定して取り付けられていてもよい。
【0069】
一実施形態では、収穫装置は、センサ装置をさらに備え、このセンサ装置は、園芸作物の存在を検出するように、すなわち、植物通路に隣接する作物の存在を検出するように構成され、好ましくは作物の成熟度及び/又は重量を検出するように構成される。
【0070】
センサ装置は、収穫装置の移動時に、植物通路に入る直前の作物の存在を表すセンサ信号を送信するように構成されてもよく、作物が検出された場合、成熟度(例えばトマトを検出するために使用される場合は「色」、及び/又は、例えば例えばキュウリの長さ等の「サイズ」)を表すセンサ信号を送信するように構成されてもよい。
【0071】
収穫装置の代替的又は追加的な実施形態では、収容部材、案内部材、及び/又は切断部材は、長手方向軸を中心に回転可能である。センサ装置は、収穫される1つの作物の位置を検出するように構成されてもよく、その1つの作物の位置を表す位置センサ信号を出力するように構成されてもよい。収穫装置は、位置センサ信号に応じて植物茎に対して収容部材を回転させるように構成される。収容部材は、収容部材の占有されていない部分が作物の下に配置され得るように、作物に対して回転されてもよい。これは、作物が、以前に収穫された作物の上ではなく、収容部材の空いている部分で受け取られるという利点を提供することができる。
【0072】
この効果を得るために、収容部材は、長手方向軸を中心に回転されてもよく、回転は、例えば、切断部材及び/又は案内部材に対する収容部材のみの回転を伴ってもよい。あるいは、回転は、収穫装置全体(収容部材を含む)の回転を伴ってもよい。
【0073】
収容部材及び/又は収穫装置全体の回転は、使用中に収穫装置が取り付けられる、フレーム要素などの支持体及び/又はマニピュレータアームなどのアクチュエータ装置に対して行うことができる。
【0074】
一実施形態では、収穫装置は放出装置をさらに備え、この放出装置は、収容部材の荷降ろし、例えば重力に基づく荷降ろしを可能にするように構成されている。放出装置は、例えば、収容部材の可動リッジを備えていてもよく、この可動リッジは、収穫装置による切断中には、例えば、作物の落下を防止するために閉じられると共に、包装及び/又は更なる処理のために作物を排出するために、制御された方法で作物がスカート面から滑り落ちることを可能にするために開くことができる。
【0075】
さらなる実施形態では、収穫装置(例えばその収容部材)は、収容部材から作物を放出している間、回転するように構成される。このように、収容部材のすべての部分は、その後、排出装置上を通過することができ、その結果、作物は、一度にではなく、同様に続いて収容部材から排出される。これにより、作物が制御された方法で所望の位置に排出され得、これは作物の損傷を低減し得るという利点を提供することができる。
【0076】
一実施形態では、収穫装置はノズルをさらに備え、このノズルは、圧縮空気の供給源に取り付け可能であり、収容部材から葉を除去するために収容部材に圧縮空気のバーストを送出するように構成される。ノズルは、例えば、収容部材の全体に広がっていてもよく、例えば、スカート面上に広がっていてもよい。その結果、収容部材上に残っている任意の葉又は副芽をそこから除去することができる。
【0077】
圧縮空気のバーストによって、葉及び副芽は上方に吹き飛ばされる可能性があり、その結果、葉及び副芽は、収容部材から持ち上げられて落下する。収容部材上の作物はいずれも、圧縮空気のバーストの影響を受けない。その理由は、作物の重量はかなり大きいので、圧縮空気のバーストでは持ち上げられないからである。
【0078】
第2の態様によれば、本発明は、基部と、本明細書に記載の収穫装置と、収穫装置を基部に対して移動させて、収穫装置を長手方向軸に沿う植物茎に対して移動させるように構成されたアクチュエータ装置と、を備える収穫器具を提供する。
【0079】
収穫装置は、本明細書に記載の本発明の第1の態様による収穫装置と同様の特徴及び利点を有することができる。
【0080】
収穫装置の基部は、収穫装置による切断の間は静止したままであるように構成され得るが、収穫装置を植物間で移動させるように、例えば、収穫装置を第1の植物茎から第2の植物茎へと移動させるように移動可能であってもよい。
【0081】
切断中、アクチュエータ装置は、収穫装置を基部に対して移動させるように、好ましくは収穫装置を実質的に垂直方向上向きに移動させるように構成される。この移動は、収穫装置を用いて果柄、副芽及び葉柄の切断を行うために、静止状態に保持され得る植物茎に沿った相対的な移動に影響を及ぼす可能性がある。
【0082】
一実施形態では、収穫器具は、センサ装置を有する収穫装置を備えており、収穫装置は制御ユニットをさらに備え、制御ユニットは、センサ装置からのセンサ信号に基づいて、アクチュエータ装置による収穫装置の移動を制御するように構成されている。
【0083】
制御ユニットは、センサ装置からのセンサ信号を処理するように構成され、その結果、制御ユニットは、収穫装置の前方に作物が存在することを検出することができる。制御ユニットは、測定されたセンサ信号を基準センサ信号と比較するように構成されていてもよく、その結果、制御ユニットは、例えば、収穫装置の前方のトマトの枝を撮影した写真と、熟したトマトを示す基準画像との間で比較を行うことができ、その結果、制御ユニットは、トマトの枝が十分に熟していることが分かった場合に、アクチュエータ装置を制御して、トマトの枝を切断することができる。
【0084】
さらなる態様によれば、本発明は、例えば、本明細書に記載の収穫装置及び/又は収穫器具を用いて、温室栽培において植物茎から園芸作物、副芽及び葉を収穫する方法であって、
-収穫装置の案内部材によって植物通路内で植物茎を少なくとも部分的に取り囲むステップと、
-収穫装置を長手方向軸に沿う植物茎に沿って移動させるステップと、
-案内部材によって植物茎に付いた作物の柄、副芽、及び/又は葉柄を案内するステップと、
-収穫装置の切断部材によって果柄、副芽、及び/又は葉柄を切断し、それらを植物茎から分離するステップと、
-植物茎から分離された作物を収穫装置の収容部材に収集するステップと、
を含む。
【0085】
収穫方法は、本明細書に記載の本発明の第1の態様による収穫装置と同様の特徴及び利点を有することができる。
【0086】
一実施形態では、本方法は、収穫装置を用いて副芽及び葉を落下させるステップをさらに含む。
【0087】
一実施形態では、本方法は、収容部材を植物茎に対して回転させるステップをさらに含む。収容部材は、例えば、植物茎に沿って収穫装置を移動させるステップの前に、長手方向軸を中心に回転させることができる。回転は、収容部材のみの回転を含んでいてもよいが、収容部材を含む収穫装置全体の回転を含んでいてもよい。
【0088】
回転するステップは、特に、収集される次の作物の位置を表すセンサ信号に応じて実行されてもよい。収容部材は、収容部材の占有されていない部分が作物の下に配置され得るように、作物に対して回転されてもよい。これは、作物が、以前に収穫された作物の上ではなく、収容部材の空いている部分で受け取られるという利点を提供することができる。
【0089】
収容部材の回転は、作物及び/又は収容部材に応じて調整することができる。例えば、収容部材が比較的大きい場合、及び/又は作物が比較的小さい場合、次の複数の作物を収穫する間の収容部材の回転角度は比較的小さくてもよい。収容部材が比較的小さい場合、及び/又は作物が比較的大きい場合、収容部材の回転角度を比較的大きく設定することができる。
【0090】
さらなる実施形態では、本方法は、収穫される1つの作物の位置を検出するステップと、1つの作物の位置を表す位置センサ信号を出力するステップとをさらに含み、収容部材を回転させるステップは、位置センサ信号に応じて収容部材を回転させるステップを含む。
【0091】
収容部材は、収容部材の占有されていない部分が作物の下に配置され得るように、作物に対して回転されてもよい。これは、作物が、以前に収穫された作物の上ではなく、収容部材の空いている部分で受け取られるという利点を提供することができる。
【0092】
一実施形態では、本方法は、収穫装置を容器などの排出装置に移動させるステップと、収容部材から排出装置に作物を放出するステップとをさらに含む。放出中、収穫装置、例えばその収容部材は回転される。このように、収容部材のすべての部分は、その後、排出装置上を通過することができ、その結果、作物は、一度にではなく、同様に続いて収容部材から排出される。これにより、作物を制御された方法で所望の位置に排出することができ、作物の損傷を低減することができるという利点を提供することができる。
【0093】
本方法の一実施形態では、切断するステップは、植物茎をクランプすることなく実施される。これにより、果柄、副芽及び/又は葉柄の切断は、それらの上に作用する重力の影響下でのみ実施され得る。したがって、植物茎はクランプされることなく、案内部材の内側に位置することができ、切断中、果柄、副芽及び/又は葉柄は切断部材に突き当たることができ、必要な切断力は、果柄、副芽及び/又は葉柄に作用する重力よりも小さいので、果柄、副芽及び/又は葉柄は植物茎から分離される。
【0094】
本発明のさらなる特徴は、添付の図面に示される実施形態を参照して以下に説明される
【図面の簡単な説明】
【0095】
【
図1A】
図1Aは、作物を有するいくつかの異なる植物を模式的に示す図である。
【
図1B】
図1Bは、作物を有するいくつかの異なる植物を模式的に示す図である。
【
図1C】
図1Cは、作物を有するいくつかの異なる植物を模式的に示す図である。
【
図1D】
図1Dは、作物を有するいくつかの異なる植物を模式的に示す図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明による収穫装置の一実施形態に関する斜視図である。
【
図3.1】
図3.1は、収穫装置の使用を概略的に示す図である。
【
図3.2】
図3.2は、収穫装置の使用を概略的に示す図である。
【
図3.3】
図3.3は、収穫装置の使用を概略的に示す図である。
【
図3.4】
図3.4は、収穫装置の使用を概略的に示す図である。
【
図3.5】
図3.5は、収穫装置の使用を概略的に示す図である。
【
図3.6】
図3.6は、収穫装置の使用を概略的に示す図である。
【
図4A】
図4Aは、収穫装置に植物茎を受け入れるいくつかの可能性を概略的に示す図である。
【
図4B】
図4Bは、収穫装置に植物茎を受け入れるいくつかの可能性を概略的に示す図である。
【
図4C】
図4Cは、収穫装置に植物茎を受け入れるいくつかの可能性を概略的に示す図である。
【
図5.1】
図5.1は、異なるスカート角を有するいくつかの異なる収穫装置を概略的に示す図である。
【
図5.2】
図5.2は、異なるスカート角を有するいくつかの異なる収穫装置を概略的に示す図である。
【
図5.3】
図5.3は、異なるスカート角を有するいくつかの異なる収穫装置を概略的に示す図である。
【
図5.4】
図5.4は、異なるスカート角を有するいくつかの異なる収穫装置を概略的に示す図である。
【
図6A】
図6Aは、収穫装置の任意の設計特徴を概略的に示す図である。
【
図6B】
図6Bは、収穫装置の任意の設計特徴を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0096】
図面を通して、同じ参照番号は、対応する構成要素又は対応する機能を有する構成要素を指すために使用される。
【0097】
図1A~
図1Dは、温室栽培で栽培される様々なタイプの植物100を概略的に示しており、それぞれの植物は、園芸作物(horticultural produce)102、葉103、及び副芽(side shoots)を有する植物茎101を含む。
図1Aはトマト102のつるを有するトマト植物100を示す。
図1Bはキュウリ102’を有するキュウリ植物100’を示し、
図1Cはナス植物100”を示す。
図1Dは、
図1Cの囲まれた領域の拡大図であり、葉103”が葉柄(petioles)104”によって植物茎101”に付いていること、作物、例えば、ナス植物102”が果柄(peduncles)105によって植物茎101”に付いていることを示す。
【0098】
図2A、
図2B、及び
図2Cは、参照番号1で参照される本発明による収穫装置の実施形態を示す。収穫装置1は、貫通植物通路11を画定するクラウン形状の案内部材10を備えている。収穫装置1は、案内部材10の植物通路11内に植物茎101を受け入れるように構成されている。通路11は長手方向軸L-Lに沿って延在し、その結果、植物茎101も同様に長手方向軸L-Lに沿って延在する。長手方向軸L-Lは、本実施形態では実質的に垂直方向かつ上方向に整列されている。
【0099】
収穫装置1は、植物茎101が受け入れられた結果として、特に、植物茎101が案内部材10の貫通植物通路11によって部分的に取り囲まれた結果として、植物茎101に対して案内されるように構成されている。本実施形態によれば、収穫装置1はその周囲に対して移動され、植物茎101は案内部材10の移動に従う。
【0100】
案内部材10は、長手方向軸L-Lに対して上向きかつ実質的に平行に整列され、植物通路11の円周上に間隔を置いて配置された4つの先端部12を備えている。案内部材10は、先端部12の間に3つのテーパ状の案内谷部13をさらに備えている。
【0101】
クラウン形状は、各2つの隣接する先端部12の間にテーパ状の案内谷部13がある結果、果柄105、副芽、及び葉柄104を側方に案内するように構成されている。クラウン形状により、果柄105、副芽、及び葉柄104は、
図6Aに概略的に示されているように、切断部材20が設けられている谷部13内の特定の別個の位置まで案内される。その結果、切断部材20は、植物通路11の全周に配置される必要はなく、その代わりに、果柄105、副芽、及び葉柄104が案内される位置にのみ配置される。
図2A~
図2Cでは、谷部13はU字形状で示されている。
【0102】
代替的に、谷部は、
図6Aに概略的に示されるように、V字形状であってもよい。
図6Bに示すように、収穫装置は揺動機構を備えていてもよく、揺動機構は、波線で示すように、収穫装置1を水平傾斜軸に対して傾斜させるように構成されている。この傾斜は、植物100の果柄105、副芽、及び葉柄104を谷部に、及び切断部材の方に案内することに寄与し得る。
【0103】
収穫装置1は、切断部材20をさらに備えている。この切断部材20は、案内部材10に取り付けられ、植物茎101に沿って収穫装置1が移動する間に案内部材10を通過する果柄105、副芽、及び葉柄104を切断するように構成されている。切断部材20は、案内部材10と連動して植物茎101に対して移動するように構成され、案内部材10による取り囲みと同様に、植物貫通通路11を部分的に取り囲む。
【0104】
植物茎101に沿って植物茎101と収穫装置1とが相対移動する際に、収穫装置1は、作物102、副芽及び葉103に突き当たる。切断部材20は、収穫装置1が植物茎101に対して移動される際、それらが切断部材20に対面するときに、これらの全てを切り取るように構成されており、例えば、植物茎101に対していわゆるもぎ取り動作(stripping action)を実行する。
【0105】
図2A~
図2Cの実施形態では、切断部材20は、案内谷部13の各々にそれぞれの切断装置21を備えている。このようにして、果柄105、副芽、及び葉柄104は、谷部13の底部でそれぞれの切断装置21に自動的に突き当たり、その結果、それらは谷部13の底部に到達するとすぐに切断される。各切断装置は、長手方向軸L-Lに沿って上方を向く歯を含む切断ブレード21として具現化され、その結果、その歯によって、果柄105、副芽、及び葉柄104は切断される。
【0106】
図2A~
図2Cの実施形態では、切断部材20は振動切断部材であり、案内部材10の下方に配置された複数の振動アクチュエータ22を備えている。振動アクチュエータ22の各々は、それぞれの谷部13内で切断ブレード21を振動させるために、それぞれの切断ブレード21に接続されている。あるいは、切断部材は、回転切断部材として設けられてもよい。
【0107】
収穫装置1は、植物茎101から分離され、副芽及び葉103から落下するように構成された作物102を収集するように構成された収容部材30をさらに備えている。案内部材10が貫通植物通路11を取り囲むのと同様に、収容部材30は案内部材10を取り囲んでいる。
【0108】
収容部材30は、
図2Bに最もよく示されるように、長手方向軸L-Lに対して半径方向Rに案内部材10及び切断部材20から離れる方向に突出している。したがって、収容部材30は、案内部材10及び切断部材20よりも大きなフットプリントを有する。この大きな輪郭は、
図2Cに示されるように、収容部材10が園芸作物102の下に突出し、この園芸作物102が切断部材20の半径方向外側に位置することを確実にする。
【0109】
切断後、園芸作物105は、収容部材30上に捕捉される。収容部材30は、例えば、収容部材30を作物102に向かって移動させるという能動的なステップを必要とせずに、切断部材20によって植物茎から切断された園芸作物102を自律的に収集するように構成されている。特に、作物102は、作物102に作用する重力の影響下で、切断後に収容部材30上に落下する。収容部材30は、副芽及び葉104を落とすように構成されている。副芽及び葉104は収容されることが望まれないからである。
【0110】
収容部材30は、少なくとも部分的に円錐形状のスカート面31を備え、スカート面31は、切断部材20から垂直方向下方に離れるにつれて、半径方向Rにおいて外側にテーパ状になる。スカート面31は、案内部材10及び切断部材20を取り囲み、切断後に作物102がスカート面上に着地し、さらなる取り扱いのために作物102が収集される支持面を形成する。
【0111】
収容部材30は、スカート面30の下端部に周縁リッジ32をさらに備え、リッジ32は、作物102が底部でスカート面31から脱落するのを防止するように構成されている。
【0112】
図2A~
図2Cに示す収穫装置1は側部開口2を有し、この側部開口2は、長手方向L-Lに実質的に垂直なアクセス方向Aにおいて植物通路11へのアクセスを提供し、植物茎101の植物通路11へのアクセス方向Aにおける出入りを可能にする。これにより、案内部材10、切断部材20及び収容部材30は、一体の収穫装置1を形成する。
【0113】
図5には、スカート面31が長手方向軸L-Lに対してスカート角度(α
skirt, slope)に設置されていることが概略的に示されており、このスカート角度(α
skirt, slope)は30°~60°の範囲で選択されている。スカート角度(α
skirt,slope)を変化させることにより、スカート面31の勾配を変化させることができ、それにより収容部材30の特性を変化させることができる。
【0114】
スカート角度(αskirt,slope)は切断後に作物102を最適に支持し、作物102がスカート面31上に落下しないように選択される。スカート角度(αskirt,slope)は、収穫される作物102の種類に応じて選択することができ、スカート面31は、作物102が実質的に延びる細長い方向に実質的に平行に整列させることができる。
【0115】
例えば、
図5の[2]に示すように、キュウリは植物の茎から略垂直に垂れ下がっており、このことは、スカート角度(α
skirt,slope)が比較的小さく選択されることを意味する。しかしながら、
図5の[1]において、枝付きトマトは、キュウリよりも水平に角度(α
fruit)を付けて成長し、このことは、収穫装置1をトマトの収穫に使用する場合には、大きなスカート角度(α
skirt,slope)を選択できることを意味する。
【0116】
スカート角度(α
skirt,slope)の選択と同様に、スカート面31の高さLは、収穫される作物の長さに基づいて選択されてもよい。トマトについては、
図5の[1]に示すように、平均的な高さLを選択することができる。また、収穫装置1がキュウリを収穫するために使用される場合、
図5の[2]に示すように、高さL+には、キュウリよりも短い
図5の[3]に示すピーマンを収穫するために使用される収穫装置の高さL-よりも大きな高さが選択されてもよい。
【0117】
図5の[4]に模式的に示すように、スカート面31は第1のスカート部31を備えることができ、第1のスカート部31は、案内部材の真下に位置し、作物が切断装置によって切断される前に、作物102のための初期支持体を形成する。スカート面31は、第1のスカート部31’よりも水平に整列され、例えば、第1のスカート部31’よりも大きなスカート角度を有する第2のスカート部31”をさらに備えることができ、これにより、切断された作物31が、第1のスカート部31’から滑り落ちた後に減速し、作物が第2のスカート部31”上に収集される。
【0118】
図3は、枝付きトマト(vine tomatoes)の収穫とトマト植物の茎からの葉の切断に使用される収穫装置の動作を概略的に示す。ステップ[1]において、収穫装置は植物茎の周りの所定の位置に配置され、ステップ[2]において、第1及び第2の収穫装置部分が、植物茎を取り囲むように互いに向けて寄せられる。
【0119】
ステップ[3]において、収穫装置は、植物茎に沿って上方に移動される。収穫装置の切断部材は破線によって表されており、この切断部材は、ステップ[4]においてトマトのつるに突き当たっている。切断部材は、トマトの枝(vine of tomatoes)が収容部材上に配置されるようにするために、柄を切断している。
【0120】
ステップ[5]において、切断部材はトマト植物の葉に突き当り、この葉も切断部材によって切断されるが、葉は収容部材上に落下せずに、代わりに収容部材の外縁を越えて傾いている。これは、トマトの葉は、約50センチメートルのサイズを有する幾分三角形の形状を有しているのに対し、トマトの枝は、長さが20センチメートルしかないおよそ細長い形状で、重さは葉の重さのおよそ10倍であることに起因する。収容部材は、トマトの枝の重心が収容部材の輪郭内に収まるような幅を有しているが、葉の重心は収容部材の輪郭の外側にあるので、葉は収容部材の上に落ちた後、収容部材の外縁を越えて傾き、それに応じて、葉が収容部材から落下する。
【0121】
ステップ[6]において、最後に、収穫装置は、次のトマトの枝がまだ熟していないこと(例えば、赤色ではなく緑色を有すること)をセンサ装置で検出する。したがって、この未熟な枝はまだ収穫できないので、収穫装置は、植物茎に沿ってそれ以上上方に移動されない。
【0122】
図5のステップ[A]は、トマトの枝を収容部材上に載せた状態の収穫装置を示す。収穫装置は、収容部材の重力による荷下ろしを可能にするように構成された放出装置を備えていてもよい。放出装置は、収容部材の可動リッジとして具現化される。この可動リッジは、工程[A]に示されるように、収穫装置による切断中に、例えば、作物が落下するのを防止するために閉じられる。ステップ[B]に示すように、可動リッジを開くことができ、ステップ[C]に示すように、作物をスカート面から制御された方法で滑り落とし、包装及び/又はさらなる処理のために作物を排出することができる。
図5のステップ[C]において、作物は、例えば、左側に示すように包装された状態で排出されてもよいし、又は右側に示すようにコンベヤベルト上に排出されてもよいことが示されている。
【0123】
図4A~
図4Cは、作物を収穫するための使用中に植物茎を完全に取り囲む収穫装置の代替的な実施形態を示す。これらの収穫装置では、案内部材、切断部材及び収容部材は、共に第1の装置部分3と第2の装置部分4とに細分化されている。
【0124】
第1の装置部分3及び第2の装置部分4における収穫装置の分離は、長手方向軸に平行な平面内で行われ、その結果、部分間の分離は、例えば、
図4A~
図4Cのように、収穫装置上を下向きに見たときに、長手方向軸に垂直な平面内で見ることができる。
【0125】
図4A~
図4Cでは、植物茎と収穫装置との間の相対変位が示されている。これは、植物の茎が静止しており、収穫装置が植物の茎に向かって動かされることを意味する場合がある。あるいは、収穫装置が静止しており、植物茎が収穫装置に向かって動かされることを意味する場合がある。さらなる代替案として、植物茎及び収穫装置の両方が移動可能であってもよい。
【0126】
第1の装置部分3は、第1の案内部材部分、第1の切断部材部分、及び第1の収容部材部分が一体化された部分である。第2の装置部分4は、第2の案内部材部分、第2の切断部材部分、及び第2の収容部材部分が一体化された部分である。一体化された第1の装置部分3は一体化された第2の装置部分4から完全に分離可能であり、一体化された第2の装置部分4に対して移動可能である。
【0127】
第1の装置部分3及び第2の装置部分4は、開いた構成で互いに離れるように移動させることができ、それにより、長手方向軸に垂直な半径方向において植物茎101が植物通路11内に出入り可能にする。
図4A~
図4Cにおいて、左側の画像は、開いた構成の装置部分3、4を示し、植物茎101の進入を表示する。
【0128】
第1の装置部分3及び第2の装置部分4は、閉じた構成で互いに向かって移動することができ、閉じた構成では、第1の装置部分3及び第2の装置部分4は、植物通路11を完全に取り囲むように、すなわち植物茎101を完全に取り囲むように、互いに対して配置される。
図4A~
図4Cの右側には、第1の装置部分3及び第2の装置部分4が閉じた構成で示されている。
【0129】
図4Aは、収穫装置を第1の装置部分3及び第2の装置部分4にどのように細分化することができるかについての第1の選択肢を示す。この実施形態では、第1の装置部分3及び第2の装置部分4が開いた構成と閉じた構成との間を移動する際に、長手方向軸に平行な回転軸を中心に互いに対して回転可能である。これにより、装置部分3、4は、ヒンジ5によって互いに取り付けられ、両者の間の相対回転を可能にする。ヒンジ5は、開いた構成、例えば
図4Aの左側で装置部分3、4が回転軸を中心に互いに離れるように回転した状態で、装置部分3、4の間の唯一の接続である。装置部分3、4が閉じた構成に移動されると、装置部分3、4は互いに向かって回転し、その結果、装置部分3、4はまた、ヒンジ5の反対側で互いに当接するようになる。
【0130】
図4Bは代替的な実施形態を示し、この実施形態では、第1の装置部分3’及び第2の装置部分4’が、開いた構成と閉じた構成との間で移動する際に、長手方向軸に垂直な変位方向Dにおいて互いに対して変位可能である。この実施形態によれば、装置部分3’、4’は、リニアアクチュエータ6によって互いに対して変位される。したがって、装置部品3’、4’は、開いた構成(例えば
図4Bの左側)において、互いから距離をおいて設置され、閉じた構成(例えば
図4Bの右側)において、互いに当接している。
【0131】
図4Cはさらなる代替的な実施形態を示し、この実施形態は、植物通路を略完全に取り囲む第1の装置部分3”を備えるが、第2の装置部分4”をさらに備えており、第2の装置部分4”は、例えば
図4Cの左側の開いた構成に向かうとき、及び例えば
図4Cの右側の閉じた構成に向かうときのそれぞれにおいて、第1の装置部分3”から完全に取り外し可能であり、かつ第1の装置部分3”に接続可能である。
【国際調査報告】