(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】埋め込み型薬物送達システム、アセンブリー、および方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20240628BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20240628BHJP
A61M 39/10 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A61M25/00 542
A61M25/00 690
A61M25/00 534
A61M5/142 524
A61M39/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500417
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 US2022031631
(87)【国際公開番号】W WO2023282994
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511025503
【氏名又は名称】インキューブ ラブス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】INCUBE LABS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】ミール エー イムラン
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066QQ15
4C267AA01
4C267BB02
4C267BB08
4C267BB25
4C267BB63
4C267CC12
(57)【要約】
例示のレシピエントに埋め込み可能な薬物送達システムは、連結アセンブリーと、ソースカテーテルと、マイクロカテーテルとを備えてよい。ソースカテーテルの近位端部は、流体(例えば、神経治療薬)を提供するように構成された流体源に流体的に連結されるように構成されてよい。ソースカテーテルの遠位端部は、連結アセンブリーに流体的に連結されるように構成されてよい。マイクロカテーテルは、連結アセンブリーに流体的に連結されるように構成された近位端部と、レシピエント内の標的位置(例えば、脳)に流体を溶出させるように構成された溶出開口を備える遠位端部とを備えてよい。流体源は、ソースカテーテル、連結アセンブリー、およびマイクロカテーテル経由で、標的位置に流体を提供するように構成されてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結アセンブリーと、
ソースカテーテルであって、
流体を提供するように構成された流体源に流体的に連結されるように構成された近位端部と、
前記連結アセンブリーに流体的に連結されるように構成された遠位端部と
を備えるソースカテーテルと、
マイクロカテーテルであって、
前記連結アセンブリーに流体的に連結されるように構成された近位端部と、
レシピエント内の標的位置に前記流体を溶出させるように構成された溶出開口を備える遠位端部と
を備えるマイクロカテーテルと
を備える、レシピエントに埋め込み可能な薬物送達システム。
【請求項2】
前記標的位置は、前記レシピエントの脳を含む、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項3】
前記マイクロカテーテルの前記遠位端部は、前記脳の実質組織に埋め込み可能である、請求項2に記載の薬物送達システム。
【請求項4】
前記流体は、神経治療薬を含む、請求項2に記載の薬物送達システム。
【請求項5】
前記連結アセンブリーは、頭蓋ポートであって、
前記レシピエントの頭蓋に取り付けられるように構成されたベース部材と、
前記ベース部材のマニフォールドと
を備える頭蓋ポートを備え、
前記マイクロカテーテルの前記近位端部は、前記マニフォールド経由で前記ソースカテーテルの前記遠位端部に流体的に連結されるように構成されている、請求項2に記載の薬物送達システム。
【請求項6】
前記マニフォールドは、前記ベース部材と一体的に形成されている、請求項5に記載の薬物送達システム。
【請求項7】
前記ベース部材は、前記頭蓋の穿頭孔にアクセスするためのアクセス孔を備え、前記穿頭孔が前記脳へのアクセスを提供している、請求項5に記載の薬物送達システム。
【請求項8】
前記ベース部材は、前記アクセス孔から前記ベース部材の外側エッジに延びるガイドチャネルを更に備え、
前記ガイドチャネルは、前記マイクロカテーテルの前記遠位端部が前記脳に埋め込まれているとき、前記マイクロカテーテルを固定するように構成されている、請求項7に記載の薬物送達システム。
【請求項9】
前記マニフォールドに前記マイクロカテーテルを連結させるための第1のコネクタであって、
第1の内側部と、近位端壁と、前記近位端壁の開口とを有する中空の第1の外側部材と、
前記マイクロカテーテルの前記近位端部を受け入れるように構成された第1の内側チャネルを有する第1の密閉部材であって、前記第1の外側部材の前記第1の内側部内に位置付けられるように構成されている第1の密閉部材と、
前記マイクロカテーテルの前記近位端部が前記第1の密閉部材の前記第1の内側チャネルを通って位置付けられたとき、前記第1の密閉部材を押し、前記マイクロカテーテルの前記近位端部の周囲で前記第1の密閉部材を加圧するように構成された第1のプレス部材と
を備える第1のコネクタを更に備える、請求項5に記載の薬物送達システム。
【請求項10】
前記第1の密閉部材は、前記第1のプレス部材により押されたとき、前記第1の外側部材の前記第1の内側部を密閉するように構成されている、請求項9に記載の薬物送達システム。
【請求項11】
前記第1の密閉部材の前記第1の内側チャネルの内径は、おおよそ前記マイクロカテーテルの外径以下である、請求項9に記載の薬物送達システム。
【請求項12】
前記第1の外側部材の前記第1の内側部は、遠位内側部と近位内側部と備え、
前記第1の密閉部材は、前記第1の外側部材の前記近位内側部内に位置付けられるように構成されており、
前記第1のプレス部材は、前記第1の外側部材の前記遠位内側部内に位置付けられるように構成されている、請求項9に記載の薬物送達システム。
【請求項13】
前記第1の外側部材の前記遠位内側部は、ねじ切りされ、
前記第1のプレス部材は、掛け止めねじを備える、請求項12に記載の薬物送達システム。
【請求項14】
前記マニフォールドに前記ソースカテーテルを連結させるための第2のコネクタであって、
第2の内側部と、遠位端壁と、前記遠位端壁の開口とを有する中空の第2の外側部材と、
前記ソースカテーテルの前記遠位端部を受け入れるように構成された第2の内側チャネルを有する第2の密閉部材であって、前記第2の外側部材の前記第2の内側部内に位置付けられるように構成されている第2の密閉部材と、
前記ソースカテーテルの前記遠位端部が前記第2の密閉部材の前記第2の内側チャネルを通って位置付けられたとき、前記第2の密閉部材を押し、前記ソースカテーテルの前記遠位端部の周囲で前記第2の密閉部材を加圧するように構成された第2のプレス部材と
を備える第2のコネクタを更に備える、請求項9に記載の薬物送達システム。
【請求項15】
前記マニフォールドは、前記マイクロカテーテルを連結させるための第1の開口と、前記ソースカテーテルを連結させるための第2の開口とを備え、
前記第1の外側部材は、前記第1の開口に固定されている、請求項9に記載の薬物送達システム。
【請求項16】
前記マイクロカテーテルの硬度は、前記ソースカテーテルの硬度未満である、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項17】
前記マイクロカテーテルの硬度は、約20ショアAデュロメータ~約50ショアAデュロメータである、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項18】
前記ソースカテーテルは、内側ブレイドを備える、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項19】
前記マイクロカテーテルの内径は、前記ソースカテーテルの内径より小さい、または
前記マイクロカテーテルの外径は、前記ソースカテーテルの外径より小さい、
の少なくとも一方である、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項20】
前記マイクロカテーテルの前記外径は、約0.5mm~約1.0mmである、請求項19に記載の薬物送達システム。
【請求項21】
前記ソースカテーテルの前記外径は、約1.0mm~約1.5mmである、請求項19に記載の薬物送達システム。
【請求項22】
前記マイクロカテーテルの前記内径は、約0.30mm~約0.80mmである、請求項19に記載の薬物送達システム。
【請求項23】
前記ソースカテーテルの前記内径は、約0.5mm~約1.0mmである、請求項19に記載の薬物送達システム。
【請求項24】
前記マイクロカテーテルの壁厚は、約0.05mm~約0.15mmである、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項25】
前記溶出開口の直径は、約0.25mm~約0.5mmである、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項26】
前記マイクロカテーテルは、画像ガイダンスまたは定位ガイダンスの少なくとも一方の下、前記レシピエントに埋め込まれるように構成されている、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項27】
前記マイクロカテーテルは、1つまたは複数の画像マーカーを更に備える、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項28】
前記マイクロカテーテルは、スタイレットと共に前記レシピエントに埋め込まれるように構成されている、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項29】
前記マイクロカテーテルの遠位先端部は、密閉され、
前記溶出開口は、前記マイクロカテーテルの前記遠位端部の側壁にあり、
前記マイクロカテーテルは、前記溶出開口に一方向弁を更に備える、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項30】
前記一方向弁は、前記マイクロカテーテルに、前記溶出開口を覆う、柔軟性があるスリーブを備える、請求項29に記載の薬物送達システム。
【請求項31】
前記スリーブの遠位端部または前記スリーブの近位端部は、前記マイクロカテーテルの前記遠位端部の前記側壁に接着されている、請求項30に記載の薬物送達システム。
【請求項32】
前記スリーブは、閉じた遠位先端部を有し、
前記マイクロカテーテルの前記遠位先端部は、前記スリーブの前記閉じた遠位先端部により密閉されている、請求項30に記載の薬物送達システム。
【請求項33】
前記連結アセンブリーは、カップリングを備える、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項34】
前記流体源は、
ボディ部材であって、キャビティと、前記ボディ部材の表面に、前記キャビティへの開口とを備えるボディ部材と、
前記開口に位置付けられ、嚢内にゲルを備える隔膜と、
前記ボディ部材の前記キャビティと、前記隔膜とにより画定されたチャンバーとを備える、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項35】
前記ソースカテーテルおよび前記マイクロカテーテル経由で、前記流体源から前記標的位置に前記流体を押し出すように構成された埋め込み型ポンプを更に備える、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項36】
前記ソースカテーテルおよび前記マイクロカテーテル経由で、前記流体源から前記標的位置に前記流体を押し出すように構成された外部デバイスを更に備える、請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項37】
前記外部デバイスは、シリンジまたは外部ポンプを備える、請求項36に記載の薬物送達システム。
【請求項38】
前記流体源は、前記流体源と前記外部デバイスとのアライメントを促進するように構成されたアライメントユニットを備える、請求項36に記載の薬物送達システム。
【請求項39】
前記アライメントユニットは、前記外部デバイスの金属探知器により検出されるように構成された1つまたは複数の金属体を備える、請求項38に記載の薬物送達システム。
【請求項40】
前記アライメントユニットは、ロードに電気的に接続された第1の導電性コイルを備えるアライメント回路を備え、
前記第1の導電性コイルは、前記外部デバイスが前記流体源とアライメントを成したとき、前記外部デバイスに設けられた第2の導電性コイルと誘導的に結合するように構成されている、請求項38に記載の薬物送達システム。
【請求項41】
レシピエント内の標的位置にマイクロカテーテルの遠位端部を埋め込むことであって、前記マイクロカテーテルの前記遠位端部が前記標的位置に流体を溶出させるための溶出開口を備えていることと、
連結アセンブリー経由でソースカテーテルの遠位端部に前記マイクロカテーテルの近位端部を流体的に連結させることと、
前記マイクロカテーテルに前記流体を提供するように構成された流体源に前記ソースカテーテルの近位端部を流体的に連結させることと
を含む方法。
【請求項42】
前記標的位置は、前記レシピエントの脳を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記標的位置は、前記脳の実質組織を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記流体は、神経治療薬を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記マイクロカテーテルの前記遠位端部を埋め込むことは、
前記レシピエントの頭蓋に穿頭孔を形成することと、
前記穿頭孔に前記マイクロカテーテルの前記遠位端部を挿入することと
を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記連結アセンブリーは、頭蓋ポートであって、
ベース部材と、
前記ベース部材のマニフォールドと
を備える頭蓋ポートを備え、
前記方法は、前記頭蓋に前記頭蓋ポートを取り付けることを更に含み、
前記連結アセンブリー経由で前記ソースカテーテルの前記遠位端部に前記マイクロカテーテルの前記近位端部を流体的に連結させることは、
前記マニフォールドに前記マイクロカテーテルの前記近位端部を連結させることと、
前記マニフォールドに前記ソースカテーテルの前記遠位端部を連結させることと
を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記ベース部材は、前記穿頭孔にアクセスするためのアクセス孔と、前記アクセス孔から前記ベース部材の外側エッジに延びるガイドチャネルとを備え、
前記方法は、前記ガイドチャネル内に前記マイクロカテーテルを位置付けることを更に含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記マニフォールドに前記マイクロカテーテルの前記近位端部を連結させることは、
中空の第1の外側部材の第1の内側部内に第1の密閉部材を位置付けることであって、前記第1の外側部材が近位端壁と前記近位端壁の開口とを有していることと、
前記第1の密閉部材の第1の内側チャネルと、前記近位端壁の前記開口とに、前記マイクロカテーテルの前記近位端部を挿入することと、
第1のプレス部材により前記第1の密閉部材を押し、前記マイクロカテーテルの前記近位端部の周囲で前記第1の密閉部材を加圧することと
を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記第1の外側部材の前記第1の内側部は、遠位内側部と近位内側部とを備え、
前記第1の密閉部材は、前記第1の外側部材の前記近位内側部内に位置付けられ、
前記第1のプレス部材により前記第1の密閉部材を押すことは、前記第1の外側部材の前記遠位内側部内に前記第1のプレス部材を位置付けることを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記第1の外側部材の前記遠位内側部は、ねじ切りされ、
前記第1のプレス部材は、掛け止めねじを備え、
前記第1のプレス部材により前記第1の密閉部材を押すことは、前記掛け止めねじを締め付けることを更に含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記マニフォールドに前記ソースカテーテルの前記遠位端部を連結させることは、
中空の第2の外側部材の第2の内側部内に第2の密閉部材を位置付けることであって、前記第2の外側部材が遠位端壁と前記遠位端壁の開口とを有していることと、
前記第2の密閉部材の第2の内側チャネルと、前記遠位端壁の前記開口とに、前記ソースカテーテルの前記遠位端部を挿入することと、
プレス部材により前記第2の密閉部材を押し、前記ソースカテーテルの前記遠位端部の周囲で前記第2の密閉部材を加圧することと
を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記マイクロカテーテルの前記遠位端部を埋め込むことは、
前記マイクロカテーテルの前記遠位端部においてスタイレットを挿入することと、
前記スタイレットを使用して、前記標的位置に前記マイクロカテーテルの前記遠位端部を位置付けることと、
前記マイクロカテーテルの前記遠位端部が前記標的位置に位置付けられた後、前記マイクロカテーテルから前記スタイレットを除去することと
を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項53】
前記マイクロカテーテルは、画像ガイダンスまたは定位ガイダンスの少なくとも一方の下、前記レシピエントに埋め込まれる、請求項41に記載の方法。
【請求項54】
前記マイクロカテーテルは、1つまたは複数の画像マーカーを備える、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記レシピエントに前記流体源を埋め込むことと、
前記レシピエントに前記ソースカテーテルを埋め込むことと
を更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項56】
前記ソースカテーテルを埋め込むことは、前記流体源から前記マイクロカテーテルの前記近位端部に、前記レシピエント内を通って前記ソースカテーテルをトンネリングさせることを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記流体源は、前記レシピエントの胸部に埋め込まれる、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記流体源に前記流体を提供することと、
前記ソースカテーテルおよび前記マイクロカテーテル経由で、前記流体源から前記標的位置に前記流体を押し出すことと
を更に含む、請求項41に記載の方法。
【請求項59】
埋め込み型ポンプを埋め込むことを更に含み、
前記流体源から前記標的位置に前記流体を押し出すことは、前記埋め込み型ポンプにより実施される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記流体源に設けられたアライメントユニット経由で、前記流体源と外部デバイスとのアライメントを成すことを更に含み、
前記流体源に前記流体を提供すること、または前記流体源から前記標的位置に前記流体を押し出すことの少なくとも一方は、前記外部デバイスにより実施される、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
レシピエントの頭蓋に取り付けられるように構成されたベース部材と、
前記ベース部材のマニフォールドであって、ソースカテーテルの遠位端部にマイクロカテーテルの近位端部を結合させるように構成されたマニフォールドと
を備える、埋め込み型薬物送達システム用の連結アセンブリー。
【請求項62】
前記マニフォールドは、前記ベース部材と一体的に形成されている、請求項61に記載の連結アセンブリー。
【請求項63】
前記ベース部材は、前記頭蓋の穿頭孔にアクセスするためのアクセス孔を備え、前記穿頭孔が前記レシピエントの脳へのアクセスを提供している、請求項61に記載の連結アセンブリー。
【請求項64】
前記ベース部材は、前記アクセス孔から前記ベース部材の外側エッジに延びる第1のガイドチャネルを更に備え、
前記第1のガイドチャネルは、前記マイクロカテーテルの遠位端部が前記レシピエントの前記脳に埋め込まれているとき、前記マイクロカテーテルを固定するように構成されている、請求項63に記載の連結アセンブリー。
【請求項65】
前記ベース部材は、前記第1のガイドチャネルから、前記マニフォールドへの開口に、前記ベース部材の前記外側エッジに沿って延びる第2のガイドチャネルを更に備え、
前記第2のガイドチャネルは、前記マイクロカテーテルの前記遠位端部が前記レシピエントの前記脳に埋め込まれているとき、前記マイクロカテーテルを固定するように構成されている、請求項64に記載の連結アセンブリー。
【請求項66】
前記マニフォールドに前記マイクロカテーテルを連結させるための第1のコネクタであって、
第1の内側部と、近位端壁と、前記近位端壁の開口とを有する中空の第1の外側部材と、
前記マイクロカテーテルの前記近位端部を受け入れるように構成された第1の内側チャネルを有する第1の密閉部材であって、前記第1の外側部材の前記第1の内側部内に位置付けられるように構成されている第1の密閉部材と、
前記マイクロカテーテルの前記近位端部が前記第1の密閉部材の前記第1の内側チャネルを通って位置付けられたとき、前記第1の密閉部材を押し、前記マイクロカテーテルの前記近位端部の周囲で前記第1の密閉部材を加圧するように構成された第1のプレス部材と
を備える第1のコネクタを更に備える、請求項61に記載の連結アセンブリー。
【請求項67】
前記第1の密閉部材は、前記第1のプレス部材により押されたとき、前記第1の外側部材の前記第1の内側部を密閉するように構成されている、請求項66に記載の連結アセンブリー。
【請求項68】
前記第1の密閉部材の前記第1の内側チャネルの内径は、おおよそ前記マイクロカテーテルの外径以下である、請求項66に記載の連結アセンブリー。
【請求項69】
前記第1の外側部材の前記第1の内側部は、遠位内側部と近位内側部とを備え、
前記第1の密閉部材は、前記第1の外側部材の前記近位内側部内に位置付けられるように構成され、
前記第1のプレス部材は、前記第1の外側部材の前記遠位内側部内に位置付けられるように構成されている、請求項66に記載の連結アセンブリー。
【請求項70】
前記第1の外側部材の前記遠位内側部は、ねじ切りされ、
前記第1のプレス部材は、掛け止めねじを備える、請求項69に記載の連結アセンブリー。
【請求項71】
前記マニフォールドは、前記マイクロカテーテルを連結させるための第1の開口を備え、
前記第1の外側部材は、前記第1の開口に固定されている、請求項66に記載の連結アセンブリー。
【請求項72】
前記マニフォールドに前記ソースカテーテルを連結させるための第2のコネクタであって、
第2の内側部と、遠位端壁と、前記遠位端壁の開口とを有する中空の第2の外側部材と、
前記ソースカテーテルの前記遠位端部を受け入れるように構成された第2の内側チャネルを有する第2の密閉部材であって、前記第2の外側部材の前記第2の内側部内に位置付けられるように構成されている第2の密閉部材と、
前記ソースカテーテルの前記遠位端部が前記第2の密閉部材の前記第2の内側チャネルを通って位置付けられたとき、前記第2の密閉部材を押し、前記ソースカテーテルの前記遠位端部の周囲で前記第2の密閉部材を加圧するように構成された第2のプレス部材と
を備える第2のコネクタを更に備える、請求項66に記載の連結アセンブリー。
【請求項73】
前記マニフォールドは、前記ソースカテーテルを連結させるための第2の開口を備え、
前記第2の外側部材は、前記第2の開口に固定されている、請求項72に記載の連結アセンブリー。
【請求項74】
前記ベース部材と前記マニフォールドとを覆うように構成されたカバーを更に備える、請求項61に記載の連結アセンブリー。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2021年7月8日に出願された米国仮特許出願第63/219,744号の優先権を主張するものであり、参照により、その全体を本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
神経障害その他の症状を患っている人は、神経治療薬などの薬物によって治療されうる。薬物はレシピエントに静脈内投与されることが多いが、静脈内投与は欠点を伴うことが多い。例えば、血液脳関門が、脳組織の標的位置への神経治療薬の効果的な輸送を妨げる可能性がある。また、薬物の静脈内投与は、心臓血管系および/または胃腸管系などにおいて、レシピエントへのさまざまな全身性副作用を引き起こす可能性がある。従って、レシピエントへの副作用が少なく、より効果的な、レシピエントの体内の標的位置に薬物を送達するシステムおよび方法が求められている。
【0003】
添付の図面は、さまざまな実施形態を示し、本明細書の一部を成す。示された実施形態は、例にすぎず、本開示の範囲を制限するものではない。図を通して、同一または類似の参照番号は、同一または類似の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】例示の埋め込み型薬物送達システムの機能図である。
【
図2】
図1の埋め込み型薬物送達システムに設けられたマイクロカテーテルの例示の実装の遠位端部の断面図である。
【
図3】流体源からの流体がマイクロカテーテルを通って押し出されたときの、
図2のマイクロカテーテルの遠位端部の断面図である。
【
図4】
図1の埋め込み型薬物送達システムに設けられたマイクロカテーテルの別の例示の実装の遠位端部の断面図である。
【
図5A】
図1の埋め込み型薬物送達システムに設けられたソースカテーテルの例示の実装を示す図である。
【
図6A】
図1の埋め込み型薬物送達システムに設けられた連結アセンブリーを実装しうる例示の頭蓋ポート(cranial port)の上面図である。
【
図7】マイクロカテーテルの近位端部とソースカテーテルの遠位端部とが頭蓋ポートのマニフォールド経由で連結されたときの、
図6Aおよび
図6Bの頭蓋ポートの上面図である。
【
図8A】組み立てられていない状態の、マイクロカテーテルとマイクロカテーテル用のコネクタの例示の実装との断面側面図である。
【
図8B】組み立てられた状態の、
図8Aのコネクタとマイクロカテーテルとの断面側面図である。
【
図9A】
図1の埋め込み型薬物送達システムに設けられた連結アセンブリーを実装しうる頭蓋ポートの別の例示の実装の上面図である。
【
図10A】
図1の埋め込み型薬物送達システムに設けられた連結アセンブリーを実装しうるカップリングの例示の実装の断面図である。
【
図10B】マイクロカテーテルとソースカテーテルとに連結された、組み立てられた状態の
図10Aのカップリングの断面図である。
【
図11A】
図1の埋め込み型薬物送達システムに設けられた流体源を実装しうる注入口の例示の実装の上面図である。
【
図12】ソースカテーテルに連結された、組み立てられた状態の
図11Aおよび
図11Bの注入口の断面側面図である。
【
図13】外部ポンプを備える別の例示の埋め込み型薬物送達システムの機能図である。
【
図14】埋め込み型ポンプを備える別の例示の埋め込み型薬物送達システムの機能図である。
【
図15】
図15Aは、流体源に設けられうる内部アライメント回路と、外部デバイスに設けられうる外部アライメント回路との例示の実装の機能図である。
図15Bは、内部アライメント回路を備え、内部導電性コイルが注入口のチャンバーの周囲に位置付けられている、
図11A~
図12の注入口の例示の実装を示す図である。
【
図16】
図15Aの内部アライメント回路を備え、複数の内部導電性コイルが注入口の側壁内に位置付けられている、
図11A~
図12の注入口の別の例示の実装を示す図である。
【
図17A】
図1の薬物送達システムのマイクロカテーテルを実装しうるデュアルルーメンカテーテルの例示の実装の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書では、埋め込み型薬物送達システム、アセンブリー、および方法について説明される。例えば、例示の埋め込み型薬物送達システムは、連結アセンブリーと、ソースカテーテルと、マイクロカテーテルとを備えてよい。ソースカテーテルの近位端部は、流体(例えば、神経治療薬)を提供するように構成された流体源に流体的に連結されるように構成されてよい。ソースカテーテルの遠位端部は、連結アセンブリーに流体的に連結されるように構成されてよい。マイクロカテーテルは、連結アセンブリーに流体的に連結されるように構成された近位端部を備えてよい。マイクロカテーテルの遠位端部は、レシピエント内の標的位置(例えば、脳)に流体を溶出させるように構成された溶出開口を備えてよい。本明細書に記載するように、流体源は、ソースカテーテルと、マイクロカテーテルと、マイクロカテーテルにソースカテーテルを流体的に連結させる連結アセンブリーとを経由して、標的位置に流体を提供するように構成されてよい。
【0006】
本明細書で使用されるとき、ソースカテーテルおよびマイクロカテーテルは、流体がソースカテーテルからマイクロカテーテルに流れるように結合されることにより、一方が他方に「流体的に連結され」てよい。例えば、例示の連結アセンブリーは、レシピエントの頭蓋に取り付けられように構成されたベース部材と、ベース部材のマニフォールドとを備える頭蓋ポートを備えてよい。マイクロカテーテルの近位端部およびソースカテーテルの遠位端部は、マニフォールドに連結されてよい。よって、マイクロカテーテルと(例えば、形状、頑健性、剛性などにおいて)物理的に異なりうる流体源およびソースカテーテルは、頭蓋ポートのマニフォールドを通ってマイクロカテーテルに流体的に連結されてよい。
【0007】
頭蓋ポートが頭蓋につなぎ止められ、ソースカテーテルおよびマイクロカテーテルが頭蓋ポートを通って流体的に連結されているため、マイクロカテーテルに作用しうる機械力が低減する、または抑えられる。よって、頭蓋ポートは、埋め込まれたマイクロカテーテルの位置を標的位置に固定し、マイクロカテーテルの埋め込まれた遠位端の転位を防ぐのに役立つ。
【0008】
以下、図面を参照して、埋め込み型薬物送達システム、アセンブリー、および方法のさまざまな実施形態をより詳細に説明する。
【0009】
図1は、例示の埋め込み型薬物送達システム100(「システム100」)の機能図を示す。
図1は、システム100がレシピエントに埋め込まれた後などの、組み立てられた状態のシステム100を示す。しかしながら、システム100は、レシピエントへの埋め込み前などの、組み立てられていない状態であってもよい。組み立てられていない状態である間は、システム100の1つまたは複数の構成要素は、システムの他の構成要素と連結されていなくてよい。
【0010】
図1に示すように、システム100は、マイクロカテーテル102と、ソースカテーテル104と、マイクロカテーテル102およびソースカテーテル104を流体的に連結させる連結アセンブリー106(例えば、頭蓋ポート)と、流体を提供するように構成された流体源108(例えば、注入口)とを備える。流体は、例えば、薬物(例えば、神経治療薬)、リンス(例えば、生理食塩水)、水、または任意の他の流体を含んでよい。システム100は、特定の実装(例えば、骨スクリュー、ポンプ、シリンジ、ノンコアリングニードルなど)に役立ちうるような追加的または代替的な構成要素(図示せず)を備えてもよい。
【0011】
マイクロカテーテル102の遠位端部は、レシピエント内の標的位置110に埋め込まれるように構成されている。本明細書で使用されるとき、「レシピエント」は、生きたヒトまたは動物の体、ヒトまたは動物の死体、ヒトまたは動物の解剖学的構造の一部、ヒトまたは動物の解剖学的構造から除去した組織、非組織ワークピース(non-tissue work piece)、訓練モデル、ダミーなどを含んでよい。いくつかの例においては、標的位置110はレシピエントの脳であり、流体は神経治療薬を含む。例えば、マイクロカテーテル102の遠位端部は、脳の実質組織(例えば、神経組織)に埋め込まれ、実質組織に神経治療薬を直接送達することにより、血液脳関門および心臓血管系を迂回してよい。システム100の任意の1つまたは複数の追加的な構成要素が、レシピエントに埋め込み可能であってもよい。例えば、連結アセンブリー106はレシピエントの頭蓋に埋め込み可能であってよく、流体源108はレシピエントの胸部に埋め込み可能であってよく、および/またはソースカテーテル104は胸部から頭蓋に延びてレシピエントに埋め込み可能であってよい。システム100は、矢印112により示されるように、ソースカテーテル104、連結アセンブリー106、およびマイクロカテーテル102を通って、流体源108から標的位置110に流体を送達するように構成されている。
【0012】
本明細書で使用されるとき、「遠位」は、(矢印112により示されるような)システム100を通る流体の流れの方向において流体源108から離れた位置を意味し、「近位」は、流体源108により近い位置を意味する。例えば、
図1に示すように、マイクロカテーテル102の遠位端部は標的位置110に埋め込み可能であり、マイクロカテーテル102の近位端部は連結アセンブリー106に連結されている。また、ソースカテーテル104の遠位端部は連結アセンブリー106に連結され、ソースカテーテル104の近位端部は流体源108に連結されている。
【0013】
マイクロカテーテル102、ソースカテーテル104、連結アセンブリー106、および流体源108の例示の実施形態について以下で説明する。
【0014】
マイクロカテーテル102は、柔軟性がある中空の管を備え、その管は、標的位置110に埋め込まれ、標的位置110の組織に流体を送達するように構成されている。マイクロカテーテル102は、ポリウレタン、シリコーン、および/または任意の他の生体適合性材料など、任意の適切な材料から形成されてよい。マイクロカテーテル102は、周囲組織への損傷を防ぎ、標的位置110での埋め込みを促進するように、軟性で柔軟性があってよい。いくつかの例においては、マイクロカテーテル102の硬度は、約70ショアAデュロメータ以下である。更なる例においては、マイクロカテーテル102の硬度は、約20ショアA~約60ショアAデュロメータである。なお更なる例においては、マイクロカテーテル102の硬度は、約30ショアA~約50ショアAデュロメータである。いくつかの例においては、標的位置110が脳内であるときなど、マイクロカテーテル102は、周囲組織への損傷を防ぐように、周囲組織より軟質である。
【0015】
マイクロカテーテル102の硬度および柔軟性は、マイクロカテーテル102の壁厚に依存してもよい。いくつかの例においては、マイクロカテーテル102の壁厚は、約0.05mm~約0.15mmである。他の例においては、マイクロカテーテル102の壁厚は、マイクロカテーテル102の外径の約5%~約30%である。なお更なる例においては、マイクロカテーテル102の壁厚は、マイクロカテーテル102の外径の約7%~約20%である。他の例においては、マイクロカテーテル102の壁厚は、マイクロカテーテル102の外径の約10%~約15%である。
【0016】
マイクロカテーテル102は、特定の実装に役立ちうるような、任意の適切な外径および/または内径を有してよい。いくつかの例においては、マイクロカテーテル102の外径は、約1.0ミリメートル(mm)以下である。更なる例においては、マイクロカテーテル102の外径は、約0.50mm~約1.0mmである。いくつかの例においては、マイクロカテーテル102の内径は、約0.30mm~約0.80mmである。通常、マイクロカテーテル102の長さは、遠位端部がどこに埋め込まれるか(例えば、脳組織への埋め込み深さ、頭蓋の厚さなど)および標的位置110から連結アセンブリー106までの距離に依存する。従って、マイクロカテーテル102は、埋め込み中、所望の長さに切断されてよい。
【0017】
マイクロカテーテル102は、薬物がマイクロカテーテル102から溶出する際に通る溶出開口を備える。いくつかの実施形態においては、溶出開口は、マイクロカテーテル102の遠位先端部であってよい。溶出開口を通ってマイクロカテーテル102に周囲流体(例えば、脳脊髄液(CSF))が逆流することにより、マイクロカテーテル102内にタンパク質その他の粒子が集積するのを防ぐため、遠位先端部は、ダックビル弁など、一方向弁を備えてよい。しかしながら、マイクロカテーテル102の寸法が小さいため、遠位先端部にダックビル弁を形成するのは困難かもしれない。従って、他の実施形態においては、
図2を参照して以下で説明されるように、溶出開口はマイクロカテーテル102の側壁に設けられ、一方向弁は溶出開口を覆って設けられる。
【0018】
図2は、マイクロカテーテル102の例示の実装の遠位端部202の断面図を示す。
図2に示すように、マイクロカテーテル102の遠位端部202の側壁206に、孔204が形成されている。孔204は、任意の適切なサイズおよび形状を有してよい。いくつかの例においては、孔204は、約0.25mm~約0.50mmの直径または幅を有する。更なる例においては、孔204は、マイクロカテーテル102の内径の約50%~約90%の直径または幅を有する。
図2は単一の孔204を示すが、マイクロカテーテル102は、任意の適切な位置に位置付けられた任意の他の数の孔204を有してよい。
【0019】
孔204を通ってマイクロカテーテル102へと周囲流体が逆流するのを防ぐため、マイクロカテーテル102は、孔204に、または孔204の上流に一方向弁208を備える。
図2に示す例においては、一方向弁208は、孔204を覆って位置付けられた柔軟性がある管状のスリーブ210を備える。スリーブ210は、任意の適切な材料(例えば、ポリウレタンまたはシリコーン)から形成されてよく、マイクロカテーテル102に使用された材料と同一であっても異なっていてもよい。いくつかの例においては、スリーブ210は、シリコーンから形成され、約20ショアA~約70ショアAデュロメータの硬度を有する。
【0020】
スリーブ210は、マイクロカテーテル102上に摩擦フィット(friction-fit)を有するように形成され、一旦スリーブ210が孔204を覆って位置付けられたら、スリーブ210がマイクロカテーテル102に沿って移動しないようにしてよい。この目的のため、スリーブ210は、マイクロカテーテル102の外径よりわずかに小さい(例えば、約0.05mm以内の)内径を有し、マイクロカテーテル102の周囲のタイトフィット(tight fit)を維持してよい。例えば、スリーブ210の内径は、マイクロカテーテル102の外径より約0.02%~約0.05%小さくてよく、これは、逆流を防ぐには十分であり、流体はマイクロカテーテル102からなお流出可能である。いくつかの例においては、スリーブ210の近位端部212(または、代替的に、遠位端部214)は、接着剤215により側壁206に取り付けられ、スリーブ210が側壁206から離れるのを防ぐ結合エリアであってよい。接着剤結合エリアは、スリーブ210の近位端部212(または遠位端部214)に限定されず、スリーブ210が側壁206から部分的に離れ、流体をマイクロカテーテル102から流出させることができるという条件で、スリーブ210は、追加的または代替的な位置で接着剤により側壁206に結合されてよい。
【0021】
流体源108からの流体がマイクロカテーテル102を通って押し出されず、孔204を通ってスリーブ210に圧力がかからないとき、
図2に示すように、スリーブ210は、孔204を覆う密閉シールを形成し、孔204を通ってマイクロカテーテル102へと周囲流体が逆流するのを防ぐ。流体源108からの流体がマイクロカテーテル102を通って押し出されるとき、
図3に示す矢印302により示されるように、流体は、孔204を通してスリーブ210の内壁に圧力をかけ、スリーブ210の非接着部分(例えば、遠位端部214または近位端部212)を側壁206から離すことにより、矢印304により示されるように、流体がマイクロカテーテル102から流出し、周囲組織へと進入する際に通る小さな隙間を作る。流体の流れが止まり、圧力が低下すると、
図2に示すように、スリーブ210は、元の形状に戻り、孔204を密閉する位置に戻る。
【0022】
図2および
図3は1つの孔204を示すが、他の例においては、マイクロカテーテル102は、側壁206内に形成された複数の孔204を有してよく、単一のスリーブ210が、孔204の各々を覆ってよい。代替的な例においては、異なるスリーブが異なる孔204に対して使用されてよい。
【0023】
溶出開口が側壁206内に孔204を備える例においては、マイクロカテーテル102の遠位先端部216は、シーラント218で密閉され、流体が遠位先端部216を通って流出するのを防ぎ、流体が確実に孔204だけを通ってマイクロカテーテル102から流出するようにしてよい。接着剤、シリコーン、または溶融ポリウレタンなど、任意の適切なシーラントが使用されてよい。
【0024】
シーラントを使用するのに加えて、または代替的に、遠位先端部216は、
図4に示すように、閉じた遠位先端部を有するスリーブにより閉鎖され、密閉されてよい。
図4は、マイクロカテーテル102の遠位先端部216がシーラントで密閉されていないが、スリーブ210は遠位先端部216を覆う閉じた遠位先端部402を有することを除いて、
図2と類似している。よって、スリーブ210は、遠位先端部216および孔204の両方を密閉する。いくつかの実施形態においては、スリーブ210は、接着剤で(例えば、孔204の遠位側で)マイクロカテーテル102の遠位端部202に固定されてよい。流体源108からの流体がマイクロカテーテル102を通って押し出されるとき、スリーブ210の摩擦フィット(および/または接着剤)は、スリーブ210がマイクロカテーテル102の遠位端部202から外れることを防ぐ。流体は、スリーブ210の近位端部212を側壁206から離し、流体がマイクロカテーテル102から流出し、周囲組織に進入する際に通る小さな隙間を作る。
【0025】
図2~
図4に示す実施形態にあるような、密閉された遠位先端部216は、また、スタイレットの使用により、マイクロカテーテル102を埋め込めるようにする。例えば、マイクロカテーテル102の直径より小さい外径を有するステンレス鋼スタイレットをマイクロカテーテル102に挿入し、マイクロカテーテル102を強化し、マイクロカテーテル102が標的位置に誘導されるようにしてよい。スタイレットは、その後、マイクロカテーテル102が標的位置に埋め込まれた後に除去されてよい。いくつかの例においては、遠位先端部216または遠位先端部402は、マイクロカテーテル102の遠位端部の埋め込み中、組織への損傷を最小化するまたは防ぐように非侵襲的であってよい。例えば、
図2~
図4に示すように、遠位先端部216および遠位先端部402は、丸みを帯びている。
【0026】
マイクロカテーテル102は、画像ガイダンス(例えば、蛍光透視法、X線透視法など)および/または定位ガイダンスの下、身体に埋め込まれるように構成されてよい。例えば、
図2および
図3に示すように、マイクロカテーテル102は、孔204の両側の側壁206の辺りに位置付けられたマーカー220(例えば、マーカー220-1およびマーカー220-2)を備える。マーカー220は、蛍光物質(例えば、インドシアニングリーン)、X線不透性物質(例えば、白金、イリジウム、硫酸バリウム、ビスマス化合物、タングステンなど)、および/または代替的な撮像法(例えば、可視光撮像以外の撮像法)により撮像されうる任意の他の材料から形成されてよい。マーカー220は、マイクロカテーテル102に組み込まれ、塗布され、接着され、またはそうでなければ設けられてよい。いくつかの例においては、マーカー220は、マイクロカテーテル102の周囲に摩擦フィットする別々のリングまたはスリーブを備える。なお更なる例においては、
図4に示すように、1つまたは複数のマーカー220は、マイクロカテーテル102の周囲に位置付けられたスリーブ(例えば、スリーブ210)に設けられてよい(例えば、組み込まれる、塗布される、接着されるなど)。例えば、
図4に示すように、マーカー220-1はスリーブ210に設けられ、マーカー220-2は側壁206に設けられる。しかしながら、マーカー220-2が一方向弁208を開放できるほど十分に柔軟性を有していれば、マーカー220-2は、孔204の反対側のスリーブ210に設けられてもよい。
【0027】
マーカー220は、溶出開口(例えば、孔204)の位置を示すように構成されてよい。例えば、マーカー220は、孔204から、またはマイクロカテーテル102の開いた遠位先端部から、所定の距離以内(例えば、約5mm~約10mm以内)に位置付けられてよい。更なる例においては、マーカー220は、溶出開口(例えば、孔204を囲むリングまたは円など)を示すように構成された固有の形状を有してよい。画像ガイダンスの下、マーカー220は、埋め込み中、標的位置に孔204を位置付けるのに使用されてよい。
図2~
図4はマイクロカテーテル102またはスリーブ210が2つの環状マーカー220を備えることを示すが、マイクロカテーテル102およびスリーブ210は、特定の実装に役立ちうるような、任意の他の数(例えば、1つまたは2つ以上)の、かつ任意の他の構成のマーカー220を有してよい。代替的に、マイクロカテーテル102およびスリーブ210は、マーカー220を有さなくてもよい。
【0028】
再び
図1を参照すると、システム100がレシピエントに埋め込まれているとき、マイクロカテーテル102は、流体源108から流体(例えば、神経治療薬)を受け取るように構成されている。いくつかの実施形態においては、流体源108は、標的位置110から離れてレシピエントに埋め込まれてよい。例えば、標的位置110はレシピエントの脳であってよく、流体源108はレシピエントの胸部(例えば、胸筋部(pectoral region))に埋め込まれてよい。
【0029】
マイクロカテーテル102の軟質で柔軟性がある構成のため、マイクロカテーテル102は、頭部から胸部へと流体源108を直接連結させる埋め込みには、物理的および機械的に適切ではないかもしれない。例えば、マイクロカテーテル102を伸ばす、引き裂く、および/または収縮させることによるなどして、マイクロカテーテル102を手繰り寄せることで、マイクロカテーテル102に損傷を与える可能性がある。さらに、頭部から胸部まで延びる単一のマイクロカテーテル102は、マイクロカテーテル102の長さ、ならびにさまざまなねじれ、曲げ、およびマイクロカテーテル102がレシピエントによる通常の活動中に受ける動きにより、埋め込み後に損傷を受けるかもしれない。また、頭部から胸部まで延びる単一のマイクロカテーテル102は、スタイレットと共に埋め込むには長すぎるかもしれない。
【0030】
これらの問題を防ぐために、マイクロカテーテル102の近位端部は、連結アセンブリー106経由で、より物理的および機械的に頑丈なソースカテーテル104の遠位端部に流体的に連結されてよい。よって、より短く、より軟質で、より柔軟性があるマイクロカテーテル102は、スタイレットと共に容易に埋め込まれ、連結アセンブリー106経由でソースカテーテル104に流体的に連結されたとき、ソースカテーテル104および連結アセンブリー106経由で流体源108から流体を受け取ってよい。
【0031】
図5Aおよび
図5Bは、ソースカテーテル104の例示の実装を示す。
図5Aはソースカテーテル104の側面図を示し、
図5BはVB-VBとラベル付けされた破線に沿ったソースカテーテル104の断面図を示す。ソースカテーテル104は、中空管502を備え、ポリウレタン、シリコーン、および/または他の生体適合性材料など、任意の適切な材料から形成されてよい。ソースカテーテル104は、マイクロカテーテル102より物理的および機械的に頑丈であってよい。いくつかの例においては、ソースカテーテル104は、マイクロカテーテル102の硬度より大きい硬度を有する。いくつかの例においては、ソースカテーテル104の硬度は、約70ショアAデュロメータ以下である。更なる例においては、ソースカテーテル104の硬度は、約20ショアA~約60ショアAデュロメータである。なお更なる例においては、ソースカテーテル104の硬度は、約30ショアA~約50ショアAデュロメータである。
【0032】
いくつかの例においては、
図5Aおよび
図5Bに示すように、ソースカテーテル104は、ソースカテーテル104のよじれまたは過剰な曲げに抵抗するように設計された内側ブレイド(braid)504(例えば、ステンレス鋼ブレイド)を備える。ブレイド504は、任意の適切な数のブレイドストランドおよび堅固さを有してよい。いくつかの例においては、
図5Aに示すように、ソースカテーテル104の遠位端部および/または近位端部は、ブレイド504を備えていない。例えば、ソースカテーテル104の遠位端部506および近位端部508は、各々、成型先端部510を備え、ブレイド504の端のほつれを防いでよい。
図5Aおよび
図5Bはソースカテーテル104が内側ブレイド504を備えることを示すが、他の例においては、ソースカテーテル104は内側ブレイド504を備えていない。
【0033】
ソースカテーテル104は、任意の適切な壁厚を有してよい。いくつかの例においては、ソースカテーテル104の壁厚は、約0.25mm~約0.50mmである。他の例においては、ソースカテーテル104の壁厚は、ソースカテーテル104の外径の約10%~約40%である。なお更なる例においては、ソースカテーテル104の壁厚は、ソースカテーテル104の外径の約15%~約35%である。他の例においては、ソースカテーテル104の壁厚は、ソースカテーテル104の外径の約20%~約30%である。更なる例においては、ソースカテーテル104の壁厚は、マイクロカテーテル102の壁厚より大きい。
【0034】
ソースカテーテル104は、特定の実装に役立ちうるような、任意の適切な外径および/または内径を有してよい。いくつかの例においては、ソースカテーテル104の外径は、約1.5mm以下である。更なる例においては、ソースカテーテル104の外径は、約1.0mm~約1.5mmである。いくつかの例においては、ソースカテーテル104の内径は、約0.5mm~約1.0mmである。
【0035】
ソースカテーテル104の構成のため、ソースカテーテル104は、材料、硬度、ブレイディング、および/または1つまたは複数のサイズ測定(例えば、外径、内径、および/または壁厚)においてなど、さまざまな形態において、マイクロカテーテル102と物理的に異なっていてよい。よって、ソースカテーテル104は、ソースカテーテル104を損傷させずに、(例えば、トンネリングツールにより)引っ張ることにより皮下でトンネリングされるように構成されてよい。
【0036】
再び
図1を参照すると、連結アセンブリー106は、マイクロカテーテル102より大きい、および/または物理的および機械的に頑丈なソースカテーテル104の遠位端部に、マイクロカテーテル102の近位端部を流体的に連結させるように構成されている。よって、マイクロカテーテル102は、容易に埋め込まれ、連結アセンブリー106(例えば、頭蓋ポート)経由でソースカテーテル104に流体的に連結されたとき、マイクロカテーテル102は、ソースカテーテル104経由で流体源108から流体を受け取ってよい。いくつかの例においては、連結アセンブリー106は、骨(例えば、頭蓋)および/または組織など、身体につなぎ止められるように構成されてもよい。よって、連結アセンブリー106は、ソースカテーテル104から伝わった応力または力など、マイクロカテーテル102にかかる応力または機械力を低減させてもよいし、抑えてもよい。
【0037】
いくつかの例においては、連結アセンブリーは、レシピエントの頭蓋に固定されうる頭蓋ポートにより実装される。
図6A~
図9Bは、連結アセンブリー106を実装しうる頭蓋ポート600の例示の実施形態を示す。
図6Aは頭蓋ポート600の上面図を示し、
図6Bは頭蓋ポート600の側面図を示す。
図6Aおよび
図6Bは、マイクロカテーテル102およびソースカテーテル104に連結されていない頭蓋ポート600を示す。
図6Aおよび
図6Bに示すように、頭蓋ポート600は、ベース部材602と、マニフォールド604とを備える。マニフォールド604を通って、マイクロカテーテル102の近位端部は、ソースカテーテル104の遠位端部に流体的に連結されてよい。
図7は、マイクロカテーテル102の近位端部およびソースカテーテル104の遠位端部がマニフォールド604に連結されたときの頭蓋ポート600の上面図を示す。
【0038】
ベース部材602は、金属(例えば、ステンレス鋼)、硬質プラスチック(例えば、ポリエチレンもしくはポリエーテルエーテルケトン(PEEK))、または硬質ポリマー(例えば、ポリウレタン)など、任意の適切な硬質または半硬質材料から形成されてよい。図示するように、ベース部材602は、接着剤、ねじ、スナップフィット、クリップ、または他の適切な留め具により、一緒に結合されて保持された上板602-1および底板602-2から形成されている。代替的に、ベース部材602は、単一体であってよい。
【0039】
ベース部材602は、レシピエントにつなぎ止められるように構成されてよい。例えば、ベース部材602は、マイクロカテーテル102およびマニフォールド604に対する構造的支持をもたらすように構成されている主部610から突出しているアンカータブ608に形成される2つの孔606を備える。アンカータブ608は、上板602-1および/または底板602-2に形成されてよい。孔606は、骨スクリュー702(
図7参照)、縫合、ステープル、および/または他の留め具によるなどして、身体(例えば、頭蓋または組織)にベース部材602を取り付けるのに使用されてよい。いくつかの例においては、アンカータブ608は、上板602-1および底板602-2の両方に形成され、孔606を通る骨スクリュー(または他の留め具)は、上板602-1および底板602-2を一緒に留めてもよい。
図6Aおよび
図6Bは2つの孔606を示すが、ベース部材602は、特定の実装に役立ちうるような任意の他の適切な数(例えば、1つまたは2つ以上)の孔606を有してよい。孔606に追加して、または代替的に、ベース部材602は、接着剤(例えば、骨接着剤、組織糊など)により身体に取り付けられてよい。
【0040】
図6Aおよび
図6Bはベース部材602が概して円形であることを示すが、ベース部材602は、任意の他の適切な形状(例えば、円形、長方形、楕円形、自由形状など)を有してよい。ベース部材602は、任意の適切なサイズを有してもよい。いくつかの例においては、ベース部材602(例えば、主部610)は、約10mm~約25mmの直径または幅を有する。ベース部材602(例えば、主部610)は、約3mm~約5mmの厚さを有してよい。よって、頭蓋ポート600は、レシピエントに埋め込まれているとき、薄型で、ほとんど外観を有さない。
【0041】
マニフォールド604は、マイクロカテーテル102との連結のための第1の開口614-1と、ソースカテーテル104との連結のための第2の開口614-2と(まとめて「開口614」という)を有する中空チャンバー612を備える。図示するように、マニフォールド604は、ベース部材602と一体的に形成されてよい。マニフォールド604および開口614は、上板602-1および/または底板602-2にウェルまたはキャビティを形成し、続いて上板602-1と底板602-2とを結合させることにより、形成されてよい。Oリング(図示せず)など、接着剤および/またはシーラーは、上板602-1と底板602-2との間、かつウェルまたはキャビティの周囲に位置付けられ、頭蓋ポート600がレシピエントに埋め込まれているとき、上板602-1と底板602-2との間の流体漏出を防いでよい。代替的な実施形態においては、ベース部材602は、付加製造により、または開口614を通る材料を除去することにより、単一体として形成されてよい。なお更なる例においては、マニフォールド604は、別途形成され、機械的な留め具または接着剤によるなどして、ベース部材602に取り付けられてよい。
【0042】
図7に示すように、マイクロカテーテル102は、第1のコネクタ704-1経由で、第1の開口614-1を通ってマニフォールド604に流体的に連結されてよく、ソースカテーテル104は、第2のコネクタ704-2経由で、第2の開口614-2を通ってマニフォールド604に流体的に連結されてよい(まとめて「コネクタ704」という)。コネクタ704は、類似の構成を有してよいが、マイクロカテーテル102およびソースカテーテル104のサイズに基づいて、いくつかの実施形態においてはサイズが異なる可能性がある。マイクロカテーテル102およびソースカテーテル104は、各々、マニフォールド604に流体的に連結されるため、マイクロカテーテル102およびソースカテーテル104は、マニフォールド604を通って互いに流体的に連結されている。
【0043】
図8Aおよび
図8Bは、マイクロカテーテル102に対するコネクタ704-1の例示の実装を示す。
図8Aは、組み立てられていない状態のコネクタ704-1およびマイクロカテーテル102の断面側面図を示し、
図8Bは、マイクロカテーテル102と共に組み立てられた状態のコネクタ704-1の断面側面図を示す。「遠位」および「近位」という記述語は適宜入れ替わるが、ソースカテーテル104に対するコネクタ704-2が類似の構成を有してよいことが理解されるだろう。従って、コネクタ704-2の説明は、省略される。
図8Aおよび
図8Bに示すように、コネクタ704-1は、外側部材802と、密閉部材804と、プレス部材806とを備える。
【0044】
外側部材802は、内側チャネル808と、近位端壁810と、開放遠位端812とを有する硬質または半硬質の中空管である。外側部材802は、マニフォールド604の開口614-1に適合するように構成されている。従って、外側部材802は、開口614-1のサイズおよび形状に実質的に一致するように形成され、成形されてよい。例えば、開口614-1が円柱状である場合、外側部材802の外側形状も円柱状であってよい。外側部材802は、接着剤で開口614-1の側壁に固定され、外側部材802と開口614-1の側壁との間の隙間を密閉してよい。代替的に、外側部材802は、ベース部材602と一体的に形成されてよい。内側チャネル808は、密閉部材804および/またはプレス部材806が中に位置付けられうる近位内側部808-1および遠位内側部808-2を備える。近位端壁810は開口814を有し、マイクロカテーテル102がコネクタ704-1に連結されたとき、開口814を通って、マイクロカテーテル102の近位端部816が挿入されてよい。いくつかの例においては、開口814のサイズは、マイクロカテーテル102の外径とほぼ等しい。開放遠位端812は開放され、密閉部材804および/またはプレス部材806を内側チャネル808に挿入させることができる。いくつかの例においては、外側部材802は、約4mm~約8mmの長さを有する。更なる例においては、内側チャネル808は、約0.5mm~約1mmの直径または幅を有する。
【0045】
密閉部材804は、弾性材料(例えば、シリコーン)から形成され、内側チャネル818を有し、マイクロカテーテル102がコネクタ704-1に連結されたとき、内側チャネル818を通って、マイクロカテーテル102の近位端部816が挿入されてよい。いくつかの例においては、密閉部材804は、約20ショアAデュロメータ~約50ショアAデュロメータの硬度を有する。密閉部材804は、密閉部材804と外側部材802との間に最低限の隙間または空間を有して、近位内側部808-1内に位置付けられるように構成されている。いくつかの例においては、密閉部材804は、内側チャネル808(例えば、近位内側部808-1)のサイズおよび形状に実質的に一致するように形成され、成形されてよい。例えば、内側チャネル808が円柱状である場合、密閉部材804も円柱状であってよい。
【0046】
プレス部材806は、密閉部材804を押して、プレス部材806と近位端壁810との間で密閉部材804を加圧するように構成されている。密閉部材804にかかる圧力は、マイクロカテーテル102の近位端部816の周囲で、外側部材802に対して密閉部材804を押し込むことにより、開口814を通る流体の漏出を防ぐ防水シールを作り出す。密閉部材804は、また、マイクロカテーテル102をしっかりと保持し、コネクタ704-1からのマイクロカテーテル102の分離を防ぐが、マイクロカテーテル102の開存性を制限することなくこれを行う。プレス部材806は、密閉部材804より硬質な任意の適切な材料から形成されてよい。例えば、プレス部材806は、硬質プラスチック(例えば、PEEK)、硬質ポリマー(例えば、ポリウレタン)、または金属(例えば、ステンレス鋼)から形成されてよい。
【0047】
プレス部材806は、任意の適切な構成を有してよく、任意の適切な方法で動作してよい。いくつかの例においては、
図8Aおよび
図8Bに示すように、プレス部材806は、遠位内側部808-2内に位置付けられるように構成されたねじ切りされた掛け止めねじを備えるが、遠位内側部808-2も、掛け止めねじと一致するようにねじ切りされている。掛け止めねじは内側チャネル820を備え、内側チャネル820を通って、マイクロカテーテル102の近位端部816が挿入されてよい。
【0048】
掛け止めねじの遠位端面822は、マイクロカテーテル102の近位端部816が内側チャネル818および内側チャネル820を通って位置付けられたとき、掛け止めねじを締め付けるのに使用されうる係合部材を備える。図示するように、係合部材は、掛け止めねじの遠位端面822にソケット824を備える。掛け止めねじは、ツールをソケット824に挿入し、ツールを使用して、ソケット824内からレバレッジをかけ、コネクタ704-1の外側部材802の遠位内側部808-2内で掛け止めねじを回転させることにより、締め付けられてよい。例えば、そのようなツールは、外側部材802の周囲に設置されるように構成されてよく、ツールは、ソケット824内に位置付けられうる取り付けロッドを備え、外側部材802およびツール本体を同時に使用してレバレッジをかけ、掛け止めねじを回転させるようにする。代替的な実施形態においては、係合部材は、掛け止めねじの遠位端面822より高い畝または突起であってよく、ツールにより把持されて、引っ張られる、または押されることにより、掛け止めねじを回転させることができる。他の実施形態においては、係合部材は、プレス部材806の半径方向外側の面から内側チャネル820へと延びる1つまたは複数の孔を備えてよく、拡張部を有するツールが、1つまたは複数の孔に挿入され、拡張部で把持されうる接触可能表面をもたらし、掛け止めねじを回転させることができる。
【0049】
プレス部材806は、掛け止めねじ以外の構成を有してよい。例えば、プレス部材806は、(例えば、スナップフィットまたはスレッドフィット(threaded fit)により)外側部材802に取り付けられ、密閉部材804を直接押す(マイクロカテーテル102が通るための開口を有する)蓋を備えてよい。他の例においては、プレス部材806は、スナップフィット、または外側部材802の遠位端812を覆う(マイクロカテーテル102が通るための開口を有する)蓋によるなどして、遠位内側部808-2内に位置付けられ、定位置に保持されたねじ切りされていない中空の硬質体または半硬質体であってよい。
【0050】
上述したように、外側部材802は、接着剤で開口614-1内に固定されてよい。マイクロカテーテル102は、開口814、内側チャネル818、および内側チャネル820が軸方向に並んだ状態で、外側部材802の内側チャネル808に密閉部材804およびプレス部材806を挿入することにより、マニフォールド604に連結されてよい。マイクロカテーテル102の近位端部816は、プレス部材806、密閉部材804、続いて開口814を通って挿入されてよい。代替的に、マイクロカテーテル102が、まず、プレス部材806および密閉部材804を通って挿入され、続いて、その集合体が外側部材802の内側チャネル808に挿入されてよい。プレス部材806は、係合され(例えば、掛け止めねじが締め付けられ)て密閉部材804を押し、続いて密閉部材804をマイクロカテーテル102、外側部材802の近位端壁810、および外側部材802の内側チャンバー808の内壁に押し当て、マイクロカテーテル102を適切な位置に保持し、外側部材802内でマイクロカテーテル102の周囲を行き来している流体も密封する。
【0051】
ソースカテーテル104の遠位端部は、マイクロカテーテル102の近位端部がマニフォールド604に連結されるのと類似の方法で、マニフォールド604に連結されてもよい。マイクロカテーテル102およびソースカテーテル104がマニフォールド604に連結されているとき、
図7に示すように、頭蓋ポート600のマニフォールド604は、流体界面として作用し、流体界面を通って、マイクロカテーテル102がソースカテーテル104に流体的に連結され、矢印706により示されるように、流体がソースカテーテル104からチャンバー612内へと、続いてマイクロカテーテル102を通って流れるようにする。マニフォールド604経由でソースカテーテル104にマイクロカテーテル102を間接的に連結させることにより、ソースカテーテル104からの力(例えば、引っ張る、ねじる、揺さぶるなど)を最小化する、またはマイクロカテーテル102に伝わらないようにする。
【0052】
マイクロカテーテル102の近位端708およびソースカテーテル104の遠位端710がチャンバー612内へと押し込まれすぎないように、マニフォールド604は、開口614の近くのチャンバー612内に形成されるストッパー616を備えてよい。ストッパーは、上板602-1および/または底板602-2と一体的に形成された突起であってもよいし、別々に形成され、上板602-1および/または底板602-2に取り付けられてもよい。ストッパー616に加えて、または代替的に、チャンバー612に対して開口614に角度をつけることにより、マイクロカテーテル102の近位端708およびソースカテーテル104の遠位端710が、チャンバー壁に当たることなくチャンバー612内へと押し込まれるようにしてよい。他の例においては、プレス部材806の内側チャネル820(または密閉部材804の内側チャネル818)の直径より大きい外径を有するスリーブを、マイクロカテーテル102の近位端部の外側にわたって設置することにより、マイクロカテーテル102の近位端708が押し込まれすぎないようにしてよい。すなわち、スリーブは、箇所によってはコネクタ704-1に収まるには大きすぎるため、コネクタ704-1自体がストッパーとして作用する。類似のスリーブをソースカテーテル104の遠位端部の外側にわたって使用することにより、ソースカテーテル104の遠位端710が押し込まれすぎないようにしてもよい。
【0053】
図6A、
図6B、および
図7を参照すると、ベース部材602は、マイクロカテーテル102に印加されうる応力および力を最低限にする、または抑えるように構成されてもよい。例えば、
図6Aおよび
図6Bに示すように、ベース部材602は、アクセス孔618とガイドチャネル620とを備える。アクセス孔618は、ベース部材602を通る孔であり、その穴を通って、マイクロカテーテル102の遠位端は、標的位置に埋め込まれるために挿入されてよい。例えば、アクセス孔618は、
図7に示すように、頭蓋の穿頭孔712へのアクセスを提供してよい。アクセス孔618は、特定の実装に役立ちうるような、任意のサイズおよび形状であってよい。
【0054】
ガイドチャネル620は、アクセス孔618からベース部材602の外側エッジ622に延びる。
図6Aおよび
図7に示すように、ガイドチャネル620は、ベース部材602の表面に形成された開放チャネル(例えば、溝)であるが、ガイドチャネル620は、代替的に閉鎖チャネル(例えば、管)であってよい。ガイドチャネル620は、マイクロカテーテル102を定位置に保持し、アクセス孔618の近くでマイクロカテーテル102の動きを制限し、マイクロカテーテル102の埋め込まれた遠位端の転位を防ぐように構成されている。例えば、ガイドチャネル620は、マイクロカテーテル102の外径にほぼ等しい幅を有してよい。マイクロカテーテル102を定位置に保持するため、ガイドチャネル620は、マイクロカテーテル102がガイドチャネル620内の所定の位置に「はめ込まれ」、ガイドチャネル620からから離れないように構成されてよい。代替的な実施形態においては、頭蓋ポート600は、カバー(
図9B参照)を備えてよく、カバーは、ベース部材602上に設置され、マイクロカテーテル102の動きを更に制限し、頭蓋ポート600のさまざまな構成要素を保護してよい。
【0055】
ガイドチャネル620の近位端は、頭蓋ポート600の開口614-1に対して任意の位置に位置付けられてよい。いくつかの例においては、ガイドチャネル620の近位端は、頭蓋ポート600の開口614-1の真向かい(例えば、180°)に位置付けられ、マイクロカテーテル102がベース部材602の周囲に巻き付けられる距離を最大化する。他の例においては、ガイドチャネル620の近位端は、頭蓋ポート600の開口614-1から180°未満、または180°を超えて(例えば、210°、135°、90°、45°などで)位置付けられてよい。
【0056】
図7の実施形態に示すように、マイクロカテーテル102は、ベース部材602の周囲にゆるく巻き付く(例えば、ベース部材602と接触しなくてよい)。他の例においては、マイクロカテーテル102は、ベース部材602の外側エッジ622の周囲に、またはベース部材602上にしっかりと巻き付けられてよい。
【0057】
頭蓋に固定された頭蓋ポート600を使用して、マイクロカテーテル102をガイドチャネル620内の適切な位置にしっかりと保持し、マイクロカテーテル102とソースカテーテル104との間を直接、物理的に連結することなく、それぞれのコネクタ704-1および704-2を通って、マイクロカテーテル102およびソースカテーテル104をマニフォールド604内へと連結させることにより、マイクロカテーテル102は、部分的にまたは実質的に、機械的に外力から隔絶されてよい。例えば、アクセス孔618と第1の開口614-1との間を延びるマイクロカテーテル102の一部の動きは、ガイドチャネル620内の適切な位置に保持されているマイクロカテーテル102により、かつ頭蓋に固定されている頭蓋ポート600により、頭蓋内を延びるマイクロカテーテル102の一部が阻害されることとは隔絶されてよい。別の例では、ソースカテーテル104の動きは、第2のコネクタ704-2内に位置付けられているソースカテーテル104により、マニフォールド604を通る流体カップリングによりマイクロカテーテル102から物理的に距離を置いているソースカテーテル104により、ガイドチャネル620内の適切な位置に保持されているマイクロカテーテル102により、かつ頭蓋に固定されている頭蓋ポート600により、頭蓋内を延びるマイクロカテーテル102の一部が阻害されることとは隔絶されてよい。通常、頭蓋内を延びるマイクロカテーテル102の一部は、頭蓋ポート600がないとき、外力の印加により生じうる頭蓋内の動きから複数の方法で保護されてよい。
【0058】
図9Aは、頭蓋ポート600の別の例示の実装の上面図を示す。
図9Aは、
図9Aにおいては、頭蓋ポート600が、ベース部材602の外側エッジ622へと、マイクロカテーテル102が固定されうる外側ガイドチャネル902を備えることを除いて、
図6Aと類似している。外側ガイドチャネル902は、ガイドチャネル620と類似して構成されてよい。外側ガイドチャネル902は、開口614-1と連結してよい。いくつかの例においては、外側ガイドチャネル902は、マイクロカテーテル102が、ベース部材602の外側エッジ622から、またはベース部材602の上面を超えて、突出しないように、十分な深さがある。
【0059】
図9Bは、
図6A、
図6B、
図7、および
図9Aに示す頭蓋ポート600を覆う随意のカバー904の上面図を示す。カバー904は、ベース部材602の頂面および外側エッジ622を覆うように構成されている。カバー904は、留め具、スナップフィット、スレッドフィット、および/または接着剤によるなど、任意の適切な方法でベース部材602に取り付けられてよい。
図9Aのベース部材602上に設置されたとき、カバー904は、外側ガイドチャネル902を覆って、マイクロカテーテル102を保護し、外側ガイドチャネル902からマイクロカテーテル102が分離するのを防いでもよい。よって、カバー904は、マイクロカテーテル102を完全に覆って、マイクロカテーテル102全体がカバー904の外側に晒されないようにしてよい。カバー904は、開口614-2に対応する開口(
図9Bに図示せず)を備え、ソースカテーテル104がカバー904を通ってマニフォールド604に連結されるようにしてよい。
【0060】
上述した例においては、連結アセンブリー106(
図1参照)は、頭蓋ポート600により実装されている。代替的な例においては、連結アセンブリー106は、マイクロカテーテル102の近位端をソースカテーテル104の遠位端と直接連結させるカップリングにより実装されてよい。例えば、
図10Aおよび
図10Bは、連結アセンブリー106の別の例示の実装を示す。図示するように、連結アセンブリー106は、カップリング1000により実装されている。
図10Aは組み立てられていない状態のカップリング1000を示し、
図10Bはマイクロカテーテル102およびソースカテーテル104に連結された、組み立てられた状態のカップリング1000を示す。
【0061】
カップリング1000は、端と端が連結されたマイクロカテーテルコネクタ1002とソースカテーテルコネクタ1004とを備える。コネクタ1002および1004は、コネクタ704-1および704-2に類似しているため、詳細は説明しない。いくつかの例においては、コネクタ1002および1004の外側部材は、
図10Aおよび
図10Bに示すように、単一体として形成されている。代替的に、コネクタ1002および1004の外側部材は、別々に形成され、接着剤、スナップフィット、留め具、スレッドフィット、または他の適切な取り付けによるなどして、一緒に結合されている。いくつかの例においては、
図10Aおよび
図10Bに示すように、カップリング1000は、アンカータブ1006を備え、カップリング1000が身体(例えば、骨)に取り付けられるようにしてよい。
【0062】
代替的な実施形態においては、マイクロカテーテル102およびソースカテーテル104が類似のサイズを有するときなど、マイクロカテーテル102およびソースカテーテル104は、マイクロカテーテル102の近位先端部とソースカテーテル104の遠位先端部の間で接着剤によるなどして、直接連結されてよい。しかしながら、直接連結は、マイクロカテーテル102およびソースカテーテル104が物理的に異なる場合、および/またはソースカテーテル104がマイクロカテーテル102に応力もしくは力をかけうる場合には適切ではないかもしれない。
【0063】
再び
図1を参照すると、ソースカテーテル104の近位端は、流体源108に連結されている。流体源108は、皮膚と筋肉との間の胸筋筋膜内など、身体に埋め込まれてよい。
【0064】
いくつかの例においては、流体源108は、注入口により実装されてよい。
図11Aおよび
図11Bは、流体源108を実装しうる注入口1100の例示の実装を示す。
図11Aは注入口1100の上面図を示し、
図11BはXIB-XIBとラベル付けされた破線に沿った注入口1100の断面側面図を示す。
【0065】
図11Aおよび
図11Bに示すように、注入口1100は、本体1102と、隔膜1104と、チャンバー1106とを備える。本体1102は、硬質プラスチック(例えば、PEEK)または金属など、硬質材料から形成されている。本体1102は、側壁1110と本体1102の上面の開口1112とにより画定され、本体1102内に形成されたキャビティ1108を備える。開口1112は、キャビティ1108へのアクセスを提供する。
図11Bに示すように、側壁1110の内面は、開口1112のサイズがキャビティ1108のサイズより小さくなるように、内側へ傾斜されている、または曲げられている。代替的に、側壁1110は、特定の実装に役立ちうるような、任意の他の適切な構成を有してよい(例えば、真っすぐ、または外側へ傾斜されている、もしくは曲げられている)。本体1102は、丸みを帯びた縁と滑らかな曲線とを有するなど、非侵襲的であってよい。本体1102は、骨スクリュー、縫合、および/またはステープルによるなどして、身体に本体1102を取り付けるための孔1116を有するアンカー部1114を更に備えてよい。本体1102、キャビティ1108、および開口1112は、各々、任意の適切な形状およびサイズを有してよい。例えば、
図11Aは、本体1102、キャビティ1108、および開口1112が、上面から見たとき、概円形または丸みを帯びた形状を有することを示す。いくつかの例においては、本体1102の外径は、約18mm~約25mmである。いくつかの例においては、キャビティ1108の直径は、約5mm~約20mmであってよい。いくつかの例においては、本体1102の厚さは、約8mm~約10mmであってよい。
【0066】
隔膜1104は、嚢1118と、嚢1118内に軟質ゲル1120とを備える。嚢1118は、例えば、軟質エラストマー(例えば、シリコーン)から形成されてよく、ゲル1120は、任意の適切な軟質ゲル(例えば、シリコーンゲル)であってよい。隔膜1104は、開口1112内に位置付けられ、開口1112を密閉する。隔膜1104は、接着剤で側壁1110に取り付けられてよい。隔膜1104の底面1122、キャビティ1108の側壁1110、およびキャビティ1108の底面1124は、チャンバー1106の内壁を画定する。チャンバー1106は、ソースカテーテル104およびマイクロカテーテル102経由で標的位置に送達される流体(例えば、神経治療薬)を受け入れる、および/または保持するための流体チャンバーである。
【0067】
本体1102は、ソースカテーテル104をチャンバー1106と流体的に連結させる開口1126を側壁1110に備える。ソースカテーテル104は、
図12に示すように、コネクタ経由でチャンバー1106と流体的に連結されてよい。
図12は、ソースカテーテル104がコネクタ1202経由で注入口1100に連結されていることを除いて、
図11Bと類似している。コネクタ1202は、任意の適切な構成を有してよい。
図12に示すように、コネクタ1202は、ソースカテーテル104の近位端部を覆って位置付けられたエラストマースリーブ1204を備える。スリーブ1204は、ソースカテーテル104を覆うぴったりした摩擦フィットと開口1126内のぴったりした摩擦フィットとを有するように形成されてよい。例えば、スリーブ1204は、ソースカテーテル104の外径よりわずかに小さい内径と、開口1126の内径よりわずかに大きい外径とを有してよい。スリーブ1204の外面は、スリーブ1204の外周の周りに突出シール1206を備えてもよい。シール1206は、開口1126内に対応して成形されたチャネルと係合し、開口1126内にスリーブ1204を固定し、スリーブ1204およびソースカテーテル104が注入口1100から切り離されるのを防ぐように構成されている。代替的な例においては、コネクタ1202は、ソースカテーテル104を頭蓋ポート600に連結させるために使用されるコネクタ704-2に類似したコネクタにより実装されてよい。いくつかの例においては、コネクタ1202および対応して成形された開口1126は、コネクタ704-1および/またはコネクタ704-2ならびに開口614-1および/または614-2の代わりに、頭蓋ポート600で使用されてもよい。
【0068】
隔膜1104の上面1128を通って、チャンバー1106内にノンコアリングニードルを挿入することにより、チャンバー1106を流体(例えば、神経治療薬)で充填してよい。流体が圧力下でチャンバー1106内に押し出されるにつれ、圧力により、ソースカテーテル104と、連結アセンブリー106(例えば、頭蓋ポート600のマニフォールド604)と、マイクロカテーテル102とを通って流体が押し出され、マイクロカテーテル102から、流体が標的位置に溶出される。ノンコアリングニードルが注入口1100から除去された後、ゲル1120は、その架橋方向に戻るため、隔膜1104は穿刺から回復できる。
【0069】
流体は、任意の適切な方法でシステム100を通って押し出されてよい。例えば、いくつかの実装においては、流体は、ノンコアリングニードルに連結されたシリンジにより、システム100を通って押し出されてよい。
【0070】
図13は、外部ポンプ1302を使用して、システム100を通って流体を押し出すための別の実装を示す。
図13は、
図13では、(例えば、レシピエントの外部にある)外部ポンプ1302がソースカテーテル104に連結され、システム100を通って流体を押し出すことを除いて、
図1と類似している。外部ポンプ1302は、経皮アクセスポートまたはカニューレによるなど、任意の適切な方法でソースカテーテル104に連結されてよい。外部ポンプ1302は、外部の流体源(図示せず)に流体的に連結され、ソースカテーテル104および連結アセンブリー106経由で、流体源からマイクロカテーテル102に流体を提供してよい。
【0071】
図14は、埋め込み型ポンプ1402を使用して、システム100を通って流体を押し出すための、なお別の実装を示す。
図14は、
図14では、埋め込み型ポンプ1402がレシピエントに埋め込まれ、ソースカテーテル104と流体源108(例えば、注入口1100のチャンバー1106)との間に連結され、システム100を通って流体を押し出すことを除いて、
図1と類似している。代替的に、埋め込み型ポンプ1402は、ソースカテーテル104と埋め込み型ポンプ1402との間に位置する流体源108と共に、ソースカテーテル104に流体的に連結されてよい。なお更なる実施形態においては、埋め込み型ポンプ1402および流体源108は、単一のデバイスとして統合されてよい。流体源108は、レシピエントに埋め込み可能であってもよいし、レシピエントの外部にあってもよい。
【0072】
図13および
図14の実装においては、ソースカテーテル104は、本明細書に記載の任意の方法を含む、任意の適切な方法で外部ポンプ1302または埋め込み型ポンプ1402に流体的に連結されてよい。いくつかの例においては、ソースカテーテル104の近位端部は、埋め込み型ポンプ1402に連結するように構成されている。ポンプ1302および1402は、低圧ポンプまたは蠕動ポンプなど、任意の適切なポンプにより実装されてよい。
【0073】
外部デバイス(例えば、シリンジおよびノンコアリングニードル、外部ポンプ1302など)がシステム100を通って流体を押し出すのに使用される実施形態においては、流体源108は、隔膜1104の上面1128と外部デバイスの適切なアライメントを促すように構成されたアライメントユニットを備えてよい。いくつかの例においては、アライメントユニットは、外部デバイス(例えば、金属探知器、磁気探知器など)により検出されうる金属体(例えば、ロッド、ビーズ、プレート、ねじなど)を備える。金属体は、(例えば、本体1102内または本体1102上で)流体源108に設けられてよい(例えば、組み込まれる、取り付けられる、など)。いくつかの例においては、金属体は、孔1116を通って身体に流体源108を固定するのに使用される骨スクリューまたはステープルを備える。更なる例においては、流体源108の1つまたは複数の構成要素は、金属から形成されてよい(例えば、本体1102)。
【0074】
他の例においては、アライメントユニットは、流体源108内に、外部デバイス(例えば、外部ポンプ、シリンジ、アライメントデバイスなど)に設けられた外部アライメント回路に誘導的に連結する内部アライメント回路を備える。例えば、
図15Aは、流体源108内の内部アライメント回路1502と、外部デバイス1506内の外部アライメント回路1504との例示の実装の機能図を示す。図示するように、内部アライメント回路1502は、ロード1510(例えば、抵抗器)と電気的に接続された導電性コイル1508を備える。内部アライメント回路1502は、特定の実装(例えば、コンデンサー)に役立ちうるような、任意の追加的または代替的な構成要素を備えてよい。外部アライメント回路1504は、電流源1514および測定回路1516に電気的に接続された導電性コイル1512を備える。外部アライメント回路1504は、特定の実装に役立ちうるような、任意の追加的または代替的な構成要素を備えてよい。
【0075】
電流源1514は、導電性コイル1512を通る電流を生成するように構成され、電流は、外部デバイス1506が流体源108の近くに位置付けられたとき、導電性コイル1508上に誘導的に結合される。誘導的に結合されたエネルギーは、続いて、ロード1510において散逸される。測定回路1516は、内部アライメント回路1502により生じた電流ドレインまたは電力伝達を測定するように構成されている。測定回路1516は、任意の適切な構成を有してよい。測定される電流ドレインまたは電力伝達は、導電性コイル1512と導電性コイル1508の軸1518とのアライメントが成されるにつれ、増加する。最大の電流ドレインまたは電力伝達は、導電性コイル1512が導電性コイル1508の同一の軸1518に沿って並んだときに生じる。よって、外部デバイス1506は、外部デバイス1506内の測定回路1516により測定された電流ドレインに基づいて、流体源108と適切な位置合わせを成すことができる。すなわち、外部デバイス1506は、最大の電力伝達が生じる物理的な位置を特定することにより、アライメントを感知する。
【0076】
内部アライメント回路1502の導電性コイル1508は、流体源108内の任意の適切な位置にあってよい。例えば、
図15Bは、注入口1100内の内部アライメント回路1502の例示の実装を示す。図示するように、導電性コイル1508は、チャンバー1106の周囲の側壁1110内に位置付けられている。導電性コイル1508の軸1518は、チャンバー1106の中心など、任意の適切な位置に位置付けられてよい。しかしながら、導電性コイル1508は、側壁1110および/または本体1102内の任意の適切な位置に位置付けられてよい。
図15Bに示す構成では、外部デバイス(例えば、ニードルおよび/またはポンプ)は、注入口1100と適切なアライメントを成し、ニードルが隔膜1104を貫通し、チャンバー1106内に、かつシステム100を通って流体を押し出すようにしてよい。
【0077】
図15Bは1つの導電性コイル1508を示すが、注入口1100は、特定の実装に役立ちうるような、任意の他の数(例えば、1つまたは3つもしくはそれ以上)の導電性コイルおよび内部アライメント回路1502を備えてよい。例えば、
図16は、注入口1100内の内部アライメント回路1502の別の例示の実装を示す。
図16に示すように、第1の内部導電性コイル1602-1および第2の内部導電性コイル1602-2が、側壁1110内に位置付けられている。導電性コイル1602-1および1602-2の軸1604-1および1604-2は、任意の適切な向きで位置付けられてよい。
図16は2つの導電性コイル1602を示すが、注入口1100は、特定の実装に役立ちうるような、任意の他の数(例えば、1つまたは3つもしくはそれ以上)の導電性コイルおよび内部アライメント回路を備えてよい。導電性コイル1602-1および1602-2は、同一のロードまたは異なるロードに連結されてよい。
【0078】
本明細書に記載のシステム、アセンブリー、および方法によれば、さまざまな疾患および症状が、より効率的に、かつレシピエントへの副作用をほとんど生じさせずに、治療されうる。例えば、システム100は、がん(例えば、神経膠芽腫、腫瘍など)、パーキンソン病、てんかん(例えば、てんかん重積)、アルツハイマー病、ハンチントン病、多発性硬化症、および精神医学的適応(例えば、抑うつ、不安など)の治療に使用されうる。システム100は、他の非脳疾患または状態(例えば、がん)の治療にも使用されうる。静脈内投与による代わりに標的位置に薬物を直接送達することにより、システム100は、従来の治療法によるさまざまな系の副作用および合併症を回避しうる。
【0079】
本明細書に記載の例においては、システム100を実装するのに使用されるさまざまな構成要素およびツールが、キットとして提供されてよい。例えば、キットは、マイクロカテーテル102、スリーブ210、スリーブ210をマイクロカテーテル102に取り付けるための接着剤および塗布器、マイクロカテーテル102の遠位端部を埋め込むためのスタイレット、マイクロカテーテル102の正確な長さを測定するための測定ツール(例えば、定規)、およびマイクロカテーテル102を切断するためのナイフもしくはハサミの任意の1つまたは複数を備えてよい。追加的に、キットは、頭蓋ポート600もしくはカップリング1000、コネクタ704(例えば、外側部材802、密閉部材804、プレス部材806、および/またはスリーブストッパー)、接着剤および/もしくはシーラー(例えば、Oリング)、留め具(例えば、骨スクリューおよびスクリュードライバー)、プレス部材806(掛け止めねじ)を締め付けるための六角レンチもしくは他のツール(例えば、レバー)、ならびに頭蓋ポート600用のカバー904の任意の1つまたは複数を備えてよい。追加的に、キットは、ソースカテーテル104、(ソースカテーテル104を埋め込むための)トンネリングツール、流体源108(例えば、注入口1100)、コネクタ1202(例えば、スリーブ1204)、ニードル(例えば、ノンコアリングニードル)、シリンジ、ポンプ(例えば、外部ポンプ1302、埋め込み型ポンプ1402)、外部デバイス1506、およびソースカテーテル104を切断するためのナイフもしくはハサミの任意の1つまたは複数を備えてよい。追加的に、キットは、身体の埋め込み部位および/または流体注入部位を殺菌するための殺菌キットを備えてよい。
【0080】
さまざまな修正が、システム100および/またはその構成要素の何れかに成されてよい。例えば、
図17Aおよび
図17Bは、マイクロカテーテル102の別の例示の実装を示す。図示するように、マイクロカテーテル102は、デュアルルーメンカテーテル1700により実装されている。
図17Aは、デュアルルーメンカテーテル1700の側面図を示し、
図17Bは、XVIIB-XVIIBとラベル付けされた破線に沿ったデュアルルーメンカテーテルの断面図を示す。図示するように、デュアルルーメンカテーテル1700は、スタイレットルーメン1702と流体送達ルーメン1704とを並んで備える。スタイレットルーメン1702の近位端が開いている一方、スタイレットルーメン1702の遠位端は閉じており、スタイレットがスタイレットルーメン1702に挿入され、デュアルルーメンカテーテルの遠位端を標的位置に埋め込むのに使用されるようにしている。流体送達ルーメン1704の近位端部は、本明細書に記載の方法の何れかによるなどして、ソースカテーテル104の遠位端部に流体的に連結されるように構成されている。従って、
図17Aに示すように、流体送達ルーメン1704の近位端部は、スタイレットルーメン1702の近位端部より長い。流体送達ルーメン1704の遠位端部は、標的位置に埋め込まれ、溶出開口(図示せず)を通って標的位置に流体を溶出させるように構成されている。溶出開口は、本明細書に記載の任意の方法で構成されてよい。
【0081】
別の修正においては、流体源108は、頭蓋ポート600内に設けられ、ソースカテーテル104が不要となるようにしてよい。例えば、マニフォールド604は、注入口を実装してよい(例えば、マニフォールド604のチャンバー612は、注入口1100のチャンバー1106を実装してよい)。従って、頭蓋ポート600は、隔膜を備え、外部デバイスによりチャンバー612が流体で充填されうるようにしてよい。
【0082】
上述したように、スリーブ210は、システム100において一方向弁として使用され、流体が溶出開口204を通ってマイクロカテーテル102内に逆流することを防いでよい。この一方向スリーブ弁が、マイクロカテーテル以外の用途で、および/またはシステム100以外のシステム用に、使用されうることは認識されるであろう。例えば、スリーブ210は、任意の他のカテーテル(例えば、中心静脈カテーテル)の一方向弁として使用されてよい。追加的に、スリーブ210は、他の医療および非医療用途で使用されてよい。
【0083】
本明細書に記載のシステム、アセンブリー、および方法は、従来のシステム、アセンブリー、および方法よりも非常に多くの利益および利点をもたらす。例えば、本明細書に記載のシステム、アセンブリー、および方法によれば、神経治療薬は、最低限の全身性副作用でレシピエント内の標的位置に直接送達されうる。追加的に、標的位置に、または標的位置の近くに、マイクロカテーテルの遠位端部を位置付けることにより、薬物送達の効率が向上しうる。
【0084】
さらに、マイクロカテーテルおよびソースカテーテルは、各々、カテーテルまたはシステム全体の性能を犠牲にすることなく、各カテーテルが担う異なる機能に適合するように構成されてよい。例えば、マイクロカテーテルは、組織を傷つけることなく、脳組織など、繊細な組織内または繊細な組織の近くに埋め込み可能なように、小さく、軟質で、柔軟性があってよい。マイクロカテーテルは、定位ガイダンスおよび/または画像ガイダンス(例えば、X線透視または蛍光ガイダンス)の下、標的位置に埋め込まれてもよい。一方、ソースカテーテルは、より物理的かつ機械的に頑丈であり、よじれまたはつぶれを防ぎ、トンネリングおよび引き抜きなど、より物理的に要求の厳しい埋め込み技術を可能にしてよい。よって、流体源は、標的位置から離れた位置に埋め込まれてよい。例えば、標的位置が脳であっても、流体源は、頭部より大きな空間を有し、病原体を運ぶ毛が少ない胸部に埋め込まれてよい。この方法では、流体源は、頭部から突出せず、一般に毛が有する病原体を受け取りにくくなる。また、この構成は、レシピエントに苦痛が少なく、外見上好ましい。
【0085】
さらに、本明細書に記載のシステム、アセンブリー、および方法は、より頻繁な、または要望に応じた標的位置への薬物の送達を可能にしうる。例えば、薬物は、発作が生じたときなど、必要に応じて標的位置に投与されうる。薬物は、また、より頻繁に、かつより容易く、標的位置に送達されうる。例えば、薬物は、レシピエントの皮膚を通る流体源への簡単な注入により、標的位置(例えば、脳)に送達されうる。また、薬物は、外科的処置をせずに、必要に応じて補充または変更さえされうる。
【0086】
本開示の利点および特徴は、以下のステートメントにより更に説明されうる。
【0087】
1.連結アセンブリーと、
ソースカテーテルであって、
流体を提供するように構成された流体源に流体的に連結されるように構成された近位端部と、
連結アセンブリーに流体的に連結されるように構成された遠位端部と
を備えるソースカテーテルと、
マイクロカテーテルであって、
連結アセンブリーに流体的に連結されるように構成された近位端部と、
レシピエント内の標的位置に流体を溶出させるように構成された溶出開口を備える遠位端部と
を備えるマイクロカテーテルと
を備える、レシピエントに埋め込み可能な薬物送達システム。
【0088】
2.標的位置は、レシピエントの脳を含む、ステートメント1に記載の薬物送達システム。
【0089】
3.マイクロカテーテルの遠位端部は、脳の実質組織に埋め込み可能である、ステートメント2に記載の薬物送達システム。
【0090】
4.流体は、神経治療薬を含む、ステートメント2または3に記載の薬物送達システム。
【0091】
5.連結アセンブリーは、頭蓋ポートであって、
レシピエントの頭蓋に取り付けられるように構成されたベース部材と、
ベース部材のマニフォールドと
を備える頭蓋ポートを備え、
マイクロカテーテルの近位端部は、マニフォールド経由でソースカテーテルの遠位端部に流体的に連結されるように構成されている、ステートメント2~4の何れかに記載の薬物送達システム。
【0092】
6.マニフォールドは、ベース部材と一体的に形成されている、ステートメント5に記載の薬物送達システム。
【0093】
7.ベース部材は、頭蓋の穿頭孔にアクセスするためのアクセス孔を備え、穿頭孔が脳へのアクセスを提供している、ステートメント5または6に記載の薬物送達システム。
【0094】
8.ベース部材は、アクセス孔からベース部材の外側エッジに延びるガイドチャネルを更に備え、
ガイドチャネルは、マイクロカテーテルの遠位端部が脳に埋め込まれているとき、マイクロカテーテルを固定するように構成されている、ステートメント7に記載の薬物送達システム。
【0095】
9.マニフォールドにマイクロカテーテルを連結させるための第1のコネクタであって、
第1の内側部と、近位端壁と、近位端壁の開口とを有する中空の第1の外側部材と、
マイクロカテーテルの近位端部を受け入れるように構成された第1の内側チャネルを有する第1の密閉部材であって、第1の外側部材の第1の内側部内に位置付けられるように構成されている第1の密閉部材と、
マイクロカテーテルの近位端部が第1の密閉部材の第1の内側チャネルを通って位置付けられたとき、第1の密閉部材を押し、マイクロカテーテルの近位端部の周囲で第1の密閉部材を加圧するように構成された第1のプレス部材と
を備える第1のコネクタを更に備える、ステートメント5~8の何れかに記載の薬物送達システム。
【0096】
10.第1の密閉部材は、第1のプレス部材により押されたとき、第1の外側部材の第1の内側部を密閉するように構成されている、ステートメント9に記載の薬物送達システム。
【0097】
11.第1の密閉部材の第1の内側チャネルの内径は、おおよそマイクロカテーテルの外径以下である、ステートメント9または10に記載の薬物送達システム。
【0098】
12.第1の外側部材の第1の内側部は、遠位内側部と近位内側部と備え、
第1の密閉部材は、第1の外側部材の近位内側部内に位置付けられるように構成されており、
第1のプレス部材は、第1の外側部材の遠位内側部内に位置付けられるように構成されている、ステートメント9~11の何れかに記載の薬物送達システム。
【0099】
13.第1の外側部材の遠位内側部は、ねじ切りされ、
第1のプレス部材は、掛け止めねじを備える、ステートメント12に記載の薬物送達システム。
【0100】
14.マニフォールドにソースカテーテルを連結させるための第2のコネクタであって、
第2の内側部と、遠位端壁と、遠位端壁の開口とを有する中空の第2の外側部材と、
ソースカテーテルの遠位端部を受け入れるように構成された第2の内側チャネルを有する第2の密閉部材であって、第2の外側部材の第2の内側部内に位置付けられるように構成されている第2の密閉部材と、
ソースカテーテルの遠位端部が第2の密閉部材の第2の内側チャネルを通って位置付けられたとき、第2の密閉部材を押し、ソースカテーテルの遠位端部の周囲で第2の密閉部材を加圧するように構成された第2のプレス部材と
を備える第2のコネクタを更に備える、ステートメント9~13の何れかに記載の薬物送達システム。
【0101】
15.マニフォールドは、マイクロカテーテルを連結させるための第1の開口と、ソースカテーテルを連結させるための第2の開口とを備え、
第1の外側部材は、第1の開口に固定されている、ステートメント9~14の何れかに記載の薬物送達システム。
【0102】
16.マイクロカテーテルの硬度は、ソースカテーテルの硬度未満である、ステートメント1~15の何れかに記載の薬物送達システム。
【0103】
17.マイクロカテーテルの硬度は、約20ショアAデュロメータ~約50ショアAデュロメータである、ステートメント1~16の何れかに記載の薬物送達システム。
【0104】
18.ソースカテーテルは、内側ブレイドを備える、ステートメント1~17の何れかに記載の薬物送達システム。
【0105】
19.マイクロカテーテルの内径は、ソースカテーテルの内径より小さい、または
マイクロカテーテルの外径は、ソースカテーテルの外径より小さい、
の少なくとも一方である、ステートメント1~18の何れかに記載の薬物送達システム。
【0106】
20.マイクロカテーテルの外径は、約0.5mm~約1.0mmである、ステートメント19に記載の薬物送達システム。
【0107】
21.ソースカテーテルの外径は、約1.0mm~約1.5mmである、ステートメント19または20に記載の薬物送達システム。
【0108】
22.マイクロカテーテルの内径は、約0.30mm~約0.80mmである、ステートメント19~21の何れかに記載の薬物送達システム。
【0109】
23.ソースカテーテルの内径は、約0.5mm~約1.0mmである、ステートメント19~22の何れかに記載の薬物送達システム。
【0110】
24.マイクロカテーテルの壁厚は、約0.05mm~約0.15mmである、ステートメント1~23の何れかに記載の薬物送達システム。
【0111】
25.溶出開口の直径は、約0.25mm~約0.5mmである、ステートメント1~24の何れかに記載の薬物送達システム。
【0112】
26.マイクロカテーテルは、画像ガイダンスまたは定位ガイダンスの少なくとも一方の下、レシピエントに埋め込まれるように構成されている、ステートメント1~25の何れかに記載の薬物送達システム。
【0113】
27.マイクロカテーテルは、1つまたは複数の画像マーカーを更に備える、ステートメント1~26の何れかに記載の薬物送達システム。
【0114】
28.マイクロカテーテルは、スタイレットと共にレシピエントに埋め込まれるように構成されている、ステートメント1~27の何れかに記載の薬物送達システム。
【0115】
29.マイクロカテーテルの遠位先端部は、密閉され、
溶出開口は、マイクロカテーテルの遠位端部の側壁にあり、
マイクロカテーテルは、溶出開口に一方向弁を更に備える、ステートメント1~28の何れかに記載の薬物送達システム。
【0116】
30.一方向弁は、マイクロカテーテルに、溶出開口を覆う、柔軟性があるスリーブを備える、ステートメント29に記載の薬物送達システム。
【0117】
31.スリーブの遠位端部またはスリーブの近位端部は、マイクロカテーテルの遠位端部の側壁に接着されている、ステートメント30に記載の薬物送達システム。
【0118】
32.スリーブは、閉じた遠位先端部を有し、
マイクロカテーテルの遠位先端部は、スリーブの閉じた遠位先端部により密閉されている、ステートメント30または31に記載の薬物送達システム。
【0119】
33.連結アセンブリーは、カップリングを備える、ステートメント1~32の何れかに記載の薬物送達システム。
【0120】
34.流体源は、
ボディ部材であって、キャビティと、ボディ部材の表面に、キャビティへの開口とを備えるボディ部材と、
開口に位置付けられ、嚢内にゲルを備える隔膜と、
ボディ部材のキャビティと、隔膜とにより画定されたチャンバーとを備える、ステートメント1~33の何れかに記載の薬物送達システム。
【0121】
35.ソースカテーテルおよびマイクロカテーテル経由で、流体源から標的位置に流体を押し出すように構成された埋め込み型ポンプを更に備える、ステートメント1~34の何れかに記載の薬物送達システム。
【0122】
36.ソースカテーテルおよびマイクロカテーテル経由で、流体源から標的位置に流体を押し出すように構成された外部デバイスを更に備える、ステートメント1~35の何れかに記載の薬物送達システム。
【0123】
37.外部デバイスは、シリンジまたは外部ポンプを備える、ステートメント36に記載の薬物送達システム。
【0124】
38.流体源は、流体源と外部デバイスとのアライメントを促進するように構成されたアライメントユニットを備える、ステートメント36または37に記載の薬物送達システム。
【0125】
39.アライメントユニットは、外部デバイスの金属探知器により検出されるように構成された1つまたは複数の金属体を備える、ステートメント38に記載の薬物送達システム。
【0126】
40.アライメントユニットは、ロードに電気的に接続された第1の導電性コイルを備えるアライメント回路を備え、
第1の導電性コイルは、外部デバイスが流体源とアライメントを成したとき、外部デバイスに設けられた第2の導電性コイルと誘導的に結合するように構成されている、ステートメント38または39に記載の薬物送達システム。
【0127】
41.レシピエント内の標的位置にマイクロカテーテルの遠位端部を埋め込むことであって、マイクロカテーテルの遠位端部が標的位置に流体を溶出させるための溶出開口を備えていることと、
連結アセンブリー経由でソースカテーテルの遠位端部にマイクロカテーテルの近位端部を流体的に連結させることと、
マイクロカテーテルに流体を提供するように構成された流体源にソースカテーテルの近位端部を流体的に連結させることと
を含む方法。
【0128】
42.標的位置は、レシピエントの脳を含む、ステートメント41に記載の方法。
【0129】
43.標的位置は、脳の実質組織を含む、ステートメント42に記載の方法。
【0130】
44.流体は、神経治療薬を含む、ステートメント42または43に記載の方法。
【0131】
45.マイクロカテーテルの遠位端部を埋め込むことは、
レシピエントの頭蓋に穿頭孔を形成することと、
穿頭孔にマイクロカテーテルの遠位端部を挿入することと
を含む、ステートメント42~44の何れかに記載の方法。
【0132】
46.連結アセンブリーは、頭蓋ポートであって、
ベース部材と、
ベース部材のマニフォールドと
を備える頭蓋ポートを備え、
方法は、頭蓋に頭蓋ポートを取り付けることを更に含み、
連結アセンブリー経由でソースカテーテルの遠位端部にマイクロカテーテルの近位端部を流体的に連結させることは、
マニフォールドにマイクロカテーテルの近位端部を連結させることと、
マニフォールドにソースカテーテルの遠位端部を連結させることと
を含む、ステートメント45に記載の方法。
【0133】
47.ベース部材は、穿頭孔にアクセスするためのアクセス孔と、アクセス孔からベース部材の外側エッジに延びるガイドチャネルとを備え、
方法は、ガイドチャネル内にマイクロカテーテルを位置付けることを更に含む、ステートメント46に記載の方法。
【0134】
48.マニフォールドにマイクロカテーテルの近位端部を連結させることは、
中空の第1の外側部材の第1の内側部内に第1の密閉部材を位置付けることであって、第1の外側部材が近位端壁と近位端壁の開口とを有していることと、
第1の密閉部材の第1の内側チャネルと、近位端壁の開口とに、マイクロカテーテルの近位端部を挿入することと、
第1のプレス部材により第1の密閉部材を押し、マイクロカテーテルの近位端部の周囲で第1の密閉部材を加圧することと
を含む、ステートメント46または47に記載の方法。
【0135】
49.第1の外側部材の第1の内側部は、遠位内側部と近位内側部とを備え、
第1の密閉部材は、第1の外側部材の近位内側部内に位置付けられ、
第1のプレス部材により第1の密閉部材を押すことは、第1の外側部材の遠位内側部内に第1のプレス部材を位置付けることを含む、ステートメント48に記載の方法。
【0136】
50.第1の外側部材の遠位内側部は、ねじ切りされ、
第1のプレス部材は、掛け止めねじを備え、
第1のプレス部材により第1の密閉部材を押すことは、掛け止めねじを締め付けることを更に含む、ステートメント49に記載の方法。
【0137】
51.マニフォールドにソースカテーテルの遠位端部を連結させることは、
中空の第2の外側部材の第2の内側部内に第2の密閉部材を位置付けることであって、第2の外側部材が遠位端壁と遠位端壁の開口とを有していることと、
第2の密閉部材の第2の内側チャネルと、遠位端壁の開口とに、ソースカテーテルの遠位端部を挿入することと、
プレス部材により第2の密閉部材を押し、ソースカテーテルの遠位端部の周囲で第2の密閉部材を加圧することと
を含む、ステートメント48~50の何れかに記載の方法。
【0138】
52.マイクロカテーテルの遠位端部を埋め込むことは、
マイクロカテーテルの遠位端部においてスタイレットを挿入することと、
スタイレットを使用して、標的位置にマイクロカテーテルの遠位端部を位置付けることと、
マイクロカテーテルの遠位端部が標的位置に位置付けられた後、マイクロカテーテルからスタイレットを除去することと
を含む、ステートメント41~51の何れかに記載の方法。
【0139】
53.マイクロカテーテルは、画像ガイダンスまたは定位ガイダンスの少なくとも一方の下、レシピエントに埋め込まれる、ステートメント41~52の何れかに記載の方法。
【0140】
54.マイクロカテーテルは、1つまたは複数の画像マーカーを備える、ステートメント53に記載の方法。
【0141】
55.レシピエントに流体源を埋め込むことと、
レシピエントにソースカテーテルを埋め込むことと
を更に含む、ステートメント41~54の何れかに記載の方法。
【0142】
56.ソースカテーテルを埋め込むことは、流体源からマイクロカテーテルの近位端部に、レシピエント内を通ってソースカテーテルをトンネリングさせることを含む、ステートメント55に記載の方法。
【0143】
57.流体源は、レシピエントの胸部に埋め込まれる、ステートメント55または56に記載の方法。
【0144】
58.流体源に流体を提供することと、
ソースカテーテルおよびマイクロカテーテル経由で、流体源から標的位置に流体を押し出すことと
を更に含む、ステートメント41~57の何れかに記載の方法。
【0145】
59.埋め込み型ポンプを埋め込むことを更に含み、
流体源から標的位置に流体を押し出すことは、埋め込み型ポンプにより実施される、ステートメント58に記載の方法。
【0146】
60.流体源に設けられたアライメントユニット経由で、流体源と外部デバイスとのアライメントを成すことを更に含み、
流体源に流体を提供すること、または流体源から標的位置に流体を押し出すことの少なくとも一方は、外部デバイスにより実施される、ステートメント58または59に記載の方法。
【0147】
61.レシピエントの頭蓋に取り付けられるように構成されたベース部材と、
ベース部材のマニフォールドであって、ソースカテーテルの遠位端部にマイクロカテーテルの近位端部を結合させるように構成されたマニフォールドと
を備える、埋め込み型薬物送達システム用の連結アセンブリー。
【0148】
62.マニフォールドは、ベース部材と一体的に形成されている、ステートメント61に記載の連結アセンブリー。
【0149】
63.ベース部材は、頭蓋の穿頭孔にアクセスするためのアクセス孔を備え、穿頭孔がレシピエントの脳へのアクセスを提供している、ステートメント61または62に記載の連結アセンブリー。
【0150】
64.ベース部材は、アクセス孔からベース部材の外側エッジに延びる第1のガイドチャネルを更に備え、
第1のガイドチャネルは、マイクロカテーテルの遠位端部がレシピエントの脳に埋め込まれているとき、マイクロカテーテルを固定するように構成されている、ステートメント63に記載の連結アセンブリー。
【0151】
65.ベース部材は、第1のガイドチャネルから、マニフォールドへの開口に、ベース部材の外側エッジに沿って延びる第2のガイドチャネルを更に備え、
第2のガイドチャネルは、マイクロカテーテルの遠位端部がレシピエントの脳に埋め込まれているとき、マイクロカテーテルを固定するように構成されている、ステートメント64に記載の連結アセンブリー。
【0152】
66.マニフォールドにマイクロカテーテルを連結させるための第1のコネクタであって、
第1の内側部と、近位端壁と、近位端壁の開口とを有する中空の第1の外側部材と、
マイクロカテーテルの近位端部を受け入れるように構成された第1の内側チャネルを有する第1の密閉部材であって、第1の外側部材の第1の内側部内に位置付けられるように構成されている第1の密閉部材と、
マイクロカテーテルの近位端部が第1の密閉部材の第1の内側チャネルを通って位置付けられたとき、第1の密閉部材を押し、マイクロカテーテルの近位端部の周囲で第1の密閉部材を加圧するように構成された第1のプレス部材と
を備える第1のコネクタを更に備える、ステートメント61~65の何れかに記載の連結アセンブリー。
【0153】
67.第1の密閉部材は、第1のプレス部材により押されたとき、第1の外側部材の第1の内側部を密閉するように構成されている、ステートメント66に記載の連結アセンブリー。
【0154】
68.第1の密閉部材の第1の内側チャネルの内径は、おおよそマイクロカテーテルの外径以下である、ステートメント66または67に記載の連結アセンブリー。
【0155】
69.第1の外側部材の第1の内側部は、遠位内側部と近位内側部とを備え、
第1の密閉部材は、第1の外側部材の近位内側部内に位置付けられるように構成され、
第1のプレス部材は、第1の外側部材の遠位内側部内に位置付けられるように構成されている、ステートメント66~68の何れかに記載の連結アセンブリー。
【0156】
70.第1の外側部材の遠位内側部は、ねじ切りされ、
第1のプレス部材は、掛け止めねじを備える、ステートメント69に記載の連結アセンブリー。
【0157】
71.マニフォールドは、マイクロカテーテルを連結させるための第1の開口を備え、
第1の外側部材は、第1の開口に固定されている、ステートメント66~70の何れかに記載の連結アセンブリー。
【0158】
72.マニフォールドにソースカテーテルを連結させるための第2のコネクタであって、
第2の内側部と、遠位端壁と、遠位端壁の開口とを有する中空の第2の外側部材と、
ソースカテーテルの遠位端部を受け入れるように構成された第2の内側チャネルを有する第2の密閉部材であって、第2の外側部材の第2の内側部内に位置付けられるように構成されている第2の密閉部材と、
ソースカテーテルの遠位端部が第2の密閉部材の第2の内側チャネルを通って位置付けられたとき、第2の密閉部材を押し、ソースカテーテルの遠位端部の周囲で第2の密閉部材を加圧するように構成された第2のプレス部材と
を備える第2のコネクタを更に備える、ステートメント66~71の何れかに記載の連結アセンブリー。
【0159】
73.マニフォールドは、ソースカテーテルを連結させるための第2の開口を備え、
第2の外側部材は、第2の開口に固定されている、ステートメント72に記載の連結アセンブリー。
【0160】
74.ベース部材とマニフォールドとを覆うように構成されたカバーを更に備える、ステートメント61~74の何れかに記載の連結アセンブリー。
【0161】
先の記述において、添付の図面を参照して、さまざまな例示の実施形態について説明した。しかしながら、以下の特許請求の範囲に記載の発明の範囲から逸脱することなく、それらの実施形態に対してさまざまな修正および変更が成され、追加的な実施形態が実装されうることは明らかである。例えば、本明細書に記載の1つの実施形態のある特徴が、本明細書に記載の別の実施形態の特徴と組み合わされてもよいし、本明細書に記載の別の実施形態の特徴に置き換えられてもよい。従って、説明および図面は、限定的意味ではなく例示と見なされるべきである。
【国際調査報告】