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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】拡張可能な椎間ケージ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20240628BHJP
   A61F 2/44 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A61B17/70
A61F2/44
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500426
(86)(22)【出願日】2022-07-06
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 IB2022056235
(87)【国際公開番号】W WO2023281409
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】102021000017747
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512073792
【氏名又は名称】メダクタ・インターナショナル・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(72)【発明者】
【氏名】シッカルディ,フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】フィシュテル,マインラート
(72)【発明者】
【氏名】リーヴァ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】メローニ,サムエレ
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA10
4C097BB01
4C160LL24
(57)【要約】
脊柱の2つの椎体の間隔を空けるための拡張可能な椎間ケージは、第1のプレートおよび前記第1のプレートに対向する第2のプレートを備え、両プレートとも椎間ケージの近位端から遠位端まで延びる中心長手方向軸に沿って軸方向に細長い平面構造を有する。2つのプレートは、互いに面するそれぞれの内部表面およびそれぞれの外部接触表面を備え、後者は、載置するために対応する椎体を受け入れるのに適する。椎間ケージは、隣接する2つの椎体の間隔を空けるために椎間ケージの高さを変えるように互いに平行な第1のプレートおよび第2のプレートの相対的な相互並進と、脊柱の変形を矯正するために2つのプレートの相互傾斜を変えるようにそれぞれのヒンジ軸周りの他方に対する一方の回転とを促進するのに適した、2つのプレートの移動および調整機構を備える。移動および調整機構は、中心長手方向軸と同軸であり且つ雄ねじを有する単一の中心シャフトと、第1のプレートと第2のプレートの間に配置された近位ウェッジおよび遠位ウェッジであって、中心長手方向軸に沿って整列され且つ当該近位ウェッジおよび当該遠位ウェッジに中央に挿入される中心シャフトの雄ねじに結合される近位ウェッジおよび遠位ウェッジとを備える。移動および調整機構は、第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータさらに備え、両アクチュエータとも中心シャフトに設けられ且つ椎間ケージの同一の近位端に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊柱の2つの椎体の間隔を空けるための拡張可能な椎間ケージであって、
第1のプレート(2)および前記第1のプレート(2)に対向する第2のプレート(3)を備え、
前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)は両方とも前記ケージ(1)の近位端(1p)から遠位端(1d)まで延びる中心長手方向軸(1a)に沿って軸方向に細長い平面構造を有し、
前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)は、互いに面するそれぞれの内部表面(2i、3i)およびそれぞれの外部接触表面(2e、3e)を備え、
前記それぞれの外部接触表面(2e、3e)は、載置するために対応する椎体を受け入れるのに適しており、前記椎間ケージは、
隣接する2つの椎体の間隔を空けるために前記ケージ(1)の高さを変えるように互いに平行な前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)の相互並進と、前記脊柱の変形を矯正するために前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)の相互傾斜を変えるように、前記第1のプレート(2)と前記第2のプレート(3)の間に収容され且つ前記ケージの前記中心長手方向軸(1a)に対して横方向に配置されたそれぞれのヒンジ軸(1b)周りの他方に対する一方の回転とを促進するのに適した、前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)の移動および調整機構(4)を備え、
前記移動および調整機構(4)は、
前記中心長手方向軸(1a)と同軸であり且つ雄ねじ(5f)を有する単一の中心シャフト(5)と、
前記第1のプレート(2)と前記第2のプレート(3)の間に配置された近位ウェッジ(6p)および遠位ウェッジ(6d)であって、前記中心長手方向軸(1a)に沿って整列され且つ当該近位ウェッジ(6p)および当該遠位ウェッジ(6d)の中央に挿入される前記中心シャフト(5)の前記雄ねじ(5f)に結合される近位ウェッジ(6p)および遠位ウェッジ(6d)とを備え、
前記移動および調整機構(4)は、第1のアクチュエータ(10)および第2のアクチュエータ(11)さらに備え、前記第1のアクチュエータ(10)および前記第2のアクチュエータ(11)は両方とも前記中心シャフト(5)に設けられ且つ前記ケージ(1)の同一の前記近位端(1p)に配置され、
前記中心長手方向軸(1a)周りに回転するのに適した前記中心シャフト(5)は、前記中心シャフト(5)の外面(5s)全体に延びる、単一の一方向の巻き方向を有する単一の雄ねじ(5f)を有する、椎間ケージ。
【請求項2】
前記遠位ウェッジ(6d)は、前記中心シャフト(5)の前記雄ねじ(5f)にねじ込まれるのに適したねじ部分(6f)を備える、請求項1に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項3】
前記近位ウェッジ(6p)は内部に、前記中心シャフト(5f)の前記雄ねじ(5f)と結合するねじ部分(8f)を有する環状ディスク(8)を有する、請求項1または2に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項4】
前記環状ディスク(8)は、前記近位ウェッジ(6p)の内側に収容され且つ前記中心シャフト(5)周りに回転して前記中心長手方向軸(1a)に沿った前記近位ウェッジ(6p)の並進を促進する、請求項3に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項5】
前記第1のアクチュエータ(10)および前記第2のアクチュエータ(11)は、前記中心長手方向軸(1a)周りに互いに逆回転するように作動可能である、請求項1から4のいずれか一項に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項6】
前記近位ウェッジ(6p)および前記遠位ウェッジ(6d)は、前記第1のプレート(2)と前記第2のプレート(3)の間の相対位置および所望の開口に応じて、互いに独立して且つ同時に移動可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項7】
前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)は各々、互いに面する前記それぞれの内部表面(2i、3i)から突出し且つ前記ケージ(1)の内側に向けられた2つの突出部分(14)であって、傾斜平面(15)を有し、それに沿って前記近位ウェッジ(6p)と前記遠位ウェッジ(6d)が、前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)の相互並進および/または回転移動を促進するためにスライドする、2つの突出部分(14)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項8】
前記傾斜平面(15)は、前記ケージ(1)の同一の中央部分(1m)に向かって収束しており、対向するプレートの傾斜平面(6’d、6’P)と共に、前記ケージ(1)の前記中央部分(1m)に向いた頂点を有するそれぞれのV字形ハウジングであって、その内部で前記近位ウェッジ(6p)および前記遠位ウェッジ(6d)がスライドするそれぞれのV字形ハウジングを画定する、請求項7に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項9】
前記第1のアクチュエータ(10)は、前記中心シャフト(5)を回転させ且つ前記遠位ウェッジ(6d)および前記近位ウェッジ(6p)を移動させるのに適している、請求項1から8のいずれか一項に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項10】
前記第2のアクチュエータ(11)は、前記近位ウェッジ(6p)を移動させるのに適している、請求項1から9のいずれか一項に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項11】
前記第1のアクチュエータ(10)は、前記中心シャフト(5)の近位端に配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項12】
前記第1のアクチュエータ(10)は、把持および作動器具を挿入するために、前記中心シャフト(5)に軸方向に形成された多角形のハウジング(18)によって規定される、請求項11に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項13】
前記第2のアクチュエータ(11)は、前記近位ウェッジ(6p)の内側に配置される、請求項1から12のいずれか一項に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項14】
前記第2のアクチュエータ(11)は、前記中心シャフト(5)に嵌め込まれた環状ディスク(8)であり、前記環状ディスク(8)は、前記中心シャフト(5)の前記雄ねじ(5f)と結合する雌ねじ(8f)を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項15】
前記環状ディスク(8)は、前記近位ウェッジ(6p)内に完全に収容され且つ前記中心シャフト(5)の前記雄ねじ(5f)と噛み合うことによって自由に回転でき、前記近位ウェッジを前記ケージ(1)の前記近位端(1p)に向けてまたは前記中央部分(1m)に向けて並進させる、請求項14に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項16】
前記環状ディスク(8)は、把持および作動器具と係合するための把持部分(19)を有する、請求項15に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項17】
前記拡張可能な椎間固定ケージは、前記移動および調整機構(4)、前記中心シャフト(5)、前記遠位ウェッジ(6d)および前記近位ウェッジ(6p)を内部に収容し且つ前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)を互いに接続するのに適した格納および接続構造(16)を備え、前記格納構造(16)は、前記第1のプレート(2)と前記第2のプレート(3)との間の外周位置に配置される、請求項1から16のいずれか一項に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項18】
前記拡張可能な椎間固定ケージは2つのピン(12、13)を備え、前記2つのピン(12、13)の各々は前記中心長手方向軸(1a)を横切るように配置され且つ前記第1のプレート(2)と前記第2のプレート(3)との間に収容される、請求項1から17のいずれか一項に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項19】
各ピン(12、13)はそれぞれの前記プレート(2、3)を前記格納および接続構造(16)に接続する、請求項17および18に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項20】
前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)の前記突出部分(14)は各々、中央に、前記中心長手方向軸(1a)に対して直角に延び且つ対向するプレートに向かって延びるそれぞれの小穴(17)を有する、請求項7に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【請求項21】
前記ピン(12、13)は、前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)を移動させることを可能にするために、前記小穴(17)に挿入され、前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)は、互いに遠ざかるように、また互いに接近するように、互いに平行に並進し、前記遠位端(1d)に向かって離れるまたは収束するように傾斜するように、それぞれの前記ピン(12、13)周りに互いに対して回転する、請求項18および20に記載の拡張可能な椎間固定ケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡張可能な椎間ケージに関する。
【0002】
特に、本発明のインプラント物体は、隣接する2つの椎体の間隔を空けることが必要な脊椎疾患の治療に使用され、例えば椎間板の圧潰の場合に使用され、または後弯や前弯の場合のような脊柱の不自然な湾曲を引き起こす可能性のある脊柱の変形が存在する場合、その正しい湾曲を回復するために使用される。
【背景技術】
【0003】
従来技術には、特別な挿入器具を用いて椎間腔に挿入されるのに適した、椎間ケージと呼ばれる、中心本体を有する椎内外科用インプラントがある。
【0004】
これらのケージは細長い形状を有し、椎体を受け入れるのに適した2つの載置表面を有する。患者が脊椎湾曲の矯正を必要とする場合、表面を平行に保ちながら椎間板および椎間の間隔を空けることを可能にするために互いに対して並進が可能な、または相互傾斜を変えることができる接触表面を有するケージが使用される。
【0005】
既知の現在使用されている拡張可能な椎間ケージは、外科医が適切な調整機構に作用することによって、後弯または前弯の場合に、載置表面を互いに平行に間隔をあけることを可能にし、または載置表面の相互傾斜を変えることさえも可能にする。
【0006】
したがって、外科医は、患者の脊椎の正しい湾曲を回復するために必要な矯正角度にできるだけ近づくように載置表面の傾斜を調整することができる。
【0007】
しかしながら、既知の拡張可能な椎間ケージには、表面自体の調整機構を作動させるのが難しいという欠点がある。既知のタイプの拡張可能な椎間ケージは、近位位置のみまたは遠位位置のみで載置表面間の距離を増加させることによって載置表面の傾斜を変える可能性を有する。このため、作動機構を近位位置と遠位位置で二重に設ける必要があり、その結果、近位側の機構はより内側にあるため、近位側の機構への到達が難しくなる。このことは、ケージの内側に通路を設ける必要を意味し、椎間腔の解剖学的寸法に適合しないインプラントの寸法の増大という結果を生じさせる、または、調整に使用される装置または器具の脆弱性または不安定性を引き起こし得る、インプラントの全体的な寸法を抑制するためのインプラントの厚みの薄化という結果を生じさせる。これは、例えば、文献US10285824に記載された椎間ケージのケースであり、ここでは、調整機構は、中心の中空シャフトで遠位位置および近位位置に配置されており、当該中空シャフトの中に調整器具が挿入されている。中心シャフトの内部の穴の直径は、ケージの全体的な寸法も考慮して小さくなっているので、挿入される器具の直径はさらに小さくなる。このため、長くて薄くなければならない器具自体が破損するリスクを避けるために、ケージプレートを圧迫する椎骨の抵抗に打ち勝つために必要なトルクをかけることが難しくなる。
【0008】
他の拡張可能な椎間ケージは、例えば文献US6176882に記載されているように、作動させるために構造的に複雑な移動機構を有しており、他のものは依然として、載置表面の最終位置の最適な安定性を保証せず、例えばUS10441430に記載されている装置のように、ケージの破損または崩壊を引き起こし得る応力を伴う推力によって開くように設計されている。
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明の根底にある技術的課題は、従来技術で遭遇した欠点を克服できる拡張可能な椎間ケージを提案することである。
【0010】
特に、本発明の目的は、患者の正しい解剖学的構造を回復するために、外科医にとって簡単で単純且つ迅速な態様で、椎間距離および/または脊椎の湾曲の矯正を可能にする拡張可能な椎間ケージを提案することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、コンパクトで堅固であり、外科医が過度の力を加える必要なく且つケージおよび調整器具の破損のリスクなく、ケージのプレートにかかる椎骨の抵抗に打ち勝つことができる特別な調整器具を使用することを可能にする拡張可能な椎間ケージを提案することである。
【0012】
最後に、本発明の目的は、構造的に単純であり且つ椎骨に接触するプレートの正確な調整を可能にする拡張可能な椎間ケージを提供することである。
【0013】
これらおよび他の目的は、添付の特許請求の範囲に記載されているように、脊柱の2つの椎体の間隔を空けるための拡張可能な椎間ケージによって達成される。
発明の概要
特に、本発明は、脊柱の2つの椎体の間隔を空けるための拡張可能な椎間ケージであって、互いに向かい合って面する第1のプレートおよび第2のプレートを備え、第1のプレートおよび第2のプレートの両方がケージ自体の近位端から遠位端まで延びる中心長手方向軸に沿って軸方向に細長い平面構造を有する、拡張可能な椎間ケージに関する。
【0014】
第1および第2のプレートは、互いに面するそれぞれの内部表面と、それぞれの外部接触表面とを備え、それぞれの外部接触表面は、載置するために対応する椎体を受け入れるのに適している。ケージはさらに、隣接する2つの椎体の間隔を空けるためにケージの高さを変えるように互いに平行な第1のプレートおよび第2のプレートの相互並進と、脊柱の変形を矯正するために第1のプレートおよび第2のプレートの相互傾斜を変えるように、ケージの中心長手方向軸に対して横方向に配置され且つ2つのプレートの間に含まれるそれぞれのヒンジ軸周りの他方に対する一方の回転とを、促進するのに適した第1のプレートおよび第2のプレートの移動および調整機構を備える。移動および調整機構は、中心長手方向軸と同軸であり且つ雄ねじを有する単一の中心シャフトと、第1のプレートと第2のプレートとの間に配置され、中心長手方向軸に沿って位置合わせされ且つ中心シャフトの雄ねじに結合された近位ウェッジおよび遠位ウェッジであって、当該中心シャフトは当該近位ウェッジおよび遠位ウェッジの中央に挿入され且つ貫通する、近位ウェッジおよび遠位ウェッジとを備える。移動および調整機構はまた、第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータを備え、第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータの両方が中心シャフトに設けられ且つケージの同一の近位端に配置される。
【0015】
近位という用語は、外科医がケージを患者の体内に配置する前に当該ケージを保持するときに外科医に最も近く且つ外科医の体に面するケージの部分を指し、遠位という用語は、外科医から最も遠く且つ患者の体に面するケージの部分を指す。
【0016】
中心長手方向軸周りに回転するのに適した中心シャフトは、当該中心シャフトの外面全体に延びる単一の一方向の巻き方向を有する単一の雄ねじを有する。
【0017】
遠位ウェッジは、中心シャフトの雄ねじにねじ込まれるのに適したねじ部分を備える。
【0018】
近位ウェッジは、中心シャフトの雄ねじと結合するねじ部分を有する環状ディスクを内部に有する。
【0019】
環状ディスクは近位ウェッジの内側に収容されており、中心シャフト周りに回転して中心長手方向軸に沿った近位ウェッジの並進を促進する。
【0020】
第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータは、中心長手方向軸周りに相互に逆回転するように作動できる。
【0021】
近位ウェッジおよび遠位ウェッジは、第1のプレートと第2のプレートとの間の相対位置および所望の開口に応じて、互いに独立して且つ同時に移動可能である。
【0022】
第1のプレートおよび第2のプレートは各々、互いに面するそれぞれの内部表面から突出してケージの内側に向けられた2つの突出部分を有し、2つの突出部分は、傾斜平面であって、それに沿って近位ウェッジと遠位ウェッジが、第1および第2のプレートの相互の並進移動および/または回転移動を促進するためにスライドする傾斜平面を有する。
【0023】
2つの突出部分の傾斜平面は、ケージの同一の中央部分に向かって収束して、対向するプレートの傾斜平面とともに、ケージの前記中央部分に向けられた頂点を有するそれぞれのV字形ハウジングを画定し、その中で近位ウェッジおよび遠位ウェッジがスライドする。
【0024】
遠位ウェッジおよび近位ウェッジの傾斜表面は、2つのプレートの突出部分の傾斜平面に当接してスライドし、その結果、中心長手方向軸に沿った2つのウェッジの並進に続いて、傾斜表面と傾斜平面との間の相対結合位置が変化し、したがって、2つのプレートの相対位置が変化する。
【0025】
第1のアクチュエータは、中心シャフトを回転させて遠位ウェッジおよび近位ウェッジを移動させるのに適している。
【0026】
第2のアクチュエータは、近位ウェッジのみを移動させるのに適している。
【0027】
第1のアクチュエータは、中心シャフトの近位端に配置される。
【0028】
第1のアクチュエータは、把持および作動器具を挿入するための、中心シャフトに軸方向に形成された多角形のハウジングによって規定される。
【0029】
第2のアクチュエータは、近位ウェッジの内側に配置される。
【0030】
第2のアクチュエータは、中心シャフトに嵌め込まれた環状ディスクである。前記環状ディスクは、前記中心シャフトの雄ねじと結合する雌ねじを有する。環状ディスクは、近位ウェッジの内側に収容されており、中心シャフトの雄ねじと噛み合うことによって自由に回転し、それによって近位ウェッジをケージの近位端または中央部分に向かって並進させる。
【0031】
環状ディスクは、把持および作動器具と係合するための把持部分を有する。
【0032】
ケージはまた、移動および調整機構、中心シャフト、遠位ウェッジおよび近位ウェッジを収容し且つ第1および第2のプレートを互いに接続するのに適した格納および接続構造を有する。この格納構造は、第1のプレートと第2のプレートとの間の外周位置に配置される。
【0033】
2つのピンも存在し、2つのピンの各々は、中心長手方向軸を横切って配置され且つ2つのプレートの間に収容される。
【0034】
各ピンは、それぞれのプレートを格納および接続構造に接続する。
【0035】
第1のプレートと第2のプレートの各々の2つの突出部分は、中央位置に、中心長手方向軸に対して直角に延在し且つ対向するプレートに向かって細長いそれぞれの小穴を有する。
【0036】
2つのピンはスロットに挿入されて第1および第2のプレートを移動させることを可能にする。すなわち、2つのプレートは、互いから遠ざかるように、また互いに近づくように、互いに平行に並進して、遠位端に向かって発散または収束するように傾斜するように、それぞれのピン周りに互いに対して回転する。細長い楕円形のスロットによってもたらされる遊びのおかげでプレートが並進する間、ピンは固定位置に留まる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明は、単なる例として提供される添付図面を参照した以下の詳細な説明によってより明らかになるであろう。
図1】本発明による2つの椎体の間隔を空けるための拡張可能な椎間ケージであって、当該ケージが完全に閉じた非動作位置にあり且つ平行なプレートを備えた拡張可能な椎間ケージの斜視図である。
図2図1に示されるケージの側断面図を示す。
図3】平行に間隔を空けたプレートを有する第1の動作位置にある本発明による椎間ケージの斜視図を示す。
図4図3に示されるケージの側断面図を示す。
図5】遠位方向に発散するプレートを有する第2の動作位置にある本発明による椎間ケージの斜視図を示す。
図6図5に示されるケージの側断面図を示す。
図7】近位方向に発散するプレートを有する第3の動作位置にある本発明による椎間ケージの斜視図を示す。
図8図7に示されるケージの側断面図を示す。
図9図1に示されるケージの側面図を示す。
図10】内部構造が見えるように一部の部品を取り外した図3のケージの斜視図を示す。
図11】本発明のケージ物体の分解図を示す。
図12】内部構造をより見やすくするために一部の部品を取り外した本発明のケージ物体の代替構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
添付図面において、1は全体として、本発明による2つの椎体を間隔を空けるための拡張可能な椎間ケージを示す。
【0039】
このケージは、脊柱に疾患がある場合、隣接する2つの椎体の間に配置され、椎体が崩壊した場合にそれらの間隔を空ける、またはそれらの相互の角度位置を矯正して脊柱の正しい湾曲を回復する。
【0040】
図1に示されるように、本発明による拡張可能な椎間ケージは、第1のプレート2および第1のプレート2と対向する第2のプレート3を備え、両方とも平面構造を有し、互いに面している。第1のプレート2および第2のプレート3は、ケージ1の近位端1pから遠位端1dまで延びるケージ1の中心長手方向軸1aに主に沿って細長い展開を有する平面構造を有する。
【0041】
2つのプレートは各々、互いに面するそれぞれの内部表面2iおよび3iと、載置するために対応する椎体を受け入れるのに適したそれぞれの外部接触表面2e、3eとを備える。
【0042】
これらの外部表面2eおよび3eには、結合されているそれぞれの椎体へのグリップを向上させるために、ケージの外側に向かって突出する、例えばピラミッド状の構造を有する尖った構造22が形成されている。
【0043】
ケージ1はまた、第1のプレート2および第2のプレート3の移動および調整機構4を備え、相互離間および/または相対傾斜の変化を可能にする。特に、移動および調整機構4は、ケージ1の高さを変化させるように2つのプレート2および3の間隔を空けてそれらを互いに平行に並進させ、脊柱の変形を矯正するために2つのプレートの傾斜、しがたって2つの外部接触表面2e、3eの傾斜を変化させるように2つのプレートの間に配置され且つケージの中心長手方向軸1aを横切るそれぞれのヒンジ軸1b周りに第1のプレート2および第2のプレート3を回転させるのに適している。
【0044】
2つのプレート2および3の傾斜を調整することにより、脊柱の湾曲に与えられる矯正の程度に応じて、任意に決定できる可変角度だけ、ケージ1の遠位端1dまたは近位端1pに向かって、それらを離れさせることができる。
【0045】
ケージ1は、2つのプレート2および3間の相対位置に応じて種々の構成をとり得る。すなわち、図1および2に示される載置構成であって、ケージが完全に閉じられてコンパクトで且つ2つのプレートが相互に接近し互いに平行である載置構成、図3および図4に示される第1の動作構成であって、ケージが拡張され且つ2つのプレートが間隔を空けて互いに平行である第1の動作構成、図5および図6に示される第2の動作構成であって、ケージ1が少なくとも部分的に拡張され且つ2つのプレートが、ケージ1の近位端1pに向かって離れるように、中心長手方向軸1aに対して同一角度で傾斜している第2の動作構成、図7および図8に示される第3の動作構成であって、ケージ1が少なくとも部分的に拡張され且つ2つのプレートが、ケージ1の遠位端1dに向かって離れるように、中心長手方向軸1aに対して同一角度で傾斜している第3の動作構成をとり得る。上述したように、各プレート2および3と中心長手方向軸1aとの間に規定される角度の大きさは、外科的必要性に応じて外科医が所望するように変わり得る。
【0046】
移動および調整機構4は、中心長手方向軸1aと同軸である単一の中心シャフト5であって、当該シャフト5の外面5sに形成された雄ねじ5fを有する単一の中心シャフト5を備える。この雄ねじ5fは連続的であり且つ単一の一方向の巻き方向を有し、中心シャフト5の外面5s全体に延びる。
【0047】
中心シャフト5は、中心長手方向軸1a周りに時計回りおよび反時計回りに回転するのに適している。
【0048】
移動および調整機構4は、第1のプレート2と第2のプレート3との間に配置された近位ウェッジ6pおよび遠位ウェッジ6dをさらに備える。近位ウェッジ6pおよび遠位ウェッジ6dは、中心長手方向軸1aに沿って整列され且つ中心シャフト5の雄ねじ5fと関連付けられて中心シャフト5に結合される。
【0049】
添付の図に見ることができるように、近位ウェッジ6pおよび遠位ウェッジ6dは各々、各々がそれぞれのプレート2および3に面する2つの傾斜表面6’pおよび6’dを有する。これらの傾斜表面6’pおよび6’dは、それぞれの傾斜平面上に位置し、プレートの内部表面2iおよび3iに面し、ケージの中央部分1mに向かって収束する。
【0050】
遠位ウェッジ6dおよび近位ウェッジ6pは、中心貫通ハウジング7を有し、その内部に中心シャフト5が挿入される。
【0051】
図11の分解図に最もよく見ることができるように、遠位ウェッジ6dは、中心シャフト5の雄ねじ5fにねじ込まれるのに適したねじ部分6fを備える。遠位ウェッジ6dのねじ部分6fは、中心シャフト5が挿入されるハウジング7を画定する表面に形成されている。
【0052】
一方、近位ウェッジ6pは内部に、中心シャフト5の雄ねじ5fと結合するねじ部分8fを有する環状ディスク8を有する。環状ディスク8は、近位ウェッジ6pのハウジング7に配置された中央円形キャビティ9を有する。環状ディスク8のねじ部分8fは、前記円形キャビティ9を画定する表面に形成される。
【0053】
環状ディスク8は、近位ウェッジ6p内に収容され、その中に入れられ、中心シャフト5周りに回転して中心長手方向軸1aに沿った近位ウェッジ6pの並進を促進することができる。近位ウェッジ6pおよび遠位ウェッジ6dの移動は、以下で詳しく説明される。
【0054】
移動および調整機構4は、第1のアクチュエータ10および第2のアクチュエータ11をさらに備え、第1のアクチュエータ10および第2のアクチュエータ11は両方とも中心シャフト5に設けられ且つ前記中心シャフト5の同一の近位端5pに配置される。
【0055】
第1のアクチュエータ10および第2のアクチュエータ11は、中心長手方向軸1a周りに相互に逆回転するように作動することができる。第1のアクチュエータ10および第2のアクチュエータ11は、中心シャフト5、遠位ウェッジ6dおよび近位ウェッジ6pで作動し、プレートの並進および傾斜を促進するように近位ウェッジ6pおよび遠位ウェッジ6dを中心長手方向軸1aに沿って並進移動させる。
【0056】
具体的には、以下に説明されるように、第1のアクチュエータ10は、中心シャフト5を回転させて遠位ウェッジ6dおよび近位ウェッジ6pを移動させるのに適している。
【0057】
一方、第2のアクチュエータ11は、近位ウェッジ6pのみを移動させるのに適している。
【0058】
近位ウェッジ6pおよび遠位ウェッジ6dは、2つのプレート間の相対位置および所望の開口に応じて、互いに独立して且つ同時に作動可能であり、したがって、移動可能である。言い換えれば、2つのプレートを平行にどの程度間隔を空けたいか、または2つのプレートをどの程度傾斜させたいかに応じて、2つのウェッジはそれぞれ中心シャフト5に沿って同一ピッチだけ同時に、または別々に移動される。
【0059】
ケージ1はさらに、第1のピン12および第2のピン13を備え、第1のピン12および第2のピン13の各々は、中心長手方向軸1aに対して横方向に配置され且つ第1のプレート2と第2のプレート3との間に収容される。
【0060】
第1のプレート2および第2のプレート3は、ピン12、13を通過するそれぞれのヒンジ軸2a、3a周りに回転する。
【0061】
プレート2および3は、ケージが載置構成または第1の動作構成にあるときにプレート2および3の間に配置され且つプレート2および3に平行な中心長手方向軸1aを通過する対称面Xに対して対称的にそれらの傾斜を変化させる。
【0062】
載置構成または第1の動作構成では、対称面Xは2つのプレートから等距離にあるが、第2および第3の動作構成では、2つのプレートは対称面Xに対して傾斜し且つ横方向であり、各々は、手術段階で必要とされる所望の調整に応じて任意に可変である同一の大きさを有する角度を前記対称面Xと規定する。2つのプレート2、3は常に、この対称面Xに対して軸対称である。
【0063】
特に、第1のピン12および第2のピン13であって、それらの周りに第1のプレート2および第2のプレート3がそれぞれ回転する第1のピン12および第2のピン13は、中心長手方向軸1aに直交し且つ対称面Xに平行である。
【0064】
したがって、各ピン12および13は、中心長手方向軸1aに直交し且つ対称面Xに平行なそれぞれの長手方向軸12aおよび13aを備え、これらは各々、それぞれのヒンジ軸1bであって、その周りに第1のプレート2および第2のプレート3がそれぞれ回転するそれぞれのヒンジ軸1bを規定する。
【0065】
第1のプレート2および第2のプレート3は各々、互いに面し且つケージ1の内側に向けられたそれぞれの内部表面2iおよび3iから突出する2つの突出部分14を有する。各突出部分14は、好ましくは各々の個別のプレートごとに2つずつであり、第1のプレート2および第2のプレート3のそれぞれの長辺に沿って配置され且つ中心長手方向軸1aに平行に延びる。各々の個別のプレートの2つの突出部分14は互いに平行である。
【0066】
これらの突出部分14は各々、2つの傾斜平面15であって、それに沿って近位ウェッジ6pおよび遠位ウェッジ6dがスライドして第1のプレート2および第2のプレート3の移動を促進する2つの傾斜平面15を有する。
【0067】
これらの傾斜平面15は、ケージ1の中央部分1mに向かって収束しており、対向するプレートの傾斜平面とともに、中央部分1mに向けられた頂点を有するそれぞれのV字形のハウジングを規定する。各々の個別のV字形のハウジングは、その中でスライド可能に移動可能なそれぞれの(近位または遠位)ウェッジを収容する。
【0068】
特に、近位ウェッジ6pおよび遠位ウェッジ6dの傾斜表面6’pおよび6’dは、2つのプレートの傾斜平面15に当接してそれに対してスライドする。すなわち、中心長手方向軸1aに沿った近位ウェッジ6pおよび/または遠位ウェッジ6dのスライドによって、2つのウェッジの傾斜表面6’pおよび6’dは、2つのプレートの傾斜平面15に当接し且つそれらに対する相対位置を変えることによって、傾斜平面15と相互作用し、ウェッジが同時にまたは個々にケージの中央部分1mに向かって前進するとき、プレートをケージの外側に向かって押し(したがって、それらの相互離間を生じさせ)、またはウェッジが同時にまたは個別に中央部分1mから離れるとき、プレートが閉じる(したがって、ケージが閉じる)のに伴う載置表面として機能する。
【0069】
図12に示される代替実施形態では、遠位ウェッジ6dは、傾斜表面6’dと傾斜平面15との間の表面スライドを促進し、その摩擦を低減する2つのローラ20を傾斜表面6’dに有してもよい。
【0070】
ケージ1はさらに、格納および接続構造16であって、その中に移動および調整機構4、中心長手方向シャフト1a、遠位ウェッジ6dおよび近位ウェッジ6pを収容するのに適した格納および接続構造16を備える。この格納構造16は、ケージの四方を横方向に取り囲むような外周位置で第1のプレート2と第2のプレート3との間に配置され、第1のプレート2と第2のプレート3を互いに接続するのに適している。第1のプレート2および第2のプレート3は、この格納構造16の外側、その上下に留まる。
【0071】
格納構造16は、ケージの近位端1pに、中心シャフト5の近位端5pおよび近位ウェッジ6pにアクセスできるように、格納構造16自体に形成された窓などの開口部16aを有する。
【0072】
中心シャフト5は、リング23によって格納構造16に接続されており、リング23は、中心シャフト5であって、その周りにリング23が配置される中心シャフト5の遠位端5dを、格納構造16に形成されたシート24の内側に干渉によってブロックする。
【0073】
第1のピン12および第2のピン13は、中心長手方向軸1aに対して横方向に配置されており、第1のプレート2と第2のプレート3の間に収容され且つ各々の個別のプレートの2つの突出部分14の間に延びる。
【0074】
さらに、各々のピン12、13は、それぞれのプレート2、3を格納および接続構造16に接続する。
【0075】
第1のプレート2および第2のプレート3の各々の突出部分14は中央に、中心長手方向軸1aに対して直角に延在し、対向するプレートに向かって細長いそれぞれの小穴17を有する。
【0076】
ピン12、13は、これらの小穴17に挿入されて、第1のプレート2および第2のプレート3の、相互に互いから離れたり互いに近づいたりすることによる移動を可能にする。
【0077】
2つのピン12、13は固定位置に留まり、一方、2つのプレート2および3は、細長い楕円形のスロットによってもたらされる遊びのおかげで、これらのピンに対して並進する。
【0078】
近位ウェッジ6pおよび遠位ウェッジ6dの移動は第1のアクチュエータ10および第2のアクチュエータ11によって引き起こされ、第1のアクチュエータ10および第2のアクチュエータ11は両方とも中心シャフト5に設けられ且つ前記中心シャフト5の同一の近位端5pに配置される。
【0079】
第1のアクチュエータ10は、中心シャフト5の近位端5pに配置される。具体的には、例えば図1図5および図7に見ることができるように、第1のアクチュエータ10は、中心シャフト5に軸方向に形成された多角形のハウジング18によって規定される。この多角形のハウジング18は、干渉結合によって把持および作動器具を受け入れるのに適している。
【0080】
一方、第2のアクチュエータ11は、近位ウェッジ6pの内側に配置される。具体的には、第2のアクチュエータ11は、上述した環状ディスク8である。前記環状ディスク8は、中心シャフト5に嵌め込まれており、前述したように、中心シャフト5の雄ねじ5fと結合する雌ねじ8fを有する。
【0081】
環状ディスク8は、把持および作動器具を結合によって受け入れるのに適した把持部分19を有する。
【0082】
使用時、プレートの位置は以下のように調整される。
【0083】
図1および図2は、非動作構成にある本発明のケージ物体を示し、遠位ウェッジ6dおよび近位ウェッジ6pはそれぞれ中心シャフト5の遠位端5dおよび近位端5pに配置されており、したがって、相互離間が最大になる位置に配置されており且つ2つのプレートが完全に閉じて平行で相互接近が最大になる位置に配置されている。
【0084】
格納構造16の開口部16aを通して多角形のハウジング18の内側に把持および作動器具を挿入することによって、中心シャフト5の回転を促進することができる。把持および作動器具は多角形のハウジング18と噛み合い、それを一方向、例えば時計回りに回転させることによって、中心長手方向軸1a周りに中心シャフト5を回転させる。単一の巻き方向を有する単一のねじ5fを有する中心シャフト5の単一の回転は、遠位ウェッジ6dおよび近位ウェッジ6pをシャフト自体の同一端に向けて、または近位端に向けて、または遠位端に向けて並進させる。言い換えれば、中心シャフト5のみを回転させることによって、2つのウェッジの同一方向に沿った同時並進が中心長手方向軸1aに沿って同一量だけ作動される。
【0085】
したがって、第1のプレートおよび第2のプレートを互いに平行に且つ相互に遠ざけるように並進させることによってケージを開けたい場合、2つのウェッジを反対方向に、したがって、中央部分1mに接近するように動かすことができるように、中心シャフトに課される回転方向に対して2倍の逆回転を加えることによって環状ディスクにも作用しなければならない。
【0086】
遠位ウェッジ6dは中心シャフト5のねじ5fに直接噛み合い、したがって直接的に且つ中心シャフト5に課される回転によってのみ作動される。シャフトの回転はピッチNだけ遠位ウェッジ6dを前進させる。
【0087】
一方、近位ウェッジ6pは中心シャフト5に直接噛み合わず、したがって、遠位ウェッジが並進する方向とは反対方向に近位ウェッジ6pを前進させるためには、環状ディスク8に作用する必要がある。中心シャフト5を回転させるために中心シャフト5の多角形のハウジング19に挿入された同一の把持および作動器具を用いて、環状ディスク8にも同時に作用して中心シャフトに課された回転方向とは反対方向に環状ディスク8を回転させる。環状ディスク8と中心シャフト5の間の逆回転は、2つのウェッジを中心長手方向軸1aによって引き起こされる同一の軸方向に沿って、ただし反対方向に並進させるのに必要である。具体的には、遠位ウェッジ6dがシフトさせられたのと同一のピッチNだけ中央部分1mに向かって近位ウェッジ6pを前進させるためには、中心シャフト5に加えられた回転方向と反対方向に2回転を環状ディスク8に加えることが必要である。実際、中心シャフト5の回転方向に対して逆回転方向に環状ディスク8に与えられる回転は、遠位ウェッジが移動する方向と同一方向に近位ウェッジ6pの並進を引き起こす中心シャフト5の回転をキャンセルし、一方、環状ディスク8に課される第2の回転は、遠位ウェッジが移動する方向とは反対方向にピッチNだけ環状ディスク8の、したがって近位ウェッジ6pの効果的な並進を引き起こす。したがって、2つのプレートを遠ざけることによってケージの高さを高くしたい場合、中央部分1mに向けて特定のピッチ数Nxだけ遠位ウェッジ6dの並進を引き起こす特定の回転数Kを加えることによって中心シャフト5に第1のアクチュエータ10を介して作用すると同時に、近位ウェッジが中央部分1mに向けて同一のピッチ数Nxだけ並進するように2倍の且つ反対方向の回転(-2K)が環状ディスク8に加えられる。
【0088】
環状ディスク8は、上述したように、近位ウェッジ6pの本体内に収容されており、その中で自由に回転することができる。近位ウェッジ6pは、ケージから外側に向いた開口部21を有し、それを通して環状ディスク8の把持部分19にアクセスすることが可能である。
【0089】
中心シャフト5周りの環状ディスク8の回転は、中心長手方向軸1aに沿ったその並進を引き起こす。すなわち、中心長手方向軸に沿ってシフトすることによって、近位ウェッジ6pの内側に入れられた環状ディスク8は、近位ウェッジ6pを軸方向に並進させる。
【0090】
同一のピッチ数だけケージの中央部分1mにウェッジを近づけることによって、図3および図4に示されるように、第1のプレート2および第2のプレート3は中心シャフト5に対して互いから遠ざかるように互いに平行にシフトする。これは、中央部分1mに向かう軸方向の並進に続いて、それぞれのV字形ハウジングの頂点に向けてウェッジをスライドさせることによって、遠位ウェッジ6dおよび近位ウェッジ6pの傾斜表面6’pおよび6’dが傾斜平面15に対してスライドし2つのプレートを離間させるので、生じる。
【0091】
2つのプレートを閉じたい場合、同一のピッチ数Nだけウェッジを互いに離すようにシフトさせることによって、全く逆に作用し、中心シャフト5に以前に与えられた回転とは反対の回転を与え、環状ディスク8に、そのとき中心シャフト5に与えられた回転に対して常に逆回転である2倍の回転を与える。このようにして、ウェッジは互いに離れて、遠位端5dおよび近位端5pの初期位置に戻り、プレート2および3を互いに近づける。
【0092】
図5および図6に見ることができるように、ケージ1の近位端1pに向けてプレートの傾斜が離れるようにケージが開かれる場合、近位ウェッジ6pは中央部分1mに向かって前進することになる。
【0093】
これを行うには、図1に示される非動作構成から開始して近位端1pに向かって離れるようにケージを開きたいと仮定すると、中心シャフト5は静止状態に保たれなければならず、環状ディスク8は、中央部分1mに向けて近位ウェッジ6pを前進させるように回転されなければならない。
【0094】
逆に、図7および図8に見ることができるように、ケージ1の遠位端1dに向かってプレートの傾斜が離れるようにケージを開く場合、遠位ウェッジ6dpを中央部分1mに向けて前進させなければならない。
【0095】
これを行うには、図1に示される非動作構成から開始して遠位端1dに向かって離れるようにケージを開きたいと仮定すると、中心シャフト5は、中央部分に向けた遠位ウェッジ6dの前進を引き起こすような方向に回転されなければならず、環状ディスク8は、中心シャフト5に課されるのと同一の回転数だけ反対方向に回転されなければならない。これは、遠位端1dに向けてケージを開くために、近位ウェッジ6pを静止させておかなければならないからである。すなわち、これは、環状ディスク8を同一の回転数だけ逆回転することによって中心シャフト5の回転をキャンセルする場合に起こる。
【0096】
遠位ウェッジ6dが中心シャフト5の回転によってのみ作動し且つ中心シャフトの一方向の回転が中央部分1mに向けてまたは遠位ウェッジ6dに向けてピッチNだけ遠位ウェッジ6dの並進を引き起こす一方で、近位ウェッジ6pのシフトが中心シャフト5の回転によっておよび中心シャフト5周りの環状ディスク8の回転によって引き起こされることを考慮すると、ウェッジ6dおよび6pの開始位置に応じて、したがって、ウェッジが中心シャフト5に沿って配置される場所に応じて、一方または他方のウェッジはケージの中央部分1mに向けて、および/または遠位端1dに向けて、および/または近位端1pに向けてシフトされなければならない。したがって、中心シャフト5が回転しているかどうかに応じて、近位ウェッジが並進させられる方向とそれが何ピッチだけシフトさせられるかを念頭に置いて、シャフト5の回転はキャンセルされなければならないかどうかが評価される必要がある。2つのウェッジの間の距離を一定に保つために、2つのウェッジを同一方向に、遠位端1dに向かって、または近位端1pに向かってシフトさせる場合、中心シャフト5に作用するのみでよい。この場合、環状ディスク8の2倍の逆回転で中心シャフト5の回転をキャンセルする必要はないからである。
【0097】
近位ウェッジ6pが格納構造16に対してストロークの終端に達したが、中央部分1mに向けて遠位ウェッジ6dをさらに並進させる必要がある場合、中央部分1mに向かう近位ウェッジ6pの並進を引き起こすために、より多くの回転数によって、中心シャフト5によって与えられる回転とは反対方向に環状ディスク8を回転させ、続いて、近位端1pに向けて2つのウェッジを再び一体となって移動させるために中心シャフト5のみを再び回転させる必要がある。
【0098】
本発明は、説明されたケージが、患者の正しい解剖学的構造を回復するために、椎間距離および/または脊椎の湾曲の矯正を可能にするプレートの開口および/または傾斜の迅速、簡単且つ正確な調整を可能にするような構造を有するという点で、意図された目的を達成する。同一端に配置されたアクチュエータの特定の位置は、外科医が調整部位に即座にアクセスすることを可能にする。
【0099】
ダブルアクチュエータは、ウェッジの位置を簡単且つ即座に調整すること、したがって、プレート間の距離およびそれらの相互傾斜を正確且つ適時に変化させることを保証する。
【0100】
単一の巻き方向を持つ単一のねじを有する中心シャフトは、部品の迅速な組み立てを可能にし、ねじ付きシャフトの寸法をケージの残りの部分と比較して最大化する可能性を与えることを可能にする。実際、逆に、2つのねじがある場合、ストロークの終端に達したウェッジが対応するねじから外れるのを防ぐために、2つのねじの間に機械的なストップが設けられる。したがって、従来技術に示されているものと比較して、単一の一方向のねじでは、(シャフトに応力を生じさせる)機械的な加工がより少なく、抵抗がより大きく、材料の除去がより少なく、生産速度がより速く、生産コストがより低い。
【0101】
また、説明されたケージはコンパクトで堅固であり、外科医が過剰な力を加える必要なく且つケージおよび調整器具の破損のリスクなく、ケージのプレートにかかる椎骨によってもたらされる抵抗に打ち勝つことができる適切な調整器具を使用することを可能にする。これは、ケージと把持および調整器具との間の結合部分自体のより大きな大きさを可能にする位置で、外科医に近づけられるアクチュエータの位置のおかげで達成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】US10285824
【特許文献2】US6176882
【特許文献3】US10441430
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊柱の2つの椎体の間隔を空けるための拡張可能な椎間ケージであって、
第1のプレート(2)および前記第1のプレート(2)に対向する第2のプレート(3)を備え、
前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)は両方とも前記椎間ケージ(1)の近位端(1p)から遠位端(1d)まで延びる中心長手方向軸(1a)に沿って軸方向に細長い平面構造を有し、
前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)は、互いに面するそれぞれの内部表面(2i、3i)およびそれぞれの外部接触表面(2e、3e)を備え、
前記それぞれの外部接触表面(2e、3e)は、載置するために対応する椎体を受け入れるのに適しており、前記椎間ケージは、
隣接する2つの椎体の間隔を空けるために前記椎間ケージ(1)の高さを変えるように互いに平行な前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)の相互並進と、前記脊柱の変形を矯正するために前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)の相互傾斜を変えるように、前記第1のプレート(2)と前記第2のプレート(3)の間に収容され且つ前記椎間ケージの前記中心長手方向軸(1a)に対して横方向に配置されたそれぞれのヒンジ軸(1b)周りの他方に対する一方の回転とを促進するのに適した、前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)の移動および調整機構(4)を備え、
前記移動および調整機構(4)は、
前記中心長手方向軸(1a)と同軸であり且つ雄ねじ(5f)を有する単一の中心シャフト(5)と、
前記第1のプレート(2)と前記第2のプレート(3)の間に配置された近位ウェッジ(6p)および遠位ウェッジ(6d)であって、前記中心長手方向軸(1a)に沿って整列され且つ当該近位ウェッジ(6p)および当該遠位ウェッジ(6d)の中央に挿入される前記中心シャフト(5)の前記雄ねじ(5f)に結合される近位ウェッジ(6p)および遠位ウェッジ(6d)とを備え、
前記移動および調整機構(4)は、第1のアクチュエータ(10)および第2のアクチュエータ(11)さらに備え、前記第1のアクチュエータ(10)および前記第2のアクチュエータ(11)は両方とも前記中心シャフト(5)に設けられ且つ前記椎間ケージ(1)の同一の前記近位端(1p)に配置され、
前記中心長手方向軸(1a)周りに回転するのに適した前記中心シャフト(5)は、前記中心シャフト(5)の外面(5s)全体に延びる、単一の一方向の巻き方向を有する単一の雄ねじ(5f)を有する、椎間ケージ。
【請求項2】
前記遠位ウェッジ(6d)は、前記中心シャフト(5)の前記雄ねじ(5f)にねじ込まれるのに適したねじ部分(6f)を備える、請求項1に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項3】
前記近位ウェッジ(6p)は内部に、前記中心シャフト(5f)の前記雄ねじ(5f)と結合するねじ部分(8f)を有する環状ディスク(8)を有する、請求項1または2に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項4】
前記環状ディスク(8)は、前記近位ウェッジ(6p)の内側に収容され且つ前記中心シャフト(5)周りに回転して前記中心長手方向軸(1a)に沿った前記近位ウェッジ(6p)の並進を促進する、請求項3に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項5】
前記第1のアクチュエータ(10)および前記第2のアクチュエータ(11)は、前記中心長手方向軸(1a)周りに互いに逆回転するように作動可能である、請求項1または2に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項6】
前記近位ウェッジ(6p)および前記遠位ウェッジ(6d)は、前記第1のプレート(2)と前記第2のプレート(3)の間の相対位置および所望の開口に応じて、互いに独立して且つ同時に移動可能である、請求項1または2に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項7】
前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)は各々、互いに面する前記それぞれの内部表面(2i、3i)から突出し且つ前記椎間ケージ(1)の内側に向けられた2つの突出部分(14)であって、傾斜平面(15)を有し、それに沿って前記近位ウェッジ(6p)と前記遠位ウェッジ(6d)が、前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)の相互並進および/または回転移動を促進するためにスライドする、2つの突出部分(14)を有する、請求項1または2に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項8】
前記傾斜平面(15)は、前記椎間ケージ(1)の同一の中央部分(1m)に向かって収束しており、対向するプレートの傾斜面(6’d、6’P)と共に、前記椎間ケージ(1)の前記中央部分(1m)に向いた頂点を有するそれぞれのV字形ハウジングであって、その内部で前記近位ウェッジ(6p)および前記遠位ウェッジ(6d)がスライドするそれぞれのV字形ハウジングを画定する、請求項7に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項9】
前記第1のアクチュエータ(10)は、前記中心シャフト(5)を回転させ且つ前記遠位ウェッジ(6d)および前記近位ウェッジ(6p)を移動させるのに適している、請求項1または2に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項10】
前記第2のアクチュエータ(11)は、前記近位ウェッジ(6p)を移動させるのに適している、請求項1または2に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項11】
前記第1のアクチュエータ(10)は、前記中心シャフト(5)の近位端に配置される、請求項1または2に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項12】
前記第1のアクチュエータ(10)は、把持および作動器具を挿入するために、前記中心シャフト(5)に軸方向に形成された多角形のハウジング(18)によって規定される、請求項11に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項13】
前記第2のアクチュエータ(11)は、前記近位ウェッジ(6p)の内側に配置される、請求項1または2に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項14】
前記第2のアクチュエータ(11)は、前記中心シャフト(5)に嵌め込まれた環状ディスク(8)であり、前記環状ディスク(8)は、前記中心シャフト(5)の前記雄ねじ(5f)と結合する雌ねじ(8f)を有する、請求項1または2に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項15】
前記環状ディスク(8)は、前記近位ウェッジ(6p)内に完全に収容され且つ前記中心シャフト(5)の前記雄ねじ(5f)と噛み合うことによって自由に回転でき、前記近位ウェッジを前記椎間ケージ(1)の前記近位端(1p)に向けてまたは前記中央部分(1m)に向けて並進させる、請求項14に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項16】
前記環状ディスク(8)は、把持および作動器具と係合するための把持部分(19)を有する、請求項15に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項17】
前記拡張可能な椎間ケージは、前記移動および調整機構(4)、前記中心シャフト(5)、前記遠位ウェッジ(6d)および前記近位ウェッジ(6p)を内部に収容し且つ前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)を互いに接続するのに適した格納および接続構造(16)を備え、前記格納および接続構造(16)は、前記第1のプレート(2)と前記第2のプレート(3)との間の外周位置に配置される、請求項1または2に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項18】
前記拡張可能な椎間ケージは2つのピン(12、13)を備え、前記2つのピン(12、13)の各々は前記中心長手方向軸(1a)を横切るように配置され且つ前記第1のプレート(2)と前記第2のプレート(3)との間に収容される、請求項1または2に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項19】
前記拡張可能な椎間ケージは2つのピン(12、13)を備え、前記2つのピン(12、13)の各々は前記中心長手方向軸(1a)を横切るように配置され且つ前記第1のプレート(2)と前記第2のプレート(3)との間に収容され、
各ピン(12、13)はそれぞれの前記プレート(2、3)を前記格納および接続構造(16)に接続する、請求項17に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項20】
前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)の前記突出部分(14)は各々、中央に、前記中心長手方向軸(1a)に対して直角に延び且つ対向するプレートに向かって延びるそれぞれの小穴(17)を有する、請求項7に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【請求項21】
前記拡張可能な椎間ケージは2つのピン(12、13)を備え、前記2つのピン(12、13)の各々は前記中心長手方向軸(1a)を横切るように配置され且つ前記第1のプレート(2)と前記第2のプレート(3)との間に収容され、
前記ピン(12、13)は、前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)を移動させることを可能にするために、前記小穴(17)に挿入され、前記第1のプレート(2)および前記第2のプレート(3)は、互いに遠ざかるように、また互いに接近するように、互いに平行に並進し、前記遠位端(1d)に向かって離れるまたは収束するように傾斜するように、それぞれの前記ピン(12、13)周りに互いに対して回転する、請求項20に記載の拡張可能な椎間ケージ。
【国際調査報告】