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特表2024-524581高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/40 20060101AFI20240628BHJP
   A61N 1/06 20060101ALI20240628BHJP
   A61N 1/08 20060101ALI20240628BHJP
   A61N 1/32 20060101ALI20240628BHJP
   A61B 5/0531 20210101ALI20240628BHJP
【FI】
A61N1/40
A61N1/06
A61N1/08
A61N1/32
A61B5/0531
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500432
(86)(22)【出願日】2022-01-05
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 KR2022000186
(87)【国際公開番号】W WO2023282420
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090447
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523369721
【氏名又は名称】テンテク インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム キハン
【テーマコード(参考)】
4C053
4C127
【Fターム(参考)】
4C053DD01
4C053DD08
4C053JJ18
4C053LL01
4C053LL08
4C127AA07
4C127CC10
4C127DD05
4C127KK03
4C127KK05
(57)【要約】
本発明は、高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法に関するものであり、高周波治療装置内のインピーダンスを測定するための第1可変インダクタ部と、被施術者の身体内のインピーダンスを測定するための第2可変インダクタ部のインダクタンスをそれぞれ所定のインダクタンスに固定する基準インピーダンス設定ステップと、施術電圧よりも低い探索電圧を印加し、前記第1可変インダクタ部のインダクタンスと前記第2可変インダクタ部のインダクタンスを変更して最小インピーダンスを探索する最小インピーダンス探索ステップと、前記第1可変インダクタ部のインダクタンス及び第2可変インダクタ部のインダクタンスを可変する条件下に少なくとも2つ以上の反射波を測定する反射波測定ステップと、測定された反射波同士を比較して最小値を有する反射波を探索する反射波最小値探索段階と、前記反射波最小値を満足する第1可変インダクタ部のインダクタンス及び前記第2可変インダクタ部のインダクタンスを確認するインダクタンス確認ステップと、前記インダクタンス確認ステップで確認された前記第1可変インダクタ部のインダクタンス及び前記第2可変インダクタ部のインダクタンスの条件下に施術電圧で高周波治療装置を動作させて被施術者の皮膚に高周波を印加する高周波印加ステップと、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波治療装置内のインピーダンス及び被施術者の身体内のインピーダンスを測定するためのインピーダンス整合部のインダクタンスを既定のインダクタンスに固定する基準インピーダンス設定ステップと、
施術電圧よりも低い探索電圧を印加し、前記インピーダンス整合部のインダクタンスを変更して最小インピーダンスを探索する最小インピーダンス探索ステップと、
前記インピーダンス整合部のインダクタンスを可変する条件下に少なくとも2つ以上の反射波を測定する反射波測定ステップと、
測定された反射波同士を比較して反射波最小値を探索する反射波最小値探索ステップと、
前記反射波最小値を満足する前記インピーダンス整合部のインダクタンスを確認するインダクタンス確認ステップと、
前記インダクタンス確認ステップで確認された前記インピーダンス整合部のインダクタンス条件下に施術電圧で高周波治療装置を動作させて被施術者の皮膚に高周波を印加する高周波印加ステップと、を含むことを特徴とする、高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法。
【請求項2】
前記高周波印加ステップの後、被施術者の皮膚の新たな施術位置に高周波を印加しようとする場合、前記反射波測定ステップから繰り返し行うことを特徴とする、請求項1に記載の高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法。
【請求項3】
前記反射波最小値探索ステップは、
前記インピーダンス整合部のインダクタンスを可変させ、測定される反射波強度の変曲点を探索し、前記複数の変曲点のうち最も小さい反射波強度を有する反射波最小値を探索することを特徴とする、請求項2に記載の高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法。
【請求項4】
新たな施術位置で反射波最小値を探索しようとする場合、以前の施術位置での反射波最小値に対応するインダクタンス、及び前記反射波最小値に隣接したインダクタンス値を優先的に用いて、新たな施術位置で反射波を探索することを特徴とする、請求項3に記載の高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法。
【請求項5】
前記インピーダンス整合部は、
前記高周波治療装置内のインピーダンスを測定する第1可変インダクタ部と、前記被施術者の身体内のインピーダンスを測定する第2可変インダクタ部と、を含み、
前記第1可変インダクタ部のインダクタンスと前記第2可変インダクタ部のインダクタンスとは同一であることを特徴とする、請求項1に記載の高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法。
【請求項6】
前記第1可変インダクタ部及び前記第2可変インダクタ部は、インダクタとスイッチが並列に接続される単位インダクタが直列に少なくとも2つ以上接続されることを特徴とする、請求項5に記載の高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法。
【請求項7】
前記単位インダクタを構成する複数のインダクタは、互いに異なる比例定数を有することを特徴とする、請求項6に記載の高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法に関し、さらに詳細には、高周波を用いた治療の際に高周波治療装置内のインピーダンスと被施術者の身体内のインピーダンスとを整合させることができる高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の皮膚組織は、角質層、表皮層、真皮層、及び皮下(hypodermis)層からなっており、老化及び紫外線作用によってその機能が低下する。
【0003】
前記表皮層は、皮膚の最表面にある層であって、位置と機能によって角質層、透明層、顆粒層、有棘層、及び基底層などの複数の層からなり、保護、防御、分泌などの機能を担当する。
【0004】
前記真皮層は、表皮層の下に基底層と隣接して位置し、皮膚の大部分をなすものであって、水分を始めとしてタンパク質、糖質、ムコ多糖類、無機質、無機塩類などがゼリー状態となり、血液循環に関連する毛細血管及びリンパを運ぶリンパ管が位置する乳頭層と、皮膚のしわに関連する膠原線維であるコラーゲン、皮膚の弾力性を付与する弾性線維であるエラスチン、及び基質(水の貯蔵庫)を含む網状層とから構成される。
【0005】
そして、皮下脂肪層は、真皮と筋肉と骨との間に位置して脂肪を多量含有しており、皮膚の最下層を構成するものであって、人体の全身に均一に広がって弾力性維持及び緩衝作用により外部の圧力や衝撃を吸収して身体内部の損傷を防ぐうえ、体熱の損失を防ぎ、体温を維持させる役割を果たす。
【0006】
一方、皮膚に対する関心の増幅に伴い、皮膚管理に関連する多様な皮膚美容装置が開発されるとともに、皮膚専門病院と皮膚管理施術業者が多く生まれている。
【0007】
最近、最も広く知られている皮膚施術方法は、皮膚に高周波(radio frequency、RF)を加えて皮膚内に局所的な熱損傷を起こし、上皮から真皮に至るまで皮膚の再生を促進させるための微細な傷を作り、微細傷が細胞の成長因子を誘導して皮膚の自然治癒及び再生を極大化する方法である。
【0008】
高周波治療装置は、高周波(RF)を用いて電磁気エネルギーで皮下脂肪を加熱して皮下脂肪を非可逆的に変性させながらアポトーシス(apoptosis)によって脂肪減少を発生させるのに主に用いられている。
【0009】
しかしながら、皮膚のインピーダンスは、人によって異なり、また同じ人であっても皮膚の位置及び状態に応じて変わる。これにより、高周波治療装置は、インピーダンスが変化すると、皮膚に伝達される高周波電力も比例して変動し、一貫性のある電力の伝達を期待し難くなる。また、インピーダンスが低い皮膚では、皮膚に伝達される電流も増加して、深部から発生する熱の増加速度が速いため、火傷が発生し易いという問題がある一方、インピーダンスが高い部位では、熱を発生させるのに多くの時間がかかり、実質的に均一に発熱させることができないという問題点がある。
【0010】
さらに、インピーダンスと被施術者の身体内のインピーダンスとの差がある場合、エネルギー伝達効率が低下し、高周波出力が不安定であるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、かかる問題点を解消するために提案されたもので、その目的は、高周波治療装置内のインピーダンスと被施術者の身体内のインピーダンスとを整合させて高周波治療の際にエネルギーを効率よく皮膚に伝達し、高周波の出力を安定的に維持することができる高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的は、高周波治療装置内のインピーダンス及び被施術者の身体内のインピーダンスを測定するためのインピーダンス整合部のインダクタンスを既定のインダクタンスに固定する基準インピーダンス設定ステップと、施術電圧よりも低い探索電圧を印加し、前記インピーダンス整合部のインダクタンスを変更して最小インピーダンスを探索する最小インピーダンス探索ステップと、前記インピーダンス整合部のインダクタンスを可変する条件下に少なくとも2つ以上の反射波を測定する反射波測定ステップと、測定された反射波同士を比較して反射波最小値を探索する反射波最小値探索ステップと、前記反射波最小値を満足する前記インピーダンス整合部のインダクタンスを確認するインダクタンス確認ステップと、前記インダクタンス確認ステップで確認された前記インピーダンス整合部のインダクタンス条件下に施術電圧で高周波治療装置を動作させて被施術者の皮膚に高周波を印加する高周波印加ステップと、を含むことを特徴とする、高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法によって達成できる。
【0013】
本発明の実施形態による高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法によれば、前記高周波印加ステップの後、被施術者の皮膚の新たな施術位置に高周波を印加しようとする場合、前記反射波測定ステップから繰り返し行うことを特徴とする。
【0014】
本発明の実施形態によれば、前記反射波最小値探索ステップは、前記インピーダンス整合部のインダクタンスを可変させ、測定される反射波強度の変曲点を探索し、前記複数の変曲点のうち最も小さい反射波強度を有する反射波最小値を探索する。
【0015】
本発明の実施形態による高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法によれば、新たな施術位置で反射波最小値を探索しようとする場合、以前の施術位置での反射波最小値に対応するインダクタンス、及び前記反射波最小値に隣接したインダクタンス値を優先的に用いて、新たな施術位置で反射波を探索することを特徴とする。
【0016】
本発明の実施形態による前記インピーダンス整合部は、前記高周波治療装置内のインピーダンスを測定する第1可変インダクタ部、及び前記被施術者の身体内のインピーダンスを測定する第2可変インダクタ部を含み、
前記第1可変インダクタ部のインダクタンスと前記第2可変インダクタ部のインダクタンスとは同一であることを特徴とする。
【0017】
また、前記第1可変インダクタ部及び前記第2可変インダクタ部は、インダクタとスイッチが並列に接続される単位インダクタが直列に少なくとも2つ以上接続されることを特徴とする。
【0018】
また、前記単位インダクタを構成する複数のインダクタは、互いに異なる比例定数を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
上述した構成を有する本発明による高周波治療装置用実時間インピーダンス整合方法は、高周波治療装置内のインピーダンスと被施術者の身体内のインピーダンスとを整合させて高周波印加の際にエネルギーを効率よく皮膚に伝達して使用電力を最小化し、治療を効率よく行うことができるという効果を期待することができる。
【0020】
さらに、皮下脂肪の温度を一定かつ均一に加熱することができて脂肪分解効率を向上させ、温度変化による火傷を防止して治療時の安全性を向上させるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による高周波治療装置のインピーダンス整合のための装置を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態による高周波治療装置のインピーダンス整合装置の等価回路を示す回路図である。
図3】本発明による高周波治療装置のインピーダンス整合方法の一実施形態を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態による施術部位を変化させてインピーダンスを整合させる方法を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面において、類似の参照符号は、様々な側面にわたって同一または類似の機能を称する。
【0023】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための具体的な内容を実施形態に基づいて説明し、これらの実施形態は、当業者が本発明を実施し得るのに十分であるように詳細に説明される。
【0024】
本発明の多様な実施形態は、互いに異なるが、相互排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造、及び特性は、一実施形態に関連して本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、他の実施形態として実現できる。
【0025】
したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味で取ろうとするものではなく、本発明の範囲は、適切に説明されれば、その請求項が主張するのと均等なすべての範囲と共に添付の請求項のみによって限定される。
【0026】
本発明による高周波治療装置は、被施術者の皮膚に接触するか或いは皮膚から離隔して位置し、被施術者の治療対象部位に高周波を放出するハンドピースと、ハンドピースに接続されてハンドピースの作動を制御する本体と、を含む。本体は、ハンドピースの作動を制御し、作動状態が確認できるようにしたディスプレイ手段や制御手段などを含む。ハンドピースは、自由に曲がる軟質のケーブルを介して本体に接続される。
【0027】
ハンドピースは、高周波を発生させる高周波(RF)電極を含む。高周波電極は、被施術者の皮膚に高周波(RF)を発生させる。本発明の実施形態の場合、高周波電極はモノポーラ(mono polar)タイプに限定され、施術部位に隣接又は当接する主電極と、前記主電極に隣接し、所定距離離隔して位置する接地電極(プレート)とで構成され、2つの電極の間に電場が形成される。
【0028】
2つの高周波電極(主電極、接地電極)の間に被施術者の治療対象部位を位置させた後、実際の治療に使用される電力より小さい電力である、インピーダンス整合作業が可能な最小の電力で高周波を発生させることにより、インピーダンス整合作業が行われる。
【0029】
図1及び図2に示す本発明の実施形態によるインピーダンス整合装置100は、所定のRF回路であって、上述した本体或いはハンドピースに設置され、ハンドピースの高周波電極のインピーダンスと被施術者のインピーダンスとを整合させる。本実施形態では、ハンドピース内に設置されることを基準に説明するが、これに限定されるものではない。
【0030】
本発明による高周波治療装置のインピーダンス整合装置100は、インダクタンスを変更することができ、高周波治療装置内のインピーダンスを測定するためのインダクタンスを変更することができるインピーダンス整合部110が設けられる。インピーダンス整合部110は、第1可変インダクタ部111と第2可変インダクタ部112を含んで構成される。
【0031】
第1可変インダクタ部111と第2可変インダクタ部112は、インダクタンスを変更することができる。具体的に、第1可変インダクタ部111は、高周波治療装置内のインピーダンスを測定するための用途であり、第2可変インダクタ部112は、被施術者の身体内のインピーダンスを測定するためのものである。被施術者の皮膚を介して第1可変インダクタ部111と電気的に接続され、第2可変インダクタ部112を介して被施術者の身体内のインピーダンスが測定されることが可能である。
【0032】
そして、本発明の実施形態によれば、第1可変インダクタ部111及び第2可変インダクタ部112は、所定のインダクタンスを有するインダクタとスイッチが並列に接続される単位インダクタで構成され、前記単位インダクタが少なくとも2つ以上直列に接続される。前記スイッチは、制御部120の制御によって開放(open)及び短絡(short)されることにより、第1可変インダクタ部111及び第2可変インダクタ部112の全体インダクタンスが変更できる。但し、これに限定されず、インダクタンスを可変させることができるインダクタとキャパシタとの組み合わせ、可変抵抗等との組み合わせ、物理的な制御によるインダクタンスの変更などといった様々な方法を用いて可変インダクタを実現することができる。
【0033】
単位インダクタを構成するインダクタは、互いに異なるインダクタンスを有するように互いに異なる比例定数を有する。例えば、いずれか一つのインダクタが1.0Lである場合、他のインダクタは0.5L、0.33Lなどであることを意味する。
【0034】
本発明の実施形態によれば、第1可変インダクタ部111と第2可変インダクタ部112の単位インダクタは、4つで構成され、一例としている。すなわち、4つのインダクタとそれぞれのスイッチで構成されているが、これに限定されず、単位インダクタが少なくとも2つ以上備えられることが好ましい。さらに、互いに異なるインダクタンスを有するインダクタを組み合わせて身体のインピーダンスを測定するために最適なインダクタンスを導出することができるインダクタの組み合わせを形成することが好ましい。
【0035】
第1可変インダクタ部111と第2可変インダクタ部112のインダクタンスの変化によって、制御部120では、反射波測定部130で測定された反射波結果値を介して高周波治療装置内のインピーダンスと被施術者の身体内のインピーダンスとを整合させる。
【0036】
制御部120は、第1可変インダクタ部111と第2可変インダクタ部112のインダクタンスの変更を制御し、反射波測定部130で測定された反射波強度に基づいて第1可変インダクタ部111と第2可変インダクタ部112のインダクタンスの変更をフィードバック制御する。
【0037】
反射波測定部130は、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)メータである。第1可変インダクタ部111或いは第2可変インダクタ部112のインダクタンスを変化させながら反射値を測定する。
【0038】
共振部140は、特定の値のインダクタンス成分を有するインダクタと、特定のキャパシタンス成分を有するキャパシタとが直列又は並列に接続されたLC共振回路である。本発明の実施形態では、インダクタとキャパシタとが直列に接続されたLC共振回路に該当する。
【0039】
方向性結合器150は、共振部140を入力ポートとし、主出力ポートはインピーダンス整合部110に接続され、補助出力ポートは反射波測定部130に接続される。
【0040】
以下、制御部120が第1可変インダクタ部111と第2可変インダクタ部112のインダクタンスを制御して被施術者の皮膚内のインピーダンスと高周波治療装置内のインピーダンスとを整合させる方法について、図3及び図4を参照して具体的に説明する。
【0041】
高周波治療装置用インピーダンス整合装置を用いた実時間インピーダンス整合方法は、高周波治療装置100内のインピーダンス、及び被施術者の身体200内のインピーダンスを測定するためのインピーダンス整合部110のインダクタンスを既定のインダクタンスに固定する基準インピーダンス設定ステップ(S100)と、施術電圧よりも低い探索電圧を印加し、インピーダンス整合部110のインダクタンスを変更して最小インピーダンスを探索する最小インピーダンス探索ステップ(S200)と、インピーダンス整合部110のインダクタンスを可変する条件下に少なくとも2つ以上の反射波を測定する反射波測定ステップ(S300)と、測定された反射波同士を比較して反射波最小値を探索する反射波最小値探索ステップ(S400)と、前記反射波最小値を満足するインピーダンス整合部110のインダクタンスを確認するインダクタンス確認ステップ(S500)と、前記インダクタンス確認ステップで確認されたインピーダンス整合部110のインダクタンス条件下に施術電圧で高周波治療装置100を動作させて被施術者の皮膚に高周波を印加する高周波印加ステップ(S600)と、を含む。
【0042】
基準インピーダンス設定ステップ(S100)の前に、高周波電極の間に被施術者の治療対象部位を位置させた後、実際の治療に使用される電力よりも小さい電力である、インピーダンス整合作業が可能な最小の電力で高周波を発生させるための準備ステップがさらに設けられてもよい。
【0043】
反射波最小値探索ステップ(S400)の場合、第1可変インダクタ部111と第2可変インダクタ部112のインダクタンスを可変させ、測定される反射波強度の変曲点を探索する。多数の変曲点が探索された場合、複数の変曲点のうち最も小さい反射波強度を有する反射波最小値を探索する。
【0044】
一方、高周波が印加されて該当位置での施術が完了して新たな施術位置に高周波を印加しようとする場合、基準インピーダンス設定ステップ(S100)と最小インピーダンス設定ステップ(S200)を省略し、反射波測定ステップ(S300)から再び繰り返し行う。
【0045】
この際、新たな施術位置で反射波最小値を探索しようとする場合、以前の施術位置での反射波最小値に対応するインダクタンスと前記反射波最小値に隣接したインダクタンス値を優先的に用いて反射波を探索する。
【0046】
反射波最小値を探索するとともに新たな施術位置での反射波最小値を探索する過程について図4を参照して説明すると、まず、既定の初期インダクタンスを用いて一番目の反射波を測定(n回)する。これを基準にインダクタンスを変化させてそれぞれの反射波を測定(n+1回、n+2回)する。初期のn回に比べてn+2回で反射波が少なくなったので、n+2回を基準に再びインダクタンスを変化させて反射波を測定(n+3回)する。この時、n+3回目で反射波が再び大きく測定されることにより、変曲点はn+3回目とn回目との間にあると見なすことができ、これを繰り返して反射波最小値を探索する。本発明の実施形態では、n+2回目で測定された反射波が最小値に近接したと仮定する。
【0047】
以後、高周波を印加して施術が終わった後、施術部位に隣接した新たな施術部位へ移動させる場合、以前の施術部位での反射波とインダクタンス値を用いて新たな施術部位の反射波最小値を優先的に探索する。隣接した施術部位である場合、インピーダンスの差が大きくない確率が高いので、以前の位置での反射波最小値が出る条件のインダクタンス組み合わせを優先的に用いて反射波最小値を探索する。以前の施術位置で反射波最小値が測定されたインダクタンス条件(n+2回)を用いて新たな施術位置での反射波を測定する(n+2回→m回)。その後、最小値に近接したインダクタンス条件を用いて新たな施術位置での反射波を測定(n回→m+1回)、(n+3回→m+2回)する。上記の過程中に反射波最小値が探索されない場合、インダクタンスを変化させながら反射波最小値を探索する。
【0048】
以上、本発明では、具体的な構成要素等の特定の事項、限定された実施形態、及び図面によって説明されたが、これは、本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような記載から様々な修正及び変形が可能である。
【0049】
よって、本発明の思想は、説明された実施形態に局限されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等であるか或いは等価的変形があるすべてのものは、本発明の思想の範疇に属するというべきである。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】