(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】セルフロック式のベルトリトラクタ
(51)【国際特許分類】
B60R 22/38 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
B60R22/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501114
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-01-25
(86)【国際出願番号】 EP2022069263
(87)【国際公開番号】W WO2023001614
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】102021119062.2
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ストラウス,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】フエグ,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ベルグマン,アルネ
【テーマコード(参考)】
3D018
【Fターム(参考)】
3D018HA02
3D018HB02
3D018HC01
3D018HD04
3D018HE01
(57)【要約】
本発明は、セルフロック式のベルトリトラクタ(11)であって、フレーム(12)内に回転可能に装着されているベルトシャフト(13)であって、安全ベルトを上記ベルトシャフトに巻き上げることができる、ベルトシャフト(13)、安全ベルトの送り出し方向において安全ベルトの所定の送り出し加速度を超えた場合にベルトシャフト(13)を阻止する阻止デバイス、を備え、かつ、ベルトシャフト(13)上に装着された制御ディスクデバイス(1)であって、制御ディスク(2)と、枢動軸(4)を中心に枢動可能であるように制御ディスク(2)上に装着されている慣性質量体(3)と、を備える、制御ディスクデバイス(1)を備える、セルフロック式のベルトリトラクタ(11)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルフロック式のベルトリトラクタ(11)であって、
フレーム(12)と、
前記フレーム(12)内に回転可能に装着され、安全ベルトを巻き取ることができるベルトシャフト(13)と、
前記安全ベルトの引き出し方向において、前記安全ベルトの所定の引き出し加速度を超えたときに前記ベルトシャフト(13)を阻止する阻止装置(16)と、
前記ベルトシャフト(13)上に装着された制御ディスクデバイス(1)であって、
制御ディスク(2)と、
前記制御ディスク(2)上に枢動軸(4)を中心として枢動可能に装着されている慣性質量体(3)と、
を備える、制御ディスクデバイス(1)と、を有し、
前記慣性質量体(3)に、前記制御ディスク(2)の方向に前記枢動軸(4)に平行にプレテンションをかけるプレテンション装置(5)が提供されることを特徴とする、ベルトリトラクタ(11)。
【請求項2】
前記プレテンション装置(1)が、別個の構成要素として前記制御ディスク(2)に固定されている、請求項1に記載のベルトリトラクタ(11)。
【請求項3】
前記プレテンション装置(5)が、前記制御ディスク(2)に平行に延在する偏向可能なばねアーム(6)を有する、請求項1又は2に記載のベルトリトラクタ(11)。
【請求項4】
前記ばねアーム(6)が、前記枢動軸(4)を形成するように前記慣性質量体(3)上に設計された突出部(8.1)のためのレセプタクル(7.1)を有する、請求項3に記載のベルトリトラクタ(11)。
【請求項5】
前記ばねアーム(6)が、前記枢動軸を形成するように前記慣性質量体(3)内のレセプタクル内に係合する突出部を有する、請求項3に記載のベルトリトラクタ(11)。
【請求項6】
前記ばねアーム(6)の偏向可能な端部が、ロックウェブ(9)によって少なくとも部分的に取り囲まれている、請求項3又は4に記載のベルトリトラクタ(11)。
【請求項7】
前記ばねアーム(6)が、前記制御ディスク(2)の方向に、その偏向可能な端部からある距離を置いて突出する停止部(10)を有する、請求項3~6のいずれか一項に記載のベルトリトラクタ(11)。
【請求項8】
少なくとも1つの先細の突出部(8.1、8.2)が、前記枢動軸(4)を形成するように提供されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のベルトリトラクタ(11)。
【請求項9】
正確に2つの先細の突出部(8.1、8.2)が、前記慣性質量体(3)の両側に配置されている、請求項8に記載のベルトリトラクタ(11)。
【請求項10】
先細の突出部(8.1、8.2)のためのレセプタクル(7.1、7.2)が、円錐形トラフとして設計されている、請求項8又は9に記載のベルトリトラクタ(11)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルフロック式のベルトリトラクタであって、フレーム内に回転可能に装着され、安全ベルトを巻き取ることができるベルトシャフト、安全ベルトの引き出し方向において安全ベルトの所定の引き出し加速度を超えたときにベルトシャフトを阻止する阻止装置、を有し、かつ、ベルトシャフト上に装着され、特に安全ベルトの伸長方向にばね付勢される制御ディスクデバイスを有し、制御ディスクデバイスが、制御ディスクと、枢動軸を中心に枢動するように制御ディスク上に装着された慣性質量体と、を備える、セルフロック式のベルトリトラクタに関する。慣性質量体の(仮想)枢動軸は、特に、ベルトシャフトの回転軸に平行に位置合わせされている。
【0002】
セルフロック式のベルトリトラクタは、一般に、締結されていない安全ベルトを駐車位置に引き込み、安全ベルトの可変伸長を可能な限り少ない緩みで可能にするために、車両安全ベルトシステムにおいて使用されている。この目的のために、ベルトリトラクタは、フレーム内に回転可能に装着されており、巻き取り方向にばね付勢されたベルトシャフトを有し、ベルトシャフト上に安全ベルトを巻き取ることができる。更に、ベルトリトラクタは、安全ベルトの所定の引き出し加速度を超えたときに起動される阻止装置を有し、それにより、ベルトシャフトは、ベルト引き出し方向に続いて阻止される。阻止装置は、ベルトシャフト上に装着された阻止爪を備え、その運動は、ベルトシャフト上に回転可能に装着された制御ディスクデバイスによって制御される。制御ディスクデバイスの制御ディスクは、ベルトシャフトのベルト引き出し方向にばね付勢され、安全ベルトの所定の引き出し加速度未満でベルトシャフトとともに回転する。慣性質量体が制御ディスク上に枢動可能に装着されており、慣性質量体は、安全ベルトの所定の引き出し加速度を超えたときに枢動し、それによってベルトリトラクタのフレームに装着された歯に係合し、ベルトシャフトに対して制御ディスクを停止させる。制御ディスクを停止させることは、次いで、ベルトシャフト上に装着された阻止爪が、制御ディスク内の制御輪郭におけるガイドによって、フレームに固定された歯に押し込まれる制御運動を実行するという点で、阻止装置を起動させる。
【0003】
上述した目的に起因して、慣性質量体は、ある質量を有していなければならず、そうでなければ、引き出し加速度を超えたときに枢動しない。更に、慣性質量体は、阻止装置を制御するために制御ディスクに対して相対運動を行うことができる様式で、ベルトシャフトとともに回転する制御ディスク上に枢動可能に装着されなければならない。慣性質量体の質量及びその支承運動に起因して、ベルトリトラクタに衝撃を与える振動は、慣性質量体によって発生される望ましくない騒音につながる可能性がある。
【0004】
上記の特徴を備えたセルフロック式のベルトリトラクタは、例えば独国特許第102010046980(A1)号から知られている。そこに記載されたベルトリトラクタでは、慣性質量体と制御ディスクとの間の相対運動を制限する突出部によって望ましくない騒音が防止される。
【0005】
本発明の目的は、望ましくない騒音を回避するための代替的な解決策を提供することである。
【0006】
この目的は、独立請求項の特徴を有するセルフロック式のベルトリトラクタによって解決される。ベルトリトラクタの有利な更なる実施形態が、従属請求項並びに前述及び以下の記載において与えられており、有利な更なる実施形態の個々の特徴は、技術的に道理にかなった様式で互いに組み合わせることができる。
【0007】
この目的は、特に、最初に述べた特徴を有するセルフロック式のベルトリトラクタによって解決され、プレテンション装置が提供されており、このプレテンション装置は、慣性質量体に、制御ディスクの方向に枢動軸に平行にプレテンションをかける。そのようなプレテンション装置は、例えば、枢動軸に平行に慣性質量体に作用するばねによって実現することができる。しかしながら、他の偏向可能/変形可能な要素もまた、プレテンション装置として提供されることができ、これは、慣性質量体に、枢動軸に平行に予荷重を与えるが、依然として、枢動軸に平行な慣性質量体と制御ディスクとの間の(小さい)相対運動を可能にする。
【0008】
慣性質量体の枢動軸に平行なそのような予荷重は、がたつき音を引き起こす慣性質量体の枢動運動の平面に対して横断方向の慣性質量体の運動を防止することができる。特に、プレテンション装置によって提供される力が枢動軸に直接作用する場合、慣性質量体によって行われる枢動運動は、プレテンション装置によってほとんど又は全く影響を受けない。したがって、プレテンション装置は、慣性質量体に対して枢動軸に平行な力を加え、その結果、慣性質量体は、大きな力の下で枢動軸に平行に最小限に移動することができるが、通常動作ではいかなる運動も行わない。このようにして、プレテンション装置は、慣性質量体と他の構成要素との間の枢動軸を形成する要素の軸方向端部における最小のクリアランスを相殺する。この最小クリアランスは、そうでなければ公差に起因して必要とされる。
【0009】
原理的には、プレテンション装置をセルフロック式のベルトリトラクタの構成要素上に設計することが可能である。例えば、プレテンション装置は、ベルトリトラクタが完全に装着された後にのみプレテンション装置が慣性質量体に作用するように、制御ディスクデバイスを覆うキャップの一部として設計することができる。プレテンション装置は、制御ディスクの一部として設計することもできる。
【0010】
しかしながら、プレテンション装置は、別個の構成要素として制御ディスクに固定又は固設することができることが好ましい。これにより、慣性質量体が制御ディスクに取り付けられた後にのみ、プレテンション装置を制御ディスクに装着することが可能になり、それにより、制御ディスクデバイスは、装着中に独立したアセンブリとしてセルフロック式のベルトリトラクタの他の構成要素に取り付けることができる。
【0011】
好ましくは一体型プレテンション装置は、好ましくは、力及び/又は形状閉鎖によって、特に直接的に(すなわち、更なる構成要素なしに)制御ディスクに固定され、これは、装着を簡略化する。例えば、プレテンション装置と制御ディスクとの間にスナップ接続を設計することができる。
【0012】
特にこれに関連して、プレテンション装置が、制御ディスクに平行に延在する偏向可能なばねアームを有することが提供され得る。したがって、ばねアームの特に自由端部の偏向は、制御ディスクの枢動軸にほぼ平行であり、一方、ばねアームは、枢動軸に直交して延在する。
【0013】
好ましくは、プレテンション装置を形成する、偏向可能なばねアームを備える正確に1つの構成要素が提供される。
【0014】
原則として、枢動軸は、慣性質量体上に設計され、特に断面が円形である突出部によって画定される。この場合、慣性質量体の突出部のための対応するレセプタクルがプレテンション装置に提供されることが提案され、ばねアームの形成の場合、レセプタクルは、好ましくは、ばねアームの(自由)端部に配置される。組み立てられた状態では、慣性質量体上に設計された突出部は、次いで、ばねアーム上のレセプタクル内に係合し、突出部及びレセプタクルは、対応する断面設計(特に円形)を有する。
【0015】
しかしながら、代替的な実施形態では、ばねアームが突出部を有し、この突出部が慣性質量体内の対応するレセプタクル内に係合して、慣性質量体の枢動軸を形成することも提供され得る。
【0016】
特にばねアームの偏向可能な端部の端部にレセプタクルが形成されている場合に、突出部がレセプタクルから不意に外れることを防止するために、ばねアームの偏向可能な端部が、ロックウェブによって少なくとも部分的に取り囲まれることが提案される。少なくとも1つのロックウェブは、ベルトリトラクタの別の構成要素上に設計することができる。しかしながら、好ましくは、ロックウェブは、ばねアームと一体に設計され、したがって、一体型プレテンション装置の構成要素として設計される。ロックウェブは、ばねアームの自由端部の周りに(慣性質量体の枢動軸に対して)周方向に配置されている。慣性質量体上の突出部がばねアームの端部でレセプタクルから突出する場合、突出部は、少なくとも1つのロックウェブによってレセプタクル内に押し戻される。ロックウェブは、特に、ばねアームの自由端部を周方向に少なくとも180°、好ましくは少なくとも250°にわたって取り囲む様式で設計されている。
【0017】
ばねアームに沿った慣性質量体の突出部が、ばねアームの端部でレセプタクルから突出することを防止するために、ばねアームが、その偏向可能な端部からある距離を置いて制御ディスクの方向に突出する停止部を有することが提案される。この停止部は、突出部がレセプタクルから出ることができない様式で、ばねアームの端部においてレセプタクルに隣接して配置されている。
【0018】
最初に述べた目的を解決するための独立した発明は、上述した解決策とは独立して、少なくとも1つの先細の突出部が枢動軸を形成するように提供されるという点でも分かる。したがって、特に慣性質量体自体又はベルトリトラクタの別の構成要素上(例えば、概ねばねアーム、制御ディスク又はカバーキャップ上)のいずれかに配置された、枢動軸を画定する突出部が、その端部に向かって先細になる、すなわち、その断面が端部に向かって小さくなることが提案される。枢動軸を画定するそのような突出部は、通常、円形の断面設計を有する。突出部の先細設計は、(平坦な支承部とは対照的に)より点状の支承点を提供し、これは、特に予荷重と組み合わせて、慣性質量体の枢動運動中の摩擦を低減する。
【0019】
これに関連して、正確に2つの先細の突出部が慣性質量体の両側に配置されることが特に想定される。一実施形態では、先細の突出部は、慣性質量体と一体に設計されており、対応するレセプタクル(制御ディスク内、ばねアーム上、又はキャップ上)内に配置されている。しかしながら、代替的な実施形態では、突出部は、制御ディスク上及びばねアーム上又はキャップ上に設計することもできる。
【0020】
レセプタクルが所定の支承点を有することを確実にするために、先細の突出部のためのレセプタクル又は各レセプタクルが、円錐形トラフとして設計されることが提案される。そのような円錐形トラフはまた、動作中に枢動軸に直交する力が突出部に印加された場合に、突出部が所定の支承点に戻ることを確実にする。円錐形トラフの開口角度は、好ましくは、突出部の先端の角度よりもわずかに大きい(特に1°より大きく5°より小さい)。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明及び技術的環境について、図を参照して例として以下に説明する。以下が概略的に図示されている。
【
図1a】揺動していない慣性質量体を有するセルフロック式のベルトリトラクタの側面図を示す。
【
図1b】慣性質量体が揺動した状態の
図1aのベルトリトラクタを示す。
【
図2】
図1のベルトリトラクタの制御ディスクデバイスを示す。
【
図4】
図2の制御ディスクデバイスの慣性質量体の側面図を示す。
【
図5】慣性質量体のない
図2の制御ディスクデバイスの断面図を示す。
【
図6】
図2の制御ディスクデバイスのプレテンション装置の斜視図を示す。
【
図7】
図1のセルフロック式のベルトリトラクタの分解図を示す。
【0022】
図1a、
図1b及び
図7に示すセルフロック式のベルトリトラクタは、安全ベルト(図示せず)を巻き上げるためのベルトシャフト13が回転可能に装着されたフレーム12を備える。
【0023】
セルフロック式のベルトリトラクタ11はまた、安全ベルトがベルトシャフト13から引き出されるのを阻止するために使用することができる阻止装置16を備える。この目的のために、阻止装置16は、阻止爪17を有し、阻止爪17は、ベルトシャフト13の回転運動を阻止するように起動させることができ、起動状態では、ベルトリトラクタ11のフレーム12上の外歯18に係合する。
【0024】
阻止爪17を作動させるために、ベルトリトラクタ11は、制御ディスク2と、慣性質量体3と、ばね14と、プレテンション装置5と、を備える制御ディスクデバイス1を有し、慣性質量体3は、制御ディスク2上で枢動可能に層状になっており、ばね4によってばね力が作用される。
【0025】
組み立てられた状態において、制御ディスクデバイス1は、
図1a及び
図1bには示されていないキャップ15によって覆われている(
図7参照)。
【0026】
安全ベルトの伸長中、制御ディスクデバイス1は、最初にベルトシャフト13とともに回転する。この状態では、慣性質量体3は、
図1aに表されているように、まだ揺動していない。引き出し中に所定の引き出し加速度を超えるとすぐに、
図1a及び
図1bに示す慣性質量体3は、枢動軸4を中心に揺動する(
図1b参照)。慣性質量体3は、ベルトシャフト13に対して制御ディスク2を停止させる歯と係合する。停止した制御ディスク2に対するベルトシャフト13のその後の相対運動の間、阻止爪16は、制御ディスク2内の制御輪郭におけるガイドによって作動され、阻止爪16をフレーム12上の外歯18と係合させる。これはまた、フレーム12に対するベルトシャフト13の回転運動を阻止する。
【0027】
上述したセルフロック式のベルトリトラクタの機能は、それ自体従来技術から知られている。
【0028】
まず、ここで、制御ディスクデバイス1がプレテンション装置5を備えることが提案される。一体型プレテンション装置5は、スナップ接続(特に
図5参照)によって圧力嵌め及び形状嵌め様式で制御ディスク3に固定することができる様式で設計されている。
【0029】
特に
図6の詳細図から分かるように、プレテンション装置5は、その偏向可能な端部にレセプタクル7.1を有する偏向可能なばねアーム6を備える。ばねアーム6の偏向可能な端部は、ロックウェブ9によって取り囲まれている。加えて、ばねアーム6は、制御ディスク2に向かって(
図5において下方に)突出する停止部10を有する。
【0030】
ベルトリトラクタ11の組み立てられた状態では、枢動軸4を決定する慣性質量体3の突出部8.1が、ばねアーム6のレセプタクル7.1内に配置されている。
【0031】
プレテンション装置5は、ばねアーム6が制御ディスク2の方向に枢動軸4に平行な突出部7.1を介して慣性質量体3にプレテンションをかける様式で寸法決めされ、それにより、そうでなければ存在するであろういかなる遊びも相殺され、慣性質量体3は、がたつき音を発生させる、制御ディスク2に対する枢動軸4の方向へのいかなる相対運動も行うことができない。
【0032】
ロックウェブ9及び停止部10は、慣性質量体3の突出部8.1がレセプタクル7.1から不意に外れることが防止される様式で、配置及び設計されている。
【0033】
一方、慣性質量体3は、枢動軸4を形成するように両側に突出部8.1及び8.2を有することが提案され、これらは尖っている(
図4参照)。
【0034】
組み立てられた状態では、突出部8.1は、プレテンション装置5のばねアーム6上に設計されたレセプタクル7.1内に配置されており、突出部8.2は、制御ディスク内に設計されたレセプタクル7.2内に配置されている(
図3及び
図5参照)。レセプタクル7.1及び7.2は、円錐形の凹部として設計され、それにより、先細の突出部8.1及び8.2並びにレセプタクル7.1及び7.2は各々、それらの間に点状の接点のみを有する。
【符号の説明】
【0035】
1 コントロールディスクデバイス
2 制御ディスク
3 慣性質量体
4 枢動軸
5 プレテンション装置
6 ばねアーム
7.1 レセプタクル
7.2 レセプタクル
8.1 突出部
8.2 突出部
9 ロックウェブ
10 停止部
11 ベルトリトラクタ
12 フレーム
13 ベルトシャフト
14 ばね
15 キャップ
16 阻止装置
17 阻止爪
18 外歯
【国際調査報告】