(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】容器および容器を組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
B31B 50/64 20170101AFI20240628BHJP
B65D 8/04 20060101ALI20240628BHJP
B65D 3/12 20060101ALI20240628BHJP
B27D 1/08 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B31B50/64
B65D8/04 M
B65D3/12 Z
B27D1/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501120
(86)(22)【出願日】2022-07-06
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2022068665
(87)【国際公開番号】W WO2023280895
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524009439
【氏名又は名称】アルボローム・イー・ペー・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ARBOLOOM IP AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トッリアーニ,ローラン
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト,フィリップ
【テーマコード(参考)】
2B200
3E061
3E075
【Fターム(参考)】
2B200AA07
2B200BB20
2B200CA20
2B200DA04
2B200HB07
3E061AA26
3E061AB11
3E061AB15
3E061AB21
3E061AC01
3E061AD03
3E061DA02
3E061DB01
3E061DB03
3E075AA09
3E075BA33
3E075BA35
3E075BA36
3E075BB02
3E075BB22
3E075CA01
3E075DC03
3E075DD02
3E075DD13
3E075DD30
3E075DD32
3E075DD42
3E075DD43
3E075GA04
(57)【要約】
容器(1)を組み立てるための方法が提示され、容器(1)は、単板ベースの管状側壁(2)および単板ベースの底部分(3)と、可溶性材料から作製された接続要素(4)とを備える。本方法は、・接続要素(4)および底部分(3)を管状側壁(2)の一端に配置することと、・接続要素(4)にエネルギーを与え、以て接続要素(4)を軟化させることと、・接続要素(4)および底部分(3)を圧縮し、以て底部分(3)が延在する平面内で、軟化した接続要素(4)を膨張させることと、・以て接続要素(4)を側壁(2)および底部分(3)に接合することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(1)を組み立てるための方法であって、前記容器(1)は、
・セルロース系材料、特に単板を含み、管状形状を有するように曲げられた側壁(2)と、
・セルロース系材料、特に単板を含む少なくとも1つの底部分(3)と、
・可溶性材料から作製された接続要素(4)と
を備え、
前記方法は、
・前記接続要素(4)および前記底部分(3)を前記側壁(2)内の前記管状形状の一端に配置することと、
・前記接続要素(4)にエネルギーを与え、以て前記接続要素(4)を軟化させることと、
・前記底部分(3)が延在する平面に実質的に垂直な方向に前記接続要素(4)を、特に前記底部分(3)も圧縮し、以て前記底部分(3)が延在する平面内で、前記軟化した接続要素(4)を膨張させることと、
・以て、前記接続要素(4)を前記側壁(2)および前記底部分(3)に接合することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記側壁(2)および/または前記底部分(3)の前記セルロース系材料、特に前記単板は、それぞれの側壁(2)もしくは底部分(3)、または前記底部分(3)の一部であるディスク(31、32)の重量の少なくとも70%、特に少なくとも80%、さらに特には90%を構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記底部分(3)は単一の材料片であり、特に、前記底部分(3)は前記側壁(2)よりも厚く、および/または1ミリメートルもしくは2ミリメートルよりも厚い、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記底部分(3)は、少なくとも2つの別個の部分、特に第1のディスク(31)および第2のディスク(32)から作製され、
前記接続要素(4)がそれらの間に配置されており、
場合により、中間層(33)もそれらの間に配置されており、
特に、前記中間層(33)が前記2つの部品をともに接合する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記接続要素(4)および前記底部分(3)を前記側壁(2)内に配置する前に、前記底部分(3)の要素を接合することによって、
特に、第1のディスク(31)および第2のディスク(32)を、それらの間に配置された前記接続要素(4)で接合することによって、
特に、前記第1のディスク(31)および前記第2のディスク(32)と、場合によっては前記中間層(33)とを前記底部分(3)の中央領域において互いに接合することによって、予め組み立てられた底部分(3)を作成することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記接続要素(4)および前記底部分(3)を圧縮するとき、前記底部分(3)の外縁(35)の間に間隙が存在し、前記膨張する接続要素(4)は前記底部分(3)の前記外縁(35)を被覆する、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの底部分(3)は、特に前記少なくとも1つの底部分(3)がその管状形状の前記側壁(2)の一端にある開口部に押し込まれることによって、その周縁で曲げられる、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記接続要素(4)は、固体材料のリングであり、前記リングは、
・シート材料から打ち抜かれ、もしくは切り出される、または
・鋳造される、または
・前記リングを形成するように曲げられた材料のフィラメントもしくはストリップから作製される、または
・押出チューブから切り出される、または
・前記底部分(3)に押し出される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記接続要素(4)は、長方形状、円形状、三角形状、および台形状のうちの1つの断面を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記接続要素(4)にエネルギーを与えることは、
・前記接続要素(4)を加熱すること、および
・前記接続要素(4)に機械的エネルギーを与えること、特に超音波エネルギーなどの振動エネルギーを与えること
のうちの少なくとも一方を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記接続要素(4)を圧縮することは、
・前記側壁(2)が前記アンビル(11)に対して静止している状態で、前記プランジャ(12)を前記アンビル(11)に向かって移動させることであって、前記側壁(2)の位置は前記アンビル(11)によって規定される、移動させること、および
・前記アンビル(11)、または場合によっては前記アンビルの中央部分を、前記側壁(2)が前記プランジャ(12)に対して静止した状態で移動させることであって、前記側壁(2)の位置が、前記プランジャ(12)によって、および場合によっては前記アンビルの外側部分によって規定され、前記アンビル(11)の前記中央部分が移動する、移動させることと
のうちの一方を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも前記接続要素(4)を圧縮するときに、
・前記膨張する接続要素(4)の半径方向力に対抗するために、拘束リング(14)が、前記側壁(2)を半径方向に支持することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記接続要素(4)を圧縮することおよび接合することの前に、前記底部分(3)に接合される領域の前記側壁(2)を、
特に、
・加熱された空気の流れ、
・赤外線による照射、
・加熱要素(13)からの熱伝達であって、特に前記加熱要素(13)が前記拘束リングを介して前記側壁(2)に熱を伝達すること、
のうちの1つまたは複数によって
予熱することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記接続要素(4)を圧縮することおよび接合することの最中に、特に、
・加熱要素(13)から前記アンビル(11)を通じた熱伝達、
・加熱要素(13)から前記プランジャ(12)を通じた熱伝達、
・加熱要素(13)から前記拘束リング(14)を通じた熱伝達
のうちの1つまたは複数によって、接合されている要素を加熱することを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記側壁(2)は、少なくとも、前記底部分(3)に接合される領域において、前記接続要素(4)および前記底部分(3)への前記接合を改善する材料のフィルムで被覆され、特に、前記材料は熱可塑性材料および/または前記接続要素の材料と同じ材料である、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記底部分(3)の外縁(35)がコーティングされ、液体が前記底部分(3)の材料、特に前記単板の木目のチャネルに入るのを防止する、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記アンビル(11)および前記プランジャ(12)は、それらが互いに向かって移動され、前記底部分(3)および前記接続要素(4)を圧縮するときに、それらの間に中央よりも周縁がより大きい間隙を残すように成形される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記アンビル(11)は、前記側壁(2)の層を重ねるときに形成される間隙の形状に適合するように成形される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
先行する請求項のいずれか1項に従って製造される容器(1)であって、
・セルロース系材料を含み、管状形状を有するように曲げられている側壁(2)と、
・セルロース系材料を含む少なくとも1つの底部分(3)と、
・可溶性材料から作製された接続要素(4)と
を備え、
前記接続要素(4)は、リング状の形状を有し、前記側壁(2)および前記底部分(3)に接合されている、容器(1)。
【請求項20】
容器(1)を製造するための組み立て装置(10)であって、
・製造される前記容器(1)の側壁(2)の内側形状に従って成形されたアンビル(11)と、
・プランジャ(12)であって、前記アンビル(11)に向かって移動され、前記プランジャ(12)と前記アンビル(11)との間に配置された対象物を圧縮し、場合によっては、超音波エネルギーを前記対象物に与えるように構成されているプランジャ(12)と、
・場合によっては、製造される前記容器(1)の側壁(2)を加熱するように構成された加熱要素(13)と
を備える、組み立て装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装のための、特に食品および飲料のための容器の分野に関する。本発明は、容器、その組み立てのための方法、および対応する組み立て装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に食品および飲料のための使い捨て容器は至る所に存在する。古代に廃棄された容器の山、例えばRoman Monte Testaccioは、歴史的洞察を提供するが、現代のワンウェイ容器は、軽減を必要とする環境的影響を有する。既存の手法は、生産と廃棄の両方を考慮した、製品のライフサイクル全体に焦点を合わせている。特に食品のための使い捨て容器を、竹、木材、わらなどのような材料から製造することが知られている。既存の手法に関して環境への影響がより小さい容器が必要とされている。
【0003】
米国特許第3’164’314号明細書は、カップの側壁に付着された紙カップ底部を開示している。底部ディスクが、側壁の下端の近くに配置され、底部ディスクの周に接合接着剤が被着され、側壁の下端は、接着剤を含む領域にわたって丸められるかまたは折り畳まれる。
【0004】
フランス特許出願公開第2 819 495号明細書は、柔軟な材料のシートと組み合わされた単板のシートからチーズボックスのための壁を作成する方法を開示している。
【0005】
国際公開第2010/043817号は、単板から作製されたカップを示し、単板から作製された壁部は可撓性層でコーティングされており、底部分はプラスチックコーティングされた厚紙から作製されている。壁部および底部分は互いに溶接されている。溶接が十分に強く、および/または液密であるか否かは疑わしい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の可能な目的は、上述の欠点を克服する、最初に述べたタイプの容器および容器を組み立てるための方法、ならびに関連する組み立て装置を作成することである。
【0007】
本発明の別の可能な目的は、環境フットプリントの小さい容器を提供することである。
本発明の別の可能な目的は、容器を製造するための代替的な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的は、対応する独立請求項に記載の容器および容器を組み立てるための方法ならびに組み立て装置によって達成される。
【0009】
本方法は、容器を組み立てるためのものであり、容器は、
・セルロース系材料、特に単板を含み、管状形状を有するように曲げられた側壁と、
・セルロース系材料、特に単板を含む少なくとも1つの底部分と、
・可溶性材料から作製された接続要素と
を備え、
本方法は、
・接続要素および底部分を側壁内の管状形状の一端に配置することと、
・接続要素にエネルギーを与え、以て接続要素を軟化させることと、
・底部分が延在する平面に実質的に垂直な方向に接続要素を、特に底部分も圧縮し、以て底部分が延在する平面内で、軟化した接続要素を膨張させることと、
・以て、接続要素を側壁および底部分に接合することと
を含む。
【0010】
接続要素を側壁および底部分に接合することによって、2つが結合し、それらの間にシールが形成される。これにより、単板を主体とした容器を単純かつ確実に作成することができる。
【0011】
管状の形状は、筒状の形状、概して筒形の形状、すなわち円ではない筒形を含むことができることが理解される。したがって、最も一般的な意味では、容器は、円形の基部を有する筒形または錐形の側壁に限定されず、円形底部分に限定されない。例えば、筒形の上部および/または底部の基部は、丸みを帯びた三角形、丸みを帯びた正方形もしくは長方形、丸みを帯びた五芒星形、または概して丸みを帯びた多角形、または長円形、または楕円形などの形状を有することができる。さらに、形状が管状であることは、形状が錐台またはプリズムの表面に対応することを意味し得るものあり、後者は典型的には丸み付き縁部を有する。管状の形状は、筒状区画と錐形区画との組み合わせを含むことができる(各々が管の高さに沿った異なる位置にある)。
【0012】
組み立て前に、側壁の管状形状は上部開口部および底部開口部を含み、これらの開口部は管状形状の長手方向軸に沿って互いに離間している。典型的には、これらの開口部の形状は、管状形状に対応する筒形および/または錐形の上部基部および底部基部に対応する。管状形状は回転対称性を有することができ、その場合、対応する対称軸は長手方向軸と一致する。
【0013】
底部分が延在する平面に実質的に垂直な方向は、典型的には、管状形状の長手方向軸に平行である。この方向は、典型的には、接続要素および底部分を圧縮するときのアンビルおよびプランジャの相対移動の方向にも平行である。
【0014】
実施形態では、セルロース系材料、特に側壁の単板の厚さは、0.2ミリメートル~1ミリメートル、特に0.4ミリメートル~0.8ミリメートル、さらに特に0.5ミリメートル~0.7ミリメートルである。実施形態では、セルロース系材料、特に底部分の1つまたは複数の層の各々に使用される単板の厚さは、0.2ミリメートル~1ミリメートル、特に0.4ミリメートル~0.8ミリメートル、さらに特に0.5ミリメートル~0.7ミリメートルである。
【0015】
実施形態において、単板は、カエデ材またはカバノキ材またはポプラ材またはブナ材から作製される。
【0016】
実施形態では、セルロース系材料、特に側壁および/または底部分の単板は、それぞれの側壁もしくは底部分、または底部分の一部であるディスクの重量の少なくとも70%、特に少なくとも80%、さらに特には90%を構成する。
【0017】
セルロース系材料は、側壁および/または底部分にその構造安定性を与える。セルロース系材料は、典型的には単板であるが、他の実施形態では紙または厚紙などである。側壁および/または底部分の一部である他の材料が、液密性を提供し、接続要素への接合を改善し、ラベルのための基礎を提供するなどのために存在することができる。これらの他の材料は、後述するように、フィルムまたは薄層の形態であってもよい。
【0018】
実施形態では、底部分は単一の材料片であり、特に底部分は側壁よりも厚く、および/または1ミリメートルもしくは2ミリメートルよりも厚い。
【0019】
実施形態では、底部分は、少なくとも2つの別個の部分、特に第1のディスクおよび第2のディスクから作製され、
接続要素がそれらの間に配置されており、
場合により、中間層もそれらの間に配置されており、
特に、中間層が2つの部品をともに接合する。
【0020】
実施形態では、2つの別個の部分が存在する場合、それらは合同形状を有することができ、それは、それらが円形である場合、それらが同じ直径を有することを意味し、または2つの底部分の内側は外側よりも小さくすることができる。さらに、2つの別個の部分の各々は、側壁の厚さと同じ厚さを有することができる。
【0021】
実施形態では、底部分は、圧縮されたときに半径方向内側への接続要素の流れを防止するように成形される。これは、底部分が底部分の周の周りに延伸するノッチまたはチャネルを有するように成形され、このチャネル内に接続要素を配置することによって行うことができる。チャネルは、第1のディスクおよび第2のディスクを有する底部分と、これらのディスクよりも小さい直径を有する、これらのディスクの間に配置された中間層とによって確立することができる。実施形態では、第2のディスクはリングである。この場合、第2のディスクは、底部分の外側、すなわち、結果として得られる容器の外側に配置することができる。
【0022】
実施形態では、本方法は、接続要素および底部分を側壁内に配置する前に、底部分の要素を接合することによって、
特に、第1のディスクおよび第2のディスクを、それらの間に配置された接続要素と接合することによって、
特に、第1のディスクおよび第2のディスクと、場合によっては中間層とを底部分の中央領域において互いに接合することによって、予め組み立てられた底部分を作成するステップを含む。
【0023】
実施形態では、接続要素および底部分を圧縮するとき、底部分の外縁の間に間隙が存在し、膨張する接続要素は底部分の外縁を被覆する。
【0024】
外縁の上を覆って流れている接続要素は、容器が使用されているときに、そうでなければ外縁で露出される木材の木目に沿って延在するチャネルを介して液体が底部分に入るのを防止する。これは、底部分の安定性を損ない、および/または木材からの化学物質を液体中に漏出させる可能性がある。
【0025】
外縁の周りのそのような間隙は、単一の底部分のみが存在する場合、単一の底部分の周りに存在することができる。2つの底部分が存在する場合、間隙は、それらの一方または両方の周りに存在することができる。実施形態では、側壁は錐形であり、2つの底部分は合同であり、そのため、間隙は2つの底部分のうちの内側の底部分の周りに存在する。実施形態では、側壁は直線状であり、2つの底部分のうちの内側の底部分は外側の底部分よりも小さい。内側の底部分は、容器の内側に面する底部分である。上記の理由から、少なくとも、内側の底部分の外縁が膨張した接続要素によって被覆されていることが好ましい。
【0026】
実施形態では、少なくとも1つの底部分は、特に少なくとも1つの底部分がその管状形状の側壁の一端にある開口部に押し込まれることによって、その周縁で曲げられる。
【0027】
このようにして、外縁を接続要素に向けて方向付けることができ、外縁の被覆を容易にする。代替的に、または加えて、底部分は、その管状形状の側壁に挿入する前に予め曲げられる。
【0028】
実施形態では、2つの底部分が存在し、それらの一方のみまたは両方がそれらの周縁で曲げられている。
【0029】
実施形態では、接続要素は、固体材料のリング、または固体材料のリングの一区画である。
【0030】
接続要素は、
・シート材料から打ち抜かれ、もしくは切り出される、または
・鋳造される、または
・リングまたはリングの一区画を形成するように曲げられた材料のフィラメントもしくはストリップから作製される、または
・押出チューブから切り出される、または
・底部分に押し出される
ことがあり得る。
【0031】
接続要素が押し出されることは、リングが底部分に堆積された単一のストランドの形態で押し出されることを意味し得るものであり、ストランドは接続要素の全幅を構成する。あるいは、接続要素が押し出されることは、リングが複数のパスで接続要素よりも薄い単一のストランドから3Dプリンタによって構築されることを意味することができる。
【0032】
実施形態では、接続要素は、長方形状、円形状、三角形状、および台形状のうちの1つの断面を有する。
【0033】
実施形態では、接続要素は、0.1~1mm、好ましくは0.3~0.6mmの厚さを有する
実施形態では、接続要素にエネルギーを与えることは、
・接続要素を加熱すること、および
・接続要素に機械的エネルギーを与えること、特に超音波エネルギーなどの振動エネルギーを与えること
のうちの少なくとも一方を含む。
【0034】
実施形態では、超音波エネルギーなどの振動エネルギーがプランジャを通じて与えられ、したがってプランジャはソノトロードとして作用する。プランジャは、底部分および/または接続要素の特定のロケーションに超音波エネルギーを集束させるように成形することができる。特に、底部分および側壁に接合するために接続要素が軟化される底部分の周縁にエネルギーを集中させることができる。
【0035】
実施形態では、接続要素を圧縮することは、
・側壁がアンビルに対して静止している状態で、プランジャをアンビルに向かって移動させることであって、側壁の位置はアンビルによって規定される、移動させること、および
・アンビル、または場合によってはアンビルの中央部分を、側壁がプランジャに対して静止した状態で移動させることであって、側壁の位置が、プランジャによって、および場合によってはアンビルの外側部分によって規定され、アンビルの中央部分が移動する、移動させることと
のうちの一方を含む。
【0036】
実施形態では、本方法は、少なくとも接続要素を圧縮するときに、
・膨張する接続要素の半径方向力に対抗するために、拘束リングが、側壁を半径方向に支持するステップを含む。
【0037】
実施形態では、本方法は、接続要素を圧縮するステップおよび接合するステップの前に、底部分に接合される領域の側壁を、
特に、
・加熱された空気の流れ、
・赤外線による照射、
・加熱要素からの熱伝達であって、特に加熱要素が拘束リングを介して側壁に熱を伝達すること、
のうちの1つまたは複数によって予熱するステップを含む。
【0038】
赤外線による照射は、底部分を圧縮するために使用されるプランジャとは異なり得る加熱されたプランジャを用いて達成することができる。
【0039】
実施形態では、本方法は、接続要素を圧縮するステップおよび接合するステップの前に、側壁に接合される領域内の底部分を予熱するステップを含む。側壁を加熱するための上記にリストした加熱原理の1つまたは複数は、底部分にも適用することができる。
【0040】
側壁を予熱することにより、側壁をコーティングする材料への接続要素の接合を改善することができる。底部を予熱することにより、接続要素を加熱する時間を短縮することができ、以て製造時間を短縮することができる。
【0041】
実施形態では、本方法は、接続要素を圧縮するステップおよび接合するステップ中に、特に、
・加熱要素からアンビルを通じた熱伝達、
・加熱要素からプランジャを通じた熱伝達、
・加熱要素から拘束リングを通じた熱伝達
のうちの1つまたは複数によって、接合されている要素を加熱するステップを含む。
【0042】
実施形態では、側壁は、少なくとも、底部分に接合される領域において、接続要素および底部分への接合を改善する材料のフィルムで被覆され、特に、材料は熱可塑性材料および/または接続要素の材料と同じ材料である。
【0043】
これにより、接続要素と、材料のフィルムで被覆またはコーティングされた側壁との間の接合が改善される。いくつかの実施形態において、材料のフィルムは、材料を側壁上に積層、噴霧もしくは塗装または印刷することによって被着される。材料のフィルムは、材料の単一層または同じ材料もしくは異なる材料の複数の層を含むことができる。層の1つは、フィルムを側壁に接着するための接着材料または付着剤であり得る。フィルムに適した材料は、例えば、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、EVA(エチレン-酢酸ビニル)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVAC(ポリ酢酸ビニル)、PVAL(ポリビニルアルコール)、PP(ポリプロピレン)、または生分解性材料である。生分解性材料は、例えば、ポリ乳酸(PLA)またはリグニンを主成分とする。具体例は、ecovio(登録商標)またはMater-Bi(登録商標)である。
【0044】
実施形態では、底部分の外縁がコーティングされ、液体が底部分の材料、特に単板の木目のチャネルに入るのを防止する。
【0045】
実施形態では、側壁をコーティングするおよび/または外縁を被覆するための材料は、生分解性ポリマー材料である。
【0046】
実施形態では、典型的には材料、特に単板の細孔を封止し、液体に対するその耐性を改善するために、底部分が側壁に接合された後に、容器全体または底部分の周りの容器の小区画のみがコーティングまたは処理される。このコーティングまたは処理は、ワニスまたはワックスまたは塗料の層を被着させることを含むことができる。
【0047】
実施形態では、アンビルおよびプランジャは、それらが互いに向かって移動され、底部分および接続要素を圧縮するときに、それらの間に中央よりも周縁がより大きい間隙を残すように成形される。
【0048】
これは、底部分の中央をその周縁よりも圧縮し、接続要素の軟化または溶融した材料を側壁に対して半径方向外側に押しやる効果を有する。
【0049】
実施形態では、アンビルおよびプランジャは、対応するそれぞれの凸形状および凹形状を有し、側壁に接合した後に底部分を対応する形状にする。そのような形状、典型的にはアーチ形状は、平坦な形状よりも機械的に安定している。
【0050】
実施形態では、プランジャは、底部分または第2のディスクおよび/もしくは第1のディスクの直径よりも小さい直径を有する。これはまた、側壁に接合した後に底部分またはそれぞれのディスクをアーチ形状にする。これはまた、容器が高温液体で満たされるときに底部の形状を安定させるのに役立つ。
【0051】
実施形態では、アンビルは、側壁の層を重ねるときに形成される間隙の形状に適合するように成形される。
【0052】
これにより、側壁の層が重なる間隙の幅の変化に起因して生じる、間隙への接続要素の流れの不均一な分布が防止される。これはまた、この位置で、接続要素にかかる内圧を維持し、それを側壁の細孔に対して半径方向に押し付ける。
【0053】
実施形態では、接続要素は、側壁の層を重ねるときに形成される間隙の形状に適合するように成形される。
【0054】
容器は、本明細書に記載されるように製造することができ、容器は、
・セルロース系材料を含み、管状形状を有するように曲げられている側壁と、
・セルロース系材料を含む少なくとも1つの底部分と、
・可溶性材料から作製された接続要素と
を備え、
接続要素は、リング状の形状を有し、側壁および底部分に接合されている。
【0055】
容器を製造するための組み立て装置は、
・製造される容器の側壁の内側形状に従って成形されたアンビルと、
・アンビルに向かって移動され、プランジャとアンビルとの間に配置された対象物を圧縮し、場合によっては、超音波エネルギーを対象物に与えるように構成されているプランジャと、
・場合によっては、製造される容器の側壁を加熱するように構成された加熱要素と
を備える。
【0056】
実施形態では、アンビルは、プランジャに加えて、またはプランジャの代わりに、圧縮される対象物に超音波エネルギーを与えるように構成される。
【0057】
さらなる実施形態は、従属請求項から明らかである。方法請求項の特徴は、装置請求項の特徴と組み合わせることができ、その逆も可能である。
【0058】
本発明の主題は、以下を概略的に示す、添付の図面に例示される例示的な実施形態を参照して、以下の本文においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図2】容器が組み立てられる組み立て装置を示す図である。
【
図3】2つの層を有する底部分を有する容器の組み立てプロセスを示す図である。
【
図4】2つの層を有する底部分を有する容器の組み立てプロセスを示す図である。
【
図5】2つの層および中間層を有する底部分を有する容器のための組み立てプロセスを示す図である。
【
図6】2つの層および中間層を有する底部分を有する容器のための組み立てプロセスを示す図である。
【
図7】接続要素のための収容空間を形成するように成形された底部分を有する容器の組み立て工程を示す図である。
【
図8】接続要素のための収容空間を形成するように成形された底部分を有する容器の組み立て工程を示す図である。
【
図9】湾曲した前面を有するアンビルおよびプランジャを示す図である。
【
図10】組み立て装置内の様々な加熱要素を示す図である。
【
図11】異なるタイプの壁継ぎ目を有する容器の断面図である。
【
図12】異なるタイプの壁継ぎ目を有する容器の断面図である。
【
図13】異なるタイプの壁継ぎ目を有する容器の断面図である。
【
図14】継ぎ目において重なり合う縁部を有する側壁に適合されたアンビルを示す図である。
【
図15】異なる断面を有する接続要素を示す図である。
【
図16】弾性的に支持された前方突出部を有するアンビルを示す図である。
【
図17】湾曲したまたはアーチ状の底部分を有する容器の断面図である。
【
図18】予め組み立てられた底部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
原則的に、図面において同一の部品には同じ参照符号が付されている。
図1は、接続要素4によって互いに接合された側壁2および底部分3を備える、組み立てられた容器1の断面図を示す。側面図で示されており、また上方から別個の図で示されている接続要素4は、側壁2の近くにある底部分3の周囲に続くリング状の形状を有する。接続要素4は、軟化され、軟質状態において、この周囲の側壁2および底部分3に接合するように変形されている可溶性材料から作製される。可溶性材料は、プラスチック材料などの熱可塑性材料とすることができる。これは、側壁をコーティングする材料と同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。いくつかの実施形態において、材料は、EVA(エチレン-酢酸ビニル)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVAC(ポリ酢酸ビニル)、PVAL(ポリビニルアルコール)、PP(ポリプロピレン)、PEHD(高密度ポリエチレン)、PELD(低密度ポリエチレン)のうちの1つである。実施形態では、それはワックス、ワックス系または同様の材料である。
【0061】
側壁2は、フィルム層5で被覆されるように示されている。表現のために、フィルム層5は側壁2から分離されているように示されているが、実際には無論、それらの間に間隙はなく、フィルム層5は、例えば側壁2上に噴霧もしくは塗装されるか、または側壁2に接合される。フィルム層5は、接続要素4を側壁2に接合するのを助けることができる。いくつかの実施形態において、フィルム層5は存在しない。残りの図については、それらはフィルム層5を有する実施形態と有しない実施形態の両方に関連することが理解される。
【0062】
容器1は錐台、特に円錐台の形状を有するように示されているが、他の実施形態では、容器1の基部は円以外の形状を有することができ、以下の例はすべてこの形状に適合されている。また、容器1は、筒状形状を有し、すなわち、側壁が中空筒形を形成している。
【0063】
側壁2および底部分3に使用される単板の厚さは、0.2ミリメートル~1ミリメートルとすることができる。比較的厚い単板の単一のディスクを備えることができ、または単板の2つのディスクを備えることができる底部分3の厚さは、側壁2の厚さと同じであり得る。あるいは、それはより高くてもよく、例えば、1ミリメートル超または2ミリメートル超であってもよい。この場合、単板の2つのディスクの各々は、側壁の厚さと同じ厚さを有することができる。
【0064】
他の実施形態では、側壁2および/または底部分3は、単板以外の別のセルロース系材料、例えば紙または厚紙から作製される。
【0065】
図2は、容器1が組み立てられる組み立て装置10を示す。組み立て装置10は、その外形が容器1の内側形状に対応するアンビル11を備える。プランジャ12は、アンビル11に向かって、またはその逆に移動するように構成されている。プランジャ12は、超音波振動の発生器を備えるか、または超音波振動の発生器に取り付けられ、したがって、これらの振動をプランジャ12によって圧縮された対象物に伝達することができる。
【0066】
容器1を組み立てるために、組み立て装置10は、典型的には、以下の図のように、
図1の位置とは反対の反転位置で使用され、すなわち、アンビル11が下にあり、プランジャ12がアンビル11に向かって押し下げられている。
【0067】
セットアップ段階では、側壁2が2の内側の形状に対応するアンビル11の部分上に配置され、底部分3がアンビル前面11の前面に配置される。底部分3は、少なくとも1つの単板ディスクまたは第1のディスク31と、接続要素4とを備える。典型的には、第1のディスク31はアンビル11に面し、接続要素4はプランジャ12に面する。場合によっては、第2のディスク32が、接続要素4とプランジャ12との間に存在することができる。表現のために、ここで、および他の図において、様々な要素がそれらの間に間隙を有して示されているが、実際にはそれらは互いに接触している。
【0068】
圧縮段階では、プランジャ12がアンビル11に向かって移動し、またはその逆に移動して、底部分3を圧縮し、接続要素4の材料を側壁2に押し付ける。プランジャ12は、超音波振動エネルギーなどの振動エネルギーを底部分3および接続要素4に与えて、接続要素4を加熱し、以て軟化させることができる。プランジャ12の移動は、底部分3が延在する平面に対して本質的に垂直な方向である。接続要素4の材料の移動は、本質的にこの平面に平行な半径方向外向き方向である。
【0069】
底部分3が延在する平面は、典型的には、容器1の対称軸および容器1の高さがそれに沿って測定される軸とすることもできる容器1の長手方向軸に対して垂直である。
【0070】
実施形態では、接続要素4の材料はまた、底部分3のディスクの一方または両方の外縁35を被覆することを強いられる。
【0071】
図3~
図4は、2つの層31、32を有する底部分3を有する容器1の組み立てプロセスを示す。
図3は、圧縮段階の開始を示す。底部分3の第1のディスク31と第2のディスク32との間に、リング状接続要素4が配置される。側壁2は、アンビル11上に位置し、アンビルによって保持されている。第2のディスク32は側壁2に接触することができるが、第1のディスク31と側壁2との間には間隙が存在し得る。
図4は、圧縮段階の終わりを示しており、接続要素4の材料は、側壁2に対して、さらに第1のディスク31と側壁2との間の間隙に押し込まれ、第1のディスク31の外縁35を覆っている。
【0072】
図5~
図6は、それぞれ圧縮段階の開始時および終了時における、2つの層またはディスク31、32および中間層33を有する底部分3を有する容器1の組み立てプロセスを示す。中間層33は、垂直方向に圧縮可能であり、特に2つのディスクよりも圧縮可能であり、リング状接続要素4内のそれ以外は中空の空間内に配置される。これは、接続要素4を収容する収容空間34に対する内側境界を形成し、接続要素4の材料が半径方向内側に流れるのを防止し、この場合、接続要素4の材料は周縁よりも使用されない。図示されていない実施形態では、中間層33および2つのディスク31、32はすべてある程度圧縮され、接続要素4の材料が外側に流される。
【0073】
図7~
図8は、それぞれ圧縮段階の開始時および終了時における、接続要素4のための収容空間34を形成するように成形された底部分3を有する容器1の組み立てプロセスを示す。
図7に示すように、第2のディスク32は、ディスク全体ではなくリングのみであり、中間層33は、第2のディスク32の内側に収まるより小さいディスクであるか、またはリングの内径よりわずかに大きい。プランジャ12は、第2のディスク32の形状に対応する中央の前方突出部122を備え、その結果、プランジャ12は、第2のディスク32と中間層33の両方を押圧する。
図8に示すように、圧縮段階では、中間層33は本質的に第1のディスク31に押し付けられ、接続要素4のための収容空間34への内側境界を形成する。
【0074】
図示されていない実施形態では、第2のディスク32および中間層33は、プランジャ12の代わりに容器1およびアンビル11の内側に面する。この場合、アンビル11(プランジャ12の代わりに)が、第2のディスク32の形状に対応する前方突出部112を備える。
【0075】
図16は、そのような前方突出部112を有するアンビル11を示す。前方突出部は、アンビル11の一部として成形されてもよく、または図示のように、アンビル11内に弾性的に支持されてもよく、その結果、底部分3が圧縮されるにつれて撓むことができる。実施形態では、
図7~
図8に示すプランジャ12の前方突出部122は、底部分3が圧縮されるときに撓むことができるように弾性的に支持される。
【0076】
図示されていない実施形態では、中間層33は存在せず、前方突出部は、圧縮状態で少なくとも部分的に第1のディスク31に当接するまで突出し、接続要素4のための収容空間34に対する内側境界を形成する。
【0077】
前方突出部は、
図7~
図8のように平坦ではなく、テーパ状または丸みを帯びていてもよく、その結果、材料を接続要素4から半径方向外側に押し出す。ここではプランジャ前面121と呼ばれるそのような突出部を有するプランジャ12が
図9の上部に示されている。平坦な前面を有するアンビル11と組み合わせて、説明した効果が生じる。
【0078】
図9はまた、湾曲したアンビル前面111を有するアンビル11を示す。対応する形状のプランジャ前面121と組み合わせて、湾曲した底部分3を、平坦な底部分3を圧縮することによって圧縮または形成することができる。実施形態では、プランジャ前面121は破線で示される形状を有し、周縁よりも中央の方が小さい、プランジャ12とアンビル11との間の間隙が残っている。これは、圧縮段階において接続要素4の材料を外側に押しやる効果を有する。
【0079】
そのような湾曲したアンビル11およびプランジャ12は、少なくともその周縁で曲げられた底部分3を作製するか、または底部分3と共に使用することができる。これは、底部分3が接合される側壁2の端部の開口部に押し込まれ、底部分3と側壁2との間に半径方向の予張力を生成することと組み合わせることができる。典型的には、湾曲底部分3は、容器1の内側に面する凸側を有する。
【0080】
図17は、湾曲したまたはアーチ状の底部分底部分3を有する容器の断面を示す。曲線またはアーチは、
図7、
図8および
図9の実施形態に示すように、対応する形状のアンビル11および/またはプランジャ12によって作製することができる。あるいは、これは、ディスクの中央領域で第1のディスク31と第2のディスク32とを接合することによって予め組み立てられた底部分3を作成するときに作成することができ、接続要素4はそれらの間に配置され、まだ変形されていない状態にある。図示されているように、第1のディスク31および第2のディスク32の圧縮は、それらを中央で接触させるかまたは互いに接近させることができ、周縁で互いに離間させることができる。図示されていない実施形態では、第1のディスク31のみまたは第2のディスク32のみが存在する。
【0081】
図18は、そのような予め組み立てられた底部分3を示す。
図9は、吸引ダクト113も示す。これは、底部分3がアンビル前面111に対して配置されたときに吸引力を生成するためにポンプに接続することができ、組み立て前および組み立て中に底部分3を定位置に保持する。あるいは、そのような吸引ダクトがプランジャ12内に配置されて、底部分3をプランジャ12に対して保持し、プランジャ12が、例えば、フィーダから底部分3をピックアップし、それを保持し、それをアンビル11上に配置することを可能にする。そのような吸引ダクトは、他の実施形態のいずれかのアンビル11またはプランジャ12と組み合わせることができる。
【0082】
図10は、組み立て装置内の拘束リング14および様々な加熱要素13、13’を示す。拘束リング14は、底部分3に接合されている区画において、側壁2の外周に配置されている。これは、圧縮段階において側壁2に押し付けられる接続要素4からの半径方向力に対して側壁2を保持し、安定させる。
【0083】
加熱要素13、13’のうちの0個、1つまたは複数が存在することができる。第1の加熱要素13は、拘束リング14の一部として配置することができ、側壁2を外側から加熱する。第2の加熱要素13’は、側壁2を内側から加熱するように配置することができる。これは、加熱された空気および/または赤外線放射によって行うことができる。赤外線放射は、加熱された物体によって生成することができる。各事例における加熱の目的および効果は、圧縮段階の前に側壁2の内面を加熱することである。内面は、先に説明したように、フィルム層5を含むように処理することができ、他の実施形態では、未処理とすることができる。内面が加熱されることにより、内面への接続要素4の材料の接合が容易になる。
【0084】
図11~
図13は、側壁2の異なるタイプの壁継ぎ目9を有する容器の断面を示す。例として、断面は円形ではなく、壁継ぎ目9のタイプは、任意の形状の断面に対して存在し得ることが理解される。壁継ぎ目9は、管状形状を有するように巻かれた単板がそれ自体に接合される場所である。
図11は、巻かれた単板の一端を他端に重ねることによって作られた壁継ぎ目9を示す。継ぎ目接着剤92が、重なり合う領域において単板の層間に存在する。
図12は、巻かれた単板の縁部を重なり合わずに互いに対向させ、継ぎ目接着剤92によって結合することによって作製された壁継ぎ目9を示す。
図11はまた、互いに面する巻かれた単板の縁部と、継ぎ目を覆い、単板の両端を重ね合わせ、継ぎ目を互いに保持する継ぎ目要素91とを示し、継ぎ目要素91とそれぞれの端部との間には継ぎ目接着剤92がある。
【0085】
図14は、
図11と同様に、継ぎ目に重なり合う縁部を有する側壁に適合されたアンビル11の断面を示す。側壁2の断面は円形であると仮定する。アンビル11も同様であるが、縁部が重なる側壁2の内側形状に対応する直径の小さい段差を有する。容器1を組み立てるとき、側壁2は、アンビル11内の段差が側壁2内の段差の下にあるように配向されたアンビル11上に配置される。これは、アンビル11と側壁2との間の間隙を閉じる効果を有し、この間隙は、そうでなければ存在し、外向きに流れる接続要素4の材料の流れに不規則性を引き起こし、このロケーションで接続要素4によって形成されるシールの接合または気密性を弱める。
【0086】
図15は、異なる断面を有する接続要素4を示す。一実施形態では、リングの断面は長方形である。別の実施形態では、それは三角形または台形である。その結果、リングの第1の側面41の表面は、反対側の第2の側面42の表面よりも大きい。
【0087】
この効果は、第1の(より大きい)側面41が第1のディスク31に面するように配置され、第2の(より小さい)側面42が第2のディスク32に面するように、または第2のディスク32が使用されない場合にはプランジャ12に面するように配置され得ることである。プランジャ12が超音波ソノトロードとして作用し、主により小さい第2の側面42において振動エネルギーを与えることにより、第1の側面41の近くのリングの内側領域における接続要素4の材料は、他の外側領域よりも軟化が少なく、接続要素4の材料は主に外向き方向に流れる。
【0088】
別の実施形態では、両側面41、42の表面は同じであるが、それらの間では、材料は、2つの表面付近よりもリングの中心に向かって延在する。ここでもまた、中心に向かって延在する領域内の材料はあまり軟化せず、内向き方向の流れを妨げる。
【0089】
正確な形状にかかわらず、接続要素4は、平坦な材料のシートから打ち抜くかまたは切り出すことによって、リングを鋳造することによって、または材料のストリップを押出成形し、次いでストリップの一区画を切り出し、この区画からリングを形成することによって製造することができる。あるいは、接続要素4は、チューブを押し出すか、または他の様態で製造し、接続要素4を構成するリングをチューブから切り出すことによって製造することができる。あるいは、接続要素4は、第1のディスク31もしくは第2のディスク32などの底部分3もしくは底部分3の一部に、または予め組み立てられた第1のディスク31と第2のディスク32との間の間隙に、接続要素4の材料を押し出すことによって製造することができる。いずれの場合も、それぞれのリングを閉じて完全な輪を形成するか、または開いて輪の一区画を形成することができる。
【0090】
すべての実施形態について、底部分3の要素は、側壁2に結合される前に予め組み立てられる場合があり得る。したがって、そのような事前組み立て品は、少なくとも第1のディスク31と接続要素4とを備えることができる。接続要素4は、前の段落で説明した方法のいずれかで製造することができる。他の実施形態では、それは、加えて、第2のディスク32、さらにまた中間層33も含むことができる。
【0091】
一般に、これまでの実施形態に示されているように、組み立て中、第1のディスク31がアンビル11に面し、接続要素4が、アンビル11から外方に面する第1のディスク31の側面に配置される場合がある。プランジャ12は、第2のディスク32が存在することなく直接的に、または第2のディスク32を介して、接続要素4を直接圧縮する。
【0092】
図示されていない実施形態では、第1のディスク31はアンビル11に面し、接続要素4は第1のディスク31のアンビル11に面する側面に配置される。すなわち、接続要素4は、第1のディスク31とアンビル11との間に位置する。アンビル11は、第2のディスク32が存在しない状態で、または接続要素4とアンビル11との間に配置された第2のディスク32を介して、接続要素4を直接圧縮することができる。
【0093】
いくつかの実施形態において、単板は、硬材から作製される。
いくつかの実施形態において、単板は、針葉樹、特にマツ材、特にトウヒ材から作製される。薄い単板の場合、針葉樹よりも硬材が好ましい。食品と接触する用途では、非針葉樹が好ましい場合がある。これは、針葉樹材に存在する樹脂が、飲料や食品などの物質に分散する可能性があるためである。実施形態では、生産の環境への影響を低減するために、局所的に成長した樹木種または天然種が好ましい。スイスでは、そのような種は、例えば、カバノキまたはブナまたはカエデである。
【0094】
硬材と軟材との区別に関しては、2つの一般的な種類の木が存在する。
・裸子植物(開花しない種子植物)、針葉樹(成熟すると包まれていない種子を放出する雌花を有する雌性体)、通常は常緑樹(1年を通して徐々に葉を落とす、緑色の葉)、軟材(非多孔質、木材は典型的にはより軽量かつ柔らかい)として知られ、針状または鱗片状の葉を有する。例:モミ、トウヒ、マツ。
【0095】
・被子植物(開花種子植物)、結実性(種子を包み込む)、通常は落葉樹(季節的にすべての葉が脱落し、一部の時期に葉が出ない)、硬材(木材構造は多孔質であり、より複雑であり、木材は一般的により硬い)として知られ、広い葉を有する。例:ヒッコリー、カエデ、オーク。
【0096】
本発明を本実施形態において説明したが、本発明はそれに限定されず、特許請求の範囲内で他の様態で様々に具体化および実践されてもよいことを明確に理解されたい。
【国際調査報告】