(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】洗浄ブースタ
(51)【国際特許分類】
C11D 7/32 20060101AFI20240628BHJP
C07C 229/16 20060101ALI20240628BHJP
C11D 3/30 20060101ALI20240628BHJP
C11D 3/32 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
C11D7/32
C07C229/16
C11D3/30
C11D3/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501136
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 US2022036888
(87)【国際公開番号】W WO2023287837
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イズミトリ、アスリン
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル、マイケル シー.
(72)【発明者】
【氏名】プルコッディ、ランダラ
(72)【発明者】
【氏名】サティオサタム、ムハンタン
(72)【発明者】
【氏名】トゥルチンスキー、マイケル エル.
(72)【発明者】
【氏名】ワッサーマン、エリック
【テーマコード(参考)】
4H003
4H006
【Fターム(参考)】
4H003AB05
4H003AB19
4H003AB31
4H003AC08
4H003BA12
4H003DA01
4H003EA03
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB17
4H003EB22
4H003EB36
4H003ED02
4H003FA04
4H003FA06
4H006AA03
4H006AB70
4H006BP10
4H006BT12
4H006BU32
(57)【要約】
汚れた洗濯物を洗浄するための、式(I)のものである洗浄ブースタが提供され、式中、bが、0~2であり、cが、2~4であり、Rが、水素、C
1~22アルキル、及び-CH
2C(=O)R
14から選択され、式中、R
14が、式a(VI)のものであり、R
1が、式(II)~式(V)から選択され、(II)式中、R
2が、式(VI)のものであり、(III)式中、R
3が、式(VI)のものであり、各R
4が、水素及びメチル基から選択され、(IV)式中、R
5が、式(VI)のものであり、fが1~2であり、gが2~10であり、(V)式中、R
6が、式(VI)のものであり、(VI)式中、R
7が、水素及びC
1~22アルキル基から選択され、各R
8及びR
9が、独立して、水素又はC
1~2アルキル基であるが、ただし、R
8及びR
9のうちの少なくとも1つが、各サブユニットaにおいて水素であることを条件とし、aが、0~30である。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚れた洗濯物を洗浄するための、式(I)のものである洗浄ブースタであって、
【化1】
式中、bが、0~2であり、cが、2~4であり、各Rが、独立して、水素、C
1~22アルキル基、及び-CH
2C(=O)R
14基からなる群から選択され、式中、R
14が、式(VI)のものであり、各R
1が、独立して、式(II)、式(III)、式(IV)、及び式(V)からなる群から選択され、
【化2】
式中、前記
*が、式(I)への結合点を示し、各R
2が、独立して、式(VI)のものであり、
【化3】
式中、前記
*が、式(I)への前記結合点を示し、各R
3が、独立して、式(VI)によるものであり、各R
4が、独立して、水素及びメチル基からなる群から選択され、
【化4】
式中、前記
*が、式(I)への前記結合点を示し、各R
5が、独立して、式(VI)によるものであり、fが1~2であり、gが2~10であり、
【化5】
式中、前記
*が、式(I)への前記結合点を示し、各R
6が、独立して、式(VI)によるものであり、
【化6】
式中、前記
*が、関連する基本式への結合点を示し、R
7が、水素及びC
1~22アルキル基からなる群から選択され、各R
8及びR
9が、独立して、水素及びC
1~2アルキル基からなる群から選択されるが、ただし、R
8及びR
9のうちの少なくとも1つが、各サブユニットaにおいて水素であることを条件とし、aが、0~30である、洗浄ブースタ。
【請求項2】
式(I)の前記洗浄ブースタが、式(Ia)のものであり、
【化7】
式中、xが、0~2であり、各R
10が、独立して、式(VI)のものである、請求項1に記載の洗浄ブースタ。
【請求項3】
前記洗浄ブースタ中のR
10基の70~100mol%が、式(VI)のものであり、式中、aが、2~30である、請求項2に記載の洗浄ブースタ。
【請求項4】
前記洗浄ブースタ中のR
10基の70~100mol%が、式(VIa)のものであり、
R
11-O-[CH
2CH(R
12)O]
y-
* (VIa)
式中、前記
*が、式(Ia)への結合点を示し、R
11が、水素及びC
1~22アルキル基からなる群から選択され、各R
12が、独立して、水素及びC
1~2アルキル基からなる群から選択され、yが、2~30である、請求項2に記載の洗浄ブースタ。
【請求項5】
前記洗浄ブースタ中の前記R
10基の70~100mol%が、式(VIb)のものであり、
R
13-O-(EO)
h-(PO)
i-(EO)
j-
* (VIb)
式中、前記
*が、式(Ia)への結合点を示し、R
13が、水素及びC
1~12アルキル基からなる群から選択され、EOが、エチレンオキシド基であり、POが、プロピレンオキシド基であり、hが、0~30であり、iが、0~30であり、jが、0~30であり、h+i+jが、2~30である、請求項2に記載の洗浄ブースタ。
【請求項6】
xが、1である、請求項5に記載の洗浄ブースタ。
【請求項7】
R
13が、C
1~4アルキル基である、請求項6に記載の洗浄ブースタ。
【請求項8】
hが、0~1であり、iが、2~5であり、jが、2~6である、請求項7に記載の洗浄ブースタ。
【請求項9】
請求項1に記載の洗浄ブースタと水との混合物を含む、洗濯添加剤。
【請求項10】
前記洗濯添加剤が、液体である、請求項8に記載の洗濯添加剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタに関する。具体的には、本発明は、汚れた洗濯物を洗浄するための、式(I)のものである洗浄ブースタに関し、
【0002】
【化1】
式中、bが、0~2であり、cが、2~4であり、各Rが、独立して、水素、C
1~22アルキル基、R
1、及び-CH
2C(=O)R
14基からなる群から選択され、各R
1が、独立して、式(II)、式(III)、式(IV)、及び式(V)からなる群から独立して選択され、式中、R
14が、式(VI)のものであり、
【0003】
【化2】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
2が、独立して、式(VI)のものであり、
【0004】
【化3】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
3が、独立して、式(VI)によるものであり、各R
4が、独立して、水素及びメチル基からなる群から選択され、
【0005】
【化4】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
5が、独立して、式(VI)によるものであり、fが1~2であり、gが2~10であり、
【0006】
【化5】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
6が、独立して、式(VI)によるものであり、
【0007】
【化6】
式中、
*が、関連する基本式への結合点を示し、R
7が、水素及びC
1~22アルキル基からなる群から選択され、各R
8及びR
9が、独立して、水素及びC
1~2アルキル基からなる群から選択されるが、ただし、R
8及びR
9のうちの少なくとも1つが、各サブユニットaにおいて水素であることを条件とし、aが、0~30である。
【0008】
優れた全体的な洗浄を提供する、洗濯洗剤(特に液体及びゲル形態のもの)が消費者にとって望ましい。そのような洗濯洗剤は、典型的には、消費者が所望の洗浄利益を果たすために、他の成分の中でも界面活性剤を含む。それにもかかわらず、環境への感受性の高まり及び材料費の上昇により、洗濯洗剤での界面活性剤の利用を減らす動きが高まっている。その結果、洗剤製造業は、全体的な洗浄性能を維持しながら、洗濯洗剤の単位用量あたりの界面活性剤の量を減らす方法を模索している。
【0009】
界面活性剤の単位用量を減らすための1つのアプローチは、Boutiqueらによって、米国特許出願公開第20090005288号に記載されているように、ポリマーを液体洗剤配合物に組み込むことである。Boutiqueらは、約2~約20重量%の界面活性剤を有する液体又はゲル洗濯洗剤配合物で使用するためのポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリブチレンオキシドと酢酸ビニルとの約1:0.2~約1:10の重量比のグラフトコポリマーを開示している。
【0010】
それにもかかわらず、減らされた界面活性剤配合量の洗濯洗剤配合物(特に液体又はゲル洗濯洗剤配合物において)で維持された一次洗浄性能を促進する洗浄ブースタへの継続的な必要性が残されている。好ましくは、改善された再付着防止性能も提供する、液体洗濯洗剤配合物への継続的な必要性が残されている。また、従来の洗浄ブースタと比較した場合に、OECD 301Fプロトコールに従って改善された生分解性を有する新しい洗浄ブースタへの継続的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、汚れた洗濯物を洗浄するための、式(I)のものである洗浄ブースタを提供し、
【0012】
【化7】
式中、bが、0~2であり、cが、2~4であり、各Rが、独立して、水素、C
1~22アルキル基、R
1、及び-CH
2C(=O)R
14基からなる群から選択され、各R
1が、独立して、式(II)、式(III)、式(IV)、及び式(V)からなる群から独立して選択され、式中、R
14が、式(VI)のものであり、
【0013】
【化8】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
2が、独立して、式(VI)のものであり、
【0014】
【化9】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
3が、独立して、式(VI)によるものであり、各R
4が、独立して、水素及びメチル基からなる群から選択され、
【0015】
【化10】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
5が、独立して、式(VI)によるものであり、fが1~2であり、gが2~10であり、
【0016】
【化11】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
6が、独立して、式(VI)によるものであり、
【0017】
【化12】
式中、
*が、関連する基本式への結合点を示し、R
7が、水素及びC
1~22アルキル基からなる群から選択され、各R
8及びR
9が、独立して、水素及びC
1~2アルキル基からなる群から選択されるが、ただし、R
8及びR
9のうちの少なくとも1つが、各サブユニットaにおいて水素であることを条件とし、aが、0~30である。
【0018】
本発明は、汚れた洗濯物を洗浄するための、式(I)のものである洗浄ブースタを提供し、
【0019】
【化13】
式中、bが、0~2であり、cが、2~4であり、各Rが、独立して、水素、C
1~22アルキル基、R
1、及び-CH
2C(=O)R
14基からなる群から選択され、各R
1が、独立して、式(II)、式(III)、式(IV)、及び式(V)からなる群から独立して選択され、式中、R
14が、式(VI)のものであり、
【0020】
【化14】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
2が、独立して、式(VI)のものであり、
【0021】
【化15】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
3が、独立して、式(VI)によるものであり、各R
4が、独立して、水素及びメチル基からなる群から選択され、
【0022】
【化16】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
5が、独立して、式(VI)によるものであり、fが1~2であり、gが2~10であり、
【0023】
【化17】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
6が、独立して、式(VI)によるものであり、
【0024】
【化18】
式中、
*が、関連する基本式への結合点を示し、R
7が、水素及びC
1~22アルキル基からなる群から選択され、各R
8及びR
9が、独立して、水素及びC
1~2アルキル基からなる群から選択されるが、ただし、R
8及びR
9のうちの少なくとも1つが、各サブユニットaにおいて水素であることを条件とし、aが、0~30であるが、ただし、aが、洗浄ブースタ中の式(VI)の出現の70~100mol%において2~30であることを条件とする。
【0025】
本発明は、汚れた洗濯物を洗浄するための、式(Ia)のものである洗浄ブースタを提供し、
【0026】
【化19】
式中、xが、0~2であり、各R
10が、独立して、式(VI)のものである。
【0027】
本発明は、汚れた洗濯物を洗浄するための、式(Ia)のものである洗浄ブースタを提供し、式中、洗浄ブースタ中のR10基の平均70~100mol%が、式(VI)のものであり、式中、aが、2~30である。
【0028】
本発明は、汚れた洗濯物を洗浄するための、式(Ia)のものである洗浄ブースタを提供し、式中、洗浄ブースタ中のR10基の平均70~100mol%が、式(VIa)のものであり、
R11-O-[CH2CH(R12)O]y-* (VIa)
式中、*が、式(Ia)への結合点を示し、R11が、水素及びC1~22アルキル基からなる群から選択され、各R12が、独立して、水素及びC1~2アルキル基からなる群から選択され、yが、2~30である。
【0029】
本発明は、汚れた洗濯物を洗浄するための、式(Ia)のものである洗浄ブースタを提供し、式中、洗浄ブースタ中のR10基の平均70~100mol%が、式(VIb)のものであり、
R13-O-(EO)h-(PO)i-(EO)j-* (VIb)
式中、*が、式(Ia)への結合点を示し、R13が、水素及びC1~12アルキル基からなる群から選択され、EOが、エチレンオキシド基であり、POが、プロピレンオキシド基であり、hが、0~30であり、iが、0~30であり、jが、0~30であり、h+i+jが、2~30である。
【0030】
本発明は、本発明の洗浄ブースタと水との混合物を含む洗濯添加剤を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
驚くべきことに、本明細書に記載される洗浄ブースタは、皮脂汚れ除去のための一次洗浄性能の改善を促進する一方で、埃皮脂及び粘土に対して良好な再付着防止性能を付与し、またOECD 301Fプロトコールに従って望ましい生分解性プロファイルを示すことが見出された。
【0032】
好ましくは、本発明の汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタは、式(I)のものであり、
【0033】
【化20】
式中、bが、0~2(好ましくは、1)であり、cが、2~4(好ましくは、2)であり、各Rが、独立して、水素、C
1~22アルキル基、及び-CH
2C(=O)R
14基(好ましくは、水素、C
1~5アルキル基、及び-CH
2C(=O)R
14基、より好ましくは、水素、C
1~2、アルキル基、及び-CH
2C(=O)R
14、なおより好ましくは、メチル及び-CH
2C(=O)R
14基、最も好ましくは、-CH
2C(=O)R
14基)からなる群から選択され、式中、R
14が、式(VI)のものであり、各R
1が、独立して、式(II)、式(III)、式(IV)、及び式(V)(好ましくは、式(II)及び式(III)、最も好ましくは、(II))からなる群から独立して選択され、
【0034】
【化21】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
2が、独立して、式(VI)のものであり(すなわち、式(II)中のR
2の個々の出現は、同じであっても互いに異なっていてもよい)、
【0035】
【化22】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
3が、独立して、式(VI)によるものであり、各R
4が、独立して、水素及びメチル基からなる群から選択され、
【0036】
【化23】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
5が、独立して、式(VI)によるものであり、fが1~2であり、gが2~10であり、
【0037】
【化24】
式中、
*が、式(I)への結合点を示し、各R
6が、独立して、式(VI)によるものであり、
【0038】
【化25】
式中、
*が、関連する基本式(すなわち、式(II)、式(III)、式(IV)、又は式(V))への結合点を示し、各R
7が、水素、及びC
1~22アルキル基(好ましくは、水素、及びC
1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC
1~5アルキル基、なおより好ましくは、水素及びC
1~4アルキル基、最も好ましくは、水素及びC
4アルキル基)からなる群から選択され、各R
8及びR
9が、独立して、水素及びC
1~2アルキル基からなる群から選択されるが、ただし、R
8及びR
9のうちの少なくとも1つが、各サブユニットaにおいて水素であることを条件とし、aが、0~30である(好ましくは、ただし、aが、洗浄ブースタ中の式(VI)の出現の70~100mol%(好ましくは、80~100mol%、より好ましくは、90~100mol%、最も好ましくは、95~100mol%)において2~30(好ましくは、2~25、より好ましくは、2~17、最も好ましくは、4~12)であることを条件とする)。
【0039】
好ましくは、本発明の汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタは、式(I)のものであり、式(I)が、式(Ia)のものであり、
【0040】
【化26】
式中、xが、0~2(好ましくは、1)であり、各R
10が、独立して、式(VI)のものであり、
【0041】
【化27】
式中、
*が、式(Ia)への結合点を示し、各R
7が、水素、及びC
1~22アルキル基(好ましくは、水素、及びC
1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC
1~5アルキル基、なおより好ましくは、水素及びC
1~4アルキル基、最も好ましくは、水素及びC
4アルキル基)からなる群から選択され、各R
8及びR
9が、独立して、水素及びC
1~2アルキル基からなる群から選択されるが、ただし、R
8及びR
9のうちの少なくとも1つが、各サブユニットaにおいて水素であることを条件とし、aが、0~30である。より好ましくは、本発明の洗浄ブースタは、式(I)のものであり、式(I)が、式(Ia)のものであり、式中、R
10基の平均70~100mol%(好ましくは、80~100mol%、より好ましくは、90~100mol%、最も好ましくは、95~100mol%)が、式(VI)のものであり、式中、aが、2~30である。なおより好ましくは、本発明の汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタは、式(I)のものであり、式(I)が、式(Ia)のものであり、式中、R
10基の平均70~100mol%(好ましくは、80~100mol%、より好ましくは、90~100mol%、最も好ましくは、95~100mol%)が、式(VI)のものであり、式(VI)が、式(VIa)のものであり、
R
11-O-[CH
2CH(R
12)O]
y-
* (VIa)
式中、
*が、式(Ia)への結合点を示し、各R
11が、水素、及びC
1~22アルキル基(好ましくは、水素、及びC
1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC
1~5アルキル基、なおより好ましくは、C
1~4アルキル基、最も好ましくは、C
4アルキル基)からなる群から選択され、各R
12が、独立して、水素及びC
1~2アルキル基からなる群から選択され、yが、2~30(好ましくは、2~25、より好ましくは、2~17、最も好ましくは、4~12)である。最も好ましくは、本発明の汚れた洗濯物を洗浄するための洗浄ブースタは、式(I)のものであり、式(I)が、式(Ia)のものであり、式中、R
10基の平均70~100mol%(好ましくは、80~100mol%、より好ましくは、90~100mol%、最も好ましくは、95~100mol%)が、式(VI)のものであり、式(VI)が、式(VIb)のものであり、
R
13-O-(EO)
h-(PO)
i-(EO)
j-
* (VIb)
式中、
*が、式(Ia)への結合点を示し、各R
13が、水素、及びC
1~12アルキル基(好ましくは、水素、及びC
1~12アルキル基、より好ましくは、水素及びC
1~5アルキル基、なおより好ましくは、C
1~4アルキル基、最も好ましくは、C
4アルキル基)からなる群から選択され、EOが、エチレンオキシド基であり、POが、プロピレンオキシド基であり、hが、0~30(好ましくは、0~5、より好ましくは、0~2、最も好ましくは、0~1)であり、iが、0~30(好ましくは、0~10、より好ましくは、0~7、最も好ましくは、2~5)であり、jが、0~30(好ましくは、2~10、より好ましくは、2~8、最も好ましくは、2~6)であり、h+i+jが、2~30(好ましくは、2~25、より好ましくは、2~17、最も好ましくは、4~12)である。
【0042】
好ましくは、本発明の洗濯添加剤は、本発明の洗浄ブースタと水との混合物を含む。より好ましくは、本発明の洗濯添加剤は、洗濯添加剤の重量に基づいて、0.1~99重量%(好ましくは、0.2~98重量%、より好ましくは、0.5~95重量%、最も好ましくは、0.75~90重量%)の本発明の洗浄ブースタと、洗濯添加剤の重量に基づいて、1~99.9重量%(好ましくは、2~99.8重量%、より好ましくは、5~99.5重量%、最も好ましくは、10~99.25重量%)の水とを含む混合物である。最も好ましくは、本発明の洗濯添加剤は、洗濯添加剤の重量に基づいて、0.1~99重量%(好ましくは、0.2~98重量%、より好ましくは、0.5~95重量%、最も好ましくは、0.75~90重量%)の本発明の洗浄ブースタと、洗濯添加剤の重量に基づいて、1~99.9重量%(好ましくは、2~99.8重量%、より好ましくは、5~99.5重量%、最も好ましくは、10~99.25重量%)の水とを含む混合物であり、洗濯添加剤が、液体である(好ましくは、洗濯添加剤が、21℃及び1標準気圧で液体である)。
【0043】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【0044】
実施例で使用した試薬を表1に記載する。
【0045】
【0046】
合成S1:EO-末端ブロックPO-コポリマー
水素化カリウム(0.5g)を、窒素下で撹拌しながらエチレングリコールモノブチルエーテル(25g)に溶解した。この混合物のうち、23.6gを窒素パージした反応器にシリンジによって充填した。反応器を密封し、次いでプロピレンオキシド(41.5g、50.0mL)を120℃で、1mL/分のポンプ速度で充填した。プロピレンオキシドを添加するにつれて、反応器圧力の増加が示された。反応器内容物を、プロピレンオキシドを添加しながら9時間反応させ、この間、反応器圧力は低下するのが観察され、次いでプロピレンオキシドが消費されるにつれて横ばいになった。次いで、エチレンオキシド(33.5g、38.0mL)を反応器内容物に130℃で、1mL/分のポンプ速度で充填した。反応器内容物を、エチレンオキシドを添加しながら4時間反応させた。次いで、反応器を排気し、窒素でパージし、生成物を回収した。収量は定量的であった。1H NMR(CDCl3,δ,ppm):0.90t(3H,CH3),1.13m(8.48H,CH3of PO),1.35m(2H,CH2),1.55m(2H,CH2),3.55m(35.93H,CHCH2of PO+CH2CH2of EO).NMR分析は、回収された生成物について以下の式を示唆した:CH3CH2CH2CH2OCH2CH2O(PO)2.83(EO)5.36H。GPC(THFにおける):Mn=739、Mw=859、PDI=1.16。以下の参照合成における反応化学量論を計算する目的で、NMRから確立された上記の実験式から計算されたFWを使用した:519ダルトン。
【0047】
合成S2:EO-末端ブロックPO-コポリマー
水素化カリウム(0.4g)を、窒素下で撹拌しながらエチレングリコールモノブチルエーテル(20.75g)に溶解した。この混合物のうち、21.15gを窒素パージした反応器にシリンジによって充填した。反応器を密封し、次いでプロピレンオキシド(41.5g、50.0mL)を115℃で、1mL/分のポンプ速度で充填した。プロピレンオキシドを添加するにつれて、反応器圧力の増加が示された。反応器内容物を、プロピレンオキシドを添加しながら22時間反応させ、この間、反応器圧力は低下するのが観察され、次いでプロピレンオキシドが消費されるにつれて横ばいになった。次いで、エチレンオキシド(28.85g、33.0mL)を反応器内容物に130℃で、1mL/分のポンプ速度で充填した。反応器内容物を、エチレンオキシドを添加しながら4時間反応させた。次いで、反応器を排気し、窒素でパージし、生成物を回収した。収率は、85.4g(93%)であった。1H NMR(CDCl3,δ,ppm):0.90t(3H,CH3),1.13m(11.05H,CH3of PO),1.35m(2H,CH2),1.55m(2H,CH2),3.55m(31.02H,CHCH2of PO+CH2CH2of EO).NMR分析は、以下の式を示唆する:CH3CH2CH2CH2OCH2CH2O(PO)3.68(EO)3.49H。GPC(THFにおける):Mn=641、Mw=761、PDI=1.19。以下の実施例における反応化学量論を計算する目的で、NMRから確立された上記の実験式から計算されたFWを使用した:486ダルトン。
【0048】
合成S3:エタノール及び硫酸触媒を使用するDTPA-エチルエステル
DTPA(8.5449g)、エタノール(168.54g)、及び硫酸(1.2000g)を、撹拌のための磁気撹拌棒を含む500mLフラスコに開放雰囲気中で充填した。フラスコ内容物の温度を、J-KEM温度制御装置ユニットに接続された可変変圧器に接続された加熱マントルを使用することによって制御した。フラスコに、一方の口で窒素源に接続された三方鉱油バブラーに接続されたアダプターを取り付けた。冷たい水道水を循環させる凝縮器をフラスコの別の口に取り付けた。アルコール温度計をフラスコの別の口に置き、ヘッドスペース温度を測定するように構成した。フラスコの全ての口を炭化水素グリースで密封した。充填及び密封された装置を、磁気撹拌機の上に置いた加熱マントルの上に置いた。入口鉱油バブラーによって示されるように、2~3気泡/秒の窒素で反応の間、フラスコをパージした。密封品質を、凝縮器に接続された出口鉱油バブラーによって確認した。フラスコ内容物を加熱還流し(約78℃のヘッドスペース蒸気温度)、十分に混合しながら数日間にわたって合計19時間保持した(加熱及び撹拌を一晩中停止し、この期間は、19時間の一部としてカウントしなかった)。次いで、フラスコ内容物を、真空補助を伴うブフナー漏斗を使用して、紙を通して濾過した。炭酸カルシウム(5.0g)を濾液に添加し、30分間撹拌した後、真空濾過を使用して再び濾過した。濾液を2つのアリコートに分け、これらを順次蒸留した。約100~150mLの試料を、磁気撹拌棒及び真空蒸留ヘッドを備えた250mL丸底フラスコに入れ、バブラーで維持された定常窒素流を有する窒素雰囲気下に置いた。溶媒回収速度が著しく遅くなるまで、溶媒回収を伴う蒸留を継続した。濾液の最初の半分を蒸留にかけた後、濾液の残りを添加し、蒸留を繰り返した。生成物、DTPA-エチルエステルを暗橙褐色粘性液体として得た。1H NMR(アセトン-d6,δ,ppm):4.91-4.46(1.87H),4.37-4.24(0.81H),4.24-4.10(5.83H),4.01-3.91(1.69H),3.85-3.62(10.68H),3.64-3.54(0.52H),3.46-3.25(3.55H),2.14-1.92(1.10H),1.41-1.16(13.15H),1.16-1.06(0.58H).DTPA:エチルエステル基=1:4.13。DTPA-エチルエステル活性:98重量%。
【0049】
合成S4:エトキシ化アルコール及び酸触媒を使用するDTPAポリエステル
合成S3に従って調製したDTPA-エチルエステル(1.0172g、2.0mmol)、AE1(7.0486g、11.8mmol、6.0当量)、及びブチルスタンノン酸(0.0721g、0.35mmol、18mol%)を、磁気撹拌棒を備えた250mLフラスコに充填した。フラスコを炭化水素グリースで密封し、窒素でパージし、次いで150℃の設定点温度で、IKA磁気加熱プレートに付属したOptiTHERM(登録商標)反応ブロック中で加熱した。135℃に達した後、ドライアイス/アセトン浴で冷却した溶媒トラップを介在させたメカニカルポンプを介してフラスコ内容物に真空を適用した。粘度の変化を考慮してフラスコの内容物を加熱しながら、混合速度を50~300rpmの設定に調整した。フラスコ内容物を真空下で145~158℃の温度で6時間保持した。次いで、フラスコ内容物を冷却し、特徴付けした。エチル基の置き換えの程度を、AE1のメチル基(14.4ppm)及びエチルエステル(14.6ppm)についての定量的13C NMRスペクトルにおける積分ピークによって推定した。この比は、6.7:1であり、オリジナルエチル:DTPA比が4.13:1であり、AE1:DTPA比が6.0であったため、生成物中のエチル:DTPA比は、0.9:1であり、これは、約80%のエチル基が排除されたことを示唆する。
【0050】
合成S5:エトキシ化アルコール、ジオール、及び酸触媒を使用するDTPAポリエステル
合成S3に従って調製したDTPA-エチルエステル(0.9676g、1.9mmol)、AE1(5.3243g、8.9mmol、4.8当量)、PEG-300(0.3712g、1.24mmol、0.65当量)、及びブチルスタンノン酸(0.0555g、0.27mmol、14mol%)を、磁気撹拌棒を備えた250mLフラスコに充填した。フラスコを炭化水素グリースで密封し、窒素でパージし、次いで150℃の設定点温度で、IKA磁気加熱プレートに付属したOptiTHERM(登録商標)反応ブロック中で加熱した。133.5℃に達した後、ドライアイス/アセトン浴で冷却した溶媒トラップを介在させたメカニカルポンプを介してフラスコ内容物に真空を適用した。粘度の変化を考慮してフラスコの内容物を加熱しながら、混合速度を50~300rpmの設定に調整した。フラスコ内容物を真空下で142~149℃の温度で6時間保持した。次いで、フラスコ内容物を冷却し、特徴付けした。エチル基の置き換えの程度を、AE1のメチル基(14.4ppm)及びエチルエステル(14.6ppm)についての定量的13C NMRスペクトルにおける積分ピークによって推定した。この比は、4.6:1であり、オリジナルエチル:DTPA比が4.13:1であり、AE1:DTPA比が4.8:1であったため、生成物中のエチル:DTPA比は、1:1であり、これは、約75%のエチル基が排除されたことを示唆する。
【0051】
合成S6:エトキシ化アルコール及び酸触媒を使用するDTPAポリエステル
合成S3に従って調製したDTPA-エチルエステル(1.1378g、2.2mmol)、AE1(6.9510g、13.7mmol、6.2当量)、及びブチルスタンノン酸(0.0798g、0.38mmol、17mol%)を、磁気撹拌棒を備えた250mLフラスコに充填した。フラスコを炭化水素グリースで密封し、窒素でパージし、次いで150℃の設定点温度で、IKA磁気加熱プレートに付属したOptiTHERM(登録商標)反応ブロック中で加熱した。120℃に達した後、ドライアイス/アセトン浴で冷却した溶媒トラップを介在させたメカニカルポンプを介してフラスコ内容物に真空を適用した。粘度の変化を考慮してフラスコの内容物を加熱しながら、混合速度を50~300rpmの設定に調整した。フラスコ内容物を真空下で121~149℃の温度で7時間保持した。次いで、フラスコ内容物を冷却し、特徴付けした。エチル基の置き換えの程度を、AE1のメチル基(14.4ppm)及びエチルエステル(14.6ppm)についての定量的13C NMRスペクトルにおける積分ピークによって推定した。この比は、6.5:1であり、オリジナルエチル:DTPA比が4.13:1であり、AE1:DTPA比が6.2:1であったため、生成物中のエチル:DTPA比は、0.94:1であり、これは、約75%のエチル基が排除されたことを示唆する。
【0052】
合成S7:エタノール及び硫酸触媒を使用するDTPA-ペンタエチルエステル
DTPA(5.0008g)、エタノール(177.59g)、及び硫酸(1.2118g)を、撹拌のための磁気撹拌棒を含む500mLフラスコに開放雰囲気中で充填した。フラスコ内容物の温度を、J-KEM温度制御装置ユニットに接続された可変変圧器に接続された加熱マントルを使用することによって制御した。フラスコに、一方の口で窒素源に接続された三方鉱油バブラーに接続されたアダプターを取り付けた。冷たい水道水を循環させる凝縮器をフラスコの別の口に取り付けた。アルコール温度計をフラスコの別の口に置き、ヘッドスペース温度を測定するように構成した。フラスコの全ての口を炭化水素グリースで密封した。充填及び密封された装置を、磁気撹拌機の上に置いた加熱マントルの上に置いた。入口鉱油バブラーによって示されるように、2~3気泡/秒の窒素で反応の間、フラスコをパージした。密封品質を、凝縮器に接続された出口鉱油バブラーによって確認した。フラスコ内容物を加熱還流し(約78℃のヘッドスペース蒸気温度)、十分に混合しながら数日間にわたって合計32時間保持した(加熱及び撹拌を一晩中停止し、この期間は、32時間の一部としてカウントしなかった)。次いで、フラスコ内容物を、真空補助を伴うブフナー漏斗を使用して、紙を通して濾過した。炭酸カルシウム(5.0g)を濾液に添加し、30分間撹拌した後、真空濾過を使用して再び濾過した。濾液を2つのアリコートに分け、これらを順次蒸留した。約100~150mLの試料を、磁気撹拌棒及び真空蒸留ヘッドを備えた250mL丸底フラスコに入れ、バブラーで維持された定常窒素流を有する窒素雰囲気下に置いた。溶媒回収速度が著しく遅くなるまで、溶媒回収を伴う蒸留を継続した。濾液の最初の半分を蒸留にかけた後、濾液の残りを添加し、蒸留を繰り返した。生成物、DTPA-エチルエステルを淡黄色の半透明液体として得た。DTPA:エチルエステル基=1:4.17。DTPA-エチルエステル活性:87重量%。
【0053】
合成S8:アルコキシル化ブタノール及び酸触媒を使用するDTPAポリエステル
合成S7に従って調製したDTPA-エチルエステル(1.0966g、1.86mmol)、合成S1に従って調製したEO末端ブロックコポリマー(5.6161g、10.8mmol、5.8当量)、及びブチルスタンノン酸(0.0718g、0.34mmol、18mol%)を、磁気撹拌棒を備えた250mLフラスコに充填した。フラスコを炭化水素グリースで密封し、窒素でパージし、次いで150℃の設定点温度で、IKA磁気加熱プレートに付属したOptiTHERM(登録商標)反応ブロック中で加熱した。133.5℃に達した後、ドライアイス/アセトン浴で冷却した溶媒トラップを介在させたメカニカルポンプを介してフラスコ内容物に真空を適用した。粘度の変化を考慮してフラスコの内容物を加熱しながら、混合速度を50~300rpmの設定に調整した。フラスコ内容物を真空下で133~148℃の温度で5時間保持した。次いで、フラスコ内容物を冷却し、特徴付けした。エチル基の置き換えの程度を、合成S1の生成物のメチル基(14.3ppm)及びエチルエステル(14.6ppm)についての定量的13C NMRスペクトルにおける積分ピークによって推定した。この比は、5.3:1であり、オリジナルエチル:DTPA比が4.17:1であり、アルコキシレート:DTPA比が4.1:1であったため、生成物中のエチル:DTPA比は、0.8:1であり、これは、約80%のエチル基が排除されたことを示唆する。
【0054】
合成S9:エタノール及び硫酸触媒を使用するDTPA-ペンタエチルエステル
DTPA(8.0224g)、エタノール(304.80g)、及び硫酸(2.2318g)を、撹拌のための磁気撹拌棒を含む500mLフラスコに開放雰囲気中で充填した。フラスコ内容物の温度を、85℃に設定されたJ-KEM温度制御装置ユニットに接続された可変変圧器に接続された加熱マントルを使用することによって制御した。フラスコに、一方の口で窒素源に接続された三方鉱油バブラーに接続されたアダプターを取り付けた。冷たい水道水を循環させる凝縮器をフラスコの別の口に取り付けた。アルコール温度計をフラスコの別の口に置き、ヘッドスペース温度を測定するように構成した。フラスコの全ての口を炭化水素グリースで密封した。充填及び密封された装置を、磁気撹拌機の上に置いた加熱マントルの上に置いた。入口鉱油バブラーによって示されるように、2~3気泡/秒の窒素で反応の間、フラスコをパージした。密封品質を、凝縮器に接続された出口鉱油バブラーによって確認した。フラスコ内容物を加熱還流し(約79℃のヘッドスペース蒸気温度)、十分に混合しながら数日間にわたって合計20時間保持した(加熱及び撹拌を一晩中停止し、この期間は、20時間の一部としてカウントしなかった)。次いで、フラスコ内容物を、真空補助を伴うブフナー漏斗を使用して、紙を通して濾過した。炭酸カルシウム(5.0g)を濾液に添加し、30分間撹拌した後、真空濾過を使用して再び濾過した。濾液を、磁気撹拌棒及び真空蒸留ヘッドを備えた500mL丸底フラスコに入れ、バブラーで維持された定常窒素流を有する窒素雰囲気下に置いた。溶媒回収速度が著しく遅くなるまで、溶媒回収を伴う蒸留を継続した。生成物、DTPA-エチルエステルを淡黄色の半透明液体として得た。DTPA:エチルエステル基=1:5。DTPA-エチルエステル活性:82重量%。
【0055】
合成S10:DTPAポリエステル
合成S9に従って調製したDTPA-エチルエステル(4.1987g、6.48mmol)、合成S1に従って調製したEO末端ブロックコポリマー(20.0g、38.5mmol、5.9当量)、及びチタンイソプロポキシド(0.3371g、1.19mmol、18mol%)を、磁気撹拌棒を備えた250mLフラスコに充填した。フラスコを炭化水素グリースで密封し、窒素でパージし、次いで150℃の設定点温度で、IKA磁気加熱プレートに付属したOptiTHERM(登録商標)反応ブロック中で加熱した。129℃に達した後、ドライアイス/アセトン浴で冷却した溶媒トラップを介在させたメカニカルポンプを介してフラスコ内容物に真空を適用した。粘度の変化を考慮してフラスコの内容物を加熱しながら、混合速度を50~300rpmの設定に調整した。フラスコ内容物を真空下で150~152℃の温度で5時間保持した。次いで、フラスコ内容物を冷却し、特徴付けした。NMRによれば、1H NMRスペクトルにおいてエチル基は残っておらず、13C NMRは、カルボニル領域が非常に単純であり、2つのタイプのエステルについて168ppm及び173ppmに2つのピークを有することを示した。
【0056】
合成S11:エステル合成
カプリルエト-6カルボン酸(20.8032g、92%の公称純度に基づいて46.91mmol、4.1当量)、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(2.6629g、11.4mmol)、及びチタンイソプロポキシド(0.5429g、1.9102mmol、17mol%)を、磁気撹拌棒を備えた250mLフラスコに充填した。フラスコを炭化水素グリースで密封し、窒素でパージし、次いで150℃の設定点温度で、IKA磁気加熱プレートに付属したOptiTHERM(登録商標)反応ブロック中で加熱した。120℃に達した後、ドライアイス/アセトン浴で冷却した溶媒トラップを介在させたメカニカルポンプを介してフラスコ内容物に真空を適用した。粘度の変化を考慮してフラスコの内容物を加熱しながら、混合速度を50~300rpmの設定に調整した。フラスコ内容物を真空下で148.3~154.9℃の温度で6.5時間保持した。次いで、フラスコ内容物を冷却し、NMRを介して特徴付けして、反応の完了を確認した。1H NMR(アセトン-d6,δ,ppm):4.47-3.87(15.2H),3.87-3.25(97.8H),2.99-2.79(4.3H),2.79-2.35(4.8H),1.74-1.44(8.1H),1.44-1.14(40.3H),1.00-0.78(12.0H).13C NMR(126MHz,アセトン-d6,δ,ppm):171.06(2.2C),73.36-70.07(35.5C),69.02(2.7C),63.49(2.8C),54.26(2.8C),32.66(3.6C),27.01(3.3C),23.39(4.0C),14.46(4.0C)。
【0057】
合成S12:エチレンジアミン-アクリル酸メチル付加物
圧力解放キャップ及び磁気撹拌機を備えた40mLガラスバイアルに、アクリル酸メチル(8.6g、100mmol)及びメタノール(4mL)を充填した。バイアルの内容物にエチレンジアミン(1.5g、25mmol)をゆっくり添加した。アミンの添加中にわずかな発熱が観察された。次いで、得られた溶液をブロックヒータ上に置き、50℃で7時間撹拌した。反応の進行を1H NMR分光法によって監視した。アミンの四置換付加物への変換が完了したら、メタノールをロータリー蒸発器で留去して、9.3g、92%モル収率のわずかに粘性の淡黄色付加物を得た。
【0058】
合成S13:アルコキシル化ブタノールによるアクリル酸メチル付加物のエステル交換
合成S1に従って調製したEO末端ブロックコポリマー(10.3419g、13.99mmol、3.1当量)、合成S12に従って調製した材料(1.8526g、4.58mmol)、及びチタンイソプロポキシド(0.1733g、0.61mmol、13mol%)を、磁気撹拌棒を備えた250mLフラスコに充填した。フラスコを炭化水素グリースで密封し、窒素でパージし、次いで120℃の設定点温度で、IKA磁気加熱プレートに付属したOptiTHERM(登録商標)反応ブロック中で加熱した。44.4℃に達した後、ドライアイス/アセトン浴で冷却した溶媒トラップを介在させたメカニカルポンプを介してフラスコ内容物に真空を適用した。粘度の変化を考慮してフラスコの内容物を加熱しながら、混合速度を50~300rpmの設定に調整した。フラスコ内容物を真空下で118.9~122.3℃の温度で6時間保持した。次いで、フラスコ内容物を冷却し、NMRによって特徴付けして、反応の完了を確認した。
【0059】
合成S14:アクリル酸メチル及び3,3’-ジアミノ-n-メチルジプロピルアミンからの付加物
アクリル酸メチル(8.6g、100mmol)及びメタノール(4mL)を、磁気撹拌棒及び圧力解放キャップを備えたガラスバイアルに充填した。次いで、N,N-ビス(3-アミノプロピル)メチルアミン(3.5g、24mmol)をバイアルの内容物にゆっくり添加した。アミンの添加中にわずかな発熱が観察された。次いで、得られた溶液をブロックヒータ上に置き、50℃で4.5時間撹拌した。反応の進行を1H NMR分光法によって監視した。アミンの四置換付加物への変換が完了したら、メタノールをロータリー蒸発器で留去して、11g、93.6%モル収率のわずかに粘性の淡黄色付加物を得た。
【0060】
合成S15:アルコキシル化ブタノールによるアクリル酸メチル付加物のエステル交換
合成S1に従って調製したEO末端ブロックコポリマー(10.0539g、19.3866mmol、4.4当量)、合成S14に従って調製した材料(2.1746g、4.4mmol)、及びチタンイソプロポキシド(0.1694g、0.5960mmol、13.6mol%)を、磁気撹拌棒を備えた250mLフラスコに充填した。フラスコを炭化水素グリースで密封し、窒素でパージし、次いで120℃の設定点温度で、IKA磁気加熱プレートに付属したOptiTHERM(登録商標)反応ブロック中で加熱した。86.4℃に達した後、ドライアイス/アセトン浴で冷却した溶媒トラップを介在させたメカニカルポンプを介してフラスコ内容物に真空を適用した。粘度の変化を考慮してフラスコの内容物を加熱しながら、混合速度を50~300rpmの設定に調整した。フラスコ内容物を真空下で117.5~124.7℃の温度で9時間保持した。次いで、フラスコ内容物を冷却し、NMRによって特徴付けして、反応の完了を確認した。
【0061】
比較例C1~C2及び実施例1~4:液体洗濯洗剤
後続の実施例の洗浄試験で使用される液体洗濯洗剤配合物を表2に記載されるような一般的な配合を有するように調製し、8.5のpHに中和した表3に示されるような洗浄ブースタを標準的な液体洗濯配合物の調製手順によって調製した。
【0062】
【0063】
【0064】
一次洗浄性能
18分の洗いサイクルを使用して、22℃の設定試験温度でLaunder-Ometer(SDL Atlas、モデルM228AA)で、比較例C1~C2及び実施例1~4の液体洗濯洗剤配合物の一次洗浄性能を評価した。20個の1.2リットルキャニスタに、100質量ppmの500mLの硬度調整水を充填し、2:1のCa:Mgのモル比を各実行に使用した。洗った布地を、Eberbach E6000レシプロ式シェーカーで100ppm(2/1のCa/Mg)に硬度を調整した周囲温度の水300mLで、260osc/分で5分間すすいだ。試験で使用したシミの付いた布地及び汚れたバラストは、PCS-S-132高識別皮脂BEY顔料、及び収縮前の綿インターロック布地に縫い付けたTestfabricsからのPCS-S-94皮脂/埃ASTMシミであった。綿インターロックのサイズは、5×5cmであった。シミの付いた見本は、2.5×3cmであった。1つの5×5cmの切片のSBL-CFT汚れバラストを各キャニスタに添加して、洗い溶液に対するベースラインの汚れを提供した。洗い液中の総界面活性剤濃度は、200ppmであった。
【0065】
反射率測定及びシミ除去指数(Stain Removal Index、SRI)
ASTM方法D4265-14を使用して、一次洗浄性能試験で評価した液体洗濯洗剤配合物の各々の汚れ除去指数(soil removal index、SRI)を判定した。条件ごとに8つの見本(ポットごとに2つの見本、4つのポット)から取得した平均SRIを、表4に提供する。
【0066】
シミの付いた布地のL*、a*及びb*の値を、Colour ConsultからのMach 5分光光度計を用いて洗浄の前及び後に測定した。洗っておらずシミのないポリ綿布地についてのL*、a*、及びb*の値を、以下のようにSRI計算において測定し、
【0067】
【数1】
式中、USは、洗っていないシミ領域であり、UFは、洗っていない(シミのない)布地領域であり、WSは、洗ったシミ領域であり、ΔE
*
(US-UF)は、洗っていないシミと洗っていない布地との間のΔE
*色差であり、ΔE
*
(WS-UF)は、洗ったシミと洗っていない布地との間のΔE
*色差である。ΔE
*の値は、次のように計算する
ΔE
*=(ΔL
*2+Δa
*2+Δb
*2)
1/2
【0068】
表4に提供されるΔSRIの値は、比較例C1について測定したSRIに対する、示された実施例について測定したSRIの間の差を示す。正の値は、比較例C1に対する汚れ除去の増加を示す。
【0069】
【0070】
比較例C3~C4及び実施例5~7:液体洗濯洗剤
後続の実施例の洗浄試験で使用される液体洗濯洗剤配合物を、表5に記載されるように8.5の調整されたpHを有する0.5gの標準液体洗濯洗剤配合物を表6に示される洗浄ブースタの1.5gの1重量%水溶液と組み合わせることによって調製した。
【0071】
【0072】
【0073】
再付着防止
比較例C3~C4及び実施例5~7の標準液体洗濯洗剤+洗浄ブースタの組み合わせの再付着防止性能を、表7に示される条件を用いて毎分90サイクルで撹拌されたTerg-o-tometerモデル7243ESで評価した。
【0074】
【0075】
再付着防止性能をMACH5+機器(L、a、及びb)で測定したΔEを計算することによって決定した。結果を表8に示し、ここで、ΔE*は、以下の式によるものであり、
ΔE*=ΔEaw-ΔEbw
式中、ΔEawは、洗った後の布地から測定され、ΔEbwは、洗う前の布地から測定される。より高いΔE*は、より良好な再付着防止性能に対応する。
【0076】
【国際調査報告】