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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】取付け組立体
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/38 20060101AFI20240628BHJP
   B26B 19/06 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B26B19/38 C
B26B19/06 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501555
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2022069619
(87)【国際公開番号】W WO2023285540
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】21185880.8
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ペトレッリ マルクス コルネリス
【テーマコード(参考)】
3C056
【Fターム(参考)】
3C056CA02
3C056CA07
3C056CA13
3C056CA32
3C056CA33
3C056JA07
3C056JA18
(57)【要約】
一態様によれば、ヘアカット機器10用の取付け組立体20であって、取付け組立体が、切断ユニット14を受けるように構成されたヘッド24と、ヘッドに連結された基部22と、基部をヘッドに連結する枢動機構30であって、枢動機構がヘッド枢軸50の周りで基部に対してヘッドの枢動を可能にするように構成されている、枢動機構30と、回転式係止要素40とを備え、回転式係止要素がヘッドの枢動を妨げて、それにより、ヘッド枢軸の周りでの係止位置においてヘッドを係止する、係合位置と、回転式係止要素がヘッドの枢動を妨げず、その結果、ヘッドがヘッド枢軸の周りで基部に対して自由に枢動可能となる、係合解除位置との間で回転されるように、回転式係止要素が構成され、回転式係止要素を係合位置まで回転させることで、回転式係止要素は、ヘッドを係止位置へとドライブするように構成されている、取付け組立体20が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアカット機器用の取付け組立体であって、前記取付け組立体が、
切断ユニットを受けるヘッドと、
前記ヘッドに連結された基部と、
前記基部を前記ヘッドに連結する枢動機構であって、前記基部に対して前記ヘッドのヘッド枢軸周りでの枢動を可能にする、枢動機構と、
係合位置と係合解除位置との間で回転される回転式係止要素とを備え、
(i)前記係合位置において、前記回転式係止要素が前記ヘッドの枢動を妨げて、それにより、前記ヘッド枢軸周りでの係止位置において前記ヘッドを係止し、
(ii)前記係合解除位置において、前記回転式係止要素が前記ヘッドの枢動を妨げず、その結果、前記ヘッドが、前記基部に対して自由に前記ヘッド枢軸周りで枢動可能となり、
前記回転式係止要素を前記係合位置まで回転させることで、前記ヘッドを前記係止位置へとドライブするように前記回転式係止要素が構成されている、取付け組立体。
【請求項2】
前記回転式係止要素が、係止軸周りを回転し、前記係止軸が、前記ヘッド枢軸に対して垂直である、請求項1に記載の取付け組立体。
【請求項3】
前記ヘッドに固定されるパドルであって、前記ヘッドから前記基部に向かって延在するパドルをさらに備え、前記回転式係止要素が、前記係合位置にあるとき、前記パドルと相互作用して、前記係止位置において前記ヘッドを係止する、請求項1又は2に記載の取付け組立体。
【請求項4】
前記パドルが、節と前記ヘッドとの間に配置された前記枢動機構のアーム間に延在するとともに、それぞれの限界において、各アームと係合して、前記限界を超える前記ヘッドの枢動を妨げる、請求項3に記載の取付け組立体。
【請求項5】
前記回転式係止要素が、係止タブを備え、前記係止タブは、前記回転式係止要素が前記係合位置にあるとき、前記ヘッドの枢動を妨げる、請求項1から4のいずれか一項に記載の取付け組立体。
【請求項6】
前記回転式係止要素は、前記回転式係止要素が前記係合位置にあるとき、互いに逆方向の前記ヘッドの枢動を妨げて、それにより、前記係止位置において前記ヘッドを係止する2つの係止タブを備える、請求項5に記載の取付け組立体。
【請求項7】
前記ヘッド枢軸に平行な方向において離隔された2つのパドルを備え、各回転式係止要素が、それぞれのパドルと相互作用して、前記ヘッド枢軸の周りで前記ヘッドに互いに逆向きの枢動モーメントを与える、請求項3に従属する請求項6に記載の取付け組立体。
【請求項8】
前記回転式係止要素を互いに逆方向に回転させることで、2つの異なる係止位置に前記ヘッドを係止できるように、前記回転式係止要素が、第3の係止タブと任意選択の第4の係止タブとを備える、請求項7に記載の取付け組立体。
【請求項9】
前記係止タブが、前記係止位置にあるとき前記枢動機構の回転度ごとのモーメントの増大によって規定された剛性を持ち、前記剛性が、およそ7.5Nmm/度より大きい、請求項5から8のいずれか一項に記載の取付け組立体。
【請求項10】
前記係止タブが、回転度ごとの前記枢動機構のモーメントの増大によって規定される剛性を持ち、前記剛性が、およそ0.5Nmm/度と7.5Nmm/度との間である、請求項5から8のいずれか一項に記載の取付け組立体。
【請求項11】
前記枢動機構が、前記ヘッドと前記基部との間に延在し、それぞれのヘッドジョイント及び基部ジョイントにおいて前記ヘッド及び前記基部に連結された1対のアームを含む4節リンク機構を備え、前記ヘッドジョイント及び前記基部ジョイントの各々が、それぞれの平行な枢軸周りでの枢動を可能にし、前記ヘッドが、前記4節リンク機構の1つの節であり、前記基部が前記4節リンク機構の1つの節であり、各アームが前記4節リンク機構の1つの節であり、前記回転式係止要素が、前記係合位置において前記枢動機構と相互作用して、前記係止位置において前記ヘッドを係止する、請求項1から10のいずれか一項に記載の取付け組立体。
【請求項12】
前記枢動機構が、前記ヘッド枢軸に平行な方向に離隔された2つの4節リンク機構を備え、前記ヘッドが、前記2つの4節リンク機構の1つの節であり、前記基部が、前記2つの4節リンク機構の1つの節である、請求項11に記載の取付け組立体。
【請求項13】
各パドルが、異なる4節リンク機構の前記アーム間において、前記ヘッドから前記基部まで延在する、請求項7に従属する請求項12に記載の取付け組立体。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の取付け組立体を備える、ヘアカット機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアカット機器用の取付け組立体、及びヘアカット機器に関する。
【背景技術】
【0002】
髭トリマーやシェーバーなどのヘアカット機器は、典型的には、刃が、顔などの物体の輪郭に追従することを可能にする輪郭追従機能を持つ。しかし、これらのヘアカット機器はまた、特に深剃りを可能にする機能を必要とすることが多く、この深剃りは、特に毛がランダムな方向に伸びているとき、刃が肌の表面に対しておよそ20~30度の角度にあると最良に達成されると見られ、このことは実験的に導き出されている。したがって、一部の用途では、輪郭追従を持つことは、深剃りに対するトリマーの有効性を減じる可能性がある。
【0003】
米国特許出願第2010175260号は、ユーザの手によって保持される把持部分と、剃刀ユニットを保持するように構成され、把持部分に対して所定の方向に揺動可能となるように支持されたヘッド部分とを備えた電動シェーバーを開示している。ヘッド部分は、操作要素によって使用準備済状態と格納状態との間で切り替えられるように構成された際剃りユニットと、ヘッド部分を固定するための係合部分とを備え、係合部分は、際剃りユニットが準備済に切り替えられると、操作要素と係合されるように構成されている。
【発明の概要】
【0004】
第1の特定の態様によれば、ヘアカット機器用の取付け組立体であって、取付け組立体が、切断ユニットを受けるように構成されたヘッドと、ヘッドに連結された基部と、基部をヘッドに連結する枢動機構であって、基部に対してヘッドのヘッド枢軸周りでの枢動を可能にするように構成されている、枢動機構と、係合位置と係合解除位置との間で回転されるように構成された回転式係止要素とを備え、(i)係合位置において、回転式係止要素がヘッドの枢動を妨げて、それにより、ヘッド枢軸周りでの係止位置においてヘッドを係止し、(ii)係合解除位置において、回転式係止要素がヘッドの枢動を妨げず、その結果、ヘッドが、基部に対して自由にヘッド枢軸周りで枢動可能となり、回転式係止要素を係合位置まで回転させることで、ヘッドを係止位置へとドライブするように回転式係止要素が構成されている、取付け組立体が提供される。
【0005】
回転式係止要素は、係止軸周りを回転するように構成され、係止軸はヘッド枢軸に対して垂直である。
【0006】
取付け組立体は、ヘッドに固定されパドルであって、ヘッドから基部に向かって延在するパドルを備える。回転式係止要素は、係合位置にあるとき、パドルと相互作用して、係止位置においてヘッドを係止するように構成される。パドルは、節とヘッドとの間に配置された枢動機構のアーム間に延在するとともに、それぞれの限界において、各アームと係合して、限界を超えるヘッドの枢動を妨げるように構成される。
【0007】
回転式係止要素は、係止タブを備え、係止タブは、回転式係止要素が係合位置にあるとき、ヘッドの枢動を妨げるように構成される。回転式係止要素は、回転式係止要素が係合位置にあるとき、互いに逆方向のヘッドの枢動を妨げて、それにより、係止位置においてヘッドを係止するように構成されている2つの係止タブを備えてもよい。
【0008】
係止タブは、係止要素の互いに対向する側に配置され、例えば、ヘッド、ヘッドに固定されたパドル、又は枢動機構と係合することによって、枢動を妨げる。2つの係止タブは、各々が、取付け組立体の異なる部分に係合して、ヘッド又は枢動機構に、互いに逆向きのモーメントを与え、それにより、係止位置においてヘッドを係止する。タブは、係止要素の基部上に180度離して配置される。したがって、係止要素の回転中、タブは、取付け組立体の異なる部分に接近してそれと係合し、互いに逆向きのモーメントを与える。
【0009】
取付け組立体は、ヘッド枢軸に平行な方向に離隔された2つのパドルを備えてもよい。各回転式係止要素は、それぞれのパドルと相互作用して、ヘッド枢軸の周りでヘッドに互いに逆向きの枢動モーメントを与えるように構成される。
【0010】
回転式係止要素を互いに逆方向に回転させることで、2つの異なる係止位置にヘッドを係止できるように、回転式係止要素は、第3の係止タブと任意選択の第4の係止タブとを備えてもよい。
【0011】
係止タブは、係止位置にあるとき枢動機構の回転度ごとのモーメントの増大によって規定された剛性を持つ。剛性は、およそ7.5Nmm/度より大きくてもよい。剛性は、およそ0.5Nmm/度と7.5Nmm/度との間であってもよい。
【0012】
枢動機構は、ヘッドと基部との間に延在し、それぞれのヘッドジョイント及び基部ジョイントにおいてヘッド及び基部に連結された1対のアームを含む4節リンク機構を備え、ヘッドジョイント及び基部ジョイントの各々が、それぞれの平行な枢軸周りでの枢動を可能にし、ヘッドは、4節リンク機構の1つの節であり、基部は、4節リンク機構の1つの節であり、各アームは、4節リンク機構の1つの節である。回転式係止要素は、係合位置において枢動機構と相互作用して、係止位置においてヘッドを係止するように構成される。
【0013】
枢動機構は、ヘッド枢軸に平行な方向に離隔された2つの4節リンク機構を備えてもよく、ヘッドは、2つの4節リンク機構の1つの節であり、基部は、2つの4節リンク機構の1つの節である。合計4つのアームとなるように、各4節リンク機構に対してヘッドと基部との間に延在する2つのアームがあってもよいし、各アームが2つの分岐ストランドを備え、各分岐ストランドが異なる4節リンク機構の1つの節を形成する、2つのアームがあってもよい。
【0014】
各パドルは、異なる4節リンク機構のアーム間において、ヘッドから基部まで延在するように構成される。
【0015】
第2の態様によれば、前述の段落のいずれかに記載の取付け組立体を備えたヘアカット機器が提供される。
【0016】
これら及び他の態様は、以下で説明する実施形態を参照して明らかとなり、解明されるであろう。
【0017】
例示のみを目的として、以下の図面を参照して、例示的な実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ヘアカット機器を概略的に示す等角図である。
図2】ヘアカット機器用の取付け組立体を概略的に示す等角図である。
図3図2の取付け組立体を概略的に示す分解図である。
図4図2及び図3の取付け組立体を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、ハンドル12と、ハンドル12に固定された取付け組立体20と、取付け組立体20上に受けられた切断ユニット14とを備えるヘアカット機器10を示す。取付け組立体20は、ハンドル12に対して切断ユニット14のヘッド枢軸50の周りで枢動を可能にするように構成される。いくつかの例では、取付け組立体は、切断ユニットがハンドルに対して2つの垂直な軸の周りで枢動可能となるように、ヘッド枢軸に垂直な副軸の周りでの枢動をさらに可能にしてもよい。
【0020】
図2は取付け組立体20をより詳細に示し、図3は取付け組立体20の分解図を示し、図4は取付け組立体20の線A-Aを通る断面図を示す。これらの図の各々は、取付け組立体に取り付けられる、切断ユニットを駆動するための駆動部を省略しているが、取付け組立体は、切断ユニットを往復駆動するために、そのような駆動部をさらに備え得ることを理解されたい。
【0021】
取付け組立体20は、基部22と、ヘッド24とを備える(図4ではヘッド24のみを示す)。基部22は、ハンドル12に固定されるように構成される。ヘッド24は、切断ユニット14を受けるように構成される。基部22は、ヘッド24が基部22に対して枢動可能となるようにヘッド24に連結される。いくつかの例では、基部は、ハンドルと一体であってもよい。
【0022】
取付け組立体20は、基部22をヘッド24に連結し、ヘッド枢軸50の周りで基部22に対するヘッド24の枢動を可能にするように構成された枢動機構30を備える。この例では、枢動機構30は、2つの4節リンク機構を備え、これらの4節リンク機構は、ヘッド枢軸50に平行な方向に離隔され、各4節リンク機構は、ヘッド24と基部22との間に延在する1対のアーム26を含む。各アーム26は、それぞれのヘッドジョイント28においてヘッド24に連結され、それぞれの基部ジョイント32において基部に連結され、その結果、ヘッド24が、両4節リンク機構の1つの節となり、基部22が両4節リンク機構の1つの節となり、各アーム26が、これらの4節リンク機構のそれぞれの4節リンク機構の1つの節となる。したがって、この例では、合計4つのアーム26がある。
【0023】
ヘッドジョイント28(この例では、合計4つのヘッドジョイント28)は、それぞれのアーム26とヘッド24との間の枢動を可能にし、ヘッドジョイント28は、ヘッド枢軸50に平行なそれぞれの枢軸を中心としてそれぞれのアーム26とヘッド24とを相互連結する。基部ジョイント32は、それぞれのアーム26と基部22との間の枢動を可能にし、基部ジョイント32は、同じくヘッド枢軸50に平行なそれぞれの枢軸を中心としてそれぞれのアーム26と基部22とを相互連結する。したがって、ヘッドジョイント28の枢軸は、基部ジョイント32の枢軸に平行となり、両4節リンク機構が、互いに調和して動くことを可能にする。2つの4節リンク機構は、同じ寸法を持ち、一方の4節リンク機構のヘッドジョイント28は、他方の4節リンク機構のヘッドジョイント28と同じ枢軸を共有し、一方の4節リンク機構の基部ジョイント32は、他方の4節リンク機構の基部ジョイント32と同じ枢軸を共有する。
【0024】
4節リンク機構を備える枢動機構30は、ヘッド枢軸50の周りでヘッド24が枢動可能となるヘッド枢軸50が、基部22に対してヘッドの対向する側でヘッド24の直上に位置する仮想枢軸となることを確実にする。ヘッド枢軸50をヘッド24の直上にある仮想枢軸とすることにより、この取付け組立体20を備えるヘアカット機器10が適用される物体に対するヘッドのより優れた適合を可能にする。
【0025】
他の例では、枢動機構が、単一の4節リンク機構のみを備えてもよいし、2つの4節リンク機構が、2つの分岐ストランドを持つアームを備え、単一のアームの各分岐ストランドが、異なる4節リンク機構の1つの節を形成してもよい。さらに他の例では、枢動機構は、単純なピボットによって基部に連結するヘッドなど、ヘッド枢軸を中心とする基部に対するヘッドの枢動を可能にする任意の好適な機構を備えてもよい。
【0026】
この例では、取付け組立体20は、ヘッド24に固定され、ヘッド24から基部22に向かって延在する1対のパドル48を備える。パドル48は、ヘッド枢軸50に平行な方向に沿って離隔され、各パドル48は、異なる4節リンク機構においてアーム26間に延在する。したがって、各パドル48は、両枢動方向上の限界を超える4節リンク機構の枢動を妨げる、各4節リンク機構のためのストロークリミッターとして機能する。他の例では、パドルが、4節リンク機構の間に延在しなくてもよいし、単一のパドルのみ、又はパドルなしであってもよい。
【0027】
取付け組立体20は、基部22に対してヘッド24の枢動を選択的に防止することによって、係止位置においてヘッド24を選択的に係止するように構成された回転式係止要素40をさらに備える。係止要素40は、基部22に固定され、この例では、ヘッド枢軸50に垂直な回転軸52の周りで回転可能である。他の例では、回転軸は、ヘッド枢軸に平行なものなど、任意の好適な軸であってもよい。
【0028】
この例では、係止要素40は、中空で浅い円筒形のプロファイルを持つ支持体44から突出し、回転軸52を中心として、支持体44の互いに対向する側に配置された1対の係止タブ42を備える。係止タブは、支持体44からヘッド24に向かう方向に突出する。この例では、係止タブ42は、係止要素40の支持体44上で、回転軸52の周りで180度離して配置されている。他の例では、係止タブは、任意の好適な方向で突出してもよく、支持体の周りで任意の好適なロケーションで配置されてもよい。
【0029】
係止タブ40は、基部22からヘッド24に向かって突き出している中央柱46の周りに着座するとともに、中央柱46に対して回転するように構成される。係止要素40は、係合位置(図2に示す)と係合解除位置(図示せず)との間で回転するように構成される。中央柱は、取付け組立体上で切断ユニットを往復駆動させるための駆動ユニットの部品を受け入れるための中央開口を備える。他の例では、駆動ユニットは、任意の好適なロケーションに置かれてもよい。
【0030】
この例では、係合位置において、係止要素40の係止タブ42は、ヘッド24に固定されたパドル48と相互作用してヘッド24の枢動を妨げ、ヘッド24を係止位置に係止するように構成される。例えば、ユーザが、トリマーを動かさずに予め決められた角度でヘアトリマーを使用できることを望む場合又は旅行のために、係止位置においてヘッド24を係止可能とすることは有利である。
【0031】
係止要素40が、係合位置と係合解除位置との間で回転されると、係止要素の互いに対向する側にある係止タブ42は、各々、異なるパドル48に接近してそれと係合し、その結果、各係止タブ42が、ヘッド枢軸50の周りでパドル48を介してヘッド24に互いに逆向きの枢動モーメントを与え、それにより、係止位置においてヘッド24を係止するように構成される。
【0032】
係止要素40が、係合解除位置に回転されると、係止タブ42は、ヘッド枢軸50の周りで基部22に対するヘッド24の枢動を妨げず、その結果、ヘッド24は、ヘッド枢軸50の周りで基部22に対して自由に枢動可能となる。
【0033】
係止要素40は、係合位置に向かうその回転中にヘッド24又は枢動機構と係合するように構成され、これにより、ヘッド24は係止位置へとドライブされ、その結果、ヘッドは、そこで係止されるために手動で係止位置に位置決めされる必要がなくなる。
【0034】
係止要素40は、係止要素40の支持体44と中央柱46との相互作用によって係合位置に保持される(図4を見ると最もよく分かる)。支持体44は、中空円筒形状の内面から突き出している1対のスナップタブ54を備え、これらのスナップタブ54は、スナップフィット配置構成において、中央柱46の外面から突き出している対応する対のスナップ溝56それぞれと協働するように構成される。他の例では、係止要素を係合位置に保持する摩擦フィットであってもよいし、中央柱、又は係止要素が相互作用する基部の他の部分に対して係止要素を保持するための任意の他の手段であってもよい。
【0035】
支持体44はまた、支持体44の内面から突き出しているブロック60を備える。ブロック60は、中央柱46の外面上の止め部62と協働して、係合解除位置を超える中央柱46に対する係止要素40の回転を阻止するように構成される。中央柱46の外径はまた、止め部62まで増大しており、それにより、ブロック60が止め部62に当接すると、ブロック60は、中央柱46と摩擦的に協働して係合解除位置において係止要素40を保持する。
【0036】
係止タブ42は、係止タブ42がパドル48と係合状態にあるときヘッド枢軸50の周りでのヘッド24の回転度ごとのヘッド24に対するモーメントの増大によって規定される剛性を持つ。この例における剛性は、係止タブ42が係止位置においてヘッド24をしっかりと係止し続けることを確実にするように、およそ7.5Nmm/度である。他の例では、係止タブは、およそ0.5Nmm/度の剛性を持つように可撓性があってもよい。これにより、ヘッドが係止位置においてわずかに動くことができ、枢動機構の剛性を効果的に増大させる。ヘッドのいくらかの動きを可能にする、より可撓性のある係止タブを持つことは、敏感でない肌を持つユーザが、さらなる深剃りを達成するために取付け組立体により高い負荷を加えることが可能となるため、そのようなユーザには有益となり得る。
【0037】
係止要素40は、それぞれのパドル48と相互作用して、係止位置においてヘッド24を係止する2つの係止タブ42を備えるものとして説明したが、いくつかの例では、係止要素は、単一の係止タブのみを備えてもよく、これは、パドル、ヘッド、又は枢動機構と係合し、ヘッド、パドル、又は枢動機構を、パドルが4節リンク機構のアームのうちの1つと係合する限界である係止位置まで押圧することによってヘッドの枢動を妨げる。他の例では、係止要素は、係止要素が2つの異なる方向において2つの異なる係合位置まで回転されて、ヘッドに対して2つの異なる係止位置を提供できるように、3つ又は4つの係止タブを備えてもよい。
【0038】
さらなる例では、パドルがない場合、係止要素が係合位置にあるとき、係止タブは、4節リンク機構のアームと係合してヘッドの枢動を妨げ、それにより、係止位置においてヘッドを係止するように構成されてもよい。
【0039】
係止要素上に係止タブがない、さらに他の例では、係止要素の他の部分が、基部に対してヘッドの枢動を妨げて、ヘッド枢軸を中心とする係止位置においてヘッドを係止するように構成されてもよく、例えば、係止要素は、楕円の断面形状など、回転軸を中心とする回転不規則な形状を持つ同じ4節リンク機構の2つのアーム間に配置される。楕円の長手が、ヘッド枢軸に平行であるとき、係止要素は、ヘッドの枢動に干渉しないように係合解除位置となり、長手がヘッド枢軸に垂直となるように回転されると、係止要素は、枢動機構のアームと係合されて、基部に対するアームの枢動を阻止し、したがって、ヘッド枢軸を中心とするヘッドの枢動を阻止する。
【0040】
係止要素は、係合位置及び係合解除位置を持つものとして説明したが、係止要素は、係合位置と係合解除位置との間にさらなる中間位置を持っていてもよく、係止要素は、例えば、中央柱と支持体との間の摩擦的な相互作用によって、これらの中間位置まで回転され、保持され得る。これらの中間位置において、係止タブは、ヘッドがヘッド枢軸の周りで自由に動くことを可能にするが、パドルがアームと係合する前の新たな限界までヘッドの枢動を限定してもよい。これにより、ユーザがヘッドの枢動のより限定された範囲を選択することが可能となる。
【0041】
開示される実施形態に対する変形は、本明細書に記載の原理及び技法を実践する当業者によって、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討により、理解及び実行され得る。特許請求の範囲において、「備える(有する、含む)」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形は、複数を除外しない。単に、特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという事実は、これらの手段の組合せが、利点を得るために使用できないことを示すものではない。特許請求の範囲における任意の参照符号は、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】