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特表2024-524643誘導加熱装置を備えるエアロゾル発生装置およびシステムならびにその動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】誘導加熱装置を備えるエアロゾル発生装置およびシステムならびにその動作方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20240628BHJP
   A24F 40/57 20200101ALI20240628BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20240628BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/57
A24F40/51
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024501606
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2022069459
(87)【国際公開番号】W WO2023285459
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】21185114.2
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ブタン ヤニック
(72)【発明者】
【氏名】シャトー マキシム
(72)【発明者】
【氏名】ストゥラ エンリコ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC34
4B162AD06
4B162AD08
4B162AD16
(57)【要約】
エアロゾル発生装置におけるエアロゾル生成を制御するための方法が提供される。エアロゾル発生装置は、サセプタを加熱するための誘導加熱配設を備える。誘導加熱配設は、電源電子回路と電源電子回路に電力を提供するための電源とを備える。方法は、電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが目標温度を有するようにすることと、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置の動作中に電源電子回路に関連付けられた温度を測定することと、測定された電源電子回路に関連付けられた温度の変化に基づいて、電源電子回路に提供される電力を調整することとを含む。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置におけるエアロゾル生成を制御するための方法であって、前記エアロゾル発生装置が、サセプタを加熱するための誘導加熱配設を備え、前記誘導加熱配設が、電源電子回路と、前記電源電子回路に電力を提供するための電源とを含み、前記方法が、
前記電源電子回路に提供される前記電力を制御して、前記サセプタが目標温度を有するようにすることと、
エアロゾルを発生するための前記エアロゾル発生装置の動作中に前記電源電子回路の温度を測定することと、
前記測定された前記電源電子回路の温度の変化に基づいて、前記電源電子回路に提供される前記電力を調整することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記電源電子回路に提供される前記電力を制御して、前記サセプタが目標温度を有するようにすることが、前記電源電子回路に提供される前記電力を制御して、前記サセプタに関連付けられたコンダクタンス値または電流値を前記目標温度に対応する目標値に維持することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定された前記電源電子回路の温度の変化に基づいて、前記電源電子回路に提供される前記電力を調整することが、前記電源電子回路に提供される前記電力を制御して、前記測定された温度が上昇するにつれて、前記サセプタに関連付けられた前記コンダクタンス値または前記電流値を減少させることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記測定された温度が上昇するにつれて、前記サセプタに関連付けられた前記コンダクタンス値または前記電流値を減少させることが、前記測定された温度の前記変化の値が増加するにつれて前記目標コンダクタンスまたは電流値を減少させる量が増加するように、前記測定された温度の前記変化の値に基づいて、前記目標コンダクタンスまたは電流値をある量だけ減少させることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記目標コンダクタンス値または目標電流値が、前記サセプタの第一の既知の温度に対応する第一の較正値、および前記サセプタの第二の既知の温度に対応する第二の較正値に基づいて判定され、前記サセプタの前記第二の既知の温度が、前記サセプタの前記第一の既知の温度より高い、請求項2~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記目標コンダクタンス値または目標電流値が、加熱プロファイルに従って、前記第一の較正値と前記第二の較正値との差の所定の割合として画定される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記加熱プロファイルが、第一の動作温度から第二の動作温度への段階的な温度の上昇を画定する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
エアロゾル発生装置であって、
サセプタを加熱するための誘導加熱配設であって、前記誘導加熱配設が、電源電子回路と前記電源電子回路に電力を提供するための電源とを含む、誘導加熱配設と、
エアロゾルを発生するための前記エアロゾル発生装置の動作中に、前記電源電子回路の温度を測定するように配設された少なくとも一つの温度センサを含むコントローラであって、前記コントローラが、
前記電源電子回路に提供される前記電力を制御して、前記サセプタが目標温度を有するようにすることと、
前記測定された電源電子回路の温度の変化に基づいて、前記電源電子回路に提供される前記電力を調整することと、を行うように構成される、コントローラと、を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記電源電子回路に提供される前記電力を制御して、前記サセプタが目標温度を有するようにすることが、前記電源電子回路に提供される前記電力を制御して、前記サセプタに関連付けられた抵抗値を前記目標温度に対応する目標値に維持することを含む、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記測定された前記電源電子回路の温度の変化に基づいて、前記電源電子回路に提供される前記電力を調整することが、前記電源電子回路に提供される前記電力を制御して、前記測定された温度が上昇するにつれて、前記サセプタに関連付けられた前記抵抗値を増加させることを含む、請求項9に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記測定された温度が上昇するにつれて、前記サセプタに関連付けられた前記抵抗値を増加させることが、前記測定された温度の前記変化の値が増加するにつれて前記目標抵抗値を増加させる量が増加するように、前記測定された温度の前記変化の値に基づいて、前記目標抵抗値をある量だけ増加させることを含む、請求項10に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記目標抵抗値を減少させる前記量が、前記測定された温度の変化にドリフト補正値を乗じた量に基づく、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記ドリフト補正値が定数である、または、前記ドリフト補正値が、前記測定された前記電源電子回路に関連付けられた温度が上昇するにつれて増加する、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記コントローラが、
i)前記電源電子回路に提供される前記電力を制御して、前記サセプタが第一の既知の温度を有するようにすることと、
前記サセプタが前記第一の既知の温度にある時に、
ii)前記サセプタに関連付けられたコンダクタンス値、電流値、または抵抗値を判定することと、
iii)前記電源電子回路に関連付けられた温度を判定することと、
工程i)~iii)を少なくとも二回繰り返すことと、を含む工程を実施することによって、前記ドリフト補正値を判定するように構成される、請求項12または13に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
エアロゾル発生システムであって、
請求項8~14のいずれかに記載のエアロゾル発生装置と、
エアロゾル発生物品であって、前記エアロゾル発生物品が、エアロゾル形成基体、および前記エアロゾル形成基体と熱的に接触している前記サセプタを含む、エアロゾル発生物品と、を備える、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル形成基体を加熱するための誘導加熱装置に関する。本発明はさらに、このような誘導加熱装置を含むエアロゾル発生装置、およびエアロゾル発生装置におけるエアロゾル生成を制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生装置は、エアロゾルを生成するためにエアロゾル形成基体を加熱するように構成された電気的に作動する熱源を含み得る。エアロゾル発生装置にとって、エアロゾルの最適な発生およびユーザーへの送達を確保するために、電気的に作動する熱源の温度を正確に監視および制御することが重要である。過熱は、望ましくない化合物の発生だけでなく、ユーザーにとって不快な味覚および芳香をもたらす可能性があるため、電気的に作動する熱源がエアロゾル形成基体を過熱しないことを確保することが重要である。この目的のために、エアロゾル発生装置は、警報を発生する、および電気的に作動する熱源をオフにするなどの、過熱の検出に応答する安全機構を備えてもよい。
【0003】
過熱のリスクを低減し、かつエアロゾル発生装置の継続的な通常の動作を確保するために信頼性のある温度調節を提供する、誘導加熱装置の温度監視および制御を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態によれば、エアロゾル発生装置におけるエアロゾル生成を制御するための方法が提供される。エアロゾル発生装置は、サセプタを加熱するための誘導加熱配設を備える。誘導加熱配設は、電源電子回路と電源電子回路に電力を提供するための電源とを備える。方法は、電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが目標温度を有するようにすることと、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置の動作中に、電源電子回路に関連付けられた温度を測定することと、測定された電源電子回路に関連付けられた温度の変化に基づいて、電源電子回路に提供される電力を調整することとを含む。
【0005】
測定された電源電子回路に関連付けられた温度の変化に基づいて、電源電子回路に提供される電力を調整することにより、サセプタの温度をより正確かつ高い信頼性で調節することが可能になると同時に、ユーザーの体験に影響を及ぼす可能性がある、エアロゾル発生装置の動作中の再較正の必要性が減少する。
【0006】
電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが目標温度を有するようにすることは、電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値または電流値を目標温度に対応する目標値に維持することを含み得る。
【0007】
測定された電源電子回路に関連付けられた温度の変化に少なくとも部分的に基づいて、電源電子回路に提供される電力を調整することは、電源電子回路に提供される電力を制御して、測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値または電流値を減少させることを含み得る。
【0008】
これにより、エアロゾル発生装置が最高温度またはそれに近い温度で動作するときに、装置の改善された安全性のために過熱が防止される。さらに、エアロゾル形成基体の過熱は、エアロゾル形成基体の望ましくない構成成分の形成をもたらし得る。したがって、サセプタの温度のより正確かつ信頼性が高い調節により、ユーザーに対する安全性が改善される。
【0009】
測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値または電流値を減少させることは、測定された温度の変化の値が増加するにつれて目標コンダクタンスまたは電流値を減少させる量が増加するように、測定された温度の変化の値に基づいて、目標コンダクタンスまたは電流値をある量だけ減少させることを含み得る。
【0010】
目標コンダクタンスまたは電流値を減少させる量は、測定された温度の変化にドリフト補正値を乗じた量に基づいてもよい。
【0011】
電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが目標温度を有するようにすることは、電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタに関連付けられた抵抗値を目標温度に対応する目標抵抗値に維持することを含み得る。
【0012】
測定された電源電子回路に関連付けられた温度の変化に少なくとも部分的に基づいて、電源電子回路に提供される電力を調整することは、電源電子回路に提供される電力を制御して、測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられた抵抗値を増加させることを含み得る。
【0013】
これにより、エアロゾル発生装置が最高温度またはそれに近い温度で動作するときに、装置の改善された安全性のために過熱が防止される。さらに、エアロゾル形成基体の過熱は、エアロゾル形成基体の望ましくない構成成分の形成をもたらし得る。したがって、サセプタの温度のより正確かつ信頼性が高い調節により、ユーザーに対する安全性が改善される。
【0014】
測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられた抵抗値を増加させることは、測定された温度の変化の値が増加するにつれて目標抵抗値を増加させる量が増加するように、測定された温度の変化の値に基づいて、目標抵抗値をある量だけ増加させることを含み得る。
【0015】
目標抵抗値を減少させる量は、測定された温度の変化にドリフト補正値を乗じた量に基づいてもよい。
【0016】
ドリフト補正値は定数であってもよい。
【0017】
ドリフト補正値は、測定された電源電子回路に関連付けられた温度が上昇するにつれて増加し得る。
【0018】
これにより、測定された温度が上昇するにつれて、目標コンダクタンス値をさらに減少させるか、または目標抵抗値をさらに増加させることによって、エアロゾル形成基体を過熱するリスクがさらに減少する。
【0019】
ドリフト補正値は、区分線形関数に従って増加してもよく、区分線形関数は、正の勾配を有する一次多項式と、ゼロの勾配を有する一次多項式とを含む。
【0020】
ドリフト補正値は、平方根関数に従って増加してもよい。
【0021】
方法は、少なくとも一つのドリフト補正値をエアロゾル発生装置のメモリに記憶することをさらに含み得る。
【0022】
方法は、複数のドリフト補正値およびそれぞれの対応する温度値をエアロゾル発生装置のメモリに記憶することをさらに含み得る。
【0023】
ドリフト補正値は、0.05~0.5であってもよい。
【0024】
方法は、ドリフト補正値を判定することをさらに含み得る。ドリフト補正値を判定することは、i)電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが第一の既知の温度を有するようにする工程と、サセプタが第一の既知の温度にある時に、ii)サセプタに関連付けられたコンダクタンス値、電流値、または抵抗値を判定する工程と、iii)電源電子回路に関連付けられた温度を判定する工程と、工程i)~iii)を少なくとも二回繰り返す工程とを含み得る。
【0025】
目標コンダクタンス値、目標電流値、または目標抵抗値は、サセプタの第一の既知の温度に対応する第一の較正値、およびサセプタの第二の既知の温度に対応する第二の較正値に基づいて判定されてもよい。サセプタの第二の既知の温度は、サセプタの第一の既知の温度より高くてもよい。
【0026】
目標コンダクタンス値、目標電流値、または目標抵抗値は、加熱プロファイルに従って、第一の較正値と第二の較正値との差の所定の割合として画定されてもよい。
【0027】
加熱プロファイルは、第一の動作温度から第二の動作温度への温度の段階的な上昇を画定し得る。
【0028】
第一の動作温度は、エアロゾル形成基体がエアロゾルを形成するのに十分であり得る。
【0029】
第二の動作温度は、第二の既知の温度を下回ってもよい。
【0030】
加熱プロファイルは、少なくとも三つの連続的な温度ステップを画定してもよく、各温度ステップは、それぞれの持続時間を有する。
【0031】
誘導加熱配設に提供される電力を制御することにより、数回の吸煙、例えば、14回の吸煙のユーザー体験全体、または6分などの所定の時間間隔を包含する持続的な期間にわたる、ユーザーの体験全体を通した各吸煙に対して送達(ニコチン、風味、エアロゾル体積など)が実質的に一定であるエアロゾルの発生を可能にする、サセプタの温度の段階的な上昇が生じる。具体的には、サセプタの温度の段階的な上昇は、サセプタの近くにおける基体枯渇によるエアロゾル送達の低減および経時的な熱拡散の低減を防止する。さらに、段階的な温度上昇は、各段階において熱を基体内に拡散させることを可能にする。
【0032】
方法は、エアロゾル発生装置を較正して、第一の較正値および第二の較正値を測定することをさらに含んでもよい。エアロゾル発生装置を較正することは、誘導加熱配設に提供される電力を制御して、所定の温度範囲を通してサセプタを加熱および冷却することと、電源パラメータを監視して、サセプタの可逆的相転移の開始点および終了点を特定することとを含んでもよく、電源パラメータは、電流、コンダクタンス、または抵抗のうちの一つである。第一の較正値は、サセプタの可逆的相転移の開始点に対応する電源パラメータ値であってもよい。第二の較正値は、サセプタの可逆的相転移の終了点に対応する電源パラメータ値であってもよい。
【0033】
エアロゾルを発生するための加熱配設の動作前に、エアロゾル発生装置を較正して、第一の較正値および第二の較正値を測定する。
【0034】
方法は、エアロゾルを発生するための加熱配設の動作中に、エアロゾル発生装置を較正して、第一の較正値および第二の較正値を測定することを含み得る。
【0035】
したがって、加熱プロセスを制御するために使用される較正値は、較正プロセスを製造時に実施する場合よりも、より正確かつ信頼性がある。これは、サセプタが、エアロゾル発生装置の一部を形成しない、別個のエアロゾル発生物品の一部を形成する場合に特に重要である。こうした状況では、製造時における較正は不可能である。
【0036】
エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置の動作中に電源電子回路に関連付けられた温度を測定することは、第一の温度センサを使用して電源電子回路の第一の部分の温度を測定することを含み得る。
【0037】
第一の温度センサは、熱電対、負温度係数抵抗温度センサ、および正温度係数抵抗温度センサのうちの一つであってもよい。
【0038】
エアロゾル発生装置の動作中に電源電子回路の少なくとも一つの部分の温度を測定することは、第二の温度センサを使用して電源電子回路の第二の部分の温度を測定することをさらに含む。
【0039】
第二の温度センサは、熱電対、負温度係数抵抗温度センサ、および正温度係数抵抗温度センサのうちの一つであってもよい。
【0040】
方法は、電源から引き出されるDC電流を測定することをさらに含んでもよく、コンダクタンス値または抵抗値は、電源のDC供給電圧、および電源から引き出されるDC電流に基づいて判定される。
【0041】
方法は、電源のDC供給電圧を測定することをさらに含み得る。
【0042】
本発明の別の実施形態によれば、エアロゾル発生装置が提供される。エアロゾル発生装置は、サセプタを加熱するための誘導加熱配設とコントローラとを備える。誘導加熱配設は、電源電子回路と電源電子回路に電力を提供するための電源とを備える。コントローラは、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置の動作中に、電源電子回路に関連付けられた温度を測定するように配設された少なくとも一つの温度センサを含む。コントローラは、電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが目標温度を有するようにすることと、測定された電源電子回路に関連付けられた温度の変化に基づいて、電源電子回路に提供される電力を調整することとを行うように構成される。
【0043】
電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが目標温度を有するようにすることは、電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値または電流値を目標温度に対応する目標値に維持することを含み得る。
【0044】
測定された電源電子回路に関連付けられた温度の変化に少なくとも部分的に基づいて、電源電子回路に提供される電力を調整することは、電源電子回路に提供される電力を制御して、測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値または電流値を減少させることを含み得る。
【0045】
コントローラは、測定された温度の変化の値が増加するにつれて目標コンダクタンスまたは電流値を減少させる量が増加するように、測定された温度の変化の値に基づいて、目標コンダクタンスまたは電流値をある量だけ減少させることによって、測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値または電流値を減少させるように構成され得る。
【0046】
目標コンダクタンスまたは電流値を減少させる量は、測定された温度の変化にドリフト補正値を乗じた量に基づいてもよい。
【0047】
電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが目標温度を有するようにすることは、電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタに関連付けられた抵抗値を目標温度に対応する目標値に維持することを含み得る。
【0048】
測定された電源電子回路に関連付けられた温度の変化に少なくとも部分的に基づいて、電源電子回路に提供される電力を調整することは、電源電子回路に提供される電力を制御して、測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられた抵抗値を増加させることを含み得る。
【0049】
測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられた抵抗値を増加させることは、測定された温度の変化の値が増加するにつれて目標抵抗値を増加させる量が増加するように、測定された温度の変化の値に基づいて、目標抵抗値をある量だけ増加させることを含み得る。
【0050】
目標抵抗値を減少させる量は、測定された温度の変化にドリフト補正値を乗じた量に基づいてもよい。
【0051】
ドリフト補正値は定数であってもよい。
【0052】
ドリフト補正値は、測定された電源電子回路に関連付けられた温度が上昇するにつれて増加し得る。
【0053】
ドリフト補正値は、区分線形関数に従って増加してもよく、区分線形関数は、正の勾配を有する一次多項式と、ゼロの勾配を有する一次多項式とを含む。
【0054】
ドリフト補正値は、平方根関数に従って増加してもよい。
【0055】
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つのドリフト補正値を記憶するように構成されたメモリをさらに備えてもよい。
【0056】
エアロゾル発生装置は、複数のドリフト補正値およびそれぞれの対応する温度値を記憶するように構成されたメモリをさらに備えてもよい。
【0057】
ドリフト補正値は、0.05~0.5であってもよい。
【0058】
コントローラは、i)電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが第一の既知の温度を有するようにすることと、サセプタが第一の既知の温度にある時に、ii)サセプタに関連付けられたコンダクタンス値、電流値、または抵抗値を判定することと、iii)電源電子回路に関連付けられた温度を判定することと、工程i)~iii)を少なくとも二回繰り返すこととを含む工程を実施することによって、ドリフト補正値を判定するように構成され得る。
【0059】
目標コンダクタンス値、電流値、または抵抗値は、サセプタの第一の既知の温度に対応する第一の較正値、およびサセプタの第二の既知の温度に対応する第二の較正値に基づいて判定されてもよい。サセプタの第二の既知の温度は、サセプタの第一の既知の温度より高くてもよい。
【0060】
目標コンダクタンス値、電流値、または抵抗値は、加熱プロファイルに従って、第一の較正値と第二の較正値との差の所定の割合として画定されてもよい。
【0061】
加熱プロファイルは、第一の動作温度から第二の動作温度への温度の段階的な上昇を画定し得る。
【0062】
第一の動作温度は、エアロゾル形成基体がエアロゾルを形成するのに十分であり得る。
【0063】
第二の動作温度は、第二の既知の温度を下回ってもよい。
【0064】
加熱プロファイルは、少なくとも三つの連続的な温度ステップを画定してもよく、各温度ステップは、それぞれの持続時間を有する。
【0065】
コントローラが、エアロゾル発生装置を較正して第一の較正値および第二の較正値を測定するようにさらに構成され得る、エアロゾル発生装置。エアロゾル発生装置を較正することは、誘導加熱配設に提供される電力を制御して、所定の温度範囲を通してサセプタを加熱および冷却することと、電源パラメータを監視して、サセプタの可逆的相転移の開始点および終了点を特定することとを含み得る。電源パラメータは、電流、コンダクタンス、または抵抗のうちの一つであってもよい。第一の較正値は、サセプタの可逆的相転移の開始点に対応する電源パラメータ値であってもよい。第二の較正値は、サセプタの可逆的相転移の終了点に対応する電源パラメータ値であってもよい。
【0066】
コントローラは、エアロゾルを発生するための加熱配設の動作前に、エアロゾル発生装置の較正を実施して、第一の較正値および第二の較正値を測定するようにさらに構成されてもよい。
【0067】
コントローラは、エアロゾルを発生するための加熱配設の動作中に、エアロゾル発生装置を較正して、第一の較正値および第二の較正値を測定するようにさらに構成されてもよい。
【0068】
少なくとも一つの温度センサは、熱電対、負温度係数抵抗温度センサ、および正温度係数抵抗温度センサのうちの一つであってもよい。
【0069】
少なくとも一つの温度センサは、第一の温度センサおよび第二の温度センサを含み得る。
【0070】
第一の温度センサは、熱電対、負温度係数抵抗温度センサ、および正温度係数抵抗温度センサのうちの一つであってもよく、第二の温度センサは、熱電対、負温度係数抵抗温度センサ、および正温度係数抵抗温度センサのうちの一つであってもよい。
【0071】
エアロゾル発生装置は、電源から引き出されるDC電流を測定するように構成された電流センサをさらに備えてもよく、コンダクタンス値または抵抗値は、電源のDC供給電圧、および電源から引き出されるDC電流に基づいて判定される。
【0072】
エアロゾル発生装置は、電源のDC供給電圧を測定するように構成された電圧センサをさらに備え得る。
【0073】
本発明の別の実施形態によれば、上述のようなエアロゾル発生装置とエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体、およびエアロゾル形成基体と熱的に接触しているサセプタを含み得る。
【0074】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾルを発生するためにエアロゾル形成基体と相互作用する装置を指す。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、エアロゾル形成基体を含むカートリッジとのうちの一方または両方と相互作用してもよい。一部の実施例において、エアロゾル発生装置はエアロゾル形成基体を加熱して、基体からの揮発性化合物の放出を容易にする場合がある。電気的に作動するエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成するための、電気ヒーターなどのアトマイザーを備えてもよい。
【0075】
本明細書で使用される「エアロゾル発生システム」という用語は、エアロゾル形成基体とのエアロゾル発生装置の組み合わせを指す。エアロゾル形成基体が、エアロゾル発生物品の一部を形成する時、エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生物品とのエアロゾル発生装置の組み合わせを指す。エアロゾル発生システムでは、エアロゾル形成基体およびエアロゾル発生装置は協働して、エアロゾルを発生する。
【0076】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱する、または燃焼することによって放出されてもよい。加熱または燃焼に代わるものとして、一部の場合において、化学反応によって、または超音波などの機械的な刺激によって揮発性化合物が放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体であってもよく、または固体構成成分と液体構成成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部であってもよい。
【0077】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。たばこを含むエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品は、本明細書においてたばこスティックと呼ばれる場合がある。
【0078】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよく、例えば加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料、例えばキャストリーフたばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は固体成分と液体成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例はグリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0079】
本明細書で使用される「エアロゾル冷却要素」は、使用中に、エアロゾル形成基体から放出される揮発性化合物によって形成されたエアロゾルが、ユーザーによって吸入される前にエアロゾル冷却要素を通過し、かつエアロゾル冷却要素によって冷却されるように、エアロゾル形成基体の下流に配置されるエアロゾル発生物品の構成要素を指す。エアロゾル冷却要素は広い表面積を有するが、低い圧力降下を生じさせる。高い圧力降下を発生させるフィルターおよび他のマウスピース(例えば繊維の束で形成されたフィルター)は、エアロゾル冷却要素とは見なされない。エアロゾル発生物品内のチャンバーおよび空洞は、エアロゾル冷却要素とは見なされない。
【0080】
本明細書で使用される場合、「マウスピース」という用語は、エアロゾルを直接吸入するためにユーザーの口の中へと入れられる、エアロゾル発生物品、エアロゾル発生装置、またはエアロゾル発生システムの一部分を意味する。
【0081】
本明細書で使用される場合、「サセプタ」という用語は、磁場のエネルギーを熱へと変換する能力を有する材料を含む要素を指す。サセプタが交番磁界内に位置しているときに、サセプタは加熱される。サセプタの加熱は、サセプタ材料の電気的特性および磁性に依存して、サセプタ内で誘導されるヒステリシス損失および渦電流のうちの少なくとも一つの結果であり得る。
【0082】
エアロゾル発生装置に言及する際に本明細書で使用される場合、「上流」および「前方」、ならびに「下流」および「後方」という用語は、エアロゾル発生装置の使用中に空気がエアロゾル発生装置を通って流れる方向に関連して、エアロゾル発生装置の構成要素の、または構成要素の部分の相対的な位置を説明するために使用される。本発明によるエアロゾル発生装置は、使用時にエアロゾルが通って装置を出る近位端を備える。エアロゾル発生装置の近位端はまた、口側端または下流端と呼ばれてもよい。口側端は遠位端の下流である。エアロゾル発生物品の遠位端はまた、上流端と呼ばれてもよい。エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分は、エアロゾル発生装置の気流経路に対するこれらの相対的な位置に基づいて、互いの上流または下流にあるものとして説明されてもよい。
【0083】
エアロゾル発生物品に言及する際に本明細書で使用される場合、「上流」および「前方」、ならびに「下流」および「後方」という用語は、エアロゾル発生物品の使用中にエアロゾル発生物品を通って空気が流れる方向に関連して、エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分の相対的位置を説明するために使用される。本発明によるエアロゾル発生物品は、使用時にエアロゾルが通って物品を出る近位端を備える。エアロゾル発生物品の近位端はまた、口側端または下流端と呼ばれる場合がある。口側端は遠位端の下流である。エアロゾル発生物品の遠位端はまた、上流端と呼ばれてもよい。エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分は、エアロゾル発生物品の近位端とエアロゾル発生物品の遠位端との間のこれらの相対的位置に基づき互いの上流または下流にあると説明されうる。エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分の前方は、エアロゾル発生物品の上流端に最も近い端にある部分である。エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分の後方は、エアロゾル発生物品の下流端に最も近い端にある部分である。
【0084】
本明細書で使用される場合、「誘導的に結合する」という用語は、交番磁界によって貫通されたときにサセプタを加熱することを指す。加熱は、サセプタ内の渦電流の発生によって引き起こされ得る。加熱は、磁気ヒステリシス損失によって引き起こされてもよい。
【0085】
本明細書で使用される場合、「吸煙」という用語は、ユーザーが、エアロゾルをユーザーの口または鼻を介してユーザーの身体に吸い込む動作を意味する。
【0086】
本明細書で使用される「温度センサ」という用語は、熱電対、負温度係数抵抗温度センサ、または正温度係数抵抗温度センサを指す。
【0087】
本発明は特許請求の範囲に定義される。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0088】
実施例1:
エアロゾル発生装置におけるエアロゾル生成を制御するための方法であって、エアロゾル発生装置が、サセプタを加熱するための誘導加熱配設を備え、誘導加熱配設が、電源電子回路と電源電子回路に電力を提供するための電源とを含み、方法が、電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが目標温度を有するようにすることと、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置の動作中に、電源電子回路に関連付けられた温度を測定することと、測定された電源電子回路に関連付けられた温度の変化に基づいて、電源電子回路に提供される電力を調整することと、を含む、方法。
実施例2:
電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが目標温度を有するようにすることが、電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値または電流値を目標温度に対応する目標値に維持することを含む、実施例1による方法。
実施例3:
測定された電源電子回路に関連付けられた温度の変化に少なくとも部分的に基づいて、電源電子回路に提供される電力を調整することが、電源電子回路に提供される電力を制御して、測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値または電流値を減少させることを含む、実施例2による方法。
実施例4:
測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値または電流値を減少させることが、測定された温度の変化の値が増加するにつれて目標コンダクタンスまたは電流値を減少させる量が増加するように、測定された温度の変化の値に基づいて、目標コンダクタンスまたは電流値をある量だけ減少させることを含む、実施例3による方法。
実施例5:
目標コンダクタンスまたは電流値を減少させる量が、測定された温度の変化にドリフト補正値を乗じた量に基づく、実施例4による方法。
実施例6:
電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが目標温度を有するようにすることが、電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタに関連付けられた抵抗値を目標温度に対応する目標抵抗値に維持することを含む、実施例1による方法。
実施例7:
測定された電源電子回路に関連付けられた温度の変化に少なくとも部分的に基づいて、電源電子回路に提供される電力を調整することが、電源電子回路に提供される電力を制御して、測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられた抵抗値を増加させることを含む、実施例6による方法。
実施例8:
測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられた抵抗値を増加させることが、測定された温度の変化の値が増加するにつれて目標抵抗値を増加させる量が増加するように、測定された温度の変化の値に基づいて、目標抵抗値をある量だけ増加させることを含む、実施例7による方法。
実施例9:
目標抵抗値を減少させる量が、測定された温度の変化の量にドリフト補正値を乗じた量に基づく、実施例8による方法。
実施例10:
ドリフト補正値が定数である、実施例5または9による方法。
実施例11:
ドリフト補正値が、測定された電源電子回路に関連付けられた温度が上昇するにつれて増加する、実施例5または9による方法。
実施例12:
ドリフト補正値が、区分線形関数に従って増加し、区分線形関数が、正の勾配を有する一次多項式と、ゼロの勾配を有する一次多項式とを含む、実施例11による方法。
実施例13:
ドリフト補正値が、平方根関数に従って増加する、実施例11による方法。
実施例14:
少なくとも一つのドリフト補正値をエアロゾル発生装置のメモリに記憶することをさらに含む、実施例5、または実施例9~13による方法。
実施例15:
複数のドリフト補正値およびそれぞれの対応する温度値をエアロゾル発生装置のメモリに記憶することをさらに含む、実施例5、または実施例9~13による方法。
実施例16:
ドリフト補正値が、0.05~0.5である、実施例5、または実施例9~15による方法。
実施例17:
i)電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが第一の既知の温度を有するようにする工程と、サセプタが第一の既知の温度にある時に、制御する工程と、ii)サセプタに関連付けられたコンダクタンス値、電流値、または抵抗値を判定する工程と、iii)電源電子回路に関連付けられた温度を判定する工程と、工程i)~iii)を少なくとも二回繰り返す工程と、を含む、ドリフト補正値を判定することをさらに含む、実施例5、または実施例9~16による方法。
実施例18:
目標コンダクタンス値、目標電流値、または目標抵抗値が、サセプタの第一の既知の温度に対応する第一の較正値、およびサセプタの第二の既知の温度に対応する第二の較正値に基づいて判定され、サセプタの第二の既知の温度が、サセプタの第一の既知の温度より高い、実施例2~17のいずれかによる方法。
実施例19:
目標コンダクタンス値、目標電流値、または目標抵抗値が、加熱プロファイルに従って、第一の較正値と第二の較正値との差の所定の割合として画定される、実施例18による方法。
実施例20:
加熱プロファイルが、第一の動作温度から第二の動作温度への温度の段階的な上昇を画定する、実施例19による方法。
実施例21:
第一の動作温度が、エアロゾル形成基体がエアロゾルを形成するのに十分である、実施例20による方法。
実施例22:
第二の動作温度が、第二の既知の温度を下回る、実施例19または21による方法。
実施例23:
加熱プロファイルが、少なくとも三つの連続的な温度ステップを画定し、各温度ステップが、それぞれの持続時間を有する、実施例19~22のいずれかによる方法。
実施例24:
エアロゾル発生装置を較正して第一の較正値および第二の較正値を測定することをさらに含み、エアロゾル発生装置を較正することが、誘導加熱配設に提供される電力を制御して、所定の温度範囲を通してサセプタを加熱および冷却することと、電源パラメータを監視して、サセプタの可逆的相転移の開始点および終了点を特定することであって、電源パラメータが、電流、コンダクタンス、または抵抗のうちの一つであり、第一の較正値が、サセプタの可逆的相転移の開始点に対応し、第二の較正値が、サセプタの可逆的相転移の終了点に対応する、監視することと、をさらに含む、実施例18~23のいずれかによる方法。
実施例25:
エアロゾルを発生するための加熱配設の動作前に、エアロゾル発生装置を較正して、第一の較正値および第二の較正値を測定することをさらに含む、実施例18~24のいずれかによる方法。
実施例26:
エアロゾルを発生するための加熱配設の動作中に、エアロゾル発生装置を較正して、第一の較正値および第二の較正値を測定することをさらに含む、実施例18~24のいずれかによる方法。
実施例27:
エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置の動作中に電源電子回路に関連付けられた温度を測定することが、第一の温度センサを使用して電源電子回路の第一の部分の温度を測定することを含む、実施例1~26のいずれかによる方法。
実施例28:
第一の温度センサが、熱電対、負温度係数抵抗温度センサ、および正温度係数抵抗温度センサのうちの一つである、実施例27による方法。
実施例29:
エアロゾル発生装置の動作中に電源電子回路の少なくとも一つの部分の温度を測定することが、第二の温度センサを使用して電源電子回路の第二の部分の温度を測定することをさらに含む、実施例1~28のいずれかによる方法。
実施例30:
第二の温度センサが、熱電対、負温度係数抵抗温度センサ、および正温度係数抵抗温度センサのうちの一つである、実施例29による方法。
実施例31:
電源から引き出されるDC電流を測定することをさらに含み、コンダクタンス値および抵抗値が、電源のDC供給電圧、および電源から引き出されるDC電流に基づいて判定される、実施例2~30のいずれかによる方法。
実施例32:電源のDC供給電圧を測定することをさらに含む、実施例31による方法。
実施例33:
サセプタを加熱するための誘導加熱配設であって、誘導加熱配設が、電源電子回路と電源電子回路に電力を提供するための電源とを含む、誘導加熱配設と、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置の動作中に、電源電子回路に関連付けられた温度を測定するように配設された少なくとも一つの温度センサを含むコントローラと、を備え、コントローラが、電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが目標温度を有するようにすることと、測定された電源電子回路に関連付けられた温度の変化に基づいて、電源電子回路に提供される電力を調整することと、を行うように構成される、エアロゾル発生装置。
実施例34:
電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが目標温度を有するようにすることが、電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値または電流値を目標温度に対応する目標値に維持することを含む、実施例33によるエアロゾル発生装置。
実施例35:
測定された電源電子回路に関連付けられた温度の変化に少なくとも部分的に基づいて、電源電子回路に提供される電力を調整することが、電源電子回路に提供される電力を制御して、測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値または電流値を減少させることを含む、実施例34によるエアロゾル発生装置。
実施例36:
コントローラが、測定された温度の変化の値が増加するにつれて目標コンダクタンスまたは電流値を減少させる量が増加するように、測定された温度の変化の値に基づいて、目標コンダクタンスまたは電流値をある量だけ減少させることによって、測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられたコンダクタンス値または電流値を減少させるように構成される、実施例35によるエアロゾル発生装置。
実施例37:
目標コンダクタンスまたは電流値を減少させる量が、測定された温度の変化にドリフト補正値を乗じた量に基づく、実施例36によるエアロゾル発生装置。
実施例38:
電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが目標温度を有するようにすることが、電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタに関連付けられた抵抗値を目標温度に対応する目標値に維持することを含む、実施例33によるエアロゾル発生装置。
実施例39:
測定された電源電子回路に関連付けられた温度の変化に少なくとも部分的に基づいて、電源電子回路に提供される電力を調整することが、電源電子回路に提供される電力を制御して、測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられた抵抗値を増加させることを含む、実施例38によるエアロゾル発生装置。
実施例40:
測定された温度が上昇するにつれて、サセプタに関連付けられた抵抗値を増加させることが、測定された温度の変化の値が増加するにつれて目標抵抗値を増加させる量が増加するように、測定された温度の変化の値に基づいて、目標抵抗値をある量だけ増加させることを含む、実施例39によるエアロゾル発生装置。
実施例41:
目標抵抗値を減少させる量が、測定された温度の変化にドリフト補正値を乗じた量に基づく、実施例40によるエアロゾル発生装置。
実施例42:
ドリフト補正値が定数である、実施例37~41によるエアロゾル発生装置。
実施例43:
ドリフト補正値が、測定された電源電子回路に関連付けられた温度が上昇するにつれて増加する、実施例37または41によるエアロゾル発生装置。
実施例44:
ドリフト補正値が、区分線形関数に従って増加し、区分線形関数が、正の勾配を有する一次多項式と、ゼロの勾配を有する一次多項式とを含む、実施例43によるエアロゾル発生装置。
実施例45:
ドリフト補正値が、平方根関数に従って増加する、実施例44によるエアロゾル発生装置。
実施例46:
少なくとも一つのドリフト補正値を記憶するように構成されたメモリをさらに備える、実施例37、または実施例41~45によるエアロゾル発生装置。
実施例47:
複数のドリフト補正値およびそれぞれの対応する温度値を記憶するように構成されたメモリをさらに備える、実施例37、または実施例41~45によるエアロゾル発生装置。
実施例48:
ドリフト補正値が0.05~0.5である、実施例37、または実施例41~47によるエアロゾル発生装置。
実施例49:
コントローラが、i)電源電子回路に提供される電力を制御して、サセプタが第一の既知の温度を有するようにすることと、サセプタが第一の既知の温度にある時に、ii)サセプタに関連付けられたコンダクタンス値、電流値、または抵抗値を判定することと、iii)電源電子回路に関連付けられた温度を判定することと、工程i)~iii)を少なくとも二回繰り返すこととを含む工程を実施することによって、ドリフト補正値を判定するように構成される、実施例37、または実施例41~48によるエアロゾル発生装置。
実施例50:
目標コンダクタンス値、電流値、または抵抗値が、サセプタの第一の既知の温度に対応する第一の較正値、およびサセプタの第二の既知の温度に対応する第二の較正値に基づいて判定され、サセプタの第二の既知の温度が、サセプタの第一の既知の温度より高い、実施例34~49のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例51:
目標コンダクタンス値、電流値、または抵抗値が、加熱プロファイルに従って、第一の較正値と第二の較正値との間の差の所定の割合として画定される、実施例50によるエアロゾル発生装置。
実施例52:
加熱プロファイルが、第一の動作温度から第二の動作温度への温度の段階的な上昇を画定する、実施例51によるエアロゾル発生装置。
実施例53:
第一の動作温度が、エアロゾル形成基体がエアロゾルを形成するのに十分である、実施例52によるエアロゾル発生装置。
実施例54:
第二の動作温度が、第二の既知の温度を下回る、実施例52または53によるエアロゾル発生装置。
実施例55:
加熱プロファイルが、少なくとも三つの連続的な温度ステップを画定し、各温度ステップがそれぞれの持続時間を有する、実施例51~54のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例56:
コントローラが、エアロゾル発生装置を較正して、第一の較正値および第二の較正値を測定するようにさらに構成され、エアロゾル発生装置を較正することが、誘導加熱配設に提供される電力を制御して、所定の温度範囲を通してサセプタを加熱および冷却することと、電源パラメータを監視して、サセプタの可逆的相転移の開始点および終了点を特定することであって、電源パラメータが、電流、コンダクタンス、または抵抗のうちの一つであり、第一の較正値が、サセプタの可逆的相転移の開始点に対応し、第二の較正値が、サセプタの可逆的相転移の終了点に対応する、監視することと、を含む、実施例52~55のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例57:
コントローラが、エアロゾルを発生するための加熱配設の動作前に、エアロゾル発生装置の較正を実施して、第一の較正値および第二の較正値を測定するようにさらに構成される、実施例51~56のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例58:
コントローラが、エアロゾルを発生するための加熱配設の動作中に、エアロゾル発生装置を較正して、第一の較正値および第二の較正値を測定するようにさらに構成される、実施例51~57のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例59:
少なくとも一つの温度センサが、熱電対、負温度係数抵抗温度センサ、および正温度係数抵抗温度センサのうちの一つ以上である、実施例33~58のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例60:
少なくとも一つの温度センサが、第一の温度センサおよび第二の温度センサを含む、実施例33~58のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例61:
第一の温度センサが、熱電対、負温度係数抵抗温度センサ、および正温度係数抵抗温度センサのうちの一つであり、第二の温度センサが、熱電対、負温度係数抵抗温度センサ、および正温度係数抵抗温度センサのうちの一つである、実施例60によるエアロゾル発生装置。
実施例62:
電源から引き出されるDC電流を測定するように構成された電流センサをさらに備え、コンダクタンス値または抵抗値が、電源のDC供給電圧、および電源から引き出されるDC電流に基づいて判定される、実施例34~61のいずれかによるエアロゾル発生装置。
実施例63:
電源のDC供給電圧を測定するように構成された電圧センサをさらに備える、実施例62によるエアロゾル発生装置。
実施例64:
実施例34~63のいずれかによるエアロゾル発生装置と、エアロゾル発生物品とを備え、エアロゾル発生物品が、エアロゾル形成基体、およびエアロゾル形成基体と熱的に接触しているサセプタを含む、エアロゾル発生システム。
【0089】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0090】
図1図1はエアロゾル発生物品の概略断面図を示す。
図2A図2Aは、図1に示すエアロゾル発生物品と共に使用するためのエアロゾル発生装置の概略断面図を示す。
図2B図2Bは、図1に示すエアロゾル発生物品と係合するエアロゾル発生装置の概略断面図を示す。
図3図3図2に関連して説明したエアロゾル発生装置の誘導加熱装置を示すブロック図である。
図4図4図3に関連して説明した誘導加熱装置の電子構成要素を示す概略図である。
図5図5は、図4に関連して説明した誘導加熱装置のLC負荷ネットワークのインダクタ上の概略図である。
図6図6はサセプタ材料がそのキュリー点に関連する相転移を受けるときに発生する、遠隔検出可能な電流の変化を示したDC電流対時間のグラフである。
図7図7は、エアロゾル発生装置の動作中のサセプタの温度プロファイルを示す。
図8図8は、電源電子回路の温度の上昇に伴う較正曲線のドリフトを示す、コンダクタンス対時間のグラフである。
図9図9は、電源電子回路の温度の上昇に伴う較正曲線のドリフトをより詳細に示す、コンダクタンス対時間のグラフである。
図10図10は、ドリフト補正に伴うエアロゾル発生装置の動作中のサセプタの温度プロファイルを示す。
図11図11は、図2のエアロゾル発生装置においてエアロゾル生成を制御するための方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
図1は、エアロゾル発生物品100の概略側面断面図を示す。エアロゾル発生物品100は、エアロゾル形成基体110のロッド、およびエアロゾル形成基体110のロッドの下流の位置に下流セクション115を備える。エアロゾル発生物品100は、エアロゾル形成基体のロッドの上流の位置に上流セクション150を備える。したがって、エアロゾル発生物品100は、上流端または遠位端180から下流端または口側端170まで延びる。使用時、空気は、遠位端180から口側端170に、ユーザーによってエアロゾル発生物品100を介して引き出される。
【0092】
下流セクション115は、エアロゾル形成基体のロッドのすぐ下流に位置する支持要素120を含み、支持要素120は、ロッド110と長軸方向に整列している。支持要素120の上流端は、エアロゾル形成基体110のロッドの下流端に当接する。加えて、下流セクション115は、支持要素120のすぐ下流に位置するエアロゾル冷却要素130を含み、エアロゾル冷却要素130は、ロッド110および支持要素120と長軸方向に整列している。エアロゾル冷却要素130の上流端は、支持要素120の下流端に当接する。使用時、エアロゾル形成基体110から放出される揮発性物質は、エアロゾル発生物品100の口側端170に向かって、エアロゾル冷却要素130に沿って通過する。揮発性物質は、エアロゾル冷却要素130内で冷却してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成してもよい。
【0093】
支持要素120は、第一の中空管状セグメント125を含む。第一の中空管状セグメント125は、セルロースアセテートで作製された中空円筒状管の形態で提供されている。第一の中空管状セグメント125は、第一の中空管状セグメント125の上流端165から第一の中空管状セグメント125の下流端175まで全面的に延びる内部空洞145を画定する。
【0094】
エアロゾル冷却要素130は、第二の中空管状セグメント135を含む。第二の中空管状セグメント135は、セルロースアセテートで作製された中空円筒状管の形態で提供されている。第二の中空管状セグメント135は、第二の中空管状セグメント135の上流端185から第二の中空管状セグメント135の下流端195まで全面的に延びる内部空洞155を画定する。加えて、通気ゾーン(図示せず)は、第二の中空管状セグメント135に沿った位置に提供される。エアロゾル発生物品10の通気レベルは、約25パーセントである。
【0095】
下流セクション115は、エアロゾル冷却要素130のすぐ下流に位置付けられたマウスピース140をさらに含む。図1の図面に示す通り、マウスピース140の上流端は、エアロゾル冷却要素130の下流端195に当接する。マウスピース140は、低密度セルロースアセテートの円筒形プラグの形態で提供される。
【0096】
エアロゾル発生物品100は、エアロゾル発生基体110のロッド内に細長いサセプタ160をさらに備える。より詳細には、サセプタ160は、ロッド110の長軸方向に対してほぼ平行になるようになど、エアロゾル形成基体110内で実質的に長軸方向に配設される。図1の図面に示されるように、サセプタ160は、ロッド内の半径方向で中央の位置に位置付けられており、実際上ロッド110の長軸方向軸に沿って延びる。
【0097】
サセプタ160は、エアロゾル形成基体110のロッドの上流端から下流端まで全面的に延びる。実際には、サセプタ160は、エアロゾル形成基体110のロッドと実質的に同じ長さを有する。サセプタ160は、エアロゾル形成基体110と熱的に接触して位置しており、その結果、サセプタ160が加熱されたときにエアロゾル形成基体110がサセプタ160によって加熱される。
【0098】
上流セクション150は、エアロゾル形成基体110のロッドのすぐ上流に位置する上流要素190を含み、上流要素190は、ロッド110と長軸方向に整列している。上流要素190の下流端は、エアロゾル形成基体のロッドの上流端に当接する。これにより、有利なことに、サセプタ160が外れることが防止される。さらに、これにより、消費者が使用後に加熱されたサセプタ160に偶発的に接触できないことが確保される。上流要素190は、硬質ラッパーによって囲まれた酢酸セルロースの円筒形プラグの形態で提供される。
【0099】
サセプタ160は、少なくとも二つの異なる材料を含む。サセプタ160は、少なくとも二つの層、すなわち、第二のサセプタ材料の第二の層と物理的に接触して配置される第一のサセプタ材料の第一の層を含む。第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料は各々、キュリー温度を有してもよい。この場合、第二のサセプタ材料のキュリー温度は第一のサセプタ材料のキュリー温度よりも低い。第一の材料は、キュリー温度を有しない場合がある。第一のサセプタ材料は、アルミニウム、鉄またはステンレス鋼であってもよい。第二のサセプタ材料は、ニッケルまたはニッケル合金であってもよい。
【0100】
サセプタ160は、第二のサセプタ材料の少なくとも一つのパッチを第一のサセプタ材料のストリップ上に電気めっきすることによって形成されてもよい。サセプタは、第二のサセプタ材料のストリップを第一のサセプタ材料のストリップに被覆することによって形成され得る。
【0101】
図1に示したエアロゾル発生物品100は、図2Aに示したエアロゾル発生装置200などのエアロゾル発生装置と係合して、エアロゾルを生成するように設計されている。エアロゾル発生装置200は、エアロゾル発生物品100を受容するように構成された空洞220を有するハウジング210と、エアロゾルを生成するためにエアロゾル発生物品100を加熱するように構成された誘導加熱装置230とを備える。図2Bは、エアロゾル発生物品100が空洞220内に挿入されるときの、エアロゾル発生装置200を示す。
【0102】
誘導加熱装置230は、図3のブロック図に示される。誘導加熱装置230は、DC電源310および加熱配設320(電源電子回路とも称される)を備える。加熱配設は、コントローラ330、DC/ACコンバータ340、整合ネットワーク350、およびインダクタ240を含む。
【0103】
DC電源310は、DC電力を加熱配設320に提供するように構成される。具体的には、DC電源310は、DC供給電圧(VDC)およびDC電流(IDC)をDC/ACコンバータ340に提供するように構成される。電源310はリチウムイオン電池などの電池であることが好ましい。代替として、電源310はコンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源310は再充電を必要とする場合がある。例えば、電源310はおおよそ六分間、または六分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の例において、電源310は所定の回数の吸煙、または加熱配設の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0104】
DC/ACコンバータ340は、高周波の交流電流でインダクタ240を供給するように構成される。本明細書で使用される場合、「高周波の交流電流」という用語は、約500キロヘルツ~約30メガヘルツの周波数を有する、交流電流を意味する。高周波の交流電流は、約1メガヘルツ~約30メガヘルツ(約1メガヘルツ~約10メガヘルツ、または約5メガヘルツ~約8メガヘルツなど)の周波数を有してもよい。
【0105】
図4は、誘導加熱装置230、特にDC/ACコンバータ340の電気構成要素を概略的に示す。DC/ACコンバータ340は、好ましくはクラスE電力増幅器を備える。クラスE電力増幅器は、電界効果トランジスタ420と、例えば、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタを含むトランジスタスイッチ410、電界効果トランジスタ420に切換信号(ゲート・ソース電圧)を供給するための矢印430で示したトランジスタスイッチ供給回路と、分路コンデンサC1およびインダクタ240に対応するコンデンサC2とインダクタL2の直列接続を含むLC負荷ネットワーク440とを備える。さらに、チョークL1を備えるDC電源310が、動作中にDC電源310から引き出される、DC電流IDCと共に、DC供給電圧VDCを供給するために示されている。インダクタL2のオーム抵抗RCoilと、サセプタ160のオーム抵抗RLoadの和である、合計オーム負荷450を表すオーム抵抗Rが、図5により詳細に示される。
【0106】
DC/ACコンバータ340は、クラスE電力増幅器を含むものとして示されているが、DC/ACコンバータ340は、DC電流をAC電流に変換する任意の適切な回路を使用し得ることが理解されるべきである。例えば、DC/ACコンバータ340は、二つのトランジスタスイッチを含むクラスD電力増幅器を備えてもよい。別の例として、DC/ACコンバータ340は、対で作用する四つのスイッチングトランジスタを有するフルブリッジ電力インバータを備えてもよい。
【0107】
図3に戻ると、インダクタ240は、負荷への最適な適合のために整合ネットワーク350を介してDC/ACコンバータ340から交流電流を受信してもよいが、整合ネットワーク350は必須ではない。整合ネットワーク350は小型の整合変成器を備えうる。整合ネットワーク350は、DC/ACコンバータ340とインダクタ240との間の電力伝達効率を改善しうる。
【0108】
図2Aに示すように、インダクタ240は、エアロゾル発生装置200の空洞220の遠位部分225に隣接して位置する。したがって、エアロゾル発生装置200の動作中に、インダクタ240に供給される高周波の交流電流は、インダクタ240に、エアロゾル発生装置200の遠位部分225内に高周波の交番磁界を発生させる。交番磁界は、好ましくは1~30メガヘルツ、好ましくは2~10メガヘルツ、例えば5~7メガヘルツの周波数を有する。図2Bから分かるように、エアロゾル発生物品100が空洞200に挿入されるとき、エアロゾル発生物品100のエアロゾル形成基体110は、エアロゾル発生物品100のサセプタ160がこの交番磁界内に位置するように、インダクタ240に隣接して位置する。交番磁界がサセプタ160を貫通すると、交番磁界がサセプタ160の加熱を引き起こす。例えば、渦電流は、結果として加熱されるサセプタ160内で発生される。さらなる加熱がサセプタ160内の磁気ヒステリシス損失により提供される。加熱されたサセプタ160は、エアロゾルを形成するのに十分な温度までエアロゾル発生物品100のエアロゾル形成基体110を加熱する。エアロゾルはエアロゾル発生物品100を通って下流に引き出され、ユーザーによって吸い込まれる。
【0109】
コントローラ330はマイクロコントローラ、好ましくはプログラム可能なマイクロコントローラであってもよい。コントローラ330は、サセプタ160の温度を制御するために、DC電源310から誘導加熱配設320への電力供給を調節するようにプログラムされる。
【0110】
電源電子回路320は、電源電子回路320の温度を測定するための一つ以上の温度センサ(図示せず)を含み得る。コントローラ330は、一つ以上の温度センサの出力を読み取るように構成される。一つ以上の温度センサのうちの少なくとも一つの温度センサは、電源電子回路320のプリント回路基板上に位置してもよい。コントローラ330は、少なくとも一つの温度センサを含み得る。少なくとも一つの温度センサは、少なくとも電源電子回路320のプリント回路基板の温度を測定するように構成されることが好ましい。少なくとも一つの温度センサは、インダクタL2の温度を測定するように位置してもよい。少なくとも温度センサは、熱電対、負温度係数抵抗温度センサ、または正温度係数抵抗温度センサのうちの一つ以上を含み得る。
【0111】
図6は、サセプタ160の温度(破線で示される)が増加するにつれて、経時的に電源310から引き出されるDC電流IDC間の関係を示す。より具体的には、図6はサセプタ材料がそのキュリー点に関連する相転移を受けるときに生じる、遠隔検出可能なDC電流の変化を示す。電源310から引き出されるDC電流IDCは、DC/ACコンバータ340の入力側で測定される。この図の目的上、電源310の電圧VDCはほぼ一定であると想定されうる。以下に詳細に説明するように、相転移の温度範囲にわたる電源IDCから引き出されるDC電流の挙動は、エアロゾル発生装置200を較正するために使用されるため、サセプタ160の温度が上昇するにつれて電源310から引き出されるDC電流IDC間の関係の特性形状は、較正曲線600と呼ばれ得ることに留意されたい。
【0112】
サセプタ160が誘導的に加熱されると、サセプタ160の見かけの抵抗が増加する。この抵抗の増加は、電源310から引き出されるDC電流IDCの減少として観察され、定電圧では、サセプタ160の温度が上昇するにつれて減少する。インダクタ240によって提供される高周波の交番磁界は、サセプタ表面の近くで、表皮効果として既知の効果である渦電流を誘導する。サセプタ160の抵抗は、第一のサセプタ材料の電気抵抗率、第二のサセプタ材料の抵抗率に部分的に、および誘導された渦電流に利用可能なそれぞれの材料の表皮層の深さに部分的に依存し、抵抗率は温度に依存する。
【0113】
第二のサセプタ材料がそのキュリー温度に達すると、その磁性が失われる。これにより、第二のサセプタ材料内で渦電流に利用可能な表皮層が増え、これによりサセプタ160の見かけの抵抗が減少する。その結果、検出されるDC電流IDCが一時的に増加する。その後、第二のサセプタ材料の表皮の深さが増加し始めると、抵抗が低下し始める。これは図6の谷(局所最小値)610として見なされる。
【0114】
加熱を継続すると、電流は、第二のサセプタ材料がその自然磁気特性を失った点と整合する最大の表皮の深さに達するまで増加し続ける。この点はキュリー温度と呼ばれ、図6では丘(局所最大値)620として見なされる。この時点で、第二のサセプタ材料は、強磁性またはフェリ磁性状態から常磁性状態への相変化を受けている。この時点で、サセプタ160は既知の温度(固有材料特異的温度であるキュリー温度)にある。
【0115】
インダクタ240が、キュリー温度に達した後、交番磁界を発生し続ける場合(すなわち、DC/ACコンバータ340への電力が中断されない)、サセプタ160内で発生される渦電流が、サセプタ160の抵抗に対して流れ、これにより、サセプタ160のジュール加熱が継続され、これにより、抵抗は再び増加し(抵抗は温度の多項式依存性を有し、大半の金属サセプタ材料については、発明者らの目的のために三次多項式依存性に近似することができる)、電流は、インダクタ240がサセプタ160に電力を供給し続ける限り、再び低下し始める。
【0116】
したがって、第二のサセプタ材料は、(既知の)温度範囲を通して加熱されたときに、図6に示す谷610と丘620との間で可逆的相転移を受ける。図6から分かるように、サセプタ160の見かけの抵抗、したがって相転移の開始および終了は、電源310から引き出されるDC電流IDCを監視することによって遠隔検出することができる。別の方法として、サセプタ160の見かけの抵抗、したがって相転移の開始および終了は、コンダクタンス値(コンダクタンスはDC電流IDCのDC供給電圧VDCに対する比として定義される)または抵抗値(抵抗はDC供給電圧VDCのDC電流IDCに対する比として定義される)を監視することによって遠隔検出することができる。少なくとも、電源310から引き出されるDC電流IDCは、コントローラ330によって監視される。DC供給電圧VDCは既知であるが、電源310から引き出されるDC電流IDCおよびDC供給電圧VDCの両方が監視されることが好ましい。DC電流IDC、コンダクタンス値、および抵抗値は、電源パラメータと称され得る。
【0117】
サセプタ160が加熱されるとき、第一の転換点610(電流の局所最小値および抵抗の局所最大値に対応する)は、相転移の開始に対応する。次に、サセプタの加熱が継続されると、第二の転換点620(電流の局所最大値および抵抗の局所最小値に対応する)は、相転移の終了に対応する。
【0118】
さらに、図6から分かるように、サセプタ160の見かけの抵抗(および対応する電源310から引き出される電流IDC)は、サセプタ160の特定の温度範囲(谷610と丘620の間など)にわたって厳密に単調な関係でサセプタ160の温度と共に変化し得る。厳密に単調な関係により、見かけの抵抗(R)または見かけのコンダクタンス(1/R)の判定からのサセプタ160の温度の明確な判定が可能になる。これは、見かけの抵抗の決定された値がそれぞれ、温度の一つの値のみを表すためであり、その関係に曖昧性がない。サセプタ160の温度と見かけの抵抗との、第二のサセプタ材料が可逆的相転移を受ける温度範囲における単調な関係は、サセプタ160の温度を判定および制御することを可能にし、したがってエアロゾル形成基体110の温度を判定および制御することを可能にする。
【0119】
コントローラ330は、電源パラメータに基づいて、加熱配設320に提供される電力の供給を調節する。加熱配設320は、DC電流IDCを測定するための電流センサ(図示せず)を備えてもよい。加熱配設320は、DC供給電圧VDCを測定するための電圧センサ(図示せず)を随意に備え得る。電流センサおよび電圧センサは、DC/ACコンバータ340の入力側に位置する。DC電流IDC、および任意選択でDC供給電圧VDCは、コントローラ330へのフィードバックチャネルによって提供され、インダクタ240へのAC電力PACのさらなる供給を制御する。
【0120】
コントローラ330は、測定された電源パラメータ値を、サセプタ160の目標動作温度に対応する目標値に維持することによって、サセプタ160の温度を制御し得る。コントローラ330は、任意の適切な制御ループを使用して、例えば、比例積分微分制御ループを使用することによって、測定された電源パラメータを目標値に維持してもよい。
【0121】
サセプタ160の見かけの抵抗(または見かけのコンダクタンス)とサセプタ160の温度との間の厳密に単調な関係を利用するために、エアロゾルを生成するためのユーザー操作中、DC/ACコンバータ340の入力側において測定される電源パラメータが、第一の較正温度に対応する第一の較正値と、第二の較正温度に対応する第二の較正値との間に維持される。第二の較正温度は、第二のサセプタ材料(図6の電流プロットの丘620)のキュリー温度である。第一の較正温度は、第二のサセプタ材料の表皮の深さが増加し始め、抵抗の一時的な低下をもたらす(図6の電流プロットの谷610)、サセプタの温度以上の温度である。したがって、第一の較正温度は、第二のサセプタ材料の最大透過性における温度以上の温度である。第一の較正温度は、第二の較正温度より少なくとも摂氏50度低い。少なくとも第二の較正値は、以下でより詳細に説明するように、サセプタ160の較正によって判定されてもよい。第一の較正値および第二の較正値は、コントローラ330のメモリ内に較正値として記憶されてもよい。
【0122】
さらに、コントローラ330は、測定されたコンダクタンスまたは電流値を所定の閾値コンダクタンス値を下回るよう維持することによって、または測定された抵抗値を所定の閾値抵抗値を上回るよう維持することによって、サセプタ160の温度を所定の閾値温度を下回るよう維持してもよい。所定の閾値温度は、エアロゾル形成基体の過熱を防止するように選択される。所定の閾値温度は、第二の較正温度と同じであってもよい。測定された電源パラメータが、サセプタの温度が所定の閾値温度を上回ることを示す場合、コントローラ330は安全モードに入るようにプログラムされる。安全モードでは、コントローラ330は、(視覚的、および追加的または代替的に可聴的に)ユーザーに過熱警告を提供する警報を発生する、エアロゾル発生装置をオフにする、および所定の期間の間エアロゾル発生装置のさらなる使用を防止するなどの一つ以上の動作を実施するように構成される。
【0123】
電源パラメータは温度に対して多項式依存性を有するため、電源パラメータは温度の関数として非線形に挙動する。しかしながら、第一および第二の較正値は、第一の較正値と第二の較正値との間の差が小さいために、この依存性が第一の較正値と第二の較正値との間で線形として近似され得るように、そして第一および第二の較正値が動作温度範囲の上部にあるように選択される。したがって、温度を目標動作温度に調整するために、電源パラメータは、線形方程式を介して、第一の較正値および第二の較正値に従って調節される。
【0124】
例えば、第一および第二の較正値がコンダクタンス値である場合、目標動作温度に対応する目標コンダクタンス値GRは、次のように与えられ得る:
R=GLOWER+(x×ΔG)
式中、ΔGは、第一のコンダクタンス値と第二のコンダクタンス値との間の差であり、xはΔGの割合である。
【0125】
コントローラ330は、DC/ACコンバータ340のスイッチングトランジスタ410の負荷サイクルを調整することによって、加熱配設320への電力の提供を制御してもよい。例えば、加熱中に、DC/ACコンバータ340は、サセプタ160を加熱する交流電流を継続的に発生し、また同時にDC電流IDCおよび随意にDC供給電圧VDCは、好ましくは一ミリ秒ごとに100ミリ秒間測定されてもよい。
【0126】
例えば、サセプタ温度を調整するためにコントローラ330によってコンダクタンスまたは電流が監視される場合、コンダクタンスまたは電流がサセプタ温度を調整するための目標動作温度に対応する値に達するか、またはこれを超えると、スイッチングトランジスタ410の負荷サイクルが低減される。サセプタ温度を調整するためにコントローラ330によって抵抗が監視される場合、抵抗が目標動作温度に対応する値に達するか、またはこれを下回ると、スイッチングトランジスタ410の負荷サイクルが低減される。例えば、スイッチングトランジスタ410の負荷サイクルは、約10%に低減され得る。言い換えれば、スイッチングトランジスタ410は、1ミリ秒の持続時間の間、10ミリ秒ごとにのみパルスを発生するモードに切り替わってもよい。スイッチングトランジスタ410のこの1ミリ秒のオン状態(導電状態)の間、DC供給電圧VDCの値およびDC電流IDCの値が測定され、コンダクタンスが判定される。コンダクタンスが減少する(または抵抗が増加する)と、サセプタ160の温度は目標動作温度を下回ることを示すため、トランジスタ410のゲートは、システムの選択された駆動周波数でパルスのトレーンを再び供給される。
【0127】
電力は、電流の連続した一連のパルスの形態でコントローラ330によってインダクタ240に供給されてもよい。特に、電力は、それぞれが時間間隔ごとに分離された一連のパルスで、インダクタ240に供給されてもよい。連続した一連のパルスは、二つ以上の加熱パルスおよび連続した加熱パルス間の一つ以上のプロービングパルスを含んでもよい。加熱パルスは、サセプタ160を加熱するなどの強度を有する。プロービングパルスは、サセプタ160を加熱するのではなく、むしろ電源パラメータ、次いでサセプタ温度の進化(減少)に関するフィードバックを得るような強度を有する分離された電力パルスである。コントローラ330は、DC電源によってインダクタ240に供給される電力の連続した加熱パルス間の時間間隔の持続時間を制御することによって、電力を制御してもよい。追加的または代替的に、コントローラ330は、DC電源によってインダクタ240に供給される電力の連続した加熱パルスのそれぞれの長さ(言い換えれば、持続時間)を制御することによって、電力を制御しうる。
【0128】
コントローラ330は、電源パラメータがサセプタ160の既知の温度で測定される較正値を得るために、較正プロセスを実施するようにプログラムされる。サセプタの既知の温度は、第一の較正値に対応する第一の較正温度と、第二の較正値に対応する第二の較正温度とであってもよい。較正プロセスは、ユーザーがエアロゾル発生装置200を動作させるたびに実施される。例えば、コントローラ330は、ユーザーがエアロゾル発生装置をオンにするときに、較正プロセスを実施するために較正モードに入るように構成されてもよい。コントローラ330は、ユーザーがエアロゾル発生物品100をエアロゾル発生装置200内に挿入するたびに、較正モードに入るようにプログラムされてもよい。したがって、較正プロセスは、エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置200のユーザー操作の前に、エアロゾル発生装置の第一の加熱段階中に実施される。
【0129】
較正プロセス中、コントローラ330は、DC/ACコンバータ340を制御して、サセプタ160を加熱するために、継続的にまたは断続的に電力をインダクタ240に供給する。コントローラ330は、電源によって引き出される電流IDC、および随意に電源電圧VDCを測定することによって、電源パラメータを監視する。図6に関連して上述したように、サセプタ160が加熱されると、測定された電流は、第一の転換点610に達し、電流が増加し始めるまで減少する。この第一の転換点610は、局所最小コンダクタンスまたは電流値(局所最大抵抗値)に対応する。コントローラ330は、第一の転換点610における電源パラメータを第一の較正値として記録し得る。
【0130】
コンダクタンスまたは抵抗値は、測定された電流IDCおよび測定された電圧VDCに基づいて判定され得る。あるいは、電源310の既知の特性である、供給電圧VDCがほぼ一定であると仮定されてもよい。第一の較正値におけるサセプタ160の温度は、第一の較正温度と称される。第一の較正温度は、摂氏150度~摂氏350度であることが好ましい。より好ましくは、エアロゾル形成基体110がたばこを含む場合、第一の較正温度は摂氏320度である。第一の較正温度は、第二の較正温度より少なくとも摂氏50度低い。
【0131】
コントローラ330がDC/ACコンバータ340によってインダクタ240に提供される電力を制御し続けるとき、コントローラ330は、第二の転換点620に達するまで電源パラメータを監視し続ける。第二の転換点は、測定された電流が減少し始める前の最大電流(第二のサセプタ材料のキュリー温度に対応する)に対応する。この第二の転換点620は、局所最大コンダクタンスまたは電流値(局所最小抵抗値)に対応する。コントローラ330は、第二の転換点620における電源パラメータ値を第二の較正値として記録する。第二の較正値でのサセプタ160の温度は、第二の較正温度と称される。好ましくは、第二の較正温度は、摂氏200度~摂氏400度である。第二の転換点620が検出されると、コントローラ330は、DC/ACコンバータ340を制御して、インダクタ240への電力の提供を中断し、その結果、サセプタ160の温度の低下およびそれに対応する測定された電流の低下がもたらされる。
【0132】
グラフ600の形状のために、サセプタ160を継続的に加熱して第一の較正値および第二の較正値を得るこのプロセスは、較正モード中に少なくとも一回繰り返されてもよい。インダクタ240への電力の提供を中断した後、コントローラ330は、第三の転換点が観察されるまで電源パラメータを監視し続ける。第三の転換点は、第二の最小コンダクタンスまたは電流値(第二の最大抵抗値)に対応する。第三の転換点が検出されると、コントローラ330は、DC/ACコンバータ340を制御して、監視された電源パラメータの第四の転換点が観察されるまでインダクタ240へ継続的に電力を提供する。第四の転換点は、第二の最大コンダクタンスまたは電流値(第二の最小抵抗値)に対応する。コントローラ330は、第三の転換点で測定された電源パラメータ値を第一の較正値として記憶し、第四の転換点で測定された電源パラメータ値を第二の較正値として記憶する。最小および最大測定電流に対応する転換点の測定の繰り返しは、エアロゾルを生成するための装置のユーザー操作中のその後の温度調節を著しく改善する。好ましくは、コントローラ330は、第二の最大値および第二の最小値から得られた電源パラメータ値に基づいて電力を調節するが、これは、熱がエアロゾル形成基体110およびサセプタ160内に分散するためにより多くの時間を必要とするため、より信頼性が高い。
【0133】
コントローラ330は、電源パラメータ値のシーケンスを測定することによって、転換点610および620を検出するように構成される。図6を参照すると、測定された電源パラメータ値のシーケンスは曲線を形成し、各値は、以前の値よりも大きいかまたは小さい。コントローラ330は、曲線が平坦化し始める点で較正値を測定するように構成される。言い換えれば、コントローラ330は、連続的な電源パラメータ値間の差が所定の閾値を下回る時に、較正値を記録する。
【0134】
さらに、第一の加熱段階中、較正プロセスの信頼性をさらに改善するために、コントローラ310は、任意選択的に、較正プロセスの前に予熱プロセスを実施するようにプログラムされてもよい。例えば、エアロゾル形成基体110が特に乾燥しているか、または類似の条件である場合、較正は、熱がエアロゾル形成基体110内に広がる前に実施され、較正値の信頼性が低減されことがある。エアロゾル形成基体110が湿っていた場合、サセプタ160は谷温度に達するのにより長い時間がかかる(基体110の水分含量による)。
【0135】
予熱プロセスを実施するために、コントローラ330は、継続的に電力をインダクタ240に供給するように構成される。図6に関して上述したように、測定された電流は、最小測定電流に対応する転換点610に達するまで、サセプタ160の温度が上昇するのに伴い減少し始める。この段階で、コントローラ330は、加熱を続ける前にサセプタ160が冷却できるように所定の期間待機するように構成される。したがって、コントローラ330は、DC/ACコンバータ340を制御して、インダクタ240への電力の提供を中断する。所定の期間の後、コントローラ330は、DC/ACコンバータ340を制御して、最小測定電流に対応する転換点610に再び達するまで電力を提供する。この時点で、コントローラはDC/ACコンバータ340を制御して、再度、インダクタ240への電力の提供を中断する。コントローラ330は再び、同じ所定の時間待機して、加熱を続ける前にサセプタ160を冷却させる。このサセプタ160の加熱および冷却は、予熱プロセスの所定の持続時間にわたって繰り返される。予熱プロセスの所定の持続時間は、好ましくは11秒である。予熱プロセスの所定の組み合わせた持続時間に続いて、較正プロセスは、好ましくは20秒である。
【0136】
エアロゾル形成基体110が乾燥している場合、予熱プロセスの第一の電流最小値は、所定の期間内に達し、電力の中断は、所定の期間の終了まで繰り返される。エアロゾル形成基体110が湿っている場合、予熱プロセスの第一の電流最小値は、所定の期間の終了に向かって達する。したがって、所定の持続時間の間予熱プロセスを実施することは、基体110の物理的状態にかかわらず、継続的に電力を供給して第一の最大値に達する準備ができている状態になるために、基体110が最小動作温度に達するのに十分な時間であることを確保する。これにより、基体110が事前に谷610に達していないというリスクを負わずに、可能な限り早期に較正が可能となる。
【0137】
さらに、エアロゾル発生物品100は、電流最小値610が常に予熱プロセスの所定の持続時間内に達成されるように構成されてもよい。予熱プロセスの所定の持続時間内に電流最小値610に達しない場合、これは、エアロゾル形成基体110を含むエアロゾル発生物品100が、エアロゾル発生装置200での使用に適さないことを示し得る。例えば、エアロゾル発生物品100は、エアロゾル発生装置200で使用することが意図されたエアロゾル形成基体100とは異なる、またはより低品質のエアロゾル形成基体110を含んでもよい。別の例として、エアロゾル発生物品100は、例えば、エアロゾル発生物品100およびエアロゾル発生装置200が異なる製造業者によって製造される場合、加熱配設320と共に使用するように構成されない場合がある。したがって、コントローラ330は、エアロゾル発生装置200の動作を停止する制御信号を発生するように構成されてもよい。
【0138】
上述のように、較正プロセスの第一の段階として、予熱プロセスは、ユーザー入力、例えば、エアロゾル発生装置200のユーザー起動の受信に応答して実施されてもよい。追加的または代替的に、コントローラ330は、エアロゾル発生装置200内のエアロゾル発生物品100の存在を検出するように構成されてもよく、予熱プロセスは、エアロゾル発生装置200の空洞220内のエアロゾル発生物品100の存在を検出することに応答して実施されてもよい。
【0139】
図7は、サセプタ160の加熱プロファイルを示す、時間に対するコンダクタンスのグラフである。グラフは、加熱の二つの連続段階、上述の予熱プロセス710Aおよび較正プロセス710Bを含む第一の加熱段階710、およびエアロゾルを生成するエアロゾル発生装置200のユーザー操作に対応する第二の加熱段階720を示す。図7は実寸に比例して示されていないことが理解されるべきである。具体的には、第一の加熱段階710は、第二の加熱段階720より短い持続時間を有する。例えば、第一の加熱段階710は、5秒~30秒、好ましくは10~20秒の持続時間を有してもよい。第二の加熱段階720は、140~340秒の持続時間を有してもよい。
【0140】
さらに、図7は、時間に対するコンダクタンスのグラフとして示されているが、コントローラ330は、上述の通り、測定された抵抗または電流に基づいて、第一の加熱段階710および第二の加熱段階720の間のサセプタ160の加熱を制御するように構成され得ることが理解されるべきである。実際に、第一の加熱段階710および第二の加熱段階720の間のサセプタの加熱を制御する技術は、サセプタに関連付けられた判定されたコンダクタンス値または判定された抵抗値に基づいて上述されてきたが、上述の技術は、DC/ACコンバータ340の入力において測定された電流の値に基づいて実施され得ることが理解されるべきである。
【0141】
図7から分かるように、第二の加熱段階720は、サセプタ160の第一の動作温度からサセプタ160の第二の動作温度までの複数の温度ステップに対応する、複数のコンダクタンスステップを含む。サセプタの第一の動作温度は、エアロゾル形成基体110がエアロゾルを形成し、その結果、各温度ステップの間にエアロゾルが形成される温度である。サセプタの第一の動作温度は、エアロゾル形成基体が、ユーザーが吸入したときに満足のいく体験を得るのに十分な体積および量でエアロゾルを形成する最低温度であることが好ましい。サセプタの第二の動作温度は、ユーザーがエアロゾルを吸入するためにエアロゾル形成基体を加熱することが望ましい最高温度の温度である。
【0142】
サセプタ160の第一の動作温度は、第一の較正値(図6に示す電流プロットの谷610)に対応する、サセプタ160の第一の較正温度以上である。第一の動作温度は、摂氏150度~摂氏330度であってもよい。サセプタ160の第二の動作温度は、第二のサセプタ材料のキュリー温度における第二の較正値(図6の電流プロットの丘620)に対応する、サセプタ160の第二の較正温度以下である。第二の動作温度は、摂氏200度~摂氏400度であってもよい。第一の動作温度と第二の動作温度の差は、少なくとも摂氏50度である。
【0143】
図7に示した温度ステップの数は例示的であり、第二の加熱段階720は、少なくとも三つの連続的な温度ステップ、好ましくは二つから十四の温度ステップ、最も好ましくは三つから八つの温度ステップを含むことが理解されるべきである。各温度ステップは、所定の持続時間を有してもよい。第一の温度ステップの持続時間は、後続する温度ステップの持続時間より長いことが好ましい。各温度ステップの持続時間は、好ましくは10秒よりも長く、好ましくは30秒~200秒、より好ましくは40秒~160秒である。各温度ステップの持続時間は、所定の数のユーザー吸煙に対応してもよい。好ましくは、第一の温度ステップは、四つのユーザー吸煙に対応し、各後続する温度ステップは、一つのユーザー吸煙に対応する。
【0144】
各温度ステップの持続時間について、サセプタ160の温度は、それぞれの温度ステップに対応する目標動作温度に維持される。したがって、各温度ステップの持続時間中、コントローラ330は、測定された電源パラメータがそれぞれの温度ステップの目標動作温度に対応する目標値で維持されるように、加熱配設320への電力の提供を制御し、目標値は、上述のように、第一の較正値および第二の較正値を参照して判定される。
【0145】
一例として、第二の加熱段階720は、次の五つの温度ステップ、160秒の持続時間およびGR=GLower+(0.09×ΔG)の目標コンダクタンス値を有する第一の温度ステップ720a、40秒の持続時間およびGR=GLower+(0.25×ΔG)の目標コンダクタンス値を有する第二の温度ステップ720b、40秒の持続時間およびGR=GLower+(0.4×ΔG)の目標コンダクタンス値を有する第三の温度ステップ720c、40秒の持続時間およびGR=GLower+(0.56×ΔG)の目標コンダクタンス値を有する第四の温度ステップ720d、ならびに、85秒の持続時間およびGR=GLower+(0.75×ΔG)の目標コンダクタンス値を有する第五の温度ステップ720eを含んでもよい。これらの温度ステップは、摂氏330度、摂氏340度、摂氏345度、摂氏355度、および摂氏380度の温度に対応し得る。
【0146】
しかしながら、各温度ステップに対する標的電源パラメータ値を判定するために使用される第一の較正値および第二の較正値は、エアロゾル発生装置200の動作中に電源電子回路320の温度が上昇するという事実に起因して、第二の加熱段階720の持続時間にわたってドリフトする。具体的には、図5に示すように、サセプタ160の見かけの抵抗は、インダクタL2のオーム抵抗Rcoilとサセプタ160のオーム抵抗Rloadとの和であり、これは装置200の動作中のインダクタL2の温度の任意の変化が見かけの抵抗に影響を与え得ることを意味する。これは、電源電子回路が加熱される際の較正曲線の経時的な下向きのドリフトを示す、経時的なコンダクタンスのグラフである図8に示される。
【0147】
図8は、第一の加熱段階710の間の較正中に得られた第一の較正曲線800Aを実線で示す。電源電子回路320の(上昇する)温度は破線で示す。破線を有する較正曲線800B~Fは、電源電子回路320の温度が上昇する間に、較正が後で実施される場合に得られ得る例示的な較正曲線を表す。図8から分かるように、較正曲線の転換点におけるコンダクタンスの値は、下向きにドリフトする。特に、丘620におけるコンダクタンスの値は、点線で示されるように、電源電子回路320の温度が上昇するにつれて下向きにドリフトする。さらに、図8から分かるように、電源電子回路320の温度は、レベルオフする前により大きな温度勾配があることに起因して、開始時により急速に上昇する。したがって、較正曲線800A~Fの下向きのドリフトは、温度がより急速に変化する場合、開始時により急速である。
【0148】
図9は、コンダクタンスの下向きのドリフトをより詳細に示す。較正曲線S1は、第一の加熱段階710の間の較正プロセス中に測定された較正曲線を表す。上述のように、サセプタ160の加熱は次に、GRの所定の割合によって画定された標的コンダクタンスの値ΔG1で調節される。この実施例では、サセプタ160の加熱は、ΔG1となるように、最初はGR1=GLOWER+(0.5xΔG1)の50%で調節される。
【0149】
較正曲線S2は、電源電子回路320の温度が、曲線S1を得るための較正プロセス中よりも高い場合の、後に測定された較正を表す。図9から分かるように、第一および第二の転換点におけるコンダクタンス値間の差は変化しないままである(ΔG1=ΔG2)、ただし、第一の転換点610および第二の転換点620におけるコンダクタンスの値は、値ΔDだけ減少している)。しかしながら、それがサセプタ材料の特性であるため、転換点610および620におけるサセプタ160の温度は同じままである。したがって、所与のサセプタ温度について、目標コンダクタンスまたは電流値は、エアロゾル発生装置200の動作中に下向きにドリフトし得る。(所与のサセプタ温度に対する抵抗の観点では、目標抵抗値がエアロゾル発生装置200の動作中に下向きにドリフトし得る)。
【0150】
したがって、測定されたコンダクタンスが第二の加熱段階全体を通して目標値GR1に維持される場合、サセプタ160の温度は経時的に上昇することになる。特に、図9から分かるように、GR1はΔG2の50%ではなく、較正曲線S2の丘に近い。エアロゾル発生基体110の過熱を回避するために、温度調節が常に第一の較正値と第二の較正値との間で生じることを確保する必要がある。したがって、第二の較正曲線S2が測定される時点で、目標コンダクタンスGR2は、同じサセプタ温度を維持するためにGR2-ΔGRである必要がある。言い換えれば、GR2=GLOWER+(0.5xΔG1)-ΔGR2である。
【0151】
第二の加熱段階720の間、電源電子回路320の温度は、コントローラ330の温度センサを使用して連続的に監視され、電源電子回路320に提供される電力は、測定された温度の変化に基づいて調整される。具体的には、各温度ステップの目標コンダクタンスまたは電流値は、測定された温度に基づいて、それぞれの温度ステップの持続時間にわたって減少する。各温度ステップの目標抵抗値は、測定された温度に応じて、それぞれの温度ステップの持続時間にわたって増加する。これは、較正値のドリフトを補正するために調整された図7の加熱プロファイルを示す図10に示されている。図10は、例示目的であり、実寸に比例して描かれていないことが理解されるべきである。
【0152】
電流またはコンダクタンスの減少量(抵抗の増加量)は、測定された電源電子回路320の温度の変化に比例する。これにより、目標電源パラメータ値が較正曲線の丘620と谷610との間に留まり、それによって過熱が防止されることが確保される。各温度ステップの勾配は、終了に向かって実質的に平坦に達するまで漸進的に減少する。より具体的には、コンダクタンスが減少する量は、以下のように定義される:
ΔGR=kΔT
【0153】
式中、kはドリフト補正値であり、ΔTは測定された電源電子回路の温度の変化である。ドリフト補正値は定数であってもよい。ドリフト補正値は、測定された電源電子回路の温度の変化が増加するにつれて増加し得る。したがって、ΔGRは、複数のドリフト補正値のうちのドリフト補正値に基づいて判定され得る。これは、より正確な温度調節を提供し、特に、ΔGRの値が温度のより大きな上昇とともにさらに増加するので、過熱が防止されることをさらに確保する。
【0154】
一つ以上のドリフト補正値は、サセプタ160を加熱する間に較正プロセスを少なくとも二回実施することによって判定されてもよい。ドリフト補正値の判定は、エアロゾル発生装置200の製造中に実施されてもよい。追加的に、または別の方法として、ドリフト補正値の判定は、第一の加熱段階710の前に、例えば、ユーザーがエアロゾル発生装置200を初めてオンにする時に、エアロゾル発生装置200の構成中に実施されてもよい。次いで、較正プロセスの繰り返しそれぞれから得られる較正値を使用して、一つ以上のドリフト補正値が判定される。一つ以上のドリフト補正値は、コントローラ330のメモリなど、エアロゾル発生装置200のメモリに記憶され得る。したがって、電源電子回路320の複数の所定の温度変化の各々に対して、ドリフト補正値が記憶され得る。
【0155】
さらに、第二の加熱段階720中、コントローラ330は、上述の較正プロセスの少なくとも一部を繰り返すことによって、エアロゾル発生装置200を再較正するために再較正モードに入るように構成されてもよい。エアロゾル発生装置200を再較正することによって、コントローラ330は、較正値のうちの少なくとも一つを再測定する。各温度ステップの目標電源パラメータ値は、直近に測定された少なくとも一つの較正値を使用して判定されてもよい。再較正は、第二の加熱段階720の間に、例えば、一つ以上の所定の時間間隔で、または所定の回数の吸煙後に定期的に実施されてもよい。したがって、再較正後の第一の目標電源パラメータ値は、最初は、再測定された較正値に基づいて判定され得る。上述のドリフト補正は、再較正後に、電源電子回路330の温度変化を検出するのに応答して適用され得る。したがって、電源電子回路の温度変化に基づいて目標電源パラメータ値を調整することにより、第二の加熱段階720中に必要となる再較正の頻度が減少するという利点が提供される。
【0156】
図11は、エアロゾル発生装置200においてエアロゾル生成を制御するための方法1100の流れ図である。上述のように、コントローラ330は、方法1100を実施するようにプログラムされてもよい。
【0157】
方法は、工程1110で開始し、ここで、コントローラ330は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生装置200のユーザー操作を検出する。エアロゾル発生装置200のユーザー操作の検出は、例えば、エアロゾル発生装置200のユーザー起動などのユーザー入力を検出することを含みうる。追加的または代替的に、エアロゾル発生装置200のユーザー操作を検出することは、エアロゾル発生物品100がエアロゾル発生装置200に挿入されていることを検出することを含みうる。
【0158】
工程1110でユーザー操作を検出することに応答して、コントローラ330は較正モードに入る。較正モードの間、コントローラ330は、上述の随意の予熱プロセスを実施するように構成されてもよい(工程1120)。予熱プロセスの所定の持続時間の終了時に、コントローラ330は、上述の較正プロセス(工程1130)を実施するように構成される。別の方法として、較正モードの間、コントローラ330は、予熱プロセスを実施することなく、工程1130に進むように構成されてもよい。較正プロセスの完了後、コントローラ330は、工程1140でエアロゾルが生成される第二の加熱段階の加熱モードに入る。
【0159】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、全ての範囲は、開示された最大点及び最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、全ての範囲は、開示された最大点及び最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】