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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】AMSドアシステム
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/06 20060101AFI20240628BHJP
   B61D 19/00 20060101ALI20240628BHJP
   B62D 33/04 20060101ALI20240628BHJP
   B62D 31/02 20060101ALI20240628BHJP
   E05D 15/06 20060101ALI20240628BHJP
   E05D 15/10 20060101ALI20240628BHJP
   E05D 15/14 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B60J5/06 B
B61D19/00 A
B62D33/04 C
B62D31/02 B
E05D15/06 125Z
E05D15/10
E05D15/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501833
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2022069477
(87)【国際公開番号】W WO2023285468
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】2028697
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524014776
【氏名又は名称】オアフ ビー.ヴイ.
(71)【出願人】
【識別番号】524014787
【氏名又は名称】ベンチュラ システムズ シー.ヴイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アスイェス、ヒルブランド ハンス
【テーマコード(参考)】
2E034
【Fターム(参考)】
2E034AA08
2E034CA15
2E034CB05
2E034FA01
2E034GA08
(57)【要約】
スライドドアシステム1は、ドアリーフ3をフレームワーク2に対して吊り下げるための支持ガイド10を備える。操舵トラック70がフレームワークに固定され、係合フロントレバー71がドアリーフ3の前縁部31に取り付けられる。支持ガイド10は操舵ガイド7とは独立に設けられ、支持ガイド10の剛性を操舵ガイド7と独立して高めることができる設計自由度を与える。操舵ガイドはコンパクトな構成で設計できる。スライドバー5、スライドキャリッジ6、および揺動アーム4の少なくとも一つを適合させることにより、ドアリーフの揺動軸への接続部の機械的チェーンは堅牢にすることができ、ドアリーフの実質的な支持が前記接続部の機械的チェーンにより提供される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームワーク(2)と、前縁部(31)及び後縁部(32)を有する少なくとも1つのドアリーフ(3)とを備え、ドアリーフ(3)は、前記ドアリーフ(3)の横方向(X)のスライド運動によって閉鎖位置から開位置まで前記フレームワークに対して変位可能であり、前記フレームワークの内にドアウェイを設け、前記ドアリーフ(3)は支持ガイド(10)によって前記フレームワークから吊り下げられている、車両、例えばバン、鉄道列車又はバス車両用のスライドドアシステム(1)であって、前記支持ガイドは:
- 揺動アーム(41)を備えた揺動軸(4)であって、前記揺動軸が揺動軸線(04)を中心に揺動可能であり、前記フレームワークに対する前記ドアリーフのプラグアウト運動を可能にする、揺動軸(4)と;
- 前記ドアリーフ(3)の横方向に伸びるスライドバー(5)であって、前記スライドバー(5)が前記ドアリーフ(3)に取り付けられている、スライドバー(5)と;
- スライドキャリッジ(6)であって、前記スライドキャリッジ(6)は前記スライドバー(5)にスライド可能に取り付けられ、キャリッジ旋回軸(06)を中心に旋回し、前記キャリッジ旋回軸(06)は前記揺動アーム(41)の遠位端に接続される、スライドキャリッジ(6)と;をそなえ、
前記スライドドアシステム(1)は、前記ドアリーフのスライド運動を案内する操舵ガイド(7)を更に備え、前記操舵ガイドは、前記横方向に延在する操舵トラック(70)を有し、前記ドアリーフの前縁部(31)がフロントレバー(71)によって前記操舵トラック(70)に連結され、前記操舵トラック(70)が前記フレームワーク(2)に固定して取り付けられることを特徴とする、スライドドアシステム(1)。
【請求項2】
前記スライドバー(5)が、ドアリーフ枠(33)により形成された平面(XZ)内に位置することを特徴とする、請求項1記載のスライドドアシステム(1)。
【請求項3】
前記スライドドアシステム(1)は、前記ドアリーフ(3)を運ぶための単一のスライドバー(5)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のスライドドアシステム(1)。
【請求項4】
前記スライドキャリッジ(6)は、第1及び第2ローラ対(61、62)を収容するキャリッジハウジング(60)を有し、前記第1及び第2ローラ対は、互いに5cm以上離間されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のスライドドアシステム(1)。
【請求項5】
前記キャリッジ旋回軸(06)は、前記キャリッジハウジング(60)を貫通して第1ローラ対と第2ローラ対との間に延びることを特徴とする、請求項4記載のスライドドアシステム(1)。
【請求項6】
前記揺動アーム(41)が第1および第2の揺動アームレバー(45、46)を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のスライドドアシステム(1)。
【請求項7】
キャリッジハウジング(60)が前記第1及び第2の揺動アームレバー(45、46)に挟持されることを特徴とする、請求項6に記載のスライドドアシステム(1)。
【請求項8】
少なくとも1つのスペーサ支持体(47)が前記第1および第2の揺動アームレバー(45、46)の間に位置することを特徴とする、請求項6または7に記載のスライドドアシステム(1)。
【請求項9】
前記ドアリーフ(3)の前縁(71)は、水平面内に向けられた板状のフロントレバー本体(711)によって前記操舵トラック(70)に連結されたことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のスライドドアシステム(1)。
【請求項10】
前記操舵トラック(70)と係合するためのトラックフォロア(75)がフロントレバー本体の自由端に配置され、前記トラックフォロアが、水平面(XY面)に沿って向けられたトラックホイール(751)を備え、前記トラックホイール(751)は前記操舵トラック(70)と係合して垂直軸(Z軸)を中心とした前記ドアリーフ(3)の角度位置を操舵することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のスライドドアシステム(1)。
【請求項11】
スライドドアシステム(1)が、プラグアンドスライドドアシステムで、特に乗用車用プラグアンドスライドドアシステムであることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のスライドドアシステム(1)。
【請求項12】
前記ドアリーフのプラグ運動を引き起こすプラグガイド(9)を備え、前記プラグガイドがプラグホィールを備え、前記プラグホィールは前記ドアリーフのプラグトラックに係合し、前記プラグトラックはアンプラグカムプロファイル(902)を備え、前記プラグホイール(91)が前記揺動アーム(41)の遠位端に接続されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のスライドドアシステム(1)。
【請求項13】
スライドドアシステムが、シングルリーフシステムまたはダブルリーフシステムである、請求項1~12のいずれか一項に記載のスライドドアシステム(1)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のスライドドアシステム(1)を備える、バンのような輸送車両、バスまたは鉄道車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレームワークと、前縁部および後縁部を有する少なくとも1つのドアリーフとを備える、バン、鉄道列車またはバス車両のような輸送車両用のスライドドアシステム、特に車両のスライドドアシステムに関する。ドアリーフは、閉じた位置から開いた位置までのドアリーフの横断方向におけるスライド運動によってフレームワークに対して変位可能であり、フレームワーク内にドアウェイを提供する。ドアリーフは、支持ガイドによってフレームワークから吊り下げられる。支持ガイドは、揺動軸を備えた揺動アームを備え、揺動軸は揺動軸を中心に揺動可能であり、フレームワークに対するドアリーフのプラグアウト運動を可能にする。支持ガイドは、ドアリーフの横方向に延在し、ドアリーフに取り付けられたスライドバーを備える。支持ガイドはスライドキャリッジを含み、スライドキャリッジはスライドバーにスライド可能に取り付けられ、揺動アームの遠位端に接続されたキャリッジ旋回軸を中心に旋回する。スライドドアシステムは、ドアリーフのスライド動作を案内する操舵ガイドをさらに備える。操舵ガイドは操舵トラックを含み、操舵トラックは横断方向に延在し、ドアリーフの前端がフロントレバーによって操舵トラックに結合されている。
【背景技術】
【0002】
EP0466719は、鉄道車両及びバス車両におけるドアを開閉するための装置を開示している。この装置は、回転可能な排出駆動アセンブリと並進ガイドとを備える構造を有する。排出駆動アセンブリは、そのベース端部で回転軸に接合された下側および上側排出駆動アームを備える。各排出駆動アームの自由端にはクランプが設けられて、関連するスライドブッシュを備えて旋回支持をおこなう。スライドブッシュは、ドアリーフと一体になっている下側および上側のスライドバーに係合している。これらの係合は、ドアのための第1および第3のバックアップポイントを形成する。ドアの前端にあるブラケットが、2つ目のバックアップポイントを形成する。第1、第2、および第3のバックアップポイントは、ドアリーフを運ぶための頑丈で重い構造を提供する。
【0003】
十分な堅牢なデバイスを得るために、デバイスの構造は、それに応じたサイズにされる。しかしながら、この公知の装置の問題は、他用途に利用できないか、またはほとんど利用できない組み込み空間をあまりにも必要とすることである。乗用車を設計する際、車両設計者はドアシステム供給者に利用可能な環境を決定し、スライドドアシステムはこの環境に適合しなければならない。ドアリーフを囲むシャーシのビルトインスペースはしばしば非常に狭く、これはスライドドアシステムの挑戦的なスリム設計を必要とする。実用的には、その堅牢で体積のある空間的成分を有するこの既知のデバイスは、しばしば適合しない。
【0004】
US2008/231083は、バスの入口開口を閉鎖するためのドアリーフを備えたドアシステムを開示している。ドアリーフを閉鎖位置から開放位置にするために、ドアシステムは、可動性の部位を備える変位システムを有する。ドアリーフの前縁で、この可動部位は支持アームを介してドアリーフに固定される。可動部位は、ドアリーフの上方のフレームワークに取り付けられた回転可能なロッドに沿って移動可能である。可動部位を介して、ドアリーフは、第1の懸架点および第2の懸架点から懸架される。
【0005】
ホイールは、ロッドの回転運動を可能にするために、第二懸架点のロッド端部に設けられている。第一懸架点の周りのロッドの回転は、湾曲した端部を有するガイドストリップを備えるトラックシステムによって決定される。2個の走行ホイールがガイドストリップの各側に配置されており、V字形レバーを介して回動ロッドに接続されている。走行ホイールはガイドストリップの対向する両側に遊びなく配置され、回転軸は旋回ロッドの回転軸とほぼ一直線に配置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この既知のドアシステムに関する課題は、狭いビルドイン空間に制限されながらその堅牢性を改善することである。
【0007】
スライドドアシステムの多くの代替実施例が知られている。頑丈かつコンパクトであると同時に、狭いビルトイン空間に収まるような、スライドドアシステムの構成を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の従来技術に関しては、本明細書に含まれる文書、行為、材料、装置、物品等のいかなる議論も、本発明のコンテキストを提供する目的のためのものであり、そのような事項が従来技術の一部を形成すること、及び、本出願の各クレームの優先日より前に当該発明に関連する分野の公知の知識であることを認めるものではないことに留意されたい。
【0009】
本発明の一般的な目的は、上述の欠点を少なくとも部分的に除去すること、および/または使用可能な代替を提供することである。より具体的には、本発明の目的は、堅牢な構造を有するスライドドアシステムであって、その構造は、狭いビルトイン空間に依然として適合するものを提供することである。
【0010】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載のスライドドアシステムによって達成される。
【0011】
スライドドアシステムは、フレームワークと、前縁部および後縁部を有する少なくとも1つのドアリーフとを備える。ドアリーフは、フレームワークに対して横方向に変位可能である。ドアリーフは、閉じた位置から開いた位置へのスライド動作によって変位可能であり、フレームワーク内にドアウェイを提供する。特に、スライドドアシステムは公共輸送車両用の乗用車のスライドドアシステムである。乗客のためのスライドドアシステムは、フレームワークに対するスライド動作によって変位可能な少なくとも1つのドアリーフを有し、乗物に入る乗客のためのドアウェイを提供する。
【0012】
少なくとも1つのドアリーフは、支持ガイドによってフレームワークから吊り下げられる。支持ガイドは、フレームワークに沿って少なくとも1つのドアリーフを誘導するように配置される。フレームワークとは、ここではドアリーフを吊り下げるためのドアリーフの周囲に固定されたものを意味する。フレームワークは、車両シャーシによって少なくとも部分的に形成することができる。
【0013】
支持ガイドは、少なくとも1つの揺動アームを含む揺動軸を含む。揺動軸は、揺動軸線を中心に揺動可能である。揺動軸はドアウェイの側面に配置される。特に、揺動軸は、ドアリーフの上側領域に位置する上側揺動アームと、ドアリーフの下側領域に位置する下側揺動アームとを備える。ドアリーフは、揺動アームの遠位端に接続され、フレームワークに関するドアリーフのプラグアウト運動を可能にする。
【0014】
支持ガイドはスライドバーを備える。スライドバーは、ドアリーフの横方向に伸びる。スライドバーはドアリーフに取り付けられている。好ましくは、スライドバーは、直線状のバー本体を有する。更に好ましくは、スライドバーは、全バー長に関して真っ直ぐである真っ直ぐなバーである。有利には、スライドバーは、直線ロッド材料から製造することができる。
【0015】
支持ガイドは、スライドキャリッジを備える。スライドキャリッジは、スライドバーにスライド可能に取り付けられている。特に、スライドキャリッジは、スライドバーに沿った直線運動によってドアリーフを開閉するために、直線バー本体に沿って移動可能である。スライドキャリッジは、直線バー本体に沿った直線運動で動作する。スライドキャリッジは、キャリッジ旋回軸を中心として旋回アームの遠位端部に旋回可能に連結されている。
【0016】
さらに、スライドドアシステムは、ドアリーフのスライド動作を操縦するための操舵ガイドを備える。操舵ガイドには、操舵トラックが含まれる。操舵トラックは横方向に伸びている。好ましくは、操舵トラックは、操舵トラックに沿った直線運動によってドアリーフを開閉するための直線トラック本体を有する。より好ましくは、操舵トラックは、全トラック長に対して真っ直ぐである。有利には、操舵トラックは、直線ロッド材料から製造することができる。ドアリーフの前縁部は、フロントレバーによって操舵トラックに結合されている。フロントレバーは、ドアリーフの前縁部の近くに取り付けられている。
【0017】
本発明によれば、操舵トラックのフレームワークへの固定取付により、改良が得られる。操舵トラックは、フレームワークに移動不可能に取り付けられる。操舵トラックには固定位置がある。操舵トラックは、ドアリーフを吊り下げるための支持ガイドを形成する可動部品とは別に配置される。従来技術のシステムと比較して、本発明による操舵トラックは、フレームワークに対して動かないように固定され、機械的に独立して見え、もはや、揺動軸の動作可能なアセンブリによって形成された支持ガイドの一部ではなく、揺動アームはスライドキャリッジによってスライドバーと連結されている。操舵トラックをこのように独立して取り付けることにより、支持ガイドによって形成されたドアリーフのサスペンションの剛性を増大させると同時に、スライドドアシステムの他の残りの構成要素の構成を修正することが可能になる。支持ガイドを形成する可動構成要素の増大した剛性によって、これらの残りの構成要素は、剛性の可能な減少が補償され得るので、よりコンパクトな設計を有することができる。構造体のある部分のコンパクトさを増すことができ、これにより、スライドドアシステムをドアのリーフの周りのフレームワークの所定の場所で利用可能な狭い内蔵スペース内に収めることができて有益である。
【0018】
この提供された設計自由度はスライドドアシステム供給者にとって特に有益である。スライドドアシステム供給者はライドドアシステムの可能な構成を制限するシャーシ設計を行うシャーシビルダにシステムを供給しなければならない。本発明によるスライドドアシステムのコンパクトな構成は、供給者がバス車両の製造業者によって設定された要求に従うことを可能にする。
【0019】
さらに、本発明によるスライドドアシステムは、さらなる利点を提供し得る。操舵トラックの固定は、例えば、ドアリーフが開位置に置かれたとき、ドアリーフの安定した正確な角度端位置を得ることを可能にする。特に、乗用車において、ドアリーフのこの安定した正確な角度端部位置決めは、バス車両のミラーアセンブリのように、操縦された前輪又は近くのシャーシ部品との干渉を防止する上で有益である。
【0020】
固定操舵トラックは、ドアリーフサスペンションの剛性を増加させることができる。本発明に係るいくつかの態様では、スライドドアシステムの支持ガイドの堅牢性および剛性をさらに高めることができる。これらの態様によって提供される構造的特徴は、単独で、または本発明に従った実施形態において組み合わせて適用され、支持ガイドによってドアリーフサスペンションの剛性を増加させることができる。特に、請求項1に記載のスライドドアシステムは、従属請求項2-8に規定される特徴の1つまたは複数によって、支持ガイドの剛性を高めることによって改良することができる。本発明のいくつかの態様によれば、スライドドアシステムの構造的改良は、ドアリーフの揺動軸への接続部の剛性を改善することによって得ることができる。
第1の態様では、スライドバーの配置を改良して、スライドドアシステムのドアリーフの接続部の剛性を高めることができる。
【0021】
本発明によるスライドドアシステムの実施形態において、スライドバーは、ドアリーフフレームによって形成される平面内に位置決めされる。ドアリーフは、ドアリーフの前端および後端に垂直フレームプロファイルを含む窓フレームによって形成することができ、この窓フレームにおいては、スライドバーが垂直フレームプロファイル間に固定して取り付けられる。スライドバーは、ドアリーフの前方フレームプロファイルと後方フレームプロファイルとの間に配置することができる。ドアリーフフレームによって形成される平面内にスライドバーを位置決めすることによって、垂直平面内に見られるときのドアリーフの重力点は、スライドバーの軸線に一致するか、または近接して位置決めされることができ、その結果、スライドバーに対するドアリーフの運動量の導入が最小化される。スライドバーに対するドアリーフの重力点のオフセットが最小化される。運動量を最小化することにより、スライドバーの下の相補的な回転拘束のより要求の少ない構造を可能にする。これにより、堅牢なスライドバーは、構造の剛性を決定する際に主要な構成要素を形成する。残りの部材は堅牢性の低い部品で構成することができ、狭い取り付けスペースに適合させなければならないスライドドアシステムを提供する際に有益である。
【0022】
本発明によるスライドドアシステムの実施形態では、ドアリーフは、ドアリーフを運ぶための単一のスライドバーのみを備える。スライドバーは、そのスライドバー端部だけでドアリーフに接続することができる。スライドバーは円形断面を有することが好ましい。この円形断面は、スライドバーの軸を中心とする回転自由度をドアリーフに提供する。特に、スライドバーは、少なくとも1mmの直径を有する。
【0023】
スライドバーは、ドアリーフの上部領域に配置されることが好ましい。スライドバーにドアリーフの重量が掛かる。次に、スライドバーの軸線周りのドアリーフの回転自由度は、スライドバーの下の位置で拘束される。好ましくは、回転拘束は、ドアリーフの下部領域に設けられる。
【0024】
一実施形態では、スライドバーの下のドアリーフの領域に、単一の回転拘束のみが設けられる。スライドバーの下の回転拘束は、ドアリーフのスライド運動を可能にするが、スライドバーの軸線周りのドアリーフの回転位置を規定する。好ましくは、回転拘束は、ドアリーフの後端に配置される。前記回転拘束は、前記揺動軸の下方に位置する揺動アームの先端部へのドアリーフ連結によって形成されてもよい。ドアリーフの連結部は、例えば、U字形トラックによって形成されてもよく、U字形トラックはドアリーフに取り付けられ、下方に配置された揺動アームに取り付けられたトラックフォロア、トラックホイールによって係合される。U字形のトラックはドアリーフのスライド運動を可能にするが、2つの回転方向の回転自由度を拘束する。これらにより、有利には、スライドバーの軸線周りの回転におけるドアリーフの静的配置が得られる。
【0025】
本発明の第2の態様では、支持ガイドのスライドキャリッジは、スライドドアシステムのドアリーフの接続部の剛性を高めるように改良されている。
【0026】
本発明によるスライドドアシステムの実施形態において、スライドキャリッジは、ブロック形状のキャリッジハウジングを有する。キャリッジハウジングは、スライドバーに係合する第1及び第2ローラ対を収容している。キャリッジハウジングは、スライドバーがスライドキャリッジの下方に配置されたローラによって支持されるように、実質的な垂直面に配向されている。上側に配置されたローラは、スライドバーの上部に載っている。第1ローラ対は、第2ローラ対の脇に位置する。すべりブシュに比べて、ローラ対の配置が剛性アップに寄与している。
【0027】
第1ローラ対は、第2ローラ対から5cm以上、好ましくは8cm以上離して配置されるのが好ましい。ここで、スライドキャリッジは、ドアリーフの重量の主要部分を運ぶように配置され、ドアリーフの運動を案内する。有利には、スライドキャリッジの堅牢な構成により、スライドドアシステムの他の構成部品をよりコンパクトに構成することができ、その結果、スライドドアシステムは、利用可能な取付スペース内に、より良く適合することができる。
【0028】
キャリッジ旋回軸は、第1ローラ対と第2ローラ対との間に配置されることが好ましい。キャリッジ旋回軸は、第1と第2のローラ対の間のキャリッジハウジングを通って延在する。ここで、ドアリーフの重力荷重は、相対的な短い距離およびオフセットをわたって、スライディングキャリッジから揺動アームに伝達され、運動の案内が低減される。
【0029】
本発明の第3の態様では、支持ガイドの揺動アームが改良される。揺動アームは、ドアリーフのスライドドアシステムへの接続部の剛性の増大に寄与する構成となっている。
【0030】
本発明によるスライドドアシステムの実施形態では、スライドキャリッジに回動可能に接続された揺動アームは、第1および第2揺動アームレバーを備える。前記キャリッジハウジングが、前記第1および第2の揺動アームレバーの間に挟まれることが好ましい。第1および第2の揺動アームレバーは、その間にあるキャリッジハウジングと共に、揺動アームの剛性を増加させる箱型構造を形成する。好ましくは、少なくとも1つのスペーサ支持体が、揺動アームの剛性を更に増加させるために、第1および第2の揺動アームレバーの間に配置される。少なくとも1つのスペーサ支持体は、例えば、第1と第2の揺動アームレバーの間に溶接されるかまたは接着され得るブッシュ型またはプレート型のレバー部材によって提供され得る。
【0031】
これにより、本発明の態様によれば、ドアリーフの揺動軸への連結の機械的なチェーンは、この連結位置における剛性を増すことによって改良することができる。連結は、スライドバー、スライドキャリッジおよび揺動軸の少なくともいずれかを適合させることにより、より堅牢にすることができ、これにより、ドアリーフの実質的な支持が、この機械的な連結のチェーンによって提供される。スライドドアシステムの残りの構成部品、特に、操舵ガイダンスのフロントレバー及び操舵トラック、ドアリーフの下方領域にある構成部品も、あまり堅牢でないように構成することができる。これらの構成要素は、ドアリーフの周囲の取付スペースがより少なくて済むように、コンパクトな方法で構成することができる。本発明による構成は、ドアリーフサスペンションを形成する主要構成要素が、一般に堅牢な構成要素の配置に利用可能な十分なスペースがある揺動軸の近くに配置されるという点で、車両設計において有益である。揺動軸は、好ましくは、ドアリーフのほぼ全長に沿って延在することが注目される。揺動軸は、下側領域からドアリーフの上側領域まで延びていてもよい。しかしながら、揺動軸は、ドアリーフの上側または下側領域に局所的にしか設けられていない短い揺動軸でもよい。前記揺動軸は、前記第1および第2の揺動アームレバーに挟まれるとよい。
【0032】
本発明によるスライドドアシステムの実施形態では、ドアリーフの前端は、水平に配向されたプレート形状のフロントレバー本体によって操舵トラックに接続される。フロントレバー本体にはフロントレバーベースがあり、ドアリーフに取り付けられている。フロントレバー本体はフロントレバーベースから伸びている。フロントレバー本体は、ドアリーフと操舵トラックを相互接続する。好ましくは、トラックフォロアは、フロントレバー本体の自由端において接続されている。特に、トラックフォロアはトラックホイールである。
【0033】
本発明によるスライドドアシステムの実施形態では、トラックフォロアは、水平に配向されたトラックホイールを備える。トラックホイールは、操舵トラックと係合して、垂直軸を中心とするドアリーフの角度位置を操舵する。操舵ガイドは、操舵トラックと係合する、水平方向に向けられたトラックホイールのみを備えることによって構成することができる。これは最小限の取付スペースを必要とする軽量構造を提供することができる。さらなる実施形態では、トラックフォロアは、操舵トラックに係合する垂直に配向されたトラックホイールをさらに備えることができる。垂直に向けられたトラックホイールは、揺動軸におけるドアリーフの接続部によって提供される主支持に加えて、ドアリーフに対する補助支持を提供してもよい。
【0034】
本発明によるスライドドアシステムの実施形態では、スライドドアシステムは、ドアリーフのプラグ運動を生成するためのプラグガイドをさらに備えてもよい。プラグ運動は、垂直軸を中心とするドアリーフの回転を含む。プラグガイドは、ドアリーフを閉鎖位置から外すのに役立つ。閉鎖位置では、ドアリーフは、フレームワークによって形成される平面に合わせられる。ドアリーフのプラグを外す場合、ドアリーフを垂直軸の周りに回転させて、ドアリーフの後端をフレームワークによって形成された平面の外へ移動させるドアリーフのアンプラグ動作がなされる。
【0035】
プラグガイドは、プラグトラックおよびプラグホイールを備える。プラグトラックは、ドアリーフに取り付けられる。プラグトラックは、スライドバーと平行にドアリーフの横断方向に伸びている。揺動軸には、プラグトラックと係合するプラグホイールが設けられている。プラグホイールは、揺動アームの遠位端に接続されている。プラグトラックはドアリーフに接続される。プラグトラックには、リニアカムプロファイルと位置合わせされたアンプラグカムプロファイルがある。アンプラグカムプロファイルは、プラグトラックのヘッディング部分を形成することができる。好ましくは、プラグトラックは、直線のプラグトラック本体を有する。より好ましくは、プラグトラックは、プラグトラックが真っ直ぐなロッド材料から製造され得るように、全プラグトラック長さで真っ直ぐである。揺動軸の回転中、プラグホイールは、ドアリーフがフレームワークによって形成された平面から押し出されるように、アンプラグカムプロファイルに追従する。ドアリーフを開位置から閉鎖位置に移動させる場合、同様に、プラグトラックとプラグホイールの組立により、ドアリーフはフレームワーク内に再び差し込まれる。揺動軸の回転により、プラグの抜き差し動作が発生する。ここで、スライドドアシステムは、プラグアンドスライドドア方式である。有利には、すべてのガイド要素を直線状にすることができ、すなわち、スライドバー、操舵トラック、及びプラグトラックを直線のロッド材料から製造することができる。ロッド材の曲率は不要である。
【0036】
したがって、フレームワークに対してドアリーフを吊り下げるための支持ガイドを備えるスライドドアシステムが提供される。操舵トラックがフレームワークに固定され、係合するフロントレバーがドアリーフの前縁部に取り付けられている。この支持ガイドは、操舵ガイドとは独立に設けられ、支持ガイドの剛性を大きくできる設計自由度を与える。操舵ガイドはコンパクトな構成で設計できる。ドアリーフと揺動軸との接続部の機械的チェーンは、スライドバー、スライドキャリッジおよび揺動アームの少なくとも1つを適合させることにより、より堅牢にすることができ、これにより、ドアリーフの実質的な支持部が、この接続部の機械的チェーンにより提供される。
【0037】
また、本発明は、車両、特に輸送車両に関し、バスや鉄道車両等の大量輸送車両に関し、本発明によるスライドドアシステムを備える。車両は、フレームワーク内でドアウェイを開閉するためのシングルドアのリーフまたはダブルドアのリーフアセンブリを含むスライドドアシステムを備えることができる。
【0038】
添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。図面は、本発明に従った実用的な実施形態を示しており、これは、本発明の範囲を限定するものと解釈することはできない。特定の特徴もまた、示された実施形態とは別に考えることができ、また、示された実施形態のためだけでなく、添付の特許請求の範囲に含まれる全ての実施形態を特徴づける、共通の特徴として、より広い文脈で考慮することができる:
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明によるスライドドアシステムの好ましい実施形態の正面図を示す。
図2】旋回可能な揺動軸の上下揺動アームレバーに、スライドキャリッジを挟んでスライドバーによって形成された、ドアリーフの上部領域における剛結合の拡大図である。
図3】旋回可能な揺動軸の上下揺動アームレバーに、スライドキャリッジを挟んでスライドバーによって形成された、ドアリーフの上部領域における剛結合の拡大図である。
図4】旋回可能な揺動軸の上下揺動アームレバーに、スライドキャリッジを挟んでスライドバーによって形成された、ドアリーフの上部領域における剛結合の拡大図である。
図5】旋回可能な揺動軸の上下揺動アームレバーに、スライドキャリッジを挟んでスライドバーによって形成された、ドアリーフの上部領域における剛結合の拡大図である。
図6】フレームワーク内でドアリーフが閉鎖位置に保持されている図1のスライドドアシステムの上面図を示す;
図7】一対の揺動アームレバーの一の揺動アームによって形成される剛性連結部の実施形態の拡大図である;
図8】ドアリーフの前端に装着されたフロントレバーによって形成され、フロントレバーは、操舵トラックと係合するトラックフォロアを有する操舵ガイドを示す斜視図。
図9】ドアリーフが開位置にある場合の上から見たスライドドアシステムを示す。
図10】ドアリーフが開位置にある場合の下から見たスライドドアシステムを示す。
図11】ドアリーフが開位置にある場合の上から見たスライドドアシステムを示す。
図12】揺動軸にサスペンションが位置し、スライドバー、スライドキャリッジ、揺動アームによって形成された開位置のドアリーフのサスペンションを示す。
図13】揺動軸にサスペンションが位置し、スライドバー、スライドキャリッジ、揺動アームによって形成された開位置のドアリーフのサスペンションを示す。
図14】揺動軸にサスペンションが位置し、スライドバー、スライドキャリッジ、揺動アームによって形成された開位置のドアリーフのサスペンションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1図14において、本発明に係るスライドドアシステムは、全体に参照番号1を付している。スライドドアシステムは、乗客のために出入り口を開閉するように配置された大量輸送機関車両スライドドアシステムである。大量輸送機関車両は、鉄道列車またはバス車両であってもよい。
【0041】
同一又は機能的に類似の構成要素を示すために、図面には同一の参照符号が使用されている。明細書及びクレームの理解を容易にするために、図面に示されている上下方向、水平方向、長さ方向、断面及び座標系X、Y、Zという言葉は、車両におけるスライドドアシステムの重力及び共通の配置を参照して、非限定的な方法で使用される。
【0042】
図1及び対応する図は、X軸、Y軸、Z軸を含む座標を示す。Z軸は高さまたは垂直方向を定義する。X軸及びY軸は、水平面であるX-Y面を画定し、この場合、X方向は車両の長さ方向を画定し、Y方向は車両の幅方向を画定する。X軸とZ軸は、長さ方向の垂直面であるX-Z面を定義する。Y軸とZ軸は、幅方向の垂直面であるY-Z面を定義する。
【0043】
一般に、スライドドアシステムは、ドアリーフが車両のX-Z垂直面内に配置されるように、車両シャーシの左側または右側に配置される。次に、ドアリーフの幅が車両の長さ方向で測定される。したがって、ドアリーフの横方向がX方向であると考えられる。ドアリーフの厚さは、Y方向で考慮される。Z方向はドアリーフの高さを考慮する。
【0044】
図1は、フレームワーク2とドアリーフ3とを有するスライドドアシステムを示す。ドアリーフは、フレームワーク2から吊り下げられる。ドアリーフは、図1図8に示す閉鎖位置CPから、スライド動作によってフレームワーク2に対して図9図14に示す開位置OPに移動可能である。スライド動作はドアリーフ3の横方向、X方向の移動である。ドアリーフを駆動するための駆動システムは図示されていない。ここでは、スライド動作をプラグ動作と組み合わせる。プラグ/アンプラグ動作は、垂直軸A-Aを中心とするドアリーフ3の回転運動であり、ドアリーフ3をそれぞれY方向にフレームワーク2内にまたはフレームワークから移動させる。
【0045】
フレームワークは、スライドドアシステム自体のアイテムであってもよい。一般に、フレームワーク2は、少なくとも部分的に車両のシャーシによって形成される。車両への設置のためにスライドドアシステムを供給する際には、補助的な枠組み、いわゆるカセットシステムによって構成部品を保持して、スライドドアシステム1を車両のシャーシに設置することがある。
【0046】
ドアリーフ3は、窓枠とも呼ばれるドアリーフ枠33に取り付けられるドア窓30を有する。ドアリーフ枠は、垂直方向に延在する前方フレームプロファイル331と後方フレームプロファイル332とを備える。前方フレームプロファイル331は、ドアリーフ3の前縁を形成する。後方フレームプロファイル332は、ドアリーフ3の後縁を形成している。
【0047】
ドアリーフ3は、支持ガイド10によってフレームワーク2から吊り下げられる。支持ガイド10は、図2にさらに図示されているいくつかの構成要素を備える。
【0048】
支持ガイド10は、上下方向の揺動軸線04を中心に回動可能な揺動軸4を備える。揺動軸4には少なくとも1つの揺動アーム41が設けられている。ここでは、上側揺動アーム411が揺動軸4の上部領域に位置し、下側揺動アーム412が揺動軸の下部領域に位置する。各揺動アーム41は、ドアリーフに接続される自由端を有する。
【0049】
支持ガイド10はスライドバー5を備える。スライドバー5は、円形断面を有するスライドバー本体50を有する。特に、スライドバーは、少なくとも15mmの外径、特に少なくとも20mmの外径を有する。スライドバー5は、横方向に延び、ドアリーフ3に取り付けられている。スライドバー5は、直線状のバー本体50を有する。好ましくは、スライドバー5は、全バー長に関して真っ直ぐなバーである。
【0050】
ここでは、両端部51、52のみにおいて、スライドバーがドアリーフに取り付けられている。スライドバー5は、ドアリーフ3の前端と後端との間に少なくとも50cmの距離を架橋する未装着の長さを有する。スライドバー5は、ドアリーフ枠の一部を形成する。スライドバー5は、ドアリーフ枠によって形成される平面内に位置決めされる。第1スライドバー端部51は、前方フレームプロファイル331に取り付けられ、第2スライドバー端部52は、後方フレームプロファイル332に取り付けられる。
【0051】
支持ガイド10は、スライドキャリッジ6を備える。スライドキャリッジは、スライドバー5に沿って移動可能である。スライドキャリッジは、直線のスライドバー本体50に沿って移動可能である。スライドキャリッジは、直線のスライドバー本体50に沿った直線運動と共に作動する。スライドキャリッジは、第1ローラ対61及び第2ローラ対62を収容するキャリッジ収容部60を有している。第1ローラ対61は第2ローラ対62から少なくとも5cm、特に少なくとも8cm離間して配置される。キャリッジハウジング60は、キャリッジ旋回軸06を中心として旋回可能に上側揺動アーム411に連結されている。キャリッジ旋回軸06は、揺動軸04と平行に延びている。ここでは、キャリッジ旋回軸06が第1及び第2ローラ対61、62の間に位置している。キャリッジ旋回軸06はキャリッジハウジングを貫通して伸びている。
【0052】
ここで、図3図5および図7に示すように、キャリッジハウジング60は、第1の揺動アームレバー45と第2の揺動アームレバー46との間に挟まれている。キャリッジハウジング60は揺動アームレバー45、46とともに、揺動アーム41の剛性に寄与する揺動アーム41の空間的な配置を形成している。少なくとも1つのスペーサ支持体47が、第1および第2の揺動アームレバー45、46の間に位置決めされる。ここで、少なくとも1つのスペーサ支持体47は、ブッシュ状である。好ましくは、スペーサ支持体は、第1及び第2の揺動アームレバー45、46の間に溶接されている。スペーサ支持体47による相互連結によって、揺動アーム41の剛性がさらに増加する。
【0053】
これにより、ドアリーフ3は、揺動軸4、連結されたスライドキャリッジ6およびスライドバー5の連結の機械的チェーンにより形成された支持ガイド10によってフレームワーク2に吊り下げられる。構造体のこれらの構成要素4、5及び6は、堅牢な構成を有する。ドアリーフ3の重量は、実質的にこれらの構成要素によって担持される。他の構成要素の構造体を小型化することができる。
【0054】
図6の上面図にさらに示すように、フレームワーク2に対するドアリーフ3の適切な運動を得るために、スライドドアシステムは操舵ガイド7をさらに備える。操舵ガイド7は操舵トラック70を含む。特に、操舵トラックはリニア操舵トラックである。操舵トラック70はフレームワーク2に不動に取付けられる。操舵トラック70はフレームワーク2に固定されている。ドアリーフ3はフロントレバー71によって操舵トラック70と連結されている。フロントレバー71は、ドアリーフ3の前縁部31に取り付けられ、トラックフォロア75によって操舵トラック70と係合する。
【0055】
ここで、トラックフォロア75は、トラックホイール751を備える。トラックホイールは、XY平面、つまり水平面の方向を向いている。水平に向けられたトラックホイール751は、操舵トラック70と係合し、垂直軸を中心としたドアリーフ3の角度位置が決定されるようにする。
【0056】
ドアリーフ3の吊り下げは、スライドキャリッジ6で完全に行ってもよい。ここでは、補助トラックホイール752がフロントレバー71と接続されており、ドアリーフに対するいくらかの更なる支持を操舵トラック70が提供するようになっており、ドアリーフの極端な位置、特に、閉鎖位置CPの近くのドアリーフ3の位置において特に有益である。ドアリーフの荷重が主に揺動軸に位置する支持ガイドに作用するため、ドアリーフの前縁31におけるフロントレバー71は、高さ方向の寸法を小さくすることができる。
【0057】
ここでは、図8に示すように、フロントレバー71は、ドアリーフ3にフロントレバー71を装着するフロントレバーベース710と、フロントレバーベース710から離間して延出されるフロントレバー本体711とを有する。フロントレバーベース710は、傾斜した輪郭によって形成される。フロントレバー本体711は板状に形成され、フロントレバーベース710に連結されている。板状のフロントレバー本体711は水平面内を向いている。
【0058】
図8に示すように、フロントレバー本体711は、自由端を有する。トラックホイール751は、フロントレバー本体711の自由端に位置される。トラックホイール751は、垂直軸を中心に回転可能であり、したがって、垂直に配向されたトラックに沿って走るように水平面内で配向される。補助トラックホイール752は、トラックホイール751の近くに配置される。補助トラックホイール752は、垂直面(水平軸を中心に回転可能)に配向され、ドアリーフに何らかの追加支持を提供し得る水平に配向されたトラックと係合する。
【0059】
特に図8及び図13は、プラグガイド9を示している。プラグガイド9は、プラグホイール91と協働するプラグトラック90により形成される。プラグトラック90は、走行トラックが設けられた細長いプラグトラック本体を有する。プラグトラック90は、リニアカムプロファイル901とアンプラグカムプロファイル902とを含む走行トラックを有する。リニアカムプロファイル901は、細長いプラグトラック本体に沿って延在する。アンプラグカムプロファイル902は、プラグトラック本体の先頭部分に位置する。ドアリーフの閉鎖位置では、プラグホイール91は、アンプラグカムプロファイル902と係合する。揺動軸4の初期移動において、プラグホイール91は、アンプラグカムプロファイル902に沿って走行し、ドアリーフ3をフレームワーク2からプラグアウトさせる。続いて、揺動軸4の移動が連続し、ドアリーフが十分遠くに移動したとき、ドアリーフ3のスライド運動を開始して、ドアリーフ3が図13に示されるに開位置になるまでプラグホイール91がリニアカムプロファイル901に沿って走行する。
【0060】
図12は、開位置のドアリーフ3を外側から見た正面図を示す。開位置では、ドアリーフは片側で運ばれる。ドアリーフの吊り下げは、揺動軸に位置する支持ガイド10によって行われる。スライドキャリッジ6は、ドアリーフ枠の一部であるスライドバー50との係合によってドアリーフ3を担持している。ドアリーフ3の重力点は、スライドキャリッジ6の脇に位置している。第1及び第2ローラ対61、62は、Y軸を中心としてXZ平面に導入された運動量を補償する。また、凹状の走行輪郭をそれぞれ有する第1及び第2ローラ対61、62は、Z軸回りの回転も補正する。
【0061】
図に示す実施形態に加えて、多数の変形例が可能である。例えば、スライドドアシステムの図示された実施形態の変形例では、スライドドアシステムの代替実施形態は、スライドバー、スライドキャリッジ、およびドアリーフの下部領域での揺動アームによる連結の第2アセンブリを備えていてもよい。
【0062】
以上、本発明を詳細に説明したが、以下の本発明の請求項の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び変形が可能であることは、当業者には明らかである。そのような変更及び修正はすべて、本開示及び請求の範囲内に包含されることが意図されている。
【0063】
更に、実施形態に記載され、及び/又は従属請求項に記載されている、本発明によるスライドドアシステムのどのような特徴も、他の提示された特徴に依存することなく、それ自体特許性があるとみなされることに留意されたい。特に、従属クレームに提示された措置も、独立クレームへの従属なしに特許性を有するとみなされる。
【0064】
したがって、本発明は、フレームワークみに対してドアリーフを吊り下げるための支持ガイドを備えたスライドドアシステムを提供し、この支持ガイドはスライドバーと、スライドキャリッジと、揺動アームを備えた揺動軸とによって形成され、操舵ガイドは、フレームワークみに固定された操舵トラックと、ドアリーフの前端に取り付けられた係合フロントレバーとを含んで提供される。
【符号の説明】
【0065】
CP 閉位置
OP 開位置

1 スライドドアシステム
2 フレームワーク
3 ドアリーフ
30 ドア窓
31 前縁部
32 後縁部
33 ドアリーフ枠;窓枠
331 前方フレームプロファイル
332 後方フレームプロファイル
10 支持案内
4 揺動軸
04 揺動軸線
41 揺動アーム
411 上側揺動アーム
412 下側揺動アーム
45 第1揺動アームレバー
46 第2揺動アームレバー
47 スペーサ支持部

スライドバー
50 スライドバー本体
51 第1スライドバー端部
52 第2スライドバー端部
6 スライドキャリッジ
06 キャリッジ旋回軸
60 キャリッジハウジング
61 第1ローラ対
62 第2ローラ対
7操舵ガイド
70 操舵トラック
71 フロントレバー
710 フロントレバーベース
711 フロントレバー本体
75 トラックフォロア
751 トラックホイール;水平配向トラックホイール
752 補助トラックホイール

9 プラグガイド
90 プラグトラック
901 リニアカムプロファイル
902 アンプラグカムプロファイル
91 プラグホイール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】