(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患およびメタボリックシンドロームの処置のための使用のための組み合わせ
(51)【国際特許分類】
A61K 31/575 20060101AFI20240628BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20240628BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240628BHJP
A61K 31/7048 20060101ALI20240628BHJP
A61K 36/752 20060101ALI20240628BHJP
A61K 36/15 20060101ALI20240628BHJP
A61K 36/899 20060101ALI20240628BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240628BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20240628BHJP
【FI】
A61K31/575
A61P3/06
A61P9/00
A61P43/00 121
A61K31/7048
A61K36/752
A61K36/15
A61K36/899
A61K45/00
A23L33/105
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501855
(86)(22)【出願日】2022-07-19
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 EP2022070248
(87)【国際公開番号】W WO2023001842
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522297410
【氏名又は名称】メダ ファーマ エス.ピー.エイ.
【氏名又は名称原語表記】MEDA Pharma S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Valosa di Sopra 9,20900 Monza,Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110002114
【氏名又は名称】弁理士法人河野国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100128624
【氏名又は名称】穂坂 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100138483
【氏名又は名称】村上 晃一
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【氏名又は名称】篠原 淳司
(72)【発明者】
【氏名】ザナルディ、アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ゲルフィ、エレナ
(72)【発明者】
【氏名】モスコーニ、マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ガスパッリ、フランコ
【テーマコード(参考)】
4B018
4C084
4C086
4C088
【Fターム(参考)】
4B018MD08
4B018MD48
4B018MD52
4B018ME04
4B018ME14
4B018MF01
4C084AA24
4C084MA02
4C084MA34
4C084MA35
4C084MA37
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4C084MA52
4C084NA05
4C084ZA361
4C084ZA362
4C084ZC331
4C084ZC332
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA11
4C086EA11
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA34
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086NA05
4C086ZA36
4C086ZC33
4C086ZC75
4C088AB03
4C088AB62
4C088AB74
4C088BA08
4C088MA08
4C088MA34
4C088MA35
4C088MA37
4C088MA41
4C088MA43
4C088MA52
4C088NA05
4C088ZA36
4C088ZC33
4C088ZC75
(57)【要約】
本発明は、高コレステロール血症の処置または予防における使用のための、ナリンギンおよびスタノールの組み合わせに関する。本発明は、上記組み合わせを含む、組成物にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患およびメタボリックシンドロームの処置または予防における使用のための、ナリンギンおよびスタノールの組み合わせ。
【請求項2】
ナリンギン対スタノールの重量比が、10:1~1:10である、請求項1に記載の使用のための組み合わせ。
【請求項3】
ナリンギン対スタノールの重量比が、0.1:750mg/用量~750:0.1mg/用量である、請求項1に記載の使用のための組み合わせ。
【請求項4】
ナリンギンおよびスタノールが、単位製剤中で同時に投与される、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための組み合わせ。
【請求項5】
ナリンギンおよびスタノールが、別個に、連続的にまたは同時に投与される、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための組み合わせ。
【請求項6】
高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患およびメタボリックシンドロームの処置または予防における使用のための、(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物および(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物の組み合わせ。
【請求項7】
(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物対(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物の重量比が、10:1~1:10である、請求項6に記載の使用のための組み合わせ。
【請求項8】
(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物対(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物の重量比が、0.1:5000mg/用量~5000:0.1mg/用量である、請求項6に記載の使用のための組み合わせ。
【請求項9】
(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物から(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物が、単位製剤中で同時に投与される、請求項6~8のいずれか1項に記載の使用のための組み合わせ。
【請求項10】
(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物から(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物が、別個に、連続的にまたは同時に投与される、請求項6~8のいずれか1項に記載の使用のための組み合わせ。
【請求項11】
前記スタノールがベータシトスタノールおよび/またはカンペスタノールを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の使用のための組み合わせ、あるいは、前記(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物が、ベータシトスタノールおよび/またはカンペスタノールを含む、請求項6~10のいずれか1項に記載の使用のための組み合わせ。
【請求項12】
前記組み合わせが、さらに、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤である紅麹米を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の使用のための組み合わせ。
【請求項13】
前記組み合わせが、さらに、植物抽出物である、ベルべリス・アリスタタ(ベルベリン)、アーティチョーク抽出物、カルドン抽出物、ニンニク、タンジン、ポリコサノール、緑茶(Camellia sinensis)抽出物、アンヌールアップル(Melannurca campana)抽出物、ウコンおよびクルクミノイド、スピルリナ、キトサン、ベータグルカンおよびグルコマンナンから選ばれる少なくとも1つの物質を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の使用のための組み合わせ。
【請求項14】
前記組み合わせが、さらに、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、葉酸またはオルトシホン属を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の使用のための組み合わせ。
【請求項15】
トコトリエノール、ヒドロキシチロソールまたはヒドロキシチロソールを含む抽出物を含まない、請求項1~14のいずれか1項に記載の使用のための組み合わせ。
【請求項16】
固体経口組成物の形態である、好ましくは、顆粒、顆粒剤、薬粒、ビーズまたはペレットとしての、請求項1~15のいずれか1項に記載の使用のための組み合わせ。
【請求項17】
カプセル、錠剤またはサシェとして製剤化された、請求項1~16のいずれか1項に記載の使用のための組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新たな組成物、特に栄養補助組成物、ならびにそれらの使用、特に高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患およびメタボリックシンドロームの処置または予防のための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
高コレステロール血症は、冠動脈、脳血管および末梢動脈疾患のよく知られたリスクファクターである。実際に、血漿レベルにおける基礎的なコレステロールのいかなる減少も、比例して減少した心血管合併症(心筋梗塞、脳卒中、閉塞性末梢動脈疾患)の発生率に関連付けられる。相関は、最初の臨床事象の前に既に存在し、一次予防、並びに最初の臨床事象に続く心血管イベントに関係し、二次予防に関係する。
【0003】
高コレステロール血症自体は無症候性であるが、長年にわたる血清コレステロールの上昇はアテローム性動脈硬化症に導きうる。酸化ストレス下での動脈の硬化であるアテローム性動脈硬化症は、低密度リポタンパク質(LDL)の酸化的変化に関連している。抗酸化剤は、アテローム発生の間の酸化LDLの生成を阻止する。おそらく、この疾患の発症中に動脈壁のすべての細胞においてLDLが酸化されるアテローム性動脈硬化症には、2つ以上のメカニズムが関与している。LDLの酸化は、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸由来のイソプロスタン、コレステロール由来のオキシステロール、ヒドロキシ脂肪酸、過酸化脂質ならびにアルデヒドのような脂質過酸化産物を生成する。脂質過酸化バイオアッセイは、心血管疾患のリスクについてのマーカーとして役立ちうる。
【0004】
特定薬剤による高コレステロール血症の処置は、二次予防において推奨される。逆に、一次予防において、すなわち、わずかな心血管症状があるまたはなく、治療的生活スタイル変化(TLC)の方がより実用的で効果的であると見える対象においては、コレステロール低下剤を生涯使用することには理論的根拠がない。TLCは、高コレステロール血症を制御するために重要な方策である。特に、食事管理は、服薬順守の改善された栄養補助剤を適切な食事計画と組み合わせることが可能である。しかしながら、一次予防において効果的であるためには、生涯、例外なくTLCに従わなければならず、これは現在の社会状況では極めて困難な課題である。
【0005】
したがって、心血管リスクファクターの満足のいく管理を一次予防において達成することのできる天然物と栄養補助食品によって、これらの慢性疾患を管理し処置することのできるさらなる方法を提供することが、本発明の目的である。
【発明の概要】
【0006】
第一の態様では、本発明は、高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患およびメタボリックシンドロームの処置または予防における使用のための、
ナリンギンおよび
スタノール
の組み合わせを提供する。
【0007】
本発明は、
ナリンギンおよび
スタノール
の組み合わせをヒトに投与することを含む、高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患およびメタボリックシンドロームの処置または予防のための方法も提供する。
【0008】
本発明は、高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患およびメタボリックシンドロームの処置または予防のための医薬品または栄養補助食品の製造のための、
ナリンギンおよび
スタノール
の組み合わせの使用も提供する。
【0009】
第二の態様では、本発明は、高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患およびメタボリックシンドロームの処置または予防における使用のための、
(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット(Citrus bergamia)抽出物および
(スタノール10%に標準化された)マツ(Pine tree)抽出物
の組み合わせを提供する。
【0010】
本発明は、
(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物および
(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物
の組み合わせをヒトに投与することを含む、高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患およびメタボリックシンドロームの処置または予防のための方法も提供する。
【0011】
本発明は、高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患またはメタボリックシンドロームの処置または予防のための医薬品または栄養補助食品の製造のための、
(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物および
(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物
の組み合わせの使用も提供する。
【0012】
本発明の組み合わせは、高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患またはメタボリックシンドロームの処置または予防における使用のためのものである。よって、組み合わせは、上記状態が発症することを予防するための予防的処置として、またはそれが既に発症した後の状態を処置するために投与されてもよい。
【0013】
驚くべきことに、出願人は、ナリンギンを含むベルガモット抽出物およびスタノールを含むマツ抽出物の組み合わせが、高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患およびメタボリックシンドロームの処置または予防のために有用であることを発見した。
【0014】
本発明のすべての態様において、スタノールは、少なくともベータシトスタノールおよび/またはカンペスタノールを含むことが好ましい。
【0015】
定義
組み合わせの様々な構成要素の割合は、他の構成要素に対して定義される。他の構成要素に基づく、特定の構成要素のwt%(重量パーセント)は、特定の構成要素の重量(質量)を植物抽出物の重量に基づいて重量(質量)で除して100をかけたもの、すなわち、
【0016】
【0017】
である。
【0018】
シトラス・ベルガミア・リッソ&ポワトー(Citrus bergamia Risso & Poiteau)の一般名であるベルガモットは、ミカン(Rutaceae)科、エスペリデア(Esperidea)亜科に属し、何世紀にもわたって地中海地域に広く分布してきた。ベルガモットの木は、その成長に適した独自の気候によって、特にカラブリア地方において見られる。
【0019】
マツ抽出物は、紙パルプ工業(pull and paperindustry)において使用される木、主にスラッシュマツ(Pinus elliotii)およびテーダマツ(Pinus taeda)、から回収されるサイドスチーム(side steam)であるトールピッチ(Tall Oil Pitch)から調製され、スタノール、特にシトスタノールおよびカンペスタノールを含有する。
【0020】
発明の詳細な説明
第一の態様では、本発明は、高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患またはメタボリックシンドロームの処置または予防における使用のための、
ナリンギンおよび
スタノール
の組み合わせを提供する。
【0021】
本発明は、高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患またはメタボリックシンドロームの処置または予防における使用のためのナリンギンも提供し、ナリンギンは、スタノールと組み合わせて投与される。
【0022】
本発明は、高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患またはメタボリックシンドロームの処置または予防における使用のためのスタノールも提供し、スタノールは、ナリンギンと組み合わせて投与される。
【0023】
第二の態様では、本発明は、高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患またはメタボリックシンドロームの処置または予防における使用のための、
(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物および
(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物
の組み合わせを提供する。
【0024】
ナリンギン
ナリンギンは、フラバノンであるナリンゲニンとジサッカライドであるネオヘスペリドースの間の、苦みのあるフラバノン-7-O-グリコシドである。それは、化学名7-[[2-O-(6-デオキシ-α-L-マンノピラノシル)-β-Dグルコピラノシル]オキシ]-2,3-ジヒドロ-5-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-4H-1-ベンゾピラン-4-オンを有し、以下の構造:
【0025】
【0026】
を有する。
【0027】
ナリンギンは、ベルガモット、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、サンボウカン(Citrus sulcata)、ダイダイ(Citrus aurantium)、オレンジ(Citrus sinensis)またはコベニミカン(Citrus erythrosa)から抽出されることができる(M. Yanoら、J. Agric Food Chem、1999年、第47巻、第128~135頁、表1および2を参照されたい)。
【0028】
ネオエリオシトリンおよびネオヘスペリジン
ネオエリオシトリンは、フラバノンであるエリオジクチオールとジサッカライドであるネオヘスペリドースの7-O-グリコシドである。それは、化学名(S)-3‘,4’,5,7-テトラヒドロキシフラバノン-7-[2-O-(α-L-ラムノピラノシル)-β-D-グルコピラノシド]を有し、以下の構造:
【0029】
【0030】
を有する。
【0031】
ネオヘスペリジンは、ヘスペレチンの7-O-ネオペスペリドース誘導体であり、以下の構造:
【0032】
【0033】
を有する。
【0034】
ネオエリオシトリンおよびネオヘスペリジンも、ベルガモット、グレープフルーツ、サンボウカン、ダイダイ、オレンジまたはコベニミカンから抽出されることができる(M. Yanoら、J. Agric Food Chem、1999年、第47巻、第128~135頁、表1および2を参照されたい)。ネオエリオシトリンおよびネオヘスペリジンは、様々な実施形態、特に、本発明において使用される組み合わせ中に存在しうる。
【0035】
スタノール
スタノールは、植物油中に少量見いだされることの多い植物性化合物である。
【0036】
ベータシトスタノールは、化学名(3S,5S,8R,9S,10S,13R,14S,17R)-17-((2R,5R)-5-エチル-6-メチルヘプタン-2-イル)-10,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-オールを有し、以下の構造:
【0037】
【0038】
を有する。
【0039】
カンペスタノールは、化学名(3β,5α,24R)-エルゴスタン-3-オールを有し、以下の構造:
【0040】
【0041】
を有する。
【0042】
スタノールは、紙パルプ工業において使用される木、主にスラッシュマツおよびテーダマツ、から回収されるサイドスチームであるトールピッチからもっぱら抽出される。(R. Moreau、Journal of A International、第98巻、第3号、2015年、
図1および表2を参照されたい)。
【0043】
組み合わせ
一実施形態では、本発明において使用される組み合わせは、
ナリンギンおよび
スタノール
を含む。
【0044】
一実施形態では、ナリンギン対スタノールの重量比は、
10:1~1:10;
9:1~1:9;
8:1~1:8;
7:1~1:7;
6:1~1:6;
5:1~1:5;
4:1~1:4;
3:1~1:3;および
2:1~1:2
から選ばれ、好ましくは、ナリンギン対スタノールの重量比は、2:1~2:1である。
【0045】
一実施形態では、ナリンギン対スタノールの重量比は、
1:1~1:10;
1:1~1:9;
1:1~1:8;
1:1~1:7;
1:1~1:6;
1:1~1:5;
1:1~1:4;
1:1~1:3;および
1:1~1:2
から選ばれる。
【0046】
一実施形態では、ナリンギン対スタノールの重量比は、
10:1~1:1;
9:1~1:1;
8:1~1:1;
7:1~1:1;
6:1~1:1;
5:1~1:1;
4:1~1:1;
3:1~1:1;および
2:1~1:1
から選ばれる。
【0047】
一実施形態では、本発明において使用される組み合わせは、
(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物および
(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物
を含み、好ましくは、ベルガモット抽出物およびマツ抽出物は、実施例1に記載の通りに調製される。
【0048】
一実施形態では、(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物対(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物の重量比は、
10:1~1:10;
9:1~1:9;
8:1~1:8;
7:1~1:7;
6:1~1:6;
5:1~1:5;
4:1~1:4;
3:1~1:3;および
2:1~1:2
から選ばれ、好ましくは、(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物対(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物の重量比は、2:1~1:2である。
【0049】
一実施形態では、(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物対(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物の重量比は、
1:1~1:10;
1:1~1:9;
1:1~1:8;
1:1~1:7;
1:1~1:6;
1:1~1:5;
1:1~1:4;
1:1~1:3;および
1:1~1:2
から選ばれる。
【0050】
一実施形態では、(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物対(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物の重量比は、
10:1~1:1;
9:1~1:1;
8:1~1:1;
7:1~1:1;
6:1~1:1;
5:1~1:1;
4:1~1:1;
3:1~1:1;および
2:1~1:1
から選ばれる。
【0051】
本発明の一実施形態では、組み合わせは、モナコリンKを含む(紅麹(red yeast rice)としても知られる)紅麹米(Fermented RedRice)のようなHMG-CoAレダクターゼ阻害剤および/またはベルべリス・アリスタタ(Berberis aristata)(ベルベリン)、アーティチョーク(Cynarascolymus)抽出物、カルドン(Cynara cardunculus)抽出物、ニンニク(Allium sativum)、タンジン(Salvia miltiorrhiza)、ポリコサノール、緑茶(Camelliasinensis)抽出物、アンヌールアップル(Melannurca campana)抽出物、ウコン(Curcuma longa)およびクルクミノイド、スピルリナ、キトサン、ベータグルカンおよびグルコマンナンを含むリストから選ばれる1つ以上の植物抽出物のようなメタボリックシンドロームおよび高コレステロール血症の管理のための他の植物抽出物の投与を含む。
【0052】
本発明の一実施形態では、組み合わせは、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、葉酸および/またはオルトシホン属抽出物のような1つ以上の他の活性物質の投与を含む。
【0053】
本発明の一実施形態では、組成物は、トコトリエノール、ヒドロキシチロソールまたはヒドロキシチロソールを含む抽出物を含まない。
【0054】
組み合わせた使用
本発明の組み合わせは、単独で投与された場合の個々の構成要素の治療効果に比較して、増加した治療効果をもたらしうる。
【0055】
特に、組み合わせは、単独で投与された場合の個々の構成要素に比較して、相加効果または相乗効果を提供しうる。
【0056】
「相乗効果」は、組み合わせが、単独で投与された作用物質の治療効果の合計よりも大きな効果を提供する場合に発生する。
【0057】
「相加効果」は、組み合わせが、単独で投与された場合のいずれの構成要素よりも大きな効果を提供する場合に発生する。
【0058】
用語「組み合わせ」は、複数の構成要素が同じ処置レジメン全体の一部として投与されることを意味する。
【0059】
構成要素は、同時にまたは異なる時に投与されうる。したがって、組み合わせの構成要素は、連続的に(例えば、前もしくは後に)または同時に、同じ製剤中(すなわち、一緒に)または異なる製剤中(すなわち、別個に)のいずれかで投与されうると理解される。
【0060】
一実施形態では、構成要素は、同時に同じ製剤中、すなわちすべての構成要素を同じ用量中に含む単位製剤中で投与される。
【0061】
一実施形態では、構成要素は、同時に異なる製剤中で投与される。一実施形態では、構成要素は、異なる製剤中で別個にまたは連続的に投与される。
【0062】
組成物
別の態様では、本発明は、
ナリンギンおよび
スタノール
の組み合わせ、ならびに薬学的または栄養補助的に許容可能な賦形剤を含む、医薬または栄養補助組成物を提供し、上記組成物は、トコトリエノール、ヒドロキシチロソールまたはヒドロキシチロソールを含む抽出物を含まない。
【0063】
別の態様では、本発明は、
ナリンギンおよび
スタノール
の組み合わせ、ならびに薬学的または栄養補助的に許容可能な賦形剤を含む、医薬または栄養補助組成物を提供し、上記ナリンギンおよび上記スタノールは、0.1~750mg、1~225mg、2~120mg、5~75mg、2~30mgまたは10~150mgで存在する。
【0064】
本発明は、
ナリンギンおよび
スタノール
の組み合わせ、ならびに薬学的または栄養補助的に許容可能な賦形剤を含む、医薬または栄養補助組成物を提供し、ナリンギン対スタノールの重量比は、
10:1~1:10;
9:1~1:9;
8:1~1:8;
7:1~1:7;
6:1~1:6;
5:1~1:5;
4:1~1:4;
3:1~1:3;および
2:1~1:2
から選ばれ、好ましくは、ナリンギン対スタノールの重量比は 2:1~1:2である。
【0065】
本発明は、
ナリンギンおよび
スタノール
の組み合わせ、ならびに薬学的または栄養補助的に許容可能な賦形剤を含む、医薬または栄養補助組成物を提供し、ナリンギン対スタノールの重量比は、
1:1~1:10;
1:1~1:9;
1:1~1:8;
1:1~1:7;
1:1~1:6;
1:1~1:5;
1:1~1:4;
1:1~1:3;および
1:1~1:2
から選ばれる。
【0066】
本発明は、
(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物および
(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物
の組み合わせ、ならびに薬学的または栄養補助的に許容可能な賦形剤を含む、医薬または栄養補助組成物を提供し、上記組成物は、トコトリエノール、ヒドロキシチロソールまたはヒドロキシチロソールを含む抽出物を含まない。
【0067】
本発明は、
(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物および
(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物
の組み合わせ、ならびに薬学的または栄養補助的に許容可能な賦形剤を含む、医薬または栄養補助組成物を提供し、(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物および(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物は、0.1~5000mg、1~1500mg、2~800mg、5~500mg、2~200mgまたは10~1000mgで存在する。
【0068】
本発明は、
(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物および
(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物
の組み合わせ、ならびに薬学的または栄養補助的に許容可能な賦形剤を含む、医薬または栄養補助組成物を提供し、(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物対(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物の重量比は、
10:1~1:10;
9:1~1:9;
8:1~1:8;
7:1~1:7;
6:1~1:6;
5:1~1:5;
4:1~1:4;
3:1~1:3;および
2:1~1:2
から選ばれ、好ましくは、(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物対(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物の重量比が、2:1~1:2である。
【0069】
本発明は、
(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物および
(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物
の組み合わせ、ならびに薬学的または栄養補助的に許容可能な賦形剤を含む、医薬または栄養補助組成物を提供し、(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物対(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物の重量比は、
1:1~1:10;
1:1~1:9;
1:1~1:8;
1:1~1:7;
1:1~1:6;
1:1~1:5;
1:1~1:4;
1:1~1:3;および
1:1~1:2
から選ばれる。
【0070】
本発明は、
ナリンギンおよび
スタノール
の組み合わせ、ならびに薬学的または栄養補助的に許容可能な賦形剤を含む、医薬または栄養補助組成物を提供する。
【0071】
組成物は、さらに、(紅麹としても知られる)紅麹米のようなHMG-CoAレダクターゼ阻害剤、ベルべリス・アリスタタ(ベルベリン)、アーティチョーク抽出物、カルドン抽出物、ニンニク、タンジン、ポリコサノール、緑茶(Camellia sinensis)抽出物、アンヌールアップル(Melannurca campana)抽出物、ウコンおよびクルクミン、スピルリナ、キトサン、ベータグルカン、グルコマンナンのようなメタボリックシンドロームおよび高コレステロール血症の管理のための他の植物抽出物、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、葉酸、オルトシホンのような他の活性物質から選ばれる1つ以上のさらなる活性成分を含みうる。
【0072】
本発明は、
(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物および
(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物
の組み合わせ、ならびに薬学的または栄養補助的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0073】
組成物は、さらに、(紅麹としても知られる)紅麹米のようなHMG-CoAレダクターゼ阻害剤、ベルべリス・アリスタタ(ベルベリン)、アーティチョーク抽出物、カルドン抽出物、ニンニク、タンジン、ポリコサノール、緑茶(Camellia sinensis)抽出物、アンヌールアップル(Melannurca campana)抽出物、ウコンおよびクルクミノイド、スピルリナ、キトサン、ベータグルカンおよびグルコマンナンのようなメタボリックシンドロームおよび高コレステロール血症の管理のための他の植物抽出物、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、葉酸、オルトシホン属のような他の活性物質から選ばれる1つ以上のさらなる活性成分を含みうる。
【0074】
用量
本発明の組み合わせは、高コレステロール血症、高脂血症、心血管疾患またはメタボリックシンドロームの処置または予防において有用である。
【0075】
組み合わせは、一般に、そのような投与を必要とする対象、例えば、ヒトまたは動物、典型的にはヒト、に投与される。
【0076】
組み合わせは、典型的に、治療的または予防的に有用な量で投与される。
【0077】
化合物は、有益な治療効果を維持するために長期にわたって、または短期にのみ投与されうる。
【0078】
組み合わせの各構成要素の典型的な日用量は、必要であればより高いまたはより低い用量が投与されうるが、体重1kgあたり100pg~100mg、より典型的には、体重1kgあたり5ng~25mg、より通常では、体重1kgあたり10ng~15mg(例えば、体重1kgあたり10ng~10から20mg、より典型的には、1kgあたり1μg~1kgあたり20mg、例えば、1kgあたり1μg~10mg)の範囲であることができる。
【0079】
組み合わせの構成要素、ナリンギンおよびスタノールは、例えば、0.1~750mg、1~225mg、2~120mg、5~75mg、2~30mgまたは10~150mgの範囲内の用量で経口投与されうる。
【0080】
日用量の特定例は、10、20、50、80、150および300mgである。
【0081】
一実施形態では、組み合わせまたは医薬もしくは栄養補助組成物は、15mg~65mgのナリンギンを含む。
【0082】
一実施形態では、組み合わせまたは医薬もしくは栄養補助組成物は、50mg~250mgのスタノールを含む。
【0083】
一実施形態では、組み合わせまたは医薬もしくは栄養補助組成物は、
15mg~65mgのナリンギンおよび
50mg~250mgのスタノール
を含む。
【0084】
一実施形態では、組み合わせまたは医薬もしくは栄養補助組成物は、
15mg~65mgのナリンギンおよび
50mg~250mgのスタノール
を含み、スタノールはベータシトスタノールおよびカンペスタノールを含む。
【0085】
組み合わせの構成要素、(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモットおよび(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物は、例えば、0.1~5000mg、1~1500mg、2~800mg、5~500mg、2~20mg、または10~1000mgの範囲内の用量で経口投与されうる。
【0086】
日用量の特定例は、100、200、500、800、1000および2500mgである。
【0087】
一実施形態では、組み合わせまたは医薬もしくは栄養補助組成物は、175mg~375mgの(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物を含む。
【0088】
一実施形態では、組み合わせまたは医薬もしくは栄養補助組成物は、600mg~2500mgの(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物を含む。
【0089】
一実施形態では、組み合わせまたは医薬もしくは栄養補助組成物は、
175mg~375mgの(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物および
600mg~2500mgの(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物
を含む。
【0090】
一実施形態では、組み合わせまたは医薬もしくは栄養補助組成物は、
175mg~375mgの(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物および
600mg~2500mgの(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物
を含み、スタノールは、ベータシトスタノールおよびカンペスタノールを含む。
【0091】
製剤
一実施形態では、組み合わせの1つ以上の構成要素が、経口剤形で提供される。経口剤形は、(被覆または非被覆)錠剤、(ハードまたはソフトシェル)カプセル、カプレット、ピル、ロゼンジ、シロップ、液剤、散剤、顆粒剤、エリキシルおよび懸濁剤、舌下錠、オブラートまたは頬側パッチのようなパッチを含む。
【0092】
一実施形態では、本発明の組成物は、錠剤として提供される。
【0093】
したがって、本発明の一実施形態では、構成要素のうちの少なくとも1つ(好ましくは、すべての構成要素)が、錠剤中に提示される。一実施形態では、すべての構成要素が錠剤中に提示され、特に、組み合わせのすべての構成要素が同じ錠剤中に提示され、すなわち、組み合わせが単位用量または固定用量中で投与される。
【0094】
典型的には、錠剤は、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。薬学的に許容可能な賦形剤は、例えば、担体(例えば、固体、液体もしくは半固体担体)、アジュバント、希釈剤、充填剤もしくは増量剤、造粒剤、被覆剤、放出制御剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、防腐剤、抗酸化剤、緩衝剤、懸濁剤、増粘剤、香味料、甘味料、味覚マスキング剤、安定化剤または医薬組成物中で慣用される任意の他の賦形剤から選ばれることができる。
【0095】
好ましくは、本発明の組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な充填剤または増量剤とともに製剤化される。
【0096】
賦形剤の例としては、無水リン酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、カルボキシメチルセルロース、クロスポビドンおよびヒドロキシプロピルセルロースおよびマルトデキストリンが挙げられる。
【0097】
一実施形態では、本発明の組成物は、カプセル中で提供される。
【0098】
したがって、本発明の一実施形態では、構成要素のうちの少なくとも1つ(好ましくは、すべての構成要素)がカプセル中に提示される。一実施形態では、すべての構成要素がカプセル中に提示され、特に、組み合わせのすべての構成要素が同じカプセル中に提示され、すなわち、組み合わせが単位用量または固定用量中で投与される。
【0099】
典型的には、カプセルは、1つ以上の薬学的または栄養補助的に許容可能な賦形剤を含む。薬学的または栄養補助的に許容可能な賦形剤は、例えば、担体(例えば、固体、液体もしくは半固体担体)、アジュバント、希釈剤、充填剤もしくは増量剤、造粒剤、被覆剤、放出制御剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、防腐剤、抗酸化剤、緩衝剤、懸濁剤、増粘剤、香味料、甘味料、味覚マスキング剤、安定化剤または医薬組成物中で慣用される任意の他の賦形剤から選ばれることができる。
【0100】
賦形剤の例としては、無水リン酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、マルトデキストリン、カルボキシメチルセルロース、クロスポビドンおよびヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
【0101】
一実施形態では、本発明の組成物は顆粒として提供される。
【0102】
したがって、本発明の一実施形態では、構成要素のうちの少なくとも1つ(好ましくは、すべての構成要素)が、顆粒として提示される。一実施形態では、すべての構成要素が顆粒中で提示され、特に、組み合わせのすべての構成要素が単一の顆粒中で提示され、すなわち、組み合わせが単位用量または固定用量中で投与される。顆粒は、サシェまたはスティックパック中に詰められうる。
【0103】
顆粒は、当分野で知られた乾式または湿式造粒技術により調製されうる。
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【実施例】
【0108】
実施例1 合成
ベルガモット抽出物
ベルガモット(Citrus bergamia Risso & Poiteau)は、カラブリアおよびシシリーの限定された地域にのみ実質的に生育する柑橘類である。収穫期は、10月から12月までである。ベルガモットの果実は手で集められる。
【0109】
ベルガモット抽出物は、クロマトグラフ吸着とその後の溶媒(例えば、水:エタノール1:1)を用いる脱離により調製される。ベルガモット果汁は、まず精密ろ過され、次いで吸着クロマトグラフィーにより抽出される。カラムの樹脂は、エタノールおよび水の溶液で洗浄される。
【0110】
次いで、得られた液体は真空下、40℃で濃縮され、その後、マルトデキストリンおよびシリカと混合される。次いで、得られた液体は、噴霧乾燥工程に供され、粉砕される。最終の均一化は、ダブルコーンブレンダーを通して行われ、ドラム缶に入れられる。
【0111】
ベルガモット抽出物を得るために使用されるクロマトグラフ吸着/精密ろ過は、特に有益であるフラボノイド含量の高い(40%w/w)抽出物を提供する。物理吸着技術および理論段数の大きなカラムの使用は、他の知られた抽出技術では得られないフラボノイド濃度を達成することを可能とする。
【0112】
ベルガモット抽出物の標準化:
使用した抽出プロセスに基づき、ベルガモット抽出物は、以下の活性成分を含む。
【0113】
【0114】
マツ抽出物
マツ抽出物は、以下の方法により調製される。
【0115】
植物起源
スラッシュマツおよびテーダマツのトールピッチから。遺伝子改変されていないマツから100%。
【0116】
抽出技術
1.けん化、苛性ソーダによりトールピッチから。
2.蒸発および中性蒸留(neutral destillation)
3.溶媒:ヘキサン、エタノールおよび水を用いる、結晶化およびろ過
4.乾燥およびトローチ形成(pastillation)
【0117】
マツ抽出物の標準化
使用した抽出プロセスに基づいて、マツは、以下の活性成分を含む。
【0118】
【0119】
実施例2:コレステロール低下
材料および方法
細胞
ヒト大動脈内皮細胞(HAEC、Gibco)において実験を行った。細胞は内皮細胞増殖培地(EGM 2-MV培地、Lonza)中で増殖させ、5%CO2の加湿雰囲気中、37℃に維持した。(Cell BiolabsまたはCloud-Clone-Corpから)Ox-LDL Human LDL Copper Oxidizedを購入し、コレステロール定量および脂質過酸化の評価に使用した。
【0120】
細胞バイアビリティの測定
細胞バイアビリティのために、96ウエル/プレート中のその完全培地にHAECを播種した。12時間後、HAECを化合物で24時間処理した。比色代謝アッセイ(MTS)(CellTiter Aqueous、Promega)により、細胞バイアビリティを評価した。Filtermax F5 Multi-Mode Microplate Reader(Molecular Devices、USA)により、吸収(490nm)をモニターした。
【0121】
コレステロール測定
HAECによるコレステロール産生を評価するために、Cholesterol/Cholesteryl Ester Assay Kit(Abcam)を使用し、これは、遊離コレステロールの高感度定量のための単純な比色法を提供する。手短に言えば、HAEC単層をトリプシン処理し、PBS塩溶液で洗浄した。細胞(1×106)を冷PBSで洗浄し、200mlのクロロホルム:メタノール(4:1)溶液を用いて脂質抽出を実行した。抽出物を15,000gで10分間遠心分離した。最後に、サンプルをコレステロールリアクションミックスで処理し、37℃で60分間インキュベートした。F5 FilterMaxマイクロプレートリーダー(Molecular Devices、US)により、光学密度(595nm)を観察した。
【0122】
【0123】
脂質過酸化の測定
銅触媒によるクリック化学を活用するClick-iT(登録商標)Lipid Peroxidation Imagingキット-Alexa Fluor(登録商標)488および固定細胞における脂質過酸化由来のタンパク質修飾の検出のためのリノール酸アミドアルキン(LAA)試薬(アルキン修飾されたリノール酸)により、脂質過酸化を検出した。Click-iT(登録商標)LAA(リノール酸アミドアルキン)およびマツ油およびベルガモット抽出物を細胞に添加し、60分間インキュベートした。PBSで3回、細胞を洗浄した。細胞を固定し、透過処理し、次いで、1%BSAでブロッキングした。Click-iT(登録商標)反応カクテルを調製し、125μL/ウエルで添加し、光から保護して室温で30分間インキュベートした。1%BSAで細胞を2回洗浄し、PBSでさらに2回洗浄した。マイクロプレートを撮像し、F5 FilterMaxマイクロプレートリーダーで分析した。
【0124】
結果
コレステロール測定
データを、OxLDLに対する増加倍数として表す。
データは、少なくとも3回の反復実験の平均である。
表1において試験した濃度:
CTRL:対照
Ox-LDL
S:(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物:1μg/ml、2μg/ml
B:(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物:1μg/ml、2μg/ml
【0125】
【0126】
表2において試験した組み合わせ:
S:(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物
B:(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物
S:B: 2:1(2μg/ml:1μg/ml)
S:B: 1:2(1μg/ml:2μg/ml)
S:B: 1:1(2μg/ml)
【0127】
【0128】
脂質過酸化
データは、OxLDLに対する増加倍数として表す。
データは、少なくとも3回の反復実験の平均である。
表3において試験した濃度:
CTRL:対照
Ox-LDL
S:(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物:1μg/ml、2μg/ml
B:(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物:1μg/ml、2μg/ml
【0129】
【0130】
表4において試験した組み合わせ:
S:(スタノール10%に標準化された)マツ抽出物
B:(ナリンギン15%に標準化された)ベルガモット抽出物
S:B: 2:1(2μg/ml:1μg/ml)
S:B: 1:2(1μg/ml:2μg/ml)
S:B: 1:1(2μg/ml)
【0131】
【0132】
結論:
得られた結果は、組み合わせが、
単一物質の値に比べて大きなコレステロール産生の減少、
対照に比べて常に大きなコレステロール産生の減少、
単一物質の値に比べて大きな脂質過酸化の減少、
対照に比べて常に大きな脂質過酸化の減少
を提供することを示している。
【国際調査報告】