(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】ポリジメチルシロキサン、オルガノポリシロキサン樹脂、アルキルエーテルを含み、2,2,4-トリメチル-1,3-ジイソブチリルオキシペンタンを含まない消泡組成物
(51)【国際特許分類】
B01D 19/04 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
B01D19/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024502058
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2021069972
(87)【国際公開番号】W WO2023284979
(87)【国際公開日】2023-01-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390008969
【氏名又は名称】ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns-Seidel-Platz 4, D-81737 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブレーム,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】クーグラー,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,アンドレアス
【テーマコード(参考)】
4D011
【Fターム(参考)】
4D011CA02
4D011CB01
4D011CB03
4D011CB04
4D011CB08
4D011CB10
4D011CB11
4D011CC03
4D011CC04
(57)【要約】
本発明は、ポリジメチルシロキサン、充填材、以下の式の単位で構成されたオルガノポリシロキサン樹脂、任意選択的にポリオルガノシロキサン、モノ-、ジ-又はトリアルコキシアルキルエーテルを含有する組成物によって、2,2,4-トリメチル-1,3-ジイソブチリルオキシペンタンが追加的に使用されないことを条件として、水性界面活性剤配合物などの水性媒体を消泡するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消泡剤組成物を用いて水性媒体、好ましくは水性界面活性剤配合物を消泡する方法であって、前記消泡剤組成物が、
(A)一般式
【化1】
のポリジメチルシロキサンであって、
式中、
Rがメチル基であり、
R
1がメチル基又はOR
2基であり、
R
2が、同じでも異なっていてもよく、かつ水素原子又は1~4個の炭素原子を有する一価のヒドロカルビル基であり、
nが整数である、
ポリジメチルシロキサン、
(B)充填材、
(C)式
R
3
a(R
4O)
bSiO
(4-a-b)/2 (II)
の単位から形成されたオルガノポリシロキサン樹脂であって、
式中、
R
3が、同じでも異なっていてもよく、かつ水素原子又は一価のSiC結合ヒドロカルビル基であり、
R
4が、同じでも異なっていてもよく、かつ水素原子又は一価のヒドロカルビル基であり、
aが0、1、2又は3であり、
bが0、1、2又は3であり、
ただし、a+bの合計が≦3であり、及び前記オルガノポリシロキサン樹脂における前記式(II)のすべての単位の50%未満において、前記a+bの合計が2である、
オルガノポリシロキサン樹脂、
(D)任意選択的に、一般式
R
5O-SiR
2O(SiR
2O)
mSiR
2-OR
5 (III)
のポリオルガノシロキサンであって、
式中、
Rが上記で定義した通りであり、
R
5が、6~30個の炭素原子を有する一価の任意選択的に置換されたヒドロカルビル基であり、
mが整数である、
ポリオルガノシロキサン、
(E)任意選択的に、非イオン性乳化剤、
(F)以下の式
R
6(OR
7)
pO-R
8 (IV)
のモノ-、ジ-又はトリアルコキシアルキルエーテルであって、
式中、
R
6が、同じであっても異なっていてもよく、かつ水素原子又は1~6個の炭素原子を有する一価の任意選択的に置換されたヒドロカルビル基であり、
R
7が、同じであっても異なっていてもよく、かつ1~6個の炭素原子を有する二価の任意選択的に置換されたヒドロカルビル基であり、
R
8が、1~8個の炭素原子を有する一価の任意選択的に置換されたヒドロカルビル基であり、
pが1、2又は3である、
モノ-、ジ-又はトリアルコキシアルキルエーテル、
(G)成分(F)以外の非水溶媒、
(H)任意選択的に、アルカリ性若しくは酸性触媒又は成分(A)~(F)とそれとの反応生成物、
を含み、
ただし、2,2,4-トリメチル-1,3-ジイソブチリルオキシペンタンの関与が除外される、
方法。
【請求項2】
前記消泡剤組成物において、アミノ官能性ポリシロキサン、ポリエーテルシロキサン及び長鎖SiC結合C
8-30-アルキル基を有するポリシロキサンの関与が除外されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式(IV)において、
R
6が、水素原子、メチル基又はエチル基であり、
R
7が、1,2-エチレン基又は1,2-プロピレン基であり、かつ
R
8が、メチル基又はn-ブチル基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
使用されるモノ、ジ-又はトリアルコキシアルキルエーテル(F)が、
エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、
プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル又は
ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテルであることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項5】
使用される充填材(B)が、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化チタン又は酸化アルミニウムであることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記オルガノポリシロキサン樹脂(C)が、本質的にR
3
3SiO
1/2(M)単位及びSiO
4/2(Q)単位からなり、R
3が、請求項1に与えられた定義を有し、かつ前記オルガノポリシロキサン樹脂が、最大10重量%の遊離Si結合ヒドロキシ又はC
1-4-アルコキシ基を含有し得ることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
使用される非水溶媒(G)が、炭化水素、天然油、ポリイソブチレン、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール及びワックスであることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記消泡剤組成物が、前記水性媒体と混合されることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記消泡剤組成物が、0.1重量ppm~1重量%の量で発泡性水性媒体に添加されることを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記消泡剤組成物が、液体洗浄組成物中に存在することを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記消泡剤組成物が、液体洗浄組成物中に、前記液体洗浄組成物の総重量に基づいて、0.1重量%~20重量%の量で存在することを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性媒体、特にポリシロキサンに基づく消泡剤組成物を含む水性界面活性剤配合物を消泡する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
望ましい又は望ましくない構成成分として界面活性化合物を含有する多くの液体、特に水系では、これらの系が、例えば廃水のスパージングにおいて、液体の激しい撹拌において、蒸留、洗浄若しくは染色工程において又は充填動作において、ガス状物質と多かれ少なかれ集中的に接触したときに、泡形成が問題を引き起こす可能性がある。
【0003】
この泡は、機械的手段又は消泡剤の使用によって制御することができる。シロキサン系消泡剤は、ここでは特に有用であることが分かっている。シロキサンに基づく消泡剤は、例えば、DE-AS 1519987に従って、ポリジメチルシロキサン中で親水性シリカを加熱することによって調製される。
【0004】
ポリジメチルシロキサンに基づく消泡剤は、ポリジメチルシロキサンがほとんどの界面活性剤系、例えば湿潤剤又は液体洗浄組成物との相溶性が低く、分離する傾向があるという欠点を有し、これは非常に望ましくない。そのため、液体洗浄組成物中での相溶性が良好であり、貯蔵後であっても良好な活性を有する消泡剤を見出すべく、多くの取組みがなされている。
【0005】
US4477371A(DE3235256)は、オルガノポリシロキサン、充填材、界面活性剤及び2,2,4-トリメチル-1,3-ジイソブチリルオキシペンタンを含有する自己乳化型消泡剤を記載している。それらは良好な有効性を有するが、相溶性が限られている。
【0006】
WO2019/057754は、ポリシロキサン、エステル油又は鉱油、非イオン性界面活性剤及び溶媒、並びに任意選択的に水及び酸を含有する濃縮物の、布地柔軟剤中における0重量%~5重量%の量での使用を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4477371号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第3235256号明細書
【特許文献3】国際公開第2019/057754号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
取り組まれた問題は、水性媒体、特に水性界面活性剤配合物の消泡剤としての使用において、水性媒体との良好な相溶性及び貯蔵後でさえ良好な有効性を有する組成物を提供することであった。
【0009】
この問題は、本発明によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、組成物を用いて水性媒体、好ましくは水性界面活性剤配合物を消泡する方法であって、該組成物が、
(A)一般式
【0011】
【化1】
のポリジメチルシロキサンであって、
式中、
Rがメチル基であり、
R
1がメチル基又はOR
2基であり、
R
2が、同じでも異なっていてもよく、かつ水素原子又は1~4個の炭素原子を有する一価のヒドロカルビル基であり、
nが整数である、
ポリジメチルシロキサン、
(B)充填材、
(C)式
R
3
a(R
4O)
bSiO
(4-a-b)/2 (II)
の単位から形成されたオルガノポリシロキサン樹脂であって、
式中、
R
3が、同じでも異なっていてもよく、かつ水素原子又は一価のSiC結合ヒドロカルビル基であり、
R
4が、同じでも異なっていてもよく、かつ水素原子又は一価のヒドロカルビル基であり、
aが0、1、2又は3であり、
bが0、1、2又は3であり、
ただし、a+bの合計が≦3であり、及びオルガノポリシロキサン樹脂における式(II)のすべての単位の50%未満において、a+bの合計が2である、
オルガノポリシロキサン樹脂、
(D)任意選択的に、一般式
R
5O-SiR
2O(SiR
2O)
mSiR
2-OR
5 (III)
のポリオルガノシロキサンであって、
式中、
Rが上記で定義した通りであり、
R
5が、6~30個の炭素原子を有する一価のヒドロカルビル基であり、
mが整数である、
ポリオルガノシロキサン、
(E)任意選択的に、非イオン性乳化剤、
(F)以下の式
R
6(OR
7)
pO-R
8 (IV)
のモノ-、ジ-又はトリアルコキシアルキルエーテルであって、
式中、
R
6が、同じであっても異なっていてもよく、かつ水素原子又は1~6個の炭素原子を有する一価の任意選択的に置換されたヒドロカルビル基であり、
R
7が、同じであっても異なっていてもよく、かつ1~6個の炭素原子を有する二価の任意選択的に置換されたヒドロカルビル基であり、
R
8が、1~8個の炭素原子を有する一価の任意選択的に置換されたヒドロカルビル基であり、
pが1、2又は3である、
モノ-、ジ-又はトリアルコキシアルキルエーテル、
(G)成分(F)以外の非水溶媒、
(H)任意選択的に、アルカリ性若しくは酸性触媒又は成分(A)~(F)とそれとの反応生成物、
を含み、
ただし、2,2,4-トリメチル-1,3-ジイソブチリルオキシペンタンの関与が除外される、
方法が提供される。
【0012】
R2基は、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基である。
【0013】
R3基は、好ましくは1~30個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、より好ましくは1~6個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、特にメチル基である。
【0014】
R3基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基などのヘキシル基、n-ヘプチル基などのヘプチル基、n-オクチル基及び2,2,4-トリメチルペンチル基などのイソオクチル基などのオクチル基、n-ノニル基などのノニル基、n-デシル基などのデシル基、n-ドデシル基などのドデシル基、n-ヘキサデシル基などのヘキサデシル基、オクタデシル基さらにn-オクタデシル基;ビニル基及びアリル基などのアルケニル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、ベンジル基、フェニルエチル基又は2-フェニルプロピル基などの、脂肪族基を介してケイ素原子に結合した芳香族基である。
【0015】
R4基の例は、水素原子又はR3基に対して指定された基である。
【0016】
R4基は、好ましくは水素原子又は1~4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、特に水素原子、メチル基又はエチル基である。
【0017】
R5基は、好ましくは、6~30個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビル基、例えばn-ヘキシル、2-エチルヘキシル、n-ドデシル、イソトリデシル及び2-オクチルドデシル基などのアルキル基又はメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、特に2-オクチルドデシル基である。
【0018】
R6基の例は、水素原子又はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基などのヘキシル基などのアルキル基である。R6基の好ましい例は、水素原子、メチル基又はエチル基であり、水素原子が特に好ましい。
【0019】
R7基の例は、1,2-エチレン基、1,2-プロピレン基、1,3-プロピレン基、1,2-ブチレン基、1,3-ブチレン基、1,4-ブチレン基又は1,6-ヘキシレン基、特に1,2-エチレン基又は1,2-プロピレン基などの任意選択的に分岐したアルキル基である。
【0020】
R8基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基などのヘキシル基などのアルキル基、フェニル基、ベンジル基、特にメチル基又はn-ブチル基である。
【0021】
aの値は、好ましくは3又は0である。
【0022】
mは、好ましくは整数であり、式中、mは、式(III)のポリオルガノシロキサンが、各場合において25℃及び1/sの剪断速度で測定して好ましくは10~10000mPa・s、好ましくは20~1000mPa・s、特に40~200mPa・sの粘度を有するように選択される。
【0023】
したがって、添字mは、好ましくは5~500、好ましくは15~200、特に30~100の値を有する。
【0024】
ポリシロキサン(A)は、各場合において25℃及び1/sの剪断速度で測定して、好ましくは10~1000000mPa・s、より好ましくは50~100000mPa・s、特に100~10000mPa・sの粘度を有する。
【0025】
したがって、式(I)のポリシロキサン(A)中の添字nは、好ましくは5~2500、好ましくは20~1000、特に70~500の値を有する。
【0026】
ポリシロキサン(A)は市販品であるか、又は有機ケイ素化学においてこれまでに知られている任意の方法によって、例えば対応するシランの共加水分解によって調製することができる。
【0027】
ポリシロキサン(A)は、例えば、RSiO3/2単位又はSiO4/2単位をすべての単位の最大5%まで組み込むことによって分枝していてもよい。その場合、これらの分岐又は初期架橋ポリシロキサンは粘弾性特性を有する。
【0028】
ポリシロキサン(A)は、好ましくは直鎖である。
【0029】
好ましくは、本発明の消泡剤組成物において、長鎖SiC結合C8-30-アルキル基を有するアミノ官能性ポリシロキサン、ポリエーテルシロキサン及びポリシロキサンの関与は除外される。
【0030】
本発明の消泡剤組成物は、ポリシロキサン(A)を、いずれの場合も消泡剤組成物の総重量に基づいて、好ましくは3~70重量パーセント、好ましくは4~60重量パーセント、特に5~50重量パーセントの量で含有する。
【0031】
成分(B)は、好ましくは粉末状、好ましくは疎水性の充填材を含む。
【0032】
成分(B)は、好ましくは20~1000m2/gのBET表面積、10μm未満の粒径及び100μm未満の凝集体サイズを有する。
【0033】
成分(B)の例は、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化チタン、酸化アルミニウム、金属石鹸、粉砕石英、PTFE粉末、脂肪酸アミド、例えばエチレンビスステアリン酸アミド、微粉化疎水性ポリウレタンである。
【0034】
使用される成分(B)は、特に20~1000m2/gのBET表面積、10μm未満の粒径及び100μm未満の凝集体サイズを有する二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化チタン又は酸化アルミニウムであることが好ましい。
【0035】
好ましい成分(B)はシリカであり、より好ましくは50~800m2/gのBET表面積を有するもの、特に80~500m2/gのBET表面積を有するものである。これらのシリカは、フュームドシリカ又は沈降シリカであり得る。使用可能な成分(B)は、前処理されたシリカ、すなわち市販の疎水性シリカ又は親水性シリカのいずれかである。疎水化の程度は、メタノール値によって特徴付けられる。これは、DE2107082A1に従い、0.2gのシリカを50mlの水に添加することによって確認される。シリカが完全に湿り液体中に懸濁するまで撹拌しながらメタノールを添加する。メタノール値は、シリカを単に湿らせる、液体混合物中のメタノールのパーセンテージである。使用される前処理された疎水性シリカは、好ましくは、30を超える、特に50を超えるメタノール値を有するシリカである。本発明に従って使用することができる市販の疎水性シリカの例は、ヘキサメチルジシラザンで処理され、140m2/gのBET表面積を有するフュームドシリカであるHDK(R)H2000(ドイツ、ミュンヘンのWacker-Chemie AG社から市販されている)及びポリジメチルシロキサンで処理され、90m2/gのBET表面積を有する沈降シリカ(ドイツ、ハーナウのEvonik Resource Efficiency GmbH社から「Sipernat D10」の名称で市販されている)である。
【0036】
疎水性シリカを成分(B)として使用する場合、これが消泡剤配合物の所望の有効性に有利であれば、親水性シリカを現場で疎水化することも可能である。シリカの疎水化のいくつかの方法が知られている。親水性シリカの現場での疎水化は、例えば、成分(A)中に分散したシリカを100~200℃の温度に数時間加熱することによって行うことができる。ここでの反応は、KOHなどの触媒及び短鎖OH末端ポリジメチルシロキサン、シラン又はシラザンなどの疎水化剤を添加することによって補助することができる。この処理は、市販の疎水性シリカを使用する場合にも可能であり、有効性の改善に寄与し得る。
【0037】
さらなる選択肢は、現場で疎水化されたシリカと市販の疎水性シリカとの組合せの使用である。この場合、1部の現場で疎水化されたシリカに対して0.2~5部の前処理された疎水化シリカを使用することが好ましい。
【0038】
充填材(B)は、本発明の消泡剤組成物において、いずれの場合も消泡剤組成物の総重量に基づいて、好ましくは0.5~15重量パーセント、好ましくは1.0~10重量パーセント、特に1.5~7.5重量パーセントの量で使用される。
【0039】
成分(C)は、より好ましくは、R3
3SiO1/2(M)単位及びSiO4/2(Q)単位から本質的になるオルガノポリシロキサン樹脂を含み、式中、R3は上記で定義した通りである。本質的にR3
3SiO1/2(M)単位及びSiO4/2(Q)単位からなるオルガノポリシロキサン樹脂は、MQ樹脂とも呼ばれる。M単位とQ単位とのモル比は、好ましくは0.5~2.0の範囲、より好ましくは0.6~1.0の範囲である。オルガノポリシロキサン樹脂(C)はまた、最大10重量%の遊離Si結合ヒドロキシ基又はC1-4-アルコキシ基を含有し得る。R3は、好ましくはメチル基である。
【0040】
オルガノポリシロキサン樹脂(C)は、25℃における粘度が1000mPa・sよりも大きいか又は固形であることが好ましい。これらの樹脂のゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される重量平均分子量Mw(ポリスチレン標準に基づく)は、好ましくは200~200000g/mol、特に1000~20000g/molである。
【0041】
本発明に従って使用されるオルガノポリシロキサン樹脂(C)は、好ましくは、温度25℃及び圧力101.325kPaで少なくとも100g/lの程度までベンゼンに可溶である。
【0042】
オルガノポリシロキサン樹脂(C)は、いずれの場合も消泡剤組成物の総重量に基づいて、好ましくは少なくとも0.1重量パーセント及び好ましくは15重量パーセント以下、より好ましくは10重量パーセント以下、特に7.5重量パーセント以下の量で本発明の消泡剤組成物に使用される。
【0043】
任意選択的に使用されるオルガノポリシロキサン(D)は、25℃における粘度が10~10000mm2/sであることが好ましい。
【0044】
任意選択的に使用されるオルガノポリシロキサン(D)の例は、一般式(III)のオルガノポリシロキサンであり、式中、R5は、少なくとも6個の炭素原子を有する直鎖及び/又は分岐ヒドロカルビル基である。そのような生成物は、例えば、25℃で10~10000mPa・sの粘度のシラノール末端ポリジメチルシロキサンと、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、n-ドデカノール、イソトリデカノール、2-オクチルドデカノール又はメチルシクロヘキサノールなどの6個を超える炭素原子を有する脂肪族アルコールとのアルカリ触媒縮合によって得ることができる。
【0045】
これらのポリジメチルシロキサンは、例えば、RSiO3/2単位又はSiO4/2単位をすべての単位の最大5%まで組み込むことによって分岐していてもよい。その場合、これらの分岐又は初期架橋シロキサンは粘弾性特性を有する。
【0046】
本発明の組成物が成分(D)を確かに含有する場合、この量は、いずれの場合も消泡剤組成物の総重量に基づいて、好ましくは最大15重量パーセント、好ましくは最大5重量パーセント、特に最大2重量パーセントである。
【0047】
任意選択的に使用される非イオン性乳化剤(E)の例は、
1.アルキルポリグリコールエーテル、好ましくは4~30個のEO単位及び10~20個の炭素原子のアルキル基を有するもの。
【0048】
2.カルボン酸ポリグリコールエステル、特に脂肪酸ポリグリコールエステル、好ましくは6個を超えるEO単位及び8~20個の炭素原子のカルボン酸残基を有するもの。
【0049】
3.エトキシ化又は非エトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル、好ましくは6個を超えるEO単位を有するエトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル。
【0050】
4.エトキシ化ヒマシ油又は水添変異体。
【0051】
5.ポリグリセリンカルボン酸エステル。
【0052】
6.一般式R*-O-ZOのアルキルポリグリコシドであり、式中、R*は、平均8~24個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の飽和又は不飽和アルキル基であり、ZOは、平均o=1~10個のヘキソース単位若しくはペントース単位又はそれらの混合物を有するオリゴグリコシド残基である。
【0053】
7.アルキルアリールポリグリコールエーテル、好ましくはアルキル及びアリール基中に5~30個のEO単位及び10~20個の炭素原子を有するもの。
【0054】
8.エチレンオキシド/プロピレンオキシド(EO/PO)ブロック共重合体、好ましくは8~30個のEO単位又はPO単位を有するもの、である。
【0055】
好ましい非イオン性乳化剤は、
2.カルボン酸ポリグリコールエステル、特に脂肪酸ポリグリコールエステル、好ましくは6個を超えるEO単位及び8~20個の炭素原子のカルボン酸残基を有するもの、例えばPEG-20ステアレート、PEG-20ラウレート、PEG-7オリベート、PEG-8オレエート、PEG-8ラウレート、HLB PEG-6ステアレート、PEG-20ステアレート又はPEG-100ステアレート(INCI名による)。
【0056】
3.エトキシ化又は非エトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル、例えばラウレート、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリソルベート85(INCI名による)、PEG-20ソルビタンココエート、PEG-40ソルビタンジイソステアレート、PEG-20ソルビタンイソステアレート、PEG-40ソルビタンラノレート、PEG-75ソルビタンラノレート、PEG-10ソルビタンラウレート、PEG-40ソルビタンラウレート、PEG-44ソルビタンラウレート、PEG-75ソルビタンラウレート、PEG-80ソルビタンラウレート、PEG-3ソルビタンオレエート、PEG-6ソルビタンオレエート、PEG-80ソルビタンパルミテート、PEG-40ソルビタンパーイソステアレート、PEG-40ソルビタンパーオレエート、PEG-3ソルビタンステアレート、PEG-6ソルビタンステアレート、PEG-40ソルビタンステアレート、PEG-60ソルビタンステアレート、PEG-30ソルビタンテトラオレエート、PEG-40ソルビタンテトラオレエート、PEG-60ソルビタンテトラオレエート、PEG-60ソルビタンテトラステアレート、PEG-160ソルビタントリイソステアレート;PEG-20ソルビタントリイソステアレート、Sorbeth-40ヘキサオレエート、Sorbeth-50ヘキサオレエート、Sorbeth-30テトラオレエートラウレート、Sorbeth-60テトラステアレート。
【0057】
4.エトキシ化ヒマシ油又は水添変異体、例えば(INCI命名法における名称)PEG200ヒマシ油又はPEG-60水添ヒマシ油。
【0058】
5.ポリグリセリンカルボン酸エステル、例えばポリグリセリン-10オレエート、ポリグリセリン-10ラウレート又はポリグリセリン-10ステアレート。
【0059】
6.一般式R*-O-ZOのアルキルポリグリコシドであって、式中、R*は、平均8~24個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の飽和又は不飽和アルキル基であり、ZOは、平均o=1~10個のヘキソース単位若しくはペントース単位又はそれらの混合物を有するオリゴグリコシド残基である、アルキルポリグリコシドであり、例えばGlucopon 215、Glucopon 225、Glucopon 600(商品名)、である。
【0060】
本発明の組成物が非イオン性乳化剤(E)を確かに含有する場合、この量は、いずれの場合も消泡剤組成物の総重量に基づいて、好ましくは最大20重量%、より好ましくは最大15重量%、特に最大10重量%である。
【0061】
モノ、ジ-又はトリアルコキシアルキルエーテル(F)は、グリコールエーテル、例えばエチレングリコールエーテル、プロピレングリコールエーテル又はブチレングリコールエーテルである。
【0062】
エチレングリコールエーテルの例は、
-エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルグリコール、2-メトキシエタノール、CH3-O-CH2CH2-OH)、
-エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルグリコール、2-エトキシエタノール、CH3CH2-O-CH2CH2-OH)
-エチレングリコールモノプロピルエーテル(2-プロポキシエタノール、
CH3CH2CH2-O-CH2CH2-OH)
-エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(2-イソプロポキシエタノール、(CH3)2CH-O-CH2CH2-OH)
-エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル(2-ブトキシエタノール、CH3CH2CH2CH2-O-CH2CH2-OH
-エチレングリコールモノフェニルエーテル(2-フェノキシエタノール、
C6H5-O-CH2CH2-OH)
-エチレングリコールモノヘキシルエーテル(2-ヘキシルオキシエタノール、
C6H11-O-CH2CH2-OH)
-エチレングリコールモノベンジルエーテル(2-ベンジルオキシエタノール、
C6H5CH2-O-CH2CH2-OH)
-ジエチレングリコールモノメチルエーテル[2-(2-メトキシエトキシ)エタノール、メチルカルビトール、CH3-O-CH2CH2-O-CH2CH2-OH]
-ジエチレングリコールモノエチルエーテル[2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、カルビトールセロソルブ、CH3CH2-O-CH2CH2-O-CH2CH2-OH]
-ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル[2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール、CH3CH2CH2CH2-O-CH2CH2-O-CH2CH2-OH]
-トリエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル(ブチルトリグリコール)
-ジエチレングリコールジエチルエーテル(ジエチルカルビトール)
-ジブチレングリコールジブチルエーテル(ジブチルカルビトール)である。
【0063】
プロピレングリコールエーテルの例は、
-プロピレングリコールモノメチルエーテル(1-メトキシ-2-プロパノール)
-プロピレングリコールモノエチルエーテル(エトキシプロパノール)
-プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル(1-ブトキシ-2-プロパノール)
-プロピレングリコールモノヘキシルエーテル(1-ヘキソキシ-2-プロパノール)
-ジプロピレングリコールモノエチルエーテル
-ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル
-ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル
-トリプロピレングリコールモノメチルエーテル
-トリプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル
-トリプロピレングリコールジメチルエーテルである。
【0064】
ブチレングリコールエーテルの例は、
-ブチレングリコールモノメチルエーテル(1-メトキシ-2-プロパノール)
-ブチレングリコールモノブチルエーテル(エトキシプロパノール)である。
【0065】
モノ、ジ-又はトリアルコキシアルキルエーテル(F)は、例えば、Dowanol(R)(Dow社)、Arcosolv(R)(LyondellBasell社)、Ektasolve(R)又はEastman(R)(いずれもEastman社)のブランド名において市販購入することができる。
【0066】
モノ、ジ-又はトリアルコキシアルキルエーテル(F)の好ましい例は、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル、
プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル又は
ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテルである。
【0067】
モノ、ジ-又はトリアルコキシアルキルエーテル(F)の特に好ましい例は、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、
プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル又は
ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテルである。
【0068】
本発明の組成物は、モノ、ジ-又はトリアルコキシアルキルエーテル(F)を、いずれの場合も消泡剤組成物の総重量に基づいて、好ましくは5~50重量パーセント、より好ましくは7.5~40重量パーセント、特に10~30重量パーセントの量で含有する。
【0069】
使用される成分(G)は、特に好ましくは、周囲雰囲気の圧力、すなわち900~1100hPaで100℃を超える沸点を有する有機溶媒、特に分解しなければ蒸留することができない化合物、特に炭化水素、天然油、ポリイソブチレン、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール及びワックスから選択される化合物を含む。
【0070】
炭化水素の例は、イソパラフィン(例えば、ExxonMobil社よりIsopar(R)E、Isopar(R)G、Isopar(R)H、Isopar(R)J、Isopar(R)L、Isopar(R)M、Isopar(R)N、Isopar(R)P、Isopar(R)Vの商品名で入手可能)、脱芳香族化炭化水素(例えば、ExxonMobil社よりExxsol(R)D40、Exxsol(R)60、Exxsol(R)D95、Exxsol(R)D100、Exxsol(R)D130の商品名で入手可能)、芳香族溶媒(例えば、ExxonMobil社よりSolvesso(R)の商品名で入手可能)又は鉱油若しくはホワイトオイルである。
【0071】
イソブチレンの例は、Indopol(R)(Ineos社)又はOppanol(R)(BASF社)のブランド名で市販されている製品である。
【0072】
天然油の例は、ヤシ油、亜麻仁油、MCT油、パーム油、パーム核油、菜種油、大豆油、ヒマシ油又はヒマワリ油である。脂肪酸エステルの例は、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル、脂肪酸イソプロピルエステル、脂肪酸アミルエステル、脂肪酸オクチルエステル、脂肪酸ドデシルエステルである。ここでは、以下の例であるメチルラウレート、イソプロピルラウレート、イソアミルラウレート、ラウリルラウレート、エチルヘキシルラウレート、エチルヘキシルココエート、スエチルヘキシルステアレート、エチルヘキシルパルミテート、n-ブチルステアレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルオレエート及びイソプロピルパルミテートを特に言及すべきである。
【0073】
脂肪族アルコールの例は、ヘキシル/オクチルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オクチル/デシルアルコール、ラウリル/ミリスチルアルコール、ラウリル/セチルアルコール及びラウリル/ステアリルアルコールである。
【0074】
ワックスの例は、動物性ワックス(ウールワックス又は蜜蝋)、植物性ワックス(サトウキビワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、コルクワックス、綿ワックス)、鉱物/化石系ワックス(鉱油ワックス、ピートワックス、モンタンワックス、ワセリン)などの天然ワックス、半合成ワックス(部分的に加水分解されたエステルワックスなどのワックスアルコール、乳化剤含有エステルワックス、脂肪酸に基づくアミドワックス、例えばジステアリルエチレンジアミド又はエチレンジステアラミド)又は合成ワックス(ポリエチレンワックス、ポリオレフィンワックス)である。
【0075】
成分(G)は、いずれの場合も消泡剤組成物の総重量に基づいて、好ましくは10~80重量パーセント、より好ましくは15~70重量パーセント、特に20~60重量パーセントの量で消泡剤組成物に使用され得る。
【0076】
アルカリ性触媒(H)の例は、NaOH、KOH、CsOH、LiOH及びCa(OH)2などのアルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物である。酸性触媒(H)の例は、塩酸、硫酸及び窒化塩化リンである。
【0077】
(H)と成分(A)~(D)との反応生成物は、例えば、充填材(B)として好ましいシリカとアルカリ金属水酸化物との生成物、例えばケイ酸カリウム又はケイ酸ナトリウムである。
【0078】
触媒の計量添加は、アルコール(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール)又はエステル(例えばエチルアセテート)などの典型的な有機溶媒中で行うことができる。
【0079】
本発明の組成物が成分(H)を確かに含有する場合、この量は、いずれの場合も消泡剤組成物の総重量に基づいて、好ましくは最大1.0重量パーセント、好ましくは最大0.5重量パーセント、特に最大0.1重量パーセントである。
【0080】
本発明の消泡剤組成物に使用される成分(A)~(G)は、各々が1種類のそのような成分であってもよいし、少なくとも2種類のそれぞれの成分の混合物であってもよい。
【0081】
本発明の消泡剤組成物において、水は、いずれの場合も消泡剤組成物の総重量に基づいて、好ましくは5重量%未満、好ましくは1重量%未満の量で存在する。本発明の消泡剤組成物は、好ましくは水が一切添加されていない。
【0082】
さらに、本発明の消泡剤組成物は、添加剤(I)を含んでもよい。これらはすべて、有機増粘ポリマー、防腐剤、染料及び芳香剤から選択される既知の添加剤である。
【0083】
本発明の組成物は、好ましくは粘性であり、透明~不透明であり、無色~褐色がかった液体である。
【0084】
本発明の組成物は、いずれの場合も25℃及び1/sの剪断速度で測定して、好ましくは1~20000mPa・s、より好ましくは5~5000mPa・s、特に10~2000mPa・sの粘度を有する。
【0085】
本発明の組成物は、溶液又は分散液であり得る。
【0086】
本発明の組成物は、既知の方法によって、例えばすべての成分を混合することによって、例えば静的ミキサでの単純な撹拌によって又はコロイドミル、溶解機及びロータステータホモジナイザで高い剪断力を用いることによって製造することができる。
【0087】
本発明の消泡剤組成物は、液体湿潤剤、洗浄組成物及びクリーニング組成物中に存在し得る。
【0088】
水性媒体、好ましくは水性界面活性剤配合物を消泡するための本発明の方法において、本発明の組成物は、好ましくは水性媒体と混合される。
【0089】
本発明の組成物は、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン若しくはt-ブタノールなどの適切な溶媒に溶解して又は粉末若しくはエマルジョンの形態で発泡媒体に直接添加することができる。所望の消泡剤効果を達成するために必要な量は、例えば、媒体の性質、温度及び発生する乱流によって導かれる。
【0090】
本発明の組成物は、好ましくは、濃縮された液体界面活性剤配合物、例えば液体洗浄組成物と直接混合される。
【0091】
本発明の組成物は、好ましくは、そのまま使用可能な発泡媒体に、0.1重量ppm~1重量%の量、好ましくは1重量ppm~100重量ppmの量で添加される。本発明の組成物は、液体洗浄組成物などの濃縮された界面活性剤配合物中に、好ましくは0.1重量%~20重量%、より好ましくは0.5重量%~5重量%の量で存在し得る。
【0092】
本発明の方法は、好ましくは-10~+150℃、より好ましくは5~100℃の温度及び周囲雰囲気の圧力、すなわち約900~1100hPaで行われる。本発明の方法は、より高い又はより低い圧力、例えば3000~4000hPa又は1~10hPaで行うこともできる。
【0093】
消泡剤組成物は、問題を起こす泡を抑制する必要がある場合はいつでも、本発明に従って使用することができる。これは、例えば、タール蒸留又は鉱油処理過程のような非水系に当てはまる。特に、消泡剤組成物の使用は、水性界面活性剤系における泡の制御、洗浄及びクリーニング組成物での使用、廃水設備における泡の制御、繊維染色工程、天然ガススクラビング、ポリマー分散液及び化学パルプ製造で得られた水性媒体の消泡に適している。
【0094】
特に、消泡剤組成物は、本発明に従って液体洗浄組成物に使用され、ここでは消泡剤組成物は、優れた相溶性及び有効性で注目に値する。
【0095】
消泡剤組成物の使用には、組成物が消泡剤として扱いやすく、濃縮された界面活性剤配合物と混和性があり及び少量の添加で多種多様な異なる媒体中で高い持続性の有効性が注目に値するという利点がある。これは、経済的にも環境的にも格別に有利である。
【0096】
本発明の方法は、実行が容易であり非常に経済的に実行可能であるという利点を有する。
【実施例】
【0097】
以下の実施例では、特に明記しない限り、すべての部及びパーセンテージの数値は重量に関する。
【0098】
特に明記しない限り、以下の実施例は、周囲雰囲気の圧力、すなわち約1000hPa及び室温、すなわち約20℃又は反応物を室温で追加の加熱若しくは冷却なしに組み合わせたときに確立される温度で行われる。
【0099】
動的粘度は、2°の開き角を有するコーンプレートシステム(CP50-2コーン)を使用するAnton Paar社のDIN EN ISO 3219:1994及びDIN 53019に従った「MCR302」レオメータを使用して測定した。この機器は、ドイツ国立計量研究所の10000標準油で較正した。測定温度は25.00℃+/-0.05℃、測定時間は3分である。粘度数値(mPa・sで報告)は、独立して行われた3回の個々の測定の算術平均である。動的粘度に関連する測定の不確実性は1.5%である。剪断速度勾配は粘度に応じて選択されており、各粘度数値に対して個別に見積もられる。
【0100】
動粘度は、DIN 51562 Part 1又はISO/DIS 3105(その較正を含む)に従った、一定の(例えばWindaus社又はVWR社の)ウベローデ粘度計管を使用したSchott社のViscoSystem(R)AVS 350粘度測定システムによって決定される。測定は25.0℃(+-0.1℃)の温度で行われる。粘度数値(mm2/sで報告)は、独立して行われた3回の個々の測定の算術平均であり、動粘度に関連する測定の不確実性は1.05%である。測定範囲に応じて、対応する誘導定数を有する異なる粘度計管が使用される。
【0101】
【0102】
測定範囲、対応するキャピラリ番号及びVWR実験室カタログ2011~2013、645.8頁に従った定数の記述。
【0103】
[実施例1]泡止め剤の製造
泡止め剤A:
87.3重量部の粘度8000mm2.sのトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン(25.0℃;キャピラリ番号IV)、6重量部の300m2/gのBET表面積を有する親水性フュームドシリカ、3部の粘度約180mm2.s-1の2-オクチルドデシルオキシ末端ポリジメチルシロキサン(25.0℃;キャピラリ番号IIc)、3部の以下の、40mol%のCH3SiO1/2単位、50mol%のSiO4/2単位、8mol%のC2H5OSiO3/2単位及び2mol%のHOSiO3/2単位からなる室温固形シリコーン樹脂(29Si NMR及びIR分析による)であって、この樹脂の重量平均モル質量(ポリスチレン標準に基づく)が7900g/molである、室温固形シリコーン樹脂並びに0.7部の20重量%メタノールKOHの混合物を溶解機で混合し、150℃まで4時間加熱した。粘度27600mPa・s(25℃及び1 1/sの剪断速度で測定された)の泡止め剤Aを得た。
【0104】
泡止め剤B:
85.6重量部の粘度8000mm2.sのトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン(25.0℃;キャピラリ番号IV)、5部の粘度約100mm2.s-1のトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン(25.0℃;キャピラリ番号IIc)、6重量部の300m2/gのBET表面積を有するフュームドシリカ、3重量部の以下の、40mol%のCH3SiO1/2単位、50mol%のSiO4/2、8mol%のC2H5OSiO3/2単位及び2mol%のHOSiO3/2単位からなる室温固形シリコーン樹脂(29Si NMR及びIR分析による)であって、この樹脂の重量平均モル質量(ポリスチレン標準に基づく)が7900g/molである、室温固形シリコーン樹脂並びに0.4部の20重量%メタノールKOHの混合物を溶解機で混合し、150℃まで4時間加熱した。粘度28800mPa・s(25℃及び1 1/sの剪断速度で測定された)の泡止め剤Aを得た。
【0105】
[実施例2]消泡剤配合物の製造
消泡剤配合物F1:
初期投入物を、43.5重量部の沸点範囲が235~270℃の炭化水素混合物、16.5重量部のジプロピレングリコールモノブチルエーテル(Dowanol(R)DPnBの名称で市販されている)及び5.0重量部の実施例1からの室温固形シリコーン樹脂によって形成する。35.0重量部の泡止め剤Aを添加し、パドル撹拌機を用いて1200rpmで1分間よく撹拌する。
【0106】
消泡剤配合物F1がその結果であり、230mPa・s(25℃及び1 1/sの剪断速度で測定された)の粘度を有する実質的に透明で均質な配合物である。これは、非常に良好な貯蔵安定性のために注目に値する。
【0107】
消泡剤配合物F2:
初期投入物を、5.0重量部の沸点範囲が235~270℃の炭化水素混合物、27.5重量部のジプロピレングリコールモノブチルエーテル(Dowanol(R)DPnBの名称で市販されている)、27.5重量部のイソプロピルラウレート(ICOF Europe社からIPLの名称で市販されている)及び5.0重量部の実施例1からの室温固形シリコーン樹脂によって形成する。35.0重量部の泡止め剤Aを添加し、パドル撹拌機を用いて1200rpmで1分間よく撹拌する。
【0108】
消泡剤配合物F2がその結果であり、250mPa・s(25℃及び1 1/sの剪断速度で測定された)の粘度を有する実質的に透明で均質な配合物である。これは、非常に良好な貯蔵安定性のために注目に値する。
【0109】
消泡剤配合物F3:
初期投入物を、22.5重量部のジプロピレングリコールモノブチルエーテル(Dowanol(R)DPnBの名称で市販されている)、22.5重量部のイソプロピルラウレート(ICOF Europe社からIPLの名称で市販されている)、15.0重量部の粘度100mm2.sのトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン(25.0℃;キャピラリ番号IIc)及び5.0重量部の実施例1からの室温固形シリコーン樹脂によって形成する。35.0重量部の泡止め剤Bを添加し、パドル撹拌機を用いて1200rpmで1分間よく撹拌する。
【0110】
消泡剤配合物F3がその結果であり、370mPa・s(25℃及び1 1/sの剪断速度で測定された)の粘度を有する実質的に透明で均質な配合物である。これは、非常に良好な貯蔵安定性のために注目に値する。
【0111】
消泡剤配合物F4:
初期投入物を、31.5重量部の235~270℃の沸点範囲を有する炭化水素混合物、13.5重量部のジプロピレングリコールモノブチルエーテル(Dowanol(R)DPnBの名称で市販されている)、15.0重量部の粘度100mm2.sのトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン(25.0℃;キャピラリ番号IIc)及び5.0重量部の実施例1からの室温固形シリコーン樹脂によって形成する。35.0重量部の泡止め剤Aを添加し、パドル撹拌機を用いて1200rpmで1分間効率的に撹拌する。
【0112】
消泡剤配合物F4がその結果であり、340mPa・s(25℃及び1 1/sの剪断速度で測定された)の粘度を有する実質的に透明で均質な配合物である。これは、非常に良好な貯蔵安定性のために注目に値する。
【0113】
消泡剤配合物F5:
初期投入物を、53.5重量部の235~270℃の沸点範囲を有する炭化水素混合物及び23.0重量部のジエチレングリコールモノブチルエーテル(Dowanol(R)DGNBの名称で市販されている)によって形成する。3.0重量部の180m2/gのBET表面積を有する疎水性フュームドシリカ(ミュンヘンのWacker Chemie AG社よりHDK(R)T30の名称で入手可能)及び3.0重量部の100m2/gのBET表面積を有する疎水性沈降シリカ(Evonik社よりAerosil(R)R 202の名称で入手可能)を添加し、パドル撹拌機を用いて1200rpmで1分間よく混和する。10.0重量パーセントのポリオキシエチレンソルビタンヘキサオレエート及び7.5重量部の泡止め剤Aを添加し、同様にパドル撹拌機を用いて1200rpmで1分間よく撹拌する。
【0114】
消泡剤配合物F5がその結果であり、580mPa・s(25℃及び1 1/sの剪断速度で測定された)の粘度を有するわずかに濁った均質な配合物である。これは、非常に良好な貯蔵安定性のために注目に値する。
【0115】
(比較)消泡剤配合物VF6:
(US4477371Aに記載されているように)235~270℃の沸点範囲を有する炭化水素混合物の大部分(38.5重量パーセント)及びジエチレングリコールモノプロピルエーテルを2,2,4-トリメチル-1,3-ジイソブチリルオキシペンタン(55.0重量部)に置き換えることを除いて、消泡剤配合物F1の製造を繰り返す。
【0116】
消泡剤配合物VF6がその結果であり、340mPa・s(25℃及び1 1/sの剪断速度で測定された)の粘度を有する濁った均質な配合物である。
【0117】
(比較)消泡剤配合物VF7:
(US4477371Aに記載されているように)235~270℃の沸点範囲を有する炭化水素混合物及びジエチレングリコールモノブチルエーテルを2,2,4-トリメチル-1,3-ジイソブチリルオキシペンタン(55.0重量部)に置き換えることを除いて、消泡剤配合物F5の製造を繰り返す。
【0118】
消泡剤配合物VF7がその結果であり、90mPa・s(25℃及び1 1/sの剪断速度で測定された)の粘度を有する濁った均質な配合物である。
【0119】
(比較)消泡剤配合物VF8:
消泡剤配合物F1の製造を、泡止め剤Aではなく、粘度893mPa・s(25℃及び1 1/sの剪断速度で測定された)及びアミン価0.29mequ./gのアミノエチルアミノプロピル官能化ポリジメチルシロキサンを使用することを除いて繰り返す。その結果は、透明で均質な配合物としての(比較)消泡剤配合物VF8である。
【0120】
(比較)消泡剤配合物VF9:
消泡剤配合物F1の製造を、泡止め剤Aではなく、粘度1130mPa・s(25℃及び1 1/sの剪断速度で測定された)のn-ドデシル官能化ポリジメチルシロキサンを使用することを除いて繰り返す。安定した配合物を製造することは不可能である。
【0121】
(比較)消泡剤配合物VF10:
消泡剤配合物F1の製造を、泡止め剤Aではなく、粘度630mPa・s(25℃及び1 1/sの剪断速度で測定された)のポリエチレンオキシド-ポリプロピレンオキシド側鎖を有するポリエーテル官能化ポリジメチルシロキサンを使用することを除いて繰り返す。その結果は、濁った均質な配合物としての(比較)消泡剤配合物VF10である。
【0122】
[実施例3]市販の液体洗浄組成物中の消泡剤配合物の相溶性
40重量部の市販のTideブランド(Procter&Gamble社)の液体洗浄組成物によって初期投入物を形成する。0.12重量部の消泡剤配合物F1~F4及びVF6を撹拌する。
【0123】
混合物を40℃で8週間貯蔵し、次いで、視覚的に評価する。
【0124】
【0125】
ジプロピレングリコールモノブチルエーテルを含有する消泡剤配合物の使用は、液体洗浄組成物におけるより良好な相溶性のために注目に値することが分かる。
【0126】
[実施例4]アニオン性界面活性剤配合物中に消泡剤として使用した場合の消泡剤の有効性
200mlの脱塩水に、Mersolat H 95(Lanxess製)を主に有する8.00gのアニオン性界面活性剤を添加し、混合物を1リットルメスシリンダに導入する。サーモスタットを用いて、混合物を25℃の温度に調整する。エチルメチルケトン中のそれぞれの消泡剤配合物F5又はVF7の10重量%の配合物0.1mlを添加した後、界面活性剤溶液を2つの撹拌機を用いて消泡剤配合物とともに泡立てる。泡がもはや見えなくなるまで、泡の崩壊を記録する。尺度は崩壊曲線の下の面積であり、小さいほど消泡剤効果に優れる。各場合において報告されるのは、3回の測定からの平均である。結果を表2にまとめる。
【0127】
【0128】
アニオン性界面活性剤溶液中にジエチレングリコールモノブチルエーテルを含有する消泡剤配合物F5の使用は、(比較)消泡剤配合物VF7の場合よりもはるかに効果的な泡崩壊をもたらす。
【0129】
アミノエチルアミノプロピル官能化ポリジメチルシロキサンを含有する(比較)消泡剤配合物VF8又はポリエーテル官能化ポリジメチルシロキサンを含有する(比較)消泡剤配合物VF10を使用する場合、いかなる消泡剤効果も測定することができない。
【0130】
[実施例5]洗濯機で使用した場合の消泡剤効果の試験
有効性の試験のための洗浄組成物配合物W1の製造:
130.2gの脱塩水の初期投入物に、激しく撹拌しながら33.7gのアルコキシル化脂肪族アルコール(BASF SE社からLutensol(R)TO 8の名称で入手可能)を添加する。11.5gのナトリウムドデシルベンゼンスルホネート(Aldrich社から工業用グレードの材料として入手可能)及び11.5gのナトリウムドデシルサルフェート(Aldrich社から90%材料として入手可能)を添加し、短時間撹拌した。11.2gのプロパン-1,2-ジオール(Merck社から入手可能)を混合する。最後に、2.0gのナトリウムシトレート三塩基性二水和物(Aldrich社から入手可能)を、すべてが溶解するまで撹拌した。
【0131】
60重量部の洗浄組成物配合物W1に、0.15重量部の消泡剤配合物F1~F4又はVF6を添加した。次いで、洗浄組成物配合物を3500gの清浄な綿洗濯物とともにドラム式洗濯機(モデル:ファジー論理なしのMiele Novotronik W 1935)内に導入した。その後、洗浄プログラムを開始した。プログラムを、40℃の温度及び3°GHの水硬度で実行する。泡の高さを89分間にわたって記録した。全期間にわたって確認された泡グレード(測定可能な0%の泡なし~100%の過剰発泡)を用いて平均泡グレードを決定する。これが低いほど、全期間にわたって消泡剤配合物がより効果的である。結果を表3にまとめる。
【0132】
【0133】
洗濯機における消泡剤配合物F1~F4の使用は、泡発生の非常に効果的な制御を可能にし、主にジプロピレングリコールモノブチルエーテルを含有しない(比較)消泡剤配合物VF6で可能であるよりもはるかに良好な程度まで優れている。
【0134】
[実施例6]洗濯機における使用時の貯蔵安定性の試験
60重量部の洗浄組成物配合物W1に、0.15重量部の消泡剤配合物F1~F4を添加した。次いで、洗浄組成物配合物を乾燥キャビネット内に40℃で4、8、12週間貯蔵した。続いて、実施例5に記載したように洗濯機試験を行った。結果を表4に要約する。
【0135】
【0136】
消泡剤配合物F1~F4を使用すると、洗浄組成物配合物内に貯蔵した後でさえ、洗濯機における泡発生の非常に効果的な制御を可能にする。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消泡剤組成物を用いて水性媒体、好ましくは水性界面活性剤配合物を消泡する方法であって、前記消泡剤組成物が、
(A)一般式
【化1】
のポリジメチルシロキサンであって、
式中、
Rがメチル基であり、
R
1がメチル基又はOR
2基であり、
R
2が、同じでも異なっていてもよく、かつ水素原子又は1~4個の炭素原子を有する一価のヒドロカルビル基であり、
nが整数である、
ポリジメチルシロキサン、
(B)充填材、
(C)式
R
3
a(R
4O)
bSiO
(4-a-b)/2 (II)
の単位から形成されたオルガノポリシロキサン樹脂であって、
式中、
R
3が、同じでも異なっていてもよく、かつ水素原子又は一価のSiC結合ヒドロカルビル基であり、
R
4が、同じでも異なっていてもよく、かつ水素原子又は一価のヒドロカルビル基であり、
aが0、1、2又は3であり、
bが0、1、2又は3であり、
ただし、a+bの合計が≦3であり、及び前記オルガノポリシロキサン樹脂における前記式(II)のすべての単位の50%未満において、前記a+bの合計が2である、
オルガノポリシロキサン樹脂、
(D)任意選択的に、一般式
R
5O-SiR
2O(SiR
2O)
mSiR
2-OR
5 (III)
のポリオルガノシロキサンであって、
式中、
Rが上記で定義した通りであり、
R
5が、6~30個の炭素原子を有する一価の任意選択的に置換されたヒドロカルビル基であり、
mが整数である、
ポリオルガノシロキサン、
(E)任意選択的に、非イオン性乳化剤、
(F)以下の式
R
6(OR
7)
pO-R
8 (IV)
のモノ-、ジ-又はトリアルコキシアルキルエーテルであって、
式中、
R
6が、同じであっても異なっていてもよく、かつ水素原子又は1~6個の炭素原子を有する一価の任意選択的に置換されたヒドロカルビル基であり、
R
7が、同じであっても異なっていてもよく、かつ1~6個の炭素原子を有する二価の任意選択的に置換されたヒドロカルビル基であり、
R
8が、1~8個の炭素原子を有する一価の任意選択的に置換されたヒドロカルビル基であり、
pが1、2又は3である、
モノ-、ジ-又はトリアルコキシアルキルエーテル、
(G)成分(F)以外の非水溶媒、
(H)任意選択的に、アルカリ性若しくは酸性触媒又は成分(A)~(F)とそれとの反応生成物、
を含み、
ただし、2,2,4-トリメチル-1,3-ジイソブチリルオキシペンタン
及びポリエーテルシロキサンの関与が除外される、
方法。
【請求項2】
前記消泡剤組成物において、アミノ官能性ポリシロキサ
ン及び長鎖SiC結合C
8-30-アルキル基を有するポリシロキサンの関与が除外されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式(IV)において、
R
6が、水素原子、メチル基又はエチル基であり、
R
7が、1,2-エチレン基又は1,2-プロピレン基であり、かつ
R
8が、メチル基又はn-ブチル基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
使用されるモノ、ジ-又はトリアルコキシアルキルエーテル(F)が、
エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、
プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル又は
ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテルであることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項5】
使用される充填材(B)が、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化チタン又は酸化アルミニウムであることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記オルガノポリシロキサン樹脂(C)が、本質的にR
3
3SiO
1/2(M)単位及びSiO
4/2(Q)単位からなり、R
3が、請求項1に与えられた定義を有し、かつ前記オルガノポリシロキサン樹脂が、最大10重量%の遊離Si結合ヒドロキシ又はC
1-4-アルコキシ基を含有し得ることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
使用される非水溶媒(G)が、炭化水素、天然油、ポリイソブチレン、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール及びワックスであることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記消泡剤組成物が、前記水性媒体と混合されることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記消泡剤組成物が、0.1重量ppm~1重量%の量で発泡性水性媒体に添加されることを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記消泡剤組成物が、液体洗浄組成物中に存在することを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記消泡剤組成物が、液体洗浄組成物中に、前記液体洗浄組成物の総重量に基づいて、0.1重量%~20重量%の量で存在することを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
R3基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基などのヘキシル基、n-ヘプチル基などのヘプチル基、n-オクチル基及び2,2,4-トリメチルペンチル基などのイソオクチル基などのオクチル基、n-ノニル基などのノニル基、n-デシル基などのデシル基、n-ドデシル基などのドデシル基、n-ヘキサデシル基などのヘキサデシル基、n-オクタデシル基などのオクタデシル基;ビニル基及びアリル基などのアルケニル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、ベンジル基、フェニルエチル基又は2-フェニルプロピル基などの、脂肪族基を介してケイ素原子に結合した芳香族基である。
【国際調査報告】