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特表2024-524704多層吸収性製品の製造方法及びその方法による製品
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  • 特表-多層吸収性製品の製造方法及びその方法による製品 図1
  • 特表-多層吸収性製品の製造方法及びその方法による製品 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】多層吸収性製品の製造方法及びその方法による製品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
A61F13/15 390
A61F13/15 340
A61F13/15 357
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502100
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 IL2022050751
(87)【国際公開番号】W WO2023286058
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/221,704
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524016666
【氏名又は名称】アブゴル インダストリーズ 1953 リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カーター,ニック
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン,ディーアン
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA03
3B200AA11
3B200AA12
3B200BB03
3B200BB06
3B200DA25
3B200EA27
(57)【要約】
本発明は、多層使い捨て吸収性物品24、24A及びその製造方法に関する。1つの形態において、本方法は、ベース材料又は不織基材12、12Aを形成するステップを含む。本方法は、複数の機能層14、14A;16、16A;18、18A;20、20A;22、22Aをベース材料12、12Aに適用して、多層使い捨て吸収性物品24、24Aを形成するステップをさらに含む。機能層14、14A;16、16A;18、18A;20、20A;22、22Aのうちの1つに剥離剤が含まれ、剥離剤は、物品24、24Aのリサイクル中に、ベース材料から機能層14、14A;16、16A;18、18A;20、20A;22、22Aを除去するのを容易にするように、化学的又は機械的に誘起することができることが好ましい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.ベース材料を形成するステップと、
b.複数の機能層を前記ベース材料に適用して、多層使い捨て吸収性物品を形成するステップと、
を含む、多層使い捨て吸収性物品の製造方法。
【請求項2】
複数の前記機能層を適用するステップは、前記機能層のレーザージェット印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、フォーム印刷、付加製造、及び/又はフレキソ印刷を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ベース材料に直接接触する前記機能層のうちの少なくとも1つに剥離剤を含ませるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記多層使い捨て吸収性物品に化学的又は機械的トリガーを適用するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ベース材料から複数の前記機能層を分離するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
複数の前記機能層は、吸収層、液体管理層、皮膚接触層、通気性バリア層、及びクッション層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ベース材料は、不織基材、織布、又は編布のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記使い捨て吸収性物品は、おむつ、女性用衛生製品、又は成人用失禁器具である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法に従って作製される使い捨て吸収性物品。
【請求項10】
多層使い捨て吸収性物品(24、24A)の製造方法(10、10A)であって、
a.ベース材料(12、12A)を形成するステップと、
b.複数の機能層(14、14A;16、16A;18、18A;20、20A;22、22A)を前記ベース材料(12、12A)に適用して、多層使い捨て吸収性物品(24、24A)を形成するステップと、
を含む、前記方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法(10、10A)であって、複数の前記機能層を適用するステップは、前記機能層(14、14A;16、16A;18、18A;20、20A;22、22A)のレーザージェット印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、フォーム印刷、付加製造、及び/又はフレキソ印刷を含む、前記方法。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の方法(10、10A)であって、前記ベース材料(12、12A)に直接接触する前記機能層(14、14A;16、16A;18、18A;20、20A;22、22A)のうちの少なくとも1つに剥離剤を含ませるステップをさらに含む、前記方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法(10、10A)であって、前記多層使い捨て吸収性物品(24、24A)に化学的又は機械的トリガーを適用するステップをさらに含む、前記方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法(10、10A)であって、前記ベース材料(12、12A)から複数の前記機能層(14、14A;16、16A;18、18A;20、20A;22、22A)を分離するステップをさらに含む、前記方法。
【請求項15】
請求項10~14のいずれか一項に記載の方法(10、10A)であって、複数の前記機能層(14、14A;16、16A;18、18A;20、20A;22、22A)は、吸収層、液体管理層、皮膚接触層、通気性バリア層、及びクッション層を含む、前記方法。
【請求項16】
請求項10~15のいずれか一項に記載の方法(10、10A)であって、前記ベース材料(12、12A)は、不織基材、織布、又は編布のうちの1つである、前記方法。
【請求項17】
請求項10~16のいずれか一項に記載の方法(10、10A)であって、前記使い捨て吸収性物品(24、24A)は、おむつ、女性用衛生製品、又は成人用失禁器具である、前記方法。
【請求項18】
使い捨て吸収性物品(24、24A)であって、請求項10~17のいずれか一項に記載の方法に従って作製される、前記使い捨て吸収性物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年7月14日に出願された米国仮特許出願第63/221,704号の利益を主張し、上記仮特許出願の内容は、参照によりその全体を本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、概して、使い捨て吸収性物品に関し、より具体的には、物品の所望の機能的属性に基づいて構成可能な多層複合構造を有する使い捨て吸収性物品の製造に関する。
【背景技術】
【0003】
不織布又は不織基材は、広く受け入れられており、一般的に、使い捨て吸収性物品又は製品における構成要素、具体的には、乳児用おむつ、女性用衛生製品、及び成人用失禁器具における性能バリア等の、限られた機能的寿命を呈する製品の構築に使用されている。特に好ましい不織バリア基材は、スパンボンド及びメルトブローン技術の組合せ等の、メルトスパン「直接形成(direct formation)」生地によって製造されるものを含む。この場合、不織基材は、有限長ステープルファイバー製造手段を利用した不織布と比較して、迅速かつ低減された複雑性及びコストで製造される。長年、原料消費及び廃棄物生成の双方を最小限にするために、直接形成不織布を利用する産業は、不織布が流体吸収等の特定の性能目標を達成しながら、公称重量を呈することを要求している。
【0004】
最小質量の連続フィラメント不織基材の製造の成功は、必要とされる加工及び最終使用用途の物理的及び美観的性能属性、好適な有限流体管理特性、並びに、不織フィラメント材料が有用な美観的品質、物理的品質、及びバリア品質を呈する実行可能な商業的製造手段によるこれらの属性の獲得を達成するための、連続フィラメント構成要素の形成に伴う問題点を含む複合的な問題である。初期の従来技術は、まず、基本的なスパンメルト(スパンボンド及びメルトブローン不織布技術が例示される)を形成する手段及び方法を扱っている。これは、例えば、Butin等の米国特許第3,849,241号、Hansen等の同第3,855,046号、Brock等の同第4,041,203号、及びSommer等の同第7,611,594号、Timmon等の米国特許第5,464,688号、Brown等の同第5,662,978号及び同第6,100,208号において例示されている。Simpson等の米国特許第5,023,130号は、非結合連続フィラメントが、高エネルギーウォータージェットの適用によってハイドロエンタングルされる(hydroentangled)方法を教示している。Turi等の米国特許第7,858,544号及び同第8,093,163号は、好適なフィラメント移動及び統合を達成するために、材料表面積の10%未満の低熱点結合、又は十分な自由フィラメント長及びその係合を可能にする異方性結合パターンを有することが必要である手法を提供している。高バリア性能を必要とする最終使用用途により特化した従来技術を検討すると、積層又は複合構造へとさらに形成され得る追加の材料層に対する要件が再び見られる。Slocum等の米国特許第5,888,614号、Forteの同第6,929,853号、Bonke等の同第6,420,002号、Johnstone等の同第7,396,498号、並びにCabrey等の同第6,602,809号及び同第6,706,225号は、それぞれ、高バリア性能材料を得るために、単独で又は1つ以上の他の基材と組み合わせてのフィルムの使用に関する。Melican等の米国特許第4,232,674号は、生理用ナプキンの基材に平行なストライプで吸収性デンプンポリマーをパターン化して堆積することを教示している。Hudson等の欧州特許出願公開第4,027,732号は、吸収性物品上へのインクジェット印刷を教示している。Schneiderの米国特許第9,108,787号は、吸収性製品にグラフィックを印刷する様々な方法を教示している。上述した従来技術の特許のそれぞれは、それぞれ全体を参照により本明細書に援用する。
【0005】
不織基材は、流体管理の向上のためのスパンボンド、従来のメルトブローン、フィルム、安定性繊維、セルロースパルプ、超吸収性ポリマー(SAP)、及びそれらの混合物又は組合せから構成される、1つ以上の他の層を任意選択で含むことができる。
【0006】
向上したリサイクル性を有する、及び/又は、物理的及び美観的性能属性、並びに流体管理特性等の向上した制御を呈する、手頃な使い捨て吸収性物品の製造に対する必要性が未だ満たされずに残っている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、多層使い捨て吸収性物品を製造する方法に関する。本方法は、ベース材料を形成するステップと、複数の機能層をベース材料に適用して、多層使い捨て吸収性物品を形成するステップとを含む。
【0008】
好ましい形態において、層は、レーザージェット印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、フォーム印刷(foam printing)、付加製造、及び/又はフレキソ印刷のうちの1つによって、ベース材料に適用される。他の印刷又は堆積手段も想定される。
【0009】
本発明の別の好ましい形態によれば、ベース材料は、不織基材、織布、又は編布のうちの1つである。多層使い捨て吸収性物品は、おむつ、女性用衛生製品、又は成人用失禁器具であることが好ましい。
【0010】
本発明の1つの態様において、本方法は、ベース材料に直接接触する機能層のうちの少なくとも1つに剥離剤を含ませるステップをさらに含む。本方法は、リサイクル又は廃棄流分別中にベース材料から機能層を分離するのを容易にするために、多層使い捨て吸収性物品に化学的又は機械的トリガーを適用するステップをさらに含むことが好ましい。具体的には、ベース材料を、異なるレベルのリサイクル性又は異なるポリマーリサイクル識別番号(RIN)を有する異なる材料から構成され得る機能層のうちの1つ以上から分離することにより、リサイクル流における分別が向上する。化学的又は機械的トリガー(すなわち、剥離剤)は、ベース材料及び機能層を含む製品の使用者によって適用されても、リサイクル業者によって適用されてもよい。
【0011】
本発明の1つの広範な形態において、機能層は、吸収層、液体管理層、皮膚接触層、通気性バリア層、及びクッション層を含む。
【0012】
本発明の別の広範な形態において、多層使い捨て吸収性物品は、上述した単数又は複数の方法に従って作製される。
【0013】
本発明の他の特徴及び利点は、例として、本発明の原理を示す添付図面と併せて以下のより詳細な説明から明らかとなる。
【0014】
本発明は、図面を含む本発明の詳細な説明によってより容易に理解されよう。したがって、本発明の説明に特に適した図面が本明細書に添付されているが、そのような図面は、説明のためのものにすぎず、したがって、提供される寸法を超えて必ずしも縮尺どおりではないことを理解すべきである。図面について以下に簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の第1の方法又はプロセスの模式図であり、図1は、従来の複数構成要素の吸収性製品の属性を呈する複合材料を形成する様々なステーションで処理を受ける、本発明に係る第1の例示的な不織布を示している。
図2図2は、本発明の第2の方法又はプロセスの模式図であり、図2は、リサイクル性を向上するためにベース材料から機能層の除去を誘起することができる剥離剤を含む、1つ以上の機能層をベース材料上に積層/印刷する様々なステーションで改変を受ける、本発明に係る第2の例示的な不織布を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は様々な形態の実施形態が可能であるが、現在好ましい実施形態が図面に示され、以下に記載される。本開示は、本発明の例示とみなされ、本発明を図示の特定の実施形態に限定することは意図しないことが理解される。本発明のフィラメント材料を準備するのに有用な装置は、本質的に従来のものであり、当業者に知られている。そのような装置として、押出機、コンベヤライン、ウォータージェット、巻取機又は巻出機、局所塗布機、カレンダー機、圧縮機等が挙げられる。
【0017】
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態の方法10が模式的に示されている。方法10は、不織布の形態のベース材料又は基材12の形成を含む。ベース材料12の熱カレンダー加工13(一対の対向するローラーとして模式的に示されている)が好ましくは行われ、次いで、ベース材料12は、例えば吸収層14、液体管理層16、皮膚接触層18、通気性バリア層20、クッション層22等の追加の機能層又は属性14、16、18、20、及び22をベース材料12に付与する複数の連続又は並列ステーションのうちの1つ以上に供される。他の層が含まれる場合もある。ベース材料12は、層14、16、18、20、及び22のうちの1つ以上をベース材料12の他方の側又は表面に施すために、加工中に反転19させることができる。その後、層14、16、18、20、及び/又は22を伴ったベース材料12は、間接的に(すなわち、収集されて、消費者製品又は最終製品の最終製造者へと出荷される)又は直接インラインで形成される、結果として得られる吸収性製品又は物品24へと形成23され得る。吸収性製品又は物品24は、従来技術における従来の複数構成要素の吸収性製品の属性を呈する多層構造物である。結果として得られる吸収性製品24は、乳児又は幼児用おむつ、女性用衛生製品、成人用失禁器具等とすることができる。図1は、本発明の1つの例示的な又は好ましい実施形態を示しているが、ベース材料12(例えば、スパンレイド(spunlaid)不織材料)は、追加の機能層の形成又は堆積とともにインラインで作製される必要はないことが理解されよう。本発明は、用途に応じて、方法の1つ以上の他のステップに対して並列又は直列に実行される方法の1つ以上のステップを包含する。他のハンドリング及び/又は仕上げステップを採用してもよい。
【0018】
ベース材料12は、スパンボンド、メルトブローン、有限長繊維又は一体化繊維構造物、パルプ、薄織物(tissues)、スクリム織物等のうちの1つ以上から構成することができる。機能層14、16、18、20、22は、レーザージェット印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、フレキソ印刷、フォーム印刷、及び/又は付加製造等によって、ベース材料12上に直接形成することができる。他の方法を使用してもよい。
【0019】
1つの形態において、吸収性物品24は、透過性のトップシート層、又は単に「トップシート」と称するものを含むことができ、これは、物品24の使用者に接触し、液体(例えば、尿、月経液、糞便、又はそれらの混合物)を受ける、物品24の内面を画定する。トップシートは、通常、スパンボンドポリマー等の不織布から形成することができ、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリエステル、天然綿又は靭皮繊維、及びこれらの材料の混合物によるスパンボンド不織布又はカードウェブ等の、液体の通過を可能にする、当該技術分野において既知の任意の好適な比較的に液体透過性の材料から構成することができる。
【0020】
吸収性物品24は、通常、液体不透過性のバックシート層、又は単に「バックシート」と称するものをさらに含み、これは、物品24の使用者の股部に面しない、物品24の外面を画定する。バックシートは、ポリエチレンフィルム又は他の液体不透過性層若しくはフィルムから形成することができる。例えば、バックシートは、織物材料若しくは不織材料、ポリエチレン若しくはポリプロピレン熱可塑性フィルム等のポリマーフィルム、又はフィルムコート不織材料等の材料を含むことができる。
【0021】
物品24は、トップシートとバックシートとの間に配置される、排出された体液を迅速に収集するとともに一時的に保持するように機能する、高嵩高性の吸湿性繊維材料層の層等の、任意の数の追加の層を任意選択で含むことができる。そのような層は、ポリエステル、ポリプロピレン、若しくはポリエチレンを含む合成繊維、綿若しくはセルロースを含む天然繊維、そのような繊維の混紡、発泡材、フラッフパルプ、穿孔フィルム、又は任意の等価の材料若しくは材料の組合せによる不織ウェブ又は織物ウェブを含む、複数の異なる材料から形成することができる。
【0022】
物品24は、トップシートとバックシートとの間に位置する吸収性コアを含むことが重要である。コアは、フィラメント状構成要素、より詳細には、材料を有用で許容可能な消費者製品へと機械的に加工するのに必要な美観的及び物理的性能を保持しながら、有用な流体管理バリア属性を呈するフィラメント材料を含む、基材を含む。フィラメント材料は、本質的に、少なくとも1つのポリマー材料から形成される連続フィラメントからなる少なくとも1つの統合ネットワークを含む。好適なポリマー材料は、熱溶融ポリマー及び熱硬化ポリマーを含むが、熱溶融プラスチックが特に好ましい。コアは、好ましくは、9 Shimshon St., Lexus House, 7th floor, Petah Tikva, 4952707, Israel所在のオフィスを有するAvgol Ltd.社によって製造されているスパンボンド親水性不織布から形成することができる。熱溶融プラスチックは、ポリオレフィン、より好ましくはポリプロピレン又はポリエチレンを含む。使用に好適な他のポリマーは、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリスチレン、ビスコース、熱可塑性エラストマー、ブロックポリマー、ポリマーアロイ、及びこれらの混合物、及び他の既知の繊維形成熱可塑性材料を含む。コアは、内部又は上に分散された1つ以上のタイプの吸収性材料又は超吸収性ポリマー(「SAP」)を含むことができる。本発明の1つの好ましい形態において、ベース材料及び/又はSAPのうちの1つ以上は、物品24上に印刷又は別様に堆積された超吸収性ポリマーを含む。SAPは、生分解性SAPであることが好ましい。SAPは、国際公開第2019/195271号及び/又は国際公開第2019/195272号に記載されているポリマーから作製されることがより好ましい。上記国際公開は、その全体を参照により本明細書に援用する。本発明の現在好ましい1つの形態において、SAPは、3 Aluf Kalman Magen St., Tel Aviv 6107075, Israel所在の工場を有するPolygreen Group社によって製造されているSAPgenix(商標)である。
【0023】
図2を参照すると、現行技術水準の使い捨て吸収性製品と比較してリサイクル性が向上した、乳児又は幼児用おむつ、女性用衛生製品、成人用失禁器具等の、改善された使い捨て吸収性物品24Aを製造する、本発明の第2の実施形態の方法10Aが模式的に示されている。方法10Aは、不織布の形態のベース材料又は基材12Aの形成を含む。ベース材料12Aの熱カレンダー加工13A(一対の対向するローラーとして模式的に示されている)が好ましくは行われ、次いで、ベース材料12Aは、例えば吸収層14A、液体管理層16A、皮膚接触層18A(ベース材料12/12Aによって果たす機能であっても、好適な皮膚接触化学物質、分解性繊維層、又は他のタイプの繊維フロックを別個に適用することによる機能であってもよい)、通気性バリア層20A、クッション層22A等の、追加の機能層又は属性14A、16A、18A、20A、及び22Aをベース材料12Aに付与する複数の連続又は並列ステーションのうちの1つ以上に供される。他の層が含まれる場合もある。ベース材料12Aは、層14A、16A、18A、20A、及び22Aのうちの1つ以上をベース材料12Aの他方の側又は表面に施すために、加工中に反転19Aさせることができる。その後、層14A、16A、18A、20A、及び/又は22Aを伴ったベース材料12Aは、間接的に(すなわち、収集されて、消費者製品又は最終製品の最終製造者へと出荷される)又は直接インラインで形成される、結果として得られる吸収性製品又は物品24Aへと形成23Aすることができる。結果として得られる吸収性製品又は物品24Aは、従来技術における従来の複数構成要素による吸収性製品の属性を呈する多層構造物であり、乳児又は幼児用おむつ、女性用衛生製品、成人用失禁器具等とすることができる。図2は、本発明の別の例示的な又は好ましい実施形態を示しているが、ベース材料12A(例えば、スパンレイド不織材料)は、追加の機能層の形成又は堆積とともにインラインで作製される必要はないことが理解されよう。本発明は、用途に応じて、方法の1つ以上の他のステップに対して並列又は直列に実行される方法の1つ以上のステップを包含する。他のハンドリング及び/又は仕上げステップを採用してもよい。
【0024】
ベース材料12Aは、スパンボンド、メルトブローン、有限長繊維又は一体化繊維構築物、パルプ、薄織物、スクリム織物等のうちの1つ以上から構成することができる。機能層14A、16A、18A、20A、22Aは、レーザージェット印刷、グラビア印刷、デジタル印刷、フォーム印刷、付加製造、及び/又はフレキソ印刷等によって、ベース材料12Aに直接形成することができる。他の方法を使用してもよい。
【0025】
ベース材料12Aに直接接触する層14A、16A、18A、20A、及び22Aのうちの1つ以上は、剥離剤をさらに含むことが重要である。剥離剤は、例えばpH、化学試薬、超音波、日光等の、意図的なトリガーによって誘起されると、ベース材料12Aの片面又は両面における機能層14A、16A、18A、20A、及び22Aがベース材料12から係合解除されるようにする。そのような化学的な又は化学機械的な誘起条件を適用することにより、機能剤が除去され、ベース材料12Aは、機能層14A、16A、18A、20A、及び22A(ベース材料12Aと同じ材料でない場合がある)が混入することなくリサイクルすることができる。
【0026】
上記より、本発明の新規の構想の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、数多くの変更及び変形を行うことができることが見て取れよう。本明細書に例示されている特定の実施形態に関して制限は意図されず、又は暗示されないものとすることを理解されたい。本開示は、添付の特許請求の範囲によって、特許請求の範囲内にある全てのそのような変更を包含することが意図される。

図1
図2
【国際調査報告】