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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】ロータリピストンコンプレッサ
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/22 20060101AFI20240628BHJP
   F04C 27/00 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
F04C18/22 A
F04C27/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502108
(86)(22)【出願日】2021-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 AT2021000015
(87)【国際公開番号】W WO2023283660
(87)【国際公開日】2023-01-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524016910
【氏名又は名称】フローリアン カール アウセラー
【氏名又は名称原語表記】Florian Karl Ausserer
【住所又は居所原語表記】Am Flossgraben 1a, 6850 Dornbirn, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン カール アウセラー
【テーマコード(参考)】
3H129
【Fターム(参考)】
3H129AA01
3H129AA17
3H129AB05
3H129BB16
3H129CC05
3H129CC09
3H129CC19
(57)【要約】
ガス、特に二酸化炭素を圧縮するためのロータリピストンコンプレッサ(1)であって、ハウジング側壁(4)の側壁面(7)と、それぞれ1つのハウジングカバー(5,6)のそれぞれ1つの平面状のシール面(8,9)とが作業室(10)を取り囲んでいて、ロータリピストン(3)が作業室(10)内で偏心体(11)上に回転可能に支承されており、ロータリピストン(3)のピストン底面(15,16)にそれぞれ1つの平面シール収容通路(18)が形成されており、各平面シール収容通路(18)内に平面シール(19)が配置されており、各平面シール(19)を各平面状のシール面(8,9)に押圧するために、ロータリピストン(3)のピストン周面(17)に周面開口(21)が形成されていて、周面開口(21)が、圧力貫通案内管路(22)を介して各平面シール収容通路(18)に圧力を伝達するように接続されており、圧力貫通案内管路(22)が、ロータリピストン(3)の内部に形成されていて、かつ各平面シール(19)の、シール表面(20)とは反対の側でそれぞれ各平面シール収容通路(18)内に開口している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス、特に二酸化炭素を圧縮するためのロータリピストンコンプレッサ(1)であって、該ロータリピストンコンプレッサ(1)が、作業ハウジング(2)と、ロータリピストン(3)とを有しており、前記作業ハウジング(2)が、ハウジング側壁(4)と、該ハウジング側壁(4)の互いに反対の側に配置された2つのハウジングカバー(5,6)とを有しており、前記ハウジング側壁(4)の側壁面(7)と、前記各ハウジングカバー(5,6)のそれぞれ1つの平面状のシール面(8,9)とが、前記作業ハウジング(2)内に配置された作業室(10)を取り囲んでおり、前記ロータリピストン(3)が、前記作業室(10)内で偏心体(11)上に回転可能に支承されており、前記ロータリピストンコンプレッサ(1)が、圧縮すべき前記ガスを前記作業室(10)内に導入するためのガス入口(12)と、圧縮された前記ガスを前記作業室(10)から導出するための、過圧流出弁(14)を備えたガス出口(13)とを有しており、前記ロータリピストン(3)が、前記ハウジングカバー(5,6)の前記平面状のシール面(8,9)のうちのそれぞれ1つのシール面に面した2つのピストン底面(15,16)と、前記ハウジング側壁(4)の前記側壁面(7)に面したピストン周面(17)とを有しており、前記ピストン底面(15,16)に、それぞれ1つの平面シール収容通路(18)が形成されており、各平面シール収容通路(18)内に平面シール(19)が配置されており、該平面シール(19)が、前記ハウジングカバー(5,6)の前記平面状のシール面(8,9)のうちの1つのシール面に当て付けるためのそれぞれ1つのシール表面(20)を有している、ロータリピストンコンプレッサ(1)において、
前記各平面シール(19)の前記シール表面(20)を前記各平面状のシール面(8,9)に押し付けるために、前記ロータリピストン(3)の前記ピストン周面(17)に周面開口(21)が形成されており、該周面開口(21)が、圧力貫通案内管路(22)を介して前記各平面シール収容通路(18)に圧力を伝達するように接続されており、前記圧力貫通案内管路(22)が、前記ロータリピストン(3)の内部に形成されており、かつ前記各平面シール(19)の、前記シール表面(20)とは反対の側でそれぞれ前記各平面シール収容通路(18)内に開口していることを特徴とする、ロータリピストンコンプレッサ(1)。
【請求項2】
前記圧力貫通案内管路(22)が管状に、かつ/または1つの孔として、かつ/または前記ロータリピストン(3)の内部で互いに開口し合う一連の孔として形成されている、請求項1記載のロータリピストンコンプレッサ(1)。
【請求項3】
前記周面開口(21)が、前記ピストン底面(15,16)から離間して前記ピストン周面(17)に形成されている、請求項1または2記載のロータリピストンコンプレッサ(1)。
【請求項4】
前記平面シール(19)が、それぞれ射出成形部材として、前記各平面シール収容通路(18)内に射出成形されているか、または、前記平面シール(19)が、それぞれ3D印刷部材として、前記各平面シール収容通路(18)内に印刷されているか、または、前記平面シール(19)が、それぞれ成形プレス部材として、前記各平面シール収容通路(18)内に圧入されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のロータリピストンコンプレッサ(1)。
【請求項5】
前記平面シール(19)が、それぞれ挿入部材として予め製造されており、かつ挿入部材として前記各平面シール収容通路(18)内に挿入されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のロータリピストンコンプレッサ(1)。
【請求項6】
前記圧力貫通案内管路(22)が、前記各平面シール収容通路(18)内への開口(23)の領域において、それぞれキャップ(24)により覆われている、請求項1から5までのいずれか1項記載のロータリピストンコンプレッサ(1)。
【請求項7】
前記ピストン底面(15,16)のうちの1つのピストン底面に形成された前記平面シール収容通路(18)のうちの1つの平面シール収容通路内で、前記平面シール(19)が、自体それぞれ一体的に構成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のロータリピストンコンプレッサ(1)。
【請求項8】
前記ハウジング側壁(4)の前記側壁面(7)が、前記ハウジングカバー(5,6)の前記平面状のシール面(8,9)に対して平行な切断平面で見て、完全にまたは少なくとも部分的にトロコイド形に形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のロータリピストンコンプレッサ(1)。
【請求項9】
前記ロータリピストン(3)が2つ以上の角隅領域(25)を有しており、好適には前記角隅領域(25)に、前記ロータリピストン(3)を前記ハウジング側壁(4)の前記側壁面(7)に対してシールするために、それぞれ1つの半径方向シール(26)が配置されていることが規定されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のロータリピストンコンプレッサ(1)。
【請求項10】
前記ピストン底面(15,16)が、前記ロータリピストン(3)の前記角隅領域(25)のうちのそれぞれ2つの角隅領域の間の領域で、それぞれ1つの画定線(27)により画定されており、前記画定線(27)が、それぞれトロコイドから成る曲線群の包絡曲線として形成されている、請求項9記載のロータリピストンコンプレッサ(1)。
【請求項11】
前記各半径方向シール(26)を前記ハウジング側壁(4)の前記側壁面(7)に押し付けるための、前記ロータリピストン(3)に向いたそれぞれ1つの弾性要素(28)が、前記半径方向シール(26)に一体的に成形されている、請求項9または10記載のロータリピストンコンプレッサ(1)。
【請求項12】
前記平面シール(19)が、前記各半径方向シール(26)を前記ハウジング側壁(4)の前記側壁面(7)に押し付けるための接触面(57)をそれぞれ有している、請求項9から11までのいずれか1項記載のロータリピストンコンプレッサ(1)。
【請求項13】
前記平面シール(19)が、それぞれ前記ロータリピストン(3)の前記角隅領域(25)において、前記各シール表面(20)とは反対の側で、前記平面シール(19)を収容している前記平面シール収容通路(18)に対してシールされている、請求項9から12までのいずれか1項記載のロータリピストンコンプレッサ(1)。
【請求項14】
前記平面シール(19)および/または場合によっては存在する前記半径方向シール(26)が、ポリマーから成っているか、または乾式滑材および/または強化繊維を有するポリマーから成っている、請求項1から13までのいずれか1項記載のロータリピストンコンプレッサ(1)。
【請求項15】
前記ハウジング側壁(4)と前記ハウジングカバー(5,6)とが、アルミニウム合金または鋳鉄から成るそれぞれ1つの基体と、前記ハウジング側壁(4)の前記側壁面(7)および前記ハウジングカバー(5,6)の前記平面状のシール面(8,9)を形成するための、前記基体上に被着されたコーティング(29)とを有しており、前記コーティング(29)が、ニッケル-リン層、アルミニウム酸化物層、乾燥潤滑性の滑塗料層または前記層のうちの少なくとも2つの層から成る組み合わせであってよい、請求項1から14までのいずれか1項記載のロータリピストンコンプレッサ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス、特に二酸化炭素を圧縮するロータリピストンコンプレッサであって、ロータリピストンコンプレッサが、作業ハウジングとロータリピストンとを有しており、作業ハウジングが、ハウジング側壁と、ハウジング側壁の互いに反対の側に配置された2つのハウジングカバーとを有しており、ハウジング側壁の側壁面と、各ハウジングカバーのそれぞれ1つの平面状のシール面とが、作業ハウジング内に配置された作業室を取り囲んでおり、ロータリピストンが、作業室内で偏心体上に回転可能に支承されており、ロータリピストンコンプレッサが、圧縮すべきガスを作業室内に導入するためのガス入口と、圧縮されたガスを作業室から導出するための、過圧流出弁を備えたガス出口とを有しており、ロータリピストンが、ハウジングカバーの平面状のシール面のうちのそれぞれ1つのシール面に面した2つのピストン底面と、ハウジング側壁の側壁面に面したピストン周面とを有しており、ピストン底面にそれぞれ1つの平面シール収容通路が形成されており、平面シール収容通路の各平面シール収容通路内に平面シールが配置されており、平面シールは、ハウジングカバーの平面状のシール面のうちの1つシール面に当て付けるためのそれぞれ1つのシール表面を有している、ロータリピストンコンプレッサに関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリピストンコンプレッサ自体は長らく公知である。ロータリピストンコンプレッサは例えば、米国特許第4,105,375号明細書および米国特許第4,118,157号明細書に示されている。
【0003】
冒頭で述べたロータリピストンコンプレッサのロータリピストンは、国際公開第2020/159394号に示されている。上掲の明細書に開示されている技術では、作業ハウジングのハウジングカバーの各平面状のシール面に平面シールを押し付けるために、平面シール収容通路内にばね要素が配置される。これらのばねは、実地においては通常、僅かな押付け力しか形成せず、大抵は平面状のシール面に対する接触維持のためにしか役立たない。本来のシールは、従来技術では大抵の場合、シールに作用するガス圧によって引き起こされ、ガス圧を形成するガスは、従来技術ではハウジングカバーの平面状のシール面とピストン底面との間の間隙寸法を介して平面シールに到達する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、特に作業室内のガス圧が比較的高い場合にも平面シールによる良好なシールを提供する改良形を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために、本発明は、冒頭で述べた形式のロータリピストンコンプレッサを起点として、各平面シールのシール表面を各平面状のシール面に押し付けるために、ロータリピストンのピストン周面に周面開口が形成されており、周面開口が、圧力貫通案内管路を介して、各平面シール収容通路に圧力を伝達するように接続されており、圧力貫通案内管路がロータリピストンの内部に形成されており、各平面シールの、シール表面とは反対の側でそれぞれ各平面シール収容通路内に開口していることを提案している。
【0006】
つまり、本発明では、ガス圧が隙間寸法を介して平面シールに達することは、もはや想定されていない。むしろ、本発明は、ピストン周面に意図的に周面開口が設けられており、これらの周面開口が、ロータリピストンの内部に形成された圧力貫通案内管路を介して、平面シール収容通路に直接、圧力を伝達するように接続されていることを提案している。作業室からの、圧力が加えられたガスは、周面開口と、平面シール収容通路に開口する圧力貫通案内管路とを通って、直接に平面シール収容通路内の平面シールに作用することができ、これにより平面シールを、各ハウジングカバーの各平面状のシール面に押し付けることができる。
【0007】
本発明によるこの解決手段は、一方では、各平面シールのシール表面を、各ハウジングカバーの各平面状のシール面に押し付けるために、僅かな部材しか必要とされないという利点を有している。したがって、冒頭で述べた形式の従来技術において使用される、平面シール収容通路内のばね要素を、本発明では完全に省略することができる。しかし、特に本発明では、ロータリピストンの各周面開口が開口している作業室の領域からのガス圧をそれぞれ平面シール収容通路の対応する領域において使用することができ、これにより、各平面シールのシール表面を、各ハウジングカバーの各平面状のシール面に押し付けることができる。これによって、自動的に押付け圧も、作業室のこの領域において現在存在している圧力に適合させることができる。このことは、特に、本発明によるロータリピストンコンプレッサを用いてガスを圧縮する場合に、作業室内で特に高い圧力が達成される場合に有利であると実証されている。
【0008】
本発明に係るロータリピストンコンプレッサの特に好適な使用分野は、二酸化炭素を圧縮するかまたは押し縮め、これにより、二酸化炭素を、次いで冷却循環路または熱循環路において環境にやさしい冷媒または熱媒として使用することができるようにすることである。この場合、二酸化炭素を圧縮するために、少なくとも80bar、好適には少なくとも100barの作業圧を達成しなければならない。これにより、この二酸化炭素を、冷媒として冷却機器、空調設備のためにも、または熱媒として建物暖房、ヒートポンプのためにも使用することができる。本発明によるロータリピストンコンプレッサでは、主に二酸化炭素の圧縮が重要である。しかし、本発明によるロータリピストンコンプレッサは、当然ながら別のガスの圧縮のためにも使用することができる。
【0009】
これに関連して、ガスとは、通常の条件において、つまり20℃の温度および1013.25mbarの圧力において気体状である全てのガスである。本発明によるロータリピストンコンプレッサによるそれぞれのガスの圧縮または押縮め時に、ガス、特に二酸化炭素を完全に遷臨界あるいは超臨界状態にもたらすことができ、この状態ではガスは液状であると同時に気体状である。それにもかかわらず、本発明の文脈では、言語簡略化の意図においてガスという用語が使用されている。
【0010】
本発明によるロータリピストンコンプレッサでは、ロータリピストンが偏心体上に回動可能に支承されている。したがって、本発明に係るロータリピストンコンプレッサを、変化原理によるロータリピストンコンプレッサと呼ぶこともできる。ロータリピストンは、回転ピストンまたは簡単に回転子と呼ぶこともできる。ロータリピストンコンプレッサ自体をロータリピストン圧縮機とも呼ぶことができる。平面シールは、ピストン底面シールとも呼ぶことができる。
【0011】
ロータリピストン内に設けられた圧力貫通案内管路は、好適には管状に形成されている。圧力貫通案内管路は、例えば1つの孔として、またはロータリピストンの内部で互いに開口し合う一連の孔として形成されていてよい。しかし、圧力貫通案内管路をロータリピストン内でどのように形成するかの別の可能性も存在している。
【0012】
好適には、周面開口が、いずれの場合にも、ピストン底面から離間してピストン周面に形成されている。
【0013】
平面シールを製造し、各平面シール収容通路内に配置するためには、様々な可能性が存在する。このために、特にコスト効率よく実施可能な第1の解決手段群は、平面シールを各平面シール収容通路内で直接に製造することを提案している。したがって、好適なある変化形態は例えば、平面シールがそれぞれ射出成形部材として、各平面シール収容通路内に射出成形されていることを規定している。換言すると、この変化形態では、平面シールは射出成形法を用いて直接に平面シール収容通路内に製造され、これにより平面シール収容通路内に同じように配置もされる。しかし別の変化形態では、平面シールがそれぞれ3D印刷部材として、各平面シール収容通路内に印刷されていることも規定されていてよい。したがって、この変化形態では、各平面シールは、それぞれ直接に印刷工程により平面シール収容通路内で製造され、これにより、平面シール収容通路内に同時に配置もされる。さらに別の或る変化形態では、平面シールが、それぞれ成形プレス部材として、各平面シール収容通路内に圧入されていることを規定している。
【0014】
しかし、上記とは異なり、まず平面シールを製造し、次いでその製造後に平面シール収容通路内に配置することも可能である。つまり、平面シールをそれぞれ挿入部材として予め製造し、挿入部材として各平面シール収容通路内に挿入することも可能である。
【0015】
本発明の好適な変化形態によれば、圧力貫通案内管路は、各平面シール収容通路内への開口の領域において、それぞれキャップにより覆われている。各平面シール収容通路内への圧力貫通案内管路の開口を覆うための対応するキャップの使用は、特に、平面シールが例えば射出成形または3D印刷によって直接に平面シール収容通路内に形成される場合に有利である。キャップは、平面シールの製造プロセス時に、圧力貫通案内管路の開口が誤って閉鎖されることを阻止することができる。しかし当然ながら、対応するキャップは、平面シールがそれぞれ挿入部分として予め製造されており、挿入部分として各平面シール収容通路内に挿入されている場合にも使用することができる。キャップを用いて上述の開口を覆うという文言は、キャップが圧力貫通案内管路の各開口を耐圧性に閉鎖することを意味しないことを示唆しておく。キャップは単に被せられているに過ぎない。圧力貫通案内管路内に相応のガス圧がある場合に、ガスは、完全にキャップの傍らを通って平面シール収容通路内に進入することができ、これによって、平面シールのシール表面を、各ハウジングカバーの各平面状のシール面に押し付けることができる。しかし、別の変形形態では、キャップが省略されてもよい。
【0016】
できるだけ少数の部材という意図において、本発明の好適な変化形態では、ピストン底面のうちの1つのピストン底面に形成された平面シール収容通路のうちの1つの平面シール収容通路内で、平面シールが、自体それぞれ一体的に構成されていることを規定している。換言すると、このような変化形態では、平面シール収容通路内に、相応して常にまさに1つの平面シールだけがある。したがって、この平面シール収容通路の平面シールは、相応してそれ自体一体的に形成されている。
【0017】
本発明に係るロータリピストンコンプレッサでは、有利には、ハウジング側壁の側壁面が、ハウジングカバーの平面状のシール面に対して平行な切断平面で見て、完全にまたは少なくとも部分的にトロコイド形に形成されていることが規定されている。
【0018】
ロータリピストンは、好適には2つ以上の角隅領域を有している。好適には、ロータリピストンをハウジング側壁の側壁面に対してシールするために、角隅領域にそれぞれ1つの半径方向シールが配置されている。特に好適には同様に、ピストン底面が、ロータリピストンの角隅領域のうちのそれぞれ2つの角隅領域の間の領域で、それぞれ1つの画定線により画定されており、この画定線が、それぞれトロコイドから成る曲線群の包絡曲線として形成されていることが規定されている。
【0019】
各半径方向シールをハウジング側壁の側壁面に押し付けるために、互いに組み合わせることもできる様々な可能性がある。したがって、本発明によるロータリピストンコンプレッサでは、例えば、各半径方向シールをハウジング側壁の側壁面に押し付けるための、ロータリピストンに向いたそれぞれ1つの弾性要素が、半径方向シールに一体的に成形されていることが規定されていてよい。好適な変化形態では、その代わりにまたは付加的にも、各半径方向シールをハウジング側壁の側壁面に押し付けるために平面シールが使用される。このような変化形態では、平面シールが、各半径方向シールをハウジング側壁の側壁面に押し付けるための接触面をそれぞれ有していることが規定されていてよい。平面シールのこれらの接触面は、それぞれ斜面として形成されていてよく、かつ各半径方向シールの対応する斜面に作用することができる。
【0020】
以下で図面の説明においてさらに示されているように、ロータリピストンコンプレッサを用いて作業室内でガスを圧縮する場合に、ロータリピストンとその角隅領域とによって互いに分離された互いに異なる部分容積が生じ、これらの部分容積内では運転中に互いに異なるガス圧が占めており、かつガス圧の大きさは運転中に連続的に変化する。作業室の、ロータリピストンの瞬時位置に応じてガスが吸い込まれる部分体積がそれぞれ生じる一方で、ロータリピストンの他方の側では、その時点でそれぞれガスが圧縮される。つまり、ロータリピストンの互いに異なる側で、低圧側と高圧側の両方が同時に発生する。ガスが、周面開口、圧力貫通案内管路および平面シール収容通路を介して、それぞれその瞬間に形成される高圧側から、それぞれその瞬間に形成される低圧側に溢流することを阻止するために、本発明の好適な態様では、平面シールが、それぞれロータリピストンの角隅領域において、各シール表面とは反対の側で、この平面シールを収容している平面シール収容通路に対してそれぞれシールされている。このシールを達成するために、例えば、平面シールが、好適にはシール表面とは反対側にシールウェブを有しており、このシールウェブが、平面シール収容通路における対応するシールウェブ収容部内に配置されていることが規定されていてよい。これにより、ロータリピストンのそれぞれ隣接する2つの角隅領域の間の平面シール収容通路の領域を、平面シール収容通路のそれぞれ隣接する領域に対してシールすることができる。
【0021】
ロータリピストンコンプレッサに対して自体公知であるように、本発明によるロータリピストンコンプレッサも様々な増圧比で形成することができる。この場合、増圧比は、ハウジング側壁の側壁面を形成するために存在する、トロコイド曲線の個数の、ロータリピストンの角隅の個数に対する比を指す。本発明に係るロータリピストンコンプレッサでは、増圧比は、有利には1:2または2:3または7:6である。
【0022】
本発明に係るロータリピストンコンプレッサでは、ガス入口および/またはガス出口が、ハウジング壁を貫通案内されていてよい。しかし代替的には、ガス入口および/またはガス出口が偏心体を貫通案内されていることも可能である。また、これらの混合形態も可能である。
【0023】
平面シールおよび/または場合により設けられている半径方向シールは、好適にはポリマーから成っているか、または乾燥滑剤および/または強化繊維を有するポリマーから成っている。ポリマーとしては、例えばポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリオキシメチレン、ポリケトン、ポリアミドまたはポリエチレンテレフタレートも使用することができる。乾燥滑剤として、例えばポリテトラフルオロエチレンまたは二亜硫酸モリブデンが使用されてよい。強化繊維としては、例えばガラス繊維または炭素繊維が挙げられる。
【0024】
ハウジング側壁およびハウジングカバーは、好適な変化形態では、アルミニウム合金または鋳鉄から成るそれぞれ1つの基体を有している。好適には、この基体には、ハウジング側壁の側壁面およびハウジングカバーの平面状のシール面を形成するためのコーティングが被着されている。コーティングは、例えば、ニッケル-リン層、アルミニウム酸化物層、あるいはまた乾燥潤滑性の滑塗料層であってもよい。これらの層のうちの少なくとも2つの層から成る組み合わせも可能である。これらのコーティングは、基体に直接に被着されていてよい。しかし、基体上に開気孔状の付着層が存在していてもよく、その場合、この付着層上にコーティングが被着されている。アルミニウム合金から成る基体では、接着層は、例えば開気孔状の酸化アルミニウム層、例えばアルマイトまたは非圧縮性の硬質アルマイトであってよい。支持層または接着層の別の変形形は、開気孔状のプラズマ化学的に酸化されたアルミニウム層である。鋳鉄から成る基体の場合には、支持層または付着層は、例えばリン酸塩処理またはサンドブラストによって形成されていてよい。
【0025】
意図から外れない限り、本明細書において使用される用語「1つの」は、「少なくとも1つの」の意味で理解されるべきである。
【0026】
本発明の好適な実施形態の別の特徴および詳細を、例示的に、以下の図面の説明において、本発明の様々な実施変化形態に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図2】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図3】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図4】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図5】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図6】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図7】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図8】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図9】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図10】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図11】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図12】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図13】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図14】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図15】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図16】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図17】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図18】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図19】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図20】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図21】1:2の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサならびにその変化形態を示す図である。
図22】2:3の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図23】2:3の増厚比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図24】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図25】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図26】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図27】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図28】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図29】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図30】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図31】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図32】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図33】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図34】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図35】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図36】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図37】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図38】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
図39】7:6の増圧比を有する本発明によるロータリピストンコンプレッサを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明に係るロータリピストンコンプレッサ1の第1の実施例を分解図で示している。このロータリピストンコンプレッサ1は、1:2の増圧比を有するロータリピストンコンプレッサ1である。ロータリピストンコンプレッサ1は、作業ハウジング2とロータリピストン3とを有している。作業ハウジング2も、ハウジング側壁4と、このハウジング側壁4の互いに反対に位置する側に配置されたハウジングカバー5,6とを有している。この実施例では、作業ハウジング2のこれらの構成部材は、ねじ37およびナット38によって互いに結合される。しかしこのことは、当然ながら必須ではなく、別の結合形式も考えられる。
【0029】
ハウジング側壁4の側壁面7と、各ハウジングカバー5,6の両方の平面状のシール面8,9とは、作業ハウジング2内に配置された作業室10を取り囲んでいる。ロータリピストン3は、作業室10内で偏心体11上に回転可能に支承されている。この第1の実施例では、偏心体11は駆動軸30上に相対回動不能に装着されている。図2から判るように、この駆動軸30は、組み立てられた状態でロータリピストンコンプレッサ1から突出する接続ピン31で終端しており、接続ピン31には、回転軸線60を中心として駆動軸30、ひいては偏心体をも回転させるモータを接続することができる。本実施例では、偏心体11は、駆動軸30と接続ピン31とに相対回動不能に結合されているので、回転軸線60を中心とした駆動軸30の回転は、自動的に偏心体11を対応して一緒に回転させる。
【0030】
本実施例では、駆動軸30に外側歯列32も相対回動不能に結合されている。この外側歯列32は、ロータリピストン3に相対回動不能に結合されている内側歯列33に係合する。このねじ山係合を介して、ロータリピストン3は、接続ピン31または駆動軸30が相応に回転した場合に、作業室10内で一緒に回転する。この場合、ロータリピストン3は、作業室10内で偏心体11上に回転可能に支承されている。
【0031】
作業ハウジング2内における駆動軸30の回転可能な支承は、軸受34および固定リング36を介して行われる。軸受34は、玉軸受であっても滑り軸受等であってもよい。図示の実施例では、ハウジングカバー5の軸受34は玉軸受であり、ハウジングカバー6の軸受34は滑り軸受である。しかしこのことは、当然ながら必須ではなく、異なって実施されてもよい。
【0032】
ハウジングカバー6の下側ひいては作業ハウジング2の外側で、駆動軸30上には相対回動不能に補償ウェイト35が取り付けられており、補償ウェイト35は、ロータリピストン3の偏心によって生じる不均衡を補償する。図示の実施例では、作業ハウジング2は、ロータリピストンコンプレッサ1の外側シェル39によって取り囲まれている。しかしこのことは、当然のことながら、必須ではない。
【0033】
この第1の実施例のロータリピストンコンプレッサ1では、圧縮すべきガスを作業室10内に導入するガス入口12と、圧縮されたガスを作業室10から導出するための過圧流出弁14を備えたガス出口13とが設けられている。このことは、さらに後述するように、特に図3図6において良好に見ることができる。
【0034】
ロータリピストン3は、ハウジングカバー5および6の平面状のシール面8および9のうちのそれぞれ1つのシール面に面した2つのピストン底面15および16と、ハウジング側壁4の側壁面7に面したピストン周面17とを有している。ピストン底面15および16には、それぞれ1つの平面シール収容通路18が位置している。これらの各平面シール収容通路18内には平面シール19が配置されており、平面シール19は、ハウジングカバー5および6の平面状のシール面8および9のうちの一方のシール面に当て付けられるそれぞれ1つのシール表面20を有している。このことは、さらに次の図面を用いて詳細に説明する。本発明によればいずれにせよ、この第1の実施例のロータリピストンコンプレッサ1でも、各平面シール19のシール表面20を各平面状のシール面8,9に押し付けるために、ロータリピストン3のピストン周面17に周面開口21が形成されており、周面開口21は、圧力貫通案内管路22を介して、各平面シール収容通路18に圧力を伝達するように接続されていることが規定されている。ここで、圧力貫通案内管路22は、ロータリピストン3の内部に形成され、かつ各平面シール19の、シール表面20とは反対の側でそれぞれ各平面シール収容通路18に通じている。このことは、特に図7図8および図11図13につきさらに後述される。
【0035】
念のため付言しておくと、この第1の実施例のロータリピストン3における内側歯列33は、図1図7および図9では図示されているが、図3図6図11図14および図18では示されていない。ここで挙げた図面に内側歯列33を図示しないことは、純粋に図面上の簡略化であり、これは内側歯列33が実際に欠如していることを意味するものではない。
【0036】
図2は、この第1の実施例の、組み立てられたロータリピストンコンプレッサ1の側面図であり、切断平面A-Aが書き込まれている。図3図6は、幾らか簡略化して図示した、この切断平面A-Aに関する断面図をそれぞれ示している。ロータリピストンコンプレッサ1の作業形式を説明するために、駆動軸30または駆動軸30の長手方向軸線を中心とした回転中のロータリピストン3の様々な位置が図示されている。矢印42は、作業室10内でのロータリピストン3の回転方向を示している。
【0037】
図3図6において、ハウジング側壁4の側壁面7は、ハウジングカバー5および6の平面状のシール面8および9に対して平行な断面で見て、本実施例では完全にトロコイド形に形成されている。ロータリピストン3は、2つの角隅領域25を有している。これらの角隅領域25には、ハウジング側壁4の側壁面7に対してロータリピストン3をシールするためのそれぞれ1つの半径方向シール26が位置している。ピストン底面15および16は、ロータリピストン3の角隅領域25のうちのそれぞれ2つの角隅領域の間の領域で、それぞれ1つの画定線27により画定されている。この画定線27は、トロコイドから成る曲線群の包絡線である。ロータリピストン3は、作業室10を、その角隅領域25と、この角隅領域25に配置された半径方向シール26とにより、低圧側40と高圧側41とに分割する。低圧側40では、ロータリピストン3の回転時に、ガス入口12を介してガスが作業室10内に導入されるかまたは吸い込まれる。ロータリピストン3の回転の増加に伴って容積が減少する高圧側41では、予め吸い込まれたガスが圧縮されるかまたは押し縮められ、この結果、ロータリピストン3の回転時に、高圧側41におけるガス圧は連続的に上昇する。高圧側41において所望のガス圧またはガスの所望の圧縮が達成されると、過圧流出弁14が開き、この結果、圧縮されたガスを、ガス出口13を介して作業室10から流出させるかまたは導出することができる。対応する過圧流出弁14の対応する調節または選択を介して、ガスがガス出口13を介して流出する前に、ガスがロータリピストンコンプレッサ1によってどの程度強く圧縮されるかを調節することができる。要するに、ガスがロータリピストンコンプレッサ1内でどの程度圧縮されるかを規定または調節することができる。
【0038】
図3図6は、回転中、ひいては説明した圧縮プロセス中のロータリピストン3の互いに異なる4つ位置を例示している。ロータリピストンコンプレッサ1のこの機能形式は、自体公知であり、これ以上説明する必要はない。図3図6に示した矢印43は、ガス入口12を介して流入するかまたは吸い込まれた、まだ圧縮すべきガスを示している。矢印44は、ガス出口13を介して流出する、既に圧縮されたガスを示している。
【0039】
図7は、この第1の実施例のロータリピストンコンプレッサ1の、図2に示した鉛直方向の、または駆動軸30の回転軸線60に沿って延びる切断平面B-Bに沿った鉛直方向の断面図を示しており、この切断平面B-Bでは、本発明にとって重要である周面開口21と圧力貫通案内管路22とが切断されている。図8は、図7の領域Dを拡大して図示している。これらの2つの断面図では、両ピストン底面15および16のそれぞれに、それぞれ1つの平面シール収容通路18が形成されていることを良好に確認することができ、各平面シール収容通路18内に、平面シール19が位置している。平面シール19は、それぞれ1つのシール表面20を有しており、このシール表面20で平坦なシール19は、シールのために、ハウジングカバー5の平面状のシール面8またはハウジングカバー6の平面状のシール面9のうちの1つのシール面に当て付けられる。図8に詳細に示されているように、ロータリピストン3のピストン周面17には周面開口21が形成されており、周面開口21は圧力貫通案内管路22を介して平面シール収容通路18に圧力を伝達するように接続されている。圧力貫通案内管路22は、ロータリピストン3の内部に形成され、かつ各平面シール19の、シール表面20とは反対の側で、それぞれ各平面シール収容通路18に通じている。圧力貫通案内管路22は、好適な実施形態では、図面に示されているように管状である。本実施形態では具体的に、圧力貫通案内管路22は、ロータリピストン3の内部において互いに開口し合う一連の孔として形成されている。周面開口21は、ピストン底面15および16から離間してピストン周面17に配置されている。圧力が加えられる方向を示した矢印47は、対応する圧力下で作業室10内に存在するガスが、周面開口21と圧力貫通案内管路22とを通過して平面シール19に、シール表面20とは反対に位置する側でどのように圧力を加えるのかを示しており、これによってシール表面20は、各平面状のシール面8または9に押し付けられる。これにより、作業室10内のガス圧が、平面シール19のシール表面20を対応する平面状のシール面8および9に押し付けるために利用される。これにより、作業室10内の圧力が極めて高い場合でも、極めて良好なシールを達成することができる。図8に示された実施例では、圧力貫通案内管路22の開口23の領域において平面シール収容通路18内に、圧力貫通案内管路22を覆うキャップ24が位置している。このキャップ24は、圧力伝達を邪魔しないように形成されている。圧力貫通案内管路22内で圧力が相応に上昇した場合、好適にはキャップ24の傍らを通って、ガスが、平面シール19の、シール表面20とは反対に位置する側で平面シール収容通路18に流入することができ、これにより、平面シールのシール表面20を、各平面状のシール面8~9に相応に押し付けることができる。
【0040】
冒頭で説明したように、キャップ24は基本的に省略することもできる。しかし、本実施形態において実現されているように、平面シール19が射出成形部材として各平面シール収容通路18内に射出されているか、または3D印刷部材として各平面シール収容通路18内に印刷されている場合、キャップ24は、平面シール19の形成または製造時に、各開口23の望ましくない閉鎖を阻止する。
【0041】
図9は、この第1の実施例のロータリピストンコンプレッサ1の、図3に記入された切断平面C-Cに沿った断面図を示している。この切断平面C-Cは、ロータリピストン3の角隅領域25と、この角隅領域25に配置された半径方向シール26とを通って延びている。図10は、図9の領域Eを拡大して示している。図10ではまず、半径方向シール26がロータリピストン3をシールするためにハウジング側壁4の側壁面7にどのように当て付けられているかを確認することができる。シールのために必要となる押付け圧を発生させるために、本実施例では2つの手段が実現されている。一方では、半径方向シール26に、ロータリピストン3に面した弾性要素28が一体成形されている。この弾性要素28は、半径方向シール26をハウジング側壁4の側壁面7に押し付ける。他方では、平面シール19も、その接触面57によって、各半径方向シール26を側壁面7に押し付ける。図10図14および図16では、半径方向シール表面49とは反対の側で半径方向シール26に一体成形された弾性要素28は、一種の任意の板ばねとして形成されている。図17は、これに関する変形例を示しており、この変形例では、弾性要素28は、半径方向シール26の、半径方向シール表面49とは反対の側に位置する側で、対応する隆起部として形成されている。
【0042】
再び図10を参照すると、平面シール19の接触面57は、各半径方向シール26を側壁面7に押し付けるために好適には斜面45として形成されていることを示唆しておく。半径方向シール26は、図10において良好に確認することができるように、好適には相応して対応する斜面46を有しており、この斜面46には、各平面シール19の接触面57または斜面45が作用する。
【0043】
図11は、ロータリピストン3の斜視図を示している。ロータリピストン3は、ピストン底面15で平面シール収容通路18内に配置された平面シール19を備えている。図11では確認することができない、反対側に位置するピストン底面16でも平面シール19が同様に対応して形成されている。ピストン底面15および16の画定線27も図11において良好に確認することができる。これらの画定線27は、ロータリピストン3の角隅領域25の間に、それぞれトロコイドから成る曲線群の包絡線として形成されている。ピストン周面17には、本発明により設けられた周面開口21が配置されている。図12に図示された断面F-Fでは、複数の圧力貫通案内管路22のうちの1つの圧力貫通案内管路を介した、周面開口21と平面シール収容通路18との間の、本発明に係る圧力を伝達する接続部が再度示されている。ここで、図12に示していないハウジングカバー5を除いて、図12に示した図は、図8に示した既に説明した図面に相当するので、実質的に上記を参照することができる。しかしここでは、本実施例では平面シール19がそれぞれ射出成形部分として各平面シール収容通路18内に射出成形されていることをもう一度示唆しておく。当然ながら同様に良好に、平面シール19は、既に上述したように、3D印刷部材として、または圧縮成形部品として平面シール収容通路18内に形成することができる。
【0044】
図13は、上記の実施例に対する代替形が例示されている。本実施例では、平面シール19が挿入部材として予め製造されており、挿入部材として各平面シール収容通路18内に挿入されている。この平面シール19のウェブ58は、本発明によって平面シール19に圧力が加えられる方向47で、周面開口21、圧力貫通案内管路22および平面シール収容通路18によってシール表面20とは反対の側にガス圧が加えられた場合に、相応するガイドの働きをして、平面シール19のシール表面20を、図13には図示しないハウジングカバー5の平面状のシール面8またはハウジングカバー6の平面状のシール面9に押し付けることができる。図13に示した代替形では、開口23を覆うためにキャップ24は設けられていない。しかし、図13に示した本変化形態でも、当然ながら、開口23を覆うために対応するキャップ24を使用することができる。
【0045】
図14は、ロータリピストン3の分解図を示している。この分解図では、平面シール19も半径方向シール26も、ロータリピストン3から分離して図示されている。図14では、平面シール収容通路18のうちの1つの平面シール収容通路内に配置されている平面シール19が、好適にはそれ自体一体に形成されていることも良好に確認することができる。図14ではさらに、平面シール収容通路18内における圧力貫通案内管路22の開口23ももう一度確認することができる。
【0046】
図15は、図14に記入された方向59から、複数の平面シール19のうちの1つの平面シールを示す側面図である。この側面図では、既に説明した斜面45の下側で、平面シール19のシールウェブ48を確認することができ、このシールウェブ48は、以下でさらに説明するように、ロータリピストン3の各角隅領域25において、平面シール19を、各シール表面20とは反対の側で、この平面シール19を収容している平面シール収容通路18に対してシールする働きをする。この箇所におけるこの種のシールは、当然ながら別の形式で、例えば接着、クランプ等によって行うことができる。しかし、特に好適には、このシールは、各角隅領域25において凹設部として平面シール収容通路18内に位置するシールウェブ収容溝50内に上述のシールウェブ48を配置することによって行われる。これについては、図18図21を参照されたい。図18は、ロータリピストン3のピストン底面15のうちの一方のピストン底面の平面図、ならびに切断線G-Gおよび切断平面H-Hを示している。切断線G-Gは、図19において確認することができるように、シールウェブ収容溝50の領域に位置している。切断平面Hでは、ロータリピストン3が、半径方向シール26が挿入される半径方向シール収容通路51の領域で切断されている。図21は、図19と同一の断面図を示しているが、図19では、それぞれ1つの平面シール19が各平面シール収容通路18内に配置されている。ここでも、所望のシール効果を得るために、各平面シール19のシールウェブ48が各シールウェブ収容溝50内にどのように配置されているかを確認することができる。
【0047】
冒頭で既に説明したように、平面シール19も、半径方向シール26は、好適には乾式滑剤および/または強化繊維を有するポリマーから成っている。ハウジング側壁4およびハウジングカバー5および6は、好適にはアルミニウム合金または鋳鉄から成る基体を有している。ハウジング側壁4の側壁面7と、ハウジングカバー5および6の平面状のシール面8および9とを形成するために、好適には各基体にコーティング29が被着されている。このことは、好適にはこの第1の実施例でも同様である。このようなコーティング29の詳細および好適な実施形態に関しては、冒頭で既に記載した説明を参照されたい。
【0048】
図22および図23は、ロータリピストンコンプレッサ1の本発明による第2の実施例を同様に分解図で示している。この第2の実施例は、第1の実施例と広い範囲にわたって等しいので、ここでは差異についてのみ言及する。主な相違点は、2:3の増圧比が実現されたことにある。相応して、この実施例のロータリピストン3も、3つの角隅領域25を有している。ガス入口12およびガス出口13ならびに過圧流出弁14の個数は、側壁面7の形状および平面シール19の形状と同様に相応して適合されている。しかし、その他の点では必要に応じて適合された形状において上述したことが当てはまるので、これに関するさらなる説明は省略する。さらに、図23にも、図22に図示した内側歯列33が図示されていないことだけを示唆しておく。本実施例でもいずれにせよ、ピストン底面15および16の、角隅領域25間に延びる画定線27は、トロコイドからなる曲線群の包絡曲線の形状を有している。ハウジング側壁4の側壁面7は、ハウジングカバー5および6の平面状のシール面8および9に対して平行な断面で見て、本実施例でも完全にトロコイド形に形成されている。ロータリピストン3における周面開口21および圧力貫通案内管路22の本発明による配置は、第1の実施例に相応しており、もう一度繰り返して説明する必要はない。
【0049】
図24図39には、本発明によるロータリピストンコンプレッサ1の第3の実施例が示されている。第3の実施例は、7:6の増圧比を有する変化形態である。したがって、このロータリピストンコンプレッサ1のロータリピストン3は、6つの角隅領域25を有している。ピストン周面17の、角隅領域25の間に位置する領域は、やはり、ピストン底面15および16を画定する画定線27が、それぞれトロコイドから成る曲線群の包絡曲線として形成されているように構成されている。ハウジング側壁4の側壁面7は、ハウジングカバー5および6の平面状のシール面8および9に対して平行な切断平面7においてトロコイドアーチを有している。
【0050】
本発明によるロータリピストンコンプレッサ1の、これまでに説明した実施例とは異なり、この第3の実施例では、ロータリピストン3が作業室10内で回転可能に支承されている偏心体11は、最初の2つの実施例のように回転するのではなく、ロータリピストンコンプレッサ1の外側シェル39内に固定的に配置されている。本実施例では、ロータリピストン3は作業ハウジング2と一緒に、ひいてはハウジング側壁4および両ハウジングカバー5、6と一緒に、偏心体11を通って延びる回転軸線60を中心として回転するのに対して、偏心体11は静止したままである。このことを達成するために、この第3の実施例のロータリピストンコンプレッサ1は、ねじ37およびナット38により作業ハウジング2に相対回動不能に結合されたロータ53を有しており、ロータ53は、ロータリピストンコンプレッサ1の外側シェル39に固定的に結合されたステータ54と協働する。ロータ53とステータ54とは、駆動モータを形成し、この駆動モータは、作業ハウジング2の作業室10内で偏心体11上に支承されたロータリピストン3と一緒に作業ハウジング2を回転させる。
【0051】
上述した両実施例と第3の実施例との別の相違点は、ガス入口12とガス出口13とが、この第3の実施例では偏心体11を貫通していており、最初に述べた実施例のようにハウジング壁4を貫通していないことである。相応して、ロータリピストン3には、ピストン周面17を貫通する溢流開口55も設けられている。これらの溢流開口55を通して、ガスは、偏心体11におけるガス入口12から作業室10の対応する部分に進入することができ、かつそこからガス出口13を介して再び圧縮された形態で排出することができる。
【0052】
偏心体11を貫通するガス入口12およびガス出口13は、この第3の実施例では弁カバー52に開口している。弁カバー52は、ロータリピストンコンプレッサ1の外側シェル39に外側で装着されており、ガス入口12もガス出口13もロータリピストンコンプレッサ1内に導入され、またはロータリピストンコンプレッサ1から導出される。
【0053】
上記または下記の相違点を除いて、実質的に第1の実施例の説明を参照することができる。このことは、特に、ハウジングカバー5および6の平面状のシール面8および9にそのシール表面20を押し付けるための、ピストン底面15および16の平面シール収容通路18内に配置された平面シール19への圧力を加える本発明による形態に当てはまる。
【0054】
図25は、第3の実施例の、図24に分解図で図示したロータリピストンコンプレッサ1を側面図で示している。図25には、切断平面I-Iが記入されている。図26図32は、ロータリピストンコンプレッサ1の運転時の、ひいては図24および図25に図示された、偏心体11を通って延びる対応する回転軸線60を中心としたロータリピストン3を含む作業ハウジング2の回転時の様々な瞬間で、切断平面I-Iにおける断面をそれぞれ示している。図26図32に示したロータリピストン3および作業ハウジング2の回転運動をより良好に理解することができるようにするために、ロータリピストン3には、図26図32において点61が書き込まれている。これは、図26図32に示した様々な図においてロータリピストン3の瞬時位置を良好に理解することができる、単なる図面上の補助手段である。
【0055】
したがって、図26図32は、回転軸線60を中心とした作業ハウジング2およびロータリピストン3の回転時の、様々な中間ステーションを示している。偏心体11において、それぞれガス入口12およびガス出口13を良好に確認することができる。矢印43は、それぞれガス入口12と対応する溢流開口55とを介して、作業室10の、目下低圧側40として機能している各部分領域内に流入した、まだ圧縮されるべきガスを示している。矢印44は、既に圧縮され、作業室10の対応する高圧側41からそれぞれガス出口13内に押し込まれた圧縮されたガスを示している。ロータリピストン3の位置を図26図32を介して確認すると、作業室10の、各図において低圧側40と称される部分容積は、ロータリピストン3に設けられた対応する溢流開口55を介してガス入口12に接続されているので、ガスが流入することができる。次いで、作業室10の、高圧側41とそれぞれ呼ばれる、もはやガス入口12との接続が存在しない部分容積内で、ガスは、ロータリピストン3と作業ハウジング2との間の対応する相対運動によって圧縮され、これにより、作業室10の対応する部分容積が、ロータリピストン3に設けられた対応する溢流開口55を介してガス出口13に接続されている場合に、圧縮された形でガス出口13内に流入することができる。
【0056】
図33は、本発明によるロータリピストンコンプレッサ1の第3の実施例の平面図を示している。図33には、切断平面J-Jおよび切断平面K-Kも書き込まれている。図34は、切断平面J-Jにおける断面を示している。この図34では、ガス入口12が弁カバー52と偏心体11とをどのように貫通しているかを良好に確認することができる。同様に、ガス出口13が偏心体11および弁カバー52をどのように貫通しているかも同じく良好に確認することができる。ガス出口13において弁カバー52の領域に設けられた過圧流出弁14も図示されている。この過圧流出弁14は、本実施例ではばね荷重が加えられた閉鎖体であり、この閉鎖体は、作業室10または高圧側41から到来する圧縮されたガスが、過圧流出弁14の相応の構成により設定可能な所望の圧力下にある場合に開く。
【0057】
図34に示した断面図では、ピストン底面15および16において対応する平面シール収容通路18内に配置された平面シール19も確認することができ、この平面シール19は、相応にシールするようにそのシール表面20でハウジングカバー5および6の平面状のシール面8または9に当て付けられる。
【0058】
図35は、図33の切断平面K-Kに沿った断面図を示している。この切断平面K-Kは、本発明による周面開口21および圧力貫通案内管路22が配置されている切断平面である。図35の対応する詳細図Lは、図36に拡大して図示されている。図36において良好に確認することができるように、この実施例でも、各平面シール19のシール表面20を各平面状のシール面8または9に押し付けるために、ロータリピストン3のピストン周面17に周面開口21が形成されており、周面開口21は、圧力貫通案内管路22を介して、平面シール収容通路18に圧力を伝達するように接続されている。圧力貫通案内管路22はロータリピストン3の内部に形成されており、各平面シール19の、シール表面20とは反対の側で、それぞれ各平面シール収容通路18に開口している。図36には同様に、シール表面20とは反対に位置する側において平面シール19に圧力を加える方向が、矢印47によって示されている。つまり、最初の2つの実施例においても、この第3の実施の形態においても、作業室10内で圧力下にあるガスは、周面開口21と、ロータリピストン3を貫通する圧力貫通案内管路22とを介して、平面シール19の、シール表面20とは反対の側に作用することができ、これによって、平面シール19のシール表面20を、対応するハウジングカバー5または6の対応する平面状のシール面8または9に押し付けることができる。
【0059】
図36にはキャップ24も書き込まれており、キャップ24の機能は既に説明されている。本実施例でも、当然ながらこのキャップ24を省略することができる。
【0060】
図37は、ロータリピストンコンプレッサ1の本実施例のロータリピストン3の斜視図を示している。この斜視図では、ピストン底面15に平面シール収容通路18がどのように形成され、平面シール19が平面シール収容通路18内にどのように配置されているのかを、良好に確認することができる。溢流開口55と、ピストン周面17に配置された周面開口21も良好に確認することができる。図38は、平面シール19が各ピストン底面15および16の各平面シール収容通路18から取り出されている、ロータリピストン3の分解図を示している。したがって、図38では、平面シール収容通路18における開口23を確認することができ、これらの開口23は、対応する圧力貫通案内管路22を介して対応する周面開口21に接続されている。
【0061】
平面シール19にそれぞれ一体成形された、内方に向いたシールウェブ48は、組み立てられた状態では、ロータリピストン3の対応するシールウェブ収容溝50内に配置されている。シールウェブ48は、別の実施例と同様に、平面シール19がそれぞれロータリピストン3の角隅領域25において、各シール表面20とは反対の側で、この平面シール19を収容する平面シール収容通路18に対してシールされているように働く。
【0062】
特に良好に図37図38および図39から確認することができるように、この実施例の平面シール19は、対応して丸み付けされた接触面57を備えたシール角隅領域56をそれぞれ有している。これらの丸み付けられた接触面57により、ロータリピストン3の各角隅領域25が、ハウジング側壁4の対応する角隅区分62内に係合すると、ハウジング側壁4の側壁面7の、対応して丸み付けされた角隅区分62に対するシールが行われる。角隅区分62は、図24においてそのようなものとして示されている。角隅区分62における各シール角隅領域56の転動時に、シール角隅領域56の丸み付けされた接触面57は常に、図39に図示された両方の終点XとYとの間の少なくとも1つの点において、シールするように対応する角隅区分62に、ひいては側壁面7に当接する。
【符号の説明】
【0063】
1 ロータリピストンコンプレッサ
2 作業ハウジング
3 ロータリピストン
4 ハウジング側壁
5 ハウジングカバー
6 ハウジングカバー
7 側壁面
8 平面状のシール面
9 平面状のシール面
10 作業室
11 偏心体
12 ガス入口
13 ガス出口
14 過圧流出弁
15 ピストン底面
16 ピストン底面
17 ピストン周面
18 平面シール収容通路
19 平面シール
20 シール表面
21 周面開口
22 圧力貫通案内管路
23 開口
24 キャップ
25 角隅領域
26 半径方向シール
27 画定線
28 弾性要素
29 コーティング
30 駆動軸
31 接続ピン
32 外側歯列
33 内側歯列
34 軸受
35 補償ウェイト
36 位置固定リング
37 ねじ
38 ナット
39 外側シェル
40 低圧側
41 高圧側
42 回転方向
43 流入するガス
44 流出するガス
45 斜面
46 斜面
47 圧力が加えられる方向
48 シールウェブ
49 半径方向のシール表面
50 シールウェブ収容溝
51 半径方向シール収容通路
52 弁カバー
53 ロータ
54 ステータ
55 溢流開口
56 シール角隅領域
57 接触面
58 ウェブ
59 方向
60 回転軸線
61 点
62 角隅区分
図1
図2
図3
図4
図5
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図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
【国際調査報告】