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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】損傷検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/88 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
G01S17/88
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502197
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 GB2022051795
(87)【国際公開番号】W WO2023285801
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】2110194.4
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513268058
【氏名又は名称】スリー スミス グループ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】THREE SMITH GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Habergham Works, Ainley Industrial Estate, Elland, West Yorkshire, HX5 9JP United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・エドガー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ロー
(72)【発明者】
【氏名】ミロス・ボジック
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AB17
5J084AD01
5J084BA04
5J084BA40
5J084BA56
5J084BB02
5J084BB04
5J084BB27
5J084CA14
(57)【要約】
損傷検出システムであって、安全構造体又はラッキングリムを含む細長い構造体と、細長い構造体の内部に、かつその長さに沿って放射信号を放出するように構成された放射エミッタと、放射信号を受信し、かつ応答して感知信号を出力するように構成された放射センサと、コントローラと、を備え、コントローラが、放射センサから感知信号を受信し、感知信号に基づいて細長い構造体の損傷状態を判定し、かつ損傷状態を表す損傷信号を出力するように構成されている、損傷検出システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
損傷検出システムであって、
安全構造体又はラッキングリムである細長い構造体と、
前記細長い構造体の内部に、かつその長さに沿って放射信号を放出するように構成された放射エミッタと、
前記放射信号を受信し、かつ応答して感知信号を出力するように構成された放射センサと、
コントローラと、を備え、前記コントローラが、
前記放射センサから前記感知信号を受信し、
前記感知信号に基づいて前記細長い構造体の損傷状態を判定し、かつ
前記損傷状態を表す損傷信号を出力するように構成されている、損傷検出システム。
【請求項2】
前記放射センサが、前記放射エミッタと共配置されており、前記放射センサが、前記放射信号を反射された放射信号として受信するように構成されている、請求項1に記載の損傷検出システム。
【請求項3】
前記放射センサは、前記細長い構造体が未損傷状態にあるときに、基準反射面から、前記反射された放射信号を受信するように構成されている、請求項2に記載の損傷検出システム。
【請求項4】
前記基準反射面が、
前記細長い構造体の長さに沿って位置付けられた反射板の面、
前記細長い構造体の端面、及び
前記細長い構造体の端に当接する第2の構造体の面のうちの任意の1つ以上を含む、請求項3に記載の損傷検出システム。
【請求項5】
前記基準反射面が、拡散反射面又は鏡面反射面である、請求項3又は4に記載の損傷検出システム。
【請求項6】
前記細長い構造体の長さに沿って内部側壁上に位置付けられた複数の基準反射板に対応する複数の基準反射面を備える、請求項3~5のいずれか一項に記載の損傷検出システム。
【請求項7】
前記細長い構造体の前記長さに沿って連続的に位置付けられた複数の放射エミッタと放射センサとの対を備え、
各放射センサが、その対応する放射エミッタと共配置されており、
各放射センサが、前記対応するエミッタによって放出され、対応する基準反射面から反射された放射信号を受信するように構成されており、
前記コントローラが、
前記放射センサの各々から感知信号を受信し、かつ
前記感知信号に基づいて前記損傷状態を判定するように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の損傷検出システム。
【請求項8】
前記コントローラが、
トリガシグナリングを受信し、かつ
前記放射エミッタ及び前記放射センサを選択的に作動させ、前記トリガシグナリングに応答して前記感知信号を受信するように更に構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の損傷検出システム。
【請求項9】
前記トリガシグナリングが、監視スケジュールに従って前記損傷検出システムを選択的に作動させるための周期的トリガ信号を含む、請求項8に記載の損傷検出システム。
【請求項10】
前記トリガシグナリングが、
前記細長い構造体の所定の半径内の物体の動き、及び/又は、
前記細長い構造体と物体の衝撃に応答するトリガセンサからのオンデマンド信号を含む、請求項8又は9に記載の損傷検出システム。
【請求項11】
前記放射エミッタが光学放射エミッタを含み、前記放射センサが光学放射センサを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の損傷検出システム。
【請求項12】
前記放射エミッタがレーザ源を含む、請求項11に記載の損傷検出システム。
【請求項13】
前記放射センサが、複数の画素の放射センサアレイを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の損傷検出システム。
【請求項14】
各画素が、前記細長い構造体のサブボリュームから前記放射信号を受信するように構成されている、請求項13に記載の損傷検出システム。
【請求項15】
前記放射エミッタが、前記細長い構造体の空洞に沿って前記放射信号を放出するように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の損傷検出システム。
【請求項16】
前記損傷状態が、
前記細長い構造体の損傷状態、
前記細長い構造体に対する損傷のレベル、
損傷部位の横方向位置、
損傷部位の軸方向位置、及び/又は
前記細長い構造体の組み立て状態のうちの1つ以上を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の損傷検出システム。
【請求項17】
前記コントローラが、前記感知信号の電力レベル特性及び/又は時間特性の変化に基づいて、前記損傷状態を判定するように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の損傷検出システム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記細長い構造体が組み立てられて、未損傷状態にあるときに、前記感知信号と、前記感知信号に対応する基準感知信号との間の信号差に基づいて、前記損傷状態を判定するように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の損傷検出システム。
【請求項19】
前記コントローラは、前記信号差が1つ以上の状況の閾値を超えるかどうかに基づいて、前記損傷状態を判定するように構成されている、請求項18に記載の損傷検出システム。
【請求項20】
前記コントローラが、前記感知信号の飛行時間特性に基づいて、損傷部位の軸方向位置を判定するように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の損傷検出システム。
【請求項21】
各画素が、受信された放射信号に基づいてサブ感知信号を出力するように構成されており、
前記コントローラが、
検出閾値を超える電力及び/又は時間特性の変化を示すサブ感知信号の数に基づいて、損傷のレベルを判定し、かつ/又は
サブ感知信号が検出閾値を超える電力及び/又は時間特性の変化を示すことに基づいて、損傷部位の横方向位置を判定するように構成されている、請求項13若しくは14、又はそれらに従属するいずれか一項に記載の損傷検出システム。
【請求項22】
可聴及び/又は視覚インジケータを更に備え、前記コントローラが、前記可聴及び/又は視覚インジケータを作動させることによって前記損傷信号を出力するように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の損傷検出システム。
【請求項23】
前記コントローラが、前記損傷信号を外部デバイスに送信することによって前記損傷信号を出力するように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の損傷検出システム。
【請求項24】
複数の放射エミッタであって、各放射エミッタが、対応する細長い構造体の内部に、かつその長さに沿って放射信号を放出するように構成されている、複数の放射エミッタと、
対応する放射信号を受信し、かつ対応する感知信号を出力するように各々構成された複数の放射センサと、
各々が放射センサに結合された複数の送受信機と、
前記複数の送受信機の各々と通信するように構成されたサーバと、を更に備える、先行請求項のいずれか一項に記載の損傷検出システム。
【請求項25】
細長い構造体の状況を監視する方法であって、前記細長い構造体が、安全構造体又はラッキングリムであり、
前記細長い構造体の内部に、かつその長さに沿って放射信号を放出することと、
前記放射信号を受信し、かつ応答して感知信号を出力することと、
前記感知信号に基づいて、前記細長い構造体の損傷状態を判定することと、
前記損傷状態を表す損傷信号を出力することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放射信号の放出及び受信に基づく細長い構造体のための損傷検出システム、及び安全構造体又はラッキングリムの状況を監視する方法に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本開示の第1の態様によれば、損傷検出システムであって、
安全構造体若しくはラッキングリムであるか、又はそれを含む細長い構造体と、
細長い構造体の内部に、かつその長さに沿って放射信号を放出するように構成された放射エミッタと、
放射信号を受信し、かつ応答して感知信号を出力するように構成された放射センサと、
コントローラと、を備え、コントローラは、
放射センサから感知信号を受信し、
感知信号に基づいて細長い構造体の損傷状態を判定し、かつ
損傷状態を表す損傷信号を出力するように構成されている、損傷検出システムが提供される。
【0003】
放射センサは、放射エミッタと共配置され得、放射センサは、放射信号を反射された放射信号として受信するように構成され得る。
【0004】
放射センサは、細長い構造体が未損傷状態にあるときに、基準反射面から反射された放射信号を受信するように構成され得る。
【0005】
基準反射面は、
細長い構造体の長さに沿って位置付けられた反射板の面と、
細長い構造体の端面と、
細長い構造体の端に当接する第2の構造体の面と、のうちの任意の1つ以上を含み得る。
【0006】
基準反射面は、拡散反射面又は鏡面反射面であり得る。
【0007】
放射エミッタ及び/又は放射センサは、細長い構造体の第1の端に位置付けられ得る。
【0008】
基準反射面は、細長い構造体の第2の端に位置付けられ得る。
【0009】
損傷検出システムは、細長い構造体の長さに沿って内部側壁に位置付けられた複数の基準反射面に対応する複数の基準反射面を備え得る。
【0010】
損傷検出システムは、細長い構造体の長さに沿って連続的に位置付けられた複数の放射エミッタと放射センサとの対を備え得る。各放射センサは、その対応する放射エミッタと共配置されてもよい。各放射センサは、対応するエミッタによって放射され、対応する基準反射面から反射された放射信号を受信するように構成され得る。コントローラは、放射センサの各々から感知信号を受信し、感知信号に基づいて損傷状態を判定するように構成され得る。
【0011】
放射エミッタと放射センサとは、放射センサの感知面が放射エミッタに面した状態で、細長い構造体の軸に沿った軸方向の距離によって分離され得る。
【0012】
放射エミッタは、細長い構造体の第1の端に位置付けられ得る。放射センサは、細長い構造体の第2の端に位置付けられ得る。
【0013】
損傷検出システムは、細長い構造体の長さに沿って連続的に位置付けられた複数の放射エミッタと放射センサとの対を備え得る。各放射センサは、細長い構造体の軸に沿って、その対応する放射エミッタから空間的に分離され得る。各放射センサは、対応する放射エミッタによって放射された放射信号を受信するように構成され得る。コントローラは、放射センサの各々から感知信号を受信し、感知信号に基づいて損傷状態を判定するように構成され得る。
【0014】
コントローラは、
トリガシグナリングを受信し、かつ
放射エミッタ及び放射センサを選択的に作動させ、トリガシグナリングに応答して感知信号を受信するように更に構成され得る。
【0015】
トリガシグナリングは、監視スケジュールに従って損傷検出システムを選択的に作動させるための周期的トリガ信号を含み得る。
【0016】
トリガシグナリングは、
細長い構造体の所定の半径内の物体の動き、及び/又は、
細長い構造体を有する物体の衝撃に応答するトリガセンサからのオンデマンド信号を含み得る。
【0017】
放射エミッタは、光学放射エミッタを含み得る。放射センサは、光学放射センサを含み得る。
【0018】
放射エミッタは、レーザ源を含み得る。
【0019】
放射エミッタは、超音波源を含み得る。放射センサは、超音波センサを含み得る。
【0020】
放射センサは、複数の画素の放射センサアレイを含み得る。
【0021】
各画素は、細長い構造体のサブボリュームから放射信号を受信するように構成され得る。
【0022】
放射エミッタは、細長い構造体の空洞に沿って放射信号を放射するように構成され得る。
【0023】
損傷状態は、
細長い構造体の損傷状態、
細長い構造体に対する損傷のレベル、
損傷部位の横方向位置、
損傷部位の軸方向位置、及び/又は
細長い構造体の組み立て状態のうちの1つ以上を含み得る。
【0024】
損傷状態は、損傷した値又は損傷していない値を含み得る。
【0025】
コントローラは、感知信号の電力レベル特性及び/又は時間特性の変化に基づいて、損傷状態を判定するように構成され得る。
【0026】
コントローラは、細長い構造体が組み立てられ、未損傷状態にあるときに、感知信号と、感知信号に対応する基準感知信号との間の信号差に基づいて、損傷状態を判定するように構成され得る。
【0027】
基準感知信号は、基準反射面からの放射信号の反射に対応し得る。
【0028】
コントローラは、較正ルーチンの一部として基準感知信号を受信するように構成され得る。
【0029】
コントローラは、信号差が1つ以上の状況の閾値を超えるかどうかに基づいて、損傷状態を判定するように構成され得る。
【0030】
コントローラは、感知信号の飛行時間特性に基づいて、損傷部位の軸方向位置を判定するように構成され得る。
【0031】
各画素は、受信された放射信号に基づいてサブ感知信号を出力するように構成され得る。コントローラは、
検出閾値を超える電力及び/又は時間特性の変化を示すサブ感知信号の数に基づいて、損傷のレベルを判定し、及び/又は
サブ感知信号が検出閾値を超える電力及び/又は時間特性の変化を示すことに基づいて、損傷部位の横方向位置を判定する、ように構成され得る。
【0032】
損傷検出システムは、可聴及び/又は視覚インジケータを更に備え得る。コントローラは、可聴及び/又は視覚インジケータを作動することによって損傷信号を出力するように構成され得る。
【0033】
コントローラは、損傷信号を外部デバイスに送信することによって損傷信号を出力するように構成され得る。
【0034】
コントローラは、放射センサと共配置され得る。コントローラは、ネットワークを介して放射センサに結合され得る。コントローラは、放射センサと共配置されるか、又はネットワークを介して放射センサに結合される間に分散される複数のプロセッサを含み得る。
【0035】
損傷検出システムは、
複数の放射エミッタであって、各放射エミッタが、対応する細長い構造体の内部に、かつその長さに沿って放射信号を放出するように構成された、複数の放射エミッタと、
対応する放射信号を受信し、かつ対応する感知信号を出力するように各々構成された複数の放射センサと、
各々が放射センサに結合された複数の送受信機と、
複数の送受信機の各々と通信するように構成されたサーバと、を更に備える。
【0036】
本開示の第2の態様によれば、安全構造体又はラッキングリムの状況を監視する方法が提供され、該方法は、
細長い構造体の内部に、かつその長さに沿って放射信号を放出することと、
放射信号を受信し、かつ応答して感知信号を出力することと、
感知信号に基づいて、細長い構造体の損傷状態を判定することと、
損傷状態を表す損傷信号を出力することと、を含む。
【0037】
本開示の第3の態様によれば、損傷検出システムが提供され、該システムは、
細長い構造体に結合するように構成されたハウジングであって、細長い構造体が安全構造体又はラッキングリムを含み、該ハウジングが、
細長い構造体の内部に、かつその長さに沿って放射信号を放出するように構成された放射エミッタと、
放射信号を受信し、かつ応答して感知信号を出力するように構成された放射センサと、を含む、ハウジングと、
コントローラであって、該コントローラが、
放射センサから感知信号を受信し、
感知信号に基づいて細長い構造体の損傷状態を判定し、かつ
損傷状態を表す損傷信号を出力するように構成されている、コントローラと、を備える。
【0038】
コンピュータ上で実行されるときに、コンピュータに、本明細書に開示される回路、コントローラ、コンバータ、又はデバイスを含む、任意の装置を構成させる、又は本明細書に開示される任意の方法の1つ以上のステップを実行させる、コンピュータプログラムが提供され得る。コンピュータプログラムは、ソフトウェア実装であり得、コンピュータは、非限定的な例として、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、及び読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、又は電子的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)における実装を含む任意の適切なハードウェアとみなされ得る。ソフトウェアは、アセンブリプログラムであり得る。
【0039】
コンピュータプログラムは、ディスク又はメモリデバイスなどの物理的なコンピュータ可読媒体であり得るコンピュータ可読媒体上に提供され得、又は一時的な信号として具現化され得る。そのような一時的な信号は、インターネットダウンロードを含むネットワークダウンロードであり得る。コンピューティングシステムによって実行されたときに、コンピューティングシステムに本明細書に開示された任意の方法の1つ以上のステップを実行させる、コンピュータ実行可能命令を記憶する1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供され得る。
【0040】
以下、1つ以上の実施形態について、添付の図を参照しながら、例示的にのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1A】未損傷状態にある構造体のための、本開示の実施形態による損傷検出システムを図示する。
図1B】構造体が第1の損傷状態にある、図1Aの損傷検出システムを図示する。
図1C】構造体が第2の損傷状態にある、図1Aの損傷検出システムを図示する。
図2A】本開示の実施形態による、別の損傷検出システムを図示する。
図2B】本開示の実施形態による、更なる損傷検出システムを図示する。
図3】本開示の実施形態による、損傷検出構造体のための実験データを図示する。
図4A】本開示の実施形態による、ネットワーク化された損傷検出システムを図示する。
図4B】本開示の実施形態による、更なるネットワーク化された損傷検出システムを図示する。
図5】本開示の実施形態による、安全構造体又はラッキングリムの状況を監視する方法を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0042】
多くの構造体は、例えば橋、建物、機器が損傷したときに、安全上の危険をもたらす可能性がある。損傷経路の1つは、構造体と車両の衝突である。例えば、工場又は倉庫環境では、車両は、限られた空間内で、貴重な物品及び人員に近接して移動する必要があり得る。倉庫では、フォークリフトトラック(FLT)は、貴重な在庫を含むラッキング又は棚の島の間を通過し得る。FLTは、ラッキングから在庫を荷積み及び荷降ろしするために、タイトなターン及び操縦を実行しなければならない場合がある。熟練した運転手でさえ、特に衝突が検出されない、又は報告されない場合でも、ラックに誤って衝突し、損傷を引き起こし、ラックの倒壊による潜在的な安全上の危険を引き起こす可能性がある。
【0043】
構造体の衝突センサは、衝突を検出して報告することにより、このリスクを軽減することができる。しかしながら、衝突センサは、構造体を通過する歩行者のブラッシング又は他の軽微な振動事象に起因する非損傷性の衝突から多くの誤報を生成し得る。
【0044】
本明細書に開示される損傷検出システムは、構造体の構造的完全性及び/又は構造体との衝突又は衝突を監視することが有利であり得るポスト、バリア又はラッキングピースなどの細長い構造体での使用に好適である。
【0045】
図1A図1Cは、本開示の実施形態による、損傷検出システム100を図示する。システム100は、細長い構造体102に結合された放射エミッタ104を備える。放射エミッタ104は、細長い構造体102の内部に、かつその長さに沿って放射信号108を放射するように構成されている。例えば、放射エミッタ104は、細長い構造体102の長さに沿って内部に延在する空洞を通して放射信号108を放出し得る。システム100は、放射信号108を受信するように構成された放射センサ110を更に備える。放射センサ110は、1つ以上の面からの放射信号の反射に続いて放射信号108を受信し得る。放射センサ110は、放射信号108の受信に応答して感知信号を出力するように構成される。システム100は、放射センサ110から感知信号を受信し、感知信号に基づいて細長い構造体の損傷状態(又は状況)を判定し、損傷状態を表す損傷信号を出力するように構成されたコントローラ106を更に備える。
【0046】
細長い構造体102は、安全構造体又はラッキングリムを含む。本開示の文脈において、ラッキングリムは、ラックレッグ、ラックポスト、ラッククロスバー、棚などのラッキングユニット、棚ユニットなどの任意の細長い構成要素であると理解されるであろう。本開示の文脈において、安全構造体は、別の構造体を保護する、又は安全バリアシステム及びその構成部品(例えば、バリア、ポスト)、安全フェンシング、ボラード、手すり、ガード、及び当該技術分野で既知の同様の安全構造体を含む、侵入又は衝突から領域を保護する物理的構造体であると理解され得る。安全構造体は、弾性安全構造体を提供することができるポリマー安全構造体を含み得る。代替的に、安全構造体は、金属又は金属合金の安全構造体又は任意の他の好適な材料を含み得る。システム100は、任意選択で、細長い構造体102自体を備える。
【0047】
システム100は、有利には、放射エミッタ104及びセンサ110を使用して、受信された放射信号108の変化を監視し、細長い構造体102における通常の未損傷状態(図1A)から損傷状態(図1B及び図1C)又は分解された状態(図示せず)への対応する構造体変化を判定することができる。以下で更に説明するように、コントローラ106は、感知信号及び細長い構造体102の判定された損傷状態を表す損傷信号を出力し得る。コントローラ106は、出力信号生成器112を介して損傷信号を出力し得る。
【0048】
損傷検出システム100は、有利には、細長い構造体102の状況を監視し、そうでなければ気づかれない、又は検出されない可能性がある損傷を検出することができる。損傷検出システム100はまた、有利には、衝突センサシステムを補完して、衝突イベントが監視された構造体への損傷に関連付けられているかどうかを判定することができる。
【0049】
この実施例では、放射エミッタ104は、細長い構造体102の第1の端で放射センサ110と共配置している。用語「共配置」は、実質的に同じ位置に、例えば、細長い構造体の長さに沿った同じ平面内に、又は近位又は隣接して配置されることを意味すると理解されるであろう。放射センサ110を放射エミッタ104と共配置することによって、放射センサ110は、反射した放射信号108を受信するように構成される。放射センサ110の感知面は、放射エミッタ104の発光側と同じ方向に面してもよい。放射信号108は、構造体102が通常の未損傷状態にあるときに、基準反射面105から反射し得る。放射信号108は、細長い構造体108の第2の端から反射し得る。図1Aの実施例では、基準反射面105は、細長い構造体102の第2の端が固定されている地面を含む。他の実施例では、基準反射面105は、放射エミッタ104に面する反射面を有する細長い構造体の長さに沿って位置付けられた反射板を備え得る。放射信号108は、反射板を反射して放射センサ110に向かって戻ることができる。損傷に従うと、放射信号108は、(図1A及び図1Bに図示されるように)細長い構造体の側壁面からなど、基準反射面105以外の面から反射(拡散又は鏡面反射)し得る。
【0050】
他の実施例では、放射エミッタ104及び放射センサ110は、細長い構造体102の軸に沿った軸方向の距離によって分離され得る。そのような実施例では、放射センサ110は、伝送中の放射信号108を受信するように構成されている。放射センサ110の感知面は、放射エミッタ104から離間され、放射エミッタ104に向かって面することができる。いくつかの実施例では、放射エミッタ104は、細長い構造体102の第1の端に位置付けられ得、放射センサ110は、細長い構造体102の第2の端に位置付けられ得る。他の実施例では、放射エミッタ104及び/又は放射センサ110は、細長い構造体102の軸に沿った任意の点に位置付けられ得る。
【0051】
図2A及び図2Bは、細長い構造体202の長さに沿って連続的に位置付けられた複数の放射及びエミッタ対を備える更なる損傷検出システム200を図示する。各対は、コントローラ206に結合され得、コントローラ206は、有線又は無線手段を介して各放射受信機から対応する感知信号を受信し得る。複数の放射エミッタ/センサ対を含むことは、損傷検出システム200の検出範囲を拡張することができ、これは、長い細長い構造体202にとって特に有利であり得る。
【0052】
図2Aに図示されるように、各放射センサ210a、210b、210cは、それらの対応する放射エミッタ204a、204b、204cと共配置されることができ、システム200は、放射エミッタ204a、204b、204cからの放射信号208a、208b、208cを対応する放射センサ210a、210b、210cに向けて戻すように反射するための複数の対応する基準反射板205a、205b、205cを含み得る。基準反射板205a、205b、205cは、細長い構造体202の軸に沿って対応するエミッタ-センサ対から分離され、基準反射面は、エミッタセンサ対に向かって面している。図示されるように、反射板の反対側の面は、隣接するエミッタセンサ対を取り付けるために使用されてもよい。この実施例では、各基準反射板205a、205b、205c、及び対応する放射エミッタ及びセンサの対は、反射中の放射信号を測定する損傷検出サブモジュールを画定し得る。
【0053】
代替的に、図2Bに図示されるように、各放射センサ210a、210b、210cは、細長い構造体202の軸に沿って、それらの対応する放射エミッタ204a、204b、204cから分離されてもよい。このようにして、各放射エミッタと放射センサとの対は、伝送中の放射信号を測定する損傷検出サブモジュールを画定し得る。
【0054】
図1に戻ると、本開示の更なる特徴は、単一の放射エミッタ104と、反射により動作する放射センサ110とを有するシステム100に関連して説明される。しかしながら、概念は、伝送中に動作するシステム及び図2A及び図2Bの複数のエミッタ-センサ対の実施形態に等しく適用されることが理解され得る。
【0055】
放射エミッタ104は、任意の電磁放射源又は任意の音響放射源を含み得る。放射信号108は、放射エミッタによって放出された放射に対応し、それに応じて解釈されるべきである。放射センサは、特定の放射エミッタに対応する放射検出器を備える。
【0056】
この実施例では、放射エミッタ104は、レーザ源を備える。レーザ源104は、レーザダイオード、レーザエッジ放出ダイオード、垂直空洞面放出レーザ、又は当該技術分野で知られている他の適切なレーザ源を含み得る。他の実施例では、放射エミッタ104は、発光ダイオード(LED)などの異なる光源を含み得る。レーザ源(又はLED)は、電磁放射スペクトルの紫外線、可視光、又は赤外線部分の波長を有する光放射信号108を放出するように構成され得る。
【0057】
図示されるように、放射エミッタ104は、発散放射ビームとして放射信号108を放射し得る。他の実施例では、放射エミッタ104は、レンズ構成要素(光学レンズなど)に結合され、実質的にコリメートされた放射ビームとして放射信号を放射し得る。実質的にコリメートされた放射ビームの直径は、細長い構造体102の内径(空洞直径)と実質的に等しくてもよい。コリメートされた放射ビームは、有利には、細長い構造体102の空洞の実質的に全体のボリュームを照射し得る。
【0058】
この実施例では、放射センサ110は、光放射信号108を検出するように構成された光学センサを含む。光学センサは、光放射信号108の波長を包含する波長検出範囲を有してもよい。
【0059】
放射センサ110は、センサ110が放射信号108をその内部で受信することができる検出コーンを画定する視野を含み得る。図示されるように、放射センサ110は、複数のサブセンサ又は画素110-1、110-2を含み得る。各画素110-1、110-2は、対応する画素視野114-1、114-2を有し得る。画素視野114-1、114-2の組み合わせは、放射センサ110の視野を画定するものとみなされてもよい。画素視野114-1、114-2は、各画素110-1、110-2が、細長い構造体102の実質的に柱状のサブボリュームから放射信号108を受信するように、狭い円錐角を含み得る。このようにして、各画素110-1、110-2は、細長い構造体の特定のサブボリュームを監視(及び、サブボリュームにおける損傷を検出)し得、放射センサ110は、空間的に解決された感知信号を提供することができる。
【0060】
いくつかの実施例では、放射センサ110は、広い視野を有する多画素センサアレイを含み得る。レンズ構成要素(光学レンズなど)は、多画素センサが細長い構造体102の実質的に全体の内部ボリュームに対応するボリュームから放射信号108を受信するために構成されるように、放射センサ110と結合され得る。このようにして、放射センサ110は、細長い構造体の空洞の断面を画像化し得、各画素は、細長い構造体の柱状ボリュームを監視し得る。レンズ構成要素は、コリメートされた放射ビームを提供するための同じレンズ構成要素を含み得る。
【0061】
図1Aを見ると、通常の未損傷状態にある細長い構造体102を図示しており、放射信号108は、反射面105から反射されて、放射センサ110に向かって戻る。システム100は、基準反射板を含み得て、基準反射板は、基準反射面105を含み、基準反射面105は、放射エミッタ104から軸方向に分離されており、放射信号108を反射して放射エミッタ104に向けて戻し、基準反射面105は、放射センサ110に面している。基準反射板は、単純な基準反射面105(例えば、光放射信号のための誘電体又は金属ミラー、又は超音波放射信号のための高密度固体)を含んでもよく、又は再帰性反射板などの多面反射板を含んでもよい。
【0062】
いくつかの実施例では、基準反射面105は、放射信号108の鏡面反射を提供する研磨された反射面であり得る。鏡面基準反射面105の利点は、反射された放射信号の大きさがより大きくなり、より長い検出範囲を提供できることである。更に、反射された放射信号108の可能な戻り経路は、受信された放射信号108に対してより良い時間分解能を提供することを制限することができる。
【0063】
他の実施例では、基準反射面105は、未研磨の面などの拡散反射面を含み得る。いくつかの実施例では、システム100は、別個の基準反射板を備え得ず、基準反射面105は、図示されるように、細長い構造体102の端面によって、又は地面などの隣接する構造体の面によって提供され得る。そのような基準反射面105は、拡散反射及び/又は鏡面反射を提供してもよい。
【0064】
いくつかの実施例では、細長い構造体の内側側壁面(空洞の面)は、拡散(未研磨)反射面又は鏡面(研磨)反射面を含み得る。いくつかの実施例では、システムは、細長い構造体の内側側壁上に位置付けられた複数の基準反射板又はマーカーに対応する複数の基準反射面を含み得る。例えば、一連の基準反射板は、細長い構造体102の長さに沿った位置の範囲で内側側壁上に位置付けられ得る。複数の基準反射板は、受信された放射信号の時間特性におけるより高い高調波効果を回避するために、長さに沿って周期的に又は周期的に位置付けられてもよい。基準反射板は、反射ステッカー、反射突起などを含み得る。基準反射板は、回帰性反射ステッカーなどの回帰性反射板を含み得る。複数の基準反射板は、シグネチャ基準信号を提供することができる。各反射板は、基準信号のサブ構成要素に対応し得る。以下で論じられるように、コントローラ106は、反射された放射信号と基準信号との間の差に基づいて、損傷状態を判定することができる。例えば、細長い構造体102の任意の損傷は、複数の反射板のうちの1つ以上によって反射される放射信号に変化をもたらし得る。コントローラ106は、反射された放射信号の変化が損傷検出閾値を超える場合、損傷された構造体を判定し得る。いくつかの実施例では、コントローラ106は、複数の基準反射板のうちの特定のものに起因する反射放射信号の(時間的又は電力)変化に基づいて、損傷部位の位置を判定し得る。例えば、反射信号の特定のサブ構成要素の変化。
【0065】
以下で更に説明されるように、放射センサ110及びコントローラ106は、受信された放射信号の時間特性及び/又は電力特性を監視し得る。放射信号の経路における鏡面又は拡散面の使用は、システム100の特定の検出機構に依存し得る。例えば、鏡面反射が通常の未損傷状態で高出力基準信号を提供することができるため、電力特性を監視するとき、鏡面反射面105は有利であり得る。次いで、コントローラ106は、(図1B又は図1Cのような)細長い構造体に対する損傷を、基準信号の減衰として検出することができる。しかしながら、以下で考察されるように、システム100は、損傷部位107から受信された受信放射信号の時間特性を監視して、放射信号の飛行時間及び損傷の対応する位置を判定することができる。放射センサ110は、損傷部位107からの鏡面反射の経路が放射センサ110に直接戻らない場合があるため、損傷部位107からの拡散反射の受信に依存し得る。そのような実施例では、拡散基準反射面105は、基準信号が損傷部位107からの拡散反射をかき消すことを回避するために有利であり得る。電力特性及び時間特性を監視する例示的なシステムは、拡散反射を利用し得、任意の研磨された面の包含を回避し得る。
【0066】
放射センサ110によって受信された放射信号108は、細長い構造体102への損傷に応答して変化し得て、感知信号に対応する変化をもたらす。感知信号は、受信された放射信号の光電力レベルに対応する電圧レベルを有する電圧信号であり得る。コントローラ106は、感知信号に基づいて細長い構造体102の損傷状態を判定し、損傷信号を出力し得る。例えば、コントローラ106は、検出閾値よりも大きい感知信号の変化に応答して、損傷された細長い構造体102を判定し得る。感知信号の変化は、電力特性の変化及び/又は時間特性の変化を含み得る。
【0067】
いくつかの実施例では、コントローラ106は、放射センサ110からの感知信号を基準感知信号と比較し、感知信号と基準感知信号との間の信号差に基づいて損傷状態を判定し得る。信号差は、電力又は振幅レベルの差又は比率、及び/又は位相又はパルス先端時間などの時間特性の差を含み得る。基準感知信号は、細長い構造体102が図1Aに示す通常の損傷のない構成である場合、感知信号に対応し得る。基準感知信号は、基準反射面105(又は複数の基準反射面)からの反射に対応し得る。
【0068】
コントローラ106は、較正ルーチンの一部として、放射センサ110から基準感知信号を受信し得る。較正ルーチンは、製造時刻、設置時刻、組み立て時刻、再組み立て時刻、サービス時刻、及び/又は細長い構造体102の再配置時刻を含む任意の時点で、コントローラ106によって実行され得る。
【0069】
感知信号は、放射センサ110の各画素110-1、110-2からの信号に対応するサブ信号を感知することを含み得る。コントローラ106は、感知サブ信号のうちのいずれかの変化に基づいて、構造体102の損傷状態を判定してもよい。同様に、基準感知信号は、複数の信号差を判定するために、各対応する感知サブ信号と比較するための基準感知サブ信号を含み得る。前述及び後続の説明では、感知信号(及び信号差)を処理するコントローラ106の機能は、個々の感知サブ信号(及び信号差)の処理に等しく適用され得、コントローラ106は、複数の感知サブ信号に基づいて細長い構造体102の損傷状態を判定し得ることが理解されるであろう。例えば、コントローラ106は、感知サブ信号が変化を示すことに基づいて、損傷部位107を判定し得る。同様に、コントローラ106は、変化を示す感知サブ信号の数に基づいて、損傷のレベルを判定してもよい。
【0070】
コントローラ106は、信号差を1つ以上の状況の閾値と比較することによって、細長い構造体102の損傷状態を判定することができる。第1の単純な例では、コントローラ106は、感知信号差が検出閾値を超えるかどうかにそれぞれ基づいて、細長い構造体の単純なバイナリ損傷状態を損傷した(又は分解された)又は損傷していないと判定してもよい。検出閾値は、電力レベルの変化及び/又は時間特性(位相、先行エッジ到達時間など)の変化に対応し得る。
【0071】
コントローラ106は、信号差の電力レベル差を1つ以上の状況の閾値と比較することによって、細長い構造体102の損傷状態を判定し得る。コントローラ106は、電力レベル差の大きさに基づいて、定量的な損傷レベルを判定し得る。いくつかの実施例では、システム100が反射して動作し、基準反射面105が拡散面を含む場合、電力レベルの増加は、細長い構造体102への損傷を示し得る。例えば、損傷は、研磨された側壁面からの反射をもたらし得るか、又は拡散側壁面からの反射をもたらし得るが、放射センサ110への損傷部位107の近接により、拡散反射の大部分が放射センサ110の視野内に落ちる。システムが伝送中に動作するときに、又はシステムが反射中に動作し、基準反射面105が研磨された面を含むときなどに、いくつかの実施例では、電力レベルの低下は、細長い構造体102への損傷を示し得る。例えば、損傷(図1B又は図1Cなど)は、研磨された基準反射面105への/からの透過又は鏡面反射経路で測定された放射信号108を少なくとも部分的に妨げ得る。
【0072】
多画素放射センサ110を用いた実施例では、コントローラ106は、検出閾値よりも大きい信号差を有するサブ感知信号の数に基づいて、損傷のレベルを判定してもよい。コントローラ106はまた、サブ感知信号のうちのどれが検出閾値よりも大きい感知差を含むかに基づいて、損傷の横方向の位置を判定し得る。
【0073】
コントローラ106は、感知信号の時間特性に基づいて、細長い構造体102の損傷状態を判定し得る。いくつかの実施例では、コントローラ106は、基準感知信号に対する感知信号の時間特性の変化に基づいて、細長い構造体102の損傷状態を判定し得る。
【0074】
いくつかの実施例では、コントローラ106は、放射信号/感知信号の飛行時間特性を判定し得る。飛行時間特性は、放射信号108の飛行時間又は放射信号108によって移動された経路距離に対応し得る。システム100は、放射エミッタ104及び放射センサ110が反射動作モードで構成されているときに、飛行時間特性を判定し得る。飛行時間は、信号の速度で割った経路距離に基づいている。光放射エミッタの場合、信号の速度は光の速度である。システム100は、2つのアプローチのうちの1つを使用して、光学ベースの飛行時間測定を実装し得る。
【0075】
最初の第1のアプローチでは、放射エミッタ104は、短いレーザパルスを出力するためのパルスレーザ源を含み得る。光速が30cm/nsであるので、パルスレーザ源は、1ps~10nsの範囲のパルス持続時間を有するパルスを出力して、数十cmから数十mの範囲の構造体の長さに対して十分な時間分解能を提供し得る。放射エミッタ104は、レーザパルスの列として放射信号を放出し得る。レーザパルスの列は、パルス持続時間に適した任意の繰り返しレートを有し得る。例えば、反復レートは、1Hz~1GHzの範囲であり得る。放射センサ110は、レーザパルスを検出し、対応するパルス持続時間を有する感知信号を生成し得る。コントローラ106は、パルスの到着時間を監視し、対応する飛行時間を反映し得る。例えば、コントローラ106は、パルス放出時間を制御するためにタイミング信号を放射エミッタ104に提供してもよく、又はパルス放出時間を示すタイミング信号を放射エミッタ104から受信してもよい。次いで、コントローラ106は、パルスの到達時間をパルスの放出時間と比較して、放射信号108の飛行時間及び対応する経路距離を判定してもよい。
【0076】
第2の飛行時間ベースのアプローチでは、放射エミッタ104は、連続波又は準連続波光源を含むことができる。コントローラ106は、変調周波数で放射エミッタ104を変調し、受信した放射信号の位相を監視して、放射信号108によって移動された経路距離を判定し得る。いくつかの実施例では、変調周波数は、変調の期間が、放射信号108によって移動される最大可能経路距離よりも大きいように選択され得る。例えば、反射で動作するときに、最大可能経路距離又は基準経路距離は、放射エミッタ104から基準反射面105までの距離の2倍であってもよい。このようにして、0~2πの任意の位相変化は、1対1の関係で、移動した対応する経路距離/飛行時間にマッピングされ、より高い高調波干渉(2πを超える位相変化)を回避する。いくつかの実施例では、コントローラ106は、感知信号を1つ以上の位相基準信号と比較して、感知信号の位相シフト及び対応する往復時間又は経路距離を判定し得る。放射信号108によって移動される経路距離dは、以下の式によって判定され得る。
【0077】
【数1】
【0078】
式中、cは真空中の光速であり、Δφは位相差であり、fmodは変調周波数である。反射して動作するシステム100の場合、経路距離を2で割って、反射面への対応する距離を判定してもよく、これは、基準反射面105又は損傷部位107であり得る。
【0079】
コントローラ106は、飛行時間特性(飛行時間、経路距離)を監視して、細長い構造体102の損傷状態を判定してもよい。基準経路距離は、放射エミッタ104から基準反射面105まで、及び放射センサ110に戻るまでの往復距離に対応し得る。いくつかの実施例では、コントローラ106は、基準感知信号に基づいて基準経路距離を判定してもよい。コントローラ106は、飛行時間/経路距離が基準経路距離に対応する場合、細長い構造体102を通常の損傷のない状態にあると判定してもよい。コントローラ106は、飛行時間/経路距離が基準経路距離未満の距離に対応する場合、損傷された細長い構造体102と判定し得る。コントローラ106は、検出閾値を超える経路距離と基準経路距離との間の差に対応する信号差に基づいて、細長い構造体102の損傷状態を判定し得る。いくつかの実施例では、コントローラ106は、飛行時間又は経路距離に基づいて、損傷部位107の軸方向の位置を判定し得る。
【0080】
多画素放射センサ110を用いた実施例では、コントローラ106は、飛行時間/経路距離が基準経路距離未満の距離に対応するサブ感知信号の数に基づいて、損傷のレベルを判定し得る。コントローラ106はまた、サブ感知信号のうちのどれが基準経路距離よりも短い経路距離を示すかに基づいて、損傷の横方向の位置を判定し得る。
【0081】
図3は、本開示の実施形態による、損傷検出システムのための実験データを図示する。データは、飛行時間放射エミッタ及びセンサモジュールをラッキングレッグの形態で細長い構造体の端に取り付けることによって取得された。このモジュールは、Broadcomから市販されているAFBR-S50-BAS飛行時間センサモジュールであった。バイスは、損傷をシミュレートするために、ラッキングレッグの長さに沿ったいくつかの部位に順番に位置付けられた。飛行時間モジュールからのデータを分析して、放射信号の経路距離の変化と、反射源(損傷部位)までの対応する距離を判定した。図3におけるプロットは、損傷部位に対応する経路距離の変化を検出するために必要な側壁変形(損傷)の量を示している。プロットは、飛行モジュールから損傷部位までの距離が長くなるにつれて、損傷に対するシステムの感度が低下する可能性があることを図示している。しかしながら、システムは原理の証明のセットアップであり、ソース又は画素の視野のコリメーションに最適化されていなかった。
【0082】
図1に戻ると、いくつかの実施例では、システム106は、連続的に細長い構造体102を監視してもよい。他の実施例では、コントローラ106は、トリガ信号を受信することに応答して、放射エミッタ104を選択的に作動させ、オンデマンドベースで感知信号を受信し得る。例えば、損傷検出システム100は、エネルギー消費を最小限に抑えるために、スリープモードに存在してもよい。スリープモードでは、システム100の全ての機能は、トリガシグナリングをリッスンするコントローラ106を除いて無効にされ得る。トリガシグナリングは、監視スケジュールに従って周期的トリガ信号を含み得る。例えば、コントローラ106は、放射エミッタ104及び放射センサ110を作動させ、例えば、毎時、毎日、毎週などの規則的な時間間隔で感知信号を受信し得る。
【0083】
システム100は、トリガセンサからオンデマンド信号としてトリガシグナリングを受信し得る。トリガセンサは、細長い構造体102の所定の半径内の物体の動き、及び/又は細長い構造体102との物体の衝撃に応答し得る。コントローラ106は、トリガシグナリングに応答してシステム100を作動させ、構造体102の損傷状態を判定し、それに応じて損傷信号を提供し得る。いくつかの実施例では、システム100は、トリガセンサを更に含み得る。トリガセンサは、スリープモード中にアクティブであり続けることができる低電力デバイスであり得る。
【0084】
いくつかの実施例では、トリガセンサは、機械的センサ、例えば、加速度計などの振動又は衝撃センサを含み得る。機械的センサは、衝突センサシステムの一部を形成し得る。いくつかの実施例では、損傷検出システム100は、衝突センサシステムの一部を形成し得る。機械的センサは、物体(通過車両など)の動き、又は物体とシステム100又は細長い構造体102との衝突に起因する振動を検出し得る。機械的センサは、振動/衝撃を検出することができ、振動の大きさが潜在的な損傷閾値よりも大きい場合、コントローラ106は、機械的センサからトリガシグナリングを受信し、損傷検出システム100を作動させ得る。
【0085】
コントローラ106は、感知信号の任意の変化を感知して、検出された振動が細長い構造体102への構造的損傷に関連付けられているかどうかを判定することができる。このようにして、システム100は、衝突センサを補完するための損傷検出機能を提供することができる。細長い構造体102の損傷状態を判定することによって、システム100は、潜在的に損傷する衝突に起因する細長い構造体102における振動を、構造体を通り過ぎる歩行者のブラッシングなどの低リスクの振動に起因するものと区別することができる。したがって、システム100は、衝突センサシステム内の誤警報を低減することができる。
【0086】
いくつかの実施例では、トリガセンサは、動きを検出するための光学センサを含み得る。光学センサは、細長い構造体102の所定の半径内の物体の動きを検出することができる受動赤外線(PIR)センサを含んでもよい。コントローラ106は、PIRセンサから信号を受信し、所定の半径内のオブジェクトの移動に応答して損傷検出システム100を作動させ得る。いくつかの実施例では、コントローラ106は、光学センサから動き信号を受信し、移動物体の検出に続いて損傷検出システム100を作動させ得る。コントローラ106は、動き信号が、動きがもはや存在しないことを示すまで、連続的に、又は規則的な間隔(例えば、毎秒複数の測定値)で、感知信号の任意の変化を監視し得る。このようにして、損傷検出システム100は、動きイベント全体を通して細長い構造体102の損傷状態を監視することができる。
【0087】
上述したように、コントローラ106は、連続的に、又はトリガシグナリングに基づいて短い間隔で半連続的に、任意の電力レベル又は感知信号の時間的変化に基づいて、構造体102の損傷状態を判定し得る。コントローラ100が損傷のレベルを判定することができる実施例では、コントローラ106は、損傷プロファイルを定義することができる感知信号のシーケンスを判定してもよい。言い換えると、コントローラ106は、放射センサからの感知信号のシーケンスに基づいて一時的な損傷プロファイルを判定し得る。コントローラ106は、衝突イベントの分析のために、一時的な損傷プロファイルを記憶してもよく、又はそれをサーバ又はリモートデバイスに送信してもよい。一時的な損傷プロファイルを捕捉することは、(減衰された画素の最大数又は飛行時間特性の変化を示す画素の最大数によって判定されるように)最大レベルの損傷が、細長い構造体102がより少ない変形状態に戻る弾性又は部分的弾性変形についても、1つ以上の閾値に対して評価され得ることを保証する。構造体102の安全性又は完全性は、構造体102によって受けられる最大の変形に基づいて、規制要件、安全仕様などに対して評価することができる。
【0088】
いくつかの実施例では、コントローラ106は、出力信号生成器112によって損傷信号を出力し得る。出力信号生成器112は、サイレンなどの可聴信号生成器、又は(点滅する)ライト又は警告メッセージを表示する表示画面などの可視信号生成器を含み得る。このようにして、出力信号生成器112は、細長い構造体102への損傷から生じる潜在的な危険について、歩行者及び車両運転手に警告することができる。例えば、警告表示は、細長い構造体102が検査され、修理され、及び/又は交換されるまで、一時的な車両速度制限又は立ち入り禁止の警告を示し得る。損傷信号が細長い構造体102が損傷していることを示す場合、コントローラ106は、出力信号生成器を作動させてもよい。
【0089】
いくつかの実施例では、出力信号生成器112は、損傷信号及び/又は感知信号を外部デバイスに送信するように構成された送信機を含み得る。例えば、送信機は、損傷信号を、リモートサーバ、リモートデバイス、及び/又はモバイルデバイスに送信し得る。このようにして、システム100は、細長い構造体の損傷をユーザに警告することができ、検査及び/又は修理の潜在的な要件を示し得る。損傷信号は、損傷状態、損傷レベル、感知信号、電力レベル特性、飛行時間特性、損傷の横方向位置、及び損傷の軸方向位置のいずれかを含むデータ信号を含んでよい。損傷信号からのデータはまた、分析のためにローカルに、又はリモートサーバ若しくはデバイスに記憶され得る。このようにして、例えば、毎日、毎週、又は毎月、細長い構造体302がどれだけの衝突/潜在的な損傷イベントにさらされているかを示すために、センサシステム100についてのデータを捕捉することができる。
【0090】
図示された実施例では、出力信号生成器112は、細長い構造体102の端に結合されたハウジング又はキャップに存在してもよく、すなわち、出力信号生成器は、細長い構造体102の外部及びローカルに位置してもよい。出力信号生成器112は、有線又は無線手段によってコントローラ106と通信し得る。他の実施例では、出力信号生成器112は、センサシステムに近い壁に配置された可聴信号生成器又は可視信号生成器を含み得る。更なる実施例では、出力信号生成器112は、細長い構造体102に統合されてもよく、又は細長い構造体102に位置付けられてもよい。
【0091】
いくつかの実施例では、コントローラ106は、細長い構造体102に対してローカルに位置付けられ得る。例えば、コントローラ106は、細長い構造体102内に収容され得る。いくつかの実施例では、システム100は、細長い構造体102の外部に取り付け可能なハウジングを含み得、コントローラ106は、ハウジング内に収容され得る。ハウジングは、1つ以上の入力制御を有し得る。例えば、1つ以上の入力制御は、1つ以上の機能ボタン、タッチスクリーン、スイッチなどを含んでもよい。コントローラ106は、1つ以上の入力制御の作動に応答して、放射エミッタ104を作動させ、放射センサ110から感知信号を受信する、又は、例えば、出力信号生成器112を無効にすることによって、較正ルーチンを実行する、及び/又はシステム100をリセットすることができる。
【0092】
他の実施例では、コントローラ106は、ハウジングから離れて位置付けられてもよく、例えば、コントローラは、サーバ又はリモートデバイスに実装されてもよい。そのような実施例では、システム100は、放射センサ110からコントローラ106に生データを送信するための送受信機を更に含み得る。
【0093】
更なる実施例では、コントローラは、細長い構造体102にローカルな1つ以上のプロセッサ、及びリモートサーバ又はリモートデバイスなど、細長い構造体102から離れた1つ以上のプロセッサによって実現され得る。言い換えると、本明細書に記載のコントローラ106の任意の機能は、細長い構造体102に対してローカルに、及び/又は細長い構造体102からリモートに実行されてもよい。システム100及び/又はコントローラ106は、リモートコントローラ又はサーバなどの任意のリモート処理デバイスと通信するための送受信機を含み得る。
【0094】
ハウジングは、更に、放射エミッタ104と、放射センサ110とを包含してもよい。いくつかの実施例では、システム100は、放射エミッタ、放射センサ、コントローラ106、及び任意選択で出力信号生成器を含むハウジングによって実現され得、ハウジングは、細長い構造体102に結合されるように構成される。このようにして、システム100は、細長い構造体102を包含することなく実現することができる。
【0095】
図4Aは、本開示の実施形態による、別の損傷検出システム400の概略図を図示する。図1A図2Bに関連して既に上述した図4Aの特徴は、400シリーズの対応する番号を与えられており、必ずしもここで再び説明されることはない。
【0096】
システム400は、倉庫などの環境内で監視するための細長い構造体402a、402b、402nにそれぞれ関連付けられた複数のサブシステムを含む。各サブシステムは、放射エミッタ404a、404b、404nと、放射センサ410a、410b、410cと、コントローラ406a、406b、406nとを備える。各々のサブシステムはまた、サーバ420と通信することができる送受信機(図示せず)を備える。サーバ420は、ユーザインターフェースを含んでもよく、又はパーソナルモバイルデバイス又はコンピュータなどのユーザインターフェースを有する他のデバイスと通信してもよい。このようにして、サーバ420は、関連する細長い構造体402a、402b、402nのそれぞれで損傷状態及び潜在的な損傷を監視するために、サブシステムのそれぞれからデータを収集し得る。システム400は、衝突の頻度及び/又はニアミスの頻度が対応する安全閾値よりも高い構造体として、衝突に対して特に脆弱な1つ以上の細長い構造体402a、402b、402nを判定し得る。このようにして、ユーザは、監視データを分析し、環境の安全性を向上させるために、構造体レイアウトへの変更(レイアウトの再配置、保護措置の実施など)を実装することができる。このようにして、構造体レイアウトの改善された設計を達成することができる。
【0097】
図4Aの実施例では、各サブシステムは、図1A図2Bに関連して上述したコントローラ機能を実装するための専用ローカルコントローラ406a、406b、406cを有する。
【0098】
いくつかの実施例では、各サブシステムは、専用のアラート信号生成器を有し得る。他の実施例では、サブシステムは、共通のアラート信号生成器と通信可能に結合され得る。例えば、2つ以上のサブシステムは、同じ可聴又は可視のアラート信号生成器及び/又はコントローラ406のいくつかの機能を実行することができる共通のゲートウェイ及び/又はサーバ420との間で情報を渡すことができる共通のゲートウェイに無線で結合され得る。
【0099】
図4Bは、本開示の実施形態による、更なる損傷検出システム400’の概略図を図示する。図1A図2Bに関連して既に上述した図4Bの特徴は、400’シリーズの対応する番号を与えられており、必ずしもここで再び説明されることはない。
【0100】
この実施例では、システム400’は、倉庫などの環境内で監視するために、各々が細長い構造体402’a、402’b、402’nに関連付けられた複数のサブシステムを再び含む。しかしながら、コントローラ406’は、サーバ420’に位置し、複数のサブシステムに対して図1A図2Bに関連して上述した機能を提供する。各サブシステムは、放射エミッタ404a、404b、404n、放射センサ410a、410b、410c、及び送受信機420’a、420’b、420’cを備える。この実施例では、サブシステムは、送受信機420’a、420’b、420’nが、処理のために対応する放射センサ410a、410b、410cからコントローラ406’に感知信号を伝送するという点で、ダムデバイスとして機能する。送受信機420’a、420’b、420’nはまた、放射エミッタ404a、404b、404nを制御するため、及び/又はアラート信号生成器を作動させるために、コントローラ406’から信号を受信してもよい。このようにして、図1に関連して記載されたコントローラ406’の機能性は、サーバ420’で実装することができる。
【0101】
図4A及び図4Bは、それぞれ、コントローラ機能が、サブシステムに対してローカルに、又はサーバ上に実装される例を説明する。他の実施例では、図1A図2Bに関連して説明されるコントローラの機能の任意の要素は、サブシステムに対してローカルに、又はサーバ上のサブシステムから離れて実行され得ることが理解される。
【0102】
上記の説明は光学センサを指すが、本開示はそれほど限定されず、放射エミッタは、対応する超音波センサを備えた超音波エミッタを含み得ることが理解されるであろう。図1図4に関連して説明される実施形態は、超音波ベースの損傷検出システムによって実施され得る。超音波システムは、ボルト又はカップリングなどの固定が構造体の内部空洞を横断し得るラッキングリムを監視するために特に有利であり得る。一実施例では、コントローラは、細長い構造体が通常の未損傷状態にあるときに、受信した放射信号に対応する基準感知信号を受信し得る。後になって、コントローラは、検出閾値を超える感知信号と基準感知信号との間の信号差に基づいて、損傷状態を判定することができる。例えば、コントローラは、信号差に基づいて、バイナリ損傷状態を損傷した、又は損傷していないと判定し得る。光学システムについて上述したように、コントローラは、感知信号の時間及び/又は電力特性を監視して、横方向の位置、軸方向の位置、及び損傷のレベルなどの損傷状態の更なる属性を判定することができる。
【0103】
図5は、本開示の実施形態による、安全構造体又はラッキングリムの状況を監視する方法のフロー図を図示する。
【0104】
第1のステップ530は、細長い構造体の内部に、かつその長さに沿って放射信号を放出することを含む。第2のステップ532は、放射信号を受信し、かつそれに応答して感知信号を出力することを含む。第3のステップ534は、感知信号に基づいて細長い構造体の損傷状態を判定することを含む。第4のステップは、損傷状態を表す損傷信号を出力することを含む。方法500の1つ以上のステップは、コンピュータ実装されてもよく、例えば、第3のステップ534及び第4のステップ536である。
【0105】
本明細書を通して、「水平」、「垂直」、「上部」、「底部」、及び「側部」などの相対的な向き及び位置に関する記述子は、図面に示されるような損傷検出システムの向きの意味で使用される。しかしながら、そのような記述子は、記載された又は特許請求された発明の意図された使用をいかなる方法でも限定することを意図しない。
【0106】
「近い」、「前」、「直前」、「後」、「直後」、「より高い」、「より低い」などへの任意の言及は、文脈に応じて、問題のパラメータが閾値以下であること、又は2つの閾値の間であることを指すことができることを理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
【国際調査報告】