(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】引出し用引出しガイド
(51)【国際特許分類】
A47B 88/493 20170101AFI20240628BHJP
【FI】
A47B88/493
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504133
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 AT2022060254
(87)【国際公開番号】W WO2023000003
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト ズッターリュッティ
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AB33
3B160AB52
3B160BA02
3B160CA02
3B160CA13
3B160EA02
3B160EA14
3B160EA32
3B160EA35
(57)【要約】
家具キャビネット(2)に引出し(3)を可動に支承するための引出し用引出しガイド(4)であって、家具キャビネット(2)に取り付けるべきキャビネット側レール(9)と、キャビネット側レール(9)に対して相対的に長手方向(L)で移動可能に支承された、引出し(3)に結合すべき少なくとも1つの引出し側レール(10)と、場合により、キャビネット側レール(9)と少なくとも1つの引出し側レール(10)との間に配置された、少なくとも1つの中間レールと、を含み、該引出し用引出しガイド(4)は、自重および最大耐力を有しており、引出し用引出しガイド(4)の自重の、引出し用引出しガイド(4)の最大耐力に対する比が、1対50未満であり、好適には1対57未満であり、特に好適には1対65未満である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具キャビネット(2)に引出し(3)を可動に支承するための引出し用引出しガイド(4)であって、
- 前記家具キャビネット(2)に取り付けるべきキャビネット側レール(9)と、
- 前記キャビネット側レール(9)に対して相対的に長手方向(L)で移動可能に支承された、前記引出し(3)に結合すべき少なくとも1つの引出し側レール(10)と、
場合により、前記キャビネット側レール(9)と前記少なくとも1つの引出し側レール(10)との間に配置された、少なくとも1つの中間レールと
を含み、
-前記引出し用引出しガイド(4)が、自重および最大耐力を有している、引出し用引出しガイド(4)において、
前記引出し用引出しガイド(4)の自重の、前記引出し用引出しガイド(4)の前記最大耐力に対する比が、1対50未満であり、好適には1対57未満であり、特に好適には1対65未満であることを特徴とする、引出し用引出しガイド(4)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの引出し側レール(10)が、前記キャビネット側レール(9)に対して相対的に引出し長さ(n)にわたって押し込まれた終端位置と引き出された終端位置との間で移動可能であり、前記少なくとも1つの引出し側レール(10)が、前記引出し(3)の前板(5)に結合すべき前端部を有しており、前記少なくとも1つの引出し側レール(10)の前記前端部が、前記引き出された終端位置において、前記最大耐力に相当する負荷が加えられた場合に、前記引出し長さ(n)の最大4%だけ降下可能である、請求項1記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項3】
前記引出し用引出しガイド(4)は、
- 完全に押し込まれた状態において、200mm~650mmの長さを有しており、かつ/または
- 125g~550gの自重を有しており、かつ/または
- 15kg~35kgの最大耐力を有しており、かつ/または
- 少なくとも大部分が鋼から製造されている、請求項1または2記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項4】
前記キャビネット側レール(9)と前記少なくとも1つの引出し側レール(10)との間に、少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)が配置されており、好適には、
- 前記少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)が、回転軸線を中心として回転可能に支承されており、特に好適には前記回転軸線が、前記長手方向(L)に対して横方向に方向付けされている、かつ/または
- 少なくとも1つのキャリッジ(22)が設けられており、該キャリッジ(22)内に、前記少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)が配置されている、かつ/または
- 前記少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)が、実質的に円筒形に形成されている、かつ/または
- 前記少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)が、少なくとも大部分、プラスチックから成っている、請求項1から3までのいずれか1項記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項5】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも所定の区分において、0.5mm~1.0mmの材料厚さ(X)、好適には0.7mmの材料厚さ(X)を有する平らな金属薄板から形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項6】
前記引出し用引出しガイド(4)が、以下の特性i.~v.の群、すなわち、
特性i. 前記レール(9,10)のうちの少なくとも1つのレールが、前記長手方向(L)に対して法線方向の横断面で見たときに、互いに平行に延びる2つの長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)を備えた平らな少なくとも1つの金属薄板から形成された少なくとも1つの形材(9a,10a)を有しており、該形材(9a,10a)が、少なくとも1つの長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)において、好適には両方の長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)において、少なくとも2倍の材料厚さ(2X)を有する少なくとも1つの折返し部を有している、
特性ii. 前記キャビネット側レール(9)が、取付け面(19)を備えた少なくとも1つの取付け区分(11)を有しており、前記取付け面(19)が、前記家具キャビネット(2)における前記引出し用引出しガイド(4)の組付け時に、少なくとも所定の区分において前記家具キャビネット(2)に当付け可能であり、前記少なくとも1つの取付け区分(11)が、取付け手段、好適にはねじを通過させるための好適には円形の少なくとも1つの開口(12)を有しており、前記少なくとも1つの開口(11)は、前記取付け面(19)から前記取付け区分(11)の材料厚さ(X)により離間させられた第2の面(20)において、隆起部(21)により取り囲まれており、該隆起部(21)が、前記取付け区分(11)の前記第2の面(20)から横方向に突出している、
特性iii. 前記レール(9,10)のうちの少なくとも1つのレールが、前記長手方向(L)に対して法線方向の横断面で見たときに、平らな少なくとも1つの金属薄板から形成された形材(9a,10a)を有しており、該形材(9a,10a)の少なくとも1つの、特に2つの端面(29)が、先細り部(30)を備えて形成されており、
特性iv. 前記レール(9,10)のうちの少なくとも1つのレールが、前記長手方向(L)に対して法線方向の横断面で見たときに、互いに平行に延びる2つの長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)を備えた平らな少なくとも1つの金属薄板から形成された少なくとも1つの形材(9a,10a)を有しており、該形材(9a,10a)を補強するために、該形材(9a,10a)の、互いに実質的に直交して配置された少なくとも1つの側面(31)にわたって少なくとも所定の領域に延びる少なくとも1つの型押し加工部(13)が配置されており、前記側面(31)が、前記長手方向(L)に配置されており、前記少なくとも1つの型押し加工部(13)が、前記長手方向(L)に対して実質的に直交して配置されており、
特性v. 前記レール(9,10)のうちの少なくとも1つのレールが、前記長手方向(L)に対して法線方向の横断面で見たときに、互いに平行に延びる2つの長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)を備えた平らな少なくとも1つの金属薄板から形成された少なくとも1つの形材(9a,10a)を有しており、互いに実質的に直角方向に向けられかつ/または隣接した少なくとも2つの側面(31)に、好適には少なくとも所定の領域において配置されかつ/または少なくとも2つの側面(31)にわたって延びる少なくとも2つの型押し加工部(13)が設けられており、前記少なくとも2つの型押し加工部(13)が、前記少なくとも1つのレール(9,10)の内側領域(32)の方向および外側領域(33)の方向に交互に向けられており、特に前記少なくとも2つの型押し加工部(13)が、長手方向で互いに隣接している、
から選択された少なくとも1つの特性、好適には2つ以上の特性を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項7】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも前記特性i.を有しており、前記少なくとも1つの折返し部(16,17)が、
- 前記キャビネット側レール(9)の少なくとも1つの長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)に配置されており、前記折返し部(16,17)が、前記キャビネット側レール(9)の取付け時に前記家具キャビネット(2)に当付け可能である、かつ/または
- 前記少なくとも1つの長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)が、少なくとも所定の領域において互いに当て付けられている少なくとも2つの金属薄板区分(24a,24b)を有しており、好適には前記少なくとも2つの金属薄板区分(24a,24b)が、少なくとも1つの共通の打抜き部(25,26)を有している、かつ/または
-前記少なくとも1つの長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)において、前記長手方向(L)に対して法線方向の横断面で見たときに、長手方向(L)に延びる少なくとも1つの屈曲部(18)を有しており、好適には前記少なくとも1つの折返し部(16,17)が、前記キャビネット側レール(9)の少なくとも1つの長手方向縁部(15a,15b)に形成されている、請求項6記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項8】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも特性i.を有しており、前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)を有しており、該転動体(23a,23b,23c)が、少なくとも所定の区分において長手方向(L)で前記少なくとも1つの折返し部(16,17)に沿って走行可能である、請求項6または7記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項9】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも特性i.を有しており、前記少なくとも1つの引出し側レール(9)が、両方の長手方向縁部(14a,14b)において、少なくとも2倍の材料厚さ(2X)を有する少なくとも1つの折返し部(16,17)を有しており、前記両方の折返し部(16,17)が、互いに対して横方向に、好適には実質的に直角に方向付けされており、かつ/または前記両方の折返し部(16,17)のうちの一方の折返し部が内方に向けられており、前記両方の折返し部(16,17)の他方の折返し部が、外方に向けられている、請求項6から8までのいずれか1項記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項10】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも特性ii.を有しており、前記隆起部(21)が、
- 横断面で見て、実質的に円環状に形成されている、かつ/または
- 前記少なくとも1つの取付け区分(11)と一緒に一体的に形成されている、かつ/または
- 前記少なくとも1つの取付け区分(11)においてエンボス加工により製造されている、請求項6記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項11】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも特性iii.を有しており、前記先細り部(30)が、
- 60°~140°、好適には75°~105°の範囲、特に好適には実質的に90°の角度(34)を有しており、好適には、少なくとも1つの、好適には両方の端面(29)が、実質的にバリなしに形成されていることが規定されており、かつ/または
- 前記金属薄板の長手方向延在方向に対して平行な先細り部横断面(35)が、実質的に、好適には等脚である三角形の形状を有しており、好適には、前記先細り部横断面(35)が凸状および/または凹状に形成されていることが規定されている、請求項6記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項12】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも特性iv.および/または特性v.を有しており、少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)および/または滑動体を備えた少なくとも1つのキャリッジ(22)が前記引出し用引出しガイド(4)に配置されているかまたは配置可能であり、前記少なくとも1つの型押し加工部(13)は、該少なくとも1つの型押し加工部(13)を長手方向(L)で前記少なくとも1つのキャリッジ(22)および/または前記少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)および/または滑動体が接触なしに通過することができるように、前記少なくとも1つのキャビネット側レール(9)および/または少なくとも1つの引出し側レール(10)に配置されている、請求項6記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項13】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも前記特性iv.および/または前記特性v.を有しており、前記形材(9a,10a)の補強のために、まさに3つの型押し加工部(13)が、少なくとも所定の領域において、前記少なくとも1つのレール(9,10)の、実質的に直交して配置された少なくとも2つの側面(31)に配置されている、請求項6または12記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項14】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも前記特性iv.および/または前記特性v.を有しており、前記少なくとも2つの型押し加工部(13)が、同一の側面(31)に配置されている、または少なくとも2つの側面にわたって延びるように該2つの側面(31)に配置されている、かつ/または前記少なくとも2つの側面(31)に交互に配置されており、好適には、前記少なくとも2つの型押し加工部(13)が、前記少なくとも2つの側面(31)の移行領域において、前記内側領域および前記外側領域に対して相対的に交互に配置されていることが規定されている、請求項6、12または13記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項15】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも前記特性iv.および/または前記特性v.を有しており、少なくとも、好適には場合により群が存在する場合にはまさに2つの型押し加工部(13)が、前記少なくとも1つのレール(9,10)の前記内側領域(32)の方向に向けられており、1つの型押し加工部(13)が、前記少なくとも2つの型押し加工部(13)の間で中間に配置されていて、かつ引張耐性および/または圧縮耐性を高めるために前記少なくとも1つのレール(9,10)の前記外側領域の方向に向けられている、請求項6、12、13または14記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項16】
引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも前記特性iv.および/または前記特性v.を有しており、前記少なくとも1つの型押し加工部(13)が、前記少なくとも1つのレール(9,10)の前記長手方向(L)に対して相対的に直交する方向で、前記側面(31)の1/3~3/4の領域にわたって延びており、かつ/または前記側面(31)に隣接した側面(31)の1/3未満、好適には1/4未満の領域にわたって延びている、請求項6、12、13、14または15記載の引出し用引出しガイド(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具キャビネットに引出しを可動に支承するための引出し用引出しガイドであって、
- 家具キャビネットに取り付けるべきキャビネット側レールと、
- キャビネット側レールに対して相対的に長手方向に移動可能に支承された、引出しに結合すべき少なくとも1つの引出し側レールと、
- 場合により、キャビネット側レールと少なくとも1つの引出し側レールとの間に配置された、少なくとも1つの中間レールと
を含み、
- 引出し用引出しガイドが、自重および最大耐力を有している、引出し用引出しガイドに関する。
【0002】
引出し用引出しガイドのレールは、平らな金属薄板から製造されることが多く、この金属薄板は、次いで行われる曲げ加工および/または変形加工によって処理され、これによって形材レールが形成される。完成した形材によって、水平方向および鉛直方向で引出し用引出しガイドに加えられる負荷が受け止められ、これによって、引出し用引出しガイドに結合された引出しを安定的にガイドすることができる。
【0003】
一般的な問題は、引出し用引出しガイドを製造するために通常必要となる金属の所要量である。材料使用が増えることで、重量が増すと共に大量生産におけるコストが増大してしまう。したがって、金属をできるだけ少なく使用することが望まれている。なぜならば、原料を資源効率よく使用することによって、環境的な利点も経済的な利点ももたらされるからである。
【0004】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の引出し用引出しガイドを改良して、従来技術の上述の問題を少なくとも部分的に回避する引出し用引出しガイドを提供することである。
【0005】
この課題は、本発明によれば、請求項1に記載の特徴により解決される。本発明の別の有利な構成は、従属請求項に記載されている。
【0006】
本発明によれば、引出し用引出しガイドの自重の、引出し用引出しガイドの最大耐力に対する比は、1対50未満であり、好適には1対57未満であり、特に好適には1対65未満であることが規定されている。
【0007】
従来、家具金具産業の分野における当業者は、設定された最大耐力において規定された安定性を有する引出し用引出しガイドを実現するために、規定された材料使用量を必要とするということから出発している。本出願人の従来の引出し用引出しガイドは、例えば、1対40以上である、引出し用引出しガイドの最大耐力に対する、引出し用引出しガイドの自重の比を有している。ここで、より小さな比は、実現可能ではないと思われていた。
【0008】
本発明の範囲において、出願人の当業者は、驚くべきことに、この予想に反して、引出し用引出しガイドの構造において、全く別のレジームに進めることを見出した。
【0009】
これにより、材料使用量は著しく減じられ、例えば半減させられ、このことは、特に、家具金具産業において普及する個数が多いことに鑑みて、製造コストの著しい減少と同時に、著しい資源保護を伴う。
【0010】
引出し用引出しガイドの技術的な検査および評価は、少なくとも欧州地域において規格化されていることを指摘しておく。これに関連して、引出しおよびその構成要素の強度および耐久性が規定されているDIN EN 15338規格が示される。しかしこの規格は、引出し用引出しガイドの最大耐力に対する自重の比に関して記載していない。
【0011】
最大耐力は、任意の大きさではなく、当業者にとって規定されている。通常、最大耐力は、例えばエンボス加工によって引出し用引出しガイド上にも記されている。
【0012】
有利には、少なくとも1つの引出し側レールが、キャビネット側レールに対して相対的に引出し長さにわたって押し込まれた終端位置と引き出された終端位置との間で移動可能であり、少なくとも1つの引出し側レールが、引出しの前板に結合すべき前端部を有しており、少なくとも1つの引出し側レールの前端部が、引き出された終端位置において、最大耐力に相当する負荷が加えられた場合に、引出し長さの最大4%だけ降下可能である。
【0013】
本発明は、特に有利には、完全に押し込まれた状態において、200mm~650mmの長さを有しており、かつ/または125g~550gの自重を有しており、かつ/または15kg~35kgの最大耐力を有しており、かつ/または少なくとも大部分が鋼から製造されている引出し用引出しガイドのために適している。具体的な実施例によれば、引出し用引出しガイドは、25kgの最大耐力と、500mmの長さと、約350gの自重とを有していることが規定されていてよい。
【0014】
代替的または補足的には、キャビネット側レールと少なくとも1つの引出し側レールとの間に、少なくとも1つの転動体が配置されており、好適には、少なくとも1つの転動体が、回転軸線を中心にして回転可能に支承されており、特に好適には、回転軸線が、長手方向に対して横方向に方向付けされている、かつ/または特にプラスチックから成る少なくとも1つのキャリッジが設けられており、キャリッジ内に少なくとも1つの転動体が配置されている、かつ/または少なくとも1つの転動体が、実質的に円筒形に形成されている、かつ/または少なくとも1つの転動体が、少なくとも大部分、プラスチックから成っていることが規定されている。このような引出し用引出し側レールは、その構造形態において、例えば重荷重用引出しまたはボールベアリングガイドのような別の引出し用引出しレールとは著しく異なっている。
【0015】
引出し用引出しガイドが、少なくとも所定の区分において、0.5mm~1.0mmの材料厚さ、好適には0.7mmの材料厚さを有する平らな金属薄板から形成されていると有利であることが判った。したがって、比較可能な構造形態を有する従来の引出し用引出しガイドにおけるよりも著しく薄い金属薄板が使用される。
【0016】
特に有利には、引出し用引出しガイドの最大耐力に対する、引出し用引出しガイドの自重の、従来技術に比べて小さな比は、引出し用引出しガイドが、以下の特性群i.~v.から選択される少なくとも1つ、好適には2つ以上の特性を有していることによって実現することができる。
【0017】
特性i.:複数のレールのうちの少なくとも1つのレールが、長手方向に対して法線方向の横断面で見たときに、互いに平行に延びる2つの長手方向縁部を備えた平らな少なくとも1つの金属薄板から形成された少なくとも1つの形材を有しており、形材が、少なくとも1つの長手方向縁部において、好適には両方の長手方向縁部において、少なくとも2倍の材料厚さを有する少なくとも1つの折返し部を有している。
【0018】
特性ii.:キャビネット側レールが、取付け面を備えた少なくとも1つの取付け区分を有しており、取付け面が、家具キャビネットにおける引出し用引出しガイドの組付け時に、少なくとも所定の区分において家具キャビネットに当付け可能であり、少なくとも1つの取付け区分が、取付け手段、好適にはねじを通過させるための好適には円形の少なくとも1つの開口を有しており、少なくとも1つの開口は、取付け面から取付け区分の材料厚さにより離間させられた第2の面において、隆起部により取り囲まれており、隆起部が、取付け区分の第2の面から横方向に突出している。
【0019】
特性iii.:複数のレールのうちの少なくとも1つのレールは、長手方向に対して法線方向の横断面で見たときに、平らな少なくとも1つの金属薄板から形成された形材を有している、形材の少なくとも1つの端面、特に2つの端面が、先細り部を備えて形成されている。
【0020】
特性iv.:複数のレールのうちの少なくとも1つのレールは、長手方向に対して法線方向の横断面で見たときに、互いに平行に延びる2つの長手方向縁部を備えた平らな少なくとも1つの金属薄板から形成された少なくとも1つの形材を有しており、形材を補強するために、形材の、互いに実質的に直交して配置された少なくとも2つの側面にわたって少なくとも所定の領域的に延びる少なくとも1つの型押し加工部が配置されており、側面が、長手方向に配置されており、少なくとも1つの型押し加工部が、長手方向に実質的に直交して配置されている。
【0021】
特性v.:複数のレールのうちの少なくとも1つのレールは、長手方向に対して法線方向の横断面で見たときに、互いに平行に延びる2つの長手方向縁部を備えた平らな少なくとも1つの金属薄板から形成された少なくとも1つの形材を有しており、互いに実質的に直交方向に向けられかつ/または隣接した少なくとも2つの側面に、好適には少なくとも所定の領域において配置されかつ/または少なくとも2つの側面にわたって延びる少なくとも2つの型押し加工部が設けられており、これら少なくとも2つの型押し加工部は、少なくとも1つのレールの内側領域の方向および外側領域の方向に交互に向けられており、特に、少なくとも2つの型押し加工部が長手方向で互いに隣接している。
【0022】
特性i.は、以下の技術的な利点に結び付いている:
- 一方では、金属薄板の簡単な曲げ方法が可能であり、他方では、折返し部の領域における形材の剛性を高めることができ、
- この折返し部によって、丸み付けされた縁部が生じ、この縁部は、さもなければ鋭利である長手方向縁部による怪我のリスクを減じ、
- 引出し用引出しガイドの製造のためには、通常よりも薄い金属薄板(つまり、例えば1.5mmの厚さを有する金属薄板の代わりに、0.7mmの厚さを有する金属薄板)を使用することができ、
- 少なくとも1つの折返し部によって、キャビネット側レールおよび/または引出し側レールおよび/または中間レールの、高い負荷が加えられる領域の剛性を高めることができ、高い負荷が加えられる領域には、特に、転動体(特にキャリッジの転動体)が転動可能である、キャビネット側レールおよび/または引出し側レールおよび/または中間レールの軌道が挙げられ、
- 0.7mmの厚さを有する比較的薄い金属薄板が使用されるという例示的な仮定では、高い負荷を加えられた領域は、折返し部によって1.4mmの厚さになる。耐力性の軌道により、転動体をレールに沿って最適にガイドすることができる。これに対して、レールの、大きな負荷に晒されていない残りの領域は、一重の、低減された材料厚さ(すなわち0.7mmの厚さ)で構成することができる。この措置によって、引出し用引出しガイドを製造するための材料使用量、重量、およびコストを著しく減じることができる。
【0023】
特性i.に関して、少なくとも1つの折返し部が、キャビネット側レールの少なくとも1つの長手方向縁部に配置されており、折返し部が、キャビネット側レールの取付け時に家具キャビネットに当付け可能である、かつ/または少なくとも1つの長手方向縁部に、少なくとも所定の領域において互いに当て付けられている少なくとも2つの金属薄板区分を有しており、好適には、少なくとも2つの金属薄板区分が、少なくとも1つの共通の打抜き部を有している、かつ/または少なくとも1つの長手方向縁部において、長手方向に対して法線方向の横断面で見たときに、長手方向に延びる少なくとも1つの屈曲部を有しており、好適には少なくとも1つの折返し部が、キャビネット側レールの少なくとも1つの長手方向縁部に形成されていると有利であることが判った。
【0024】
代替的にまたは補足的には、引出し用引出しガイドが、少なくとも1つの転動体を有しており、転動体が、少なくとも所定の区分において長手方向で少なくとも1つの折返し部に沿って走行可能であることが規定されていてよい。
【0025】
さらに、特性i.に関して、少なくとも1つの引出し側レールが、両方の長手方向縁部において、少なくとも2倍の材料厚さを有する少なくとも1つの折返し部を有しており、両方の折返し部は、互いに対して横方向に、好適には実質的に直角に方向付けされており、かつ/または両方の折返し部のうちの一方の折返し部が、内方に向けられていて、かつ両方の折返し部のうちの他方の折返し部が、外方に向けられていると有利であり得る。
【0026】
特性ii.は、以下の技術的な利点に結び付いている:
- 開口は、取付け区分の、ねじ頭に向けられた側で、好適には環状の隆起部により取り囲まれており、この隆起部は、ねじ頭を少なくとも部分的に収容するために設けられている。したがって、ねじ頭は、隆起部内に少なくとも部分的に、好適には実質的に完全に沈込み可能であり、
- 隆起部によって、開口の周縁部が補強され、すなわち、ねじ頭の下面から来る力を、比較的大きな面に分配することができる。隆起部によって、取付け区分の薄肉の金属内へのねじ頭の沈下を減じることができる。したがって、開口の周縁部が損傷するおそれをこれによって減じることができ、
- 隆起部は、例えばエンボス加工の形態で製造され、これにより、取付け区分の取付け面には、対応する凹部が生じ、この凹部内に、家具部分から突出する緊締材料が少なくとも部分的に収容可能である。これによって、緊締材料が取付け区分の取付け面と家具部分との間に侵入し、これにより家具部分からの取付け区分の不所望の離間を招くおそれも減じられる。
【0027】
特性ii.に関して、隆起部が、横断面で見たときに、実質的に円環状(torusfoermig)に形成されている、かつ/または少なくとも1つの取付け区分と一緒に一体的に形成されている、かつ/または少なくとも1つの取付け区分においてエンボス加工より製造されていると有利であることが判った。
【0028】
特性iii.は、以下の技術的な利点に結び付いている:
- 先細り部を、切削式の分離法に依存する切断幅を伴う切削式の分離法なしに、例えば機械的な破断、屈曲および/または部分によって形成することができ、これによって切り屑の形態の材料を削減することができ、かつ/または引出し用引出しガイドを製造するために長さを縮めるプロセスの途中の変形の程度を減じることができ、
- 引出し用引出しガイドの設置時または保守作業時に引出し用引出しガイドのユーザおよび/または取付け工にとって特にバリに基づく怪我のリスクが減じられ、切削式の後加工ステップも必ずしも必要ではない。
【0029】
特性iii.に関して、先細り部が、60°~140°、好適には75°~105°の範囲、特に好適には実質的に90°の角度を有していると有利であることが判った。好適には、少なくとも1つの端面、好適には両方の端面が、実質的にバリなしに形成されていることが規定されており、かつ/または金属薄板の長手方向延在方向に対して平行な先細り部横断面が、実質的に、好適には等脚である三角形の形状を有しており、好適には、先細り部横断面が、凸状にかつ/または凹状に形成されていることが規定されている。
【0030】
例えば、金属薄板における少なくとも1つのノッチのために同一または互いに異なる深さおよび/または幾何学形状を考慮することができ、ノッチは、引出し用引出しガイドにおいて先細り部として顕現しており、先細り部の幾何学形状は、ノッチの幾何学形状を介してフレキシブルに調節することができる。先細り部は、引きちぎりおよび/または折り取りための定義された目標破断個所として作用することができる。
【0031】
特性iv.およびv.は、以下の技術的な利点に結び付いている:
- 引出し用引出しガイドは、局所的な強度/安定性の上昇を介して補強され、特に抵抗モーメントおよび/または慣性モーメントが増大され、かつ/または振動を減じると共に、圧縮、引張、ねじれ、曲げ等によって生じる変形が減じられる、
- 長手方向の少なくとも1つの型押し加工部の位置決めは、引出し用引出しガイドに対する要求にフレキシブルに適合させることができ、これによって、構造的な構成により特に高い負荷が加えられる引出し用引出しガイドの領域は、少なくとも1つの型押し加工部を介して、特に高い安定性もしくは強度も備えている、
- 引出し用引出しガイドの可能な重量減少の程度は、引出し用引出しガイドと機械的に相互作用する、引出し用引出しガイドにより運動させるべき家具部分の、重量削減に伴う重量等級低下(または重量減少)の程度よりも高い。引出し用引出しガイドによって運動されるべき家具部分の所与の重量等級(または重量)のまま、引出し用引出しガイドを形成するための金属薄板の肉厚を低減させることによる材料節減を利用することができ、かつ/または従来の引出し用引出しガイドに比べてより重い家具部分を、特に同じ耐用期期間で、適切に使用しながら運動させることができる、
- 高い負荷が加えられる引出し用引出しガイドの領域における、引出し用引出しガイドを形成するための曲げプロセス中および/またはレールの使用中の力分布に特に有利な影響を与えることができ、特に、引出し用引出しガイドの幾何学形状精度を高い程度で保証することができる、
- (型押し加工部を隣接する側面に対して相対的に、かつ/または内側領域/外側領域に対して相対的に)交互に配置した場合に、平らな金属薄板から引出し用引出しガイドの形材形状への曲げプロセスを促進することができ、これによって、幾何学形状の特に高い精度を伴う形材を製造することができる。この幾何学形状は、引出し用引出しガイドの使用期間にわたって維持することができる、
- 形材の側面間の角度が負荷を加えられて不都合に増大させられる、引出し用引出しガイドの長手方向に対して横方向の裂開および/または特に長手方向で、引出し用引出しガイドの機能性を損なう変形に効果的に対抗し、この技術的な効果を実現するための付加的な構成要素は不要である。
【0032】
型押し加工は、この文脈では、金属薄板または形材内に押し込まれる、冷間硬化部としての塑性変形部の意味で、ビード状膨出部または補強膨出部と呼ばれることもあり、これによって、安定性または強度の向上が、特に、抵抗モーメントおよび/または慣性モーメントの増大および/または振動の低減ならびに圧力、引張、ねじれ、曲げ等によって形成される変形の低減によって得られる。
【0033】
特性iv.およびv.に関して、少なくとも1つの転動体および/または滑動体を備えた少なくとも1つのキャリッジが引出し用引出しガイドに配置されているかまたは配置可能であり、少なくとも1つの型押し加工部は、この少なくとも1つの型押し加工部を長手方向で少なくとも1つのキャリッジおよび/または少なくとも1つの転動体および/または滑動体が接触なしに通過することができるように、少なくとも1つのキャビネット側レールおよび/または少なくとも1つの引出し側レールに配置されていると有利であることが判った。
【0034】
これによって、引出し用引出しガイドのユーザにやさしいガイドを保証することができ、少なくとも1つのキャリッジの運動は、少なくとも1つの型押し加工部によって損なわれることはない。
【0035】
代替的にまたは補足的には、形材を補強するために、まさに3つの型押し加工部が、少なくとも所定の領域において、少なくとも1つのレールの、実質的に直交して配置された少なくとも2つの側面に配置されていることが規定されていてよい。
【0036】
従来技術では、レールの運転中に著しい動作損失および/または耐用時間の損失を伴う小さな材料厚さが生じる。隣接した側面に対して相対的に、かつ/または少なくとも1つのレール、特に引出し側レール、キャビネット側レールおよび/または中間レールの内側領域および外側領域に対して相対的に交互する3つの型押し加工部により、高い負荷に耐える、もしくは運動可能な重い家具部分を伴うレールでも小さな材料厚さを使用することができる。
【0037】
少なくとも2つの型押し加工部が、同一の側面に配置されている、または少なくとも2つの側面にわたって延びているようにこれら2つの側面に配置されている、かつ/または少なくとも2つの側面に交互に配置されていると有利であることが判った。好適には、少なくとも2つの型押し加工部が、少なくとも2つの側面の移行領域において、内側領域および外側領域に対して相対的に交互に配置されていることが規定されている。
【0038】
例えば1つの側面に、内側領域と外側領域とに交互に方向付けられている型押し加工部が配置されていてよい。代替的または補足的には、型押し加工部のうちの1つが、2つの側面にわたって延びていて、かつ/または側面に対して相対的に型押し加工部の交互の配置が設けられていてよく、相並んで配置された2つの型押し加工部は、互いに実質的に直交するように配向されている。
【0039】
1つの実施例によれば、少なくとも、好適には場合により群が存在する場合にはまさに2つの型押し加工部が、少なくとも1つのレールの内側領域の方向に向けられており、1つの型押し加工部が、少なくとも2つの型押し加工部の間の中間に配置されていて、かつ引張耐力/圧縮耐力を高めるために、少なくとも1つのレールの外側領域の方向に向けられていることが特定されていてよい。
【0040】
型押し加工部の個数の増加により、レールの引張/圧縮および負荷耐性が漸増的に高められ、レールは、交互の型押し加工部によって、かつ特に2つの型押し加工部の間の中間で逆方向に(内側領域または外側領域)に向けられた型押し加工部によって、塑性変形および/または不適切な弾性変形なしに、特に高い力に耐えることができる。さらに、少なくとも1つの型押し加工部は、引出し用引出しガイドの組付け時に支持部として働くことができる。
【0041】
最後に、特性iv.およびv.に関して、少なくとも1つの型押し加工部が、少なくとも1つのレールの長手方向に対して相対的に直交する方向で、側面の1/3~3/4の範囲にわたって延びており、かつ/またはこの側面に隣接した側面の1/3未満、好適には1/4未満の範囲にわたって延びていることが考えられる。
【0042】
概して、少なくとも1つの型押し加工部は、長手方向に対して直交する方向で側面全体にわたって延びていてよく、自由な長手方向縁部に加えられる負荷が少ないことに基づいて、このような構造的な構成は概して不要である。特に型押し加工部が側面に関して交互に配置されている場合、両方の側面は型押し加工部により強化されているので、側面に関する個別の型押し加工部の延在長さを減じることができる。これにより、審美的な外観を向上させることができ、かつ/または製造手間を減じることができる。少なくとも1つの型押し加工部は、側面の移行領域において終端しているか、または移行領域を越えて延びていてよい。
【0043】
本発明の更なる詳細および利点は、以下の図面の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1b】引き出された引出しを備えた家具を示す側面図である。
【
図3a】キャリッジなしに引出し用引出しガイドを示す横断面図である。
【
図3b】キャリッジと一緒に引出し用引出しガイドを示す横断面図である。
【
図4a】引出し用引出しガイドのキャビネット側レールを第1の視線方向から示す斜視図である。
【
図4b】引出し用引出しガイドのキャビネット側レールを示す横断面図である。
【
図5a】引出し用引出しガイドのキャビネット側レールを、第2の視線方向から見た斜視図である。
【
図5b】引出し用引出しガイドのキャビネット側レールを前側から示す側面図である。
【
図5c】引出し用引出しガイドのキャビネット側レールを後側から示す側面図である。
【
図6a】引出し用引出しガイドの引出し側レールを示す斜視図である。
【
図6b】引出し用引出しガイドの引出し側レールを前側から示す側面図である。
【
図7a】引出し用引出しガイドのレールの形材を製造する方法を示す図である。
【
図7b】引出し用引出しガイドのレールの形材を製造する方法を示す図である。
【
図7c】引出し用引出しガイドのレールの形材を製造する方法を示す図である。
【0045】
図1aは、家具キャビネット2を備えた家具1の斜視図を示しており、引出し3は、引出し用引出しガイド4を介して家具キャビネット2に対して相対的に走行可能に支承されている。見易さの理由から、一番上側の引出し3は図示されていない。引出し3は、それぞれ1つの前板5と、引出し底面6と、引出し側壁7と、背壁8とを有している。
【0046】
引出し用引出しガイド4は、キャビネット側レール9を含んでおり、キャビネット側レール9は、取付け区分11を介して家具キャビネット2に取り付けることができる。さらに、少なくとも1つの引出し側レール10が設けられている。引出し側レール10は、引出し3に結合することができ、かつ定置のキャビネット側レール9に対して相対的に走行可能に支承されている。
【0047】
場合によっては、引出し用引出しガイド4は、中間レールを有していてもよく、中間レールは、キャビネット側レール9と引出し側レール10との間で走行可能であり、この中間レールによって、家具キャビネット2に関して引出し3の完全な引出しが可能である。
【0048】
引出し側壁7は、それぞれ1つの中空室形材7aを有していてよく、この中空室形材7aは、引出し用引出しガイド4の少なくとも1つの引出し側レール10に結合されているかまたは結合可能である。
【0049】
図1bには、引き出された引出し3を備えた家具1が側面図で示されている。引出し3が支承されている、引出し用引出しガイド4の少なくとも1つの引出し側レール10は、キャビネット側レール9に対して相対的に、引出し長さ(n)にわたって、押し込まれた終端位置と引き出された終端位置との間で移動可能である。
【0050】
少なくとも1つの引出し側レール10は、引出し3の前板5に結合された前端部を有していて、少なくとも1つの引出し側レール10の前端部は、引き出された終端位置において、最大耐力に相当する負荷が加えられた場合に、引出し長さの最大4%だけ降下可能である。前端部の降下は、矢印で示唆されている。
【0051】
図2は、引出し用引出しガイド4を斜視図で示しており、家具キャビネット2に取り付けるべきキャビネット側レール9と、長手方向(L)に走行可能な引出し側レール10とが示されている。キャビネット側レール9は、取付け区分11を介して家具キャビネット2に取り付けることができる。
【0052】
取付け区分11は、取付け面19を有しており、この取付け面19は、家具キャビネット2における引出し用引出しガイド4の組付け時に少なくとも部分的に家具キャビネット2に当付け可能である。
【0053】
取付け区分11は、取付け手段28、特にねじ28aを通過させるための、好適には円形の少なくとも1つの開口12を有していてよく、このねじ28aにより取付け区分11を家具キャビネット2aに取り付けることができる。
【0054】
少なくとも1つの開口12は、取付け面19とは反対側の第2の面20において、好適には隆起部21により取り囲まれており、この隆起部21は、取付け区分11の第2の面20から横方向に突出している。
【0055】
この隆起部21によって、ねじ28aのねじ頭が少なくとも部分的に収容可能である。さらに、開口12の周縁部が、隆起部21により補強され、開口12の周縁部が損傷するおそれが減じられる。
【0056】
取付け区分11および/またはキャビネット側レール9および/または引出し側レール10はそれぞれ少なくとも1つの型押し加工部13(ビード状膨出部または補強膨出部とも呼ばれる)を有していてよい。ねじ28aを通過させるための少なくとも1つの開口12は、2つの型押し加工部13の間に配置されていてよく、これによりこの領域における抵抗モーメントを高めることができる。
【0057】
図3a、
図3bは、キャリッジ22なしに、またはキャリッジ22と一緒に引出し用引出しガイド4の横断面を示しており、
図3aは、引出し用引出しガイド4を長手方向(L)に対して法線方向の横断面で示している。家具キャビネット2に取り付けることができるキャビネット側レール9と、キャビネット側レール9に対して相対的に走行可能な引出し側レール10とを確認することができる。
【0058】
キャビネット側レール9の取付け区分11は、取付け面19を有しており、この取付け面19は、家具キャビネット2におけるキャビネット側レール9の取付け時に、少なくとも部分的に家具キャビネット2に当付け可能である。
【0059】
キャビネット側レール9および/または引出し側レール10は、2つの長手方向縁部14a,14b(引出し側レール10)および長手方向縁部15a,15b(キャビネット側レール9)を備えた平らな金属薄板から形材9a,10aへと曲げ加工されている。平らな金属薄板は、所定の材料厚さ(X)を有している。
【0060】
形材9a,10aを形成する平らな金属薄板は、例えば0.5mm~1.0mmの材料厚さ(X)、好適には0.7mmの材料厚さ(X)を有していてよい。
【0061】
キャビネット側レール9の形材9aおよび/または引出し側レール10の形材10aは、少なくとも1つの長手方向縁部14a,14b,15a,15bにおいて、好適には両長手方向縁部14a,14b,15a,15bにおいて、少なくとも2倍の材料厚さ(2X)を有する少なくとも1つの折返し部16,17を有している。好適には、少なくとも1つの折返し部16,17は、まさに2倍の材料厚さ(2X)を有している。
【0062】
しかし合目的である場合、折返し部16,17を3回または複数回折り畳むこともでき、これによって、3倍または複数倍の材料厚さ(X)が生じる。
【0063】
少なくとも1つの折返し部16,17は、キャビネット側レール9の長手方向縁部15bに配置されていてよく、この折返し部16,17は、キャビネット側レール9の取付け時に家具キャビネット2に当付け可能である。
【0064】
或る実施例によれば、少なくとも1つの折返し部16,17は、少なくとも1つの長手方向縁部14a,14b,15a,15bにおいて、少なくとも部分的に互いに当て付ける少なくとも2つの金属薄板区分24a,24bを有していることが規定されていてよい。
【0065】
少なくとも1つの引出し側レール10は、両方の長手方向縁部14a,14bにおいて、少なくとも2倍の材料厚さ(2X)を備えた少なくとも1つの折返し部16,17を有していてよく、両折返し部16,17は、互いに対して横方向に、好適には実質的に直角に方向付けされている、かつ/または両折返し部16,17のうちの1つの折返し部が内側に向けられており、かつ両折返し部16,17のうちの他方の折返し部が外側に向けられている。
【0066】
少なくとも1つの折返し部16,17は、少なくとも1つの長手方向縁部14a,14b,15a,15bにおいて、長手方向(L)に対して法線方向の横断面で見て、長手方向(L)に延びる少なくとも1つの屈曲部18を有しており、好適には、少なくとも1つの折返し部16,17が、キャビネット側レール9の少なくとも1つの長手方向縁部15aに形成されている。
【0067】
少なくとも1つの取付け区分11は、取付け手段28(
図2)、好適にはねじ28aを通過させるための好適には円形の少なくとも1つの開口12を有していてよい。
【0068】
或る実施例によれば、少なくとも1つの開口12は、取付け面19から取付け区分11の材料厚さ(X)により離間させられた第2の面20において、第2の面20から横方向に突出する隆起部21によって取り囲まれていてよい。
【0069】
開口12を取り囲む隆起部21によって、開口12の領域における取付け区分11の剛性を著しく改善することができ、このことは、特に、薄い材料厚さ(X)を有する金属薄板の使用時に有利である。
【0070】
少なくとも1つの型押し加工部13は、キャビネット側レール9の長手方向(L)に対して横方向に延びる長手方向を有していてよい。少なくとも1つの型押し加工部13または複数の型押し加工部13は、取付け区分11の鉛直方向脚部および/または取付け区分11の横方向脚部に配置されていてよい。
【0071】
図3bは、
図3aに示した引出し用引出しガイド4を、装填された転動体23a,23b,23cと一緒に横断面で示している。
【0072】
好適には、転動体23a,23b,23cは1つの共通のキャリッジ22内に支承されていることが規定されており、キャリッジ22は、キャビネット側レール9と少なくとも1つの引出し側レール10との間に走行可能に支承されている。
【0073】
可能な実施例によれば、少なくとも1つの転動体23aが、組付け位置において、円筒形の形状を有しており、これにより、水平方向の軸線を中心として回転可能であり、かつ引出し側レール10の折返し部16に沿って走行可能であることが規定されていてよい。
【0074】
少なくとも1つの別の転動体23aは、組付け位置において、水平方向の軸線を中心として回転可能であり、かつキャビネット側レール9の折返し部17に沿って走行可能である。
【0075】
少なくとも1つの別の転動体23cは、組付け位置において、鉛直方向の軸線を中心として回転可能であり、かつ2倍の肉厚(2X)を有するキャビネット側レール9の区分に沿って走行可能である。
【0076】
転動体23a,23b,23cを備えたキャリッジ22(転動体は代替的または補足的に滑動体として形成されていてもよい)は、引出し用引出しガイド4に配置されており、型押し加工部13は、この型押し加工部13を長手方向Lでキャリッジ22と転動体23a,23b,23cが接触なしに通過することができるように、キャビネット側レール9および引出し側レール10に配置されている。
【0077】
図4a、
図4bは、引出し用引出しガイド4のキャビネット側レール9を、第1の視線角度から見た斜視図および横断面図で示している。
【0078】
図4aは、キャビネット側レール9の形材9aを斜視図で示している。キャビネット側レール9を取り付けるための取付け区分11は、家具キャビネット2に当て付けるための取付け面19を有している。取付け区分11には、取付け手段28、特にねじ28aを通過させるための少なくとも1つの開口12が配置されており、このねじ28aにより、キャビネット側レール9を、家具キャビネット2に取り付けることができる。
【0079】
少なくとも1つの開口12は、取付け面19から材料厚さ(X)により離間させられた第2の面20において、取付け区分11の第2の面20から横方向に突出する隆起部21によって取り囲まれている。家具キャビネット2に取付け区分11を取り付けるためのねじ28aのねじ頭は、組み付けられた状態で少なくとも部分的に、好適には実質的に完全に、環状の隆起部21の内側に収容されている。
【0080】
折返し部16,17の互いに当接している金属薄板区分24a,24bは、少なくとも1つの共通の打抜き部25,26によって互いに接続されている。このようにして、折返し部16,17を付加的に安定化させることができる。
【0081】
或る実施例では、長手方向(L)で互いに離間させられた2つの打抜き部25,26が設けられている。
【0082】
好適な実施形態によれば、
- 少なくとも1つの打抜き部25,26が、キャビネット側レール9の形材9aおよび/または少なくとも1つの引出し側レール10の形材10aの端部に配置されている、かつ/または
- 少なくとも2つの共通の打抜き部25,26が設けられており、好適には、少なくとも2つの打抜き部25,26が互いに鏡面対称的に形成されている、かつ/または
- 少なくとも1つの走行キャリッジ22(
図3b)が設けられており、少なくとも1つの打抜き部25,26が、少なくとも1つの走行キャリッジ22の走行距離を制限するためのストッパを形成する、かつ/または
- 少なくとも1つの打抜き部25,26が、屈曲された舌片として形成されている
ことが規定されている。
【0083】
つまり、少なくとも1つの打抜き部25,26は、二重機能を引き受けることができる。一方では、打抜き部25,26は、折返し部16,17の互いに当接する金属薄板区分24a,24bを安定化するために働く。
【0084】
他方では、側方に突出する打抜き加工部25,26は、走行キャリッジ22の走行経路を長手方向(L)で制限するために設けられている。キャリッジ11は、打抜き加工部25,26によって確定された終端位置を得て、かつ結果としてキャビネット側レール9および/または少なくとも1つの引出し側レール10の端部を越えて走行することはできない。
【0085】
図4bは、
図4aに示した引出し用引出しガイド4を横断面で示している。取付け区分11の取付け面19に、かつ少なくとも1つの開口12に隣接して、発生した切削材料を部分的に収容するための少なくとも1つの凹部27が配置されている。これにより、取付け区分11をねじ締結する場合に、家具部分2から取付け区分11が不都合に持ち上がってしまうことを阻止することができる。
【0086】
図5a、
図5b、
図5cは、引出し用引出しガイド4のキャビネット側レール9を、第2の視線角度から見た斜視図と、正面から見た側面図および背面から見た側面図で示している。
【0087】
図5aは、それぞれ3つの型押し加工部13の2つの群を備えたキャビネット側レール9を示しており、これらの型押し加工部13は、それぞれキャビネット側レール9の縁部領域において互いに空間的に離間して位置している。キャビネット側レール9は、長手方向Lに対して法線方向の横断面で見て、互いに平行に延びる2つの長手方向縁部15a,15bを備えた平らな金属薄板から形成された形材9aを有しており、群ごとに、互いに直交するように方向付けられ、かつ隣接した2つの側面31に配置された3つの型押し加工部13が設けられており、型押し加工部13は、交互にキャビネット側レール9の内側領域32の方向と外側領域33の方向とに向けられている。群の型押し加工部13は、長手方向Lで互いに隣接している。
【0088】
群に外側に位置する型押し加工部13は、それぞれ側面31の1/3~3/4に延びていて、隣接する側面31の移行領域において終端しており、この場合、中間に配置された型押し加工部13は、側面31全体にわたって延びていて、移行領域で終端している。移行領域を越える型押し加工部13の延在も同様に可能である。
【0089】
打抜き部13は、長手方向縁部15a,15bの方向で先細りする横断面を有している。3つの型押し加工面は互いにピラミッド状に突き合わされて配向されている。なぜならば、概して側面31の移行部の領域において、長手方向縁部15a,15bの領域よりも大きな負荷が生じるからである。
【0090】
図5bおよび
図5cは、専ら
図5aとは異なる視線角度によって異なっており、キャビネット側レール9を、背面および前面から確認することができる。群ごとに、形材9aを補強するためのまさに3つの型押し加工部13が、キャビネット側レール9の、互いに直交して配置された2つの側面31に部分的に配置されている。
【0091】
群ごとに2つの型押し加工部13が、同一の側面31に配置されていて、隣接する2つの側面31の移行領域において終端している。型押し加工部は、隣接する2つの側面31に交互に配置されており、それぞれの群の3つの型押し加工部13は、2つの側面31の移行領域において、内側領域32と外側領域33とに対して相対的に交互に配置されている。群のうちの3つの型押し加工部13は、内側領域32と外側領域33とに交互に向けられており、2つの型押し加工部13は、キャビネット側レール10の内側領域32の方向に向けられていて、1つの型押し加工部13は、2つの型押し加工部13の間で中間に配置されていて、かつ引張/圧縮耐力を高めるためにキャビネット側レール9の外側領域33の方向に向けられている。
【0092】
図5cでは、型押し加工部13が、キャビネット側レール9の形材9aにおける段部を越えて延びていることが確認可能である。
【0093】
図6a、
図6bは、引出し用引出しガイド4の引出し側レール10を、斜視図および側面図で示している。
【0094】
図6aは、引出し側レール10を示しており、この引出し側レール10は、長手方向Lに対して法線方向の横断面で見て、互いに対して平行に延びる2つの長手方向縁部14a,14bを備えた平らな金属薄板から形成された形材10aを有しており、形材10aを補強するために、形材10aの、互いに直交して配置された2つの側面31にわたって延びる型押し加工部13が配置されている。側面31は、長手方向Lに配置されており、かつ型押し加工部13は、長手方向Lに対して直交して配置されている。引出し側レールの型押し加工部13は、互いに直交して配置された3つの型押し面を有している。
【0095】
図6bは、引出し側レール10を側方から見た図で示している。型押し加工部13が、引出し側レール10の長手方向Lに対して相対的に直交する方向で、隣接する2つの側面31にわたって延びており、打抜き部が引出し側レール10に設けられている。この打抜き部は、内側領域32に向いていて、走行キャリッジ22のためのストッパとして働く。打抜き部は、引出し側レール10の、隣接する2つの側面31に材料結合式に結合されており、これらの側面31のうちの一方の側面は、型押し加工部13を有していて、他方の側面31が、折返し部16を有している。型押し加工部13は、2つの側面31にわたって、所属の側面31の移行領域の直前にまで延びている。型押し加工部13は、外側領域33の方向に向いている。
【0096】
図7a、
図7b、
図7cは、引出し用引出しガイド4のレールの形材9a,10aを製造する方法が示されている。
【0097】
図7aは、引出し用引出しガイド4の引出し側レール10を示しており、引出し側レール10は、長手方向Lに対して法線方向の横断面で見ると、平らな金属薄板から形成された形材10aを有している。形材10aの両端面29のうちの一方の端面は、半製品の機械的な折取りに基づき生ぜしめられた先細り部30を有しており、概して両端面29は、先細り部30を有していてよい。
【0098】
先細り部30を形成するために、平らな金属薄板に2つのノッチ36が加工された。両ノッチ36は、金属薄板の、長手方向Lに直交するように方向付けられた幅にわたって延びていて、金属薄板の両表面に配置されている。ノッチ36の横断面は、概して任意であり、金属薄板の横断面の概略的な詳細部分図におけるように、例えば三角形または楕円区分を有していてよい。多数のノッチ36の幾何学形状および深さも概して変化可能であり、特に好適には4つのノッチ36が使用され、これによって終端面30ごとにそれぞれ1つの先細り部30を備えた引出し側レール10、キャビネット側レール9または中間レールを非切削の機械的な分離によって形成することができる。
【0099】
図7bでは、台形の横断面を有する2つのノッチ36を備えた金属薄板が確認可能であり、このノッチ36は、引出し側レール10の所定長さへの切断工程後に、2つの先細り部30(引出し側レール10ごとにそれぞれ1つの先細り部)を形成する。しかし概して、金属薄板の表面に設けられたノッチ36しか使用することができない。有利には、ノッチ36は曲げ工程前に設けられるが、これは必須ではない。
【0100】
図7cは、型押しパンチ37と型押しローラ38とを介してノッチ36を加工するための型押し過程を示しており、特に好適には2つの型押しロールまたは2つの型押しパンチ37が設けられている。金属薄板の材料厚さXは、局所的に小さくされるので、形成すべきレールにおいて、バリのない端面29を備えた、90°の角度34を有する先細り部30が生じる。
【0101】
金属薄板の長手方向延在方向に対して平行な先細り部の横断面35は、等脚三角形の形状を有している。ノッチ36に応じて、先細り部の横断面35における別の幾何学形状も可能であり、例えば片側のノッチ36では直角三角形が可能である。先細り部30は、製造に起因する先細り隆起部を有していてよく、凹状または凸状に構成されていてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具キャビネット(2)に引出し(3)を可動に支承するための引出し用引出しガイド(4)であって、
- 前記家具キャビネット(2)に取り付けるべきキャビネット側レール(9)と、
- 前記キャビネット側レール(9)に対して相対的に長手方向(L)で移動可能に支承された、前記引出し(3)に結合すべき少なくとも1つの引出し側レール(10)と、
場合により、前記キャビネット側レール(9)と前記少なくとも1つの引出し側レール(10)との間に配置された、少なくとも1つの中間レールと
を含み、
-前記引出し用引出しガイド(4)が、自重および最大耐力を有している、引出し用引出しガイド(4)において、
前記引出し用引出しガイド(4)の自重の、前記引出し用引出しガイド(4)の前記最大耐力に対する比が、1対50未満であり、好適には1対57未満であり、特に好適には1対65未満であることを特徴とする、引出し用引出しガイド(4)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの引出し側レール(10)が、前記キャビネット側レール(9)に対して相対的に引出し長さ(n)にわたって押し込まれた終端位置と引き出された終端位置との間で移動可能であり、前記少なくとも1つの引出し側レール(10)が、前記引出し(3)の前板(5)に結合すべき前端部を有しており、前記少なくとも1つの引出し側レール(10)の前記前端部が、前記引き出された終端位置において、前記最大耐力に相当する負荷が加えられた場合に、前記引出し長さ(n)の最大4%だけ降下可能である、請求項1記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項3】
前記引出し用引出しガイド(4)は、
- 完全に押し込まれた状態において、200mm~650mmの長さを有しており、かつ/または
- 125g~550gの自重を有しており、かつ/または
- 15kg~35kgの最大耐力を有しており、かつ/または
- 少なくとも大部分が鋼から製造されている、請求項1または2記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項4】
前記キャビネット側レール(9)と前記少なくとも1つの引出し側レール(10)との間に、少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)が配置されており、好適には、
- 前記少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)が、回転軸線を中心として回転可能に支承されており、特に好適には前記回転軸線が、前記長手方向(L)に対して横方向に方向付けされている、かつ/または
- 少なくとも1つのキャリッジ(22)が設けられており、該キャリッジ(22)内に、前記少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)が配置されている、かつ/または
- 前記少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)が、実質的に円筒形に形成されている、かつ/または
- 前記少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)が、少なくとも大部分、プラスチックから成っている、請求項1
または2記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項5】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも所定の区分において、0.5mm~1.0mmの材料厚さ(X)、好適には0.7mmの材料厚さ(X)を有する平らな金属薄板から形成されている、請求項1
または2記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項6】
前記引出し用引出しガイド(4)が、以下の特性i.~v.の群、すなわち、
特性i. 前記レール(9,10)のうちの少なくとも1つのレールが、前記長手方向(L)に対して法線方向の横断面で見たときに、互いに平行に延びる2つの長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)を備えた平らな少なくとも1つの金属薄板から形成された少なくとも1つの形材(9a,10a)を有しており、該形材(9a,10a)が、少なくとも1つの長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)において、好適には両方の長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)において、少なくとも2倍の材料厚さ(2X)を有する少なくとも1つの折返し部を有している、
特性ii. 前記キャビネット側レール(9)が、取付け面(19)を備えた少なくとも1つの取付け区分(11)を有しており、前記取付け面(19)が、前記家具キャビネット(2)における前記引出し用引出しガイド(4)の組付け時に、少なくとも所定の区分において前記家具キャビネット(2)に当付け可能であり、前記少なくとも1つの取付け区分(11)が、取付け手段、好適にはねじを通過させるための好適には円形の少なくとも1つの開口(12)を有しており、前記少なくとも1つの開口(
12)は、前記取付け面(19)から前記取付け区分(11)の材料厚さ(X)により離間させられた第2の面(20)において、隆起部(21)により取り囲まれており、該隆起部(21)が、前記取付け区分(11)の前記第2の面(20)から横方向に突出している、
特性iii. 前記レール(9,10)のうちの少なくとも1つのレールが、前記長手方向(L)に対して法線方向の横断面で見たときに、平らな少なくとも1つの金属薄板から形成された形材(9a,10a)を有しており、該形材(9a,10a)の少なくとも1つの、特に2つの端面(29)が、先細り部(30)を備えて形成されており、
特性iv. 前記レール(9,10)のうちの少なくとも1つのレールが、前記長手方向(L)に対して法線方向の横断面で見たときに、互いに平行に延びる2つの長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)を備えた平らな少なくとも1つの金属薄板から形成された少なくとも1つの形材(9a,10a)を有しており、該形材(9a,10a)を補強するために、該形材(9a,10a)の、互いに実質的に直交して配置された少なくとも1つの側面(31)にわたって少なくとも所定の領域に延びる少なくとも1つの型押し加工部(13)が配置されており、前記側面(31)が、前記長手方向(L)に配置されており、前記少なくとも1つの型押し加工部(13)が、前記長手方向(L)に対して実質的に直交して配置されており、
特性v. 前記レール(9,10)のうちの少なくとも1つのレールが、前記長手方向(L)に対して法線方向の横断面で見たときに、互いに平行に延びる2つの長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)を備えた平らな少なくとも1つの金属薄板から形成された少なくとも1つの形材(9a,10a)を有しており、互いに実質的に直角方向に向けられかつ/または隣接した少なくとも2つの側面(31)に、好適には少なくとも所定の領域において配置されかつ/または少なくとも2つの側面(31)にわたって延びる少なくとも2つの型押し加工部(13)が設けられており、前記少なくとも2つの型押し加工部(13)が、前記少なくとも1つのレール(9,10)の内側領域(32)の方向および外側領域(33)の方向に交互に向けられており、特に前記少なくとも2つの型押し加工部(13)が、長手方向で互いに隣接している、
から選択された少なくとも1つの特性、好適には2つ以上の特性を有している、請求項1
または2記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項7】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも前記特性i.を有しており、前記少なくとも1つの折返し部(16,17)が、
- 前記キャビネット側レール(9)の少なくとも1つの長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)に配置されており、前記折返し部(16,17)が、前記キャビネット側レール(9)の取付け時に前記家具キャビネット(2)に当付け可能である、かつ/または
- 前記少なくとも1つの長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)が、少なくとも所定の領域において互いに当て付けられている少なくとも2つの金属薄板区分(24a,24b)を有しており、好適には前記少なくとも2つの金属薄板区分(24a,24b)が、少なくとも1つの共通の打抜き部(25,26)を有している、かつ/または
-前記少なくとも1つの長手方向縁部(14a,14b,15a,15b)において、前記長手方向(L)に対して法線方向の横断面で見たときに、長手方向(L)に延びる少なくとも1つの屈曲部(18)を有しており、好適には前記少なくとも1つの折返し部(16,17)が、前記キャビネット側レール(9)の少なくとも1つの長手方向縁部(15a,15b)に形成されている、請求項6記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項8】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも特性i.を有しており、前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)を有しており、該転動体(23a,23b,23c)が、少なくとも所定の区分において長手方向(L)で前記少なくとも1つの折返し部(16,17)に沿って走行可能である、請求項
6記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項9】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも特性i.を有しており、前記少なくとも1つの引出し側レール(9)が、両方の長手方向縁部(14a,14b)において、少なくとも2倍の材料厚さ(2X)を有する少なくとも1つの折返し部(16,17)を有しており、前記両方の折返し部(16,17)が、互いに対して横方向に、好適には実質的に直角に方向付けされており、かつ/または前記両方の折返し部(16,17)のうちの一方の折返し部が内方に向けられており、前記両方の折返し部(16,17)の他方の折返し部が、外方に向けられている、請求項
6記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項10】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも特性ii.を有しており、前記隆起部(21)が、
- 横断面で見て、実質的に円環状に形成されている、かつ/または
- 前記少なくとも1つの取付け区分(11)と一緒に一体的に形成されている、かつ/または
- 前記少なくとも1つの取付け区分(11)においてエンボス加工により製造されている、請求項6記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項11】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも特性iii.を有しており、前記先細り部(30)が、
- 60°~140°、好適には75°~105°の範囲、特に好適には実質的に90°の角度(34)を有しており、好適には、少なくとも1つの、好適には両方の端面(29)が、実質的にバリなしに形成されていることが規定されており、かつ/または
- 前記金属薄板の長手方向延在方向に対して平行な先細り部横断面(35)が、実質的に、好適には等脚である三角形の形状を有しており、好適には、前記先細り部横断面(35)が凸状および/または凹状に形成されていることが規定されている、請求項6記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項12】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも特性iv.および/または特性v.を有しており、少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)および/または滑動体を備えた少なくとも1つのキャリッジ(22)が前記引出し用引出しガイド(4)に配置されているかまたは配置可能であり、前記少なくとも1つの型押し加工部(13)は、該少なくとも1つの型押し加工部(13)を長手方向(L)で前記少なくとも1つのキャリッジ(22)および/または前記少なくとも1つの転動体(23a,23b,23c)および/または滑動体が接触なしに通過することができるように、前記少なくとも1つのキャビネット側レール(9)および/または少なくとも1つの引出し側レール(10)に配置されている、請求項6記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項13】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも前記特性iv.および/または前記特性v.を有しており、前記形材(9a,10a)の補強のために、まさに3つの型押し加工部(13)が、少なくとも所定の領域において、前記少なくとも1つのレール(9,10)の、実質的に直交して配置された少なくとも2つの側面(31)に配置されている、請求項
6記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項14】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも前記特性iv.および/または前記特性v.を有しており、前記少なくとも2つの型押し加工部(13)が、同一の側面(31)に配置されている、または少なくとも2つの側面にわたって延びるように該2つの側面(31)に配置されている、かつ/または前記少なくとも2つの側面(31)に交互に配置されており、好適には、前記少なくとも2つの型押し加工部(13)が、前記少なくとも2つの側面(31)の移行領域において、前記内側領域および前記外側領域に対して相対的に交互に配置されていることが規定されている、請求項
6記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項15】
前記引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも前記特性iv.および/または前記特性v.を有しており、少なくとも、好適には場合により群が存在する場合にはまさに2つの型押し加工部(13)が、前記少なくとも1つのレール(9,10)の前記内側領域(32)の方向に向けられており、1つの型押し加工部(13)が、前記少なくとも2つの型押し加工部(13)の間で中間に配置されていて、かつ引張耐性および/または圧縮耐性を高めるために前記少なくとも1つのレール(9,10)の前記外側領域の方向に向けられている、請求項
6記載の引出し用引出しガイド(4)。
【請求項16】
引出し用引出しガイド(4)が、少なくとも前記特性iv.および/または前記特性v.を有しており、前記少なくとも1つの型押し加工部(13)が、前記少なくとも1つのレール(9,10)の前記長手方向(L)に対して相対的に直交する方向で、前記側面(31)の1/3~3/4の領域にわたって延びており、かつ/または前記側面(31)に隣接した側面(31)の1/3未満、好適には1/4未満の領域にわたって延びている、請求項
6記載の引出し用引出しガイド(4)。
【国際調査報告】