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特表2024-524764デュアルアクションピストンを備えたトリガースプレーヤーアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】デュアルアクションピストンを備えたトリガースプレーヤーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B05B 11/00 20230101AFI20240628BHJP
   B05B 11/10 20230101ALI20240628BHJP
【FI】
B05B11/00 102E
B05B11/00 102G
B05B11/10 102G
B05B11/10 102E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522007
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022033730
(87)【国際公開番号】W WO2022271520
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】63/212,972
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/841,312
(32)【優先日】2022-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523478724
【氏名又は名称】マーケット レディ,インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523478735
【氏名又は名称】カップケーキ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ドネリー,ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】パタドラス,ミラン-ボブ
(57)【要約】
トリガー噴霧器は、ピストンチャンバ及び出口流体通路を備えるエンジンと、ピストンチャンバ内で摺動し、内部ベローズチャンバを画定するピストンとを含む。ベローズコンポーネントは内部ベローズチャンバ内の流量が最も小さくなる非圧縮位置と流量が最も大きくなる圧縮位置との間を内部ベローズチャンバ内で可動である。トリガー噴霧器は、一対のS字状トリガーバネを用いて中立位置と作動位置との間で枢動するトリガーレバーをさらに含む。トリガーレバーの枢動により、ピストンがピストンチャンバ内で垂直方向に押されて、流体がピストンチャンバから内部ベローズチャンバに送り込まれ、ベローズコンポーネントが非圧縮位置から圧縮位置に動かされる。ベローズコンポーネントの弛緩により、流体が内部ベローズチャンバから出口流体通路に送り込まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を吐出するためのトリガー噴霧器アセンブリであって、
ピストンチャンバと、該ピストンチャンバに流体連結された出口流体通路とを含むエンジンと、
前記ピストンチャンバ内で摺動可能に配置されたピストンであって、該ピストンは内部ベローズチャンバを画定する、ピストンと、
前記内部ベローズチャンバ内に配置されるベローズコンポーネントであって、該ベローズコンポーネントは、前記内部ベローズチャンバ内の利用可能な流量が最も小さくなる非圧縮位置と、前記内部ベローズチャンバ内の利用可能な流量が最も大きくなる圧縮位置との間で可動である、ベローズコンポーネントと、
前記エンジン及び前記ピストンに連結されるトリガーレバーであって、該トリガーレバーは中立位置と作動位置との間で枢動するように構成されている、トリガーレバーと、
を含み、
前記トリガーレバーが前記中立位置から前記作動位置に枢動することにより、前記ピストンが前記ピストンチャンバ内で垂直方向に押されて、流体が前記ピストンチャンバから前記内部ベローズチャンバに送り込まれ、前記ベローズコンポーネントが前記非圧縮位置から前記圧縮位置に動かされ、
前記トリガーレバーが弛緩して前記中立位置から前記非圧縮位置に移ることにより、流体が前記内部ベローズチャンバから前記出口流体通路に送り込まれる、トリガー噴霧器アセンブリ。
【請求項2】
前記ピストンは、放射状パターンの複数のピストン出口が形成された円筒状の側壁を含み、前記内部ベローズチャンバから前記出口流体通路に移動する前記流体は該複数のピストン出口を通過する、請求項1に記載のトリガー噴霧器アセンブリ。
【請求項3】
前記ピストンチャンバに流体連結された入口流体通路であって、前記トリガーレバーが前記作動位置から前記中立位置に枢動することで、前記ピストンが前記ピストンチャンバ内へと垂直方向に引っ張られ、流体が該入口流体通路から前記ピストンチャンバ内に流れ込む、入口流体通路と、
前記入口流体通路を通って前記ピストンチャンバ内に流れる流体の一方向の流れを制御するように構成された入力バルブと、
前記出口流体通路を通る流体の一方向の流れを制御するように構成された出力バルブと、
をさらに含む、請求項1に記載のトリガー噴霧器アセンブリ。
【請求項4】
第1の端部から第2の端部に延びる浸漬管をさらに含み、該第1の端部は前記入口流体通路に連結され、該第2の端部は流体容器内に位置する、請求項3に記載のトリガー噴霧器アセンブリ。
【請求項5】
前記浸漬管の中心を通る浸漬管中心線は、前記ピストンの中心を通るピストン中心線と一致する、請求項4に記載のトリガー噴霧器アセンブリ。
【請求項6】
前記ピストンチャンバから前記内部ベローズチャンバに流れる流体の一方向の流れを制御するように構成されたピストンバルブをさらに含む、請求項3に記載のトリガー噴霧器アセンブリ。
【請求項7】
前記ピストンバルブの中心を通るピストンバルブ中心線は、前記浸漬管中心線及び前記ピストン中心線と一致する、請求項6に記載のトリガー噴霧器アセンブリ。
【請求項8】
前記ピストンバルブ及び前記出力バルブのそれぞれは、プラグ部と、該プラグ部から延びる円錐状の台座と、該円錐状の座部の外周の周りに放射状に分布し、該外周から延びる複数の可撓性部材とを含み、該複数の可撓性部材はリング部材で終端し、該複数の可撓性部材は、該複数の可撓性部材を通過する流体の流れを可能にするために変形するように構成され、
前記入力バルブはボールバルブを含む、
請求項13に記載のトリガー噴霧器アセンブリ。
【請求項9】
前記出口流体通路の垂直部の中心を通る出口中心線は、前記ピストン中心線からオフセットされ且つ前記ピストン中心線と平行である、請求項1に記載のトリガー噴霧器アセンブリ。
【請求項10】
一対のS字状トリガーバネをさらに含み、該一対のS字状トリガーバネのそれぞれは、第1の曲率半径を有する第1の湾曲部と、第2の曲率半径を有する第2の湾曲部とを含み、該第1の曲率半径は該第2の曲率半径よりも大きい、請求項1に記載のトリガー噴霧器アセンブリ。
【請求項11】
前記ベローズコンポーネントは、
前記ピストンに連結するように構成された上部フランジと、
前記上部フランジから下方に延び且つベース部で終端する圧縮性側壁であって、該圧縮性側壁及び該ベース部は密閉ベローズ領域を画定する、圧縮性側壁と、
を含む、請求項1に記載のトリガー噴霧器アセンブリ。
【請求項12】
前記密閉ベローズ領域内に配置されるベローズバネをさらに含み、該ベローズバネは、前記ベローズコンポーネントが弛緩して前記圧縮位置から前記非圧縮位置に移るのを支援ために、前記ベース部に対してバネ力を及ぼすように構成されている、請求項11に記載のトリガー噴霧器アセンブリ。
【請求項13】
前記ベローズコンポーネントは弾性熱可塑性エラストマー材料でできている、請求項1に記載のトリガー噴霧器アセンブリ。
【請求項14】
前記エンジンに連結されるノズルをさらに含み、該ノズルを前記エンジンに対して回転させることにより、前記出力バルブから出る流体の噴霧パターンが変更され、前記出力バルブは少なくとも部分的に前記ノズル内に位置する、請求項3に記載のトリガー噴霧器アセンブリ。
【請求項15】
トリガー噴霧器アセンブリから流体を吐出する方法であって、当該方法は、
前記トリガー噴霧器アセンブリの後端の方にトリガーレバーを引くことでああって、前記トリガーレバーはピストンをピストンチャンバ内で垂直方向に押して、流体がピストンバルブを通って前記ピストンチャンバから前記ピストン内に形成された内部ベローズチャンバ内に送り込まれるようにする、ことと、
前記トリガーレバーを引くことに応答して、前記内部ベローズチャンバ内に配置されたベローズコンポーネントを非圧縮位置から圧縮位置に動かすことと、
前記トリガー噴霧器アセンブリの前端の方に前記トリガーレバーをリリースすることと、
前記トリガーレバーをリリースすることに応答して、前記圧縮位置から前記非圧縮位置に移るよう前記ベローズコンポーネントを弛緩させて、流体を前記内部ベローズチャンバから出口流体通路に送り込むことと、
を含み、
前記トリガー噴霧器アセンブリの前端の方に前記トリガーレバーをリリースすることにより、前記ピストンが前記ピストンチャンバ内で垂直方向に引っ張られ、流体が入口流体通路から前記ピストンチャンバ内に流れる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連特許出願への相互参照]
本願は、2021年6月21日に出願された米国仮出願第63/212972号及び2022年6月15日に出願された米国出願第17/841312号の優先権を主張し、それらの全体は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、流体の連続的な又は長期の噴霧を提供する、デュアルアクションピストンを備える改善されたトリガー噴霧器アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
トリガー噴霧器アセンブリは、トリガーレバーの作動を介して、多くの家庭用品及び市販の洗浄剤をストリーム、スプレー、ミスト又は泡の状態で手動的に吐出する(dispense)便利な方法を提供する。場合によっては、トリガー噴霧器アセンブリは、トリガーレバーの作動が停止した後に一定の時間、流体がトリガー噴霧器アセンブリから吐出される連続な的又は長期の(extended)噴霧を提供するように構成され得る。既存の連続型のトリガー噴霧器アセンブリは、他のトリガー噴霧器アセンブリに比べて一般に非常に大きい。なぜなら、連続型のトリガー噴霧器アセンブリは長期の噴霧の間に吐出される流体を貯蔵するための二次リザーバと、その流体を加圧する手段とを必要とすることが多いからである。したがって、スペースが最適化されたパッケージで長期の噴霧を提供する改良されたトリガー噴霧器アセンブリが有用であり得る。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、流体の連続的又は長期の噴霧又は流れを吐出するためのトリガー噴霧器アセンブリに関する。トリガー噴霧器アセンブリは、ピストンチャンバと、該ピストンチャンバに流体連結された出口流体通路とを含むエンジンと、ピストンチャンバ内で摺動可能に配置されたピストンであって、該ピストンは内部ベローズチャンバを画定する、ピストンと、内部ベローズチャンバ内に配置されるベローズコンポーネントとを含む。ベローズコンポーネントは、内部ベローズチャンバ内の利用可能な流量が最も小さくなる非圧縮位置と、内部ベローズチャンバ内の利用可能な流量が最も大きくなる圧縮位置との間で可動である。トリガー噴霧器アセンブリは、好ましくは一対のS字状トリガーバネを用いてエンジン及びピストンに連結されるトリガーレバーをさらに含み、該トリガーレバーは中立位置と作動位置との間で枢動するように構成されている。トリガーレバーが中立位置から作動位置に枢動することにより、ピストンがピストンチャンバ内で垂直方向に押されて、流体がピストンチャンバから内部ベローズチャンバに送り込まれ、ベローズコンポーネントが非圧縮位置から部分的な又は完全な圧縮位置に動かされる。トリガーレバーが引かれると、流体は内部ベローズチャンバから出口流体通路に送り込まれ、トリガーレバーがリリースされると、ベローズコンポーネントが弛緩して(relaxation)圧縮位置から非圧縮位置に移るときも、流体は内部ベローズチャンバから出口流体通路に継続して送り込まれる。
【0005】
本発明の別の実施形態によれば、流体の連続的又は長期の噴霧又は流れを吐出するためのトリガー噴霧器アセンブリは、ピストンチャンバ及びピストンバルブを備えるエンジンを含み、ピストンバルブは、ピストンを通ってピストンチャンバから内部ベローズチャンバに流れる流体の一方向の流れを制御するように構成されている。トリガー噴霧器アセンブリはピストンチャンバ内で摺動可能に配置され、内部ベローズチャンバを画定するピストンと、内部ベローズチャンバ内に配置されるベローズコンポーネントとを含む。ベローズコンポーネントは、内部ベローズチャンバ内の利用可能な流量が最も小さくなる非圧縮位置と、内部ベローズチャンバ内の利用可能な流量が最も大きくなる完全圧縮位置との間で可動である。トリガースプレーは、エンジン及びピストンに連結されたトリガーレバーであって、トリガーレバーは中立位置と作動位置との間で枢動するように構成されている、トリガーレバーと、入口部分からピストンチャンバに流れる流体の一方向の流れを制御するように構成された入力バルブと、ピストンチャンバから内部ベローズチャンバに流れる流体の一方向の流れを制御するように構成されたピストンバルブと、出口部を通る流体の一流れを制御するように構成された出力バルブとを含む。トリガーレバーが中立位置から作動位置に枢動することにより、ピストンがピストンチャンバ内で垂直方向に押されて、流体がピストンバルブを通ってピストンチャンバから内部ベローズチャンバに送り込まれ、ベローズコンポーネントが非圧縮位置から圧縮位置に動かされる。トリガーレバーが引かれると、流体は内部ベローズチャンバから出口流体通路に送り込まれ、トリガーレバーがリリースされると、ベローズコンポーネントが弛緩して圧縮位置から非圧縮位置に移るときも、流体は内部ベローズチャンバから出口部に及び出口バルブを介して継続して送り込まれる。
【0006】
別の態様では、本発明は、連続的な又は長期の噴霧を可能にするトリガー噴霧器アセンブリから流体を吐出する方法である。当該方法は、トリガー噴霧器アセンブリの後端の方にトリガーレバーを引くことでああって、トリガーレバーはピストンをピストンチャンバ内で垂直方向に押して、流体がピストンバルブを通ってピストンチャンバからピストン内に形成された内部ベローズチャンバ内に送り込まれるようにする、ことを含む。トリガーレバーを引くことに応答して、内部ベローズチャンバ内に配置されたベローズコンポーネントは非圧縮位置から圧縮位置に移動する。当該方法は、トリガー噴霧器アセンブリの前端の方にトリガーレバーをリリースすることをさらに含む。トリガーレバーをリリースすることに応答して、ベローズコンポーネントは弛緩して圧縮位置から非圧縮位置に移り、流体を内部ベローズチャンバから出口流体通路に送り込む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下の図を参照して本発明を説明する。同様の特徴及び同様のコンポーネントを参照するために、図全体にわたって同じ番号が用いられている。
図1図1は、本発明の例示の実施形態に係るトリガー噴霧器アセンブリの斜視図である。
図2図2は、図1のトリガー噴霧器アセンブリの側面図である。
図3図3は、図1のトリガー噴霧器アセンブリの分解図である。
図4A図4Aは、図1のトリガー噴霧器アセンブリで用いられるトリガーコンポーネントの斜視図である。
図4B図4Bは、図4Aのトリガーコンポーネントの別の斜視図である。
図5A図5Aは、図1のトリガー噴霧器アセンブリで用いられるエンジンコンポーネントの斜視図である。
図5B図5Bは、図5Aのエンジンコンポーネントの別の斜視図である。
図5C図5Cは、図5Aのエンジンコンポーネントの底面図である。
図5D図5Dは、図5Bの線5D-5Dに沿ったエンジンコンポーネントの側断面図である。
図6A図6Aは、図1のトリガー噴霧器アセンブリで用いられるピストンカプラの斜視図である。
図6B図6Bは、図6Aの線6B-6Bに沿ったピストンカプラの側断面図である。
図6C図6Cは、図6Aの線6C-6Cに沿ったピストンカプラの側断面図である。
図7A図7Aは、図1のトリガー噴霧器アセンブリで用いられるピストンの斜視図である。
図7B図7Bは、図7Aの線7B-7Bに沿ったピストンの側断面図である。
図7C図7Cは、図7Bの線7C-7Cに沿ったピストンの底断面図である。
図8A図8Aは、図1のトリガー噴霧器アセンブリで用いられる入力ハウジングの斜視図である。
図8B図8Bは、図8Aの線8B-8Bに沿った入力ハウジングの側断面図である。
図8C図8Cは、図8Aの線8C-8Cに沿った入力ハウジングの別の側断面図である。
図9図9は、図1のトリガー噴霧器アセンブリで用いられるシュラウドコンポーネントの連結を示す斜視図である。
図10A図10Aは、図1の線10A-10Aに沿ったトリガー噴霧器アセンブリの側断面図である。
図10B図10Bは、トリガーコンポーネントが中立位置から押し下げ位置に移動するときの流体の流れを示すトリガー噴霧器アセンブリの別の側断面図である。
図10C図10Cは、トリガーコンポーネントが押し下げ位置から中立位置に移動し、ベローズコンポーネントが圧縮位置から部分的に弛緩するときの流体の流れを示すトリガー噴霧器アセンブリの別の側断面図である。
図10D図10Dは、ベローズコンポーネントが圧縮位置から完全に弛緩したときの流体の流れを示すトリガー噴霧器アセンブリの別の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1図3は、本発明の例示の実施形態に係る改善されたトリガー噴霧器アセンブリ100を示す。トリガー噴霧器アセンブリ100は、ボトル又は容器(図示せず)内に収容された流体(例えば、洗浄製品、工業製品、水、化粧品、食品)をストリーム、スプレー又はミストの吐出パターンで吐出するように適合され得る。噴霧器アセンブリ100を操作するために、ユーザは、アセンブリ100の前端136にあるトリガーコンポーネント106を握り、アセンブリ100の後端138のシュラウド132、134に親指を置く。トリガーコンポーネント106を、弛緩位置又は中立位置から押圧位置又は作動位置へと後端138の方に押圧又は押し込むことにより、ボトル又は容器からの流体がノズル124を介して押し出される。一部の実施形態では、ノズル124は、ノズル124で終端する流体通路をユーザが開閉すること及び所望の吐出パターン(例えば、ストリーム、スプレー、ミスト)を選択することができるようにシュラウドコンポーネント132、134に対して回転するように構成されている。
【0009】
図3に示す分解図を具体的に参照して、トリガー噴霧器アセンブリ100の内部コンポーネントを示す。これらの内部コンポーネントは、ピストンチャンバ及び流体出口通路(例えば、図5Dを参照して以下でさらに詳細に説明するピストンチャンバ500、流体出口通路502、504)を有するエンジン102と、ピストンカプラ108を用いてトリガーレバー106に連結されたピストン104とを含む。ピストン104は、ピストンチャンバ内で垂直方向に摺動するように構成されている。
【0010】
トリガーレバー106がアセンブリ100の後端138の方に押圧されると、ピストンコンポーネント104はエンジン102に形成されたピストンチャンバ内でトリガーコンポーネント106によって下方に付勢される。これにより、ピストンチャンバの利用可能な流量が減少し、一方向ピストンバルブ118を介してピストンチャンバ内の流体をピストンコンポーネント104内の内部チャンバ内へと上方に押し込む。弾性ベローズコンポーネント112及びベローズバネ114が内部チャンバ内に配置され、一方向ピストンバルブ118を流れる流体によって内部チャンバ内に押し込まれる。ベローズコンポーネント112及びベローズスプリング114を押し込むと、流体もピストンコンポーネント104から流出し、エンジン102内の流体出口通路に入り、(ノズル124が開位置に回転されている場合)ノズル124を通って出る。
【0011】
作動力が除去され、トリガーコンポーネント106が前端136の方に弛緩すると、トリガーコンポーネント106はピストン104をピストンチャンバ内で上方に引っ張ることにより、ピストンチャンバの容積が増加し、流体の供給をピストンチャンバ内に引き込む。同時に、ベローズコンポーネント112及びベローズバネ114が押し込まれた位置から弛緩することで、ピストンコンポーネント104から流体が継続して押し出され、エンジン102内の流体出口通路に入る。このように、ユーザがトリガーレバー106を能動的に作動させていない後でも、連続的又は長期間の噴霧が得られる。トリガー噴霧器アセンブリ100の作動における特定のステップに関するさらなる詳細は、図10A図10Dを参照して以下で説明する。
【0012】
依然図3を参照して、入力ハウジング110はエンジン102の下に配置していることを示す。入力ハウジング110は、流体のボトル又は容器(図示せず)内に延び、流体を噴霧器アセンブリ100内へと上方に引き込むための経路を提供する浸漬管128に連結されるように構成され得る。入力ハウジング110は、エンジン102内への流体の流れを調整する一方向入力バルブ116のための台座を提供する。図示するように、例示の実施形態では、一方向入力バルブ116はボールバルブであるが、他のタイプの一方向バルブを利用してもよい。
【0013】
ネッククロージャー126は、入力ハウジング110及び一方向入力バルブ116の下に配置していることを示す。ネッククロージャー126は、エンジン102を任意の所望のボトル又は容器に連結するために利用されるよう構成されている。そのため、ネッククロージャーの寸法(例えば、高さ、外径、内径)は、吐出すべき液体を収容するボトル又は容器のサイズ及び形状に基づいて可変であり得る。例示の実施では、ネッククロージャー126はネジ山を含み、ボトル又は容器のネック部分にネジ連結されるように構成されている。他の実施では、ネッククロージャー126はスナップ嵌め組み立てプロセスを用いてボトル又は容器のネック部に連結される。ネッククロージャー126の下に位置するものとして示すシーリングガスケット130は、とりわけトリガー噴霧器アセンブリ100が傾斜又は逆さにされた場合に、流体がエンジン102と入力ハウジング110との間から漏れること及びネッククロージャー126を通って外に漏れ出れないことを確実にするために利用され得る。
【0014】
トリガー噴霧器アセンブリ100の内部コンポーネントは、出力又はノズルバルブ120及びウォータージャケット122を含むものとして示す。ノズルバルブ120は、入力バルブ116及びピストンバルブ118と同様に、流圧閾値を超えた場合にのみ流体の通過を許可するように構成された一方向バルブであり得る。出力バルブ120に関するさらなる詳細は、図10A図10Dを参照して以下で説明する。ウォータージャケット122は、ノズルバルブ120に隣接して配置され、とりわけ、ノズルコンポーネント124が下方を向くようにトリガー噴霧器アセンブリ100が傾斜されるか又は置かれている場合に、エンジン102とノズルコンポーネント124との間の接合部で流体が漏れるのを防止するように構成され得る。
【0015】
例示の実施形態では、ベローズコンポーネント112、ピストンバルブ118及びノズルバルブ120は、射出成形プロセスを用いて熱可塑性エラストマー(TPE)から作られる。TPEは、高耐摩耗性、高耐疲労性、高弾性、化学耐性及び低圧縮永久歪を含む、様々な流体と接触するバルブにとって有利な多くの特性を呈する。他の実施形態では、ベローズコンポーネント、ピストンバルブ118及びノズルバルブ120のうちの1つ以上は異なる材料、例えば液体シリコーンゴムから作られ得るか又は異なる製造プロセスを用いて作られ得る。
【0016】
次に、図4A及び図4Bを参照して、トリガーレバーコンポーネント106の斜視図を示す。トリガーレバーコンポーネント106は主トリガー本体402を含むものとして示され、主トリガー本体402からレバーグリップ部400及び一対のS字状バネ408が延びている。バネ408は、ユーザがレバーグリップ部400に作動力を加え、トリガーレバー106が中立位置から押圧位置に移動すると圧縮されるように構成されている。ユーザが作動力を解放すると、バネ408に蓄積されたポテンシャルエネルギーにより、トリガーコンポーネント106が中立位置に戻る。ピストン104はトリガーレバー106に連結されているため、トリガー106が中立位置に戻ることにより、ピストンチャンバ内でピストン104を上方へと引っ張られ、流体が浸漬チューブ128を通って上方に引き込まれ、トリガーレバー106の後続の作動に備えてピストンチャンバに充填される。
【0017】
S字状バネ408のそれぞれは、第1の湾曲部410、第2の湾曲部412及びボール状の終端部414を含む。第1の湾曲部410は、トリガー本体402からレバーグリップ部400の方に延びるのに対して、第2の湾曲部412は、第1の湾曲部410から反対方向に延びる。トリガー噴霧器アセンブリのための既存のバネは一般的にU字型であり、概して凸状又は凹状のいずれかの形状を有するが、その両方ではない。本発明者らは、凹状部及び凸状部の両方を有するS字状トリガーバネは疲労損傷を受けにくく、ユーザにより滑らかな作動感覚を提供すると認識してきた。例示の実施形態では、第1の湾曲部410は、第1の湾曲部410が第2の湾曲部412よりも容易に圧縮されるように第2の湾曲部412よりも大きい曲率半径を有する。図5A図5B及び図10Aを参照して以下でさらに詳細に説明するように、バネ408の終端部414はエンジン102に形成された受容領域(例えばバネソケット518)に挿入されるため、ボール状の終端部414は垂直方向には制約を受けるが、受容領域内で枢動することについては制約を受けない。例示の実施形態では、バネ408はリビングヒンジを用いて主トリガー本体402に連結され、受容領域内への終端部414の設置は、主トリガー本体402に対してバネ408をリビングヒンジに沿って枢動させることを含み得る。
【0018】
トリガーレバーコンポーネント106は、レバーグリップ部400とは反対側の主トリガー本体402から後方に延びる一対の枢動フランジ404を含むものとしてさらに示されている。枢動フランジ404は、枢動フランジ404に形成され、エンジン102から延びる枢動ピン(例えば、図5A及び図5Bに示す枢動ピン514)を受容するように構成された枢動凹部406を含む。枢動ピンと枢動凹部406との連結がトリガーコンポーネント106がエンジン102に対して回転するための枢動点として作用する。他の実施形態では、ピボットフランジ404がエンジン102に形成された凹部内に嵌合するように構成されたピンを含むように、ピンと凹部との連結を逆にしてもよい。
【0019】
トリガーコンポーネント106上の他の連結部材は、主トリガー本体402の内部領域内に延びる(図4Bに示す)一対のピストン結合ピン416を含む。ピストン連結ピン416は、ピストンカプラ108に形成された凹部(例えば、図6A及び図6Bに示すピストン連結凹部606)によって受容されるように構成されている。凹部内にピストン連結ピン416が係合することにより、トリガーレバー106の回動運動がピストン104及びピストンカプラ108の直線運動に変換される。枢動凹部406と同様に、他の実施形態では、ピストン連結凹部が主トリガー本体402に形成され、ピンがピストンカプラ108上に位置するように、ピンと凹部との連結を逆にしてもよい。
【0020】
図5A図5Dは、エンジン102の斜視図、底面図及び側断面図をそれぞれ示す。エンジン102は垂直に方向付けられた(vertically-oriented)ピストンチャンバ500と、ピストンチャンバ500と平行に配置される垂直に方向付けられた流体出口チャンバ502とを含む。図5Dに具体的に示すように、ピストン出口522は、ピストンチャンバ500を出口チャンバ502に流体連結するために利用される。垂直に方向付けられた流体出口チャンバ502は、水平に方向付けられた(horizontally-oriented)流体出口チャンバ504とも流体連結するものとして示される。ノズルフランジ506は、水平に方向付けられた流体出口チャンバ504から延び、出力バルブ120、ウォータージャケット122及び回転可能ノズル124を取り付けるための台座を提供する。
【0021】
エンジン102は、出口チャンバ504及びノズルフランジ506の反対側に枢動ウェッジ体512を含むものとして示され、枢動ウェッジ体512からは一対の対向する枢動ピン514が延びている。ウェッジ体512の形状は、ウェッジ体512は、作動の間にシュラウドコンポーネント132、134がユーザの親指で把持される可能性のある領域で構造的な支持を提供して、シュラウドコンポーネント132、134の過度の撓みが防止されるように、シュラウドコンポーネント132、134(図10A図10Dを参照)の後側の輪郭と一致してもよい。トリガーレバー106の枢動フランジ404に形成された枢動凹部406は、トリガーレバー106がピボットピン514を中心にしてエンジン102に対して枢動できるように枢動ピン514に嵌合するように構成されている。例示の実施形態では、枢動フランジ404は、スナップ嵌め組み立てプロセスを用いて枢動ピン514に連結される。
【0022】
ピストン及び出口チャンバ500、502の下で、エンジン102はネック連結部508を含むものとして示されている。ネック連結部508は概して円筒状であり、ピストン500及び出口チャンバ502を合わせたものよりも大きな外径を有する。例示の実施形態では、ネック連結部508は一対の径方向開口510を含むことができる。ネック連結コンポーネント126(図3参照)がエンジン102に連結されると、ネック連結コンポーネント126上に位置する一対のフランジは径方向開口510を通って延び、ネック連結コンポーネント126をエンジン102上で保ち得る。
【0023】
ネック連結部508の上方且つピストンチャンバ500内に位置するエンジン102は、流体入力通路524及び入力バルブ捕捉プロング520を含むものとして示されている。流体入力通路524は、流体が浸漬管128及び入力ハウジング110(図10C参照)を通って移動した後にエンジン102に入るための経路を提供する。入力ボールバルブ116の弁座は入力ハウジング110内に設けられてもよく(例えば、弁座810、図8B及び図8C参照)、入力ハウジング110がエンジン102に連結されると、バルブ捕捉プロング520は入力ボールバルブ116の上方に位置する。浸漬管128内の流圧がボールバルブ116を入力ハウジング110内のその弁座から持ち上げるのに十分な場合、捕捉プロング520は、ピストンチャンバ500への流体の流れを可能にしながら、ボールバルブ116がピストンチャンバ500内に移動するのを抑制する。入力バルブ116がボールバルブ以外の異なる形式のバルブ(例えば、弾性クロススリット又はフラップバルブ)である実施形態では、捕捉プロング520はエンジン102から省略され得る。
【0024】
エンジン102のさらなる連結部材は、垂直に方向付けられた流体出口チャンバ502から外方に延びる強化リブ516の頂部に位置する一対のバネ受容凹部518を含む。バネ受容凹部518は、スナップ嵌め組み立てプロセスを用いて、トリガーバネ408の終端部414(図4A及び図4B参照)を受容するように構成されている。ひとたび連結されると、終端部414及び受容凹部518は、トリガーレバー106の作動の間にトリガーバネ408が押圧されると、エンジン102に対するトリガーバネ408の回転動作を可能にする玉継手として動作し得る。図5A及び図5Bに具体的に示す一対のシュラウド整列フランジ526は、ピボットウェッジ体512の下で外方に延びるものとして示されている。シュラウド整列フランジ526のそれぞれは、シュラウドコンポーネント132、134がエンジン102に組み付けられたときに、対応するシュラウドジャケット(シュラウドジャケット912、914、図9参照)内に嵌合して、シュラウドコンポーネント132、134がエンジン102に対して適切な垂直整列を有することを確実にするように構成されている。
【0025】
次に図6A図6Bを参照して、ピストンカプラ108の斜視図及び側断面図を示す。ピストンカプラ108は、上壁602で終端する概して円筒状の側壁600を含むものとして示されている。一対の対向するフランジ604は上壁602から上方に延び、フランジ604のそれぞれは、そこを貫通して形成されたピストン連結凹部606を有する。上述したように、凹部606は、トリガーレバー106から延びるピストン連結ピン416を受容するように構成されている。
【0026】
ピストンカプラ108は、側壁600によって取り囲まれるカプラ108の内部領域内で上壁602から下方に延びるベローズバネ整列体608(図6B及び6C参照)を含むものとしてさらに示されている。ベローズバネ(例えば、図3及び図10A図10Dに示すベローズバネ114)は、トリガー噴霧器アセンブリ100の組み立ての間にバネ整列体608の上に挿入されるように構成されている。図10A図10Dを参照しながら以下でさらに詳細に説明するように、バネ整列体608は、ベローズバネが垂直軸に沿って圧縮及び弛緩することを確かにし、それによりベローズスプリングが斜めに傾いてベローズコンポーネントを損傷するのを防止する。
【0027】
図7A図7Cは、ピストン104の斜視図及び断面図を示す。ピストン104は概して円筒状の側壁700を含むものとして示され、側壁700の垂直中間点には上部フランジ702が位置し、側壁700の下端には下部フランジ704が位置する。複数のピストン出口706が下部フランジ704の近くに放射状パターンで配置され、側壁700を通って延びるものとして示されている。例えば、図7A図7Cに示す例示の実施形態では、ピストン104は、互いに等距離(すなわち、90°離れている)に配置された4つのピストン出口706を含む。他の実施形態では、ピストン104はより多くの又はより少ない数のピストン出口706を含み得る。ピストン104がピストンチャンバ500(図10A参照)内に挿入されると、上部フランジ702及び下部フランジ704は、ピストンチャンバ500の側壁に対してほぼ水密な封止を形成する。この配置は、ピストン出口706を通って流出する流体の全てがピストン側壁700の周りを円周方向に移動し、エンジン102内に形成されたピストン出口522を通ることを確実にする(図5D参照)。
【0028】
図7Bに具体的に示すピストン104の内部構造は、ピストン入口通路710の上方に位置する内部ベローズチャンバ708を含むものとして示されている。内部ベローズチャンバ708及びピストン入口通路710は、ピストンバルブ構造712によって分離されている。ピストンバルブ(例えば、ピストンバルブ118)が閉位置でピストンバルブ構造712内に置かれている場合、エンジン102内のピストンチャンバ500からベローズチャンバ708への流体の流れが阻止される。しかしながら、ピストンチャンバ500内の流圧が、ピストンバルブを開位置に移動させるためにピストンバルブ構造712内の弁座から持ち上げるのに十分な場合、流体はピストン入口通路710及びピストンバルブを通ってベローズチャンバ708内へと流れる。特に、ピストン104を通って流れる全ての流体は、ピストン出口706のうちの1つを介してピストン104を出る前に、ピストン入口通路710を通ってベローズチャンバ708内に流れなければならない。
【0029】
次に、図8A図8Cを参照して、入力ハウジング110の斜視図及び断面図を示す。入力ハウジング110は、第1の円筒状部802及び第2の円筒状部804を備える円盤状の本体800を含むものとして示される。第1の円筒状部802及び第2の円筒状部分804は径方向フランジ806によって取り囲まれている。第1の円筒状部802は浸漬管連結部808を含む。図10A図10Dに示すように、流体容器内に延びる浸漬管128は浸漬管連結部808内に挿入され、流体が流体容器からトリガー噴霧器アセンブリ100内に移動するための経路を提供する。第1の円筒状部802は、浸漬管連結部808とは反対の第1の円筒状部802の上端に位置するボールバルブ(例えば、入力バルブ116)のためのカップ状の弁座810も含むものとして示されている。浸漬管連結部808内の十分な流圧は、ボールバルブを弁座810から持ち上げ、流体が弁座810を通過してエンジン102に入ることを可能にする。第2の円筒状部804は、エンジン102内に形成された垂直に方向付けられた流体出口チャンバ502内に挿入されるように構成されている(図10A図10D参照)。
【0030】
第2の円筒状部804は排出通路814を含む。排出通路814は、トリガーレバー106の作動が停止され、ベローズコンポーネント112が完全に押圧されていない位置に戻った後に、チャンバ502内の過剰な流体が流体容器内に戻るようにし、流れがノズル124を通るのを阻止する。入力ハウジング110は、本体800の下に延びる一対の保持突起812を含むものともしても示されている。保持突起812は、シーリングガスケット(例えば、図3に示すガスケット130)を本体800に対して保持するために利用され、エンジン102及び入力ハウジング110からの流体の漏れを防止する。
【0031】
トリガー噴霧器アセンブリ100を組み立てるための例示のプロセスは次の通りである。ピストンバルブ118をピストン104のピストンバルブ構造712に挿入する。ベローズバネ114をベローズ112内に挿入し、その両方をピストン104内に挿入する。スナップ嵌め組み立てプロセスを用いてピストンカプラ108をピストン104に組み付け、ベローズ112及びベローズバネ114をピストン104内に保持する。
【0032】
組み立てプロセスは次のように続く。ピストン104をエンジン102のピストンチャンバ500内に挿入する。トリガーレバー106の枢動フランジ404に形成された凹部406を、エンジン102のウェッジ体512から延びる枢動ピン514にスナップすることによって、トリガーレバー106をエンジンに組み付ける。トリガーレバー106をピストン104に連結し、トリガーレバー106の作動がピストン104の対応する動きをもたらすことを確実にするために、トリガーレバー106のピストン連結ピン416をピストンカプラ108に形成されたピストン連結凹部606に挿入する。次に、各トリガーバネ408の終端部414をエンジン102にある対応するバネソケット518に挿入する。
【0033】
そこから、入力ハウジング110に形成された弁座810に入力バルブ116を挿入する。次に、入力ハウジング110の第1の円筒状部802をエンジン102の流体入口通路524に挿入し、入力ハウジング110の第2の円筒状部804をエンジン102の垂直に方向付けられた流体出口チャンバ502に挿入することによって、入力ハウジング110をエンジン102に連結する。シールガスケット130を入力ハウジング110の保持プロング812の上に挿入し、ネッククロージャー126をエンジン102にスナップ嵌めする。トリガー噴霧器アセンブリ100のノズルコンポーネントを組み立てるために、ノズルバルブ120及びウォータージャケット122をエンジン102の水平に方向付けられた流体出口チャンバ504に挿入する。ノズルコンポーネント124は、ノズルバルブ120及びウォータージャケット122をエンジン102内に保持するために、ノズルフランジ506に対して配置する。
【0034】
組み立てプロセスの最終ステップは、図9を参照して以下にさらに詳細に説明するように、シュラウドコンポーネント132及び134を互いに及びエンジン102に連結することを含む。浸漬管128を浸漬管連結部808に挿入し、流体ボトル又は容器をネッククロージャー126に連結する。例示の実施形態では、上記で詳述した組み立てステップのうちの1つ以上は、空気圧ロボット装置を用いて行い、様々なコンポーネントを互いに挿入及び連結する。有利には、組み立て方法のいくつかのステップは、複数のコンポーネントを平行な水平軸又は垂直軸に沿って動かすことを伴い、この移動はロボット装置を用いた組み立てに適している。
【0035】
図9はシュラウドコンポーネント132及び134の連結を示す。右側のシュラウドコンポーネント132は、上部プロング900、前側下部プロング902及び後ろ側下部プロング904を含むものとして示されている。プロング900~904は、左側のシュラウドコンポーネント134に形成された上部凹部構造906、前側下部凹部構造908及び前側下部凹部構造910に対応して嵌合して、シュラウドコンポーネント132、134を連結位置で保持するように構成されている。
【0036】
保持部900~910に加えて、シュラウドコンポーネント132、134は、ジャケット912及び914を含む、アセンブリを支持し、整列する様々な部材を含むものとしても示されている。図5A及び図5Bを参照して上述したように、ジャケット912、914は、シュラウド部品132、134に対してエンジン102を整列させるために、シュラウド整列フランジ526の周りに嵌合するように構成され得る。例示の実施形態では、シュラウドコンポーネント132、134は嵌合のために二重シーム設計を用いる。
【0037】
図10A図10Dは、作動サイクルが起こった場合のトリガー噴霧器アセンブリ100の側断面図を示す。具体的には、図10Aは、作動力を加える前の中立位置又は弛緩位置にあるトリガー噴霧器アセンブリ100を示し、図10Bは、作動力を加える間の押圧位置又は作動位置にあるトリガー噴霧器アセンブリ100を示し、図10Cは、ベローズコンポーネント112の弛緩によりノズル124を介して噴霧を続ける一方で、作動力を取り除いたことにより中立位置又は弛緩位置に戻るトリガー噴霧器アセンブリ100を示し、図10Dは、ベローズコンポーネント112が完全に弛緩位置又は非押圧位置に戻り、ノズル124を介した噴霧が停止した後のトリガー噴霧器アセンブリ100を示す。
【0038】
図10Aに具体的に示すように、流体入口及びピストンコンポーネントの多く(例えば、浸漬管128、入力バルブ116、ピストンコンポーネント104、ピストンバルブ118、ベローズコンポーネント112、ベローズバネ114)は、それらの中心が同じ垂直軸1050上に一致するように配置される一方で、垂直に方向付けられた流体出口通路502の中心は、垂直軸1050に平行で且つ垂直軸1050から離隔された垂直軸1052上に位置する。ピストンチャンバ及びベローズチャンバが入れ子になったトリガー噴霧器アセンブリ100のコンポーネントをこのように配置することにより、流体入口通路、ピストンチャンバ及び長期間の噴霧のために流体を捕捉するチャンバのうちの1つ以上が互いに離隔されたトリガー噴霧器アセンブリに比べてトリガー噴霧器アセンブリ100の総容積を有利な形で最小化できる。例えば、例示の実施形態では、トリガー噴霧器アセンブリ100は、直径が28mmの開口を有する標準の流体容器と共に用いることができる。対照的に、既存の連続スプレートリガーアセンブリは少なくとも直径が33mmの開口を有する流体容器を必要とする。
【0039】
次に図10Bを参照して、ユーザが指1000をトリガーレバー106に当て、矢印1002で表される作動力を加えてトリガーレバー106を中立位置から作動位置に動かすと、トリガーレバー106は矢印1024で示されるように下方に枢動する。トリガーレバー106のS字状トリガーバネ408が圧縮されて、ピストンコンポーネント104を下方に駆動し、それによりピストンチャンバ500内の容積が減少する。この容積の減少によって、矢印1004で表される流体の流れがピストンバルブ118を閉位置から開位置に動かす。
【0040】
ピストンバルブ118は、中実プラグ部1006及び円錐座部1008を含むものとして示されている。複数の可撓性部材1010は円錐座部1008の外周の周りに放射状に分布し、リング状部材1012で終端する。流圧により、プラグ部1006がピストンバルブ構造712内で上方に動かされる。プラグ部1006の移動により、部材1010が外方に屈曲されるか又は膨らまされることにより、円錐座部1008をピストン104内のその着座位置から動かし、流体を矢印1014で示すように可撓性部材1010の周りを流れ、ベローズチャンバ708内に流入することを可能にする。
【0041】
ベローズチャンバ708内への流入により、ベローズコンポーネント112及びベローズバネ114が非圧縮位置(図10A参照)から完全に圧縮された位置(図10B参照)に動かされることにより、ベローズチャンバ708内の利用可能な流体体積が最大化される。ベローズコンポーネント112は、ピストンカプラ108とピストンコンポーネント104との間に挟まれた上部フランジ1016と、上部フランジ1016から下方に延びるアコーディオン状の圧縮性側壁1018とを含むものとして示されている。側壁1018は基部1020で終端する。ベローズコンポーネント112及びベローズバネ114が非圧縮位置(図10A参照)にある場合、基部1020はピストンバルブ構造712に対して置かれ得る。ベローズチャンバ708への流入により、基部1020は、ピストンバルブ構造712、側壁1018及びベローズバネ114から持ち上げられて圧縮位置になる。
【0042】
流体がピストン104のベローズチャンバ708に流入し始めるとすぐに、矢印1022で示される流体の一部は、周囲のピストン出口706を介してピストン104を出て、ピストン出口通路522に流入する。次に、流体は、垂直に方向付けられた出口チャンバ502を通って上方に流れ、水平に位置づけられた出口チャンバ504に流入する。ノズルコンポーネント124内に位置するノズルバルブ120に対する流体の流れ1022からの圧力により、流体がノズルバルブ120を流れることができるように、ピストンバルブ118と同様にノズル弁120を変形させる。ノズルコンポーネント124が開位置に回転された場合、流体の流れ1022はウォータージャケット122及びノズルコンポーネント124を通ってトリガー噴霧器アセンブリ100から出る。
【0043】
様々な実施形態では、トリガーレバー106の作動毎の液体出力は少なくとも1.0立方センチメートル(CC)である。例示の実施形態では、トリガーレバー106の作動毎の液体出力は少なくとも1.3CCであり、各作動は少なくとも2秒のスプレー出力を提供する。この液体出力を達成するための作動力は65~75Nであることが好ましい。浸漬管128に流体を吸い上げ、入力バルブ116を開くためにトリガーレバー106は3又は4回の作動が必要になり得る。
【0044】
図10Cに示すように、ユーザが指1000をトリガーレバー106から離すと、S字状のトリガーバネ408により、トリガーレバー106が作動位置から矢印1032で示される方向に中立位置へとリバウンドし、トリガーレバーは矢印1032で示されるように上方に枢動する。ピストンカプラ108を介したトリガーレバー106とピストンコンポーネント104との連結により、ピストンコンポーネント104がピストンチャンバ500内で上方に引っ張られ、矢印1028で示されるように流体をピストンチャンバ500内に引き込む真空が生じる。矢印1028の方向に流れる流体は浸漬管128を通って流れ、ボールバルブ116がその弁座810から持ち上げられるように入力ボールバルブ116を上方に移動させるため、流体がボールバルブ116を通過して流れ、ピストンチャンバ500に補充されることを可能にする。この時ピストン104は上方に移動しているため、(矢印1030で示される)ピストンバルブの円錐状座部1008に対する圧力が不足することにより、ベローズチャンバ708への流れが停止される。
【0045】
ベローズチャンバ708への流れが一旦停止されると、ベローズ側壁1018及びバネコンポーネント114の圧縮が停止する。バネコンポーネント114に蓄積されたポテンシャルエネルギーは基部1020を押し、ベローズコンポーネントの側壁1018を膨張させる。この膨張により、矢印1022で示すように、ベローズチャンバ708内の流体が円周方向ピストン出口706を介してピストン104から押し出される。流体は、垂直に方向付けられた出口チャンバ502を通って上方に移動する前にピストン出口通路522を通って流れ、水平に方向付けられた出口チャンバ504を通った後にノズル124から出る。上述したように、矢印1022で示す流れは、ユーザがトリガーレバー106の作動を停止した後にベローズの弛緩により少なくとも2秒間続く。
【0046】
次に図10Dを参照して、ベローズの基部1020はピストンバルブ構造712に対して置かれ、ベローズチャンバ708及びピストン104からの流体の流れを止める。ベローズチャンバ708から出る流体によって提供される動力がない場合、矢印1036で示す流体は、バルブを開位置で維持するためにノズルバルブ120に対して十分な圧力をかけることができないため、ノズル124からの流れが停止する。矢印1036で示す流体は排水通路814を通って下方に流れるため、浸漬管128を介してトリガー噴霧器アセンブリ100に上方に引き戻される準備として流体容器に戻る。したがって、図10A図10Dは、トリガーレバー106の全ストロークと、ピストンチャンバ500及びベローズチャンバ708の排出及び再充填プロセスの全サイクルを示す。
【0047】
本明細書で説明する異なるシステム及び方法は単独で又は他のシステム及び装置との組み合わせで用いられ得る。添付の特許請求の範囲の範囲内で様々な等価物、代替物及び変更が可能である。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
【国際調査報告】