(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-05
(54)【発明の名称】睡眠習慣矯正器具のワイヤ及びランプ
(51)【国際特許分類】
A61F 5/56 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
A61F5/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524972
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 US2021039577
(87)【国際公開番号】W WO2023277880
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524034785
【氏名又は名称】オーソ-テイン,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バーガーセン,アール オー.
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB15
4C098BC08
(57)【要約】
【解決手段】
前部から延在している第1のランプ及び第2のランプを含む、癖矯正装置。第1のランプは、舌が適切に配置されることを確実とするように、ユーザ口蓋に隣接した、又はユーザ口蓋の高い位置に配置される。第2のランプは、第1のランプよりも下方かつ真下の位置に配置されており、第2のランプは、舌が口腔内の下方空間に侵入するのを実質的に防止し、第1のランプは舌位置を上昇させる一助となり、患者は、口呼吸を防ぐために舌を上昇させた状態で嚥下することを学習する。ランプ側部のスリットによって、装置の横方向拡大が可能となる。舌側タブは、顎の適切な前方配置を促進させる。より狭窄した前方ワイヤ延長部を有する舌側ワイヤは、アーチの拡大並びに上切歯及びに上顎の前方位置の移動を提供することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
癖矯正装置であって、
前記装置の前部から延在している第1のランプであって、上側ランプであり、口蓋近くのより高い位置に舌が配置されるように方向付けるために、ユーザ口蓋に隣接した、又はユーザ口蓋の高い位置に配置され、結果として前記口蓋を拡大し、前記舌の下部のより高い位置によって日中又は夜間の口呼吸が防止されることから、口呼吸もまた予防又は減少させる第1のランプと、
前記装置の前記前部から延在している第2のランプであって、下側ランプであり、前記第2のランプが、口腔内の空間の下方部分に前記舌が侵入するのを実質的に防止するために前記第1のランプよりも下方かつ真下の位置に配置され、前記第1のランプが、舌位置を上昇させる一助となり、前記患者が、前記舌を上昇させた状態で嚥下することを学習し、前記口を通じて前記口腔に空気が入ることを実質的に減少又は防止する、第2のランプを備える、癖矯正装置。
【請求項2】
前記前部が、外部シールド、前記外部シールドと離間した内部シールドを含み、前記第1のランプ及び前記第2のランプが前記内部シールドから延在する、請求項1に記載の癖矯正装置。
【請求項3】
前記外部シールドが、前記内部シールドを有する第1の窪みであって、前記ユーザの上顎の歯を受容するように構成された第1の窪みと、前記内部シールドを有する第2の窪みであって、前記ユーザの下顎の歯を受容するように構成された第2の窪みを画定する、請求項2に記載の癖矯正装置。
【請求項4】
前記第1の窪み及び前記第2の窪みが、顎が開大する可能性を減少し、それによって口呼吸を減少又は防止するための材料で裏打ちされる、請求項3に記載の癖矯正装置。
【請求項5】
前記第1の窪み及び前記第2の窪みが、前記第1の窪みと前記第2の窪みのそれぞれを、口呼吸の発生と習慣化を実質的に防止する樹脂材料で新しく裏打ちするように構成されている、請求項4に記載の癖矯正装置。
【請求項6】
前記第1の窪み、前記第2の窪み及び前記シールドの少なくとも1つが、ライナの保定を促進させるためにテクスチャ加工されている、請求項4に記載の癖矯正装置。
【請求項7】
前記内部シールドが、前記第1の窪みから一般的には上方に延在している壁であって、前記第1の窪みに面する第1の側部及び前記舌を受容するように構成された前記矯正器の空間に面する第2の側部を含む壁を含み、1つ以上の後方隆起が、前記内壁上に配置され、前記ユーザに、嚥下時の前記舌の適切な位置を思い出させる、請求項5に記載の癖矯正装置。
【請求項8】
1つ以上の舌側タブを更に備え、前記舌側タブは、前記下顎が前方に配置されるように促し、睡眠中に前記下顎が後方に滑るのを防止し、後方に移動することに由来する前記下顎及び前記舌による閉塞に抵抗することで、口呼吸、下顎前方移動及び中咽頭の開大の維持の治療成功を増加させるために、前記装置の後部に向かって前記前部から延在する、請求項7に記載の癖矯正装置。
【請求項9】
前記第1の窪み及び前記第2の窪みの一方又は両方の拡大を提供するための、前記第1のランプ及び前記第2のランプの一方又は両方の横方向縁間に配置された1つ以上のスリットを更に備える、請求項3に記載の癖矯正装置。
【請求項10】
癖矯正装置であって、
外壁と離間した内壁と、
ユーザの睡眠中に下顎が後方に滑る傾向を減少し、下顎前方移動を増加させ、下顎成長を促進し、かつ開大した中咽頭を維持するための、前記内壁から延在している1つ以上の下舌側タブと、を備える、癖矯正装置。
【請求項11】
前記下舌側タブが、前記装置の後部に向かって長手方向に、かつ前記内壁から下方に延在する、請求項10に記載の癖矯正装置。
【請求項12】
前記外壁が、前記内壁で、ユーザの上顎の歯を受容するように構成された第1の窪みを画定し、前記内部シールドで、前記ユーザの下顎の歯を受容するように構成された第2の窪みを画定する、請求項11に記載の癖矯正装置。
【請求項13】
前記内壁から延在しており、上側ランプであってほぼ前記口蓋内部の高い位置に配置されている第1のランプと、前記内壁から延在しており、前記第1のランプよりも低い位置に配置された下側ランプである第2のランプと、を更に備える、請求項12に記載の癖矯正装置。
【請求項14】
前記下舌側タブが、開大した中咽頭を維持するために前記下側ランプの下に配置されている、請求項13に記載の癖矯正装置。
【請求項15】
前記内壁が、前記第1の窪みと面する第1の側部と、前記舌を受容するように構成された空間に面する第2の側部と、を含み、1つ以上の後方隆起が前記内壁上に配置され、前記ユーザに前記舌の適切な位置を思い出させる、請求項14に記載の癖矯正装置。
【請求項16】
前記内壁が前部と後部を含み、前記1つ以上の後方隆起が前記内壁の前記後部に配置されている、請求項15に記載の癖矯正装置。
【請求項17】
前記内壁の前記後部が、前記内壁の前記前部よりも高い、請求項16に記載の癖矯正装置。
【請求項18】
前記内壁の前記前部から延在している1つ以上の上舌側タブを更に備え、前記上舌側タブは、嚥下時及び運動時並びに前記舌を突き出す際に、ユーザに前記舌の位置を思い出させるための小突起を含む、請求項17に記載の癖矯正装置。
【請求項19】
前記第1のランプが第1の長さを含み、前記第2のランプが第2の長さを含み、前記第1のランプの終端縁部が前記第2のランプまたは終端縁部よりも前記装置の前記後部に向かって更に遠くに延在するように、前記第1の長さが前記第2の長さよりも大きい、請求項18に記載の癖矯正装置。
【請求項20】
前記第1のランプが前記舌を上昇させ、前記第2のランプが、前記舌が前記ユーザの下顎に位置することを実質的に防止する、請求項19に記載の癖矯正器具。
【請求項21】
患者に癖矯正装置を提供する方法であって、前記癖矯正装置が、上方内部シールドを有する上方窪みと、下方内部シールドを有する下方窪みと、を有し、前記方法が、
前記上方内部シールドに配置されたワイヤ構造を調節して前記上方窪みの形状を変化させることであって、前記ワイヤ構造が、比較的直線状である端部間に配置された湾曲部を含む、変化させることと、
前記患者の口に変化させた形状を有する前記装置を配置し、前記上方窪みに向かって前方延長部を移動することによって前記上方窪みに配置された前記患者の歯列弓を拡大して上切歯及び上顎を前方移動させることと、を含む、方法。
【請求項22】
自己硬化性アクリル材料又は同様の材料を用いて前記上方窪み及び前記下方窪みを新しく裏打ちし、前記装置を口にしっかりと固定し、口呼吸が習慣化するのを実質的に防止することを更に含む、
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前方向に前記上歯を移動させるために、前記装置の一部分から延在しているタブに配置された前記ワイヤ構造の延長用ワイヤを調節することを更に含む、
請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年6月29日に出願された「WIRE AND RAMPS IN SLEEP HABIT CORRECTOR」という名称を有する米国仮特許出願番号第17/361,713号の優先権を主張するものであり、本明細書の一部を構成するものとしてその開示の内容を援用する。
【0002】
本発明は、小児用及び成人用の口腔内装置に関する。より詳細には、本発明は、小児及び成人における異常な睡眠問題に対処するために使用される1種以上の口腔内装置に関する。
【背景技術】
【0003】
本節での言明は、単に本開示に関連した背景情報を提供するものであり、先行技術を構成するものとして解釈されるべきではない。
【0004】
母指又は手指吸引、不良な舌の静止位置、異常な嚥下及び舌突出などの癖は、患者の健康状態に深刻な影響を及ぼし得る睡眠問題に影響を与える。例えば、下顎体内に配置された不良に静止した舌によって、小児は狭窄した上顎弓後部を発達させてしまう。これによって鼻の容積発達が促されず、鼻領域を通過する空気量が減少し得る。口呼吸は、こうした個体又はユーザが呼吸する一般的な方法となる。
【0005】
母指又は手指吸引はまた、舌を移動して口蓋内にて正しく配置されない状態にする。小児は典型的には、日中には毎分2回、睡眠中には毎分1回嚥下する。これは、日中には16時間毎に約1920回、睡眠中には480回の嚥下又は1日あたり2400回の嚥下を表している。口呼吸癖は、こうした種類の異常な実践とともに容易に発生し得る。口呼吸は、脳機能、免疫系及び成長変化(顔だけではなく体内でも同様)と強く関連している。これらのパターンは、更に頻繁な感染症を有するように身体に影響を与え(腫大扁桃腺及びアデノイド組織)、問題を更に悪化させる。
【0006】
口呼吸によっても夜に下顎や舌が後部へと移動させられるが、睡眠中に1/2インチ開口するために、これが約6ミリメートル(mm)中咽頭を狭窄する傾向がある。このことによって小児の酸素が少なくなってしまい、これが脳、免疫及び内分泌系に深刻な影響を有する。これは、睡眠時呼吸障害を有する小児が神経認知的問題、行動的問題及び社会的問題に苦しむ可能性がある理由を説明している。
【0007】
したがって、小児又は成人による異常な睡眠問題の対処を促し、これによって小児又は成人の健康状態を改善させる口腔内装置が必要とされている。
【0008】
本発明は、当技術分野のこれらの公知の欠点のいくつかを改善し、解決することを意図している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
癖矯正装置は、以下の問題を実質的に防止し、修正し、又は改善し、かつ以下の利点を提供する。
【0010】
睡眠中の下顎及び舌の後部移動を防止し、中咽頭の閉塞を取り除く。
【0011】
舌を再配置してそれ自体を口蓋に配置し、下顎体内から離す。
【0012】
口呼吸を実質的に防止し、患者に鼻を通じて呼吸させる。
【0013】
母指吸引を減少又は矯正する。
【0014】
前方開咬を減少又は矯正する。
【0015】
下顎を前方移動させ、上顎との適切な前後的関係を得る。
【0016】
下顎後退した下顎(小下顎)での下顎頭成長を刺激する。
【0017】
異常な咬合を減少又は矯正する。
【0018】
舌突出を減少又は防止する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
該装置は、前方向に装置を牽引し、必要に応じて口輪筋(口唇の周り)を強化するためのハンドルを含む。
【0020】
後方弓を拡大する。
【0021】
癖矯正装置のこうした特徴及び他の特徴が示され、該装置の添付図面でこれらが特定されている。
【0022】
一実施形態では、第1のランプ及び第2のランプを含む癖矯正装置が提供される。第1のランプは、該装置の前部から延在し、第1のランプは上側ランプであり、舌が口蓋に配置されるよう方向付けるためにユーザ口蓋に隣接した、又はユーザ口蓋の高い位置に配置され、結果として口蓋を拡大し、舌の下部の位置によって日中の口呼吸が防止されることから、口呼吸を更に防止又は減少させる。第2のランプは、該装置の前部から延在し、第2のランプは口腔内の空間の下方部分に舌が侵入するのを実質的に防止するために、第1のランプよりも下方かつ真下の位置に配置された下側ランプである。第1のランプは、舌位置を上昇させる一助となり、患者は舌を上昇させた状態で嚥下することを学習し、口を通じて口腔に空気が入ることを実質的に減少又は防止する。
【0023】
別の実施形態では、外壁と離間している内壁と、内壁から延在している1つ以上の下舌側タブと、を含む癖矯正装置が提供される。1つ以上の舌側タブは、ユーザの睡眠中に下顎が後方に滑る傾向を低下させ、下顎前方移動を増加させて下顎成長を促進させるように構成されている。
【0024】
更なる実施形態では、上方窪み及び下方窪みを有する癖矯正装置を使用する方法が提供される。該方法は、自己硬化性アクリル材料又は同様の材料を用いて上方窪み及び下方窪みを新しく裏打ち(reline)し、装置を口にしっかりと固定し、口呼吸が習慣化するのを実質的に防止する。
【0025】
更なる実施形態では、患者に、上方内部シールドを有する上方窪みと下方内部シールドを有する下方窪みとを有する癖矯正装置を施す方法が提供される。該方法は、上方内部シールドに配置されたワイヤ構造を調節して上方窪みの形状を変化させることであって、該ワイヤ構造は、比較的直線状である端部間に配置された湾曲部を含む、変化させることと、患者の口に変化させた形状を有する装置を配置し、上方窪みに向かって前方延長部を移動することによって上方窪みに配置された患者の歯列弓を拡大して上切歯及び上顎を前方移動させることと、を含む。
【0026】
1つ以上の実施形態では、スリットは、上顎後方弓の容易な拡大を可能にするために、後方マージンの両ランプの側方部分に配置される。
【0027】
更なる実施形態では、装置前方から後部へと舌側の弓周辺に存在する埋め込みワイヤ(直径0.030インチ~0.045インチ)がある。
【0028】
埋め込みワイヤは、後方(後部)領域で縦方向に波形部又は湾曲部を有し、上顎弓又は下顎弓にて歯列弓を良好に拡大し得る。
【0029】
0.015インチ~0.028インチの3つのフロントワイヤ延長部は、主フロントワイヤから上方に延在し、前方向に前歯及び上顎を前方移動させる。他の数のフロントワイヤ延長部が企図される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
添付の図面と併せて本願の実施形態の以下の説明を参照することによって、本願の上述の態様及びこれらを得る様式は、より明らかなものとなり、本願自体の教示は、より良好に理解されるであろう。
【0031】
【
図5】癖矯正装置の長手方向中心線に沿った側断面図である。
【
図8】癖矯正装置に埋め込まれたワイヤの一実施形態の斜視図である。
【
図9】癖矯正装置に埋め込まれたワイヤの別の実施形態の斜視図である。
【
図10】
図7の癖矯正装置の別の実施形態の長手方向中心線に沿った側断面図である。
【
図11】治療推奨決定時に睡眠時呼吸障害の症状、重症度及び指標を決定するためのプロセスチャートを示す。
【0032】
対応する参照符号は、いくつかの図面を通して対応する部分を示す。本明細書に記載された例証は、いくつかの形態で本願の実施形態を示すが、以下に開示される実施形態は網羅的であること、又は開示された正確な形態に本願の範囲を限定するものと解釈されることを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示の原理を組み込む例示的な実施形態は本明細書に開示されているが、本開示は、開示された実施形態に限定されない。代わりに、本願は、その一般原理を使用する本開示のいかなる変形、使用又は適合を網羅することが意図されている。更に、本願は、本発明が関係する当技術分野で公知の、又は慣習的な実施の範囲内での本開示からの逸脱を網羅することが意図されている。
【0034】
開示された癖矯正装置は、異常な睡眠問題を有する個体について、夜間に主に受動的に使用される。添付の図面は、様々な設計特徴の理解を提供する。開示された装置は、患者又は個体に鼻を通じて呼吸させ、夜間の口呼吸を減少するように、睡眠中に夜間に主に受動的に着用される。癖矯正装置は、小児(及び成人)における異常な睡眠問題及びそうした問題に影響を与えることが知られ得る習慣及び成長因子に対処する。
図1は、上側ランプ及び下側ランプの両方を示し、上側ランプは可能な限り口蓋まで舌を誘導するが、下側ランプは、舌が下顎体内での静止姿勢位をとるのを防止する。
【0035】
図1は、開口時に口腔を通じて患者が空気を得るのを実質的に防止するための、唇側シールドとしても特定されている高い上方外部シールド12を含む癖矯正装置10を示す。癖矯正器具は、異なるサイズの口に適合するように異なるサイズとなり、上歯及び下歯の両方に係合する。高い上方外部シールド12は、上歯に適合するように構成されている窪み14から上方に延在し、その結果、上歯は、外部シールド12、窪み14及び内部シールド16によって境界付けられる。装置10の後部上部18では、外部シールド12と内部シールド16との間の横方向距離Dが増加し、特に舌の舌側に向かってより広い窪みを提供する。外部シールド12の上縁20は、窪み14の表面に対応して画定された内部シールド16の上縁22よりも高い。内部シールド16の上縁22は、外部シールド12の上縁20よりも低いが窪み14から延在し、内部シールドの対向する上縁間の位置に舌の側部を維持するための高い舌側マージンを提供する。後方隆起23の位置の上縁22は、1つ以上の突起32が延在する壁32の上縁よりも高い。
【0036】
本明細書で使用される場合、「前」は、前歯に配置されるように構成された装置の部分を意味する。装置は、前歯から奥歯に向かって延在し、中心線に沿って前から後ろに延在している中心長手方向線を画定する。
【0037】
図1は、
図3に見られるように、上方後方窪み28及び下方後方窪み30を含む窪み14の後方部分を更に示す。上方窪み28は、上顎の歯を受容するように構成され、下方窪み30は、下顎の歯を受容するように構成されている。一実施形態では、下方後方窪み30は、睡眠中、特に夜間に顎が分離するのを実質的に防止する自己硬化性アクリル樹脂で裏打ちされている。上方後方窪み28は、1つ以上の実施形態では、窪み14に配置された自己硬化性アクリル樹脂もまた含む。熱軟化性オーバーレイを含む、自己硬化性アクリル樹脂以外の材料が企図される。更なる材料としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、エチレンビニルアクリレート(ethylene vinyl acetate、EVA)又は熱可塑性エラストマー(thermal plastic elastomer、TPE)が挙げられるが、これらに限定されない。自己硬化性アクリル樹脂を使用することで、顎は閉鎖した咬合状態でともに保持され、中咽頭への舌のぶつかりを減少又は防止する。装置の上半分と下半分(上方窪み及び下方窪み)の二重の新しい裏打ちによって、口呼吸を可能にしてしまう顎の開大を防止する一助となる。装置の上半分及び下半分の両方が新しく裏打ちされた状態となることで、口呼吸が生じ、習慣化するのを実質的に防止する。1つ以上の実施形態では、樹脂は比較的硬質であり、通常は新規樹脂で置き換えられることがない。新たな裏打ちが必要とされる場合、ユーザはそれを行ってもよい。上方窪み14及び下方窪み30は、必要に応じて、内部窪みにあっても、ライナへの接着性を増大させるためにテクスチャ加工される。
【0038】
1つ以上の突起32は、装置後部に向かって内部シールド16の壁33から延在しており、舌が前方に突出し、舌突出の可能性を減少するのを実質的に防止し、適切な嚥下を促す。他の実施形態では、突起領域は突起32の代わりに、又はこれに加えて内部シールドの側壁から延在する。突起32は、上顎弓の舌側部分に延在する。
【0039】
図1はまた、ライナによって歯間領域に入り、装置の保定を増大させ、開口を防止させる硬口蓋の側部の舌側軟組織に入る内部シールド16の上縁22によって画定された高い後方舌側マージンを示す。
図4及び
図5に示されている別の実施形態では、装置10の取り外しの可能性が減少し、装置10は、該装置とともに成形されたアーチワイヤ34を含む。一実施形態では、アーチワイヤ34は、単一の太いワイヤである。他の実施形態では、複数のワイヤが装置とともに成形される。
【0040】
外部シールド12は、上唇側シールド35及び下唇側シールド37を含み(
図1、
図3、
図4及び
図6を参照)、そのそれぞれは、口呼吸を減少又は防止し、かつ鼻呼吸を促すために装置10の前に向かってより高い状態である。
図6では高さAを有する唇側シールド35及び
図6では高さBを有する唇側シールド37は、1~2歳、3~5歳、6~8歳、9~12歳、13歳などの異なる年齢及び成人に至るまでの患者が許容され得るような高さである。これらの上唇側及び下唇側シールドは、こうした様々な年齢の口腔に適合するように、できる限り適合することができる高さでなければならない。患者が口腔及び中咽頭に空気を入れるために口を開ける場合、舌は中咽頭の前方壁にぶつかってこれを虚脱させ、肺への空気(酸素)を減少させるため、これは重要である。これらのシールドはまた、口呼吸を防止し、かつ口呼吸を通常の鼻呼吸に置き換える。
【0041】
以下の表1は、異なる年齢群について高さA及び高さBの高さの範囲を示す。ただし示された高さの範囲は例示的なものであり、高さA及び高さBはこれらの特定の高さに限定されるべきではない。患者によって異なる高さは、高さを減少させることによって、又はいずれかの方向に約5mmの距離だけそれぞれの年齢群の高さを増加させることによって調節される。
【0042】
【0043】
外部シールド12の前方マージン20は、異なる実施形態では、内部シールド16の後方舌側マージン22よりも非常に高い。後方頬側マージン21(上縁20の一部)は、後方舌側マージン22とほぼ同じ高さである。これらの舌側後方マージン22は、上方前方シールド35及び下方前方シールド37とは異なる目的のためのものであるが、これはむしろ口呼吸及び母指吸引を防止する目的のためのものである。後方マージン21及び22は、装置10の取り外しを防止し、顎をしっかりと一緒に維持して、望ましくない口呼吸を可能とする顎の開大を防止するために、犬歯と後方歯との歯間領域に新しい裏打ちをしっかりと固定するためのものである。
【0044】
新しい裏打ちは、メチルメタクリレート又はエチルメタクリレートなど、自己硬化性アクリルである別個の硬質プラスチックの添加であり、歯、大半の場合には後方上歯及び/又は下歯の鼓形空隙に流入する。この目的は、装置を歯にしっかりと固定し、装置が口から脱落するのを防止すること、又はこうした材料と上部及び下部が新しく裏打ちされるときに口が開くのを防ぐことである。ある場合には、アクリルは歯科専門職によって交換されることができるが、これは頻繁ではない。
【0045】
以下の表2は、前方マージン20及び後方舌側マージン22の高さの範囲を示す。ただし示された高さの範囲は例示的なものであり、したがって該高さは表2の高さに限定されるべきではない。例えば、基本要素22は、2~4歳では要素番号20よりも1.4倍高いが、成人の高さにおいては2.6倍高い。これらの高さは例示的であり、かつ多くの患者にとっては一般的に許容可能であるが、これらの距離は、異なる実施形態では、表2の高さとは著しく異なっている可能性がある。表2の第3の列は、要素22と比較したときの要素20の高さの比を示す。
【0046】
【0047】
図2及び
図3に見られるように、装置10は、内部シールド16の下縁から延在する1つ以上の下舌側タブ36を含む。
図3では、下顎が前方(前方向)に配置されるように促し、下顎が睡眠中に後方に滑るのを防止するために、下舌側タブ36は、窪み14の後部に向かって長手方向に、かつ窪み14の前部から下向きに延在する。この結果、体内への酸素を減少させ得る、口呼吸及び下顎前方移動の治療成功を増加させ、かつ中咽頭の前方壁に対する圧力を高め、体内への酸素を減少させ得る気道制限を防ぐ。舌側タブ36は、下側ランプ又は棚部42の下に配置され、中咽頭の開大を維持している。1つ以上の実施形態では、これらのタブ36の長さは6~10mmであり、現在知られている癖矯正器具のタブよりもおよそ3~7mm長く、最大下顎前方移動、中咽頭の開大を保証し、夜間の口呼吸の矯正を改善する。
【0048】
上顎後方舌側タブ又は突起32(
図4を参照)は、嚥下時に舌が属する場所を小児に思い出させる小突起を含む。
図1の他の後方隆起23(円として示されている)は、舌がどこに配置されるべきかを指示し、それによって舌を突き出し、口蓋を拡大するためのものである。隆起23は、舌側口蓋タブ22の舌側の面に配置されている。1つ以上の実施形態では、通常、これらの隆起のうち3つが存在し、口蓋タブの舌側の面に配置されている。隆起23の他の数が企図される。突起32はまた、舌突出を減少させる上顎突起としても特定されている。
【0049】
図1及び
図3に見られるように、装置10は、装置の後部に向かって延在している第1のランプ又は棚部40及び第2のランプ又は棚部42を含む。第1のランプ40は第2のランプ42よりも大きく、第2のランプ42の終端縁部46よりも装置の後部に向かって更に遠くに延在する終端縁部44を含む。
図1でも見られるように、第1のランプ40は、第2のランプ42に対して高く、その結果として第2のランプ42よりも口蓋に近くなる。上顎のより大きく、より長い第1のランプ40は、舌を口蓋中へと上昇させ、下顎のより小さく短い第2のランプ42は、舌が下顎体に位置するのを実質的に防止し、かつこれを阻止する。舌が、第1のランプの下の任意の場所、すなわち第1のランプ40の下に配置された任意の場所に侵入する可能性を減少する、又は侵入するのを防止するのに十分である、第1のランプ40の底部と第2のランプ42の頂部との間の空間が存在する。別の実施形態では、2つのランプ40と42との間に接続部が存在してもよい。
【0050】
第1のランプ40及び第2のランプ42の位置は、
図2及び
図4にも示されている。上側ランプ40は、舌の下部(下方部分)が日中及び夜間の口呼吸を防止するため、舌が口蓋を拡大する口蓋での位置を学習し、かつ口呼吸も防止することを確実にするため、ほとんど口蓋内部では非常に高い。下側ランプは、舌が口腔内の空間の下方部分に侵入するのを実質的に防止する。上側ランプ40は、舌位置を上昇させる一助となり、患者は舌を上昇させた状態で嚥下することを学習する。この位置はまた、口呼吸を生じさせる口腔への空気の侵入を実質的に防止する。
【0051】
スリット47及び48は、後方セクション28及び30の無制限の拡大又は収縮を可能にするために、
図1のランプ40及び42の両方の側部に配置される。縦方向に方向付けられたウェーブ構造49を有する埋め込みワイヤ15(
図4及び
図8を参照)は、装置10を形成する材料内部に配置されている。ウェーブ構造49は、比較的直線状のベースラインから縦方向に延在し、概して丸みを帯びたピークを含む。上顎弓の本体は、互いに向かい合うように、又は互いに離れるように
図1及び
図3のセクション28及び30を移動させることによって調節される。互いに更に離れてセクション28と30を離間することによって、上顎弓の身体的拡大が増加される。他の実施形態では、ウェーブ構造は、矩形波などの概して四角形の、かつ周期的であるピークを含む。内部シールド16に沿って長手方向に延在し、かつ内部シールド16に沿って縦方向に延在しているワイヤを含む他の実施形態が企図される。別の実施形態では、ワイヤ15などのワイヤは、下方窪み30に配置された内部シールドに配置される。
【0052】
より小さな直径、すなわち0.020インチ径の更なるワイヤ50は、いくつかの実施形態では
図7及び
図9に見られるように主な埋め込みワイヤ15に取り付けられる。他のサイズのワイヤが企図される。ワイヤ50は、例えば、口蓋内に適合するように上向きに曲げられた3本の延長用ワイヤを有し得る縦波形部51を含む。ワイヤ50及び縦波形部は、プラスチック製タブ53に埋め込まれ(
図7を参照)、そのそれぞれは、上歯の裏側に向かって手動にて前方に曲げられたときには、装置の舌側から上方に延在する。タブ53が歯の裏側の位置に移動すると、上顎及び切歯は、ある期間にわたって前方に移動される。
図7及び
図8を参照されたい。ワイヤ埋め込みタブは、唇側シールドから何らかの干渉を受けることなく、上顎及び上切歯が前方に容易に移動させることが可能である装置で使用される。
図10は、内部シールド16内部に配置されたワイヤ50の波形部51を含むワイヤ15を示す。正しい断面図では、波形部49を有するワイヤ15は示されていない。この
図10では、方向付けられたウェーブ構造49及びワイヤ15は、シールド16に対するおよその位置を示すために示される。
【0053】
頬側後方マージンはまた、定位置に装置を更にしっかりと保持し、顎の開大を防止するために増大される。上方シールド35上の頬側後方マージンは、
図1の縁21によって、及び
図3の縁37による下方シールド中に示されている。
【0054】
図5は、癖矯正装置の長手方向中心線に沿った側断面図である。
図5に見られるように、上側ランプ又は棚部40及び下側ランプ又は棚部42は、舌の位置を維持するように離間されている。上顎のより大きく、より長い第1のランプ40は、舌を上昇させ、下顎のより小さく短い第2のランプ42は、舌が下顎に位置するのを実質的に防止し、かつこれを阻止する。舌側タブ36は、下方棚部42の舌に配置される。棚部40は、舌を口蓋へと上方に誘導するが、棚部42はこれより短く、舌が下顎体内で静止位置を見出すのを防止する。舌は、患者が口を通じて呼吸することを防止する棚部40の頂部に静止している。棚部40はまた、舌がより快適な状態となるように、棚部の中央でわずかに下方に湾曲され得る。舌側タブ36は下方に、より長くより効率的に延在しており、睡眠中に下顎が後方に滑るのを防止する。これはまた、下顎が中咽頭から離れるのを防止し、中咽頭がつぶれるのを防止する。
【0055】
更なる実施形態が以下のように説明される。該実施形態は装置を作製するための方法を一般的に説明するが、結果として生じる、説明された特徴を有するデバイスもまた企図される。
【0056】
本明細書で開示される場合、癖矯正装置の一実施形態は、第1の窪み及び第2の窪みを形成することを含み、それぞれが、顎の開大の可能性を減少させ、それによって口呼吸の防止を減少する材料で裏打ちされる。
【0057】
別の実施形態では、縦湾曲などの埋め込み波形ワイヤ構造を含むワイヤを含む矯正装置を提供する方法であって、波形ワイヤ構造が、癖矯正装置の舌側部分に成形される方法を提供する。ワイヤ構造は、例えば、裏側左側部近くの適用面から、例えば裏側右側部近くの装置のもう片方の側部まで延在する。
【0058】
更なる実施形態では、埋め込み波形ワイヤ構造を含むワイヤを有する矯正装置を提供する方法であって、埋め込みワイヤ構造は、所望の位置へといったん曲げられると、ワイヤがその形状を保持しながらも折り曲げ可能である方法が提供される。折り曲げ可能ワイヤによって、ユーザは装置の形状を変えて側部間の距離を拡大又は狭め、上顎弓の幅を変更することが可能となる。
【0059】
同一の実施形態又は他の実施形態では、ユーザが装置の形状を変えて、側部間の距離を拡大又は狭めることを可能にし、下方弓の幅を変更するために装置の下方弓に埋め込まれた折り曲げ可能ワイヤを有する癖矯正装置が提供される。
【0060】
別の実施形態では、上方棚部、下方棚部又は上方棚部と下方棚部の両方を備えた癖矯正装置を調製する方法であって、棚部は、装置側部に直接接続されないが、側部から分離され、側部間の横方向距離の拡大又は減少を促進させる。ユーザによって距離が設定されると、埋め込みワイヤは、ワイヤを更に操作するまで新しく選択された位置でその形状を維持する。
【0061】
癖矯正装置の更なる実施形態では、方法は、癖矯正装置を調製することを含み、装置前部の上方壁及び下方壁は、開口しているときであっても口呼吸を防止し、鼻呼吸を刺激するために並外れて高いものである。例えば、1つ以上の実施形態では、「並外れて高い」は、上記表2に示されている値よりも約25%増加するものと考えられる。こうした寸法は以下の表3に示され、寸法のそれぞれはミリメートルである。列は、表#3にて列A及び列Bとして示され、
図6は、
図1の高さ20及び
図2の高さ41の推奨量を説明し、25%増加したものは、列ではA(+25%)及びB(+25%)と記されている。A高さ20及びB高さ41は、以下の表3で見られる。
【0062】
【0063】
別の実施形態では、折り曲げ可能ワイヤを備えた装置を埋め込む方法が提供され、装置は癖矯正装置、Max A装置及びクラスIII装置である。Max Aは、下顎に対して前方(anterior)(前方、forward)位置に上切歯及び上顎を前方移動させる装置である。上舌側前方シールドに取り付けられた3つの延在タブによってこの移動を行う。3つのタブに対する舌圧は、このMax A(又はクラスIII装置)には唇側シールドが存在しないことから、上顎弓(歯及び骨)を前方に押し出す。
【0064】
クラスIII装置は、Max Aと同じ上部を有するが、下方シールドの下後方部上にバンパを有し、これが下方歯列に対して後方に圧を加える。Max Aは、顔面中部後退を矯正し、クラスIII装置は、上顎後退(前方下顎)の治療と組み合わせた下顎前突(前方下顎)を矯正する。
【0065】
他の実施形態は、上顎及び上歯を前方移動させることなどの他の目的に対処する様々な構成を有する、主ワイヤに取り付けられた更なるワイヤを含む埋め込みワイヤを備えた装置を作製する方法を含む。主ワイヤに取り付けられた更なるワイヤは、いくつかの実施形態では主ワイヤよりも細いか、主ワイヤと同じサイズか、主ワイヤよりも太い。他の実施形態では、更なるワイヤの特徴は、様々な厚さ又は直径を含む単一主ワイヤに含まれる。
【0066】
更なる実施形態では、装置に埋め込まれるときにこれらのワイヤ延長部を前方に押し出すことによって上顎及び上前歯を前方移動させるため、上顎及び上顎前歯に圧を加える複数の高い延長部を有する更に小さな径の更なるワイヤを備えた、ベースワイヤの後方部分に湾曲部を備える埋め込みワイヤを含む装置を作製するための方法が存在する。
【0067】
睡眠時呼吸障害を決定又は診断するため、患者の年齢に応じて、1つ以上の睡眠アンケートが使用される。最も頻繁に使用される睡眠アンケートは、5~7歳向けのものであるが、これは8~12歳の個体向けにも使用され得る。アンケートのそれぞれは、質問の形態で症状一覧を提供する。質問への回答は、癖矯正装置が患者に推奨されるかどうかを決定するために使用される。一実施形態では、装置の有効性を決定するために、並びにその後の回であっても更に数ヶ月後及び数年後に生じ得る改善又は再発の持続性を決定するために、決定は、患者が癖矯正装置の使用を開始する前に初回に、及び6ヶ月などのある期間後のその後の回又は2回目に行われる。
【0068】
図11は、単独で、又は睡眠アンケートと組み合わせて使用される、睡眠時呼吸障害を決定又は診断するためのフローチャート58の一例の一実施形態を示す。睡眠アンケートが使用されない場合には、施術者が決定を行うことができる。アンケートを使用する場合、最初にブロック60では、患者は、回答が求められるいくつかの質問を含む睡眠発声アンケートに記入し、回答時には治療推奨を提供する。これらの質問は、以下の症状:いびき、異常発音、努力呼吸、子音省略、断続的ないびき、鼻声又は嗄声、多動、失禁、口呼吸、多くの中断、寝起きの頭痛(A.M.)、頻繁な感染症、アレルギー、歯ぎしり、過度の発汗、浅い眠り、夢遊病、注意欠陥、学校生活での困難さ及び夜間起床、のうちの1つ以上を網羅する。これらの症状のそれぞれは、年齢に関連するアンケートのうちの1つ以上に存在するが、必要に応じて他の症状を含むことができる。1つ以上の実施形態では、症状のそれぞれはまた、症状の重症度に基づいて特徴付けられる。例えば、異なる実施形態では、重症度は、0~5の尺度に基づいて評価される。他の尺度が企図される。重症度0は、存在しないことを表しており、1~2(週に約1~2回)は軽度の重症度である。#3は、中程度の重症度(週に約3~4回生じる)であり、4~5は顕著な重症度(週に5~7日の夜間でほとんど常に存在する)である。
【0069】
アンケートが完了すると、症状の数、症状の重症度及び指標を決定するためにアンケートを審査する。指標は、症状の数及び累積総重症度を加えることによって決定される値である。累積総重症度は、症状のそれぞれについて特定された重症度値を加えることによって決定される。ブロック60を参照されたい。指標が決定されると、アンケート結果に基づいて異なる治療推奨が行われる。本実施形態では、ブロック62にてグレード1、ブロック64にてグレード2、ブロック66にてグレード3、ブロック68にてグレード4及びブロック70にてグレード5として特定された治療レベルが存在する。より少ないグレード又は更なるグレードが企図される。ブロックのそれぞれに見られるように、治療は重症度に基づいて推奨される。ブロックのそれぞれはまた、推奨治療及び治療の必要性を提供するために必要とされる症状の値、重症度及び指標を表す。
【0070】
例えば、グレード1(ブロック62)に見られるように、治療は必要ないか、ブロック72に存在する治療の必要性がわずかに存在する。更には、タイプ4、5、6、9、10、25及びADHDなどのある特定のタイプの単一症状は、ブロック74では治療が推奨される。以下の表4を参照されたい。
【0071】
【0072】
ブロック64、66、68及び70のそれぞれは、対応するブロック76、78、80及び82に示されるように、推奨治療及び治療の必要性を含む。
図11で見ることができるように、ブロック76、78、80及び82は、睡眠習慣矯正器具を用いた治療を推奨するが、そのそれぞれは、ブロック76での軽度の必要性からブロック80の非常に強く顕著な必要性までの範囲の異なる必要性を有する。グレード5については、ブロック70では、強制的な治療が推奨され、必要性は重度であると考えられる。治療が推奨されると、推奨されたタイプの治療は、施術者によって患者に提供されるか、コンピュータによる人工知能によって患者に直接提供される。治要は、異なる実施形態では、日中の治療セッション数及びそれぞれの治療セッションのために定位置に装置が配置される時間量を含む。治療は、厳格に守られる提案された治療、施術者若しくはコンピュータによって調節される提案された治療、又は完了した個体の調査の結果に基づいて施術者若しくはコンピュータによって設計される治療を含むことができる。
【0073】
本開示の原理を組み込む例示的な実施形態は本明細書に説明されているが、本開示は、こうした実施形態に限定されない。代わりに、本願は、その一般原理を使用する本開示のいかなる変形、使用又は適合を網羅することが意図されている。更に、本願は、本開示が関係する当技術分野で公知の、又は慣習的な実施の範囲内での本開示からの逸脱を網羅することが意図されている。
【国際調査報告】