(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 59/80 20230101AFI20240702BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20240702BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20240702BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20240702BHJP
H10K 50/824 20230101ALI20240702BHJP
H10K 50/88 20230101ALI20240702BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20240702BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H10K59/80
H10K59/123
H10K59/131
H10K59/122
H10K50/824
H10K50/88
H10K59/124
G09F9/30 338
G09F9/30 365
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551790
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 CN2022103405
(87)【国際公開番号】W WO2023236296
(87)【国際公開日】2023-12-14
(31)【優先権主張番号】202210642017.1
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 良芬
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC11
3K107DD37
3K107DD38
3K107DD89
3K107DD90
3K107EE03
3K107FF15
5C094AA31
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA13
5C094EA10
5C094FA03
5C094HA03
5C094HA06
5C094HA08
5C094JA08
5C094JA09
(57)【要約】
本発明は表示パネル及び表示装置を提供し、発光デバイス層と、補助構造とを含み、前記発光デバイス層は、第1導電層と、有機層と、第2導電層とを含み、第1導電層は画素駆動回路に電気的に接続された第1電極を含み、第2導電層は有機層の第1部分上に位置する第2電極を含み、前記補助構造は、順番に設置されたベース、補助電極、及び補助部を含み、ベースの断面は台形であり、第2電極は、第1部分を超え、且つ補助電極と接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルであって、
アレイ基板と、発光デバイス層と、補助構造とを含み、
前記アレイ基板は、基板と、前記基板上に位置する画素駆動回路層とを含み、前記画素駆動回路層は画素駆動回路を含み、
前記発光デバイス層は、前記画素駆動回路層の上に位置し、第1導電層と、前記第1導電層上に位置する有機層と、前記有機層上に位置する第2導電層とを含み、前記第1導電層は前記画素駆動回路に電気的に接続された第1電極を含み、前記有機層は第1部分を含み、前記第2導電層は前記第1部分上に位置する第2電極を含み、前記第1部分の一部は前記第1電極と前記第2電極との間に位置し、
前記補助構造は、前記画素駆動回路層上に位置し、ベースと、前記ベースの外側面上に位置する補助電極と、前記ベース上に位置する補助部とを含み、
前記ベースの断面は台形であり、前記第2電極の前記補助部に近いエッジは、前記第1部分の前記補助部に近いエッジを超え、且つ前記補助電極と接続され、
前記第2電極の前記補助構造に近いエッジは、前記第1部分の前記補助構造に近いエッジを超え、且つ前記補助電極と接続され、
前記ベースは上面をさらに含み、前記上面は、前記外側面に接続され且つ底面と対向して設置され、前記補助電極は前記上面及び前記外側面を被覆する、表示パネル。
【請求項2】
前記有機層は前記補助部上に位置する第2部分をさらに含み、前記第1部分と前記第2部分とは前記補助部のエッジ箇所で切断され、前記第2導電層は前記第2部分上に位置する切断部分をさらに含み、前記第2電極と前記切断部分とは前記補助部の前記エッジ箇所で切断される、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第2電極と前記補助電極との重なり面積は、前記第1部分と前記補助電極との重なり面積よりも大きい、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記補助電極と複数の前記第1電極とは同じ層に設置され且つ材料が同じである、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記アレイ基板は平坦層をさらに含み、前記平坦層は前記画素駆動回路層と前記第1導電層との間に位置し、前記発光デバイス層は画素定義層をさらに含み、前記画素定義層は前記平坦層と前記有機層との間に位置し、前記ベースと前記平坦層又は前記画素定義層とは同じ層に設置され且つ材料が同じである、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記補助部のエッジの前記基板上での正投影は、前記ベースの前記基板上での正投影の境界を超える、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記補助部の前記エッジの前記基板上での前記正投影は、前記ベースの前記基板上での前記正投影の境界を0.5μm以上超え、前記第2電極の前記補助構造に近い前記エッジの前記基板上での正投影は、前記補助部の前記基板上での正投影の境界範囲内に位置する、請求項6に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記ベースの前記外側面と前記基板の底面との夾角は、30°以上60°以下である、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
表示パネルであって、
アレイ基板と、発光デバイス層と、補助構造とを含み、
前記アレイ基板は、基板と、前記基板上に位置する画素駆動回路層とを含み、前記画素駆動回路層は画素駆動回路を含み、
前記発光デバイス層は、前記画素駆動回路層の上に位置し、第1導電層と、前記第1導電層上に位置する有機層と、前記有機層上に位置する第2導電層とを含み、前記第1導電層は前記画素駆動回路に電気的に接続された第1電極を含み、前記有機層は第1部分を含み、前記第2導電層は前記第1部分上に位置する第2電極を含み、前記第1部分の一部は前記第1電極と前記第2電極との間に位置し、
前記補助構造は、前記画素駆動回路層上に位置し、ベースと、前記ベースの外側面上に位置する補助電極と、前記ベース上に位置する補助部とを含み、
前記ベースの断面は台形であり、前記第2電極の前記補助部に近いエッジは、前記第1部分の前記補助部に近いエッジを超え、且つ前記補助電極と接続される、表示パネル。
【請求項10】
前記第2電極の前記補助構造に近いエッジは、前記第1部分の前記補助構造に近いエッジを超え、且つ前記補助電極と接続される、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記有機層は前記補助部上に位置する第2部分をさらに含み、前記第1部分と前記第2部分とは前記補助部のエッジ箇所で切断され、前記第2導電層は前記第2部分上に位置する切断部分をさらに含み、前記第2電極と前記切断部分とは前記補助部の前記エッジ箇所で切断される、請求項10に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第2電極と前記補助電極との重なり面積は、前記第1部分と前記補助電極との重なり面積よりも大きい、請求項10に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記補助電極と複数の前記第1電極とは同じ層に設置され且つ材料が同じである、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記ベースは上面をさらに含み、前記上面は、前記外側面に接続され且つ底面と対向して設置され、前記補助電極は前記上面及び前記外側面を被覆する、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記アレイ基板は平坦層をさらに含み、前記平坦層は前記画素駆動回路層と前記第1導電層との間に位置し、前記発光デバイス層は画素定義層をさらに含み、前記画素定義層は前記平坦層と前記有機層との間に位置し、前記ベースと前記平坦層又は前記画素定義層とは同じ層に設置され且つ材料が同じである、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項16】
前記補助部のエッジの前記基板上での正投影は、前記ベースの前記基板上での正投影の境界を超える、請求項10に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記補助部の前記エッジの前記基板上での前記正投影は、前記ベースの前記基板上での前記正投影の境界を0.5μm以上超え、前記第2電極の前記補助構造に近い前記エッジの前記基板上での正投影は、前記補助部の前記基板上での正投影の境界範囲内に位置する、請求項16に記載の表示パネル。
【請求項18】
前記補助部の横断面の形状は逆台形又は矩形である、請求項16に記載の表示パネル。
【請求項19】
前記ベースの前記外側面と前記基板の底面との夾角は、30°以上60°以下である、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項20】
表示装置であって、請求項1に記載の表示パネルを含む、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示の技術分野に関し、具体的に表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大型OLED(Organic Light-Emitting Diode、有機発光ダイオード)表示パネルは、動作するときに、陰極の抵抗が大きいため、パネル面内の各々の領域の陰極上の電圧が一致せず、それにより表示画面の輝度むらを引き起こすようになる。従来の解決方式は、バックプレート上に補助電極を付加的に作製し、陰極を各種の方式により補助電極と当接させる方式であり、補助電極と並列接続されることにより陰極の抵抗を低減させ、パネル全体の画面表示を均一にすることができる。
【0003】
従来技術において、陰極は、一般的にアンダーカット(Undercut)方式により、補助電極上に当接させるが、このような当接には、当接が不安定であり、ひいては当接しにくいという問題が存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は表示パネル及び表示装置を提供し、陰極と補助電極との当接が不安定であるという問題を改善することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例は表示パネルを提供し、アレイ基板と、発光デバイス層と、補助構造とを含み、前記アレイ基板は、基板と、前記基板上に位置する画素駆動回路層とを含み、前記画素駆動回路層は画素駆動回路を含み、前記発光デバイス層は、前記画素駆動回路層の上に位置し、第1導電層と、前記第1導電層上に位置する有機層と、前記有機層上に位置する第2導電層とを含み、前記第1導電層は前記画素駆動回路に電気的に接続された第1電極を含み、前記有機層は第1部分を含み、前記第2導電層は前記第1部分上に位置する第2電極を含み、前記第1部分の一部は前記第1電極と前記第2電極との間に電気的に接続され、前記補助構造は、前記画素駆動回路層上に位置し、ベースと、前記ベースの外側面上に位置する補助電極と、前記ベース上に位置する補助部とを含み、前記ベースの断面は台形であり、前記第2電極の前記補助部に近いエッジは、前記第1部分の前記補助部に近いエッジを超え、且つ前記補助電極と接続され、
前記第2電極の前記補助構造に近いエッジは、前記第1部分の前記補助構造に近いエッジを超え、且つ前記補助電極と接続され、
前記ベースは上面をさらに含み、前記上面は、前記外側面に接続され且つ前記底面と対向して設置され、前記補助電極は前記上面及び前記外側面を被覆する。
【0006】
いくつかの実施例において、前記有機層は前記補助部上に位置する第2部分をさらに含み、前記第1部分と前記第2部分とは前記補助部のエッジ箇所で切断され、前記第2導電層は前記第2部分上に位置する切断部分をさらに含み、前記第2電極と前記切断部分とは前記補助部の前記エッジ箇所で切断される。
【0007】
いくつかの実施例において、前記第2電極と前記補助電極との重なり面積は、前記第1部分と前記補助電極との重なり面積よりも大きい。
【0008】
いくつかの実施例において、前記補助電極と複数の前記第1電極とは同じ層に設置され且つ材料が同じである。
【0009】
いくつかの実施例において、前記アレイ基板は平坦層をさらに含み、前記平坦層は前記画素駆動回路層と前記第1導電層との間に位置し、前記発光デバイス層は画素定義層をさらに含み、前記画素定義層は前記平坦層と前記有機層との間に位置し、前記ベースと前記平坦層又は前記画素定義層とは同じ層に設置され且つ材料が同じである。
【0010】
いくつかの実施例において、前記補助部のエッジの前記基板上での正投影は、前記ベースの前記基板上での正投影の境界を超える。
【0011】
いくつかの実施例において、前記補助部の前記エッジの前記基板上での前記正投影は、前記ベースの前記基板上での前記正投影の境界を0.5μm以上超え、前記第2電極の前記補助構造に近い前記エッジの前記基板上での正投影は、前記補助部の前記基板上での正投影の境界範囲内に位置する。
【0012】
いくつかの実施例において、前記ベースの前記外側面と前記基板の底面との夾角は、30°以上60°以下である。
【0013】
本発明の実施例は表示パネルをさらに提供し、アレイ基板と、発光デバイス層と、補助構造とを含み、前記アレイ基板は、基板と、前記基板上に位置する画素駆動回路層とを含み、前記画素駆動回路層は画素駆動回路を含み、前記発光デバイス層は、前記画素駆動回路層の上に位置し、第1導電層と、前記第1導電層上に位置する有機層と、前記有機層上に位置する第2導電層とを含み、前記第1導電層は前記画素駆動回路に電気的に接続された第1電極を含み、前記有機層は第1部分を含み、前記第2導電層は前記第1部分上に位置する第2電極を含み、前記第1部分の一部は前記第1電極と前記第2電極との間に電気的に接続され、前記補助構造は、前記画素駆動回路層上に位置し、ベースと、前記ベースの外側面上に位置する補助電極と、前記ベース上に位置する補助部とを含み、前記ベースの断面は台形であり、前記第2電極の前記補助部に近いエッジは、前記第1部分の前記補助部に近いエッジを超え、且つ前記補助電極と接続される。
【0014】
いくつかの実施例において、前記第2電極の前記補助構造に近いエッジは、前記第1部分の前記補助構造に近いエッジを超え、且つ前記補助電極と接続される。
【0015】
いくつかの実施例において、前記有機層は前記補助部上に位置する第2部分をさらに含み、前記第1部分と前記第2部分とは前記補助部のエッジ箇所で切断され、前記第2導電層は前記第2部分上に位置する切断部分をさらに含み、前記第2電極と前記切断部分とは前記補助部の前記エッジ箇所で切断される。
【0016】
いくつかの実施例において、前記第2電極と前記補助電極との重なり面積は、前記第1部分と前記補助電極との重なり面積よりも大きい。
【0017】
いくつかの実施例において、前記補助電極と複数の前記第1電極とは同じ層に設置され且つ材料が同じである。
【0018】
いくつかの実施例において、前記ベースは上面をさらに含み、前記上面は、前記外側面に接続され且つ前記基板と対向して設置され、前記補助電極は前記上面及び前記外側面を被覆する。
【0019】
いくつかの実施例において、前記アレイ基板は平坦層をさらに含み、前記平坦層は前記画素駆動回路層と前記第1導電層との間に位置し、前記発光デバイス層は画素定義層をさらに含み、前記画素定義層は前記平坦層と前記有機層との間に位置し、前記ベースと前記平坦層又は前記画素定義層とは同じ層に設置され且つ材料が同じである。
【0020】
いくつかの実施例において、前記補助部のエッジの前記基板上での正投影は、前記ベースの前記基板上での正投影の境界を超える。
【0021】
いくつかの実施例において、前記補助部の前記エッジの前記基板上での前記正投影は、前記ベースの前記基板上での前記正投影の境界を0.5μm以上超え、前記第2電極の前記補助構造に近い前記エッジの前記基板上での正投影は、前記補助部の前記基板上での正投影の境界範囲内に位置する。
【0022】
いくつかの実施例において、前記補助部の横断面の形状は逆台形又は矩形である。
【0023】
いくつかの実施例において、前記ベースの前記外側面と前記基板の底面との夾角は、30°以上60°以下である。
【0024】
本発明の実施例は表示装置をさらに提供し、前記いずれか1項に記載の表示パネルを含む。
【発明の効果】
【0025】
[有益な効果]
本発明の実施例が提供する表示パネル及び表示装置において、前記ベースの断面は台形であり、前記第2電極と前記補助電極との当接確率を向上させることができる。前記第2電極は、前記第1部分の前記補助部に近いエッジを超え、且つ前記補助電極と接続され、前記第2電極の抵抗を減少させ、陰極インピーダンスによる電圧降下に起因して引き起こした大型パネルの画面表示むらの現象を改善することができる。
【0026】
本発明の実施例における技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例の記述に使用される必要がある図面を簡単に紹介する。明らかなように、以下の記述における図面は単に本発明のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労働を必要としない前提下で、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施例が提供する表示パネルの上面模式図である。
【
図2】
図1における表示パネルの断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施例における図面と併せて、本発明の実施例における技術的手段を明確で、完全に記述する。明らかなように、記述される実施例は単に本発明の一部の実施例であり、全部の実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労働を必要としない前提下で取得する全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。また、理解すべきであるように、ここで記述される具体的な実施形態は本発明を説明して解釈することのみに用いられ、本発明を制限することに用いられない。本発明において、これとは逆の説明をしない場合には、使用される方位詞、例えば「上」及び「下」は、通常、装置の実際の使用又は動作状態下での上及び下を指し、具体的には図面における図面方向であり、「内」及び「外」は装置の輪郭に対するものである。
【0029】
図1~
図3に示すように、本発明の実施例は表示パネル1000を提供する。例示的には、上記表示パネル1000は、有機発光ダイオード(OLED、Organic Light-Emitting Diode)表示パネルである。
【0030】
図1に参照されるように、上記表示パネル1000は、表示領域DAと、非表示領域NDAとを含む。上記表示領域DAは、画像を表示するサブ画素を設置することに用いられる領域であってもよい。上記非表示領域NDAは、サブ画素の画素駆動回路に駆動信号を提供する駆動ユニット、例えばゲート駆動回路を設置することに用いられ、及び上記駆動ユニットに信号を提供するいくつかの配線を設置することに用いられる領域であってもよい。上記非表示領域NDA内に、一般的には表示に用いられるサブ画素が設置されていない。上記非表示領域NDAは、表示領域DAの少なくとも一側に設置されて、少なくとも部分的に表示領域DAの周囲を取り囲むことができる。
【0031】
図3に参照されるように、上記表示パネル1000は、アレイ基板1と、発光デバイス層3と、補助構造5とを含む。
【0032】
上記アレイ基板1は、基板10と、遮光層11と、バッファ層12と、画素駆動回路層13と、平坦層18とを含む。
【0033】
上記基板10はその上に設置された膜層を載置することに用いられる。上記基板10は、例えばガラス、石英及びポリマー樹脂などの単層絶縁材料、又は例えば二層ポリマー樹脂などの多層絶縁材料を含んでもよい。上記基板10は剛性基板、又はフレキシブル基板であってもよい。
【0034】
上記遮光層11は、上記基板10上に位置し、薄膜トランジスタの半導体パターンを遮光することに用いられる。上記遮光層11は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、及び銅(Cu)のうちから選択される一種以上の金属を含んでもよい。上記遮光層11は単層膜又は多層膜であってもよい。
【0035】
上記バッファ層12は上記遮光層11上に配置されてもよい。上記バッファ層12は、窒化ケイ素(SiNx)及び酸化ケイ素(SiOx)のような絶縁膜の単層膜、又は窒化ケイ素(SiNx)と酸化ケイ素(SiOx)とを積層した多層膜を含んでもよい。上記バッファ層12は、不純物又は水分のような不要な成分の浸透を防止する。
【0036】
上記画素駆動回路層13は、上記基板10上に位置し、上記表示領域DAに位置する複数の画素駆動回路を含む。例示的には、上記画素駆動回路層13は、活性層131と、活性層131上に位置する第1絶縁層132と、上記第1絶縁層132上に位置する第1金属層133と、上記第1金属層133上に位置する層間絶縁層134と、上記層間絶縁層134上に位置する第2金属層135と、上記第2金属層135上に位置するパッシベーション層136とを含む。ここで、上記活性層131は複数の半導体パターンを含み、上記第1金属層133は複数のゲートを含み、上記第2金属層135は複数のソースと複数のドレインとを含む。複数の上記半導体パターン、複数の上記ゲート、複数の上記ソース及び複数の上記ドレインは、複数の薄膜トランジスタ139を共同で形成することができる。ここで、複数の画素駆動回路は複数の上記薄膜トランジスタ139を含んでもよい。
【0037】
上記平坦層18は上記パッシベーション層136上に位置する。上記平坦層18は、厚さが通常大きく、陽極の堆積に平坦な表面を提供することに用いられる。上記平坦層18は、無機絶縁物質又はポリアクリレート系樹脂(polyacrylates resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド系樹脂(polyamides resin)、ポリイミド系樹脂(polyimides resin)、不飽和ポリエステル系樹脂(unsaturatedpolyesters resin)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(poly phenylenethers resin)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(polyphenylenesulfides resin)又はベンゾシクロブテン(BCB:benzocyclobutene)などの有機絶縁物質を含んでもよい。上記平坦層18は感光性物質をさらに含んでもよいが、これに限定されない。
【0038】
上記発光デバイス層3は、上記画素駆動回路層13の上に位置し、第1導電層31と、画素定義層32と、有機層33と、第2導電層34とを含む。少なくとも一部の上記発光デバイス層3は上記表示領域DA内に位置する。
【0039】
上記第1導電層31は、複数の上記画素駆動回路に電気的に接続された複数の第1電極311(すなわち陽極)を含む。上記陽極は、インジウムスズ酸化物(ITO:Indium-Tin-Oxide)、インジウム亜鉛酸化物(IZO:Indium-Zinc-Oxide)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In2O3:Induim Oxide)の仕事関数が比較的高い物質層と、例えば銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)又はそれらの混合物などの反射性物質層とを積層した積層膜構造を有してもよいが、これに限定されない。
【0040】
上記画素定義層32は、上記第1導電層31上に位置し、複数の上記第1電極311を露出させることに用いられる複数の開口部320が設けられる。上記画素定義層32は、ポリアクリレート系(polyacrylates)又はポリイミド系(polyimides)などの樹脂及びシリカ系の無機物などを含んでもよく、且つ黒色顔料、及び染料のうちの少なくとも一方を含む材料により外部光を吸収し、それにより外部光の反射率を減少させて表示装置のコントラストを高めることができる。
【0041】
上記有機層33は、上記第1導電層31上に位置し、第1部分331と、複数の第2部分332とを含む。ここで、上記第1部分331の一部は、上記画素定義層32の対応する上記開口部320内に位置する。例示的には、上記第1部分331は一体構造であり(視野角の問題のため、
図2における2つの符号331で表される部分は実際に互いに接続される)、上記第1部分332に複数の開口部が設けられ、複数の第2部分332は複数の開口部の箇所で上記第1部分331と切断される。上記有機層33は有機発光層と共通層とを含んでもよく、例示的には、IJP(Ink-Jet Printing、インクジェット印刷)方式により作製されてもよい。上記有機発光層は有機物質層を含んでもよく、上記共通層は、第1共通層、及び第2共通層のうちの少なくとも一方を含んでもよく、第1共通層は正孔注入層と正孔輸送層とを含み、第2共通層は電子注入層と電子輸送層とを含む。
【0042】
上記第2導電層34は、上記有機層33上に位置し、第2電極341(すなわち陰極)と、複数の切断部分342とを含む。例示的には、上記第2電極341は一体構造であり(視野角の問題のため、
図2における2つの符号341で表される部分は実際に互いに接続される)、上記第2電極341に複数の開口部が設けられ、複数の切断部分342は複数の上記開口部の箇所で上記第2電極341と切断される。ここで、各上記切断部分342は上記有機層33の対応する上記第2部分332上に位置し、上記第2電極341は上記有機層33の上記第1部分331上に位置し、上記第1部分331の一部は上記第1電極311と上記第2電極341との間に設置される。例示的には、上記第2電極341は、蒸着又はスパッタリング(sputtering)の方式により形成されてもよく、例えばLi、Ca、LiFとCaとの合金、LiFとAlとの合金、Al、Mg、Ag、Pt、Pd、Ni、Au、Nd、Ir、Cr、BaF2、Ba又はそれらの化合物又は混合物(例えば、AgとMgとの混合物など)などの仕事関数が比較的小さい物質層を含む。上記第2電極341は、仕事関数が比較的小さい上記物質層上に配置された透明金属酸化物層をさらに含んでもよい。
【0043】
複数の上記補助構造5は、上記画素駆動回路層13上に位置し、且つ上記第2電極341の側辺に位置する。少なくとも1つの上記補助構造5は、ベース50と、補助電極51と、補助部52とを含み、且つ上記表示領域DA内に位置する。
【0044】
上記ベース50は、上記画素駆動回路層13上に位置し、その横断面が略台形を呈する。上記ベース50は外側面、底面及び上面を含み、上記底面は上記画素駆動回路層13に近く、上記上面は上記外側面に接続され且つ上記底面と対向して設置され、上記上面の長さは上記底面の長さよりも小さい。上記外側面と上記底面がある水平面との夾角α(すなわち傾斜角、taper angle)は鋭角である。例示的には、上記夾角αは、30°以上60°以下であり、これにより、第2電極341を上記ベース50の外側面上により容易に付着することができる。上記ベース50は、上記平坦層18又は上記画素定義層32と同じ層に製造されてもよく、上記ベース50が上記平坦層18又は上記画素定義層32と同じ層に設置され且つ材料が同じであるようにすることによって、作製コストを節約することができる。
【0045】
上記補助電極51は、上記ベース50の外側面上に位置し、上記第2電極341の上記補助構造5に近いエッジと接続される。理解できるように、上記補助電極51は上記第2電極341と接続され、上記補助電極51と上記第2電極341とが比較的大きな接触面積を有するため、上記補助電極51は上記第2電極341と並列接続されるとみなすことができ、それにより上記第2電極341の抵抗を減少させることができる。例示的には、上記補助電極51は上記ベース50の上記上面及び上記外側面を被覆し、上記補助電極51と上記第2電極341との接触面積を確保することができる。上記補助電極51は上記第1電極311と同時に作製されてもよく、補助電極51が上記第1電極311と同じ層に設置され且つ材料が同じであるようにすることができ、このようにして、作製コストを節約することができる。
【0046】
上記補助部52は、上記補助電極51上に位置し、その横断面が略逆台形又は矩形を呈してもよい。上記補助部52のエッジは上記ベース50のエッジに対して第1距離D1を超え、上記有機層33を上記補助部52のエッジ箇所でより容易に切断させ、上記有機層33の上記第2部分332を上記補助部52上に位置させることができる。例示的には、上記補助部52の材料は有機材料又は無機材料を含んでもよく、上記第1距離D1は0.5μmよりも大きい。ここで、上記第2電極341の上記補助構造5に近いエッジの上記基板10上での正投影は、上記補助部52の上記基板10上での正投影の境界範囲内に位置する。
【0047】
本実施例において、上記有機層33の上記第1部分331と、対応する上記第2部分332とは、対応する上記補助部52のエッジ箇所で切断され、上記第2導電層34の上記第2電極341と、対応する上記切断部分342とは、対応する上記補助部52のエッジ箇所で切断される。これにより、上記有機層33及び上記第2導電層34は複数の上記補助構造5により遮断され得る。上記第2電極341(すなわち陰極)と補助電極との当接が必要となる場所に、上記ベース50を作製し、且つ上記ベース50の上方に金属コーティングにより形成された上記補助電極51を被覆する。また同時に上記ベース50の上記傾斜角は鋭角であり、上記第2電極341と上記補助電極51との当接確率を向上させることができる。上記第2電極341の上記補助部52に近いエッジは、上記第1部分331の上記補助部52に近いエッジを超えて、上記補助電極51と並列接続される。上記補助電極51と上記第2電極341とを並列接続することにより、上記第2電極341の抵抗を減少させ、陰極インピーダンスによる電圧降下に起因して引き起こした大型パネルの画面表示むらの現象を改善することができる。
【0048】
他の実施例において、
図2に参照されるように、実際に作製するときには、上記有機層33の上記第1部分331の一部は上記補助電極51と当接する可能性があり、上記第2電極341と上記補助電極51との接続を確保するために、蒸着角を制御することにより上記第2電極341を下方の上記第1部分331よりも多い面積の上記補助電極51と当接させることができる。すなわち、上記第2電極341と上記ベース50上の上記補助電極51との重なり面積は、上記第1部分331と上記ベース50上の上記補助電極51との重なり面積よりも大きく、さらに上記第2電極341と上記補助電極51とが安定した電気的接続を有するようになり、さらに第2電極341の抵抗を減少させ、画面表示の均一性を向上させることを確保する。
【0049】
他の実施例において、複数の上記補助構造5の高さは一致し、且つ表示領域DA内に均一に分布する。これにより、上記第2電極341と複数の上記補助電極51との当接をより均一にし、パネル面内陰極の抵抗の一致性を確保することができる。
【0050】
可能な実施例において、上記第2電極341の蒸着プロセスを制御することにより、上記第2電極341は複数の上記切断部分342と切断されなくてもよく、上記第2電極341を完全な電極にし、パネル面内陰極の抵抗の均一性をさらに向上させることができる。
【0051】
可能な実施例において、上記表示パネルは、上記発光デバイス層3及び上記補助構造5上に位置する封止層をさらに含み、上記封止層は、積層された第1無機封止層、第1有機封止層及び第2無機封止層を含む。上記補助構造5上に位置する上記封止層の一部は、上記補助構造5の輪郭に沿って延伸する。例示的には、上記第1無機層の一部及び上記第2無機層の一部は上記補助構造5の輪郭に沿って延伸し、上記有機層33は、連続的に設置されてもよく、上記補助構造5の上記補助部52のエッジ箇所で切断されてもよい。これにより、表示領域DA内のサブ画素に対する封止効果を強化することができる。
【0052】
さらには、必要に応じて、上記非表示領域NDA内にも少なくとも1つの上記補助構造5が設置されてもよく、上記補助構造5は障壁構造として多重化されてもよい。ここで、上記第1無機層及び上記第2無機層は、障壁構造として多重化された上記補助構造5の上に位置し、上記有機層33は、障壁構造として多重化された上記補助構造5の上記表示パネルの中心に近い一側に位置する。
【0053】
さらには、上記表示パネルは、上記画素駆動回路層13上に位置する第1障壁をさらに含み、上記第1障壁は、障壁構造として多重化された上記補助構造5の上記表示パネルの中心から離れる一側に位置する。上記第1無機層及び上記第2無機層はさらに上記第1障壁の上に位置し、上記有機層33は上記第1障壁の上記表示パネルの中心に近い一側に位置する。上記第1障壁の頂部は上記補助構造5の頂部よりも高い。本実施例において、上記第1障壁は、比較的大きい高さを有する主障壁とされてもよく、上記表示パネルの非表示領域NDA内に位置する上記補助構造5は比較的小さい高さを有する補助障壁として多重化され、封止性能をさらに確保することができる。
【0054】
本発明の実施例は表示装置をさらに提供し、上記に記載の表示パネル1000を含む。上記表示装置は表示機能を有する装置であり、例示的には、上記表示装置は、ビデオ又は静止画像を表示する装置であってもよく、例えばテレビ、デスクトップコンピュータ、モニタ、又は看板などの固定端末を含み、例えば携帯電話、タブレットコンピュータ、モバイル通信端末、電子手帳、電子書籍、マルチメディアプレーヤー、ナビゲータ、又はノートパソコンなどのモバイル端末を含んでもよく、例えばスマートウォッチ、スマートグラス、仮想現実機器、又は拡張現実機器などのウェアラブル電子機器をさらに含んでもよい。
【0055】
以上、本発明の実施例を詳細に紹介し、本明細書において具体的な例を適用して本発明の原理及び実施形態を詳述した。以上の実施例の説明は本発明の方法及びその中心的な思想の理解を助けることのみに用いられる。同時に、当業者にとっては、本発明の思想に従って、具体的な実施形態及び応用範囲において、いずれも変更を加えることができる。以上のように、本明細書の内容は本発明に対する制限ではないと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0056】
1 アレイ基板
3 発光デバイス層
5 補助構造
10 基板
11 遮光層
12 バッファ層
13 画素駆動回路層
18 平坦層
31 第1導電層
32 画素定義層
33 有機層
34 第2導電層
50 ベース
51 補助電極
52 補助部
131 活性層
132 第1絶縁層
133 第1金属層
134 層間絶縁層
135 第2金属層
136 パッシベーション層
139 薄膜トランジスタ
311 第1電極
320 開口部
331 第1部分
331 符号
332 第2部分
332 第1部分
341 第2電極
341 符号
342 切断部分
1000 表示パネル
【国際調査報告】