(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】リビングヒンジを有する電気コネクタ、及び独立した二次的端子ロック(ISL)、並びにそれらの操作方法
(51)【国際特許分類】
H01R 13/42 20060101AFI20240702BHJP
H01R 43/20 20060101ALI20240702BHJP
H01R 13/506 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H01R13/42 E
H01R13/42 F
H01R43/20
H01R13/506
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573760
(86)(22)【出願日】2022-07-22
(85)【翻訳文提出日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 US2022038066
(87)【国際公開番号】W WO2023239388
(87)【国際公開日】2023-12-14
(32)【優先日】2022-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507164434
【氏名又は名称】ジェイ.エス.ティー.コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100120628
【氏名又は名称】岩田 慎一
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、セシル
(72)【発明者】
【氏名】ホラブ、フランクリン エー
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ピン
【テーマコード(参考)】
5E063
5E087
【Fターム(参考)】
5E063HA01
5E063HB13
5E063HB17
5E063XA05
5E087EE07
5E087FF08
5E087FF12
5E087GG26
5E087GG32
5E087MM05
5E087RR25
(57)【要約】
電気コネクタは、内部に少なくとも一つの端子を受け入れるハウジングと、ハウジングに動作可能に結合され、ハウジングに受け入れられた端子をカバーするためのヒンジ付カバーと、ハウジング及びヒンジ付カバーに動作可能に結合された少なくとも一つのヒンジ部材と、ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、端子をハウジング内にロックするためのヒンジ付カバー内の独立した二次的端子ロック(ISL)とを有している。ISLは、端子がハウジングから取り外し又は抜き取られることを阻止する。ハウジング及びヒンジ付カバーは、ヒンジ付カバーをハウジング上に保持及び固定し、それにより端子をハウジング内にロックするロック機構を有する。あるいは、ハウジング及びヒンジ付カバーは、ヒンジ付カバーの側面の少なくとも一つから延在する少なくとも一つの長尺な保持部材を内部に収容するための、長尺なスロットを有するとともにハウジングの側部から延在する、実質的に可撓な部材を含む他のロック機構を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に少なくとも1つの端子を受け入れるハウジングと、
前記ハウジングに動作可能に結合され、前記ハウジングに受け入れられた前記端子をカバーするヒンジ付カバーと、
前記ハウジングと前記ヒンジ付カバーとに動作可能に結合された少なくとも1つのヒンジ部材と、
前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、前記端子を前記ハウジング内にロックする、前記ヒンジ付カバーの内部における独立した二次的端子ロック(ISL)と、を備えることを特徴とし、
前記ヒンジ付カバーの内面は、前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、前記端子が延在するのと同じ方向に延在する、少なくとも1つの端子支持部材を含むことを特徴とし、
前記ISLは、前記端子支持部材の前記側面の端部に位置することを特徴とする、電気コネクタ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前部、後部、上部、底部、及び側部を備えることを特徴とし、前記ヒンジ付カバーは前記ハウジングの前記上部に動作可能に結合されることを特徴とする、請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングの前記後部は、前記端子を内部に受け入れる少なくとも1つの凹部を含むことを特徴とし、
前記ハウジングの前記前部は、前記ハウジングの前記後部を通して前記ハウジングに受け入れられた前記端子と接続される外部端子を内部に受け入れるための少なくとも1つの入力ポートを含むことを特徴とする、請求項2記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記ヒンジ付カバーは、当該ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、前記ハウジングに対するヒンジ付カバー保持として働く部分を有することを特徴とする、請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記ハウジングに対するヒンジ付カバー保持として働く前記部分が、
前記ヒンジ付カバーを貫通する通孔と、
前記ハウジングの前記上部から延在し、前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、前記ヒンジ付カバーの前記通孔の内部に受け入れられることにより、前記ヒンジ付カバーを前記ハウジング上に保持する隆起部と、を含むことを特徴とする、請求項4記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記ヒンジ付カバーは、前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに前記ヒンジ付カバーを前記ハウジング上にさらに固定するための、前記ヒンジ付カバーの側部から延在する長尺な保持部材を少なくとも1つ含むことを特徴とする、請求項5記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに前記ヒンジ付カバーを前記ハウジング上に固定するための、前記ハウジングの前記側部の少なくとも1つから延在するとともに、前記ヒンジ付カバーの前記長尺な保持部材を内部に受け入れるための長尺な保持スロットを有する、実質的に可撓である少なくとも1つの部材をさらに含むことを特徴とする、請求項6記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、前記ヒンジ付カバーが前記端子を前記ハウジング内にロックすることを特徴とする、請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項9】
前記ヒンジ付部材が、前記ヒンジ付カバー及び前記ハウジングの前記上部に対して一体であり、且つ同じ材料で作られている、リビングヒンジ及び一体型ヒンジのうちの一つであることを特徴とする、請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項10】
端子をハウジングの凹部内に挿入するステップと、
内部に独立した二次的端子ロック(ISL)を有するヒンジ付カバーを前記ハウジング及び前記端子上に閉じるステップと、
前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、前記端子を前記ISLによってブロックするステップと、を含むことを特徴とし、
前記ヒンジ付カバーの内面は、前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、前記端子が延在するのと同じ方向に延在する、少なくとも1つの端子支持部材を含むことを特徴とし、
前記ISLは、前記端子支持部材の前記側面の端部に位置することを特徴とする、少なくとも一つのISLを用いて少なくとも一つの端子をハウジング内にロックする方法。
【請求項11】
前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、前記ヒンジ付カバーを前記ハウジング上に保持又は固定するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項10記載の前記ISLを用いて前記端子を前記ハウジング内にロックする方法。
【請求項12】
前記ヒンジ付カバーを前記ハウジング上に保持又は固定する前記ステップは、前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、前記ハウジングの上部から延在する隆起部を、前記ヒンジ付カバーを貫通する孔洞内に嵌合させるステップを含むことを特徴とする、請求項11記載の前記ISLを用いて前記端子を前記ハウジング内にロックする方法。
【請求項13】
前記ヒンジ付カバーを前記ハウジング上に保持又は固定する前記ステップは、前記ヒンジ付カバーの側面の少なくとも一つから延在する少なくとも一つの長尺な保持部材を、前記ハウジングの前記側部から延在する部材に沿っている少なくとも一つの長尺な保持スロットに嵌合させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項11記載の前記ISLを用いて前記端子を前記ハウジング内にロックする方法。
【請求項14】
前記ヒンジ付カバーを前記ハウジング上に保持又は固定する前記ステップは、前記ヒンジ付カバーの前記側面から延在する長尺な前記保持部材を、前記ハウジングの前記側部から延在する前記部材に沿っている長尺な前記保持スロットに可撓的に嵌合させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項13記載の前記ISLを用いて前記端子を前記ハウジング内にロックする方法。
【請求項15】
内部に少なくとも1つの端子を受け入れるハウジングと、
前記ハウジングに動作可能に結合され、前記ハウジングに受け入れられた前記端子をカバーするヒンジ付カバーと、
前記ハウジングと前記ヒンジ付カバーとに動作可能に結合された少なくとも1つのヒンジ部材と、
前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、前記端子を前記ハウジング内にロックして、前記端子が前記ハウジングから取り外し又は抜き取られることを阻止する、前記ヒンジ付カバーの内部における独立した二次的端子ロック(ISL)と、を備えることを特徴とし、
前記ハウジングは、前部、後部、上部、底部、及び側部を備えることを特徴とし、前記ヒンジ付カバーは前記ハウジングの前記上部に動作可能に結合され、
前記ハウジングの前記後部は、前記端子を内部に受け入れる少なくとも1つの凹部を含むことを特徴とし、
前記ハウジングの前記前部は、前記ハウジングの前記後部を通して前記ハウジングに受け入れられた前記端子と接続する外部端子を内部に受け入れるための少なくとも1つの入力ポートを含むことを特徴とし、
少なくとも前記ハウジング、前記ヒンジ付カバー、前記ヒンジ付部材、及び前記ISLが、電気コネクタを成す一続きの単一部品を構成することを特徴とし、
前記ヒンジ付カバーの内面は、前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、前記端子が延在するのと同じ方向に延在する、少なくとも1つの端子支持部材を含むことを特徴とし、
前記ISLは、前記端子支持部材の前記側面の端部に位置することを特徴とする、電気コネクタ。
【請求項16】
前記ヒンジ付カバーは、当該ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、前記ハウジングに対するヒンジ付カバー保持として働く部分を有することを特徴とする、請求項15記載の電気コネクタ。
【請求項17】
前記ヒンジ付カバーの、前記ハウジングに対するヒンジ付カバー保持として働く前記部分が、
前記ヒンジ付カバーを貫通する通孔と、
前記ハウジングの前記上部から延在し、前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、前記ヒンジ付カバーの前記通孔の内部に受け入れられることにより、前記ヒンジ付カバーを前記ハウジング上に保持する隆起部と、を含むことを特徴とする、請求項16記載の電気コネクタ。
【請求項18】
前記ヒンジ付カバーは、前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに前記ヒンジ付カバーを前記ハウジング上にさらに固定するための、前記ヒンジ付カバーの側部から延在する長尺な保持部材を少なくとも1つ含むことを特徴とする、請求項15記載の電気コネクタ。
【請求項19】
前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに前記ヒンジ付カバーを前記ハウジング上にさらに保持及び固定するための、前記ハウジングの前記側部の少なくとも1つから延在するとともに、前記ヒンジ付カバーの前記長尺な保持部材を内部に受け入れるための長尺な保持スロットを有する、実質的に可撓である少なくとも1つの部材をさらに含むことを特徴とする、請求項18記載の電気コネクタ。
【請求項20】
前記ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、前記ヒンジ付カバーが前記端子を前記ハウジング内にロックすることを特徴とする、請求項15記載の電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この特許出願は、2022年7月10日に出願された米国仮特許出願第63/351,233に対して優先権を主張するものであり、その全体を、本明細書の一部を構成するものとして援用する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明の電気コネクタは、少なくともリビングヒンジと、少なくとも独立した二次的端子ロック(ISL)を有しており、この電気コネクタは、好適にはハウジング、及びリビングヒンジのヒンジ付カバーから垂下した(又は下に位置する)ISLを備えた単一部品である。ヒンジ付カバー下に垂下したISLは、ハウジングへの端子挿入前には、リビングヒンジを介して、ISL機能を確立するために「スライド」金型又は個別の部品を必要としない金型によってハウジングを製造できるような位置に垂下している。
【0003】
端子がハウジングに挿入された後、ヒンジ付カバーの下に垂下したISLは、「ロック」位置にスイングされ、スロット、突起、開口の組み合わせを介して、リビングヒンジが機能しなくなってもISLを保持するように、所定位置に捕捉される。本発明の電気コネクタのハウジングは、ヒンジ付カバー下にリビングヒンジから離れて垂下した少なくとも一つの対応するISLと共に、少なくとも一つの端子を含んでもよい。あるいは、ハウジング内の端子又は対応するコネクタ端子キャビティは、端子をキャビティ内にロックするための(例えば、少なくとも指状キャビティロック及び端子ランスの形態の)構造的配置、要素、又は機能を有していてもよい。また、本発明の電気コネクタのISLは、端子の二次的なロック又は保持手段を提供しているが、その代わりに、本発明の電気コネクタのISLは、端子をロック又は保持する唯一の手段であってもよい。
【0004】
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、リビングヒンジ及び関連する押パッド又はヒンジ付カバーを有する本発明の電気コネクタの正面斜視図である。
【
図2】
図2は、端子をハウジングに挿入する間であって、端子を最終的にロックする前及び関連するヒンジ付押パッド又はヒンジ付カバーを閉じる前の、端子の配置を例示する電気コネクタの後面又は背面斜視図である。
【
図3】
図3は、端子をハウジングに挿入した後であって、端子をハウジング内に最終的にロックする前及び関連するヒンジ付押パッド又はヒンジ付カバーを閉じる前の、端子の配置を例示する電気コネクタの後面斜視図である。
【
図4】
図4は、関連するヒンジ付押パッド又はヒンジ付カバーを閉じた後の、端子の最終ロック位置を例示する電気コネクタの後面斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、端子をハウジング内に挿入し、ハウジング内に最終的にロックした後であって、関連するヒンジ付押パッド又はヒンジ付カバーを閉じる前の、端子の配置を例示する、電気コネクタの後面斜視図であり、
図5Aは、関連するヒンジ付押パッド又はヒンジ付カバーのための保持部材を示し、
図5Bにより詳細に示される四角形状の部分指定部をさらに有している。
【
図5B】
図5Bは、
図5Aの四角形状の部分指定部の拡大図であり、端子ブロッカー(又は上述の独立した二次的な端子ロック(ISL))をより詳細に例示しているが、それらは、好適には関連するヒンジ付パッド又はヒンジ付カバー下に垂下している。
【
図6A】
図6Aは、端子をハウジング内に挿入した後であるが、ハウジング内に端子を最終的にロックする前、且つ関連するヒンジ付押パッド又はヒンジ付カバーを閉じる前の、端子の配置を例示する電気コネクタの後面斜視図であり、
図6Aは、
図6Bにより詳細に示される四角形状の部分指定部をさらに有している。
【
図6B】
図6Bは、
図6Aの四角形状の部分指定部の拡大図であり、関連したヒンジ付押パッド又はヒンジ付カバーがハウジングに保持されたことを確実にするためのヒンジ付カバー保持スロットをより詳細に例示している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、本発明の電気コネクタの正面斜視図であるが、全体として参照番号1で参照される。電気コネクタ1は、ハウジング3、及びヒンジ付カバー(又ヒンジ付押パッド)5を有する。ハウジング3は、前部10、後部12、側部14、上部16、及び底部18を有する。ヒンジ付押パッド又はヒンジ付カバー5は、
図1に例示するように、ハウジング3の上部16に配置される。
図1に示すように、ハウジング3の前部10は、少なくとも2つの実質的に箱状の部材25から構成され、各箱状の部材25は、ハウジング3にその後部12を通して導入される端子30を内部に収容する。
【0007】
図1にも例示するのは、ヒンジ付カバー5をハウジング3の上部16に接続するリビングヒンジ(又は一体成形ヒンジ)20であるが、
図1は、2つのリビングヒンジ(又は一体形成ヒンジ)20を示している。より詳細には、ハウジング3の前部10を成す箱状の部材25それぞれの上部16は、それぞれリビングヒンジ20の一つによってヒンジ付カバー5に動作可能に結合されている。リビングヒンジ20のそれぞれは、好適には、リビングヒンジ20が接続されるヒンジ付カバー5及びハウジング3(又は箱状の部材25)と実質的に同じ材料から作られる比較的薄い可撓性ヒンジである。リビングヒンジ20のそれぞれは、ヒンジ付カバー5及びハウジング3(又は対応する箱状の部材25)がリビングヒンジ20の延在する線に沿って曲がることができるように、肉薄にされるか、又は切り込みを入れられることが好ましい。リビングヒンジ20の最小の摩擦、及び比較的少ない摩損は、本発明の電気コネクタ1で複数回使用される場合には非常に有用である。
【0008】
図1にも示すように、ハウジング3の前部10は、入力ポート35を含み、それぞれの入力ポート35は、ハウジング3の後部12を通してハウジング3のそれぞれ対応する箱状の部材25の一つに導入される、対応する端子30と接続するための外部端子(図示せず)を内部に受け入れることができる。
【0009】
さらに、
図1に例示するのは、ヒンジ付カバー5を貫通する通孔40であり、その機能については以下で詳細に説明する。
図1にも示すのは、ハウジング3の各側部14に取り付けられた細長い保持部材53であり、その機能についても以下でより詳細に説明する。細長い保持部材53は、ハウジング3の各側部14に取り付けられるが、好ましくは可撓性である。
【0010】
図2は、電気コネクタ1を示しており、ハウジング3に端子30を挿入する間であって、端子を最終的にロックする前及びヒンジ付カバー5を閉じる前の、端子30の配置、及び電気コネクタ1の後部12を例示している。ハウジング3は、その後部12において、箱状の部材25から構成されているが、ハウジング3の箱状の部材25のそれぞれは、ハウジング3の後部12を通してハウジング3に導入される端子30を内部に収容する。ハウジングの後部12の箱状の部材25は、その頂部が開いており、ヒンジ付カバー3に置き代えられている。箱状の部材25内部への端子30の挿入よりも前に(
図2の左側の端子30を参照)、導電部50が最初に箱状の部材25の内部に挿入される。端子30の挿入が完了すると(
図2の右側の端子30を参照)、ハウジング3の箱状の部材25は、その内部に、端子30の導電部50と、端子30の絶縁部55の一部とを収容する。
【0011】
図3は、電気コネクタ1をその後部12の方向から見た斜視図、及びハウジング3に端子30を挿入した後であって、端子30をハウジング3内に最終的にロックする前及びヒンジ付カバー5を閉じる前の、端子30の配置を示している。
図3において、端子30は、それぞれハウジング3の箱状の部材25に挿入されている。より詳細には、端子30の導電部50と、絶縁部55の一部とが、ハウジング3の箱状の部材25にそれぞれ挿入されている。端子30は、
図1に関連して上述したように、端子30の導電部60の端部がハウジング3の前部10の入力ポート35に到達するまで、ハウジング3の箱状の部材25にそれぞれ挿入される。端子30がハウジング3の箱状の部材25内に完全に挿入され、ハウジング3の前部における入力ポート35に到達すると、端子30の導電部50は、外部端子(図示せず)をそれぞれ受け入れ、又は接続することが可能である。このとき、
図3に示すように、ヒンジ付カバー5は開いたままであり、端子30はロックされていないままである。
【0012】
図3にさらに例示するのは、ヒンジ付カバー5を貫通する通孔40、及びハウジング3の上部16から延在する隆起部80である。ヒンジ付カバー5の通孔40は、ヒンジ付カバー5が閉じられた(すなわち、ハウジング3上に閉じられた)際に、ヒンジ付カバー5がハウジング3上に保持され、固定されたままとなるように、ハウジング3の隆起部80をその内部に収容する(
図4参照)。
図3に示すように、ヒンジ付カバー5の通孔40はヒンジ付カバー5の実質的に中央を貫くように位置し、隆起部80は実質的にハウジング3の上部の中央に位置しているが、通孔40及び隆起部80の上述のそれぞれの位置はこれに限定されない。すなわち、通孔40と隆起部80の位置は、上述した方法のように互いに係合し合う限りは、ヒンジ付カバー5及びハウジング3の上部16のどこにあってもよく、ヒンジ付カバー5が閉位置にあるときに、ヒンジ付カバー5のハウジング3上に対する必要とされる保持を提供し、ハウジング3上にヒンジ付カバー5を固定するものである。
【0013】
図4は、ヒンジ付カバー5をハウジング3上に閉じた後の、ハウジング3内の端子30の最終ロック位置を示す。
図4に示すように、端子30は、ハウジング3の後部12(及び前部10)を成している箱状の部材25に完全に挿入されており、ハウジング3の上部16から延在する隆起部80は、ヒンジ付カバー5を貫通する通孔40の内部に完全に受け入れられる、又は収容されており、ヒンジ付カバー5のハウジング3上への保持が確実になされる。
【0014】
図4に示すように、ヒンジ付カバー5が閉位置にあるとき、ヒンジ付カバー5の側部に沿ってそれぞれ延在する長尺部材63(
図2、3参照)は、可撓性の長尺な保持部材53によって、及びその中に保持及び固定されるが、それぞれの可撓性の長尺な保持部材は、
図6A及び
図6Bに関連してより詳細に説明されるように、ハウジング3の各側部14に取り付けられる。これまでの図にも示したが、本発明の電気コネクタ1は、
図4に例示するように、完全にロックされ、ハウジング3内の端子30は、ハウジングの上部16から延在する隆起部80が、ヒンジ付カバー5を貫通する通孔40内に収容されることによって保持及び固定され、さらに、長尺部材63によって保持及び固定されるが、これら長尺部材63は、それぞれヒンジ付カバー5の側部に沿って延在しており、ハウジング3の側部14に取り付けられた可撓性の長尺な保持部材53によって、及びその中に保持及び固定される。
【0015】
ヒンジ付カバー5がハウジング3内に完全に保持及び固定された状態では、
図4に例示するように、ハウジング3の側部からそれぞれ二重ロックラッチ90がさらに延在している。二重ロックラッチ90により、完全に閉じてロックされた本発明の電気コネクタ1を、外部コンポーネント又は装置(図示せず)に容易且つ簡便に取り付けることができる。
図4にさらに例示するように、それぞれの二重ロックラッチ90は、図示するように、好ましくはU字形状であるが、その形状はこれに限定されない。また、二重ロックラッチ90のそれぞれは、好ましくは可撓性であり、ロックラッチ90とハウジング3の対応する側部14との間に、使用時に、電気コネクタ1が係合又は装着される外部コンポーネント又は装置(図示せず)の一部を簡便に受け入れるための開放された経路を提供する。
【0016】
図5Aは、端子30をハウジング3内に挿入し、ハウジング3内に端子30を最終的にロックした後であるが、ヒンジ付カバー5を閉じる前の、ハウジング3内における端子30の配置を示している。ヒンジ付カバー5は、その内面95に、長尺な端子支持部材98を含むが、これは、ヒンジ付カバー5をハウジング3上に閉じた際に、端子30をハウジング3内にそれぞれ固定するように、端子30をそれぞれ支持する。
図5Aの拡大部分(
図5B参照)に示すように、長尺な端子支持部材98のそれぞれは、ヒンジ付カバー5が閉位置にあるときに端子30が延在する方向と同じ方向に沿って延在する側面98aを含んでいる。
【0017】
ハウジングの上部16に最も近い、側面98aのそれぞれの端部には、端子ブロッカー(又は独立した二次的端子ロック(ISL))100がある。端子ブロッカー100は、
図5Bに示すように、少なくとも第一内面100a及び第二内面100bから構成され、第一内面100aと第二内面100bは互いに、実質的に垂直である。
【0018】
使用時、及びヒンジ付カバー5をハウジング3上に閉じた際に、端子ブロッカー100の第一内面100aは、端子30の対応する又は隣接する導電部50の一部をブロックし、それにより、端子30がハウジング3の箱状の部材25から取り外し又は分離されることを防止する。例えば、端子30の導電部50は、ヒンジ付カバー5が閉位置にあるときに端子ブロッカー100を内部に収容するための空間110を有し得る。あるいは、端子ブロッカー100の第二内面100bはまた、ヒンジ付カバー5が閉位置にあるときに、端子30の対応する又は隣接する導電部50に対して衝突又は当接して、端子30がハウジング3の箱状の部材25のそれぞれから取り外し又は分離されないようにすることを確実にする追加の保持をしてもよい。それぞれの端子ブロッカー100が、ハウジング3の箱状の部材25のそれぞれの内部にロックされた端子30のための独立した二次的端子ロック(ISL)として機能するのは、上記の理由のためである。
【0019】
図6Aは、端子30をハウジング3の箱状の部材25内に挿入した後であるが、端子30をハウジング3の箱状の部材25内に最終的にロックする前及びヒンジ付カバー5を閉じる前の、端子30の配置を示している。
図6Aに示すように、長尺部材63は、ヒンジ付カバー5の側面に沿ってそれぞれ延在している。
【0020】
ヒンジ付カバー5の側面沿って延在する長尺部材63はそれぞれ、ハウジング3の側面14に沿ってそれぞれ延在する可撓性の長尺な保持部材53の内面83にある、保持スロット103のそれぞれの内部に収容される。長尺部材63のそれぞれは、ヒンジ付カバー5の側面のそれぞれに沿って延在するが、対応する保持スロット103へ容易に挿入又は収容できるようにするため、実質的に丸みを帯びるようにされるか面取りされることが好ましい。結果として、ヒンジ付カバー5をハウジング3上に閉じた際に、長尺部材63は(好ましくは丸みを帯びるか面取りされているが)それぞれハウジング3の側面14から延在する可撓性の長尺な保持部材53の内面83にある、隣接する保持スロット103にスナップ式に嵌る。
【0021】
図6Bは、
図6Aの四角形状の部分指定部の拡大したものを例示しているが、ハウジング3の側部14に取り付けられた可撓性の長尺な保持部材53の内面83に沿って延在する保持スロット103をさらに詳細に示している。上述したように、ヒンジ付カバー5のそれぞれの側面に沿って延在する長尺部材63は、可撓性の長尺な保持部材53のそれぞれの内面83に沿った保持スロット103のそれぞれに収容される(又は、好ましくはスナップ式に嵌まる)が、これにより、ヒンジ付カバーが閉位置にあるときに、ヒンジ付カバー5がハウジング3上に保持される結果となる。
【0022】
要約すると、ハウジング3の側部14からそれぞれ延在する長尺な保持部材53のそれぞれは、好ましくは可撓性であり、一方でヒンジ付カバー5の側面に沿って延在する長尺部材63のそれぞれは実質的に丸みを帯びるか面取りされており、ヒンジ付カバー5の側面に沿って延在する長尺部材63が、ハウジング3の側面14から延在する可撓性の長尺な保持部材53の内面83のそれぞれに沿った保持スロット103にそれぞれ収容されるとき、ヒンジ付カバー5のハウジング3上に対してぴったりと、又は実質的にスナップ式に閉じることが達成される。
【0023】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の設計変更や構成変更等を行うことができる。
【国際調査報告】