(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】二酸化塩素水製造キット
(51)【国際特許分類】
C01B 11/02 20060101AFI20240702BHJP
C02F 1/50 20230101ALI20240702BHJP
C02F 1/76 20230101ALI20240702BHJP
B01F 21/00 20220101ALI20240702BHJP
B01F 23/50 20220101ALI20240702BHJP
B01F 23/45 20220101ALI20240702BHJP
B01F 21/20 20220101ALI20240702BHJP
【FI】
C01B11/02 F
C02F1/50 531M
C02F1/50 540B
C02F1/50 550D
C02F1/76 A
B01F21/00 101
B01F23/50
B01F23/45
B01F21/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540753
(86)(22)【出願日】2023-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 KR2023006723
(87)【国際公開番号】W WO2023229289
(87)【国際公開日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2022-0062893
(32)【優先日】2022-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523248725
【氏名又は名称】レンビズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ビョン ヨグ
【テーマコード(参考)】
4D050
4G035
【Fターム(参考)】
4D050AA04
4D050AB06
4D050BB07
4D050BD04
4G035AA19
4G035AB37
4G035AB44
4G035AE13
(57)【要約】
本発明に係る二酸化塩素水製造キットは、内部に水を注入するための水注入口111が設けられ、内部に注入された水を貯蔵するための空間が形成されたキット本体110と、前記キット本体110内に配置され、前記キット本体110に注入された水が、内部及び外部に流動可能な材質からなり、内部に流入した水と反応する亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)121が収納された第1の反応部120と、前記第1の反応部120と一定の間隔離隔して、前記キット本体110内に配置され、前記キット本体110に注入された水が、内部及び外部に流動可能な材質からなり、内部に流入した水と反応する固体酸性物質131が収納された第2の反応部130とを含み、前記第1の反応部120及び第2の反応部130に収納された亜塩素酸ナトリウム121と固体酸性物質131が、水注入口111を介して注入された水と反応することで溶解して生成された第1の溶解物質及び第2の溶解物質が、前記キット本体110内で水と混合して、二酸化塩素水が製造される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に水を注入するための水注入口(111)が設けられ、内部に注入された水を貯蔵するための空間が形成されたキット本体(110)と、
前記キット本体(110)内に配置され、前記キット本体(110)に注入された水が、内部及び外部に流動可能な材質からなり、内部に流入した水と反応する亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)(121)が収納された第1の反応部(120)と、
前記第1の反応部(120)と一定の間隔離隔して、前記キット本体(110)内に配置され、前記キット本体(110)に注入された水が、内部及び外部に流動可能な材質からなり、内部に流入した水と反応する固体酸性物質(131)が収納された第2の反応部(130)とを含み、
前記第1の反応部(120)及び第2の反応部(130)に収納された亜塩素酸ナトリウム(121)と固体酸性物質(131)が、水注入口(111)を介して注入された水と反応することで溶解して生成された第1の溶解物質及び第2の溶解物質が、前記キット本体(110)内で水と混合して、二酸化塩素水が製造されることを特徴とする二酸化塩素水製造キット。
【請求項2】
前記キット本体(110)は、内部に注入された水が流出しないように、合成樹脂材質の容器又はスパウトパック形状に構成されることを特徴とする請求項1に記載の二酸化塩素水製造キット。
【請求項3】
前記第1の反応部(120)及び第2の反応部(130)に収納された固体状態の亜塩素酸ナトリウム(121)と固体酸性物質(131)は、粒径が1~100μmであることを特徴とする請求項1に記載の二酸化塩素水製造キット。
【請求項4】
前記第1の反応部(120)及び第2の反応部(130)は、前記キット本体(110)に注入された水が内部及び外部に流動可能であり、固体状態の亜塩素酸ナトリウム(121)及び固体酸性物質(131)が、第1の反応部(120)及び第2の反応部(130)の外に噴出しないように、0.1~1μmサイズの微細孔を有するフィルタで構成されることを特徴とする請求項3に記載の二酸化塩素水製造キット。
【請求項5】
前記第1の反応部(120)及び第2の反応部(130)は、メンブレンフィルタで構成されることを特徴とする請求項4に記載の二酸化塩素水製造キット。
【請求項6】
前記第1の反応部(120)及び第2の反応部(130)は、アセチルセルロースメンブレンフィルタ、混合セルロースエステルメンブレンフィルタ、ポリエーテルサルホン(PES)メンブレンフィルタ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンブレンフィルタ、ナイロン及びポリアミド(Polyamide)メンブレンフィルタ、再生セルロース(Cellulose)メンブレンフィルタ、ポリカーボネート(PC)メンブレンフィルタ、ポリプロピレン(PP)メンブレンフィルタ、及び酸化アルミニウムメンブレンフィルタからなる群より選ばれた1つ又は2つ以上の組み合わせで構成されることを特徴とする請求項5に記載の二酸化塩素水製造キット。
【請求項7】
前記第1の反応部(120)及び第2の反応部(130)は、前記キット本体(110)に注入された水が内部及び外部に流動可能であり、固体状態の亜塩素酸ナトリウム(121)及び固体酸性物質(131)が、第1の反応部(120)及び第2の反応部(130)の外に噴出しないように、0.1乃至1μmサイズの微細孔を有する不織布材質からなることを特徴とする請求項3に記載の二酸化塩素水製造キット。
【請求項8】
前記固体酸性物質(131)は、クエン酸、乳酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、酸性物質が吸着されたシリカゲル、及びゼオライトからなる群より選ばれたいずれか1であることを特徴とする請求項1に記載の二酸化塩素水製造キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、別の紫外線照射装置、注入装置、加圧装置、及びこれを作動させるための動力装置が不要であるため、サイズが小さく、簡便に構成することで、携帯性及び使い勝手を向上させ、取扱い及び貯蔵安定性が顕著に向上した二酸化塩素水製造キットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、二酸化塩素(ClO2)は、細菌とウイルス、カビ(炭疽菌)などと有毒性化学物質を酸化させる強力な酸化剤であるが、適正濃度で使用すると、人体に安全な物質である(WHO安全最高基準A-1等級)。
【0003】
また、二酸化塩素は、従来に広く使用されている塩素酸化剤よりも、酸化力は5倍以上、水に対する溶解度は、10倍以上高いだけでなく、有毒成分として知られたクロラミンを生成しないため、先進国を中心に、最近、飲料製造工程、食品加工、及び貯蔵工程の殺菌消毒、浄水場、下廃水処理場の有機物、及び悪臭除去工程などに至るまで、様々な産業分野で塩素の代替酸化剤として広く注目されている。
【0004】
特に、二酸化塩素は、塩素系酸化剤の最も大きな問題点であるトリハロメタン(THMs)、ハロ酢酸(HAAs)、ハロアセトニトリル(HANs)などのような発癌性消毒副産物を発生しないだけでなく、広いpH範囲で様々な種類の微生物及びバクテリア、ウイルスなどに対して、広範囲で且つ高い滅菌力を有するメリットがあり、塩素系消毒剤の耐性菌と細菌の温床である細菌膜(Biofilm)を除去することができるほぼ唯一の物質である。また、二酸化塩素は、トリハロメタン、ポリ塩化ビフェニル(PCBs)のような有害な殺菌副産物を生成しない。
【0005】
また、酸化剤であり且つ滅菌剤の二酸化塩素は、塩素、オゾン、塩化臭素、クロラミンなど従来の酸化殺菌剤と比較して、各種のウイルス、原生動物などを完全に除去する強い滅菌力を有しており、鉄、マンガンなどの重金属を酸化して、酸化物及び水酸化物として沈殿させる機能も有している。
【0006】
一方、二酸化塩素のように化学的反応を用いて、塩素殺菌物質を製造するためには、塩素を提供する塩素供給物質と、前記塩素供給物質を分解する分解源とが必要であり、これについて、従来には、塩素供給物質として、塩素、次亜塩素酸、亜塩素酸など様々な化合物を用いた。また、塩素供給物質を分解して、二酸化塩素を製造するための分解源としては、塩酸などの酸性物質とオゾンなどの化合物が利用されるか、紫外線などのエネルギー手段が使用されてきた。
【0007】
従来の二酸化塩素水を製造するための方法又は装置は、以下の通りである。
【0008】
まず、特許公報第1416785号(2014.07.16.公告)に記載された二酸化塩素の製造方法は、1つ以上の反応容器で、反応媒質(reaction medium)内に二酸化塩素を形成させるステップと、前記1つ以上の反応容器から二酸化塩素を回収するステップとを含み、前記1つ以上の反応容器から直接的又は間接的に出る1つ以上の工程ストリーム(process stream)又は反応媒質を、前記1つ以上の工程ストリームから塩化有機化合物を除去することに効果的な吸着剤(adsorbent)として処理するステップを更に含む技術である。
【0009】
また、特許公報第1977036号(2019.05.10.公告)に記載されたガス、溶液、及び泡を選択的に噴射することができる二酸化塩素噴射装置は、二酸化塩素を製造することにおいて、ポンプを用いて、亜塩素酸ナトリウムと酸溶液を供給し、エアポンプを用いて、二酸化塩素反応槽に空気を供給する技術である。
【0010】
さらに、特許公報1736825号(2017.05.17.公告)に記載された携帯用の一定濃度の純粋二酸化塩素ガス発生装置は、点滴手段と亜塩素酸ナトリウム貯蔵槽と酸貯蔵槽に、空調バルブを取り付けて、二酸化塩素を製造する技術である。
【0011】
また、日本特表2011-508718号公報(2011.3.17.公表、特許文献3)に記載された二酸化塩素製造装置は、タンク状の第1乃至第3の原料供給部と非活性気体供給部を用いて、二酸化塩素を製造する技術である。
【0012】
さらに、本発明の出願人が出願した特許公報第1901260号(2018.09.28.公告)に記載された高収率の純粋二酸化塩素製造装置は、低濃度の亜塩素酸ナトリウム溶液と硫酸溶液を用いて、二酸化塩素を製造する技術が示されており、依然として、第1のエアポンプ及び第2のエアポンプを用いて、二酸化塩素を製造する技術である。
【0013】
しかし、これらの発明は、二酸化塩素水を製造するために、別の紫外線照射装置、タンク状の原料貯蔵部、及びポンプなどの加圧装置を用いるか、空気注入装置が設置されるため、別の動力装置が必要であり、装置が大きく、複雑であり、可搬性が劣るという不都合を持っている
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前記のような問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、別の紫外線照射装置、注入装置、加圧装置、及びこれを作動させるための動力装置が不要であるため、サイズが小さく、簡便に構成することで、携帯性及び使い勝手を向上させる二酸化塩素水製造キットを提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、二酸化塩素水の製造及び流通過程において、高濃度二酸化塩素の漏れ危険性を事前に防止し、現場で必要であると、安全に二酸化塩素水を製造できることはもちろん、固相の反応原料を使うため、取扱い及び貯蔵安定性が顕著に向上した二酸化塩素水製造キットを提供することにある。
【0016】
但し、本発明で解決しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に限定されず、言及していない更に他の技術的課題は、下記の記載から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る二酸化塩素水製造キット100は、内部に水を注入するための水注入口111が設けられ、内部に注入された水を貯蔵するための空間が形成されたキット本体110と、前記キット本体110内に配置され、前記キット本体110に注入された水が、内部及び外部に流動可能な材質からなり、内部に流入した水と反応する亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)121が収納された第1の反応部120と、前記第1の反応部120と一定の間隔離隔して、前記キット本体110内に配置され、前記キット本体110に注入された水が、内部及び外部に流動可能な材質からなり、内部に流入した水と反応する固体酸性物質131が収納された第2の反応部130とを含み、前記第1の反応部120及び第2の反応部130に収納された亜塩素酸ナトリウム121と固体酸性物質131が、水注入口111を介して注入された水と反応することで溶解して生成された第1の溶解物質及び第2の溶解物質が、前記キット本体110内で水と混合して、二酸化塩素水が製造される。
【0018】
前記キット本体110は、内部に注入された水が流出しないように、合成樹脂材質の容器又はスパウトパック(Spout pack)形状に構成される。
【0019】
前記第1の反応部120及び第2の反応部130に収納された固体状態の亜塩素酸ナトリウム121と固体酸性物質131は、粒径が1~100μmである。
【0020】
前記第1の反応部120及び第2の反応部130は、前記キット本体110に注入された水が内部及び外部に流動可能であり、固体状態の亜塩素酸ナトリウム121及び固体酸性物質131が、第1の反応部120及び第2の反応部130の外に噴出しないように、0.1~1μmサイズの微細孔を有するフィルタで構成される。
【0021】
前記第1の反応部120及び第2の反応部130は、メンブレンフィルタ(membrane filter)で構成される。
【0022】
前記第1の反応部120及び第2の反応部130は、アセチルセルロース(Cellulose Acetate)メンブレンフィルタ、混合セルロースエステル(Cellulose ester)メンブレンフィルタ、ポリエーテルサルホン(PES)メンブレンフィルタ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンブレンフィルタ、ナイロン及びポリアミド(Polyamide)メンブレンフィルタ、再生セルロース(Cellulose)メンブレンフィルタ、ポリカーボネート(PC)メンブレンフィルタ、ポリプロピレン(PP)メンブレンフィルタ、及び酸化アルミニウム(alumina oxide)メンブレンフィルタからなる群より選ばれた1つ又は2つ以上の組み合わせで構成される。
【0023】
前記第1の反応部120及び第2の反応部130は、前記キット本体110に注入された水が内部及び外部に流動可能であり、固体状態の亜塩素酸ナトリウム121及び固体酸性物質131が、第1の反応部120及び第2の反応部130の外に噴出しないように、0.1乃至1μmサイズの微細孔を有する不織布材質からなる。
【0024】
前記固体酸性物質131は、クエン酸、乳酸(lactic acid)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、酸性物質が吸着されたシリカゲル、及びゼオライトからなる群より選ばれたいずれか1である。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、別の紫外線照射装置、注入装置、加圧装置、及びこれを作動させるための動力装置が不要であるため、構成の小型化が可能であり、製造コストを下げることができ、携帯性及び使い勝手を向上させることができる。
【0026】
本発明は、亜塩素酸ナトリウム121及び固体酸性物質131が内部に固体状態で収納されているため、徐々に二酸化塩素水を製造することができ、反応原料の取扱い及び貯蔵安定性に優れている。
【0027】
本発明は、二酸化塩素水が必要であると、現場で即座製造が可能であり、従来の容器に入れて高濃度に含有した形態の二酸化塩素水とは異なり、時間が経過しても、濃度が減少しないため、流通期間の制限がなく、製造キットのサイズ及び体積が小さいため、保管及び使用後の廃棄時にも非常に容易である。
【0028】
本発明は、亜塩素酸ナトリウム121と固体酸性物質131が、水1Lを基準に、第1の反応部120及び第2の反応部130に収納される量を調節して製造される二酸化塩素水の濃度を調節することで、様々な用途に活用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施形態に係る二酸化塩素水製造キットを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、添付の図面を参考として、本発明の実施例について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明に関する説明は、構造的乃至機能的な説明のための実施例に過ぎないので、本発明の権利範囲は、本文に説明された実施例により制限されることと解析されてはいけない。すなわち、実施例は、様々な変更が可能であり、様々な形態を有することができるので、本発明の権利範囲は、技術的思想を実現することができる均等物を含むことと理解されなければならない。また、本発明で提示された目的又は効果は、特定の実施例がこれを全て含むべきであるか、このような効果のみを含むべきであるという意味ではないので、本発明の権利範囲は、これにより制限されることと理解されてはいけない。
【0031】
本発明における用語の意味は、以下のように理解される。
【0032】
「第1」、「第2」などの用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別するためのものであり、これらの用語によって権利範囲が限定されてはいけない。例えば、第1の構成要素は、第2の構成要素と名付けられ、同様に、第2の構成要素も、第1の構成要素と名付けられることができる。ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いることは、該当他の構成要素に直接して連結されることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもあり得ると理解されるべきである。これに対して、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いることは、中間に他の構成要素が存在しないことと理解されるべきである。一方、構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち、「~間に」と「すぐ~間に」、又は「~に隣接する」と「~に直接隣接する」なども同様に解析されるべきである。
【0033】
単数の表現は、文脈上、明らかに異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。また、「含む」又は「有する」等の用語は、説示された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであり、1つ又はその以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を排除しないことと理解すべきである。
【0034】
ここで用いられる全ての用語は、異なった定義しない限り、本発明が属する分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されることと同一の意味を有する。一般に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致することと解析されるべきであり、本発明において明らかに定義されない限り、理想的又は過度に形式的な意味を有するものと解析できない。
【0035】
本発明の実施形態に係る二酸化塩素水製造キット100は、内部に水を注入するための水注入口111が設けられ、内部に注入された水を貯蔵するための空間が形成されたキット本体110と、前記キット本体110内に配置され、前記キット本体110に注入された水が、内部及び外部に流動可能な材質からなり、内部に流入した水と反応する亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)121が収納された第1の反応部120と、前記第1の反応部120と一定の間隔離隔して、前記キット本体110内に配置され、前記キット本体110に注入された水が、内部及び外部に流動可能な材質からなり、内部に流入した水と反応する固体酸性物質131が収納された第2の反応部130とを含み、前記第1の反応部120及び第2の反応部130に収納された亜塩素酸ナトリウム121と固体酸性物質131が、水注入口111を介して注入された水と反応することで溶解して生成された第1の溶解物質及び第2の溶解物質が、前記キット本体110内で水と混合して、二酸化塩素水が製造される。
【0036】
キット本体110は、内部に水を注入するために、一側に水注入口111が設けられ、内部に注入された水を貯蔵するための十分な空間が形成された構成である。このようなキット本体110は、第1の反応部120と第2の反応部130が配置される空間を除いても、水が内部に約1L注入可能なサイズで形成するのが望ましい。
【0037】
また、水注入口111は、水を注入するか、二酸化塩素水を排出するために開放し、水を注入し、第1の反応部120と第2の反応部130で反応が起きる間、外部への水の流出を防止するために閉鎖するように構成される。すなわち、水注入口111は、水を注入し、二酸化塩素水を排出する場合、開放し、その他に、キット本体110内で反応が起きる場合は、閉鎖するように、水注入口111の蓋体を更に設けることができる。
【0038】
また、本発明の実施形態に係る二酸化塩素水製造キット100において、前記キット本体110は、内部に注入された水が流出しないように、合成樹脂材質の容器又はスパウトパック(Spout pack)形態で構成される。そして、キット本体110は、水注入口111を除いた残りの部分が、内部に流入した水や内部で製造された二酸化塩素水が外部に流出しないように、バンドシーラを用いて、シール形態に構成するのが望ましい。
【0039】
第1の反応部120は、前記キット本体110内に配置され、前記キット本体110に注入された水が内部及び外部に流動する材質からなり、内部に流入した水と反応する亜塩素酸ナトリウム121が収納された構成である。
【0040】
また、第1の反応部120に収納された亜塩素酸ナトリウム121は、水と反応して溶解することで生成された第1の溶解物質が、第1の反応部120の外に流出して、水と混合するように構成される。また、本発明は、第1の反応部120に、亜塩素酸ナトリウム121が、水1Lを基準に、約25gが収納される。
【0041】
第2の反応部130は、前記キット本体110内に配置され、前記キット本体110に注入された水が内部及び外部に流動する材質からなり、内部に流入した水と反応する固体酸性物質131が収納されている。
【0042】
また、第2の反応部130に収納された固体酸性物質131は、水と反応して溶解することで生成された第2の溶解物質が、第2の反応部130の外に流出して、前記第1の溶解物質及び水と混合するように構成される。また、本発明は、第2の反応部130に固体酸性物質131が、水1Lを基準に、約25gが収納される。
【0043】
このような亜塩素酸ナトリウム121と固体酸性物質131は、水1Lを基準に、第1の反応部120及び第2の反応部130に収納される量を調節して製造される二酸化塩素水の濃度を調節することで、様々な用途として活用される。例えば、本発明は、二酸化塩素水を伴侶犬の悪臭除去用に用いる場合、亜塩素酸ナトリウム121と固体酸性物質131を、水1L基準に、1gずつ収納する場合、約100ppmの二酸化塩素水を製造することができる。これに対して、多量の殺菌数を要する畜舎消毒用に二酸化塩素水を用いる場合、亜塩素酸ナトリウム121と固体酸性物質131を、水1L基準に、25gよりも多く収納して、二酸化塩素水の濃度を高めることができ、水を更に混合して、希釈して使用することもできる。
【0044】
そこで、本発明は、別の紫外線照射装置、注入装置、加圧装置、及びこれを作動させるための動力装置が不要であるため、構成の小型化が可能で、製造コストを下げることができ、携帯性及び使い勝手を向上させることができる。
【0045】
また、本発明の実施形態に係る二酸化塩素水製造キット100において、前記第1の反応部120及び第2の反応部130に収納された固体状態の亜塩素酸ナトリウム121と固体酸性物質131は、粒径が1乃至100μmである。
【0046】
本発明の実施形態に係る二酸化塩素水製造キット100において、前記第1の反応部120及び第2の反応部130は、前記キット本体110に注入された水が内部及び外部に流動し、固体状態の亜塩素酸ナトリウム121及び固体酸性物質131が、第1の反応部120及び第2の反応部130の外に噴出しないように、0.1乃至1μmサイズの微細孔を有するフィルタで構成される。
【0047】
すなわち、第1の反応部120及び第2の反応部130は、0.1乃至1μmサイズの微細孔を有するフィルタで構成されることで、前記キット本体110に注入された水が、第1の反応部120及び第2の反応部130の内部及び外部に自由に流動し、固体状態の亜塩素酸ナトリウム121及び固体酸性物質131が外部に噴出しないように構成される。
【0048】
これにより、第1の反応部120及び第2の反応部130に収納された亜塩素酸ナトリウム121及び固体酸性物質131が、水と反応することで溶解して生成された第1の溶解物質及び第2の溶解物質は、液体状態で第1の反応部120及び第2の反応部130の外に流出して、水と混合する。
【0049】
すなわち、前記第1の反応部120及び第2の反応部130に収納された亜塩素酸ナトリウム121と固体酸性物質131が、水注入口111を介して注入された水と反応することで溶解して生成された第1の溶解物質及び第2の溶解物質が、前記キット本体110内で水と混合して、二酸化塩素水が製造される。
【0050】
これにより、本発明は、第1の反応部120及び第2の反応部130にそれぞれ、亜塩素酸ナトリウム121及び固体酸性物質131が内部に固体状態で収納されるため、水と反応して溶解が起きる間、徐々に二酸化塩素水を製造することができるので、反応原料の取扱い及び貯蔵安定性に優れている。
【0051】
また、本発明は、二酸化塩素水が必要であると、現場で即座製造が可能であり、従来の容器に入れて高濃度に含有した形態の二酸化塩素水とは異なり、時間が経過しても濃度が減少しないため、流通期間の制限がなく、製造キットのサイズ及び体積が小さくて、保管及び使用後の廃棄時にも非常に容易である。
【0052】
本発明の実施形態に係る二酸化塩素水製造キット100において、前記第1の反応部120及び第2の反応部130は、メンブレンフィルタで構成される。このようなメンブレンフィルタについて説明すると、以下の通りである。
【0053】
メンブレンフィルタは、材質が、構造的な欠陥を防止するためにろ過される溶液、及び溶解された溶質の化学的特性と互換可能なものであり、親水性メンブレンフィルタは、水に容易に濡れ、水溶液ろ過に適している。疎水性メンブレンフィルタは、気体、表面張力が低い溶媒のろ過及び排出に適しており、メタノールのような有機溶媒によく濡れるので、水溶液、有機溶媒をろ過することができる。本発明では、水と混合して二酸化塩素水を製造するため、親水性メンブレンフィルタを使用するのが望ましい。
【0054】
また、本発明で利用するメンブレンフィルタは、例えば、アセチルセルロース(Cellulose Acetate)メンブレンフィルタ、混合セルロースエステル(Cellulose ester)メンブレンフィルタ、ポリエーテルサルホン(PES)メンブレンフィルタ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)メンブレンフィルタ、ナイロン及びポリアミド(Polyamide)メンブレンフィルタ、再生セルロース(Cellulose)メンブレンフィルタ、ポリカーボネート(PC)メンブレンフィルタ、ポリプロピレン(PP)メンブレンフィルタ、及び酸化アルミニウム(alumina oxide)メンブレンフィルタを含む。
【0055】
一方、本発明の実施形態に係る二酸化塩素水製造キット100において、前記第1の反応部120及び第2の反応部130は、前記キット本体110に注入された水が内部及び外部に流動し、固体状態の亜塩素酸ナトリウム121及び固体酸性物質131が、第1の反応部120及び第2の反応部130の外に噴出しないように、0.1乃至1μmサイズの微細孔を有する不織布材質からなる。
【0056】
すなわち、本発明は、第1の反応部120及び第2の反応部130が、0.1乃至1μmサイズの微細孔を有する不織布材質からなることで、前記キット本体110に注入された水が、第1の反応部120及び第2の反応部130の内部及び外部に自由に流動可能であり、固体状態の亜塩素酸ナトリウム121及び固体酸性物質131が外部に噴出しないように構成される。
【0057】
本発明の実施形態に係る二酸化塩素水製造キット100において、前記固体酸性物質131は、クエン酸、乳酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、酸性物質が吸着されたシリカゲル、及びゼオライトからなる群より選ばれたいずれか1つである。しかし、これに限定されるものではなく、固体酸性物質131は、様々な固体状態の酸性物質であれば、代替可能である。
【0058】
前述したように、本発明に関する具体的な説明は、実施形態により行われているが、上述した実施形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の権利範囲は、後述する請求の範囲及びその等価概念として理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明である二酸化塩素水製造キットは、別の紫外線照射装置、注入装置、加圧装置、及びこれを作動させるための動力装置が不要であるため、構成の小形化が可能であり、製造コストを低くすることができ、携帯性及び使い勝手を向上させるので、産業上利用可能性がある。
【国際調査報告】