(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システム{AEROSOL GENERATING ARTICLE AND AEROSOL GENERATING SYSTEM}
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240702BHJP
A24D 3/17 20200101ALI20240702BHJP
A24D 3/04 20060101ALI20240702BHJP
A24D 1/02 20060101ALI20240702BHJP
A24B 15/32 20060101ALI20240702BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240702BHJP
A24D 1/04 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D3/17
A24D3/04
A24D1/02
A24B15/32
A24F40/42
A24D1/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567253
(86)(22)【出願日】2023-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 KR2023002878
(87)【国際公開番号】W WO2023234523
(87)【国際公開日】2023-12-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0065838
(32)【優先日】2022-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、タエ キュン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、チャン ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム、タエ キュン
(72)【発明者】
【氏名】パク、インス
(72)【発明者】
【氏名】リー、ミ ジェオン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョン タエ
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BB22
4B043BC03
4B043BC18
4B043BC20
4B043BC24
4B045AA21
4B045AB04
4B045AB08
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4B045AB16
4B045BA05
4B045BB03
4B045BB04
4B045BB07
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC08
4B162AC14
4B162AC50
4B162AD02
4B162AD03
4B162AD06
4B162AD08
4B162AD12
4B162AD13
4B162AD15
4B162AD16
4B162AD20
4B162AD32
4B162AD41
(57)【要約】
様々な実施例に係るエアロゾル発生物品は、霧化セグメントと、pH処理され、前記霧化セグメントの下流に配置される媒質セグメントと、を含み、前記霧化セグメントが加熱される場合、前記加熱された霧化セグメントの熱が前記媒質セグメントに間接的に伝達されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品であって、
霧化セグメントと、
pH処理され、前記霧化セグメントの下流に配置される媒質セグメントと、を含み、
前記霧化セグメントが加熱される場合、加熱された前記霧化セグメントの熱が前記媒質セグメントに間接的に伝達される、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記媒質セグメントの下流に配置され、ニコチンが吸着されたフィルタセグメントをさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記フィルタセグメントに吸着されたニコチンは、前記媒質セグメントから転移した、請求項2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記媒質セグメントに充填された媒質基材は、pHが7.0~9.5の範囲になるようにpH処理される、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記霧化セグメントを包む熱伝導性ラッパーをさらに含む、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記熱伝導性ラッパーは、前記媒質セグメントをさらに包むように延びる、請求項5に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記媒質セグメントに充填された媒質基材は、板状葉タバコ及び顆粒状タバコのうち少なくとも1つの成分を含む、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記霧化セグメントに充填された保湿剤は、グリセリン及びプロピレングリコールのうち少なくとも1つの成分を含む、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
エアロゾル発生システムであって、
霧化セグメント、前記霧化セグメントの下流に配置される媒質セグメント及び前記媒質セグメントの下流に配置されるフィルタセグメントを含むエアロゾル発生物品と、
少なくとも1つのプロセッサを含む制御部と、前記エアロゾル発生物品を加熱するヒータと、前記エアロゾル発生物品が収容される細長型空洞を含むエアロゾル発生装置と、
を含み、
前記フィルタセグメントにはニコチンが吸着された、エアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記媒質セグメントに充填された媒質基材はpH処理され、
前記フィルタセグメントに吸着されたニコチンは前記媒質セグメントから転移した、請求項9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記媒質セグメントに充填された媒質基材はpH処理され、
前記ヒータが前記霧化セグメントを加熱すると、加熱された前記霧化セグメントの熱が前記媒質セグメントに間接的に伝達される、請求項9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記エアロゾル発生物品は、前記霧化セグメント及び媒質セグメントのうち少なくとも1つを包み、アルミニウム成分を含む熱伝導性ラッパーをさらに含む、請求項11に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下、実施例は、エアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、伝統シガレットの欠点を克服する代替物品に関する需要が高まっている。例えば、シガレットスティックを電気的に加熱することでエアロゾルを発生させる装置(e.g.シガレット型電子タバコ)に関する需要が高まっている。これにより、電気加熱式エアロゾル発生装置とそれに適用されるシガレットスティック(又はエアロゾル発生物品)に関する研究が盛んに行われている。例えば、公開特許公報第10-2017-0132823号は、非燃焼型香味吸引器、香喫味源ユニット及び霧化ユニットを開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一実施例に係る目的は、相対的に低いレベルでpH処理をしても間接加熱によって所望のニコチン移行量を実現することができるエアロゾル発生物品及びそれを含むエアロゾル発生システムを提供することである。
【0004】
一実施例に係る目的は、別途の蒸気化器を備えていないエアロゾル発生装置を使用してエアロゾルを発生させることができるエアロゾル発生システムを提供することである。
【0005】
一実施例に係る目的は、pH調整によるフリーニコチンによる不安定性を最小化することができるエアロゾル発生物品及びそれを含むエアロゾル発生システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
様々な実施例に係るエアロゾル発生物品は、霧化セグメントと、pH処理され、前記霧化セグメントの下流に配置される媒質セグメントと、を含み、前記霧化セグメントが加熱される場合、前記加熱された霧化セグメントの熱が前記媒質セグメントに間接的に伝達されることができる。
【0007】
前記媒質セグメントの下流に配置され、ニコチンが吸着されるフィルタセグメントをさらに含むことができる。
【0008】
前記フィルタセグメントに吸着されたニコチンは、前記媒質セグメントから転移することができる。
【0009】
前記媒質セグメントは、pHが7.0以上9.5以下の範囲になるようにpH処理されることができる。
【0010】
前記霧化セグメントを包む熱伝導性ラッパーをさらに含むことができ、前記熱伝導性ラッパーは前記媒質セグメントをさらに包むことができる。
【0011】
前記媒質セグメントに充填された媒質基材は、板状葉タバコ及び顆粒状タバコのうち少なくとも1つの成分を含むことができる。
【0012】
前記霧化セグメントに充填された保湿剤は、グリセリン及びプロピレングリコールのうち少なくとも1つの成分を含むことができる。
【0013】
様々な実施例に係るエアロゾル発生システムは、霧化セグメント、前記霧化セグメントの下流に配置される媒質セグメント及び前記媒質セグメントの下流に配置されるフィルタセグメントを含むエアロゾル発生物品を含み、少なくとも1つのプロセッサを含む制御部と、前記エアロゾル発生物品を加熱するヒータ及び前記エアロゾル発生物品が収容される細長型空洞と、を含むエアロゾル発生装置を含み、前記フィルタセグメントにはニコチンが吸着されることができる。
【0014】
前記媒質セグメントはpH処理され、前記フィルタセグメントに吸着されたニコチンは前記媒質セグメントから転移することができる。
【0015】
前記媒質セグメントはpH処理され、前記ヒータが前記霧化セグメントを加熱すると、前記加熱された霧化セグメントの熱が前記媒質セグメントに間接的に伝達されることができる。
【0016】
前記エアロゾル発生物品は、前記霧化セグメント及び媒質セグメントのうち少なくとも1つを包み、アルミニウム成分を含む熱伝導性ラッパーをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
一実施例に係るエアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システムは、効率的かつ均一なニコチン移行を引き起こすことができる。
【0018】
一実施例に係るエアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システムは、均一な喫味強度を提供することができる。
【0019】
一実施例に係るエアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システムは、異臭味の発現を減少させることができる。
【0020】
一実施例に係るエアロゾル発生システムの効果は、以上で言及されたものに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者に明確に理解されるであろう。
【0021】
本明細書に添付される以下の図面は、本発明の好ましい一実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明と共に本発明の技術的思想をさらに理解させる役割を果たすものであるので、本発明はそのような図面に記載された事項にのみ限定されて解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】一実施例に係るエアロゾル発生物品のブロック図である。
【
図2】エアロゾル発生装置の構造を概略的に示す図である。
【
図3】一実施例に係るエアロゾル発生物品の構造を概略的に示す図である。
【
図4】一実施例に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が結合されたエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して実施例を詳細に説明する。しかし、実施例には様々な変更が加えられるので、権利範囲がこれらの実施例によって制限又は限定されるものではない。実施例に対する全ての変更、均等物又は代替物が権利範囲に含まれると理解されるべきである。
【0024】
実施例で使用した用語は単に説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されるべきではない。単数の表現は、文脈上明白に別段の意味を持たない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。
【0025】
別途の定義がない限り、技術的又は科学的用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているなどの用語は、関連技術の文脈上有している意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願において明白に正義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。
【0026】
また、添付図面を参照して説明するにあって、図面符号にかかわらず、同一の構成要素は同一の参照符号を付し、これについての重複する説明は省略する。実施例を説明するにあって、関連する公知技術についての具体的な説明が実施例の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0027】
さらに、実施例の構成要素を説明するにあって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって該当構成要素の本質や順番又は順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結又は接続されるが、各構成要素の間にまた他の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されるとも理解されるべきである。
【0028】
いずれかの実施例に含まれた構成要素と、共通的な機能を含む構成要素は、他の実施例において同一の名称を使用して説明する。反対の記載がない限り、いずれかの実施例に記載の説明は他の実施例にも適用でき、重複する範囲で具体的な説明は省略する。
【0029】
以下の実施例において、「保湿剤」は、可視的な煙(smoke)及び/又はエアロゾル(aerosol)の形成を容易にし得る物質を意味することができる。保湿剤の例としては、グリセリン(GLY)、プロピレングリコール(PG)、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールが挙げられ、これらに限定されない。該技術分野において、保湿剤は、エアロゾル形成剤、湿潤剤などの用語として混用されて使用できる。
【0030】
以下の実施例において、「エアロゾル形成基材」は、エアロゾルを形成し得る物質を意味することができる。エアロゾルは揮発性化合物を含むことができる。エアロゾル形成基材は固体又は液状であってもよい。例えば、固体のエアロゾル形成基材は、板状葉タバコ、刻草、再構成タバコなどのタバコ原料に基づく固体物質を含むことができ、液状のエアロゾル形成基材は、ニコチン、タバコ抽出物及び/又は様々な香味剤に基づく液状組成物質を含むことができる。しかし、本開示の範囲は、これらの例示に限定されるものではない。
【0031】
以下の実施例において、「エアロゾル発生物品」は、媒質を収容する物品であって、エアロゾルが該当物品を通過し、媒質が移行する物品を意味することができる。エアロゾル発生物品の代表的な例としてはシガレットが挙げられるが、本開示の範囲はこれに限定されるものではない。
【0032】
以下の実施例において、「エアロゾル発生装置」は、ユーザの口を通じてユーザの肺に直接的に吸入可能なエアロゾルを発生させるためにエアロゾル形成基材を用いてエアロゾルを発生させる装置を意味することができる。
【0033】
以下の実施例において、「上流」(upstream)又は「上流方向」は、ユーザ(喫煙者)の口部から離れる方向を意味し、「下流」(downstream)又は「下流方向」は、ユーザの口部から近づく方向を意味することができる。上流及び下流という用語は、エアロゾル発生物品を構成する要素の相対的位置を説明するために用いられる。
【0034】
以下の実施例において、「パフ(puff)」は、ユーザの吸入(inhalation)を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を通じてユーザの口腔内、鼻腔内又は肺に引き寄せる状況を意味する。
【0035】
図1は、一実施例に係るエアロゾル発生装置のブロック図であり、
図2は、エアロゾル発生装置の構造を概略的に示す図であり、
図3は、一実施例に係るエアロゾル発生物品の構造を概略的に示す図であり、
図4は、一実施例に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が結合されたエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
【0036】
図1及び
図2を参照すると、一実施例に係るエアロゾル発生装置11は、バッテリ111、制御部112、ヒータ113及び細長型空洞114を含む。
【0037】
図1及び
図2に示されたエアロゾル発生装置11には、本実施例に関連する構成要素が示されている。したがって、
図1及び
図2に示された構成要素に加えて、他の汎用的な構成要素がエアロゾル発生装置11にさらに含まれ得ることを本実施例に関連する技術分野における通常の知識を有する者であれば理解できる。
【0038】
図2には、バッテリ111、制御部112及びヒータ113が一列に配置されたものと示されている。しかし、エアロゾル発生装置11の内部構造は、
図2に示されたものに限定されない。言い換えれば、エアロゾル発生装置11の設計に応じて、バッテリ111、制御部112及びヒータ113の配置は変更され得る。
【0039】
エアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置11に挿入されると、エアロゾル発生装置11はヒータ113を作動させ、エアロゾルを発生させることができる。ヒータ113によって発生したエアロゾルは、エアロゾル発生物品2を通過してユーザに伝達される。
【0040】
必要に応じて、エアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置11に挿入されない場合にも、エアロゾル発生装置11はヒータ113を加熱することができる。
【0041】
バッテリ111は、エアロゾル発生装置11が動作するのに用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ111は、ヒータ113が加熱されるように電力を供給することができ、制御部112が動作するのに必要な電力を供給することができる。また、バッテリ111は、エアロゾル発生装置11に設置されたディスプレイ、センサ、モータなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0042】
制御部112は、エアロゾル発生装置11の動作を全般的に制御する。具体的には、制御部112は、バッテリ111、ヒータ113だけでなく、エアロゾル発生装置11に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部112は、エアロゾル発生装置11の構成のそれぞれの状態を確認して、エアロゾル発生装置11が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0043】
制御部112は少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイで実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとこのマイクロプロセッサで実行できるプログラムが貯蔵されたメモリの組み合わせで実現されてもよい。また、他の形態のハードウェアで実現されてもよいことを本実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば理解できる。
【0044】
ヒータ113は、バッテリ111から供給された電力によって加熱される。例えば、エアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置11に挿入されると、ヒータ113はエアロゾル発生物品2の外部に位置することができる。したがって、加熱されたヒータ113は、エアロゾル発生物品2内のエアロゾル発生物質の温度を上昇させることができる。
【0045】
ヒータ113は、電気抵抗性ヒータ113であってもよい。例えば、ヒータ113には電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れるにつれてヒータ113が加熱される。しかし、ヒータ113は上述の例に限定されず、所望の温度まで加熱されるものであれば制限なく該当される。ここで、所望の温度は、エアロゾル発生装置11に既に設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0046】
一方、他の例として、ヒータ113は誘導加熱式ヒータ113であってもよい。具体的には、ヒータ113にはエアロゾル発生物品2を誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含むことができ、エアロゾル発生物品2は誘導加熱式ヒータ113によって加熱されるサセプタを含むことができる。
【0047】
例えば、ヒータ113は、管状熱伝達要素、板状熱伝達要素、針状熱伝達要素又は棒状の熱伝達要素を含むことができ、熱伝達要素の形状によってエアロゾル発生物品2の内部又は外部を加熱することができる。
【0048】
また、エアロゾル発生装置11にはヒータ113が複数配置されてもよい。このとき、複数のヒータ113は、エアロゾル発生物品2の内部に挿入されるように配置されてもよく、エアロゾル発生物品2の外部に配置されてもよい。また、複数のヒータ113の一部は、エアロゾル発生物品2の内部に挿入されるように配置され、残りはエアロゾル発生物品2の外部に配置されてもよい。また、ヒータ113の形状は、
図2に示された形状に限定されず、様々な形状に作製されてもよい。
【0049】
一実施例において、細長型空洞114にはエアロゾル発生物品2が収容されてもよい。一実施例において、ヒータ113は、細長型空洞114の外面を囲んで配置されることによって細長型空洞114に収容されるエアロゾル発生物品を加熱することができる。一実施例に係るヒータ113は、細長型空洞114の外面の少なくとも一部を囲んで配置されてもよい。
【0050】
一方、エアロゾル発生装置11は、バッテリ111、制御部112、ヒータ113及び細長型空洞114の他に汎用的な構成をさらに含むことができる。例えば、エアロゾル発生装置11は、センシング部115、出力部116、ユーザ入力部117、メモリ118及び通信部119をさらに含むことができる。
【0051】
センシング部115は、エアロゾル発生装置11の状態又はエアロゾル発生装置11の周辺の状態を感知し、感知された情報を制御部112に伝達することができる。制御部112は、前記感知された情報に基づいて、ヒータ113の動作制御、喫煙の制限、エアロゾル発生物品12(例えば、シガレット、カートリッジなど)の挿入可否判断、通知表示などの様々な機能が行われるようにエアロゾル発生装置11を制御することができる。
【0052】
センシング部115は、温度センサ1151、挿入感知センサ1152及びパフセンサ1153のうち少なくとも1つを含むことができるが、これらに制限されない。
【0053】
温度センサ1151は、ヒータ113(又は、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知することができる。エアロゾル発生装置11は、ヒータ113の温度を感知する別途の温度センサを含むか、ヒータ113自体が温度センサの役割を果たすことができる。あるいは、温度センサ1151は、バッテリ111の温度をモニタリングするようにバッテリ111の周囲に配置されたものであってもよい。
【0054】
挿入感知センサ1152は、エアロゾル発生物品12の挿入及び/又は除去を感知することができる。例えば、挿入感知センサ1152は、フィルムセンサ、圧力センサ、光センサ、抵抗性センサ、容量性センサ、誘導性センサ及び赤外線センサのうち少なくとも1つを含むことができ、エアロゾル発生物品12が挿入及び/又は除去されることによる信号変化を感知することができる。
【0055】
パフセンサ1153は、気流通路又は気流チャンネルの様々な物理的変化に基づいてユーザのパフを感知することができる。例えば、パフセンサ1153は、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のいずれかに基づいてユーザのパフを感知することができる。
【0056】
センシング部115は、前述したセンサ(1151~1153)の他に、温/湿度センサ、気圧センサ、地磁気センサ(magnetic sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロスコープセンサ、位置センサ(例えば、GPS)、近接センサ、及びRGBセンサ(illuminance sensor)のうち少なくとも1つをさらに含むことができる。各センサの機能は、その名称から通常の技術者が直観的に推論することができるので、具体的な説明は省略することができる。
【0057】
出力部116は、エアロゾル発生装置11の状態に関する情報を出力してユーザに提供することができる。出力部116は、ディスプレイ部1161、ハプティック部1162及び音響出力部1163のうち少なくとも1つを含むことができるが、これらに制限されるものではない。ディスプレイ部1161とタッチパッドがレイヤー構造を成してタッチスクリーンで構成される場合、ディスプレイ部1161は出力装置の他に入力装置としても使用できる。
【0058】
ディスプレイ部1161は、エアロゾル発生装置11に関する情報をユーザに視覚的に提供することができる。例えば、エアロゾル発生装置11に関する情報は、エアロゾル発生装置11のバッテリ111の充/放電状態、ヒータ113の予熱状態、エアロゾル発生物品12の挿入/除去状態又はエアロゾル発生装置11の使用が制限される状態(例えば、異常物品感知)などの様々な情報を意味することができ、ディスプレイ部1161は、前記情報を外部に出力することができる。ディスプレイ部1161は、例えば、液晶ディスプレイパネル(LCD)、有機発光ディスプレイパネル(OLED)などであってもよい。また、ディスプレイ部1161は、LED発光素子形態であってもよい。
【0059】
ハプティック部1162は、電気的信号を機械的な刺激又は電気的な刺激に変換してエアロゾル発生装置11に関する情報をユーザに触覚的に提供することができる。例えば、ハプティック部1162は、モータ、圧電素子、又は電気刺激装置を含むことができる。
【0060】
音響出力部1163は、エアロゾル発生装置11に関する情報をユーザに聴覚的に提供することができる。例えば、音響出力部1163は、電気信号を音響信号に変換して外部に出力することができる。
【0061】
ユーザ入力部117は、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力することができる。例えば、ユーザ入力部117は、キーパッド(key pad)、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(接触式静電容量方式、圧力式抵抗膜方式、赤外線感知方式、表面超音波伝導方式、積分式張力測定方式、ピエゾ効果方式など)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどがあり得るが、これらに制限されるものではない。また、
図1には示されていないが、エアロゾル発生装置11は、USB(universal serial bus)インターフェースなどの連結インターフェース(connection interface)をさらに含み、USBインターフェースなどの連結インターフェースを介して他の外部装置と連結して情報を送受信するか、バッテリ111を充電することができる。
【0062】
メモリ118は、エアロゾル発生装置11内で処理される各種データを貯蔵するハードウェアであって、制御部112で処理されたデータ及び処理されるデータを貯蔵することができる。メモリ118は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、ラム(RAM、random access memory)SRAM(static random access memory)、ロム(ROM、read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、PROM(programmable read-only memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも1つのタイプの貯蔵媒体を含むことができる。メモリ118は、エアロゾル発生装置11の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに関するデータなどを貯蔵することができる。
【0063】
通信部119は、他の電子装置との通信のための少なくとも1つの構成要素を含むことができる。例えば、通信部119は、近距離通信部1191及び無線通信部1192を含むことができる。
【0064】
近距離通信部(short-range wireless communication unit)1191は、ブルートゥース(登録商標)通信部、BLE(Bluetooth Low Energy)通信部、近距離無線通信部(Near Field Communication unit)、WLAN(ワイパイ)通信部、Zigbee(登録商標)通信部、赤外線(IrDA、infrared Data Association)通信部、WFD(Wi-Fi Direct(登録商標))通信部、UWB(ultra wideband)通信部、Ant+通信部などを含むことができるが、これらに制限されない。
【0065】
無線通信部1192は、セルラーネットワーク通信部、インターネット通信部、コンピュータネットワーク(例えば、LAN又はWAN)通信部などを含むことができるが、これらに制限されない。無線通信部1192は、加入者情報(例えば、国際モバイル加入者識別子(IMSI)を用いて通信ネットワーク内でエアロゾル発生装置11を確認及び認証することもできる。
【0066】
図1及び
図2には示されていないが、エアロゾル発生装置11は別途のクレードルと共にシステムを構成することもできる。例えば、クレードルは、エアロゾル発生装置11のバッテリ111の充電に用いられる。あるいは、クレードルとエアロゾル発生装置11とが結合された状態でヒータ113が加熱されることもできる。
【0067】
一例として、外部空気は、エアロゾル発生装置11に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入することができる。例えば、エアロゾル発生装置11に形成された空気通路の開閉及び/又は空気通路の大きさはユーザによって調節できる。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節できる。他の例として、外部空気は、エアロゾル発生物品2の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じてエアロゾル発生物品2の内部に流入することもできる。
【0068】
図3を参照すると、一実施例に係るエアロゾル発生物品12は、霧化セグメント121、媒質セグメント122、冷却セグメント123、フィルタセグメント124及びラッパー125を含むことができる。
【0069】
霧化セグメント121は、媒質セグメント122の上流又は上流方向に位置し、媒質セグメント122は、冷却セグメント123の上流又は上流方向に位置し、冷却セグメント123は、フィルタセグメント124の上流又は上流方向に位置する。
【0070】
霧化セグメント121はニコチンを除いたエアロゾル発生物質を含むことができる。例えば、霧化セグメント121に充填された保湿剤は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されない。また、霧化セグメント121は、風味剤、湿潤剤及び/又は有機酸(organic acid)などの他の添加物質を含有することができる。また、霧化セグメント121は、メンソール又は保湿剤などの加香液を含むことができる。霧化セグメントによって、エアロゾル発生装置に別途の蒸気化器が備えられなくてもエアロゾルを発生させることができる。
【0071】
霧化セグメント121は、巻軸シートを含むことができ、保湿剤は巻軸シートに吸収された状態で霧化セグメント121に含まれ得る。また、風味剤、湿潤剤及び/又は有機酸(organic acid)などの他の添加物質及び加香液は、巻軸シートに吸収された状態で霧化セグメント121に含まれ得る。
【0072】
霧化セグメント121の長さは、4mm~12mmの範囲内で適切な長さが採用できるが、これらに限定されない。
【0073】
媒質セグメント122はニコチンを含むことができる。また、媒質セグメント122はグリセリンなどのエアロゾル発生物質を含むことができる。また、媒質セグメント122は、風味剤、湿潤剤及び/又は有機酸(organic acid)などの他の添加物質を含有することができる。また、媒質セグメント122には、メンソール又は保湿剤などの加香液が、媒質セグメント122に噴射されることによって添加され得る。
【0074】
媒質セグメント122は多様に作製することができる。例えば、媒質セグメント122に充填された媒質基材は、板状葉タバコ、顆粒状タバコ、再構成タバコ及び刻草のうち少なくとも1つの成分を含むことができる。
【0075】
媒質セグメント122の長さは、6mm~18mmの範囲内で適切な長さが採用できるが、これらに限定されない。
【0076】
冷却セグメント123は、エアロゾルの冷却効果を発生させることができる。したがって、ユーザは適切な温度に冷却されたエアロゾルを吸入することができる。
【0077】
例えば、冷却セグメント123はセルロースアセテートで作製され、内部に中空を含むチューブ状の構造物であってもよい。例えば、冷却セグメント123は、セルロースアセテートトウに可塑剤(例えば、トリアセチン)を加えて作製されてもよい。
【0078】
例えば、冷却セグメント123は紙で作製され、内部に中空を含むチューブ状の構造物であってもよい。
【0079】
冷却セグメント123に含まれた中空の直径は4mm~8mmの範囲内で適切な直径が採用できるが、これらに限定されない。冷却セグメント123の長さは4mm~30mmの範囲内で適切な長さが採用できるが、これらに限定されない。
【0080】
冷却セグメント123は上述した例に限定されず、エアロゾルが冷却される機能を行うことができれば、制限なく該当される。
【0081】
フィルタセグメント124はセルロースアセテートトウに可塑剤(例えば、トリアセチン)を加えて作製されてもよい。フィルタセグメント124の長さは4mm~30mmの範囲内で適切な長さが採用できるが、これらに限定されない。
【0082】
フィルタセグメント124は香味が発生するように作製されてもよい。一例として、フィルタセグメント124に加香液が噴射されてもよく、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタセグメント124の内部に挿入されてもよい。
【0083】
また、フィルタセグメント124には少なくとも1つのカプセルが含まれてもよい。ここで、カプセルは香味を発生させる機能を行ってもよく、エアロゾルを発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセルは、香料を含む液体を被膜で包む構造であってもよい。カプセルは、球形又は円筒形の形状を有してもよいが、これらに制限されない。
【0084】
エアロゾル発生物品12は少なくとも1つのラッパー125によって包装されてもよい。ラッパー125には外部空気が流入するか、内部気体が流出する少なくとも1つの孔(hole)が形成されてもよい。
【0085】
例えば、第1のラッパー1251によって霧化セグメント121が包装され、第2のラッパー1252によって媒質セグメント122が包装され、第3のラッパー1253によって冷却セグメント123が包装され、第4のラッパー1254によってフィルタセグメント124が包装されてもよい。そして、第5のラッパー1255によってエアロゾル発生物品12の全体が再包装されてもよい。
【0086】
あるいは、
図3に示すように、第1のラッパー1251によって霧化セグメント121が包装され、第2のラッパー1252によって媒質セグメント122が包装され、第3のラッパー1253によって冷却セグメント123が包装され、第4のラッパー1254によってフィルタセグメント124が包装されてもよい。そして、第5のラッパー1255によってエアロゾル発生物品12の全体が再包装されてもよい。
【0087】
一実施例において、第1のラッパー1251はアルミニウム成分を含むことができる。第1のラッパー1251は、一般的なフィルタ巻紙にアルミニウムホイルなどの金属ホイルが結合されたものであってもよい。例えば、第1のラッパー1251の全厚さは40μm~80μmの範囲内に含まれてもよい。また、第1のラッパー1251の金属ホイルの厚さは6μm~20μmの範囲内に含まれてもよい。
【0088】
第2のラッパー1252及び第3のラッパー1253は、多孔質巻紙で作製されてもよい。
【0089】
例えば、第2のラッパー1252の多孔度は35000CUであってもよいが、これに制限されない。また、第2のラッパー1252の厚さは70μm~80μmの範囲内に含まれてもよい。また、第2のラッパー1252の坪量は20g/m2~25g/m2の範囲内に含まれてもよい。
【0090】
例えば、第3のラッパー1253の多孔度は35000CUであってもよいが、これに制限されない。また、第3のラッパー1253の厚さは70μm~80μmの範囲内に含まれてもよい。また、第3のラッパー1253の坪量は20g/m2~25g/m2の範囲内に含まれてもよい。
【0091】
一実施例において、第2のラッパー1252はアルミニウム成分を含むことができる。例えば、第2のラッパー1252は、一般的なフィルタ巻紙にアルミニウムホイルなどの金属ホイルが結合されたものであってもよい。
【0092】
また、第2のラッパー1252は最終外皮で作製されてもよい。
【0093】
第4のラッパー1254はPLA合紙で作製されてもよい。ここで、PLA合紙は、紙層、PLA層及び紙層を含む3重の紙を意味する。例えば、第4のラッパー1254の厚さは100μm~120μmの範囲内に含まれてもよい。また、第4のラッパー1254の坪量は80g/m2~100g/m2の範囲内に含まれてもよい。
【0094】
第5のラッパー1255は最終外皮で作製されてもよい。例えば、第5のラッパー1255の坪量は57g/m2~63g/m2の範囲内に含まれてもよい。また、第5のラッパー1255の厚さは64μm~70μmの範囲内に含まれてもよい。
【0095】
図3及び
図4を参照すると、一実施例に係る媒質セグメント122はpH処理され、ヒータ113によって間接的に加熱されることができる。
【0096】
一実施例において、媒質セグメント122内にはpH処理された媒質基材が含まれてもよい。例えば、媒質基材は、pH調節剤によって塩基性を有するようにpH処理されることができ、pH調節剤は塩基性であり、例えば、炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、酸化カルシウム(CaO)のうち少なくともいずれか1つの物質を含むことができる。但し、pH調節剤に含まれる物質は上述した例に制限されず、喫煙中に否定的な臭いが少なく発生する物質が使用できる。塩基性pH調節剤は媒質セグメント122に含まれた媒質基材のpHを増加させることができる。塩基性pH調節剤によって処理されない媒質基材と比較して、塩基性pH処理された媒質基材は加熱時にニコチンの放出量を増加させる。すなわち、塩基性pH処理された媒質基材の場合、媒質セグメント122が低い温度で加熱されても十分なニコチン収率を達成することができる。
【0097】
一実施例において、媒質セグメント122にはpHが7.0~9.5の範囲に調整された板状葉が含まれるか、pHが7.0~9.5の範囲に調整されたタバコ顆粒が充填されることができる。板状葉又はタバコ顆粒などの媒質基材はニコチンを含むことができ、ここにpH処理されることによって非加熱条件又は相対的に低い温度条件でも媒質基材からフリーニコチン(free nicotine)が容易に移行できる。すなわち、媒質セグメント122の媒質基材のpHが7.0~9.5の範囲に調整されることで、非加熱条件でも低い量の揮発性フリーニコチンが移行でき、低い程度から中間程度レベルの喫味強度が実現できる。また、低温加熱では、ニコチンの移行を促進させてニコチンの移行量を高めることによって、中間レベルから高レベルの喫味強度を実現することができる。このように、一実施例に係るエアロゾル発生物品12では、非加熱又は低温加熱によってもニコチンの移行量が容易に調節できる。
【0098】
一実施例に係るエアロゾル発生物品12の第1のラッパー1251は、熱伝導性物質(例えば、アルミニウム成分)を含むことができ、第2のラッパー1252も熱伝導性物質(例えば、アルミニウム成分)を含むことができる。一実施例に係るエアロゾル発生物品12は、エアロゾル発生装置11の細長型空洞114に収容されることができ、エアロゾル発生物品12が細長型空洞114に収容された状態で、ヒータ113は霧化セグメント121を囲むことができる。例えば、ヒータ113の下流側端部は、霧化セグメント121の下流側端部に隣接するか、霧化セグメント121の上流側端部及び下流側端部の間に配置されることができる。ヒータ113が加熱されることによって、霧化セグメント121の温度が上昇され得る。霧化セグメント121はヒータ113によって囲まれており、第1のラッパー1251を経て直接熱を伝達され、媒質セグメント122は第1のラッパー1251を経て第2のラッパー1252に沿って伝導された熱を間接的に伝達されることができる。第2のラッパー1252がヒータ113によって囲まれていなくても、ヒータ113からの熱を間接的に伝達されることができるので、媒質セグメント122の低温加熱が行われる。
【0099】
あるいは、一実施例に係るエアロゾル発生物品12の第1のラッパー1251は、熱伝導性物質(例えば、アルミニウム成分)を含むことができ、第2のラッパー1252は、熱伝導性物質を含まないこともある。この場合、霧化セグメント121が加熱されると、ヒータ113から第1のラッパー1251を通じて霧化セグメント121に伝達された熱が媒質セグメント122に間接的に伝達されるか、霧化セグメント121からのエアロゾルに含まれた熱が媒質セグメント122に間接的に伝達されることができる。
【0100】
媒質セグメント122に熱が伝達されない場合には、相対的に高いpH処理が必要であるが、一実施例に係るエアロゾル発生システム1では媒質セグメント122の低温加熱が行われるので、相対的に高くない7.0~9.5の範囲のpHで処理されても効率的かつ均一なニコチンの移行を達成することができる。媒質セグメント122が相対的に高くない7.0~9.5の範囲の比較的低いpHで処理されることによって、揮発性フリーニコチンによる不安定性が減少されることができ、これによって喫味強度の均一性が高くなり、異臭味が減少されることができる。
【0101】
一実施例において、フィルタセグメント124にはニコチンが吸着されることができる。フィルタセグメント124に吸着されたニコチンは媒質セグメント122から転移できる。例えば、媒質セグメント122が7.0~9.5の範囲でpH処理されることによって、常温でも媒質セグメント122内のニコチンが活発に移行できる。したがって、媒質セグメント122から移行したニコチンがフィルタセグメント124に吸着されることができる。すなわち、媒質セグメント122のニコチンはフィルタセグメント124に転移して吸着されることができる。ユーザのパフ時に、霧化セグメント121で発生したエアロゾルがフィルタセグメント124を通過しながら、フィルタセグメント124に吸着されたニコチンもユーザに吸入されることができる。このように媒質セグメント122でのニコチンだけでなく、フィルタセグメント124でのニコチンも移行が可能であるため、非加熱又は間接的な加熱の場合にも十分なニコチンの移行を担保することができる。
【0102】
一実施例において、上述したニコチンの転移は、常温で設定された期間中に行われてもよい。以下の表1は、経時的な第1の媒質セグメント(例えば、媒質セグメント122)、第2の媒質セグメント及びフィルタセグメント124に対するニコチンの転移量を示す表であり、22℃の温度条件で実験を進行した。以下の表1による実験は、冷却セグメント123の代わりに前記第2の媒質セグメントを適用した状態で進行されており、前記第2の媒質セグメントの代わりに冷却セグメント123が適用された場合にも同一/類似の実験結果を得ることができる。表1を参照すると、4週間が経過すると、フィルタセグメント124にニコチンが転移することが分かる。そして、煙成分の分析値によれば、霧化量が一定に保たれながらニコチンの量が増加することが分かる。
【0103】
また、4週間が経ってもフィルタセグメント124に転移したニコチンの量に大きな変化がなく、ニコチン転移量が安定化することが分かる。そして、煙成分の分析値を検討すると、霧化量及びニコチンの量も安定化することが分かる。
【0104】
その結果、フィルタセグメント124にニコチンを4週間転移させるのが理想的であることが分かる。また、4週間が経ってもニコチン転移量と煙成分の霧化量及びニコチンの量が安定し続けることが分かる。したがって、ニコチン転移の処理期間は、4週間に設定することが好ましい。
【0105】
【0106】
上述した実施例についての説明は例示的なものに過ぎず、該技術分野における通常の知識を有する者であれば、それから様々な変形及び均等な他の実施例が可能である点を理解するであろう。したがって、発明の真の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められるべきであり、特許請求の範囲に記載された内容と同等な範囲の全ての相違点は、特許請求の範囲によって定められる保護範囲に含まれると解釈されるべきである。
【0107】
前述した任意の実施例の特徴及び様態は、明らかな技術的衝突という結果をもたらさない限り、他の任意の実施例の特徴及び様態と組み合わせることができる。
【国際調査報告】