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特表2024-524818エアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システム{AEROSOL GENERATING ARTICLE AND AEROSOL GENERATING SYSTEM}
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システム{AEROSOL GENERATING ARTICLE AND AEROSOL GENERATING SYSTEM}
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/30 20200101AFI20240702BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20240702BHJP
   A24D 3/17 20200101ALI20240702BHJP
   A24D 1/02 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
A24F40/30
A24D1/20
A24D3/17
A24D1/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567257
(86)(22)【出願日】2023-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 KR2023002860
(87)【国際公開番号】W WO2023224226
(87)【国際公開日】2023-11-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0061802
(32)【優先日】2022-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、タエ キュン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、チャン ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム、タエ キュン
(72)【発明者】
【氏名】パク、インス
(72)【発明者】
【氏名】リー、ミ ジェオン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョン タエ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA41
4B045AB08
4B045AB11
4B045BA02
4B045BA08
4B045BB05
4B045BB10
4B045BC23
4B162AA03
4B162AA07
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB28
4B162AC08
4B162AC14
4B162AC34
4B162AD15
4B162AD23
4B162AD28
4B162AD32
(57)【要約】
様々な実施例に係るエアロゾル発生システムは、媒質セグメントを含むエアロゾル発生物品及びエアロゾル発生装置を含み、前記エアロゾル発生物品は、前記媒質セグメントの上流に配置される第1のフィルタセグメント及び前記媒質セグメントの下流に配置される第2のフィルタセグメントをさらに含み、前記第1のフィルタセグメント及び第2のフィルタセグメントのうち少なくとも1つにはニコチンが吸着されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
媒質セグメントを含むエアロゾル発生物品と、
少なくとも1つのプロセッサを含む制御部と、前記エアロゾル発生物品が収容される細長型空洞と、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、前記生成されたエアロゾルを前記エアロゾル発生物品に向かって放出する蒸気化器を含むエアロゾル発生装置と、
を含み、
前記エアロゾル発生物品は、
前記媒質セグメントの上流に配置される第1のフィルタセグメントと、
さらに前記媒質セグメントの下流に配置される第2のフィルタセグメントと、を含み、
前記第1のフィルタセグメント及び第2のフィルタセグメントのうち少なくとも1つにはニコチンが吸着された、
エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記第1のフィルタセグメント及び第2のフィルタセグメントのうち少なくとも1つに吸着されたニコチンは、前記媒質セグメントから転移する、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記媒質セグメントはpH処理される、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記媒質セグメントは、pHが8.0以上9.5以下の範囲になるようにpH処理される、請求項3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記媒質セグメントに充填された媒質基材は、板状葉タバコ及び顆粒状タバコのうち少なくとも1つの成分を含む、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記エアロゾル発生装置は、前記媒質セグメントを加熱するためのヒーターをさらに含み、
前記エアロゾル発生物品は、前記媒質セグメントと前記第2のフィルタセグメントとの間に冷却セグメントをさらに含む、
請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記媒質セグメントを包む熱伝導性ラッパーをさらに含む、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記熱伝導性ラッパーはアルミニウム成分を含む、請求項7に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記ヒーターが前記媒質セグメントを加熱する温度を制御し、
前記制御部は、前記ヒーターが前記媒質セグメントを加熱しない非加熱モード及び前記媒質セグメントを低温加熱する低温加熱モードの間で前記ヒーターを制御する、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記低温加熱モードで、前記制御部は、前記ヒーターが前記媒質セグメントを0度以上150度以下に加熱するように制御する、請求項9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
エアロゾル発生物品であって、
pH処理された媒質セグメントと、
前記媒質セグメントの上流に配置される第1のフィルタセグメントと、
前記媒質セグメントの下流に配置される第2のフィルタセグメントと、を含み、
前記第1のフィルタセグメント及び第2のフィルタセグメントのうち少なくともいずれかにニコチンが吸着された、エアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記第1のフィルタセグメント及び第2のフィルタセグメントに吸着されたニコチンは、前記媒質セグメントから転移する、請求項11に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記媒質セグメントは、pHが8.0以上9.5以下の範囲になるようにpH処理される、請求項11に記載のエアロゾル発生物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下、実施例は、エアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、伝統的なシガレットの欠点を克服する代替物品に関する需要が高まっている。例えば、シガレットスティックを電気的に加熱することによってエアロゾルを発生させる装置(e.g.シガレット型電子タバコ)に関する需要が高まっている。これにより、電気加熱式エアロゾル発生装置とそれに適用されるシガレットスティック(又はエアロゾル発生物品)に関する研究が盛んに行われている。例えば、公開特許公報第10-2017-0132823号は、非燃焼型香味吸引器、香喫味源ユニット及び霧化ユニットを開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一実施例による目的は、1つのエアロゾル発生物品であって、様々な喫味強度を選択的に提供することができるエアロゾル発生物品及びそれを含むエアロゾル発生システムを提供することである。
【0004】
一実施例による目的は、pH処理された媒質セグメントを用いて低温加熱条件でも十分なニコチンの移行を促進することができるエアロゾル発生物品及びそれを含むエアロゾル発生システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
様々な実施例に係るエアロゾル発生システムは、媒質セグメントを含むエアロゾル発生物品と、少なくとも1つのプロセッサを含む制御部と、前記エアロゾル発生物品が収容される細長型空洞と、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、前記生成されたエアロゾルを前記エアロゾル発生物品に向かって放出する蒸気化器を含むエアロゾル発生装置と、を含み、前記制御部は、前記ヒーターが前記媒質セグメントを加熱する温度を制御することができる。
【0006】
前記制御部は、前記ヒーターが前記媒質セグメントを加熱しない非加熱モード及び前記媒質セグメントを低温加熱する低温加熱モードの間で前記ヒーターを制御することができる。
【0007】
前記低温加熱モードで、前記制御部は、前記ヒーターが前記媒質セグメントを0度以上150度以下に加熱するように制御することができる。
【0008】
前記媒質セグメントは、pH処理されることができる。
【0009】
前記エアロゾル発生物品は、前記媒質セグメントの上流に配置される第1のフィルタセグメント及び前記媒質セグメントの下流に配置される第2のフィルタセグメントをさらに含むことができる。
【0010】
前記第1のフィルタセグメント及び第2のフィルタセグメントのうち少なくとも1つにはニコチンが吸着されることができる。
【0011】
前記第1のフィルタセグメント及び第2のフィルタセグメントのうち少なくとも1つに吸着されたニコチンは前記媒質セグメントから転移することができる。
【0012】
前記媒質セグメントは、pHが8.0以上9.5以下の範囲になるようにpH処理されることができる。
【0013】
前記媒質セグメントに充填された媒質基材は、板状葉タバコ及び顆粒状タバコのうち少なくとも1つの成分を含むことができる。
【0014】
前記エアロゾル発生装置は、前記媒質セグメントを加熱するためのヒーターをさらに含み、前記エアロゾル発生物品は、前記媒質セグメントと前記第2のフィルタセグメントとの間に冷却セグメントをさらに含むことができる。
【0015】
前記媒質セグメントを包む熱伝導性ラッパーをさらに含むことができる。
【0016】
前記熱伝導性ラッパーはアルミニウム成分を含む、エアロゾル発生システム。
【0017】
様々な実施例に係るエアロゾル発生物品は、pH処理された媒質セグメントと、前記媒質セグメントの上流に配置される第1のフィルタセグメントと、前記媒質セグメントの下流に配置される第2のフィルタセグメントと、を含み、前記第1のフィルタセグメント及び第2のフィルタセグメントにはニコチンが吸着されることができる。
【0018】
前記第1のフィルタセグメント及び第2のフィルタセグメントに吸着されたニコチンは、前記媒質セグメントから転移することができる。
【0019】
前記媒質セグメントは、pHが8.0以上9.5以下の範囲になるようにpH処理されることができる。
【発明の効果】
【0020】
一実施例に係るエアロゾル発生システムは、喫味強度を調節することができる。
【0021】
一実施例に係るエアロゾル発生システムは、pH処理された媒質セグメントを用いて低温加熱条件でもニコチンの移行を促進することができる。
【0022】
一実施例に係るエアロゾル発生システムの効果は、上記で言及されたものに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者に明確に理解されるであろう。
【0023】
本明細書に添付される以下の図面は、本発明の好ましい一実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明と共に本発明の技術的思想をさらに理解させる役割を果たすものであるため、本発明は、そのような図面に記載された事項にのみ限定されて解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】一実施例に係るエアロゾル発生システムのブロック図である。
図2A】一実施例に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が結合されたエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
図2B】一実施例に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が結合されたエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
図3】一実施例に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が結合されたエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
図4】一実施例に係るエアロゾル発生物品の構造を概略的に示す図である。
図5】一実施例に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が結合されたエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して実施例を詳細に説明する。しかし、実施例には様々な変更が加えられるので、権利範囲はこれらの実施例によって制限又は限定されるものではない。実施例に対する全ての変更、均等物又は代替物が権利範囲に含まれると理解されるべきである。
【0026】
実施例において使用した用語は単に説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されるべきではない。単数の表現は、文脈上明白に別段の意味を持たない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。
【0027】
別途の定義がない限り、技術的又は科学的用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているなどの用語は、関連技術の文脈上有している意味と一致するものと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。
【0028】
なお、添付図面を参照して説明するにあたって、図面符号にかかわらず同一の構成要素には同一の参照符号を付し、これについての重複する説明は省略する。実施例を説明するにあたって関連する公知技術についての具体的な説明が実施例の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0029】
さらに、実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって該当構成要素の本質や順番又は順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載された場合、その構成要素は他の構成要素に直接的に連結又は接続されるが、各構成要素の間にまた他の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されるとも理解されるべきである。
【0030】
いずれかの実施例に含まれた構成要素と、共通的な機能を含む構成要素は、他の実施例において同一の名称を使用して説明する。反対の記載がない限り、いずれかの実施例に記載の説明は他の実施例にも適用でき、重複する範囲で具体的な説明は省略する。
【0031】
以下の実施例において、「保湿剤」は、可視的な煙(smoke)及び/又はエアロゾル(aerosol)の形成を容易にし得る物質を意味することができる。保湿剤の例としては、グリセリン(GLY)、プロピレングリコール(PG)、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールを挙げることができ、これらに限定されない。当該技術分野において、保湿剤は、エアロゾル形成剤、湿潤剤などの用語と混用して使用されてもよい。
【0032】
以下の実施例において、「エアロゾル形成基材」は、エアロゾルを形成し得る物質を意味することができる。エアロゾルは揮発性化合物を含むことができる。エアロゾル形成基材は固体又は液状であってもよい。例えば、固体のエアロゾル形成基材は、板状葉タバコ、刻草、再構成タバコなどのタバコ原料に基づく固体物質を含むことができ、液状のエアロゾル形成基材は、ニコチン、タバコ抽出物及び/又は様々な香味剤に基づく液状組成物質を含むことができる。しかし、本開示の範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【0033】
以下の実施例において、「エアロゾル発生物品」は、媒質を収容する物品であって、エアロゾルが該当物品を通過し、媒質が移行する物品を意味することができる。エアロゾル発生物品の代表的な例としてはシガレットが挙げられるが、本開示の範囲はこれに限定されるものではない。
【0034】
以下の実施例において、「エアロゾル発生装置」は、ユーザの口を通じてユーザの肺に直接的に吸入可能なエアロゾルを発生させるためにエアロゾル形成基材を用いてエアロゾルを発生させる装置を意味することができる。
【0035】
以下の実施例において、「上流」(upstream)又は「上流方向」は、ユーザ(喫煙者)の口部から離れる方向を意味し、「下流」(downstream)又は「下流方向」は、ユーザの口部から近づく方向を意味することができる。上流及び下流という用語は、エアロゾル発生物品を構成する要素の相対的位置を説明するために用いられる。
【0036】
以下の実施例において、「パフ(puff)」とは、ユーザの吸入(inhalation)を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を通じてユーザの口腔内、鼻腔内又は肺に引き寄せる状況を意味する。
【0037】
図1は、一実施例に係るエアロゾル発生システムのブロック図であり、図2A及び図2Bは、一実施例に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が結合されたエアロゾル発生システムを概略的に示す図であり、図3は、一実施例に係る蒸気化器の構造を概略的に示す図であり、図4は、一実施例に係るエアロゾル発生物品の構造を概略的に示す図であり、図5は、一実施例に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が結合されたエアロゾル発生システムを概略的に示す図である。
【0038】
図1図5を参照すると、一実施例に係るエアロゾル発生システム1は、エアロゾル発生装置11及びエアロゾル発生物品12を含むことができる。
【0039】
図1図3を参照すると、一実施例に係るエアロゾル発生装置11は、バッテリ111、制御部112、蒸気化器113、ヒーター114、及び細長型空洞115を含むことができる。
【0040】
図2A図2B、及び図3に示すエアロゾル発生装置11は、本実施例に関する構成要素のみが示されている。したがって、図2A図2B、及び図3に示す構成要素に加えて、他の汎用的な構成要素がエアロゾル発生装置11にさらに含まれ得ることを本実施例に関する技術分野における通常の知識を有する者であれば理解することができる。また、エアロゾル発生装置11は、スティック状であってもよく、ホルダ(holder)状であってもよい。
【0041】
一実施例において、バッテリ111は、エアロゾル発生装置11が動作するのに用いられる電力を供給することができる。例えば、バッテリ111は、蒸気化器113が液状組成物を加熱するように、蒸気化器113に電流を供給することができる。また、バッテリ111は、エアロゾル発生装置11に設置されたヒーター114、ディスプレイ、センサ、モータなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0042】
一実施例において、バッテリ111は、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)バッテリであってもよいが、上述した例に限定されない。例えば、バッテリ111は、酸化リチウムコバルト(LiCoO2)バッテリ、チタン酸リチウムバッテリ、及びリチウムイオンバッテリなどが該当することができる。
【0043】
例えば、バッテリ111は、直径が10mmであり、長さが37mmである円柱状であってもよいが、これに限定されない。例えば、バッテリ111の容量は、120mAh~250mAhの範囲を有することができるが、これに限定されない。また、バッテリ111は充電可能なバッテリであってもよく、使い捨てバッテリであってもよい。例えば、バッテリ111が充電可能である場合、バッテリ111の充電率(C-rate)は10C、放電率(C-rate)は10C~20Cであってもよいが、これに限定されない。また、静的な使用のために、バッテリ111は充/放電が2000回進行した場合でも、全容量の80%以上が確保できるように作製することができる。
【0044】
一実施例において、制御部112は、エアロゾル発生装置11の動作を全般的に制御する。具体的には、制御部112は、バッテリ111、蒸気化器113、ヒーター114だけでなく、エアロゾル発生装置11に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部112は、エアロゾル発生装置11の構成のそれぞれの状態を確認して、エアロゾル発生装置11が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0045】
一実施例において、制御部112は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、複数の論理ゲートのアレイで実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとこのマイクロプロセッサで実行することができるプログラムが貯蔵されたメモリの組み合わせで実現されてもよい。また、他の形態のハードウェアで実現されてもよいことを本実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば理解することができる。
【0046】
一実施例において、蒸気化器113は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルが細長型空洞115に挿入されたエアロゾル発生物品12を通過するように、生成されたエアロゾルを挿入されたエアロゾル発生物品12に向かって放出することができる。したがって、エアロゾル発生物品12を通過したエアロゾルにタバコ香味(tobacco flavor)が加味されることができ、ユーザは、エアロゾル発生物品12の一端を口で吸入し、タバコ香味が加味されたエアロゾルを吸入することができる。一実施例によって、蒸気化器113はカトマイザ(cartomizer)又は霧化器(atomizer)と称することができる。一実施例によって、蒸気化器113は、入れ替え可能にエアロゾル発生装置11に結合されていてもよい。
【0047】
一実施例において、ヒーター114はバッテリ111から供給された電力によって加熱されてもよい。例えば、エアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置11に挿入されると、ヒーター114はエアロゾル発生物品2の外部に位置することができる。したがって、加熱されたヒーター114はエアロゾル発生物品2内のエアロゾル発生物質の温度を上昇させることができる。
【0048】
例えば、ヒーター114は電気抵抗性ヒーターであってもよい。例えば、ヒーター114には電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れるにつれてヒーター114が加熱されることができる。しかし、ヒーター114は上述した例に限定されず、所望の温度まで加熱されるものであれば制限なく該当することができる。ここで、所望の温度は、エアロゾル発生装置11に既に設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0049】
一方、他の例として、ヒーター114は誘導加熱式ヒーターであってもよい。具体的には、ヒーター114にはエアロゾル発生物品2を誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含むことができ、エアロゾル発生物品2は、誘導加熱式ヒーターによって加熱されるサセプタを含むことができる。
【0050】
例えば、ヒーター114は、管状熱伝達要素、板状熱伝達要素、針状熱伝達要素又は棒状の熱伝達要素を含むことができ、熱伝達要素の形状によってエアロゾル発生物品2の内部又は外部を加熱することができる。
【0051】
また、エアロゾル発生装置11にはヒーター114が複数配置されてもよい。このとき、複数のヒーター114は、エアロゾル発生物品2の内部に挿入されるように配置されてもよく、エアロゾル発生物品2の外部に配置されてもよい。また、複数のヒーター114の一部は、エアロゾル発生物品2の内部に挿入されるように配置され、残りはエアロゾル発生物品2の外部に配置されてもよい。
【0052】
一実施例において、細長型空洞115にはエアロゾル発生物品2が収容されてもよい。一実施例において、ヒーター114は、細長型空洞115の外面を囲んで配置されることによって細長型空洞115に収容されるエアロゾル発生物品を加熱することができる。一実施例に係るヒーター114は、細長型空洞115の外面の少なくとも一部を囲んで配置されてもよい。
【0053】
一方、エアロゾル発生装置11は、バッテリ111、制御部112、蒸気化器113、ヒーター114、及び細長型空洞115の他に汎用的な構成をさらに含むことができる。例えば、エアロゾル発生装置11は、検出部116、出力部117、ユーザ入力部118、メモリ119、及び通信部120をさらに含むことができる。
【0054】
検出部116は、エアロゾル発生装置11の状態又はエアロゾル発生装置11の周辺の状態を感知し、感知された情報を制御部112に伝達することができる。制御部112は、前記感知された情報に基づいて、ヒーター114の動作制御、喫煙の制限、エアロゾル発生物品12(例えば、シガレット、カートリッジなど)の挿入如何判断、通知表示などの様々な機能が行われるようにエアロゾル発生装置11を制御することができる。
【0055】
検出部116は、温度センサ1161、挿入感知センサ1162及びパフセンサ1163のうち少なくとも1つを含むことができるが、これらに制限されない。
【0056】
温度センサ1161は、ヒーター114(又は、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知することができる。エアロゾル発生装置11は、ヒーター114の温度を感知する別途の温度センサを含むか、ヒーター114自体が温度センサの役割を果たすことができる。あるいは、温度センサ1161は、バッテリ111の温度をモニタリングするようにバッテリ111の周囲に配置されたものであってもよい。
【0057】
挿入感知センサ1162は、エアロゾル発生物品12の挿入及び/又は除去を感知することができる。例えば、挿入感知センサ1162は、フィルムセンサ、圧力センサ、光センサ、抵抗性センサ、容量性センサ、誘導性センサ及び赤外線センサのうち少なくとも1つを含むことができ、エアロゾル発生物品12が挿入及び/又は除去されることによる信号変化を感知することができる。
【0058】
パフセンサ1163は、気流通路又は気流チャンネルの様々な物理的変化に基づいてユーザのパフを感知することができる。例えば、パフセンサ1163は、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のいずれかに基づいてユーザのパフを感知することができる。
【0059】
検出部116は、前述したセンサ1161~1163の他に、温/湿度センサ、気圧センサ、地磁気センサ(magnetic sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロスコープセンサ、位置センサ(例えば、GPS)、近接センサ、及びRGBセンサ(illuminance sensor)のうち少なくとも1つをさらに含むことができる。各センサの機能は、その名称から通常の技術者が直観的に推論することができるので、具体的な説明は省略されてもよい。
【0060】
出力部117は、エアロゾル発生装置11の状態に関する情報を出力してユーザに提供することができる。出力部117は、ディスプレイ部1171、ハプティック部1172及び音響出力部1173のうち少なくとも1つを含むことができるが、これらに制限されるものではない。ディスプレイ部1171とタッチパッドがレイヤー構造を成してタッチスクリーンで構成される場合、ディスプレイ部1171は出力装置の他に入力装置としても使用できる。
【0061】
ディスプレイ部1171は、エアロゾル発生装置11に関する情報をユーザに視覚的に提供することができる。例えば、エアロゾル発生装置11に関する情報は、エアロゾル発生装置11のバッテリ111の充/放電状態、ヒーター114の予熱状態、エアロゾル発生物品12の挿入/除去状態又はエアロゾル発生装置11の使用が制限される状態(例えば、異常物品感知)などの様々な情報を意味することができ、ディスプレイ部1171は、前記情報を外部に出力することができる。ディスプレイ部1171は、例えば、液晶ディスプレイパネル(LCD)、有機発光ディスプレイパネル(OLED)などであってもよい。また、ディスプレイ部1171は、LED発光素子形態であってもよい。
【0062】
ハプティック部1172は、電気的信号を機械的な刺激又は電気的な刺激に変換してエアロゾル発生装置11に関する情報をユーザに触覚的に提供することができる。例えば、ハプティック部1172は、モータ、圧電素子、又は電気刺激装置を含むことができる。
【0063】
音響出力部1173は、エアロゾル発生装置11に関する情報をユーザに聴覚的に提供することができる。例えば、音響出力部1173は、電気信号を音響信号に変換して外部に出力することができる。
【0064】
ユーザ入力部118は、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力することができる。例えば、ユーザ入力部118は、キーパッド(key pad)、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(接触式静電容量方式、圧力式抵抗膜方式、赤外線感知方式、表面超音波伝導方式、積分式張力測定方式、ピエゾ効果方式など)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどがあり得るが、これらに制限されるものではない。また、図1には示されていないが、エアロゾル発生装置11は、USB(universal serial bus)インターフェースなどの連結インターフェース(connection interface)をさらに含み、USBインターフェースなどの連結インターフェースを介して他の外部装置に連結して情報を送受信するか、バッテリ111を充電することができる。
【0065】
メモリ119は、エアロゾル発生装置11内で処理される各種データを貯蔵するハードウェアであって、制御部112で処理されたデータ及び処理されるデータを貯蔵することができる。メモリ119は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、ラム(RAM、random access memory)SRAM(static random access memory)、ロム(ROM、read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、PROM(programmable read-only memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも1つのタイプの貯蔵媒体を含むことができる。メモリ119は、エアロゾル発生装置11の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに関するデータなどを貯蔵することができる。
【0066】
通信部120は、他の電子装置との通信のための少なくとも1つの構成要素を含むことができる。例えば、通信部120は、近距離通信部1201及び無線通信部1202を含むことができる。
【0067】
近距離通信部(short-range wireless communication unit)1201は、ブルートゥース(登録商標)通信部、BLE(Bluetooth Low Energy)通信部、近距離無線通信部(Near Field Communication unit)、WLAN(ワイパイ)通信部、Zigbee(登録商標)通信部、赤外線(IrDA、infrared Data Association)通信部、WFD(Wi-Fi Direct(登録商標))通信部、UWB(ultra wideband)通信部、Ant+通信部などを含むことができるが、これらに制限されない。
【0068】
無線通信部1202は、セルラーネットワーク通信部、インターネット通信部、コンピュータネットワーク(例えば、LAN又はWAN)通信部などを含むことができるが、これらに制限されない。無線通信部1202は、加入者情報(例えば、国際モバイル加入者識別子(IMSI))を用いて通信ネットワーク内でエアロゾル発生装置11を確認及び認証することもできる。
【0069】
一実施例において、エアロゾル発生装置11は、ユーザがエアロゾル発生装置11の機能を制御することができる少なくとも1つの入力装置(例えば、ボタン)及び/又はクレードルと結合される端子を含むことができる。例えば、ユーザはエアロゾル生成装置100の入力装置を用いて様々な機能を実行することができる。ユーザが入力装置を押す回数(例えば、1回、2回など)又は入力装置を押している時間(例えば、0.1秒、0.2秒など)を調節することによって、エアロゾル発生装置11の複数の機能のうち、所望の機能を実行することができる。ユーザが入力装置を作動させるにつれて、蒸気化器113の加熱要素又はヒーターモジュールを予熱する機能、蒸気化器113の加熱要素又はヒーターモジュールの温度を調節する機能、エアロゾル発生物品が挿入される空間を掃除する機能、エアロゾル発生装置11が作動可能な状態であるかを点検する機能、バッテリ111の残量(可用電力)を表示する機能、エアロゾル発生装置11のリセット機能などを実行することができる。しかし、エアロゾル発生装置11の機能は、上述した例に限定されない。
【0070】
一実施例において、エアロゾル発生装置11は、パフ感知センサ、温度感知センサ及び/又はエアロゾル発生物品挿入感知センサを含むことができる。また、エアロゾル発生装置11は、エアロゾル発生物品が挿入された状態でも外部空気が流入/流出することができる構造で作製することができる。
【0071】
一実施例によれば、エアロゾル発生装置11は、図2Aに示すように、直列に配列された蒸気化器113及び細長型空洞115を含むことができる。他の実施例によって、エアロゾル発生装置11は、図2Bに示すように、並列に配列された蒸気化器113及び細長型空洞115を含むことができる。また、エアロゾル発生装置11のバッテリ111、制御部112、蒸気化器113、ヒーター114、及び細長型空洞115の配列形態は、図2A及び図2Bに限定されず、様々な形態であってもよい。
【0072】
図2Bを検討すると、エアロゾル発生装置11内の気流通路を介して、蒸気化器113によって生成されたエアロゾルは細長型空洞115に流入してエアロゾル発生物品12を通過することができる。したがって、エアロゾル発生物品12を通過したエアロゾルにタバコ香味(tobacco flavor)が加味されることができ、ユーザは、エアロゾル発生物品12の一端を口で吸入して、タバコ香味が加味されたエアロゾルを吸入することができる。
【0073】
一実施例に係る蒸気化器113は、液体貯蔵部、液体伝達手段、加熱要素、及び気流通路を含むことができる。蒸気化器113の各構成は、ポリカーボネートの素材で構成されてもよいが、これに制限されない。
【0074】
一実施例において、液体貯蔵部は、加熱時にエアロゾルが生成され得る液状組成物を貯蔵することができる。一実施例によって、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体であってもよく、他の実施例によって、液状組成物は非タバコ物質を含む液体であってもよい。また、液状組成物は、0.1~2.0mL容量の液体を貯蔵することができるが、これに制限されない。また、液体貯蔵部は、蒸気化器113内で入れ替え可能に結合されていてもよい。
【0075】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、又はビタミン混合物を含むことができる。香料は、メンソール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物香成分などを含むことができるが、これらに制限されない。香味剤は、ユーザに様々な香味又は風味を提供することができる成分を含み得る。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも1つが混合されたものであってもよいが、これらに制限されない。さらに、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールなどのエアロゾル形成剤を含み得る。
【0076】
一実施例において、液体伝達手段は、液体貯蔵部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。一実施例において、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックなどのウィック(wick)になり得るところ、毛細管現象を用いて液体貯蔵部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。
【0077】
一実施例において、加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素であるところ、金属熱線、金属熱板、セラミックヒーターなどになり得る。また、加熱要素は、ニクロム線などの伝導性フィラメントで構成されてもよく、液体伝達手段に巻き付けられる構造で配置されてもよい。加熱要素は、電流供給によって加熱されることができ、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達して液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成され得る。
【0078】
一実施例において、気流通路は、生成されたエアロゾルが挿入されたエアロゾル発生物品12に向かって放出するように配置されてもよい。すなわち、加熱要素によって生成されたエアロゾルは、気流通路を介して放出することができる。
【0079】
一実施例において、制御部112は、加熱要素に供給される電流を制御して、加熱要素の温度を制御することができる。したがって、制御部112は、加熱要素に供給される電流を制御して、液状組成物から生成されるエアロゾル量を制御することができる。また、制御部112は、ユーザのパフ感知時に、既に設定された時間中に加熱要素に電流を供給するように制御することができる。例えば、制御部112は、ユーザのパフを感知したときから1~5秒間加熱要素に電流が供給されるように制御することができる。
【0080】
一実施例において、制御部112は、気流通路の開閉状態を制御して蒸気化器113から放出するエアロゾルの量を制御することができる。具体的には、制御部112は、気流通路の空隙の大きさを大きくして、蒸気化器113から放出するエアロゾル量を増加させることができ、気流通路の空隙の大きさを小さくして、蒸気化器113から放出するエアロゾル量を減少させることができる。例えば、制御部112は、ダイヤル方式を用いて気流通路の空隙を制御することができる。
【0081】
一実施例において、制御部112は、液体貯蔵部の液状組成物が既に設定された量よりも少ない場合、振動モータ又はディスプレイを通じてユーザに液状組成物が不足しているという情報を知らせることができる。
【0082】
図3を参照すると、一実施例に係るエアロゾル発生装置11は、ハウジング、ヒーター114、バッテリ111及び制御部112を含むことができる。この場合には、蒸気化器なしでヒーター114によってエアロゾル発生物品12が加熱されることができる。
【0083】
図4を参照すると、一実施例に係るエアロゾル発生物品12は、第1のフィルタセグメント121、媒質セグメント122、冷却セグメント123、第2のフィルタセグメント124及びラッパー125を含むことができる。
【0084】
一実施例において、第1のフィルタセグメント121は、セルロースアセテートフィルタであってもよい。また、第1のフィルタセグメント121は、紙フィルタ及び多孔性成形物などで構成されてもよい。例えば、第1のフィルタセグメント121の長さは4~15mmであってもよいが、これに制限されない。さらに、第1のフィルタセグメント121は有色処理されてもよく、加香処理されてもよい。
【0085】
一実施例において、媒質セグメント122はキャビティを含むことができ、前記キャビティには媒質が充填されてもよい。例えば、媒質セグメント122に充填された媒質基材は、板状葉、顆粒状タバコ(タバコ顆粒)、再構成タバコ、スラリータバコ、刻草のうち少なくとも1つの成分を含むことができる。例えば、媒質セグメント122の長さは6mm~18mmの範囲内で適切な長さが採用されてもよいが、これに限定されない。
【0086】
一般的に、タバコ顆粒は、異なる類型のタバコ物質(e.g.刻草、板状葉タバコなど)よりも水分及び/又はエアロゾル形成剤含量が著しく少ないため、可視的な煙の発生を大幅に減少させることができ、これによってエアロゾル発生装置11の無煙機能を容易に実現することができる。ただし、タバコ顆粒の直径、密度、充填率、構成物質の組成比、加熱温度などは様々であり、これは実施例によって変わり得る。タバコ顆粒の直径は約0.3mm~1.2mmであってもよい。このような数値範囲内でタバコ顆粒の適切な硬度と製造容易性とが保障され、キャビティ内で渦気流発生確率が増加することができる。
【0087】
また、媒質セグメント122は、グリセリンなどのエアロゾル発生物質を含むことができる。また、媒質セグメント122は、風味剤、湿潤剤及び/又は有機酸(organic acid)などの他の添加物質を含有することができる。また、媒質セグメント122には、メンソール又は保湿剤などの加香液が、媒質セグメント122に噴射されることによって添加されてもよい。
【0088】
一実施例において、媒質セグメント122内にはpH処理された媒質基材が含まれてもよい。例えば、媒質基材は、pH調節剤によって塩基性を有するようにpH処理されてもよく、pH調節剤は塩基性であり、例えば、炭酸カリウム(KCO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、酸化カルシウム(CaO)のうち少なくともいずれか1つの物質を含むことができる。ただし、pH調節剤に含まれる物質は上述した例に制限されず、喫煙中に否定的な臭いが少なく発生する物質が使用されることがある。塩基性pH調節剤は媒質セグメント122に含まれた媒質基材のpHを増加させることができる。塩基性pH調節剤によって処理されない媒質基材と比較して、塩基性pH処理された媒質基材は加熱時にニコチンの放出量が増加する。すなわち、塩基性pH処理された媒質基材の場合、媒質セグメント122が低い温度で加熱されても十分なニコチン収率を達成することができる。
【0089】
一実施例において、媒質セグメント122にはpHが8.0~9.5の範囲に調整されたスラリー又は製紙式板状葉が含まれるか、pHが8.0~9.5の範囲に調整されたタバコ顆粒が含まれてもよい。媒質基材はニコチンを含むことができ、ここにpH処理されることによって、非加熱条件又は相対的に低い温度条件でも媒質基材からフリーニコチン(free nicotine)が移行することができる。すなわち、媒質セグメント122の媒質基材のpHが8.0~9.5の範囲に調整されることによって、非加熱条件では低い量の揮発性フリーニコチンが移行することができ、低い程度から中間程度のレベルの喫味強度が実現できる。また、低温加熱ではニコチンの移行を促進させてニコチンの移行量を高めることで中間レベルから高レベルの喫味強度を実現することができる。このように、一実施例に係るエアロゾル発生物品12では、非加熱又は低温加熱を通じてもニコチンの移行量を容易に調節することができる。
【0090】
一実施例において、冷却セグメント123は、エアロゾルの冷却効果を発生させることができる。したがって、ユーザは適切な温度に冷却されたエアロゾルを吸入することができる。例えば、冷却セグメント123は、セルロースアセテートで作製され、内部に中空を含むチューブ状の構造物であってもよい。例えば、冷却セグメント123は、セルロースアセテートトウに可塑剤(例えば、トリアセチン)を加えて作製されてもよい。例えば、冷却セグメント123は紙で作製され、内部に中空を含むチューブ状の構造物であってもよい。
【0091】
例えば、冷却セグメント123に含まれた中空の直径は4mm~8mmの範囲内で適切な直径が採用されてもよいが、これに限定されない。冷却セグメント123の長さは4mm~30mmの範囲内で適切な長さが採用されてもよいが、これに限定されない。冷却セグメント123は上述した例に限定されず、エアロゾルが冷却される機能を実行することができると、制限なく該当することができる。
【0092】
一実施例において、第2のフィルタセグメント124は、少なくとも1つの香カプセルを含むフィルタで構成されてもよい。例えば、第2のフィルタセグメント124は、少なくとも1つの香カプセルが挿入されたセルロースアセテートフィルタであってもよい。また、第2のフィルタセグメント124は、加香物質が混合されたフィルタで構成されてもよい。
【0093】
一実施例において、第1のフィルタセグメント121及び第2のフィルタセグメント124のうち少なくとも1つにはニコチンが吸着されることができる。媒質セグメント122が8.0~9.5の範囲でpH処理されることによって、非加熱条件でも媒質セグメント122内のニコチンが活発に転移することができる。したがって、媒質セグメント122で転移したニコチンが第1のフィルタセグメント121及び第2のフィルタセグメント124のうち少なくとも1つに吸着されることができる。媒質セグメント122だけでなく、第1のフィルタセグメント121又は第2のフィルタセグメント124もニコチンを含むことによって、非加熱又は低温加熱の場合にも十分なニコチンの移行を担保することができる。
【0094】
一実施例に係るエアロゾル発生物品12にはニコチン転移処理工程が行われることができる。例えば、ニコチン転移処理工程は、以下のように行われることができる。先ず、媒質セグメント122が8.0~9.5の範囲でpH処理され、第1のフィルタセグメント121と第2のフィルタセグメント124が媒質セグメント122を挟んでラッパー125によって結合されてもよい。次に、エアロゾル発生物品12は室温でニコチン転移期間を経ることになる。前記ニコチン転移期間は4週間以上であることができる。
【0095】
以下の表1は、経時的な第1のフィルタセグメント121、第1の媒質セグメント(例えば、媒質セグメント122)、第2の媒質セグメント及び第2のフィルタセグメント124に対するニコチンの転移量を示す表である。22度の温度条件で実験を進めた。以下の表1による実験は、冷却セグメント123の代わりに前記第2の媒質セグメントを適用した状態で進められており、前記第2の媒質セグメントの代わりに冷却セグメント123が適用された場合でも同一/類似の実験結果を得ることができる。
【0096】
表1を参照すると、4週間が経過すると、第1のフィルタセグメント121及び第2のフィルタセグメント124にニコチンが転移することが分かる。そして、煙成分分析値によれば、霧化量が一定に維持されながらニコチンの量が増加することが分かる。
【0097】
また、4週間が経過しても、第1のフィルタセグメント121及び第2のフィルタセグメント124に転移したニコチンの量に大きな変化がなく、ニコチン転移量が安定したことが分かる。そして、煙成分分析値を検討すると、霧化量及びニコチンの量も安定したことが分かる。
【0098】
その結果、第1のフィルタセグメント121及び第2のフィルタセグメント124にニコチンを4週間転移させるのが理想的であることが分かる。また、4週間が経過しても、ニコチン転移量と煙成分の霧化量及びニコチンの量が安定し続けることが分かる。したがって、ニコチン転移処理期間は4週間に設定することが好ましい。
【0099】
【表1】
【0100】
一実施例において、エアロゾル発生物品12は、少なくとも1つのラッパー125によって包装されてもよい。ラッパー125には外部空気が流入するか、内部気体が流出する少なくとも1つの孔(hole)が形成されてもよい。ラッパー125は熱伝導性の高い材質を含むことができる。
【0101】
例えば、第1のラッパー1251によって第1のフィルタセグメント121が包装され、第2のラッパー1252によって媒質セグメント122が包装され、第3のラッパー1253によって冷却セグメント123が包装され、第4のラッパー1254によって第2のフィルタセグメント124が包装されてもよい。そして、第5のラッパー1255によってエアロゾル発生物品12の全体が再包装されてもよい。
【0102】
一実施例において、第1のラッパー1251はアルミニウム成分を含むことができる。第1のラッパー1251は、一般的なフィルタ巻紙にアルミニウムホイルなどの金属ホイルが結合されたものであってもよい。例えば、第1のラッパー1251の全厚さは40μm~80μmの範囲内に含まれてもよい。また、第1のラッパー1251の金属ホイルの厚さは6μm~20μmの範囲内に含まれてもよい。
【0103】
一実施例において、第2のラッパー1252及び第3のラッパー1253は、多孔質巻紙で作製されてもよい。例えば、第2のラッパー1252の多孔度は35000CUであってもよいが、これに制限されない。また、第2のラッパー1252の厚さは70μm~80μmの範囲内に含まれてもよい。また、第2のラッパー1252の坪量は20g/m~25g/mの範囲内に含まれてもよい。
【0104】
例えば、第2のラッパー1252はアルミニウム成分を含むことができる。例えば、第2のラッパー1252は、一般的なフィルタ巻紙にアルミニウムホイルなどの金属ホイルが結合されたものであってもよい。また、第2のラッパー1252は滅菌紙(MFW)で作製されてもよい。
【0105】
一実施例において、第3のラッパー1253の多孔度は35000CUであってもよいが、これに制限されない。また、第3のラッパー1253の厚さは70μm~80μmの範囲内に含まれてもよい。また、第3のラッパー1253の坪量は20g/m~25g/mの範囲内に含まれてもよい。
【0106】
一実施例において、第4のラッパー1254はPLA合紙で作製されてもよい。ここで、PLA合紙とは、紙層、PLA層及び紙層を含む3重の紙を意味する。例えば、第4のラッパー1254の厚さは100μm~120μmの範囲内に含まれてもよい。また、第4のラッパー1254の坪量は80g/m~100g/mの範囲内に含まれてもよい。
【0107】
一実施例において、第5のラッパー1255は滅菌紙(MFW)で作製されてもよい。例えば、第5のラッパー1255の坪量は57g/m~63g/mの範囲内に含まれてもよい。また、第5のラッパー1255の厚さは64μm~70μmの範囲内に含まれてもよい。
【0108】
図1図5を参照すると、一実施例に係るエアロゾル発生システム1において、制御部112は、ヒーター114がエアロゾル発生物品12を加熱する温度を制御することができる。例えば、制御部112は、ヒーター114が媒質セグメント122を加熱する温度を調節することができる。
【0109】
一実施例において、制御部112は、非加熱モード及び低温加熱モードの間でヒーター114を制御することができる。非加熱モードでは、ヒーター114がエアロゾル発生物品12を加熱しなくてもよく、このとき媒質セグメント122は加熱されなくてもよい。低温加熱モードではヒーター114がエアロゾル発生物品12を0度以上150度以下に低温加熱することができる。ここで、媒質セグメント122は、0度以上150度以下に低温加熱されることができる。
【0110】
一実施例において、エアロゾル発生物品12が非加熱モード及び低温加熱モードの間で転換されることによって、喫味強度が調節されることができる。非加熱モードでは、媒質セグメント122で移行するフリーニコチン(free-nicotine)の量が少なく、喫味強度が低いことがある。低温加熱モードでは、非加熱モードと比較して、媒質セグメント122で移行するフリーニコチン(free-nicotine)の量が多く、喫味強度が高いことがある。したがって、低温加熱モードでは媒質セグメント122のpHを高く処理しなくても十分な喫味強度を確保することができる。これにより、媒質セグメント122の高いpH処理によって発生する異臭味の発現を減少させることができる。
【0111】
上述した実施例についての説明は例示的なものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、それから様々な変形及び均等な他の実施例が可能であることを理解するであろう。したがって、発明の真の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められるべきであり、特許請求の範囲に記載された内容と同等な範囲の全ての相違点は、特許請求の範囲によって定められる保護範囲に含まれると解釈されるべきである。
【0112】
前述した任意の実施例の特徴及び様態は、明らかな技術的衝突という結果をもたらさない限り、他の任意の実施例の特徴及び様態と組み合わせることができる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
【国際調査報告】