(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】マイクロメートル及びナノメートルスケールの粒子を識別、収集、再配置、及び分析するためのシステム、デバイス、及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/00 20060101AFI20240702BHJP
B82Y 35/00 20110101ALI20240702BHJP
【FI】
G01N1/00 101B
B82Y35/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571783
(86)(22)【出願日】2023-04-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 US2023018167
(87)【国際公開番号】W WO2023200787
(87)【国際公開日】2023-10-19
(32)【優先日】2022-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523435657
【氏名又は名称】ワイオニクス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Wyonics LLC
【住所又は居所原語表記】1604 E. Grand Avenue,Laramie, Wyoming 82070 The United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ディ ボナ クリスティーン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ヒル ケイレブ エム.
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AD32
2G052AD52
2G052CA45
2G052GA32
(57)【要約】
ナノ及びマイクロメートルスケールの粒子を操作するシステム及び方法が説明される。システムは一般的に、粒子サンプルの画像を取得するための光学結像システムと、画像を分析することと、画像内の対象粒子を識別することと、粒子サンプル内の対象粒子の横方向位置を判定することをするためのプロセッサと、可動プローブ、及びプローブに至るまで真空を加えるように構成された真空ポンプを含む真空ベースのプローブシステムとを含む。プロセッサは、対象粒子の横方向位置にプローブを移動させるための命令と、対象粒子が粒子のサンプルから引き離され、可動プローブの先端に保持されるようにプローブに至るまで真空を加えるための命令とを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子操作システムであって、
粒子のサンプルの画像を取得するように構成された光学結像システムと、
前記画像を分析するように構成されたプロセッサであって、前記画像分析は、前記画像内で対象粒子を識別することと、粒子の前記サンプル内での前記対象粒子の横方向位置を判定又は記録することとを少なくとも含む、プロセッサと、
真空ベースのプローブシステムであって、
可動プローブと、
前記プローブに至るまで真空を加えるように構成された真空ポンプと
を含む、前記真空ベースのプローブシステムと
を含み、
前記プロセッサは、
前記可動プローブを前記対象粒子の前記横方向位置に移動させることと、
前記対象粒子が粒子の前記サンプルから引き離され、前記可動プローブの先端に保持されるように、前記プローブに至るまで真空を加えること
を前記真空ベースのプローブシステムに指示するように更に構成される、
粒子操作システム。
【請求項2】
前記可動プローブは、その遠位端に第1の直径を有する開口部を有する中空針を含む、請求項1に記載の粒子操作システム。
【請求項3】
前記開口部の前記第1の直径は、前記対象粒子のサイズよりも小さい、請求項2に記載の粒子操作システム。
【請求項4】
前記開口部の前記第1の直径は、約0.1~約10マイクロメートルの範囲内にある、請求項3に記載の粒子操作システム。
【請求項5】
前記真空ベースのプローブシステムは、前記可動プローブを通る空気流を監視するように構成された流量計を更に含み、
前記可動プローブは垂直に動くように構成され、
前記プロセッサは、
前記可動プローブが前記対象粒子の前記横方向位置に移動させられ、前記真空が加えられた後に、前記可動プローブを前記対象粒子に向かって垂直方向に動かすことと、
前記プローブが前記対象粒子に向かって垂直方向に移動している間、前記流量計を介して前記可動プローブを通る気流を監視することと、
前記可動プローブを通る空気流の低下が前記流量計によって測定された場合、前記可動プローブの垂直移動を止めること
を前記真空ベースのプローブシステムに指示するように更に構成される、
請求項1に記載の粒子操作システム。
【請求項6】
前記可動プローブから前記対象粒子を受け取るように構成された粒子回収トレイ
を更に含む、請求項1に記載の粒子操作システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記対象粒子がその先端に保持された前記可動プローブを、前記粒子回収トレイ上の横方向位置に移動させることと、
前記対象粒子が前記可動プローブの前記先端から前記粒子回収トレイ上に解放されるように前記真空を止めること
を前記真空ベースのプローブシステムに指示するように更に構成される、請求項6に記載の粒子操作システム。
【請求項8】
前記光学イメージングシステムは、
粒子の前記サンプルの画像を取得するように構成された光学顕微鏡と、
粒子の前記サンプルを照明するように構成された光源と、
前記画像を受信及び記録するように構成されたカメラと
を含む、請求項1に記載の粒子操作システム。
【請求項9】
前記光学結像システムは、暗視野光学顕微鏡法を実施するように構成される、請求項8に記載の粒子操作システム。
【請求項10】
前記光学結像システムは、約0.01~約1,000マイクロメートルの範囲内のサイズを有する複数の粒子を含む粒子のサンプルの高解像度画像を取得するように構成される、請求項1に記載の粒子操作システム。
【請求項11】
ナノ及びマイクロメートルスケールの粒子を操作する方法であって、
約0.01~約1,000マイクロメートルの範囲内のサイズを有する複数の粒子を含む粒子のサンプルの拡大画像を取得することと、
対象粒子を識別するために前記拡大画像を分析することと、
粒子の前記サンプル内の前記対象粒子の横方向位置を判定することと、
真空ベースのプローブを前記対象粒子の前記横方向位置に移動させることと、
前記真空ベースのプローブに至るまで真空を加え、それによって前記対象を粒子の前記サンプルから引き離し、前記プローブの先端に前記対象粒子を保持すること
を含む、方法。
【請求項12】
前記対象粒子がその先端に保持された前記真空ベースのプローブを、粒子回収トレイ上の横方向位置に移動させることと、
前記対象粒子が前記真空ベースのプローブの前記先端から前記粒子回収トレイ上に解放されるように前記真空を止めること
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記真空ベースのプローブを前記対象粒子の前記横方向位置に移動させ、前記真空ベースのプローブに至るまで真空を加えた後に、前記真空ベースのプローブを前記対象粒子に向かって垂直方向に移動させることと、
前記プローブが前記対象粒子に向かって垂直方向に移動している間に、前記真空ベースのプローブを通る空気流を監視することと、
前記空気流の低下が測定された場合、前記真空ベースのプローブの垂直移動を止めること
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
粒子の前記サンプルの前記拡大画像を取得することが、暗視野結像を使用することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の粒子が耐火性粒子である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
暗視野結像は、所定の入射角で粒子の前記サンプルに光源を向けることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記真空ベースのプローブは、その遠位端に開口部を有する中空針を含み、前記開口部は、前記対象粒子のサイズよりも小さい第1の直径を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記開口部の前記第1の直径は、約0.1~約10マイクロメートルの範囲内にある、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
粒子の前記サンプルの前記拡大画像をディスプレイ上に表示することを更に含み、
対象粒子を識別するために前記拡大画像を分析することは、前記ディスプレイ上に表示された粒子を選択するユーザ入力を受信し、それによって前記粒子を前記対象粒子として識別することを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項20】
対象粒子を識別するために前記拡大画像を分析することは、前記拡大画像を分析し、前記対象粒子を識別するためにマシンビジョンアルゴリズムを使用することを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2022年4月12日に出願された“SYSTEMS, DEVICES AND METHODS FOR IDENTIFYING, COLLECTING, RELOCATING, AND ANAYZING MICROMETER- AND NANOMETER SCALE PARTICLES”という名称の米国仮特許出願第63/330,168号の優先権の利益を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
微量分析技術が進歩し、最新技術が小型化を続けるにつれて、小さなマイクロメートル(μm)からナノメートル(nm)スケールで、より高い分解能と特定の選択性を備えた粒子操作機器のニーズが高まっている。μmサイズの粒子を空間的に分解できる機器プラットフォームに対する必要性は、核法医学及び半導体等の微量分析分野で明らかであり、これらの分野は、幾つかの相補的な分析プラットフォームを介した連続分析を可能にするために、ミクロンサイズの粒子の識別と非破壊的な再配置とを必要とする。マイクロエレクトロニクス等の高度な製造産業はまた、高度な材料を生成し、汚染物質を除去するために、μmからnmスケールの粒子操作及び分析技術の恩恵を受けるであろう。
【0003】
既存の粒子操作機器は様々な問題及び欠点を抱えている。例えば、多くの既存の粒子操作システムは解像度が低く、それ故、ナノ及びマイクロメートルスケールで粒子を正確に検出、収集、及び/又は操作することができない。既存の粒子操作システムはまた、精度及び選択性の欠如を抱え、混合サンプル内の特定の個々の粒子を配置し収集することを困難又は不可能にする。粒子の汚染及び/又は損傷は、多くの既存システムが直面するもう1つの問題である。比較的粗雑なプローブ及び/又は収集技術は、粒子表面が貫通したり欠けたりすることにしばしばつながり、収集装置に不純な材料が使用されている場合、このことはサンプルの汚染につながり得る。更に、多くの既存のシステムは、動作させるために広範な訓練及び/又は経験を必要とし、他のシステム(例えば、他の分析ツール)と互換性がなく、及び/又は法外に長いサンプル収集時間(例えば、粒子あたり数時間)を有する。
【0004】
したがって、上に説明した問題の一部又は全てを解決する、新たな改良された粒子操作システム、装置、及び方法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
この発明の概要は、以下の詳細な説明で更に説明される概念の選択を簡略化した形式で紹介するために提供される。この発明の概要及び前述の背景技術は、特許請求される主題の重要な側面又は本質的な側面を特定することを意図しない。更に、この発明の概要は、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助としての使用を意図しない。
【0006】
幾つかの実施形態では、粒子操作システムが開示及び説明される。粒子操作システムは一般的に、粒子の混合サンプルの画像を取得するように構成された光学結像システムと、画像を分析し、画像内の対象粒子を識別し、粒子の混合サンプル内の対象粒子の横方向位置を判定するように構成されたプロセッサと、真空ベースのプローブシステムとを含む。真空ベースのプローブシステムは、可動プローブと、プローブに至るまで真空を加えるように構成された真空ポンプとを含む。動作中、プロセッサは、真空ベースのプローブシステムに、可動プローブを対象粒子の横方向位置に移動させるように命令し、対象粒子が粒子の混合サンプルから引き離され、可動プローブの先端に保持されるように真空ポンプを始動し、それによってプローブに至るまで真空を加える。幾つかの実施形態では、プローブは、対象粒子を、粒子の混合サンプルから離れて分離する等、異なる位置にその後再配置し得る。幾つかの実施形態では、粒子操作システムは、ナノ及びマイクロメートルスケールの粒子での使用に適合される。
【0007】
幾つかの実施形態では、ナノ及びマイクロメートルスケールの粒子を操作する方法が開示及び説明される。方法は、一般的に、粒子の混合サンプルの拡大画像を取得するステップであって。粒子の混合サンプルは、約0.01から約1,000マイクロメートルの範囲内のサイズを有する複数の粒子を含む、取得するステップと、対象粒子を識別するために拡大画像を分析するステップと、粒子の混合サンプル内の対象粒子の横方向位置を判定するステップと、真空ベースのプローブを対象粒子の横方向位置に移動させるステップと、真空ベースのプローブに至るまで真空を加え、それによって粒子の混合サンプルから対象を引き離し、プローブの先端に対象粒子を保持する。幾つかの実施形態では、方法は、その先端に対象粒子が保持された真空ベースのプローブを粒子回収トレイ上の横方向位置に移動させるステップと、対象粒子が真空ベースのプローブの先端から解放され、粒子回収トレイ上に堆積されるように、真空を止めるステップとを更に含む。
【0008】
本明細書に説明する技術のこれらの及びその他の側面は、本明細書の詳細な説明及び図面を考慮すれば明らかになるであろう。しかしながら、特許請求される主題の範囲は、発行されるような特許請求の範囲によって決定されるでろうし、所与の主題が背景技術で指摘された何れかの又は全ての問題に対処するか、それとも発明の概要に記載された特徴又は側面を含むかによって決定されないであろうことを理解すべきである。
【0009】
好ましい実施形態を含む、開示する技術の非限定的で非網羅的な実施形態が以下の図を参照して説明され、別段の指定がない限り、様々な図を通して同様の参照番号は同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本明細書に説明する様々な実施形態に従った、粒子を識別、収集、及び再配置するための方法の図である。
【
図2】本明細書に説明する様々な実施形態に従った、粒子を識別、収集、及び再配置するためのシステムの概略図である。
【
図3】本明細書に説明する様々な実施形態に従ったプローブであって、本明細書に説明する方法及びシステムでの使用に適するプローブを形成するための方法の図である。
【
図4】本明細書に説明する様々な実施形態に従った、粒子を識別、収集、及び再配置するための方法を説明するフローチャートである。
【
図5A】本明細書に説明する様々な実施形態に従った、粒子を識別、収集、及び再配置するための方法を説明するフローチャートである。
【
図5B】本明細書に説明する様々な実施形態に従った、粒子を識別、収集、及び再配置するための方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態は、本明細書の一部を形成し、例示として特定の例示的な実施形態を示す添付の図を参照して、以下でより完全に説明される。これらの実施形態は、当業者が発明を実践できるように十分に詳細に開示されている。しかしながら、実施形態は多くの異なる形態で実装され得、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。以下の詳細な説明は、それ故、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0012】
説明する本明細書は、システムがナノ及びマイクロメートルスケールの粒子を操作できるように、粒子のサンプル内の1つ以上の粒子を高精度で識別、配置、収集、及び再配置するように構成された粒子操作システムの様々な実施形態を説明する。システムの設計は、ナノ及びマイクロメートルスケールの粒子を、粒子を損傷、破壊、及び/又は汚染することなく操作できるようにも設計される。システムは、粒子のサンプル内の1つ以上の関心の粒子を識別することと、粒子のサンプル内の1つ以上の関心の粒子の横方向位置を判定することと、プローブを関心の1つ以上の粒子サンプルの内の1つの正確な横方向位置に移動させることと、プローブに至るまで真空を加え、それによって粒子をサンプルから引き上げてプローブの先端に保持することと、その後、粒子を再配置するためにプローブを移動することとをするように構成された様々なコンポーネントを備えて設計され得る。一般的に上記の説明に従って対象粒子を識別及び操作するための関連する方法の様々な実施形態も本明細書に説明する。本明細書で使用するとき、用語、粒子は、個々の粒子、又は2つ以上の粒子のクラスタの一部である粒子を意味し得る。したがって、本明細書に説明する粒子操作システム及び方法は、粒子サンプル内の単一粒子又は粒子サンプル内の粒子クラスタを識別、配置、収集、及び再配置するために使用できる。
【0013】
図1を参照すると、本明細書に説明する様々な実施形態に従った粒子を操作する一般的な方法100に対する説明が提供されている。方法は一般的にステップ110~140を含み、ステップ110は粒子の混合サンプルを提供することを含み、ステップ120は粒子の混合サンプルの画像を取得することを含み、ステップ130は、例えば、粒子の混合サンプル内の1つ以上の粒子の正確な位置を識別するために画像を分析することを含み、ステップ140は、(粒子のクラスタの一部であり得る)粒子の混合サンプルから対象粒子を収集し、任意選択で、対象粒子を再配置することを含む。
【0014】
ステップ110において、粒子の混合サンプル111が提供される。本明細書で使用するとき、句“粒子の混合サンプル”は、サンプルに含まれる粒子が全て同一である必要はないことを伝えることを意図している。例えば、粒子の混合サンプルは、異なるサイズ、形状、及び/又は材料の種類の粒子を含み得る。しかしながら、本明細書に説明するシステム及び方法は、粒子が比較的均一な形状及びサイズ、同じ材料の種類等を有する等、複数の基準において類似又は同一であるサンプルにも使用できることを理解すべきである。粒子の混合サンプルはまた、単一の粒子を含む任意の数の粒子を含み得る。幾つかの実施形態では、粒子の混合サンプル111に含まれる粒子の内の少なくとも幾つかは、0.01~1,000マイクロメートルの範囲内のサイズを有する。粒子の混合サンプルはまた、この範囲外のサイズを有する粒子も含み得るが、こうした粒子は一般的に対象粒子ではないであろう。0.01~1,000マイクロメートルの範囲内のサイズを有するとみなされる粒子は、記載されたサイズ範囲内の単一の寸法のみを示す必要がある。そのサイズを判定するために使用される粒子の寸法は、任意の寸法(例えば、長さ、幅、厚さ、直径等)を含み得る。混合サンプル又は粒子は、分離された粒子、粒子のクラスタ、又はそれらの組み合わせも含み得る。
【0015】
ステップ110において提供される粒子のサンプルは、粒子の乾いたサンプルであり得、又は液体に完全に又は部分的に浸漬された粒子を含み得る。乾いたサンプルは一般的に、基板上に配置された1つ以上の粒子を含み、粒子が部分的又は完全に浸されないように、基板上に全く(又は有意な量の)液体を含まない。湿ったサンプルは、液体で完全に覆われ、その中に粒子が部分的又は完全に浸漬されている基板、又は基板表面に多量の液体が配置されているが基板を完全には覆わず、1つ以上の粒子が部分的又は完全に浸漬されている基板を含み得る。湿ったサンプルは、それ故、基板表面上に幾らかの乾いた領域を含み得、その上に乾いた粒子が存在し得る。
【0016】
図1に示すように、粒子の混合サンプル111は、様々な位置に配置された複数の粒子111aを含む。
図1は、全て球形であるが様々なサイズを有する粒子111aを示すが、サンプル111は、より均一なサイズを有する及び/又は異なる形状を有する複数の粒子を含み得ることを理解すべきである。
図1に示す粒子は全て、同じ材料の種類であってもよく、又は異なる材料から作られてもよい。
【0017】
ステップ120において、光学顕微鏡の使用を通じる等して、粒子のサンプル111の画像121が取得される。幾つかの実施形態では、粒子111のサンプルの画像121を取得する場合に暗視野結像が使用されてもよいが、粒子サンプル111中の粒子111aの殆ど又は全ての位置を示す画像が提供される限り、その他の撮像技術を使用できることを理解すべきである。幾つかの実施形態では、画像は粒子111aのサイズ及び形状をも示し得る。
【0018】
ステップ130において、分析された画像131を提供するために、画像121に対して画像分析が実行される。1つ以上の選択された識別基準を満たす、1つ以上の粒子を画像121内で識別可能である画像分析技術である限り、任意の適切な画像分析技術を使用できる。
図1に示すように、分析された画像131は、実施される画像分析が、これらの粒子が選択された識別基準を満たすと判定することに基づいて、対象粒子として識別された様々な粒子131aを含む。画像分析ステップ130の一部として、粒子131aの各々の正確な横方向位置が判定及び/又は記録される。本明細書で使用するとき、用語“横方向”は、実質的に水平面内を意味し、水平面内のx方向及びy方向の両方を含む。
【0019】
ステップ140において、プローブ141が対象粒子131a上に正確に位置決めされるように、真空プローブ141は、対象粒子131aの横方向位置に移動させられる。真空プローブ141及び対象粒子131aは同じ横方向位置(すなわち、x及びy位置)内に配置されるが、真空プローブ141の先端と対象粒子131aの上部との間には、z方向の分離距離が存在し得る。z方向のこの分離距離は、プローブ141に至るまで真空を加えることにより、対象粒子131aが粒子サンプル111から引き上げられるように、比較的小さくてもよい。真空プローブ141はまた、プローブ141の先端と対象粒子131aとの間の分離距離を調整するためにz方向に移動可能であってもよい。プローブ141が、一旦、対象粒子131aと同じ横方向位置に移動させられると(及び任意選択で、プローブ141の先端と粒子131aの上部との間の分離距離を調整するためにz方向に移動させられると)、対象粒子131aがサンプル111から引き上げられ、プローブ141の先端に保持されるように、プローブ141に至るまで真空がその後加えられる。
【0020】
このようにして粒子131aがプローブ141に一旦固定されると、プローブ141は、対象粒子131aを再配置するために移動させられ得る。幾つかの実施形態では、プローブ141は、サンプル111とは別個の粒子回収トレイ142に移動する。回収トレイ142上の横方向位置(すなわち、x座標及びy座標)が選択され得、プローブ141が新たな横方向位置に一旦移動させられると、粒子131aは、プローブ141を通る真空の流れを止めることよる等してプローブ141から解放され、したがって、回収トレイ142上の正確な位置への粒子131aの堆積をもたらす。幾つかの実施形態では、プローブ141は、粒子131aが解放される場合に開放され得る通気孔を含み得る。プローブ141の通気孔を開放することは、真空をオフにする必要なく、真空によって加えられる吸引力をなくす。プローブの先端から粒子を解放するその他の方法も使用でき、以下でより詳細に論じる。以前に論じ、以下でより詳細に説明するように、粒子に向かう、又は粒子から離れるプローブ141の垂直方向(すなわち、z方向)の移動も、方法の様々な部分に組み込むことができる。
【0021】
代替の実施形態では、粒子131aが固定されたプローブ141は、捕捉後実質的に静止したままであり、捕捉された粒子131aが回収トレイ142上に堆積され得るように、回収トレイ142はプローブ141の下で移動させられる。こうした実施形態では、サンプル111は所定の位置に留まり、回収トレイ142はサンプル111の上方であるがプローブ141の下の位置に移動させられ得、又はサンプル111は横方向に移動させられ得、回収トレイ142は、サンプル111の横方向の移動によって空いたスペースに横方向に移動させられ得る。何れの場合でも、回収トレイ142の横方向の移動は、捕捉された粒子131aが堆積させられる回収トレイ142上の正確な位置がプローブ141の下に配置されるように、回収トレイ142がプローブ141の下に位置決められるように、非常に正確である。
【0022】
対象粒子131aを回収トレイ142上に堆積させる方法は、対象粒子131aの位置/配向がサンプル111上のその位置から実質的に変化しないようなものであってもよい。例えば、対象粒子131aが、三角形の角が南、北西、北東を向いている略三角形の形状を有する場合、粒子131aはこの位置でプローブ141によって捕らわれ、これとほぼ同じ向きに堆積させられる。他の実施形態では、粒子の向きは、本明細書に説明する回収及び再配置システム及び方法の一部として変更できる。一例では、プローブ141は、粒子の向きを360度調整できるように、その長手軸の周りを回転可能であってもよい。
【0023】
上述のように、対象粒子の位置を正確に判定する能力、プローブを正確な位置に移動させる能力、及び収集された対象粒子を回収トレイ上の正確な位置に移動させる能力は、大幅に改善された非常に望ましいマイクロ及びナノメートルスケールの粒子操作システムを提供する。幾つかの実施形態では、プローブ、サンプルトレイ、及び/又は回収トレイの移動の精度は、プローブ、サンプルトレイ、及び/又は回収トレイを移動させるために使用されるシステムの種類によって補助される。例えば、ステッピングモータ又は圧電システムの選択は、システムの様々なコンポーネントを移動させ得る精度に影響を与え得る。
【0024】
収集された粒子を例えば粒子回収トレイ上に配置できる空間精度により、本明細書に説明するシステム及び方法を様々な目的に使用することが可能になる。幾つかの実施形態では、粒子が回収トレイ上に一旦正確に配置されると、各個々の粒子の追加の分析が実行され得る。システム及び方法はまた、再配置された粒子の正確なパターンの創出を可能にし、このことは、例えば、ナノファブリケーションにおいて有用であり得る。
【0025】
図1の上記の論考は、本明細書に開示する粒子操作のためのシステム及び方法の一般的な説明及び紹介を提供する。システム及び方法の両方に関する更なる詳細を以下に提供する。
【0026】
ここで
図2を参照すると、
図1で説明した方法の様々な実施形態を実行するように構成されたシステム200が示されている。システム200は一般的に、光学結像システム210(光学顕微鏡211、光源212、及びカメラ213を含む)と、プローブ220(プローブ移動システム221を含む)と、真空システム230(真空ポンプ231、バルブ232、及び任意選択で流量計233を含む)と、プロセッサ240と、サンプル移動システム250(その上に粒子サンプル251が配置され得る)とを含む。
【0027】
光学結像システム210を参照すると、光学結像システム210は一般的に、少なくとも光学顕微鏡211、光源212、及びカメラ213を含む。幾つかの実施形態では、
図2に一般的に示すように、光学顕微鏡211の長手軸は、粒子のサンプルが配置されるプレート又はトレイに対して実質的に垂直に向けられているが、他の実施形態では、光学顕微鏡211の長手軸は、プレート又はトレイに対して0~90度の間の角度で配置され得る。光学顕微鏡211とカメラ213は、顕微鏡211によって取得された画像がカメラ213によって記録できるように通信可能に結合される。任意の適切な種類の顕微鏡211を使用できるが、幾つかの実施形態では、顕微鏡211は特に、ナノ及びマイクロメートルスケールの粒子の高解像度画像を取得するように構成された顕微鏡である。ある特定の実施形態では、光学顕微鏡は、中程度の開口数、長い作動距離(約1cm)の対物レンズを含む。適切な長い作動の対物レンズを使用することにより、サンプル251の照明とサンプル251の表面へのプローブ220の導入の両方に十分なスペースが提供される。光源212は、広帯域光源等の、サンプル251を照明することが可能な任意の適切な光源であり得る。幾つかの実施形態では、光源212は、高い入射角でサンプル251に光を向けることが可能である。光源212はまた、色消しレンズを含み得る。
【0028】
幾つかの実施形態では、光学結像システム210は、暗視野光学顕微鏡法(暗視野結像又は暗視野照明とも称される)用に構成される。暗視野光学顕微鏡は、耐火性材料を含む粒子の結像によく適している。一般的に言えば、高い入射角を有する光源212は、耐火性材料上に光を照射し、耐火性材料に光の一部を屈折させる。光学顕微鏡211は、粒子を結像する手段としてこの屈折光をその後捕捉する。光学結像システム210は暗視野光学顕微鏡用に構成され得るが、光学結像システム210によって実行される具体的な種類の光学結像は限定されない。光学結像システム210によって実施され得るその他の光学結像方法は、明視野、位相コントラスト、蛍光、及びラマンを含むが、これらに限定されない。使用する光学結像方法に応じて、粒子は耐火性又は非耐火性であり得る。1つの非限定的な例では、サンプルが非耐火性粒子を含む場合、明視野光学結像を使用できる。
【0029】
光学結像システム210によって取得され、カメラ213によって記録された混合粒子サンプル251の画像がプロセッサ240に送信され得、プロセッサ240によって処理及び分析され得るように、光学結像システム210は、プロセッサ240に通信可能に結合される。特に、プロセッサ240は、光学画像を受信し、対象粒子を識別するために(自動的又はユーザ入力の何れかにより)光学画像を分析し、対象粒子の正確な横方向位置(すなわち、x及びy座標)を判定及び/又は記録するようにプログラムされる。この情報は、以下でより詳細に論じるように対象粒子を収集するために、プローブ220及びプローブ移動システム221と組み合わせてその後使用され得る。プロセッサ240は、CPU等のコンピューティングデバイス(
図2には図示せず)の一部であってもよく、コンピューティングデバイスは、例えばディスプレイ、サーバ、並びに/又はソフトウェア及びコンピュータの命令を格納するためのハードウェアメモリを更に含み得、又はこれらと通信可能及び/又は動作可能に接続され得る。プロセッサ240は、例えば、マイクロプロセッサであってもよい。プロセッサ240は、本明細書に開示する方法の何れかに従って情報を処理し、コマンド/信号を送信するアプリケーションを含む、メモリ内のデータ及びアプリケーションを格納し得、呼び出し得る。プロセッサ240はまた、(i)オブジェクト、アプリケーション、データ等をインターフェース/ディスプレイ上に表示する、及び/又は(ii)インターフェース/ディスプレイを通じて入力を受信するように構成されてもよい。プロセッサ240はまた、トランシーバに接続され得る。
【0030】
システム200は、プローブ220(及びプローブ移動システム221)と、真空ポンプシステム230(真空ポンプ231、バルブ232、及び任意選択で流量計233を含む)とを含む。幾つかの実施形態では、プローブ220の長手軸は、粒子のサンプルが配置されるプレート又はトレイに対して実質的に垂直に配向されるが、他の実施形態では(及び
図2に一般的に示されるように)、プローブ220の長手軸は、プレート又はトレイに対して0~90度の間の角度で配置され得る。真空ポンプシステム230は、真空ポンプ231が始動され、バルブ232が開放された場合に、空気がプローブ220の先端に引き込まれ、プローブ220の本体を通って上向きに引き込まれるようにプローブ220と流体連通し、対象粒子を引き上げてサンプル251から遠ざけ、吸引力が維持される限りプローブ220の先端に粒子を保持することが可能な吸引力をプローブ220の先端に提供する。真空ポンプ231、バルブ232、又はそれらの両方は、プロセッサが真空ポンプの動作(すなわち、真空ポンプをオン又はオフにする)及び/又はバルブの動作(すなわち、バルブを開放又は閉鎖する)を制御し得るように、プロセッサ240に通信可能に結合される。
【0031】
任意選択の流量計233は、一般的に、粒子がプローブ220の先端に対していつ引き上げられたかを判定するのを支援するために、流量計233を通る空気流を監視する。例えば、流量計233が空気流の大幅な低下を検出した場合、このことは一般的に、粒子がプローブ220の先端を塞ぎ、それ故、プローブ220がサンプル251から粒子を成功裏に収集されていることを指し示す。流量計233をプロセッサ240に通信可能に結合することによって、プロセッサ240には、それによって、対象粒子がプローブ220によって収集されていることを指し示す情報が提供される。これは、次いで、プローブ220に、より具体的には、プローブ220を移動させるように構成されたプローブ移動システム221に更なる命令を送信するためにその後使用され得る。例えば、粒子がプローブ220の先端で収集されていることを指し示す流量計233からの情報をプロセッサ240が受信した場合、プロセッサ240は、プローブ220を対象粒子回収トレイ260上の位置に移動させるようにプローブ移動システム221に指示する命令をプローブ移動システム221に送信し得る。プロセッサ240は、粒子が対象粒子回収トレイ260上に正確に配置されるように、プローブ移動システム221に対象粒子回収トレイ260上の正確な横方向位置を提供し得る。
【0032】
流量計233は、粒子がプローブによっていつ捕捉されたかを判定するために使用されるものとして上で説明されているが、対象粒子の捕捉を判定するその他の手段も使用できることを理解すべきである。例えば、光学センサは、単独で、又は上で論じた流量計と組み合わせて、対象粒子がプローブの先端にいつ保持されたかを判定するために使用され得る。同様に、圧力センサは、対象粒子がプローブの先端にいつ固定されたかを判定する一環として使用され得る。
【0033】
システム200は、粒子のサンプル251が配置されるサンプル移動システム250を更に含む。サンプル移動システム250は、サンプル251の光学画像を取得できるように、顕微鏡211の下にサンプル251を位置決め可能である。サンプル移動システム250及びプローブ移動システム221の両方に使用される移動システムの具体的な種類は限定されない。
図2に示すように、サンプル移動システム250及びプローブ移動システム221の両方に3軸圧電システムが提供される。両方の移動システム221、250は、プロセッサが、サンプル251及び/又はプローブ220を移動させるための命令をシステム221、250に送信できるように、プロセッサ240に通信可能に結合される。
【0034】
システム200は、プローブ220を、静止サンプル251上に配置された対象粒子上の横方向位置に移動させるためにプローブ移動システム221を使用するものとして上に論じたが、システムがサンプル移動システム250を含む場合、システム200及び本明細書に説明する関連する方法はまた、プローブ220を静止状態に保ち、サンプル移動システム250を介してサンプル251を移動させ、それによって静止プローブ220の下で対象粒子を位置合わせすることによって使用できることを理解すべきである。言い換えれば、サンプル251は、対象粒子を静止プローブ220の下に位置決めするために、x及びy方向に移動させられ得、この時点で、プローブ220は、プローブ220の下に移動させられた対象粒子をサンプル251から引き上げるように、作動させられ(例えば、真空を開始し)得る。
【0035】
システム200の様々な構成要素が通信可能に結合されるプロセッサ240は、一般的に、情報及び/又はデータを受信し、情報/データを処理し、システム200の構成要素に命令(おそらくその中で処理された情報/データに基づく命令)を提供することが可能な任意の種類のプロセッサである。幾つかの実施形態では、プロセッサ240は中央処理装置(CPU)であり、又はそれを含む。幾つかの実施形態では、プロセッサ240は、パーソナルコンピュータ(PC)又は以前に説明したプロセッサ機能を実行可能なその他の類似のデバイスを含み、又はその一部であり得る。プロセッサ240は、以前に説明した機能、及び本明細書で特に説明していないその他の機能がプロセッサ240によって実行され得るようにプログラム可能である。このことは、プロセッサ240にロードされる(例えば、ソフトウェアを介した)様々な命令に基づいてシステム200全体を高くカスタマイズすることを助ける。
【0036】
図2には示されていないが、システム200の一部又は全ては、繊細なマイクロ又はナノスケールのマニピュレータに対する振動の影響を最小限に抑えるために、防振テーブル又はパッド上に構築され得る。
【0037】
ここで
図3を参照すると、プローブ220に対する更なる詳細が提供される。プローブ220は、一般的に、プローブ220を通って延在し、開口部223を有する遠位先端222で終端する中空通路221を有する針状の構成を有し得る。開口部223は、プローブ220の遠位端の先端222に向かってプローブ220が全体的に先細になるように、プローブ220の主部の直径d2よりも一般的に小さい直径d1を有する。
図3には図示していないが、プローブ220の先端は、代替的に面取りされてもよい。
【0038】
図2に関してより詳細に論じたように、真空ポンプシステム230は、空気が先端222の開口部223を介してプローブ中に引き込まれ、プローブ220の本体部分に至るまで引き込まれ、それによって先端222に吸引力を創出するように、プローブ220と流体連通する。プローブ220の先端222が対象粒子に十分近くに位置決めされた場合、真空ポンプシステム230がプローブ220上に、その中に、及びそれを通して空気を吸引し続ける限り、対象粒子はプローブ220の先端222まで引き込まれるであろうし、先端222に保持されるであろう。一般的に言えば、粒子が開口部223を通ってプローブ220中に入ることを確実にするために、開口部223の直径d1は、プローブによって収集される最小の粒子のサイズ以下であるべきである。幾つかの実施形態では、d1は0.01~1000マイクロメートルの範囲にあり、例えば0.1から10μmである。幾つかの実施形態では、d1は1μmを超えない。
【0039】
プローブ220の材料は、選択された材料から所望の寸法を有する針状プローブが作製できる限り、一般的に限定されない。そうは言っても、粒子の汚染が避けられる幾つかの実施形態では、プローブの材料は、接触時に粒子を汚染しないであろう材料から選択され得る。幾つかの実施形態では、これには一般的に金属を含まない材料が必要である。幾つかの実施形態では、非汚染用途にはガラスタイプの材料が好ましい。幾つかの実施形態では、石英は、その非汚染性の特性に起因して、プローブに好ましい材料である。プローブに使用され得るその他の材料は、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、又はプラスチックを含むが、これらに限定されない。
【0040】
図3はまた、プローブ220を形成する方法の説明を提供する。幾つかの実施形態では、プローブ220は、レーザ支援ピペット引っ張りを使用して形成される。
図3の矢印で示すように、これは一般的に、チューブの中間部分を加熱した後及び/又は加熱しながら、プローブ材料のチューブを反対方向に引っ張ることを含む。反対の引っ張り力は、最終的にはプローブ材料の部分の分離をもたらし、分離点の各部分にテーパ状の先端を形成するであろう。この方法で形成されたプローブは、形成されるプローブの最終的な寸法(先端開口部の直径等)を判定するために、当該プローブの予想サイズに応じて、光学顕微鏡、透過型電子顕微鏡(TEM)、及び/又は電気化学を介して特性把握され得る。製造プロセスで用いられるパラメータ(例えば、初期キャピラリ寸法、レーザ出力、照射パターン、加熱時間、引っ張り強度、時間遅延等)は、(例えば、100nm~10μmの間の)所望の先端開口部寸法及び/又はプローブ形状を有するプローブを製造するための適切な条件を発現するように体系的に変更され得る。
【0041】
前述したように、一般的な設計要件は、プローブの先端開口部の直径が対象粒子よりも小さいことである。幾つかの実施形態では、先端開口部のサイズと、特定の先端開口部のサイズを使用して収集できる対象粒子との間の相関関係を考慮しなければならない。例えば、比較的小さいサイズ(例えば、100nm)の先端開口部は、小さい寸法の先端を通る吸引力が不十分であることに起因して、一部のより大きな粒子(例えば、100μm)を収集できないことがある。幾つかの実施形態では、先端開口部のサイズは、収集される粒子のサイズの10分の1未満であってはならない。
【0042】
比較的小さな先端開口部を有するプローブを用いて特定のサイズの粒子を収集することに関して存在し得る制限を考慮して、
図2に示すシステム200の代替の実施形態は、複数のプローブ220を含み得、複数のプローブは異なる先端開口部直径を含む。こうした構成により、システムがサンプルからより広範囲の粒子を収集することを可能にする。システム200は、(例えば、画像分析中に判定され得る)収集される粒子のサイズを自動的に考慮し、収集に適切なプローブを使用するように構成され得る。例えば、システムは、0.01μmの先端開口部直径を有する第1のプローブと、1μmの先端開口部直径を有する第2のプローブとを含み得る。収集される粒子のサイズが5μmである場合、(プロセッサ240を介した)システム200は、第1のプローブがこのサイズの粒子を収集するのに十分な吸引力を創出できる可能性が低いので、第2のプローブに対象粒子を収集するように指示することを認識する。同様に、収集される粒子のサイズが0.1μmである場合、(プロセッサ240を介した)システム200は、第2のプローブが1μmの先端開口部を通して第2のプローブの本体中に引き込むことを避けるために、このサイズの粒子を収集するために第1のプローブを送ることを認識する。より大きな直径の開口部を有する第2のプローブはまた、収集の目的で第2のプローブによってクラスタに加えられる吸引力が、対象のクラスタから1つ以上の粒子が分離されることをもたらさないように、粒子のクラスタが互いに十分に接着しているシナリオでは、粒子のクラスタを収集する使用にも適し得る。
【0043】
図3には示していないが、プローブ220の代替の実施形態は、プローブ先端と対象粒子との間により良好な接触を創出するために、プローブ先端に追加の構造体及び/又は材料を含み得る。こうした添加物は、不規則な形状を有する対象粒子に特に有用であり得る。幾つかの実施形態では、プローブの先端は、先端と粒子との間により良好な吸引シールを創出するように粒子の形状に適合可能な可撓性マスク又は膜を含み得る。こうした先端の添加物が使用された場合、添加物が対象粒子と接触するようになった場合に粒子を損傷しないように、先端の追加物の材料が十分に柔軟であることを確保するように注意を払う必要がある。添加物の材料が汚染されていないことを確保するようにも注意を払う必要がある。
【0044】
プローブ220の先端に粒子が“付着”するという問題も発生し得る。こうした実例では、真空吸引を止めても粒子がプローブ200から解放されないことがある。粒子の“付着”は、例えば、静電効果から発生することがある。したがって、幾つかの実施形態では、プローブ220は、粒子の“付着”を防ぐために更に修正又は処置される。幾つかの実施形態では、プローブ220の表面の疎水性及び/又は極性を変えるための、異なる官能基を有するアルコキシシランでの処置を通じたプローブ220の化学修飾等、プローブ220の化学修飾が実行される。他の実施形態では、粒子の“付着”を防ぐためのプローブの修正は、プローブの表面を金属でコーティングし、それによって何れの静電気の消散も可能にするためにすることを含む。幾つかの実施形態では、トーレンス法によって製造された銀フィルムが用いられ得る。
【0045】
以前に説明した実施形態は一般的に、プローブから粒子を解放するために、プローブに至るまで真空を加えることから生成される吸引力を止めることに依存しているが、吸引力を止めることと併用して、又は吸引力を止めることの代わりに、粒子を解放するその他の方法ができることを理解すべきである。例えば、粒子を解放するために、プローブの物理的な移動(例えば、比較的素早く連続して上下にZ位置を変化させること)を使用できる。また、接着性/誘引性基板を使用でき、粒子と接着性/誘引性基板との間の接着引力の力は、粒子とプローブの先端との間の吸引力及び/又は接着/引力に打ち勝つことができる。更に別の例では、粒子をプローブの先端から分離するために静力を使用できる。また、更に別の例では、プローブに至る真空を止め、その後、粒子をプローブの先端から押し出すために、プローブを通って(すなわち、プローブの先端に向かって)空気を吹き下ろすことができる。
【0046】
前述したように、本明細書に説明するシステム及び方法によって識別、収集、及び再配置され得る粒子は、粒子が結像され得、使用される具体的なシステム及び方法にとって適切なサイズである限り、一般的に限定されない。幾つかの実施形態では、本明細書に説明するシステム及び方法は、0.01~1,000マイクロメートルの範囲内の粒径を有する粒子を操作する(例えば、収集及び再配置する)のに特によく適している。粒子の材料も一般的に限定されないが、幾つかの実施形態では、本明細書に説明するシステム及び方法は、耐火性材料から作られた粒子を操作するのに特によく適している。非限定的な材料は、SiO2、Al2O3、及びSiCを含む。本明細書に説明するシステム及び方法は、金属酸化物、金属、又はマイクロプラスチック等のその他の材料にも適用できる。粒子の一般的な形状も限定されない。粒子は、球又は立方体等の規則的な形状を有し得、又は不規則な形状を有し得る。粒子の形状は、対象粒子を収集するためのプローブの能力にある程度の影響を与え得るが、本明細書に説明するシステム及び方法は、適切にサイズ化された先端開口部直径及び/又は先端付属物を備えたプローブを通じて、適切な量の吸引力の使用を介して任意の形状の粒子を収集可能であることが想定される。
【0047】
以前に論じたように、本明細書に説明するシステム及び方法によって操作される粒子は、一般的に基板上に配置され、それによって粒子の混合サンプルを形成する。粒子を担持するために使用される基板の材料は、一般的に限定されない。同様に、粒子の混合サンプルから識別され除去された後に粒子が配置されるトレイ又は基板の材質も限定されない。
【0048】
球形及び立方体形状を有する粒子を収集するために必要なプローブを通過する流量を推定するために、有限要素シミュレーションが実行されている。これらのプローブを通過する流量は10~100μL/分程度であると推定され、気流監視(本明細書でより詳細に論じる)を介して接触検出を実現可能な戦略にする。また、球形及び立方体の粒子の収集に成功したと判定された流量の類似性に基づいて、粒子の幾何学的形状は、様々な形状の粒子を成功裏に収集するための本明細書に説明する方法及びシステムの能力に重大な影響を与えないことが予測される。
【0049】
図4を参照すると、対象粒子が識別、配置、収集、再配置されるように
図2に説明したシステムを動作させる方法400を示すフローチャートが提供される。
図4に示す方法400は、一般的に、粒子のサンプルの拡大画像を取得するステップ410と、対象粒子を識別するために拡大画像を分析するステップ420と、粒子のサンプル内の対象粒子の横方向位置を判定するステップ430と、真空ベースのプローブを対象粒子の横方向位置に移動させるステップ440と、真空ベースのプローブに至るまで真空を加え、それによって対象を粒子サンプルから引き離し、対象粒子をプローブの先端に保持するステップ450とを含む。
図4には示していないが、方法400は、対象粒子がサンプルから引き上げられ、プローブの先端に保持された後、真空ベースのプローブを新たな位置に移動させるステップと、真空を停止し、それにより対象粒子をプローブの先端から落下させることによって対象粒子を新たな位置に堆積させるステップとを更に含み得る。
【0050】
ステップ410に関して、粒子のサンプルの拡大画像が取得される。上でより詳細に論じたように、拡大画像は、例えば、光学顕微鏡によって、及び暗視野結像を使用して取得され得る。画像が一旦取得されると、画像は、ステップ420の画像分析のためにプロセッサへ送信され得る。幾つかの実施形態では、拡大画像が取得される粒子のサンプルは、様々なサイズ、形状、及び/又は材料の種類を有し得る複数の粒子を含み得る。幾つかの実施形態では、サンプル内の粒子のサイズは、0.01~1,000マイクロメートルの範囲にある。
【0051】
ステップ420に関して、画像内の1つ以上の対象粒子を識別するために、拡大画像の分析が実行される。こうした分析は、通常、ステップ410で取得された画像を受信するように構成されたプロセッサによって実行される。プロセッサは、実施される分析がサンプル内の粒子の1つ以上の基準を測定可能であり、対象粒子を識別するために測定された基準を使用可能である限り、任意の適切なソフトウェアプラットフォームを使用して任意の適切な種類の分析を実行するように装備され得る。対象粒子を識別することは、一般的に、1つ以上の選択基準を満たすそれらの粒子を識別することを含み得る。任意の選択基準又は選択基準の組み合わせが使用され得、システム全体を様々な種類のサンプルに、より適応可能にさせるように、プロセッサは、様々な種類の選択基準を使用するようにプログラムされ得る。1つの基本的な例では、選択基準は粒子サイズである。この例では、粒子のサンプル内の全ての粒子のサイズを判定するために、ステップ420で画像が分析される。プロセッサは、サイズ選択基準(例えば、対象粒子が100~500マイクロメートルの範囲内のサイズを有する粒子のみである)をその後適用し、この選択基準を満たす粒子は対象粒子とみなされる。
【0052】
ステップ430において、プロセッサは、各対象粒子が配置されたサンプル内の正確な位置を判定又は記録する。一般的に言えば、各粒子の横方向位置(すなわち、サンプル内のx及びy座標)が判定され、記録される。ナノ及びマイクロメートルのスケールが含まれることに起因して、プローブが当該特定の対象粒子を収集できることを確保するために、横方向の座標が非常に正確に判定される。x及びy座標が十分に正確に判定されなかった場合、このことは、プローブが対象粒子を収集できない(対象粒子近くの空きスペース上にプローブが配置されている場合等)、又はプローブが誤った粒子を収集する(プローブが対象粒子に隣接する粒子上に配置されている場合等)危険がある。
【0053】
ステップ440において、真空ベースのプローブは、分析ステップ420中に識別された第1の対象粒子の横方向位置に移動させられる。プローブは、ステップ430で判定された第1の対象粒子の正確な位置と一致するように正確に移動させられ得る。プローブを移動させる任意の適切な手段を使用できるが、幾つかの実施形態では、3軸圧電システムが使用される。3軸圧電システムは、プローブをx及びy方向の正確な位置に移動させることが可能であり、本明細書により詳細に論じるように、プローブをz方向に移動させることも可能である。
【0054】
ステップ450において、真空ベースのプローブに至るまで真空が加えられ、それによって対象粒子を粒子のサンプルから引き離し、プローブの先端に対象粒子を保持する。以前に論じたように、真空ポンプを起動し、ソレノイドバルブを開放することによって、プローブに至るまで真空を加えることができ、ソレノイドバルブを開放することは、真空ポンプがプローブの先端の外側から空気をプローブ中に引き込み、プローブを通ってポンプに戻すことを可能にする。真空ポンプは、この方向の空気の流れを可能にするために、プローブを通って延在する中空管と流体連通する。加えられる真空は、真空ポンプを止めること、並びに/又はソレノイドバルブを閉鎖及び開放することによって開始及び停止され得る。以前に論じたように、プローブの先端に吸引力を提供するために十分な空気流がプローブ内に引き上げられ、吸引力は、対象粒子をサンプルから引き離し、プローブの先端にサンプルを保持するのに十分である。幾つかの実施形態では、使用される吸引力は、重力と、対象粒子とサンプルの表面との間の任意の引力との両方に打ち勝つのに十分なものでなければならない。
【0055】
幾つかの実施形態では、ステップ450は、対象粒子を収集することの一部として、対象粒子に向かって下方へのプローブの垂直移動(すなわち、z方向)を更に含む。先端が対象粒子から離れている垂直距離は、吸引力だけでは対象粒子をサンプルから引き離し、プローブの先端まで引き上げることができないような距離であり得る。したがって、十分な吸引力を提供するために、プローブの先端に加えられる吸引力が対象粒子をサンプルからプローブの先端まで引き上げることが可能な点まで距離が縮まるまで、プローブは対象粒子に向かって垂直に下方向に移動させられる。プローブが粒子に向かって垂直に接近している間、プローブを通る空気流は、以前に論じ
図2に示した流量計を介する等して連続的に監視され得る。粒子がプローブの先端まで引き上げられたことの検出は、粒子がプローブの先端開口部を塞いでいることを指し示す、流量の急激な低下が流量計により検出された場合に判定される。プロセッサは、この流量の低下を監視及び検出するように構成され、この時点でプロセッサは粒子に向かう垂直運動を停止するようにプローブに指示する。このことは、プローブが粒子に接触しない(損傷する可能性がない)ことを確保するのに役立つ。
【0056】
幾つかの実施形態では、プローブによって提供される真空吸引は、対象粒子を引き上げてサンプルから遠ざけるには十分ではないことがある。競合する力(例えば、重力、粒子と基板との間の引力等)が真空吸引によって供給される上向きの力よりも大きい実例では、真空吸引は十分ではないことがある。幾つかの実施形態では、対象粒子をサンプルから引き上げて遠ざけることを支援するためのステップが取られ得る。一例では、不活性液体媒体は、粒子が不活性液体媒体に少なくとも部分的に浸漬させられるように、サンプル上の粒子に提供され得る。不活性液体媒体の導入は、浮力に起因する上向きの力を導入し、浮力は、吸引力と組み合わせることで、競合する下向きの力に打ち勝つことを可能にし得る。
【0057】
別の実施形態では、基板からの粒子の解放は、粒子の下から上向きに空気を吹き付けることによって促進され得る。例えば、粒子が堆積される基板は、基板の下に位置決めされた空気供給源から空気を吹き付けることができる一連の打ち抜き穴を含み得る。幾つかの実施形態では、基板を通して空気が吹き上げられる位置は選択的であり得る。例えば、(例えば、プロセッサを介した)システムは、対象粒子の位置のみで上向きの吹き出し空気をオンにするために、対象粒子の位置に関する(及びプローブの位置決めに使用される)事前に判定された情報を使用し得る。同様に、システムは、プローブによって提供される吸引力が対象粒子を基板から引き上げて遠ざけるのに十分ではないと判定された場合にのみ、空気が基板を通して上向きに吹き付けられるように設計され得る。例えば、以前に論じたように、プローブが対象粒子に向かって垂直に移動している間、プローブを通る空気流が監視され得る。対象粒子がプローブの先端に対して引き上げられていることを指し示す、プローブを通る空気流の低下を記録することなく、プローブ先端が対象粒子の所定の距離内に移動する場合、(プロセッサを介した)システムは、対象粒子の少なくとも近傍で基板を通って吹き上がる空気を介して補助的な上向きの力を提供するために起動するように、基板の下の空気吹き付けシステムに指示する。
【0058】
一旦、粒子がプローブによって収集され、継続的な真空力によってプローブの先端に保持されると、プローブは後退し(粒子に向かって垂直方向に移動した場合)、事前に指定された回収位置まで横方向に移動させられる。対象粒子の正確な横方向位置を判定する場合と同様に、事前に指定された検索位置には、プローブが移動可能な高度に具体的な位置を割り当てることもできる。適切な位置に一旦位置決めされると、ソレノイドバルブに適切な信号を送信することによって、又は真空ポンプをオフにすることによって真空がその後止められ、プローブから事前に指定された回収位置への粒子の解放がもたらされる。
【0059】
上に説明した方法は、システムが人間の介入を最小限に抑えて、又は全く行わずに所望の粒子操作を実施するように、部分的又は完全に自動化され得る。
図5A及び
図5Bは、システムの他の構成要素に通信可能に結合されたプロセッサによって実行され得る半自動及び全自動の方法を説明する2つのフローチャートを提供する。
【0060】
まず
図5Aを参照すると、粒子操作のための半自動方法が示されている。
図5Aの方法は、以下でより詳細に説明するように、何らかの人間による入力を必要とする。この方法は、方法を実行することの一部として人間のユーザによって提供される入力に起因して、対話型であると考えられる。簡単に言うと、プロセッサによって実行されるソフトウェアは以下の手順に従う。
【0061】
1. システムと関連付けられたGUIにおいて“画像キャプチャ”ボタンが押される。その結果、暗視野散乱画像がCCDカメラによって取得され、データを16ビットアレイとして格納する。
【0062】
2. 1.で取得した画像がGUIにプロットされる。
【0063】
3. 画像内の関心の粒子は、ユーザがGUI上で画像を視覚的に検査することによって識別される。選択された関心の粒子を示すシステムへの入力が(カーソルが関心の粒子上に位置決めされた場合のマウスクリックによって、又はタッチスクリーンの使用を介する等して)入力される。この入力は粒子の位置を記録する。
【0064】
4. GUI内の“粒子取得”ボタンがその後押され、例えば、
図1及び
図4に概説される粒子操作手順が開始される。この手順の一部として、プローブは正しい横方向(x、y)位置に移動させられる、(真空ポンプとプローブとの間の通路を開放する)適切な信号をソレノイドバルブに送信することによって真空がプローブに加えられ、基板に向かうプローブの接近(z方向の移動)が開始される。プローブの接近中、プローブを通る流量が継続的に監視され、流量の大幅な変化が検出されると、流量の低下がプローブオリフィス内での粒子の捕捉を示すので、プローブのZ方向の移動が停止され、(粒子がそれに保持された)プローブは、後退させられ(基板からz方向に上向きに離して移動させられ)、プローブは、事前に指定された新たな位置に移動させられ、適切な信号をソレノイドに送信することによってプローブへの真空がその後解放され(ポンプとプローブとの間の通路を閉じ)、プローブはその初期位置に戻される。
【0065】
ここで
図5Bを参照すると、ユーザ入力を必要としない完全に自動化された方法が概説されている。
図5Bの方法は、多くの点で
図5Aに示した方法を反映している。
図5Bの方法は、主に、関心の粒子を識別するためにユーザ入力を必要とするのではなく、関心の粒子が自動的に識別される初期ステップにおいて異なる。
図5Bに示すように、以下のプロセスを通じた再配置のための粒子のリストを自動的に生成するために、取得された画像が分析される。
【0066】
1. 16ビットアレイとして格納された取得画像は、関心のサイズ範囲外にある特徴を最小限に抑えるために、適切なサイズのガウスカーネルを用いてフィルタリングされるであろう。
【0067】
2. どのピクセルが関心の粒子と関連付けられるかを示すバイナリ画像を生成するために閾値が提供されるであろう。
【0068】
3. バイナリ画像内の隣接するアクティブ領域毎に、粒子の位置として機能するであろう質量の中心が計算されるであろう。
【0069】
方法は、ユーザが関心の粒子を手動で識別することに従う
図5Aで上で説明したのとほぼ同じ方法で進めることが可能である。
【0070】
本明細書に説明するシステム及び方法は、高度にカスタマイズ可能であり、(米国エネルギー省によって認定された)核鑑識等の微量分析分野、半導体、エレクトロニクス、スマートマテリアル等の先端技術メーカ、センサ技術、学術研究室を含む、多くの商業産業及び先進分野に直接適用可能である。微量分析産業は、本明細書に説明するシステム及び方法の分解能の向上、及び非破壊的非汚染的な方法で特定の粒子を操作するための能力による恩恵を受けるであろう。開示するシステム及び方法は、粒子材料を汚染することなく所望のパターンに非破壊的に再配置できるプラットフォームを提供することによって、様々なマイクロ及びナノテクノロジーを改善することもできる。1つの特定の有益な用途では、本明細書に説明するシステム及び方法は、汚染粒子を正確に除去するために使用できる。
【0071】
以上の説明から、発明の具体的な実施形態を説明の目的で説明してきたが、発明の範囲から逸脱することなく様々な修正を加えることができることが理解されるであろう。したがって、発明は、添付の特許請求の範囲による場合を除いて限定されない。
【0072】
技術は、特定の構造体及び材料に特有の文言で説明されているが、添付の特許請求の範囲で定義される発明は、必ずしも説明した特定の構造体及び材料に限定されないことを理解すべきである。むしろ、具体的な態様は、特許請求される発明を実装する形態として説明される。発明の多くの実施形態は、発明の精神及び範囲から逸脱することなく実践できるため、発明は、以下に添付される特許請求の範囲に属する。
【0073】
別段の指示がない限り、明細書(特許請求の範囲を除く)で使用される寸法、物理的特徴等の全ての数値又は表現は、全ての実例において用語“凡そ”によって修飾されるものとして理解される。少なくとも、均等論の特許請求の範囲への適用を制限することを試みるものではなく、明細書又は特許請求の範囲に記載され、用語“凡そ”によって修飾される各数値パラメータは、引用された有効数字の数を考慮して、丸め技術を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。更に、本明細書に開示する全ての範囲は、本明細書に包含されるあらゆる部分範囲又はあらゆる個別の値を列挙する特許請求の範囲を包含し、それに対するサポートを提供するものと理解すべきである。例えば、1~10の記載された範囲は、最小値1と最大値10との間及び/又はこれらを含む全てのサブ範囲又は個々の値、すなわち、1以上の最小値で始まり10以下の最大値で終わる全てのサブ範囲(例えば、5.5~10、及び2.34~3.56等)、又は1~10の任意の値(例えば、3、5.8、及び9.9994等)を列挙する特許請求の範囲を含み、それに対するサポートを提供するとみなすべきである。
【国際調査報告】