(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】ビーム重み値調整方法、装置、アクセスネットワークデバイス及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04B 7/06 20060101AFI20240702BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H04B7/06 950
H04B7/08 800
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572917
(86)(22)【出願日】2023-05-08
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 CN2023092774
(87)【国際公開番号】W WO2023226738
(87)【国際公開日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】202210563807.0
(32)【優先日】2022-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DATANG MOBILE COMMUNICATIONS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1/F, Building 1, No.5 Shangdi East Road, Haidian District,Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 占旗
(72)【発明者】
【氏名】丁 ▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】李 沛
(72)【発明者】
【氏名】武 文豪
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 建峰
(57)【要約】
ビーム重み値調整方法であって、マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得するステップと、初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定するステップと、複数の候補位相値から、干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定するステップと、ターゲット位相値と、干渉対象の重み値と、初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定するステップと、第1の分極方向の初期ビーム重み値行列をターゲットビーム重み値行列に調整するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム重み値調整方法であって、
マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得するステップと、
前記初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定するステップと、
複数の候補位相値から、前記干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定するステップと、
前記ターゲット位相値と、前記干渉対象の重み値と、前記初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定するステップと、
前記第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を前記ターゲットビーム重み値行列に調整するステップと、
を含む、
ことを特徴とするビーム重み値調整方法。
【請求項2】
前記複数の候補位相値から、前記干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定するステップは、
前記複数の候補位相値のうちの各候補位相値を使用して、前記干渉対象の重み値に干渉処理を行って、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値を決定するステップと、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のビーム重み値調整方法。
【請求項3】
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するステップは、
前記各候補位相値に対応するビーム指向偏差角度を取得するステップであって、前記ビーム指向偏差角度とは前記干渉後の重み値に対応するビーム指向と前記干渉対象の重み値に対応するビーム指向との間の偏差角度を指すステップと、
前記ビーム指向偏差角度に基づいて、前記干渉後の重み値を修正して、前記各候補位相値に対応する修正後の重み値を取得するステップと、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する修正後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のビーム重み値調整方法。
【請求項4】
前記ターゲット位相値と、前記干渉対象の重み値と、前記初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定するステップは、
前記ターゲット位相値に対応するビーム指向偏差角度を決定するステップと、
前記干渉対象の重み値と、前記ターゲット位相値及びそれに対応するビーム指向偏差角度とに基づいて、前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値を決定するステップと、
前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値と、前記初期ビーム重み値行列における第2の方向の重み値とに基づいて、前記ターゲットビーム重み値行列を決定するステップであって、前記第1の方向と前記第2の方向とが互いに垂直であるステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のビーム重み値調整方法。
【請求項5】
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するステップは、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定するステップと、
前記第1のビーム利得情報と前記第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とを決定するステップと、
前記複数の候補位相値のそれぞれに対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とに基づいて、前記複数の候補位相値から、前記ターゲット位相値を決定するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のビーム重み値調整方法。
【請求項6】
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するステップは、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定するステップと、
前記第1のビーム利得情報と前記第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値と前記干渉対象の重み値との間のビーム利得比較マップを展示するステップと、
入力された位相値を取得し、前記入力された位相値を前記ターゲット位相値として決定するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のビーム重み値調整方法。
【請求項7】
前記マルチ送受信チャンネルアンテナの第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得するステップと、
前記第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を、前記ターゲットビーム重み値行列に調整するステップと、
をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のビーム重み値調整方法。
【請求項8】
アクセスネットワークデバイスであって、
メモリと、トランシーバと、プロセッサとを含み、
前記メモリが、コンピュータプログラムを記憶するために使用され、
前記トランシーバが、前記プロセッサの制御でデータを送受信するために使用され、
前記プロセッサが、前記メモリ中のコンピュータプログラムを読み取り、以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得し、
前記初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定し、
複数の候補位相値から、前記干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定し、
前記ターゲット位相値と、前記干渉対象の重み値と、前記初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定し、
前記第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を前記ターゲットビーム重み値行列に調整する、
ことを特徴とするアクセスネットワークデバイス。
【請求項9】
前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記複数の候補位相値のうちの各候補位相値を使用して、前記干渉対象の重み値に干渉処理を行って、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値を決定し、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定する、
ことを特徴とする請求項8に記載のアクセスネットワークデバイス。
【請求項10】
前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記各候補位相値に対応するビーム指向偏差角度を取得し、前記ビーム指向偏差角度とは前記干渉後の重み値に対応するビーム指向と前記干渉対象の重み値に対応するビーム指向との間の偏差角度を指し、
前記ビーム指向偏差角度に基づいて、前記干渉後の重み値を修正して、前記各候補位相値に対応する修正後の重み値を取得し、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する修正後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定する、
ことを特徴とする請求項9に記載のアクセスネットワークデバイス。
【請求項11】
前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記ターゲット位相値に対応するビーム指向偏差角度を決定し、
前記干渉対象の重み値と、前記ターゲット位相値及びそれに対応するビーム指向偏差角度とに基づいて、前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値を決定し、
前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値と、前記初期ビーム重み値行列における第2の方向の重み値とに基づいて、前記ターゲットビーム重み値行列を決定し、前記第1の方向と前記第2の方向とが互いに垂直である、
ことを特徴とする請求項8~10のいずれかに記載のアクセスネットワークデバイス。
【請求項12】
前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定し、
前記第1のビーム利得情報と前記第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とを決定し、
前記複数の候補位相値のそれぞれに対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とに基づいて、前記複数の候補位相値から、前記ターゲット位相値を決定する、
ことを特徴とする請求項9に記載のアクセスネットワークデバイス。
【請求項13】
前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定し、
前記第1のビーム利得情報と前記第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値と前記干渉対象の重み値との間のビーム利得比較マップを展示し、
入力された位相値を取得し、前記入力された位相値を前記ターゲット位相値として決定する、
ことを特徴とする請求項9に記載のアクセスネットワークデバイス。
【請求項14】
前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記マルチ送受信チャンネルアンテナの第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得し、
前記第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を、前記ターゲットビーム重み値行列に調整する、
ことを特徴とする請求項8に記載のアクセスネットワークデバイス。
【請求項15】
ビーム重み値調整装置であって、
マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得するための取得モジュールと、
前記初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定するための第1の決定モジュールと、
複数の候補位相値から、前記干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定するための第2の決定モジュールと、
前記ターゲット位相値と、前記干渉対象の重み値と、前記初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定するための第3の決定モジュールと、
前記第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を前記ターゲットビーム重み値行列に調整するための調整モジュールと、
を含む、
ことを特徴とするビーム重み値調整装置。
【請求項16】
非一時的なプロセッサ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記プロセッサ読み取り可能な記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサに請求項1~7のいずれかに記載の方法を実行させる、
ことを特徴とする非一時的なプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
命令が含まれるコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラム製品の命令がプロセッサによって実行される場合、請求項1~7のいずれかに記載の方法のステップを実現する、
ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互引用
本出願は、中国特許出願番号「202210563807.0」、出願日2022年5月23日の中国特許出願に基づいて提供され、当該中国特許出願の優先権を請求し、当該中国特許出願のすべての内容はここで参照として本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は通信技術の分野に関し、特にビーム重み調整方法、装置、アクセスネットワークデバイス、プログラム製品及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
5G NR(New Radio、新しい無線)において、超大規模アンテナの導入は、スペクトル効率とエネルギー効率を大幅に向上させ、5G NRの核心的なキーテクノロジーである。より多くのアンテナの導入により、NR基地局の放射ビームがより高い利得を有するが、いくつかの角度でビーム利得が低い、すなわち複数の放射がゼロになり、ビームが局所的にカバーされる空洞になるという問題をもたらす。
【0004】
関連技術では、主に適応最適化アルゴリズムに基づいてビームの最適化を行い、例えば遺伝アルゴリズム、粒子群アルゴリズムなどであり、その基本的な構想は、所望のターゲットビーム形状に基づいて、ランダムにN組のビーム重み値を生成し、ビーム合成公式に基づいて対応するビーム形状を取得し、ターゲットビーム形状とランダム重み値に対応するビーム形状を比較して、比較的に優れた一部の重み値を予約し、そして、ある基準に基づいてN組のビーム重み値を再生成し、さらに上記のビームの比較を行い、最終的に1組のより良い重み値を選択することである。しかし、このアルゴリズムは複雑さが高く、計算時間が長くかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願はビーム重み値調整方法、装置、アクセスネットワークデバイス、プログラム製品及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の一態様の実施例はビーム重み値調整方法を提供し、前記方法は、
マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得するステップと、
前記初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定するステップと、
複数の候補位相値から、前記干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定するステップと、
前記ターゲット位相値と、前記干渉対象の重み値と、前記初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定するステップと、
前記第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を前記ターゲットビーム重み値行列に調整するステップと、を含む。
【0007】
いくつかの実施例では、前記複数の候補位相値から、前記干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定するステップは、
前記複数の候補位相値のうちの各候補位相値を使用して、前記干渉対象の重み値に干渉処理を行って、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値を決定するステップと、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するステップと、を含む。
【0008】
いくつかの実施例では、前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するステップは、
前記各候補位相値に対応するビーム指向偏差角度を取得するステップであって、ここで、前記ビーム指向偏差角度とは前記干渉後の重み値に対応するビーム指向と前記干渉対象の重み値に対応するビーム指向との間の偏差角度を指すステップと、
前記ビーム指向偏差角度に基づいて、前記干渉後の重み値を修正して、前記各候補位相値に対応する修正後の重み値を取得するステップと、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する修正後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するステップと、を含む。
【0009】
いくつかの実施例では、前記ターゲット位相値と、前記干渉対象の重み値と、前記初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定するステップは、
前記ターゲット位相値に対応するビーム指向偏差角度を決定するステップと、
前記干渉対象の重み値と、前記ターゲット位相値及びそれに対応するビーム指向偏差角度とに基づいて、前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値を決定するステップと、
前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値と、前記初期ビーム重み値行列における第2の方向の重み値とに基づいて、前記ターゲットビーム重み値行列を決定するステップであって、ここで、前記第1の方向と前記第2の方向とが互いに垂直であるステップと、を含む。
【0010】
いくつかの実施例では、前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するステップは、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定するステップと、
前記第1のビーム利得情報と前記第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とを決定するステップと、
前記複数の候補位相値のそれぞれに対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とに基づいて、前記複数の候補位相値から、前記ターゲット位相値を決定するステップと、を含む。
【0011】
いくつかの実施例では、前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するステップは、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定するステップと、
前記第1のビーム利得情報と前記第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値と前記干渉対象の重み値との間のビーム利得比較マップを展示するステップと、
入力された位相値を取得し、前記入力された位相値を前記ターゲット位相値として決定するステップと、を含む。
【0012】
いくつかの実施例では、前記方法は、
前記マルチ送受信チャンネルアンテナの第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得するステップと、
前記第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を、前記ターゲットビーム重み値行列に調整するステップと、をさらに含む。
【0013】
本出願の別の態様の実施例はアクセスネットワークデバイスを提供し、前記アクセスネットワークデバイス包括メモリと、トランシーバと、プロセッサとを含み、
メモリはコンピュータプログラムを記憶するために使用され、トランシーバは前記プロセッサの制御でデータを送受信するために使用され、プロセッサは、前記メモリ内のコンピュータプログラムを読み取り、以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得し、
前記初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定し、
複数の候補位相値から、前記干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定し、
前記ターゲット位相値と、前記干渉対象の重み値と、前記初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定し、
前記第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を前記ターゲットビーム重み値行列に調整する。
【0014】
いくつかの実施例では、前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記複数の候補位相値のうちの各候補位相値を使用して、前記干渉対象の重み値に干渉処理を行って、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値を決定し、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定する。
【0015】
いくつかの実施例では、前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記各候補位相値に対応するビーム指向偏差角度を取得し、ここで、前記ビーム指向偏差角度とは前記干渉後の重み値に対応するビーム指向と前記干渉対象の重み値に対応するビーム指向との間の偏差角度を指し、
前記ビーム指向偏差角度に基づいて、前記干渉後の重み値を修正して、前記各候補位相値に対応する修正後の重み値を取得し、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する修正後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定する。
【0016】
いくつかの実施例では、前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記ターゲット位相値に対応するビーム指向偏差角度を決定し、
前記干渉対象の重み値と、前記ターゲット位相値及びそれに対応するビーム指向偏差角度とに基づいて、前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値を決定し、
前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値と、前記初期ビーム重み値行列における第2の方向の重み値とに基づいて、前記ターゲットビーム重み値行列を決定し、ここで、前記第1の方向と前記第2の方向とが互いに垂直である。
【0017】
いくつかの実施例では、前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定し、
前記第1のビーム利得情報と第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応するヌル充填情報(null filling information)とビーム歪み情報とを決定し、
前記複数の候補位相値のそれぞれに対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とに基づいて、前記複数の候補位相値から、前記ターゲット位相値を決定する。
【0018】
いくつかの実施例では、前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定し、
ユーザが前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を選択するように、前記第1のビーム利得情報と前記第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値と前記干渉対象の重み値との間のビーム利得比較マップを展示し、
前記ユーザによって入力された位相値を取得し、前記ユーザによって入力された位相値を前記ターゲット位相値として決定する。
【0019】
いくつかの実施例では、前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記アンテナの第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得し、
前記第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を、前記ターゲットビーム重み値行列に調整する。
【0020】
本出願の別の態様の実施例はビーム重み値調整装置を提供し、前記装置は、
マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得するための取得モジュールと、
前記初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定するための第1の決定モジュールと、
複数の候補位相値から、前記干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定するための第2の決定モジュールと、
前記ターゲット位相値と、前記干渉対象の重み値と、前記初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定するための第3の決定モジュールと、
前記第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を前記ターゲットビーム重み値行列に調整するための調整モジュールと、を含む。
【0021】
本出願の別の態様の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されるプロセッサ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサに上記の実施例に記載のビーム重み値調整方法を実行させるために使用される。
【0022】
本出願の別の態様によれば、命令が記憶されるコンピュータプログラム製品を提供し、前記コンピュータプログラム製品における命令がプロセッサによって実行される場合、上記のビーム重み値調整方法を実行する。
【発明の効果】
【0023】
本出願は以下の技術的な効果を有する:初期ビーム重み値行列から決定された干渉対象の重み値と、複数の候補位相値から決定されたターゲット位相値とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定することにより、適応最適化に基づくビーム最適化のヌル充填方法に比べて、アルゴリズムが簡単で、計算時間を節約することを実現する。
【0024】
なお、この部分に記載されている内容は、本出願の実施例の肝心または重要な特徴を特定することを意図しておらず、本出願の範囲を限定することも意図していないことを理解されたい。本出願の他の特徴は、以下の説明を通して容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本出願の上記及び/又は付加的な様態及び利点は、以下図面と合わせて、実施例に対する説明によって明らかになり且つ理解しやすくなる。
【
図1】本出願の実施例によって提供されるビーム重み値調整方法の概略フローチャートである。
【
図2】本出願の実施例によって提供される64TRアンテナのトポロジーの概略図である。
【
図3】本出願の実施例によって提供されるビーム重み値調整方法の概略フローチャートである。
【
図4】本出願の実施例によって提供されるビーム利得比較マップである。
【
図5】本出願の実施例によって提供されるビーム利得比較マップである。
【
図6】本出願の実施例によって提供されるビーム重み値調整方法の概略フローチャートである。
【
図7】本出願の実施例によって提供されるアクセスネットワークデバイスの概略構成図である。
【
図8】本出願の実施例によって提供されるビーム重み値調整装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本出願の実施例について詳細に説明し、前記実施例の例は添付図面に示され、ここで、最初から最後まで同じまたは同様の符号は同じまたは同様の素子、または同じまたは同様の機能を有する素子を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は例示的であり、本出願を説明するためのものであり、本出願に対する制限としては理解してはいけない。
【0027】
ヌルはビーム合成においてある角度観察点で発生し、複数のアンテナ放射源の電界ベクトル合成に逆相殺が現れる現象が現れる。関連技術では、主に適応最適化アルゴリズムに基づいてビームの最適化を行う方式で、ヌル充填効果の高い1組のビーム重み値を決定するが、この方式はプロセスが複雑で、計算時間が長くかかる。
【0028】
これに基づいて、本出願の実施例はビーム重み値調整方法を提供し、初期ビーム重み値行列から決定された第1の方向の干渉対象の重み値と、複数の候補位相値から決定されたターゲット位相値と基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定して、初期ビーム重み値行列を調整することにより、アルゴリズムが簡単で、計算時間の節約を実現する。
【0029】
以下、図面を参照して、本出願の実施例に係るビーム重み値調整方法、装置、コンピュータデバイス及び記憶媒体を説明する。
【0030】
図1は本出願の実施例によって提供されるビーム重み値調整方法の概略フローチャートである。
【0031】
本出願の実施例に係るビーム重み値調整方法は、アクセスネットワークデバイスに適用されることができる。
【0032】
ここで、アクセスネットワークデバイスが基地局であることを例とする。基地局は、端末デバイスにサービスを提供する複数のセルを含むことができる。特定の用途に応じて、基地局はまた、アクセスポイントと呼ばれてもよく、または、アクセスネットワーク内のエアインターフェース上で1つまたは複数のセクタを介して無線端末デバイスと通信するデバイス、またはその他の名前であってもよい。ネットワークデバイスは、無線端末デバイスとアクセスネットワークの残りの部分との間のルータとして受信したエアフレームとインターネットプロトコル(Internet Protocol、IPと略称する)パケットとを交換するために使用されることができ、ここで、アクセスネットワークの残りの部分はインターネットプロトコル(IP)通信ネットワークを含むことができる。ネットワークデバイスはまた、エアインターフェースの属性管理を調整することができる。例えば、本出願の実施例に係るネットワークデバイスは、グローバル移動体通信システム(Global System for Mobile communications、GSMと略称する)または符号分割多元アクセス(Code Division Multiple Access、CDMAと略称する)におけるネットワークデバイス(Base Transceiver Station、BTSと略称する)であってもよく、帯域幅符号分割多元アクセス(Wide-band Code Division Multiple Access、WCDMA(登録商標)と略称する)におけるネットワークデバイス(NodeB)であってもよく、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTEと略称する)システムにおけるエボリューションネットワークデバイス(evolutional Node B、eNBまたはe-NodeB)、5Gネットワークアーキテクチャ(next generation system)における5 G基地局(gNB)であってもよく、ホームエボリューション基地局(Home evolved Node B、HeNBと略称する)、中継ノード(relay node)、ホーム基地局(femto)、ピコ基地局(pico)などであってもよく、本出願の実施例では限定されない。いくつかのネットワーク構造では、基地局は、集中ユニット(Centralized Unit、CUと略称する)ノードと分布ユニット(Distributed Unit、DUと略称する)ノードとを含むことができ、集中ユニットと分布ユニットは地理的に分離して配置されることもできる。
【0033】
ここで、端末デバイスは、ユーザに音声および/またはデータ接続性を提供するデバイス、無線接続機能を有するハンドヘルドデバイス、または無線モデムに接続された他の処理デバイスなどであってもよい。異なるシステムでは、端末デバイスの名前も異なる可能性があり、例えば、5Gシステムでは、端末デバイスはユーザ機器(User Equipment、UEと略称する)と呼ぶことができる。ここで、無線端末デバイスは、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network、RANと略称する)を介して1つまたは複数のコアネットワーク(Core Network、CNと略称する)と通信することができ、無線端末デバイスは移動端末デバイスであってもよく、例えば、携帯電話(または「セルラー」電話と呼ぶ)及び移動端末デバイスを有するコンピュータであってもよく、例えば、携帯式、ポケット式、ハンドヘルド、コンピュータ内蔵または車載の移動装置であってもよく、これらは、無線アクセスネットワークと言語および/またはデータを交換する。例えば、パーソナル通信サービス(Personal Communication Service、PCSと略称する)電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(Session Initiated Protocol、SIPと略称する)電話、無線ローカルループ(Wireless Local Loop、WLLと略称する)局、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDAと略称する)などのデバイスである。無線端末デバイスはシステムとも呼ぶことができ、加入者ユニット(subscriber unit)、加入者局(subscriber station)、モバイルステーション(mobile station)、モバイル(mobile)、リモートステーション(remote station)、アクセスポイント(access point)、リモート端末(remote terminal)デバイス、アクセス端末(access terminal)デバイス、ユーザ端末(user terminal)デバイス、ユーザエージェント(user agent)、ユーザ機器(user device)、本出願の実施例に限定するものではない。
【0034】
図1に示すように、このビーム重み値調整方法は以下のステップ101~105を含む。
【0035】
ステップ101、マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得する。
【0036】
本出願では、マルチ送受信チャンネルアンテナは2分極のアンテナであってもよく、すなわち、2の分極方向を含み、ここで、各分極方向が対応する初期ビーム重み値行列を有する。
【0037】
本出願では、マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得することができる。ここで、初期ビーム重み値行列はアンテナの初期ビームの重み値を指し、初期ビーム重み値行列における重み値の数はアンテナの送受信チャネル数と関係がある。
【0038】
64 TR(64 Transiver Resever、64路送受信チャネル)アンテナを例として、64 TRアンテナのトポロジーは
図2に示すように、ここで、Antはアンテナを表し、Ant0、Ant1、…、Ant31は2分極アンテナに対する番号を表す。64 TR(4行8列)アンテナSSB(Synchronization Signal and Physical Boardcast Channel block、同期信号と物理ブロードキャストチャネルブロック)ビームのある分極方向の初期ビーム重み値行列を次のように仮定する:
【数1】
【0039】
ここで、θは水平ビーム指向を表し、φは垂直ビーム指向を表し、dはアレイ間隔を表し、λは波長を表し、jは虚数インジケータを表す。64 TRアンテナのある分極方向の初期ビーム重み値行列は、合計で32個の重み値を含む4×8の行列であることがわかる。
【0040】
ステップ102、初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定する。
【0041】
本出願では、第1の方向は垂直方向であってもよいし、水平方向であってもよい。例えば、第1の方向が垂直方向であることを例として、初期化ビーム重み値行列から、干渉対象の重み値として垂直方向のある1例の重み値を選択することができる。
【0042】
上記64 TRアンテナSSBビームのある分極方向の初期ビーム重み値行列を例として、上記w中の第1の列重み値
【数2】
を干渉対象の重み値とする。
【0043】
ステップ103、複数の候補位相値から、干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定する。
【0044】
本出願では、予め設定された角度範囲内から、複数の候補位相値を選択でき、例えば、0~360度範囲内から、0度、30度、60度、…、360度を候補位相値として、複数の候補位相値から、干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定する。ここで、ターゲット位相値が干渉対象の重み値を干渉するために使用される。
【0045】
ターゲット位相値を決定する際に、複数の候補位相値から、ターゲット位相値として1つをランダムに選択してもよいし、各候補位相値の干渉対象の重み値に対するヌル充填効果に基づいて、ターゲット位相値を決定してもよい。ここで、ヌル位置充填後の利得と充填前との差が大きいほど、ヌル充填効果がよいことを示す。
【0046】
ステップ104、ターゲット位相値と、干渉対象の重み値と、初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定する。
【0047】
ターゲット位相値が決定された後、ターゲット位相値を使用して干渉対象の重み値に対して干渉処理を行って、干渉後の重み値を取得することができる。
【0048】
ターゲット位相値を使用して干渉対象の重み値に対して干渉処理を行う際、ターゲット位相値を使用して干渉対象の重み値のうちのあるアンテナの重み値を干渉して、干渉後の重み値を取得することができる。これにより、そのうちの1つの放射点の位を摂動し、放射点の電力を変更しないと、ビーム合成ヌルで利得引上げの現象が発生し、一方、主ビームに対しては局所アンテナの重み値だけを変更したため、主ビームに影響を与えず、電力が損なわれないヌル充填を実現する。
【0049】
例えば、ターゲット位相値はΦ
0であり、干渉対象の重み値
【数3】
中の1番目の重み値1に対して位相干渉を行って、
【数4】
を取得し、または、他の3つの重み値のうちの1つを干渉してもよく、本出願はこれを限定しない。
【0050】
干渉後の重み値を取得した後、干渉後の重み値と初期ビーム重み値行列における第2の方向の重み値とをテンソル積して、ターゲットビーム重み値行列を取得することができる。ここで、第2の方向が第1の方向に垂直であり、第1の方向が垂直方向であり、第2の方向が水平方向である場合、テンソル積とは列ベクトルと行ベクトルとを二乗することを指し、第1の方向が水平方向であり、第2の方向が垂直方向である場合、テンソル積とは行ベクトルと列ベクトルとを二乗することを指し、ターゲットビーム重み値行列の大きさと初期ビーム重み値行列の大きさとが同じである。
【0051】
例えば、第1の方向は垂直方向であり、第2の方向は水平方向であり、初期ビーム重み値行列におけるある列の重み値を干渉対象の重み値とすることができ、干渉対象の重み値のうちのあるアンテナの重み値に対して位相干渉を行って干渉後の重み値を取得し、その後、干渉後の重み値と初期ビーム重み値行列におけるある行の重み値とをテンソル積、すなわち二乗して、ターゲットビーム重み値行列を取得し、これによってビーム垂直次元ヌルを充填することを実現することができる。
【0052】
第1の方向が水平方向であり、第2の方向が垂直方向である場合、初期ビーム重み値行列におけるある行の重み値を干渉対象の重み値とすることができ、干渉対象の重み値のうちのあるアンテナの重み値に対して位相干渉を行って干渉後の重み値を取得し、その後、干渉後の重み値と初期ビーム重み値行列におけるある列の重み値とをテンソル積、すなわち二乗して、ターゲットビーム重み値行列を取得し、これによってビーム水平次元ヌルを充填することを実現することができる。
【0053】
ステップ105、第1の分極方向の初期ビーム重み値行列をターゲットビーム重み値行列に調整する。
【0054】
ターゲットビーム重み値行列を決定した後、第1の分極方向の初期ビーム重み値行列をターゲットビーム重み値行列に調整し、すなわち、初期ビーム重み値行列をターゲットビーム重み値行列に更新することができる。その後、基地局はターゲットビーム重み値行列に基づいてビームを送信することができる。
【0055】
本出願の実施例では、マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得し、初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定し、複数の候補位相値から、干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定し、ターゲット位相値と、干渉対象の重み値と、初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定し、第1の分極方向の初期ビーム重み値行列をターゲットビーム重み値行列に調整する。これにより、初期ビーム重み値行列から決定された干渉対象の重み値と、複数の候補位相値から決定されたターゲット位相値とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定することにより、適応最適化に基づくビーム最適化のヌル充填方法に比べて、アルゴリズムが簡単で、計算時間を節約することを実現する。
【0056】
図3は、本出願の実施例によって提供されるビーム重み値調整方法の概略フローチャートである。
【0057】
図3に示すように、このビーム重み値調整方法は以下のステップ301~306を含む。
【0058】
ステップ301、マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得する。
【0059】
ステップ302、初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定する。
【0060】
本出願では、ステップ301~ステップ302は上記の実施例に記載された内容と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0061】
ステップ303、複数の候補位相値のうちの各候補位相値を使用して、干渉対象の重み値に対して干渉処理を行って、各候補位相値に対応する干渉後の重み値を決定する。
【0062】
本出願では、各候補位相値を使用して、渉対象の重み値に対して干渉処理を行って、1つの干渉後の重み値を取得することができる。
【0063】
例えば、複数の候補位相値はΦ
1、Φ
2、…、Φ
nであり、各候補位相値を使用して干渉対象の重み値
【数5】
中の1番目の重み値1に対して位相干渉を行って、
【数6】
を取得する。
【0064】
ステップ304、干渉対象の重み値と各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、複数の候補位相値からターゲット位相値を決定する。
【0065】
可能な一実現形態として、干渉対象の重み値に基づいて、干渉対象の重み値の第1のビーム利得情報を取得し、各候補位相値に対応する干渉後の重み値に基づいて、各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報を取得することができる。ここで、ビーム利得情報が異なる角度のビームの利得を含む。
【0066】
その後、第1のビーム利得情報と第2のビーム利得情報とを比較して、各候補位相値に対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とを決定してから、複数の候補位相値のそれぞれに対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とに基づいて、複数の候補位相値からターゲット位相値を決定することができる。
【0067】
ここで、ヌル充填情報はビームのヌル充填効果を指示するために使用され、ヌル充填情報は干渉対象の重み値が干渉された後の各ヌル位置でのビーム利得の上昇度合いを含むことができ、ビーム歪み情報は干渉対象の重み値を干渉する前後のビームの歪み度合いを指示するために使用され、ビーム歪み情報は、干渉対象の重み値を干渉する前後のビーム形状の変化傾向の一致性の度合いに基づくことであってもよい。
【0068】
実際の応用では、ヌル充填効果がよいが、ビーム歪みの度合いが比較的に深刻である可能性があるため、本出願では、ヌル充填情報とビーム歪み情報とに基づいて、ターゲット位相値を決定する際、ヌル充填情報とビーム歪み情報の重みに基づいて、ターゲット位相値を決定することができる。ここで、ヌル充填情報とビーム歪み情報の重みは実際の需要に基づいて設定されることができる。例えば、ヌル充填情報に対応する重みが大きい場合、ターゲット位相値を決定する際に、ターゲット候補位相値としてヌル充填効果の高い候補位相値を重点的に選択することができる。
【0069】
これにより、干渉対象の重み値が各候補位相値によって干渉される前後のビーム利得情報に基づいて、ヌル充填情報とビーム利得情報とを決定し、ヌル充填情報とビーム利得情報とに基づいて、複数の候補位相値から、ヌル充填効果とビーム歪みの程度を均衡させることができる位相値を決定することができる。
【0070】
別の可能な実現形態として、干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報とを決定し、第1のビーム利得情報と第2のビーム利得情報とに基づいて、各候補位相値に対応する干渉後の重み値と干渉対象の重み値との間のビーム利得比較マップを出力し、示し、ここで、ビーム利得比較マップにおける横座標はビーム角度であってもよく、縦座標は利得であってもよい。そうすると、ユーザは各候補位相値に対応するビーム利得比較マップに基づいて、各候補位相値に対応するヌル充填効果とビーム歪み効果とを決定し、これによって複数の候補位相値から必要なターゲット位相値を決定することができる。ユーザによって入力された位相値が取得された際に、ユーザによって入力された位相値をターゲット位相値とすることができ、ここで、ユーザによって入力された位相値は複数の候補位相値のうちの1つである。
【0071】
ここで、ユーザが位相値を入力することは、ユーザが表示インタフェースの位相値入力ボックスに位相値を入力することであってもよいし、表示インタフェース上に候補位相値リストが表示され、ユーザが候補位相値リストから1つの位相値を選択することであってもよいが、これについては、本出願は限定しない。例えば、
図4と
図5はそれぞれ垂直ビームが2つの異なる候補位相値において、干渉対象の重み値が干渉される前後のビーム利得比較図であり、ここで、横軸は角度(angle)であり、縦軸は利得(Gain)であり、点線は元のビーム(すなわち干渉対象の重み値に対応するビーム)であり、実線はヌル充填ビーム(すなわち干渉後の重み値に対応するビーム)を表し、
図5のヌル充填ビームの効果が
図4よりも良いが、
図4ではビーム歪みの度合いが
図5よりも小さいことが分かり、
図4で用いられる候補位相値をターゲット位相値とすることができる。
【0072】
これにより、干渉対象の重み値が各候補位相値によって干渉される前後のビーム利得比較マップを展示して、ユーザが必要に応じてターゲット位相値を決定することにより、ユーザのカスタマイズニーズを満たすことができる。
【0073】
ステップ305、ターゲット位相値と、干渉対象の重み値と、初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定する。
【0074】
ステップ306、第1の分極方向の初期ビーム重み値行列をターゲットビーム重み値行列に調整する。
【0075】
本出願では、ステップ305~ステップ306は上記の実施例に記載された内容と同様であり、説明を省略する。
【0076】
本出願の実施例では、干渉対象の重み値と各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、複数の候補位相値からターゲット位相値を決定する際に、複数の候補位相値のうちの各候補位相値を使用して、干渉対象の重み値に対して干渉処理を行って、各候補位相値に対応する干渉後の重み値を決定し、干渉対象の重み値と各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、複数の候補位相値からターゲット位相値を決定することができる。これにより、各候補位相値に対応する干渉対象の重み値を干渉する前後の重み値に基づいて、複数の候補位相値からターゲット位相値を決定することにより、ビームヌル充填効果を向上させる。
【0077】
図6は本出願の実施例によって提供されるビーム重み値調整方法の概略フローチャートである。
【0078】
図6に示すように、このビーム重み値調整方法は以下のステップ601~610を含む。
【0079】
ステップ601、マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得する。
【0080】
ステップ602、初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定する。
【0081】
ステップ603、複数の候補位相値のうちの各候補位相値を使用して、干渉対象の重み値に対して干渉処理を行って、各候補位相値に対応する干渉後の重み値を決定する。
【0082】
本出願では、ステップ601~ステップ603は上記の実施例に記載された内容と同様であり、説明を省略する。
【0083】
ステップ604、各候補位相値に対応するビーム指向偏差角度を取得する。
【0084】
ヌル充填のビームはビーム指向偏差が発生する可能性があるため、本出願では、可干渉対象の重み値に対応する第1のビーム情報と、各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム情報とを決定し、第1のビーム情報と第2のビーム情報とを比較して、干渉対象の重み値が干渉される前後のビーム指向偏差角度を決定することができる。ここで、ビーム指向偏差角度とは干渉後の重み値に対応するビーム指向と干渉対象の重み値に対応するビーム指向との偏差角度を指すことができる。
【0085】
例えば、第1のビーム情報に基づいてビーム上の利得最大位置の角度を決定し、第2のビーム情報に基づいてビーム上の利得最大位置の角度を決定し、この2の角度の差をビーム指向偏差角度とすることができる。
【0086】
ステップ605、ビーム指向偏差角度に基づいて、干渉後の重み値を修正して、各候補位相値に対応する修正後の重み値を取得する。
【0087】
本出願では、各候補位相値に対応するビーム指向偏差角度を使用して、干渉後の重み値を修正して、各候補位相値に対応する修正後の重み値を取得することができる。
【0088】
例えば、第1の分極方向の初期ビーム重み値行列は上記wのように示され、w中の第1の列重み値
【数7】
を干渉対象の重み値として、ターゲット位相値はΦ
1であり、ビーム指向偏差角度はΔΦ
1であり、Φ
1を使用して干渉対象の重み値のうちの1番目の重み値に対して干渉処理を行って、干渉後の重み値
【数8】
を取得して、ΔΦ
1を使用してw
1を修正し、修正方法は以下の通りである:
【数9】
ここで
【数10】
は修正後の重み値を表す。
【0089】
ステップ606、干渉対象の重み値と各候補位相値に対応する修正後の重み値とに基づいて、複数の候補位相値からターゲット位相値を決定する。
【0090】
本出願では、干渉対象の重み値に対応するビーム情報と修正後の重み値に対応するビーム情報とに基づいて、ターゲット位相値を決定することは、上記干渉対象の重み値と各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、ターゲット位相値を決定する方法と同様であるため、ここでは、説明を省略する。
【0091】
ステップ607、ターゲット位相値に対応するビーム指向偏差角を決定する。
【0092】
本出願では、ターゲット位相値を決定する際に、ターゲット位相値に対応するビーム指向偏差角度を決定することができる。
【0093】
ステップ608、干渉対象の重み値と、ターゲット位相値及びそれに対応するビーム指向偏差角度とに基づいて、ターゲット位相値に対応する修正後の重み値を決定する。
【0094】
本出願では、ターゲット位相値を使用して干渉対象の重み値に対して干渉処理を行って、干渉後の重み値を取得し、その後にさらにターゲット位相値に対応するビーム指向偏差角度を使用して、干渉後の重み値を修正して、ターゲット位相値に対応する修正後の重み値を取得することができる。
【0095】
例えば、ターゲット位相値はΦ
0であり、ビーム指向偏差角度はΔΦであり、Φ
0を使用して上記初期ビーム重み値行列wから決定された干渉対象の重み値wのうちの1番目の重み値に干渉処理を行って、干渉後の重み値
【数11】
を取得し、ΔΦを使用してwを修正し、修正方法は以下の通りである:
【数12】
【0096】
ステップ609、ターゲット位相値に対応する修正後の重み値と、初期ビーム重み値行列における第2の方向の重み値とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定する。
【0097】
本出願では、修正後の重み値と初期ビーム重み値行列における第2の方向の重み値とをテンソル積して、ターゲットビーム重み値行列を取得することができる。
【0098】
例えば、初期ビーム重み値行列は上記wであり、ターゲット位相値はΦ
0であり、ビーム指向偏差角度はΔΦであり、修正後の重み値は
【数13】
であり、
【数14】
とwの任意の行の重み値とをテンソル積して、ターゲットビーム重み値行列を取得することができ、例えば
【数15】
とwの第1の行重み値
【数16】
とをテンソル積して、ターゲットビーム重み値行列を取得する:
【数17】
【0099】
ステップ610、第1の分極方向の初期ビーム重み値行列をターゲットビーム重み値行列に調整する。
【0100】
本出願では、ステップ610は上記の実施例に記載の内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0101】
本出願の実施例では、各候補位相値に対応するビーム指向偏差角度を決定し、ビーム指向偏差角度を使用して干渉後の重み値を修正して、修正後の重み値を取得し、干渉対象の重み値と各候補位相値に対応する修正後の重み値とを使用して、ターゲット位相値を決定し、干渉対象の重み値と、ターゲット位相値及びそれに対応するビーム偏差角度とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定することにより、ターゲットビーム行列の精度を向上させ、ヌル充填効果を向上させることができる。
【0102】
本出願の一実施例では、上記ターゲットビーム重み値行列を決定する後、アンテナの第2の分極方向の初期ビーム重み値行列をさらに取得し、第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を、ターゲットビーム重み値行列に調整することができる。すなわち、別の分極方向において同じビーム重み値をとる。これにより、完全なビーム重み値行列を取得することができる。
【0103】
例えば、第1の方向は垂直方向であり、第2の方向は水平方向であり、第1の分極方向の初期ビーム重み値のうちのある列の重み値を干渉対象の重み値として、ターゲット位相値に基づいて干渉対象の重み値に対して干渉処理を行って、干渉後の重み値を取得し、干渉後の重み値と初期ビーム重み値行列におけるある行の重み値とテンソル積して、第1の分極方向アンテナの垂直次元におけるヌル充填のビーム重み値行列を取得し、第2の分極方向アンテナの垂直次元における初期ビーム重み値行列を、第1の分極方向アンテナの垂直次元におけるヌル充填のビーム重み値行列に調整することができる。
【0104】
なお、本出願のビーム重み値調整方法は、SSBビームだけでなく、SSBビームの垂直次元へのヌル充填を実現するだけでなく、他の信号のビーム重み値を調整し、他のビームへのヌル充填を実現することもでき、本出願はこれを限定しない。
【0105】
上記の実施例を実現するために、本出願の実施例はアクセスネットワークデバイスをされに提供し、
図7は本出願の実施例によって提供されるアクセスネットワークデバイスの概略構成図である。
【0106】
図7に示すように、このアクセスネットワークデバイスは、トランシーバ710と、プロセッサ720と、メモリ730と、を含み、
トランシーバ710は、前記プロセッサの制御でデータを送受信するために使用される。
【0107】
ここで、
図7では、バスアーキテクチャは、任意の数の相互接続されたバス及びブリッジとを含むことができ、具体的には、プロセッサ720によって表される1つまたは複数のプロセッサと、メモリ730によって表されるメモリの様々な回路とがリンクされている。バスアーキテクチャはまた、周辺デバイス、電圧レギュレータ、電力管理回路などの様々な他の回路をリンクすることができ、これらは当技術分野で周知されているため、本明細書ではこれ以上説明しない。バスインタフェースがインタフェースを提供する。トランシーバ710は、無線チャネル、有線チャネル、光ケーブルなどの伝送媒体を含む伝送媒体上で様々な他の装置と通信するためのユニットを提供する送信機および受信機を含む複数の要素であってもよい。プロセッサ720はバスアーキテクチャと一般的な処理の管理を担当し、メモリ730は、プロセッサ720が動作を実行する際に使用するデータを記憶することができる。
【0108】
プロセッサ720は、中央処理装置(central processing unit、CPUと略称する)、専用集積回路ASIC(Application Specific Integrated Circuit、ASICと略称する)、フィールドプログラマブルゲートアレイFPGA(Field-Programmable Gate Array、FPGAと略称する)、または複雑プログラマブル論理デバイスCPLD(Complex Programmable Logic Device、CPLDと略称する)であってもよく、プロセッサはマルチコアアーキテクチャを採用することもできる。
【0109】
プロセッサ720はメモリに記憶されるコンピュータプログラムを呼び出し、以下の動作を実行し、以下の動作は、
マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得し、
前記初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定し、
複数の候補位相値から、前記干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定し、
前記ターゲット位相値と、前記干渉対象の重み値と、前記初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定し、
前記第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を前記ターゲットビーム重み値行列に調整する。
【0110】
いくつかの実施例では、別の実施例として、前記プロセッサ720は複数の候補位相値から、前記干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定することを実行するために使用され、具体的に以下の動作を実行し、以下の動作は、
前記複数の候補位相値のうちの各候補位相値を使用して、前記干渉対象の重み値に干渉処理を行って、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値を決定し、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定する。
【0111】
いくつかの実施例では、別の実施例として、前記プロセッサ720は前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定することを実行するために使用され、具体的に以下の動作を実行し、以下の動作は、
前記各候補位相値に対応するビーム指向偏差角度を取得する、ここで、前記ビーム指向偏差角度とは前記干渉後の重み値に対応するビーム指向と前記干渉対象の重み値に対応するビーム指向との間の偏差角度を指し、
前記ビーム指向偏差角度に基づいて、前記干渉後の重み値を修正して、前記各候補位相値に対応する修正後の重み値を取得し、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する修正後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定する。
【0112】
いくつかの実施例では、別の実施例として、前記プロセッサ720は前記ターゲット位相値と、前記干渉対象の重み値と、前記初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定することを実行するために使用され、具体的に以下の動作を実行し、以下の動作は、
前記ターゲット位相値に対応するビーム指向偏差角度を決定し、
前記干渉対象の重み値と、前記ターゲット位相値及びそれに対応するビーム指向偏差角度とに基づいて、前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値を決定し、
前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値と、前記初期ビーム重み値行列における第2の方向の重み値とに基づいて、前記ターゲットビーム重み値行列を決定する、ここで、前記第1の方向と前記第2の方向とが互いに垂直である。
【0113】
いくつかの実施例では、別の実施例として、前記プロセッサ720は前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定することを実行するために使用され、具体的に、以下の動作を実行し、以下の動作は、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定し、
前記第1のビーム利得情報と第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とを決定し、
前記複数の候補位相値のそれぞれに対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とに基づいて、前記複数の候補位相値から、前記ターゲット位相値を決定する。
【0114】
いくつかの実施例では、別の実施例として、前記プロセッサ720は前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定することを実行するために使用され、具体的に、以下の動作を実行し、以下の動作は、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定し、
ユーザが前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を選択するように、前記第1のビーム利得情報と前記第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値と前記干渉対象の重み値との間のビーム利得比較マップを展示し、
前記ユーザによって入力された位相値を取得し、前記ユーザによって入力された位相値を前記ターゲット位相値として決定する。
【0115】
いくつかの実施例では、別の実施例として、在前記ターゲットビーム重み値行列を決定するその後、前記プロセッサ720はさらに以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記アンテナの第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得し、
前記第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を、前記ターゲットビーム重み値行列に調整する。
【0116】
なお、本出願の実施例によって提供されるアクセスネットワークデバイスは、上記
図1、
図3、
図6の方法の実施例によって実現されたすべての方法ステップを実現することができ、同じ技術的効果を達成することができ、ここで、本出願の実施例の方法の実施例と同じ部分および有益な効果を説明しない。
【0117】
上記の
図1、
図3、
図6の実施例によって提供されるビーム重み調整方法に対応するため、本出願は、ビーム重み調整装置をさらに提供し、本出願の実施例によって提供されるビーム重み調整装置は上記の
図1、
図3、
図6の実施例によって提供されるビーム重み調整方法に対応するため、ビーム重み調整方法の実施形態は本出願の実施例によって提供されるビーム重み調整装置にも適用され、本出願の実施例では詳細に説明しない。
【0118】
上記の実施例を実現するために、本出願は、ビーム重み調整装置をさらに提供する。
図8は本出願の実施例によって提供されるビーム重み値調整装置の概略構成図である。
【0119】
図8に示すように、このビーム重み値調整装置800は、
マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得するための取得モジュール810と、
前記初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定するための第1の決定モジュール820と、
複数の候補位相値から、前記干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定するための第2の決定モジュール830と、
前記ターゲット位相値と、前記干渉対象の重み値と、前記初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定するための第3の決定モジュール840と、
前記第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を前記ターゲットビーム重み値行列に調整するための調整モジュール850と、を含む。
【0120】
本出願の実施例の可能な一実現形態では、第2の決定モジュール830は、
前記複数の候補位相値のうちの各候補位相値を使用して、前記干渉対象の重み値に干渉処理を行って、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値を決定するための第1の決定ユニットと、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するための第2の決定ユニットと、を含む。
【0121】
本出願の実施例の可能な一実現形態では、第2の決定ユニットは、
前記各候補位相値に対応するビーム指向偏差角度を取得し、ここで、前記ビーム指向偏差角度とは前記干渉後の重み値に対応するビーム指向と前記干渉対象の重み値に対応するビーム指向との間の偏差角度を指し、
前記ビーム指向偏差角度に基づいて、前記干渉後の重み値を修正して、前記各候補位相値に対応する修正後の重み値を取得し、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する修正後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定する。
【0122】
本出願の実施例の可能な一実現形態では、第3の決定モジュール840は、
前記ターゲット位相値に対応するビーム指向偏差角度を決定し、
前記干渉対象の重み値と、前記ターゲット位相値及びそれに対応するビーム指向偏差角度とに基づいて、前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値を決定し、
前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値と、前記初期ビーム重み値行列における第2の方向の重み値とに基づいて、前記ターゲットビーム重み値行列を決定し、ここで、前記第1の方向と前記第2の方向とが互いに垂直である。
【0123】
本出願の実施例の可能な一実現形態では、第2の決定ユニットは、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定し、
前記第1のビーム利得情報と第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とを決定し、
前記複数の候補位相値のそれぞれに対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とに基づいて、前記複数の候補位相値から、前記ターゲット位相値を決定する。
【0124】
本出願の実施例の可能な一実現形態では、第2の決定ユニットは、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定し、
ユーザが前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を選択するように、前記第1のビーム利得情報と前記第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値と前記干渉対象の重み値との間のビーム利得比較マップを展示し、
前記ユーザによって入力された位相値を取得し、前記ユーザによって入力された位相値を前記ターゲット位相値として決定する。
【0125】
本出願の実施例の可能な一実現形態では、前記取得モジュール810はさらに、前記アンテナの第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得し、
前記調整モジュール850は、さらに前記第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を、前記ターゲットビーム重み値行列に調整する。
【0126】
なお、本出願の実施例によって提供されるビーム重み調整装置は、上記
図1、
図3、
図6の方法の実施例によって実現されたすべての方法ステップを実現することができ、同じ技術的効果を達成することができ、ここで、本出願の実施例の方法の実施例と同じ部分および有益な効果を説明しない。
【0127】
なお、本出願の実施例のユニットの分割は概略的であり、単なる論理機能の分割であり、実際に実装される場合には別の分割形態があってもよい。また、本出願の各実施例の各機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよいし、各ユニットが物理的に個別に存在してもよいし、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されていてもよい。上記統合されたユニットは、ハードウェアの形態で実現されてもよいし、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現されてもよい。
【0128】
前記統合されたユニットは、ソフトウェア機能ユニットとして実現され、独立した製品として販売または使用される場合、プロセッサ読み取り可能な記憶媒体に格納することができる。このような理解に基づいて、本出願の技術案は本質的に、あるいは既存の技術に貢献した部分、あるいはこの技術案の全部または一部を、ソフトウェア製品の形態で具現化することができ、このコンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に格納され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワーク側デバイスなどであってもよい)またはプロセッサ(processor)が本出願の各実施例の方法のすべてまたは一部のステップを実行するように、いくつかの命令を含む。前記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、読み出し専用のメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAMと省略される)、磁気ディスクまたは光ディスクなど、プログラムコードを記憶することができる様々な媒体を含む。
【0129】
なお、本出願の実施例によって提供される上記の装置は、上記の方法の実施例によって実現されたすべての方法ステップを実現することができ、同じ技術的効果を達成することができ、ここで、本出願の実施例の方法の実施例と同じ部分および有益な効果を説明しない。
【0130】
一方、本出願の実施例は、はさらに、本出願の
図1、
図3、
図6の実施例に記載の方法をプロセッサに実行させるためのコンピュータプログラムを記憶するプロセッサ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0131】
ここで、上記プロセッサ読み取り可能な記憶媒体は、プロセッサがアクセス可能な任意の利用可能な媒体またはデータ記憶デバイスであってもよく、磁気メモリ(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク(MO)など)、光メモリ(例えばCD、DVD、BD、HVDなど)および半導体メモリ(例えば、ROM、EPROM、EEPROM、非揮発性メモリ(NAND FLASH)、ソリッドステートハードディスク(SSD)など)を含むが、これらに限定されない。
【0132】
本明細書の説明では、「第1」、「第2」という用語は説明の目的にのみ使用され、相対的な重要性を示しまたは暗示し、示された技術的特徴の数を暗黙的に示すと理解されたくない。これにより、「第1」、「第2」と限定された特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示または暗黙的に含むことができる。本出願の説明では、「複数の」という意味は、特に具体的な明確な限定がない限り、例えば、2つ、3つなど、少なくとも2つである。
【0133】
以上、本出願の実施例を示し、説明したが、なお、上記の実施例は例示的であり、本出願に対する制限として理解されたくなく、当業者は本出願の範囲内で上記の実施例を変更、修正、置換、及び変形することができる。
【符号の説明】
【0134】
710 トランシーバ
720 プロセッサ
730 メモリ
800 ビーム重み値調整装置
810 取得モジュール
820 第1の決定モジュール
830 第2の決定モジュール
840 第3の決定モジュール
【手続補正書】
【提出日】2024-01-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本出願の別の態様によれば、命令が記憶されるコンピュータプログラムを提供し、前記コンピュータプログラムにおける命令がプロセッサによって実行される場合、上記のビーム重み値調整方法を実行する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0133
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0133】
710 トランシーバ
720 プロセッサ
730 メモリ
800 ビーム重み値調整装置
810 取得モジュール
820 第1の決定モジュール
830 第2の決定モジュール
840 第3の決定モジュール
850 調整モジュール
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム重み値調整方法であって、
マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得するステップと、
前記初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定するステップと、
複数の候補位相値から、前記干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定するステップと、
前記ターゲット位相値と、前記干渉対象の重み値と、前記初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定するステップと、
前記第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を前記ターゲットビーム重み値行列に調整するステップと、
を含む、
ことを特徴とするビーム重み値調整方法。
【請求項2】
前記複数の候補位相値から、前記干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定するステップは、
前記複数の候補位相値のうちの各候補位相値を使用して、前記干渉対象の重み値に干渉処理を行って、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値を決定するステップと、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のビーム重み値調整方法。
【請求項3】
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するステップは、
前記各候補位相値に対応するビーム指向偏差角度を取得するステップであって、前記ビーム指向偏差角度とは前記干渉後の重み値に対応するビーム指向と前記干渉対象の重み値に対応するビーム指向との間の偏差角度を指すステップと、
前記ビーム指向偏差角度に基づいて、前記干渉後の重み値を修正して、前記各候補位相値に対応する修正後の重み値を取得するステップと、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する修正後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のビーム重み値調整方法。
【請求項4】
前記ターゲット位相値と、前記干渉対象の重み値と、前記初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定するステップは、
前記ターゲット位相値に対応するビーム指向偏差角度を決定するステップと、
前記干渉対象の重み値と、前記ターゲット位相値及びそれに対応するビーム指向偏差角度とに基づいて、前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値を決定するステップと、
前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値と、前記初期ビーム重み値行列における第2の方向の重み値とに基づいて、前記ターゲットビーム重み値行列を決定するステップであって、前記第1の方向と前記第2の方向とが互いに垂直であるステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項
1のいずれかに記載のビーム重み値調整方法。
【請求項5】
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するステップは、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定するステップと、
前記第1のビーム利得情報と前記第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とを決定するステップと、
前記複数の候補位相値のそれぞれに対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とに基づいて、前記複数の候補位相値から、前記ターゲット位相値を決定するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のビーム重み値調整方法。
【請求項6】
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定するステップは、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定するステップと、
前記第1のビーム利得情報と前記第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値と前記干渉対象の重み値との間のビーム利得比較マップを展示するステップと、
入力された位相値を取得し、前記入力された位相値を前記ターゲット位相値として決定するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のビーム重み値調整方法。
【請求項7】
前記マルチ送受信チャンネルアンテナの第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得するステップと、
前記第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を、前記ターゲットビーム重み値行列に調整するステップと、
をさらに含む、
ことを特徴とする請求項
1のいずれかに記載のビーム重み値調整方法。
【請求項8】
アクセスネットワークデバイスであって、
メモリと、トランシーバと、プロセッサとを含み、
前記メモリが、コンピュータプログラムを記憶するために使用され、
前記トランシーバが、前記プロセッサの制御でデータを送受信するために使用され、
前記プロセッサが、前記メモリ中のコンピュータプログラムを読み取り、以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得し、
前記初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定し、
複数の候補位相値から、前記干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定し、
前記ターゲット位相値と、前記干渉対象の重み値と、前記初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定し、
前記第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を前記ターゲットビーム重み値行列に調整する、
ことを特徴とするアクセスネットワークデバイス。
【請求項9】
前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記複数の候補位相値のうちの各候補位相値を使用して、前記干渉対象の重み値に干渉処理を行って、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値を決定し、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定する、
ことを特徴とする請求項8に記載のアクセスネットワークデバイス。
【請求項10】
前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記各候補位相値に対応するビーム指向偏差角度を取得し、前記ビーム指向偏差角度とは前記干渉後の重み値に対応するビーム指向と前記干渉対象の重み値に対応するビーム指向との間の偏差角度を指し、
前記ビーム指向偏差角度に基づいて、前記干渉後の重み値を修正して、前記各候補位相値に対応する修正後の重み値を取得し、
前記干渉対象の重み値と前記各候補位相値に対応する修正後の重み値とに基づいて、前記複数の候補位相値から前記ターゲット位相値を決定する、
ことを特徴とする請求項9に記載のアクセスネットワークデバイス。
【請求項11】
前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記ターゲット位相値に対応するビーム指向偏差角度を決定し、
前記干渉対象の重み値と、前記ターゲット位相値及びそれに対応するビーム指向偏差角度とに基づいて、前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値を決定し、
前記ターゲット位相値に対応する修正後の重み値と、前記初期ビーム重み値行列における第2の方向の重み値とに基づいて、前記ターゲットビーム重み値行列を決定し、前記第1の方向と前記第2の方向とが互いに垂直である、
ことを特徴とする請求項8~10のいずれかに記載のアクセスネットワークデバイス。
【請求項12】
前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定し、
前記第1のビーム利得情報と前記第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とを決定し、
前記複数の候補位相値のそれぞれに対応するヌル充填情報とビーム歪み情報とに基づいて、前記複数の候補位相値から、前記ターゲット位相値を決定する、
ことを特徴とする請求項9に記載のアクセスネットワークデバイス。
【請求項13】
前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記干渉対象の重み値に対応する第1のビーム利得情報と、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値に対応する第2のビーム利得情報と、を決定し、
前記第1のビーム利得情報と前記第2のビーム利得情報とに基づいて、前記各候補位相値に対応する干渉後の重み値と前記干渉対象の重み値との間のビーム利得比較マップを展示し、
入力された位相値を取得し、前記入力された位相値を前記ターゲット位相値として決定する、
ことを特徴とする請求項9に記載のアクセスネットワークデバイス。
【請求項14】
前記プロセッサは以下の動作を実行するために使用され、以下の動作は、
前記マルチ送受信チャンネルアンテナの第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得し、
前記第2の分極方向の初期ビーム重み値行列を、前記ターゲットビーム重み値行列に調整する、
ことを特徴とする請求項8に記載のアクセスネットワークデバイス。
【請求項15】
ビーム重み値調整装置であって、
マルチ送受信チャンネルアンテナの第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を取得するための取得モジュールと、
前記初期ビーム重み値行列から第1の方向の干渉対象の重み値を決定するための第1の決定モジュールと、
複数の候補位相値から、前記干渉対象の重み値に対応するターゲット位相値を決定するための第2の決定モジュールと、
前記ターゲット位相値と、前記干渉対象の重み値と、前記初期ビーム重み値行列とに基づいて、ターゲットビーム重み値行列を決定するための第3の決定モジュールと、
前記第1の分極方向の初期ビーム重み値行列を前記ターゲットビーム重み値行列に調整するための調整モジュールと、
を含む、
ことを特徴とするビーム重み値調整装置。
【請求項16】
非一時的なプロセッサ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記プロセッサ読み取り可能な記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサに請求項1~7のいずれかに記載の方法を実行させる、
ことを特徴とする非一時的なプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
命令が含まれるコンピュータプログラ
ムであって、
前記コンピュータプログラ
ムの命令がプロセッサによって実行される場合、請求項1~7のいずれかに記載の方法のステップを実現する、
ことを特徴とするコンピュータプログラ
ム。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】