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特表2024-524871オプトエレクトロニクスデバイス及びその加工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】オプトエレクトロニクスデバイス及びその加工方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/04 20100101AFI20240702BHJP
   H01S 5/30 20060101ALI20240702BHJP
   H01L 33/32 20100101ALN20240702BHJP
   H01S 5/343 20060101ALN20240702BHJP
【FI】
H01L33/04
H01S5/30
H01L33/32
H01S5/343 610
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575670
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2021065345
(87)【国際公開番号】W WO2022258154
(87)【国際公開日】2022-12-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM International GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エベッケ イェンス
【テーマコード(参考)】
5F173
5F241
【Fターム(参考)】
5F173AF18
5F173AH22
5F173AJ14
5F173AJ20
5F173AP05
5F173AP09
5F173AP52
5F173AR23
5F241AA03
5F241CA05
5F241CA37
5F241CA40
5F241CA48
5F241CA65
5F241CA66
5F241CA72
5F241CA74
(57)【要約】
オプトエレクトロニクスデバイス(1)は、周縁の側壁領域を有する積層体であって、nドープ層(10)と、nドープ層(10)上に堆積された活性領域層(11、12、13)であって、活性領域層(11、12、13)が、中央の第1の部分(25)と、周囲の第2の部分(17)とを有する、活性領域層(11、12、13)とを含む、積層体を含む。活性領域層上にpドープ層(14)が配置され、周囲の第2の部分は、周囲の第2の部分(17)に量子井戸インターミキシングを生じさせるp型ドーパントを含む。さらに、周縁の側壁にある、薄いnドープ表面層(20)が、nドープ層(10)から実質的にpドープ層(14)の上部に向かって延在し、そのため、周縁の側壁領域に実質的に平行であり、周囲の第2の部分及びpドープ層(14)の少なくとも部分的に内部にある人工のpn接合部を形成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプトエレクトロニクスデバイスを加工する方法であって、
-キャリア基板を提供することと、
-前記キャリア基板上にnドープ層を堆積させることと、
-第1のnドープ層上に活性領域層を堆積させることと、
-前記活性領域層上にpドープ層を堆積させることと、
-前記pドープ層上に第1の構造化マスクを形成し、前記第1の構造化マスクの下方の前記活性領域内に第1のエリアを画定することと、
-p型ドーパント、特にZnを、前記活性領域層内に拡散させ、それによって、前記第1のエリアに隣接する第2のエリアに量子井戸インターミキシングを生じさせることと、
-前記活性領域内の前記第1のエリアと、前記第1のエリアに隣接する前記第2のエリアの部分とを覆う第2の構造化マスクを、前記pドープ層上に堆積させることと、
-前記第2のエリアの前記部分に隣接するメサ構造を形成することであって、前記メサ構造が前記第1のnドープ層まで延在し、それによって、前記第1のnドープ層とp型ドーパントドープ領域との間のpn接合部を、その側壁に沿って露出させる、前記形成することと、
-前記側壁に、前記第1のnドープ層から実質的に前記pドープ層の表面まで延在する、薄いn型表面層を作製することと、を含む、前記方法。
【請求項2】
前記第1の構造化マスクが、導電性材料、特にpコンタクト材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記活性領域層を堆積させるステップが、量子井戸または多重量子井戸の層構造を堆積させることを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
活性領域層を堆積させることが、活性層領域構造を堆積させるより前に、前記nドープ層上に、ノンドープ層またはわずかにnドープした層を堆積させることを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
pドープ層を堆積させることが、前記pドープ層を堆積させるより前に、前記活性領域層上に、ノンドープ層またはわずかにpドープした層を堆積させることを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記nドープ層用のドーパントが、
-テルル、
-ケイ素、
-セレン、
からなる群から選択され、
前記pドープ層用のドーパントが、
-マグネシウム、
-亜鉛、
からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
p型ドーパントを拡散させることが、
-前記pドープ層上に第1の温度で前記ドーパントを堆積させることと、
-前記ドーパントを、少なくとも部分的に前記第1の温度よりも高い第2の温度で、前記pドープ層内に拡散させることと、を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
第2の構造化マスクを堆積させることが、
-マスク層、特にSiO層を、前記pドープ層上に、かつ任意選択的に前記第1の構造化マスク上に、堆積させることと、
-前記第1のエリアを取り囲む前記第2のエリアの上方の領域が除去されるように、前記pドープ層上の前記第2のマスクを構造化することと、を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
メサ構造を形成することが、
-前記メサ構造を構築する1つ以上のキャビティを形成するために、前記ドーパントと、前記活性層領域と、前記nドープ領域の一部とを含む前記pドープ層の材料をエッチングすることであって、任意選択的に、前記キャビティの前記側壁が、前記メサ構造における前記nドープ層の底部に関して傾斜している、前記エッチングすること、を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記側壁上に薄いn型表面層を作製することが、
-n型ドーパント、特にTeまたはSeを、前記側壁上に堆積させることと、
-前記堆積させたn型ドーパントを前記側壁表面に拡散させることであって、前記堆積させたドーパントの濃度が、堆積させたドーパントを前記側壁表面に拡散させた後に、前記側壁が、薄いn型表面層を含むように選択される、前記拡散させることと、を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記堆積させるステップが、
-前記側壁表面上に、第1の温度で、前記n型ドーパントを蒸発させ、またはスパッタさせること、
あるいは
-前記側壁表面上に、第1の温度で、有機金属気相成長法によってn型ドーパントを堆積させること、
及び
-前記ドーパントを、少なくとも部分的に前記第1の温度よりも高い第2の温度で、前記側壁表面に拡散させること、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
-周縁の側壁領域を有する積層体であって、
-nドープ層と、
-前記nドープ層上に堆積された活性領域層であって、前記活性領域層が、中央の第1の部分と、周囲の第2の部分とを有する、前記活性領域層と、
-前記活性領域層上に配置されたpドープ層と、
を含み、
前記周囲の第2の部分が、前記周囲の第2の部分に量子井戸インターミキシングを生じさせるp型ドーパントを含む、前記積層体と、
-前記nドープ層から実質的に前記pドープ層の上部に向かって延在し、そのため、前記周縁の側壁領域に実質的に平行であり、前記周囲の第2の部分及び前記pドープ層の少なくとも部分的に内部にある人工のpn接合部を形成する、前記周縁の側壁にある、薄いnドープ表面層と、
を含む、オプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項13】
前記薄いnドープ表面層が、10nm~250nmの範囲、特に50nm~150nmの範囲の厚さを含む、請求項12に記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項14】
前記p型ドーパントが、前記nドープ層の近くまたは中にまで少なくとも部分的に延在して、前記中央の第1の部分を取り囲む人工のpn接合部を形成する、請求項12または13に記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項15】
前記周囲の第2の部分が、少なくとも500nmの横幅を有する、請求項12~14のいずれか1項に記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項16】
前記p型ドーパントがZnを含み、前記nドープ表面層がTeを含む、請求項12~15のいずれか1項に記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項17】
前記nドープ表面層が、前記p型ドーパントと、前記p型ドーパントよりも高濃度のn型ドーパントとを含む、請求項12~15のいずれか1項に記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オプトエレクトロニクスデバイス及びその加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最新のディスプレイ及び他の様々な用途では、側端の長さが数10μm以下の小型オプトエレクトロニクスデバイスが使用されている。このデバイスは、表面積が非常に小さいため、小電流で十分な輝度を得るための独自の課題を生じさせる。いわゆる非放射再結合は、関連する問題であり、損傷のリスクを伴う発熱を制限して、デバイスを流れる電流を多くするには、最小限に抑える必要がある。
【0003】
最近では、非放射再結合を低減するために様々な対策が実施されているが、小型オプトエレクトロニクスデバイス及びその加工方法の効率を向上させることが依然として望まれている。
【0004】
小型及び超小型のオプトエレクトロニクスデバイスを製造する間に、様々なオプトエレクトロニクス構成要素を相互に分離するために、メサ構造が画定され、作り出される。これらのメサ構造に沿って、デバイスを分離することができる。小型及び超小型のデバイスでは、周囲メサとメサ自体の周縁部との間にあるエリアが、エリア/周縁部の比を小さくする。すなわち、オプトエレクトロニクス構成要素の縁端部は、囲みエリアに比べると比較的大きい。
【0005】
その結果、結晶損傷、表面効果及び他の効果により、比較的大量の非放射再結合中心が縁端部に沿って生じる。したがって、放射再結合/非放射再結合の比率によって与えられる量子効率が低下する。上記の効果に対抗するために、Znを拡散させることにより、超小型InGaAlPオプトエレクトロニクスデバイスまたはLEDの効率を高めて、量子井戸インターミキシング(QWI)を達成させることが提案された。
【0006】
そのようなQWIは、後続のプロセスステップで画定されるオプトエレクトロニクスデバイスの外側エリアに属するエリアで発生する。QWIは、メサの縁端部及びデバイスの側壁に近いこの外側エリアで量子井戸のバンドギャップを拡大して、QW内の電荷キャリアが量子井戸の近傍の外側デバイス表面にもはや到達できないようにし、その結果、超小型InGaAlP LEDの効率が向上する。
【0007】
しかし、オプトエレクトロニクスデバイスの外側領域で、以前はn領域であったところにZnを拡散させることにより、Zn拡散領域とnドープ領域との間に、新たな望まないpn接合部が、メサ構造の近傍に再び作製される。この寄生pn接合のメサ表面において、電荷キャリアが、非放射的に再結合する(非放射再結合NRRとも称される)ので、この寄生pn接合は、超小型InGaAlP LEDの効率を低下させる。
【0008】
したがって、本開示の目的は、これらの影響を低減し、オプトエレクトロニクスデバイスの効率を向上させることである。
【発明の概要】
【0009】
本発明者らは、QWIを生成するために、p型ドーパントによって形成される寄生pn接合部が、やはり、特にメサ構造の表面付近のこの周縁部エリアにおいて、非放射再結合NRRを引き起こす可能性があることを認識した。そこで、本発明者は、デバイスの外側面に、追加の非常に薄いnドープ層を作製することを提案する。この層は、nドープ層からpドープ層の初めから終わりまで延在することができ、QWIエリアを覆い、一方の側のnドープ層と、他方の側のpドープ層及びQWIエリアとの間の界面に、人工的なpn接合部を生成する。
【0010】
そのような層は、QWIに使用されている以前のp型ドーパントの濃度を超える濃度のn型ドーパントを導入する追加の拡散ステップで実現することができる。結果として生じる人工的なpn接合部は、以前の構造を上回るいくつかの利点を有する。一つには、今回、pn接合部は(非常に小さなエリアを除いて)材料内に埋設されており、その多くのNRR中心を伴う表面に到達していない。さらに、この追加の拡散ステップによって形成されるpn接合部は、中央の非混合活性領域よりも大きなバンドギャップを有するので、中央のpn接合部は、最初に順方向に開かれる。さらに、nドープ表面層は、既に述べたように、周囲の層と比較して比較的薄い。その結果、電荷キャリアは、薄い表面層を通っていく際に、大きな面積抵抗に対抗する。人工的なpn接合部は、中央のnドープ領域からさらに離れて位置しており、このことは、電荷キャリアが、薄いnドープ表面層またはクラッド層のみを通過できることを意味する。より大きな抵抗のため、薄い表面層を通って人工のpn接合部に流れる電流は著しく減少し、ほとんど無視することができる。いずれにせよ、多くのNRR中心が電荷キャリアから遠く離れており、かつ既に小さい電流のごく一部のみが、残りのNRR中心に近いpn接合部に達する。したがって、人工的に作り出されたpn接合部によってNRRが動かされた構造は、中央領域における放射再結合に寄与して改善をもたらすようになる。
【0011】
この構造は、GaN、AlGaN、InGaAlP材料系に基づく小型オプトエレクトロニクスデバイス、またはデバイスを画定するメサ構造の表面エリアに電荷キャリアが到達するのを防ぐためQWIインターミキシングが使用される任意の系に有用である。
【0012】
本発明のいくつかの態様は、オプトエレクトロニクスデバイスに関する。本デバイスは、周縁の側壁領域を有する積層体であって、nドープ層と、nドープ層上に堆積された活性領域層であって、活性領域層が、中央の第1の部分と、周囲の第2の部分とを有する、活性領域層とを含む、積層体を含む。活性領域層上にpドープ層が配置される。さらに、周囲の第2の部分は、周囲の第2の部分に量子井戸インターミキシングを生じさせる追加のp型ドーパントを含む。最後に、nドープ層から実質的にpドープ層の上部に向かって延在する周縁の側壁に、薄いnドープ表面層が設けられている。薄いnドープ表面層は、周縁の側壁に実質的に平行であり、かつ周囲の第2の部分及びpドープ層の少なくとも部分的に内部にも配置される人工のpn接合部を形成する。
【0013】
その結果、側壁表面はnドープになり、このようなドーピングが、pドープ層と、活性領域のQWI混合エリアとを覆う。前述のように、デバイスの側壁のnドープ表面層によって提供される人工のpn接合部は、大きな面積抵抗を有し、ごく少ない寄生電流のみを流す。デバイス表面のpn接合部の面積は、従来のデバイスにおける側壁でのQWI混合表面領域の比較的大きな面積に比べて、さらに減少している。最後に、pn接合部は、活性領域のバンドギャップと比較して、より大きなバンドギャップを含む。
【0014】
いくつかの態様では、薄いnドープ表面層は、10nm~250nmの範囲、特に50nm~150nmの範囲の厚さを含む。したがって、この厚さは、活性領域と比較して、非常に小さい。量子効果は、電子が表面層を通っていく際に、電子をより小さな寸法に向かわせ、それにより、このエリアを通る電流をさらに減少させ得る。いくつかの態様では、QWIを生じさせるp型ドーパントは、少なくとも部分的にnドープ層の近くまで延在し、またはそれどころかnドープ層の中にまで延在していてもよく、それによって、望ましくないpn接合部を作り出す。このpn接合部は、中央部分を取り囲み、少なくとも500nmの横幅を有し得る。
【0015】
p型ドーパント及びnドープ層によって生成されるpn接合部は、デバイスの表面側壁まで横方向に延在し得る。提案の原理に従ったn型表面層は、このエリアを覆い、側壁の表面にpn接合部が形成されることを防止する。
【0016】
別の態様は、QWI及びn型表面層を生成するために使用される異なるドーパント及び材料に関する。いくつかの態様では、p型ドーパントはZnを含み、nドープ表面層はTeまたはSeを含む。いくつかのさらなる態様では、nドープ表面層はまた、先行の加工ステップの残留物であるp型ドーパントを含む。ただし、n型ドーパントは、p型ドーパントよりも高濃度である。
【0017】
他の態様は、提案する原理に従ってオプトエレクトロニクスデバイスを製造する方法に関する。キャリア基板を提供した後に、キャリア基板上にnドープ層を堆積させる。このプロセスは、表面を滑らかにすること、後続の再接合プロセス用の犠牲層を追加することなど、いくつかの準備するステップを含むことができる。
【0018】
次のステップでは、nドープ層上に、異なる材料及び/または異なるドーパント濃度の各層を堆積させることによって、活性領域層を形成する。活性領域層は、1つ以上の量子井戸を含むことができる。したがって、活性領域層を堆積させる際に、nドープ層上に、異なる材料組成の1つ以上の層であって、その結果、異なるバンドギャップを形成する1つ以上の層を堆積させる。
【0019】
活性領域を形成した後に、活性領域層上にpドープ層を堆積させる。次いで、第1の構造マスクをpドープ層上に形成し、第1の構造化マスクの下方の活性領域内に第1のエリアを画定する。上記の第1のエリアは、後のステップでオプトエレクトロニクスデバイスの活性ゾーンを形成することが意図されている。
【0020】
次のステップでは、第1のエリアを取り囲む活性領域層の一部に、p型ドーパントを拡散させる。p型ドーパントは、Znを含んでもよい。ドーパントの活性領域層への拡散は、第1のエリアに隣接する第2のエリアに量子井戸インターミキシングを生じさせる。拡散プロセスの後、活性領域内の第1のエリアと、第1のエリアに隣接する第2のエリアの部分とを覆う第2の構造化マスクをpドープ層上に堆積させる。次いで、第2のエリアの部分で隣接するメサ構造を形成し、それによって、第1のn型ドープ層から第1のn型ドープ層とp型ドープ領域との間のpn接合部を横切ってp型ドープ層まで延在する側壁を露出させることができる。したがって、メサ構造は、p型ドーパントを拡散させた部分であるデバイスの第2のエリア内にデバイスの側面を露出させる。
【0021】
提案する原理によれば、側壁に、第1のnドープ層から、実質的にpドープ層の表面まで延在する、薄いn型表面層を生じさせる。側壁の表面から分離した薄い表面層によって、人工的にpn接合部を作り出す。具体的に、薄層はメサ構造の側壁上のQWIエリアを覆う。
【0022】
その後、結果として生じるメサ構造を、一時的なキャリア上に再接合させて、nドープ層へのアクセスを得ることができる。半導体材料を保護するために、nコンタクトを付けて、絶縁層を堆積させることができる。いくつかの態様では、第1の構造化マスクが、後でpコンタクトに使用される導電性材料を既に含んでいてもよい。同様に、nドープ層及びpドープ層の両方に、追加の高度にドープされた電流分布層が設けられてもよい。
【0023】
いくつかの他の態様では、活性領域層は、活性層領域構造を堆積させるより前に、nドープ層上に、ノンドープ層またはわずかにnドープした層を含む。この層は、活性層領域を形成するより前に堆積させることができる。いくつかの他の態様では、pドープ層を堆積させることは、pドープ層を堆積させるより前に、活性領域層上に、ノンドープ層またはわずかにpドープした層を堆積させることを含む。
【0024】
種々のドーパントについては、以下の元素、テルル、ケイ素、セレン、マグネシウム及び亜鉛のうちの1つ以上を使用することができる。当業者であれば、他の適切な元素または元素の組み合わせを使用することに気付く可能性がある。ドープされた層またはドープされていない層の材料の堆積は、MBE、MOCVD、MOVPE、イオン堆積、及び他の適切なプロセスによって実施することができる。
【0025】
他の態様は、様々な堆積プロセス中のさらなるパラメータに関する。いくつかの態様では、p型ドーパントを拡散させることはいくつかのステップを含むことができる。第1のステップでは、pドープ層上に、第1の温度で、ドーパントを堆積させる。次いで、ドーパントを、少なくとも部分的に第1の温度よりも高い第2の温度で、pドープ層内に拡散させる。これにより、拡散深度のより良好な制御を提供することができる。
【0026】
いくつかの他の態様では、第2の構造化マスクを堆積させることは、マスク層、特にSiO層をpドープ層上に、かつ任意選択的に第1の構造化マスク上に、堆積させるステップを含む。次いで、第1のエリアを取り囲む第2のエリアの投影において構造化マスクの要素が除去されるように、pドープ層上の第2のマスクを構造化する。
【0027】
いくつかの他の態様では、メサ構造を、例えば、ドーパント、活性層領域及びnドープ領域の一部を含むpドープ層のエッチング材料によって形成して、1つ以上のキャビティを形成する。これらのキャビティは、デバイス材料を取り囲み、したがってメサ構造を形成することができる。いくつかの態様では、キャビティの側壁は、メサ構造におけるnドープ層の底部に関して傾斜している。この場合、デバイスは角錐台を形成してもよい。
【0028】
いくつかのその他の態様は、デバイスの側壁への薄い表面層の形成に関する。n型ドーパント、特にTeまたはSeを、第1の温度で側壁に提供することができる。次のステップでは、堆積させたn型ドーパントを、第2の温度で側壁表面に拡散させる。ここでは、堆積させたドーパントの濃度が、堆積させたドーパントを側壁表面に拡散させた後に、側壁が、薄いn型表面層を含むように選択される。拡散プロセスの場合、第2の温度は、少なくともしばらくの間、第1の温度よりも高くてもよい。
【0029】
堆積プロセスは、様々なアプローチを含み得る。例えば、n型ドーパントを、側壁表面上の第1の温度で蒸発させ、またはスパッタさせることができる。これに代えて、n型ドーパントを、有機金属気相成長法により、第1の温度で、側壁表面上に堆積させてもよい。さらに代替として、側壁にn型ドーパントを注入するために、イオン堆積を使用してもよい。
【0030】
提案する原理によるさらなる態様及び実施形態は、添付の図面に関連して詳細に説明される様々な実施形態及び実施例との関連で明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】従来のオプトエレクトロニクスデバイスを示す。
図2】提案する原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクスデバイスを例示する。
図3】提案する原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクスデバイスの別の実施形態を示す。
図4】提案する原理のいくつかの態様による製造プロセス中の中間構造を示す。
図5】提案する原理のいくつかの態様による製造プロセスの後続ステップを例示する。
図6】提案する原理のいくつかの態様による、2つのさらなる製造プロセスステップ後の中間構造を例示する。
図7】提案する原理のいくつかの態様による製造プロセスの後続ステップを示す。
図8】提案する原理のいくつかの態様によるオプトエレクトロニクスデバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の実施形態及び実施例は、提案する原理による異なる態様及びそれらの組み合わせを開示する。実施形態及び実施例は、必ずしも正確な縮尺ではない。同様に、個々の態様を強調するために、異なる要素を拡大または縮小して表示する場合がある。図に示した実施形態及び実施例の個々の態様は、これが本発明による原理と矛盾することなく、それ以上説明せずに、互いに組み合わせることが可能であることは自明である。いくつかの態様は規則的な構造または形態を示す。実際には、本発明の着想と矛盾することなく、理想形とのわずかな違いや理想形からの逸脱が生じることがあることに留意されたい。
【0033】
さらに、個々の図面及び態様は、必ずしも正しい大きさで示されているわけではなく、個々の要素間の比率も本質的に正しい必要はない。いくつかの態様は、それらを拡大して示すことによって強調される。しかしながら、「上」、「上」、「下」、「より大きい」、「より小さい」などの用語は、図中の要素に関して正しく表されている。したがって、要素間のそのような関係を図に基づいて推定することができる。
【0034】
「~に堆積させる」という表現は直接堆積を意味するのではなく、大まかな方向を示すものとする。したがって、第1の層を第2の層に堆積させることは、直接堆積を意味する場合があるが、その間に1つ以上の追加の層を伴う堆積を意味する場合もある。「ドープ層」の表現は、ドーパントの濃度が一定であることに限定されるのではなく、成長方向に沿ったドーパント勾配、急激な変化、または他の任意のドーパントプロファイルも含む。「p型」または「n型」ドーパントは、対応するpドープ領域またはnドープ領域をもたらすドーパントである。一般に、提案する原理から逸脱せずに、成長方向を逆にするだけでなく、ドーパントの種類を交換することもできることに留意されたい。
【0035】
図1は、従来のオプトエレクトロニクスデバイスであって、量子井戸インターミキシングQWIに起因して電荷キャリアの非放射再結合が低減される、オプトエレクトロニクスデバイスを示す。
【0036】
デバイスは、層10、11~13及び14を有する積層体としての本体を含む。層10は、nドープ材料、例えば、GaN、GaInN、AlGaInNまたは類似の材料系を含む。nドープ層10は、nコンタクト16を用いて電気的に接触させる。オプトエレクトロニクスデバイスはまた、それぞれの中央に互いに重なり合う層11、12及び13を含む活性領域としての量子井戸構造を含む。量子井戸層12とnドープ層10との間に配置される層11は、nドープ層10と同じ基材の真性層である。量子井戸層12は、互いに積み重ねられた1つ以上の量子井戸を含むことができる。第2の真性層13は、量子井戸層12の上に配置されている。第1の真性層と同様に、第2の真性層はpドープ層13と同じ基材を含み、このpドープ層13上にpコンタクト15が堆積されている。
【0037】
図1によるオプトエレクトロニクスデバイスは、非常に小さい発光表面積を含み、数μm、例えば3μm~15μmの範囲の側端長を含むことができる。したがって、活性エリアの高さまたはこれに近い高さでのデバイスの側壁に沿った外周部は、主エリアと比較して比較的大きい。その結果、エリア22におけるデバイスの側壁の近くで、格子不整合、不純物または他の影響に起因して、非放射再結合が起こり得る。
【0038】
したがって、従来のデバイスは、非放射再結合中心22に近い周縁エリアで例示されているように、量子井戸インターミキシング17を実装する。量子井戸インターミキシング17は、オプトエレクトロニクスデバイスの放射再結合が行われる中央エリア25を取り囲むエリアに拡散される追加のp型ドーパントによって達成される。
【0039】
しかしながら、ライトニングシンボルによって示されるように、pドープエリア17及びnドープ層10は、残存pn接合部を形成し、この残存pn接合部は、部分的には、オプトエレクトロニクスデバイスの材料内にあるが、ライトニングシンボルによって表される表面で、デバイスの周りに横方向にも延在している。非放射再結合中心は量子井戸インターミキシングエリア17によって一般に低減されるが、特に側壁の近くの残存pn接合部は、非放射再結合の新たな中心を生成する。その結果、量子井戸インターミキシングによって改善が達成されるが、新たに生成される中心22により、人工的なpn接合部が新たに形成されるので、オプトエレクトロニクスデバイスの性能がさらに低下することになる。この人工的なpn接合部は、量子井戸層12を含む中央活性領域のバンドギャップに比べて大きいバンドギャップを含み得るが、それにもかかわらず非放射再結合を起こし得る。
【0040】
非放射再結合の量をさらに低減させるために、本発明者は、nドープ層10から量子井戸混合領域17全体にわたってpドープ層14まで延在する追加の小規模なnドープ層を、オプトエレクトロニクスデバイスの側壁に堆積させることを提案する。そのようなオプトエレクトロニクスデバイスのそれぞれの実施形態を、図2にその構造を用いて例示する。薄いnドープ表面層20は、オプトエレクトロニクスデバイスの側壁を覆い、nドープ層10からpドープ層14の上面まで延在する。その結果、nドープ層からpドープ層14の上面に向かって延在し、それによって量子混合エリア17を横切る人工的なpn接合部が作製される。ただし、作製されたpn接合部は、ここでは、オプトエレクトロニクスデバイス自体の材料内に埋設されている。pドープ層の上面では、人工的なpn接合部が表面まで延在しており、したがって、pドープ層の上面に非放射再結合中心22が形成される。
【0041】
前の実施形態とは異なり、薄いnドープ表面層21は、従来の解決策を上回るいくつかの利点を有する。一つには、非放射再結合に曝され、または主として非放射再結合に関与する表面積は、従来の実施形態と比較して著しく小さい。加えて、薄い表面層21は、比較的大きな表面抵抗を有し、その結果、pn接合部を流れる電流が極めて少なくなる。これに関して、薄い表面層とpドープ材料とによって作製されるpn接合部は、多重量子井戸層12よりも広いバンドギャップを有することに留意されたい。このより大きなバンドギャップは、薄い表面層21のより大きな表面抵抗と相まって、人工的なpn接合部を流れる電流をごく少なくし、具体的に、pドープ層14の上面で非放射再結合中心を伴う上面に到達する電荷キャリアの数がさらに減少する。
【0042】
図3は、提案した原理のいくつかの態様による、より詳細な実施例を例示する。この実施形態では、nドープ層10は、量子井戸混合領域17の界面にドーパントとしてTeを含み、これはp型ドーパント、すなわちZnによって生成される。メサ構造の側壁の表面上に、nドープ材料層を含む薄い表面層を堆積させる。薄い表面層は、Teドープ層10とZnドープエリアとの間のpn接合界面の非放射再結合中心を覆う。nドープ材料層20は、ドーパントとしてTeを含み、量子井戸インターミキシングドーパント18と比較して高いドーピング濃度を有する。薄い表面層20の厚さxは、数10nmから約300nm~700nmの範囲であり、量子井戸混合エリアよりも著しく小さい。薄層20と、ここで多重量子井戸層12によって与えられるオプトエレクトロニクスデバイスの活性領域25との間の量子井戸混合エリア17の距離dは、より著しく大きく、約100nm~1.5μmの範囲であり得る。
【0043】
図4図8は、提案する原理による製造方法の様々なステップを例示する。
【0044】
図4では、オプトエレクトロニクスデバイスが基板9上に配置されている。基板9上に製造する目的で、第1のnドープ層10aを堆積させる。nドープ層10aは、後の再接合ステップのために1つ以上の犠牲層(本明細書には明示的に示されていない)を含むことができ、さらに、異なる濃度のドーパントを有する層を含むことができる。この実施形態では、ドーパントとしてTeを使用するが、それぞれの基材に適した他のドーパントを使用することもできる。nドープ層10aは、高nドープ電流分布層を含む。
【0045】
nドープ層10aの上に、層10aと同じ基材を含む第1の真性層11を堆積させる。この堆積は、基材を(MOCVDもしくはMOVPEまたは他の適切な堆積プロセスを使用して)成長させ、それぞれのTeドーパントを適切な濃度に調整することによる連続的なステップで行うことができる。次に、真性層11上に多重量子井戸層12を堆積させて配置し、その後に第2の真性層13が続く。第2の真性層13は、以下のpドープ層14と同じ基材を含む。Pドープ層14は、例えば電流分布に適した1つ以上の追加の層を含んでもよい。層10a及び11の堆積と同様に、MOVCD、MOVPEまたは他の適切なプロセスを使用して、かつそれぞれのドーパント濃度を調整して、層13及びpドープ層14を堆積させる。
【0046】
既存の積層体を、例えばMOCVD、MOVPE等のような様々な堆積方法を使用して製造し、加工することができる。pドープ層14を堆積させた後、pドープ層14の上面に第1の構造化マスクを配置する。このために、pドープ層14上にGaAsの層を堆積させ、続いて、ガリウムヒ素材料が、後で活性領域を形成する多重量子井戸層12のエリアを覆って残存するように構造化する。その結果、GaAs層15aはマスクとして機能する。
【0047】
構造化されたGaAsマスク15aは、後のステップにおいてpコンタクトとして使用することもでき、その面積抵抗を減らすために高度にドープされる。GaAsマスク15aを構造化した後、第1のステップで、p型ドーパント18、この実施例ではZn18を、pドープ層14の露出した表面の上に第1の温度で堆積させる。その後、Znドーパント18を、第1の温度よりも高い第2の温度でpドープ層14中に拡散させ、それにより、活性領域を取り囲むエリア内に追加のドーパントを作製する。この拡散プロセスは、それに続く任意選択の、さらに別の温度でのアニーリングステップと共に、量子井戸インターミキシングが行われるエリア17を生成する。量子井戸混合エリアは、活性領域25を取り囲む。
【0048】
取り囲まれた領域25は、真性層13、量子井戸層12及び第2の真性層11の部分を含む。さらに、図4に例示するように、ドーパント濃度は少なくとも部分的にnドープ層領域10a内へ拡散することになり、これにより、少なくとも真性部分の拡張をもたらし、場合によっては、nドープ層10aと量子井戸混合エリア17との間に人工的なpn接合部を生じさせる。
【0049】
図5において、p型コンタクト15を、GaAsコンタクト層15a上にITOのような透明導電性材料を層15bとして堆積させることによって、さらに処理する。
【0050】
次に、図6によれば、pコンタクト15を覆うオプトエレクトロニクスデバイスの表面の一部と、隣接するpドープ層14の周囲部分との上に、第2の構造化マスク23を設ける。ハードマスク23は、SiO、または図6に例示される後続のメサ構造化ステップに対して耐性を有する他の適切な材料を含むことができる。
【0051】
メサ構造化ステップ中に、エッチングプロセスを適用し、これによって、量子井戸混合エリア17、nドープ層14及びnドープ層10aの一部を除去し、その結果、pドープ層14の上部からnドープ層10aに至るまでオプトエレクトロニクスデバイスの側端を露出させる。その結果として、オプトエレクトロニクスデバイスは、活性領域層に隣接する量子井戸混合エリア17を露出する側壁を含む。さらに、本明細書に示すように、側壁は傾斜していてもよいが、傾斜は、実施される製造方法及びエッチングステップに依存し得る。
【0052】
続くステップでは、次に、側壁にn型ドーパントを堆積させ、続いて、オプトエレクトロニクスデバイスの側壁及びそのメサ構造の側壁に拡散させる。Teまたは他の任意の適切なn型ドーパントが使用される。拡散プロセスは、表面近接エリア内でドーパント濃度を変化させることになり、その結果、nドープ層10aから量子井戸混合エリア17を越えてpドープ層14の表面のハードマスクまで延在する、薄いnドープ表面層20が得られる。nドーパントの濃度は、量子井戸混合エリア17内の導電型、及び表面におけるpドープ層14内の導電型が、p型材料からn型材料に変化するように選択される。その結果、一方の側の薄い表面層20と、他方の側の量子井戸混合エリア17及びpドープ層14との間の界面に、人工的なpn接合部が生成される。このpn接合部は、オプトエレクトロニクスデバイスの材料内に埋設されている。この人工的に作製されたpn接合部のバンドギャップは、量子井戸層12内のバンドギャップよりも大きい。さらに、表面層20の厚さはごく小さいため、pn接合部の活性領域内に移動する可能性のある電荷キャリアに対して、高い表面抵抗を発生させる。
【0053】
したがって、人工的に作製されたpn接合部を流れる残留電流は、量子井戸層12を流れる電流と比較して非常に少ない。さらに、提案する原理によれば、あらゆる非放射再結合中心が、側壁及び量子井戸混合エリア17とnドープ層10aとの境界面から、pドープ層14の上面に移動する。すなわち、中心は、薄い表面層を有しない従来の解決策よりも、活性領域からかなり離れて位置する。側壁の傾斜のため、非放射再結合エリアは従来の解決策よりも小さくなる。さらに、表面抵抗が高いため、人工的に作り出されたpn接合部には、ごく少ない電流しか流れず、上部にある非放射再結合中心に到達する電流はさらに少なくなる。
【0054】
図8は、提案する原理による、さらなる方法ステップを例示する。オプトエレクトロニクスデバイスを、一時的な支持体であるキャリア9aに再接合させ、キャリア9aに取り付ける。続くステップでは、メサ構造が開放され、オプトエレクトロニクスデバイスが分離されるまで、nドープ層10aの材料を除去する。オプトエレクトロニクスデバイスの分離後、nドープ層10の表面にコンタクト16を付ける。
【符号の説明】
【0055】
1 オプトエレクトロニクスデバイス
9、9a キャリア基板
10 nドープ層
10a nドープ層
11 真性層
12 活性領域、量子井戸
13 真性層
14 pドープ層
15 pコンタクト
15a 第1の構造化マスク、コンタクト層
15b 導電層
16 nコンタクト
17 QWIエリア
18 p型ドーパント拡散領域
18’ ガス状p型ドーパント
20 nドープ表面層
21、22 非放射再結合中心
23 2の構造化マスク
30 キャビティ、メサ構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプトエレクトロニクスデバイスを加工する方法であって、
-キャリア基板を提供することと、
-前記キャリア基板上にnドープ層を堆積させることと、
-第1のnドープ層上に活性領域層を堆積させることと、
-前記活性領域層上にpドープ層を堆積させることと、
-前記pドープ層上に第1の構造化マスクを形成し、前記第1の構造化マスクの下方の前記活性領域内に第1のエリアを画定することと、
-p型ドーパントを、前記活性領域層内に拡散させ、それによって、前記第1のエリアに隣接する第2のエリアに量子井戸インターミキシングを生じさせることと、
-前記活性領域内の前記第1のエリアと、前記第1のエリアに隣接する前記第2のエリアの部分とを覆う第2の構造化マスクを、前記pドープ層上に堆積させることと、
-前記第2のエリアの前記部分に隣接するメサ構造を形成することであって、前記メサ構造が前記第1のnドープ層まで延在し、それによって、前記第1のnドープ層とp型ドーパントドープ領域との間のpn接合部を、その側壁に沿って露出させる、前記形成することと、
-前記側壁に、前記第1のnドープ層から実質的に前記pドープ層の表面まで延在する、薄いn型表面層を作製することと、を含む、前記方法。
【請求項2】
前記第1の構造化マスクが、導電性材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記活性領域層を堆積させるステップが、量子井戸または多重量子井戸の層構造を堆積させることを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
活性領域層を堆積させることが、活性層領域構造を堆積させるより前に、前記nドープ層上に、ノンドープ層またはわずかにnドープした層を堆積させることを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
pドープ層を堆積させることが、前記pドープ層を堆積させるより前に、前記活性領域層上に、ノンドープ層またはわずかにpドープした層を堆積させることを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記nドープ層用のドーパントが、
-テルル、
-ケイ素、
-セレン、
からなる群から選択され、
前記pドープ層用のドーパントが、
-マグネシウム、
-亜鉛、
からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
p型ドーパントを拡散させることが、
-前記pドープ層上に第1の温度で前記ドーパントを堆積させることと、
-前記ドーパントを、少なくとも部分的に前記第1の温度よりも高い第2の温度で、前記pドープ層内に拡散させることと、を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
第2の構造化マスクを堆積させることが、
-マスク層を、前記pドープ層上に、かつ前記第1の構造化マスク上に、堆積させることと、
-前記第1のエリアを取り囲む前記第2のエリアの上方の領域が除去されるように、前記pドープ層上の前記第2のマスクを構造化することと、を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
メサ構造を形成することが、
-前記メサ構造を構築する1つ以上のキャビティを形成するために、前記ドーパントと、前記活性層領域と、前記nドープ領域の一部とを含む前記pドープ層の材料をエッチングすることであって、前記キャビティの前記側壁が、前記メサ構造における前記nドープ層の底部に関して傾斜している、前記エッチングすること、を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記側壁上に薄いn型表面層を作製することが、
-n型ドーパントを、前記側壁上に堆積させることと、
-前記堆積させたn型ドーパントを前記側壁表面に拡散させることであって、前記堆積させたドーパントの濃度が、堆積させたドーパントを前記側壁表面に拡散させた後に、前記側壁が、薄いn型表面層を含むように選択される、前記拡散させることと、を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記堆積させるステップが、
-前記側壁表面上に、第1の温度で、前記n型ドーパントを蒸発させ、またはスパッタさせること、
あるいは
-前記側壁表面上に、第1の温度で、有機金属気相成長法によってn型ドーパントを堆積させること、
及び
-前記ドーパントを、少なくとも部分的に前記第1の温度よりも高い第2の温度で、前記側壁表面に拡散させること、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
-周縁の側壁領域を有する積層体であって、
-nドープ層と、
-前記nドープ層上に堆積された活性領域層であって、前記活性領域層が、中央の第1の部分と、周囲の第2の部分とを有する、前記活性領域層と、
-前記活性領域層上に配置されたpドープ層と、
を含み、
前記周囲の第2の部分が、前記周囲の第2の部分に量子井戸インターミキシングを生じさせるp型ドーパントを含む、前記積層体と、
-前記nドープ層から実質的に前記pドープ層の上部に向かって延在し、そのため、前記周縁の側壁領域に実質的に平行であり、前記周囲の第2の部分及び前記pドープ層の少なくとも部分的に内部にある人工のpn接合部を形成する、前記周縁の側壁にある、薄いnドープ表面層と、
を含む、オプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項13】
前記薄いnドープ表面層が、10nm~250nmの範囲、特に50nm~150nmの範囲の厚さを含む、請求項12に記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項14】
前記p型ドーパントが、前記nドープ層の近くまたは中にまで少なくとも部分的に延在して、前記中央の第1の部分を取り囲む人工のpn接合部を形成する、請求項12または13に記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項15】
前記周囲の第2の部分が、少なくとも500nmの横幅を有する、請求項12~14のいずれか1項に記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項16】
前記p型ドーパントがZnを含み、前記nドープ表面層がTeを含む、請求項12~15のいずれか1項に記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【請求項17】
前記nドープ表面層が、前記p型ドーパントと、前記p型ドーパントよりも高濃度のn型ドーパントとを含む、請求項12~15のいずれか1項に記載のオプトエレクトロニクスデバイス。
【国際調査報告】