IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンクの特許一覧

特表2024-524879端子アプリケータをカセットに装着する装置
<>
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図1
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図2
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図3
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図4
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図5
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図6
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図7
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図8
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図9
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図10
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図11
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図12
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図13
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図14
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図15
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図16
  • 特表-端子アプリケータをカセットに装着する装置 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】端子アプリケータをカセットに装着する装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/055 20060101AFI20240702BHJP
   H05K 7/12 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H01R43/055
H05K7/12 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575875
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 IB2022055389
(87)【国際公開番号】W WO2022259207
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】17/342,940
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100229736
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 剛
(72)【発明者】
【氏名】スタル,デイヴィッド マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ハウザー,マシュー スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】デパスカル,ジャック
【テーマコード(参考)】
4E353
5E063
【Fターム(参考)】
4E353AA05
4E353AA17
4E353DD08
4E353DR04
4E353DR24
4E353GG21
5E063CB11
5E063CC04
5E063XA05
5E063XA14
(57)【要約】
複数の端子を含むカセット(14、180)に電気端子アプリケータ(12)を装着するためのシステム(10)が提供される。システム(10)は、アプリケータ(12)に固定的に取り付けるための支持プレート(110)と、支持プレートに解放可能に取り付けられるヨーク(150)とを含む。ヨーク(150)および支持プレート(110)は、取り付け済み状態においてヨークに対する支持プレートの少なくとも1つの運動自由度を提供する取付け部をその間に画定する。ヨーク(150)はさらに、少なくとも1つのさらなる運動自由度でカセット(14)に移動可能に装着されるように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気端子アプリケータ支持プレート(110)であって、
装着部(123)を画定する突出部または凹部のうちの少なくとも1つを含む本体(112)と、
前記支持プレート(110)をカセット(14)に取り外し可能に取り付けるために前記装着部(123)に配置されているロック要素(128)と
を備え、
前記ロック要素および前記装着部は、前記カセットに取り付けられたときの前記支持プレートの前記カセットに対する少なくとも1つの運動自由度を提供する、
電気端子アプリケータ支持プレート(110)。
【請求項2】
前記装着部(123)は、前記本体(112)の第1の端部に画定され、前記カセット(14)と結合される相補的な装着突出部(164)を受け入れるようなサイズを有する凹部を備える、請求項1に記載の電気端子アプリケータ支持プレート(110)。
【請求項3】
前記ロック要素(128)は、少なくとも部分的に前記凹部(123)内に配置され、ロック位置とロック解除位置との間で組付け方向を横切る方向に移動可能な可動端部を含む、請求項2に記載の電気端子アプリケータ支持プレート(110)。
【請求項4】
前記ロック要素(128)の前記可動端部は、前記支持プレート(110)に弾性的に装着され、前記ロック位置へと付勢されている、請求項3に記載の電気端子アプリケータ支持プレート(110)。
【請求項5】
前記ロック要素(128)は、ばね荷重ボールデテントを備える、請求項4に記載の電気端子アプリケータ支持プレート(110)。
【請求項6】
前記ロック要素(128)は、前記凹部(123)のそれぞれの対向する壁(124、126)から延び、前記カセット(14)と結合される第1の窪み(168)および第2の窪み(168)のそれぞれと係合するように構成されている第1のロック要素(128)および第2のロック要素(128)を備える、請求項2に記載の電気端子アプリケータ支持プレート(110)。
【請求項7】
前記本体(112)は、前記本体の第1の端部(122)と第2の端部(122)との間で延び、前記カセット(14)と結合されるそれぞれのチャネル(157、159)に摺動可能に受け入れられるようなサイズを有する一対の装着フランジ(114、116)を画定する、請求項1に記載の電気端子アプリケータ支持プレート(110)。
【請求項8】
前記本体(112)により画定され、前記アプリケータに対する前記支持プレート(110)の位置を固定するための、前記アプリケータ(12)と結合される対応する機構(17)と係合するように構成されているアプリケータ装着機構(118)をさらに備える、請求項7に記載の電気端子アプリケータ支持プレート(110)。
【請求項9】
前記アプリケータ装着機構(118)は、前記本体(112)を通して形成され、前記本体(120)の第2の端部から前記第2の端部の反対側にある前記第1の端部(122)の方向に延びるスロットを備え、前記スロット(118)は、前記アプリケータ(12)と結合される締結要素(17)を受け入れるようなサイズを有する、請求項8に記載の電気端子アプリケータ支持プレート(110)。
【請求項10】
複数の端子を含むカセット(14)に電気端子アプリケータ(12)を装着するためのシステム(10)であって、
前記アプリケータ(12)と結合される(110)第1の部材と、
前記カセット(14)と結合し、前記第1の部材(110)に解放可能に取り付け可能である第2の部材(150)と
を備え、
前記第1の部材および前記第2の部材は、取り付け済み状態において前記第2の部材(150)に対する前記第1の部材(110)の少なくとも1つの自由度を提供する第1の可動取付け部(123、164)をその間に画定する、
システム(10)。
【請求項11】
前記第1の部材(110)は、前記アプリケータ(12)に固定的に取り付けるための支持プレートを備え、前記第2の部材(150)は、前記支持プレートに解放可能に取り付けられているヨークを備え、
前記支持プレートと前記ヨークとの間の前記第1の可動取付け部(123、164)は、ロック要素(128)を備え、前記ロック要素は、前記支持プレートが前記ヨークに対して移動することに伴ってロック位置とロック解除位置との間で付勢される、
請求項10に記載のシステム(10)。
【請求項12】
前記ヨーク(150)は、前記ヨークの本体(152)から延びる一対の装着アーム(156、158)を備え、各装着アームは、2つの前記装着アームの間に画定されている開口部(160)に受け入れられている前記支持プレート(110)と係合するように構成されているチャネル(157、159)を画定し、
前記支持プレートは、組付け方向において前記ヨークの前記装着アームに形成されているそれぞれの前記チャネルのうちの1つに挿入可能であるようなサイズを各々が有する一対の装着フランジ(114、116)を画定する本体(112)を備える、
請求項11に記載のシステム(10)。
【請求項13】
前記ヨーク(150)は、前記本体(152)から前記開口部(160)へと延びる支持プレート装着突出部(164)を含み、
前記支持プレート(110)は、その第1の端部に、前記支持プレートが前記ヨークに取り付けられたときに前記ヨークの前記装着突出部を受け入れるようなサイズを有する凹部(123)を画定する、
請求項12に記載のシステム(10)。
【請求項14】
前記装着突出部(164)は、前記支持プレート(110)を前記ヨーク(150)に選択的に取り付けるために前記ロック要素(128)の可動端部を受け入れるように構成されている(168)窪みを含み、
前記ロック要素の前記可動端部は、少なくとも部分的に前記凹部内に配置され、前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で前記組付け方向を横切る方向に移動可能である、
請求項13に記載のシステム(10)。
【請求項15】
前記ロック要素(128)の前記可動端部は、前記支持プレート(110)に弾性的に装着され、前記ロック位置へと付勢される、請求項14に記載のシステム(10)。
【請求項16】
前記ヨーク(150)に旋回可能に取り付けられているヨーク装着ブロック(180)をさらに備え、前記ヨーク装着ブロックは、前記カセット(14)に固定可能に取り付けられるように構成されている、請求項11に記載のシステム(10)。
【請求項17】
前記ヨーク(150)は、少なくとも1つの弧状スロット孔(182)を備え、
前記ヨーク装着ブロック(180)は、前記ヨーク装着ブロックが前記孔により画定される方向において前記ヨークに対して移動可能であるように、前記スロット孔を通して配置されている留め具により前記ヨークに取り付けられている、
請求項16に記載のシステム(10)。
【請求項18】
前記ヨーク装着ブロック(180)は第1の孔(194)を備え、前記第1の孔(194)は、前記第1の孔および第2の孔を通して配置されている留め具(200)により前記ヨーク(150)を前記ヨーク装着ブロックに対して中心に配するために、前記ヨーク(177)における対応する前記第2の孔と位置合わせされるように構成されている、請求項16に記載のシステム(10)。
【請求項19】
複数の端子を含むカセット(14)に端子アプリケータ(12)を装着するためのヨーク(150)であって、
組付け方向において前記アプリケータ(12)の支持プレート(110)を受け入れるための開口部(160)を間に画定する第1の装着アーム(156)および第2の装着アーム(158)と、
前記開口部(160)内に配置されている前記支持プレート(110)に選択的に取り付けられるように構成されている装着部(164)と
を含み、
前記装着部は、前記ヨーク(150)に取り付けられたときの前記支持プレートの前記ヨーク(150)に対する少なくとも2つの運動自由度を提供する、
ヨーク(150)。
【請求項20】
前記ヨークを前記カセット(14)に対して旋回可能に装着するための留め具を受け入れるようなサイズを有する少なくとも1つのスロット孔(182)をさらに備える、請求項19に記載のヨーク(150)。
【請求項21】
複数の端子を含むカセット(14)に電気端子アプリケータ(12)を装着するためのシステムであって、
前記アプリケータ(12)に固定的に取り付けるための支持プレート(210、310、410、510)と、
前記カセット(14)と結合し、前記支持プレート(210、310、410、510)を装着アームの間に解放可能に捕捉するために閉位置と開位置との間で互いに対して移動可能な一対の対向する装着アーム(262、264、362、364、462、464、562、564)を含む把持アセンブリ(250、350、450、550)と
を備え、
前記支持プレート(210、310、410、510)は、前記閉位置において前記装着アーム(262、264、362、364、462、464、562、564)の間に保持された場合に、前記カセット(14)に対する複数の運動自由度を保有する、
システム。
【請求項22】
前記支持プレート(210、310、410、510)は、前記アプリケータに対する前記支持プレートの位置を固定するための、前記アプリケータ(12)と結合される対応する締結要素(17)を受け入れるように構成されているスロット(118)を画定する、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記把持アセンブリ(250、350、450、550)は、前記一対の装着アームの第1の装着アーム(262、362、462、562)を画定する第1の側部(258、358、458)と、前記一対の装着アームの第2の装着アーム(264、364、464、564)を画定する第2の側部(259、359、459)とをさらに備え、前記第1の側部および前記第2の側部は、前記装着アームを前記閉位置と前記開位置との間で移動させるために互いに対して回転可能である、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記把持アセンブリ(250、350、450、550)は、前記装着アーム(262、362、462、562、264、364、464、564)を前記閉位置へと付勢する弾性要素(261)をさらに備える、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記弾性要素(261)は、前記把持アセンブリ(250、350、450、550)の前記第1の側部(258、358、458)と前記第2の側部(259、359、459)との間に配置されている圧縮ばねを備える、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記把持アセンブリ(250、350、450、550)は、前記装着アーム(262、362、462、562、264、364、464、564)を前記閉位置に選択的に固定するためのロックメカニズム(270、370)をさらに備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記弾性要素(261)の付勢力に逆らって前記第1の装着アーム(262、362、462、562)および前記第2の装着アーム(264、364、464、564)を前記閉位置から前記開位置へと付勢するように動作するアクチュエータ(300)をさらに備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記アクチュエータ(300)は、カムを回転させるためのロータリアクチュエータを備え、前記カムは、前記装着アーム(262、362、462、562、264、364、464、564)を前記開位置へと付勢するために前記把持アセンブリ(250、350、450、550)の前記第1の側部(258、358、458)および前記第2の側部(259、359、459)と係合する、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記把持アセンブリ(250、350、450、550)は、単一の向きのみにおいて前記支持プレート(210、310、410、510)を受け入れるようなサイズを有する、請求項21に記載のシステム。
【請求項30】
前記把持アセンブリ(250、350、450、550)および前記支持プレート(210、310、410、510)は、前記把持アセンブリ内での設置済み位置における前記支持プレートと係合する相補的なキーイング機構(252、254、256、222、224、226、421、414、515、520)を画定する、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記キーイング機構(256、226)は、前記把持アセンブリ(250)内における前記支持プレート(210)の挿入方向を概して横切る方向において対向する面を画定する、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記キーイング機構(515、520)は、前記挿入方向に概して平行な方向において対向する面を画定する、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記支持プレート(510)が前記把持アセンブリ(550)の前記装着アーム(562、564)の間に配置された状態において、前記キーイング機構(525、520)は、前記閉位置への前記装着アームの移動、または前記開位置への前記装着アームの移動のうちの一方を防止する、請求項30に記載のシステム。
【請求項34】
前記キーイング機構(256、226)は、前記把持アセンブリ(250)の前記装着アームが前記閉位置にある状態において、前記支持プレートの挿入方向の反対方向における前記支持プレート(210)の動きを防止する、請求項30に記載のシステム。
【請求項35】
前記キーイング機構(421)は、前記第1の側部(458)および前記第2の側部(459)の各々に画定されているフック形状突出部と、前記支持プレート(410)に画定されている突出ヘッド(414)とを備え、前記突出ヘッドは、前記装着アーム(462、464)が前記閉位置にある状態において、前記フック形状突出部の間に捕捉される、請求項30に記載のシステム。
【請求項36】
複数の端子を含むカセット(14)に端子アプリケータ(12)を装着するための把持アセンブリ(250、350、450、550)であって、
第1の装着アーム(262、362、462、562)を画定する第1の側部(258、358、458)と、
第2の装着アーム(264、364、464、564)を画定する第2の側部(259、359、459)であって、前記第1の装着アームおよび前記第2の装着アームは、前記アプリケータ(12)と結合される支持プレート(210、310、410、510)をその間に解放可能に捕捉するために閉位置と開位置との間で互いに対して移動可能である、第2の側部(259、359、459)と、
前記第1の装着アーム(262、362、462、562)および前記第2の装着アーム(264、364、464、564)を前記閉位置へと付勢する(261)弾性要素と、
前記弾性要素(261)の付勢力に逆らって前記第1の装着アーム(262、362、462、562)および前記第2の装着アーム(264、364、464、564)を前記閉位置から前記開位置へと選択的に付勢するためのアクチュエータ(300)と
を含む、把持アセンブリ(250、350、450、550)。
【請求項37】
前記装着アーム(262、362、462、562、264、364、464、564)を前記閉位置に選択的に固定するためのロックメカニズム(270、370)をさらに備える、請求項36に記載のアセンブリ(250、350、450、550)。
【請求項38】
前記支持プレート(210、310、410、510)が前記把持アセンブリ内に捕捉された状態において、前記把持アセンブリは、前記把持アセンブリに対する複数の運動自由度を前記支持プレート(210、310、410、510)に提供するように適合されている、請求項36に記載のアセンブリ(250、350、450、550)。
【請求項39】
前記把持アセンブリの前記第1の側部(358、458)および前記第2の側部(359、459)は、設置済み位置における前記支持プレート(410、510)と係合するキーイング機構(421、520)を画定し、前記キーイング機構は、
把持アセンブリ内における前記支持プレートの挿入方向を概して横切る方向において前記支持プレート(410、510)の相補的な面(414、515)に対向する第1の面と、
前記挿入方向に概して平行な方向において前記支持プレート(410、510)の相補的な面(414、515)に対向する第2の面と
を含む、請求項36に記載のアセンブリ(450、550)。
【請求項40】
前記キーイング機構(421)は、前記装着アーム(462、464)の前記閉位置において前記支持プレート(410)の一部分(414)を間に捕捉するように適合されている、前記第1の側部(458)および前記第2の側部(459)の各々に画定されているフック形状突出部を備える、請求項39に記載のアセンブリ(250、350、450、550)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧着システムに関し、より詳細には、端子アプリケータを端子保持カセットに装着するための改良されたシステムまたは装置に関する。
【背景技術】
【0002】
端子を電気導体に固定するための圧着または成端システムは通常、端子を、取り付けられたカセットから、端子を導体に圧着するための所定位置へと送るように構成されたアプリケータを含む。アプリケータは、端子を圧着するために必要な力を提供する圧着プレスまたはターミネータ(リードメーカとも称される)に対して正確に装着される必要がある。複数の端子を含むリールを保持するカセットは、アプリケータに取り外し可能に結合され、アプリケータに供給される端子のタイプを変更するために他のカセットと交換することが可能である。通常、使用前に、アプリケータおよびカセットの組み合わせが互いに結合され、その後、ターミネータに搭載されまたは取り付けられる。搭載されると、アプリケータとターミネータとの間のある程度の自由な遊びに依拠する位置合わせ作業が行われる。位置合わせされると、アプリケータは、例えば締め付け機構により、所望の位置においてターミネータに固定的に取り付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
アプリケータをカセットに接続するための既存の解決策は、製造が高コストであり、必要以上に使用が難しい。したがって、アプリケータおよびカセットの迅速かつ容易な装着および取外しを実現するとともに、アプリケータとターミネータとの差し込みおよび位置合わせのために必要な適切な自由度を提供する、新規な装着または結合システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態によれば、複数の端子を含むカセットに端子アプリケータを装着するためのシステムが提供される。システムは、アプリケータに固定的に取り付けるための支持プレートと、支持プレートに解放可能に取り付けられるヨークとを含む。ヨークおよび支持プレートは、取り付け済み状態においてヨークに対する支持プレートの少なくとも1つの自由度を提供する可動取付け部をその間に画定する。ヨークはさらに、少なくとも1つの自由度でカセットに装着するための第2の可動取付け部を画定する。
【0005】
本開示の一実施形態に係る、複数の端子を含むカセットおよび圧着プレスに端子アプリケータを装着するための支持プレートは、支持プレートを通して形成され、第1の端部から第1の端部とは反対側にある第2の端部の方向に延びるスロットを含む。スロットは、圧着プレスに対する支持プレートの位置を固定するための締結要素を受け入れるようなサイズを有する。支持プレートの突出部または凹部のうちの少なくとも1つが、本体の第2の端部に装着部を画定する。装着部は、支持プレートを端子カセットに取り外し可能に取り付けるための弾性的に装着されるロック要素を含む。装着部は、カセットに取り付けられたときの支持プレートのカセットに対する少なくとも1つの自由度を提供する。
【0006】
別の実施形態によれば、複数の端子を含むカセットに電気端子アプリケータを装着するためのヨークも提供される。ヨークは、組付け方向においてアプリケータの支持プレートを受け入れるための開口部を間に画定する第1の装着アームおよび第2の装着アームを含む。ヨークは、開口部内に配置された支持プレートに選択的に取り付けられるように構成された装着部をさらに備える。装着部は、ヨークに取り付けられたときの支持プレートのヨークに対する少なくとも2つの運動自由度を提供する。
【0007】
本開示の実施形態に係るカセットに電気端子アプリケータを装着するための別のシステムは、アプリケータに固定的に取り付けるための支持プレートと、カセットと結合される(結合する、関連する、associated with)把持アセンブリとを含む。把持アセンブリは、支持プレートをその間に解放可能に捕捉するために閉位置と開位置との間で互いに対して移動可能な一対の対向する装着アームを備える。把持アセンブリは、支持プレートが閉位置において装着アームの間に係合したときに、支持プレートがカセットに対する複数の運動自由度を保有するように構成される。
【0008】
さらに別の実施形態に係る、端子アプリケータをカセットに装着するための把持アセンブリは、第1の装着アームを画定する第1の側部と、第2の装着アームを画定する第2の側部とを備える。第1の装着アームおよび第2の装着アームは、アプリケータと結合される(結合する、関連する、associated with)支持プレートをその間に解放可能に捕捉するために閉位置と開位置との間で互いに対して移動可能である。アセンブリは、第1の装着アームおよび第2の装着アームを閉位置へと付勢する弾性要素と、弾性要素の付勢力に逆らって第1の装着アームおよび第2の装着アームを閉位置から開位置へと選択的に付勢するように構成されたアクチュエータとをさらに備える。
【0009】
ここで、添付の図面を参照して、本発明を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る支持プレートアセンブリを含む圧着システムの一部分の斜視図である。
図2】圧着プレスに装着される過程における、本開示の一実施形態に係る支持プレートの上面斜視図である。
図3】本開示の一実施形態に係る支持プレートの上面図である。
図4図3の支持プレートの斜視図である。
図5】本開示の一実施形態に係るヨークまたはヨークプレートの上面図である。
図6図5に示すヨークの斜視図である。
図7】本開示の一実施形態に係るヨーク装着ブロックの上面図である。
図8図7に示すヨーク装着ブロックの斜視図である。
図9図1の支持プレートアセンブリの上面図である。
図10図9の支持プレートアセンブリの側面図である。
図11】閉位置または収縮位置における、本開示の別の実施形態に係る支持プレートアセンブリの上面図である。
図12】支持プレートアセンブリのロックメカニズムがロック位置にある、図11の支持プレートアセンブリの斜視図である。
図13】ロックメカニズムがロック解除位置にある、図11および図12の支持プレートアセンブリの斜視図である。
図14】本開示の別の実施形態に係る支持プレートアセンブリおよびロックメカニズムの部分的斜視図である。
図15】開位置または展開位置における、本開示の別の実施形態に係る支持プレートアセンブリの上面図である。
図16】閉位置または収縮位置における、図15の支持プレートアセンブリの上面図である。
図17】本開示の別の実施形態に係る支持プレートアセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
端子を導体に圧着するための例示的システムに関して、本開示の実施形態を説明する。図1および図2を参照すると、成端または圧着作業を行うためのシステム10は、概して、カセット14(その一部分のみが示されている)のリールに含まれる複数の端子を、例えば成端しようとする導電ワイヤの端部における圧着位置へと送るように構成されたアプリケータアセンブリまたはアプリケータ12を含む。位置決めされると、アプリケータ12は、一部分が図2に示されているターミネータまたは圧着プレス16を介して印加される圧縮力に応答して、端子を変形させ導体に圧着する。図1に示すように、アプリケータ12は、本開示の実施形態に係る支持プレートアセンブリ100を介してカセット14に取り付けられる。
支持プレートアセンブリは、アプリケータアセンブリに固定的に取り付けられる支持ベースまたはプレート110として具現される第1の部材と、支持プレートに移動可能に装着されるヨークプレートまたはヨーク150として具現される第2の部材と、ヨーク150に移動可能に装着され、カセット14に固定的に装着されるヨーク装着ブロック180として具現される第3の部材とを含む。改めて図2を参照すると、作業中、支持プレート110(ならびに取り付けられたアプリケータアセンブリおよびカセット)は、ターミネータ16に選択的に固定的に装着される。例示の実施形態において、これは、ターミネータのベース18に対して軸方向に移動可能なばね荷重ボルトまたはピン17により実現される。
図示のように、ピン17は、ロック解除位置または締め付け解除位置において上方向に保持され、支持プレート110は、そのスロット孔の方向においてピンに設置されることに伴い、スロット孔にピン17を受け入れてよい。支持プレートが所望の位置となると、ピン17はロック解除位置から解放され、下方向に付勢されて支持プレート110と締め付け接触(clamping contact)し、支持プレート110を、またそれによりアプリケータ12およびカセット14を、ターミネータ16に固定してよい。
【0012】
ここで図3および図4を参照すると、支持プレート110は、概して平行な複数の辺を有する概して矩形の本体112を含む。本体112の各側辺(lateral sides)は、本体の各側辺に沿って形成された陥凹した段差として具現され、本体の別の部分の厚さよりも小さい厚さを有するそれぞれのヨーク装着フランジ114、116を画定する。本明細書においてより詳細に記載するように、フランジ114、116は、ヨーク150の対応するチャネル状機構に摺動可能に受け入れられるように構成される。本体112はさらに、その第1の端部120に形成され、本体の側辺と概して平行な方向に(すなわち本体の長手方向に)本体を通して延びる第1のターミネータ接続スロット118を画定する。スロット118は、ターミネータの装着ボルトまたはピン、例えば図2に示すターミネータ16のピン17を受け入れるように構成される。
図示のように、スロット118は、スロットの周囲に延びるフランジ119、119’を形成しその中心に向かう方向に突出する本体112の段差付き側壁により画定されてよい。フランジ119、119’の上方に配置されるスロット118の陥凹部121は、ターミネータの締め付けボルトまたはピンの頭部を陥凹により受け入れるための空間を提供し、支持プレート110がターミネータにロックまたは固定されたときに、頭部の裏面がフランジ119、119’の対向する頂面に接触する。
【0013】
図3においてより明確に示すように、フランジ119の部分により画定されるスロット118の一部分は、フランジ119’の部分により画定されるスロット118の別の部分よりも広い。スロット118のより狭い部分は、スロットの開口端部の反対側の端部に配置されることに留意されたい。これにより、ターミネータのピンまたはボルトへの支持プレート110の差し込みがより容易になって必要な精度が小さくなり、一方で、ピンに対する支持プレート110のさらなる平行移動により、支持プレートが、スロットの第2の閉端部に接近するにつれてピンの中心に配される。スロット118を画定する本体112の側辺の部分の自由端部は、ターミネータピンへの支持プレート110の設置方向の反対方向に先細りになる本体の頂面および/または底面におけるテーパ面115、117を含む。これにより、支持プレート110とターミネータとの間のあらゆる小さい高さの差異がこれらのテーパ状のフランジ端部により吸収されるため、より容易に支持プレート110をターミネータに設置することができる。
【0014】
ヨーク装着部または装着機構が、第1の端部120の反対側にある本体112の第2の端部122に形成される。例示の実施形態において、ヨーク装着部は、第1の端部120に向かう方向において本体112の第2の端部122に形成されたスロットまたは凹部123として画定される。凹部123を画定する本体112の側辺は、凹部123に面する内側の対向する側壁124、126を含む。これらの側辺の各端部も、図示のように、本体の第2の端部に向かう方向において厚さが先細りになっていてよい。ロック機構または要素128が、対向する側壁124、126に配置または画定されてよい。具体的には、例示の実施形態において、ロック機構128の各々は、各側壁124、126に形成されたそれぞれの孔に配置されるばね荷重ボールデテント(spring-loaded ball detent)、またはボールノーズばねプランジャを含む。図示のように、各ボールデテントの一部分は、側壁124、126から凹部123へと延びる。他の実施形態においては、本開示の範囲から逸脱しない限りにおいて、他のタイプの弾性または非弾性の突出機構またはロック機構が設けられてもよい。
【0015】
凹部123を含むヨーク装着部は、ヨークまたはヨークプレート150と係合しこれに取り付けられるように構成される。ここで図5および図6を参照すると、ヨーク150は、中央部154、およびそこから延びる2つの装着アームまたは突出端部156、158を有する概してU字形状の本体152を備える。開口部160が、アーム156、158の間に画定され、支持プレート110の第2の端部122を受け入れるようなサイズを有する。具体的には、各アーム156、158は、アーム156、158に形成され、支持プレート110の対応するフランジ114、116を摺動可能に受け入れるようなサイズを有するスロットまたはチャネル157、159を含む。本明細書においてさらに説明するように、チャネル157、159および/またはフランジ114、116は、例えば横方向および長手方向において、互いに取り付けられたヨーク150と支持プレート110との間のある程度の遊びまたは自由を許容するようなサイズを有する。
【0016】
本体152の中央部154は、開口部160へと延びる支持プレート装着ポストまたは突出部164を含む。装着突出部164は、支持プレート110が挿入方向または組付け方向においてヨーク150に挿入されることに伴い、支持プレート110に画定されるヨーク装着部凹部123により受け入れられるようなサイズを有する。装着突出部164の反対向きの横方向側壁165、166は、側壁165、166に形成され、ヨーク150を支持プレート110に取り外し可能にかつ移動可能に取り付けるために支持プレート110のロック機構128のばね荷重ボールデテントを受け入れるまたはそれと係合するようなサイズを有する凹部または窪み168を特徴として有する。図9に関して説明するように、この可動取付け部により、取り付け済み状態における支持プレート110とヨーク150との間のある程度の動きが可能となる。
図示の配置は、支持プレート110に配置される弾性ロック機構、およびヨーク150に形成された対応する窪みまたは受け部を含むが、本開示の範囲から逸脱しない限りにおいて、逆の配置が実現されてもよい。さらに、本開示の範囲から逸脱しない限りにおいて、支持プレート110に形成されるメス型装着部およびヨーク150のオス型装着突出部の配置の反転が実現されてもよい。
【0017】
図4および図6を参照すると、本開示の実施形態は、支持プレート110がヨーク150またはカセットに1つの向きでのみ設置可能であることを確実にするための備えを含む。一実施形態において、これは、支持プレート110の装着フランジ114、116のうちの一方および/またはチャネル157、159のうちの一方の寸法を、所与のフランジがそれらのチャネルのうちの一方のみに挿入可能であるように変更することにより、実現されてよい。他の実施形態において、支持プレート110は、ヨーク150に対する支持プレート110の1つの設置向きのみを許容する1つまたは複数の突出部またはキー溝163などの、支持プレート110から延びまたは支持プレート110に形成される機構を備えてよい。
【0018】
再び図5および図6を参照すると、ヨーク150の本体152は、ヨーク装着ブロック180に装着するための機構をさらに備える。図示のように、2つのスロット孔またはスロット182が、開口部160の反対側にある中央部154の端部162を通して形成される。一実施形態において、スロット182は、外形が弧状であり、各弧は、共通の曲率軸(曲率半径、axis of curvature)を中心として画定される。これにより、本明細書においてより詳細に記載するように、ヨーク150(およびヨーク150に取り付けられた支持プレート110)は、ヨーク装着ブロック180に対して旋回移動可能であってよい。さらに、各スロット182は、スロット182を通過するように構成された留め具の頭部を受け入れるために弧の長さに沿って画定されるカウンタボア(またはカウンタシンク)を画定してよく、それにより、支持プレートアセンブリ100の頂面が概して平坦なままとなることが確実になる。
本体152の端部162はさらに、スロット182と同じ曲率軸を中心として画定され得る曲線状または弧状の外面または側壁170を画定する。開口部175が、本体152を通して形成され、概して端部162と支持プレート装着突出部164との間に配置される。開口部175の側壁は、この側壁を通して画定され、概してヨークの長手方向においてその端部162を通して延びる孔177を備える。図6に示すように、本体152の少なくとも端部162は、アーム156、158および/または装着突出部164の厚さよりも小さい厚さを備えてよい。
【0019】
ここで図7および図8を参照すると、ヨーク装着ブロック180は、カセット、例えば図1に示すカセット14の部分に固定的に装着するための備えを有する本体182を含む。例示的実施形態において、これらの機構は、カセットに取り付けるための留め具を受け入れるように構成された皿もみ貫通孔184を含む。本体182は、段差付きの外形をさらに備え、フランジ部186が、本体部188から延びる。フランジ部186は、ヨーク150の少なくとも薄肉端部162を受け入れるための陥凹領域190を画定する。ヨーク150の弧状スロット182を通して係合した留め具を受け入れるためのねじ孔192が、フランジ部186に形成される。陥凹領域190を画定する側壁191は、外形が弧状であり、スロット182および/またはヨーク150の弧状外面170と概して等しいかつ/または同軸の曲率半径を有する。
これにより、ヨーク150は、装着ブロック180に対して旋回可能かつ/または回転可能であるが、相対運動の横方向および長手方向において装着ブロック180に固定される。ヨーク装着ブロック180はさらに、陥凹領域190の側壁191に形成された孔194を画定する。孔194は、孔177を通して延びるばね荷重ボールプランジャ200(図9参照)の可動端部が孔194と係合可能であるように、ヨーク150の孔177と軸方向に位置合わせされてよい。孔177、194は、軸方向に位置合わせされると、ヨーク150がヨーク装着ブロック180に対して位置合わせされまたは中心に配されるように形成され、ボールプランジャ200は、この位置においてヨークを選択的にロックする。
【0020】
ここで図9および図10を参照すると、ターミネータと係合する前であり得る組み立て済み状態における支持プレートアセンブリ100が示されている。矢印により示すように、上述の支持プレートからヨークへのおよびヨークから装着ブロックへの取り付けメカニズムにより、ヨーク装着ブロック180と支持プレート110および/またはヨーク150との間の複数の自由度が可能となる。具体的には、上述のボールデテントによる装着は、長手方向(すなわち挿入方向および取外し方向)に加えて横方向または左右方向における、かつヨークにより画定されるチャネル内における、限られた量の遊びまたは平行移動を支持プレートにもたらす。同様に、ヨークの弧状スロットおよび装着ブロックの対応する形状の凹部により、ヨークおよび支持プレートが装着ブロックに対して、またそれによりそこに装着されたカセットに対して、旋回することが可能となる。
上述のように、これらの少なくとも3つの運動自由度により、上述の締め付け作業によってアプリケータアセンブリをターミネータに固定する前に、ターミネータに対するアプリケータアセンブリ100の適切な位置合わせを確実に実現することができる。さらに、本開示の実施形態に係る支持プレートアセンブリは、容易に分離可能であり、より具体的には、ヨークを支持プレートから容易にかつ迅速に(すなわち、弾性的なボールデテントの係合に打ち勝つ引張力の印加により)取り外すことができる。これにより、例えば1つのタイプの端子を保持するカセットを別のタイプの端子を含むカセットと交換することが、先行技術の構成と比較してより容易に実現される。
【0021】
図11図17は、図1の上述の圧着システム10と共に使用可能な、本開示のさらなる実施形態を示す。適用可能な場合には、本開示の範囲から逸脱しない限りにおいて、前出の実施形態の全ての特徴が、図11図17の実施形態に関して図示および説明される特徴と組み合わせて利用され得ることを理解されたい。ただし、そのような適用可能な特徴の詳細な説明は、必ずしも本明細書において繰り返さない。
【0022】
概して図11を参照すると、本開示の別の実施形態に係る支持プレート210は、閉じた把持アセンブリ(またはヨーク)250内に選択的に保持される。支持プレート210は、外側面取り角部222および外側丸み付き角部224を含む1つまたは複数のキーイング機構を画定する。キーイング機構は、支持プレート210の嵌合端部212に形成または画定され、把持アセンブリ250の対応するキーイング機構と係合する。支持プレート210はさらに、その側辺に形成され、把持アセンブリ250の対応する機構を受け入れるように構成された一対の任意選択的な保持機構または凹部226を画定してよい。図面の全体にわたって示すように、支持プレート210の嵌合端部212は、幅および厚さの両方が先細りになっていてよい。
支持プレート210は、ばね荷重ボルトまたはピン17を受け入れるための段差付きスロットを画定する側方装着フランジを含む、支持プレート110と同様の機構をさらに含んでよい。その詳細は、簡単のために本明細書において繰り返さない。
【0023】
引き続き図11を参照すると、設置済み位置において、支持プレート210は、把持アセンブリ250により画定される相補的な開口部またはキャビティ251に受け入れられる。把持アセンブリ250は、支持プレート210のキーイング機構222、224と係合するための、そのキャビティ251を画定する内側面取り角部252および内側丸み付き角部254を含む、対応する相補的なキーイング機構を備える。把持アセンブリ250はさらに、支持プレート210の相補的な保持凹部226と係合するための突出部256として具現される任意選択的な一対の保持機構を画定する。したがって、保持機構を備える場合、把持アセンブリ250は、キャビティ251内に適切に配置された支持プレートのみと完全に係合してこれを保持する。
同様に、対応するまたは合致するキーイング機構は、把持アセンブリ250と結合した(結合される、関連した、associated with)カセットの所定の支持プレートおよび/またはアプリケータへの嵌合のみを許容するように用いられてよい。よって、カセットを所定のまたは指定されたターミネータのみと対にすることができ、それにより、確実に所望の組み合わせのみを現場で組み立てることができる。
【0024】
把持アセンブリ250は、展開可能なジョーまたは把持端部260を備え、その対向する側部258、259が、一対の装着アーム262、264のそれぞれを画定する。側部258、259および装着アーム262、264は、把持アセンブリ250を選択的に開く(図15参照)および閉じる(図16参照)ために、互いに対して移動可能である。一実施形態において、把持アセンブリ250は、把持アセンブリ250に固定され、把持アセンブリの側部258、259の間に画定される開口部257内に配置される選択的に回転可能なカムまたはヘッド305を有するアクチュエータ300(例えばロータリアクチュエータ)を含んでよい。カム305は長円形であり、それにより、図示の向きにおいて、その小径が開口部257の側辺の間に収まり、把持アセンブリ250の側部258、259は、ばねまたは他の弾性付勢要素の力を受けて当接位置または閉位置へと付勢されたままとなる(図12参照)。
カム305は、その長径の両端で開口部に係合し側部258、259を開位置または展開位置(expanded position)へと付勢または駆動するために、開口部257内で(例えば90度)回転されてよい。開位置において、把持部材250は、組付け方向または挿入方向においてその装着アーム262、264の間に支持プレート210を受け入れてよい。設置されると、把持アセンブリ250は、図11に示すように閉じられてよく、任意選択的な保持機構226、256は、挿入方向または組付け方向に対応する軸に沿って支持プレート210を把持アセンブリに対して固定するために係合してよい。
【0025】
図12に示すように、把持アセンブリ250の各側部258、259は、それぞれの旋回点253を中心としてその基部に旋回可能に装着され、図示のさらなる装着点255は、カム305の回転に応答してアーム262、264が互いに対して旋回することを可能とするスロット開口部を備える。図15および図16を参照されたい。任意選択的なブレース240が、装着点253、255を互いに機械的に繋ぐために設けられてよい。引き続き図12を参照すると、各側部258、259の後方突出端部は、圧縮ばね261などの、その間に配置される弾性要素と係合しこれを支持する。圧縮ばね261は、側部258、259の後端部を概して互いから離れるように広げるその弾性復帰力により各アーム262、264を図示の閉位置へと付勢するように働く。
【0026】
図示の閉位置において、支持プレート210は、図9に示す方向の各々におけるものを含む、把持アセンブリ250に対する複数の移動自由度を保有する。例えば、前出の実施形態に関して上述したチャネルが、把持アセンブリ250の装着アーム262、264内に画定され、支持プレート210の複数の相対移動度を提供してよい。同様に、装着アーム262、264は、弾性要素により閉位置に保持されるので、十分な力がかけられたことに応答して支持プレート210がアーム262、264を概して離れるように付勢することを可能とするように、関連する弾性的な閉じる力または付勢力が選択されてよい。これにより、上記で詳細に説明したように、上述の位置合わせ作業中、かつピン17によるターミネータのベース18への支持プレート210の固定の前に、支持プレート210が把持アセンブリ250内で浮動することが可能となる。
【0027】
アーム262、264が開くことを選択的に防止するために、ロックメカニズム270が設けられる。具体的には、例示的実施形態において、ロックメカニズム270は、ユーザにより駆動され得る自由端部と、作用端部から垂直に把持アセンブリ250の側部258、259の間の空間へと延びる阻止突出部274を含む作用端部とを有する旋回レバー272を含む。阻止突出部274が図12に示すロック位置にある状態において、各側部258、259の後端部が、互いに向かって、かつばね261により印加される力に逆らってさらに付勢されることが防止され、それにより、アーム262、264が開位置へと互いから離れるように付勢されることが防止される。
図13に示すように、支持プレート210が把持アセンブリ250に対して部分的に設置された位置にある状態において、レバー272は、ユーザまたは機械的駆動によりロック解除状態またはロック解除位置へと付勢または回転されてよい。ロック解除位置において、突出部274は、カム305の駆動に応答して、または例えば位置合わせ作業中に支持プレート210がアーム262、264を外方に付勢することに応答して、把持アセンブリ250の側部258、259が集束することを防止しなくなる。
【0028】
図14は、本開示の別の実施形態に係るロックメカニズム370を含む把持アセンブリ350を示す。ロックメカニズム370は、把持アセンブリ350の側部358、359の間に装着される可動スライド372を含む。スライド372は、複数の弾性要素またはばね371によりロック位置へと付勢される。ロック位置において、スライドのロック突出部373は、把持アセンブリ350の各側部358、359の対応するロック凹部374に係合し、ロック位置におけるそれらの相対移動を防止する。アプリケータへのカセットの設置に応答して、スライド372は、例えばその突出タブ375およびカム305または他の構成要素の係合により示されるように後方に付勢される。
スライド372の動きにより、ロック突出部373および凹部374が係脱し、支持プレート310と選択的に係合するために把持アセンブリ350が開くおよび閉じることが可能となる。把持アセンブリ350は、スライド、ばね371および側部358、359の位置を保持する助けとなる、スライド372の上に配置されるブレース340をさらに備えてよい。
【0029】
ここで図15を参照すると、本開示の別の実施形態に係る把持アセンブリ450が、アセンブリの各側部458、459とのカム305の係合に応答した開位置または展開位置において示されている。各側部458、459は、把持アセンブリ450のアーム462、464の間に画定される収容空間451の内面から延びるそれぞれのフック形状突出部421を含むロック機構を画定する。例示的な支持プレート410は、支持プレートの反対側の端面に形成された凹部415から延びる突出ステム412および付随するヘッド414として具現される対応するロック機構を含む。図示のように、凹部415は、図15および図16に示す例示の開位置および閉位置の間で突出部421が付勢されることに伴い、突出部421を収容するようなサイズを有する。
【0030】
支持プレート410のロック機構および把持アセンブリ450のロック機構は、支持プレートが収容空間内で完全に設置された位置にある状態で、図16に示すようにカム305の駆動によって把持アセンブリを閉じることにより、突出部421の間に画定される凹部内にロック機構のヘッド414が捕捉されるように構成される。閉位置において、支持プレート410は、挿入軸に沿ったある程度の動きが可能であってよいが、過度な動きはヘッド414および突出部421のそれぞれの外形により抑制される。支持プレート410には、アーム462、464を閉位置に保持する上述のばね付勢に逆らったさらなる移動の自由がさらに与えられる。
【0031】
図17の実施形態は、把持アセンブリ550および支持プレート510を含む。支持プレート510は、把持アセンブリ550の各側部558、559の突出端部520を受け入れるようなサイズを有するキーイング凹部515を含む。凹部515および端部520は、互いに相補的であるようなサイズを有し、それにより、支持プレート510が挿入方向において把持アセンブリ550のアーム562、564の間に完全に設置されることが可能となり、設置された状態において、それらのそれぞれの対向する面が互いに当接する。同様に、凹部515および端部520はさらに、挿入方向を横切る方向、すなわち横方向において互いに対向する面を画定する。これにより、相補的な凹部515および端部520は、アーム562、564が開くまたは閉じることを制限または防止するように適合されてよい。
これにより、把持アセンブリと支持プレートとの間のさらなる選択的なキーイング構成を実現することができ、それにより、特定の支持プレートと結合した(結合された、関連した、associated with)場合に、把持アセンブリの機能を抑制するかあるいは無効化することができる。他の実施形態に関して上記で述べたように、図17の実施形態もまた、上述のように、位置合わせ作業中にアーム562、564を外方に付勢するために十分な力が働くことに応答してプレート510と把持アセンブリ550との間の相対運動が生じること、および/またはアームおよびプレートのチャネルおよびフランジの間に自由空間が画定されることを可能とする。
【0032】
上述のように、これらの自由度により、上述の締め付け作業によってアプリケータアセンブリをターミネータに固定する前に、ターミネータに対する関連するアプリケータアセンブリの適切な位置合わせを確実に実現することができる。さらに、把持アセンブリは依然として、対向する把持アームを開くことにより支持プレートから迅速にかつ容易に分離可能である。これにより、例えば1つのタイプの端子を保持するカセットを別のタイプの端子を含むカセットと交換することが、先行技術の構成と比較してより容易に実現される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】