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特表2024-524881データ伝送方法、装置、記憶媒体及び電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】データ伝送方法、装置、記憶媒体及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 69/04 20220101AFI20240702BHJP
【FI】
H04L69/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575905
(86)(22)【出願日】2022-03-19
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 CN2022081861
(87)【国際公開番号】W WO2022257533
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】202110654381.5
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516010548
【氏名又は名称】セインチップス テクノロジー カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 瀛 台
(72)【発明者】
【氏名】劉 星
(72)【発明者】
【氏名】張 釘 銘
(72)【発明者】
【氏名】王 華 勇
(57)【要約】
本開示の実施例は、データ伝送方法、装置、記憶媒体及び電子装置を提供し、当該方法は、圧縮制御命令に基づいて、データを圧縮して、圧縮後のデータを取得し、圧縮指数を取得するステップと、当該圧縮指数及び信号処理スケーリング指数に基づいて、データ伝送時の伝送指数を決定するステップと、カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、ORANプロトコルに応じて当該圧縮後のデータ及び当該伝送指数をカプセル化して、カプセル化されたデータを取得し、当該カプセル化されたデータを送信するステップと、を含み、それにより、受信側は、カプセル化されたデータを受信し、対応する方式でデカプセル化及び解凍を行って、送信側から伝送されたデータを取得することができ、関連技術におけるORANプロトコルに信号処理スケーリング指数の伝送方式が明記されていないため、効果的なデータ伝送を直接実現できないという問題を解決し、伝送精度を保証する上で信号処理スケーリング指数を効果的に伝送し、ORANプロトコルを満たすデータ伝送を実現することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮制御命令に基づいて、データを圧縮して、圧縮後のデータを取得し、圧縮指数を取得するステップと、
前記圧縮指数及び信号処理スケーリング指数に基づいて、データ伝送時の伝送指数を決定するステップと、
カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、オープンな無線アクセスネットワークORANプロトコルに応じて前記圧縮後のデータ及び前記伝送指数をカプセル化して、カプセル化されたデータを取得し、前記カプセル化されたデータを送信するステップと、を含む、データ伝送方法。
【請求項2】
前記圧縮指数及び信号処理スケーリング指数に基づいて、送信時の伝送指数を決定するステップは、
前記圧縮指数と信号処理スケーリング指数を合併し、合併指数を取得するステップと、
前記合併指数に基づいて、前記伝送指数を決定するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記合併指数に基づいて前記伝送指数を決定するとともに、前記合併指数に基づいてデータシフト因子を決定するステップと、
前記データシフト因子に基づいて、前記圧縮後のデータに対してシフト処理を行うステップと、
シフト処理中に、前記圧縮後のデータに対してデータオーバーフロー処理を行うステップと、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記合併結果に基づいて送信時の伝送指数を決定するとともに、前記合併結果に基づいてデータシフト因子を決定するステップは、
前記合併結果が15より大きい場合、前記伝送指数が15であると決定し、前記合併結果と前記伝送指数との差分値が前記データシフト因子であると決定するステップと、
前記合併結果が0以上であり、かつ前記合併結果が15以下である場合、前記伝送指数が前記合併結果であると決定し、前記データシフト因子が0であると決定するステップと、
前記合併結果が0より小さい場合、前記伝送指数が0であると決定し、前記データシフト因子が前記合併結果であると決定するステップと、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記データシフト因子に基づいて、前記圧縮後のデータに対してシフト処理を行うステップは、
前記データシフト因子shiftが0以上である場合、前記圧縮後のデータをshiftビット左シフトして、左シフト後のデータを取得するステップと、
前記shiftが0より小さい場合、前記圧縮後のデータをそれぞれ-shiftビット右シフトして、右シフト後のデータを取得するステップと、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
シフト処理中に、前記圧縮後のデータに対してデータオーバーフロー処理を行うステップは、
【数1】

請求項4に記載の方法。
【請求項7】
カプセル化されたデータ及びカプセル化フォーマット制御命令を受信するステップと、
オープンな無線アクセスネットワークORANプロトコルを用いて、前記カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、前記カプセル化されたデータをデカプセル化して、圧縮後のデータ及びデータ伝送時の伝送指数を取得するステップと、
前記伝送指数に基づいて、信号処理スケーリング指数及び解凍指数を決定するステップと、
前記解凍指数に基づいて、前記圧縮後のデータを解凍して、データを取得するステップと、を含む、データ伝送方法。
【請求項8】
前記伝送指数に基づいて、信号処理スケーリング指数及び解凍指数を決定するステップは、
前記伝送指数のうちの最大伝送指数を取得するステップと、
解凍後のデータビット幅M及び解凍ポイントNに基づいて、最大圧縮指数を決定するステップと、
前記最大伝送指数及び前記最大圧縮指数に基づいて、信号処理スケーリング指数を決定するステップと、
前記伝送指数及び前記信号処理スケーリング指数に基づいて、解凍指数を決定するステップと、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記解凍後のデータビット幅M及び前記解凍ポイントNに基づいて、最大圧縮指数を決定するステップは、
前記解凍後のデータビット幅Mと前記解凍ポイントNとの第1差分値を決定するステップと、
前記第1差分値を前記最大圧縮指数として決定するステップと、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記最大伝送指数及び前記最大圧縮指数に基づいて、信号処理スケーリング指数を決定するステップは、
前記最大伝送指数と最大圧縮指数との第2差分値を決定するステップと、
前記第2差分値を前記信号処理スケーリング指数として決定するステップと、を含み、
前記伝送指数及び前記信号処理スケーリング指数に基づいて、解凍指数を決定するステップは、
前記伝送指数と前記信号処理スケーリング指数との第3差分値を決定するステップと、
前記第3差分値を前記信号解凍指数として決定するステップと、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
圧縮制御命令に基づいて、データを圧縮して、圧縮後のデータを取得し、圧縮指数を取得するように構成される圧縮モジュールと、
前記圧縮指数及び信号処理スケーリング指数に基づいて、データ伝送時の伝送指数を決定するように構成される第1決定モジュールと、
カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、オープンな無線アクセスネットワークORANプロトコルに応じて前記圧縮後のデータ及び前記伝送指数をカプセル化して、カプセル化されたデータを取得し、前記カプセル化されたデータを送信するように構成されるカプセル化モジュールと、を含む、データ伝送装置。
【請求項12】
カプセル化されたデータ及びカプセル化フォーマット制御命令を受信するように構成される受信モジュールと、
オープンな無線アクセスネットワークORANプロトコルを用いて、前記カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、前記カプセル化されたデータをデカプセル化して、圧縮後のデータ及びデータ伝送時の伝送指数を取得するように構成されるデカプセル化モジュールと、
前記伝送指数に基づいて、信号処理スケーリング指数及び解凍指数を決定するように構成される第2決定モジュールと、
前記解凍指数に基づいて、前記圧縮後のデータを解凍して、データを取得するように構成される解凍モジュールと、を含む、データ伝送装置。
【請求項13】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、実行されると、前記請求項1~請求項6、請求項7~請求項10のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項14】
コンピュータプログラムが記憶されているメモリと、前記コンピュータプログラムを実行して前記請求項1~請求項6、請求項7~請求項10のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されるプロセッサとを含む、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本開示は、2021年6月10日に提出した、発明の名称が「データ伝送方法、装置、記憶媒体及び電子装置」である中国特許出願CN202110654381.5に基づくものであり、当該特許出願についての優先権を主張し、その全ての開示内容は、参照により本開示に組み込まれるものとする。
[技術分野]
本開示の実施例は、通信の分野に関し、具体的には、データ伝送方法、装置、記憶媒体及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データ伝送は、どのような形式の通信にとっても不可欠であり、情報の送信側と受信側がいずれも符号化方式を理解できる場合のみ、圧縮データ通信は、動作可能となる。
【0003】
データ圧縮とは、情報を可能な限り保ったまま、データ量を減らして記憶空間を減少させ、その伝送、記憶及び処理の効率を向上させる技術的方法であり、或いは、一定のアルゴリズムに基づいてデータを再構成して、データの冗長性及び記憶空間を減少させる方法である。ハードディスク容量や接続の帯域幅のような高価なリソースの消費を低減することに寄与できるため、圧縮は、非常に重要であるが、情報処理リソースを消費する必要があり、費用も高価である可能性がある。したがって、データ圧縮方式の設計は、圧縮能力、歪み度、必要な計算リソース及び他の考慮すべき異なる要因の間でトレードオフする必要がある。
【0004】
無線通信システムの帯域幅又はアンテナ数の増加に伴い、データ伝送速度は、比例して増加するため、デバイスのハードウェアコスト及び実装難度を大幅に増加させる。したがって、効果的なデータ圧縮及び伝送方法は、通信システムの必須の一部である。
【0005】
上記理由より、オープンな無線アクセスネットワーク(open radio access network、ORANと略称される)プロトコルでは、データ圧縮方法及びIQデータカプセル化フォーマットが規定されている。データ圧縮方法は、ブロック浮動小数点(block floating point、BFPと略称される)圧縮、正規化(block scaling)圧縮、μ則(μ law)圧縮、ビームスペース(beam space)圧縮、変調(Modulation)圧縮及びリソースエレメント(resource element、REと略称される)選択的送信(selective RE sending)圧縮の6つの圧縮方法を含み、IQデータカプセル化フォーマットは、圧縮後のIQデータと圧縮指数の配列方式を説明する。
【0006】
5Gベースバンドの信号処理過程において、データに対してフーリエ変換や逆高速フーリエ変換、電力制御などのデジタル信号処理を行うことは、不可欠である。現在の一般的な解決手段において、これらの信号処理過程は、リソース消費を低減するために、データをスケーリングする必要があり、それに応じて、対応する信号処理スケーリング指数を生成する。安全でリアルタイムなORAN伝送制御プロトコルには、データ圧縮方法及び圧縮指数の伝送方式が説明されるが、指数ビット幅が4bitに限定され、かつ上記デジタル信号処理過程における信号処理スケーリング指数の伝送方式が明記されていないため、効果的なデータ伝送を直接実現できない。
【0007】
関連技術におけるORANプロトコルに信号処理スケーリング指数の伝送方式が明記されていないため、効果的なデータ伝送を直接実現できないという問題に対して、解決手段がまだ提案されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示の実施例は、少なくとも関連技術におけるORANプロトコルに信号処理スケーリング指数の伝送方式が明記されていないため、効果的なデータ伝送を直接実現できないという問題を解決するために、データ伝送方法、装置、記憶媒体及び電子装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一実施例によれば、
圧縮制御命令に基づいて、データを圧縮して、圧縮後のデータを取得し、圧縮指数を取得するステップと、
前記圧縮指数及び信号処理スケーリング指数に基づいて、データ伝送時の伝送指数を決定するステップと、
カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、ORANプロトコルに応じて前記圧縮後のデータ及び前記伝送指数をカプセル化して、カプセル化されたデータを取得し、前記カプセル化されたデータを送信するステップと、を含む、データ伝送方法を提供する。
【0010】
例示的な一実施例において、前記圧縮指数及び信号処理スケーリング指数に基づいて、送信時の伝送指数を決定するステップは、
前記圧縮指数と信号処理スケーリング指数を合併し、合併指数を取得するステップと、
前記合併指数に基づいて、前記伝送指数を決定するステップと、を含む。
【0011】
例示的な一実施例において、前記方法は、
前記合併指数に基づいて前記伝送指数を決定するとともに、前記合併指数に基づいてデータシフト因子を決定するステップと、
前記データシフト因子に基づいて、前記圧縮後のデータに対してシフト処理を行うステップと、
シフト処理中に、前記圧縮後のデータに対してデータオーバーフロー処理を行うステップと、をさらに含む。
【0012】
例示的な一実施例において、前記合併結果に基づいて送信時の伝送指数を決定するとともに、前記合併結果に基づいてデータシフト因子を決定するステップは、
前記合併結果が15より大きい場合、前記伝送指数が15であると決定し、前記合併結果と前記伝送指数との差分値が前記データシフト因子であると決定するステップと、
前記合併結果が0以上であり、かつ前記合併結果が15以下である場合、前記伝送指数が前記合併結果であると決定し、前記データシフト因子が0であると決定するステップと、
前記合併結果が0より小さい場合、前記伝送指数が0であると決定し、前記データシフト因子が前記合併結果であると決定するステップと、を含む。
【0013】
例示的な一実施例において、前記データシフト因子に基づいて、前記圧縮後のデータに対してシフト処理を行うステップは、
前記データシフト因子shiftが0以上である場合、前記圧縮後のデータをshiftビット左シフトして、左シフト後のデータを取得するステップと、
前記shiftが0より小さい場合、前記圧縮後のデータをそれぞれ-shiftビット右シフトして、右シフト後のデータを取得するステップと、を含む。
【0014】
例示的な一実施例において、シフト処理中に、前記圧縮後のデータに対してデータオーバーフロー処理を行うステップは、
【0015】
【数1】
【0016】
本開示の別の実施例によれば、
カプセル化されたデータ及びカプセル化フォーマット制御命令を受信するステップと、
ORANプロトコルを用いて、前記カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、前記カプセル化されたデータをデカプセル化して、圧縮後のデータ及びデータ伝送時の伝送指数を取得するステップと、
前記伝送指数に基づいて、信号処理スケーリング指数及び解凍指数を決定するステップと、
前記解凍指数に基づいて、前記圧縮後のデータを解凍して、データを取得するステップと、を含む、データ伝送方法をさらに提供する。
【0017】
例示的な一実施例において、前記伝送指数に基づいて、信号処理スケーリング指数及び解凍指数を決定するステップは、
前記伝送指数のうちの最大伝送指数を取得するステップと、
解凍後のデータビット幅M及び解凍ポイントNに基づいて、最大圧縮指数を決定するステップと、
前記最大伝送指数及び前記最大圧縮指数に基づいて、信号処理スケーリング指数を決定するステップと、
前記伝送指数及び前記信号処理スケーリング指数に基づいて、解凍指数を決定するステップと、を含む。
【0018】
例示的な一実施例において、前記解凍後のデータビット幅M及び前記解凍ポイントNに基づいて、最大圧縮指数を決定するステップは、
前記解凍後のデータビット幅Mと前記解凍ポイントNとの第1差分値を決定するステップと、
前記第1差分値を前記最大圧縮指数として決定するステップと、を含む。
【0019】
例示的な一実施例において、前記最大伝送指数及び前記最大圧縮指数に基づいて、信号処理スケーリング指数を決定するステップは、前記最大伝送指数と最大圧縮指数との第2差分値を決定するステップと、前記第2差分値を前記信号処理スケーリング指数として決定するステップと、を含み、
前記伝送指数及び前記信号処理スケーリング指数に基づいて、解凍指数を決定するステップは、前記伝送指数と前記信号処理スケーリング指数との第3差分値を決定するステップと、前記第3差分値を前記信号解凍指数として決定するステップと、を含む。
【0020】
本開示の別の実施例によれば
圧縮制御命令に基づいて、データを圧縮して、圧縮後のデータを取得し、圧縮指数を取得するように構成される圧縮モジュールと、
前記圧縮指数及び信号処理スケーリング指数に基づいて、データ伝送時の伝送指数を決定するように構成される第1決定モジュールと、
カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、ORANプロトコルに応じて前記圧縮後のデータ及び前記伝送指数をカプセル化して、カプセル化されたデータを取得し、前記カプセル化されたデータを送信するように構成されるカプセル化モジュールと、を含む、データ伝送装置をさらに提供する。
【0021】
例示的な一実施例において、前記第1決定モジュールは、
前記圧縮指数と信号処理スケーリング指数を合併し、合併指数を取得するように構成される合併サブモジュールと、
前記合併指数に基づいて、前記伝送指数を決定するように構成される第1決定サブモジュールと、を含む。
【0022】
例示的な一実施例において、前記第1決定サブモジュールは、さらに、前記合併指数に基づいて前記伝送指数を決定するとともに、前記合併指数に基づいてデータシフト因子を決定するように構成され、
前記装置は、前記データシフト因子に基づいて、前記圧縮後のデータに対してシフト処理を行うように構成されるシフト処理サブモジュールと、
シフト処理中に、前記圧縮後のデータに対してデータオーバーフロー処理を行うように構成されるオーバーフロー処理サブモジュールと、をさらに含む。
【0023】
例示的な一実施例において、前記第1決定サブモジュールは、
前記合併結果が15より大きい場合、前記伝送指数が15であると決定し、前記合併結果と前記伝送指数との差分値が前記データシフト因子であると決定するように構成される第1決定ユニットと、
前記合併結果が0以上であり、かつ前記合併結果が15以下である場合、前記伝送指数が前記合併結果であると決定し、前記データシフト因子が0であると決定するように構成される第2決定ユニットと、
前記合併結果が0より小さい場合、前記伝送指数が0であると決定し、前記データシフト因子が前記合併結果であると決定するように構成される第3決定ユニットと、を含む。
【0024】
例示的な一実施例において、前記シフト処理サブモジュールは、
前記データシフト因子shiftが0以上である場合、前記圧縮後のデータをshiftビット左シフトして、左シフト後のデータを取得するように構成される左シフトユニットと、
前記shiftが0より小さい場合、前記圧縮後のデータをそれぞれ-shiftビット右シフトして、右シフト後のデータを取得するように構成される右シフトユニットと、を含む。
【0025】
例示的な一実施例において、前記オーバーフロー処理サブモジュールは、
【0026】
【数2】
【0027】
本開示の別の実施例によれば、
カプセル化されたデータ及びカプセル化フォーマット制御命令を受信するように構成される受信モジュールと、
ORANプロトコルを用いて、前記カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、前記カプセル化されたデータをデカプセル化して、圧縮後のデータ及びデータ伝送時の伝送指数を取得するように構成されるデカプセル化モジュールと、
前記伝送指数に基づいて、信号処理スケーリング指数及び解凍指数を決定するように構成される第2決定モジュールと、
前記解凍指数に基づいて、前記圧縮後のデータを解凍して、データを取得するように構成される解凍モジュールと、を含む、データ伝送装置をさらに提供する。
【0028】
例示的な一実施例において、上記第2決定モジュールは、
前記伝送指数のうちの最大伝送指数を取得するように構成される取得サブモジュールと、
解凍後のデータビット幅M及び解凍ポイントNに基づいて、最大圧縮指数を決定するように構成される第2決定サブモジュールと、
前記最大伝送指数及び前記最大圧縮指数に基づいて、信号処理スケーリング指数を決定するように構成される第3決定サブモジュールと、
前記伝送指数及び前記信号処理スケーリング指数に基づいて、解凍指数を決定するように構成される第4決定サブモジュールと、を含む。
【0029】
例示的な一実施例において、前記第2決定サブモジュールは、さらに、
前記解凍後のデータビット幅Mと前記解凍ポイントNとの第1差分値を決定し、
前記第1差分値を前記最大圧縮指数として決定するように構成される。
【0030】
例示的な一実施例において、前記第3決定サブモジュールは、さらに、
前記最大伝送指数と最大圧縮指数との第2差分値を決定し、
前記第2差分値を前記信号処理スケーリング指数として決定するように構成され、
前記第4決定サブモジュールは、さらに、前記伝送指数と前記信号処理スケーリング指数との第3差分値を決定し、
前記第3差分値を前記信号解凍指数として決定するように構成される。
【0031】
本開示のさらに別の実施例によれば、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、実行されると、上記いずれかの方法の実施例におけるステップを実現するように構成されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0032】
本開示のさらに別の実施例によれば、コンピュータプログラムが記憶されているメモリと、前記コンピュータプログラムを実行して上記いずれかの方法の実施例におけるステップを実行するように構成されるプロセッサとを含む、電子装置をさらに提供する。
【発明の効果】
【0033】
本開示の実施例において、圧縮制御命令に基づいて、データを圧縮して、圧縮後のデータを取得し、圧縮指数を取得するステップと、前記圧縮指数及び信号処理スケーリング指数に基づいて、データ伝送時の伝送指数を決定するステップと、カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、ORANプロトコルに応じて前記圧縮後のデータ及び前記伝送指数をカプセル化して、カプセル化されたデータを取得し、前記カプセル化されたデータを送信するステップと、を含み、それにより、受信側は、カプセル化されたデータを受信し、対応する方式でデカプセル化及び解凍を行って、送信側から伝送されたデータを取得することができ、関連技術におけるORANプロトコルに信号処理スケーリング指数の伝送方式が明記されていないため、効果的なデータ伝送を直接実現できないという問題を解決し、伝送精度を保証する上で信号処理スケーリング指数を効果的に伝送し、ORANプロトコルを満たすデータ伝送を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本開示の実施例に係るデータ伝送方法のモバイル端末のハードウェア構成のブロック図である。
図2】本開示の実施例に係るデータ伝送方法のフローチャート(その1)である。
図3】本開示の実施例に係るデータ伝送方法のフローチャート(その2)である。
図4】本実施例に係るORANプロトコルに基づくデータ伝送のブロック図である。
図5】本実施例に係るORANプロトコルに基づくデータ送信のフローチャートである。
図6】本実施例に係るORANプロトコルに基づくデータカプセル化の概略図(その1)である。
図7】本実施例に係るORANプロトコルに基づくデータカプセル化の概略図(その2)である。
図8】本実施例に係るORANプロトコルに基づくデータ受信のフローチャートである。
図9】本実施例に係るデータ伝送装置のブロック図(その1)である。
図10】本実施例に係るデータ伝送装置のブロック図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本開示の実施例について、図面を参照しながら実施例を挙げて詳細に説明する。
なお、本開示の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における「第1」、「第2」などの用語は、特定の順序又は前後順を記述するために使用されるのではなく、類似の対象を区別するために用いられるものである。
【0036】
本開示の実施例に係る方法の実施例は、モバイル端末、コンピュータ端末又は類似の演算装置において実行することができる。モバイル端末上で動作することを例とし、図1は、本開示の実施例に係るデータ伝送方法のモバイル端末のハードウェア構成のブロック図であり、図1に示すように、モバイル端末は、1つ又は複数(図1に1つのみを示す)のプロセッサ102(プロセッサ102は、マイクロプロセッサMCU又はプログラマブルロジックデバイスFPGAなどの処理装置を含むが、これらに限定されない)及びデータを記憶するメモリ104を含み、上記モバイル端末は、さらに、通信機能を果たす伝送機器106及び入出力機器108を含んでもよい。当業者であれば理解できるように、図1に示すような構造は、概略的なものであり、上記モバイル端末の構造を限定するものではない。例えば、モバイル端末は、さらに、図1に示されるより多いか又はより少ないコンポーネントを含むか、又は図1に示されるものと異なる構成を有してもよい。
【0037】
メモリ104は、アプリケーションソフトウェアのソフトウェアプログラム及びモジュール、例えば、本開示の実施例におけるデータ伝送方法に対応するコンピュータプログラムを記憶してもよく、プロセッサ102は、メモリ104内に記憶されるコンピュータプログラムを実行することにより、様々な機能アプリケーション及びサービスチェーンアドレスプールスライシング処理を実行し、つまり上記方法を実現する。メモリ104は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、さらに、例えば、1つ又は複数の磁気記憶装置、フラッシュメモリ、又は他の不揮発性固体メモリなどの不揮発性メモリを含んでもよい。いくつかの実施例において、メモリ104は、プロセッサ102に対して遠隔的に設置されるメモリをさらに含んでもよく、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介してモバイル端末に接続されてもよい。上記ネットワークの例示としては、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0038】
伝送機器106は、1つのネットワークを介してデータを送受信する。上記ネットワークの具体例は、モバイル端末の通信事業者が提供する無線ネットワークを含んでもよい。一実施例において、伝送機器106は、基地局により他のネットワーク機器に接続されてインターネットと通信可能なネットワークアダプタ(Network Interface Controller、NICと略称される)を含む。一実施例において、伝送機器106は、無線方式によりインターネットと通信する無線周波数(Radio Frequency、RFと略称される)モジュールであってもよい。
【0039】
本実施例において、上記モバイル端末又はネットワークアーキテクチャで実行するデータ伝送方法を提供する。この方法は、端末に適用され、前記端末は、デュアル接続(Dual Connection、DCと略称される)によりソースエリアにおける現在のマスターノードMNセルと現在のセカンダリノードSNセルにアクセスし、図2は、本開示の実施例に係るデータ伝送方法のフローチャート(その1)であり、図2に示すように、当該フローは、以下のステップS202、S204、S206を含む。
【0040】
ステップS202では、圧縮制御命令に基づいて、データを圧縮して、圧縮後のデータを取得し、圧縮指数を取得する。
【0041】
ステップS204では、前記圧縮指数及び信号処理スケーリング指数に基づいて、データ伝送時の伝送指数を決定する。
【0042】
本実施例において、上記ステップS204は、具体的には、前記圧縮指数と信号処理スケーリング指数を合併し、合併指数を取得するステップと、前記合併指数に基づいて、前記伝送指数を決定するステップとを含んでもよい。
【0043】
ステップS206では、カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、ORANプロトコルに応じて前記圧縮後のデータ及び前記伝送指数をカプセル化して、カプセル化されたデータを取得し、前記カプセル化されたデータを送信する。
【0044】
上記ステップS202~S206によって、関連技術におけるORANプロトコルに信号処理スケーリング指数の伝送方式が明記されていないため、効果的なデータ伝送を直接実現できないという問題を解決でき、伝送精度を保証する上で信号処理スケーリング指数を効果的に伝送し、ORANプロトコルを満たすデータ伝送を実現することができる。
【0045】
好ましい一実施例において、上記方法は、以下のステップS1~ステップS3をさらに含む。
【0046】
ステップS1では、前記合併指数に基づいて前記伝送指数を決定するとともに、前記合併指数に基づいてデータシフト因子を決定する。
【0047】
さらに、上記ステップS1は、具体的には、前記合併結果が15より大きい場合、前記伝送指数が15であると決定し、前記合併結果と前記伝送指数との差分値が前記データシフト因子であると決定するステップと、前記合併結果が0以上であり、かつ前記合併結果が15以下である場合、前記伝送指数が前記合併結果であると決定し、前記データシフト因子が0であると決定するステップと、前記合併結果が0より小さい場合、前記伝送指数が0であると決定し、前記データシフト因子が前記合併結果であると決定するステップと、を含んでもよい。
【0048】
ステップS2では、前記データシフト因子に基づいて、前記圧縮後のデータに対してシフト処理を行う。
【0049】
さらに、ステップS2は、具体的には、前記データシフト因子shiftが0以上である場合、前記圧縮後のデータをshiftビット左シフトして、左シフト後のデータを取得するステップと、前記shiftが0より小さい場合、前記圧縮後のデータをそれぞれ-shiftビット右シフトして、右シフト後のデータを取得するステップと、を含んでもよい。
【0050】
ステップS3では、シフト処理中に、前記圧縮後のデータに対してデータオーバーフロー処理を行う。
【0051】
【数3】
【0052】
本開示の別の実施例によれば、データ伝送方法をさらに提供し、図3は、本開示の実施例に係るデータ伝送方法のフローチャート(その2)であり、図3に示すように、当該フローは、以下のステップS302、S304、S306、S308を含む。
【0053】
ステップS302では、カプセル化されたデータ及びカプセル化フォーマット制御命令を受信する。
【0054】
ステップS304では、ORANプロトコルを用いて、前記カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、前記カプセル化されたデータをデカプセル化して、圧縮後のデータ及びデータ伝送時の伝送指数を取得する。
【0055】
ステップS306では、前記伝送指数に基づいて、信号処理スケーリング指数及び解凍指数を決定する。
【0056】
ステップS308では、前記解凍指数に基づいて、前記圧縮後のデータを解凍して、データを取得する。
【0057】
上記ステップS302~S308によって、関連技術におけるORANプロトコルに信号処理スケーリング指数の伝送方式が明記されていないため、効果的なデータ伝送を直接実現できないという問題を解決でき、伝送精度を保証する上で信号処理スケーリング指数を効果的に伝送し、ORANプロトコルを満たすデータ伝送を実現することができる。
【0058】
例示的な一実施例において、上記ステップS306は、具体的には、
前記伝送指数のうちの最大伝送指数を取得するステップと、
解凍後のデータビット幅M及び解凍ポイントNに基づいて、最大圧縮指数を決定するステップであって、具体的には、前記解凍後のデータビット幅Mと前記解凍ポイントNとの第1差分値を決定し、そして、前記第1差分値を前記最大圧縮指数として決定するステップと、
前記最大伝送指数及び前記最大圧縮指数に基づいて、信号処理スケーリング指数を決定するステップであって、具体的には、前記最大伝送指数と最大圧縮指数との第2差分値を決定し、そして、前記第2差分値を前記信号処理スケーリング指数として決定するステップと、
前記伝送指数及び前記信号処理スケーリング指数に基づいて、解凍指数を決定するステップであって、具体的には、前記伝送指数と前記信号処理スケーリング指数との第3差分値を決定し、そして、前記第3差分値を前記信号解凍指数として決定するステップと、を含んでもよい。
【0059】
本実施例は、5G無線移動通信のデータ伝送に適用され、ORANプロトコルによるデータ圧縮/解凍方法及びIQデータカプセル化フォーマットに基づいて、具体的なデータ伝送方式を提供し、当該方式は、伝送精度を保証する上で、フーリエ又は逆フーリエ変換、電力制御などのデジタル信号処理及びデータ圧縮過程におけるデータスケーリング指数を効果的に伝送することができ、ORANプロトコルを満たすデータ伝送を実現し、記憶空間を効果的に減少させ、その伝送、記憶及び処理の効率を向上させることができる。ORANプロトコルには、データ圧縮方法及び圧縮指数の伝送方式が説明されるが、デジタル信号処理過程におけるスケーリング指数の伝送方式が明記されていないため、効果的なデータ伝送を直接実現できない。
【0060】
図4は、本実施例に係るORANプロトコルに基づくデータ伝送のブロック図であり、図4に示すように、送信側42と受信側44の2つの部分の信号処理に関し、送信側42は、主に、データ入力モジュール421、データ圧縮モジュール422、指数合併・データスケーリングモジュール423及びデータカプセル化・送信モジュール424を含み、受信側44は、主に、データ受信モジュール441、及びデータ分解・解凍モジュール442を含む。
【0061】
データ入力モジュール421は、主に、データ入力、信号処理スケーリング指数入力、圧縮方式とポイント制御命令入力、及びカプセル化フォーマット制御命令入力などの機能を完成するように構成され、圧縮方式は、ORANにおけるBFP圧縮及び正規化圧縮であってもよい。
【0062】
データ圧縮モジュール422は、圧縮制御命令に基づいてデータ圧縮を完了し、対応する圧縮指数を取得するように構成される。
【0063】
送信側指数合併・データスケーリングモジュール423は、信号処理スケーリング指数と圧縮指数を合併して、合併結果に基づいて、伝送用の指数を取得してデータに対してシフト処理を行い、シフト処理中にデータオーバーフロー処理を行うように構成される。
【0064】
送信側データカプセル化・送信モジュール424は、カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、ORANプロトコル要求に応じてデータのカプセル化及び送信を行うように構成される。
【0065】
データ受信モジュール441は、主に圧縮後のデータ、解凍制御命令、合併後のスケーリング指数、カプセル化フォーマット制御命令などを含むデータの受信を完成し、カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、データに対してフォーマット変換を行うように構成される。
【0066】
データ分解・解凍モジュール442は、合併後の圧縮指数を分解して、圧縮指数及びデジタル信号処理スケーリング指数を取得し、取得された圧縮指数に基づいて、解凍制御命令によりデータを解凍するように構成される。
【0067】
図5は、本実施例に係るORANプロトコルに基づくデータ送信のフローチャートであり、図5に示すように、以下のステップS100~ステップS105を含む。
【0068】
ステップS100では、前段の信号処理過程から圧縮対象のIQデータであるI及びQ、前段のデータ圧縮指数s_fac、圧縮制御命令及びORANカプセル化命令を取得し、IQデータビット幅は、W bitであり、s_facは、前段の信号処理過程におけるデータのスケーリングビット数を示し、圧縮制御命令は、圧縮ポイントNを決定し(即ち、圧縮後のデータは、N bitであり、N<=W)、ORANプロトコルにおいて、データカプセル化は、2つのビッグエンディアン/リトルエンディアン配列方式を有し、ORANカプセル化命令は、具体的なビッグエンディアン/リトルエンディアン配列を制御する。上記関連データ及び情報を取得した後、ステップS101に進む。
【0069】
ステップS101では、圧縮命令に基づいて、RB(resource block、1つのRBは、12対のIQデータを単位としてNポイント圧縮を行う)を単位としてデータ圧縮を行い、圧縮アルゴリズムは、ORANプロトコルにおけるBFP圧縮及び正規化圧縮を用いることができ、具体的な圧縮アルゴリズムは、ORANプロトコルを参照し、現在のデータグループの圧縮処理を完了して圧縮指数c_fac及び圧縮データを取得した後にステップS102に進む。
【0070】
ステップS102では、RBを単位としてスケーリング指数s_facと圧縮指数c_facとを合計して、合併後の指数exp_tempを取得し、スケーリング指数s_facは、ステップS100で得られ、各RBの圧縮指数c_facは、ステップS101で計算して得られ、現在のRBの指数合併を完了した後にステップS103に進む。
【0071】
ステップS103では、合併後の指数exp_tempに基づいて、現在のRB送信時の指数exponentとデータシフト因子shiftを計算し、exp_temp>15の場合、exponent=15、shift=exp_temp-15であり、15>=exp_temp>=0の場合、exponent=exp_temp、shift=0であり、exp_temp<0の場合、exponent=0、shift=exp_tempである。ステップS104に進む。
【0072】
ステップS104では、ステップS103で計算されたデータシフト因子shiftに基づいて、ステップS101で得られた現在のRBの圧縮後のN bit IQデータであるdataI及びdataQをシフトして、オーバーフロー防止処理を行った後、現在のRBの送信データI_tx及びQ_txを取得する。データシフト過程は、shift>=0の場合、dataI及びdataQをそれぞれshiftビット左シフトし、shift<0の場合、dataI及びdataQをそれぞれ-shiftビット右シフトすることである。オーバーフロー防止処理は、左シフトされたデータがN bitの符号付きデータの最大値2^(N-1)-1より大きい場合、左シフトされたデータを2^(N-1)-1として設定し、そうでない場合、変更しないという方法を用いることができるが、これに限定されない。現在のRBの全ての12対の圧縮後のデータに対してシフト及びオーバーフロー防止処理を行った後、ステップS105に進む。
【0073】
ステップS105では、ステップS101~ステップS104を繰り返して、全てのRBの送信データI_tx、Q_tx及び送信指数exponentを取得した後、ORANカプセル化命令により、図6及び図7に示すようなORANプロトコルにおけるデータカプセル化フォーマットに基づいて、データをカプセル化して送信する。
【0074】
図8は、本実施例に係るORANプロトコルに基づくデータ受信のフローチャートであり、図8に示すように、以下のステップS200~ステップS205を含む。
【0075】
ステップS200では、送信側から送信されたデータ、データカプセル化命令、解凍アルゴリズム、解凍ポイントN、及び解凍後のデータビット幅Mなどの情報を受信し、カプセル化命令によって指定されたビッグエンディアン/リトルエンディアンフォーマットに基づいてデータを解析して、各RBの圧縮データI_tx、Q_tx及び送信指数exponentを取得し、ステップS201に進む。
【0076】
ステップS201では、ステップS200における全てのRBの送信指数exponentのうちの最大値expmaxを見つけ、最大圧縮指数c_facmax=M-Nを計算し、ステップS202に進む。
【0077】
ステップS202では、全てのRBの信号処理スケーリング指数s_fac=expmax-c_facmaxを計算し、ステップS203に進む。
【0078】
ステップS203では、RBを単位として解凍指数を計算する。ステップS200で得られた各RBの送信指数exponent及びステップS202で得られた全てのRBの信号処理スケーリング指数s_facに基づいて、各RBの解凍指数c_fac=exponent-s_facを計算し、ステップS204に進む。
【0079】
ステップS204では、ステップS203で得られた解凍指数c_facに基づいて、現在のRBデータを解凍し、解凍アルゴリズムは、ORANプロトコルにおけるBFP及び正規化解凍アルゴリズムを用い、ステップS205に進む。
【0080】
ステップS205では、ステップS203及びステップS204を繰り返して、全てのRBデータの解凍を完了し、データ及び信号処理スケーリング指数の受信を完了して、後続の信号処理に用いる。
【0081】
本実施例は、従来のORANプロトコルが信号処理スケーリング指数を直接伝送できないという問題を克服し、具体的な高精度のデータ伝送方式を提供し、当該方式は、伝送精度を保証する上で、FFT/IFFT変換、電力制御などのデジタル信号処理及びデータ圧縮過程におけるデータスケーリング指数を効果的に伝送し、ORANプロトコルを満たすデータ伝送を実現することができる。本解決手段を適用することにより、ORANプロトコルを満たす前提で、信号処理及び圧縮過程におけるダイナミックレンジ及びリソース配置の柔軟性を向上させ、記憶空間を効果的に減少させ、その伝送、記憶及び処理の効率を向上させることができる。
【0082】
本開示の別の実施例によれば、データ伝送装置をさらに提供し、図9は、本実施例に係るデータ伝送装置のブロック図(その1)であり、図9に示すように、当該データ伝送装置は、
圧縮制御命令に基づいて、データを圧縮して、圧縮後のデータを取得し、圧縮指数を取得するように構成される圧縮モジュール92と、
前記圧縮指数及び信号処理スケーリング指数に基づいて、データ伝送時の伝送指数を決定するように構成される第1決定モジュール94と、
カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、ORANプロトコルに応じて前記圧縮後のデータ及び前記伝送指数をカプセル化して、カプセル化されたデータを取得し、前記カプセル化されたデータを送信するように構成されるカプセル化モジュール96と、を含む。
【0083】
例示的な一実施例において、前記第1決定モジュール94は、
前記圧縮指数と信号処理スケーリング指数を合併し、合併指数を取得するように構成される合併サブモジュールと、
前記合併指数に基づいて、前記伝送指数を決定するように構成される第1決定サブモジュールと、を含む。
【0084】
例示的な一実施例において、前記第1決定サブモジュールは、さらに、前記合併指数に基づいて前記伝送指数を決定するとともに、前記合併指数に基づいてデータシフト因子を決定するように構成され、
前記装置は、前記データシフト因子に基づいて、前記圧縮後のデータに対してシフト処理を行うように構成されるシフト処理サブモジュールと、
シフト処理中に、前記圧縮後のデータに対してデータオーバーフロー処理を行うように構成されるオーバーフロー処理サブモジュールと、をさらに含む。
【0085】
例示的な一実施例において、前記第1決定サブモジュールは、
前記合併結果が15より大きい場合、前記伝送指数が15であると決定し、前記合併結果と前記伝送指数との差分値が前記データシフト因子であると決定するように構成される第1決定ユニットと、
前記合併結果が0以上であり、かつ前記合併結果が15以下である場合、前記伝送指数が前記合併結果であると決定し、前記データシフト因子が0であると決定するように構成される第2決定ユニットと、
前記合併結果が0より小さい場合、前記伝送指数が0であると決定し、前記データシフト因子が前記合併結果であると決定するように構成される第3決定ユニットと、を含む。
【0086】
例示的な一実施例において、前記シフト処理サブモジュールは、
前記データシフト因子shiftが0以上である場合、前記圧縮後のデータをshiftビット左シフトして、左シフト後のデータを取得するように構成される左シフトユニットと、
前記shiftが0より小さい場合、前記圧縮後のデータをそれぞれ-shiftビット右シフトして、右シフト後のデータを取得するように構成される右シフトユニットと、を含む。
【0087】
例示的な一実施例において、前記オーバーフロー処理サブモジュールは、
【0088】
【数4】
【0089】
本開示の別の実施例によれば、データ伝送装置をさらに提供し、図10は、本実施例に係るデータ伝送装置のブロック図(その2)であり、図10に示すように、当該データ伝送装置は、
カプセル化されたデータ及びカプセル化フォーマット制御命令を受信するように構成される受信モジュール102と、
ORANプロトコルを用いて、前記カプセル化フォーマット制御命令に基づいて、前記カプセル化されたデータをデカプセル化して、圧縮後のデータ及びデータ伝送時の伝送指数を取得するように構成されるデカプセル化モジュール104と、
前記伝送指数に基づいて、信号処理スケーリング指数及び解凍指数を決定するように構成される第2決定モジュール106と、
前記解凍指数に基づいて、前記圧縮後のデータを解凍して、データを取得するように構成される解凍モジュール108と、を含む。
【0090】
例示的な一実施例において、上記第2決定モジュール106は、
前記伝送指数のうちの最大伝送指数を取得するように構成される取得サブモジュールと、
解凍後のデータビット幅M及び解凍ポイントNに基づいて、最大圧縮指数を決定するように構成される第2決定サブモジュールと、
前記最大伝送指数及び前記最大圧縮指数に基づいて、信号処理スケーリング指数を決定するように構成される第3決定サブモジュールと、
前記伝送指数及び前記信号処理スケーリング指数に基づいて、解凍指数を決定するように構成される第4決定サブモジュールと、を含む。
【0091】
例示的な一実施例において、前記第2決定サブモジュールは、さらに、
前記解凍後のデータビット幅Mと前記解凍ポイントNとの第1差分値を決定し、
前記第1差分値を前記最大圧縮指数として決定するように構成される。
【0092】
例示的な一実施例において、前記第3決定サブモジュールは、さらに、
前記最大伝送指数と最大圧縮指数との第2差分値を決定し、
前記第2差分値を前記信号処理スケーリング指数として決定するように構成され、
前記第4決定サブモジュールは、さらに、前記伝送指数と前記信号処理スケーリング指数との第3差分値を決定し、
前記第3差分値を前記信号解凍指数として決定するように構成される。
【0093】
本開示の実施例において、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、当該コンピュータプログラムは、実行されると、上記いずれかの方法の実施例におけるステップを実現するように構成されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0094】
例示的な一実施例では、上記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、USBディスクや、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROMと略称される)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAMと略称される)、モバイルハードディスク、磁気ディスク又は光ディスクなどのプログラムコードを記憶できる様々な媒体を含むことができるが、これらに限定されない。
【0095】
本開示の実施例において、コンピュータプログラムが記憶されているメモリと、コンピュータプログラムを実行して上記いずれかの方法の実施例におけるステップを実現するように構成されるプロセッサとを含む、電子装置をさらに提供する。
【0096】
例示的な一実施例において、上記電子装置は、伝送機器及び入出力機器をさらに含んでもよく、当該伝送機器は、上記プロセッサに接続され、当該入出力機器は、上記プロセッサに接続される。
【0097】
本実施例における具体的な例は、上記実施例及び例示的な実施形態に説明される例を参照できるので、本実施例は、ここでは繰り返し説明を省略する。
【0098】
明らかに、当業者は、上述した本開示における各モジュール又は各ステップが汎用コンピューティングデバイスで実現されてもよく、それらが単一のコンピューティングデバイスに集中されてもよく、又は複数のコンピューティングデバイスで構成されたネットワークに分布されてもよく、それらがコンピューティングデバイスで実行可能なプログラムコードで実現されてよいので、それらを記憶装置に記憶してコンピューティングデバイスで実行し、かついくつかの場合で、本明細書とは異なる順序で、図示又は記載されたステップを実行することができ、又はそれらをそれぞれ各集積回路モジュールに作り、又はそれらのうちの複数のモジュール又はステップを単一の集積回路に作って実現することを理解すべきである。これにより、本開示は、いかなる特定のハードウェアとソフトウェアの組み合わせに限定されない。
【0099】
以上は、本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示を限定するものではなく、当業者であれば、本開示に対する様々な変更と変化を行うことができる。本開示の原則内で行われるいかなる修正、同等置換及び改善などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】