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特表2024-524892低コスト高保磁力を有するLaCeリッチなネオジム鉄ボロン永久磁石及びその製造方法並びに応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】低コスト高保磁力を有するLaCeリッチなネオジム鉄ボロン永久磁石及びその製造方法並びに応用
(51)【国際特許分類】
   H01F 1/057 20060101AFI20240702BHJP
   H01F 41/02 20060101ALI20240702BHJP
   B22F 9/04 20060101ALI20240702BHJP
   C22C 38/00 20060101ALI20240702BHJP
   B22F 3/00 20210101ALI20240702BHJP
   C22C 33/02 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H01F1/057 170
H01F41/02 G
B22F9/04 E
B22F9/04 D
B22F9/04 C
C22C38/00 303D
B22F3/00 F
C22C33/02 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576237
(86)(22)【出願日】2022-06-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 CN2022098425
(87)【国際公開番号】W WO2022258070
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】202110656406.5
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522310502
【氏名又は名称】烟台正海磁性材料股▲フン▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】523304098
【氏名又は名称】南通正海磁材有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】史丙強
(72)【発明者】
【氏名】安仲▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼初波
(72)【発明者】
【氏名】劉磊
(72)【発明者】
【氏名】金艶梅
【テーマコード(参考)】
4K017
4K018
5E040
5E062
【Fターム(参考)】
4K017AA04
4K017BA06
4K017BB01
4K017BB05
4K017BB06
4K017BB09
4K017BB12
4K017BB13
4K017BB18
4K017CA07
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4K017EA03
4K017EA08
4K018AA27
4K018BA18
4K018BA20
4K018BC12
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4K018CA11
4K018CA23
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4K018FA08
4K018KA45
5E040AA04
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5E040NN01
5E040NN06
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5E062CD04
5E062CG02
(57)【要約】
本発明は、低コスト高保磁力を有するLaCeリッチなネオジム鉄ボロン永久磁石及びその製造方法並びに応用を開示しており、前記永久磁石はLaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金及びLaCe-M合金から混合、焼結して製造されてなる。本発明は、まずLaCe無しの主相合金及びLaCe-M補助相合金をそれぞれ製錬し、次に製粉、混合、プレス、焼結により、主相結晶粒へのLaCe進入による磁石性能低下という性能欠陥を効果的に回避し、同時に磁石の製造コストを低減し、希土類資源のバランス及び持続可能な利用を実現する。また、本発明は、LaCeリッチな粒界相の低融点、高流動性という特徴を利用し、磁石内部へのHRE拡散の深さ及び濃度を効果的に向上させるため、磁石内の成分及び組織分布の均一性の向上に寄与する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
24.2~38wt%のRe0+Re1+Re2、0.1~1.5wt%のAl、0.1~1wt%のGa、0.9~1wt%のB、残部の遷移金属元素という質量百分率の成分からなり、
そのうち、
前記Re0元素はLa、Ceから選ばれる1種又は2種であり、好ましくはLa、Ceのうちの2種であり、好ましくは、磁石の総質量に占める前記Re0の百分率は0.1~9wt%であってもよく、
前記Re1元素はPr及びNdから選ばれる1種又は2種であり、且つ少なくともNdを含み、好ましくは、磁石の総質量に占める前記Re1の百分率は24~28wt%であってもよく、
前記Re2元素はDy、Tb及びHoから選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、磁石の総質量に占める前記Re2の百分率は0.1~1wt%であってもよく、
好ましくは、前記遷移金属元素は少なくともFe及びCo元素を含み、例えば、前記遷移元素はCo、Cu、Zr、Ti及びFeから選ばれ、
好ましくは、前記遷移金属元素は、0.1~3wt%のCo、0.1~1.5wt%のCu、0~1wt%のZr、0.1~2wt%のTi、残部のFeといった質量百分率の各組成を含む、
ことを特徴とするネオジム鉄ボロン永久磁石。
【請求項2】
0.1~9wt%のRe0、24~28wt%のRe1、0.1~1wt%のRe2、0.1~3wt%のCo、0.1~1.5wt%のAl、0.1~1wt%のCu、0.1~1wt%のGa、0~1wt%のZr、0.1~2wt%のTi、0.9~1wt%のB、残部のFeといった質量百分率の成分からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石。
【請求項3】
前記永久磁石は、主相、粒界相、及び主相と粒界相との間の複合相からなる微細組織特徴を有し、
好ましくは、前記主相結晶粒の平均結晶粒径は2~7μmであり、
好ましくは、前記主相結晶粒はRe1元素を含むが、Re0、Re2元素を含まず、主相結晶粒はR2T14B型相構造を有し、そのうちTは遷移金属元素を表し、且つ前記Tは少なくともFe及びCo元素を含み、
好ましくは、前記粒界相は、主相結晶粒境界に沿って平直の帯状に連続的に分布し、
好ましくは、前記粒界相は、少なくともRe0、Re1、Re2元素及びCo、Al、Cu、Ga、Zr、Ti、B、Fe元素のうちの1種以上を含み、
好ましくは、前記複合相は主相と粒界相との間に存在し、
好ましくは、前記永久磁石は、基本的に図1に示される微細組織構造を有し、
好ましくは、前記複合相はRe0、Re1、Re2元素を含み、R2T14B型相構造を有し、そのうちTは遷移金属元素を表し、且つ前記Tは少なくともFe、Coを含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の永久磁石。
【請求項4】
前記永久磁石は、LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金及びLaCe-M合金から混合、焼結して製造され、そのうち、
HREは重希土類元素を指し、例えばDy、Tb及びHoから選ばれる少なくとも1種であり、MはAl、Cu及びFeのうちの少なくとも1種を表す、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の永久磁石。
【請求項5】
永久磁石の製造方法であり、前記製造方法は、LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金とLaCe-M合金との原料を混合し、真空焼結を経て、前記La、Ceリッチなネオジム鉄ボロン永久磁石を製造して得られ、
好ましくは、LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金及びLaCe-M合金は請求項1又は2に記載された定義及び選択を有し、
好ましくは、前記LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金は合金フレークであり、好ましくは、前記合金フレークの厚さは0.1~0.4mmである、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の永久磁石の製造方法。
【請求項6】
前記LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金は、Re1源、遷移金属源、Ga源、Al源及びB源を含む原料から、真空製錬を経た後に鋳造して得られ、
好ましくは、前記Re1源は、Re1元素を含む単体(純金属)又は合金により提供され、好ましくはRe1元素を含む合金により提供され、例えばPrNd合金により提供され、
好ましくは、前記遷移金属源、Ga源、Al源は、遷移金属元素、Ga元素、Al元素を含む単体又は合金により提供され、好ましくは遷移金属元素、Ga元素、Al元素を含む単体により提供され、
好ましくは、前記B源は、B元素を含む化合物により提供される、
ことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記補助相合金は合金フレークであり、好ましくは、前記合金フレークの厚さは0.1~0.4mmであり、
好ましくは、前記補助相合金は、Re0源、M源を含む原料から、真空製錬を経た後に鋳造して得られ、
好ましくは、前記製錬は、窒素ガス又はアルゴンガス雰囲気などの不活性ガス雰囲気で、好ましくはアルゴンガス雰囲気で行われ、
好ましくは、前記主相合金、補助相合金の製錬プロセスにおける鋳造温度は相同又は相異であり、例えば、互いに独立的に1300~1500℃であってもよく、
好ましくは、前記主相合金、補助相合金の鋳造プロセスは相同又は相異であり、例えば、互いに独立的に溶融した液体を回転する水冷銅ローラーに鋳込んでもよく、更に、前記回転する水冷銅ロールの回転速度は15~45rpmであり、
好ましくは、更に、主相合金及び補助相合金に対して、水素破砕、脱水素、ジェットミル処理をそれぞれ施して主相合金粉末及び補助相合金粉末を製造し、
好ましくは、前記主相合金及び補助相合金は、製錬フレークの形態で混合するか、又は製錬フレーク、水素破砕、脱水素、ジェットミル処理の任意の段階で混合することができ、
好ましくは、前記真空液相焼結の前、前記主相合金、補助相合金に対して水素破砕、脱水素、ジェットミル処理を施して主相合金粉末及び補助相合金粉末を製造することを更に含み、
好ましくは、前記主相合金粉末の平均粒径は3~6μmであり、
好ましくは、前記補助相合金粉末の平均粒径は1~3μmである、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記製造方法は、前記主相合金粉末、補助相合金粉末を混合した後にプレス成形することを更に含み、
好ましくは、前記永久磁石において、主相合金粉末の質量百分率は75~99.5wt%、例えば85~95wt%であり、補助相合金粉末の質量百分率は0.5~25wt%、例えば5~15wt%であり、
好ましくは、前記プレス成形は、配向プレス成形及び等方圧成形を含み、好ましくは、まず配向プレス成形を経て圧粉体を得て、そして等方圧成形を経て圧粉体を製造することによって、圧粉体の密度を更に向上させ、
好ましくは、前記配向磁場の磁場強度は2~5Tであり、
好ましくは、前記等方圧成形の圧力は150~260MPaであり、
好ましくは、前記真空液相焼結は二次焼成処理を用いて、LaCeリッチなHRE無しの磁石を製造して得られ、
好ましくは、二次焼成の温度は相同又は相異であり、例えば何れも900~1100℃、好ましくは950~1100℃であり、
好ましくは、二次焼成の時間は相同又は相異であり、例えば何れも4~8h、好ましくは4~6hであり、
好ましくは、前記二次焼成の昇温速度は何れも5~15℃/minであり、
好ましくは、前記製造方法は、真空液相焼結の後に得られたLaCeリッチなHRE無しの磁石に対して時効処理を行い、低HREのLa、Ceリッチなネオジム鉄ボロン磁石を製造して得られることを更に含み、
好ましくは、前記時効処理は二段焼成処理を用いて、一次焼成温度は800~1000℃、一次焼成時間は0.5~36hであり、
二次焼成温度は400~600℃、好ましくは450~550℃であり、二次焼成時間は1~6h、好ましくは2~5hであり、
好ましくは、前記時効処理の拡散源はRe2元素を含む拡散源であり、そのうち、前記Re2元素はDy、Tb、Hoのうちの少なくとも1種であり、
好ましくは、前記のRe2元素を含む拡散源はRe2元素を含む純金属、合金又は化合物であり、
好ましくは、前記時効処理の方法は、磁石の表面にRe2元素を含む拡散源を付着させ、真空熱処理炉内で時効処理を施して、低HREのLa、Ceリッチなネオジム鉄ボロン磁石を製造して得られる、
ことを特徴とする請求項5~7の何れか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
成分設計の要件に応じて、前記重量百分率でRe1源、遷移金属源、Ga源、Al源、B源を秤量して混合し、真空誘導炉を用いてArガス雰囲気の保護で製錬し、溶融後の溶融液体を回転する水冷銅ローラーに鋳込み、主相合金フレークを製造するステップ1と、
成分設計の要件に応じて、原材料であるRe0源、M源を秤量して混合し、真空誘導製錬炉を用いてArガス雰囲気の保護で製錬し、溶融後の溶融液体を回転する水冷銅ローラーに鋳込み、補助相合金フレークを製造するステップ2と、
主相合金フレーク及び補助相合金フレークに対して、水素破砕、脱水素、ジェットミル処理をそれぞれ施した後、主相合金粉末及び補助相合金粉末を製造するステップ3と、
主相合金粉末及び補助相合金粉末を混合した後、磁場で配向プレスして圧粉体を得て、そして等方圧機によりプレスされ、圧粉体の密度を更に向上させるステップ4と、
圧粉体を真空焼結炉内で焼結し、LaCeリッチなHRE無しの磁石を製造して得られるステップ5と、
磁石の表面にRe2元素を含む拡散源を付着させ、真空熱処理炉内で時効処理を行い、低HREのLa、Ceリッチなネオジム鉄ボロン磁石を製造して得られるステップ6と、を含む、
ことを特徴とする請求項5~8の何れか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
希土類永久磁石モーター、スマート消費電気製品、医療機器などの分野における、請求項1~4の何れか一項に記載の永久磁石及び/又は請求項5~9の何れか一項に記載の製造方法により製造して得られる永久磁石の応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年6月11日に中国国家知識産権局に提出された、特許出願番号が202110656406.5、発明の名称が「低コスト高保磁力を有するLaCeリッチなネオジム鉄ボロン永久磁石及びその製造方法並びに応用」である先行出願の優先権を主張する。上記先行出願は全体として援用により本願に組み込まれている。
【0002】
本発明は、希土類永久磁石分野に属し、具体的には低コスト高保磁力を有するLaCeリッチなネオジム鉄ボロン永久磁石及びその製造方法並びに応用に関する。
【背景技術】
【0003】
焼結ネオジム鉄ボロンは、第3世代の希土類永久磁石材料として主に希土類PrNd、鉄、ボロンなどの元素で構成され、その優れた磁気性能及び高いコストパフォーマンスのため、各種の希土類永久磁石モーター、スマート消費電気製品、医療機器などの分野に広く適用されている。低炭素環境保護経済及びハイテクノロジーの急速な発展に伴い、ネオジム鉄ボロン系焼結磁石の需要が高まっており、希土類PrNd資源の消費が大幅に増加し、PrNdの価格が徐々に上昇する。La、Ceは、PrNdと類似の化学的性質を持つと共に、埋蔵量が最も豊富な希土類元素であるが、それ自体の固有磁気性能が比較的低いため、希土類永久磁石材料分野における応用は制限されている。
【0004】
中国のバヤンオボー鉱区中のLa、Ceは希土類総量の70%以上を占めているが、La、Ceは市場の需要が限られており、且つPr、Nd、Dy、Tbと希土類鉱に共存して大規模な採掘と同時に蓄積が発生するため、市場に供給過剰の状況になっている。従って、Pr、Ndに代えてLa、Ceを用いて焼結ネオジム鉄ボロンに適用することは、原材料コストを低減できるだけでなく、希土類資源の均衡利用にも寄与する。しかし、La2Fe14B及びCe2Fe14Bは、R-Fe-Bに比べて飽和磁気分極強度及び結晶磁気異方性磁場が何れも低いため、Pr、Ndに代えてLa、Ceを用いると、磁石の磁気特性の劣化を招く。
【0005】
従来技術において、磁石にLa、Ceを添加するには、主に以下の幾つかの方法がある:1つ目は、合金化の形態で添加し、即ち製錬プロセスにおいて金属La、Ce原材料を添加する方法であり、2つ目は、二重合金の形態で添加し、即ち、まず(R, LaCe)-Fe-BとR-Fe-B合金フレーク(RはNd、Pr、Dy、Tb、Ho、Gdから選ばれる1種又は複数種である)をそれぞれ製錬して製造し、次に上記合金フレークを一定の比率で混合した後にプレス、焼結する方法であり、3つ目は、磁石表面にLa、Ceの化合物又は合金を付着させ、そして適切な熱処理プロセスを施すことにより、La、Ceを磁石内部に拡散させる方法である。
【0006】
上記方法において、合金化の形態による添加により、La、Ceが主相結晶粒に入り込み、主相結晶粒の飽和磁気分極強度、キュリー温度、結晶磁気異方性磁場などの性能が低下し、更に磁石の初期性能が低下し、その応用と発展は制限されてしまう。しかし、拡散添加の方法によりLa、Ceを磁石内部に入り込ませる場合は、プロセスが複雑且つ煩雑であり、La、Ceの添加量が不十分で、且つ磁石の保磁力を向上させることは困難であるなどの技術的欠陥があるため、コストパフォーマンスが低く、その応用と発展に不利がある。二重合金による添加方法により、La、Ceが主相結晶粒内部に入り込むことを一定の程度で防ぐことができるため、La、Ce含有ネオジム鉄ボロン磁石の主な製造プロセスとなっている。
【0007】
しかし、La、Ceの添加による磁気性能の低下を補うよう、高性能なLa、Ce含有ネオジム鉄ボロン磁石の製造を実現するために、La、Ceリッチな磁石の製造時に通常、一定量のDy、Tbなどの重希土類元素を添加して磁石の磁気性能を向上させるという上記方法が、磁石の生産コストを大幅に増加すると同時に、重希土類資源の危機を激化させるため、希土類資源の持続可能な利用には不利である。従って、La、Ceリッチな高性能ネオジム鉄ボロン磁石を如何に製造して、磁石の生産コストを低減し、且つ希土類資源の持続可能な利用に寄与するかは、解決すべき技術問題となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術問題を改善するために、本発明は、24.2~38 wt%のRe0+Re1+Re2、0.1~1.5 wt%のAl、0.1~1 wt%のGa、0.9~1 wt%のB、残部の遷移金属元素といった質量百分率の成分からなる、ネオジム鉄ボロン永久磁石を提供する。
【0009】
そのうち、
上記Re0元素はLa、Ceから選ばれる1種又は2種であり、好ましくはLa、Ceのうちの2種であり、好ましくは、磁石の総質量に占める上記Re0の百分率は0.1~9 wt%であってもよい。
【0010】
上記Re1元素はPr及びNdから選ばれる1種又は2種であり、且つ少なくともNdを含み、好ましくは、磁石の総質量に占める上記Re1の百分率は24~28 wt%であってもよい。
【0011】
上記Re2元素はDy、Tb及びHoから選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、磁石の総質量に占める上記Re2の百分率は0.1~1 wt%であってもよい。
【0012】
好ましくは、上記遷移金属元素は少なくともFe及びCo元素を含む。例えば、上記遷移元素はCo、Cu、Zr、Ti及びFeから選ばれる。
【0013】
好ましくは、上記遷移金属元素は、0.1~3 wt%のCo、0.1~1.5 wt%のCu、0~1 wt%のZr、0.1~2 wt%のTi、残部のFeといった質量百分率の各組成を含む。
【0014】
本発明の例示的な実施形態によれば、上記ネオジム鉄ボロン永久磁石は、0.1~9 wt%のRe0、24~28 wt%のRe1、0.1~1 wt%のRe2、0.1~3 wt%のCo、0.1~1.5 wt%のAl、0.1~1 wt%のCu、0.1~1 wt%のGa、0~1 wt%のZr、0.1~2 wt%のTi、0.9~1 wt%のB、残部のFeといった質量百分率の成分からなる。
【0015】
本発明の実施形態によれば、上記ネオジム鉄ボロン永久磁石は、主相、粒界相、及び主相と粒界相との間の複合相からなる微細組織特徴を有する。
【0016】
好ましくは、上記主相結晶粒の平均結晶粒径は2~7 μmであり、例示的には2 μm、3 μm、4 μm、5 μm、6 μm、7 μmである。
【0017】
好ましくは、上記主相結晶粒はRe1元素を含むが、Re0、Re2元素を含まず、主相結晶粒はR2T14B型相構造を有し、そのうちTは遷移金属元素を表し、且つ上記Tは少なくともFe及びCo元素を含む。
【0018】
好ましくは、上記粒界相は、主相結晶粒境界に沿って平直の帯状に連続的に分布する。
好ましくは、上記粒界相は、少なくともRe0、Re1、Re2元素及びCo、Al、Cu、Ga、Zr、Ti、B、Fe元素のうちの1種以上を含む。
【0019】
好ましくは、上記複合相は主相と粒界相との間に存在する。
【0020】
好ましくは、上記ネオジム鉄ボロン永久磁石は、基本的に図1に示される微細組織構造を有する。
【0021】
好ましくは、上記複合相はRe0、Re1、Re2元素を含み、R2T14B型相構造を有し、そのうちTは遷移金属元素を表し、且つ上記Tは少なくともFe、Coを含む。
【0022】
本発明の実施形態によれば、上記永久磁石は、LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金とLaCe-M合金とを混合した後に製粉し、プレス、真空焼結を経て製造され、そのうち、
HREは重希土類元素を指し、例えばDy、Tb及びHoから選ばれる少なくとも1種であり、MはAl、Cu及びFeのうちの少なくとも1種を表す。
【0023】
本発明の実施形態によれば、上記永久磁石の製造プロセスにおいて、任意選択的に酸化防止潤滑剤を添加してもよい。好ましくは、上記酸化防止潤滑剤の使用量は粉体の総重量の0.01~2 wt%であってもよく、例示的には0.01 wt%、0.05 wt%、0.1 wt%、0.5 wt%、1 wt%、2 wt%である。
【0024】
本発明は、LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金とLaCe-M合金との原料を混合し、真空液相焼結を経て、上記La、Ceリッチなネオジム鉄ボロン永久磁石を製造して得られることを含む、上記ネオジム鉄ボロン永久磁石の製造方法を更に提供する。
【0025】
本発明の実施形態によれば、LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金及びLaCe-M合金は上記に記載された定義及び選択を有する。
【0026】
希土類金属は、製錬冶金プロセスにおいてLa、Ce又はHREの不純物が存在するため、当業者は、ネオジム鉄ボロン主相合金においてLa<0.1 wt%、Ce<0.1 wt%、HRE<0.1 wt%の時、LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金であると考えられる、と理解できる。
【0027】
本発明の実施形態によれば、上記LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金は合金フレークである。好ましくは、上記合金フレークの厚さは0.1~0.4 mmであり、例示的には0.1 mm、0.2 mm、0.3 mm、0.4 mmである。
【0028】
本発明の実施形態によれば、上記LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金は、Re1源、遷移金属源、Ga源、Al源及びB源を含む原料から、真空製錬を経た後に鋳造して得られる。
【0029】
好ましくは、上記Re1源は、Re1元素を含む単体(純金属)又は合金により提供され、好ましくはRe1元素を含む合金により提供され、例えばPrNd合金により提供される。
好ましくは、上記遷移金属源、Ga源、Al源は、遷移金属元素、Ga元素、Al元素を含む単体又は合金により提供され、好ましくは遷移金属元素、Ga元素、Al元素を含む単体により提供される。
【0030】
好ましくは、上記B源は、B元素を含む化合物により提供され、例えばB-Fe砂により提供される。
【0031】
本発明の実施形態によれば、上記補助相合金は合金フレークである。好ましくは、上記合金フレークの厚さは0.1~0.4 mmであり、例示的には0.1 mm、0.2 mm、0.25 mm、0.3 mm、0.4 mmである。
【0032】
本発明の実施形態によれば、上記補助相合金は、Re0源、M源を含む原料から、真空製錬を経た後に鋳造して得られる。
【0033】
好ましくは、上記Re0源、M源は、Re0元素、M元素を含む単体(純金属)又は合金により提供され、好ましくはRe0元素、M元素を含む単体により提供される。
【0034】
好ましくは、上記製錬は、窒素ガス又はアルゴンガス雰囲気などの不活性ガス雰囲気で、好ましくはアルゴンガス雰囲気で行われる。
【0035】
好ましくは、上記主相合金、補助相合金の製錬プロセスにおける鋳造温度は相同又は相異である。例えば、互いに独立的に1300~1500℃であってもよく、例示的には1300℃、1400℃、1500℃である。
【0036】
好ましくは、上記主相合金、補助相合金の鋳造プロセスは相同又は相異である。例えば、互いに独立的に溶融した液体を回転する水冷銅ローラーに鋳込んでもよい。更に、上記回転する水冷銅ローラーの回転速度は15~45 rpmであり、例示的には15 rpm、20 rpm、25 rpm、30 rpm、40 rpm、45 rpmである。
【0037】
本発明の実施形態によれば、上記主相合金/又は補助相合金の製錬は真空誘導炉内で行われる。
【0038】
本発明の実施形態によれば、上記真空液相焼結の前、上記主相合金、補助相合金を混合することを更に含む。
【0039】
好ましくは、更に、主相合金及び補助相合金に対して、水素破砕、脱水素、ジェットミル処理をそれぞれ施して主相合金粉末及び補助相合金粉末を製造する。
【0040】
好ましくは、上記主相合金、補助相合金は、製錬フレークの形態で混合してもよく、又は水素破砕、脱水素又はジェットミル処理の任意の段階で混合してもよい。
【0041】
好ましくは、上記主相合金粉末の平均粒径は3~6 μmであり、例示的には3 μm、4 μm、5 μm、6 μmである。
【0042】
好ましくは、上記補助相合金粉末の平均粒径は1~3 μmであり、例示的には1 μm、2 μm、3 μmである。
【0043】
本発明の実施形態によれば、上記製造方法は、上記主相合金粉末と補助相合金粉末とを混合した後にプレス成形することを更に含む。
【0044】
好ましくは、上記永久磁石において、主相合金粉末の質量百分率は75~99.5 wt%、例えば85~95 wt%であり、補助相合金粉末の質量百分率は0.5~25 wt%、例えば5~15 wt%である。
【0045】
本発明の実施形態によれば、上記混合は撹拌条件で行われる。
【0046】
本発明の実施形態によれば、上記プレス成形は、配向プレス成形及び等方圧成形を含み、好ましくは、まず配向プレス成形を経て圧粉体を得て、更に等方圧成形を経て圧粉体を製造することによって、圧粉体の密度を更に向上させる。更に、上記配向プレスは磁場で行われ、上記等方圧成形は等方圧機で行われる。
【0047】
好ましくは、上記混合粉末は、窒素ガス又はアルゴンガス雰囲気などの不活性ガス雰囲気、好ましくは窒素ガス雰囲気の保護で配向プレス成形を行われる。
【0048】
好ましくは、上記配向磁場の磁場強度は2~5 Tであり、例示的には2 T、3 T、4 T、5 Tである。
【0049】
好ましくは、上記等方圧成形の圧力は150~260 MPaであり、例示的には150 MPa、180 MPa、200 MPa、220 MPa、240 MPa、260 MPaである。
【0050】
好ましくは、上記圧粉体の密度は4~6 g/cm3であり、例示的には4 g/cm3、4.6 g/cm3、5 g/cm3、6 g/cm3である。
【0051】
本発明の実施形態によれば、上記真空液相焼結は二次焼成処理を用いて、LaCeリッチなHRE無しのネオジム鉄ボロン永久磁石を製造して得られることである。好ましくは、二次焼成の温度は相同又は相異であり、例えば何れも900~1100℃、好ましくは950~1100℃、例示的には900℃、950℃、1000℃、1015℃、1030℃、1100℃である。例えば、二次焼成の時間は相同又は相異であり、例えば何れも4~8 h、好ましくは4~6 h、例示的には4 h、5 h、6 h、8 hである。
【0052】
好ましくは、上記二次焼成の昇温速度は何れも5~15℃/minであり、例示的には5℃/min、8℃/min、10℃/min、12℃/min、15℃/minである。
【0053】
好ましくは、上記真空液相焼結の一次焼結処理の真空度は1×10-2Pa以下である。
【0054】
好ましくは、上記真空液相焼結の二次焼結処理は、窒素又はアルゴンガス雰囲気などの不活性ガス雰囲気、好ましくはアルゴンガス雰囲気で行われる。
【0055】
本発明の実施形態によれば、上記真空液相焼結の一次焼結処理が終了した後、Arガスを注入して、そして100℃以下に冷却する。好ましくは、上記冷却速度≧20℃/minであり、例示的には20℃/min、25℃/min、30℃/min、40℃/minである。
【0056】
本発明の実施形態によれば、上記製造方法は、真空液相焼結の後に得られたLaCeリッチなHRE無しの磁石を65℃以下に冷却することを更に含む。
【0057】
本発明の実施形態によれば、上記製造方法は、真空液相焼結の後に得られたLaCeリッチなHRE無しの磁石に対して時効処理を行い、低HREのLa、Ceリッチなネオジム鉄ボロン永久磁石を製造して得られることを更に含む。
【0058】
好ましくは、上記時効処理は二段焼成処理を用いることであり、一次焼成温度は800~1000℃、例示的には800℃、900℃、1000℃であり、一次焼成時間は0.5~36 h、例示的には0.5 h、1 h、2 h、5 h、12 h、15 h、20 h、24 h、30 h、36 hである。
【0059】
二次焼成温度は400~600℃、好ましくは450~550℃、例示的には400℃、450℃、500℃、510℃、550℃、600℃であり、二次焼成時間は1~6 h、好ましくは2~5 h、例示的には1 h、2 h、3 h、4 h、5 h、6 hである。
【0060】
好ましくは、一次焼成処理の後に反応生成物を80℃以下に冷却し、例えば、70℃、60℃、50℃、40℃、30℃又は室温に冷却する。
【0061】
好ましくは、上記時効処理の拡散源はRe2元素を含む拡散源であり、そのうち、上記Re2元素はDy、Tb、Hoのうちの少なくとも1種である。更に、上記のRe2元素を含む拡散源はRe2元素を含む純金属、合金又は化合物、好ましくはRe2元素を含む化合物であり、例示的にはRe2を含むフッ素化合物である。
【0062】
好ましくは、上記時効処理の方法は、磁石の表面にRe2元素を含む拡散源を付着させ、真空熱処理炉内で時効処理を施して、低HREのLa、Ceリッチなネオジム鉄ボロン磁石を製造して得られることである。
【0063】
例えば、上記拡散源は、コーティング、浸漬、マグネトロンスパッタリング、スプレーなどによって、好ましくはスプレーによって、磁石の表面に堆積付着させることができる。
【0064】
本発明の実施形態によれば、上記ネオジム鉄ボロン永久磁石の製造方法は以下のステップを含む:
ステップ1、成分設計の要件に応じて、上記重量百分率でRe1源、遷移金属源、Ga源、Al源、B源を秤量して混合し、真空誘導炉を用いてArガス雰囲気の保護で製錬し、溶融後の溶融液体を回転する水冷銅ローラーに鋳込み、主相合金フレークを製造する。
【0065】
ステップ2、成分設計の要件に応じて、原材料であるRe0源、M源を秤量して混合し、真空誘導製錬炉を用いてArガス雰囲気の保護で製錬し、溶融後の溶融液体を回転する水冷銅ローラーに鋳込み、補助相合金フレークを製造する。
【0066】
ステップ3、主相合金フレーク及び補助相合金フレークに対して、水素破砕、脱水素、ジェットミル処理をそれぞれ施した後、主相合金粉末及び補助相合金粉末を製造する。
【0067】
ステップ4、主相合金粉末及び補助相合金粉末を混合した後、磁場で配向プレスして圧粉体を得て、そして等方圧機によりプレスされ、圧粉体の密度を更に向上させる。
【0068】
ステップ5、圧粉体を真空焼結炉内で焼結し、LaCeリッチなHRE無しの磁石を製造して得られる。
【0069】
ステップ6、磁石の表面にRe2元素を含む拡散源を付着させ、真空熱処理炉内で時効処理を行い、低HREのLa、Ceリッチなネオジム鉄ボロン磁石を製造して得られる。
【0070】
本発明は、希土類永久磁石モーター、スマート消費電気製品、医療機器などの分野における上記ネオジム鉄ボロン永久磁石の応用を更に提供する。
【発明の効果】
【0071】
(1)本発明は、まずLaCe無しの主相合金及びLaCe-M補助相合金をそれぞれ製錬し、次に製粉、混合、プレス、焼結により、主相結晶粒へのLaCe進入による磁石性能低下という性能欠陥を効果的に回避し、同時に磁石の製造コストを低減し、希土類資源のバランス及び持続可能な利用を実現する。
【0072】
(2)本発明は、LaCeリッチな粒界相の低融点、高流動性及び浸潤性の優れた特性を利用し、磁石内部へのHRE拡散の深さ及び濃度を効果的に向上させるため、磁石内の成分及び組織分布の均一性の向上に寄与する。
【0073】
(3)本発明は、LaCeリッチなネオジム鉄ボロンに対して拡散処理を行うことによって、低HRE高保磁力のLaCeリッチなネオジム鉄ボロン永久磁石の製造を実現し、且つHREの使用量を効果的に低減し、希土類資源の均衡利用及び持続可能な発展を促進する。
【0074】
(4)本発明のHRE無しのLa、Ceリッチなネオジム鉄ボロン永久磁石の製造方法は、LaCe-MとLa、Ce無しのネオジム鉄ボロン合金フレークとを混合するか、又はそれぞれ製粉、混合、プレス、焼結して磁石を製造することによって、ネオジム鉄ボロン磁石のPrNdの使用量を減少させ、希土類リッチ相の磁石内での均一な分布に役立ち、そしてLa、Ceが合金化により主相結晶粒の内部に入り込むことによる主相結晶粒の結晶磁気異方性、飽和磁気分極強度などの磁気パラメータの劣化を回避するため、磁石の磁気性能の向上に寄与する。一方、La、Ceが粒界における富化は、粒界相の融点及び焼結温度を低下させると共に、粒界相の流動性及び連続性を向上させるため、希土類リッチ相が粒界に沿って分布して、連続的で平滑な粒界相を形成し(図1を参照)、それにより逆磁化ドメインの核形成を抑制し、主相結晶粒間の磁気交換、カップリング作用を効果的に遮断し、更にLa、Ceリッチなネオジム鉄ボロン永久磁石に比較的高い磁気性能を備えさせることに寄与する。
【0075】
(5)本発明の低HREのLa、Ceリッチなネオジム鉄ボロン永久磁石の製造プロセスにおいて、La、Ceを粒界相内に集中的に分布することによって(図2~4を参照)、粒界相の浸潤性及び流動性を向上させるため、磁石コア部へのHRE拡散の深さ及び濃度を促進し、磁石内部の主相結晶粒と粒界相との間に高結晶磁気異方性磁場の複合相を形成し、主相結晶粒表面の逆磁化ドメインの核形成磁場を向上させ、それにより磁石の保磁力を顕著に向上させることに寄与する。また、磁石全体にわたって主相結晶粒と粒界相との間に形成された上記成分及び構造が一致した複合相の微細構造により、磁石が逆磁化時に逆磁化ドメインを均一に一致するように形成することができるため、磁石の直角度を顕著に改善する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
図1】磁石内の粒界相、複合相及び主相の走査型電子顕微鏡画像である。
図2】磁石内の粒界相及び主相の分布SEM画像である。
図3】磁石内のLa元素の分布EPMA画像である。
図4】磁石内のCe元素の分布EPMA画像である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下、具体的な実施例に合わせて、本発明の技術案を更に詳しく説明する。下記の実施例は、単に本発明を例示的に説明し解釈するものであり、本発明の請求範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解すべきである。本発明の上記内容に基づいて実現される技術は、何れも本発明による請求範囲内に含まれる。
【0078】
特に説明のない限り、下記の実施例に使用される原料及び試薬は何れも市販品であり、又は既知の方法によって製造されることができる。
【0079】
本発明の以下の実施例において、PrNdは合金の形態で添加し、残りの金属は何れも単体の形態で添加し、BはB-Fe砂により提供される。
【実施例1】
【0080】
(1)29.2 wt%のPrNd、1 wt%のCo、0.3 wt%のGa、0.1 wt%のAl、0.1 wt%のCu、0.2 wt%のZr、0.2 wt%のTi、1.04 wt%のB、残部のFeといった配合比で、主相合金の原料を秤量し、真空誘導製錬炉を用いてArガス雰囲気の保護で製錬し、溶融した液体を回転速度30 rpmの水冷銅ローラーに鋳込み、液体鋳造温度を1400℃にし、平均厚さが0.3 mmの主相合金フレークを製造した。
【0081】
(2)10 wt%のLa、50 wt%のCe、5 wt%のAl、5 wt%のCu、残部のFeといった配合比で、補助相合金の原材料を秤量し、真空誘導製錬炉を用いてArガス雰囲気の保護で製錬し、溶融した液体を回転速度35 rpmの水冷銅ローラーに鋳込み、液体鋳造温度を1400℃にし、平均厚さが0.25 mmの補助相合金フレークを製造した。
【0082】
(3)主相合金フレーク及び補助相合金フレークに対して、水素破砕、脱水素、ジェットミルをそれぞれ施し、平均粒径が4 μm及び2 μmの合金粉末を製造した。95 wt%の主相合金粉末及び5 wt%の補助相合金粉末をそれぞれ秤量し、N2ガス雰囲気の保護で混合し、比率が0.05 wt%の酸化防止潤滑剤(当分野における既知の通常の酸化防止潤滑剤)を添加し、そして撹拌しながら均一に混合した。
【0083】
(4)N2ガス雰囲気の保護で混合粉末をプレス加工設備の金型キャビティに充填し、配向磁場強度3Tで配向成形及びプレスを行い、続いて等方圧機内で180 MPaの圧力で等方圧処理し、密度が4.6 g/cm3の圧粉体を得た(圧粉体を秤量し、サイズを計測することにより、計算して得られた)。
【0084】
(5)N2ガス雰囲気の保護で圧粉体を真空焼結炉に送り込み、1015℃の温度を維持して、焼結の真空度を1×10-2 Pa以下にするように、5 h焼結した。温度保持終了後、Arガスを注入して80℃以下に冷却し、1030℃に再度昇温して温度を保持して6 h焼結し、続いてArガスを注入して65℃以下に冷却した後に炉から取り出し、密度が7.55 g/cm3の焼結圧粉体を得た。
【0085】
(6)焼結圧粉体に対して機械的加工及び研削処理を施した後、磁石の表面にフッ化ジスプロシウムをスプレーして付着させ、スプレーしたフッ化ジスプロシウムの重量が磁石の総重量の0.6 wt%になるように、フッ化ジスプロシウムのスプレー及び付着操作の前、付着操作の後に磁石の重量を秤量し、真空熱処理炉内で900℃×20 hの拡散処理を行い、続いてArガスを注入して80℃以下に冷却し、510℃に再度昇温して温度を5 h維持して時効処理した後、Arガスを注入して60℃以下に冷却して炉から取り出し、低Dy、La、Ceリッチなネオジム鉄ボロン永久磁石を得た。
【実施例2】
【0086】
実施例2は実施例1と比較して、ステップ(3)において、主相合金粉末の質量百分率が88 wt%、補助相合金粉末の質量百分率が12 wt%であるという点のみで異なる。
【実施例3】
【0087】
実施例3は実施例1と比較して、ステップ(6)において、焼結圧粉体が表面処理を経た後、Tb純金属膜層を付着させると共に、Tb膜層を磁石の総重量の0.6 wt%にするように、付着操作の前、付着操作の後に磁石の重量を秤量したという点のみで異なる。
【実施例4】
【0088】
実施例4は実施例1と比較して、ステップ(2)において、補助相合金成分の配合比が60 wt%のCe、5 wt%のAl、5 wt%のCu、残部のFeであるという点のみで異なる。
【実施例5】
【0089】
実施例5は実施例1と比較して、ステップ(1)において、主相合金成分の配合比が28 wt%のPrNd、2.5 wt%のCo、0.3 wt%のGa、0.3 wt%のAl、0.1 wt%のCu、0.2 wt%のZr、0.2 wt%のTi、1 wt%のB、残部のFeであるという点のみで異なる。
【比較例1】
【0090】
以下のステップを含むネオジム鉄ボロン系焼結永久磁石の製造方法を提供した。
【0091】
(1)27.74 wt%のPrNd、0.5 wt%のLa、2.5 wt%のCe、0.95 wt%のCo、0.35 wt%のAl、0.35 wt%のCu、0.29 wt%のGa、0.19 wt%のZr、0.19 wt%のTi、0.99 wt%のB、残部のFeであるといった配合比で、原材料を秤量し、真空誘導製錬炉を用いてArガス雰囲気の保護で製錬し、溶融した液体を回転速度30 rpmの水冷銅ローラーに鋳込み、液体鋳造温度を1400℃にし、平均厚さが0.3 mmの合金フレークを製造した。
【0092】
(2)合金フレークに対して水素破砕、脱水素、ジェットミルを施して粒度が4 μmの合金粉末を製造し、N2ガス雰囲気の保護で比率が0.05 wt%の酸化防止潤滑剤を添加すると共に、撹拌しながら均一に混合した。
【0093】
(3)N2ガス雰囲気の保護で合金粉末をプレス加工設備の金型キャビティに充填し、配向磁場強度3 Tで配向成形及びプレスを行い、続いて等方圧機内で180 MPaの圧力で等方圧処理し、密度が4.6 g/cm3の圧粉体を得た。
【0094】
(4)N2ガス雰囲気の保護で圧粉体を真空焼結炉に送り込み、1015℃の温度を維持して、焼結の真空度を1×10-2 Pa以下にするように、5 h焼結した。温度保持終了後、Arガスを注入して80℃以下に冷却し、1030℃に再度昇温して温度を保持して6 h焼結し、続いてArガスを注入して65℃以下に冷却した後に炉から取り出し、密度が7.55 g/cm3の焼結圧粉体を得た。
【0095】
(5)焼結圧粉体に対して機械的加工及び研削処理を施した後、磁石の表面にフッ化ジスプロシウムをスプレーして付着させ、そしてフッ化ジスプロシウムが磁石の総重量の0.6 wt%になるように、フッ化ジスプロシウムのスプレー及び付着操作の前、付着操作の後に磁石の重量を秤量し、真空熱処理炉内で900℃×20 hの拡散処理を行い、続いてArガスを注入して80℃以下に冷却し、510℃に再度昇温して温度を5 h維持して時効処理した後、Arガスを注入して60℃以下に冷却して炉から取り出した。
【比較例2】
【0096】
他のステップは比較例1と同じであり、ステップ(1)において、成分設計の配合比が27.74 wt%のPrNd、0.95 wt%のCo、0.1 wt%のAl、0.1 wt%のCu、0.29 wt%のGa、0.19 wt%のZr、0.19 wt%のTi、0.99 wt%のB、残部のFeであるという点のみで異なる。
【比較例3】
【0097】
他のステップは実施例1と同じであり、ステップ(2)において、補助相合金成分の配合比が5 wt%のAl、5 wt%のCu、残部のFeであるという点のみで異なる。
【0098】
NIM-62000永久磁石材料の精密測定システムを用いて、上記実施例1~5及び比較例1~3により製造された磁石の磁気性能をそれぞれ測定し、結果を下記の表1に示した。
【0099】
【表1】
【0100】
表1の実施例1~5及び比較例1の結果を比較すると、本発明により製造して得られた磁石は、製錬合金化によりLaCeを添加して製造して得られた磁石よりも、Hcj特性に優れていることが分かった。更に、実施例1~5及び比較例2の結果を比較すると、本発明の補助相合金の添加は、LaCe添加による磁石のHcj磁気性能の低下幅を減少させることができることが分かった。実施例1~5及び比較例3の結果を比較すると、本発明は、補助合金にLaCeを添加することにより、優れた性能を有する低コスト高保磁力のLaCeリッチなネオジム鉄ボロン永久磁石の製造に寄与することが分かった。
【0101】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されない。本発明の要旨及び原則を逸脱しない範囲で行われた修正、同等置換、改良などは、何れも本発明の請求範囲内に含まれる。

図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
24.2~38wt%のRe0+Re1+Re2、0.1~1.5wt%のAl、0.1~1wt%のGa、0.9~1wt%のB、残部の遷移金属元素という質量百分率の成分からなり、
そのうち、
前記Re0元素はLa、Ceから選ばれる1種又は2種であり、好ましくはLa、Ceのうちの2種であり、好ましくは、磁石の総質量に占める前記Re0の百分率は0.1~9wt%であってもよく、
前記Re1元素はPr及びNdから選ばれる1種又は2種であり、且つ少なくともNdを含み、好ましくは、磁石の総質量に占める前記Re1の百分率は24~28wt%であってもよく、
前記Re2元素はDy、Tb及びHoから選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、磁石の総質量に占める前記Re2の百分率は0.1~1wt%であってもよく、
好ましくは、前記遷移金属元素は少なくともFe及びCo元素を含み、例えば、前記遷移元素はCo、Cu、Zr、Ti及びFeから選ばれ、
好ましくは、前記遷移金属元素は、0.1~3wt%のCo、0.1~1.5wt%のCu、0~1wt%のZr、0.1~2wt%のTi、残部のFeといった質量百分率の各組成を含む、
ことを特徴とするネオジム鉄ボロン永久磁石。
【請求項2】
0.1~9wt%のRe0、24~28wt%のRe1、0.1~1wt%のRe2、0.1~3wt%のCo、0.1~1.5wt%のAl、0.1~1wt%のCu、0.1~1wt%のGa、0~1wt%のZr、0.1~2wt%のTi、0.9~1wt%のB、残部のFeといった質量百分率の成分からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石。
【請求項3】
前記永久磁石は、主相、粒界相、及び主相と粒界相との間の複合相からなる微細組織特徴を有し、
好ましくは、前記主相結晶粒の平均結晶粒径は2~7μmであり、
好ましくは、前記主相結晶粒はRe1元素を含むが、Re0、Re2元素を含まず、主相結晶粒はR2T14B型相構造を有し、そのうちTは遷移金属元素を表し、且つ前記Tは少なくともFe及びCo元素を含み、
好ましくは、前記粒界相は、主相結晶粒境界に沿って平直の帯状に連続的に分布し、
好ましくは、前記粒界相は、少なくともRe0、Re1、Re2元素及びCo、Al、Cu、Ga、Zr、Ti、B、Fe元素のうちの1種以上を含み、
好ましくは、前記複合相は主相と粒界相との間に存在し、
好ましくは、前記永久磁石は、基本的に図1に示される微細組織構造を有し、
好ましくは、前記複合相はRe0、Re1、Re2元素を含み、R2T14B型相構造を有し、そのうちTは遷移金属元素を表し、且つ前記Tは少なくともFe、Coを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石。
【請求項4】
前記永久磁石は、LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金及びLaCe-M合金から混合、焼結して製造され、そのうち、
HREは重希土類元素を指し、例えばDy、Tb及びHoから選ばれる少なくとも1種であり、MはAl、Cu及びFeのうちの少なくとも1種を表す、
ことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石。
【請求項5】
永久磁石の製造方法であり、前記製造方法は、LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金とLaCe-M合金との原料を混合し、真空焼結を経て、前記La、Ceリッチなネオジム鉄ボロン永久磁石を製造して得られ、
好ましくは、LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金及びLaCe-M合金は請求項1に記載された定義及び選択を有し、
好ましくは、前記LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金は合金フレークであり、好ましくは、前記合金フレークの厚さは0.1~0.4mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石の製造方法。
【請求項6】
前記LaCe無し、HRE無しのネオジム鉄ボロン主相合金は、Re1源、遷移金属源、Ga源、Al源及びB源を含む原料から、真空製錬を経た後に鋳造して得られ、
好ましくは、前記Re1源は、Re1元素を含む単体(純金属)又は合金により提供され、好ましくはRe1元素を含む合金により提供され、例えばPrNd合金により提供され、
好ましくは、前記遷移金属源、Ga源、Al源は、遷移金属元素、Ga元素、Al元素を含む単体又は合金により提供され、好ましくは遷移金属元素、Ga元素、Al元素を含む単体により提供され、
好ましくは、前記B源は、B元素を含む化合物により提供される、
ことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記補助相合金は合金フレークであり、好ましくは、前記合金フレークの厚さは0.1~0.4mmであり、
好ましくは、前記補助相合金は、Re0源、M源を含む原料から、真空製錬を経た後に鋳造して得られ、
好ましくは、前記製錬は、窒素ガス又はアルゴンガス雰囲気などの不活性ガス雰囲気で、好ましくはアルゴンガス雰囲気で行われ、
好ましくは、前記主相合金、補助相合金の製錬プロセスにおける鋳造温度は相同又は相異であり、例えば、互いに独立的に1300~1500℃であってもよく、
好ましくは、前記主相合金、補助相合金の鋳造プロセスは相同又は相異であり、例えば、互いに独立的に溶融した液体を回転する水冷銅ローラーに鋳込んでもよく、更に、前記回転する水冷銅ロールの回転速度は15~45rpmであり、
好ましくは、更に、主相合金及び補助相合金に対して、水素破砕、脱水素、ジェットミル処理をそれぞれ施して主相合金粉末及び補助相合金粉末を製造し、
好ましくは、前記主相合金及び補助相合金は、製錬フレークの形態で混合するか、又は製錬フレーク、水素破砕、脱水素、ジェットミル処理の任意の段階で混合することができ、
好ましくは、前記真空液相焼結の前、前記主相合金、補助相合金に対して水素破砕、脱水素、ジェットミル処理を施して主相合金粉末及び補助相合金粉末を製造することを更に含み、
好ましくは、前記主相合金粉末の平均粒径は3~6μmであり、
好ましくは、前記補助相合金粉末の平均粒径は1~3μmである、
ことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
前記製造方法は、前記主相合金粉末、補助相合金粉末を混合した後にプレス成形することを更に含み、
好ましくは、前記永久磁石において、主相合金粉末の質量百分率は75~99.5wt%、例えば85~95wt%であり、補助相合金粉末の質量百分率は0.5~25wt%、例えば5~15wt%であり、
好ましくは、前記プレス成形は、配向プレス成形及び等方圧成形を含み、好ましくは、まず配向プレス成形を経て圧粉体を得て、そして等方圧成形を経て圧粉体を製造することによって、圧粉体の密度を更に向上させ、
好ましくは、前記配向磁場の磁場強度は2~5Tであり、
好ましくは、前記等方圧成形の圧力は150~260MPaであり、
好ましくは、前記真空液相焼結は二次焼成処理を用いて、LaCeリッチなHRE無しの磁石を製造して得られ、
好ましくは、二次焼成の温度は相同又は相異であり、例えば何れも900~1100℃、好ましくは950~1100℃であり、
好ましくは、二次焼成の時間は相同又は相異であり、例えば何れも4~8h、好ましくは4~6hであり、
好ましくは、前記二次焼成の昇温速度は何れも5~15℃/minであり、
好ましくは、前記製造方法は、真空液相焼結の後に得られたLaCeリッチなHRE無しの磁石に対して時効処理を行い、低HREのLa、Ceリッチなネオジム鉄ボロン磁石を製造して得られることを更に含み、
好ましくは、前記時効処理は二段焼成処理を用いて、一次焼成温度は800~1000℃、一次焼成時間は0.5~36hであり、
二次焼成温度は400~600℃、好ましくは450~550℃であり、二次焼成時間は1~6h、好ましくは2~5hであり、
好ましくは、前記時効処理の拡散源はRe2元素を含む拡散源であり、そのうち、前記Re2元素はDy、Tb、Hoのうちの少なくとも1種であり、
好ましくは、前記のRe2元素を含む拡散源はRe2元素を含む純金属、合金又は化合物であり、
好ましくは、前記時効処理の方法は、磁石の表面にRe2元素を含む拡散源を付着させ、真空熱処理炉内で時効処理を施して、低HREのLa、Ceリッチなネオジム鉄ボロン磁石を製造して得られる、
ことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項9】
成分設計の要件に応じて、前記重量百分率でRe1源、遷移金属源、Ga源、Al源、B源を秤量して混合し、真空誘導炉を用いてArガス雰囲気の保護で製錬し、溶融後の溶融液体を回転する水冷銅ローラーに鋳込み、主相合金フレークを製造するステップ1と、
成分設計の要件に応じて、原材料であるRe0源、M源を秤量して混合し、真空誘導製錬炉を用いてArガス雰囲気の保護で製錬し、溶融後の溶融液体を回転する水冷銅ローラーに鋳込み、補助相合金フレークを製造するステップ2と、
主相合金フレーク及び補助相合金フレークに対して、水素破砕、脱水素、ジェットミル処理をそれぞれ施した後、主相合金粉末及び補助相合金粉末を製造するステップ3と、
主相合金粉末及び補助相合金粉末を混合した後、磁場で配向プレスして圧粉体を得て、そして等方圧機によりプレスされ、圧粉体の密度を更に向上させるステップ4と、
圧粉体を真空焼結炉内で焼結し、LaCeリッチなHRE無しの磁石を製造して得られるステップ5と、
磁石の表面にRe2元素を含む拡散源を付着させ、真空熱処理炉内で時効処理を行い、低HREのLa、Ceリッチなネオジム鉄ボロン磁石を製造して得られるステップ6と、を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項10】
希土類永久磁石モーター、スマート消費電気製品、医療機器などの分野における、請求項1に記載の永久磁石の応用。
【国際調査報告】