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特表2024-524894分岐ポリアミドをベースとするブロー成形組成物及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】分岐ポリアミドをベースとするブロー成形組成物及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C08L 77/00 20060101AFI20240702BHJP
   B29C 49/00 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
C08L77/00
B29C49/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576341
(86)(22)【出願日】2022-06-24
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 FR2022051246
(87)【国際公開番号】W WO2023275463
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】2106906
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】プレンヴィール, トマ
(72)【発明者】
【氏名】マーコート, マージョリー
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルバウヘーデ, ベルトラン
(72)【発明者】
【氏名】チプリアーニ, レジス
【テーマコード(参考)】
4F208
4J002
【Fターム(参考)】
4F208AA29
4F208AH16
4F208AH17
4F208AH55
4F208LA09
4F208LB01
4F208LB22
4F208LG06
4F208LG22
4F208LJ09
4J002BH002
4J002CD002
4J002CL011
4J002CL031
4J002CL051
4J002ET006
4J002FD040
4J002FD050
4J002FD070
4J002FD130
4J002FD142
4J002FD146
4J002FD200
4J002GM00
4J002GN00
4J002GQ00
(57)【要約】
本発明は、ブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物であって、
a)88~99.95重量%、より詳細には89~99.9重量%、特に93~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上である少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.05重量%~10重量%、より詳細には0.1%~9重量%、特に0.1重量%~5重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0~2重量%、より詳細には0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤
を含み、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2%の変形でISO規格6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100%になる、
ブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物であって、
a)88重量%~99.95重量%、より詳細には89重量%~99.9重量%、特に93重量%~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上である少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.05重量%~10重量%、より詳細には0.1重量%~9重量%、特に0.1重量%~5重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0~2重量%、より詳細には0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤
を含み、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2%の変形でISO規格6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100%になる、
ブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物。
【請求項2】
前記配合が、280℃を超える、好ましくは300℃を超える溶融ポリマーの温度で、20秒~10分、非常に有利には45秒~6分の平均滞留時間で行われることを特徴とする、請求項1に記載のブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物。
【請求項3】
衝撃修飾剤が前記組成物から除外されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物。
【請求項4】
前記分岐剤が、エポキシ、無水物又はイソシアネート官能基に関して1.8~200、好ましくは2.1~150の平均官能性を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物。
【請求項5】
前記分岐剤が、エポキシ、無水物又はイソシアネート官能基に関する平均当量が100~10000g/mol、好ましくは120~6000g/mol、特に140~3300g/molであることを特徴とする、請求項4に記載のブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物。
【請求項6】
配合後の組成物のRheotens力が22mN~200mN、より詳細には25mN~150mNであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物。
【請求項7】
前記半結晶性脂肪族ポリアミドが、PA610、PA612、PA614、PA10、PA11及びPA12、より詳細にはPA610、PA612及びPA11から選択されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物。
【請求項8】
水素、特に、請求項1から7のいずれか一項に定義された組成物を含む少なくとも1つの封止層(1)を含む、水素の輸送、分配又は貯蔵を目的とする単層又は多層管状構造体。
【請求項9】
前記封止層が、水素中に存在し、水素との接触後に前記封止層から抽出される夾雑物の総割合が、前記封止層の組成物の成分の合計の3重量%以下、より詳細には2重量%未満であり、夾雑物の総割合が、CSA/ANSI規格CHMC2:19に定義されている夾雑物試験に従って決定されることを特徴とする、請求項8に記載の単層又は多層管状構造体。
【請求項10】
少なくとも1つの複合補強層(2)を更に含み、最も内側の前記複合補強層は、最も外側の隣接する前記封止層に溶接されているか、又は溶接されていないことを特徴とする、請求項8又は9に記載の単層又は多層管状構造体。
【請求項11】
0.05重量%~10重量%、より詳細には0.1重量%~9重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤の、88重量%~99.95重量%、より詳細には89~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上である少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、及び配合後の溶融粘度が、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2%の変形でISO規格6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定した場合、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sである、請求項1から7のいずれか一項に定義されたブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物の構成のための任意選択の添加剤との使用。
【請求項12】
前記組成物を配合する工程を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に定義されたブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物を調製する方法。
【請求項13】
請求項1から5のいずれか一項に定義された組成物をブロー成形又は押出、特にブロー成形する工程を含むことを特徴とする、請求項8に定義された単層又は多層管状構造体を調製する方法。
【請求項14】
請求項1から7のいずれか一項に定義された組成物を配合する予備工程を含むことを特徴とする、請求項11に記載の単層又は多層管状構造体を調製する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分岐ポリアミドに基づくブロー成形又は押出用、特にブロー成形のための組成物、並びに水素の輸送、分配又は貯蔵を目的とした単層又は多層管状構造体の調製のためのそれらの使用、及び当該構造体の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車分野で追求される目的の1つは、汚染の少ない車両を提案することである。したがって、バッテリを備える電気又はハイブリッド車両は、ガソリン又はディーゼル車両等の燃焼機関車両を徐々に置き換えることを目的としている。ここで、バッテリは車両の比較的複雑な成分であることが分かる。車両内のバッテリの位置に応じて、極端な温度及び可変湿度であり得る衝撃及び外部環境からバッテリを保護することが必要な場合がある。また、火炎のリスクを回避する必要がある。
【0003】
更に、電池のセルを損傷せず、その寿命を維持するために、その動作温度が55℃を超えないことが重要である。逆に、例えば冬には、その動作を最適化するために電池の温度を上昇させる必要があり得る。
【0004】
更に、電動車両は、今日でも、バッテリ範囲、資源が枯渇しない希土類のこれらのバッテリでの使用、及びバッテリを再充電できるようにするための様々な国における電力生産の問題等、いくつかの問題を抱えている。
【0005】
したがって、水素は、燃料電池によって電気に変換することができ、したがって電気自動車に動力を供給することができるので、水素は電気電池の代替物である。
【0006】
それにもかかわらず、水素の貯蔵は、その非常に低いモル質量及びその非常に低い液化温度のために、特に移動式貯蔵が関与する場合、技術的に困難で高価である。しかし、効果的であるためには、貯蔵は少量でなければならず、これにより、車両が使用される温度を考慮して、水素を高圧下に保つことが必要になる。これは、より詳細には、バッテリ電気ベースを補完する本質的に都市的な用途のために、600~700km程度の範囲が望まれる、又は更に少ない燃料電池ハイブリッド道路車両の場合に当てはまる。
【0007】
水素タンクは、一般に、水素の透過を防止しなければならない金属ケーシング(ライナー)からなる。この第1のケーシング自体は、タンク(例えば、700バール)の内圧に耐え、起こり得る衝撃又は熱源に耐えるように意図された第2のケーシング(一般に複合材料で作られている)によって保護されなければならない。弁システムも安全でなければならない。
【0008】
欧州特許出願公開第0495363号明細書は、ポリアミド(PA)合金及び特別なオレフィン酸無水物共重合体に基づくポリアミド組成物、並びに成形中空体を製造するためのそれらの使用に関する。
【0009】
それにもかかわらず、例示された組成物は流動性が高すぎて、大きなタンクを押し出すことができない。
【0010】
これらの構造は、ポリアミド6(PA6)(塩化亜鉛に対する耐性が低く、低温時に脆い)にも基づいており、したがって、水素等の自動車用流体のタンクの用途に適合しない。
【0011】
国際公開第20027031号は、ポリアミド6(PA6)、衝撃修飾剤及びハロゲン化金属をベースとする組成物に関する。
【0012】
上記のように、これらの構造はPA6(塩化亜鉛に対する耐性が低く、低温時に脆い)に基づいており、したがって水素等の自動車用流体のタンクの用途に適合しない。
【0013】
仏国特許出願公開第2996556号明細書は、分岐ポリアミド及び衝撃修飾剤に基づく組成物を含む、ガス、特に圧縮天然ガス(CNG)、メタン又は水素の貯蔵用ライナーに関する。
【0014】
例示される組成物はPA6をベースとしており、したがって上記と同じ問題を有する。更に、組成物は、過度に多くの衝撃修飾剤を含有し、キャビテーション(膨れ)のリスクをもたらす。
【0015】
中国特許第3101967号は、PA6及び衝撃修飾剤に基づくブロー成形用ポリアミド組成物に関し、その結果、それらは上記と同じ問題を有する。
【0016】
欧州特許出願公開第1352934号明細書は、ポリアミドと不飽和カルボン酸無水物で官能化されたポリオレフィンとの混合物からなるポリアミド系層でコーティングされた金属表面を記載している。
【0017】
米国特許出願公開第2005/228145号明細書は、無水マレイン酸で官能化されたポリアミドとポリオレフィンとの混合物からなる第一ポリアミド層を含む透明多層構造体を記載している。
【0018】
仏国特許出願公開第3078132号明細書は、ポリアミドと無水物で官能化されたポリオレフィンとの混合物を含む層を含む可撓性管状構造体を記載している。
【0019】
欧州特許出願公開第2649130号明細書は、ポリアミドと無水物で官能化されたポリオレフィンとの混合物を含む組成物を含むガス貯蔵用ライナーを記載している。
【発明の概要】
【0020】
したがって、上記の問題を克服する組成物を提供することが必要であり、したがって、本発明は、ブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物であって、
a)88~99.95重量%、より詳細には89~99.9重量%、特に93~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上である少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.05%~10重量%、より詳細には0.1%~9重量%、特に0.1重量%~5重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0~2重量%、より詳細には0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤
を含み、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2%の変形で規格6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100%になる、
ブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物に関する。
【0021】
したがって、本発明者らは、予想外にも、特定の範囲の分岐剤及び添加剤の有無を有する特定の半結晶性脂肪族ポリアミドの使用が、配合後に、水素の輸送、分配又は貯蔵を目的とした単層又は多層管状構造体の構成のための押出ブロー成形又は押出、より詳細には押出ブロー成形を可能にする範囲内の溶融粘度を有する組成物を得ることを可能にすることを見出した。
【0022】
本発明の組成物の別の利点は、良好な寸法安定性、すなわち低い吸水率及び塩化亜鉛に対する良好な耐性である。
【0023】
「単層又は多層管状構造体」という用語は、1つ又は複数の層を含む又はそれからなるタンクを意味すると理解される。
【0024】
本発明における単層又は多層構造はまた、水素をタンクに、又はタンクから燃料電池に輸送するためのパイプ又は管を指し、1つ又は複数の層を含むか又はそれからなる。
【0025】
一実施形態では、非官能化衝撃修飾剤は当該組成物から除外される。
【0026】
別の実施形態において、官能化されていない衝撃修飾剤及び官能化がほとんどない衝撃修飾剤は、当該組成物から除外される。
【0027】
「ほとんど官能基化されていない衝撃修飾剤」という用語は、10000g/molより大きい、有利には6000g/molより大きい反応性官能基当たりの当量を有する衝撃修飾剤を意味すると理解される。
【0028】
更に別の実施形態では、官能化又は非官能化衝撃修飾剤は、当該組成物から除外される。
【0029】
更に別の実施形態では、非官能化エラストマーは当該組成物から除外される。
【0030】
更に別の実施形態では、可塑剤は当該組成物から除外される。
【0031】
任意に除外される衝撃修飾剤
「衝撃修飾剤」という表現は、衝突エネルギーを散逸させるように、マトリックスとの良好な接着を示す、樹脂のモジュラスよりも低いモジュラスを有するポリマーを意味すると理解されるべきである。
【0032】
衝撃修飾剤は、有利には、ISO規格178に従って測定して100MPa未満の曲げ弾性率及び0℃未満のTg(DSCサーモグラムの変曲点で規格11357-2に従って測定)を有するポリマー、特にポリオレフィンによって構成される。
【0033】
衝撃修飾剤のポリオレフィンは、官能化されていても官能化されていなくてもよく、又は官能化された少なくとも1種及び/又は官能化されていない少なくとも1つの混合物であってもよい。簡単にするために、ポリオレフィンを(B)と示し、官能化ポリオレフィン(B1)及び非官能化ポリオレフィン(B2)を以下に記載した。
【0034】
非官能化ポリオレフィン(B2)は、従来、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-オクテン、ブタジエン等のアルファ-オレフィン又はジオレフィンのホモポリマー又はコポリマーである。例として、以下を挙げることができる。
-ポリエチレンホモポリマー及びコポリマー、特にLDPE、HDPE、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)及びメタロセンポリエチレン。
-プロピレンホモポリマー又はコポリマー、
-エチレン/プロピレン、EPR(エチレン-プロピレン-ゴムの略語)及びエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)コポリマー等のエチレン/アルファ-オレフィンコポリマー。
-スチレン/エチレン-ブテン/スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン/エチレン-プロピレン/スチレンブロックコポリマー(SEPS)。
-エチレンと、アルキル(メタ)アクリレート(例えば、メチルアクリレート)等の不飽和カルボン酸の塩若しくはエステル、又は酢酸ビニル(EVA)等の飽和カルボン酸のビニルエステルから選択される少なくとも1つの生成物とのコポリマーであって、コモノマーの割合が重量で40%に達し得るコポリマー。
【0035】
官能化ポリオレフィン(B1)は、反応性単位(官能基)を有するアルファ-オレフィンのポリマーであってもよく、そのような反応性単位は、酸、無水物又はエポキシ官能基である。例として、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和エポキシドによって、又は(メタ)アクリル酸(後者をZn等の金属によって完全に又は部分的に中和することが可能である)等のカルボン酸又は対応する塩若しくはエステルによって、又は無水マレイン酸等のカルボン酸無水物によってグラフト又は共重合体化又は三重合された前述のポリオレフィン(B2)に言及することができる。官能化ポリオレフィンは、例えば、PE/EPR混合物であり、その重量比は、例えば40/60~90/10と大きく変動し得、当該混合物は、無水物、特に無水マレイン酸と、例えば0.01~5重量%、有利には2.8~5重量%のグラフト化度に従って共グラフト化される。
【0036】
官能化ポリオレフィン(B1)は、無水マレイン酸又はグリシジルメタクリレートでグラフト化された以下の(コ)ポリマーから選択されてもよく、グラフト化の程度は、例えば0.01重量%~5重量%である。
-PE、PP、エチレンとプロピレン、ブテン、ヘキセン又はオクテンとのコポリマーであって、例えば、35重量%~80重量%のエチレンを含有するコポリマー;
-エチレン/プロピレン、EPR(エチレン-プロピレン-ゴムの略語)及びエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)コポリマー等のエチレン/アルファ-オレフィンコポリマー。
-スチレン/エチレン-ブテン/スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン/エチレン-プロピレン/スチレンブロックコポリマー(SEPS)。
-最大40重量%の酢酸ビニルを含有する、エチレンと酢酸ビニル(EVA)とのコポリマー;
-最大40重量%のアルキル(メタ)アクリレートを含有する、エチレンとアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマー;
-エチレンと酢酸ビニル(EVA)とアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマーであって、最大40重量%のコモノマーを含有するコポリマー。
【0037】
官能化ポリオレフィン(B1)はまた、プロピレン中で優勢なエチレン/プロピレンコポリマーから選択することができ、無水マレイン酸でグラフト化され、次いでモノアミン化ポリアミド(又はポリアミドオリゴマー)と縮合される(欧州特許出願公開第0342066号明細書に記載の生成物)。
【0038】
官能化ポリオレフィン(B1)は、少なくとも以下の単位:(1)エチレン、(2)アルキル(メタ)アクリレート又は飽和カルボン酸ビニルエステル、及び(3)無水マレイン酸若しくは(メタ)アクリル酸無水物等の無水物、又はグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシのコポリマー又はターポリマーであってもよい。
【0039】
後者のタイプの官能化ポリオレフィンの例として、以下のコポリマーを挙げることができ、ここで、エチレンは、好ましくは、少なくとも60重量%を表し、ターモノマー(官能基)は、例えば、コポリマーの0.1~13重量%を表す。
-エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸又は無水マレイン酸又はグリシジルメタクリレートコポリマー;
-エチレン/酢酸ビニル/無水マレイン酸又はグリシジルメタクリレートコポリマー;
-エチレン/酢酸ビニル又はアルキル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸又は無水マレイン酸又はグリシジルメタクリレートコポリマー。
【0040】
先のコポリマーでは、(メタ)アクリル酸をZn又はLiで塩化することができる。
【0041】
(B1)又は(B2)における「アルキル(メタ)アクリレート」という用語は、C1~C8アルキルメタクリレート及びアクリレートを示し、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート及びエチルメタクリレートから選択することができる。
【0042】
更に、上記ポリオレフィン(B1)はまた、任意の適切な方法又は薬剤(ジエポキシ、二酸、過酸化物等)によって架橋されてもよく、官能化ポリオレフィンという用語は、上述のポリオレフィンと、これらのポリオレフィンと反応することができる二酸、二無水物、ジエポキシ等の二官能性試薬との混合物、又は互いに反応することができる少なくとも2つの官能化ポリオレフィンの混合物も含む。
【0043】
上記コポリマー(B1)及び(B2)は、ランダム又はブロック様式で共重合することができ、直鎖又は分岐構造を示す。
【0044】
これらのポリオレフィンの分子量、MFI指数及び密度もまた、当業者によって認識されるであろう広い範囲内で変動し得る。MFIは、Melt Flow Indexの略称である。これは、ASTM規格1238又はISO規格1133:2011に従って測定される。
【0045】
非官能化ポリオレフィン(B2)は、ポリプロピレンホモポリマー又はコポリマー、並びにブテン、ヘキセン、オクテン又は4-メチル-1-ペンテン等のエチレンと高級α-オレフィン型のコモノマーとの任意のエチレンホモポリマー又はコポリマーから有利に選択される。例えば、PP、高密度PE、中密度PE、線状低密度PE、低密度PE又は超低密度PEを挙げることができる。これらのポリエチレンは、「ラジカル」法に従って、「チーグラー」型触媒作用に従って、又はより最近では「メタロセン」触媒作用に従って製造されるものとして当業者に公知である。
【0046】
有利には、官能化ポリオレフィン(B1)は、アルファ-オレフィン単位及び極性反応性官能基、例えばエポキシ、カルボン酸又はカルボン酸無水物官能基を有する単位を含む任意のポリマーから選択される。そのようなポリマーの例として、SK global chemicalからのLotader(登録商標)等のエチレン、アルキルアクリレート及び無水マレイン酸又はグリシジルメタクリレートのターポリマー、又はSK global chemicalからのOrevac(登録商標)等の無水マレイン酸でグラフト化されたポリオレフィン、並びにエチレン、アルキルアクリレート及び(メタ)アクリル酸のターポリマーを挙げることができる。カルボン酸無水物でグラフト化され、次いでポリアミド又はポリアミドのモノアミンオリゴマーと縮合されたポリプロピレンホモポリマー又はコポリマーも挙げられ得る。
【0047】
半結晶性脂肪族ポリアミド
ブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物は、88~99.95%、より詳細には89~99.8%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミドを含む。
【0048】
ポリアミドを定義するために使用される命名法は、ISO規格1874-1:2011「プラスチック-ポリアミド(PA)成形及び押出材料-パート1:名称」、特に3ページ(表1及び2)に記載されており、当業者に周知である。
【0049】
ポリアミドは、ホモポリアミド若しくはコポリアミド又はそれらの混合物であり得る。
【0050】
本発明の目的のために、「半結晶性」という用語は、規格ISO 11357-3:2013によるDSCにおける融点(Tm)と、2013の規格ISO 11357-3に従って測定したDSCにおける20K/分の速度での冷却工程中の結晶化エンタルピーとを有し、20J/gより大きく、好ましくは30J/gより大きい(コ)ポリアミドを示す。
【0051】
当該半結晶性脂肪族ポリアミドは、
少なくとも1つのC9~C18アミノ酸、好ましくはC10~C18アミノ酸、より好ましくはC10~C12アミノ酸、又は
少なくとも1つのC9~C18ラクタム、好ましくはC10~C18ラクタム、より好ましくはC10~C12ラクタム、又は
少なくとも1つのC4~C36、好ましくはC6~C18、好ましくはC6~C12、より好ましくはC10~C12ジアミンCaと、少なくとも1つのC4~C36、好ましくはC6~C18、好ましくはC6~C12、より好ましくはC10~C12ジカルボン酸Cbとの、
又はその混合物
の重縮合によって得られる反復単位に由来し、
ただし、反復単位中の窒素原子当たりの炭素原子の数は7以上、特に8以上であることを条件とする。
【0052】
C9~C18アミノ酸は、特に9-アミノノナン酸、10-アミノデカン酸、10-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸及び11-アミノウンデカン酸並びにそれらの誘導体、特にN-ヘプチル-11-アミノウンデカン酸である。
【0053】
C9~C18ラクタムは、特にラウリルラクタムである。
【0054】
当該少なくとも1つのC4~C36ジアミンCaは、特に、1,4-ブタンジアミン、1,5-ペンタメチレンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,9-ノナメチレンジアミン、1,10-デカメチレンジアミン、1,11-ウンデカメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミン、1,13-トリデカメチレンジアミン、1,14-テトラデカメチレンジアミン、1,16-ヘキサデカメチレンジアミン及び1,18-オクタデカメチレンジアミン、オクタデセンジアミン、エイコサンジアミン、ドコサンジアミン並びに脂肪酸から得られるジアミンから選択されてもよい。
【0055】
有利には、当該少なくとも1つのジアミンCaはC6~C18であり、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,9-ノナメチレンジアミン、1,10-デカメチレンジアミン、1,11-ウンデカメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミン、1,13-トリデカメチレンジアミン、1,14-テトラデカメチレンジアミン、1,16-ヘキサデカメチレンジアミン及び1,18-オクタデカメチレンジアミンから選択される。
【0056】
当該少なくとも1つのC4~C36ジカルボン酸Cbは、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、オクタデセンジアミン、エイコサンジアミン、ドコサンジアミン、及び脂肪酸から得られるジアミンから選択され得る。
【0057】
有利には、当該少なくとも1つのジカルボン酸CbはC6~C18であり、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸及びウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸から選択される。
【0058】
一実施形態では、当該半結晶性脂肪族ポリアミドは、PA610、PA612、PA614、PA10、PA11及びPA12、特にPA610、PA612及びPA11から選択される。
【0059】
一実施形態では、当該半結晶性脂肪族ポリアミドは、5/95~95/5の重量割合範囲で、7以上、より詳細には8以上の窒素原子当たりの炭素数を有する2つの半結晶性脂肪族ポリアミドの混合物である。
【0060】
有利には、ポリアミドは、5~60μeq/g、非常に有利には10~50μeq/gのアミン鎖末端濃度を有する。
【0061】
有利には、ポリアミドは、5~60μeq/g、非常に有利には10~50μeq/gの酸鎖末端濃度を有する。
【0062】
アミン鎖末端は、以下の方法に従って測定する:ポリアミド試料をメタクレゾールに溶解する。次いで、この試料を0.02N過塩素酸溶液を用いた電位差測定によってアッセイする。
【0063】
酸鎖末端は、以下の方法に従って測定する。ポリアミドの試料をベンジルアルコールに溶解する。次いで、この試料を、0.02Nのテトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液を用いた電位差測定によってアッセイする。
【0064】
一実施形態では、当該ポリアミド又は当該ポリアミド混合物のMFIは、235℃、5kgで0.01から10、有利には0.01~5g/10分である。
【0065】
本発明によるポリアミドは、ISO規格307:2007に従って決定されるが、硫酸の代わりにm-クレゾールを使用し、温度20℃及び濃度0.5質量%の1.45超、有利には1.55超、非常に有利には1.6超のm-クレゾール中固有粘度を有する。
【0066】
分岐剤
分岐剤は、重量で0.05%~10%、より詳細には0.1%~9%、特に0.1%~5%で組成物中に存在し、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される。
【0067】
一実施形態では、分岐剤は、組成物中に0.1~2重量%で存在する。
【0068】
分岐剤は、衝撃修飾剤、特に官能化ポリオレフィンであってもよく、又は衝撃修飾剤とは異なっていてもよい。
【0069】
有利には、これは衝撃修飾剤とは異なる。すなわち、それは-30℃を超える、非常に有利には0℃を超えるTgを有する。
【0070】
有利には、分岐剤の反応性官能基当たりの当量は、100~10000g/mol、有利には120~6000g/mol、より有利には140~3300g/molである。
【0071】
一実施形態では、当該分岐剤は、エポキシ、無水物又はイソシアネート官能基に関して1.8~200の間、好ましくは2.1から150の間の平均官能性を有する。
【0072】
更に別の実施形態では、分岐剤のモル質量は、300~120000g/mol、好ましくは400~100000g/molである。
【0073】
モル質量は、ガスクロマトグラフィー(GC)により測定される。
【0074】
分岐剤の反応性官能基当たりの当量は、以下のように測定される。
イソシアネート:イソシアネート官能基当たりの当量は、NFT52-132で参照されるAFNOR標準に従って測定される。
【0075】
エポキシド:エポキシド官能基当たりの当量は、ASTM規格D1652-11(2019)に従って測定される。
【0076】
無水マレイン酸:無水マレイン酸の質量含有量は、De Roovers et al.[J Polym Sci,Part A:Polym Chem 1995;33:829]の方法に準じてFTIRにより測定する。
【0077】
当量は、供給者によってTDSで与えられることが多い。
【0078】
平均官能性は、GCによって測定されたモル質量を平均当量で割ることによって計算される。
【0079】
ポリエポキシドは、グリシジル無水マレイン酸(GMA)又はエポキシ官能基を含む任意の他のモノマーから製造されたコポリマーであってもよい。
【0080】
市販のポリエポキシドの例は、例えば、Polyscopeによって販売されているXibond(登録商標)920、又はBASFによって販売されているJoncryl(登録商標)ADR4400、又はSK Chemicalによって販売されているlotader(登録商標)AX8900である。
【0081】
ポリ無水物は、無水マレイン酸又は無水イタコン酸等の、共重合又はグラフト化された無水物を含むコポリマーであってもよい。
【0082】
特に、ポリ無水物は、ポリマレイン酸無水物である。
【0083】
共重合無水物を含むコポリマーの他のモノマーは、芳香族環がハロゲン又はアルキル置換基を含むスチレン又はスチレン等のビニル芳香族モノマーであってもよい。
【0084】
一実施形態では、共重合無水物を含むコポリマーの他のモノマーは、ビニルモノマー、例えばエチレン又はオクタデセンであり得る。
【0085】
特に、ポリマレイン酸無水物は、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーである。
【0086】
市販のポリマレイン酸無水物の例は、例えば、Polyscopeによって販売されているXibond(登録商標)125(スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー)、又はSK Chemicalsによって販売されているOrevac IM 800、又はChevron Phillips Chemical Companyによって販売されているPA18(1-オクタデセンと無水マレイン酸とのコポリマー)である。
【0087】
ポリイソシアネートは、好ましくは、イソシアヌレート又はアロファネート等のイソシアネートのオリゴマーである。
【0088】
市販のポリイソシアネートの例は、例えば、Covestroによって販売されているDesmodur3300である。
【0089】
添加剤
添加剤は、組成物の総重量に対して最大2重量%で存在してもよく、特に、組成物の総重量に対して0.1%~2重量%で存在する。
【0090】
添加剤は、触媒、抗酸化剤、熱安定剤、UV安定剤、光安定剤、潤滑剤、難燃剤、核形成剤、鎖延長剤及び染料から選択されてもよい。
【0091】
一実施形態では、添加剤は、触媒、抗酸化剤、熱安定剤、UV安定剤、光安定剤、潤滑剤、難燃剤、鎖延長剤及び染料から選択される。
【0092】
「触媒」という用語は、鉱物又は有機酸等の重縮合触媒を示す。
【0093】
有利には、触媒の重量割合は、組成物の総重量に対して約50ppm~約5000ppm、特に約100~約3300ppmである。
【0094】
有利には、触媒は、リン酸(H3PO4)、亜リン酸(H3PO3)及び次亜リン酸(H3PO2)、又はそれらの混合物から選択される。
【0095】
抗酸化剤は、特に、0.05重量%~5重量%、好ましくは0.05重量%~1重量%、好ましくは0.1重量%~1重量%の銅錯体に基づく抗酸化剤であってもよい。
【0096】
「銅錯体」という用語は、特に、一価又は二価の銅塩と有機酸又は無機酸との錯体及び有機配位子を意味する。
【0097】
有利には、銅塩は、ハロゲン化水素の第二銅(Cu(II))塩、ハロゲン化水素の第一銅(Cu(I))塩及び脂肪族カルボン酸塩から選択される。
【0098】
特に、銅塩は、CuCl、CuBr、CUI、CuCN、CuCl2、Cu(OAC)2、ステアリン酸第二銅から選択される。
【0099】
銅錯体は、特に米国特許第3505285号明細書に記載されている。
【0100】
当該銅系錯体はまた、ホスフィン、特にトリフェニルホスフィン、メルカプトベンゾイミダゾール、EDTA、アセチルアセトネート、グリシン、エチレンジアミン、オキサレート、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラアミン、ピリジン、テトラブロモビスフェニル-A、テトラビスフェニル-A誘導体、例えばエポキシ誘導体、及び
クロロジメタンジベンゾ(a、e)シクロオクテン及びそれらの混合物、ジホスホン及びジピリジル又はそれらの混合物、特にトリフェニルホスフィン及び/又はメルカプトベンズイミダゾールの誘導体を含み得る。
【0101】
ホスフィンは、トリブチルホスフィン等のアルキルホスフィン、又はトリフェニルホスフィン(TPP)等のアリールホスフィンを示す。
【0102】
有利には、当該配位子はトリフェニルホスフィンである。
【0103】
錯体の例及びそれらの調製の例は、中国特許第02347258号に記載されている。
【0104】
有利には、本発明の組成物中の銅の量は、組成物の総重量に対して10ppm~1000重量ppm、特に20ppm~70ppm、特に50~150ppmである。
【0105】
有利には、当該銅系錯体はハロゲン化有機化合物も含む。
【0106】
ハロゲン化有機化合物は、任意のハロゲン化有機化合物であってよい。
【0107】
有利には、当該ハロゲン化有機化合物は、臭素系化合物及び/又は芳香族化合物である。
【0108】
有利には、当該芳香族化合物は、特に、デカブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、ブロモ-又はクロロ-スチレンオリゴマー及びポリジブロモスチレンから選択される。
【0109】
有利には、当該ハロゲン化有機化合物は臭素系化合物である。
【0110】
当該ハロゲン化有機化合物は、組成物の総重量に対して50~30000重量ppm、特に100~10000、特に500~1500ppmのハロゲンの割合で組成物に添加される。
【0111】
有利には、銅:ハロゲンのモル比は、1:1~1:3000、特に1:2~1:100である。
【0112】
特に、当該比は1:1.5~1:15である。
【0113】
有利には、銅錯体に基づく抗酸化剤。
【0114】
熱安定剤は、有機安定剤、又はより一般的には有機安定剤の組合せ、例えばフェノール型の一次抗酸化剤(例えば、Ciba製のirganox245又は1098又は1010のタイプのもの)、又はホスファイト型の二次抗酸化剤であってもよい。
【0115】
UV安定剤は、ヒンダードアミン光安定剤を意味するHALS、又は抗UV剤(例えば、Ciba製のTinuvin312)であってもよい。
【0116】
光安定剤は、ヒンダードアミン型(例えば、Ciba製のTinuvin770)、フェノール系安定剤又はリン系安定剤であってもよい。
【0117】
潤滑剤は、ステアリン酸等の脂肪酸系潤滑剤であってもよい。
【0118】
難燃剤は、米国特許出願公開第2008/0274355号明細書に記載されているようなハロゲンフリー難燃剤、特にリン系難燃剤、例えばホスフィン酸の金属塩、より詳細にはジアルキルホスフィン酸塩、特にジエチルホスフィン酸アルミニウム塩若しくはジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジホスフィン酸の金属塩、リン酸アルミニウム系難燃剤と窒素相乗剤との混合物、又はリン酸アルミニウム系難燃剤とリン相乗剤との混合物、リン酸の少なくとも1つの金属塩を含有するポリマー、特にポリリン酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム若しくはペンタホウ酸アンモニウム、又はメラミン塩、メラミン塩、ピロリン酸メラミン及びメラミンシアヌレート等のメラミン系、又はシアヌル酸系、あるいはジホスフィン酸又は赤リンの少なくとも1つの金属塩、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、又はホウ酸亜鉛等の金属ボレート、又はホスファゼン、ホスファム若しくはホスホオキシナイトライド、又はそれらの混合物を含有するポリマーであり得る。それらはまた、臭素化又はポリ臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネート又は臭素化フェノール等のハロゲン化難燃剤であってもよい。
【0119】
核形成剤は、シリカ、アルミナ、粘土又はタルク、特にタルクであってもよい。
【0120】
適切な連鎖制御因子の例は、モノアミン、モノカルボン酸、ジアミン、トリアミン、ジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラアミン、テトラカルボン酸、並びにいずれの場合もそれぞれ5~8個のアミノ基又はカルボキシル基を有するオリゴアミン又はオリゴカルボン酸、特にジカルボン酸、トリカルボン酸、又はジカルボン酸とトリカルボン酸との混合物である。例として、ジカルボン酸形態のドデカンジカルボン酸及びトリカルボン酸としてトリメリット酸を使用することが可能である。
【0121】
組成物
本明細書を通して、全てのパーセンテージは重量で示される。
【0122】
ブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物であって、
a)88~99.95重量%、より詳細には89~99.9重量%、特に93~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上である少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.05%~10重量%、より詳細には0.1%~9重量%、特に0.1%~5重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0~2重量%、より詳細には0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤
を含み、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2%の変形で規格ISO 6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100%になる、
ブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物。
【0123】
一実施形態では、ブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物であって、
a)88~99.95重量%、より詳細には89~99.9重量%、特に93~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上である少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.05%~10重量%、より詳細には0.1%~9重量%、特に0.1%~5重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0~2重量%、より詳細には0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤
からなり、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2%の変形で規格ISO 6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100%になる、
ブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物。
【0124】
一実施形態では、当該組成物は、
a)88~99.95重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.05重量%~10重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤
を含み、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)の合計は重量で100重量%になる。
【0125】
有利なことに、この実施形態では、当該組成物は、
a)88~99.95重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.05重量%~10重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤
からなり、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)の合計は重量で100重量%になる。
【0126】
別の実施形態では、当該組成物は、
a)88~99.85重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.05重量%~10重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤、
を含み、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100重量%になる。
【0127】
有利なことに、この実施形態では、当該組成物は、
a)88~99.85重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.05重量%~10重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤、
からなり、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100重量%になる。
【0128】
第1のバリアントでは、当該組成物は、
a)89~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.1~9重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0~2重量%、より詳細には0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤
を含み、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100重量%になる。
【0129】
この第一のバリアントの一実施形態では、当該組成物は、
a)89~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.1重量%~9重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤
を含み、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)の合計は重量で100重量%になる。
【0130】
有利なことに、この第1のバリアントのこの実施形態では、組成物は、
a)89~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.1重量%~9重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤
からなり、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)の合計は重量で100重量%になる。
【0131】
この第1のバリアントの別の実施形態では、当該組成物は、
a)89~99.8重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.1重量%~9重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤、
からなり、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100重量%になる。
【0132】
有利には、この第1のバリアントの別の実施形態では、組成物は、
a)89~99.8重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.1重量%~9重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤、
からなり、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100重量%になる。
【0133】
第2のバリアントでは、当該組成物は、
a)93~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.1~5重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0~2重量%、より詳細には0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤
を含み、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100重量%になる。
【0134】
この第二のバリアントの一実施形態では、当該組成物は、
a)93~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.1重量%~5重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤
を含み、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)の合計は重量で100重量%になる。
【0135】
有利なことに、この第2のバリアントのこの実施形態では、当該組成物は、
a)93~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.1重量%~5重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤
からなり、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)の合計は重量で100重量%になる。
【0136】
この第2のバリアントの別の実施形態では、当該組成物は、
a)93~99.8重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.1重量%~5重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤、
からなり、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100重量%になる。
【0137】
有利には、この第2のバリアントの別の実施形態では、当該組成物は、
a)93~99.8重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.1重量%~5重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤、
からなり、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100重量%になる。
【0138】
第3のバリアントでは、当該組成物は、
a)98~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.1~2重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0~2重量%、より詳細には0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤
を含み、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100重量%になる。
【0139】
この第3のバリアントの一実施形態では、当該組成物は、
a)98~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.1重量%~2重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤
を含み、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)の合計は重量で100重量%になる。
【0140】
有利なことに、この第3のバリアントのこの実施形態では、当該組成物は、
a)98~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.1重量%~2重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤
からなり、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)の合計は重量で100重量%になる。
【0141】
この第3のバリアントの別の実施形態では、当該組成物は、
a)96~99.8重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.1重量%~2重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤、
からなり、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100重量%になる。
【0142】
有利には、この第3のバリアントの別の実施形態では、当該組成物は、
a)96~99.8重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上の少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、
b)0.1重量%~2重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、より詳細にはポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤、
c)0.1~2重量%の少なくとも1つの添加剤、
からなり、
組成物は、配合後、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2重量%の変形で規格ISO6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有し、
構成要素a)+b)+c)の合計は重量で100重量%になる。
【0143】
上記の組成物の全てのバリアント及び実施形態において:
ISO1133:2011に従って21.6kgの重量及び275℃の温度で決定されるMVR(体積流量指数)は、2~25cm/10分、有利には5~20cm/10分、非常に有利には6~18cm/10分である。
【0144】
上記の組成物の全てのバリアント及び実施形態において:
組成物のMFIは、ISO1133:2011に従って、235℃、1kgで、0~5、有利には0~0.1g/10分である。
【0145】
分岐剤及びポリアミドは、共有結合によって連結されており、有利には、分岐剤及びポリアミドは、アミド、エステル又は尿素官能基によって連結されている。
【0146】
有利には、ポリアミドの少なくとも5重量%、非常に有利には少なくとも15重量%が分岐剤に共有結合的に結合しており、
当該組成物の0.292rad.s-1/292rad.s-1で平面-平面幾何形状で測定した溶融粘度の比は、10~200、有利には25~150である。この比は、当該組成物のポリアミドの分岐度を決定することを可能にする。比率が高いほど、ポリアミドは組成物中でより分岐している。その結果、ポリアミドは0.292rad.s-1で流体であり、0.292rad.s-1で粘性でなければならず、
292rad.s-1における粘度は、400~2000、好ましくは600~1550であり、
配合後の組成物の250℃でのRheotens力は、22mN~200mN、より詳細には25mN~150mNであり、この力はポリアミドの溶融強度を決定し、力が大きいほどポリアミドの流動は少なくなる。
【0147】
Rheotens力は、例えば、Gottfert製のRheotens71.97機器を用いて決定することができる。Rheotens機器は、Gottfert製のRheotester2000キャピラリーレオメーターの出口でリングを引っ張ることができるノッチ付きホイールを備えた装置である:L/D=30及びD=1mmの温度250℃のキャピラリ100s-1ダイで剪断、リングの出口とノッチ付きホイールの軸との間の距離105mm、ホイールの加速度2.4mm/s-2
配合後の組成物の押出機の出口での膨潤度は、1.15より大きく、好ましくは1.2より大きい。膨潤度は、以下の手順に従って実現される。
アキュムレータを備えた押出ブローラインを使用して、25cmの管状パリソンを押し出す。排出速度を0.1m/sに設定し、温度プローブを用いて押出物の温度を手動でチェックする。パリソンの直径は、10cm未満のダイで測定される。平均値を得るために5回の測定を行う。温度は、パリソンのクリープを可能な限り制限するために、ポリマーの流動特性の関数として選択される。
【0148】
パリソンの強度は、重力の影響を相殺する材料の能力を分析することを可能にする。その重量の下で、水平又は垂直に押し出されたパリソンがクリープし、したがってその寸法が変化する。配合後の組成物の垂直パリソンの抵抗は、15~50秒、特に20~45秒である。これらの測定は以下のように行った:
重さ1.2kg、長さ190mmのパリソンが、0.1m/sに設定された排出速度で押し出される。パリソンの長さがクリープによって40%増加するのに要する時間を測定する。長い時間は粘性材料を表す。温度は、パリソンのクリープを可能な限り制限するために、ポリマーの流動特性の関数として選択される。
【0149】
水素下での減圧試験は、材料の組成中の衝撃修飾剤の量が質量で10%以下であると、キャビテーション(ブリスター)機構を回避及び制限することが可能になることを示した。試料は、1MPa.min-1の速度で1~40MPaの圧力上昇を受け、圧力は、飽和状態に達するように7日間40MPaに維持される。減圧段階は、5MPa.min-1の速度で実行される。試料を走査型電子顕微鏡で観察し、キャビテーションを観察する。
【0150】
本発明による組成物は、水素下での減圧試験に耐える。
【0151】
第2の態様によれば、本発明は、上で定義された組成物を含む少なくとも1つの封止層(1)を含む、水素の輸送、分配又は貯蔵を目的とした単層又は多層管状構造体に関する。
【0152】
この第2の態様の一実施形態では、当該構造は水素の輸送を意図しており、当該封止層は、水素中に存在し、水素との接触後に封止層から抽出される夾雑物の総割合が、封止層の組成物の成分の合計の3重量%以下、より詳細には2重量%未満であり、夾雑物の総割合は、CSA/ANSI規格CHMC2:19に定義されている夾雑物試験に従って決定される。
【0153】
したがって、当該封止層は水素と接触している。
【0154】
この第2の態様の別の実施形態では、当該構造体は、少なくとも1つの複合補強層(2)を更に備え、当該最も内側の複合補強層は、当該最も外側の隣接する封止層に溶接されているか、又は溶接されていない。
【0155】
したがって、当該複合補強層は、水素と接触している当該封止層の上方にある。
【0156】
複合強化層の数は、1~mである。
【0157】
複合補強層は、主に少なくとも1つのポリマーP2j、j=1~mを含む組成物で含浸された連続繊維の形態の繊維材料からなり得、mは補強層の数であり、特にエポキシ又はエポキシ系樹脂又はポリイソシアネート、特にポリイソシアヌレートに基づく樹脂
ポリマーP2j:
であり、
ポリマーP2jは、熱可塑性であってもよいし、熱硬化性であってもよい。
【0158】
熱可塑性ポリマーP2j:
「熱可塑性」又は「熱可塑性ポリマー」という用語は、一般に室温で固体であり、半結晶性又は非晶質、特に半結晶性であり得、温度上昇時、特にそのガラス転移温度(Tg)を通過した後に軟化し、非晶質である場合はより高い温度で流動し、又は半結晶性である場合はそのいわゆる溶融温度(Tm)を通過するときに明確な溶融を示し得、結晶化温度Tc(半結晶性の場合)未満及びそのガラス転移温度(非晶質の場合)未満の温度低下時に再び固体になる材料を意味すると理解される。
【0159】
Tg、Tc及びTmは、それぞれ、標準11357-2:2013及び11357-3:2013に従って示差走査熱量測定(DSC)によって決定される。
【0160】
当該熱可塑性ポリマーの数平均分子量Mnは、好ましくは10000~40000、好ましくは10000~30000の範囲である。これらのMn値は、ISO規格307:2007に従ってm-クレゾール中で決定される0.8以上の固有粘度に対応することができるが、溶媒を変更する(硫酸の代わりにm-クレゾールを使用し、温度は20℃である)。
【0161】
本発明における適切な半結晶性熱可塑性ポリマーの例として、以下を挙げることができる。
コポリマー、例えばポリアミド-ポリエーテル及びポリエステルコポリマーを含む、特に芳香族及び/又は脂環式構造を含むポリアミド、
ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、
ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、
ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、
ポリイミド、特にポリエーテルイミド(PEI)又はポリアミド-イミド、
ポリスルホン(PSU)、特にポリフェニルスルホン(PPSU)等のポリアリールスルホン、
ポリエーテルスルホン(PES)。
【0162】
半結晶性ポリマーがより特に好ましく、特にポリアミド及びその半結晶性コポリマーである。
【0163】
ポリアミドを定義するために使用される命名法は、ISO規格1874-1:2011「プラスチック-ポリアミド(PA)成形及び押出材料-パート1:名称」、特に3ページ(表1及び2)に記載されており、当業者に周知である。
【0164】
ポリアミドは、ホモポリアミド若しくはコポリアミド又はそれらの混合物であり得る。
【0165】
有利には、半結晶性ポリアミドは、半芳香族ポリアミド、特に欧州特許第1505099号明細書に記載されているような式X/Yarの半芳香族ポリアミド、特にAがアミノ酸から得られる単位、ラクタムから得られる単位及び式(Caジアミン)(Cb二酸)を有する単位から選択される式A/XTの半芳香族ポリアミドであり、式中、aはジアミンの炭素原子数を表し、bは二酸の炭素原子数を表し、a及びbはそれぞれ4~36、有利には9~18であり、単位(Caジアミン)は直鎖又は分岐鎖の脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン及びアルキル芳香族ジアミンから選択され、単位(Cb二酸)は直鎖又は分岐鎖の脂肪族二酸、脂環式二酸及び芳香族二酸から選択され、
X.Tは、Cxジアミン及びテレフタル酸の重縮合から得られる単位を表し、xはCxジアミンの炭素原子の数を表し、xは5~36、有利には9~18であり、特に式A/5T、A/6T、A/9T、A/10T又はA/11Tのポリアミドであり、Aは上に定義される通りであり、より詳細にはPAMPMDT/6T、PA11/10T、PA5T/10T、PA11/BACT、PA11/6T/10T、PAMXDT/10T、PAMPMDT/10T、PABACT/10T、PABACT/6T、PABACT/10T/6T、PA11/BACT/6T、PA11/MPMDT/6T、PA11/MPMDT/10T、PA11/BACT/10T、PA11/MXDT/10T、11/5T/10Tから選択されるポリアミドである。
【0166】
Tはテレフタル酸に相当し、MXDはm-キシリレンジアミンに相当し、MPMDはメチルペンタメチレンジアミンに相当し、BACはビス(アミノメチル)シクロヘキサンに相当する。上記で定義された当該半芳香族ポリアミドは、特に80℃以上のTgを有する。
【0167】
熱硬化性ポリマーP2j:
熱硬化性ポリマーは、エポキシ又はエポキシ系樹脂、ポリエステル、ビニルエステル、ポリイソシアネート、特にポリイソシアヌレート及びポリウレタンに基づく樹脂、又はこれらの混合物、特にエポキシ又はエポキシ系樹脂、又はポリイソシアネート、特にポリイソシアヌレートに基づく樹脂から選択される。
【0168】
有利には、各複合補強層は、同じ種類のポリマー、特にエポキシ又はエポキシ系樹脂、又はポリイソシアネート、特にポリイソシアヌレートに基づく樹脂を含む組成物からなる。
【0169】
当該ポリマーP2jを含む当該組成物は、溶接に適した照射に対して透明であり得る。
【0170】
当該繊維材料を構成する繊維に関して、これらは特に鉱物、有機又は植物起源の繊維である。
【0171】
有利には、当該繊維材料は、サイズ決めされてもされなくてもよい。
【0172】
したがって、当該繊維材料は、サイズと呼ばれる有機性の材料(熱硬化性又は熱可塑性樹脂タイプ)を最大3.5重量%含むことができる。
【0173】
鉱物起源の繊維の中でも、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、玄武岩又は塩基系繊維、シリカ繊維又は炭化ケイ素繊維が挙げられる。有機起源の繊維の中でも、例えば、半芳香族ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維又はポリオレフィン繊維等の熱可塑性又は熱硬化性ポリマーに基づく繊維を挙げることができる。好ましくは、それらは非晶質熱可塑性ポリマーをベースとし、非晶質である場合、予備含浸マトリックスを構成する熱可塑性ポリマー又はポリマーブレンドのTgより高い、又は半結晶性である場合、予備含浸マトリックスを構成する熱可塑性ポリマー又はポリマーブレンドのTmより高いガラス転移温度Tgを有する。有利には、それらは半結晶性熱可塑性ポリマーをベースとし、非晶質である場合、予備含浸マトリックスを構成する熱可塑性ポリマー又はポリマーブレンドのTgより高い、又は半結晶性である場合、予備含浸マトリックスを構成する熱可塑性ポリマー又はポリマーブレンドのTmより高い溶融温度Tmを有する。したがって、最終複合材の熱可塑性マトリックスによる含浸中に繊維材料の構成有機繊維が溶融するリスクはない。植物起源の繊維の中でも、亜麻、麻、リグニン、竹、絹、特にクモ糸、サイザル、及び他のセルロース繊維、特にビスコース繊維に基づく天然繊維が挙げられ得る。これらの植物起源の繊維は、熱可塑性ポリマーマトリックスの接着及び含浸を促進する目的で、純粋なもの、処理されたもの、又はコーティング層でコーティングされたものを使用することができる。
【0174】
繊維材料はまた、繊維で編まれた、又は織られた織物であってもよい。
【0175】
また、支持糸を有する繊維に対応することもできる。
【0176】
これらの構成繊維は、単独で又は混合して用いることができる。したがって、熱可塑性ポリマー粉末を予め含浸させ、予め含浸された繊維材料を形成するために、有機繊維を鉱物繊維と混合することができる。
【0177】
有機繊維のロービングは、いくつかの坪量を有することができる。更に、それらはいくつかの形状を示すことができる。繊維材料の構成繊維は、更に、様々な形状のこれらの強化繊維の混合物の形態であってもよい。繊維は連続繊維である。
【0178】
好ましくは、繊維状材料は、ガラス繊維、炭素繊維、玄武岩若しくは玄武岩系繊維、又はそれらの混合物、特に炭素繊維から選択される。
【0179】
これは、ロービング又はいくつかのロービングの形態で使用される。
【0180】
第3の態様によれば、本発明は、0.05重量%~10重量%、特に、0.1~9重量%の、ポリエポキシド、ポリ無水物及びポリイソシアネート、特に、ポリマレイン酸無水物及びポリエポキシドから選択される少なくとも1つの分岐剤の、88~99.95重量%、特に、89~99.9重量%の、窒素原子当たりの炭素数が7以上、より詳細には8以上である少なくとも1つの半結晶性脂肪族ポリアミド、及び配合後の溶融粘度が、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2%の変形でISO規格6721-10:2015による平面-平面幾何形状で測定した場合、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sである、上で定義されるようなブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物の構成のための任意選択の添加剤との使用に関する。
【0181】
したがって、「単層又は多層管状構造体」という用語は、1つ又は複数の層、すなわち封止層及び任意選択的に1つ又は複数の補強層、又は複数の封止層及び任意選択的に複数の補強層、又は複数の封止層及び補強層、又は封止層及び補強層を含む又はそれらからなるタンクを意味すると理解される。
【0182】
本発明における単層又は多層管状構造体はまた、タンクから燃料電池に水素を輸送するために意図され、上で定義されたような1つ又は複数の層を含むか又はそれからなるパイプ又は管を指す。
【0183】
組成物に関する第1の態様について上記で定義された全ての特性は、この第3の態様について有効である。
【0184】
第4の態様によれば、本発明は、上で定義されたブロー成形又は押出、特にブロー成形のための組成物を調製する方法であって、当該組成物を配合する工程を含むことを特徴とする方法に関する。
【0185】
組成物に関する第1の態様について上記で定義された全ての特性は、この第4の態様について有効である。
【0186】
配合工程は、合金が、250℃の温度、0.292rad/sの周波数及び2%の変形でISO規格6721-10:2015による平面幾何形状で測定して、10000~300000Pa.s、好ましくは15000~220000Pa.sの溶融粘度を有するように特定の方法で実施される。
【0187】
これらの粘度は、例えば、280℃を超える、好ましくは300℃を超える溶融ポリマーの温度で配合機中の滞留時間を増加させることによって配合することによって得ることができる。この分岐反応は、例えばホスホニウム塩又はヒンダードアミンで有利に触媒される。平均滞留時間は、有利には20秒~10分、より有利には45秒~6分である。
【0188】
一実施形態では、当該配合は、280℃超、好ましくは300℃超の溶融ポリマーの温度で、20秒~10分、非常に有利には45秒~6分の平均滞留時間で行われる。
【0189】
第5の態様によれば、本発明は、上で定義したような組成物のブロー成形又は押出、特にブロー成形の工程を含むことを特徴とする、上で定義したような単層又は多層管状構造体の調製方法に関する。
【0190】
この第5の態様の一実施形態において、本方法は、上で定義した組成物を配合する予備工程を含む。
【0191】
予備配合工程は、特に上で定義したように実施される。
【0192】
組成物に関する第1の態様について上記で定義された全ての特性は、この第5の態様について有効である。
【実施例
【0193】
以下の表2の比較組成物(CE1~CE4)及び本発明の組成物(CI1~CI6)を、以下の条件下で配合することによって調製した:
合金は、ZSK40mm二軸押出機(Coperion)を用いて製造した。バレルの温度は280℃に設定し、スクリュー速度は300rpm、スループットは60kg/hであった。
PA6としては、酸鎖末端濃度が25μeq/g、アミン鎖末端濃度が22μeq/gのポリアミド6を用いた。
PA610としては、酸鎖末端濃度が27μeq/g、アミン鎖末端濃度が19μeq/gのポリアミド610を用いた。
PA612としては、酸鎖末端濃度が22μeq/g、アミン鎖末端濃度が20μeq/gのポリアミド612を用いた。
PA11としては、酸鎖末端濃度が30μeq/g、アミン鎖末端濃度が33μeq/gのリン酸触媒ポリアミド11を用いた。
Joncryl ADR 4400はBASF製である。
Xibond 125はPolyscope製である。
Lotader 3410は、SK官能性ポリマーに由来する。
安定剤Anox NBD TL 89は、SIgroup製である。
【0194】
溶融粘度は、25mmの平面-平面幾何形状を備えたAres G2回転式レオメーターを使用して、250℃の温度にて0.292rad/s(窒素下での発射5分前の滞留時間、2%の変形、0.062rad/sで628rad/sの掃引及び10回当たり3点、3サイクルで点を取る、ギャップ1.5mm)で測定した。
【0195】
Rheotens力は、Gottfert製のRheotens71.97機器を使用して決定される。Rheotens機器は、Gottfert製のRheotester2000キャピラリーレオメーターの出口でリングを引っ張ることができるノッチ付きホイールを備えた装置である:L/D=30及びD=1mmの温度250℃のキャピラリ100s-1ダイで剪断、リングの出口とノッチ付きホイールの軸との間の距離105mm、ホイールの加速度2.4mm/s-2 吸水率は、100%RHの制御された雰囲気下のオーブン又は水中のいずれかで、全ての場合において70℃で飽和した後に決定され、この吸水率の測定は、平衡状態が観察されるまで、数日間間隔を置いた定期的なサンプリング時間、23℃で試料を秤量することによって行われ、これは、試料の質量が3回の連続サンプリング時間にわたって一定になる(測定の不確実性内になる)ときに達する。水中でのコンディショニングの場合、到達した平衡は、70℃の温度でのポリマーの水飽和に対応する。
【0196】
メルトフローインデックスの略語であるMFIは、ISO規格1133:2011に従って測定した。
【0197】
本発明の組成物による厚さ2mmのライナーをブロー成形によって調製し、15℃での水素透過性を試験した。
【0198】
これは、フィルムの上面を試験ガス(水素)で掃引すること、及びキャリアガス:窒素によって掃引された、フィルムを通って下部に拡散する流れをガスクロマトグラフィーによって測定することからなる。
【0199】
実験条件を表1に示す:
[表1]
【0200】
次いで、得られた結果を、表2に記載のCSA/ANSI規格CHMC2.19の要件「材料適合性認定評価」と比較する。
[表2]
【0201】
本発明の組成物及び比較組成物をいくつかのパラメータで試験した。結果を表3に詳述する。
[表3]
【0202】
結果は、特定の範囲の分岐剤及び窒素原子当たりの平均炭素原子数が7以上のポリアミドの使用が、Rheotens力、吸水率、0.292rad/sでの粘度及び水素透過性等の様々な特性に関して最良の妥協点を示す組成物を得ることを可能にすることを示す。
【0203】
本発明による全ての組成物は、0に等しいMFIを有し、これは、機械に何も流れないことを意味する。
【国際調査報告】