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特表2024-524900コネクター用電気接点部品及び電気接点部品を備えたコネクター装置
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  • 特表-コネクター用電気接点部品及び電気接点部品を備えたコネクター装置 図1
  • 特表-コネクター用電気接点部品及び電気接点部品を備えたコネクター装置 図2
  • 特表-コネクター用電気接点部品及び電気接点部品を備えたコネクター装置 図3
  • 特表-コネクター用電気接点部品及び電気接点部品を備えたコネクター装置 図4
  • 特表-コネクター用電気接点部品及び電気接点部品を備えたコネクター装置 図5
  • 特表-コネクター用電気接点部品及び電気接点部品を備えたコネクター装置 図6a)
  • 特表-コネクター用電気接点部品及び電気接点部品を備えたコネクター装置 図6b)
  • 特表-コネクター用電気接点部品及び電気接点部品を備えたコネクター装置 図6c)
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】コネクター用電気接点部品及び電気接点部品を備えたコネクター装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/04 20060101AFI20240702BHJP
   H01R 13/03 20060101ALI20240702BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H01R13/04 B
H01R13/03
H01R13/04 E
H01R13/11 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577214
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2022066162
(87)【国際公開番号】W WO2022268571
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】102021003221.7
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507400756
【氏名又は名称】コスタール・コンタクト・ジステーメ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ユスティ・イェルン
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフス・ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】メッケルマン・マイク
(57)【要約】
金属製平板接点プラグを備え、少なくともこのプラグの差し込み側の端面にプラスチック体が配置されているコネクター用電気接点部品が記載されており、この平板接点プラグの差し込み側の端面から延びるプラスチック体の区画の横断面が、この横断面の中心軸に対して対称的又は非対称的に延びる二つの波形状の周縁輪郭を有するとともに、これらの輪郭の差し込み方向に沿った間隔が連続的に変化して、それにより、この輪郭の推移に関して終端領域外に少なくとも一つの局所的な最大値を有する。更に、電気接点部品と、少なくとも一つ重ね板ばねを備えた相手側接点部品とを有するコネクターから成るコネクター装置が記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製平板接点プラグ(11)を備え、少なくともこのプラグの差し込み側の端面にプラスチック体(12)が配置されてるコネクター用電気接点部品(10)において、
この平板接点プラグ(11)の差し込み側の端面から延びるプラスチック体(12)の区画の横断面(18)が、この横断面(18)の中心軸(22)に対して対称的又は非対称的に延びる二つの波形状の周縁輪郭(17a,17b)を有するとともに、これらの輪郭の間隔が、差し込み方向に沿って連続的に変化して、それにより、この輪郭の推移に関して、終端領域外に少なくとも一つの局所的な最大値(Max)を有することを特徴とする電気接点部品。
【請求項2】
請求項1に記載の電気接点部品において、
前記のプラスチック体(12)の周縁輪郭(17a,17b)の金属製平板接点プラグ(11)の接触面(19)への移行部が凹状の窪み(15)を形成していることを特徴とする電気接点部品。
【請求項3】
請求項1に記載の電気接点部品において、
前記の平板接点プラグ(11)からプラスチック体(12)への移行部が、面取り部、半径部、エッジ又は多項式の形の角度の付いた移行部(29)として構成されていることを特徴とする電気接点部品。
【請求項4】
請求項1の全ての特徴を有する少なくとも一つの電気接点部品を備えたコネクターから成るコネクター装置において、
平板接点プラグ(11)に接触する複数の薄板(26a,26b,26c,26d)を備えた相手側接点部品(20)が配備されていることを特徴とするコネクター装置。
【請求項5】
請求項4に記載のコネクター装置において、
前記の相手側接点部品(20)が、差し込み方向に順番に配置された少なくとも二つの薄板(26a,26b;26c,26d)を備えていることを特徴とするコネクター配置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製平板接点プラグを備え、少なくともこのプラグの差し込み側の端面にプラスチック体が配置されているコネクター用電気接点部品に関する。更に、本発明は、このような電気接点部品を備えたコネクター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
身体及び生命に関する危険から守るために、高電圧の如何なる電気回路も接触に対して保証しなければならない。従って、自動車産業では、特に、エンジンルームにおいて、コネクター接続が、何十年も前から接触に対して防護された形で実現されている。
【0003】
コネクターの製造業者及び設計者においては、接触防護のための様々な方式が、長年知られており、その製品に適用されている。
【0004】
所謂、受動的に接触に対して防護されたコネクターは、偶発的な接触を排除するのに適した幾何形状を有する。
【0005】
プラスチックから成る接触防護部を備えた、この種の電気接点部品は特許文献1により周知である。
【0006】
特に、平板接点プラグの差し込み側の端面に接するプラスチック体の区画は、差し込みプロセスの際の接点部品の特性に影響を及ぼす。その区画の幾何形状に応じて、差し込みプロセスの際に、比較的大きな差し込む力が発生するか、或いは差し込む力の不利な進行も生じる可能性がある。差し込みプロセスの際に生じるプラスチックの摩耗も、その区画の幾何形状に依存する。
【0007】
更に、プラスチック体の形状は、所与の周囲環境において、指が平板接点プラグに近付くことを出来る限り難しくすべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】ドイツ特許公開第102018211043号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、前記の要件に関して特に有利に構成された電気接点部品を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、本発明に基づき、平板接点プラグの差し込み側の端面から延びるプラスチック体の区画の横断面が、この横断面の中心軸に対して対称的又は非対称的に延びる二つの波形状の周縁輪郭を有し、これらの周縁輪郭の間隔が、差し込み方向に沿って連続的に変化し、それにより輪郭の推移に関して少なくとも一つの局所的な最大値を終端領域外に有することによって解決される。
【0011】
以下において、この横断面の中心軸に対して直角に測定した周縁輪郭の間の間隔を「横断面幅」との用語でも呼ぶこととする。
【0012】
そのような推移は、弾力的な相手側接点に差し込む際に発生する差し込む力とプラスチック体で生じるプラスチックの磨耗を比較的低下させるので、特に有利であることが分かった。小さな差し込む力は、そのような接点部品を備えたコネクターの取り扱いを容易にする。プラスチックの磨耗は、特に、接点部品の電気特性も悪化させるので、プラスチックの磨耗を小さくすることが望ましい。
【0013】
この場合、プラスチック体の周縁輪郭の二連による波形状の推移が特に有利であることが分かった。
【0014】
本発明の有利な実施形態及び改善構成は、従属請求項及び以下における図面に基づく本発明の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】電気接点部品の二つの模式図と一つの細部の拡大図
図2】接点部品と相手側接点部品を備えたコネクター装置の模式図
図3】プラグ先端の横断面図
図4】接触面に符号を付与したプラグ先端の横断面図
図5】従来技術による二つのプラグ先端の横断面図
図6】従来技術による一つの電気接点部品と二つの接点部品における薄板対の模式図
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明による電気接点部品10を接触面19に関する平面図とA-Aに沿った横断面図で図示している。更に、この横断面図の細部Bを拡大した図が図示されている。
【0017】
この接点部品10は、射出成形されたプラスチック体12を備えた金属製平板接点プラグ11から構成される。
【0018】
この一体的に実現されたプラスチック体12は、平板接点プラグ11を複数の側から取り囲むことができ、ここでは、プラスチック体12の側面部分14が、平板接点プラグ11の二つの細長い長手側面に接する一方、この側面部分14に繋がるプラグ先端13が、平板接点プラグ11の差し込み側の端面に配置されている。
【0019】
非導電性のプラグ先端13は、人体の一部が平板接点プラグ11の端面に直接接触することを防止する機能を有する。二つの側面部分14が、平板接点プラグ11の二つの細長い長手側面に対して同じ防止機能を実現している。そのため、プラスチック体12は、平板接点プラグ11に対する接触防護部を形成している。
【0020】
相手側接点部品20(図2)との接触のために開放しなければならない、平板接点プラグ11の前方側と後方側の接触面19へのアクセス可能性は、基本的に周知の手法に基づき接点部品10を取り囲む、ここには図示されていないコネクター筐体の筐体部分によって限定されている。
【0021】
本発明に基づき実現された電気接点部品10のプラスチック体12により形成されるプラグ先端13は、その二つの周縁面の横断面がそれぞれ少なくとも一つの単純な波形状の輪郭を形成することを特徴とする。ここに図示された例では、それどころかそれぞれ二連による波形状の輪郭が図示されている。
【0022】
この電気接点部品10は、図2に模式的に図示された相手側接点部品20と共に電気コネクター装置を構成すると規定されている。そのために、この相手側接点部品20は、複数の薄板26a,26b,26c,26dを備え、これらの薄板は、ここでは、U字形状で図示された支持部材21に互いに対向する薄板26a,26c及び26b,26dとして配置できるとともに、差し込み方向に順番に並んだ薄板26a,26b及び26c,26dとしても配置できる。それに加えて、図面の平面に対して平行な平面内において、図示された薄板26a,26b,26c,26dに対して平行に別の薄板を配備することもできるが、それらは図2には明示的に図示されていない。
【0023】
薄板26a,26b,26c,26dの各々は、ここでは簡単に円筒ばねとして図示された弾力的な区画を有し、この区画は、以下において重ね板ばね27a,27bと称する。それぞれ一つの薄板円頂部28a,28bが、各重ね板ばね27a,27bと接続されており、相手側接点部品20を接点部品10と完全に接続させた時に、接点部品10の接触面19の中の一つと接する。
【0024】
相手側接点部品20を接点部品10と繋ぎ合わせた時に、薄板円頂部28a,28bがプラグ先端13の周縁面と平板接点プラグ11の接触面19に接触する。接点部品10を差し込む際に、重ね板ばね27a,27bのばね力によって、差し込む力が発生し、その大きさと推移は、重ね板ばね27a,27bの実現形態と接点部品10の横断面形状によって決まる。
【0025】
平板接点プラグ11が、一般的に面平行な接触面19を有する形で簡単に実現される一方、絶縁材料から成るプラグ先端13の形状は、基本的に変化させることができる。しかし、絶縁性のプラグ先端13に関して、その目的が、接触防護機能以外に、一般的に相手側コネクターの薄板がプラグ先端を介して平板接点プラグの接触面上を滑ることができる程度にこれらの薄板を開くことであるとしか見做されていなかったので、これまで大抵は単純な横断面形状が選択されてきた。
【0026】
図5には、従来技術による絶縁性のプラグ先端13’,13”の二つの純粋に例示的な実施形態が図示されている。図面a)では、プラグ先端13’の前方区画が一種の円頂を形成しており、その横断面が、差し込み方向における短い距離の後に早くも平板接点プラグ11の横断面幅に達している。このプラグ先端13’の場合、特に差し込みプロセスの開始時に、接点薄板を拡げるために非常に大きな力荷重を加えなければならない。図面b)は、別の実施形態として、平板接点プラグ11に達するまで差し込む力が連続的に増加する楔形状のプラグ先端13”を図示している。
【0027】
本発明による接点部品10では、接点部品10を相手側接点部品20と繋ぎ合わせる際の差し込む力の推移を最適化するプラグ先端13の新しい形状を発見した。図3は、それに関するプラグ先端13の領域における電気接点部品10の直角横断面を図示している。このプラグ先端13の横断面18の周縁輪郭17a,17bが、以下の説明のために、丸で囲んで複数のゾーンI,II,III,IVに分割されている。
【0028】
図示されたプラグ先端13の横断面の二つの周縁輪郭17a,17bが、プラグ先端13の横断面18の中心軸22に対して、この実施例では互いに対称的に延びており、それぞれ波形状の推移を示し、ここでは、特に、二連による波形状を示し、この二連による波形状は、周縁輪郭17a,17bの横断面幅が差し込み方向に連続的に変化し、その推移に関して、周縁輪郭17a,17bの前方又は後方の終端区画には存在しない二つの最大の横断面幅Maxを有する(ゾーンII)ことを特徴とする。
【0029】
具体的には、プラグ先端13の図示された形状は、横断面幅の局所的な最大値Maxをそれぞれ有する二つの山ゾーンIIと、その間に存在する、横断面幅が最小値Minの所で局所的に最小となる谷ゾーンIIIとを有する。
【0030】
周縁輪郭17a,17bの始まりと終わりは、プラスチック製プラグの面取りゾーンIと窪みゾーンIVにおいて、同じく横断面幅の局所的な最小値Minをそれぞれ形成している。このプラスチック製プラグの面取りゾーンIにおいて、周縁輪郭の推移が、成形された面取り部16により始まっている。
【0031】
プラグ先端13のプラスチック面と平板接点プラグ11の金属面は、窪みゾーンIVにおける凹んだ材料移行領域内において90°~179°の角度で交わり、以下において、この領域を短縮して「窪み15」と称する。金属領域は、この材料の移行部において、角度の付いた移行部29が確保されるように構成されている。これは、面取り部、半径部、エッジ又は多項式の形に造形することによって作り出すことができる。この窪み15は、材料移行領域において接点部品10と薄板円頂部28a,28b及び27a,27bの間の接触が起こらないようにする役割を果たす。
【0032】
図3に図示されたプラグ先端13の波形状によって、この曲線の推移における異なる勾配によって、差し込みプロセスに関して、図4の横断面図においてプラスチック体12の周縁輪郭17aに沿ってプロットされている、質的に異なる作用を奏する複数の接触ゾーンa,b,cが得られる。
【0033】
この場合、符号aは、相手側接点部品12への差し込み時に図2に図示された薄板26a,26b,26c,26dを拡げることなく滑走できる接触ゾーンを表す。接触ゾーンbでは、それぞれ薄板26a,26b,26c,26dの拡大が起こる一方、接触ゾーンcでは、薄板26a,26b,26c,26dの重ね板ばね27a,27bが緩和される。
【0034】
プラスチック体12の輪郭全体に渡って、薄板円頂部28a,28bが、三つの接触ゾーンa,b,cの全てにおいて順番に接点部品に接触する。この場合、接点薄板26a,26b,26c,26dの拡大可能性によって、接点円頂部28a,28bの中の一つが接触ゾーンの中の一つの接触ゾーンbの上を滑走する時にのみ、力の荷重が生じる。薄板26a,26b,26c,26dが、接触ゾーンaの上を更に拡大することなく滑走できる一方、接触ゾーンcの上を進む際には、それどころか各薄板26a,26b,26c,26dは緩和される。
【0035】
それと異なり、図5に図示された従来技術によるプラグ先端13’,13”では、重ね板ばねを合間に緩和させる接触ゾーンcが存在しない。
【0036】
複数の接触面を活用することは、薄板を傷めず、接点部品10を相手側接点部品20と繋ぎ合わせる際に、差し込む行程全体に渡って加えるべき力を分散させることができる。この場合、薄板26a,26b,26c,26dの荷重領域と緩和領域を交互に配置することができる。
【0037】
図3及び図4に図示されている通り、プラグ先端13が多連による波形状の輪郭を有する場合、波の間の間隔は、相手側接点部品20の順番に配置された薄板円頂部28a,28bが、明らかに異なる横断面幅を有する、プラグ先端13の領域と同時に接するように設計される。
【0038】
このことは、図6の図面c)に模式的に図示されている。後行の接触点の荷重が最大になる状態では、波形状の周縁輪郭17aに接する薄板円頂部28a,28bが、それらと接続された重ね板ばね27a,27bをここでは異なる大きさで撓ませることが分かる。このことは、波形状の輪郭において、プラグ先端13における周縁輪郭17aの推移に応じて複数回起こる。
【0039】
これらの重ね板ばね27a,27bの荷重領域と緩和領域が交番することによって、最大ゾーンII(図3)の領域における差し込む力を制限することが達成され、それによって、極端な力のピークの発生を防止することができる。
【0040】
それと比べて、図6の図面a)とb)は、図5の図面a)とb)に図示されている通りの従来技術によるプラグ先端13’及び13”の周縁輪郭を模式的に図示している。この場合における後行の薄板26bの撓みが最大になる状態において、この場合における先行の薄板26aが同じレベルでしか存在できず、このことは力のピークを生じさせる。
【0041】
差し込みプロセス時に発生する差し込む力は、重ね板ばね27a,27bの設定動作、接点部品10と薄板円頂部28a,28bの表面特性による摩擦力、周縁輪郭17a,17bの造形、重ね板ばね27a,27bの拡大動作に対して寄与する度合いから組み立てられる。この場合、個々の寄与する度合いは、差し込み領域の推移に渡って変化する。
【0042】
この設定動作は、重ね板ばね27a,27bの塑性変形を残存させるために実施しなければならない機械的な動作を表す。従って、この設定動作は、相手側接点部品12を初めて使用する際に一度だけ実施しなければならない。この一度の機械的な設定動作は、重ね板ばね27a,27bが最大の撓みに到達した時に終了し、従って、接点部品10の最大の横断面によって決まる。
【0043】
波形状の周縁輪郭を有するプラグ先端13は、力対行程の推移における複数の領域に設定動作を分ける。この二連波形プラグによって、重ね板ばね27a,27bを連続的に撓ませることができる。
【0044】
このプラスチック体12の波形状の周縁輪郭17a,17bの彫り込みは、特に、薄板の幾何形状が薄板円頂部28a,28bをずらして配置した形である場合に、全ての薄板円頂部28a,28bが同時に完全に撓むことを防止する形態を可能にする。このことは、重ね板ばね27a,27bを拡げる際、特に、設定する際の最大の力を低減する。
【0045】
薄板円頂部28a,28bは、プラスチック領域と金属領域の間の窪み15に接触しない(図2及び図3のゾーンIV)。これによって、第一には、この場合に材料移行部の縁を通過しなくなるので、生じる摩耗が減少する。第二には、この窪みは、プラスチック体12から平板接点プラグ11への移行部において、力対行程の推移に追加的な力のピークを発生させないとの作用を奏する。第三には、遊離した粒子が、窪み15の領域内に浮遊して、薄板円頂部28a,28bが接触しない領域内に留まることができる。
【符号の説明】
【0046】
10 接点部品
11 平板接点プラグ
12 プラスチック体
13,13’,13” プラグ先端
14 側面部分
15 窪み
16 面取り部
17a,17b 周縁輪郭
18 横断面
19 接触面
20 相手側接点部品
21 支持部材
22 中心軸
26a,26b,26c,26d 薄板
27a,27b 重ね板ばね
28a,28b 薄板円頂部
29 角度の付いた移行部
a,b,c 接触ゾーン(接触面)
a 接触ゾーン(拡大動作を伴わない滑走)
b 接触ゾーン(差し込みプロセス時の重ね板ばねの拡大)
c 接触ゾーン(差し込みプロセス時の薄板の緩和)
I,II,III,IV ゾーン
I プラスチック製プラグの面取りゾーン
II 山ゾーン
III 谷ゾーン
IV 窪みゾーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6a)】
図6b)】
図6c)】
【国際調査報告】