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特表2024-524910発熱体及びそれを含むエアロゾル発生装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】発熱体及びそれを含むエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20240702BHJP
   A24F 40/70 20200101ALI20240702BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/70
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577326
(86)(22)【出願日】2023-05-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 KR2023006425
(87)【国際公開番号】W WO2023224318
(87)【国際公開日】2023-11-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0060817
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、ウォンキョン
(72)【発明者】
【氏名】ソンウ、ポール ジュン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ムン サン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC22
4B162AE01
(57)【要約】
表面プラズモン共鳴を用いて熱を発生させるように構成された発熱体は、基板、及び前記基板上に少なくとも1つのホールを形成して表面プラズモン共鳴により熱を発生させるように構成された金属プリズムを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に少なくとも1つのホールを形成し、表面プラズモン共鳴により熱を発生させるように構成された金属プリズムと、
を含む、発熱体。
【請求項2】
前記少なくとも1つのホールは、前記基板及び前記金属プリズムによって囲まれる、請求項1に記載の発熱体。
【請求項3】
前記金属プリズムは互いに分離した複数のホールを形成する、請求項1に記載の発熱体。
【請求項4】
前記少なくとも1つのホールは実質的に円形又は楕円形を含む、請求項1に記載の発熱体。
【請求項5】
前記少なくとも1つのホールは約290nm~約360nmの直径を有する、請求項1に記載の発熱体。
【請求項6】
前記金属プリズムは、前記基板を対面する第1ベース面、前記第1ベース面に反対される第2ベース面、及び前記少なくとも1つのホールを規定する前記第1ベース面と前記第2ベース面との間の複数のサイド面を含む、請求項1に記載の発熱体。
【請求項7】
前記第1ベース面と前記第2ベース面との間の距離は0nm超過ないし約10nm以下の範囲にある、請求項6に記載の発熱体。
【請求項8】
前記金属プリズムは、約380nm~約780nmの間の範囲にある波長の光と共鳴するように構成された金属粒子を含む、請求項1に記載の発熱体。
【請求項9】
前記基板は0W/mK超過ないし約45W/mK以下の範囲にある熱伝導率を有する、請求項1に記載の発熱体。
【請求項10】
光源と、
電気的光源から光を受信するように構成された請求項1による発熱体と、
を含む、エアロゾル発生装置。
【請求項11】
0W/mK超過ないし約45W/mK以下の範囲にある熱伝導率を有する基板と、
前記基板上に配置され、表面プラズモン共鳴により熱を発生させるように構成された金属プリズムと、
を含む、発熱体。
【請求項12】
前記基板はガラス材質を含む、請求項11に記載の発熱体。
【請求項13】
表面プラズモン共鳴により熱を発生させるための発熱体を製造するための方法であって、
基板上に複数のビーズを塗布する動作と、
前記複数のビーズの大きさを低減する動作と、
前記基板及び/又は前記複数のビーズ上に複数の金属粒子を蒸着する動作と、
前記複数のビーズを除去する動作と、
を含む、方法。
【請求項14】
前記複数のビーズの大きさを低減する動作は、反応性イオンエッチングを用いて前記複数のビーズをエッチングする動作を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のビーズの大きさを低減する動作は、前記ビーズの直径を約290nm~約360nmの範囲で減少させる動作を含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance、SPR)によって熱を発生させるよう構成された発熱体に関し、例えば、前記発熱体を含むエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱を発生させてターゲットを加熱する技術が開発されている。一例として、電気抵抗性要素に電気エネルギーが供給されることで熱が発生し得る。他の例として、コイルとサセプタとの間の電磁気カップリングによって熱が発生してもよい。前述した背景技術は、本開示の導出過程で保持したり習得したもので、必ず本開示の出願の前に一般公衆に公開された公知技術とは言えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の一様態は、表面プラズモン共鳴を用いて熱を発生させる発熱体及びそれを含むエアロゾル発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発熱体は、基板と、前記基板上に少なくとも1つのホールを形成し、表面プラズモン共鳴により熱を発生させるように構成された金属プリズムとを含む。
【0005】
前記少なくとも1つのホールは、前記基板及び前記金属プリズムによって囲まれることができる。
【0006】
前記金属プリズムは互いに分離した複数のホールを形成することができる。
【0007】
前記少なくとも1つのホールは実質的に円形又は楕円形を含むことができる。
【0008】
前記少なくとも1つのホールは約290nm~約360nmの直径を有することができる。
【0009】
前記金属プリズムは、前記基板を対面する第1ベース面、前記第1ベース面に反対される第2ベース面、及び前記少なくとも1つのホールを規定する前記第1ベース面と前記第2ベース面との間の複数のサイド面を含むことができる。
【0010】
前記第1ベース面と前記第2ベース面との間の距離は0nm超過ないし約10nm以下の範囲にあってもよい。
【0011】
前記金属プリズムは、約380nm~約780nmの間の範囲にある波長の光と共鳴するように構成された金属粒子を含むことができる。
【0012】
前記基板は0W/mK超過ないし約45W/mK以下の範囲にある熱伝導率を有することができる。
【0013】
エアロゾル発生装置は、光源と、電気的光源から光を受信するように構成された発熱体と、を含み、前記発熱体は、基板及び前記基板上に少なくとも1つのホールを形成し、表面プラズモン共鳴により熱を発生させるように構成された金属プリズムを含むことができる。
【0014】
発熱体は、0W/mK超過ないし約45W/mK以下の範囲にある熱伝導率を有する基板と、前記基板上に配置され、表面プラズモン共鳴により熱を発生させるように構成された金属プリズムとを含むことができる。
【0015】
前記基板はガラス材質を含むことができる。
【0016】
表面プラズモン共鳴により熱を発生させるための発熱体を製造するための方法は、基板上に複数のビーズを塗布する動作と、前記複数のビーズの大きさを低減する動作と、前記基板及び/又は前記複数のビーズ上に複数の金属粒子を蒸着する動作と、前記複数のビーズを除去する動作とを含む。
【0017】
前記複数のビーズの大きさを低減する動作は、反応性イオンエッチングを用いて前記複数のビーズをエッチングする動作を含むことができる。
【0018】
前記複数のビーズの大きさを低減する動作は、前記ビーズの直径を約290nm~約360nmの範囲で減少させる動作を含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
一実施形態によると、発熱体がターゲットを加熱するために適用される場合、ターゲットが局所に加熱されたり、複数のターゲットのうち少なくとも一部のターゲットが加熱され得る。一実施形態によると、相対的に低いエネルギーで決定された温度範囲でターゲットが加熱され得る。言い換えれば、発熱体の熱効率を改善することができる。一実施形態に係る発熱体及びそれを含むエアロゾル発生装置の効果は、以上で記載したものなどに限定されず、言及されない他の効果は下記の記載から当業者にとって明確に理解されるのであろう。
【0020】
本開示の特定の実施形態の上述した、そして他の様態、特徴、及び利点は、添付する図面を参照して以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が挿入された例を示す図である。
図2】一実施形態に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が挿入された例を示す図である。
図3】一実施形態に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が挿入された例を示す図である。
図4】一実施形態に係るエアロゾル発生物品の例を示す図である。
図5】一実施形態に係るエアロゾル発生物品の例を示す図である。
図6】一実施形態に係るエアロゾル発生装置のブロック図である。
図7】一実施形態に係る発熱体を製造するための方法の動作を示した図である。
図8】一実施形態に係る発熱体を製造するための方法の動作を示した図である。
図9】一実施形態に係る発熱体を製造するための方法の動作を示した図である。
図10】一実施形態に係る発熱体を製造するための方法の動作を示した図である。
図11】一実施形態に係る発熱体を製造するための方法の動作を示した図である。
図12】一実施形態に係る発熱体の一部の平面図である。
図13】一実施形態に係る図12の13-13のラインに沿って見た発熱体の断面図である。
図14】一実施形態に係る発熱体の平均吸光度を比較したグラフである。
図15】一実施形態に係る発熱体の平均吸光度を比較したグラフである。
図16】一実施形態に係る発熱体を示す図である。
図17】一実施形態に係る発熱体の昇温を比較したグラフである。
図18】一実施形態に係る発熱体の昇温を比較したグラフである。
図19】一実施形態に係るエアロゾル発生装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施形態で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら可能な限り現在に幅広く使用されている一般的な用語を選択したが、これは当分野の技術者の意図又は判例、新しい技術の出現などによって異なる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合に該当する発明の説明部分において詳しくその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されなければならない。
【0023】
明細書の全体において、いずれかの部分がいずれかの構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことを意味する。また、明細書に記載されている「~部」、「~モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェア又はソフトウェアで具現されるかハードウェアとソフトウェアの結合で具現されることができる。
【0024】
以下では、添付の図面を参考して本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明はの様々な異なる形態に実現され得るが、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0026】
図1図3は、エアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が挿入された例を示す図である。
【0027】
図1を参照すると、エアロゾル発生装置1は、バッテリ11、制御部12及びヒータ13を含む。図2及び図3を参照すると、エアロゾル発生装置1は、蒸気化器14をさらに含む。また、エアロゾル発生装置1の内部空間にはエアロゾル発生物品2(例えば、巻タバコ)が挿入されてもよい。
【0028】
図1図3に示されたエアロゾル発生装置1には、本実施形態に関する構成要素が図示されている。したがって、図1図3に示された構成要素の他に異なる汎用的な構成要素がエアロゾル発生装置1にさらに含まれ得ることを本実施形態に関する技術分野で通常の知識を有する者であれば理解できるのであろう。
【0029】
また、図2及び図3には、エアロゾル発生装置1にヒータ13が含まれていると図示されているが、必要に応じてヒータ13は省略されてもよい。
【0030】
図1には、バッテリ11、制御部12及びヒータ13が一列に配置されるものと図示されている。また、図2には、バッテリ11、制御部12、蒸気化器14及びヒータ13が一列に配置されていると図示されている。また、図3には、蒸気化器14及びヒータ13が並列に配置されていると図示されている。しかし、エアロゾル発生装置1の内部構造は、図1図3に示されたものに限定されない。言い換えれば、エアロゾル発生装置1の設計に応じて、バッテリ11、制御部12、ヒータ13及び蒸気化器14の配置は変更され得る。
【0031】
エアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置1に挿入されると、エアロゾル発生装置1はヒータ13及び/又は蒸気化器14を作動させ、エアロゾルを発生させることができる。ヒータ13及び/又は蒸気化器14によって発生したエアロゾルは、エアロゾル発生物品2を通過してユーザに伝達される。
【0032】
必要に応じて、エアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置1に挿入されていない場合にもエアロゾル発生装置1はヒータ13を加熱することができる。
【0033】
バッテリ11は、エアロゾル発生装置1が動作するために使用される電力を供給する。例えば、バッテリ11は、ヒータ13又は蒸気化器14が加熱できるように電力を供給し、制御部12が動作するために必要な電力を供給する。また、バッテリ11は、エアロゾル発生装置1に設置されたディスプレイ、センサ、モータなどが動作するために必要な電力を供給してもよい。
【0034】
制御部12は、エアロゾル発生装置1の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部12は、バッテリ11、ヒータ13、及び蒸気化器14のみならずエアロゾル発生装置1に含まれている他の構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル発生装置1の構成それぞれの状態を確認して、エアロゾル発生装置1が動作可能な状態であるか否かを判断してもよい。
【0035】
制御部12は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、複数の論理ゲートのアレイとして実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとこのマイクロプロセッサで実行され得るプログラムが格納されたメモリの組み合せで実現されてもよい。また、別の形態のハードウェアで実現されることを、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば理解することができる。
【0036】
ヒータ13は、バッテリ11から供給された電力によって加熱される。例えば、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置1に挿入されると、ヒータ13は、エアロゾル発生物品の外部に配置されてもよい。したがって、加熱されたヒータ13は、エアロゾル発生物品内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0037】
ヒータ13は、電気抵抗性ヒータであってもよい。例えば、ヒータ13には電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れることによりヒータ13が加熱される。しかし、ヒータ13は、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱できるものであれば制限されずに該当する。ここで、希望温度は、エアロゾル発生装置1に予め設定されていてもよく、ユーザによって所望する温度に設定されてもよい。
【0038】
一方、異なる例として、ヒータ13は誘導加熱式ヒータであってもよい。具体的に、ヒータ13には、エアロゾル発生物品を誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含んでもよく、エアロゾル発生物品は、誘導加熱式ヒータによって加熱され得るサセプタを含んでもよい。
【0039】
例えば、ヒータ13は、管タイプの加熱要素、板タイプの加熱要素、針タイプの加熱要素、又は棒タイプの加熱要素を含んでもよく、加熱要素の形状に応じてエアロゾル発生物品2の内部又は外部を加熱してもよい。
【0040】
また、エアロゾル発生装置1には、ヒータ13が複数配置されてもよい。ここで、複数のヒータ13は、エアロゾル発生物品2の内部に挿入されるように配置されてもよく、エアロゾル発生物品2の外部に配置されてもよい。また、複数のヒータ13のうち一部はエアロゾル発生物品2の内部に挿入されるように配置され、残りはエアロゾル発生物品2の外部に配置されてもよい。また、ヒータ13の形状は、図1図3に示された形状に限定されることなく、様々な形状に製造されてもよい。
【0041】
蒸気化器14は液相組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルはエアロゾル発生物品2を通過してユーザに伝達されることができる。言い換えれば、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル発生装置1の気流通路に沿って移動し、気流通路は蒸気化器14によって生成されたエアロゾルがエアロゾル発生物品を通過してユーザに伝達されるように構成されることができる。
【0042】
例えば、蒸気化器14は、液体格納部(例えば、格納所)液体伝達手段、及び加熱要素を含むが、これに限定されない。例えば、液体格納部、液体伝達手段、及び加熱要素は、独立的なモジュールとしてエアロゾル発生装置1に含まれてもよい。
【0043】
液体格納部は、液相組成物を格納する。例えば、液相組成物は、揮発性タバコの香り成分を含むタバコ含有物質を含む液体であってもよく、非タバコ物質を含む液体であってもよい。液体格納部は、蒸気化器14から脱着/付着できるように製造されてもよく、蒸気化器14と一体に製造されてもよい。
【0044】
例えば、液相組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、又は、ビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メンソール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種の果物の香り成分などを含んでもよいが、これに制限されることはない。香味剤は、ユーザに様々な香味又は風味を提供できる成分を含む。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも1つが混合されたものであるが、これに制限されることはない。また、液相組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0045】
液体伝達手段は、液体格納部の液相組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックのようなウィク(wick)であってもよいが、これに限定されない。
【0046】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液相組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどが挙げられるが、これに限定されない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成されてもよく、液体伝達手段に巻かれる構造に配置されてもよい。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触した液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成され得る。
【0047】
例えば、蒸気化器14は、カートマイザ(cartomizer)又はアタマイザ(atomizer)のように称されるが、これに限定されない。
【0048】
一方、エアロゾル発生装置1は、バッテリ11、制御部12、ヒータ13及び蒸気化器14の他に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル発生装置1は、視覚情報の出力可能なディスプレイ及び/又は触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル発生装置1は、少なくとも1つのセンサ(パフ検出センサ、温度検出センサ、エアロゾル発生物品の挿入検出センサなど)を含んでもよい。また、エアロゾル発生装置1は、エアロゾル発生物品2が挿入された状態でも外気が流入したり、内部気体が流出できる構造で製造されることができる。
【0049】
図1図3には図示していないが、エアロゾル発生装置1は、別途のクレードルと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル発生装置1のバッテリ11の充電に用いられてもよい。又は、クレードルとエアロゾル発生装置1が結合された状態でヒータ13が加熱されてもよい。
【0050】
エアロゾル発生物品2は、一般的な燃焼型のエアロゾル発生物品に類似している。例えば、エアロゾル発生物品2は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分に区分される。又は、エアロゾル発生物品2の第2部分にもエアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒又はカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されてもよい。
【0051】
エアロゾル発生装置1の内部には第1部分の全体が挿入され、第2部分は外部に露出されている。又は、エアロゾル発生装置1の内部に第1部分の一部のみが挿入されてもよく、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口でくわえている状態でエアロゾルを吸入することができる。ここで、エアロゾルは、外気が第1部分を通過することにより生成され、生成されたエアロゾルは第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0052】
一例として、外気は、エアロゾル発生装置1に形成された少なくとも1つの空気通路を介して流入されることができる。例えば、エアロゾル発生装置1に形成された空気通路の開閉及び/又は空気通路の大きさはユーザによって調整され得る。そのため、煙霧量、喫煙感などがユーザによって調整され得る。異なる例として、外気は、エアロゾル発生物品2の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介してエアロゾル発生物品2の内部に流入されてもよい。
【0053】
以下、図4及び図5を参照すると、エアロゾル発生物品2の例を説明する。
【0054】
図4及び図5は、エアロゾル発生物品の例を示す図である。
【0055】
図4を参照すると、エアロゾル発生物品2は、タバコロッド21及びフィルタロッド22を含む。図1図3を参照して上述した第1部分21はタバコロッド21を含み、第2部分22はフィルタロッド22を含む。
【0056】
図4には、フィルタロッド22が単一のセグメントで図示されているが、これに限定されない。言い換えれば、フィルタロッド22は、複数のセグメントで構成されてもよい。例えば、フィルタロッド22は、エアロゾルを冷却するセグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングするセグメントを含んでもよい。また、必要に応じて、フィルタロッド22には、他の機能を行う少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0057】
エアロゾル発生物品2の直径は5mm~9mmの範囲以内であり、長さは約48mmであってもよいが、これに限定されない。例えば、タバコロッド21の長さは約12mm、フィルタロッド22の第1セグメントの長さは約10mm、フィルタロッド22の第2セグメントの長さは約14mm、フィルタロッド22の第3セグメントの長さは約12mmであってもよいが、これに限定されない。
【0058】
エアロゾル発生物品2は、少なくとも1つのラッパー24によって包装される。ラッパー24には、外気が流入したり内部気体が流出する少なくとも1つの孔(hole)が形成されてもよい。一例として、エアロゾル発生物品2は1つのラッパー24によって包装されてもよい。異なる例として、エアロゾル発生物品2は2以上のラッパー24によって重複的に包装されてもよい。例えば、第1ラッパー241によってタバコロッド21が包装され、ラッパー242,243,244によってフィルタロッド22が包装されてもよい。そして、単一ラッパー245によってエアロゾル発生物品2の全体が再包装されてもよい。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントから構成されれば、それぞれのセグメントがラッパー242,243,244によって包装されてもよい。
【0059】
第1ラッパー241及び第2ラッパー242は、一般的なフィルタ巻紙で製造されることができる。例えば、第1ラッパー241及び第2ラッパー242は、多孔質の巻紙又は無多孔質の巻紙であってもよい。また、第1ラッパー241及び第2ラッパー242は、耐油性を有する紙類及び/又はアルミニウムアルミニウム合紙包装材で製造されてもよい。
【0060】
第3ラッパー243は、ハード巻紙で製造されてもよい。例えば、第3ラッパー243の秤量は88g/m~96g/mの範囲内に含まれ、好ましくは90g/m~94g/mの範囲内に含まれてもよい。また、第3ラッパー243の厚さは120um~130umの範囲内に含まれ、好ましくは125umであってもよい。
【0061】
第4ラッパー244は、耐油性ハード巻紙で製造されてもよい。例えば、第4ラッパー244の秤量は88g/m~96g/mの範囲内に含まれ、好ましくは90g/m~94g/mの範囲内に含まれてもよい。また、第4ラッパー244の厚さは120um~130umの範囲内に含まれ、好ましくは125umであってもよい。
【0062】
第5ラッパー245は、滅菌紙(MFW)で製造されてもよい。ここで、滅菌紙(MFW)は、引張強度、耐水度、平滑度などが一般紙より増進されるように特殊製造された紙を意味する。例えば、第5ラッパー245の秤量は57g/m~63g/mの範囲内に含まれ、好ましくは60g/mであってもよい。また、第5ラッパー245の厚さは64um~70umの範囲内に含まれ、好ましくは67umであってもよい。
【0063】
第5ラッパー245は所定の物質が内添されることができる。ここで、所定の物質の例としてシリコンが挙げられるが、これに限定されない。例えば、シリコンは、温度による変化が少ない耐熱性、酸化されない耐酸化性、各種の薬品に対する抵抗性、水に対する撥水性、又は、電気絶縁性などの特性を有する。但し、シリコンでなくても、上述した特性を有する物質であれば制限されることなく、第5ラッパー245に塗布(又は、コーティング)されることができる。
【0064】
第5ラッパー245は、エアロゾル発生物品2が燃焼される現像を防止できる。例えば、タバコロッド21がヒータ13によって加熱されれば、エアロゾル発生物品2が燃焼する可能性がある。具体的に、タバコロッド21に含まれた物質のいずれか1つの発火点以上に温度が上昇する場合、エアロゾル発生物品2が燃焼する。このような場合にも、第5ラッパー245は不燃性物質を含んでいるため、エアロゾル発生物品2が燃焼する現像が防止される。
【0065】
また、第5ラッパー245は、エアロゾル発生物品2で生成される物質によってエアロゾル発生装置(例えば、ホルダ)が汚染されることが防止できる。ユーザのパフによって、エアロゾル発生物品2内で液体物質が生成される。例えば、エアロゾル発生物品2で生成されたエアロゾルが外気によって冷却されることで、液体物質(例えば、水分など)が生成される。第5ラッパー245がエアロゾル発生物品2を包装することにより、エアロゾル発生物品2内で生成された液体物質がエアロゾル発生物品2の外部に漏れることを防止できる。
【0066】
タバコロッド21は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つを含むが、これに限定されない。また、タバコロッド21は、風味剤、湿潤剤及び/又は有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含有することができる。また、タバコロッド21には、メンソール又は保湿剤などの加香液がタバコロッド21に噴射されることによって添加してもよい。
【0067】
タバコロッド21は多様に製造されることができる。例えば、タバコロッド21はシート(sheet)で製造されてもよく、ストランド(strand)で製造されてもよい。また、タバコロッド21は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコで製造されてもよい。また、タバコロッド21は、熱伝導物質によって囲まれてもよい。例えば、熱伝導物質は、アルミホイルのような金属ホイールであってもよいが、これに限定されない。一例として、タバコロッド21を包む熱伝導物質は、タバコロッドに伝達される熱を等しく分散させてタバコロッドに加えられる熱伝導率を向上でき、これによりタバコの味を向上させることができる。また、タバコロッド21を包む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータにより加熱されサセプタとしての機能を果たす。ここで、図面に示していないが、タバコロッド21は、外部を包む熱伝導物質の他にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0068】
フィルタロッド22は、アセチルセルロースフィルタであってもよい。一方、フィルタロッド22の形状には制限がない。例えば、フィルタロッド22は、円柱タイプのロッドであってもよく、内部に中空を含むチューブタイプのロッドであってもよい。また、フィルタロッド22はリセスタイプのロッドであってもよい。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントから構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが異なる形状に製造されてもよい。
【0069】
フィルタロッド22の第1セグメントは、アセチルセルロースフィルタであってもよい。例えば、第1セグメントは、内部に中空を含むチューブ形態の構造物であってもよい。第1セグメントによりヒータ13が挿入される場合、タバコロッド21の内部物質が後ろにずれる現像を防止することもでき、エアロゾルの冷却効果も発生し得る。第1セグメントに含まれた中空の直径は2mm~4.5mmの範囲内で適切な直径が採用されるが、これに限定されない。
【0070】
第1セグメントの長さは4mm~30mmの範囲内で適切な長さが採用されるが、これに限定されない。好ましくは、第1セグメントの長さは10mmになるが、これに限定されない。
【0071】
第1セグメントの製造時に可塑剤の含量を調節することによって第1セグメントの硬度が調整され得る。また、第1セグメントは、内部(例えば、中空)に同一あるいは離型の材質のフィルム、チューブなどの構造物を挿入して製造されてもよい。
【0072】
フィルタロッド22の第2セグメントは、ヒータ13がタバコロッド21を加熱することによって生成されたエアロゾルを冷却させる。したがって、ユーザは適切な温度で冷却されたエアロゾルを吸入することができる。
【0073】
第2セグメントの長さ又は直径は、エアロゾル発生物品2の形態に応じて多様に決定されることができる。例えば、第2セグメントの長さは7mm~20mmの範囲内で適切に採用されてもよい。好ましくは、第2セグメントの長さは約14mmになるが、これに限定されない。
【0074】
第2セグメントは、ポリマー繊維を製織して製造できる。この場合、ポリマーで製造された繊維に加香液を塗布してもよい。又は、加香液の塗布された別途の繊維とポリマーで製造された繊維を共に製織して第2セグメントを製造してもよい。又は、第2セグメントは、巻軸されたポリマーシートによって形成されてもよい。
【0075】
例えば、ポリマーは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、アセチルセルロース(CA)及びアルミホイルからなる群より選択された材料で製造されることができる。
【0076】
第2セグメントが製織されたポリマー繊維又は巻軸されたポリマーシートによって形成されることで、第2セグメントは縦方向に延びる単数又は複数のチャネルを含んでもよい。ここで、チャネルは、気体(例えば、空気又はエアロゾル)が通過する通路を意味する。
【0077】
例えば、巻軸されたポリマーシートからなる第2セグメントは約5μmと約300μmとの間、例えば、約10μmと約250μmとの間の厚さを有する材料から形成されてもよい。また、第2セグメントの総表面積は約300mm/mmと約1000mm/mmとの間であってもよい。また、エアロゾル冷却要素は、比表面積が約10mm/mgと約100mm/mgとの間の材料から形成されてもよい。
【0078】
一方、第2セグメントには、揮発性の香味成分を含有するスレッド(thread)が含まれてもよい。ここで、揮発性の香味成分はメントールであってもよいが、これに制限されることはない。例えば、スレッドには、1.5mg以上のメントールを第2セグメントに提供するために、十分な量のメントールが充填され得る。
【0079】
フィルタロッド22の第3セグメントは、アセチルセルロースフィルタであってもよい。第3セグメントの長さは、4mm~20mmの範囲内で適切に採用され得る。例えば、第3セグメントの長さは約12mmであってもよいが、これに限定されない。
【0080】
第3セグメントを製造する過程において、第3セグメントに加香液を噴射することによって香味が発生されるように製造してもよい。又は、加香液の塗布された別途の繊維を第3セグメントの内部に挿入してもよい。タバコロッド21で生成されたエアロゾルは、フィルタロッド22の第2セグメントを通過することにより冷却され、冷却されたエアロゾルが第3セグメントを介してユーザに伝達される。したがって、第3セグメントに加香要素が添加される場合、ユーザに伝達される香味の持続性が増進されるという効果が発生する。
【0081】
また、フィルタロッド22には少なくとも1つのカプセル23が含まれてもよい。ここで、カプセル23は香味を発生させる機能を行ってもよく、エアロゾルを発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセル23は、香料を含む液体を被膜で包んだ構造であってもよい。カプセル23は、球状又は円筒状の形状を有し得るが、これに制限されることはない。
【0082】
図5を参照すると、エアロゾル発生物品3はせん断プラグ33をさらに含む。せん断プラグ33は、タバコロッド31において、フィルタロッド32に対向する一側に配置される。せん断プラグ33はタバコロッド31が外部に離脱することを防止し、喫煙中にタバコロッド31から液相化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置(例えば、図1図3)に流れ込むことを防止する。
【0083】
フィルタロッド32は、第1セグメント321及び第2セグメント322を含む。ここで、第1セグメント321は図4に示すフィルタロッド22の第1セグメントに対応し、第2セグメント322は図4に示すフィルタロッド22の第3セグメントに対応する。
【0084】
エアロゾル発生物品3の直径及び全長は、図4に示すエアロゾル発生物品2の直径及び全長に対応する。例えば、せん断プラグ33の長さは約7mm、タバコロッド31の長さは約15mm、第1セグメント321の長さは約12mm、第2セグメント322の長さは約14mmであってもよいが、これに限定されない。
【0085】
エアロゾル発生物品3は、少なくとも1つのラッパー35によって包装される。ラッパー35には外気が流入されたり内部気体が流出する少なくとも1つの孔が形成されることができる。例えば、第1ラッパー351によってせん断プラグ33が包装され、第2ラッパー352によってタバコロッド31が包装され、第3ラッパー353によって第1セグメント321が包装され、第4ラッパー354によって第2セグメント322が包装される。そして、第5ラッパー355によってエアロゾル発生物品3全体が再包装されることができる。
【0086】
また、第5ラッパー355には、少なくとも1つの穿孔36が形成されることができる。例えば、穿孔36は、タバコロッド31を包む領域に形成されるが、これに制限されることはない。穿孔36は、図2及び図3に示されたヒータ13により形成された熱をタバコロッド31の内部に伝達する役割を果たす。
【0087】
また、第2セグメント322には少なくとも1つのカプセル34が含まれてもよい。ここで、カプセル34は香味を発生させる機能を行ってもよく、エアロゾルを発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセル34は、香料を含む液体を被膜で包んだ構造であってもよい。カプセル34は、球状又は円筒状の形状を有するが、これに制限されることはない。
【0088】
第1ラッパー351は、一般的なフィルタ巻紙にアルミホイルのような金属ホイールが結合されたものであってもよい。例えば、第1ラッパー351の全体の厚さは45um~55umの範囲内に含まれ、好ましくは50.3umであってもよい。また、第1ラッパー351の金属ホイールの厚さは6um~7umの範囲内に含まれ、好ましくは6.3umであってもよい。また、第1ラッパー351の秤量は50g/m~55g/mの範囲内に含まれ、好ましくは53g/mであってもよい。
【0089】
第2ラッパー352及び第3ラッパー353は、一般的なフィルタ巻紙で製造される。例えば、第2ラッパー352及び第3ラッパー353は多孔質の巻紙又は無多孔質の巻紙であってもよい。
【0090】
例えば、第2ラッパー352の多孔度は35000CUであってもよいが、これに制限されることはない。また、第2ラッパー352の厚さは70um~80umの範囲内に含まれ、好ましくは78umであってもよい。また、第2ラッパー352の秤量は20g/m~25g/mの範囲内に含まれ、好ましくは23.5g/mであってもよい。
【0091】
例えば、第3ラッパー353の多孔度は24000CUであってもよいが、これに制限されることはない。また、第3ラッパー353の厚さは60um~70umの範囲内に含まれ、好ましくは68umであってもよい。また、第3ラッパー353の秤量は20g/m~25g/mの範囲内に含まれ、好ましくは21g/mであってもよい。
【0092】
第4ラッパー354はPLA合紙で製造されてもよい。ここで、PLA合紙は紙層、PLA層及び紙層を含む3重の紙を意味する。例えば、第4ラッパー354の厚さは100um~120umの範囲内に含まれ、好ましくは110umであってもよい。また、第4ラッパー354の秤量は80g/m~100g/mの範囲内に含まれ、好ましくは88g/mであってもよい。
【0093】
第5ラッパー355は滅菌紙(MFW)で製造されてもよい。ここで、滅菌紙(MFW)は、引張強度、耐水度、平滑度などが一般の紙より増進されるように特殊製造された紙を意味する。例えば、第5ラッパー355の秤量は57g/m~63g/mの範囲内に含まれ、好ましくは60g/mであってもよい。また、第5ラッパー355の厚さは64um~70umの範囲内に含まれ、好ましくは67umであってもよい。
【0094】
第5ラッパー355は、所定の物質が内添されてもよい。ここで、所定の物質の例としてシリコンが挙げられるが、これに限定されない。例えば、シリコンは、温度による変化が少ない耐熱性、酸化されない耐酸化性、各種の薬品に対する抵抗性、水に対する撥水性、又は、電気絶縁性などの特性を有する。但し、シリコンでなくても、上述した特性を有する物質であれば、制限されることなく第5ラッパー355に塗布(又は、コーティング)されることができる。
【0095】
せん断プラグ33は、アセチルセルロースで製造されることができる。一例として、せん断プラグ33は、アセチルセルローストウに可塑剤(例えば、トリアセチン)を加えて製造してもよい。アセチルセルローストウを構成するフィラメントのモノデニール(mono denier)は1.0~10.0の範囲内に含まれてもよく、好ましくは4.0~6.0の範囲内に含まれてもよい。さらに好ましくは、せん断プラグ33のフィラメントのモノデニールは約5.0であってもよい。また、せん断プラグ33を構成しているフィラメントの断面はY字型であってもよい。せん断プラグ33のトータルデニール(total denier)は20000~30000の範囲内に含まれてもよく、好ましくは、25000~30000の範囲内に含まれてもよい。さらに好ましくは、せん断プラグ33のトータルデニールは28000であってもよい。
【0096】
また、必要に応じて、せん断プラグ33は少なくとも1つのチャネルを含んでもよく、チャネルの断面状は多様に製造され得る。
【0097】
タバコロッド31は、図4を参照して上述したタバコロッド21に対応する。したがって、以下では、タバコロッド31に対する具体的な説明は省略する。
【0098】
第1セグメント321は、アセチルセルロースで製造されることができる。例えば、第1セグメントは内部に中空を含むチューブ形態の構造物であってもよい。第1セグメント321は、アセチルセルローストウに可塑剤(例えば、トリアセチン)を加えて製造されることができる。例えば、第1セグメント321のモノデニール及びトータルデニールは、せん断プラグ33のモノデニール及びトータルデニールと同一であってもよい。
【0099】
第2セグメント322は、アセチルセルロースで製造されることができる。第2セグメント322を構成しているフィラメントのモノデニールは1.0~10.0の範囲内に含まれてもよく、好ましくは、8.0~10.0の範囲内に含まれてもよい。さらに好ましくは、第2セグメント322のフィラメントのモノデニールは9.0であってもよい。また、第2セグメント322のフィラメントの断面はY字型であってもよい。第2セグメント322のトータルデニールは20000~30000の範囲内に含まれてもよく、好ましくは、25000であってもよい。
【0100】
図6は、他の実施形態に係るエアロゾル発生装置400のブロック図である。
【0101】
エアロゾル発生装置400は、制御部410、検出部420、出力部430、バッテリ440、ヒータ450、ユーザ入力部460、メモリ470及び通信部480を含む。但し、エアロゾル発生装置400の内部構造は図6に示されたものに制限されない。即ち、エアロゾル発生装置400の設計に応じて、図6に示された構成うちの一部が省略されたり、新しい構成がさらに追加され得ることを、本実施形態に関する技術分野で通常の知識を有する者であれば理解でkりうのであろう。
【0102】
検出部420は、エアロゾル発生装置400の状態、又はエアロゾル発生装置400周辺の状態を検出し、検出された情報を制御部410に伝達する。制御部410は、前記検出された情報に基づいて、ヒータ450の動作制御、喫煙の制限、エアロゾル発生物品(例えば、巻タバコ、カートリッジなど)の挿入の有無判断、通知表示などのような様々な機能が実行されるようにエアロゾル発生装置400を制御することができる。
【0103】
検出部420は、温度センサ422、挿入検出センサ424及びパフセンサ426のうち少なくとも1つを含むが、これに制限されることはない。
【0104】
温度センサ422は、ヒータ450(又は、エアロゾル生成物質)が加熱する温度を検出する。エアロゾル発生装置400は、ヒータ450の温度を検出する別途の温度センサを含んだり、ヒータ450そのものが温度センサの役割を行ってもよい。又は、温度センサ422は、バッテリ440の温度をモニタリングするように、バッテリ440の周辺に配置されたものであってもよい。
【0105】
挿入検出センサ424は、エアロゾル発生物品の挿入及び/又は除去を検出することができる。例えば、挿入検出センサ424は、フィルムセンサ、圧力センサ、光センサ、抵抗性センサ、容量性センサ、誘導性センサ、及び赤外線センサのうち少なくとも1つを含んでもよく、エアロゾル発生物品が挿入及び/又は除去されることによる信号変化を検出することができる。
【0106】
パフセンサ426は、気流通路又は気流チャネルの様々な物理的変化に基づいてユーザのパフを検出することができる。例えば、パフセンサ426は、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のうちのいずれか1つに基づいてユーザのパフを検出してもよい。
【0107】
検出部420は、前述したセンサ422~426の他に、オン/湿度センサ、気圧センサ、地磁気センサ(magnetic sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロスコープセンサ、位置センサ(例えば、GPS)、近接センサ、及びRGBセンサ(illuminance sensor)のうち少なくとも1つをさらに含んでもよい。角度センサの機能は、その名称から当業者が直観的に推論できるため、具体的な説明は省略される。
【0108】
出力部430は、エアロゾル発生装置400の状態に関する情報を出力してユーザに提供する。出力部430は、ディスプレイ部432、ハプティック部434及び音響出力部436のうち少なくとも1つを含むが、これに限定されることはない。ディスプレイ部432とタッチパッドがレイヤ構造をなしてタッチスクリーンから構成される場合、ディスプレイ部432は出力装置以外に入力装置として使用されてもよい。
【0109】
ディスプレイ部432は、エアロゾル発生装置400に関する情報をユーザに視覚的に提供することができる。例えば、エアロゾル発生装置400に関する情報は、エアロゾル発生装置400のバッテリ440の充填/放電状態、ヒータ450の予熱状態、エアロゾル発生物品の挿入/除去状態又はエアロゾル発生装置400の使用が制限される状態(例えば、異常物品の検出)などの様々な情報を意味し、ディスプレイ部432は前記情報を外部に出力してもよい。ディスプレイ部432は、例えば、液晶ディスプレイパネル(LCD)、有機発光ディスプレイパネル(OLED)などであってもよい。また、ディスプレイ部432はLED発光素子の状態であってもよい。
【0110】
ハプティック部434は、電気的信号を機械的な刺激又は電気的な刺激に変換し、エアロゾル発生装置400に関する情報をユーザに触覚的に提供することができる。例えば、ハプティック部434は、モータ、圧電素子、又は、電気刺激装置を含んでもよい。
【0111】
音響出力部436は、エアロゾル発生装置400に関する情報をユーザに聴覚的に提供することができる。例えば、音響出力部436は、電気信号を音響信号に変換して外部に出力することができる。
【0112】
バッテリ440は、エアロゾル発生装置400が動作するために使用される電力を供給する。バッテリ440は、ヒータ450が加熱できるように電力を供給し得る。また、バッテリ440は、エアロゾル発生装置400内に備えられた異なる構成(例えば、検出部420、出力部430、ユーザ入力部460、メモリ470及び通信部480)の動作に必要な電力を供給する。バッテリ440は、充電可能なバッテリや使い捨てバッテリであってもよい。例えば、バッテリ440は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリであってもよいが、これに制限されることはない。
【0113】
ヒータ450は、バッテリ440から電力が供給されてエアロゾル生成物質を加熱する。図6には図示されていないが、エアロゾル発生装置400は、バッテリ440の電力を変換してヒータ450に供給する電力変換回路(例えば、DC/DCコンバータ)をさらに含んでもよい。また、エアロゾル発生装置400が誘導加熱方式でエアロゾルを生成する場合、エアロゾル発生装置400は、バッテリ440の直流電源を交流電源に変換するDC/ACコンバータをさらに含んでもよい。
【0114】
制御部410、検出部420、出力部430、ユーザ入力部460、メモリ470、及び通信部480は、バッテリ440から電力を供給されて機能を行うことができる。図6には図示されていないが、バッテリ440の電力を変換し、それぞれの構成要素に供給する電力変換回路、例えば、LDO(low dropout)回路又は電圧レギュレータ回路をさらに含んでもよい。
【0115】
一実施形態において、ヒータ450は、任意の適切な電気抵抗性物質で形成されてもよい。例えば、適切な電気抵抗性物質は、タイタニウム、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロミウム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、スズ、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属又は金属合金であってもよいが、これに制限されることはない。また、ヒータ450は、金属熱線(wire)、電気伝導性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などに実現されるが、これに制限されることはない。
【0116】
一実施形態において、ヒータ450は、誘導加熱方式のヒータであってもよい。例えば、ヒータ450はコイルによって印加された磁場を介して発熱し、エアロゾル生成物質を加熱するサセプタを含んでもよい。
【0117】
一実施形態において、ヒータ450は複数のヒータを含んでもよい。例えば、ヒータ450は、エアロゾル発生物品を加熱するための第1ヒータ及び液相を加熱するための第2ヒータを含んでもよい。
【0118】
ユーザ入力部460は、ユーザから入力された情報を受信したり、ユーザに情報を出力する。例えば、ユーザ入力部460は、キーパッド(key pad)、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(接触式静電容量方式、圧力式抵抗膜方式、赤外線検出方式、表面超音波伝導方式、積分式張力測定方式、ピエゾ効果方式など)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどがあるが、これに限定されることはない。また、図6に図示されていないが、エアロゾル発生装置400は、USB(universal serial bus)インターフェースなどのような接続インターフェース(connection interface)をさらに含み、USBインターフェースなどのような接続インターフェースを介して他の外部装置に接続されて情報を送受信したり、バッテリ440を充電し得る。
【0119】
メモリ470は、エアロゾル発生装置400内で処理される各種のデータを格納するハードウェアとして、制御部410で処理されたデータ及び処理されるデータを格納してもよい。メモリ470は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えばSD又はXDメモリなど)、RAM(random access memory)SRAM(static random access memory)、ROM(read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、PROM(programmable read-only memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも1つのタイプの格納媒体を含んでもよい。メモリ470は、エアロゾル発生装置400の動作時間、最大のパフ回数、現在のパフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに対するデータなどを格納してもよい。
【0120】
通信部480は、他の電子装置との通信のための少なくとも1つの構成要素を含む。例えば、通信部480は、近距離通信部482及び無線通信部484を含む。
【0121】
近距離通信部(short-range wireless communication unit)482は、ブルートゥース(登録商標)通信部、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信部、近距離無線通信部(Near Field Communication unit)、WLAN(ワイファイ)通信部、ジグビー(Zigbee(登録商標))通信部、赤外線(IrDA、infrared Data Association)通信部、WFD(Wi-Fi Direct)通信部、UWB(ultra wideband)通信部、Ant+通信部などを含むが、これに制限されることはない。
【0122】
無線通信部484は、セルラーネットワーク通信部、インターネット通信部、コンピュータネットワーク(例えば、LAN又はWAN)通信部などを含むが、これに制限されることはない。無線通信部484は、加入者情報(例えば、国際モバイル加入者識別子(IMSI))を用いて通信ネットワーク内でエアロゾル発生装置400を確認及び認証することができる。
【0123】
制御部410は、エアロゾル発生装置400の全般的な動作を制御する。一実施形態において、制御部410は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。プロセッサは複数の論理ゲートのアレイで実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとそのマイクロプロセッサで実行され得るプログラムが格納されたメモリの組み合せで実現されることができる。また、他の形態のハードウェアで実現され得ることを、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば理解できるのであろう。
【0124】
制御部410は、バッテリ440の電力をヒータ450に供給することを制御することでヒータ450の温度を制御できる。例えば、制御部410は、バッテリ440とヒータ450との間のスイッチング素子のスイッチングを制御することで電力供給を制御し得る。異なる例として、制御部410の制御命令に応じて、加熱直接回路がヒータ450に対する電力供給を制御してもよい。
【0125】
制御部410は、検出部420によって検出された結果を分析し、その後実行される処理を制御する。例えば、制御部410は、検出部420によって検出された結果に基づいて、ヒータ450の動作が開示又は終了するようにヒータ450に供給される電力を制御することができる。異なる例えば、制御部410は、検出部420によって検出された結果に基づいて、ヒータ450が所定の温度まで加熱されたり、適切な温度を保持できるようにヒータ450に供給される電力量及び電力が供給される時間を制御してもよい。
【0126】
制御部410は、検出部420によって検出された結果に基づいて、出力部430を制御することができる。例えば、パフセンサ426を介してカウントされたパフ回数が予め設定された回数に達すると、制御部410は、ディスプレイ部432、ハプティック部434、及び音響出力部436のうち少なくとも1つを介してユーザにエアロゾル発生装置400がすぐに終了することを予告できる。
【0127】
一実施形態において、制御部410は、検出部420によって検出されたエアロゾル発生物品の状態によりヒータ450に対する電力供給時間及び/又は電力供給量を制御することができる。例えば、エアロゾル発生物品がクァスプ状態である場合に、制御部410は、誘導コイルに対する電力供給時間を制御し、エアロゾル発生物品が一般的な状態である場合よりも予熱時間を増加させることができる。
【0128】
一実施形態は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも実現されてもよい。コンピュータで読み出し可能な記録媒体は、コンピュータによってアクセスされる任意の使用可能媒体であってもよく、揮発性及び非揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体を全て含む。また、コンピュータで読み出し可能な記録媒体は、コンピュータ格納媒体及び通信媒体を全て含むことができる。コンピュータ格納媒体は、コンピュータ読み出し可能命令語、データ構造、プログラムモジュール、又は、その他のデータのような情報の格納のための任意の方法又は技術で具現された揮発性及び非揮発性、分離型及び非分離型媒体を全て含んでもよい。通信媒体は、典型的にコンピュータ読み出し可能命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調したデータ信号のその他のデータ、又は、その他の送信メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0129】
図7図11は、一実施形態に係る発熱体を製造するための方法の動作を示した図である。発熱体を製造する動作の順は本文書で説明される順に制限されず、動作の間に少なくとも1つの追加的な動作が含まれたり、説明された動作のうちいずれか1つの動作が省略されたり、一部の動作の順が変わり得る。
【0130】
図7を参照すると、発熱体550を製造するための方法は基板551を提供する動作を含む。基板551は互いに反対される面(例えば、+Z方向に配向された面及び-Z方向に配向された面)を有するプレート形状を有してもよい。基板551の少なくとも1つの面(例えば、+Z方向に配向された面)は実質的にフラットな面に形成されてもよい。
【0131】
一実施形態において、基板551は様々な材質から形成されてもよい。例えば、基板551は、ガラス、シリコン(Si)、シリコンオキサイド(SiO)、サファイア、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート及び/又はその他の熱伝導に適する任意の材質から形成されてもよい。いずれかの実施形態において、基板551は、ガラス、シリコン(Si)、シリコンオキサイド(SiO)及びサファイアのうちいずれか1つ又はその組み合わせにより形成されてもよい。いずれかの実施形態において、基板551は、相対的に低い熱伝達係数を有する材質を含むことができる。これは、基板551上の一部領域に局所に熱が伝達できるようにする。
【0132】
一実施形態において、基板551は電気伝導性を示す。一実施形態において、基板551は電気絶縁性を示す。
【0133】
一実施形態において、基板551は、発熱体550が配置される環境に使用するために適する任意の熱伝導率を有する材質から形成されてもよい。例えば、基板551は、1barの圧力及び25℃の温度で、約0.6W/mK以下、約1W/mK~約2W/mK、約2W/mK~約5W/mK、約5W/mK~約10W/mK、約10W/mK~約100W/mK、約100W/mK~約200W/mKの熱伝導率を有してもよい。
【0134】
一実施形態において、基板551は、相対的に熱伝導率を有することができる。言い換えれば、基板551の熱伝導率は、発熱体550の他のコンポネント(例えば、金属プリズム554)の熱伝導率と実質的に同一であるか、それより小さくてもよい。基板551が相対的に低い熱伝導率を有することは、基板551による熱消散(dissipation)を低減させ、ターゲットへの熱伝達量を増加させ得る。基板551は、例えば、1barの圧力及び25℃の温度で、約45W/mK以下、約40W/mK以下、約35W/mK以下、約30W/mK以下、約25W/mK以下、約20W/mK以下、約15W/mK以下、約10W/mK以下、約5W/mK以下、約2W/mK以下、又は約1W/mK以下の熱伝導率を有してもよい。
【0135】
図8を参照すると、発熱体550を製造するための方法は、基板551の一面(例えば、+Z方向に配向された面)上に複数のビーズ552を塗布する動作を含む。複数のビーズ552は、基板551の一面上にモノレイヤ(即ち、実質的に単一のレイヤ)でパターニングされることができる。
【0136】
一実施形態において、複数のビーズ552は、任意の適する方式で基板551上に蒸着されることができる。例えば、複数のビーズ552は、物理気相蒸着(physical vapor deposition)、化学気相蒸着(chemical vapor deposition)、原子層蒸着(atomic layer deposition)及び/又はその他の任意の適する方式に蒸着されてもよい。いずれかの実施形態において、複数のビーズ552は物理気相蒸着方式に蒸着されてもよい。
【0137】
一実施形態において、複数のビーズ552は、実質的に低い耐熱温度に塗布されることができる。一例として、複数のビーズ552は、約110℃以下、約100℃以下、約90℃以下、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約40℃以下、又は約30℃以下の耐熱温度に塗布されてもよい。一例として、複数のビーズ552は、約20℃以上、約30℃以上、約40℃以上、約50℃以上、約60℃以上、約70℃以上、又は約80℃以上の耐熱温度に塗布されてもよい。いずれかの例として、複数のビーズ552は、常温(約25℃)に近い耐熱温度で塗布されてもよい。
【0138】
一実施形態において、複数のビーズ552は、実質的に曲面を有する構造体を有することができる。例えば、複数のビーズ552は、円形又は楕円形の断面状を有する球体にそれぞれ形成されてもよい。一実施形態において、複数のビーズ552は、多角形の断面状を有する立体に形成されてもよい。
【0139】
一実施形態において、複数のビーズ552のうち一部のビーズ552は互いに接触して配列されてもよい。一実施形態において、複数のビーズ552は、隣接する一部(例えば、3つ)のビーズ552間に領域を形成して配列されてもよい。
【0140】
一実施形態において、複数のビーズ552は、規則的な配列で基板551上に塗布されることができる。例えば、複数のビーズ552は、基板551の第1方向(例えば、+/-X方向)に配列された複数の第1ビーズ552A、及び複数の第1ビーズ552Aから基板551の第1方向に交差する第2方向(例えば、+/-Y方向)に位置し、基板551の第1方向に配列された複数の第2ビーズ552Bを含む。いずれかの実施形態において、複数の第1ビーズ552Aの中心及び複数の第2ビーズ552Bの中心が基板551を一方向(例えば、+/-Y方向)に見るとき、一致しないように複数の第1ビーズ552A及び複数の第2ビーズ552Bが配列されてもよい。
【0141】
一実施形態において、複数のビーズ552は、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、イミド系樹脂、及び/又はその共重合体から形成されてもよい。いずれかの実施形態において、複数のビーズ552は、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリn-ブチルメタクリレート、ポリsec-ブチルメタクリレート、ポリtert-ブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリイソプロピルアクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリ2-メチルシクロヘキシルメタクリレート、ポリジシクロペンタニルオキシエチルメタクリレート、ポリイソボニルメタクリレート、ポリシクロヘキシルアクリレート、ポリ2-メチルシクロヘキシルアクリレート、ポリジシクロペンテニルアクリレート、ポリジシクロペンタニルアクリレート、ポリジシクロペンテニルメタクリレート、ポリジシクロペンタニルメタクリレート、ポリジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、ポリイソボニルアクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリフェニルアクリレート、ポリベンジルアクリレート、ポリベンジルメタクリレート、ポリ2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリα-メチルスチレン、ポリm-メチルスチレン、ポリp-メチルスチレン、ビニールトルエン、1、3-ブタジエン、イソプレン、2、3-ジメチル1、3-ブタジエン、ポリイミド、及び/又はその組み合わせにより形成されてもよい。いずれかの実施形態において、複数のビーズ552は、ポリスチレン又はシリカで形成されてもよい。いずれかの実施形態において、複数のビーズ552はポリスチレンで形成されてもよい。
【0142】
一実施形態において、複数のビーズ552は、約10nm以上、約50nm以上、約90nm以上、約100nm以上、約150nm以上、約200nm以上、約300nm以上、約450nm以上、又は約500nm以上の平均最大直径を有してもよい。いずれかの実施形態において、複数のビーズ552は、約450nm以上の平均最大直径を有してもよい。
【0143】
一実施形態において、複数のビーズ552は、約1、000nm以下、約900nm以下、約800nm以下、約700nm以下、約600nm以下、又は、約550nm以下の平均最大直径を有してもよい。いずれかの実施形態において、複数のビーズ552は約600nm以下の平均最大直径を有してもよい。
【0144】
図9を参照すると、発熱体550を製造するための方法は、基板551上の複数のビーズ552の大きさを低減する動作を含む。
【0145】
一実施形態において、複数のビーズ552の減少された大きさ(例えば、平均最大直径)は、約360nm以下、約350nm以下、約340nm以下、約330nm以下、約320nm以下、約310nm以下、又は約300nm以下である。一実施形態において、複数のビーズ552の減少された大きさ(例えば、平均最大直径)は、約290nm以上、約300nm以上、約310nm以上、約320nm以上、約330nm以上、又は約340nm以上であってもよい。
【0146】
一実施形態において、複数のビーズ552は、その大きさが減少する前の形状と実質的に同じ形状を有してもよい。例えば、複数のビーズ552は、円形又は楕円形の断面状を有する球体に保持されてもよい。
【0147】
一実施形態において、複数のビーズ552の大きさは任意の適する方式により減少される。例えば、複数のビーズ552の大きさは、エッチング工程(例えば、反応性イオンエッチング(reactive ion etching、RIE)、イオンミリング及び/又はその他の任意のエッチング)により減少されてもよい。反応性イオンエッチングは、金属粒子の自由電子が金属プリズム(例えば、金属プリズム554)のエッジ領域(edge area)に集中されることを考慮するとき、1つの有利な工程に選択されてもよい。一実施形態において、複数のビーズ552の大きさは、複数のビーズ552が少なくとも部分的に溶媒に浸漬されることで減少されてもよい。
【0148】
一実施形態において、減少された大きさを有する複数のビーズ552のうち少なくとも一部のビーズ552は、互いに物理的に分離されてもよい。複数のビーズ552のうち一部のビーズ552は互いに接触せずオフセットされ、その間にギャップを形成してもよい。
【0149】
図10を参照すると、発熱体550を製造するための方法は、基板551の一面(例えば、+Z方向に配向された面)上に複数の金属粒子553を蒸着する動作を含む。
【0150】
一実施形態において、複数の金属粒子553は、ナノスケールの大きさを有することができる。例えば、複数の金属粒子553は、約1um以下の平均最大直径を有してもよい。いずれかの実施形態において、複数の金属粒子553は、約700nm以下、約600nm以下、約500nm以下、約400nm以下、約300nm以下、約200nm以下、約150nm以下、又は約100nm以下の平均最大直径を有してもよい。
【0151】
一実施形態において、複数の金属粒子553は、任意の適する蒸着方式で基板551及び/又は複数のビーズ552上に蒸着されることができる。例えば、複数の金属粒子553は、スパッタリング、イオンビーム蒸着、熱蒸着、化学的蒸着、プラズマ蒸着及び/又はその他の任意の適する蒸着方式により蒸着されてもよい。
【0152】
一実施形態において、複数の金属粒子553は、基板551の一面上に位置する複数のビーズ552のそれぞれの露出された領域を含む第1蒸着領域A1、及び基板551の一面の少なくとも一部の領域及び/又は複数のビーズ552の間の領域を含む第2蒸着領域A2上に蒸着されてもよい。いずれかの実施形態において、基板551は、複数のビーズ552が位置されず複数の金属粒子553が蒸着されない非蒸着領域A3を含む。
【0153】
一実施形態において、複数の金属粒子553は、熱を発生させるために適する任意の材質から形成されてもよい。例えば、複数の金属粒子553は、金、銀、銅、パラジウム、白金、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、鉄、コバルト、マンガン、ロジウム、及びルテニウムのうち少なくとも1つ又はその組み合わせを含んでもよい。
【0154】
一実施形態において、複数の金属粒子553は、決定された波長帯域(例えば、可視光線波長帯域、即ち、約380nm~約780nm)の光と相互作用して熱を発生させるために適する任意の材質から形成されてもよい。例えば、複数の金属粒子553は、金、銀、銅、パラジウム、及び白金のうち少なくとも1つ又はその組み合わせを含んでもよい。
【0155】
いずれかの実施形態において、複数の金属粒子553は、平均最大吸光度を有する金属材質から形成されることができる。ここで、平均最大吸光度は、波長帯域による実質的にピークを有する吸光度に規定され得る。前記吸光度に対応する波長帯域は、複数の金属粒子553が共鳴する波長帯域として理解される。例えば、複数の金属粒子553は、約430nm~約450nmの間、約480nm~約500nmの間、約490nm~約510nmの間、約500nm~約520nmの間、約550nm~約570nmの間、約600nm~約620nmの間、約620nm~約640nmの間、約630nm~約650nmの間、約640nm~約660nmの間、約680nm~約700nmの間、又は約700nm~約750nmの間の波長帯域で平均最大吸光度を有する金属材質から形成されてもよい。複数の金属粒子553の平均最大吸光度は、金属材質の他にも基板551の種類、複数の金属粒子553が形成する構造体(例えば、金属プリズム)の大きさ及び/又は構造体の形状に応じて変わり得る。
【0156】
一実施形態において、複数の金属粒子553の蒸着の厚さは約20nm以下である。好ましい実施形態において、複数の金属粒子553の蒸着の厚さは、約10nm以下である。複数の金属粒子553を10nmを超える厚さで基板551上に蒸着する場合、複数の金属粒子553が形成する構造体(例えば、金属プリズム)で発熱反応が減少される。複数の金属粒子553が形成する構造体の厚さが10nmを超えることは、発熱体550の周辺に熱を奪われる可能性が増加し、これによって発熱体550の熱効率を低減することができる。
【0157】
図11を参照すると、発熱体550を製造するための方法は、複数のビーズ(例えば、図10のビーズ552)を除去する動作を含む。複数のビーズが除去されれば、基板551上に金属プリズム554により囲まれた複数のホールHが形成される。ホールHは、ビーズの断面状に対応する形状(例えば、実質的に円形又は楕円形)を有してもよい。
【0158】
複数のビーズを除去することは任意の適する方式により実行されることができる。一実施形態において、複数のビーズは、溶媒に浸漬されることで溶媒によって溶解されることができる。例えば、溶媒は、トルエン、アセトン、ベンゼン、フェノール、エーテル、及び/又はその他の任意の適する無機溶媒又は任意の有機溶媒のうちの1つ以上を含んでもよい。一実施形態において、複数のビーズは、エッチング工程(例えば、反応性イオンエッチング(reactive ion etching、RIE)、イオンミリング及び/又はその他の任意のエッチング)により除去されておよい。
【0159】
図12は、一実施形態に係る発熱体の一部の平面図であり、図13は、一実施形態に係る図12に示す13-13のラインに沿って見た発熱体の断面図である。
【0160】
図12及び図13を参照すると、発熱体650は、表面プラズモン共鳴により熱を発生させるように構成される。「表面プラズモン共鳴」は、金属粒子の媒体とのインターフェースにより伝える電子の集団的な振動を示す。例えば、金属粒子の電子の集団的な振動は、発熱体650の外部で伝えられる光によって発生してもよい。金属粒子の電子の励起は熱エネルギーを発生させ、発生した熱エネルギーは、発熱体650が適用される環境内で伝達されることができる。
【0161】
発熱体650は基板651を含む。基板651は、第1面651A(例えば、対面)及び第1面651Aに反対される第2面651B(例えば、すれば)を含む。
【0162】
発熱体650は、金属プリズム654を含む。金属プリズム654は、ネット(net)状を有してもよい。金属プリズム654は、実質的に単一の構造体として複数のホールHを形成してもよい。金属プリズム654は、基板651の第1面651Aを対面する第1ベース面654A、第1ベース面654Aに反対される第2ベース面654B、及び第1ベース面654A及び第2ベース面654Bの間の複数のサイド面654C1、654C2を含む。基板651の第1面651A及び金属プリズム654の複数のサイド面654C1、654C2は複数のホールHを規定することができる。
【0163】
一実施形態において、第1ベース面654A及び第2ベース面654Bは互いに実質的に平行である。
【0164】
一実施形態において、第1ベース面654A及び/又は第2ベース面654Bは、実質的にフラットな面に形成されることができる。
【0165】
一実施形態において、第1ベース面654A及び第2ベース面654Bの間の距離(例えば、金属プリズム654の厚さ)は約10nm以下である。金属プリズム654が10nmを超える厚さを有することは、金属プリズム654を形成する複数の金属粒子の発熱反応を低減して結果的に発熱体650の熱効率を低減させることができる。
【0166】
一実施形態において、金属プリズム654の複数のサイド面654C1、654C2は互いに異なる方向に配向されてもよい。例えば、第1サイド面654C1)は第1方向(例えば、第1放射状方向)に配向され、第2サイド面654C2は、第1方向に実質的に反対される第2方向(例えば、第2放射状方向)に配向されてもよい。
【0167】
一実施形態において、複数のサイド面654C1、654C2のうち少なくとも1つのサイド面は実質的に曲面に形成されてもよい。いずれかの実施形態において、複数のサイド面654C1、654C2は、実質的に同じ曲率を有する曲面に形成されてもよい。一実施形態において、複数のサイド面654C1、654C2のいずれか1つのサイド面の曲率は、他の1つのサイド面の曲率とは異なってもよい。
【0168】
一実施形態において、複数のサイド面654C1、654C2は、金属プリズム654の中心部に向って凹状に形成された曲面に形成されてもよい。一実施形態において、複数のサイド面654C1、654C2のうち少なくとも1つのサイド面は、金属プリズム654の中心部から凸形成された曲面に形成されてもよい。
【0169】
一実施形態において、金属プリズム654は2つのサイド面を含む。例えば、金属プリズム654は実質的に半円形又は半円形に近い形状を有してもよい。
【0170】
一実施形態において、複数のホールHのうち一部のホールHは互いに分離されてもよい。一部のホールHは、金属プリズム654の一部により分離されてもよい。いずれかの実施形態において、複数のホールH一部のホールHは、互いに連結されてもよい。例えば、金属プリズム654の一部領域が互いに連結されず、その領域を基準にして両側のホールHが連結されてもよい。
【0171】
一実施形態において、複数のホールHは、約10nm以上、約50nm以上、約90nm以上、約100nm以上、約150nm以上、約200nm以上、約300nm以上、約350nm以上、約450nm以上、又は約500nm以上の平均最大直径Dを有してもよい。いずれかの実施形態において、複数のホールHは約450nm以上の平均最大直径Dを有してもよい。
【0172】
一実施形態において、複数のホールHは、約1、000nm以下、約900nm以下、約800nm以下、約700nm以下、約600nm以下、又は約550nm以下の平均最大直径Dを有してもよい。いずれかの実施形態において、複数のホールHは、約600nm以下の平均最大直径Dを有してもよい。
【0173】
図14は、一実施形態に係る発熱体の平均吸光度を比較したグラフである。
【0174】
図14を参照すると、左側のグラフは、約460nmの直径を有するポリスチレンビーズを用いて形成された金材質の金属プリズム、及びガラス材質の基板を含む発熱体(例えば、図12の発熱体650)の波長による吸光度を示す。前記発熱体の共鳴波長は、約640nmに示されている。
【0175】
中間のグラフは、反応性イオンエッチングを用いて約460nmの直径を有するポリスチレンビーズの大きさを減少させることで形成された金材質の金属プリズム、及びガラス材質の基板を含む発熱体(例えば、図12の発熱体650)の波長による吸光度を示す。前記発熱体の共鳴波長は、約640nmに示されている。
【0176】
右側のグラフは、約800nmの直径を有するポリスチレンビーズを用いて形成された金材質の金属プリズム、及びガラス材質の基板を含む発熱体(例えば、図12の発熱体650)の波長による吸光度を示す。前記発熱体の共鳴波長は、約700nmに示されている。
【0177】
図15は、一実施形態に係る発熱体の平均吸光度を比較したグラフである。
【0178】
図15を参照すると、左側のグラフは、約460nmの直径を有するポリスチレンビーズを用いて形成された金材質の金属プリズム、及びサファイア材質の基板を含む発熱体(例えば、図12の発熱体650)の波長による吸光度を示す。前記発熱体の共鳴波長は、約640nmに示されている。
【0179】
中間のグラフは、反応性イオンエッチングを用いて約460nmの直径を有するポリスチレンビーズの大きさを低減することで形成された金材質の金属プリズム、及びサファイア材質の基板を含む発熱体(例えば、図12の発熱体650)の波長による吸光度を示す。前記発熱体の共鳴波長は、約610nm及び約680nmに示されている。
【0180】
右側のグラフは、約800nmの直径を有するポリスチレンビーズを用いて形成された金材質の金属プリズム、及びサファイア材質の基板を含む発熱体(例えば、図12の発熱体650)の波長による吸光度を示す。前記発熱体の共鳴波長は、可視光線波長帯域で示されていない。
【0181】
図14及び図15のグラフを参照すると、ビーズの大きさが増加することで発熱体の共鳴波長が大きくなることが確認される。
【0182】
図16は、一実施形態に係る発熱体を示す図である。
【0183】
図16を参照すると、発熱体750は、第1面751A及び第2面751Bを含む基板751、第1面751A上に位置する表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance、SPR)構造体754(例えば、金属プリズム554、654)、及び第2面751B上に位置する反射レイヤ755を含む。発熱体750は、基板751及び/又はSPR構造体754上に光Lを受信するように構成されてもよい。
【0184】
一実施形態において、SPR構造体754は、複数の金属粒子を含む少なくとも1つの金属プリズム(例えば、金属プリズム554、654)に実現されることができる。一実施形態において、SPR構造体754は、基板751の第1面751A上に塗布された複数の金属粒子を含んでもよい。一実施形態において、SPR構造体754は、金属材質から形成された少なくとも1つの金属フィルムを含んでもよい。
【0185】
光Lを放出する光源は発熱体750と決定された距離に離隔されることができる。例えば、光源及び発熱体750の間の距離は、約40cm以下、約35cm以下、約30cm以下、約25cm以下、約20cm以下、約15cm以下、約10cm以下、又は約5cm以下として決定されてもよい。光源及び発熱体750の間の距離は、約5cm以上、約10cm以上、約15cm以上、約20cm以上、又は約25cm以上に決定されてもよい。
【0186】
光Lは、基板751及び/又はSPR構造体754上にスパットLSを形成してもよい。例えば、スパットLSは、約2mm以下、約1.5mm以下、約1mm以下、又は約0.5mm以下の大きさを有してもよい。スパットLSは、約0.2mm以上、約0.4mm以上、約0.6mm以上、又は約0.8mm以上の大きさを有してもよい。
【0187】
反射レイヤ755は、基板751を透過する光Lを基板751及び/又はSPR構造体754に反射するように構成される。反射レイヤ755が基板751を透過する光Lを反射することは、基板751及びSPR構造体754で反射光を使用させることにより発熱体750の光利用効率を増加させ、これによる発熱効率を向上させることができる。
【0188】
一実施形態において、反射レイヤ755は、基板751の第2面751Bの全体に形成されてもよい。一実施形態において、反射レイヤ755は、基板751の第2面751Bに局所に形成されてもよい。例えば、反射レイヤ755は、基板751の第2面751Bの一部領域に単一の反射区域として実現されたり、複数の反射区域として実現されてもよい。
【0189】
反射レイヤ755は、光Lを反射するために適する任意の材質から形成されてもよい。一実施形態において、反射レイヤ755は金属材質から形成される。例えば、反射レイヤ755は、金、銀、銅、及びその他の反射に適する任意の金属材質のうち少なくとも1つ又はその組み合わせで形成されてもよい。
【0190】
反射レイヤ755は、光Lを反射するために適する任意の厚さを有する。反射レイヤ755の厚さは、光Lを実質的に全反射するために適する数値に決定される。例えば、反射レイヤ755の厚さは、約15nm以下、約12nm以下、約10nm以下、約8nm以下、又は約5nm以下である。好ましい例として、反射レイヤ755は、約10nmの厚さを有してもよい。反射レイヤ755の厚さは、基板751の屈折率、基板751の厚さ、反射レイヤ755の屈折率及び/又はその他の任意のパラメータにより決定される。
【0191】
一実施形態において、反射レイヤ755は、基板751の第2面751Bと直接的に接触することができる。一実施形態において、反射レイヤ755は、基板751の第2面751Bから離隔され、第2面751B及び反射レイヤ755の間に媒介(例えば、空気)が位置してもよい。
【0192】
一実施形態において、発熱体750は、反射レイヤ755上に位置する吸収レイヤ756を含。吸収レイヤ756は反射レイヤ755によって反射されず、反射レイヤ755を透過する一部の透過光を吸収するように構成されてもよい。吸収レイヤ756は、発熱体750の光の利用効率を増加させ得る。
【0193】
一実施形態において、吸収レイヤ756は、反射レイヤ755上に少なくとも部分的にコーティングされてもよい。
【0194】
一実施形態において、吸収レイヤ756は、実質的に高い放射率を有する。いずれかの実施形態において、吸収レイヤ756は、実質的に1に近い放射率を有してもよい。吸収レイヤ756は、実質的に黒体(black body)に近い構造及び/又は材質に実現されてもよい。例えば、吸収レイヤ756は、光が進入して内部で実質的に永久的に反射され得る少なくとも1つの孔を有する構造に実現される。他の例として、吸収レイヤ756は、黒色の着色剤に実現されてもよい。更なる例として、吸収レイヤ756は、黒色マトリックスに実現されてもよい。一実施形態において、吸収レイヤ756は、灰色体(gray body)又は白体(white body)に実現されてもよい。
【0195】
一実施形態において、吸収レイヤ756は、耐熱性を有する材料を含む。例えば、吸収レイヤ756は、約750℃以上、約800℃以上、約850℃以上、約900℃以上、約950℃以上、又は約1、000℃以上の耐熱温度の環境で耐えるように構成された材料を含んでもよい。
【0196】
一実施形態において、発熱体750は、熱イメージを生成するように構成された熱映像器760を含む。例えば、熱映像器760は、発熱体750の熱分布を含むイメージを生成してもよい。一実施形態において、熱映像器760は、発熱体750の外部のコンポネント(例えば、図19のエアロゾル発生装置800)に含まれてもよい。
【0197】
図17は、一実施形態に係る発熱体の昇温を比較したグラフである。
【0198】
図17を参照すると、第1発熱体H1は、ガラス材質の基板、金材質の10nmの厚さを有する金属フィルム、及び吸収レイヤを含む。ガラス材質の基板は、約0.8W/mKの熱伝導率を有する。第2発熱体H2は、サファイア材質の基板、金材質の10nmの厚さを有する金属フィルム、及び吸収レイヤを含む。サファイア材質の基板は、約46.06W/mKの熱伝導率を有する。第1発熱体H1は、レーザー出力が増加するほど温度の増加幅が相対的に大きい一方、第2発熱体H2は、レーザー出力が増加するほど温度の増加幅が相対的に小さい。これは、高い熱伝導率を有する基板が発生した熱を多く吸収することで、発熱体の熱効率が減少することを示す。
【0199】
図18は、一実施形態に係る発熱体の昇温を比較したグラフである。
【0200】
図18を参照すると、第1発熱体H1は、約460nmの直径を有するポリスチレンビーズを用いて製造された。前記ポリスチレンビーズの大きさは、実質的に保持されている。ポリスチレンビーズが除去された後第1発熱体H1の金属プリズムは、複数の金属プリズムが互いに離隔された構造を有する。第1発熱体H1は吸収レイヤを含む。
【0201】
第2発熱体H2は、約800nmの直径を有するポリスチレンビーズを用いて製造された。前記ポリスチレンビーズの大きさは実質的に保持されている。ポリスチレンビーズが除去された後第2発熱体H2の金属プリズムは、複数の金属プリズムが互いに離隔された構造を有する。第2発熱体H2は吸収レイヤを含む。
【0202】
第3発熱体H3は、約460nmの直径を有するポリスチレンビーズを用いて製造された。前記ポリスチレンビーズの大きさは、反応性イオンエッチングを用いて約300nmに減少し、その後、金属粒子が蒸着されてポリスチレンビーズが除去された。第3発熱体H3は、ネット形状を有する単一の構造体によって実現された金属プリズム構造を有する。第3発熱体H3は吸収レイヤを含む。
【0203】
第1発熱体H1及び第2発熱体H2は、レーザー出力によって類似の温度増加率を示した。一方、第3発熱体H3は、第1発熱体H1及び第2発熱体H2に比べて同じレーザー出力対比さらに高い温度を達成した。これは、反応性イオンエッチングを用いてポリスチレンビーズの大きさを低減して製造されたネット状の金属プリズムを含む発熱体が増加された熱効率を達成できることが確認される。
【0204】
図19は、一実施形態に係るエアロゾル発生装置を示す図である。
【0205】
図19を参照すると、エアロゾル発生装置800は、エアロゾル発生物品(例えば、エアロゾル発生物品2、3を加熱するように構成された少なくとも1つの発熱体850、及び少なくとも1つの発熱体850に向って発光するように構成された少なくとも1つの光源855を含む。一方、図19には、エアロゾル発生装置800に発熱体850及び/又は光源855を制御するように構成された制御部810、及び制御部810に電気エネルギーを供給するように構成されたバッテリ840が含まれると示したが、他の構成要素が含まれたり省略されてもよい。
【0206】
一実施形態において、エアロゾル発生装置800は、単一の発熱体850を含む。発熱体850は、エアロゾル発生物品が配置されるキャビティを少なくとも部分的に囲むことができる。発熱体850は、例えば、基板551、651、751が、少なくとも部分的に曲面が形成された構造を有してもよい。
【0207】
一実施形態において、エアロゾル発生装置800は、複数の発熱体850を含む。複数の発熱体850は、エアロゾル発生物品が配置され得るキャビティを基準にして互いに異なる部分に配置されてもよい。複数の発熱体850に含まれた金属プリズムの金属材料は、同一であるか互いに異なってもよい。
【0208】
一実施形態において、光源855は、発熱体850に向って決定された角度で光信号を送信するように構成されることができる。例えば、光源855は、発熱体850の表面で全反射が生じる角度で光信号を送信してもよい。一実施形態において、光源855は、発熱体850に向って任意の角度で光信号を送信してもよい。
【0209】
一実施形態において、光源855は、紫外線帯域、可視光線帯域、及び/又は赤外線帯域の光を送信するように構成されてもよい。いずれかの実施形態において、光源855は、可視光線帯域(例えば、約380nm~約780nm)の光を送信するように構成されてもよい。
【0210】
いずれかの実施形態において、光源855は、発熱体850に含まれた金属プリズムの金属粒子の材質に対応する帯域の光を送信するように構成されてもよい。例えば、光源855は、金属粒子の材質による平均最大吸光度に対応する波長帯域の光を送信してもよい。
【0211】
一実施形態において、光源855は、発光ダイオード及び/又はレーザーを含む。発光ダイオード及び/又はレーザーは、エアロゾル発生装置800に含まれるために適する種類及び/又は大きさを有する。一例として、レーザーは、固体状態レーザー及び/又は半導体レーザーを含んでもよい。
【0212】
一実施形態において、エアロゾル発生装置800は、複数の光源855を含む。複数の光源855は同じ類型の光源に実現されてもよい。一実施形態において、複数の光源855のうち少なくとも一部は、相違する類型の光源に実現されてもよい。
【0213】
一実施形態において、複数の光源855のうち少なくとも1つの光源855は、発熱体850の一部を照射するように構成されてもよい。
【0214】
一実施形態において、複数の光源855のいずれか1つの光源855が照射する発熱体850の部分は、他の1つの光源855が照射する発熱体850の部分とは異なってもよい。例えば、複数の光源855は、単一の発熱体850の互いに異なる部分を照射したり、複数の発熱体850をそれぞれ照射してもよい。
【0215】
一実施形態において、複数の光源855は、実質的に同時に照射するように構成されることができる。一実施形態において、複数の光源855のいずれか1つの光源855の照射時点は他の1つの光源855の照射時点とは異なってもよい。
【0216】
一実施形態において、複数の光源855は、実質的に同じ時間の間に発熱体850を照射することができる。一実施形態において、複数の光源855のいずれか1つの光源855の照射時間は、他の1つの光源855の照射時間とは異なってもよい。
【0217】
一実施形態において、複数の光源855は、実質的に同じ波長帯域の光を送信することができる。一実施形態において、複数の光源855のいずれか1つの光源855が照射する光の帯域は、他の1つの光源855が照射する光の帯域とは異なってもよい。
【0218】
一実施形態において、複数の光源855は、実質的に同じ照度で発熱体850を照射することができる。一実施形態において、複数の光源855のいずれか1つの光源855の照度は、他の1つの光源855の照度とは異なってもよい。
【0219】
本文書の実施形態は例示的なものであり、制限的でないように意図される。添付された請求範囲及びこの等価物を含んで、本開示の詳細な事項の様々な変更が行われることができる。本明細書で説明した実施形態のうち、任意の実施形態は本明細書で説明した任意の他の実施形態と結合して使用されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
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【国際調査報告】