(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】発熱体及びこれを含むエアロゾル発生
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20240702BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240702BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577337
(86)(22)【出願日】2023-05-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 KR2023006092
(87)【国際公開番号】W WO2023224294
(87)【国際公開日】2023-11-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0061020
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、ウォンキョン
(72)【発明者】
【氏名】ソンウ、ポール ジュン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB21
4B162AC22
(57)【要約】
表面プラズモン共鳴を使用して熱を発生させるように構成された発熱体は、発泡体を含み、前記発泡体は、表面プラズモン共鳴によって熱を発生させるように構成された複数の金属粒子、及び前記複数の金属粒子の間の複数のポアを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡体を含み、
前記発泡体は、
表面プラズモン共鳴によって熱を発生させるように構成された複数の金属粒子と、
前記複数の金属粒子の間の複数のポアと、
を含む発熱体。
【請求項2】
前記発泡体は、前記複数の金属粒子及び前記複数のポアを含む基板を含む、請求項1に記載の発熱体。
【請求項3】
前記基板及び前記複数の金属粒子は、互いに異なる材料で形成された、請求項2に記載の発熱体。
【請求項4】
前記複数の金属粒子は、ナノスケールの粒子を含む、請求項1に記載の発熱体。
【請求項5】
前記発泡体は、前記複数のポアの間に光が透過する透過領域を含む、請求項1に記載の発熱体。
【請求項6】
前記複数のポアのうちの少なくとも一部は、流体連結する、請求項1に記載の発熱体。
【請求項7】
前記複数のポアのうちの少なくとも一部は、前記発泡体の外部に開放された、請求項1に記載の発熱体。
【請求項8】
前記発泡体上に配置されて前記発泡体に向かって光を反射するように構成された反射体をさらに含む、請求項1に記載の発熱体。
【請求項9】
前記反射体は、前記発泡体の縁部領域の少なくとも一部に沿って配置された、請求項8に記載の発熱体。
【請求項10】
前記発泡体は、空洞をさらに含む、請求項1に記載の発熱体。
【請求項11】
前記発泡体は、穿孔部材をさらに含む、請求項1に記載の発熱体。
【請求項12】
光源と、
電気的光源から光を受信するように構成された請求項1に記載の発熱体と、
を含むエアロゾル発生装置。
【請求項13】
電気的光源は約380nm以上の波長の光を放出するように構成された、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
電気的光源は、前記発泡体の互いに異なる側面に向かって光を各々放出するように構成された複数の光源を含む、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
エアロゾル発生物品と、
前記エアロゾル発生物品からエアロゾルを発生させるように構成された請求項12によるエアロゾル発生装置と、
を含むエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance、SPR)によって熱を発生させるように構成された発熱体に関し、例えば、前記発熱体を含むエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱を発生させてターゲットを加熱する技術が開発されている。一例として、電気抵抗性要素に電気エネルギーを供給することによって熱を発生させることができる。別の例として、コイル及びサセプタの間の電磁的結合によって熱を発生させることができる。前述した背景技術は、本開示の導出過程で保有又は習得したものであり、必ずしも本開示の出願前に一般公衆に公開された公知技術とは限らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の一態様は、表面プラズモン共鳴を使用して熱を発生させる発熱体及びこれを含むエアロゾル発生装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発熱体は、発泡体を含み、前記発泡体は、表面プラズモン共鳴によって熱を発生させるように構成された複数の金属粒子と、前記複数の金属粒子の間の複数のポアとを含み得る。
【0005】
前記発泡体は、前記複数の金属粒子及び前記複数のポアを含む基板を含み得る。
【0006】
前記基板及び前記複数の金属粒子は、互いに異なる材料で形成され得る。
【0007】
前記複数の金属粒子は、ナノスケールの粒子を含み得る。
【0008】
前記発泡体は、前記複数のポアの間に光が透過する透過領域(pervious area)を含み得る。
【0009】
前記複数のポアのうちの少なくとも一部は、流体連結し得る。
【0010】
前記複数のポアのうちの少なくとも一部のポアは、前記発泡体の外部に開放され得る。
【0011】
前記発熱体は、前記発泡体上に配置されて前記発泡体に向かって光を反射するように構成された反射体をさらに含み得る。
【0012】
前記反射体は、前記発泡体の縁部領域の少なくとも一部に沿って配置され得る。
【0013】
前記発泡体は、空洞をさらに含み得る。
【0014】
前記発泡体は、穿孔部材をさらに含み得る。
【0015】
エアロゾル発生装置は、光源と、電気的光源から光を受信するように構成された発熱体とを含み、前記発熱体は、発泡体を含み、前記発泡体は、表面プラズモン共鳴によって熱を発生させるように構成された複数の金属粒子と、前記複数の金属粒子の間の複数のポアとを含み得る。
【0016】
電気的光源は約380nm以上の波長の光を放出するように構成し得る。
【0017】
電気的光源は、前記発泡体の互いに異なる側面に向かって光を各々放出するように構成された複数の光源を含み得る。
【0018】
エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生物品と、前記エアロゾル発生物品からエアロゾルを発生させるように構成されたエアロゾル発生装置とを含み、前記エアロゾル発生装置は、光源と、電気的光源から光を受信するように構成された発熱体とを含み、前記発熱体は、発泡体を含み、前記発泡体は、表面プラズモン共鳴によって熱を発生させるように構成された複数の金属粒子と、前記複数の金属粒子の間の複数のポアとを含み得る。
【発明の効果】
【0019】
一実施形態によれば、発熱体がターゲットを加熱するのに適用される場合、ターゲットが局所的に加熱されるか、複数のターゲットのうちの少なくとも一部のターゲットが加熱され得る。一実施形態によれば、発熱体が適用される装置(例えば、エアロゾル発生装置)のエネルギー効率(例えば、バッテリ効率)が改善され得る。一実施形態によれば、発熱体によって発生する熱による燃焼ではなく気化による発熱体が適用される物品(例えば、エアロゾル発生物品)から物質が発生し得る。一実施形態による発熱体及びこれを含むエアロゾル発生装置の効果は、上記で説明したものに限定されず、説明されていない他の効果は、以下の説明から当業者に明確に理解されるであろう。
【0020】
本開示の特定実施形態の例の前述した他の態様、特徴、及び利点は、添付する図面を参照し、次の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施形態に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が挿入された例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が挿入された例を示す図である。
【
図3】一実施形態に係るエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が挿入された例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係るエアロゾル発生物品の例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係るエアロゾル発生物品の例を示す図である。
【
図6】一実施形態に係るエアロゾル発生装置のブロック図である。
【
図7】一実施形態に係る発熱体及びこれを含むエアロゾル発生システムを示す図である。
【
図8】一実施形態に係る
図7の発熱体のA部分を拡大した図である。
【
図9】一実施形態に係る発熱体及びこれを含むエアロゾル発生システムを示す図である。
【
図10】一実施形態に係る発熱体及びこれを含むエアロゾル発生システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施形態で使用される用語は、実施形態で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら可能な限り現在に幅広く使用されている一般的な用語を選択したが、これは当分野の技術者の意図又は判例、新しい技術の出現などによって異なる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合に該当する発明の説明部分において詳しくその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されなければならない。
【0023】
明細書の全体において、いずれかの部分がいずれかの構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことを意味する。また、明細書に記載されている「~部」、「~モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェア又はソフトウェアで実現されるかハードウェアとソフトウェアの結合によって実現され得る。
【0024】
以下では、添付の図面を参考して本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態に実現され得るが、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0026】
図1~
図3は、エアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が挿入された例を示す図である。
【0027】
図1を参照すると、エアロゾル発生装置1は、バッテリ11、制御部12及びヒーター13を含む。
図2及び
図3を参照すると、エアロゾル発生装置1は、蒸気化器14をさらに含む。また、エアロゾル発生装置1の内部空間には、エアロゾル発生物品2(例えば、巻タバコ)が挿入されてもよい。
【0028】
図1~
図3に示されたエアロゾル発生装置1には、本実施形態に関する構成要素が示されている。従って、
図1~
図3に示された構成要素の他に異なる汎用的な構成要素がエアロゾル発生装置1にさらに含まれ得ることを本実施形態に関する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0029】
また、
図2及び
図3には、エアロゾル発生装置1にヒーター13が含まれているものとして示されているが、必要に応じてヒーター13は省略されてもよい。
【0030】
図1には、バッテリ11、制御部12及びヒーター13が一列に配置されたものとして示されている。また、
図2には、バッテリ11、制御部12、蒸気化器14及びヒーター13が一列に配置されたものとして示されている。また、
図3には、蒸気化器14及びヒーター13が並列に配置されたものとして示されている。しかし、エアロゾル発生装置1の内部構造は、
図1~
図3に示されたものに限定されない。言い換えれば、エアロゾル発生装置1の設計に応じて、バッテリ11、制御部12、ヒーター13、及び蒸気化器14の配置は変更することができる。
【0031】
エアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置1に挿入されると、エアロゾル発生装置1は、ヒーター13及び/又は蒸気化器14を作動させ、エアロゾルを発生させることができる。ヒーター13及び/又は蒸気化器14によって発生したエアロゾルは、エアロゾル発生物品2を通過してユーザに伝達される。
【0032】
必要に応じて、エアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置1に挿入されていない場合であっても、エアロゾル発生装置1はヒーター13を加熱してもよい。
【0033】
バッテリ11は、エアロゾル発生装置1が動作するために使用される電力を供給する。例えば、バッテリ11は、ヒーター13又は蒸気化器14が加熱できるように電力を供給してもよく、制御部12が動作するために必要な電力を供給してもよい。また、バッテリ11は、エアロゾル発生装置1に設置されたディスプレイ、センサ、モータなどが動作するために必要な電力を供給してもよい。
【0034】
制御部12は、エアロゾル発生装置1の動作を全般的に制御する。具体的には、制御部12は、バッテリ11、ヒーター13、及び蒸気化器14だけでなく、エアロゾル発生装置1に含まれている他の構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル発生装置1の構成それぞれの状態を確認して、エアロゾル発生装置1が動作可能な状態であるか否かを判断してもよい。
【0035】
制御部12は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、複数の論理ゲートのアレイとして実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとこのマイクロプロセッサで実行し得るプログラムが格納されたメモリの組み合せで実現されてもよい。また、別の形態のハードウェアでも実現され得ることを、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば理解することができる。
【0036】
ヒーター13は、バッテリ11から供給された電力によって加熱され得る。例えば、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置1に挿入されると、ヒーター13は、エアロゾル発生物品の外部に配置されてもよい。従って、加熱されたヒーター13は、エアロゾル発生物品内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0037】
ヒーター13は、電気抵抗性ヒーターであり得る。例えば、ヒーター13には、導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることによりヒーター13が加熱されてもよい。しかし、ヒーター13は、前述した例に限定されず、希望温度まで加熱できるものであれば、制限なく該当し得る。ここで、希望温度は、エアロゾル発生装置1に予め設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0038】
一方、別の例として、ヒーター13は、誘導加熱式ヒーターであってもよい。具体的には、ヒーター13には、エアロゾル発生物品を誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含んでもよく、エアロゾル発生物品は、誘導加熱式ヒーターによって加熱され得るサセプタを含んでもよい。
【0039】
例えば、ヒーター13は、管タイプの加熱要素、板タイプの加熱要素、針タイプの加熱要素、又は棒タイプの加熱要素を含んでもよく、加熱要素の形状に応じてエアロゾル発生物品2の内部又は外部を加熱してもよい。
【0040】
また、エアロゾル発生装置1には、ヒーター13が複数配置されてもよい。ここで、複数のヒーター13は、エアロゾル発生物品2の内部に挿入されるように配置されてもよく、エアロゾル発生物品2の外部に配置されてもよい。また、複数のヒーター13のうち一部はエアロゾル発生物品2の内部に挿入されるように配置され、残りはエアロゾル発生物品2の外部に配置されてもよい。また、ヒーター13の形状は、
図1~
図3に示された形状に限定されることなく、様々な形状に製造されてもよい。
【0041】
蒸気化器14は、液相組成物を加熱してエアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルは、エアロゾル発生物品2を通過してユーザに伝達され得る。言い換えれば、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル発生装置1の気流通路に沿って移動することができ、気流通路は、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルがエアロゾル発生物品を通過してユーザに伝達されるように構成され得る。
【0042】
例えば、蒸気化器14は、液体格納部(例えば、リザーバ)、液体伝達手段及び加熱要素を含み得るが、これらに限定されない。例えば、液体格納部、液体伝達手段、及び加熱要素は、独立的なモジュールとしてエアロゾル発生装置1に含まれてもよい。
【0043】
液体格納部は、液相組成物を格納してもよい。例えば、液相組成物は、揮発性タバコ香り成分を含むタバコ含有物質を含む液体であってもよく、非タバコ物質を含む液体であってもよい。液体格納部は、蒸気化器14から脱着/付着できるように製造されてもよく、蒸気化器14と一体に製造されてもよい。
【0044】
例えば、液相組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、又はビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メンソール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種の果実の香り成分などを含んでもよいが、これらに限定されることはない。香味剤は、ユーザに様々な香味又は風味を提供できる成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、及びビタミンEのうちの少なくとも1つが混合したものであってもよいが、これらに限定されることはない。また、液相組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールなどのエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0045】
液体伝達手段は、液体格納部の液相組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックなどのウィック(wick)であってもよいが、これらに限定されない。
【0046】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液相組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒーターなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、加熱要素は、ニクロム線などの伝導性フィラメントで構成されてもよく、液体伝達手段に巻かれる構造に配置されてもよい。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触した液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成され得る。
【0047】
例えば、蒸気化器14は、カトマイザー(cartomizer)又はアトマイザー(atomizer)のように称されるが、これらに限定されない。
【0048】
一方、エアロゾル発生装置1は、バッテリ11、制御部12、ヒーター13、及び蒸気化器14の他に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル発生装置1は、視覚情報の出力可能なディスプレイ及び/又は触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル発生装置1は、少なくとも1つのセンサ(パフ検出センサ、温度検出センサ、エアロゾル発生物品挿入検出センサなど)を含んでもよい。また、エアロゾル発生装置1は、エアロゾル発生物品2が挿入された状態でも外気が流入したり、内部気体が流出したりできる構造で製造されてもよい。
【0049】
図1~
図3には示されていないが、エアロゾル発生装置1は、別のクレードルと共にシステムを構成することもできる。例えば、クレードルは、エアロゾル発生装置1のバッテリ11の充電に使用してもよい。又は、クレードルとエアロゾル発生装置1が結合された状態でヒーター13が加熱されてもよい。
【0050】
エアロゾル発生物品2は、一般的な燃焼型の巻タバコに類似し得る。例えば、エアロゾル発生物品2は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分に区分してもよい。又は、エアロゾル発生物品2の第2部分にもエアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒又はカプセルの形態で作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されてもよい。
【0051】
エアロゾル発生装置1の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出し得る。又は、エアロゾル発生装置1の内部に第1部分の一部のみ挿入されてもよく、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口にくわえた状態でエアロゾルを吸入することができる。ここで、エアロゾルは、外気が第1部分を通過することによって生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0052】
一例として、外気は、エアロゾル発生装置1に形成された少なくとも1つの空気通路を介して流入し得る。例えば、エアロゾル発生装置1に形成された空気通路の開閉及び/又は空気通路の大きさは、ユーザによって調節されてもよい。そのため、煙霧量、喫煙感などがユーザによって調節されてもよい。別の例として、外気は、エアロゾル発生物品2の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介してエアロゾル発生物品2の内部に流入されてもよい。
【0053】
以下、
図4及び
図5を参照して、エアロゾル発生物品2の例を説明する。
【0054】
図4及び
図5は、エアロゾル発生物品の例を示す図である。
【0055】
図4を参照すると、エアロゾル発生物品2は、タバコロッド21及びフィルタロッド22を含む。
図1~
図3を参照して、前述した第1部分21はタバコロッド21を含み、第2部分22はフィルタロッド22を含む。
【0056】
図4には、フィルタロッド22が単一のセグメントとして示されているが、これらに限定されない。言い換えれば、フィルタロッド22は、複数のセグメントで構成され得る。例えば、フィルタロッド22は、エアロゾルを冷却するセグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングするセグメントを含んでもよい。また、必要に応じて、フィルタロッド22には、他の機能を行う少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0057】
エアロゾル発生物品2の直径は5mm~9mmの範囲以内で、長さは約48mmであってもよいが、これらに限定されない。例えば、タバコロッド21の長さは約12mm、フィルタロッド22の第1セグメントの長さは約10mm、フィルタロッド22の第2セグメントの長さは約14mm、フィルタロッド22の第3セグメントの長さは約12mmであってもよいが、これらに限定されない。
【0058】
エアロゾル発生物品2は、少なくとも1つのラッパー24によって包装され得る。ラッパー24には、外気が流入したり内部気体が流出したりする少なくとも1つの孔(hole)が形成され得る。一例として、エアロゾル発生物品2は、1つのラッパー24によって包装されてもよい。別の例として、エアロゾル発生物品2は、2つ以上のラッパー24によって重複的に包装されてもよい。例えば、第1ラッパー241によってタバコロッド21が包装され、ラッパー242,243,244によってフィルタロッド22が包装されてもよい。そして、単一ラッパー245によってエアロゾル発生物品2の全体が再包装されてもよい。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントで構成されている場合、それぞれのセグメントがラッパー242,243,244によって包装されてもよい。
【0059】
第1ラッパー241及び第2ラッパー242は、一般的なフィルタ巻紙で製造され得る。例えば、第1ラッパー241及び第2ラッパー242は、多孔質の巻紙又は無多孔質の巻紙であってもよい。また、第1ラッパー241及び第2ラッパー242は、耐油性を有する紙類及び/又はアルミニウム合紙包装材で製造されてもよい。
【0060】
第3ラッパー243は、ハード巻紙で製造され得る。例えば、第3ラッパー243の坪量は、88g/m2~96g/m2の範囲内に含まれてもよく、好ましくは90g/m2~94g/m2の範囲内に含まれてもよい。また、第3ラッパー243の厚さは、120μm~130μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは125μmであってもよい。
【0061】
第4ラッパー244は、耐油性ハード巻紙で製造され得る。例えば、第4ラッパー244の坪量は、88g/m2~96g/m2の範囲内に含まれてもよく、好ましくは90g/m2~94g/m2の範囲内に含まれてもよい。また、第4ラッパー244の厚さは、120μm~130μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは125μmであってもよい。
【0062】
第5ラッパー245は、滅菌紙(MFW)で製造され得る。ここで、滅菌紙(MFW)は、引張強度、耐水度、平滑度などが一般の紙よりも増進するように特殊に製造された紙を意味する。例えば、第5ラッパー245の坪量は、57g/m2~63g/m2の範囲内に含まれてもよく、好ましくは60g/m2であってもよい。また、第5ラッパー245の厚さは、64μm~70μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは67μmであってもよい。
【0063】
第5ラッパー245は、所定の物質が内添され得る。ここで、所定の物質の例としては、シリコンが該当し得るが、これに限定されない。例えば、シリコンは、温度による変化の少ない耐熱性、酸化されない耐酸化性、各種薬品に対する抵抗性、水に対する撥水性、又は電気絶縁性などの特性を有する。但し、シリコンでなくても、前述した特性を有する物質であれば、制限なく第5ラッパー245に塗布(又は、コーティング)され得る。
【0064】
第5ラッパー245は、エアロゾル発生物品2が燃焼する現像を防止することができる。例えば、タバコロッド21がヒーター13によって加熱されると、エアロゾル発生物品2が燃焼する可能性がある。具体的には、タバコロッド21に含まれた物質のうちのいずれか1つの発火点以上に温度が上昇する場合、エアロゾル発生物品2が燃焼し得る。このような場合にも、第5ラッパー245は、不燃性物質を含んでいるため、エアロゾル発生物品2が燃焼する現像が防止され得る。
【0065】
また、第5ラッパー245は、エアロゾル発生物品2で生成される物質によってエアロゾル発生装置(例えば、ホルダ)が汚染されるのを防止することができる。ユーザのパフによって、エアロゾル発生物品2内で液体物質が生成され得る。例えば、エアロゾル発生物品2で生成されたエアロゾルが外気によって冷却されることによって、液体物質(例えば、水分など)が生成されてもよい。第5ラッパー245がエアロゾル発生物品2を包装することにより、エアロゾル発生物品2内で生成された液体物質がエアロゾル発生物品2の外部に漏れるのを防止することができる。
【0066】
タバコロッド21は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールのうちの少なくとも1つを含み得るが、これらに限定されない。また、タバコロッド21は、風味剤、湿潤剤、及び/又は有機酸(organic acid)などの他の添加物質を含有してもよい。また、タバコロッド21には、メンソール又は保湿剤などの加香液が、タバコロッド21に噴射されることによって添加されてもよい。
【0067】
タバコロッド21は、多様に製造され得る。例えば、タバコロッド21は、シート(sheet)で製造されてもよく、ストランド(strand)で製造されてもよい。また、タバコロッド21は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコで製造されてもよい。また、タバコロッド21は、熱伝導物質によって囲まれてもよい。例えば、熱伝導物質は、アルミホイルのような金属ホイルであってもよいが、これらに限定されない。一例として、タバコロッド21を囲む熱伝導物質は、タバコロッド21に伝達される熱を均等に分散させてタバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させることができ、これによりタバコの味を向上させることができる。また、タバコロッド21を囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒーターによって加熱されるサセプタとして機能することができる。ここで、図面に示されていないが、タバコロッド21は、外部を囲む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0068】
フィルタロッド22は、セルロースアセテートフィルタであり得る。一方、フィルタロッド22の形状には制限がない。例えば、フィルタロッド22は、円柱型(type)ロッドであってもよく、内部に中空を含むチューブ型(type)ロッドであってもよい。また、フィルタロッド22は、リセス型(type)ロッドであってもよい。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントで構成されている場合、複数のセグメントのうちの少なくとも1つが異なる形状に製造されてもよい。
【0069】
フィルタロッド22の第1セグメントは、セルロースアセテートフィルタであり得る。例えば、第1セグメントは、内部に中空を含むチューブ形態の構造物であってもよい。第1セグメントによってヒーター13が挿入される場合、タバコロッド21の内部物質が後ろにずれる現像を防止することもでき、エアロゾルの冷却効果も発生し得る。第1セグメントに含まれた中空の直径は、2mm~4.5mmの範囲内で適切な直径が採用されるが、これらに限定されない。
【0070】
第1セグメントの長さは、4mm~30mmの範囲内で適切な長さが採用されるが、これらに限定されない。好ましくは、第1セグメントの長さは、10mmになり得るが、これに限定されない。
【0071】
第1セグメントの製造時に可塑剤の含量を調節することによって第1セグメントの硬度が調整され得る。また、第1セグメントは、内部(例えば、中空)に同一あるいは離型の材質のフィルム、チューブなどの構造物を挿入して製造されてもよい。
【0072】
フィルタロッド22の第2セグメントは、ヒーター13がタバコロッド21を加熱することによって生成されたエアロゾルを冷却させる。従って、ユーザは、適切な温度に冷却されたエアロゾルを吸入することができる。
【0073】
第2セグメントの長さ又は直径は、エアロゾル発生物品2の形態に応じて多様に決定され得る。例えば、第2セグメントの長さは、7mm~20mmの範囲内で適切に採用されてもよい。好ましくは、第2セグメントの長さは約14mmになり得るが、これに限定されない。
【0074】
第2セグメントは、ポリマー繊維を製織して製造され得る。この場合、ポリマーで製造された繊維に加香液を塗布してもよい。又は、加香液が塗布された別途の繊維とポリマーで製造された繊維を共に製織して第2セグメントを製造してもよい。又は、第2セグメントは、巻軸されたポリマーシートによって形成されてもよい。
【0075】
例えば、ポリマーは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、セルロースアセテート(CA)、及びアルミホイルからなる群から選択された材料で製造されてもよい。
【0076】
第2セグメントが製織されたポリマー繊維又は巻軸されたポリマーシートによって形成されることで、第2セグメントは、縦方向に延びる単数又は複数のチャネルを含んでもよい。ここで、チャネルは、気体(例えば、空気又はエアロゾル)が通過する通路を意味する。
【0077】
例えば、巻軸されたポリマーシートからなる第2セグメントは約5μmと約300μmとの間、例えば、約10μmと約250μmとの間の厚さを有する材料から形成されてもよい。また、第2セグメントの総表面積は約300mm2/mmと約1000mm2/mmとの間であってもよい。また、エアロゾル冷却要素は、比表面積が約10mm2/mgと約100mm2/mgとの間の材料から形成されてもよい。
【0078】
一方、第2セグメントには、揮発性の香味成分を含有するスレッド(thread)を含み得る。ここで、揮発性の香味成分は、メンソールであってもよいが、これに限定されることはない。例えば、スレッドには、1.5mg以上のメンソールを第2セグメントに提供するために、十分な量のメンソールが充填されてもよい。
【0079】
フィルタロッド22の第3セグメントは、セルロースアセテートフィルタであり得る。第3セグメントの長さは、4mm~20mmの範囲内で適切に採用され得る。例えば、第3セグメントの長さは約12mmであってもよいが、これに限定されない。
【0080】
第3セグメントを製造する過程において、第3セグメントに加香液を噴射することによって香味が発生するように製造してもよい。又は、加香液が塗布された別途の繊維を第3セグメントの内部に挿入してもよい。タバコロッド21で生成されたエアロゾルは、フィルタロッド22の第2セグメントを通過することにより冷却され、冷却されたエアロゾルが第3セグメントを介してユーザに伝達される。従って、第3セグメントに加香要素が添加される場合、ユーザに伝達される香味の持続性が増進されるという効果が発生し得る。
【0081】
また、フィルタロッド22には、少なくとも1つのカプセル23が含まれ得る。ここで、カプセル23は、香味を発生させる機能を行う事もでき、エアロゾルを発生させる機能を行うこともできる。例えば、カプセル23は、香料を含む液体を被膜で包んだ構造であってもよい。カプセル23は、球状又は円筒状の形状を有してもよいが、これらに限定されることはない。
【0082】
図5を参照すると、エアロゾル発生物品3は、剪断プラグ33をさらに含み得る。剪断プラグ33は、タバコロッド31において、フィルタロッド32に対向する一側に配置され得る。剪断プラグ33は、タバコロッド31が外部に離脱するのを防止することができ、喫煙中にタバコロッド31から液相化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置(
図1~
図3)に流れ込むのを防止することができる。
【0083】
フィルタロッド32は、第1セグメント321及び第2セグメント322を含み得る。ここで、第1セグメント321は、
図4のフィルタロッド22の第1セグメントに対応することができ、第2セグメント322は、
図4のフィルタロッド22の第3セグメントに対応することができる。
【0084】
エアロゾル発生物品3の直径及び全長は、
図4のエアロゾル発生物品2の直径及び全長に対応し得る。例えば、剪断プラグ33の長さは約7mm、タバコロッド31の長さは約15mm、第1セグメント321の長さは約12mm、第2セグメント322の長さは約14mmであってもよいが、これらに限定されない。
【0085】
エアロゾル発生物品3は、少なくとも1つのラッパー35によって包装され得る。ラッパー35には、外気が流入したり内部気体が流出したりする少なくとも1つの孔(hole)が形成され得る。例えば、第1ラッパー351によって剪断プラグ33が包装され、第2ラッパー352によってタバコロッド31が包装され、第3ラッパー353によって第1セグメント321が包装され、第4ラッパー354によって第2セグメント322が包装されてもよい。そして、第5ラッパー355によってエアロゾル発生物品3全体が再包装されてもよい。
【0086】
また、第5ラッパー355には、少なくとも1つの穿孔36が形成され得る。例えば、穿孔36は、タバコロッド31を囲む領域に形成されるが、これに限定されることはない。穿孔36は、
図2及び
図3に示されたヒーター13によって形成された熱をタバコロッド31の内部に伝達する役割を果たすことができる。
【0087】
また、第2セグメント322には、少なくとも1つのカプセル34が含まれ得る。ここで、カプセル34は、香味を発生させる機能を行う事もでき、エアロゾルを発生させる機能を行うこともできる。例えば、カプセル34は、香料を含む液体を被膜で包んだ構造であってもよい。カプセル34は、球状又は円筒状の形状を有してもよいが、これらに限定されることはない。
【0088】
第1ラッパー351は、一般的なフィルタ巻紙にアルミホイルのような金属ホイルが結合されたものであり得る。例えば、第1ラッパー351の全体の厚さは、45μm~55μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは50.3μmであってもよい。また、第1ラッパー351の金属ホイルの厚さは、6μm~7μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは6.3μmであってもよい。また、第1ラッパー351の坪量は、50g/m2~55g/m2の範囲内に含まれてもよく、好ましくは53g/m2であってもよい。
【0089】
第2ラッパー352及び第3ラッパー353は、一般的なフィルタ巻紙で製造され得る。例えば、第2ラッパー352及び第3ラッパー353は、多孔質の巻紙又は無多孔質の巻紙であってもよい。
【0090】
例えば、第2ラッパー352の多孔度は、35000CUであってもよいが、これに限定されることはない。また、第2ラッパー352の厚さは、70μm~80μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは78μmであってもよい。また、第2ラッパー352の坪量は、20g/m2~25g/m2の範囲内に含まれてもよく、好ましくは23.5g/m2であってもよい。
【0091】
例えば、第3ラッパー353の多孔度は、24000CUであってもよいが、これに限定されることはない。また、第3ラッパー353の厚さは、60μm~70μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは68μmであってもよい。また、第3ラッパー353の坪量は、20g/m2~25g/m2の範囲内に含まれてもよく、好ましくは21g/m2であってもよい。
【0092】
第4ラッパー354は、PLA合紙で製造され得る。ここで、PLA合紙は、紙層、PLA層、及び紙層を含む3重の紙を意味する。例えば、第4ラッパー354の厚さは、100μm~120μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは110μmであってもよい。また、第4ラッパー354の坪量は、80g/m2~100g/m2の範囲内に含まれてもよく、好ましくは88g/m2であってもよい。
【0093】
第5ラッパー355は、滅菌紙(MFW)で製造され得る。ここで、滅菌紙(MFW)は、引張強度、耐水度、平滑度などが一般の紙よりも増進するように特殊に製造された紙を意味する。例えば、第5ラッパー355の坪量は、57g/m2~63g/m2の範囲内に含まれてもよく、好ましくは60g/m2であってもよい。また、第5ラッパー355の厚さは、64μm~70μmの範囲内に含まれてもよく、好ましくは67μmであってもよい。
【0094】
第5ラッパー355は、所定の物質が内添され得る。ここで、所定の物質の例としては、シリコンが該当し得るが、これに限定されない。例えば、シリコンは、温度による変化の少ない耐熱性、酸化されない耐酸化性、各種薬品に対する抵抗性、水に対する撥水性、又は電気絶縁性などの特性を有する。但し、シリコンでなくても、前述した特性を有する物質であれば、制限されることなく第5ラッパー355に塗布(又は、コーティング)され得る。
【0095】
剪断プラグ33は、セルロースアセテートで製造され得る。一例として、剪断プラグ33は、セルロースアセテートトウに可塑剤(例えば、トリアセチン)を加えて製造してもよい。セルロースアセテートトウを構成するフィラメントのモノデニール(mono denier)は、1.0~10.0の範囲内に含まれてもよく、好ましくは4.0~6.0の範囲内に含まれてもよい。さらに好ましくは、剪断プラグ33のフィラメントのモノデニールは、5.0であってもよい。また、剪断プラグ33を構成するフィラメントの断面は、Y字型であってもよい。剪断プラグ33のトータルデニール(total denier)は、20000~30000の範囲内に含まれてもよく、好ましくは25000~30000の範囲内に含まれてもよい。さらに好ましくは、剪断プラグ33のトータルデニールは、28000であってもよい。
【0096】
また、必要に応じて、剪断プラグ33は、少なくとも1つのチャネルを含んでもよくチャネルの断面形状は、多様に製造され得る。
【0097】
タバコロッド31は、
図4を参照して前述したタバコロッド21と対応し得る。従って、以下ではタバコロッド31に対する具体的な説明は省略する。
【0098】
第1セグメント321は、セルロースアセテートで製造され得る。例えば、第1セグメントは、内部に中空を含むチューブ形態の構造物であってもよい。第1セグメント321は、セルロースアセテートトウに可塑剤(例えば、トリアセチン)を加えて製造してもよい。例えば、第1セグメント321のモノデニール及びトータルデニールは、剪断プラグ33のモノデニール及びトータルデニールと同一であってもよい。
【0099】
第2セグメント322は、セルロースアセテートで製造され得る。第2セグメント322を構成するフィラメントのモノデニール(mono denier)は、1.0~10.0の範囲内に含まれてもよく、好ましくは8.0~10.0の範囲内に含まれてもよい。さらに好ましくは、第2セグメント322のフィラメントのモノデニールは、9.0であってもよい。また、第2セグメント322のフィラメントの断面は、Y字型であってもよい。第2セグメント322のトータルデニール(total denier)は、20000~30000の範囲内に含まれてもよく、好ましくは25000であってもよい。
【0100】
図6は、一実施形態に係るエアロゾル発生装置400のブロック図である。
【0101】
エアロゾル発生装置400は、制御部410、検出部420、出力部430、バッテリ440、ヒーター450、ユーザ入力部460、メモリ470、及び通信部480を含み得る。但し、エアロゾル発生装置400の内部構造は、
図6に示されたものに限定されない。即ち、エアロゾル発生装置400の設計に応じて、
図6に示された構成うちの一部が省略されたり、新しい構成がさらに追加されたりし得ることを、本実施形態に関する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0102】
検出部420は、エアロゾル発生装置400の状態又はエアロゾル発生装置400の周辺の状態を検出し、検出された情報を制御部410に伝達し得る。制御部410は、前記検出された情報に基づいて、ヒーター450の動作制御、喫煙の制限、エアロゾル発生物品(例えば、巻タバコ、カートリッジなど)の挿入の有無判断、通知表示などのような様々な機能が実行されるようにエアロゾル発生装置400を制御し得る。
【0103】
検出部420は、温度センサ422、挿入検出センサ424、及びパフセンサ426のうちの少なくとも1つを含み得るが、これらに限定されることはない。
【0104】
温度センサ422は、ヒーター450(又は、エアロゾル生成物質)が加熱する温度を検出し得る。エアロゾル発生装置400は、ヒーター450の温度を検出する別途の温度センサを含むか、ヒーター450そのものが温度センサの役割を果たすことができる。又は、温度センサ422は、バッテリ440の温度をモニタリングするように、バッテリ440の周辺に配置されたものであってもよい。
【0105】
挿入検出センサ424は、エアロゾル発生物品の挿入及び/又は除去を検出し得る。例えば、挿入検出センサ424は、フィルムセンサ、圧力センサ、光センサ、抵抗性センサ、容量性センサ、誘導性センサ、及び赤外線センサのうちの少なくとも1つを含んでもよく、エアロゾル発生物品が挿入及び/又は除去されることによる信号変化を検出してもよい。
【0106】
パフセンサ426は、気流通路又は気流チャネルの様々な物理的変化に基づいてユーザのパフを検出し得る。例えば、パフセンサ426は、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化、及び圧力変化のうちのいずれか1つに基づいてユーザのパフを検出してもよい。
【0107】
検出部420は、前述したセンサ(422~426)の他に、温/湿度センサ、気圧センサ、地磁気センサ(magnetic sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロスコープセンサ、位置センサ(例えば、GPS)、近接センサ、及びRGBセンサ(illuminance sensor)のうちの少なくとも1つをさらに含み得る。角度センサの機能は、その名称から当業者が直観的に推論することができるため、具体的な説明は省略し得る。
【0108】
出力部430は、エアロゾル発生装置400の状態に関する情報を出力してユーザに提供し得る。出力部430は、ディスプレイ部432、ハプティック部434、及び音響出力部436のうちの少なくとも1つを含み得るが、これらに限定されることはない。ディスプレイ部432とタッチパッドが層構造をなしてタッチスクリーンで構成される場合、ディスプレイ部432は、出力装置以外に入力装置として使用され得る。
【0109】
ディスプレイ部432は、エアロゾル発生装置400に関する情報をユーザに視覚的に提供し得る。例えば、エアロゾル発生装置400に関する情報は、エアロゾル発生装置400のバッテリ440の充/放電状態、ヒーター450の予熱状態、エアロゾル発生物品の挿入/除去状態又はエアロゾル発生装置400の使用が限定される状態(例えば、異常物品検出)などの様々な情報を意味してもよく、ディスプレイ部432は、前記情報を外部に出力してもよい。ディスプレイ部432は、例えば、液晶ディスプレイパネル(LCD)、有機発光ディスプレイパネル(OLED)などであってもよい。また、ディスプレイ部432は、LED発光素子の形態であってもよい。
【0110】
ハプティック部434は、電気的信号を機械的な刺激又は電気的な刺激に変換し、エアロゾル発生装置400に関する情報をユーザに触覚的に提供し得る。例えば、ハプティック部434は、モータ、圧電素子、又は電気刺激装置を含んでもよい。
【0111】
音響出力部436は、エアロゾル発生装置400に関する情報をユーザに聴覚的に提供し得る。例えば、音響出力部436は、電気信号を音響信号に変換して外部に出力してもよい。
【0112】
バッテリ440は、エアロゾル発生装置400が動作するために使用される電力を供給し得る。バッテリ440は、ヒーター450が加熱できるように電力を供給し得る。また、バッテリ440は、エアロゾル発生装置400内に備えられた異なる構成(例えば、検出部420、出力部430、ユーザ入力部460、メモリ470、及び通信部480)の動作に必要な電力を供給し得る。バッテリ440は、充電が可能なバッテリや使い捨てバッテリであり得る。例えば、バッテリ440は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリであってもよいが、これに限定されることはない。
【0113】
ヒーター450は、バッテリ440から電力を供給されてエアロゾル生成物質を加熱し得る。
図6には示されていないが、エアロゾル発生装置400は、バッテリ440の電力を変換してヒーター450に供給する電力変換回路(例えば、DC/DCコンバータ)をさらに含んでもよい。また、エアロゾル発生装置400が誘導加熱方式でエアロゾルを生成する場合、エアロゾル発生装置400は、バッテリ440の直流電源を交流電源に変換するDC/ACコンバータをさらに含んでもよい。
【0114】
制御部410、検出部420、出力部430、ユーザ入力部460、メモリ470、及び通信部480は、バッテリ440から電力を供給されて機能を行うことができる。
図6には示されていないが、バッテリ440の電力を変換してそれぞれの構成要素に供給する電力変換回路、例えば、LDO(low dropout)回路又は電圧レギュレータ回路をさらに含んでもよい。
【0115】
一実施形態において、ヒーター450は、任意の適切な電気抵抗性物質で形成され得る。例えば、適切な電気抵抗性物質は、タイタニウム、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロミウム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、スズ、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属又は金属合金であってもよいが、これらに限定されることはない。また、ヒーター450は、金属熱線(wire)、導電性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などで実現されるが、これらに限定されることはない。
【0116】
一実施形態において、ヒーター450は、誘導加熱方式のヒーターであり得る。例えば、ヒーター450は、コイルによって印加された磁場を介して発熱し、エアロゾル生成物質を加熱するサセプタを含んでもよい。
【0117】
一実施形態において、ヒーター450は、複数のヒーターを含み得る。例えば、ヒーター450は、エアロゾル発生物品を加熱するための第1ヒーター及び液相を加熱するための第2ヒーターを含んでもよい。
【0118】
ユーザ入力部460は、ユーザから入力された情報を受信したり、ユーザに情報を出力したりし得る。例えば、ユーザ入力部460は、キーパッド(key pad)、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(接触式静電容量方式、圧力式抵抗膜方式、赤外線検出方式、表面超音波伝導方式、積分式張力測定方式、ピエゾ効果方式など)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどがあり得るが、これらに限定されることはない。また、
図6には示されていないが、エアロゾル発生装置400は、USB(universal serial bus)インターフェースなどのような接続インターフェース(connection interface)をさらに含み、USBインターフェースなどのような接続インターフェースを介して他の外部装置と接続されて情報を送受信したり、バッテリ440を充電したりし得る。
【0119】
メモリ470は、エアロゾル発生装置400内で処理される各種データを格納するハードウェアとして、制御部410で処理されたデータ及び処理されるデータを格納し得る。メモリ470は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、ラム(RAM、random access memory)SRAM(static random access memory)、ロム(ROM、read-only memory)、EEPROM(electrically erasaBLE programmaBLE read-only memory)、PROM(programmaBLE read-only memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうちの少なくとも1つのタイプの記憶媒体を含み得る。メモリ470は、エアロゾル発生装置400の動作時間、最大パフ回数、現在のパフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、及びユーザの喫煙パターンに対するデータなどを格納し得る。
【0120】
通信部480は、他の電子装置との通信のための少なくとも1つの構成要素を含み得る。例えば、通信部480は、近距離通信部482及び無線通信部484を含んでもよい。
【0121】
近距離通信部(short-range wireless communication unit)482は、ブルートゥース(登録商標)通信部、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信部、近距離無線通信部(Near Field Communication unit)、WLAN(Wi-Fi)通信部、ジグビー(Zigbee(登録商標))通信部、赤外線(IrDA、infrared Data Association)通信部、WFD(Wi-Fi Direct)通信部、UWB(ultra-wideband)通信部、Ant+通信部などを含み得るが、これらに限定されることはない。
【0122】
無線通信部484は、セルラーネットワーク通信部、インターネット通信部、コンピュータネットワーク(例えば、LAN又はWAN)通信部などを含み得るが、これらに限定されることはない。無線通信部484は、加入者情報(例えば、国際モバイル加入者識別子(IMSI)を使用して通信ネットワーク内でエアロゾル発生装置400を確認及び認証することもできる。
【0123】
制御部410は、エアロゾル発生装置400の全般的な動作を制御し得る。一実施形態において、制御部410は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、複数の論理ゲートのアレイとして実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとこのマイクロプロセッサで実行し得るプログラムが格納されたメモリの組み合せで実現されてもよい。また、別の形態のハードウェアでも実現され得ることを、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば理解することができる。
【0124】
制御部410は、バッテリ440の電力をヒーター450に供給することを制御することでヒーター450の温度を制御し得る。例えば、制御部410は、バッテリ440とヒーター450との間のスイッチング素子のスイッチングを制御することで電力供給を制御してもよい。別の例として、制御部410の制御命令に従って、加熱直接回路がヒーター450に対する電力供給を制御することもできる。
【0125】
制御部410は、検出部420によって検出された結果を分析し、その後実行される処理を制御し得る。例えば、制御部410は、検出部420によって検出された結果に基づいて、ヒーター450の動作が開始又は終了するようにヒーター450に供給される電力を制御してもよい。他の例では、制御部410は、検出部420によって検出された結果に基づいて、ヒーター450が所定の温度まで加熱されるか、又は適切な温度を保持できるようにヒーター450に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御してもよい。
【0126】
制御部410は、検出部420によって検出された結果に基づいて、出力部430を制御し得る。例えば、パフセンサ426を介してカウントされたパフ回数が予め設定された回数に到達すると、制御部410は、ディスプレイ部432、ハプティック部434、及び音響出力部436のうちの少なくとも1つを介してユーザにエアロゾル発生装置400がすぐに終了することを予告してもよい。
【0127】
一実施形態において、制御部410は、検出部420によって検出されたエアロゾル発生物品の状態に応じてヒーター450に対する電力供給時間及び/又は電力供給量を制御し得る。例えば、エアロゾル発生物品が過湿状態である場合、制御部410は、誘導コイルに対する電力供給時間を制御し、エアロゾル発生物品が一般的な状態である場合より予熱時間を増加させることができる。
【0128】
一実施形態は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも実現され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の可用媒体であってもよく、揮発性及び非揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体の全てを含む。また、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を全て含み得る。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュール、又はその他のデータなどの情報の格納のための任意の方法又は技術で実現された揮発性及び非揮発性、分離型及び非分離型媒体の全てを含む。通信媒体は、典型的にコンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調したデータ信号のその他のデータ、又はその他の送信メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0129】
図7は、一実施形態に係る発熱体及びこれを含むエアロゾル発生システムを示す図であり、
図8は、一実施形態に係る
図7の発熱体のA部分を拡大した図である。
【0130】
図7及び
図8を参照すると、エアロゾル発生システム500は、気化可能な物質を含むエアロゾル発生物品501、及びエアロゾル発生物品501からエアロゾルを発生させるように構成されたエアロゾル発生装置502を含み得る。
【0131】
エアロゾル発生装置502は、発熱体550を含み得る。発熱体550は、表面プラズモン共鳴によって熱を発生させるように構成し得る。用語「表面プラズモン共鳴」は、金属粒子の媒体とのインターフェースに沿って伝播する電子の集団的な振動を示す。例えば、金属粒子の電子の集団的な振動は、発熱体550を打撃(hit)する光によって発生してもよい。金属粒子の電子の励起は、熱エネルギーを発生させ、発生した熱エネルギーは、発熱体550が存在する環境内に伝達することができる。一実施形態において、発熱体550は、発生した熱を他の対象(例えば、エアロゾル発生物品501)に伝達することによって、前記対象を加熱するように構成し得る。
【0132】
一実施形態において、発熱体550は、任意の適切な温度で対象(例えば、エアロゾル発生物品501)を加熱するように構成し得る。例えば、発熱体550は約200℃~約350℃以下の温度で前記対象を加熱するように構成してもよい。発熱体550が表面プラズモン共鳴を使用することで、エアロゾル発生装置502に供給するエネルギー源(例えば、バッテリ)の大きさを低減することができる。
【0133】
一実施形態において、発熱体550は、発泡体552を含み得る。発泡体552は、第1面552A(例えば、
図7における上面)、及び第1面552Aと反対になる第2面552B(例えば、
図7における下面)を含み得る。
【0134】
一実施形態において、発泡体552の第1面552A上には、エアロゾル発生物品501が配置され得る。例えば、エアロゾル発生物品501は、第1面552Aから離隔していてもよい。代替的に、エアロゾル発生物品501は、第1面552Aと実質的に接触してもよい。
【0135】
一実施形態において、発泡体552は、複数の金属粒子5521を含み得る。複数の金属粒子5521は、表面プラズモン共鳴によって熱を発生させるのに適した任意の材質を含み得る。例えば、複数の金属粒子5521は、金、銀、銅、パラジウム、白金、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、鉄、コバルト、マンガン、ロジウム、及びルテニウムのうちの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0136】
一実施形態において、複数の金属粒子5521は、所定の波長帯域(例えば、可視光線波長帯域、即ち、約380nm~約780nm)の光と相互作用して熱を発生させるのに適した任意の材質で形成され得る。例えば、複数の金属粒子は、金、銀、銅、パラジウム、及び白金のうちの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0137】
一実施形態において、複数の金属粒子5521は、ナノスケールの大きさを有し得る。例えば、複数の金属粒子5521は、約1μm以下の平均最大直径を有してもよい。いくつかの実施形態では、複数の金属粒子5521は、約700nm以下、約600nm以下、約500nm以下、約400nm以下、約300nm以下、約200nm以下、約150nm以下、又は約100nm以下の平均最大直径を有してもよい。
【0138】
一実施形態において、複数の金属粒子5521は、平均最大吸光度を有する金属材質で形成され得る。ここで、平均最大吸光度は、特定の波長帯域にともなう実質的にピークを有する吸光度に規定され得る。前記吸光度に対応する特定の波長帯域は、複数の金属粒子5521が共鳴する波長帯域として理解することができる。例えば、複数の金属粒子5521は、約430nm~約450nmの間、約480nm~約500nmの間、約490nm~約510nmの間、約500nm~約520nmの間、約550nm~約570nmの間、約600nm~約620nmの間、約620nm~約640nmの間、約630nm~約650nmの間、約640nm~約660nmの間、約680nm~約700nmの間、又は約700nm~約750nmの間の波長帯域で平均最大吸光度を有する金属材質で形成されてもよい。
【0139】
一実施形態において、複数の金属粒子5521は、基板553を形成し得る。ここで、基板553を形成するとは、複数の金属粒子5521が基板553の形態を形成するように配列されることを意味する。基板553は、発泡体552の第1面552A及び第2面552Bを有してもよい。
【0140】
一実施形態において、発泡体552は、複数のポア5522(pore)を含み得る。複数のポア5522は、空気の通過を可能にし得る。例えば、空気は、発泡体552の第2面552Bから複数のポア5522を介して発泡体552の第1面552Aに流動してもよい。空気は、エアロゾル発生物品501を通過してエアロゾルをユーザに伝達し得る。
【0141】
一実施形態において、複数のポア5522は、複数の金属粒子5521によって囲まれて形成され得る。複数のポア5522のうちの少なくとも一部は、発泡体552の外部に対して開放されてもよい。複数のポア5522のうちの少なくとも一部は、互いに流体連結してもよい。
【0142】
一実施形態において、複数のポア5522の大きさは、複数の金属粒子5521の大きさと実質的に等しいか、それより大きくてもよい。例えば、複数のポア5522は、約1μm以上、約5μm以上、約10μm以上、約20μm以上、約30μm以上、約50μm以上、約100μm以上の平均最大寸法(例えば、幅又は直径)を有してもよい。複数のポア5522は、約200μm以下、約150μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約20μm以下の平均最大寸法(例えば、幅又は直径)を有してもよい。
【0143】
一実施形態において、複数のポア5522は、発泡体552が空気の通過を許容するのに適した任意の多孔性を有するように形成され得る。例えば、発泡体552の多孔性は、約5ppi(pore per inch)以上、約10ppi以上、約20ppi以上、約30ppi以上、約50ppi以上、約100ppi以上、約200ppi以上、約300ppi以上、約500ppi以上、又は約700ppi以上を有してもよい。発泡体552の多孔性は、約5,000ppi以下、約4,000ppi以下、約3,000ppi以下、約2,000ppi以下、約1,000ppi以下、約500ppi以下、約300ppi以下、約150ppi以下、約120ppi以下、又は約100ppi以下を有してもよい。
【0144】
一実施形態において、発泡体552は、複数のポア5522の間に光が透過する透過領域PAを含み得る。透過領域PAには、複数の金属粒子5521の少なくとも一部が配置され得る。光が透過領域PAを透過する間、複数の金属粒子5521の表面プラズモン共鳴によって熱が発生し、発泡体522が全体的に加熱し得る。
【0145】
一実施形態において、発泡体552の熱伝達量は、発泡体552の大きさ及び形状に依存し得る。
【0146】
一実施形態において、基板553は、複数の金属粒子5521の材料と異なる金属材料で形成され得る。例えば、基板553は、ステンレス鋼(例えば、SUS314)、アルミニウム、銅、及び/又はその他の任意の金属材質で形成されてもよい。
【0147】
一実施形態において、基板553は、発熱体550が配置される環境に使用するのに適した任意の熱伝導率を有する材質で形成され得る。例えば、基板553は、1barの圧力及び25℃の温度で、約0.6W/mK以下、約1W/mK~約2W/mK、約2W/mK~約5W/mK、約5W/mK~約10W/mK、約10W/mK~約100W/mK、約100W/mK~約200W/mKの熱伝導率を有してもよい。いくつかの実施形態では、基板553は、1barの圧力及び25℃の温度で、約0.6W/mK以下、約1.3W/mK、約148W/mK、又は約46.06W/mKの熱伝導率を有してもよい。
【0148】
一実施形態において、基板553は、導電性を示し得る。一実施形態において、基板553は、電気絶縁性を示し得る。
【0149】
一実施形態において、発熱体550は、発泡体552に向かって光を反射するように構成された反射体554を含み得る。反射体554が発泡体552を透過する光を発泡体552に向かって反射することは、複数の金属粒子5521が反射光を利用させることにより発熱体550の光利用効率を向上させ、これに伴う発熱効率を向上させ得る。
【0150】
一実施形態において、反射体554は、層状を有し得る。反射体554は、発泡体552の縁部領域(例えば、第1面552A)の少なくとも一部に沿って延び得る。
【0151】
一実施形態において、反射体554は、発泡体552の第1面552A上に配置され得る。反射体554は、発泡体552の第1面552Aと実質的に接触し得る。一実施形態において、反射体554は、発泡体552の第1面552Aの全体に形成され得る。一実施形態において、反射体554は、発泡体552の第1面552Aの一部分に形成され得る。例えば、反射体554は、発泡体552の第1面552Aの一部領域に単一反射区域で実現されるか、複数の反射区域で実現されてもよい。
【0152】
一実施形態において、反射体554は、エアロゾル発生物品501及び発泡体552の間に配置され得る。反射体554は、エアロゾル発生物品501と実質的に接触し得る。
【0153】
一実施形態において、反射体554は、光を反射するのに適した任意の材質(例えば、金属材質)で形成され得る。例えば、反射体554は、金、銀、銅、及びその他の反射に適した任意の金属材質のうちの少なくとも1つ又はこれらの組み合わせで形成されてもよい。
【0154】
一実施形態において、反射体554は、光を反射するのに適した任意の厚さを有し得る。反射体554の厚さは、光を実質的に全反射するのに適した数値に決定され得る。例えば、反射体554の厚さは、約15nm以下、約12nm以下、約10nm以下、約8nm以下、又は約5nm以下であってもよい。好ましい例としては、反射体554は、約10nmの厚さを有し得る。
【0155】
一実施形態において、エアロゾル発生装置502は、光源560を含み得る。光源560は、発泡体552の第2面552Bに向かって発光するように構成し得る。
【0156】
一実施形態において、光源560は、発熱体550に向かって所定の角度で光を放出するように構成し得る。例えば、光源560は、発熱体550の表面で全反射が起き得る角度で光を放出してもよい。一実施形態において、光源560は、発熱体550に向かって任意の角度で光を放出してもよい。
【0157】
一実施形態において、光源560は、可視光線帯域(例えば、約380nm~約780nm)の光を放出するように構成し得る。例えば、複数の金属粒子5521が金を含む場合、光源560は、約600nm~約650nmの波長を有する光を放出してもよい。複数の金属粒子5521が銀を含む場合、光源560は、約450nm~約550nmの波長を有する光を放出してもよい。一実施形態において、光源560は、赤外線熱源を含んでもよい。
【0158】
一実施形態において、光源560は、任意の適切な出力で光を放出し得る。例えば、光源560は、約900mWの出力で光を放出してもよい。
【0159】
一実施形態において、光源560は、発光ダイオード及び/又はレーザを含み得る。発光ダイオード及び/又はレーザは、エアロゾル発生装置500に含まれるのに適した種類及び/又は大きさを有し得る。一例として、レーザは、固体レーザ及び/又は半導体レーザを含んでもよい。
【0160】
図9は、一実施形態に係る発熱体及びこれを含むエアロゾル発生システムを示す図である。
【0161】
図9を参照すると、エアロゾル発生システム600は、エアロゾル発生物品601及びエアロゾル発生装置602を含み得る。エアロゾル発生装置602は、発熱体650を含み得る。
【0162】
一実施形態において、発熱体650は、発泡体652を含み得る。発泡体652は、第1面652A(例えば、
図9における左側面)、第1面652Aと反対になる第2面652B(例えば、
図9における右側面)、第1面652A及び第2面652Bの間の第3面652C(例えば、
図9における上側面)、及び第3面652Cと反対になる第1面652A及び第2面652Bの間の第4面652D(例えば、
図9における下側面)を含み得る。
【0163】
一実施形態において、発泡体652は、空洞651を含み得る。空洞651は、エアロゾル発生物品601を少なくとも部分的に受け入れるように構成し得る。空洞651は、エアロゾル発生物品601の外部プロファイルに対応する形状を有し得る。空洞651は、発泡体652の第3面652Cから第4面652Dに向かって形成された凹部で実現され得る。
【0164】
一実施形態において、発熱体650は、反射体654を含み得る。反射体654は、発泡体652の第3面652C上に配置された第1反射体654Aを含み得る。第1反射体654Aは、発泡体652の縁部領域(例えば、第3面652C)の少なくとも一部に沿って延びてもよい。第1反射体654Aは、発泡体652の第3面652Cと実質的に接触してもよい。第1反射体654Aは、発泡体652の第3面652Cの全体に形成されてもよい。第1反射体654Aは、発泡体652の第3面652Cの一部分に形成されてもよい。
【0165】
一実施形態において、反射体654は、発泡体652の空洞651の内面(例えば、凹面上に配置された第2反射体654Bを含み得る。第2反射体654Bは、発泡体652及びエアロゾル発生物品601の間に配置され得る。第2反射体654Bは、空洞651の内面と実質的に接触してもよい。第2反射体654Bは、空洞651の内面の全体に形成されてもよい。第2反射体654Bは、空洞651の内面の一部分に形成されてもよい。
【0166】
一実施形態において、第1反射体654A及び第2反射体654Bは、互いに接続され得る。例えば、第1反射体654A及び第2反射体654Bは、一体にシームレスに接続されてもよい。一実施形態において、第1反射体654A及び第2反射体654Bは、互いに物理的に分離することもできる。
【0167】
一実施形態において、エアロゾル発生装置600は、複数の光源660A,660Bを含み得る。複数の光源660A,660Bは、同一のタイプの光源で実現され得る。一実施形態において、複数の光源660A,660Bのうちの少なくとも一部は、異なるタイプの光源で実現されてもよい。代替的に、エアロゾル発生装置600は、単一の光源(660A又は660B)を含んでもよい。
【0168】
一実施形態において、複数の光源660A,660Bは、発泡体652の第1面652Aに向かって発光するように構成された第1光源660A、及び発泡体652の第2面652Bに向かって発光するように構成された第2光源660Bを含み得る。第1光源660A及び第2光源660Bは、発泡体652の反対になる側部上に配置され得る。第1光源660Aは、発泡体652の第1面652Aから離隔していてもよい。第2光源660Bは、発泡体652の第2面652Bから離隔していてもよい。
【0169】
一実施形態において、複数の光源660A,660Bのうちの少なくとも1つの光源660A,660Bは、発熱体650の一部分を照明(illuminate)するように構成し得る。
【0170】
一実施形態において、複数の光源660A,660Bは、実質的に同時に光を放出するように構成し得る。一実施形態において、複数の光源660A,660Bは、他の時間で光を放出してもよい。
【0171】
一実施形態において、複数の光源660A,660Bは、実質的に同一の時間周期の間、発熱体650を照明することができる。一実施形態において、複数の光源660A,660Bの照明時間の長さは、各々異なり得る。
【0172】
一実施形態において、複数の光源660A,660Bは、実質的に同一の波長帯域の光を放出し得る。一実施形態において、複数の光源660A,660Bは、他の波長帯域の光を放出してもよい。
【0173】
一実施形態において、複数の光源660A,660Bは、実質的に同一の照度で発熱体650を照明することができる。一実施形態において、複数の光源660は、他の照度を有する光を放出してもよい。
【0174】
図10は、一実施形態に係る発熱体及びこれを含むエアロゾル発生システムを示す図である。
【0175】
図10を参照すると、エアロゾル発生システム700は、エアロゾル発生物品701及びエアロゾル発生装置702を含み得る。
【0176】
一実施形態において、エアロゾル発生物品701は、エアロゾル発生装置702から着脱可能でエアロゾル発生装置702に挿入可能な構成要素(例えば、カートリッジ)を含み得る。エアロゾル発生物品701は、液相組成物を含んでもよい。
【0177】
エアロゾル発生装置702は、発熱体750を含み得る。発熱体750は、発泡体752を含み得る。発泡体752は、第1面752A(例えば、
図10における左側面)、第1面752Aと反対になる第2面752B(例えば、
図10にける右側面)、第1面752Aと第2面752Bとの間の第3面752C(例えば、
図10の下面)、及び第3面752Cと反対になる第1面752Aと第2の面752Bとの間の第4面752D(例えば、
図10のおける上面)を含むことができる。
【0178】
発泡体752は、第4面752Dがエアロゾル発生装置702の口端部に向かうようにエアロゾル発生装置702内に配置されてもよく、第4面752Dを介してエアロゾルがユーザの口腔に伝達されてもよい。
【0179】
発泡体752の第4面752D上には、エアロゾル発生物品701が配置され得る。例えば、エアロゾル発生物品701は、発泡体752の第4面752Dと実質的に接触してもよい。
【0180】
一実施形態において、発泡体752は、穿孔部材755を含み得る。穿孔部材755は、エアロゾル発生物品701が発泡体752の第4面752D上に配置された時、エアロゾル発生物品701の少なくとも一部を穿孔するように構成してもよい。穿孔部材755がエアロゾル発生物品701を穿孔すると、エアロゾル発生物品701内の気化可能な物質(例えば、液相組成物)は、穿孔部材755の外面に沿って及び/又は発泡体752の第4面752Dを介して発泡体752内に流動し得る。気化可能な物質は、発泡体752で加熱されてエアロゾルへの相変化をしてもよく、エアロゾルは、発泡体752の第4面752Dから遠ざかる方向に移動してエアロゾル発生装置702の口端部(図示せず)を介してユーザに伝達されてもよい。
【0181】
一実施形態において、エアロゾル発生装置702は、少なくとも1つの光源760A,760B,760Cを含み得る。例えば、エアロゾル発生装置702は、発泡体752の第1面752Aに向かって発光するように配置された第1光源760A、発泡体752の第2面752Bに向かって発光するように配置された第2光源760B、及び発泡体752の第3面752Cに向かって発光するように配置された第3光源760Cを含んでもよい。第1光源760Aは、第1面752Aから離隔していてもよい。第2光源760Bは、第2面752Bから離隔していてもよい。第3光源760Cは、第3面752Cから離隔していてもよい。一方、図示とは異なり、エアロゾル発生装置702は、単一の光源、2つの光源、又は4つ以上の光源を含んでもよい。
【0182】
本文書の実施形態は、例示的なものであり、制限的なものではない。添付した特許請求の範囲及びこの均等物を含めて、本開示の詳細な事項の様々な変更をすることができる。本明細書に記載の実施形態のうちの任意の実施形態は、本明細書に記載の任意の他の実施形態と結合して使用されてもよい。
【国際調査報告】