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特表2024-524915発熱体、およびこれを含むエアロゾル発生装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】発熱体、およびこれを含むエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20240702BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240702BHJP
   A24F 40/70 20200101ALI20240702BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/20
A24F40/70
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577347
(86)(22)【出願日】2023-05-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-14
(86)【国際出願番号】 KR2023006408
(87)【国際公開番号】W WO2023224317
(87)【国際公開日】2023-11-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0060775
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、ウォンキョン
(72)【発明者】
【氏名】ソンウ、ポール ジュン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ムン サン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB21
4B162AC22
4B162AE01
(57)【要約】
表面プラズモン共鳴を用いて熱を発生させるように構成された発熱体は、基板、前記基板上に配置され、表面プラズモン共鳴によって熱を発生させるように構成された複数の金属粒子、および、隣接した金属粒子の間に配置された分離壁を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置され、表面プラズモン共鳴によって熱を発生させるように構成された複 数の金属粒子と、および
隣接した金属粒子の間に配置された分離壁と、
を含む発熱体。
【請求項2】
前記複数の金属粒子の少なくとも一部は、他の1つの金属粒子とは異なる大きさを有する、請求項1に記載の発熱体。
【請求項3】
前記分離壁は、前記隣接した金属粒子が結合することを防止するように配置された、請求項1に記載の発熱体。
【請求項4】
前記複数の金属粒子は、前記分離壁により境界付けられた、請求項1に記載の発熱体。
【請求項5】
前記複数の金属粒子は、ナノスケールの大きさを有する、請求項1に記載の発熱体。
【請求項6】
前記分離壁は、前記基板から突出する、請求項1に記載の発熱体。
【請求項7】
前記分離壁は、複数の柱を含む、請求項1に記載の発熱体。
【請求項8】
前記分離壁は、グリッドを含む、請求項1に記載の発熱体。
【請求項9】
前記分離壁は、耐熱性材料を含む、請求項1に記載の発熱体。
【請求項10】
光源と、および
前記光源からの光を受信するように構成された請求項1に記載の発熱体と、
を含むエアロゾル発生装置。
【請求項11】
発熱体を製造するための方法において、
基板の一面上に分離壁を形成する動作と、
前記基板の前記面の上に金属レイヤを形成する動作と、および
前記金属レイヤをアニールしてランダムな大きさを有する複数の金属粒子を形成する動作と、
を含む方法。
【請求項12】
前記金属レイヤをアニールする動作は、前記分離壁が形成された前記基板上の位置に境界を形成する動作を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記金属レイヤをアニールする動作は、前記金属レイヤを約160℃以上の温度に加熱する動作を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記金属レイヤをアニールする動作は、前記金属レイヤのデウェッティングを誘発するように前記金属レイヤを加熱する動作を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記金属レイヤを形成する動作は、0nm超えかつ約10nm以下の厚さで前記金属レイヤを蒸着する動作を含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance,SPR)によって熱を発生させるように構成された発熱体に関し、例えば、前記発熱体を含むエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱を発生させてターゲットを加熱する技術が開発されている。一例として、電気抵抗性要素に電気エネルギーが供給されることで熱を発生させることができる。他の例として、コイルおよびサセプタの間の電磁気的カップリングにより熱を発生させることができる。前述の背景技術は、本開示の導出過程で保有、または習得したものであり、必ずしも本開示の出願前に一般公衆に公開された公知技術であるとは言えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の一様態は、表面プラズモン共鳴を利用して熱を発生させる発熱体、およびこれを含むエアロゾル発生装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発熱体は、表面プラズモン共鳴を用いて熱を発生させるように構成された発熱体であって、前記発熱体は、基板、前記基板上に配置され、表面プラズモン共鳴によって熱を発生させるように構成された複数の金属粒子、および、隣接した金属粒子の間に配置された分離壁を含むことができる。
【0005】
前記複数の金属粒子の少なくとも1つの金属粒子は、他の1つの金属粒子とは異なる大きさを有してもよい。
【0006】
前記分離壁は、前記隣接した金属粒子が結合することを防止するように配置されてもよい。
【0007】
前記複数の金属粒子は、前記分離壁により境界付けられてもよい。
【0008】
前記複数の金属粒子は、ナノスケールの大きさを有してもよい。
【0009】
前記分離壁は、前記基板から突出してもよい。
【0010】
前記分離壁は、複数の柱を含んでもよい。
【0011】
前記分離壁は、グリッドを含んでもよい。
【0012】
前記分離壁は、耐熱性材料を含んでもよい。
【0013】
エアロゾル発生装置は、光源、および前記光源からの光を受信するように構成された発熱体を含み、前記発熱体は、表面プラズモン共鳴を用いて熱を発生させるように構成された発熱体であって、前記発熱体は、基板、前記基板上に配置され、表面プラズモン共鳴によって熱を発生させるように構成された複数の金属粒子、および、隣接した金属粒子の間に配置された分離壁を含むことができる。
【0014】
発熱体を製造するための方法は、基板の一面上に分離壁を形成する動作、前記基板の前記面の上に金属レイヤを形成する動作、および、前記金属レイヤをアニールしてランダムな大きさを有する複数の金属粒子を形成する動作を含むことができる。
【0015】
前記金属レイヤをアニールする動作は、前記分離壁が形成された前記基板上の位置に境界を形成する動作を含んでもよい。
【0016】
前記金属レイヤをアニールする動作は、前記金属レイヤを約160℃以上の温度に加熱する動作を含んでもよい。
【0017】
前記金属レイヤをアニールする動作は、前記金属レイヤのデウェッティング(dewetting)を誘発するように前記金属レイヤを加熱する動作を含んでもよい。
【0018】
前記金属レイヤを形成する動作は、約10nm以下の厚さで前記金属レイヤを蒸着する動作を含んでもよい。
【発明の効果】
【0019】
一実施形態によると、発熱体がターゲットの加熱に適用される場合、ターゲットが局所的に加熱されるか、または複数のターゲットの少なくとも一部のターゲットが加熱されることができる。一実施形態によると、発熱体の発熱効率が維持、または改善することができる。一実施形態による発熱体、およびこれを含むエアロゾル発生装置の効果は、以上で言及したものなどに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者に明確に理解されるであろう。
【0020】
本開示の特定の実施形態の上述した、さらに他の様態、特徴および利点は、添付の図面を参照し、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態によるエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が挿入された例を示した図である。
図2】一実施形態によるエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が挿入された例を示した図である。
図3】一実施形態によるエアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が挿入された例を示した図である。
図4】一実施形態によるエアロゾル発生物品の例を示した図である。
図5】一実施形態によるエアロゾル発生物品の例を示した図である。
図6】一実施形態によるエアロゾル発生装置のブロック図である。
図7】一実施形態による発熱体の製造方法を示した図である。
図8】一実施形態による発熱体の製造方法を示した図である。
図9】一実施形態による発熱体の製造方法を示した図である。
図10】一実施形態による発熱体の製造方法を示した図である。
図11】一実施形態による発熱体の製造方法を示した図である。
図12】一実施形態による発熱体の製造方法を示した図である。
図13】様々なアニール温度で製造された発熱体の光源の出力による昇温を比較したグラフである。
図14】様々なアニール温度で製造された発熱体の波長による吸光度を比較したグラフである。
図15】一実施形態による発熱体の平面図である。
図16】一実施形態によるエアロゾル発生装置を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施形態で使用される用語は、本発明における機能を考慮しながら可能な限り現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは当分野に従事する技術者の意図または判例、新しい技術の出現などによって変わり得る。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、その発明の説明部分においてその意味を詳しく記載する。よって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されるべきである。
【0023】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とすると、これは特に断りのない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。また、明細書に記載された「...部」、「...モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアまたはソフトウェアで具現され、またはハードウェアとソフトウェアの結合で具現される。
【0024】
以下では、添付の図面を参考して、本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。しかしながら、本発明は様々な異なる形で具現され、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0025】
以下では、図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。
【0026】
図1図3は、エアロゾル発生装置にエアロゾル発生物品が挿入された例を示した図面である。
【0027】
図1を参照すると、エアロゾル発生装置1は、バッテリ11、制御部12、およびヒータ13を含む。図2および図3を参照すると、エアロゾル発生装置1は、蒸気化器14をさらに含む。さらに、エアロゾル発生装置1の内部空間には、エアロゾル発生物品2(例えば、シガレット)が挿入できる。
【0028】
図1図3に示されたエアロゾル発生装置1には、本実施形態に係る構成要素が示されている。よって、図1図3に示された構成要素の外に、他の汎用的な構成要素がエアロゾル発生装置1にさらに含まれ得ることが、本実施形態に係る技術分野における通常の知識を有する者であれば理解できるであろう。
【0029】
また、図2および図3には、エアロゾル発生装置1にヒータ13が含まれているように示されているが、必要に応じて、ヒータ13は省略されてもよい。
【0030】
図1には、バッテリ11、制御部12およびヒータ13が一列に配置されるように示されている。また、図2には、バッテリ11、制御部12、蒸気化器14、およびヒータ13が一列に配置されるように示されている。また、図3には、蒸気化器14およびヒータ13が並列に配置されるように示されている。しかしながら、エアロゾル発生装置1の内部構造は、図1図3に示されたものに限定されない。言い換えると、エアロゾル発生装置1の設計により、バッテリ11、制御部12、ヒータ13、および蒸気化器14の配置は変更され得る。
【0031】
エアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置1に挿入されると、エアロゾル発生装置1は、ヒータ13および/または蒸気化器14を作動して、エアロゾルを発生させる。ヒータ13および/または蒸気化器14により発生されたエアロゾルは、エアロゾル発生物品2を通過してユーザに伝達される。
【0032】
必要に応じて、エアロゾル発生物品2がエアロゾル発生装置1に挿入されていない場合でも、エアロゾル発生装置1はヒータ13を加熱すうことができる。
【0033】
バッテリ11は、エアロゾル発生装置1の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11は、ヒータ13または蒸気化器14が加熱されるように電力を供給し、制御部12の動作に必要な電力を供給する。また、バッテリ11は、エアロゾル発生装置1に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給する。
【0034】
制御部12は、エアロゾル発生装置1の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部12は、バッテリ11、ヒータ13および蒸気化器14だけでなく、エアロゾル発生装置1に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル発生装置1の構成の各状態を確認して、エアロゾル発生装置1が動作可能な状態であるか否かを判断してもよい。
【0035】
制御部12は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、複数の論理ゲートのアレイで具現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとこのマイクロプロセッサで実行できるプログラムが保存されたメモリの組み合わせで具現されてもよい。また、他の形態のハードウェアで具現されてもよいことが、本実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば理解できるであろう。
【0036】
ヒータ13は、バッテリ11から供給された電力により加熱される。例えば、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置1に挿入されると、ヒータ13はエアロゾル発生物品の外部に位置するようになる。よって、加熱されたヒータ13は、エアロゾル発生物品内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0037】
ヒータ13は、電気抵抗性ヒータであってもよい。例えば、ヒータ13は電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れることによりヒータ13が加熱される。しかしながら、ヒータ13は上述した例に限定されず、所望の温度まで加熱できるものであれば、制限はない。ここで、所望の温度は、エアロゾル発生装置1に既設定されていてもよく、ユーザにより所望の温度に設定されてもよい。
【0038】
一方、他の例として、ヒータ13は誘導加熱式ヒータであってもよい。具体的に、ヒータ13は、エアロゾル発生物品を誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含んでもよく、エアロゾル発生物品は、誘導加熱式ヒータにより加熱できるサセプタを含んでもよい。
【0039】
例えば、ヒータ13は、管状の加熱要素、板状の加熱要素、針状の加熱要素、または棒状の加熱要素を含んでもよく、加熱要素の形状によってエアロゾル発生物品2の内部または外部を加熱する。
【0040】
また、エアロゾル発生装置1には、ヒータ13が複数配置されてもよい。この場合、複数のヒータ13は、エアロゾル発生物品2の内部に挿入されるように配置されてもよく、エアロゾル発生物品2の外部に配置されてもよい。また、複数のヒータ13の一部は、エアロゾル発生物品2の内部に挿入されるように配置され、残りはエアロゾル発生物品2の外部に配置されてもよい。また、ヒータ13の形状は、図1図3に示された形状に限定されず、様々な形状に製作される。
【0041】
蒸気化器14は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、エアロゾル発生物品2を通過してユーザに伝達される。言い換えると、蒸気化器14により生成されたエアロゾルは、エアロゾル発生装置1の気流通路に沿って移動することができ、気流通路は、蒸気化器14により生成されたエアロゾルがエアロゾル発生物品を通過してユーザに伝達されるように構成される。
【0042】
例えば、蒸気化器14は、液体貯蔵部(例えば、貯蔵所)、液体伝達手段、および加熱要素を含むが、これに限定されない。例えば、液体貯蔵部、液体伝達手段、および加熱要素は、独立的なモジュールとしてエアロゾル発生装置1に含まれてもよい。
【0043】
液体貯蔵部は、液状組成物を貯蔵することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコの香成分を含むタバコ含有物質を含む液体であってもよく、非タバコ物質を含む液体であってもよい。液体貯蔵部は、蒸気化器14から脱着できるように製作されてもよく、蒸気化器14と一体で製作されてもよい。
【0044】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種のフルーツの香り成分などを含んでもよいが、これに制限されない。香味剤は、ユーザに様々な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンCおよびビタミンEの少なくとも1つが混合されてもよいが、これに制限されない。また、液状組成物は、グリセリンおよびプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0045】
液体伝達手段は、液体貯蔵部の液状組成物を加熱要素へ伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)であってもよいが、これに限定されない。
【0046】
加熱要素は、液体伝達手段により伝達する液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどがあるが、これに限定されない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントから構成されてもよく、液体伝達手段に巻かれる構造で配置されてもよい。加熱要素は、電流供給により加熱されてもよく、加熱要素に接触した液体組成物に熱を伝達して液体組成物を加熱してもよい。その結果、エアロゾルが生成される。
【0047】
例えば、蒸気化器14は、カートマイザ(cartomizer)またはアトマイザ(atomizer)とも称されるが、これに限定されない。
【0048】
一方、エアロゾル発生装置1は、バッテリ11、制御部12、ヒータ13および蒸気化器14の他に、汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル発生装置1は、視覚情報の出力が可能なディスプレイおよび/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル発生装置1は、少なくとも1つのセンサ(パフ検出センサ、温度検出センサ、エアロゾル発生物品挿入検出センサなど)を含んでもよい。また、エアロゾル発生装置1は、エアロゾル発生物品2が挿入された状態でも、外部気体の流入、または内部気体の流出が可能な構造に製作されてもよい。
【0049】
図1図3には示されていないが、エアロゾル発生装置1は、別途のクレードルとともにシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル発生装置1のバッテリ11の充電に用いられる。または、クレードルとエアロゾル発生装置1が結合された状態でヒータ13が加熱される。
【0050】
エアロゾル発生物品2は、一般的な燃焼型シガレットと似ていてもよい。例えば、エアロゾル発生物品2は、エアロゾル生成物質を含む第1部分と、フィルタなどを含む第2部分とに区分されてもよい。または、エアロゾル発生物品2の第2部分にもエアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒またはカプセルの形で作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されてもよい。
【0051】
エアロゾル発生装置1の内部には第1部分の全体が挿入され、第2部分は外部に露出されてもよい。または、エアロゾル発生装置1の内部に第1部分の一部のみ挿入されてもよく、第1部分の全体および第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口で咥えた状態でエアロゾルを吸い込む。このとき、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0052】
一例として、外部空気は、エアロゾル発生装置1に形成された少なくとも1つの空気通路を介して流入されてもよい。例えば、エアロゾル発生装置1に形成された空気通路の開閉および/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節可能である。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節可能である。他の例として、外部空気は、エアロゾル発生物品2の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介してエアロゾル発生物品2の内部に流入されてもよい。
【0053】
以下、図4および図5を参照してエアロゾル発生物品2の例を説明する。
【0054】
図4および図5は、エアロゾル発生物品の例を示した図である。
【0055】
図4を参照すると、エアロゾル発生物品2は、タバコロッド21およびフィルタロッド22を含む。図1図3を参照して上述した第1部分21はタバコロッド21を含み、第2部分22はフィルタロッド22を含む。
【0056】
図4にはフィルタロッド22が単一のセグメントとして示されているが、これに限定されない。言い換えると、フィルタロッド22は、複数のセグメントで構成されてもよい。例えば、フィルタロッド22は、エアロゾルを冷却するセグメント、およびエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングするセグメントを含んでもよい。また、必要に応じて、フィルタロッド22は、他の機能を行う少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0057】
エアロゾル発生物品2の直径は、5mm~9mmの範囲内であり、長さは約48mmであるが、これに限定されない。例えば、タバコロッド21の長さは約12mm、フィルタロッド22の第1セグメントの長さは約10mm、フィルタロッド22の第2セグメントの長さは約14mm、フィルタロッド22の第3セグメントの長さは約12mmであってもよいが、これに限定されない。
【0058】
エアロゾル発生物品2は、少なくとも1つのラッパ24により包まれてもよい。ラッパ24には、外部空気が流入され、または内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されてもよい。一例として、エアロゾル発生物品2は、1つのラッパ24により包まれてもよい。別の例として、エアロゾル発生物品2は、2以上のラッパ24で重ねて包まれてもよい。例えば、第1ラッパ241によりタバコロッド21が包まれ、ラッパ242、243、244によりフィルタロッド22が包まれてもよい。さらに、単一のラッパ245により全体のエアロゾル発生物品2が再び包まれてもよい。仮に、フィルタロッド22が複数のセグメントで構成されているのであれば、それぞれのセグメントがラッパ242、243、244により包まれてもよい。
【0059】
第1ラッパ241および第2ラッパ242は、一般的なフィルタ巻紙で製作されてもよい。例えば、第1ラッパ241および第2ラッパ242は、多孔質巻紙または無多孔質巻紙であってもよい。また、第1ラッパ241および第2ラッパ242は、耐油性を有する紙類および/またはアルミ合紙包装材で製作されてもよい。
【0060】
第3ラッパ243は、ハード巻紙で製作されてもよい。例えば、第3ラッパ243の坪量は、88g/m~96g/mの範囲内であり、好ましくは90g/m~94g/mの範囲内である。また、第3ラッパ243の厚さは、120μm~130μumの範囲内であり、好ましくは125μmである。
【0061】
第4ラッパ244は、耐油性ハード巻紙で製作されてもよい。例えば、第4ラッパ244の坪量は、88g/m2~96g/mの範囲内であり、好ましくは90g/m~94g/mの範囲内である。また、第4ラッパ244の厚さは、120μm~130μmの範囲内であり、好ましくは125μmである。
【0062】
第5ラッパ245は、滅菌紙(MFW)で製作されてもよい。ここで、滅菌紙(MFW)は、引張強度、耐水度、平滑度などが一般紙よりも増進されるように特殊製造された紙を意味する。例えば、第5ラッパ245の坪量は、57g/m~63g/mの範囲内であり、好ましくは60g/mである。また、第5ラッパ245の厚さは、64μm~70μmの範囲内であり、好ましくは67μmである。
【0063】
第5ラッパ245には、所定の物質が内添されてもよい。ここで、所定の物質の例としては、シリコーンが該当するが、これに限定されない。例えば、シリコーンは、温度による変化が少ない耐熱性、酸化されない耐酸化性、各種薬品に対する抵抗性、水に対する撥水性、または電気絶縁性などの特性を有する。但し、シリコーンでなくても、上述した特性を有する物質であれば制限なしに第5ラッパ245に塗布(または、コーティング)してもよい。
【0064】
第5ラッパ245は、エアロゾル発生物品2の燃焼現象を防止することができる。例えば、タバコロッド21がヒータ13により加熱されると、エアロゾル発生物品2燃焼される可能性がある。具体的に、タバコロッド21に含まれた物質のいずれか1つの発火点以上に温度が上昇する場合、エアロゾル発生物品2が燃焼される。このような場合でも、第5ラッパ245は不燃性物質を含むので、エアロゾル発生物品2の燃焼現象が防止される。
【0065】
また、第5ラッパ245は、エアロゾル発生物品2で生成される物質によりエアロゾル発生装置(例えば、ホルダー)が汚染することを防止することができる。ユーザのパフによって、エアロゾル発生物品2内で液体物質が生成されることがある。例えば、エアロゾル発生物品2で生成されたエアロゾルが外部空気により冷却されることで、液体物質(例えば、水分など)が生成される。第5ラッパ245がエアロゾル発生物品2を包むことにより、エアロゾル発生物品2内で生成された液体物質がエアロゾル発生物品2の外部に漏れることを防止することができる。
【0066】
タバコロッド21は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、およびオレイルアルコールの少なくとも1つを含んでもよいが、これらに限定されない。また、タバコロッド21は、風味剤、湿潤剤および/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド21には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド21に噴射されることによって添加される。
【0067】
タバコロッド21は、多様に製作されてもよい。例えば、タバコロッド21は、シート(sheet)で製作されてもよく、筋(strand)で製作されてもよい。また、タバコロッド21は、タバコシートが細かく刻んだ刻みタバコで製作されてもよい。また、タバコロッド21は、熱伝導物質により囲まれてもよい。例えば、熱伝導物質は、アルミホイルのような金属ホイルであってもよいが、これに限定されない。一例として、タバコロッド21を囲む熱伝導物質は、タバコロッド21に伝達される熱を均一に分散してタバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、これによりタバコ味を向上させることができる。また、タバコロッド21を囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータにより加熱されるサセプタとして働く。この際、図面に示されていないが、タバコロッド21は、外部を囲む熱伝導物質以外にも、追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0068】
フィルタロッド22は、セルロースアセテートフィルタであってもよい。一方、フィルタロッド22の形状に制限はない。例えば、フィルタロッド22は、円柱形状のロッドであってもよく、内部に中空を有するチューブ状のロッドであってもよい。また、フィルタロッド22は、リセス状のロッドであってもよい。仮に、フィルタロッド22が複数のセグメントから構成された場合、複数のセグメントの少なくとも1つが異なる形状で製作されてもよい。
【0069】
フィルタロッド22の第1セグメントは、セルロースアセテートフィルタであってもよい。例えば、第1セグメントは、内部に中空を有するチューブ状の構造物であってもよい。第1セグメントによりヒータ13が挿入されるときにタバコロッド21の内部物質が後方に押される現象を防止することもでき、エアロゾルの冷却効果も発生する。第1セグメントに含まれた中空の直径は、2mm~4.5mmの範囲内で適切な直径が採用されるが、これに限定されない。
【0070】
第1セグメントの長さは、4mm~30mmの範囲内で適切な長さが採用されるが、これに限定されない。好ましくは、第1セグメントの長さは10mmであるが、これに限定されない。
【0071】
第1セグメントの製造時に可塑剤の含量を調節することで、第1セグメントの硬度が調整される。また、第1セグメントは、内部(例えば、中空)に同一の、または異なる材質のフィルム、チューブなどの構造物を挿入して製造されてもよい。
【0072】
フィルタロッド22の第2セグメントは、ヒータ13がタバコロッド21を加熱することにより生成されたエアロゾルを冷却させる。よって、ユーザは、適切な温度に冷却されたエアロゾルを吸い込むことができる。
【0073】
第2セグメントの長さまたは直径は、エアロゾル発生物品2の形によって様々に決められる。例えば、第2セグメントの長さは、7mm~20mmの範囲内で適切に採用される。好ましくは、第2セグメントの長さは、約14mmであるが、これに限定されない。
【0074】
第2セグメントは、ポリマー繊維を製織して作製されてもよい。この場合、ポリマーで製造された繊維に加香液を塗布してもよい。または、加香液が塗布された別途の繊維とポリマーで製造された繊維を共に製織して第2セグメントを製作してもよい。または、第2セグメントは、捲縮されたポリマーシートにより形成されてもよい。
【0075】
例えば、ポリマーは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、セルロースアセテート(CA)およびアルミホイルからなる群から選択された材料で製作されてもよい。
【0076】
第2セグメントが製織されたポリマー繊維または捲縮されたポリマーシートにより形成されることにより、第2セグメントは縦方向に延長される単数または複数のチャネルを含むことになる。ここで、チャネルは、気体(例えば、空気またはエアロゾル)が通過する通路を意味する。
【0077】
例えば、捲縮されたポリマーシートからなる第2セグメントは、約5μm~約300μm、例えば、約10μm~約250μmの厚さを有する材料から形成される。また、第2セグメントの全表面積は、約300mm/mm~約1000mm/mmになる。また、エアロゾル冷却要素は、比表面積が約10mm/mg~約100mm/mgの材料から形成される。
【0078】
一方、第2セグメントには、揮発性香味成分を含むスレッド(thread)が含まれる。ここで、揮発性香味成分はメントールであってもよいが、これに制限されない。例えば、スレッドには、1.5mg以上のメントールを第2セグメントに提供するために、十分な量のメントールが充填されてもよい。
【0079】
フィルタロッド22の第3セグメントは、セルロースアセテートフィルタであってもよい。第3セグメントの長さは、4mm~20mmの範囲内で適切に採用される。例えば、第3セグメントの長さは約12mmであるが、これに限定されない。
【0080】
第3セグメントを製作する過程において、第3セグメントに加香液を噴射することで香味が発生するように製作されてもよい。または、加香液が塗布された別途の繊維を第3セグメントの内部に挿入してもよい。タバコロッド21で生成されたエアロゾルは、フィルタロッド22の第2セグメントを通過することにより冷却され、冷却されたエアロゾルが第3セグメントを通じてユーザに伝達される。よって、第3セグメントに加香要素が添加される場合、ユーザに伝達される香味の持続性が増進する効果が発生する。
【0081】
また、フィルタロッド22には、少なくとも1つのカプセル23が含まれてもよい。ここで、カプセル23は、香味を発生させる機能をしたり、エアロゾルを発生させる機能をしたりする。例えば、カプセル23は、香料を含む液体を被膜で包んだ構造である。カプセル23は、球形または円筒状の形状を有してもよいが、これに制限されない。
【0082】
図5を参照すると、エアロゾル発生物品3は、前端プラグ33をさらに含んでもよい。前端プラグ33は、タバコロッド31において、フィルタロッド32に対向する一側に位置する。前端プラグ33は、タバコロッド31が外部に離脱することを防止し、喫煙中にタバコロッド31から液状化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置(図1図3)に流れ込むことを防止することができる。
【0083】
フィルタロッド32は、第1セグメント321および第2セグメント322を含んでもよい。ここで、第1セグメント321は、図4のフィルタロッド22の第1セグメントに対応し、第2セグメント322は、図4のフィルタロッド22の第3セグメントに対応する。
【0084】
エアロゾル発生物品3の直径および全長は、図4のエアロゾル発生物品2の直径および全長に対応する。例えば、前端プラグ33の長さは約7mm、タバコロッド31の長さは約15mm、第1セグメント321の長さは約12mm、第2セグメント322の長さは約14mmであるが、これに限定されない。
【0085】
エアロゾル発生物品3は、少なくとも1つのラッパ35により包まれてもよい。ラッパ35には、外部空気が流入され、または内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されてもよい。例えば、第1ラッパ351により前端プラグ33が包まれ、第2ラッパ352によりタバコロッド31が包まれ、第3ラッパ353により第1セグメント321が包まれ、第4ラッパ354により第2セグメント322が包まれてもよい。さらに、第5ラッパ355により全体のエアロゾル発生物品3が再び包まれてもよい。
【0086】
また、第5ラッパ355には、少なくとも1つの穿孔36が形成されてもよい。例えば、穿孔36は、タバコロッド31を囲む領域に形成されるが、これに制限されない。穿孔36は、図2および図3に示されたヒータ13により形成された熱をタバコロッド31の内部に伝達する役割をする。
【0087】
また、第2セグメント322には、少なくとも1つのカプセル34が含まれてもよい。ここで、カプセル34は、香味を発生させる機能をしたり、エアロゾルを発生させる機能をしたりする。例えば、カプセル34は、香料を含む液体を被膜で包んだ構造である。カプセル34は、球形または円筒状の形状を有してもよいが、これに制限されない。
【0088】
第1ラッパ351は、一般的なフィルタ巻紙にアルミホイルのような金属ホイルが結合されたものである。例えば、第1ラッパ351の全厚さは、45μm~55μmの範囲内であり、好ましくは50.3μmである。また、第1ラッパ351の金属ホイルの厚さは、6μm~7μmの範囲内であり、好ましくは6.3μmである。また、第1ラッパ351の坪量は、50g/m~55g/mの範囲内であり、好ましくは53g/mである。
【0089】
第2ラッパ352および第3ラッパ353は、一般的なフィルタ巻紙で製作されてもよい。例えば、第2ラッパ352および第3ラッパ353は、多孔質巻紙または無多孔質巻紙であってもよい。
【0090】
例えば、第2ラッパ352の多孔度は35000CUであるが、これに制限されない。また、第2ラッパ352の厚さは、70μm~80μmの範囲内であり、好ましくは78μmである。また、第2ラッパ352の坪量は、20g/m~25g/mの範囲内であり、好ましくは23.5g/mである。
【0091】
例えば、第3ラッパ353の多孔度は24000CUであるが、これに制限されない。また、第3ラッパ353の厚さは、60μm~70μmの範囲内であり、好ましくは68μmである。また、第3ラッパ353の坪量は、20g/m~25g/mの範囲内であり、好ましくは21g/m2である。
【0092】
第4ラッパ354は、PLA合紙で製作されてもよい。ここで、PLA合紙は、紙層、PLA層、および紙層を含む三重紙を意味する。例えば、第4ラッパ354の厚さは、100μm~120μmの範囲内であり、好ましくは110μmである。また、第4ラッパ354の坪量は、80g/m~100g/mの範囲内であり、好ましくは88g/mである。
【0093】
第5ラッパ355は、滅菌紙(MFW)で製作されてもよい。ここで、滅菌紙(MFW)は、引張強度、耐水度、平滑度などが一般紙よりも増進されるように特殊製造された紙を意味する。例えば、第5ラッパ355の坪量は、57g/m~63g/mの範囲内であり、好ましくは60g/mである。また、第5ラッパ355の厚さは、64μm~70μmの範囲内であり、好ましくは67μmである。
【0094】
第5ラッパ355には、所定の物質が内添されてもよい。ここで、所定の物質の例としては、シリコーンが該当するが、これに限定されない。例えば、シリコーンは、温度による変化が少ない耐熱性、酸化されない耐酸化性、各種薬品に対する抵抗性、水に対する撥水性、または電気絶縁性などの特性を有する。但し、シリコーンでなくても、上述した特性を有する物質であれば制限なしに第5ラッパ355に塗布(または、コーティング)してもよい。
【0095】
前端プラグ33は、セルロースアセテートで製作されてもよい。一例として、前端プラグ33は、セルロースアセテートトウに可塑剤(例えば、トリアセチン)を加えて製作される。セルロースアセテートトウを構成するフィラメントのモノデニール(mono denier)は、1.0~10.0の範囲内であり、好ましくは4.0~6.0の範囲内である。より好ましくは、前端プラグ33のフィラメントのモノデニールは、5.0である。また、前端プラグ33を構成するフィラメントの断面はY字状であってもよい。前端プラグ33のトータルデニール(total denier)は、20000~30000の範囲内であり、好ましくは25000~30000の範囲内である。より好ましくは、前端プラグ33のトータルデニールは、28000である。
【0096】
また、必要に応じて、前端プラグ33は少なくとも1つのチャネルを含んでもよく、チャネルの断面形状は、多様に製作される。
【0097】
タバコロッド31は、図4を参照して上述したタバコロッド21と対応する。よって、以下では、タバコロッド31に対する具体的な説明は省略する。
【0098】
第1セグメント321は、セルロースアセテートで製作されてもよい。例えば、第1セグメントは、内部に中空を有するチューブ状の構造物であってもよい。第1セグメント321は、セルロースアセテートトウに可塑剤(例えば、トリアセチン)を加えて製作されてもよい。例えば、第1セグメント321のモノデニールおよびトータルデニールは、前端プラグ33のモノデニールおよびトータルデニールと同一である。
【0099】
第2セグメント322は、セルロースアセテートで製作されてもよい。第2セグメント322を構成するフィラメントのモノデニール(mono denier)は、1.0~10.0の範囲内であり、好ましくは8.0~10.0の範囲内である。より好ましくは、第2セグメント322のフィラメントのモノデニールは、9.0である。また、第2セグメント322のフィラメントの断面はY字状であってもよい。第2セグメント322のトータルデニール(total denier)は、20000~30000の範囲内であり、好ましくは25000である。
【0100】
図6は、一実施形態によるエアロゾル発生装置400のブロック図である。
【0101】
エアロゾル発生装置400は、制御部410、検出部420、出力部430、バッテリ440、ヒータ450、ユーザ入力部460、メモリ470、および通信部480を含む。但し、エアロゾル発生装置400の内部構造は、図6に示されたものに制限されない。すなわち、エアロゾル発生装置400の設計により、図6に示された構成の一部が省略され、または新しい構成がさらに加えられてもよいことは本実施形態に係る技術分野における通常の知識を有する者であれば理解できるであろう。
【0102】
検出部420は、エアロゾル発生装置400の状態またはエアロゾル発生装置400の周辺の状態を検出し、検出された情報を制御部410に伝達する。制御部410は、前記検出された情報に基づいて、ヒータ450の動作制御、喫煙の制限、エアロゾル発生物品(例えば、シガレット、カートリッジなど)の挿入有無の判断、報知表示などのような様々な機能が行われるようにエアロゾル発生装置400を制御する。
【0103】
検出部420は、温度センサ422、挿入検出センサ424、およびパフセンサ426の少なくとも1つを含むが、これに限定されない。
【0104】
温度センサ422は、ヒータ450(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を検出する。エアロゾル発生装置400は、ヒータ450の温度を検出する別途の温度センサを含むか、ヒータ450そのものが温度センサの役割をする。または、温度センサ422は、バッテリ440の温度をモニタリングするようにバッテリ440の周りに配置されたものであってもよい。
【0105】
挿入検出センサ424は、エアロゾル発生物品の挿入および/または除去を検出する。例えば、挿入検出センサ424は、フィルムセンサ、圧力センサ、光センサ、抵抗性センサ、容量性センサ、誘導性センサ、および赤外線センサの少なくとも1つを含み、エアロゾル発生物品の挿入および/または除去による信号変化を検出する。
【0106】
パフセンサ426は、気流通路または気流チャネルの様々な物理的変化に基づいてユーザのパフを検出する。例えば、パフセンサ426は、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化、および圧力変化のいずれか1つに基づいてユーザのパフを検出する。
【0107】
検出部420は、前述のセンサ422~426の他に、温/湿度センサ、気圧センサ、地磁気センサ(magnetic sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロスコープセンサ、位置センサ(例えば、GPS)、近接センサ、およびRGBセンサ(illuminance sensor)の少なくとも1つをさらに含んでもよい。各センサの機能は、その名称から通常の技術者が直観的に推論することができるので、具体的な説明は省略される。
【0108】
出力部430は、エアロゾル発生装置400の状態に関する情報を出力してユーザに提供する。出力部430は、ディスプレイ部432、ハプティック部434および音響出力部436の少なくとも1つを含むが、これに限定されない。ディスプレイ部432とタッチパッドがレイヤ構造を成してタッチスクリーンとして構成される場合、ディスプレイ部432は、出力装置だけでなく、入力装置としても使用される。
【0109】
ディスプレイ部432は、エアロゾル発生装置400に関する情報をユーザに視覚的に提供する。例えば、エアロゾル発生装置400に関する情報は、エアロゾル発生装置400のバッテリ440の充電/放電状態、ヒータ450の予熱状態、エアロゾル発生物品の挿入/除去状態、またはエアロゾル発生装置400の使用が制限される状態(例えば、異常物品の検出)などの様々な情報を意味し、ディスプレイ部432は、前記情報を外部に出力する。ディスプレイ部432は、例えば、液晶ディスプレイパネル(LCD)、有機発光ディスプレイパネル(OLED)などである。また、ディスプレイ部432は、LED発光素子の形態であってもよい。
【0110】
ハプティック部434は、電気的信号を機械的刺激または電気的刺激に変換してエアロゾル発生装置400に関する情報をユーザに触覚的に提供する。例えば、ハプティック部434は、モータ、圧電素子、または電気刺激装置を含む。
【0111】
音響出力部436は、エアロゾル発生装置400に関する情報をユーザに聴覚的に提供する。例えば、音響出力部436は、電気信号を音響信号に変換して外部に出力する。
【0112】
バッテリ440は、エアロゾル発生装置400の動作に用いられる電力を供給する。バッテリ440は、ヒータ450が加熱されるように電力を供給する。また、バッテリ440は、エアロゾル発生装置400内に備えられた他の構成(例えば、検出部420、出力部430、ユーザ入力部460、メモリ470、および通信部480)の動作に必要な電力を供給する。バッテリ440は、充電可能なバッテリ、または使い捨てバッテリである。例えば、バッテリ440は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリであるが、これに限定されない。
【0113】
ヒータ450は、バッテリ440から電力を供給されてエアロゾル生成物質を加熱する。図6には示されていないが、エアロゾル発生装置400は、バッテリ440の電力を変換してヒータ450に供給する電力変換回路(例えば、DC/DC コンバータ)をさらに含んでもよい。また、エアロゾル発生装置400が誘導加熱方式でエアロゾルを生成する場合、エアロゾル発生装置400は、バッテリ440の直流電源を交流電源に変換するDC/ACコンバータをさらに含んでもよい。
【0114】
制御部410、検出部420、出力部430、ユーザ入力部460、メモリ470、および通信部480は、バッテリ440から電力を供給されて機能する。図6には示されていないが、バッテリ440の電力を変換してそれぞれの構成要素に供給する電力変換回路、例えばLDO(low dropout)回路または電圧レギュレータ回路をさらに含んでもよい。
【0115】
一実施形態において、ヒータ450は、任意の適合の電気抵抗性物質で形成される。例えば、適合の電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金であるが、これに限定されない。また、ヒータ450は、金属熱線(wire)、電気伝導性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などで具現されるが、これに限定されない。
【0116】
一実施形態において、ヒータ450は、誘導加熱方式のヒータであってもよい。例えば、ヒータ450は、コイルにより印加された磁場を通じて発熱して、エアロゾル生成物質を加熱するサセプタを含んでもよい。
【0117】
一実施形態において、ヒータ450は、複数のヒータを含んでもよい。例えば、ヒータ450は、エアロゾル発生物品を加熱するための第1ヒータおよび液状を加熱するための第2ヒータを含んでもよい。
【0118】
ユーザ入力部460は、ユーザから入力された情報を受信し、ユーザに情報を出力する。例えば、ユーザ入力部460は、キーバッド(key pad)、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(接触式静電容量方式、圧力式抵抗膜方式、赤外線検出方式、表面超音波伝導方式、積分式張力測定方式、ピエゾ効果方式など)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどがあるが、これに限定されない。また、図6には示されていないが、エアロゾル発生装置400は、USB(universal serial bus)インターフェースなどのような連結インターフェース(connection interface)をさらに含み、USBインターフェースなどのような連結インターフェースを通じて他の外部装置と連結して情報を送受信し、バッテリ440を充電することができる。
【0119】
メモリ470は、エアロゾル発生装置400内で処理される各種のデータを保存するハードウェアであって、制御部410で処理されたデータおよび処理されるデータを保存する。メモリ470は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SDまたはXDメモリなど)、RAM(random access memory)、SRAM(static random access memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、PROM(programmable read-only memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクの少なくとも1つのタイプの保存媒体を含む。メモリ470は、エアロゾル発生装置400の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、およびユーザの喫煙パターンに関するデータなどを保存する。
【0120】
通信部480は、他の電子装置との通信のための少なくとも1つの構成要素を含む。例えば、通信部480は、近距離通信部482と無線通信部484を含む。
【0121】
近距離通信部(short-range wireless communication unit)482は、ブルートゥース(登録商標)通信部、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信部、近距離無線通信部(Near Field Communication unit)、WLAN(ワイファイ)通信部、ジグビー(Zigbee(登録商標))通信部、赤外線(IrDA、infrared Data Association)通信部、WFD(Wi-Fi Direct)通信部、UWB(ultra-wideband)通信部、Ant+通信部などを含むが、これに限定されない。
【0122】
無線通信部484は、セルラーネットワーク通信部、インターネット通信部、コンピュータネットワーク(例えば、LANまたはWAN)通信部などを含むが、これに限定されない。無線通信部484は、加入者情報(例えば、国際モバイル加入者識別子(IMSI)を用いて通信ネットワーク内でエアロゾル発生装置400を確認および認証することもできる。
【0123】
制御部410は、エアロゾル発生装置400の全般的な動作を制御する。一実施形態において、制御部410は、少なくとも1つのプロセッサを含でもよい。プロセッサは、複数の論理ゲートのアレイで具現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとこのマイクロプロセッサで実行できるプログラムが保存されたメモリの組み合わせで具現されてもよい。また、他の形態のハードウェアで具現されてもよいことが、本実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば理解できるであろう。
【0124】
制御部410は、バッテリ440の電力をヒータ450に供給することを制御することによりヒータ450の温度を制御する。例えば、制御部410は、バッテリ440とヒータ450との間のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより電力供給を制御する。他の例において、制御部410の制御命令に従って、加熱直接回路がヒータ450への電力供給を制御することもできる。
【0125】
制御部410は、検出部420によって検出された結果を分析し、以後行われる処理を制御する。例えば、制御部410は、検出部420によって検出された結果に基づいて、ヒータ450の動作が開始または終了するようにヒータ450に供給される電力を制御する。他の例としては、制御部410は、検出部420によって検出された結果に基づいて、ヒータ450が所定の温度まで加熱されるか、または適切な温度を維持するように、ヒータ450に供給される電力の量および電力が供給される時間を制御する。
【0126】
制御部410は、検出部420によって検出された結果に基づいて出力部430を制御する。例えば、パフセンサ426を通じてカウントされたパフ回数が、既設定された回数に到逹すると、制御部410は、ディスプレイ部432、ハプティック部434、および音響出力部436の少なくとも1つを通じてユーザにエアロゾル発生装置400がすぐに終了することを予告することができる。
【0127】
一実施形態において、制御部410は、検出部420によって検出されたエアロゾル発生物品の状態により、ヒータ450への電力供給時間および/または電力供給量を制御してもよい。例えば、エアロゾル発生物品が加湿状態である場合に、制御部410は誘導コイルへの電力供給時間を制御して、エアロゾル発生物品が一般的な状態である場合よりも予熱時間を増加させることができる。
【0128】
一実施形態は、コンピュータにより実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータで実行可能な命令語を含む記録媒体の形でも具現される。コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータによってアクセスすることができる任意の可用媒体であってもよく、揮発性および非揮発性媒体、分離型および非分離型媒体をすべて含む。また、コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータ保存媒体および通信媒体をすべて含み得る。コンピュータ保存媒体は、コンピュータ読取り可能な命令語、データ構造、プログラムモジュールまたはその他データのような情報の保存のための任意の方法、または技術で具現された揮発性および非揮発性、分離型および非分離媒体をすべて含む。通信媒体は、典型的にコンピュータ読取り可能な命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他送信メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0129】
図7図12は、一実施形態による発熱体の製造方法を示した図である。発熱体を製造する動作の順序は、本文書で説明される手順に限定されず、動作の間に少なくとも1つの追加の動作が含まれるか、説明された動作のいずれか1つの動作が省略されるか、または一部の動作の手順が変わることもある。
【0130】
図7を参照すると、発熱体550を製造するための方法は、基板551を提供する動作を含む。基板551は、互いに逆になる面を有するプレート形状を有してもよい。基板551の少なくとも1つの面は、実質的にフラットな面で形成されてもよい。
【0131】
一実施形態において、基板551は、様々な材質で形成されてもよい。例えば、基板551は、ガラス、シリコン(Si)、シリコンオキシド(SiO2)、サファイア、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートおよび/またはその他の熱伝導に適合な任意の材質で形成される。ある実施形態において、基板551は、ガラス、シリコン(Si)、シリコンオキシド(SiO2)、およびサファイアのいずれか1つ、またはこれらの組み合わせで形成される。ある実施形態において、基板551は、相対的に低い熱伝達係数を有する材質を含む。これで、基板551上の一部領域に局所的に熱が伝達されるようにすることができる。
【0132】
一実施形態において、基板551は、電気伝導性を示してもよい。一実施形態において、基板551は電気絶縁性を示してもよい。
【0133】
一実施形態において、基板551は、発熱体550が配置される環境での使用に適合な任意の熱伝導率を有する材質で形成されてもよい。例えば、基板551は、1barの圧力および25℃の温度で、約0.6W/mK以下、約1W/mK~約2W/mK、約2W/mK~約5W/mK、約5W/mK~約10W/mK、約10W/mK~約100W/mK、約100W/mK~約200W/mKの熱伝導率を有する。ある実施形態において、基板551は、1barの圧力および25℃の温度で、約0.6W/mK以下、約1.3W/mK、約148W/mK、または約46.06W/mKの熱伝導率を有する。
【0134】
図8を参照すると、発熱体550を製造するための方法は、基板551の一面(例えば、図8で上面)に分離壁552を形成する動作を含む。分離壁552は、複数の柱を含む。複数の柱は、基板551の第1長さ方向(例えば、水平方向)におよび/または第1長さ方向に交差する第2長さ方向(例えば、垂直方向)に互いに離隔して配列される。
【0135】
一実施形態において、複数の柱は、任意の適合な方式で基板551上に蒸着して形成される。例えば、複数の柱は、物理気相蒸着(physical vapor deposition)、化学気相蒸着(chemical vapor deposition)、原子層蒸着(atomic layer deposition)、および/またはその他任意の適合な方式で蒸着される。
【0136】
一実施形態において、複数の柱は、基板551の一面上に材料を配置し、配置された材料をエッチングすることで形成される。
【0137】
一実施形態において、複数の柱は、円形または楕円形のシリンダの形状を含む。一実施形態において、複数の柱は、多角形のシリンダの形状も含む。
【0138】
一実施形態において、複数の柱は、耐熱性材料を含む。複数の柱の形は、相対的に高い温度環境(例えば、約200℃の温度)でも実質的に変わらない。
【0139】
一実施形態において、複数の柱は、基板551の一面から突出する。複数の柱の突出長さ(例えば、高さ)は、約20nm以下、約15nm以下、または約10nm以下である。複数の柱の突出長さは、約2nm以上、約5nm以上、または約10nm以上である。
【0140】
一実施形態において、複数の柱は、基板551に固定されている。一実施形態において、複数の柱は、基板551から除去されるように基板551に配置されている。
【0141】
図9を参照すると、発熱体550を製造するための方法は、分離壁552を含む基板551の一面上に金属レイヤ553を形成する動作を含む。
【0142】
一実施形態において、金属レイヤ553は、基板551の一面上に金属粒子を塗布することで形成されている。例えば、金属粒子は、スパッタリング、イオンビーム蒸着、熱蒸着、化学的蒸着、プラズマ蒸着および/またはその他任意の適合な蒸着方式で蒸着される。
【0143】
一実施形態において、金属レイヤ553は、基板551の一面上にフィルムを配置することで形成される。
【0144】
一実施形態において、金属レイヤ553は、特定の波長帯域(例えば、可視光線波長帯域、すなわち約380nm~約780nm)の光と相互作用して熱の発生に適合な任意の材質で形成される。例えば、金属レイヤ553は、金、銀、銅、パラジウムおよび白金の少なくとも1つまたはこれらの組み合わせを含む。
【0145】
一実施形態において、金属レイヤ553は、平均最大吸光度を有する金属材質で形成される。ここで、平均最大吸光度は、特定の波長帯域による実質的にピークを有する吸光度に規定される。前記吸光度に対応する特定の波長帯域は、金属粒子が共鳴する波長帯域と理解される。例えば、金属粒子は、約430nm~約450nm、約480nm~約500nm、約490nm~約510nm、約500nm~約520nm、約550nm~約570nm、約600nm~約620nm、約620nm~約640nm、約630nm~約650nm、約640nm~約660nm、約680nm~約700nm、または約700nm~約750nmの波長帯域で平均最大吸光度を有する。
【0146】
一実施形態において、金属レイヤ553の厚さは、約20nm以下である。好ましい実施形態において、金属レイヤ553の厚さは、約10nm以下である。金属レイヤ553を10nmを超える厚さで基板551上に形成する場合、金属レイヤ553によって形成される構造体(例えば、図12の金属粒子P1、P2、P3、P4)で発熱反応が減少されることがある。また、発熱体550の周辺に熱を奪われる可能性が増加し、これにより発熱体550の熱効率が減少されることがある。
【0147】
図10を参照すると、発熱体550を製造するための方法は、基板551上の金属レイヤ553をアニール(annealing)する動作を含む。金属レイヤ553をアニールすると、隣接した金属セグメントS1、S2、S3、S4の間に境界B(例えば、グレーンバウンドリ(grain boundary))が形成されることになる。
【0148】
一実施形態において、金属レイヤ553をアニールする動作で、金属レイヤ553の加熱温度は、約150℃以上、約160℃以上、約170℃以上、約180℃以上、約190℃以上、約200℃以上、約210℃以上、約220℃以上、約230℃以上、または約240℃以上である。
【0149】
図11を参照すると、基板551上の複数の金属セグメントS1、S2、S3、S4は、分離壁552を基準で変形される。アニール環境で、フラックス(flux)は、分離壁552を基準でいずれか1つの側に配置された隣接した金属セグメントS1、S2、S3、S4に印加され、複数の金属セグメントS1、S2、S3、S4のデウェッティング(dewetting)が誘発されることになる。
【0150】
図12を参照すると、アニール環境で、デウェッティングにより基板551上に複数の金属粒子P1、P2、P3、P4が形成される。複数の金属粒子P1、P2、P3、P4は、境界Bに対応する分離壁552によって分離される。
【0151】
複数の金属粒子P1、P2、P3、P4は、ランダムな大きさを有する。複数の金属粒子P1、P2、P3、P4のうちいずれか1つの金属粒子の大きさは、他の1つの金属粒子とは異なる大きさであってもよい。
【0152】
複数の金属粒子P1、P2、P3、P4は、ナノスケールの大きさを有する。例えば、複数の金属粒子P1、P2、P3、P4は、約1μm以下の平均最大直径の範囲内でランダムな大きさを有する。ある実施形態において、複数の金属粒子P1、P2、P3、P4は、約700nm以下、約600nm以下、約500nm以下、約400nm以下、約300nm以下、約200nm以下、約150nm以下、または約100nm以下の平均最大直径の範囲内のランダムな大きさを有する。
【0153】
複数の金属粒子P1、P2、P3、P4は、分離壁552を超えて共に結合しなくてもよい。例えば、相対的に高い温度環境で、分離壁552は、隣接した金属粒子P1、P2、P3、P4の結合を減少または防止することができる。
【0154】
図13は、様々なアニール温度で製造された発熱体の光源の出力による昇温を比較したグラフである。
【0155】
図13を参照すると、光源(例えば、レーザ)の出力に対する様々な発熱体の昇温を比較したグラフが示される。第1発熱体H1は、金材質のフィルムを約160℃の温度でアニールすることで形成された複数の金属粒子を含む。第2発熱体H2は、金材質のフィルムを約180℃の温度でアニールすることで形成された複数の金属粒子を含む。第3発熱体H3は、金材質のフィルムを約200℃の温度でアニールすることで形成された複数の金属粒子を含む。それぞれの発熱体H1、H2、H3に発光される光の出力を増加させることにより、発熱体H1、H2、H3は類似した昇温結果を示した。発熱体H1、H2、H3はいずれも約910mWのレーザ出力で約320℃のターゲット温度を達成した。
【0156】
図14は、様々なアニール温度で製造された発熱体の波長による吸光度を比較したグラフである。
【0157】
図14を参照すると、光源(例えば、レーザ)が発光する光の波長による様々な発熱体の吸光度を比較したグラフが示される。比較対象発熱体H0は、金材質のフィルムをアニールしていない構造を含む。他の実験対象発熱体H1、H2、H3、H4、H5は、それぞれ金材質のフィルムを約160℃、約180℃、約200℃、約220℃、および約240℃の温度でアニールすることで形成されたランダムな大きさを有する複数の金属粒子を含む。実験対象発熱体H1、H2、H3、H4、H5のうち、約240℃の温度でアニールした発熱体H5は、約640nmの波長でピーク吸光度を示す一方、他の実験対象発熱体H1、H2、H3、H4は、波長が増加するほど概ね増加する吸光度を示した。一方、アニールしていない比較対象発熱体H0は、波長が増加するほど吸光度の増加幅が実験対象発熱体よりも大きかった。
【0158】
図15は、一実施形態による発熱体の平面図である。
【0159】
図15を参照すると、発熱体650は、基板651、ランダムな大きさを有する複数の金属粒子P、および複数の金属粒子Pを区画する分離壁G1、G2を含む。分離壁G1、G2は、基板651上にグリッドを形成している。例えば、分離壁G1、G2は、基板651の第1方向(例えば、+/-X方向)に延び、第1方向に交差する第2方向(例えば、+/-Y方向)に配列された複数の第1パーティションG1、および基板651の第2方向に延び、第1方向に配列された複数の第2パーティションG2を含んでいる。複数の第1パーティションG1および複数の第2パーティションG2は、例えば発熱体650が高温環境にあるとき、複数の金属粒子Pが結合することを減少または防止する。
【0160】
図16は、一実施形態によるエアロゾル発生装置を示す図面である。
【0161】
図16を参照すると、エアロゾル発生装置700は、エアロゾル発生物品(例えば、エアロゾル発生物品2、3)を加熱するように構成された少なくとも1つの発熱体750(例えば、ヒータ13、450、および/または発熱体550、650)、および少なくとも1つの発熱体750に向けて発光するように構成された少なくとも1つの光源755を含んでいる。一方、図16には、エアロゾル発生装置700に発熱体750、および/または光源755を制御するように構成された制御部710、および制御部710に電気エネルギーを供給するように構成されたバッテリ740が含まれているが、他の構成要素が含まれ、または省略されてもよい。
【0162】
一実施形態において、エアロゾル発生装置700は、単一の発熱体750を含んでもよい。発熱体750は、エアロゾル発生物品が位置される空洞を少なくとも部分的に囲んでいる。発熱体750は、例えば基板551、651が、少なくとも部分的に曲面が形成された構造を有している。
【0163】
一実施形態において、エアロゾル発生装置700は、複数の発熱体750を含んでもよい。複数の発熱体750は、エアロゾル発生物品が位置される空洞を基準に互いに異なる部分に位置されている。複数の発熱体750に含まれた金属プリズムの金属材料は、同一、または異なってもよい。
【0164】
一実施形態において、光源755は、発熱体750に向けて決められた角度で光信号を送信するように構成されてもよい。例えば、光源755は、発熱体750の表面で全反射が起きる角度で光信号を送信してもよい。一実施形態において、光源755は、発熱体750に向けて任意の角度で光信号を送信してもよい。
【0165】
一実施形態において、光源755は、紫外線帯域、可視光線帯域および/または赤外線帯域の光を送信するように構成されてもよい。ある実施形態において、光源755は、可視光線帯域(例えば、約380nm~約780nm)の光を送信するように構成される。
【0166】
ある実施形態において、光源755は、金属粒子の材質に対応する帯域の光を送信するように構成されてもよい。例えば、光源755は、金属粒子の材質による平均最大吸光度に対応する波長帯域の光を送信する。
【0167】
一実施形態において、光源755は、発光ダイオードおよび/またはレーザを含んでもよい。発光ダイオードおよび/またはレーザは、エアロゾル発生装置700に含まれるのに適合な種類および/または大きさを有している。一例として、レーザは、固体状態のレーザおよび/または半導体レーザを含んでもよい。
【0168】
一実施形態において、エアロゾル発生装置700は、複数の光源755を含んでもよい。複数の光源755は、同一のタイプの光源で具現される。一実施形態において、複数の光源755の少なくとも一部は、異なるタイプの光源で具現されてもよい。
【0169】
一実施形態において、複数の光源(755)の少なくとも1つの光源755は、発熱体750の一部を照射するように構成されてもよい。
【0170】
一実施形態において、複数の光源755のいずれか1つの光源755が照射する発熱体750の部分は、他の1つの光源755が照射する発熱体750の部分と異なってもよい。例えば、複数の光源755は、単一の発熱体750の互いに異なる部分を照射し、または複数の発熱体750をそれぞれ照射する。
【0171】
一実施形態において、複数の光源755は、実質的に同時に照射するように構成されてもよい。一実施形態において、複数の光源755のいずれか1つの光源755の照射時点は、他の1つの光源755の照射時点と異なってもよい。
【0172】
一実施形態において、複数の光源755は、実質的に同一の時間に発熱体750を照射してもよい。一実施形態において、複数の光源755のいずれか1つの光源755の照射時間は、他の1つの光源755の照射時間と異なってもよい。
【0173】
一実施形態において、複数の光源755は、実質的に同一の波長帯域の光を送信してもよい。一実施形態において、複数の光源755のいずれか1つの光源755が照射する光の帯域は、他の1つの光源755が照射する光の帯域と異なってもよい。
【0174】
一実施形態において、複数の光源755は、実質的に同一の照度で発熱体750を照射してもよい。一実施形態において、複数の光源755のいずれか1つの光源755の照度は、他の1つの光源755の照度と異なってもよい。
【0175】
本明細書の実施形態は例示にすぎず、制限的ではないように意図される。添付の請求の範囲およびこれの等価物を含み、本開示の詳細な事項の様々な変更があり得る。ここで説明された実施形態の任意の実施形態は、ここに説明された任意の他の実施形態と結合して使用されることがある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】