(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240702BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240702BHJP
H10K 50/824 20230101ALI20240702BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20240702BHJP
H10K 71/20 20230101ALI20240702BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20240702BHJP
【FI】
G09F9/30 348A
G09F9/30 338
G09F9/30 365
G09F9/00 338
H10K50/824
H10K59/122
H10K71/20
H10K59/124
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577717
(86)(22)【出願日】2022-04-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 KR2022005214
(87)【国際公開番号】W WO2022265208
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0078068
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】イ,セ ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム,テ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ジ ファン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ホ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ピョ,サン ウ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ジェ フン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC33
3K107CC45
3K107DD37
3K107DD89
3K107DD90
3K107DD95
3K107FF15
3K107GG14
5C094AA32
5C094AA43
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA15
5C094DB01
5C094FA01
5C094FA02
5C094FA03
5C094FB01
5C094FB02
5C094FB15
5C094HA01
5C094HA08
5C094JA08
5G435AA14
5G435AA17
5G435BB05
5G435CC09
5G435KK10
5G435LL04
5G435LL08
5G435LL19
(57)【要約】
本発明の一実施形態は、基板と、基板上に配置されて開口を有する有機絶縁層と、有機絶縁層上の第1電極と、有機絶縁層上に配置され、第1部分が有機絶縁層の開口に重畳する補助電極と、第1電極と重畳する第1バンク開口、及び、補助電極の第1部分と重畳する第2バンク開口が画定(定義)されたバンク層と、第1電極及び補助電極上に位置して補助電極の一部を露出させるホールを含む中間層と、第1電極及び補助電極と重畳するように中間層上に配置され、中間層のホールを介して補助電極と接触する第2電極と、を含み、平面視において、中間層のホールは、有機絶縁層の開口と部分的にしか重畳せずに第2バンク開口内に位置する表示装置を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置され、開口を有する有機絶縁層と、
前記有機絶縁層上の第1電極と、
前記有機絶縁層上に配置され、前記有機絶縁層の前記開口に重畳する第1部分を含む補助電極と、
前記第1電極と重畳する第1バンク開口、及び、前記補助電極の前記第1部分と重畳する第2バンク開口を有するバンク層と、
前記第1電極及び前記補助電極上に位置し、前記補助電極の一部を露出させるホールを含む中間層と、
前記第1電極及び前記補助電極と重畳するように前記中間層上に配置され、前記中間層の前記ホールを通じて前記補助電極と接触する第2電極と、を含み、
平面視において、前記中間層の前記ホールは、前記有機絶縁層の前記開口と部分的にしか重畳せず、前記第2バンク開口内に位置する表示装置。
【請求項2】
平面視において、前記中間層の前記ホールの一部は、前記有機絶縁層の前記開口に位置し、前記中間層の前記ホールの残りの部分は、前記有機絶縁層の前記開口の輪郭線と、前記第2バンク開口の輪郭線との間に位置する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記有機絶縁層は、前記開口に隣接した傾斜面を含み、
前記第2電極と前記補助電極との接触領域の一部は、前記有機絶縁層の前記傾斜面上に位置する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記中間層の前記ホールの中心は、平面視において、前記有機絶縁層の前記開口内に位置する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記中間層の前記ホールの中心は、前記有機絶縁層の前記開口を画定(定義)する前記有機絶縁層の内側エッジから約1μm以上離隔された、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記基板上に配置され、一方向に延びた共通電圧ラインと、
前記共通電圧ラインと重畳するのであって、前記共通電圧ラインとの間に介在された少なくとも1つの絶縁層に画定(定義)されたコンタクトホールを通じて、前記共通電圧ラインと電気的に連結された補助共通電圧ラインと、をさらに含み、
前記補助共通電圧ライン及び前記共通電圧ラインは、前記有機絶縁層の前記開口と重畳する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記補助共通電圧ラインの上面と直接に接触する無機絶縁層をさらに含む、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記補助電極の前記第1部分は、
前記有機絶縁層の開口に重畳し、前記有機絶縁層の前記開口より広い幅を有し、
前記補助電極は、
前記第1部分と一体に形成され、前記第1部分より狭い幅の第2部分を含み、
前記補助電極の前記第2部分は、前記有機絶縁層及び前記無機絶縁層を貫通するコンタクトホールを通じて、前記補助共通電圧ラインに電気的に連結された、請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記中間層は、発光層を含み、前記中間層のホールは、前記発光層を貫通するホールを含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
基板上に開口を有する有機絶縁層を形成する工程と、
前記有機絶縁層上の第1電極を形成する工程と、
第1部分が前記有機絶縁層の前記開口に重畳する補助電極を前記有機絶縁層上に形成する工程と、
前記第1電極と重畳する第1バンク開口、及び前記補助電極の前記第1部分と重畳する第2バンク開口を有するバンク層を形成する工程と、
前記第1電極及び前記補助電極上に位置するように中間層を形成する工程と、
前記中間層に前記補助電極の一部を露出させるホールを形成する工程と、
前記中間層の前記ホールを通じて前記補助電極と接触するように、前記中間層上に第2電極を形成する工程と、を含み、
平面視において、前記中間層の前記ホールは、前記有機絶縁層の前記開口と部分的にしか重畳せずに前記第2バンク開口内に位置する、表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記ホールを形成する工程は、前記中間層上にレーザビームを照射する工程を含み、
前記レーザビームの一部は、平面視において、前記有機絶縁層の前記開口の輪郭線と、前記第2バンク開口の輪郭線ととの間に位置する、請求項10に記載の表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記レーザビームの中心は、前記第2バンク開口内に位置する、請求項11に記載の表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記中間層の前記ホールの中心は、前記有機絶縁層の前記開口を画定(定義)する前記有機絶縁層の内側エッジから約1μm以上離隔された、請求項10に記載の表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記有機絶縁層は、前記開口に隣接した傾斜面を含み、
前記第2電極を形成する工程において、前記第2電極と前記補助電極との接触領域の一部は、前記有機絶縁層の前記傾斜面上に位置する、請求項10に記載の表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記補助電極の前記第1部分は、
前記有機絶縁層の開口に重畳し、前記有機絶縁層の前記開口より広い幅を有し、
前記補助電極は、
前記第1部分と一体に形成され、前記第1部分より狭い幅の第2部分を含む、請求項10に記載の表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記基板上に配置され、一方向に延びた共通電圧ラインを形成する工程と、
前記共通電圧ラインと重畳し、前記共通電圧ラインとの間に介在された少なくとも1つの絶縁層に画定(定義)された、コンタクトホールを通じて、前記共通電圧ラインと電気的に連結された補助共通電圧ラインを形成する工程と、をさらに含み、
前記補助共通電圧ライン及び前記共通電圧ラインは、前記有機絶縁層の前記開口と重畳する、請求項15に記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記補助共通電圧ライン上の無機絶縁層を形成する工程をさらに含む、請求項16に記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記補助電極の前記第2部分が前記補助共通電圧ラインに電気的に連結されるように、前記有機絶縁層及び前記無機絶縁層を貫通するコンタクトホールを形成する工程をさらに含む、請求項17に記載の表示装置の製造方法。
【請求項19】
平面視において、前記有機絶縁層の前記開口のアウトラインの一部は、前記中間層の前記ホールに重畳する、請求項10に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記中間層を形成する工程は、前記第1電極及び前記補助電極と重畳するように発光層を形成する工程を含み、
前記ホールを形成する工程は、前記発光層を貫通するホールを形成する工程を含む、請求項10に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種電気的信号情報を視覚的に表現する表示分野が急速に発展することにより、薄型化、軽量化、省エネ化などの優秀な特性を有する多様な表示装置が紹介されている。
【0003】
表示装置は、自発光せず、バックライトの光を用いる液晶表示装置、または自発光可能な表示要素を含む自発光表示装置を含みうる。自発光表示装置は、発光層を含む表示要素を含みうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、表示装置及びその製造方法に係り、さらに具体的に、発光表示装置に係わる構造と方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、基板;前記基板上に配置され、開口を有する有機絶縁層;前記有機絶縁層上の第1電極;前記有機絶縁層上に配置されるが、第1部分が前記有機絶縁層の前記開口に重畳する補助電極;前記第1電極と重畳する第1バンク開口、及び前記補助電極の前記第1部分と重畳する第2バンク開口が画定(定義)されたバンク層;前記第1電極及び前記補助電極上に位置し、前記補助電極の一部を露出させるホールを含む中間層;及び前記第1電極及び前記補助電極と重畳するように前記中間層上に配置され、前記中間層の前記ホールを通じて前記補助電極と接触する第2電極;を含み、平面視において、前記中間層の前記ホールは、前記有機絶縁層の前記開口と部分的にしか重畳せず、前記第2バンク開口内に位置する表示装置を開示する。
【0006】
平面視において、前記中間層の前記ホールの一部は、前記有機絶縁層の前記開口に位置し、前記中間層の前記ホールの残りの部分は、前記有機絶縁層の前記開口の輪郭線と前記第2バンク開口の輪郭線との間に位置しうる。
【0007】
前記有機絶縁層は、前記開口に隣接した傾斜面を含み、前記第2電極と前記補助電極との接触領域の一部は、前記有機絶縁層の前記傾斜面上に位置しうる。
【0008】
前記中間層の前記ホールの中心は、平面視において、前記有機絶縁層の前記開口内に位置しうる。
【0009】
前記中間層の前記ホールの中心は、前記有機絶縁層の前記開口を画定(定義)する前記有機絶縁層の内側エッジから約1μm以上離隔されうる。
【0010】
前記基板上に配置され、一方向に延びた共通電圧ライン、及び、前記共通電圧ラインと重畳するのであり、前記共通電圧ラインとの間に介在された少なくとも1つの絶縁層に画定(定義)されたコンタクトホールを通じて、前記共通電圧ラインと電気的に連結された補助共通電圧ラインを含み、前記補助共通電圧ライン及び前記共通電圧ラインは、前記有機絶縁層の前記開口と重畳しうる。
【0011】
前記補助共通電圧ラインの上面と直接接触する無機絶縁層をさらに含みうる。
【0012】
前記補助電極は、前記有機絶縁層の開口に重畳するのであり、前記開口より広い幅を有する前記第1部分、及び、前記第1部分と一体に形成され、前記第1部分より狭い幅の第2部分を含み、前記補助電極の前記第2部分は、前記有機絶縁層及び前記無機絶縁層を貫通するコンタクトホールを通じて前記補助共通電圧ラインに電気的に連結されうる。
【0013】
前記中間層は、発光層を含み、前記中間層のホールは、前記発光層を貫通するホールを含みうる。
【0014】
本発明の他の実施形態は、基板上に開口を有する有機絶縁層を形成する工程;前記有機絶縁層上の第1電極を形成する工程;第1部分が前記有機絶縁層の前記開口に重畳する補助電極を前記有機絶縁層上に形成する工程;前記第1電極と重畳する第1バンク開口、及び前記補助電極の前記第1部分と重畳する第2バンク開口が画定(定義)されたバンク層を形成する工程;前記第1電極及び前記補助電極の上に位置するように中間層を形成する工程;前記中間層に前記補助電極の一部を露出させるホールを形成する工程;及び、前記中間層の前記ホールを通じて前記補助電極と接触するように、前記中間層上に第2電極を形成する工程;を含み、平面視において、前記中間層の前記ホールは、前記有機絶縁層の前記開口と部分的にしか重畳せずに前記第2バンク開口内に位置する表示装置の製造方法を開始する。
【0015】
前記ホールを形成する工程は、前記中間層上にレーザビームを照射する工程を含み、前記レーザビームの一部は、平面視において、前記有機絶縁層の前記開口のアウトラインと前記第2バンク開口のアウトラインとの間に位置しうる。
【0016】
前記レーザビームの中心は、前記第2バンク開口内に位置しうる。
【0017】
前記中間層の前記ホールの中心は、前記有機絶縁層の前記開口を画定(定義)する前記有機絶縁層の内側エッジから約1μm以上離隔されうる。
【0018】
前記有機絶縁層は、前記開口に隣接した傾斜面を含み、前記第2電極を形成する工程において、前記第2電極と前記補助電極との接触領域の一部は、前記有機絶縁層の前記傾斜面上に位置しうる。
【0019】
前記補助電極は、前記有機絶縁層の開口に重畳し、前記開口より広い幅を有する前記第1部分、及び前記第1部分と一体に形成されるが、前記第1部分より狭い幅の第2部分を含みうる。
【0020】
前記基板上に配置され、一方向に延びた共通電圧ラインを形成する工程、及び、前記共通電圧ラインと重畳するのであって、前記共通電圧ラインとの間に介在された少なくとも1つの絶縁層に画定(定義)されたコンタクトホールを通じて前記共通電圧ラインと電気的に連結された補助共通電圧ラインを形成する工程をさらに含み、前記補助共通電圧ライン及び前記共通電圧ラインは、前記有機絶縁層の前記開口と重畳しうる。
【0021】
前記補助共通電圧ライン上の無機絶縁層を形成する工程をさらに含みうる。
【0022】
前記補助電極の前記第2部分が前記補助共通電圧ラインに電気的に連結されるように、前記有機絶縁層及び前記無機絶縁層を貫通するコンタクトホールを形成する工程をさらに含みうる。
【0023】
平面視において、前記有機絶縁層の前記開口のアウトラインの一部は、前記中間層の前記ホールに重畳しうる。
【0024】
前記中間層を形成する工程は、前記第1電極及び前記補助電極と重畳するように発光層を形成する工程を含み、前記ホールを形成する工程は、前記発光層を貫通するホールを形成する工程を含みうる。
【0025】
前述した内容以外の他の側面、特徴、利点が、以下の図面、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明から明確になるであろう。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施形態によれば、中間層のホールを形成するに際して、絶縁層の開口サイズによる工程的制約を減らし、補助電極と補助電極上の第2電極の接触領域の品質を確保することができる。前述した効果は、例示的なものであって、そのような効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による表示装置の各画素を概略的に示す断面図である。
【
図3】
図2の色変換-透過層の各光学部を示す図面である。
【
図4】本発明の一実施形態による表示装置に含まれた発光ダイオード及び発光ダイオードに電気的に連結された画素回路を示す等価回路図である。
【
図5】本発明の一実施形態による表示装置の発光ダイオード及び周辺に配置された配線を示す平面図である。
【
図6】
図5のA-A’線による表示装置の断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による表示装置の共通電圧ラインと補助電極の構造を示す平面図である。
【
図8】
図7のB-B’線による表示装置の断面図である。
【
図9】
図7のC-C’線による表示装置の断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態による表示装置の製造工程による表示装置の断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態による表示装置の製造工程による表示装置の断面図である。
【
図12】本発明の一実施形態による表示装置の製造工程による表示装置の断面図である。
【
図13】本発明の一実施形態による表示装置の製造工程による表示装置の断面図である。
【
図14】本発明の一実施形態による表示装置の製造工程による表示装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、多様な変換を加えることができ、様々な実施形態を有することができるところ、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明において詳細に説明する。本発明の効果及び特徴、そして、それらの達成方法は、図面と共に詳細に後述される実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではなく、多様な形態に具現されうる。
【0029】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明するが、図面を参照して説明するとき、同一であるか、対応する構成要素は、同じ図面符号を付し、それについての重複説明は省略する。
【0030】
以下の実施形態において、第1、第2などの用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的で使用された。
【0031】
以下の実施形態において、単数表現は、文脈上、明白に異なって意味しない限り、複数表現を含む。
【0032】
以下の実施形態において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、または構成要素が存在することを意味するものであり、1つ以上の他の特徴または構成要素の付加可能性を予め排除するものではない。
【0033】
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素などの部分が、他の部分上に、または上部にあるとするとき、他の部分の直上にある場合だけではなく、その中間に他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0034】
図面では、説明の便宜上、構成要素がその大きさが誇張または縮小されうる。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上、任意に示したものなので、本発明が必ずしも図示されたところに限定されない。
【0035】
ある実施形態が異なって具現可能な場合、特定の工程順序は、説明される順序と異なって遂行されうる。例えば、連続して説明される2つの工程が実質的に同時に遂行されてもよく、説明される順序と逆順にも行われる。
【0036】
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素などが連結されたとするとき、膜、領域、構成要素が直接連結された場合だけではなく、膜、領域、構成要素の中間に他の膜、領域、構成要素が介在されて間接的に連結された場合も含む。例えば、本明細書において、膜、領域、構成要素などが電気的に連結されたとするとき、膜、領域、構成要素などが直接電気的に連結された場合だけではなく、その中間に他の膜、領域、構成要素などが介在されて間接的に電気的連結された場合も含む。
【0037】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示す斜視図である。
【0038】
図1を参照すれば、表示装置DVは、表示領域DA及び表示領域DA外側の非表示領域NDAを含みうる。表示装置DVは、表示領域DAにx-y平面上で2次元的に配列された複数の画素アレイを介してイメージを提供することができる。複数の画素は、第1画素、第2画素、及び第3画素を含み、以下では、説明の便宜上、第1画素が赤色画素Pr、第2画素が緑色画素Pg、及び第3画素が青色画素Pbである場合を想定して説明する。
【0039】
赤色画素Pr、緑色画素Pg、及び青色画素Pbは、それぞれ赤色、緑色、及び青色の光を放出する領域であって、表示装置DVは、画素から放出される光を用いてイメージを提供することができる。
【0040】
非表示領域NDAは、イメージを提供しない領域であって、表示領域DAを全体として取り囲みうる。非表示領域NDAには、画素回路に電気的信号や電源を提供するためのドライバまたはメイン電圧ラインが配置されうる。非表示領域NDAには、電子素子や印刷回路基板が電気的に連結される領域であるパッドが含まれうる。
【0041】
表示領域DAは、
図1に図示されたように、方形を含む多角形を有しうる。例えば、表示領域DAは、横の長さが縦の長さより長い長方形であるか、横の長さが縦の長さより短い長方形であるか、正方形でありうる。または、表示領域DAは、楕円または円形といった多様な形状を有しうる。
【0042】
図2は、本発明の一実施形態による表示装置の各画素を概略的に示す断面図である。
【0043】
図2を参照すれば、表示装置DVは、基板100上の回路層200を含みうる。回路層200は、第1ないし第3画素回路PC1、PC2、PC3を含み、第1ないし第3画素回路PC1、PC2、PC3それぞれは、発光ダイオード層303の第1ないし第3発光ダイオードLED1、LED2、LED3に電気的に連結されうる。
【0044】
第1ないし第3発光ダイオードLED1、LED2、LED3は、有機物を含む有機発光ダイオードを含みうる。他の実施形態において、第1ないし第3発光ダイオードLED1、LED2、LED3は、無機物を含む無機発光ダイオードでもある。無機発光ダイオードは、無機物半導体基盤の材料を含むPN接合ダイオードを含みうる。PN接合ダイオードに順方向に電圧を印加すれば、正孔と電子が注入され、その正孔と電子の再結合によって生じるエネルギーを光エネルギーに変換させて所定色相の光を放出することができる。前述した無機発光ダイオードは、数~数百μmまたは数~数百nmの幅を有することができる。一部実施形態において、発光ダイオードLEDは、量子点を含む発光ダイオード(例えば、第1ないし第3発光ダイオードLED1、LED2、LED3でもある。前述したように、発光ダイオードLED(例えば、第1ないし第3発光ダイオードLED1、LED2、LED3)の発光層は、有機物を含むか、無機物を含むか、量子点を含むか、有機物と量子点を含むか、無機物と量子点を含みうる。
【0045】
第1ないし第3発光ダイオードLED1、LED2、LED3は、同色の光を放出しうる。例えば、第1ないし第3発光ダイオードLED1、LED2、LED3から放出された光(例えば、青色光Lb)は、発光ダイオード層303上の封止層400を経て色変換-透過層500を通過することができる。
【0046】
色変換-透過層500は、発光ダイオード層303から放出された光(例えば、青色光Lb)の色を変換するか変換せず、透過させる光学部を含みうる。例えば、色変換-透過層500は、発光ダイオード層303から放出された光(例えば、青色光Lb)を異色の光に変換する色変換部、及び発光ダイオード層303に放出された光(例えば、青色光Lb)を色変換せず、透過させる透過部を含みうる。色変換-透過層500は、赤色の画素Prと対応する第1色変換部510、緑色の画素Pgと対応する第2色変換部520、及び青色の画素Pbに対応する透過部530を含みうる。第1色変換部510は、青色光Lbを赤色光Lrに変換し、第2色変換部520は、青色光Lbを緑色光Lgに変換することができる。透過部530は、青色光Lbを変換せず、通過させうる。
【0047】
カラー層600は、色変換-透過層500上に配置されうる。カラー層600は、互いに異なる色の第1ないし第3カラーフィルタ610、620、630を含みうる。例えば、第1カラーフィルタ610は、赤色のカラーフィルタであり、第2カラーフィルタ620は、緑色のカラーフィルタであり、及び第3カラーフィルタ630は、青色のカラーフィルタでもある。
【0048】
色変換-透過層500で色変換された光及び透過された光は、それぞれ第1ないし第3カラーフィルタ610、620、630を通過しつつ、色純度が向上しうる。また、カラー層600は、外光(例えば、表示装置DVの外部から表示装置DVに向かって入射する光)が反射されてユーザに視認されることを防止するか、最小化しうる。
【0049】
表示装置DVは、カラー層600上の透光性基材層700を含みうる。透光性基材層700は、ガラスまたは透光性有機物を含みうる。例えば、透光性基材層700は、アクリル系の樹脂のような透光性有機物を含みうる。
【0050】
一実施形態において、透光性基材層700は、一種の基板であって、透光性基材層700上にカラー層600及び色変換-透過層500が形成された後、色変換-透過層500が封止層400と対面すべく配置されうる。
【0051】
他の実施形態において、封止層400上に色変換-透過層500及びカラー層600が順次に形成された後、透光性基材層700がカラー層600上に直接塗布及び硬化されて形成されうる。一部実施形態として、透光性基材層700上には、他の光学的フィルム、例えば、AR(anti-reflection)フィルムなどが配置されうる。
【0052】
前述した構造を有する表示装置DVは、テレビ、広告看板、映画館用スクリーン、モニタ、タブレットPC、ノート型パソコンなどを含みうる。
【0053】
【0054】
図3を参照すれば、第1色変換部510は、入射される青色光Lbを赤色光Lrに変換しうる。第1色変換部510は、
図3に図示されたように、第1感光性ポリマー1151、第1感光性ポリマー1151に分散された第1量子点1152と第1散乱粒子1153を含みうる。
【0055】
第1量子点1152は、青色光Lbによって励起されて青色光Lbの波長より長い波長を有する赤色光Lrを等方性に放出しうる。第1感光性ポリマー1151は、光透過性を有する有機物質でありうる。第1散乱粒子1153は、第1量子点1152に吸収されていない青色光Lbを散乱させ、さらに多くの第1量子点1152を励起させることで、色変換効率を増加させうる。第1散乱粒子1153は、例えば、酸化チタン(TiO2)や金属粒子などでありうる。第1量子点1152は、II-VI族化合物、III-V族化合物、IV-VI族化合物、IV族元素、IV族化合物、及びそれらの組合わせから選択されうる。
【0056】
第2色変換部520は、入射される青色光Lbを緑色光Lgに変換しうる。第2色変換部520は、
図3に図示されたように、第2感光性ポリマー1161と、第2感光性ポリマー1161に分散された第2量子点1162及び第2散乱粒子1163とを含みうる。
【0057】
第2量子点1162は、青色光Lbによって励起されて青色光の波長より長い波長を有する緑色光Lgを等方性に放出しうる。第2感光性ポリマー1161は、光透過性を有する有機物質でありうる。
【0058】
第2散乱粒子1163は、第2量子点1162に吸収されていない青色光Lbを散乱させ、さらに多くの第2量子点1162を励起させることで、色変換効率を増加させうる。第2散乱粒子1163は、例えば、酸化チタン(TiO2)や金属粒子などでもある。第2量子点1162は、II-VI族化合物、III-V族化合物、IV-VI族化合物、IV族元素、IV族化合物、及びそれらの組合わせから選択されうる。
【0059】
一部の実施形態として、第1量子点1152及び第2量子点1162と同じ物質でありうる。その場合、第1量子点1152の大きさは、第2量子点1162の大きさよりも大きいのでありうる。
【0060】
透過部530は、透過部530に入射する青色光Lbを変換せず、青色光Lbを透過することができる。透過部530は、
図3に図示されたように、第3散乱粒子1173が分散された第3感光性ポリマー1171を含みうる。第3感光性ポリマー1171は、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの光透過性を有する有機物質でもあり、第1及び第2感光性ポリマー1151、1161と同じ物質でありうる。第3散乱粒子1173は、青色光Lbを散乱させて放出し、第1及び第2散乱粒子1153、1163と同じ物質でありうる。
【0061】
図4は、本発明の一実施形態による表示装置に含まれた発光ダイオード及び発光ダイオードに電気的に連結された画素回路を示す等価回路図である。
【0062】
図4を参照すれば、発光ダイオード、例えば、発光ダイオードLEDの第1電極(例えば、アノード)は、画素回路PCに連結され、発光ダイオードLEDの第2電極(例えば、カソード)は、共通電源電圧ELVSSを提供する共通電圧ラインVSLに連結されうる。発光ダイオードLEDは、画素回路PCから供給される電流量に相応する輝度で発光しうる。
【0063】
図4の発光ダイオードLED、前述した
図2に図示された第1ないし第3発光ダイオードLED1、LED2、LED3それぞれに該当し、
図4の画素回路PC、前述した
図2に図示された第1ないし第3画素回路PC1、PC2、PC3それぞれに該当しうる。
【0064】
画素回路PCは、データ信号に対応して駆動電源電圧ELVDDから発光ダイオードLEDを経由して共通電源電圧ELVSSに流れる電流量を制御しうる。画素回路PCは、駆動トランジスタM1、スイッチングトランジスタM2、センシングトランジスタM3及びストレージキャパシタCstを含みうる。
【0065】
駆動トランジスタM1、スイッチングトランジスタM2、センシングトランジスタM3のそれぞれは、酸化物半導体で構成された半導体層を含む酸化物半導体薄膜トランジスタであるか、ポリシリコンで構成された半導体層を含むシリコン半導体薄膜トランジスタでありうる。トランジスタのタイプに応じて第1電極は、ソース電極及びドレイン電極のうち1つでありうるのであって、第2電極は、ソース電極及びドレイン電極のうちの他の1つでありうる。
【0066】
駆動トランジスタM1の第1電極は、駆動電源電圧ELVDDを供給する駆動電圧ラインVDLに連結され、第2電極は、発光ダイオードLEDの第1電極に連結されうる。駆動トランジスタM1のゲート電極は、第1ノードN1に連結されうる。駆動トランジスタM1は、第1ノードN1の電圧に対応して駆動電源電圧ELVDDから発光ダイオードLEDを流れる電流量を制御することができる。
【0067】
スイッチングトランジスタM2は、スイッチングトランジスタでありうる。スイッチングトランジスタM2の第1電極は、データラインDLに連結され、第2電極は、第1ノードN1に連結されうる。スイッチングトランジスタM2のゲート電極は、スキャンラインSLに連結されうる。スイッチングトランジスタM2は、スキャンラインSLに走査信号が供給されるとき、ターンオンされてデータラインDLと第1ノードN1とを電気的に連結しうる。
【0068】
センシングトランジスタM3は、初期化トランジスタ及び/またはセンシングトランジスタでもある。センシングトランジスタM3の第1電極は、第2ノードN2に連結され、第2電極は、センシングラインSELに連結されうる。センシングトランジスタM3のゲート電極は、制御ラインCLに連結されうる。
【0069】
ストレージキャパシタCstは、第1ノードN1と第2ノードN2との間に連結されうる。例えば、ストレージキャパシタCstの第1キャパシタ電極は、駆動トランジスタM1のゲート電極に連結され、ストレージキャパシタCstの第2キャパシタ電極は、発光ダイオードLEDの第1電極に連結されうる。
【0070】
図4には、駆動トランジスタM1、スイッチングトランジスタM2、及びセンシングトランジスタM3がNMOSであると図示されているが、本発明がそれに限定されない。例えば、駆動トランジスタM1、スイッチングトランジスタM2、及びセンシングトランジスタM3のうちから選択された少なくとも1つはPMOSからなりうる。
【0071】
図4には、3個のトランジスタが図示されているが、本発明は、それに限定されない。画素回路PCは、4個またはそれ以上のトランジスタを含みうる。
【0072】
図5は、本発明の一実施形態による表示装置の発光ダイオード及び周辺に配置された配線を示す平面図である。
【0073】
図5を参照すれば、表示領域DAには、共通電圧ラインVSLが配置されるが、共通電圧ラインVSLのそれぞれは、y方向に沿って延びる。共通電圧ラインVSLは、相互に離隔されて配置されるが、隣接した2本の共通電圧ラインVSLの間に、発光ダイオード、例えば、有機発光ダイオードが配置されうる。一実施形態において、
図5は、隣接する2本の共通電圧ラインVSLの間に、第1ないし第3有機発光ダイオードOLED1、OLED2、OLED3が配置されることを図示する。
【0074】
表示領域DAには、共通電圧ラインVSLと交差する方向(例えば、x方向)に沿って延びている補助ラインが配置されうる。一実施形態において、
図5は、第1及び第2補助ラインAL1、AL2がx方向に沿って延びていることを図示し、第1及び第2補助ラインAL1、AL2は、第1ないし第3有機発光ダイオードOLED1、OLED2、OLED3を挟んで相互に離隔されうる。各共通電圧ラインVSLは、第1及び第2補助ラインAL1、AL2のうちから選択された、少なくともいずれか1つと電気的に連結されうる。
【0075】
図5に図示された構造は、表示領域DAの一部を示すものであって、表示領域DAは、
図5の構造が反復配列されているように見ることができる。例えば、複数の共通電圧ラインVSL及び複数の補助ラインが表示領域DAで互いに交差しながら電気的に連結され、平面図上で、共通電圧ラインVSL及び補助ラインは、メッシュ構造を形成しうる。表示領域DAが比較的大きい面積を有する場合、共通電圧ラインVSLを介して提供される共通電圧の電圧降下がもたされるが、共通電圧ラインVSL及び補助ラインが平面上でメッシュ構造を形成することで、前述した電圧降下を防止するか、最小化しうる。
【0076】
補助電極180は、共通電圧ラインVSLの一部と重畳する(重なり合う)ように配置されうる。補助電極180は、第1コンタクトホールCT1及び第2コンタクトホールCT2を用いて共通電圧ラインVSLに電気的に連結され、共通電圧ラインVSLから電源を供給されうる。発光ダイオード、例えば、第1ないし第3有機発光ダイオードOLED1、OLED2、OLED3の第2電極(例えば、カソード)は、補助電極180を介して共通電圧ラインVSLに電気的に連結されうる。
【0077】
共通電圧ラインVSLは、共通電圧ラインVSLに重畳するように配置された補助共通電圧ラインVSL-Aと電気的に連結されうる。例えば、補助共通電圧ラインVSL-Aは、第2コンタクトホールCT2を介して共通電圧ラインVSLに接続されうる。
【0078】
発光ダイオードの、例えば、第1ないし第3有機発光ダイオードOLED1、OLED2、OLED3の、それぞれの第1電極150(例えば、アノード)は、第6コンタクトホールCT6を介してその下に配置された画素回路に電気的を連結されうる。第1ないし第3有機発光ダイオードOLED1、OLED2、OLED3のそれぞれに連結された画素回路は、前述した
図4の説明と同様に、複数のトランジスタ及びストレージキャパシタを含みうる。
【0079】
図6は、
図5のA-A’線による表示装置の断面図である。
【0080】
図6を参照すれば、基板100上に発光ダイオード、例えば、第1有機発光ダイオードOLED1が配置されるが、基板100と第1有機発光ダイオードOLED1との間には、画素回路PCが配置されうる。これについて、
図6は、画素回路PCに含まれた駆動トランジスタM1及びストレージキャパシタCstを図示する。
図6に図示されていないが、第2有機発光ダイオードOLED2とそれに連結された画素回路、及び、第3有機発光ダイオードOLED3とそれに連結された画素回路も、
図6に図示された画素回路PCと同じ構造を含みうる。
【0081】
基板100は、ガラス材、金属材、有機物といった物質からなりうる。例えば、基板100は、SiO2を主成分とするガラス材を含むか、フレキシブルまたはベンダブル特性を有する多様な物質、例えば、ポリマー樹脂を含みうる。
【0082】
駆動トランジスタM1は、半導体層A1及びゲート電極G1を含みうる。半導体層A1は、酸化物系物質またはシリコン系物質(例えば、アモルファスシリコン、ポリシリコン)を含みうる。例えば、半導体層A1は、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、ハフニウム(Hf)、カドミウム(Cd)、ゲルマニウム(Ge)、クロム(Cr)、チタン(Ti)及び亜鉛(Zn)を含む群から選択された少なくとも1つ以上の物質の酸化物を含みうる。
【0083】
半導体層A1は、チャネル領域C1、チャネル領域C1を挟んで両側に配置された第1及び第2低抵抗領域B1、D1を含みうる。第1及び第2低抵抗領域B1、D1は、チャネル領域C1より低抵抗の領域であり、第1及び第2低抵抗領域B1、D1のうちいずれか1つは、ソース領域であり、他の1つは、ドレイン領域である。
【0084】
半導体層A1は、基板100上の第1絶縁層101上に位置する。第1絶縁層101は、不純物が半導体層A1に浸透することを防止しうる。第1絶縁層101は、シリコンナイトライド、シリコンオキシド、及び/またはシリコンオキシナイトライドといった無機絶縁物を含みうる。
【0085】
半導体層A1とゲート電極G1との間には、第2絶縁層103が介在されうる。第2絶縁層103は、一種のゲート絶縁層でもあり、シリコンナイトライド、シリコンオキシド、及び/またはシリコンオキシナイトライドといった無機絶縁物を含みうる。
【0086】
ゲート電極G1は、半導体層A1のチャネル領域C1と重畳しうる。ゲート電極G1は、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、チタン(Ti)などを含み、前述した物質を含む単層または多層の構造を含みうる。
【0087】
半導体層A1の第1及び第2低抵抗領域B1、D1のうちのいずれか1つは、駆動電圧ラインVDLに電気的に連結されうる。駆動電圧ラインVDLは、第1絶縁層101の下に配置されうる。
図4は、駆動電圧ラインVDLが、第3絶縁層105上の連結電極CEを介して第2低抵抗領域D1に接続されていることを図示する。
【0088】
駆動電圧ラインVDLは、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、チタン(Ti)のような金属物質を含みうる。例えば、駆動電圧ラインVDLは、チタン層(下層)及びチタン層よりも厚い銅層(上層)の積層構造を含みうる。他の実施形態において、駆動電圧ラインVDLは、前述した金属物質を含む1層または複数の金属層、及び前述した1層または金属層上に配置されたITOといった透明導電性酸化物層の多層構造を含みうる。第3絶縁層105は、シリコンナイトライド、シリコンオキシド、及び/またはシリコンオキシナイトライドのような無機絶縁物を含みうる。
【0089】
第2低抵抗領域D1がソース領域(またはドレイン領域)である場合、連結電極CEは、駆動トランジスタM1のソース電極(またはドレイン電極)であり、第2低抵抗領域D1がドレイン領域(または、ソース領域)である場合、連結電極CEは、駆動トランジスタM1のドレイン電極(または、ソース電極)でありうる。連結電極CEは、第1ないし第3絶縁層101、103、105を貫通する第3コンタクトホールCT3を介して駆動電圧ラインVDLに接続され、第2及び第3絶縁層103、105を貫通する第4コンタクトホールCT4を介して駆動トランジスタM1の半導体層A1の一部(例えば、第2低抵抗領域)D1に接続されうる。連結電極CEは、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、チタン(Ti)といった金属物質を含みうる。例えば、連結電極CEは、チタン層及び銅層を含む多層構造を含みうる。他の実施形態において、連結電極CEは、前述した金属物質を含む1層または複数の金属層、及び前述した1層または金属層の上に配置されたITOといった透明導電性酸化物層の多層構造を含みうる。
【0090】
ストレージキャパシタCstは、第1キャパシタ電極CE1及び少なくとも1層の絶縁層を介在した状態で第1キャパシタ電極CE1と重畳する第2キャパシタ電極CE2を含む。第1キャパシタ電極CE1は、ゲート電極G1と同層上に形成され、同じ物質を含みうる。第1キャパシタ電極CE1は、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、チタン(Ti)などを含み、前述した物質を含む単層または多層の構造を含みうる。
【0091】
一部の実施形態において、第2キャパシタ電極CE2は、第1キャパシタ電極CE1を挟むように、その下方と上方とに配置された2つのサブキャパシタ電極CE2a、CE2bを含みうる。これらサブキャパシタ電極CE2a、CE2bのうちのいずれか1つのサブキャパシタ電極(以下、第1サブキャパシタ電極と称する;CE2a)は、基板100と第1絶縁層101との間に配置され、他の1つのサブキャパシタ電極(以下、第2サブキャパシタ電極極と称する)CE2bは、第3絶縁層105の上に配置されうる。
【0092】
第1サブキャパシタ電極CE2a及び第2サブキャパシタ電極CE2bは、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、チタン(Ti)などを含み、前述した物質を含む単層または多層の構造を含みうる。一実施形態において、第1サブキャパシタ電極CE2aは、駆動電圧ラインVDLと同じ層に配置され、同じ物質を含みうる。
【0093】
第2サブキャパシタ電極CE2bは、第1ないし第3絶縁層101、103、105を貫通する第5コンタクトホールCT5を介して第1サブキャパシタ電極CE2aに接続しうる。第1及び第2絶縁層101、103を挟んで互いに重畳する、第1サブキャパシタ電極CE2aと第1キャパシタ電極CE1との間にキャパシタンスが形成されるのであって、第3絶縁層105を挟んで互いに重畳する、第1キャパシタ電極CE1と第2サブキャパシタ電極CE2bとの間にキャパシタンスが形成されうる。このように、第2キャパシタ電極CE2が複数のサブキャパシタ電極を含むことで、ストレージキャパシタCstのキャパシタンスを向上させうる。
【0094】
第4絶縁層107は、駆動トランジスタM1及びストレージキャパシタCstを含む画素回路PC上に配置される。第4絶縁層107は、シリコンナイトライド、シリコンオキシド、及び/またはシリコンオキシナイトライドといった無機絶縁物を含みうる。第4絶縁層107は、表示装置の製造工程にて、エッチング液によって損傷されうる金属(例えば、銅など)を含む配線が、エッチング環境に露出されることを防止しうる。
【0095】
第5絶縁層109は、第4絶縁層107上に配置され、有機絶縁物を含みうる。第5絶縁層109は、アクリル、BCB(ベンゾシクロブテン;Benzocyclobutene)、ポリイミド(polyimide)またはHMDSO(ヘキサメチルジシロキサン;hexamethyldisiloxane)といった有機絶縁物を含みうる。
【0096】
第5絶縁層109上には、発光ダイオードの第1電極150が形成されるのであり、これと関連して、
図6は、第1有機発光ダイオードOLED1の第1電極150を図示する。
【0097】
第1電極150は、第4絶縁層107及び第5絶縁層109を貫通する第6コンタクトホールCT6を通じて、画素回路PCに、例えば、ストレージキャパシタCstの第2サブキャパシタ電極CE2bに、接続されうる。
【0098】
第1電極150は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、インジウム酸化物(In2O3)、インジウムガリウム酸化物(IGO)またはアルミニウム亜鉛酸化物(AZO)といった透明導電性酸化物を含みうる。他の実施形態において、第1電極150は、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)またはそれらの化合物を含む、反射膜を含みうる。他の実施形態において、第1電極150は、前述した反射膜の上/下にITO、IZO、ZnOまたは、In2O3からなる膜をさらに含みうる。例えば、第1電極150は、ITO層、銀(Ag)層、及びITO層が積層された3層構造でありうる。
【0099】
バンク層BNLは、第1電極150のエッジをカバーするのであり、第1電極150の中心部分と重畳する第1バンク開口B-OP1を含みうる。バンク層BNLは、ポリイミドといった有機絶縁物を含みうる。
【0100】
中間層160は、バンク層BNLの第1バンク開口B-OP1を介して第1電極150と接触しうる。第1バンク開口B-OP1に位置する第1電極150、中間層160、及び第2電極170の積層構造は、所定色の光を放出しうる。バンク層BNLの第1バンク開口B-OP1は、光が放出する発光領域EAに該当しうる。例えば、バンク層BNLの第1バンク開口B-OP1の大きさ(または幅)は、発光領域EAの大きさ(または幅)に該当しうる。
【0101】
中間層160は、発光層162を含みうる。発光層162は、所定色相の光を放出する高分子または低分子有機物を含みうる。
図2を参照して前述したように、発光ダイオード層300(
図2)が青色光を放出する場合、発光層162は、青色光が放出する高分子または低分子有機物を含みうる。
【0102】
中間層160は、少なくとも1層の機能層をさらに含みうる。一実施形態において、
図4に図示されたように、中間層160は、発光層162の下の第1機能層161及び/または発光層162の上の第2機能層163をさらに含みうる。第1機能層161は、第1電極150と発光層162との間に介在され、第2機能層163は、発光層162と後述する第2電極170との間に介在されうる。
【0103】
第1機能層161は、ホール輸送層(HTL: Hole Transport Layer)及び/またはホール注入層(HIL: Hole Injection Layer)を含みうる。第2機能層163は、電子輸送層(ETL: Electron Transport Layer)及び/または電子注入層(EIL: Electron Injection Layer)を含みうる。
【0104】
第2電極170は、仕事関数の低い導電性物質からなりうる。例えば、第2電極170は、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、リチウム(Li)、カルシウム(CA)またはそれらの合金などを含む(半)透明層を含みうる。または、第2電極170は、前述した物質を含む(半)透明層上にITO、IZO、ZnOまたは、In2O3といった層をさらに含みうる。
【0105】
封止層400は、第2電極170上に配置されうる。封止層400は、少なくとも1層の無機封止層と、少なくとも1層の有機封止層とを含みうる。一実施形態において、
図6は、封止層400が第1無機封止層410、第2無機封止層430、及び、第1無機封止層410と第2無機封止層430との間の有機封止層420を含むことを図示する。
【0106】
第1及び第2無機封止層410、430は、それぞれ1つ以上の無機絶縁物を含みうる。無機絶縁物は、アルミニウムオキシド、チタンオキシド、タンタルオキシド、ハフニウムオキシド、ジンクオキシド、シリコンオキシド、シリコンナイトライド、及び/またはシリコンオキシナイトライドを含みうる。
【0107】
有機封止層420は、ポリマー(polymer)系の物質を含みうる。ポリマー系の素材としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド及びポリエチレンなどを含みうる。例えば、有機封止層420は、アクリル系樹脂、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸などを含みうる。有機封止層420は、モノマーを硬化するか、ポリマーを塗布して形成しうる。
【0108】
封止層400上には、中間物質層501が配置されうる。中間物質層501は、無機絶縁物及び/または有機絶縁物を含みうる。中間物質層501上には、色変換-透過層500が位置する。これと関連して、
図6は、色変換-透過層500の遮光部540、及び、遮光部540によって画定(定義)された開口領域に位置する第1色変換部510を図示する。
【0109】
色変換-透過層500上には、バリア層550が形成されうる。バリア層550は、シリコンオキシド、シリコンナイトライド、及び/またはシリコンオキシナイトライドといった無機絶縁物を含みうる。
【0110】
カラー層600は、色変換-透過層500上に配置されうる。これと関連して、
図6は、カラー層600の遮光部640、及び、遮光部640によって画定(定義)された開口領域に位置する第1カラーフィルタ610を図示する。色変換-透過層500の遮光部540(以下、第1遮光部と称する)と、カラー層600の遮光部640(以下、第2遮光部と称する)とは、互いに重畳するように配置される。
【0111】
第1遮光部540及び第2遮光部640は、それぞれ遮光性物質を含みうる。例えば、第1遮光部540及び第2遮光部640は、それぞれ黒色のように所定の色を有する有機物を含みうる。例えば、第1遮光部540及び第2遮光部640は、それぞれポリイミド(PI)系バインダ、及び赤色、緑色及び青色が混合されたピグメントを含みうる。または、第1遮光部540及び第2遮光部640は、それぞれ、カルド(cardo)系バインダ樹脂と、ラクタム系ブラックピグメント(lactam black pigment)と、ブルーピグメントの混合物を含みうる。または、第1遮光部540及び第2遮光部640は、それぞれカーボンブラックを含みうる。
【0112】
一実施形態において、第1遮光部540と第2遮光部640とは、同じ物質を含みうる。他の実施形態において、第2遮光部640は、カラー層600を形成するカラーフィルタが少なくとも2個以上重畳された構造を含みうる。例えば、第2遮光部640は、前述した遮光性物質を含まず、第1ないし第3カラーフィルタ610、620、630(
図2)のうちから選択された2個または3個のカラーフィルタ物質が積層された構造を有しうる。
【0113】
透光性基材層700は、ガラスまたは透光性有機物を含みうる。例えば、透光性基材層700は、アクリル系の樹脂といった透光性有機物を含みうる。
【0114】
図7は、本発明の一実施形態による表示装置の共通電圧ラインと補助電極の構造を示す平面図であって、
図5の一部分を拡大した表示装置の平面図に該当する。
【0115】
図5及び
図7を参照すれば、y方向に沿って延びた共通電圧ラインVSLは、補助電極180及び補助共通電圧ラインVSL-Aと重畳しうる。補助共通電圧ラインVSL-Aの長さ(y方向への長さ)は、共通電圧ラインVSLの長さ(y方向への長さ)よりも短いのでありうる。補助共通電圧ラインVSL-Aの幅(x方向への幅、W2)は、共通電圧ラインVSLの幅W1と異なりうる。一実施形態において、補助共通電圧ラインVSL-Aの幅W2は、共通電圧ラインVSLの幅W1よりも狭いのでありうる。
【0116】
互いに異なる層上に配置された共通電圧ラインVSL及び補助共通電圧ラインVSL-Aは、それらの間に配置された絶縁層を貫通する第1コンタクトホールCT1を通じて接続され、よって、共通電圧ラインVSLの抵抗を減らしうる。
【0117】
補助電極180は、共通電圧ラインVSL及び補助共通電圧ラインVSL-A上に配置される。補助電極180は、共通電圧ラインVSL及び/または、補助共通電圧ラインVSL-Aと重畳しうる。補助電極180は、共通電圧ラインVSL及び補助共通電圧ラインVSL-Aと異なる平面状を有しうる。例えば、補助電極180は、
図7に図示されたように、平面視において、相対的に広幅の第1部分(以下、広幅部と称する)180A及び相対的に狭幅の第2部分(以下、狭幅部と称する)180Bを含みうる。広幅部180Aと狭幅部180Bとは、一体に連結される。
【0118】
広幅部180Aの幅(x方向への幅)W3は、狭幅部180Bの幅(x方向への幅)W4よりも広い。広幅部180Aの幅W3は、共通電圧ラインVSL及び/または、補助共通電圧ラインVSL-Aの幅より広くなりうる。一実施形態において、
図7は、広幅部180Aの幅W3が補助共通電圧ラインVSL-Aの幅W2よりも広く、共通電圧ラインVSLの幅W1の幅よりも狭いことを示す。他の実施形態として、広幅部180Aの幅W3は、それぞれ補助共通電圧ラインVSL-Aの幅W2及び共通電圧ラインVSLの幅W1より広くなりうる。
【0119】
補助電極180の一部は、同じ電圧レベルを有する共通電圧ラインVSL及び補助共通電圧ラインVSL-Aのうちいずれか1つに接続されうる。例えば、補助電極180の狭幅部180Bは、第2コンタクトホールCT2を介して補助共通電圧ラインVSL-Aに接続されうる。
【0120】
補助電極180の他の部分は、発光ダイオードの第2電極170(
図6)に接続されうる。例えば、発光ダイオードの第2電極170(
図6)は、第2電極の下に配置された中間層160(
図6)に形成されているホール160Hを通じて補助電極180の広幅部180Aに接続されうる。
【0121】
平面視において、中間層のホール160Hは、補助電極180の広幅部180Aと重畳するが、バンク層BNK(
図6)の第2バンク開口B-OP2内に位置しうる。平面視において、中間層のホール160Hは、全体として第2バンク開口B-OP2と重畳しうる。一方、中間層のホール160Hは、部分的にしか第5絶縁層109の開口109OPと重畳しないのでありうる。具体的に、中間層のホール160Hの一部は、第5絶縁層109の開口109OPと重畳し、ホール160Hの残りの部分は、第5絶縁層109の開口109OPと重畳しないのでありうる。中間層のホール160Hは、第5絶縁層109の開口109OPの大きさ(または幅)に無関係に配置されうる。補助電極180及びその周辺構成要素の具体的な構造は、
図8及び
図9を参照して説明する。
【0122】
図8は、
図7のB-B’線による表示装置の断面図であり、
図9は、
図7のC-C’線による表示装置の断面図である。
【0123】
図7、
図8及び
図9を参照すれば、基板100上に共通電圧ラインVSLが配置される。共通電圧ラインVSLは、基板100の上面と直接接触しうる。共通電圧ラインVSLは、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、チタン(Ti)などといった金属物質を含みうる。共通電圧ラインVSL、前述した
図6を参照して説明した駆動電圧ラインVDLと同じ物質を含みうる。共通電圧ラインVSLは、チタン層(下層)と、チタン層よりも厚い銅層(上層)との積層構造を含みうる。他の実施形態において、共通電圧ラインVSLは、前述した金属物質を含む1つまたは複数の金属層と、前述した1つまたは金属層上に配置されたITOといった透明導電性酸化物層との多層構造を含みうる。
【0124】
共通電圧ラインVSL上には、補助共通電圧ラインVSL-Aが配置され、共通電圧ラインVSLと補助共通電圧ラインVSL-Aとの間には、少なくとも1つの絶縁層が配置されうる。これと関連して、
図8及び
図9は、共通電圧ラインVSL及び補助共通電圧ラインVSL-Aの間に第1ないし第3絶縁層101、103、105が配置されたことを図示する。
【0125】
補助共通電圧ラインVSL-Aは、
図8に図示されたように、第1ないし第3絶縁層101、103、105を貫通する第1コンタクトホールCT1を介して共通電圧ラインVSLに接続されうる。補助共通電圧ラインVSL-Aは、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、チタン(Ti)のような金属物質を含みうる。補助共通電圧ラインVSL-Aは、共通電圧ラインVSLと同じ物質を含みうる。例えば、補助共通電圧ラインVSL-Aは、チタン層(下層)と、チタン層より厚さが厚い銅層(上層)との積層構造を含みうる。他の実施形態において、補助共通電圧ラインVSL-Aは、共通電圧ラインVSLと異なる物質を含みうる。例えば、補助共通電圧ラインVSL-Aは、前述した金属物質を含む1層または複数の金属層と、前述した1層または金属層上に配置されたITOといった透明導電性酸化物層との多層構造を含んでいるのに対して、共通電圧ラインVSLは、透明導電性酸化物を含まない状態で、金属を含む層のみを含むのでありうる。
【0126】
補助共通電圧ラインVSL-Aは、第4絶縁層107でもって保護されうる。例えば、第4絶縁層107は、補助共通電圧ラインVSL-Aの上面と直接接触した状態で、補助共通電圧ラインVSL-Aをカバーすることができる。特に、第4絶縁層107は、第5絶縁層109の開口109OPの直ぐ下にある補助共通電圧ラインVSL-Aの一部をカバーすることができる。第4絶縁層107は、前述したように無機絶縁物を含みうる。
【0127】
第5絶縁層109は、第4絶縁層107上に配置される。第5絶縁層109の開口109OPは、脱ガス通路を提供しうる。例えば、表示装置の製造工程において、有機絶縁物からなる第5絶縁層109に含まれたガスが第5絶縁層109の開口109OPを通じて放出されうる。
【0128】
第5絶縁層109の開口109OPは、補助共通電圧ラインVSL-Aに重畳しうる。開口109OPを形成する工程及び/または、開口109OPを形成した後の工程において、補助共通電圧ラインVSL-Aの損傷を防止するために、開口109OPの直ぐ下に位置する補助共通電圧ラインVSL-Aの部分は、第4絶縁層107でもってカバー(例えば、全体としてカバー)されうる。一実施形態において、補助共通電圧ラインVSL-Aは、比較的低抵抗である銅を含みうる。例えば、補助共通電圧ラインVSL-Aは、チタン層(下層)と銅層(上層)の積層構造を含み、相対的に損傷されやすい銅層が第4絶縁層107によってカバーされるので、損傷を防止しうる。
【0129】
補助電極180は、第5絶縁層109上に配置されうる。補助電極180は、第5絶縁層109及び第4絶縁層107を貫通する第2コンタクトホールCT2を通じて補助共通電圧ラインVSL-Aに接続されうる。補助共通電圧ラインVSL-Aは、第1コンタクトホールCT1を介して共通電圧ラインVSLに接続されているので、補助電極180は、補助共通電圧ラインVSL-Aを媒介として共通電圧ラインVSLと電気的に連結されうる。
【0130】
補助電極180は、発光ダイオードの第1電極(
図6)150と同じ物質を含みうる。例えば、補助電極180は、ITO層、Ag層、ITO層の積層構造を含みうる。補助電極180の一部、例えば広幅部180Aは、第5絶縁層109の開口109OPに重畳しうる。補助電極180の広幅部180Aは、開口109OPを通じて第4絶縁層107の上面と直接に接触しうる。例えば、第5絶縁層109の開口109OPと対応する領域において、第4絶縁層107の上面は、補助電極180と直接接触し、第4絶縁層107の下面は、補助共通電圧ラインVSL-Aと直接に接触しうる。
【0131】
バンク層BNLは、補助電極180上に配置されうる。バンク層BNLは、補助電極180の広幅部180Aと重畳する第2バンク開口B-OP2及び補助電極180の狭幅部180Bと重畳する第3バンク開口B-OP3を含みうる。
【0132】
第2バンク開口B-OP2は、第5絶縁層109の開口109OPの全体と重畳し、第2バンク開口B-OP2の大きさ(または幅)ow2は、第5絶縁層109の開口109OPの大きさ(または幅)ow1よりも大きい。よって、
図7の平面図上において、第2バンク開口B-OP2内に第5絶縁層109の開口109OPが存在する。これと関連して、
図7は、平面視において、第5絶縁層109の開口109OPのアウトライン109Bが、第2バンク開口B-OP2のアウトラインBNLB内に位置することを図示する。
【0133】
バンク層BNL上には、第1機能層161、発光層162及び第2機能層163を含む中間層160が配置される。中間層160の一部分は、第2バンク開口B-OP2内に位置するが、第5絶縁層109の開口1O9OPの一部と重畳するホール160Hを含む。中間層160のホール160Hは、第1機能層161、発光層162及び第2機能層163を貫通しうる。中間層160のホール160Hを通じて発光ダイオードの第2電極170は、補助電極180に接続されうる。
【0134】
図8及び
図9に図示されたように、中間層160のホール160Hの一部分は、第5絶縁層109の開口109OPに重畳し、ホール160Hの残りの部分は、第5絶縁層109の物質部分に重畳しうる。中間層160のホール160Hが、第5絶縁層109の開口109OPと一部重畳して形成されるので、開口109OPの大きさ(または幅)にかかわらず、所望の位置に所望の大きさ(または幅)を有するホール160Hを形成することができる。
【0135】
中間層160のホール160Hの中心HCは、
図9に図示されたように第5絶縁層109の開口109OP内に位置しうる。すなわち、中間層160のホール160Hの中心HCは、開口109OPを画定(定義)して第5絶縁層109のアウトライン109B(
図7)に該当する第5絶縁層109の内側エッジ109oeの内側に位置しうる。すなわち、中間層160のホール160Hの中心HCは、第5絶縁層109の内側エッジ109oeを越えて第5絶縁層109の物質部分の上に位置することがない。第5絶縁層109の物質部分は、内側エッジ109oeを取り囲む外側の物質部分を示す。
【0136】
中間層160のホール160Hは、レーザビームを照射することで形成されうる。本発明の比較例として、中間層160のホール160Hの中心HCが開口109OPを外れて、第5絶縁層109の物質部分に重畳する場合、第5絶縁層109に残存するガスの放出によって第5絶縁層109及び/またはその上に配置された補助電極180の浮き上がり現象が引き起こされ、補助電極180と発光ダイオードの第2電極170との接続不良が引き起こされうる。ホール160Hの中心HCは、
図7及び
図9に図示されたように、開口109OPのアウトライン109Bに該当する第5絶縁層109の内側エッジ109oeから、第1距離dだけ離隔されうる。第1距離dは、約1μmであるか、それよりも大きくなりうる。
【0137】
第1無機封止層410、有機封止層420、及び第2無機封止層430を含む封止層400は、補助電極180と発光ダイオードの第2電極170との接触領域(または、接続領域)をカバーする。補助電極180と発光ダイオードの第2電極170との接触領域は、封止層400上の中間物質層501、色変換-透過層500の第1遮光部540、バリア層550、カラー層600の第2遮光部640、及び、透光性基材層700に重畳されうる。
【0138】
図10ないし
図14は、本発明の一実施形態による、表示装置の製造工程に則った断面図である。説明の便宜上、
図10ないし
図14は、表示装置の製造工程による断面図であって、
図5のA-A’線に沿った断面図、及び
図7のC-C’線に沿った表示装置の断面図を示す。
【0139】
図10を参照すれば、絶縁層上に、例えば、第5絶縁層109上に、発光ダイオードの第1電極150及び補助電極180が形成される。第1電極150と補助電極180とは、同一工程で一緒に形成されうるのであり、同じ物質を含みうる。
【0140】
基板100上に第1電極150及び補助電極180が形成される前、基板100上には、駆動トランジスタM1及びストレージキャパシタCstを含む画素回路PCが形成されうる。そして、基板100上に、第1ないし第5絶縁層101、103、105、107、109が形成され、それらの具体的物質及び位置、前述した
図6、
図8及び
図9を参照して説明した通りである。
【0141】
駆動トランジスタM1及び/またはストレージキャパシタCstの電極と一緒に、駆動電圧ラインVDL、共通電圧ラインVSL及び補助共通電圧ラインVSL-Aが形成されうる。
図10には、図示されていないが、補助共通電圧ラインVSL-Aを形成する工程前に、第1ないし第3絶縁層101、103、105を貫通する第1コンタクトホールCT1(
図8)が形成され、第1コンタクトホールCT1(
図8)を通じて共通電圧ラインVSLが、補助共通電圧ラインVSL-Aに接続されうる。補助共通電圧ラインVSL-Aが形成された後、無機絶縁物を含む第4絶縁層107が形成されうる。
【0142】
第5絶縁層109は、第4絶縁層107上に形成される。第5絶縁層109を形成する工程は、画素回路PCと第1電極150との接続のための第6コンタクトホールCT6を形成する工程、及び第5絶縁層109の開口1O9OPを形成する工程を含みうる。開口109OPは、第5絶縁層109のうち、補助共通電圧ラインVSL-Aに重畳する部分をエッチングして形成し、よって、開口109OPは、補助共通電圧ラインVSL-Aと重畳しうる。第5絶縁層109の開口1O9OPと共に、
図8において前述した第2コンタクトホールCT2(
図8)が形成されうる。
【0143】
バンク層BNLは、第1電極150及び補助電極180の上に形成されるのであって、第1電極150に重畳する第1バンク開口B-OP1、及び、補助電極180に重畳する第2バンク開口B-OP2を含みうる。第2バンク開口B-OP2の大きさ(または幅)は、第1バンク開口B-OP1の大きさ(または幅)より小さく形成されうる。
【0144】
図11を参照すれば、バンク層BNL上に中間層160を形成する。中間層160は、第1バンク開口B-OP1を通じて露出された第1電極150、及び、第2バンク開口B-OP2を通じて露出された補助電極180と重畳しうる。
【0145】
中間層160は、発光層162を含み、よって、中間層160を形成する工程は、発光層162を形成する工程を含みうる。中間層160を形成する工程は、発光層162の下に配置された第1機能層161、及び/または発光層162の上に配置された第2機能層163を形成する工程をさらに含みうる。
図11及び後述する
図12ないし
図14では、中間層160が、第1機能層161、発光層162、及び第2機能層163を含むと説明している。
【0146】
次いで、中間層160上にレーザビーム(Laser beam)を照射し、
図12に図示されたようにホール160Hを形成する。一実施形態において、レーザビーム(Laser beam)は、約300~400nmの波長を有するUVレーザを使用し、単位面積当たりの出力は、約200mJ/cm
2以下でありうる。
【0147】
レーザビーム(Laser beam)の照射時、レーザビーム(Laser beam)は、第2バンク開口B-OP2内に位置するのであって、レーザビーム(Laser beam)の中心が第5絶縁層109の開口109OP内に位置しうる。すなわち、第5絶縁層109の開口109OPの輪郭線に該当する、第5絶縁層109の内側エッジ109oeの内側にレーザビーム(Laser beam)の中心が位置しうる。レーザビーム(Laser beam)の中心が、内側エッジ109oeを超えて第5絶縁層109の物質部分と重畳する場合、脱ガスによって、第5絶縁層109及び/または補助電極180の浮き上がり現象が発生するので、レーザビーム(Laser beam)の中心が、第5絶縁層109の開口109OP内に位置することが適切である。
【0148】
レーザビーム(Laser beam)によって第1機能層161のホール161H、発光層162のホール162H、及び第2機能層163のホール163Hが形成されうる。発光層162のホール162Hの中心は、機能層のホールの中心、例えば、第1機能層161のホール161Hの中心発光層162のホール162Hの中心と一致しうる。
【0149】
第1機能層161のホール161H、発光層162のホール162H、及び第2機能層163のホール163Hが重畳されながら、中間層160のホール160Hが形成され、第1機能層161のホール161Hの中心、発光層162のホール162Hの中心、及び第2機能層163のホール163Hの中心、前述した
図9を参照して説明したホール160Hの中心HCに該当しうる。ホール160Hの中心HCは、第5絶縁層109の内側エッジ109oeから第1距離dほど離隔されうる。例えば、第1距離dは、約1μmであるか、それよりも大きいのでありうる。
【0150】
次いで、
図13に図示されたように、発光ダイオードの第2電極170を形成する。第2電極170は、ホール160Hを通じて、補助電極180と直接接触及び電気的に連結されうる。第2電極170と補助電極180の接触領域は、第2バンク開口B-OP2内に位置するが、一部は、第5絶縁層109の傾斜面BSS上に位置しうる。
【0151】
図14を参照すれば、第2電極170上に封止層400を形成する。封止層400は、化学気相蒸着法によって形成される第1及び第2無機封止層410、430、及び、モノマーを塗布した後に硬化する方式などによって形成される有機封止層420を含みうる。封止層400上には、色変換-透過層500、カラー層600、及び透光性基材層700が形成されうる。
【0152】
一実施形態において、基板100から封止層400までの下部構造体LSを形成し、色変換-透過層500、カラー層600、及び透光性基材層700を含む上部構造体USを形成した後、中間物質層501を挟むようにして封止層400と色変換-透過層500とが対面するように配置されるべく、下部構造体LSと上部構造体USとを配置及び接合しうる。
【0153】
他の実施形態において、下部構造体LSと上部構造体USとを別途に形成せず、封止層400上に中間物質層501を形成し、中間物質層501上に色変換-透過層500、カラー層600、及び透光性基材層700を順次に形成することができる。
【0154】
このように本発明は、図面に図示された一実施形態に基づいて説明したが、これは、一例示に過ぎず、当該分野で通常の知識を有する者であれば、それにより、多様な変形及び実施形態の変形が可能であるという点を理解するであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
【国際調査報告】