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特表2024-524941ドライアイス製造装置、ドライアイス製造装置の排気装置及び排気方法
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  • 特表-ドライアイス製造装置、ドライアイス製造装置の排気装置及び排気方法 図1
  • 特表-ドライアイス製造装置、ドライアイス製造装置の排気装置及び排気方法 図2
  • 特表-ドライアイス製造装置、ドライアイス製造装置の排気装置及び排気方法 図3
  • 特表-ドライアイス製造装置、ドライアイス製造装置の排気装置及び排気方法 図4
  • 特表-ドライアイス製造装置、ドライアイス製造装置の排気装置及び排気方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】ドライアイス製造装置、ドライアイス製造装置の排気装置及び排気方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/55 20170101AFI20240702BHJP
【FI】
C01B32/55
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577790
(86)(22)【出願日】2023-01-18
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 CN2023072777
(87)【国際公開番号】W WO2023151461
(87)【国際公開日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】202220273869.3
(32)【優先日】2022-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210288202.5
(32)【優先日】2022-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523471091
【氏名又は名称】厦門金瑞鎰工貿有限公司
【氏名又は名称原語表記】XIAMEN JIN RUI YI INDUSTRIAL & TRADING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18, Xinling Road Houxi Industrial Park, Jimei District Xiamen, Fujian 361000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】林 祺
(72)【発明者】
【氏名】石 統営
【テーマコード(参考)】
4G146
【Fターム(参考)】
4G146JA03
4G146JB04
4G146LA02
(57)【要約】
ドライアイス製造装置は、製氷キャビティ(1)と、液体出口(5)を開けて、二酸化炭素液体を製氷キャビティ(1)に噴出するように、入液管路(4)の末端に配置される氷噴出バルブ(2)と、前記液体出口(5)が排気口(6)を介して大気に連通するように、排気口(6)と液体出口(5)との間に配置される排気バルブ(3)と、入液管路(4)とを備える。前記ドライアイス製造装置において、液体出口(5)により排気することで、ドライアイス製造過程でキャビティに残留した二酸化炭素ガスを排出することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製氷キャビティと、
液体出口を開けて、二酸化炭素液体を製氷キャビティに噴射するように、液体入口の末端に設けられる氷噴出バルブと、
前記液体出口が排気口を介して外気に連通するように、排気口と液体出口との間に設けられる排気バルブと、
入液管路と、
を備えることを特徴とするドライアイス製造装置。
【請求項2】
前記氷噴出バルブは、少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載のドライアイス製造装置。
【請求項3】
前記氷噴出バルブ及び排気バルブは、三方パイプを通じて入液管路に接続されることを特徴とする請求項1に記載のドライアイス製造装置。
【請求項4】
前記三方パイプの第1の入口は前記入液管路に接続され、第2の入口は前記排気バルブに接続され、前記三方パイプの出口は前記液体出口であり、前記氷噴射バルブは第1の入口と液体出口との間に設けられることを特徴とする請求項3に記載のドライアイス製造装置。
【請求項5】
製氷キャビティの外壁に窓部が設けられ、空隙を有する低密度材料で前記窓部を充填することを特徴とする請求項1又は4に記載のドライアイス製造装置。
【請求項6】
製氷キャビティの外壁に窓部が設けられ、窓部に格子が設けられることを特徴とする請求項1又は4に記載のドライアイス製造装置。
【請求項7】
二酸化炭素液体を噴射する液体出口は、排気バルブを介して外気に連通することを特徴とするドライアイス製造装置の排気装置。
【請求項8】
ドライアイス製造装置は、製氷キャビティと、入液管路に設置される氷噴出バルブと、排気口に接続される入液管路とを含み、前記排気バルブは排気口と液体出口との間に設置されることを特徴とする請求項7に記載のドライアイス製造装置の排気装置。
【請求項9】
前記液体出口及び排気バルブは、三方パイプを介して入液管路に接続されることを特徴とする請求項8に記載のドライアイス製造装置の排気装置。
【請求項10】
前記三方パイプの第1の入口は前記入液管路に接続され、第2の入口は前記排気バルブに接続され、前記三方パイプの出口は前記液体出口であり、氷噴射バルブは第1の入口と液体出口との間に設けられることを特徴とする請求項9に記載のドライアイス製造装置の排気装置。
【請求項11】
製氷キャビティの外壁に窓部が設けられ、空隙を有する低密度材料で前記窓部を充填することを特徴とする請求項8または9に記載のドライアイス製造装置の排気装置。
【請求項12】
製氷キャビティの外壁に窓部が設けられ、窓部に格子が設けられることを特徴とする請求項8又は9に記載のドライアイス製造装置。
【請求項13】
ドライアイス製造装置において、二酸化炭素液体排出管路にさらなる分岐管路が接続され、排気バルブを介して大気に連通し、
製氷の際、液体出口と入液管路とを連通し、液体出口を通して製氷キャビティ内に二酸化炭素液体を噴射するステップと、
製氷終了の際、液体出口と入液管路とを遮断し、液体出口を外気に連通させ、キャビティ内のピストンを押して、二酸化炭素固体を圧縮成形するステップと、を含むことを特徴とするドライアイス製造装置の排気方法。
【請求項14】
製氷の際、二酸化炭素ガスは、キャビティの窓部を通して排出されることを特徴とする請求項13に記載のドライアイス製造装置の排気方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライアイス成形製造機器に関し、特にドライアイス製造工程における排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のドライアイス製造方法において、二酸化炭素液体が貯蔵タンクからパイプ及び電磁バルブを通じて減圧され、ドライアイス圧縮キャビティに入り、圧縮されて塊になり、電磁バルブの開閉が金型の圧縮時間に応じて設定され、PLCにより電磁バルブの開時間及び閉時間の長さを制御する。これにより、大量の二酸化炭素ガスがドライアイスの固体から分離しきれず、金型に存在し、現場での二酸化炭素ガスの不規則な放出を引き起こし、大量の冷熱の浪費を招き、二酸化炭素液体が常圧に減圧される場合に、ドライアイスの転化率が低すぎることになる。
【0003】
図1及び図2を参照し、従来のドライアイス製造装置は、残留した二酸化炭素ガスを排出するために、製氷キャビティの外壁に窓部7を設け、低密度材料でこの窓部7を充填し、低密度材料の空隙から二酸化炭素ガスを排出する。しかし、製氷工程において、製氷キャビティ内の二酸化炭素粒子の一部がキャビティ内で圧出され、ドライアイスの塊8が形成され、且つ大量の二酸化炭素粒子9が窓部7の低密度材料の空隙に付着して、低密度材料の空隙を塞ぎ、二酸化炭素ガス10が正常に排出できなくなり、キャビティでドライアイスを圧出する際に空中破裂現象が発生し、これを防止するために、ドライアイス成形用キャビティを大きく設計することができず、大きいサイズのドライアイスの塊を製造することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術課題は、ドライアイスの製造過程においてキャビティに詰まった二酸化炭素ガスを排出することができるドライアイス製造装置、ドライアイス製造の排気装置及び排気方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の設計思想は、ドライアイス成形用キャビティ内にドライアイス噴射通路としての気体流路を設け、ドライアイスの噴射が完了した後、液体出口が気体排出通路に切り換えられ、キャビティでドライアイスを製氷する際に、液体出口から残留した二酸化炭素ガスを排出するようにしたものである。
本発明は、ドライアイス製造装置の排気方法を提供し、
1)製氷の際、液体出口と入液管路とを連通させ、液体出口を通して製氷キャビティ内に二酸化炭素液体を噴射するステップと、
2)製氷終了の際、液体出口と入液管路とを遮断し、液体出口を外気に連通させるステップと、を含む。
【0006】
前記技術課題を解決するために、本発明は、ドライアイス製造装置を提供し、製氷キャビティと、液体出口を開けて、二酸化炭素液体を製氷キャビティに噴射するように、入液管路の末端に設けられる氷噴出バルブと、
前記液体出口が排気口を介して外気に連通させるように、排気口と液体出口との間に設けられる排気バルブと、入液管路と、を備える。
好ましい実施例において、前記氷噴出バルブは、少なくとも1つである。
好ましい実施例において、前記氷噴出バルブ及び排気バルブは、三方パイプを通じて入液管路に接続される。
【0007】
好ましい実施形態において、前記三方パイプの第1の入口は前記入液管路に接続され、第2の入口は前記排気バルブに接続され、前記三方パイプの出口は前記液体出口であり、前記氷噴射バルブは第1の入口と液体出口との間に設けられる。
好ましい実施例において、製氷の際、前記氷噴出バルブは、第1の入口と液体出口とを連通する。
好ましい実施例において、製氷終了の際、前記氷噴出バルブは第1の入口と液体出口とを遮断し、前記排気バルブは液体出口と排気口とを連通する。
本発明は、二酸化炭素液体を噴出する液体出口が排気バルブを介して外気に連通するドライアイス製造装置の排気装置をさらに提供する。
好ましい実施例において、前記液体出口及び排気バルブは、三方パイプを介して入液管路に接続される。
【0008】
好ましい実施例において、前記三方バルブの第1の入口は前記入液管路に接続され、第2の入口は前記排気バルブに接続され、前記三方バルブの出口は前記液体出口であり、氷噴出バルブは第1の入口と液体出口との間に配置される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の技術的態様は、先行技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0010】
本発明は、ドライアイス製造装置、ドライアイス製造装置の排気装置、及び排気方法を提供するものであり、排気バルブと排気通路が設けられ、ドライアイスの製造終了後に排気バルブを開放することにより、液体出口を外気と連通させ、製氷チャンバ内における二酸化炭素粒子が排気窓に詰まって残留した高圧の二酸化炭素ガスを外気と連通させ、残留ガスを排出することができる。この方法において、製氷工程中に二酸化炭素液体を放出するための液体出口を、排気通路の入口として利用することにより、二酸化炭素液体を閉じても、新たなドライアイス粒子が生成されず、したがって、液体出口が詰まることがなく、液体出口を排気通路の入口とすることは、排気通路の閉塞を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来技術のドライアイス製造装置の模式図である。
図2】従来技術のドライアイス製造装置の別の模式図である。
図3】本発明の好ましい実施例の正面図である。
図4】本発明の好ましい実施例の側面図である。
図5】本発明の好ましい実施例の三方パイプの接続を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例の図面を参照して、本発明の実施例の技術的態様を明確且つ完全に説明する。前記実施形態は、本発明の一部の実施形態に過ぎず、全ての実施形態を説明するものではなく、本発明の実施形態に基づいて、当業者が創作的な労力を踏まずに実施し得る他の全ての実施形態が、本発明の保護範囲に含まれることは、無論である。
【0013】
本発明の説明において、「上」、「下」、「内」、「外」、「頂部/底部」等の用語によって示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、単に本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するために示されており、言及される装置又は要素が特定の位置を有し、特定の位置で構成され、動作しなければならないことを明示又は暗示するものではなく、したがって、本発明の限定として理解されるべきではない。さらに、「第1の」、「第2の」という用語は、説明の目的のためだけであり、相対的な重要性を明示または暗示するものとして理解されるべきではない。
【0014】
本発明の説明において、特に明記及び限定しない限り、「取り付け」、「設置」、「セット/接続」、「連接」等の用語は、広く解釈されるべきであり、例えば、「接続」が、壁掛け接続、着脱可能な接続、または一体的な接続、機械的な接続、電気的な接続、直接的な接続、介在物を介した間接的な接続、2つの要素の内部的な連通等のいずれであってもよく、当業者であれば、本発明における前記用語の具体的な意味を実状に応じて理解することができる。
【0015】
図3~5を参照すると、本実施例はドライアイス製造装置を提供し、製氷キャビティ1と、2つの氷噴出バルブ2と、排気バルブ3と、入液管路4とを含み、前記氷噴出バルブ2は、液体出口5を開放して、二酸化炭素液体を製氷キャビティ1に噴出するように、入液管路4の末端に配置される。
前記排気バルブ3は、前記液体出口5が排気口6を介して外気に連通するように、排気口6と液体出口5との間に設けられる。
【0016】
前記のドライアイス製造装置では、排気バルブ3が設けられ、ドライアイスの製造終了後に排気バルブ3を開くことにより、製氷キャビティ1内に残留した高圧の二酸化炭素ガスを外気と連通させて、残留ガスを排出する。
なお、前記氷噴出バルブ2の数は任意であり、本実施例の2つに限定されるものではない。
【0017】
前記の管路配置を実現するために、前記氷噴出バルブ2と排気バルブ3は、三方パイプを介して入液管路4に接続される。具体的に、前記三方パイプの第1の入口は前記入液管路4に接続され、第2の入口は前記排気バブル3に接続され、前記三方パイプの出口は前記液体出口5であり、前記氷噴出バルブ2は、第1の入口と液体出口5との間に配置される。
【0018】
本発明の製氷キャビティは従来技術であり、図1、2に示すように、キャビティ1の外壁に窓部7が設けられ、窓部7を格子または低密度材料で充填し、低密度材料の穴または格子の空隙で二酸化炭素ガスを放出する。
【0019】
製氷の際、前記氷噴出バルブ2は、第一の入口と液体出口5とを連通する。入液管路4からの二酸化炭素液体が液体出口5から噴出され、正常な製氷工程が行われ、製氷キャビティ1内にドライアイス粒子と二酸化炭素ガスが生成され、最初は二酸化炭素ガスがキャビティの窓部7から排出され、それに伴って、ドライアイス粒子が窓部7の格子や空隙である排気通路を閉塞していき、二酸化炭素ガスがキャビティ内に滞留することになる。製氷が終了する際、前記氷噴出バルブ2は第1の入口と液体出口5とを遮断して、二酸化炭素液体の噴出を停止するとともに、液体出口5と排気口6とを連通させるように、排気バルブ3を開放する。これにより、製氷キャビティ1内でピストンに押されてドライアイスが成形される過程において、高圧の二酸化炭素ガス10が排気口6から排出される。このような排気装置は、排気通路の入口として、製氷工程において常に二酸化炭素液体を噴出する液体出口5を使用しているため、液体出口5が二酸化炭素粒子で詰まることがない。吐出停止後に液体出口5を排気通路の入口として利用することにより、排気通路の閉塞を確実に防止することができる。
上述のドライアイス製造における排気方法は、以下のステップを含む。
【0020】
1)製氷の際、液体出口5と入液管路4とを連通し、液体出口5を通して製氷キャビティ1内に二酸化炭素液体を噴射し、二酸化炭素液体の一部が顆粒状になり、一部がガス化され、二酸化炭素ガスが窓部7から排出される。
2)製氷が終了したとき、液体出口5と入液管路4とを遮断し、液体出口5を外気と連通させる。
3)キャビティ内のピストンを押動して、二酸化炭素固体を押出し成形し、キャビティ内の二酸化炭素ガスを液体出口から放出する。
【0021】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の設計思想はこれに限定されるものではなく、当業者が本発明の技術的範囲内で、このような思想を利用して本発明を非本質的な変更を加えることは、いずれも本発明の保護範囲を侵す行為に属する。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、ドライアイス製造装置に関するものであり、製氷キャビティと、液体出口を開けて、二酸化炭素液体を製氷キャビティに噴射するように、入液管路の末端に設けられる氷噴出バルブと、前記液体出口が排気口を介して外気に連通するように、排気口と液体出口との間に設けられる排気バルブと、入液管路と、を備える。前記のドライアイス製造装置は、排気のための液体出口を設けることにより、ドライアイスの製造過程でキャビティ内に残留した二酸化炭素ガスを排出することができ、産業上の利用可能性を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】