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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】粘接着付与樹脂及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 212/00 20060101AFI20240702BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20240702BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20240702BHJP
   C09J 133/00 20060101ALI20240702BHJP
   C09J 179/00 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
C08F212/00
C09J201/00
C09J11/08
C09J133/00
C09J179/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577810
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 KR2022021080
(87)【国際公開番号】W WO2023128470
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0193430
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0177397
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミョン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジョン スン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ワン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】パク,スン ス
【テーマコード(参考)】
4J040
4J100
【Fターム(参考)】
4J040DB042
4J040DF001
4J040EH011
4J040GA11
4J040JB09
4J040LA01
4J040NA16
4J040NA19
4J100AB02P
4J100AB03P
4J100AE18Q
4J100AL10Q
4J100BC54Q
4J100DA01
4J100DA09
4J100DA23
4J100FA06
4J100FA19
4J100FA28
4J100FA29
4J100GC07
4J100GC26
4J100JA05
(57)【要約】
本発明は、石油樹脂モノマーに由来する繰り返し単位(a)、及びエポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)を含み、重量平均分子量は、5,000g/mol以下の粘接着付与樹脂に係り、特定ベース化合物との相容性及び反応性にすぐれ、粘接着剤の透明性及び耐熱性が向上されうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石油樹脂モノマーに由来する繰り返し単位(a)と、
エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)と、を含み、
重量平均分子量は、5,000g/mol以下である、粘接着付与樹脂。
【請求項2】
前記粘接着付与樹脂の重量平均分子量は、3,000g/mol以下である、請求項1に記載の粘接着付与樹脂。
【請求項3】
前記粘接着付与樹脂の数平均分子量は、2,000g/mol以下であり、Z-平均分子量は、6,000g/mol以下であり、分散度(PDI)は、1ないし5である、請求項1に記載の粘接着付与樹脂。
【請求項4】
前記粘接着付与樹脂の軟化点が、40ないし100℃である、請求項1に記載の粘接着付与樹脂。
【請求項5】
前記粘接着付与樹脂の160℃における粘度は、50cpsないし200cpsであり、180℃における粘度は、1cpsないし100cpsである、請求項1に記載の粘接着付与樹脂。
【請求項6】
ASTM D1544基準によって測定したガードナー色標準による色指数値は、10Ga.#以下である、請求項1に記載の粘接着付与樹脂。
【請求項7】
前記石油樹脂モノマーは、スチレン系モノマー、混合C9留分、ジシクロペンタジエン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の粘接着付与樹脂。
【請求項8】
前記スチレン系モノマーは、下記化学式1で表される化合物を含む、請求項7に記載の粘接着付与樹脂:
【化1】
前記化学式1で、
及びRは、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、C-C60アリール基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、tert-ペントキシ基、ネオペントキシ基、イソペントキシ基、sec-ペントキシ基、3-ペントキシ基、sec-イソペントキシ基、n-ヘキソキシ基、イソヘキソキシ基、sec-ヘキソキシ基、tert-ヘキソキシ基、n-ヘプトキシ基、イソヘプトキシ基、sec-ヘプトキシ基、tert-ヘプトキシ基、n-オクトキシ基、イソオクトキシ基、sec-オクトキシ基、tert-オクトキシ基、n-ノノキシ基、イソノノキシ基、sec-ノノキシ基、tert-ノノキシ基、n-デソキシ基、イソデソキシ基、sec-デソキシ基またはtert-デソキシ基;あるいは
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、C-C20アルキル基、C-C20アルコキシ基、C-C60アリール基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、フェニル基、ペンタレニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘプタレニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基またはオバレニル基;であり、
a1は、0ないし5の整数である。
【請求項9】
前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーは、ビニル基、アリル基またはアクリロイル基を含む、請求項1に記載の粘接着付与樹脂。
【請求項10】
前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーは、下記化学式2で表される化合物である、請求項1に記載の粘接着付与樹脂:
【化2】
前記化学式2で、
は、*-C(=O)-*’、*-C(=S)-*’、*-C(=O)-O-*’、*-C(=O)-N(Q)-*’、*-O-*’、*-S-*’または*-N(Q)-*’であり、
*及び*’はそれぞれ隣接原子との結合サイトであり、
n1及びn2は、互いに独立して、0ないし5の整数であり、
ないしR、及びQは、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、C-C60アリール基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、tert-ペントキシ基、ネオペントキシ基、イソペントキシ基、sec-ペントキシ基、3-ペントキシ基、sec-イソペントキシ基、n-ヘキソキシ基、イソヘキソキシ基、sec-ヘキソキシ基、tert-ヘキソキシ基、n-ヘプトキシ基、イソヘプトキシ基、sec-ヘプトキシ基、tert-ヘプトキシ基、n-オクトキシ基、イソオクトキシ基、sec-オクトキシ基、tert-オクトキシ基、n-ノノキシ基、イソノノキシ基、sec-ノノキシ基、tert-ノノキシ基、n-デソキシ基、イソデソキシ基、sec-デソキシ基またはtert-デソキシ基;あるいは
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、C-C20アルキル基、C-C20アルコキシ基、C-C60アリール基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、フェニル基、ペンタレニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘプタレニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基またはオバレニル基;である。
【請求項11】
前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーは、下記化学式2-3または化学式2-4で表された、請求項1に記載の粘接着付与樹脂:
【化3】
【化4】
【請求項12】
前記粘接着付与樹脂は、両末端のうち少なくとも一末端に結合された分子量調節剤をさらに含む、請求項1に記載の粘接着付与樹脂。
【請求項13】
前記分子量調節剤は、チオール系分子量調節剤、ハロカーボン類分子量調節剤、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項12に記載の粘接着付与樹脂。
【請求項14】
前記分子量調節剤の重量は、前記粘接着付与樹脂の総重量を基準に、1ないし10重量%である、請求項12に記載の粘接着付与樹脂
【請求項15】
前記粘接着付与樹脂において、前記石油樹脂モノマーに由来する繰り返し単位(a)の含量は、前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)の含量より多い、請求項1に記載の粘接着付与樹脂。
【請求項16】
前記粘接着付与樹脂において、
前記石油樹脂モノマーに由来する繰り返し単位(a)の重量は、全体粘接着付与樹脂総重量を基準に、50重量%以上100重量%未満であり、
前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)の重量は、全体粘接着付与樹脂総重量を基準に、0重量%超過50重量%以下である、請求項1に記載の粘接着付与樹脂。
【請求項17】
前記粘接着付与樹脂は、アクリル系粘接着剤用またはアミン系粘接着剤用である、請求項1に記載の粘接着付与樹脂。
【請求項18】
(a)石油樹脂モノマー、及びエポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーを含む反応組成物を重合反応させ、重合体を得る段階と、
(b)前記重合体に対する脱気反応を行い、粘接着付与樹脂を得る段階と、を含む、請求項1ないし17のうちいずれか1項に記載の粘接着付与樹脂の製造方法。
【請求項19】
前記重合体を得る(a)段階において、前記重合反応は、50ないし300℃の温度において、60ないし240分間行われる、請求項18に記載の粘接着付与樹脂の製造方法。
【請求項20】
前記粘接着付与樹脂を得る(b)段階において、前記脱気反応は、温度200℃ないし300℃、圧力1mbarないし50mbarにおいて、1分間ないし20分間行われる、請求項18に記載の粘接着付与樹脂の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘接着付与樹脂及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粘接着剤は、自動車、電子電気製品、建築材料を始めとする多様な分野において、部材を固定する材料として使用されている。
【0003】
例えば、自動車の製造現場においては、自動車内蔵部材を自動車内部に固定するときなどに、粘接着剤が使用されている。また、携帯電話や液晶ディスプレイのような電子機器などの製造現場においては、該電子製品を、衝撃から保護することを目的として、電子製品内部に設けられるクッション材などの固定、電子製品の外装部材の固定、液晶表示装置・有機EL(electroluminescence)表示装置・PDP(plasma display panel)のような画像表示装置を構成する部材の固定などに、粘接着剤が使用されている。
【0004】
前記粘接着剤としては、環境負荷低減の観点から、溶剤系粘接着剤から水系粘接着剤への転換が進められており、最近では、水性媒体中に、アクリル系ポリマーなどが分散された水性アクリル系粘接着剤が望ましく使用されている。
【0005】
前記アクリル系粘接着剤には、一般的に、接着力や静荷重維持力などの粘接着性をさらに向上させる観点から、粘接着付与樹脂を組み合わせて使用する場合が多い。
【0006】
ただし、粘接着付与樹脂の場合、アクリル粘接着剤に含まれるアクリル系ポリマーとの相容性が劣る場合、粘接着剤が不透明になり、光硬化反応が容易になされず、耐熱性も劣ることとなる。
【0007】
そのため、アクリル系ポリマーとの相容性にすぐれる粘接着付与樹脂の必要性が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、アクリル系ポリマーまたはアミン系硬化剤に対するすぐれた相容性または反応性を有する粘接着付与樹脂及びその製造方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、石油樹脂モノマーに由来する繰り返し単位(a);及びエポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)を含み、重量平均分子量は、5,000g/mol以下である、粘接着付与樹脂に係わるものである。
【0010】
本発明の他の態様は、(a)石油樹脂モノマー、及びエポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーを含む反応組成物を重合反応させ、重合体を得る段階と、(b)前記重合体に対する脱気反応を行い、粘接着付与樹脂を得る段階と、を含む、前記粘接着付与樹脂の製造方法に係わるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明による粘接着付与樹脂は、特定ベース化合物との関係において、向上された相容性または反応性を有することができる。
【0012】
また、本発明による粘接着付与樹脂は、前記ベース化合物において、アクリル系ポリマーまたはアミン系硬化剤との相容性または反応性にすぐれ、前記特定ベース化合物及び前記粘接着付与樹脂を含む粘接着剤の透明度及び耐熱性が向上されうる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において、本発明のさまざまな側面、及び多様な具現例につき、さらに具体的に説明する。
【0014】
本明細書、及び特許請求の範囲に使用された用語や単語は、一般的であったり辞書的であったりする意味に限定して解釈されるものではなく、発明者は、自らの発明について、最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則にのっとり、本発明の技術的思想に符合する意味と概念とによって解釈されなければならない。
【0015】
本発明で使用された用語は、単に特定実施例について説明するために使用されたものであり、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせが存在するということを指定するものであり、1またはそれ以上の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、またはそれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されなければならない。
【0016】
具体的には、本発明の一態様は、石油樹脂モノマーに由来する繰り返し単位(a)、及びエポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)を含み、重量平均分子量は、5,000g/mol以下である、粘接着付与樹脂に係わるのである。
【0017】
例えば、前記粘接着付与樹脂が、前記モル数関係及び重量平均分子量範囲を満足する場合、後述する特定ベース化合物との相容性または反応性が向上されうる。それにより、前記粘接着付与樹脂を含む粘接着剤の透明性または耐熱性がさらに向上されうる。
【0018】
一具現例によれば、前記石油樹脂モノマーは、実用化が可能な液状の混合C5ないしC20留分、スチレン系モノマー、ジオレフィンまたはジシクロペンタジエンを含むものでもある。
【0019】
他の具現例によれば、前記石油樹脂モノマーは、混合C5留分、混合C9留分、スチレン系モノマーまたはジシクロペンタジエンを含むものでもある。
【0020】
一具現例によれば、前記石油樹脂モノマーは、スチレン系モノマーまたは混合C9留分を含むものでもある。
【0021】
一具現例によれば、前記石油樹脂モノマーはスチレン系モノマーを含むものでもある。
【0022】
例えば、前記混合C5留分は、1-ペンテン、2-メチル-2-ブテン、n-ペンタン、プロパジエン、ジシクロペンタジエン、ピペリレン、イソプレン、シクロペンテンなどを含むものでもある。
【0023】
例えば、混合C9留分は、ビニルトルエン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、スチレン、ジシクロペンタジエン、インデン、トランス-β-メチルスチレン、メチルインデンまたはベンゼン/トルエン/キシレン(BTX)などを含むものでもある。
【0024】
例えば、ジオレフィンは、プロパジエン、ジシクロペンタジエン、シクロペンテンなどを含むものでもある。
【0025】
一具現例によれば、前記スチレン系モノマーは、下記化学式1で表される化合物を含むものでもある。
【0026】
【化1】
【0027】
前記化学式1で、
及びRは、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;あるいは
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、C-C60アリール基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、tert-ペントキシ基、ネオペントキシ基、イソペントキシ基、sec-ペントキシ基、3-ペントキシ基、sec-イソペントキシ基、n-ヘックソキシ基、イソヘックソキシ基、sec-ヘキソキシ基、tert-ヘキソキシ基、n-ヘプトキシ基、イソヘプトキシ基、sec-ヘプトキシ基、tert-ヘプトキシ基、n-オクトキシ基、イソオクトキシ基、sec-オクトキシ基、tert-オクトキシ基、n-ノノキシ基、イソノノキシ基、sec-ノノキシ基、tert-ノノキシ基、n-デソキシ基、イソデソキシ基、sec-デソキシ基またはtert-デソキシ基;あるいは
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、C-C20アルキル基、C-C20アルコキシ基、C-C60アリール基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、フェニル基、ペンタレニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘプタレニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基またはオバレニル基;でもある。
【0028】
一具現例によれば、R及びRは、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;あるいは
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、C-C60アリール基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、tert-ペントキシ基、ネオペントキシ基、イソペントキシ基、sec-ペントキシ基、3-ペントキシ基、sec-イソペントキシ基、n-ヘキソキシ基、イソヘキソキシ基、sec-ヘキソキシ基、tert-ヘキソキシ基、n-ヘプトキシ基、イソヘプトキシ基、sec-ヘプトキシ基、tert-ヘプトキシ基、n-オクトキシ基、イソオクトキシ基、sec-オクトキシ基、tert-オクトキシ基、n-ノノキシ基、イソノノキシ基、sec-ノノキシ基、tert-ノノキシ基、n-デソキシ基、イソデソキシ基、sec-デソキシ基またはtert-デソキシ基;でもある。
【0029】
一具現例によれば、Rは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基またはtert-デシル基でもある。
【0030】
一具現例によれば、Rは、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;でもある。
【0031】
a1は、0ないし5の整数でもある。
【0032】
一具現例によれば、前記スチレン系モノマーは、スチレン(styrene)、α-メチルスチレン(α-methyl styrene)、またはそれらの組み合わせを含むものでもある。
【0033】
一具現例によれば、前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーは、ビニル基(vinyl)、アリル基(allyl)またはアクリロイル基(acryloyl)を含むものでもある。
【0034】
一具現例によれば、前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーは、下記化学式2で表される化合物でもある。
【0035】
【化2】
【0036】
前記化学式2で、
は、*-C(=O)-*’、*-C(=S)-*’、*-C(=O)-O-*’、*-C(=O)-NQ-*’、*-O-*’、*-S-*’または*-NQ-*’でもある。
【0037】
一具現例によれば、Lは、*-C(=O)-*’、*-C(=O)-O-*’または*-O-*’でもある。他の具現例によれば、Lは、*-C(=O)-O-*’または*-O-*’でもある。
【0038】
n1及びn2は、互いに独立して、0ないし5の整数でもある。
【0039】
一具現例によれば、n1及びn2は、互いに独立して、0ないし3の整数でもある。
【0040】
他の具現例によれば、n1は、0ないし2の整数でもある。他の具現例によれば、n2は、1ないし3の整数でもある。
【0041】
前記化学式2で、RないしR、及びQは、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、C-C60アリール基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、tert-ペントキシ基、ネオペントキシ基、イソペントキシ基、sec-ペントキシ基、3-ペントキシ基、sec-イソペントキシ基、n-ヘキソキシ基、イソヘキソキシ基、sec-ヘキソキシ基、tert-ヘキソキシ基、n-ヘプトキシ基、イソヘプトキシ基、sec-ヘプトキシ基、tert-ヘプトキシ基、n-オクトキシ基、イソオクトキシ基、sec-オクトキシ基、tert-オクトキシ基、n-ノノキシ基、イソノノキシ基、sec-ノノキシ基、tert-ノノキシ基、n-デソキシ基、イソデソキシ基、sec-デソキシ基またはtert-デソキシ基;あるいは
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、C-C20アルキル基、C-C20アルコキシ基、C-C60アリール基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、フェニル基、ペンタレニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘプタレニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基またはオバレニル基;でもある。
【0042】
一具現例によれば、前記化学式2で、RないしR、及びQは、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;あるいは
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、C-C60アリール基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、tert-ペントキシ基、ネオペントキシ基、イソペントキシ基、sec-ペントキシ基、3-ペントキシ基、sec-イソペントキシ基、n-ヘキソキシ基、イソヘキソキシ基、sec-ヘキソキシ基、tert-ヘキソキシ基、n-ヘプトキシ基、イソヘプトキシ基、sec-ヘプトキシ基、tert-ヘプトキシ基、n-オクトキシ基、イソオクトキシ基、sec-オクトキシ基、tert-オクトキシ基、n-ノノキシ基、イソノノキシ基、sec-ノノキシ基、tert-ノノキシ基、n-デソキシ基、イソデソキシ基、sec-デソキシ基またはtert-デソキシ基;でもある。
【0043】
他の具現例によれば、前記化学式2で、
は、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;あるいは
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基またはtert-デシル基でもある。
【0044】
他の具現例によれば、RないしRは、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基でもある。
【0045】
一具現例によれば、前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーは、下記化学式2-1または下記化学式2-2で表される化合物でもある。
【0046】
【化3】
【0047】
【化4】
【0048】
前記化学式2-1及び化学式2-2で、
ないしR、n1及びn2に係わる説明は、本明細書の記載を参照することができる。
【0049】
他の具現例によれば、前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーは、下記化学式2-3または化学式2-4で表される化合物でもある。
【0050】
【化5】
【0051】
【化6】
【0052】
一具現例によれば、前記粘接着付与樹脂の両末端のうち少なくとも一末端には、分子量調節剤が結合されていてもよい。
【0053】
一具現例によれば、前記分子量調節剤は、連鎖移動剤(chain transfer agent)を意味しうる。前記分子量調節剤は、チオール系分子量調節剤、ハロカーボン系分子量調節剤、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。
【0054】
一具現例によれば、前記ハロカーボン系分子量調節剤は、ハロゲンを含むものでもある。例えば、前記ハロカーボン系分子量調節剤は、四塩化炭素(CCl)を含むものでもある。
【0055】
一具現例によれば、前記チオール系分子量調節剤は、1以上のチオール基(-SH)を含む有機メルカプタン系分子量調節剤を含むものでもある。例えば、前記チオール系分子量調節剤は、1分子当たり1ないし4個のチオール基(-SH)を含むものでもある。
【0056】
一具現例によれば、前記チオール系分子量調節剤は、脂肪族メルカプタン系分子量調節剤、環状脂肪族メルカプタン系分子量調節剤、芳香族メルカプタン系分子量調節剤、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。
【0057】
一具現例によれば、前記チオール系分子量調節剤は、チオール基1個当たり1ないし20個の炭素を含むものでもある。他の具現例によれば、前記チオール系分子量調節剤は、チオール基1個当たり1ないし15個の炭素を含むものでもある。
【0058】
一具現例によれば、前記チオール系分子量調節剤は、炭化水素基及びチオール基以外に、他の置換基を追加して含むものでもある。例えば、前記他の置換基は、ヒドロキシ基、カルボン酸(carboxylic acid)基、エーテル(ether)基、エステル(ester)基、スルフィド基、アミン基、アミド基、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。
【0059】
一具現例によれば前記チオール基を有する有機メルカプタン系分子量調節剤は、エチルメルカプタン、ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、またはそれらの任意の組み合わせを含むアルキルメルカプタン類;フェニルメルカプタン、ベンジルメルカプタン、またはそれらの組み合わせを含むチオールフェノール類;2-メルカプトエタノール、チオールグリコール酸(thioglycolic acid)、3-メルカプトプロピオン酸、またはそれらの任意の組み合わせを含むヒドロキシ基含有またはカルボン酸基含有のメルカプタン類;あるいはペンタエリトリトールテトラキス(3-メルカプト)プロピオネートを含む機能基を2以上有するメルカプタン類;あるいはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。
【0060】
他の具現例によれば、前記チオール基を有する有機メルカプタン系分子量調節剤は、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ラウリル(lauryl)メルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、ベンジルメルカプタン、フェニルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、1-チオグリセロ-ル、2,2’-ジメルカプトジエチルエーテル、2,2’-ジメルカプトジプロピルエーテル、2,2’-ジメルカプトジイソピロピルエーテル、3,3’-ジメルカプトジプロピルエーテル、2,2’-ジメルカプトジエチルスルフィド、3,3’-ジメルカプトジプロピルスルフィド、ビス(β-メルカプトエトキシ)メタン、ビス(β-メルカプトエトキシ)メタン、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリトリトールテトラチオグリコレート、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。
【0061】
一具現例によれば、前記分子量調節剤には、エチルメルカプタン、ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン;フェニルメルカプタン、ベンジルメルカプタン;メルカプトエタノール、チオールグリコール酸、メルカプトプロピオン酸;ペンタエリトリトールテトラキス(3-メルカプト)プロピオネート、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。
【0062】
他の具現例によれば、前記分子量調節剤は、n-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、2-メルカプトエタノール、またはそれらの混合物を含み、分子量調節の効果を極大化させることができる。
【0063】
他の具現例によれば、前記粘接着付与樹脂の両末端には、分子量調節剤が結合されていないのである。
【0064】
一具現例によれば、前記粘接着付与樹脂の重量平均分子量(Mw)は、3,000g/mol以下でもある。
【0065】
他の具現例によれば、前記粘接着付与樹脂の重量平均分子量(Mw)は、500ないし5,000g/mol、1,000ないし5,000g/mol、1,500ないし5,000g/mol、2,000ないし5,000g/mol、2,500ないし5,000g/mol,500ないし4,500g/mol,500ないし4,000g/mol,500ないし3,500g/mol,500ないし3,000g/mol、または1,000ないし3,000g/molでもある。
【0066】
一具現例によれば、前記粘接着付与樹脂の数平均分子量(Mn)は、2,000g/mol以下でもある。例えば、前記粘接着付与樹脂の数平均分子量(Mn)は、100ないし2,000g/mol、300ないし2,000g/mol,500ないし2,000g/mol、700ないし2,000g/mol、100ないし1,800g/mol、100ないし1,600g/mol、100ないし1,400g/mol、100ないし1,200g/mol、または700ないし1,200g/molでもある。
【0067】
一具現例によれば、前記粘接着付与樹脂のZ-平均分子量(Mz)は、6,000g/mol以下でもある。例えば、前記粘接着付与樹脂のZ-平均分子量は、1,000ないし6,000g/mol、2,000ないし6,000g/mol、3,000ないし6,000g/mol、1,000ないし5,900g/mol、1,000ないし5,800g/mol、または3,000ないし5,800g/molでもある。
【0068】
一具現例によれば、前記粘接着付与樹脂の分散度(PDI)は、1ないし5でもある。例えば、前記粘接着付与樹脂の分散度(PDI)は、1.2ないし5、1.4ないし5、1.6ないし5、1.8ないし5、2.0ないし5、1.2ないし4.5、1.2ないし4.3、1.2ないし4、1.2ないし3、1.2ないし2.8、または2ないし2.8でもある。
【0069】
例えば、前記粘接着付与樹脂の平均分子量値及び分散度が前記範囲を満足する場合、アクリル系ポリマーとの相容性がさらに向上されうる。
【0070】
一具現例によれば、前記粘接着付与樹脂の軟化点は、40ないし100℃でもある。例えば、前記粘接着付与樹脂の軟化点は、40ないし80℃、40ないし70℃、40ないし65℃、50ないし100℃、50ないし70℃、または50ないし65℃でもある。
【0071】
一具現例によれば、前記粘接着付与樹脂の160℃における粘度は、50cpsないし200cpsでもある。例えば、前記粘接着付与樹脂の160℃における粘度は、55cpsないし200cps、60cpsないし200cps、50cpsないし160cps、50cpsないし120cps、50cpsないし80cps、または60cpsないし70cpsでもある。
【0072】
一具現例によれば、前記粘接着付与樹脂の180℃における粘度は、1cpsないし100cpsでもある。例えば、前記粘接着付与樹脂の180℃における粘度は、10cpsないし100cps、20cpsないし100cps、1cpsないし80cps、1cpsないし60cps、10cpsないし50cps、30cpsないし50cps、40cpsないし50cps、20cpsないし48cps、または30cpsないし48cpsでもある。
【0073】
一具現例によれば、前記粘接着付与樹脂のASTM D1544基準によって測定したガードナー色標準による色指数値は、10Ga.#以下でもある。例えば、前記粘接着付与樹脂のASTM D1544基準によって測定したガードナー色標準による色指数値は、7Ga.#以下、6.6Ga.#以下、5Ga.#以下、3Ga.#以下、2.3Ga.#以下でもある。例えば、前記粘接着付与樹脂のASTM D1544基準によって測定したガードナー色標準による色指数値は、0.1Ga.#ないし7Ga.#、0.2Ga.#ないし7Ga.#、0.5Ga.#ないし7Ga.#、0.1Ga.#ないし6.6Ga.#、0.2Ga.#ないし6.6Ga.#、0.5Ga.#ないし6.6Ga.#、0.1Ga.#ないし5Ga.#、0.2Ga.#ないし5Ga.#、0.5Ga.#ないし5Ga.#、0.1Ga.#ないし3Ga.#、0.2Ga.#ないし3Ga.#、0.5Ga.#ないし3Ga.#、0.1Ga.#ないし2.3Ga.#、0.2Ga.#ないし2.3Ga.#、または0.5Ga.#ないし2.3Ga.#でもある。
【0074】
一具現例によれば、前記C9(混合)留分に由来する繰り返し単位(a)の含量は、前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)の含量よりも多くなる。
【0075】
一具現例によれば、前記粘接着付与樹脂において、前記C9(混合)留分に由来する繰り返し単位(a)の重量は、前記粘接着付与樹脂の総重量を基準に、50重量%以上100重量%未満でもある。
【0076】
他の具現例によれば、前記粘接着付与樹脂において、前記C9(混合)留分に由来する繰り返し単位(a)の重量は、前記粘接着付与樹脂の総重量を基準に、52重量%以上100重量%未満、54重量%以上100重量%未満、56重量%以上100重量%未満、58重量%以上100重量%未満、60重量%以上100重量%未満、62重量%以上100重量%未満、64重量%以上100重量%未満、66重量%以上100重量%未満、68重量%以上100重量%未満、70重量%以上100重量%未満、72重量%以上100重量%未満、74重量%以上100重量%未満、76重量%以上100重量%未満、78重量%以上100重量%未満、80重量%以上100重量%未満、82重量%以上100重量%未満、84重量%以上100重量%未満、86重量%以上100重量%未満、88重量%以上100重量%未満、50重量%以上98重量%以下、50重量%以上96重量%以下、50重量%以上94重量%以下、50重量%以上92重量%以下、50重量%以上90重量%以下、50重量%以上88重量%以下、50重量%以上86重量%以下、50重量%以上84重量%以下、50重量%以上82重量%以下、50重量%以上80重量%以下、74重量%以上84重量%以下、または86重量%以上96重量%以下でもある。
【0077】
一具現例によれば、前記粘接着付与樹脂において、前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)の重量は、前記粘接着付与樹脂の総重量を基準に、0重量%超過50重量%以下でもある。
【0078】
他の具現例によれば、前記粘接着付与樹脂において、前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)の重量は、前記粘接着付与樹脂の総重量を基準に、2重量%以上50重量%以下、4重量%以上50重量%以下、6重量%以上50重量%以下、8重量%以上50重量%以下、10重量%以上50重量%以下、12重量%以上50重量%以下、14重量%以上50重量%以下、16重量%以上50重量%以下、18重量%以上50重量%以下、20重量%以上50重量%以下、0重量%超過50重量%以下、0重量%超過48重量%以下、0重量%超過46重量%以下、0重量%超過44重量%以下、0重量%超過42重量%以下、0重量%超過40重量%以下、0重量%超過38重量%以下、0重量%超過36重量%以下、0重量%超過34重量%以下、0重量%超過32重量%以下、0重量%超過30重量%以下、0重量%超過28重量%以下、0重量%超過26重量%以下、0重量%超過24重量%以下、0重量%超過22重量%以下、0重量%超過20重量%以下、0重量%超過18重量%以下、0重量%超過16重量%以下、0重量%超過14重量%以下、0重量%超過12重量%以下、16重量%以上36重量%以下、16重量%以上26重量%以下、または4重量%以上14重量%以下でもある。
【0079】
一具現例によれば、NMRを介して測定した前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)のモル%は、前記粘接着付与樹脂に含まれた前記モノマーに由来する繰り返し単位の総モル数を基準に、0超過50モル%以下でもある。
【0080】
他の具現例によれば、NMRを介して測定した前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)のモル%は、前記粘接着付与樹脂に含まれた前記モノマーに由来する繰り返し単位の総モル数を基準に、4ないし50モル%、8ないし50モル%、12ないし50モル%、0超過49モル%、0超過48モル%、0超過47モル%、4ないし45モル%、4ないし40モル%、4ないし36モル%、4ないし32モル%、4ないし28モル%、または4ないし24モル%でもある。例えば、エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)のモル%は、H-NMRを使用して測定することができる。
【0081】
例えば、エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)のモル%は、H-NMR測定によって得られるピーク分析を介して確認することができる。
【0082】
一具現例によれば、エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)のモル%は、H-NMRを使用し、4.0から3.0ppmまでの積分値を介して測定されうる。例えば、エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)のモル%は、前記粘接着付与樹脂のH-NMRスペクトルを、0.0ないし9.0ppmまで測定したとき、全体ピーク面積に対する、4.0から3.0ppmまでのピーク面積の比率から測定されうる。
【0083】
一具現例によれば、前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーに由来する繰り返し単位(b)のモル%は、前記粘接着付与樹脂に含まれた前記モノマーに由来する繰り返し単位の総モル数を基準に、6ないし15モル%、7ないし15モル%、5ないし15モル%、5ないし14モル%、5ないし13モル%、5ないし12モル%、5ないし11モル%、または6ないし12モル%でもある。
【0084】
本発明のさらに他の態様は、(a)C9(混合)留分、及びエポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーを含む反応組成物を重合反応させ、重合体を得る段階と、(b)前記重合体に対する脱気反応を行い、粘接着付与樹脂を得る段階と、を含む粘接着付与樹脂の製造方法を提供することができる。
【0085】
例えば、前記C9(混合)留分、及び前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーの種類及び物性と、前記粘接着付与樹脂の物性は、前述の記載を参照する。
【0086】
一具現例によれば、前記反応組成物において、C9(混合)留分の重量は、前記反応組成物に含まれた固形分の総重量を基準に、50重量%以上100重量%未満でもある。
【0087】
例えば、前記反応組成物に含まれた固形分は、前記反応組成物に含まれた構成のうちから、溶媒を除いた残り構成を意味しうる。
【0088】
他の具現例によれば、前記反応組成物において、C9(混合)留分の重量は、前記反応組成物に含まれた固形分の総重量を基準に、52重量%以上100重量%未満、54重量%以上100重量%未満、56重量%以上100重量%未満、58重量%以上100重量%未満、60重量%以上100重量%未満、62重量%以上100重量%未満、64重量%以上100重量%未満、66重量%以上100重量%未満、68重量%以上100重量%未満、70重量%以上100重量%未満、72重量%以上100重量%未満、74重量%以上100重量%未満、76重量%以上100重量%未満、78重量%以上100重量%未満、80重量%以上100重量%未満、82重量%以上100重量%未満、84重量%以上100重量%未満、86重量%以上100重量%未満、88重量%以上100重量%未満、50重量%以上98重量%以下、50重量%以上96重量%以下、50重量%以上94重量%以下、50重量%以上92重量%以下、50重量%以上90重量%以下、50重量%以上88重量%以下、50重量%以上86重量%以下、50重量%以上84重量%以下、50重量%以上82重量%以下、50重量%以上80重量%以下、74重量%以上84重量%以下、または86重量%以上96重量%以下でもある。
【0089】
一具現例によれば、前記反応組成物において、前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーの重量は、前記反応組成物に含まれた固形分の総重量を基準に、0重量%超過50重量%以下でもある。
【0090】
他の具現例によれば、前記反応組成物において、前記エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーの重量は、前記反応組成物に含まれた固形分の総重量を基準に、2重量%以上50重量%以下、4重量%以上50重量%以下、6重量%以上50重量%以下、8重量%以上50重量%以下、10重量%以上50重量%以下、12重量%以上50重量%以下、14重量%以上50重量%以下、16重量%以上50重量%以下、18重量%以上50重量%以下、20重量%以上50重量%以下、0重量%超過50重量%以下、0重量%超過48重量%以下、0重量%超過46重量%以下、0重量%超過44重量%以下、0重量%超過42重量%以下、0重量%超過40重量%以下、0重量%超過38重量%以下、0重量%超過36重量%以下、0重量%超過34重量%以下、0重量%超過32重量%以下、0重量%超過30重量%以下、0重量%超過28重量%以下、0重量%超過26重量%以下、0重量%超過24重量%以下、0重量%超過22重量%以下、0重量%超過20重量%以下、0重量%超過18重量%以下、0重量%超過16重量%以下、0重量%超過14重量%以下、0重量%超過12重量%以下、16重量%以上36重量%以下、16重量%以上26重量%以下、または4重量%以上14重量%以下でもある。
【0091】
一具現例によれば前記重合体を得る(a)段階において、前記重合反応は、50ないし300℃の温度において、60ないし240分間行われうる。
【0092】
他の具現例によれば、前記重合反応は、75ないし300℃、100ないし300℃、125ないし300℃、150ないし300℃、175ないし300℃,200ないし300℃、225ないし300℃、250ないし300℃、50ないし275℃、50ないし250℃、50ないし225℃、50ないし200℃、50ないし175℃、50ないし150℃、50ないし125℃、50ないし100℃,200ないし270℃、230ないし290℃、240ないし280℃、または250ないし270℃の温度において行われうる。
【0093】
一具現例によれば前記重合反応は、60ないし240分間行われうる。
【0094】
他の具現例によれば前記重合反応は、80ないし240分間、100ないし240分間、120ないし240分間、80ないし220分間、80ないし200分間、80ないし180分間、120ないし180分間、または130ないし170分間行われうる。
【0095】
一具現例によれば、前記反応組成物は、分子量調節剤をさらに含むものでもある。他の具現例によれば、前記反応組成物は、分子量調節剤をさらに含まないのである。
【0096】
一具現例によれば、前記分子量調節剤に係わる説明は、前述の本明細書の記載を参照することができる。
【0097】
一具現例によれば、前記分子量調節剤の重量は、前記反応組成物に含まれた固形分の総重量を基準に、1ないし10重量%でもある。
【0098】
他の具現例によれば、前記分子量調節剤の重量は、前記反応組成物に含まれた固形分の総重量を基準に、4ないし10モル%、6ないし10モル%、または7ないし10モル%でもある。
【0099】
一具現例によれば、前記前記反応組成物は、重合開始剤をさらに含むものでもある。
【0100】
例えば、前記重合開始剤は、光重合開始剤またはラジカル開始剤を含むものでもある。
【0101】
一具現例によれば、前記光重合開始剤は、アセトフェノン系開始剤、ベンゾフェノール系開始剤、ベンジル系開始剤、ベンゾイル開始剤、硫黄系開始剤、アントラキノン系開始剤、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、チオール系開始剤、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。
【0102】
例えば、前記アセトフェノン系開始剤は、2,2-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアセトフェノン、p-ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p-tert-ブチルアセトフェノン、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。例えば、前記ベンゾフェノン系開始剤は、2-クロロベンゾフェノン、p,p’-ビスジメチルアミノベンゾフェノン、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。例えば、該ベンジル系開始剤は、ベンジルを含むものでもある。例えば、該ベンゾイン系開始剤は、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタル、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。例えば、前記硫黄系開始剤は、チオキサントン(thioxanthone)、2-クロロチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。例えば、前記アントラキノン誘導体は、2-エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。例えば、前記アゾ系開始剤は、アゾビスイソブチロニトリルを含むものでもある。例えば、該過酸化物系開始剤は、ベンゾイルペルオキシド、アセチルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、クメンペルオキシド、過酸化水素、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。例えば、該チオール系開始剤は、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。
【0103】
一具現例によれば、前記ラジカル開始剤は、ペルオキシド系開始剤またはアゾビス系開始剤を含むものでもある。
【0104】
例えば、前記ペルオキシド系開始剤は、過硫酸カリウム、過酸化水素、メチルエチルケトンペルオキシド、メチルイソブチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、o-メチルベンゾイルペルオキシド、ビス-3,5,5-トリメチルヘキサノイルペルオキシド、2,4,4-トリメチルペンチル-2-ヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3-ビス(t-ブチルオキシイソプロピル)ベンゼン、t-ブチルクミルペルオキシド、1,1-ジ-t-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2-ジ-(t-ブチルペルオキシ)ブタン、4,4-ジ-t-ブチルペルオキシ吉草酸n-ブチルエステル、2,4,4-トリメチルペンチルペルオキシペノキシアセテート、α-クミルペルオキシネオデカノエート、t-ブチルペルオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルペルオキシトリメチルアジペート、ジ-3-メトキシブチルペルオキシジカルボネート、ジ-2-エチルヘキシルペルオキシジカルボネート、ビス-(4-t-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカルボネート、ジイソプロピルペルオキシジカルボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルペルオキシド、t-ブチルペルオキシアリールカルボネート、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。
【0105】
例えば、アゾビス系開始剤は、1,1’-アゾビスシクロヘキサン-1-カルボニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(メチルイソブチレート)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、α,α’-アゾビス(イソブチルニトニル)、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。
【0106】
一具現例によれば、(b)前記重合体に対する脱気反応を行い、粘接着付与樹脂を得る段階において、前記脱気反応は、温度200℃ないし300℃、圧力1mbarないし50mbarにおいて、1分間ないし20分間行われうる。
【0107】
他の具現例によれば、前記脱気反応は、温度220℃ないし280℃、圧力5mbarないし25mbarにおいて、5分間ないし15分間、または温度240℃ないし260℃、圧力5mbarないし15mbarにおいて、8分間ないし12分間行われうる。
【0108】
一具現例によれば、前述の粘接着付与樹脂は、粘接着剤に適用されうる。他の具現例によれば、前述の粘接着付与樹脂は、アクリル系粘接着剤またはアミン系粘接着剤に適用されうる。
【0109】
本発明のさらに他の態様は、前述の粘接着付与樹脂を含む粘接着剤を提供することができる。例えば、前記粘接着付与樹脂は、粘接着剤の粘接着力を付与することができる。
【0110】
一具現例によれば、前記点粘着剤は、前記粘接着付与樹脂とベース化合物とを含む点粘着剤でもある。例えば、前記ベース化合物は、アクリル系ポリマーまたはアミン系硬化剤を含むものでもある。
【0111】
前記アクリル系ポリマーは、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリル酸、2-エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、またはそれらの任意の組み合わせをモノマーとして使用して重合されたポリマーでもある。
【0112】
前記アミン系硬化剤は、トリエチレンテトラアミン(triethylenetetramine)、ジエチレントリアミン(diethylenetriamine)、アミノエチルピペラジン(N-(2-aminoethyl)piperazine)、ビスアミノメチルノルボルネン(bis(aminomethyl)norbornane)、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキセン(1,3-bis(aminomethyl)-cyclohexane)、4,4’-メチレンビスイソフロンジアミン(4,4’-methylenebisisophorondiamine)、1,3-フェニレンジアミン(1,3-phenylenediamine)、4,4’-ジアミノジフェニルメタン(4,4’-diaminodiphenylmethane)、またはそれらの任意の組み合わせを含むものでもある。
【0113】
例えば、前記粘接着付与樹脂は、前記アクリル系ポリマーとの相容性にすぐれ、前記粘接着剤の透明性にすぐれるのである。例えば、前記粘接着付与樹脂は、エポキシ基を含むことにより、前記アミン系硬化剤との反応性にすぐれ、前記粘接着剤の耐熱性にすぐれるのである。
【0114】
一具現例によれば、前記粘接着剤は、光硬化性粘接着剤でもある。
【0115】
例えば、前記粘接着剤は、前記粘接着付与剤及び前記ベース化合物以外に、架橋剤、重合開始触媒または硬化促進剤などをさらに含むものでもある。
【0116】
一具現例によれば、前記粘接着剤において、前記粘接着付与樹脂の含量は、前記粘接着剤総重量を基準に、5重量%以上でもある。
【0117】
他の具現例によれば、前記粘接着剤において、前記粘接着付与樹脂の含量は、前記粘接着剤総重量を基準に、5ないし30重量%、5ないし25重量%、5ないし20重量%、10ないし30重量%、または15ないし30重量%でもある。
【0118】
一具現例によれば、前記粘接着剤は、透明でもある。その場合、前記粘接着剤は、内部で光が満遍なく透過し、光硬化反応が満遍なく進むことができる。それにより、粘接着剤の耐熱性などがさらに向上されうる。
【0119】
[用語の定義]
本明細書において、C-C60アリール基は、炭素数6ないし60個の炭素環芳香族系を有する一価基を意味し、フェニル基、ペンタレニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘプタレニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基などを含まれる。前記C-C60アリール基が2以上の環を含む場合、前記2以上の環は、互いに連結されうる。
【0120】
以下、実施例を介し、本発明についてさらに詳細に説明する。それら実施例は、もっぱら、本発明についてさらに具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がそれら実施例によって制限されるものではないということは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者において自明であろう。
【0121】
実施例1.粘接着付与樹脂の製造
撹拌器、還流フリーザ、温度計及び窒素注入装置を備えた1,000mlの化学反応器に、モノマー(スチレン(SM)、グリシジルメタアクリレート(GMA))を、下記の表1に記載された配合量(重量%)によって注入し、溶媒であるキシレン(xylene)350g、及び分子量調節剤である2-メルカプトエタノール(2-ME)24.5g(7重量%)を添加し、反応組成物を製造した。
【0122】
前記反応組成物を、240℃において120分間重合させた。その後、温度250℃、圧力10mbar条件で10分間脱気反応させ、粘接着付与樹脂を製造した。
【0123】
実施例2ないし11、及び比較例1ないし3
モノマーの含量、分子量調節剤の含量、重合条件を、下記表1のように変更した点を除いては、実施例1と同一方法でもって粘接着付与樹脂を製造した。
【0124】
【表1】
【0125】
評価例1.分子量測定
ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)(モデルHP-1100(ヒューレット・パッカード社製))を使用し、前記実施例1ないし11、及び前記比較例1ないし3で製造された粘接着付与樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、Z-平均分子量(Mz)及びPDI(polymer density index)を測定した。
【0126】
前記粘接着付与樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、Z-平均分子量(Mz)及びPDIの測定は、前記実施例1ないし11、及び前記比較例1ないし3で製造された粘接着付与樹脂それぞれを、4,000ppmの濃度になるように、テトラヒドロフランに溶解させた後、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)に100μlを注入し、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)の移動相は、テトラヒドロフランを使用し、1.0mL/分の流速で流入させ、30℃で行った。カラムは、PIgel(アジレント・テクノロジー社製)(1,000+500+100Å)3個を直列に連結した。検出器としては、RI検出器(HP-1047A(ヒューレット・パッカード社製))を利用し、30℃で測定した。測定結果は、下記表2に記載されている。
【0127】
評価例2.グリシジルメタアクリレート(GMA)含量測定
実施例1ないし11、及び比較例1ないし3で製造された粘接着付与樹脂それぞれに対し、H-NMRスペクトルを、0.0ないし9.0ppmまで測定した。
【0128】
測定結果につき、前記H-NMRスペクトル測定結果について、全体ピーク面積に係わる、4.0から3.0ppmまでのピーク面積の比率から、グリシジルメタアクリレート(GMA)含量を計算した。測定結果は、下記表2に記載されている。
【0129】
粘接着剤の製造
前述の実施例1ないし11、及び比較例1ないし3の粘接着付与樹脂15重量%を、85重量%のアクリル系ポリマーと混合し、アクリル系粘接着剤をそれぞれ製造した。
【0130】
また、前記実施例1による粘接着付与樹脂10.4gを、0.1gのトリエチレンテトラミン(triethylenetetramine)と混合し、アミン系硬化剤を含むアミン系粘接着剤を製造した。
【0131】
評価例3.透明性評価
製造されたアクリル系粘接着剤を、それぞれ赤い字が記載された紙上に塗布した。塗布された赤い字が明確に見えるか否かということを基準に、アクリル系粘接着剤の透明度を評価した。
【0132】
比較例2によるアクリル系粘接着剤の透明性を「△」としたとき、比較例2によるアクリル系粘接着材樹脂より透明性が顕著に上昇した場合を「◎」と表示し、比較例2によるアクリル系粘接着材樹脂より透明性が若干上昇した場合を「○」と表示し、比較例2によるアクリル系粘接着材樹脂と同一の透明性を有する場合を「△」と表示し、比較例2によるアクリル系粘接着材樹脂より透明性が低下した場合を「X」と表示した。
【0133】
評価例4.反応性評価
製造された前記アミン系粘接着剤を、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計セルにおいて計量した後、130℃にける経時的粘度を測定した。測定結果は、下記表3に記載されている。
【0134】
【表2】
【0135】
【表3】
【0136】
前記表2に示されているように、実施例1ないし11、及び比較例1ないし3による粘接着剤の透明性を比較すれば、
エポキシ基を含むエチレン系不飽和モノマーを含み、重量平均分子量が5,000g/mol以下を満足する実施例1ないし11は、アクリル系ポリマーとの相容性にすぐれ、粘接着剤の透明性にすぐれている。
【0137】
前記表3を参照すれば、実施例1による粘接着付与樹脂及びアミン系硬化剤を含むアミン系粘接着剤は、経時的に粘度がだんだんと上昇している。
【0138】
従って、本願粘接着付与樹脂は、エポキシ基を含み、アミン系硬化剤との反応性にすぐれている。
【0139】
前述の実施例及び比較例は、本発明について説明するための例示であり、本発明がそれらに限定されるものではない。本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であるならば、それらから、多様に変形して本発明を実施することが可能であるであろうから、本発明の技術的保護範囲は、特許請求の範囲によって定められるものである。
【国際調査報告】