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特表2024-524949産業用蒸気発生のための空気源ヒートポンプシステムおよびその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】産業用蒸気発生のための空気源ヒートポンプシステムおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   F25B 7/00 20060101AFI20240702BHJP
   F01K 19/04 20060101ALI20240702BHJP
   F01K 9/00 20060101ALI20240702BHJP
   F22B 3/02 20060101ALI20240702BHJP
   F25B 30/02 20060101ALI20240702BHJP
   F25B 1/053 20060101ALI20240702BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20240702BHJP
   F22B 3/06 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
F25B7/00 D
F01K19/04
F01K9/00 A
F22B3/02
F25B30/02 Z
F25B1/053 Z
F25B1/00 396E
F25B1/00 396D
F25B1/00 396R
F25B1/00 396S
F25B1/00 331E
F25B1/00 331Z
F25B1/00 396Z
F22B3/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577950
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 US2022072937
(87)【国際公開番号】W WO2022266622
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/211,297
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/290,784
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592246587
【氏名又は名称】コロラド ステート ユニバーシティー リサーチ ファウンデーション
(71)【出願人】
【識別番号】523473187
【氏名又は名称】アトモスゼロ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】バンドハウアー, トッド エム.
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ, ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】サルヴィ, アシュウィン
(72)【発明者】
【氏名】スターク, アディソン
(57)【要約】
産業熱のための蒸気を発生させるためのシステム。本システムは、相互と熱連通し、蒸気発生サイクルと熱連通する、複数のヒートポンプサイクルを含んでもよい。複数のヒートポンプサイクルは、第1および第2のヒートポンプサイクルを含んでもよい。第1のヒートポンプは、第1の作業流体を循環させ、第1の熱交換器を含む。第2のヒートポンプサイクルは、第2の作業流体を循環させ、第2の熱交換器を含む。第1の熱交換器が、熱を第1の作業流体から第2の作業流体に伝達する。第2の熱交換器は、蒸気発生サイクル内で熱を第3の作業流体に伝達する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気を発生させるためのシステムであって、前記システムは、
第1の作業流体を循環させるように構成される第1のヒートポンプサイクルであって、前記第1のヒートポンプサイクルは、
第1の膨張弁と流体連通し、前記第1の作業流体を前記第1の膨張弁から受容するように構成される第1の熱交換器であって、前記第1の作業流体は、前記第1の熱交換器内の熱を吸収する、第1の熱交換器と、
前記第1の熱交換器と流体連通し、前記第1の作業流体を前記第1の交換器から受容するように構成される第1のコンプレッサであって、前記第1のコンプレッサは、前記第1の作業流体の圧力および温度を増加させるように構成される、第1のコンプレッサと、
前記第1のコンプレッサと流体連通し、前記第1の作業流体を前記第1のコンプレッサから受容するように構成される第2の熱交換器であって、前記第2の熱交換器は、前記第1の作業流体からの熱を第2のヒートポンプサイクルの第2の作業流体に放熱するように構成される、第2の熱交換器と、
前記第2の熱交換器と流体連通し、前記第1の作業流体を前記第2の熱交換器から受容するように構成される第1の膨張弁であって、前記第1の膨張弁は、前記第1の作業流体をより低い圧力に膨張させるように構成される、第1の膨張弁と
を備える、第1のヒートポンプサイクルと、
前記第2の作業流体を循環させるように構成される第2のヒートポンプサイクルであって、前記第2のヒートポンプサイクルは、
第2の膨張弁と流体連通し、前記第2の作業流体を前記第2の膨張弁から受容するように構成される第2の熱交換器であって、前記第2の作業流体は、熱を前記第2の熱交換器内の第1の作業流体から吸収する、第2の熱交換器と、
前記第2の熱交換器と流体連通し、前記第2の作業流体を前記第2の熱交換器から受容するように構成される第2のコンプレッサであって、前記第2のコンプレッサは、前記第2の作業流体の圧力および温度を増加させるように構成される、第2のコンプレッサと、
前記第2のコンプレッサと流体連通し、前記第2の作業流体を前記第2のコンプレッサから受容するように構成される第3の熱交換器であって、前記第3の熱交換器は、蒸気発生システム内の第3の作業流体と流体連通し、前記第3の熱交換器は、前記第2の作業流体からの熱を前記蒸気発生システム内の第3の作業流体に放熱するように構成され、前記第3の作業流体は、水である、第3の熱交換器と、
前記第3の熱交換器と流体連通し、前記第2の作業流体を前記第3の熱交換器から受容するように構成される第2の膨張弁であって、前記第2の膨張弁は、前記第2の作業流体をより低い圧力に膨張させるように構成される、第2の膨張弁と
を備える、第2のヒートポンプサイクルと
を備える、システム。
【請求項2】
前記第1の熱交換器および前記第1のコンプレッサと流体連通し、それらの間で流体連通する第1の吸引ライン熱交換器をさらに備え、前記第1の吸引ライン熱交換器は、前記第2の熱交換器および前記第1の膨張弁と流体連通し、それらの間で流体連通し、前記第1の吸引ライン熱交換器は、前記第2の熱交換器からの前記第1の作業流体の流出に伴って、前記第1の作業流体を圧縮することに先立って、前記第1の作業流体を予熱するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の熱交換器および前記第2のコンプレッサと流体連通し、それらの間で流体連通する第2の吸引ライン熱交換器をさらに備え、前記第2の吸引ライン熱交換器は、前記第3の熱交換器および前記第2の膨張弁と流体連通し、それらの間で流体連通し、前記第2の吸引ライン熱交換器は、前記第3の熱交換器からの前記第2の作業流体の流出に伴って、前記第2の作業流体を圧縮することに先立って、前記第2の作業流体を予熱するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の熱交換器は、伝達流体から前記第1の作業流体への伝熱を促進し、前記伝達流体は、空気である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記蒸気発生システムは、前記第3の熱交換器と流体連通する蒸気コンプレッサを備え、前記蒸気コンプレッサは、過熱された蒸気を出力するように、前記第3の作業流体の圧力および温度を増加させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記蒸気発生システムは、摂氏120度を上回るまたはそれに等しい温度において、前記第1および第2のヒートポンプサイクルから送達される熱から、蒸気を送達するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記蒸気発生システムをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムはさらに、前記第1および第2のヒートポンプサイクルと電気連通する制御システムを備え、前記制御システムは、第1の熱源および第2の熱源の少なくとも一方または両方から前記第3の作業流体への熱の送達を制御するように構成され、前記第1の熱源は、前記第1および第2のヒートポンプサイクルを含み、前記第2の熱源は、代替熱源を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1および第2のコンプレッサは、遠心コンプレッサである、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1および第2のコンプレッサは、電気的に動力供給される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の作業流体は、フルオロカーボン、ハイドロフルオロオレフィン、ハイドロフルオロエーテル、炭化水素、二酸化炭素、アンモニア、および水のうちの少なくとも1つを備え、前記第2の作業流体は、フルオロカーボン、ハイドロフルオロオレフィン、ハイドロフルオロエーテル、炭化水素、二酸化炭素、アンモニア、および水のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
蒸気を発生させるためのシステムであって、前記システムは、
第1の作業流体を循環させるように構成される第1のヒートポンプサイクルであって、前記第1のヒートポンプサイクルは、
第1の膨張弁と流体連通し、前記第1の作業流体を前記第1の膨張弁から受容するように構成される蒸発器であって、前記第1の作業流体は、前記蒸発器内の熱を吸収する、蒸発器と、
前記蒸発器と流体連通し、前記第1の作業流体を前記蒸発器から受容するように構成される第1のコンプレッサであって、前記第1のコンプレッサは、前記第1の作業流体の圧力および温度を増加させるように構成される、第1のコンプレッサと、
前記第1のコンプレッサと流体連通し、前記第1の作業流体を前記第1のコンプレッサから受容するように構成される熱交換器であって、前記熱交換器は、前記第1の作業流体からの熱を第2のヒートポンプサイクルの第2の作業流体に放熱するように構成される、熱交換器と、
前記熱交換器と流体連通し、前記第1の作業流体を前記熱交換器から受容するように構成される第1の膨張弁であって、前記第1の膨張弁は、前記第1の作業流体をより低い圧力に膨張させるように構成される、第1の膨張弁と
を備える、第1のヒートポンプサイクルと、
前記第2の作業流体を循環させるように構成される第2のヒートポンプサイクルであって、前記第2のヒートポンプサイクルは、
第2の膨張弁と流体連通し、前記第2の作業流体を前記第2の膨張弁から受容するように構成される熱交換器であって、前記第2の作業流体は、熱を前記熱交換器内の第1の作業流体から吸収する、熱交換器と、
前記熱交換器と流体連通し、前記第2の作業流体を前記熱交換器から受容するように構成される吸引ライン熱交換器であって、前記吸引ライン熱交換器は、前記第2の作業流体を圧縮することに先立って、前記第2の作業流体を予熱するように構成される、吸引ライン熱交換器と、
前記吸引ライン熱交換器と流体連通し、前記第2の作業流体を前記吸引ライン熱交換器から受容するように構成される第2のコンプレッサであって、前記第2のコンプレッサは、前記第2の作業流体の圧力および温度を増加させるように構成される、第2のコンプレッサと、
前記第2のコンプレッサと流体連通し、前記第2の作業流体を前記第2のコンプレッサから受容するように構成される蒸気発生器であって、前記蒸気発生器は、前記第2の作業流体からの熱を伝達流体に放熱するように構成され、前記吸引ライン熱交換器は、前記蒸気発生器と流体連通する、蒸気発生器と、
前記吸引ライン熱交換器と流体連通し、前記第2の作業流体を前記吸引ライン熱交換器から受容するように構成される第2の膨張弁であって、前記第2の膨張弁は、前記第2の作業流体をより低い圧力に膨張させるように構成される、第2の膨張弁と
を備える、第2のヒートポンプサイクルと
を備える、システム。
【請求項13】
前記第1のヒートポンプサイクル内の第3のコンプレッサをさらに備え、前記第3のコンプレッサは、前記第1のコンプレッサおよび前記熱交換器と流体連通し、それらの間に位置付けられ、前記第3のコンプレッサは、前記第1の作業流体を前記第1のコンプレッサから受容するように構成され、前記第3のコンプレッサは、前記第1の作業流体の圧力および温度を増加させるように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2のヒートポンプサイクル内の第4のコンプレッサをさらに備え、前記第4のコンプレッサは、前記第2のコンプレッサと流体連通し、前記第2の作業流体を前記第2のコンプレッサから受容するように構成され、前記第4のコンプレッサは、前記第2の作業流体の圧力および温度を増加させるように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2のコンプレッサは、第1のモータによって電気的に動力供給され、前記第4のコンプレッサは、第2のモータによって電気的に動力供給される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のコンプレッサおよび第3のコンプレッサは、シャフト上にともに回転可能に結合され、モータによって電気的に動力供給される、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のヒートポンプサイクルは、第1のエコノマイザと、第3の膨張弁とを含み、前記第1のエコノマイザは、前記第1の作業流体の一次流体流を前記熱交換器から受容し、前記第1のエコノマイザ内で熱をそこから放熱するように構成され、前記第3の膨張弁は、前記第1の作業流体の二次流体流を前記熱交換器から受容し、前記第1のエコノマイザに進入することに先立って、前記第1の作業流体の二次流体流をより低い圧力に膨張させるように構成され、前記第1の作業流体の二次流体流は、前記第1のエコノマイザ内で熱を吸収するように構成され、前記第1の作業流体の二次流体流は、前記第3のコンプレッサの流入に指向され、前記第1の作業流体の一次流体流は、前記第1の膨張弁の流入に指向される、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のコンプレッサは、前記第1の作業流体の一次流体流を受容するように構成され、前記第3のコンプレッサは、前記第1の作業流体の一次流体および二次流体流を受容するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記第2のヒートポンプサイクルは、第2のエコノマイザと、第4の膨張弁とを含み、前記第2のエコノマイザは、前記第2の作業流体の一次流体流を前記蒸気発生器から受容し、前記第2のエコノマイザ内で熱をそこから放熱するように構成され、前記第4の膨張弁は、前記第2の作業流体の二次流体流を前記蒸気発生器から受容し、前記第2のエコノマイザに進入することに先立って、前記第2の作業流体の二次流体流をより低い圧力に膨張させるように構成され、前記第2の作業流体の二次流体流は、前記第2のエコノマイザ内で熱を吸収するように構成され、前記第2の作業流体の二次流体流は、前記第4のコンプレッサの流入に指向され、前記第2の作業流体の一次流体流は、前記吸引ライン熱交換器に指向され、前記熱交換器から退出する前記第2の作業流体を予熱する、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記第3のコンプレッサは、前記第2の作業流体の一次流体流を受容するように構成され、前記第4のコンプレッサは、前記第2の作業流体の一次流体および二次流体流を受容するように構成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記蒸気発生器は、摂氏150度を上回るまたはそれに等しい温度において、蒸気を送達するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項22】
前記蒸発器は、第1の伝達流体を受容するように構成され、前記蒸発器は、前記第1の伝達流体から熱を放熱するように構成され、前記第1の伝達流体は、空気である、請求項12に記載のシステム。
【請求項23】
産業熱のための蒸気を発生させるための方法であって、前記方法は、
第1の循環流体からの熱を第1の熱交換器内の第1の作業流体に放熱するステップと、
前記第1の作業流体を圧縮することに先立って、第1の吸引ライン熱交換器内の第1の作業流体を予熱するステップと、
第1のコンプレッサを介して、前記第1の作業流体を圧縮し、それによって、前記第1の作業流体の圧力を増加させるステップと、
前記第1の作業流体からの熱を第2の熱交換器内の第2の作業流体に放熱するステップと、
第1の膨張弁を介して、前記第1の作業流体をより低い圧力に膨張させるステップと、
前記第2の作業流体を圧縮することに先立って、第2の吸引ライン熱交換器内の第2の作業流体を予熱するステップと、
第2のコンプレッサを介して、前記第2の作業流体を圧縮し、それによって、前記第2の作業流体の圧力を増加させるステップと、
前記第2の作業流体からの熱を第3の熱交換器内の第3の作業流体に放熱するステップであって、前記第3の作業流体は、蒸気発生システムの一部である、ステップと、
第2の膨張弁を介して、前記第2の作業流体をより低い圧力に膨張させるステップと
を含む、方法。
【請求項24】
前記蒸気発生システムは、蒸気を前記第3の作業流体から発生させるように構成される蒸気コンプレッサを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記蒸気発生システムは、摂氏120度を上回るまたはそれに等しい温度において、蒸気を送達するように構成される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記第1および第2のコンプレッサは、遠心コンプレッサである、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記第1および第2のコンプレッサは、電気的に動力供給される、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
産業熱のための蒸気を発生させるための方法であって、前記方法は、
蒸発器内の第1の作業流体中の熱を吸収するステップであって、前記第1の作業流体は、第1のヒートポンプサイクル内で循環する、ステップと、
第1のコンプレッサ内の第1の作業流体を圧縮し、それによって、前記第1の作業流体の圧力を増加させるステップと、
第2のコンプレッサ内の第1の作業流体を圧縮し、それによって、前記第1の作業流体の圧力を増加させるステップと、
前記第1の作業流体からの熱を熱交換器内の第2の作業流体に放熱するステップであって、前記第2の作業流体は、第2のヒートポンプサイクル内で循環する、ステップと、
第1の膨張弁を介して、前記第1の作業流体をより低い圧力に膨張させるステップと、
第3のコンプレッサ内の第2の作業流体を圧縮することに先立って、吸引ライン熱交換器内の第2の作業流体を予熱するステップと、
前記第3のコンプレッサ内の第2の作業流体を圧縮し、それによって、前記第2の作業流体の圧力を増加させるステップと、
第4のコンプレッサ内の第2の作業流体を圧縮し、それによって、前記第2の作業流体の圧力を増加させるステップと、
蒸気発生器内の第2の作業流体から熱を放熱するステップと、
前記蒸気発生器から退出後、前記吸引ライン熱交換器内の第2の作業流体から熱を放熱するステップと、
第2の膨張弁を介して、前記第2の作業流体をより低い圧力に膨張させるステップと
を含む、方法。
【請求項29】
前記第1の作業流体を一次流体流および二次流体流に分裂させるステップと、第3の膨張弁を介して、前記第1の作業流体の二次流体流をより低い圧力に膨張させ、第1のエコノマイザ内で第1の作業流体の二次流体流中の熱を吸収するステップと、前記第1のエコノマイザ内で前記第1の作業流体の一次流体流からの熱を前記第1の作業流体の二次流体流に放熱するステップとをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の作業流体の一次流体流を前記第1の膨張弁に指向するステップと、前記第1の作業流体の二次流体流を前記第2のコンプレッサの流入に指向するステップとをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の作業流体を一次流体流および二次流体流に分裂させるステップと、第3の膨張弁を介して、前記第2の作業流体の二次流体流をより低い圧力に膨張させ、第1のエコノマイザ内で前記第2の作業流体の二次流体流中の熱を吸収するステップと、前記第1のエコノマイザ内で前記第2の作業流体の一次流体流からの熱を前記第2の作業流体の二次流体流に放熱するステップとをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記第2の作業流体の一次流体流を前記吸引ライン熱交換器に指向するステップと、前記第2の作業流体の二次流体流を前記第4のコンプレッサの流入に指向するステップとをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1および第2のコンプレッサは、シャフトを介して、ともに回転可能に結合され、モータによって動力供給される、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
熱が、前記蒸発器内で周囲空気から吸収され、前記蒸気発生器は、摂氏150度またはそれを上回る温度において、蒸気を送達するように構成される、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
請求項1または12に記載の蒸気を発生させるためのシステムを備えるエネルギー裁定取引システムであって、前記エネルギー裁定取引システムは、
前記蒸気を発生させるためのシステムと、蒸気を発生させるように構成される燃料火力ボイラと通信するコンピューティングデバイスをさらに備え、前記コンピューティングデバイスは、処理デバイスと、コンピュータ可読媒体とを含み、前記コンピュータ可読媒体は、その上に記憶された1つまたはそれを上回る実行可能命令を有し、前記コンピューティングデバイスの処理デバイスは、前記1つまたはそれを上回る命令を実行し、蒸気需要量を設備から受信する動作と、命令を前記蒸気を発生させるためのシステムに送信し、前記設備から蒸気需要量を提供する動作と、前記蒸気を発生させるためのシステムが前記蒸気需要量の全てを履行することができない場合、命令を前記燃料火力ボイラに送信し、前記設備からの蒸気需要量の残りの部分を提供する動作とを実施する、
エネルギー裁定取引システム。
【請求項36】
前記コンピューティングデバイスはさらに、電気を前記蒸気を発生させるためのシステムに提供するように構成される再生可能エネルギー源と通信し、前記コンピューティングデバイスの処理デバイスは、前記1つまたはそれを上回る命令を実行し、前記再生可能エネルギー源によって生産される電気の量と関連付けられる情報を受信する動作と、命令を前記再生可能エネルギー源に送信し、電気を前記蒸気を発生させるためのシステムに供給する動作とのさらなる動作を実施する、請求項35に記載のエネルギー裁定取引システム。
【請求項37】
前記再生可能エネルギー源は、電気を電気グリッドに提供するように構成される、請求項36に記載のエネルギー裁定取引システム。
【請求項38】
前記コンピューティングデバイスの処理デバイスは、前記1つまたはそれを上回る命令を実行し、命令を前記再生可能エネルギー源に送信し、前記蒸気を発生させるためのシステムによって要求されない過剰電気を前記電気グリッドに供給する動作と、前記再生可能エネルギー源が不十分な量の電気を供給する場合、命令を前記蒸気を発生させるためのシステムに送信し、電気を前記電気グリッドから引き出す動作とのさらなる動作を実施する、請求項37に記載のエネルギー裁定取引システム。
【請求項39】
前記蒸気を発生させるためのシステムは、電気を電気グリッドから取り込むように構成される、請求項35に記載のエネルギー裁定取引システム。
【請求項40】
請求項1または12に記載の蒸気を発生させるためのシステムを備えるエネルギー裁定取引システムであって、前記エネルギー裁定取引システムは、
前記蒸気を発生させるためのシステムと、電気を前記電気グリッドおよび前記蒸気を発生させるためのシステムに提供するように構成される再生可能エネルギー源と通信するコンピューティングデバイスをさらに備え、前記コンピューティングデバイスは、処理デバイスと、コンピュータ可読媒体とを含み、前記コンピュータ可読媒体は、その上に記憶された1つまたはそれを上回る実行可能命令を有し、前記コンピューティングデバイスの処理デバイスは、前記1つまたはそれを上回る命令を実行し、前記再生可能エネルギー源によって生産される電気の量と関連付けられる情報を受信する動作と、命令を前記再生可能エネルギー源に送信し、電気を前記蒸気を発生させるためのシステムに供給する動作と、命令を前記再生可能エネルギー源に送信し、前記蒸気を発生させるためのシステムによって要求されない過剰電気を前記電気グリッドに供給する動作と、前記再生可能エネルギー源が不十分な量の電気を供給する場合、命令を前記蒸気を発生させるためのシステムに送信し、電気を前記電気グリッドから引き出す動作とを実施する、
エネルギー裁定取引システム。
【請求項41】
蒸気を設備に供給するためのエネルギー裁定取引システムであって、前記エネルギー裁定取引システムは、請求項1または12に記載の蒸気を発生させるためのシステムを備え、前記エネルギー裁定取引システムは、
コンピューティングデバイスをさらに備え、前記コンピューティングデバイスは、前記蒸気を発生させるためのシステムと、蒸気を前記設備に送達することと、電気を前記蒸気を発生させるためのシステムに送達することとのうちの少なくとも1つを行うように構成される畜エネルギーユニットと、電気を前記畜エネルギーユニットおよび前記蒸気を発生させるためのシステムに提供するように構成される再生可能エネルギー源と通信し、
前記コンピューティングデバイスは、処理デバイスと、コンピュータ可読媒体とを含み、前記コンピュータ可読媒体は、その上に記憶された1つまたはそれを上回る実行可能命令を有し、前記コンピューティングデバイスの処理デバイスは、前記1つまたはそれを上回る命令を実行し、前記再生可能エネルギー源によって生産される電気の量と関連付けられる情報を受信する動作と、命令を前記再生可能エネルギー源に送信し、電気を前記蒸気を発生させるためのシステムに供給する動作と、命令を前記再生可能エネルギー源に送信し、前記蒸気を発生させるためのシステムによって要求されない過剰電気を前記畜エネルギーユニットに供給する動作とを実施する、
エネルギー裁定取引システム。
【請求項42】
前記コンピューティングデバイスの処理デバイスは、前記1つまたはそれを上回る命令を実行し、前記再生可能エネルギー源によって生産される電気の量が、前記蒸気を発生させるためのシステムを動作させるために不十分であるとき、命令を前記畜エネルギーユニットに送信し、蒸気を前記設備に供給するかまたは電気を前記蒸気を発生させるためのシステムに供給する動作とのさらなる動作を実施する、請求項41に記載のエネルギー裁定取引システム。
【請求項43】
前記畜エネルギーユニットは、蒸気を前記設備に供給するように構成される畜熱ユニットを備える、請求項41に記載のエネルギー裁定取引システム。
【請求項44】
前記畜エネルギーユニットは、電気を前記蒸気を発生させるためのシステムに供給するように構成される畜電ユニットを備える、請求項41に記載のエネルギー裁定取引システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、それぞれ、参照することによってその全体として本明細書で本願の中に組み込まれる、2021年6月16日に出願された、米国仮出願第63/211,297号、および2021年12月17日に出願された米国仮出願第63/290,784号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、産業用蒸気生産を対象とする。より具体的には、本開示は、産業用蒸気生産のための高効率空気源ヒートポンプおよびその使用方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
米国では、産業部門は、22%の温室効果ガス排出量を占めており、これは、約1.5ギガトンの年間二酸化炭素換算量(GtCOe/年)に等しい。産業部門内では、プロセス熱のための蒸気生産は、最大エネルギー消費量のうちの1つであって、米国の主要エネルギー消費量のほぼ4クアッドを占め、毎年、200MMトンを上回る二酸化炭素(CO)を排出している。これらの排出量の大部分は、従来のボイラのための燃料の燃焼、熱電併給、およびプロセス加熱から発生される。
【0004】
故に、当技術分野において、より効率的であって、より少ない炭素排出量を発生させる、産業熱のための蒸気発生のシステムおよび方法の必要性が存在する。とりわけ、これらの思考を念頭に置いて、産業用蒸気発生のための空気源ヒートポンプシステムおよびその使用方法が、開発された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の側面は、蒸気を発生させるためのシステムを含む。本システムは、第1のヒートポンプサイクルと、第2のヒートポンプサイクルとを含んでもよい。第1のヒートポンプサイクルは、第1の作業流体を循環させるように構成される。第1のヒートポンプサイクルは、第1の熱交換器と、第1のコンプレッサと、第2の熱交換器と、第1の膨張弁とを含んでもよい。第1の熱交換器は、第1の膨張弁と流体連通し、第1の作業流体を第1の膨張弁から受容するように構成される。第1の作業流体は、第1の熱交換器内の熱を吸収する。第1のコンプレッサは、第1の熱交換器と流体連通し、第1の作業流体を第1の交換器から受容するように構成される。第1のコンプレッサは、第1の作業流体の圧力および温度を増加させるように構成される。第2の熱交換器は、第1のコンプレッサと流体連通し、第1の作業流体を第1のコンプレッサから受容するように構成される。第2の熱交換器は、第1の作業流体からの熱を第2のヒートポンプサイクルの第2の作業流体に放熱するように構成される。第1の膨張弁は、第2の熱交換器と流体連通し、第1の作業流体を第2の熱交換器から受容するように構成される。第1の膨張弁は、第1の作業流体をより低い圧力に膨張させるように構成される。
【0006】
第2のヒートポンプサイクルは、第2の作業流体を循環させるように構成される。第2のヒートポンプサイクルは、第2の熱交換器と、第2のコンプレッサと、第3の熱交換器と、第2の膨張弁とを含んでもよい。第2の熱交換器は、第2の膨張弁と流体連通し、第2の作業流体を第2の膨張弁から受容するように構成される。第2の作業流体は、熱を第2の熱交換器内の第1の作業流体から吸収する。第2のコンプレッサは、第2の熱交換器と流体連通し、第2の作業流体を第2の熱交換器から受容するように構成される。第2のコンプレッサは、第2の作業流体の圧力および温度を増加させるように構成される。第3の熱交換器は、第2のコンプレッサと流体連通し、第2の作業流体を第2のコンプレッサから受容するように構成される。第3の熱交換器は、蒸気発生システム内の第3の作業流体と流体連通する。第3の熱交換器は、第2の作業流体からの熱を蒸気発生システム内の第3の作業流体に放熱するように構成され、第3の作業流体は、水である。第2の膨張弁は、第3の熱交換器と流体連通し、第2の作業流体を第3の熱交換器から受容するように構成される。第2の膨張弁は、第2の作業流体をより低い圧力に膨張させるように構成される。
【0007】
ある事例では、本システムはさらに、第1の吸引ライン熱交換器と、第2の吸引ライン熱交換器とを含んでもよい。第1の吸引ライン熱交換器は、第1の熱交換器および第1のコンプレッサとかつその間で流体連通する。第1の吸引ライン熱交換器は、第2の熱交換器および第1の膨張弁とかつその間で流体連通する。第1の吸引ライン熱交換器は、第2の熱交換器からの第1の作業流体の流出に伴って、第1の作業流体を圧縮することに先立って、第1の作業流体を予熱するように構成される。第2の吸引ライン熱交換器は、第2の熱交換器および第2のコンプレッサとかつその間で流体連通する。第2の吸引ライン熱交換器は、第3の熱交換器および第2の膨張弁とかつその間で流体連通する。第2の吸引ライン熱交換器は、第3の熱交換器からの第2の作業流体の流出に伴って、第2の作業流体を圧縮することに先立って、第2の作業流体を予熱するように構成される。
【0008】
ある事例では、第1の熱交換器は、第1の伝達流体から第1の作業流体への伝熱を促進し、第1の流体は、空気である。
【0009】
ある事例では、蒸気発生システムは、第3の熱交換器と流体連通する、蒸気コンプレッサを含んでもよく、蒸気コンプレッサは、蒸気を出力するように、第3の作業流体の圧力および温度を増加させるように構成される。ある事例では、本システムはさらに、蒸気発生システムを含んでもよい。
【0010】
ある事例では、蒸気コンプレッサは、摂氏120度を上回るまたはそれに等しい温度において、第1および第2のヒートポンプサイクルから送達される熱から、蒸気を送達するように構成されてもよい。
【0011】
ある事例では、本システムはさらに、第1および第2のヒートポンプサイクルと電気連通する、制御システムを含んでもよく、制御システムは、第1の熱源および第2の熱源の少なくとも一方または両方から、第3の作業流体への熱の送達を制御するように構成され、第1の熱源は、第1および第2のヒートポンプサイクルを含み、第2の熱源は、代替熱源を含む。
【0012】
ある事例では、第1および第2のコンプレッサは、遠心コンプレッサである。ある事例では、第1および第2のコンプレッサは、電気的に動力供給される。
【0013】
ある事例では、第1の作業流体は、フルオロカーボン、ハイドロフルオロオレフィン、ハイドロフルオロエーテル、炭化水素、二酸化炭素、アンモニア、または水のうちの1つであってもよく、第2の作業流体は、フルオロカーボン、ハイドロフルオロオレフィン、ハイドロフルオロエーテル、炭化水素、二酸化炭素、アンモニア、または水のうちの1つであってもよい。
【0014】
本開示の側面は、産業熱のための蒸気を発生させるためのシステムを含む。本システムは、第1のヒートポンプサイクルと、第2のヒートポンプサイクルとを含んでもよい。第1のヒートポンプサイクルは、第1の作業流体を循環させるように構成される。第1のヒートポンプサイクルは、蒸発器と、第1のコンプレッサと、熱交換器と、第1の膨張弁とを含んでもよい。蒸発器は、第1の膨張弁と流体連通し、第1の作業流体を第1の膨張弁から受容するように構成される。第1の作業流体は、蒸発器内の熱を吸収する。第1のコンプレッサは、蒸発器と流体連通し、第1の作業流体を蒸発器から受容するように構成される。第1のコンプレッサは、第1の作業流体の圧力および温度を増加させるように構成される。熱交換器は、第1のコンプレッサと流体連通し、第1の作業流体を第1のコンプレッサから受容するように構成される。熱交換器は、第1の作業流体からの熱を第2のヒートポンプサイクルの第2の作業流体に放熱するように構成される。第1の膨張弁が、熱交換器と流体連通し、第1の作業流体を熱交換器から受容するように構成され、第1の膨張弁は、第1の作業流体をより低い圧力に膨張させるように構成される。
【0015】
第2のヒートポンプサイクルは、第2の作業流体を循環させるように構成される。第2のヒートポンプサイクルは、熱交換器と、吸引ライン熱交換器と、第2のコンプレッサと、蒸気発生器と、第2の膨張弁とを含んでもよい。熱交換器は、第2の膨張弁と流体連通し、第2の作業流体を第2の膨張弁から受容するように構成される。第2の作業流体は、熱を熱交換器内の第1の作業流体から吸収する。吸引ライン熱交換器が、熱交換器と流体連通し、第2の作業流体を熱交換器から受容するように構成される。吸引ライン熱交換器は、第2の作業流体を圧縮することに先立って、第2の作業流体を予熱するように構成される。第2のコンプレッサは、吸引ライン熱交換器と流体連通し、第2の作業流体を吸引ライン熱交換器から受容するように構成される。第2のコンプレッサは、第2の作業流体の圧力および温度を増加させるように構成される。蒸気発生器は、第2のコンプレッサと流体連通し、第2の作業流体を第2のコンプレッサから受容するように構成される。蒸気発生器は、第2の作業流体からの熱を伝達流体に放熱するように構成される。吸引ライン熱交換器は、蒸気発生器と流体連通する。第2の膨張弁は、吸引ライン熱交換器と流体連通し、第2の作業流体を吸引ライン熱交換器から受容するように構成される。第2の膨張弁は、第2の作業流体をより低い圧力に膨張させるように構成される。
【0016】
ある事例では、本システムはさらに、第3のコンプレッサと、第4のコンプレッサとを含んでもよい。第3のコンプレッサは、第1のヒートポンプサイクル内にある。第3のコンプレッサは、第1のコンプレッサおよび熱交換器と流体連通し、その間に位置付けられる。第3のコンプレッサは、第1の作業流体を第1のコンプレッサから受容するように構成される。第3のコンプレッサは、第1の作業流体の圧力および温度を増加させるように構成される。第4のコンプレッサは、第2のヒートポンプサイクル内にある。第4のコンプレッサは、第2のコンプレッサと流体連通し、第2の作業流体を第2のコンプレッサから受容するように構成される。第4のコンプレッサは、第2の作業流体の圧力および温度を増加させるように構成される。
【0017】
ある事例では、第1のコンプレッサおよび第3のコンプレッサは、シャフト上にともに回転可能に結合され、モータによって電気的に動力供給される。ある事例では、第2のコンプレッサは、第1のモータによって電気的に動力供給されてもよく、第4のコンプレッサは、第2のモータによって電気的に動力供給されてもよい。
【0018】
ある事例では、第1のヒートポンプサイクルは、第1のエコノマイザと、第3の膨張弁とを含み、第1のエコノマイザは、第1の作業流体の一次流体流を熱交換器から受容し、第1のエコノマイザ内で熱をそこから放熱するように構成され、第3の膨張弁は、第1の作業流体の二次流体流を熱交換器から受容し、第1のエコノマイザに進入することに先立って、第1の作業流体の二次流体流をより低い圧力に膨張させるように構成され、第1の作業流体の二次流体流は、第1のエコノマイザ内で熱を吸収するように構成され、第1の作業流体の二次流体流は、第3のコンプレッサの流入に指向されてもよく、第1の作業流体の一次流体流は、第1の膨張弁の流入に指向されてもよい。
【0019】
ある事例では、第1のコンプレッサは、第1の作業流体の一次流体流を受容するように構成され、第2のコンプレッサは、第1の作業流体の一次および二次流体流を受容するように構成されてもよい。
【0020】
ある事例では、第2のヒートポンプサイクルは、第2のエコノマイザと、第4の膨張弁とを含み、第2のエコノマイザは、第2の作業流体の一次流体流を蒸気発生器から受容し、第2のエコノマイザ内で熱をそこから放熱するように構成され、第4の膨張弁は、第2の作業流体の二次流体流を蒸気発生器から受容し、第2のエコノマイザに進入することに先立って、第2の作業流体の二次流体流をより低い圧力に膨張させるように構成され、第2の作業流体の二次流体流は、第2のエコノマイザ内で熱を吸収するように構成され、第2の作業流体の二次流体流は、第4のコンプレッサの流入に指向されてもよく、第2の作業流体の一次流体流は、吸引ライン熱交換器に指向され、熱交換器から退出する第2の作業流体を予熱してもよい。
【0021】
ある事例では、第3のコンプレッサは、第2の作業流体の一次流体流を受容するように構成されてもよく、第4のコンプレッサは、第2の作業流体の一次および二次流体流を受容するように構成されてもよい。
【0022】
ある事例では、蒸気発生器は、摂氏150度を上回るまたはそれに等しい温度において、蒸気を送達するように構成されてもよい。
【0023】
ある事例では、蒸発器は、第1の伝達流体を受容するように構成されてもよく、蒸発器は、第1の伝達流体から熱を放熱するように構成され、第1の伝達流体は、空気であってもよい。
【0024】
本開示の側面は、産業熱のための蒸気を発生させるための方法を含む。本方法は、第1の循環流体からの熱を第1の熱交換器内の第1の作業流体に放熱するステップと、第1の作業流体を圧縮することに先立って、第1の吸引ライン熱交換器内の第1の作業流体を予熱するステップと、第1のコンプレッサを介して、第1の作業流体を圧縮し、それによって、第1の作業流体の圧力を増加させるステップと、第1の作業流体からの熱を第2の熱交換器内の第2の作業流体に放熱するステップと、第1の膨張弁を介して、第1の作業流体をより低い圧力に膨張させるステップと、第2の作業流体を圧縮することに先立って、第2の吸引ライン熱交換器内の第2の作業流体を予熱するステップと、第2のコンプレッサを介して、第2の作業流体を圧縮し、それによって、第2の作業流体の圧力を増加させるステップと、第2の作業流体からの熱を第3の熱交換器内の第3の作業流体に放熱するステップであって、第3の作業流体は、蒸気発生システムの一部である、ステップと、第2の膨張弁を介して、第2の作業流体をより低い圧力に膨張させるステップとを含んでもよい。
【0025】
ある事例では、蒸気発生システムは、蒸気を第3の作業流体から発生させるように構成される、蒸気コンプレッサを含む。ある事例では、蒸気コンプレッサは、摂氏120度を上回るまたはそれに等しい温度において、蒸気を送達するように構成されてもよい。ある事例では、第1および第2のコンプレッサは、遠心コンプレッサである。ある事例では、第1および第2のコンプレッサは、電気的に動力供給される。
【0026】
本開示の側面は、産業熱のための蒸気を発生させるための方法を含む。本方法は、蒸発器内の第1の作業流体中の熱を吸収するステップであって、第1の作業流体は、第1のヒートポンプサイクル内で循環する、ステップと、第1のコンプレッサ内の第1の作業流体を圧縮し、それによって、第1の作業流体の圧力を増加させるステップと、第2のコンプレッサ内の第1の作業流体を圧縮し、それによって、第1の作業流体の圧力を増加させるステップと、第1の作業流体からの熱を熱交換器内の第2の作業流体に放熱するステップであって、第2の作業流体は、第2のヒートポンプサイクル内で循環する、ステップと、第1の膨張弁を介して、第1の作業流体をより低い圧力に膨張させるステップと、第3のコンプレッサ内の第2の作業流体を圧縮することに先立って、吸引ライン熱交換器内の第2の作業流体を予熱するステップと、第3のコンプレッサ内の第2の作業流体を圧縮し、それによって、第2の作業流体の圧力を増加させるステップと、第4のコンプレッサ内の第2の作業流体を圧縮し、それによって、第2の作業流体の圧力を増加させるステップと、蒸気発生器内の第2の作業流体から熱を放熱するステップと、蒸気発生器から退出後、吸引ライン熱交換器内の第2の作業流体から熱を放熱するステップと、第2の膨張弁を介して、第2の作業流体をより低い圧力に膨張させるステップとを含んでもよい。
【0027】
ある事例では、本システムはさらに、第1の作業流体を一次流体流および二次流体流に分裂させるステップと、第3の膨張弁を介して、第1の作業流体の二次流体流をより低い圧力に膨張させるステップと、第1のエコノマイザ内で第1の作業流体の二次流体流中の熱を吸収するステップと、第1のエコノマイザ内で第1の作業流体の一次流体流からの熱を第1の作業流体の二次流体流に放熱するステップとを含んでもよい。
【0028】
ある事例では、本システムはさらに、第1の作業流体の一次流体流を第1の膨張弁に指向するステップと、第1の作業流体の二次流体流を第2のコンプレッサの流入に指向するステップとを含んでもよい。
【0029】
ある事例では、第1および第2のコンプレッサは、シャフトを介して、ともに回転可能に結合され、モータによって動力供給される。
【0030】
ある事例では、熱が、蒸発器内で周囲空気から吸収されてもよく、蒸気発生器は、摂氏150度またはそれを上回る温度において、蒸気を送達するように構成されてもよい。
【0031】
本開示の側面は、産業熱のための蒸気を発生させるためのシステムを含む。本システムは、相互と熱連通し、蒸気発生サイクルと熱連通する、複数のヒートポンプサイクルを含んでもよい。複数のヒートポンプサイクルは、第1のヒートポンプサイクルと、第2のヒートポンプサイクルとを含んでもよい。第1のヒートポンプは、第1の作業流体を循環させるように構成され、第1の熱交換器と、第1の吸引ライン熱交換器とを含む。第2のヒートポンプサイクルは、第2の作業流体を循環させるように構成され、第2の熱交換器と、第2の吸引ライン熱交換器とを含む。第1の吸引ライン熱交換器は、第1の作業流体を圧縮することに先立って、第1の作業流体を予熱するように構成される。第1の熱交換器は、熱を第1の作業流体から第2の作業流体に伝達するように構成される。第2の吸引ライン熱交換器は、第2の作業流体を圧縮することに先立って、第2の作業流体を予熱するように構成される。第2の熱交換器は、蒸気発生サイクル内で熱を第2の作業流体から第3の作業流体に伝達するように構成される。
【0032】
本開示の側面は、蒸気を発生させる、階層式ヒートポンプシステムを含む、エネルギー裁定取引システムを含む。エネルギー裁定取引システムはさらに、蒸気を発生させるための階層式ヒートポンプシステムと、蒸気を発生させるように構成される、ボイラと通信する、コンピューティングデバイスを含む。コンピューティングデバイスは、処理デバイスと、その上に記憶された1つまたはそれを上回る実行可能命令を伴う、コンピュータ可読媒体とを含み、コンピューティングデバイスの処理デバイスは、蒸気需要量を設備から受信し、命令を蒸気を発生させるための階層式ヒートポンプシステムに送信し、設備からの蒸気需要量を提供し、蒸気を発生させるための階層式ヒートポンプシステムが蒸気需要量の全てを履行することができない場合、命令をボイラに送信し、設備からの蒸気需要量の残りの部分を提供する、動作を実施するための1つまたはそれを上回る命令を実行する。
【0033】
ある事例では、コンピューティングデバイスはさらに、電気を電気グリッドおよび階層式ヒートポンプシステムに提供するように構成される、再生可能エネルギー源と通信する。コンピューティングデバイスの処理デバイスは、1つまたはそれを上回る命令を実行し、再生可能エネルギー源によって生産される電気の量と関連付けられる、情報を受信し、命令を再生可能エネルギー源に送信し、電気を蒸気を発生させるためのシステムに供給し、命令を再生可能エネルギー源に送信し、蒸気を発生させるための階層式ヒートポンプシステムによって要求されない過剰電気を電気グリッドに供給し、再生可能エネルギー源が不十分な量の電気を供給する場合、命令を蒸気を発生させるための階層式ヒートポンプシステムに送信し、電気を電気グリッドから引き出す、さらなる動作を実施する。
【0034】
本開示の側面は、蒸気を発生させる、階層式ヒートポンプシステムを含む、エネルギー裁定取引システムを含む。エネルギー裁定取引システムはさらに、蒸気を発生させるための階層式ヒートポンプシステムと、電気を電気グリッドおよび蒸気を発生させるためのシステムに提供するように構成される、再生可能エネルギー源と通信する、コンピューティングデバイスを含む。コンピューティングデバイスは、処理デバイスと、その上に記憶された1つまたはそれを上回る実行可能命令を伴う、コンピュータ可読媒体とを含み、コンピューティングデバイスの処理デバイスは、再生可能エネルギー源によって生産される電気の量と関連付けられる、情報を受信し、命令を再生可能エネルギー源に送信し、電気を蒸気を発生させるためのシステムに供給し、命令を再生可能エネルギー源に送信し、蒸気を発生させるための階層式ヒートポンプシステムによって要求されない過剰電気を電気グリッドに供給し、再生可能エネルギー源が不十分な量の電気を供給する場合、命令を蒸気を発生させるための階層式ヒートポンプシステムに送信し、電気を電気グリッドから引き出す、動作を実施するための1つまたはそれを上回る命令を実行する。
【0035】
本開示の側面は、蒸気を発生させる、階層式ヒートポンプシステムを含む、エネルギー裁定取引システムを含む。エネルギー裁定取引システムはさらに、蒸気を発生させるためのシステムと、蒸気を送達するように構成される、畜熱ユニットと、電気を畜熱ユニットおよび蒸気を発生させるためのシステムに提供するように構成される、再生可能エネルギー源と通信する、コンピューティングデバイスを含む。コンピューティングデバイスは、処理デバイスと、その上に記憶された1つまたはそれを上回る実行可能命令を伴う、コンピュータ可読媒体とを含み、コンピューティングデバイスの処理デバイスは、再生可能エネルギー源によって生産される電気の量と関連付けられる、情報を受信し、命令を再生可能エネルギー源に送信し、電気を蒸気を発生させるためのシステムに供給し、命令を再生可能エネルギー源に送信し、蒸気を発生させるための階層式ヒートポンプシステムによって要求されない過剰電気を畜熱ユニットに供給する、動作を実施するための1つまたはそれを上回る命令を実行する。
【0036】
ある事例では、コンピューティングデバイスの処理デバイスは、1つまたはそれを上回る命令を実行し、再生可能エネルギー源によって生産される電気の量が、蒸気を発生させるためのシステムを動作させるために不十分であるとき、命令を畜熱ユニットに送信し、蒸気を設備に供給する、さらなる動作を実施する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、産業用途において使用するための蒸気コンプレッサと併用される、モジュール式、電気動力供給式、かつ階層式の空気源ヒートポンプシステムの略図である。
【0038】
図2図2は、低温空気源ヒートポンプおよび高温蒸気結合ヒートポンプを備える、階層式ヒートポンプシステムと、蒸気コンプレッサとの略図である。
【0039】
図3図3は、ボトミングヒートポンプサイクルと、トッピングヒートポンプサイクルと、蒸気コンプレッサとを備える、蒸気発生システムの概略図である。
【0040】
図4図4は、モジュール式かつ階層式の空気源ヒートポンプシステムの略図である。
【0041】
図5図5は、低温空気源ヒートポンプと、高温流結合ヒートポンプとを備える、階層式ヒートポンプシステムの略図である。
【0042】
図6図6は、ボトミングサイクル用の2段階コンプレッサのための代表例設計仕様を含む、表である。
【0043】
図7図7は、トッピングサイクル用の2段階コンプレッサのための設計の略図である。
【0044】
図8図8は、トッピングサイクル用の2段階コンプレッサのための代表例設計仕様を含む、表である。
【0045】
図9図9は、電気動力入力および熱動力出力の略図である。
【0046】
図10図10は、エコノマイザと、吸引ライン熱交換器とを伴う、ボトミングヒートポンプサイクルおよびトッピングヒートポンプサイクルを備える、蒸気発生システムの概略図である。
【0047】
図11図11は、エネルギー裁定取引システムの略図である。
【0048】
図12図12は、エネルギー裁定取引システム内の制御システムとして動作することが可能である、コンピューティングデバイスの例示的略図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
詳細な説明
例証の便宜性および明確性のために、必要に応じて、参照番号は、異なる図の間で繰り返され、対応または類似要素を示していることを理解されたい。加えて、多数の具体的詳細が、本明細書に説明される実施形態の完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、本明細書に説明される実施形態は、これらの具体的詳細を伴わずに実践されることができることが、当業者によって理解されるであろう。他の事例では、方法、手順、およびコンポーネントは、説明されている関連される関連特徴を曖昧にしないように、詳細に説明されていない。図面は、必ずしも、正確な縮尺ではなく、ある部品の比率は、詳細および特徴をより詳しく図示するために誇張され得る。説明は、本明細書に説明される実施形態の範囲の限定と見なされるべきではない。したがって、1つのシステムの要素は、本明細書に説明されるシステムのいずれかの中に組み込まれることができる。また、要素は、限定ではないが、本明細書に説明されるシステムのいずれかから除かれることができる。
【0050】
本開示全体を通して適用される、いくつかの定義が、ここで提示されるであろう。
【0051】
用語「導管」は、流体を運搬、流通、または別様に流動させるための管、パイプ、またはチャネルとして定義される。導管は、システム導管であってもよい、またはシステム内の2つの要素を接続し、それによって、2つの要素間の流体連通を確立してもよい。
【0052】
用語「結合される」は、直接または介在コンポーネントを通して間接的であるかどうかにかわらず、接続されるものとして定義され、必ずしも、物理的接続に限定されない。接続は、物体が恒久的または解放可能に接続されるようなものであり得る。
【0053】
図1は、産業用途における例示的蒸気発生システム100を図示する。そのようなシステムのコンポーネントの具体的実施例は、図3を参照してさらに詳細に図示および説明されるであろう。図1は、システム100の概要を提供し、これは、中間熱交換器(すなわち、熱交換器)によって、ともに熱的に結合される、ボトミングヒートポンプ102(すなわち、第1のヒートポンプ)と、トッピングヒートポンプ104(すなわち、第2のヒートポンプ)とを備える、2段階空気源ヒートポンプを含む。蒸気発生システム100はまた、蒸気コンプレッサ106を含んでもよい。中間熱交換器では、ボトミングヒートポンプ102内の作業流体が、熱をトッピングヒートポンプ104内の作業流体に放熱する。次いで、蒸気発生器(すなわち、熱交換器)では、トッピングヒートポンプ104の作業流体が、熱を第3の作業流体108に放熱する。いくつかの事例では、第3の作業流体108が、熱を蒸気発生器から吸収後、蒸気コンプレッサ106を通して通過してもよい。
【0054】
ヒートポンプ102、104はそれぞれ、電気エネルギー源を使用することによって、より低温の熱をより高温に「圧送」するために使用される。現在利用可能なヒートポンプは、蒸気を生産するために十分に大きい温度揚力を発生させないか、またはそれらが、エネルギー源としてより高温の廃熱流の使用を要求するかのいずれかである。本明細書に説明されるように、システム100は、代替源より低いコストにおいて、温度を徐々に上昇させ、脱炭素化された蒸気を送達する、相互と熱接続する、「階層式」または一連のヒートポンプサイクルを利用する。システム100は、高温蒸気を送達するために、廃熱を要求しない。
【0055】
図1の蒸気発生システム100は、概して、様々な産業プロセスおよび/または製造環境に適用可能であり得る。例えば、蒸気発生システム100は、産業用蒸気を発生させるために使用されてもよい。1つの事例では、ボトミングヒートポンプ102およびトッピングヒートポンプ104は、熱的に階層式様式に配列される、モジュール式かつ電気動力供給式の空気源ヒートポンプであってもよい。本モジュール性は、異なる蒸気圧力および容量等の産業特有の必要性を可能にし得る。本願におけるシステムは、2つのヒートポンプサイクル(すなわち、トッピングヒートポンプおよびボトミングヒートポンプ)を図示するが、本システムは、スケーラブルであって、付加的ヒートポンプを含むように修正されることができる。ある事例では、本システムは、3つのヒートポンプサイクルを含んでもよい。ある事例では、本システムは、4つのヒートポンプサイクルを含んでもよい。ある事例では、本システムは、5つのヒートポンプサイクルを含んでもよい。1つの事例では、蒸気発生システム100は、摂氏約150度の温度および約4.5バールの圧力において、蒸気を発生させてもよく、これは、食品、紙、および化学産業を含む、産業用蒸気生産の必要量の大部分を充足し得る。
【0056】
図1の蒸気発生システム100では、ボトミングヒートポンプ102は、周囲空気を熱源として利用してもよい(すなわち、空気供給式)。ボトミングヒートポンプ102の蒸発器(すなわち、熱交換器)が、熱を周囲空気から捕捉する。熱は、ボトミングヒートポンプ102の蒸発器によって吸収され、それによって、ボトミングヒートポンプ102内の作業流体を蒸発させる。
【0057】
トッピングヒートポンプ104は、中間熱交換器によって、ボトミングヒートポンプ102に熱的に結合される。1つの事例では、中間熱交換器は、ボトミングヒートポンプ102の凝縮器と、トッピングヒートポンプ104の蒸発器とを備える。したがって、中間熱交換器内では、ボトミングヒートポンプ102の凝縮器が、熱を放熱し、トッピングヒートポンプ104の蒸発器が、熱を吸収する。
【0058】
第3の作業流体108のための導管(すなわち、流体流動経路)は、蒸気発生器(すなわち、熱交換器)によって、トッピングヒートポンプ104に結合される。1つの事例では、蒸気発生器は、トッピングヒートポンプ104の凝縮器と、第3の作業流体108のための導管とを備える。したがって、蒸気発生器内では、トッピングヒートポンプ104の凝縮器は、熱を放熱し、第3の作業流体108が、熱を吸収する。
【0059】
蒸気発生器に進入する前に、機械的ポンプが、第3の作業流体108の圧力を増加させるために使用されてもよい。第3の作業流体108が、蒸気発生器から退出後、蒸気コンプレッサ106が、第3の作業流体108の圧力および温度を増加させるために使用されてもよい。したがって、機械的ポンプが、蒸気発生器前に配設されてもよく、蒸気コンプレッサ106が、蒸気発生器後に配設されてもよく、または両方であってもよい。
【0060】
1つの事例では、第3の作業流体108は、水である。蒸気発生器内では、水は、熱をトッピングヒートポンプ104の作業流体から吸収する。一実施例では、水の圧力は、標的蒸気飽和温度を上回るまたはそれに等しくてもよい。換言すると、水は、十分な熱をトッピングヒートポンプ104から吸収し、蒸気110に蒸発させ得る。蒸気発生器後、蒸気コンプレッサ106が、直接、蒸気110の圧力および温度を増加させるために使用されてもよい。一実施例では、水の圧力は、蒸気発生器から退出後、標的蒸気飽和温度未満であり得、したがって、蒸気コンプレッサ106が、水の圧力を要求される飽和温度まで増加させるために使用されてもよい。システム100は、設備内の既存の蒸気発生システムに追加導入されてもよい。代替として、システム100は、全体的システム100の一部として、蒸気発生システムを含んでもよい。
【0061】
蒸気発生システム100は、電気112によって動力供給されてもよい。換言すると、電気112は、蒸気110を発生させるために、蒸気発生システム100の中に入力される。例えば、蒸気発生システム100は、グリッド電気、現場再生可能エネルギー、またはそれらの組み合わせを通して、動力供給されてもよい。蒸気発生システム100は、産業部門114における蒸気エネルギーが、米国の主要エネルギー消費量のほぼ4クアッドを占め、毎年、200MMトンを上回るCOを排出しているため、産業用蒸気生産の経済的脱炭素化を可能にし得る。
【0062】
いくつかの事例では、蒸気発生システム100は、エネルギー裁定取引を組み込んでもよい。換言すると、エネルギー裁定取引が、熱を蒸気発生システム100に提供し、および/または電気を本明細書に説明されるヒートポンプシステムに提供し得る、付加的システムを組み込むことによって、蒸気発生システム100と併用されてもよい。付加的システムは、他のシステムの中でもとりわけ、太陽熱アレイ、蓄熱システム、および燃料ボイラ(例えば、天然ガス、石炭、廃棄物、またはバイオマス)を含み得る。これらのシステムは、蒸気発生システム100および/またはヒートポンプシステムに結合され、選択的に作動され、熱をシステム100および/または電気をヒートポンプシステムに提供することができる。熱を蒸気発生システム100および/または電気をヒートポンプシステムに提供する、具体的システムが、熱または電気を印加するシステムのエネルギー源の可用性および価格、ならびに蒸気発生システム100の要件を含む、他の要因によって判定されることができる。エネルギー裁定取引を組み込むことによって、蒸気発生システム100は、炭素排出量を有意に低減させながら、一貫した蒸気送達を発生させることが可能である。
【0063】
いくつかの事例では、蒸気発生システム100は、熱階層式様式に配列され、空気を加熱圧送し、蒸気を発生させる、2つを上回るヒートポンプを含んでもよい。1つの事例では、蒸気発生システム100は、3つのヒートポンプを含んでもよい。例えば、蒸気発生システム100は、ボトミングヒートポンプ(すなわち、第1のヒートポンプ)と、中間ヒートポンプ(すなわち、第2のヒートポンプ)と、トッピングヒートポンプ(すなわち、第3のヒートポンプ)とを含んでもよい。別の事例では、蒸気発生システム100は、4つのヒートポンプを含んでもよい。例えば、蒸気発生システム100は、ボトミングヒートポンプ(すなわち、第1のヒートポンプ)と、第1の中間ヒートポンプ(すなわち、第2のヒートポンプ)と、第2の中間ヒートポンプ(すなわち、第3のヒートポンプ)と、トッピングヒートポンプ(すなわち、第4のヒートポンプ)とを含んでもよい。別の事例では、蒸気発生システム100は、5つのヒートポンプを含んでもよい。
【0064】
1つの事例では、ボトミングヒートポンプ102は、周囲空気に結合される(すなわち、空気供給式)。しかしながら、他の事例では、ボトミングヒートポンプ102は、別の低温熱源に結合されてもよい。例えば、低温熱源が、熱を空気、地面、または別の共同設置された冷却負荷に放熱する、液体ループであり得る。一実施例では、液体ループは、水を含有してもよい。
【0065】
図2は、蒸気発生システム200の部分的略図を図示し、これは、図1に図示される蒸気発生システム100の部分的実施形態である。蒸気発生システム200が、熱的に階層式様式に配列される、ボトミングヒートポンプ202(すなわち、第1のヒートポンプ)と、トッピングヒートポンプ204(すなわち、第2のヒートポンプ)とを含む。ボトミングヒートポンプ202は、低温空気源ヒートポンプであってもよく、トッピングヒートポンプ204は、高温蒸気結合ヒートポンプであってもよい。蒸気発生システム200はまた、蒸気コンプレッサ206を含んでもよい。
【0066】
蒸気発生システム200は、廃熱を使用せずに、2を上回る性能係数を達成するために、高効率コンポーネントを組み込む、階層式ヒートポンプを含んでもよい。例えば、高効率コンポーネントは、高効率冷媒コンプレッサと、モータとを含んでもよい。1つの事例では、コンプレッサは、85%に等しいまたはそれを上回る効率性であり得、モータは、93%に等しいまたはそれを上回る効率性であり得る。
【0067】
例えば、1熱出力メガワット(MWth)の蒸気発生システム200は、摂氏20度の公称周囲温度において、摂氏150度の蒸気を生産し得る。換言すると、蒸気発生システム200は、廃熱を要求せずに、2を上回る性能係数において、摂氏20度~摂氏150度の温度揚力を提供し得る。
【0068】
伝熱216aは、ボトミングヒートポンプ202が、冷媒であり得る、作業流体を蒸発させることによって、熱を周囲空気から捕捉することを伴う。1つの事例では、周囲空気は、摂氏約20度であってもよく、作業流体は、摂氏0度において、蒸発されてもよい。電気212aが、ボトミングヒートポンプ202に印加されてもよく、これは、144キロワット電気(kWe)の高効率コンプレッサおよびモータを含んでもよい。1つの事例では、コンプレッサは、約85%効率で動作してもよく、モータは、約93%効率で動作し得る。
【0069】
伝熱216bは、凝縮器が、ボトミングヒートポンプ202から熱をトッピングヒートポンプ204内の蒸発器に放熱し、それによって、トッピングヒートポンプ204内の作業流体を蒸発させることを伴う。トッピングヒートポンプ204内の作業流体は、冷媒であってもよい。1つの事例では、トッピングヒートポンプ204内の作業流体は、摂氏50度において、蒸発されてもよい。電気212bが、トッピングヒートポンプ204に印加されてもよく、これは、170kWeの高効率コンプレッサおよびモータを含んでもよい。1つの事例では、コンプレッサは、約85%効率で動作してもよく、モータは、約93%効率で動作し得る。
【0070】
伝熱216cは、凝縮器が、トッピングヒートポンプ204から熱を蒸発する水流に放熱することを伴う。蒸発する水流内では、電気212cが、蒸気コンプレッサ206に印加されてもよく、これは、付加的122kWeを消費し得る。したがって、1MWthの蒸気210が、摂氏150度飽和温度において送達される。
【0071】
より冷たい環境では、蒸気発生システム200性能係数は、冷媒コンプレッサによって要求されるより高い圧力揚力に起因して、減少し得る。しかしながら、蒸気発生システム200は、システム設計および高効率コンプレッサを通して、低温環境内でも、高性能を達成し得る。蒸気発生システム200は、トッピングおよびボトミングサイクルと、最終段階蒸気コンプレッサとのために、2つの異なる作業流体を使用してもよい。1つの事例では、補助負荷の低減、モータ効率の増加、および改良された空気結合熱交換器が、冷媒と周囲空気温度差を減少させるように最適化されてもよい。例えば、コンプレッサ効率を90%まで増加させ、蒸発器と空気温度差を摂氏20度から摂氏8.5度まで減少させ、モータ効率を96%まで増加させることは、周囲空気が摂氏-6.5度未満であるとき、蒸気発生システム200が、2を上回る性能係数を維持することを可能にする。
【0072】
図3は、図1および2を参照して説明される要素の多くを含む、蒸気発生システム300を図示する。図3は、蒸気発生システム300の概略図であって、これは、相互と熱連通する、第1のヒートポンプサイクル302(すなわち、ボトミングヒートポンプサイクル)と、第2のヒートポンプサイクル304(すなわち、トッピングヒートポンプサイクル)とを含む。蒸気発生システム300は、第2のヒートポンプサイクル304と熱連通し、また、蒸気コンプレッサ306を含んでもよい。
【0073】
第1のヒートポンプサイクル302は、図3に図示されるように、第1のヒートポンプサイクル302の導管320を介して、第1の作業流体318を循環させる。1つの事例では、第1の作業流体318は、フルオロカーボンであってもよい。非限定的実施例として、フルオロカーボンは、R1234ze(z)またはR1234ze(E)であってもよい。1つの事例では、第1の作業流体318は、ハイドロフルオロオレフィンであってもよい。非限定的実施例として、ハイドロフルオロオレフィンは、R514aであってもよい。1つの事例では、第1の作業流体318は、ハイドロフルオロエーテルであってもよい。1つの事例では、第1の作業流体318は、炭化水素であってもよい。1つの事例では、第1の作業流体318は、二酸化炭素であってもよい。1つの事例では、第1の作業流体318は、アンモニアであってもよい。1つの事例では、第1の作業流体318は、水であってもよい。1つの事例では、第1の作業流体318は、エンジニアリングされた流体であってもよい。非限定的実施例として、エンジニアリングされた流体は、Novec649であってもよい。
【0074】
第1のヒートポンプサイクル302では、熱交換器322が、第1の作業流体318を膨張弁324から受容する。換言すると、第1の作業流体318は、膨張弁出口326において、膨張弁324から退出し、熱交換器入口328において、熱交換器322に進入する。導管320が、膨張弁出口326を熱交換器入口328に接続し、それによって、膨張弁324と熱交換器322との間の流体連通を確立する。熱交換器322内では、第1の作業流体318が、熱を吸収する。本熱吸収は、第1の作業流体318を水蒸気化し得、それによって、第1の作業流体318が、熱交換器出口330において、熱交換器322から退出するとき、低圧水蒸気となる。1つの事例では、熱交換器322は、第1のヒートポンプサイクル302の蒸発器を含んでもよく、それによって、蒸発器が、熱を吸収し、第1の作業流体318は、蒸発器内で蒸発される。1つの事例では、熱交換器322は、低温蒸発器であってもよい。
【0075】
1つの事例では、吸引ライン熱交換器(「SLHX」)332が、第1のヒートポンプサイクル302の中に組み込まれてもよい。SLHX332は、第1の作業流体318をSLHX332の第1の通路内の熱交換器322から受容する。換言すると、第1の作業流体318が、熱交換器出口330において、熱交換器322から退出し、SLHX入口334において、SLHX332に進入する。導管320が、熱交換器出口330をSLHX入口334に接続し、それによって、熱交換器322とSLHX332との間の流体連通を確立する。SLHX332の第1の通路内では、第1の作業流体318が、熱を吸収し、それによって、SLHX出口336においてSLHX332から退出する前に、第1の作業流体318をさらに加熱する(すなわち、予熱する)。
【0076】
他の事例では、第1のヒートポンプサイクル302は、SLHX332を含まない。換言すると、第1の作業流体318は、熱交換器出口330において、熱交換器322から退出し、コンプレッサ入口340において、コンプレッサ338に進入する。導管320が、熱交換器出口330をコンプレッサ入口340に接続し、それによって、熱交換器322とコンプレッサ338との間の流体連通を確立する。
【0077】
コンプレッサ338が、第1の作業流体318をSLHX332から受容する。換言すると、第1の作業流体318は、SLHX出口336において、SLHX332から退出し、コンプレッサ入口340において、コンプレッサ338に進入する。導管320が、SLHX出口336をコンプレッサ入口340に接続し、それによって、SLHX332とコンプレッサ338との間の流体連通を確立する。コンプレッサ338内では、第1の作業流体318が、より高い圧力に圧縮され、これは、第1の作業流体318が、コンプレッサ出口342において、コンプレッサ338から退出する前に、温度を増加させる。1つの事例では、コンプレッサ338は、高効率コンプレッサである。1つの事例では、コンプレッサ338は、遠心コンプレッサであってもよい。1つの事例では、コンプレッサ338は、2段階遠心コンプレッサであってもよい。1つの事例では、コンプレッサ338は、電気的に動力供給されてもよい。1つの事例では、高速および/または高効率モータが、コンプレッサ338を駆動してもよい。
【0078】
熱交換器344(すなわち、中間熱交換器)が、第1のヒートポンプサイクル302と第2のヒートポンプサイクル304を熱的に結合する。熱交換器344は、第1の作業流体318をコンプレッサ338から受容する。換言すると、第1の作業流体318は、コンプレッサ出口342において、コンプレッサ338から退出し、熱交換器入口346において、熱交換器344に進入する。導管320が、コンプレッサ出口342を熱交換器入口346に接続し、それによって、コンプレッサ338と熱交換器344との間の流体連通を確立する。熱交換器344内では、第1の作業流体318が、熱を放熱する。本熱放熱は、熱交換器出口348において、熱交換器344から退出する前に、第1の作業流体318を凝縮させ得る。1つの事例では、熱交換器344は、第1のヒートポンプサイクル302の凝縮器と、第2のヒートポンプサイクル304の蒸発器とを備える。したがって、熱交換器344内では、第1のヒートポンプサイクル302の凝縮器が、熱を放熱し、第2のヒートポンプサイクル304の蒸発器が、熱を吸収する。熱交換器344内では、第2のヒートポンプサイクル304内の導管352の中を循環し得る、第2の作業流体350が、熱を吸収する。本熱吸収は、第2の作業流体350を水蒸気化し得、それによって、第2の作業流体350が、熱交換器344から退出するとき、低圧水蒸気となる。
【0079】
1つの事例では、SLHX332が、第1のヒートポンプサイクル302の中に組み込まれるとき、SLHX332は、第1の作業流体318をSLHX332の第2の通路内の熱交換器344から受容する。換言すると、第1の作業流体318は、熱交換器出口348において、熱交換器344から退出し、SLHX入口354において、SLHX332に進入する。導管320が、熱交換器出口348をSLHX入口354に接続し、それによって、熱交換器344とSLHX332との間の流体連通を確立する。SLHX332の第2の通路内では、第1の作業流体318が、熱を放熱し、それによって、SLHX出口356において、SLHX332から退出する前に、第1の作業流体318を冷却する(すなわち、予冷する)。
【0080】
他の事例では、第1のヒートポンプサイクル302は、SLHX332を含まない。換言すると、第1の作業流体318は、熱交換器出口348において、熱交換器344から退出し、膨張弁入口358において、膨張弁324に進入する。導管320が、熱交換器出口348を膨張弁入口358に接続し、それによって、熱交換器344と膨張弁324との間の流体連通を確立する。
【0081】
膨張弁324が、第1の作業流体318をSLHX332から受容する。換言すると、第1の作業流体318は、SLHX出口356において、SLHX332から退出し、膨張弁入口358において、膨張弁324に進入する。導管320が、SLHX出口356を膨張弁入口358に接続し、それによって、SLHX332と膨張弁324との間の流体連通を確立する。膨張弁324内では、第1の作業流体318は、より低い圧力に膨張され、これは、第1の作業流体318が、膨張弁出口326において、膨張弁324から退出する前に、温度を減少させる。
【0082】
第2のヒートポンプサイクル304は、図3に図示されるように、第2の作業流体350を循環させる。1つの事例では、第2の作業流体350は、フルオロカーボンであってもよい。非限定的実施例として、フルオロカーボンは、R1234ze(z)またはR1234ze(E)であってもよい。1つの事例では、第2の作業流体350は、ハイドロフルオロオレフィンであってもよい。非限定的実施例として、ハイドロフルオロオレフィンは、R514aであってもよい。1つの事例では、第2の作業流体350は、ハイドロフルオロエーテルであってもよい。1つの事例では、第2の作業流体350は、炭化水素であってもよい。1つの事例では、第2の作業流体350は、二酸化炭素であってもよい。1つの事例では、第2の作業流体350は、アンモニアであってもよい。1つの事例では、第2の作業流体350は、水であってもよい。1つの事例では、第2の作業流体350は、エンジニアリングされた流体であってもよい。非限定的実施例として、エンジニアリングされた流体は、Novec649であってもよい。
【0083】
1つの事例では、同一流体が、第1の作業流体318および第2の作業流体350の両方のために使用されてもよい。他の事例では、異なる流体が、第1の作業流体318および第2の作業流体350のために使用されてもよい。
【0084】
1つの事例では、第2のヒートポンプサイクル304は、第1のヒートポンプサイクル302と同一コンポーネントを含有してもよい。第2のヒートポンプサイクル304のコンポーネントは、第1のヒートポンプサイクル302のコンポーネントと同一構成に配列されてもよい。第2のヒートポンプサイクル304のコンポーネントは、第1のヒートポンプサイクル302のコンポーネントと異なる構成に配列されてもよい。他の事例では、第2のヒートポンプサイクル304は、第1のヒートポンプサイクル302と異なるコンポーネントを含有してもよい。
【0085】
第2のヒートポンプサイクル304では、熱交換器344が、第2の作業流体350を膨張弁360から受容する。換言すると、第2の作業流体350は、膨張弁出口362において、膨張弁360から退出し、熱交換器入口364において、熱交換器344に進入する。導管352が、膨張弁出口362を熱交換器入口364に接続し、それによって、膨張弁360と熱交換器344との間の流体連通を確立する。熱交換器344内では、第2の作業流体350が、熱を吸収する。本熱吸収は、第2の作業流体350を水蒸気化し得、それによって、第2の作業流体350が、熱交換器出口366において、熱交換器344から退出するとき、低圧水蒸気となる。1つの事例では、熱交換器344は、第1のヒートポンプサイクル302の凝縮器と、第2のヒートポンプサイクル304の蒸発器とを備える。したがって、熱交換器344内では、第1のヒートポンプサイクル302の凝縮器が、熱を放熱し、第2のヒートポンプサイクル304の蒸発器が、熱を吸収する。
【0086】
1つの事例では、吸引ライン熱交換器(「SLHX」)368が、第2のヒートポンプサイクル304の中に組み込まれてもよい。SLHX368は、第2の作業流体350をSLHX368の第1の通路内の熱交換器344から受容する。換言すると、第2の作業流体350が、熱交換器出口366において、熱交換器344から退出し、SLHX入口370において、SLHX368に進入する。導管352が、熱交換器出口366をSLHX入口370に接続し、それによって、熱交換器344とSLHX368との間の流体連通を確立する。SLHX368の第1の通路内では、第2の作業流体350が、熱を吸収し、それによって、SLHX出口372において、SLHX368から退出する前に、第2の作業流体350をさらに加熱する(すなわち、予熱する)。
【0087】
他の事例では、第2のヒートポンプサイクル304は、SLHX368を含まない。換言すると、第2の作業流体350が、熱交換器出口366において、熱交換器344から退出し、コンプレッサ入口376において、コンプレッサ374に進入する。導管352が、熱交換器出口366をコンプレッサ入口376に接続し、それによって、熱交換器344とコンプレッサ374との間の流体連通を確立する。
【0088】
コンプレッサ374が、第2の作業流体350をSLHX368から受容する。換言すると、第2の作業流体350は、SLHX出口372において、SLHX368から退出し、コンプレッサ入口376において、コンプレッサ374に進入する。導管352が、SLHX出口372をコンプレッサ入口376に接続し、それによって、SLHX368とコンプレッサ374との間の流体連通を確立する。コンプレッサ374内では、第2の作業流体350が、より高い圧力に圧縮され、これは、第2の作業流体350が、コンプレッサ出口378において、コンプレッサ374から退出する前に、温度を増加させる。1つの事例では、コンプレッサ374は、高効率コンプレッサである。1つの事例では、コンプレッサ374は、遠心コンプレッサであってもよい。1つの事例では、コンプレッサ374は、電気的に動力供給されてもよい。1つの事例では、高速および/または高効率モータが、コンプレッサ374を駆動してもよい。
【0089】
熱交換器380が、第2のヒートポンプサイクル304と第3の作業流体308のシステムを熱的に結合する。熱交換器380は、第2の作業流体350をコンプレッサ374から受容する。換言すると、第2の作業流体350は、コンプレッサ出口378において、コンプレッサ374から退出し、熱交換器入口382において、熱交換器380に進入する。導管352が、コンプレッサ出口378を熱交換器入口382に接続し、それによって、コンプレッサ374と熱交換器380との間の流体連通を確立する。熱交換器380内では、第2の作業流体350が、熱を放熱する。本熱放熱は、熱交換器出口384において、熱交換器380から退出する前に、第2の作業流体350を凝縮させ得る。1つの事例では、熱交換器380は、第2のヒートポンプサイクル304の凝縮器を含んでもよく、それによって、凝縮器は、熱を放熱し、第2の作業流体350は、凝縮器内で凝縮する。熱交換器380内では、導管386内を流動し得る、第3の作業流体308が、熱を吸収する。本熱吸収は、第3の作業流体308を水蒸気化し得、それによって、第3の作業流体308は、熱交換器380から退出するとき、蒸気となる。
【0090】
1つの事例では、SLHX368が、第2のヒートポンプサイクル304の中に組み込まれるとき、SLHX368は、第2の作業流体350をSLHX368の第2の通路内の熱交換器380から受容する。換言すると、第2の作業流体350が、熱交換器出口384において、熱交換器380から退出し、SLHX入口388において、SLHX368に進入する。導管352が、熱交換器出口384をSLHX入口388に接続し、それによって、熱交換器380とSLHX368との間の流体連通を確立する。SLHX368の第2の通路内では、第2の作業流体350が、熱を放熱し、それによって、SLHX出口390において、SLHX368から退出する前に、第2の作業流体350を冷却する(すなわち、予冷する)。
【0091】
他の事例では、第2のヒートポンプサイクル304は、SLHX368を含まない。換言すると、第2の作業流体350が、熱交換器出口384において、熱交換器380から退出し、膨張弁入口392において、膨張弁360に進入する。導管352が、熱交換器出口384を膨張弁入口392に接続し、それによって、熱交換器380と膨張弁360との間の流体連通を確立する。
【0092】
膨張弁360が、第2の作業流体350をSLHX368から受容する。換言すると、第2の作業流体350は、SLHX出口390において、SLHX368から退出し、膨張弁入口392において、膨張弁360に進入する。導管352が、SLHX出口390を膨張弁入口392に接続し、それによって、SLHX368と膨張弁360との間の流体連通を確立する。膨張弁360内では、第2の作業流体350は、より低い圧力に膨張され、これは、第2の作業流体350が、膨張弁出口362において、膨張弁360から退出する前に、温度を減少させる。
【0093】
第3の作業流体308が、図3に図示されるように、熱を熱交換器380から吸収してもよい。換言すると、熱交換器380は、第3の作業流体308を受容してもよい。熱交換器380内では、第2の作業流体350が、熱を放熱し、第3の作業流体308が、熱を吸収する。1つの事例では、熱交換器380は、第2のヒートポンプサイクル304の凝縮器を含んでもよく、それによって、凝縮器は、熱を放熱し、第3の作業流体308が、熱を吸収する。第2の作業流体350は、凝縮器内で熱を放熱するにつれて凝縮される。1つの事例では、熱交換器380は、蒸気発生器であってもよい。蒸気発生器内では、第3の作業流体308は、水蒸気化するために十分な熱を吸収し得る。
【0094】
1つの事例では、第3の作業流体308は、導管386を介して、熱交換器380に供給されてもよい。換言すると、第3の作業流体308のための導管386は、熱交換器380によって、第2のヒートポンプサイクル304に熱的に結合される。
【0095】
1つの事例では、機械的ポンプ301が、第3の作業流体308の圧力を増加させてもよい。機械的ポンプ301が、熱交換器380の上流にあってもよく、それによって、熱交換器380は、第3の作業流体308を機械的ポンプ301から受容する。換言すると、第3の作業流体308は、機械的ポンプ出口303において、機械的ポンプ301から退出し、熱交換器入口305において、熱交換器380に進入する。導管386が、機械的ポンプ出口303を熱交換器入口305に接続し、それによって、機械的ポンプ301と熱交換器380との間の流体連通を確立する。第3の作業流体308が、熱交換器出口307において、熱交換器380から退出し、導管386に進入し得る。
【0096】
1つの事例では、蒸気コンプレッサ306が、第3の作業流体308の圧力および温度を増加させてもよい。蒸気コンプレッサ306が、熱交換器380の下流にあってもよく、それによって、蒸気コンプレッサ306は、第3の作業流体308を熱交換器380から受容する。換言すると、第3の作業流体308は、熱交換器出口307において、熱交換器380から退出し、蒸気コンプレッサ入口309において、蒸気コンプレッサ306に進入する。導管386が、熱交換器出口307を蒸気コンプレッサ入口309に接続し、それによって、熱交換器380と蒸気コンプレッサ306との間の流体連通を確立する。
【0097】
蒸気コンプレッサ306内では、第3の作業流体308が、より高い圧力および温度に圧縮される。1つの事例では、蒸気コンプレッサ306は、第3の作業流体308の圧力および温度を増加させ、第3の作業流体308が、蒸気コンプレッサ出口311において、蒸気コンプレッサ306から退出する前に、第3の作業流体308を蒸気に変える。蒸気は、蒸気コンプレッサ出口311に接続される、導管386に進入し得る。1つの事例では、蒸気コンプレッサ306は、摂氏120度に等しいまたはそれを上回る温度において、蒸気を送達する。1つの事例では、蒸気コンプレッサ306は、高効率コンプレッサである。1つの事例では、蒸気コンプレッサ306は、遠心コンプレッサであってもよい。1つの事例では、蒸気コンプレッサ306は、電気的に動力供給されてもよい。
【0098】
1つの事例では、第3の作業流体308は、水である。熱交換器380内では、水は、熱を第2のヒートポンプサイクル304の第2の作業流体350から吸収する。一実施例では、水の圧力は、水が、熱交換器出口307において、熱交換器380から退出するとき、標的蒸気飽和温度を上回るまたはそれに等しくてもよい。換言すると、水は、第2のヒートポンプサイクル304から、蒸気に蒸発するために十分な熱を吸収し得る。熱交換器380後、蒸気コンプレッサ306が、直接、蒸気の圧力および温度を増加させるために使用されてもよい。一実施例では、水の圧力は、水が、熱交換器出口307において、熱交換器380から退出するとき、標的蒸気飽和温度未満であってもよい。したがって、蒸気コンプレッサ306は、水の圧力を要求される飽和温度まで増加させるために使用されてもよい。
【0099】
第1のヒートポンプサイクル302およびそのための加熱に戻って目を向けると、伝達流体313が、図3に図示されるように、熱を熱交換器322に放熱し得る。換言すると、熱交換器322は、伝達流体313を受容する。熱交換器322内では、伝達流体313が、熱を放熱し、第1の作業流体318が、熱を吸収する。1つの事例では、熱交換器322は、第1のヒートポンプサイクル302の蒸発器を含んでもよく、それによって、伝達流体313は、熱を放熱し、蒸発器が、熱を吸収する。第1の作業流体318は、蒸発器内で熱を吸収するにつれて蒸発される。1つの事例では、熱交換器322は、低温蒸発器であってもよい。
【0100】
1つの事例では、伝達流体313は、導管315を介して、熱交換器322に供給されてもよい。換言すると、伝達流体313のための導管315は、熱交換器322によって、第1のヒートポンプサイクル302に結合される。
【0101】
1つの事例では、機械的ポンプ317が、伝達流体313の圧力を増加させてもよい。機械的ポンプ317が、熱交換器322の上流にあってもよく、それによって、熱交換器322は、伝達流体313を機械的ポンプ317から受容する。換言すると、伝達流体313は、機械的ポンプ出口319において、機械的ポンプ317から退出し、熱交換器入口321において、熱交換器322に進入する。導管315が、機械的ポンプ出口319を熱交換器入口321に接続し、それによって、機械的ポンプ317と熱交換器322との間の流体連通を確立する。伝達流体313が、熱交換器出口323において、熱交換器322から退出し、導管315に進入し得る。
【0102】
1つの事例では、伝達流体313は、周囲空気であって、それによって、第1のヒートポンプサイクル302の熱交換器322は、周囲空気を熱源として利用する(すなわち、空気供給式)。第1のヒートポンプサイクル302の熱交換器322は、熱を周囲空気から捕捉してもよい。熱は、第1のヒートポンプサイクル302の熱交換器322によって吸収され、それによって、第1のヒートポンプサイクル302内の第1の作業流体318を蒸発させる。
【0103】
他の事例では、伝達流体313は、低温熱源に接続される、液体であってもよい。1つの事例では、低温熱源は、周囲空気であってもよい。他の事例では、第1のヒートポンプサイクル302は、別の低温熱源に結合されてもよい。例えば、低温熱源が、熱を空気、地面、または別の共同設置された冷却負荷に放熱する、液体ループであり得る。一実施例では、液体ループは、水を含有してもよい。
【0104】
制御システムが、第1のヒートポンプサイクル302と、第2のヒートポンプサイクル304と電気連通してもよい。制御システムは、第1の熱源および/または第2の熱源から第3の作業流体308への熱の送達を制御してもよい。第1の熱源は、第1のヒートポンプサイクル302と、第2のヒートポンプサイクル304とを含んでもよい。第2の熱源は、可能性として考えられる熱源の中でもとりわけ、蓄熱蒸気システム、燃料ボイラ(例えば、天然ガス、石炭、バイオマス)等の代替熱源を含んでもよい。制御システムはまた、第1および第2のヒートポンプサイクル302、304に供給される電気動力源を制御してもよい。例えば、第1および第2のヒートポンプサイクル302、304は、電気グリッドおよび太陽熱グリッドに電気的に結合されてもよい。条件が、可用性、価格、および出力必要量に基づいて、好ましいとき、第1および第2のヒートポンプサイクル302、304は、動力を電気グリッドおよび太陽熱グリッドの一方または両方から供給されてもよい。
【0105】
図4は、産業用途における例示的蒸気発生システム400を図示する。そのようなシステムのコンポーネントの具体的実施例は、図10を参照してさらに詳細に図示および説明されるであろう。図4は、システム400の概要を提供し、これは、中間熱交換器(すなわち、熱交換器)によって、熱的にともに結合される、ボトミングヒートポンプ402(すなわち、第1のヒートポンプ)と、トッピングヒートポンプ404(すなわち、第2のヒートポンプ)とを備える、2段階空気源ヒートポンプを含む。中間熱交換器内では、ボトミングヒートポンプ402内の作業流体が、熱をトッピングヒートポンプ404内の作業流体に放熱する。次いで、蒸気発生器(すなわち、熱交換器)内では、トッピングヒートポンプ404の作業流体は、熱を第3の作業流体408に放熱する。いくつかの事例では、蒸気発生システム400はまた、蒸気コンプレッサ(図4には示されない)を含んでもよく、これは、第3の作業流体408が熱を蒸気発生器から吸収後、第3の作業流体408の温度および圧力を増加させるように構成される。
【0106】
ヒートポンプ402、404はそれぞれ、電気エネルギー源を使用することによって、より低温の熱をより高温に「圧送」するために使用される。現在利用可能なヒートポンプは、蒸気を生産するために十分に大きい温度揚力を発生させないか、またはそれらが、エネルギー源としてより高温の廃熱流の使用を要求するかのいずれかである。本明細書に説明されるように、システム400は、代替源より低いコストにおいて、温度を徐々に上昇させ、脱炭素化された蒸気を送達する、相互と熱接続する、「階層式」または一連のヒートポンプサイクルを利用する。システム400は、高温蒸気を送達するために、廃熱を要求しない。
【0107】
図4の蒸気発生システム400は、概して、様々な産業プロセスおよび/または製造環境に適用可能であり得る。例えば、蒸気発生システム400は、産業用蒸気を発生させるために使用されてもよい。1つの事例では、ボトミングヒートポンプ402およびトッピングヒートポンプ404は、熱的に階層式様式に配列される、モジュール式かつ電気動力供給式の空気源ヒートポンプであってもよい。本モジュール性は、異なる蒸気圧力および容量等の産業特有の必要性を可能にし得る。本願におけるシステムは、2つのヒートポンプサイクル(すなわち、トッピングヒートポンプおよびボトミングヒートポンプ)を図示するが、本システムは、スケーラブルであって、付加的ヒートポンプを含むように修正されることができる。ある事例では、本システムは、3つのヒートポンプサイクルを含んでもよい。ある事例では、本システムは、4つのヒートポンプサイクルを含んでもよい。ある事例では、本システムは、5つのヒートポンプサイクルを含んでもよい。1つの事例では、蒸気発生システム400は、摂氏約150度の温度および約4.5バールの圧力において、蒸気を発生させてもよく、これは、食品、紙、および化学産業を含む、産業用蒸気生産の必要量の大部分を充足し得る。
【0108】
図4の蒸気発生システム400では、ボトミングヒートポンプ402は、周囲空気を熱源として利用してもよい(すなわち、空気供給式)。ボトミングヒートポンプ402の蒸発器(すなわち、熱交換器)が、熱を周囲空気から捕捉する。熱は、ボトミングヒートポンプ402の蒸発器によって吸収され、それによって、ボトミングヒートポンプ402内の作業流体を蒸発させる。
【0109】
トッピングヒートポンプ404は、中間熱交換器によって、ボトミングヒートポンプ402に熱的に結合される。1つの事例では、中間熱交換器は、ボトミングヒートポンプ402の凝縮器と、トッピングヒートポンプ404の蒸発器とを備える。したがって、中間熱交換器内では、ボトミングヒートポンプ402の凝縮器が、熱を放熱し、トッピングヒートポンプ404の蒸発器が、熱を吸収する。
【0110】
第3の作業流体408のための導管(すなわち、流体流動経路を提供するパイプ)は、蒸気発生器(すなわち、熱交換器)によって、トッピングヒートポンプ404に結合される。1つの事例では、蒸気発生器は、トッピングヒートポンプ404の凝縮器と、第3の作業流体408のための導管とを備える。したがって、蒸気発生器内では、トッピングヒートポンプ404の凝縮器は、熱を放熱し、第3の作業流体408が、熱を吸収する。
【0111】
蒸気発生器に進入する前に、機械的ポンプが、第3の作業流体408の圧力を増加させるために使用されてもよい。第3の作業流体408が、蒸気発生器から退出後、蒸気コンプレッサが、第3の作業流体408の圧力および温度を増加させるために使用されてもよい。したがって、機械的ポンプが、蒸気発生器前に配設されてもよく、蒸気コンプレッサが、蒸気発生器後に配設されてもよく、または両方であってもよい。
【0112】
1つの事例では、第3の作業流体408は、水である。蒸気発生器内では、水は、熱をトッピングヒートポンプ404の作業流体から吸収する。一実施例では、水の圧力は、標的蒸気飽和温度を上回るまたはそれに等しくてもよい。換言すると、水は、十分な熱をトッピングヒートポンプ404から吸収し、蒸気410に蒸発させ得る。蒸気発生器後、蒸気コンプレッサが、直接、蒸気410の圧力および温度を増加させるために使用されてもよい。一実施例では、水の圧力は、蒸気発生器から退出後、標的蒸気飽和温度未満であり得、したがって、蒸気コンプレッサが、水の圧力を要求される飽和温度まで増加させるために使用されてもよい。システム400は、設備内の既存の蒸気発生システムに追加導入されてもよい。代替として、システム400は、全体的システム400の一部として、蒸気発生システムを含んでもよい。
【0113】
蒸気発生システム400は、電気412によって動力供給されてもよい。換言すると、電気412は、蒸気410を発生させるために、蒸気発生システム400の中に入力される。例えば、蒸気発生システム400は、グリッド電気、現場再生可能エネルギー、またはそれらの組み合わせを通して、動力供給されてもよい。蒸気発生システム400は、産業部門における蒸気エネルギーが、米国の主要エネルギー消費量のほぼ4クアッドを占め、毎年、200MMトンを上回るCOを排出しているため、産業用蒸気生産の経済的脱炭素化を可能にし得る。
【0114】
いくつかの事例では、蒸気発生システム400は、図1を参照して説明されるように、エネルギー裁定取引を組み込んでもよい。換言すると、エネルギー裁定取引が、熱を蒸気発生システム400に提供し、および/または電気を本明細書に説明されるヒートポンプシステムに提供し得る、付加的システムを組み込むことによって、蒸気発生システム400と併用されてもよい。付加的システムは、他のシステムの中でもとりわけ、太陽熱アレイ、蓄熱システム、および燃料ボイラ(例えば、天然ガス、石炭、廃棄物、またはバイオマス)を含み得る。これらのシステムは、蒸気発生システム400および/またはヒートポンプシステムに結合され、選択的に作動され、熱をシステム400および/または電気をヒートポンプシステムに提供することができる。熱を蒸気発生システム400および/または電気をヒートポンプシステムに提供する、具体的システムが、熱または電気を印加するシステムのエネルギー源の可用性および価格、ならびに蒸気発生システム400の要件を含む、他の要因によって判定されることができる。エネルギー裁定取引を組み込むことによって、蒸気発生システム400は、炭素排出量を有意に低減させながら、一貫した蒸気送達を発生させることが可能である。
【0115】
いくつかの事例では、蒸気発生システム400は、熱階層式様式に配列され、空気を加熱圧送し、蒸気を発生させる、2つを上回るヒートポンプを含んでもよい。1つの事例では、蒸気発生システム400は、3つのヒートポンプを含んでもよい。例えば、蒸気発生システム400は、ボトミングヒートポンプ(すなわち、第1のヒートポンプ)と、中間ヒートポンプ(すなわち、第2のヒートポンプ)と、トッピングヒートポンプ(すなわち、第3のヒートポンプ)とを含んでもよい。別の事例では、蒸気発生システム400は、4つのヒートポンプを含んでもよい。例えば、蒸気発生システム400は、ボトミングヒートポンプ(すなわち、第1のヒートポンプ)と、第1の中間ヒートポンプ(すなわち、第2のヒートポンプ)と、第2の中間ヒートポンプ(すなわち、第3のヒートポンプ)と、トッピングヒートポンプ(すなわち、第4のヒートポンプ)とを含んでもよい。別の事例では、蒸気発生システム400は、5つのヒートポンプを含んでもよい。
【0116】
1つの事例では、ボトミングヒートポンプ402は、周囲空気に結合される(すなわち、空気供給式)。しかしながら、他の事例では、ボトミングヒートポンプ402は、別の低温熱源に結合されてもよい。例えば、低温熱源が、熱を空気、地面、または別の共同設置された冷却負荷に放熱する、液体ループであり得る。一実施例では、液体ループは、水を含有してもよい。
【0117】
図5は、蒸気発生システム500の部分的略図を図示し、これは、図4に図示される蒸気発生システム400の部分的実施形態である。蒸気発生システム500が、熱的に階層式様式に配列される、ボトミングヒートポンプ502(すなわち、第1のヒートポンプ)と、トッピングヒートポンプ504(すなわち、第2のヒートポンプ)とを含む。ボトミングヒートポンプ502は、低温空気源ヒートポンプであってもよく、トッピングヒートポンプ504は、高温蒸気結合ヒートポンプであってもよい。蒸気発生システム500はまた、蒸気コンプレッサ(図5には示されない)を含んでもよい。
【0118】
蒸気発生システム500は、廃熱を使用せずに、2を上回る性能係数を達成するために、高効率コンポーネントを組み込む、階層式ヒートポンプを含んでもよい。例えば、高効率コンポーネントは、高効率冷媒コンプレッサと、モータとを含んでもよい。1つの事例では、コンプレッサは、85%に等しいまたはそれを上回る効率性であり得、モータは、93%に等しいまたはそれを上回る効率性であり得る。
【0119】
例えば、1熱出力メガワット(MWth)の蒸気発生システム500は、摂氏20度の公称周囲温度において、摂氏150度の蒸気を生産し得る。換言すると、蒸気発生システム500は、廃熱を要求せずに、2を上回る性能係数において、摂氏20度~摂氏150度の温度揚力を提供し得る。
【0120】
伝熱516aは、ボトミングヒートポンプ502が、冷媒であり得る、作業流体を蒸発させることによって、熱を周囲空気から捕捉することを伴う。1つの事例では、周囲空気は、摂氏約20度であってもよく、作業流体は、摂氏15度において、蒸発されてもよい。電気212aが、ボトミングヒートポンプ502に印加されてもよく、これは、88.5ロワット電気(kWe)の高効率コンプレッサおよびモータを含んでもよい。1つの事例では、コンプレッサ動力297aは、75.5キロワット(kw)を消費してもよい。1つの事例では、ファン動力および損失299aは、13kWeであってもよい。
【0121】
伝熱516bは、凝縮器が、ボトミングヒートポンプ502から熱をトッピングヒートポンプ504内の蒸発器に放熱し、それによって、トッピングヒートポンプ504内の作業流体を蒸発させることを伴う。トッピングヒートポンプ504内の作業流体は、冷媒であってもよい。1つの事例では、トッピングヒートポンプ504内の作業流体は、摂氏60度において、蒸発されてもよい。電気512bが、トッピングヒートポンプ504に印加されてもよく、これは、159.2kWeの高効率コンプレッサおよびモータを含んでもよい。1つの事例では、コンプレッサ動力297bは、146kwを消費してもよい。1つの事例では、ファン動力および損失299bは、13.2kWeであってもよい。
【0122】
伝熱516cは、凝縮器が、トッピングヒートポンプ504から熱を蒸発する水流に放熱することを伴う。したがって、1MWthの蒸気が、摂氏150度飽和温度において送達される。
【0123】
図6は、図5に図示される蒸気発生システム500の部分的実施形態である、蒸気発生システム600のボトミングサイクル602用の2段階コンプレッサのための例示的設計仕様を概略する、表である。本コンプレッサは、図10の蒸気発生システム100の第1のヒートポンプサイクル1002を参照してさらに示され、説明されるであろう。1つの事例では、ボトミングサイクル602内のコンプレッサは、単一シャフトおよびモータを伴う、2段階圧縮を備えてもよい。換言すると、コンプレッサの第1の段階は、第1のコンプレッサ638を備えてもよく、コンプレッサの第2の段階は、第2のコンプレッサ629を備えてもよい。1つの事例では、モータは、第1のコンプレッサ638および第2のコンプレッサ629の両方を駆動する、シャフトを旋回させてもよい(すなわち、コンプレッサは、シャフト上にともに回転可能に結合され、同一モータによって動力供給される)(続いて、図10に示される)。コンプレッサの具体的速度(N)対コンプレッサの具体的直径(D)は、80%の効率性に等しいまたはそれを上回る効率をもたらし得る。総電気効率は、約94.1%の効率性であり得る。
【0124】
図7は、図4に図示される蒸気発生システム400の部分的実施形態である、蒸気発生システム700のトッピングサイクル704用の2段階コンプレッサのための設計の略図である。1つの事例では、コンプレッサは、2つのシャフトおよびモータを伴う、2段階圧縮を備えてもよい。換言すると、コンプレッサの第1の段階は、第1のコンプレッサ774を備えてもよく、コンプレッサの第2の段階は、第2のコンプレッサ763を備えてもよい。1つの事例では、第1のモータは、第1のコンプレッサ774を駆動する、シャフトを旋回させてもよく、第2のモータは、第2のコンプレッサ763を駆動する、別個のシャフトを旋回させてもよい(すなわち、コンプレッサは、別個のモータによって動力供給される、別個のシャフト上にある)。本タイプのコンプレッサは、図10を参照して図示および説明される。
【0125】
別個の段階は、コンプレッサモータ内の風損を低減させ得る。さらに、別個の段階は、より高いリスクコンポーネントを隔離し得る。例えば、第2のコンプレッサ763は、より高温コンプレッサであって、これは、増大したリスクを生成し得る。したがって、第1のコンプレッサ774と別個のモータおよびシャフトを提供することによって、第2のコンプレッサ763を分離することは、蒸気発生システム700の残りをこれらの課題から隔離し得る。
【0126】
1つの事例では、トッピングサイクル704内の作業流体は、摂氏約103度の温度716dにおいて、第1のコンプレッサ774に(すなわち、入口において)進入し得る。第1のコンプレッサ774は、作業流体を圧縮し、これは、作業流体の温度および圧力を増加させる。作業流体は、摂氏約144度の温度716eにおいて、第1のコンプレッサ774から(すなわち、出口において)退出し得る。エコノマイザ(図10を参照して図示および説明される)からの作業流体の温度716fは、摂氏約104度であり得る。(異なる温度における)2つの作業流体流は、作業流体の温度が、摂氏約132度の温度716gにおいて、第2のコンプレッサ763に(すなわち、入口において)進入し得るように、ともに混合する。第2のコンプレッサ763は、作業流体を圧縮し、これは、作業流体の温度および圧力を増加させる。作業流体は、摂氏約174度の温度716hにおいて、第2のコンプレッサ763から(すなわち、出口において)退出し得る。
【0127】
図8は、図7に図示される蒸気発生システム700の部分的実施形態である、蒸気発生システム800のトッピングサイクル804用の2段階コンプレッサのための例示的設計仕様を概略する、表である。そのようなコンプレッサ設計は、トッピングヒートポンプサイクル1004において、図10のシステム1000内に見られ、実装され得る。図8を継続すると、1つの事例では、トッピングサイクル804内のコンプレッサは、2つのシャフトおよびモータを伴う、2段階圧縮を備えてもよい。換言すると、コンプレッサの第1の段階は、第1のコンプレッサ874を備えてもよく、コンプレッサの第2の段階は、第2のコンプレッサ863を備えてもよい。1つの事例では、第1のモータは、第1のコンプレッサ874を駆動する、シャフトを旋回させてもよく、第2のモータは、第2のコンプレッサ863を駆動する、別個のシャフトを旋回させてもよい(すなわち、コンプレッサは、異なるシャフトおよびモータを使用する)。コンプレッサの具体的速度(N)対コンプレッサの具体的直径(D)は、80%の効率性に等しいまたはそれを上回る効率をもたらし得る。
【0128】
図9は、図4に図示される蒸気発生システム400の部分的実施形態である、蒸気発生システム900の電気動力入力および熱動力出力の略図である。蒸気発生システム900は、ボトミングヒートポンプ902と、トッピングヒートポンプ904とを備える。電気動力入力は、電気912を備えてもよく、これは、約0.5メガワット電気(MWe)であってもよい。熱動力出力は、蒸気910を備えてもよく、これは、摂氏150度飽和温度において送達される、約1.0熱出力メガワット(MWth)の蒸気910であってもよい。
【0129】
図10は、図4-9を参照して説明される要素の多くを含む、蒸気発生システム1000を図示する。図10は、蒸気発生システム1000の概略図であって、これは、相互と熱連通する、第1のヒートポンプサイクル1002(すなわち、ボトミングヒートポンプサイクル)と、第2のヒートポンプサイクル1004(すなわち、トッピングヒートポンプサイクル)とを含む。蒸気発生システム1000はまた、第2のヒートポンプサイクル1004と熱連通する、蒸気コンプレッサ(図10には示されない)を含んでもよい。
【0130】
第1のヒートポンプサイクル1002は、図10に図示されるように、第1のヒートポンプサイクル1002の導管1020を介して、第1の作業流体1018を循環させる。1つの事例では、第1の作業流体1018は、フルオロカーボンであってもよい。非限定的実施例として、フルオロカーボンは、R1234ze(z)またはR1234ze(E)であってもよい。1つの事例では、第1の作業流体1018は、ハイドロフルオロオレフィンであってもよい。非限定的実施例として、ハイドロフルオロオレフィンは、R514aであってもよい。1つの事例では、第1の作業流体1018は、ハイドロフルオロエーテルであってもよい。1つの事例では、第1の作業流体1018は、炭化水素であってもよい。1つの事例では、第1の作業流体1018は、二酸化炭素であってもよい。1つの事例では、第1の作業流体1018は、アンモニアであってもよい。1つの事例では、第1の作業流体1018は、水であってもよい。1つの事例では、第1の作業流体1018は、エンジニアリングされた流体であってもよい。非限定的実施例として、エンジニアリングされた流体は、Novec649であってもよい。
【0131】
第1のヒートポンプサイクル1002では、熱交換器1022が、第1の作業流体1018を膨張弁1024から受容する。換言すると、第1の作業流体1018は、膨張弁出口1026において、膨張弁1024から退出し、熱交換器入口1028において、熱交換器1022に進入する。導管1020が、膨張弁出口1026を熱交換器入口1028に接続し、それによって、膨張弁1024と熱交換器1022との間の流体連通を確立する。熱交換器1022内では、第1の作業流体1018が、熱を吸収する。本熱吸収は、第1の作業流体1018を水蒸気化し得、それによって、第1の作業流体1018が、熱交換器出口1030において、熱交換器1022から退出するとき、低圧水蒸気となる。1つの事例では、熱交換器1022は、第1のヒートポンプサイクル1002の蒸発器を含んでもよく、それによって、蒸発器が、熱を吸収し、第1の作業流体1018は、蒸発器内で蒸発される。1つの事例では、熱交換器1022は、低温蒸発器であってもよい。1つの事例では、熱交換器1022は、90%を上回るまたはそれに等しい効率で動作し得る。
【0132】
コンプレッサ1038が、第1の作業流体1018を熱交換器1022から受容する。換言すると、第1の作業流体1018が、熱交換器出口1030において、熱交換器1022から退出し、コンプレッサ入口1040において、コンプレッサ1038に進入する。導管1020が、熱交換器出口1030をコンプレッサ入口1040に接続し、それによって、熱交換器1022とコンプレッサ1038との間の流体連通を確立する。コンプレッサ1038内では、第1の作業流体1018が、より高い圧力に圧縮され、これは、第1の作業流体1018が、コンプレッサ出口1042において、コンプレッサ1038から退出する前に、温度を増加させる。したがって、低圧水蒸気が、より高い圧力に圧縮される。1つの事例では、第1の作業流体1018は、コンプレッサ出口1042において、コンプレッサ1038から退出するとき、中圧流体となる。1つの事例では、コンプレッサ1038は、高効率コンプレッサである。1つの事例では、コンプレッサ1038は、遠心コンプレッサであってもよい。1つの事例では、コンプレッサ1038は、2段階遠心コンプレッサであってもよい。1つの事例では、コンプレッサ1038は、電気的に動力供給されてもよい。モータ1027は、コンプレッサ1038を駆動する、シャフトを旋回させてもよい。1つの事例では、モータ1027は、高速および/または高効率モータであってもよい。1つの事例では、モータ1027は、電気的に動力供給されてもよい。
【0133】
1つの事例では、第1のヒートポンプサイクル1002は、吸引ライン熱交換器(「SLHX」)を含まない。しかしながら、他の事例では、SLHX(図10の第1のヒートポンプサイクル1002に示されない)は、第1のヒートポンプサイクル1002の中に組み込まれてもよい。SLHXを伴う、第1のヒートポンプサイクル1002のある実施形態では、SLHXが、第1の作業流体1018をSLHXの第1の通路内の熱交換器1022から受容する。換言すると、第1の作業流体1018は、熱交換器出口1030において、熱交換器1022から退出し、SLHX入口において、SLHXに進入する。導管が、熱交換器出口1030をSLHX入口に接続し、それによって、熱交換器1022とSLHXとの間の流体連通を確立する。SLHXの第1の通路内では、第1の作業流体1018が、熱を吸収し、それによって、SLHX出口において、SLHXから退出する前に、第1の作業流体1018をさらに加熱する(すなわち、予熱する)。次いで、第1の作業流体1018は、SLHX出口において、SLHXから退出し、コンプレッサ入口1040において、コンプレッサ1038に進入する。導管が、SLHX出口をコンプレッサ入口1040に接続し、それによって、SLHXとコンプレッサ1038との間の流体連通を確立する。
【0134】
図10に示されるような第1のヒートポンプサイクル1002の説明を継続すると、第2のコンプレッサ1029が、第1の作業流体1018をコンプレッサ1038から受容する。換言すると、第1の作業流体1018は、コンプレッサ出口1042において、コンプレッサ1038から退出し、第2のコンプレッサ入口1031において、第2のコンプレッサ1029に進入する。導管1020が、コンプレッサ出口1042を第2のコンプレッサ入口1031に接続し、それによって、コンプレッサ1038と第2のコンプレッサ1029との間の流体連通を確立する。
【0135】
ある事例では、第1のヒートポンプサイクル1002は、代替として、第2のコンプレッサ1029を含まなくてもよい。すなわち、第1のヒートポンプサイクル1002は、単一コンプレッサ1038のみを含んでもよい。そのような事例では、熱交換器1044が、第1の作業流体1018をコンプレッサ1038から受容する。より具体的には、第1の作業流体1018は、コンプレッサ出口1042において、コンプレッサ1038から退出し、熱交換器入口1046において、熱交換器1044に進入する。導管が、コンプレッサ出口1042を熱交換器入口1046に接続し、それによって、コンプレッサ1038と熱交換器1044との間の流体連通を確立する。
【0136】
図10に示されるような第1のヒートポンプサイクル1002を継続すると、第1の作業流体1018が、第2のコンプレッサ1029によって、より高い圧力に圧縮され、これは、第1の作業流体1018が、第2のコンプレッサ出口1033において、第2のコンプレッサ1029から退出する前に、温度を増加させる。1つの事例では、第2のコンプレッサ1029は、高効率コンプレッサである。1つの事例では、第2のコンプレッサ1029は、遠心コンプレッサであってもよい。1つの事例では、第2のコンプレッサ1029は、電気的に動力供給されてもよい。モータ1027は、第2のコンプレッサ1029を駆動する、シャフトを旋回させてもよい。1つの事例では、モータ1027は、高速および/または高効率モータであってもよい。1つの事例では、モータ1027は、電気的に動力供給されてもよい。1つの事例では、モータ1027は、コンプレッサ1038および第2のコンプレッサ1029の両方を駆動する、シャフトを旋回させてもよい(すなわち、コンプレッサは、同一シャフトおよびモータを使用する)。別の事例では、モータ1027が、コンプレッサ1038を駆動する、シャフトを旋回させ、第2のモータ(すなわち、図10には示されない別個のモータ)が、第2のコンプレッサ1029を駆動する、別個のシャフトを旋回させる(すなわち、コンプレッサは、異なるモータおよび異なるシャフトを使用する)。コンプレッサのための例示的設計仕様は、図6に示される。
【0137】
熱交換器1044(すなわち、中間熱交換器)が、第1のヒートポンプサイクル1002と第2のヒートポンプサイクル1004を熱的に結合する。1つの事例では、熱交換器1044が、第1の作業流体1018を第2のコンプレッサ1029から受容する。換言すると、第1の作業流体1018は、第2のコンプレッサ出口1033において、第2のコンプレッサ1029から退出し、熱交換器入口1046において、熱交換器1044に進入する。導管1020が、第2のコンプレッサ出口1033を熱交換器入口1046に接続し、それによって、第2のコンプレッサ1029と熱交換器1044との間の流体連通を確立する。他の事例では、第1のヒートポンプサイクル1002が、第2のコンプレッサ1029を含まないとき、熱交換器1044が、上記に説明されるように、第1の作業流体1018をコンプレッサ1038から受容する。
【0138】
熱交換器1044内では、第1の作業流体1018が、熱を放熱する。本熱放熱が、熱交換器出口1048において、熱交換器1044から退出する前に、第1の作業流体1018を凝縮させ得る。1つの事例では、熱交換器1044は、第1のヒートポンプサイクル1002の凝縮器と、第2のヒートポンプサイクル1004の蒸発器とを備える。したがって、熱交換器1044内では、第1のヒートポンプサイクル1002の凝縮器が、熱を放熱し、第2のヒートポンプサイクル1004の蒸発器が、熱を吸収する。熱交換器1044内では、第2のヒートポンプサイクル1004内の導管1052の中を循環する、第2の作業流体1050が、熱を吸収する。本熱吸収は、第2の作業流体1050を水蒸気化し得、それによって、第2の作業流体1050が、熱交換器1044から退出するとき、低圧水蒸気となる。1つの事例では、熱交換器1044は、90%を上回るまたはそれに等しい効率で動作し得る。
【0139】
依然として、第1のヒートポンプサイクル1002を参照すると、エコノマイザ1035(すなわち、熱交換器)が、サイクル1002の中に組み込まれてもよい。第1のヒートポンプサイクル1002が、エコノマイザ1035を含むとき、熱交換器1044からの第1の作業流体1018の流体流は、一次流体流および二次流体流に分裂される。エコノマイザ1035内では、第1の作業流体1018の一次流体流が、熱を放熱し、第1の作業流体1018の二次流体流が、熱を吸収する。
【0140】
一次流体流では、エコノマイザ1035が、第1の作業流体1018をエコノマイザ1035の第1の通路内の熱交換器1044から受容する。換言すると、第1の作業流体1018が、熱交換器出口1048において、熱交換器1044から退出し、エコノマイザ入口1037において、エコノマイザ1035に進入する。導管1020が、熱交換器出口1048をエコノマイザ入口1037に接続し、それによって、熱交換器1044とエコノマイザ1035との間の流体連通を確立する。エコノマイザ1035の第1の通路内では、第1の作業流体1018が、熱を放熱し、それによって、エコノマイザ出口1039において、エコノマイザ1035から退出する前に、第1の作業流体1018を冷却する。
【0141】
二次流体流では、膨張弁1041が、第1の作業流体1018を熱交換器1044から受容する。換言すると、第1の作業流体1018が、熱交換器出口1048において、熱交換器1044から退出し、膨張弁入口1043において、膨張弁1041に進入する。導管1020が、熱交換器出口1048を膨張弁入口1043に接続し、それによって、熱交換器1044と膨張弁1041との間の流体連通を確立する。膨張弁1041内では、第1の作業流体1018は、より低い圧力に膨張され(すなわち、圧力は、低減され)、これは、第1の作業流体1018が、膨張弁出口1045において、膨張弁1041から退出する前に、温度を減少させる。1つの事例では、第1の作業流体1018は、部分的に、水蒸気化し得、それによって、第1の作業流体1018は、膨張弁1041内で2相流体となる。
【0142】
二次流体流では、エコノマイザ1035が、第1の作業流体1018をエコノマイザ1035の第2の通路内の膨張弁1041から受容する。換言すると、第1の作業流体1018は、膨張弁出口1045において、膨張弁1041から退出し、エコノマイザ入口1047において、エコノマイザ1035に進入する。導管1020が、膨張弁出口1045をエコノマイザ入口1047に接続し、それによって、膨張弁1041とエコノマイザ1035との間の流体連通を確立する。エコノマイザ1035の第2の通路内では、第1の作業流体1018が、熱を吸収し、それによって、エコノマイザ出口1049において、エコノマイザ1035から退出する前に、第1の作業流体1018を加熱する。第1の作業流体1018が2相流体である、1つの事例では、熱吸収は、2相流体の水蒸気品質を増加させる。
【0143】
二次流体流では、第2のコンプレッサ1029が、第1の作業流体1018をエコノマイザ1035の第2の通路から受容してもよい。換言すると、第1の作業流体1018は、エコノマイザ出口1049において、エコノマイザ1035から退出し、第2のコンプレッサ入口1031において、第2のコンプレッサ1029に進入する。導管1020が、エコノマイザ出口1049を第2のコンプレッサ入口1031に接続し、それによって、エコノマイザ1035と第2のコンプレッサ1029との間の流体連通を確立する。いくつかの事例では、第1の作業流体1018をエコノマイザ出口1049から搬送する、導管1020(すなわち、エコノマイザ1035の第2の通路から退出する導管1020)は、第1の作業流体1018をコンプレッサ出口1042から搬送する導管1020(すなわち、コンプレッサ1038から退出する導管1020)と融合し、それによって、第2のコンプレッサ1029に進入する前に、2つの別個の流体流を融合してもよい(すなわち、両流体が第1の作業流体1018となる)。1つの事例では、エコノマイザ出口1049からの導管1020内の第1の作業流体1018は、2相流体流であってもよく、ンプレッサ出口1042からの導管1020内の第1の作業流体1018は、中圧流体であってもよい。2相流体流(すなわち、エコノマイザ出口1049から退出する第1の作業流体1018)は、中圧流体(すなわち、コンプレッサ出口1042から退出する第1の作業流体1018)より低温であって、それとほぼ同等圧力であり得る。したがって、2つの流体流が、融合し、それによって、2つの流体を混合すると、2相流体流は、中圧流体流を冷却し、それによって、第2のコンプレッサ1029の具体的作業を減少させ、蒸気発生システム1000の全体的効率を改良し得る。
【0144】
第1のヒートポンプサイクル1002が第2のコンプレッサ1029を含まないときのような事例では、コンプレッサ1038は、第1の作業流体1018をエコノマイザ1035から受容してもよい。換言すると、第1の作業流体1018は、エコノマイザ出口1049において、エコノマイザ1035から退出し、コンプレッサ入口1040において、コンプレッサ1038に進入する。導管が、エコノマイザ出口1049をコンプレッサ入口1040に接続し、それによって、エコノマイザ1035とコンプレッサ1038との間の流体連通を確立する。
【0145】
他の事例では、第1のヒートポンプサイクル1002は、エコノマイザ1035を含まない。そのような事例では、膨張弁1024が、第1の作業流体1018を熱交換器1044から受容する。換言すると、第1の作業流体1018が、熱交換器出口1048において、熱交換器1044から退出し、膨張弁入口1058において、膨張弁1024に進入する。導管1020が、熱交換器出口1048を膨張弁入口1058に接続し、それによって、熱交換器1044と膨張弁1024との間の流体連通を確立する。
【0146】
1つの事例では、膨張弁1024が、第1の作業流体1018をエコノマイザ1035から受容する。換言すると、第1の作業流体1018は、エコノマイザ出口1039において、エコノマイザ1035から退出し、膨張弁入口1058において、膨張弁1024に進入する。導管1020が、エコノマイザ出口1039を膨張弁入口1058に接続し、それによって、エコノマイザ1035と膨張弁1024との間の流体連通を確立する。他の事例では、第1のヒートポンプサイクル1002が、エコノマイザ1035を含まないとき、膨張弁1024が、上記に説明されるように、第1の作業流体1018を熱交換器1044から受容する。膨張弁1024内では、第1の作業流体1018は、より低い圧力に膨張され、これは、第1の作業流体1018が、膨張弁出口1026において、膨張弁31024から退出する前に、温度を減少させる。
【0147】
図10に示されるような1つの事例では、第1のヒートポンプサイクル1002は、SLHXを含まない。しかしながら、他の事例では、SLHXは、第1のヒートポンプサイクル1002の中に組み込まれる。そのような事例では、SLHXが、第1の作業流体1018をSLHXの第2の通路内のエコノマイザ1035から受容する。換言すると、第1の作業流体1018は、エコノマイザ出口1039において、エコノマイザ1035から退出し、SLHX入口において、SLHXに進入する。導管が、エコノマイザ出口1039をSLHX入口に接続し、それによって、エコノマイザ1035とSLHXとの間の流体連通を確立する。SLHXの第2の通路内では、第1の作業流体1018が、熱を放熱し、それによって、SLHX出口において、SLHXから退出する前に、第1の作業流体1018を冷却する(すなわち、予冷する)。第1の作業流体1018の本予冷は、第1の作業流体1018が、熱交換器入口1028において、熱交換器1022に進入する前に、第1の作業流体1018の水蒸気品質を低下させ得、生じ得る、潜伝熱の量を増加させ得る。次いで、第1の作業流体1018が、SLHX出口において、SLHXから退出し、膨張弁入口1058において、膨張弁1024に進入する。導管1020が、SLHX出口を膨張弁入口1058に接続し、それによって、SLHXと膨張弁1024との間の流体連通を確立する。
【0148】
1つの事例では、第1のヒートポンプサイクル1002は、SLHXを含むが、エコノマイザ1035を含まない。したがって、第1の作業流体1018の流体流は、一次流体流および二次流体流に分裂されない。故に、二次流体流が存在しないため、二次流体流と関連付けられる、膨張弁1041が存在しない。換言すると、第1の作業流体1018が、熱交換器出口1048において、熱交換器1044から退出し、SLHX入口において、SLHXに進入する。導管1020が、熱交換器出口1048をSLHX入口に接続し、それによって、熱交換器1044とSLHXとの間の流体連通を確立する。次いで、第1の作業流体1018が、SLHX出口において、SLHXから退出し、膨張弁入口1058において、膨張弁1024に進入する。導管1020が、SLHX出口を膨張弁入口1058に接続し、それによって、SLHXと膨張弁1024との間の流体連通を確立する。
【0149】
図10の第2のヒートポンプサイクル1004に目を向けると、第2のヒートポンプサイクル1004が、第2の作業流体1050を循環させる。1つの事例では、第2の作業流体1050は、フルオロカーボンであってもよい。非限定的実施例として、フルオロカーボンは、R1234ze(z)またはR1234ze(E)であってもよい。1つの事例では、第2の作業流体1050は、ハイドロフルオロオレフィンであってもよい。非限定的実施例として、ハイドロフルオロオレフィンは、R514aであってもよい。1つの事例では、第2の作業流体1050は、ハイドロフルオロエーテルであってもよい。1つの事例では、第2の作業流体1050は、炭化水素であってもよい。1つの事例では、第2の作業流体1050は、二酸化炭素であってもよい。1つの事例では、第2の作業流体1050は、アンモニアであってもよい。1つの事例では、第2の作業流体1050は、水であってもよい。1つの事例では、第2の作業流体1050は、エンジニアリングされた流体であってもよい。非限定的実施例として、エンジニアリングされた流体は、Novec649であってもよい。
【0150】
1つの事例では、同一流体が、第1の作業流体1018および第2の作業流体1050の両方のために使用されてもよい。他の事例では、異なる流体が、第1の作業流体1018および第2の作業流体1050のために使用されてもよい。
【0151】
1つの事例では、第2のヒートポンプサイクル1004は、第1のヒートポンプサイクル1002と同一コンポーネントを含有してもよい。第2のヒートポンプサイクル1004のコンポーネントは、第1のヒートポンプサイクル1002のコンポーネントと同一構成に配列されてもよい。第2のヒートポンプサイクル1004のコンポーネントは、第1のヒートポンプサイクル1002のコンポーネントと異なる構成に配列されてもよい。他の事例では、第2のヒートポンプサイクル1004は、第1のヒートポンプサイクル1002と異なるコンポーネントを含有してもよい。
【0152】
第2のヒートポンプサイクル1004では、熱交換器1044が、第2の作業流体1050を膨張弁1060から受容する。換言すると、第2の作業流体1050は、膨張弁出口1062において、膨張弁1060から退出し、熱交換器入口1064において、熱交換器1044に進入する。導管1052が、膨張弁出口1062を熱交換器入口1064に接続し、それによって、膨張弁1060と熱交換器1044との間の流体連通を確立する。熱交換器1044内では、第2の作業流体1050が、熱を第1のヒートポンプサイクル1002の第1の作業流体1018から吸収する。本熱吸収は、第2の作業流体1050を水蒸気化し得、それによって、第2の作業流体1050が、熱交換器出口1066において、熱交換器1044から退出するとき、低圧水蒸気となる。1つの事例では、熱交換器1044は、第1のヒートポンプサイクル1002の凝縮器と、第2のヒートポンプサイクル1004の蒸発器とを備える。したがって、熱交換器1044内では、第1のヒートポンプサイクル1002の凝縮器が、熱を放熱し、第2のヒートポンプサイクル1004の蒸発器が、熱を吸収する。1つの事例では、熱交換器1044は、90%を上回るまたはそれに等しい効率で動作し得る。
【0153】
1つの事例では、吸引ライン熱交換器(「SLHX」)1068が、図10から分かるように、第2のヒートポンプサイクル1004の中に組み込まれてもよい。SLHX1068が、第2の作業流体1050をSLHX1068の第1の通路内の熱交換器1044から受容する。換言すると、第2の作業流体1050は、熱交換器出口1066において、熱交換器1044から退出し、SLHX入口1070において、SLHX1068に進入する。導管1052が、熱交換器出口1066をSLHX入口1070に接続し、それによって、熱交換器1044とSLHX1068との間の流体連通を確立する。SLHX1068の第1の通路内では、第2の作業流体1050が、熱を吸収し、それによって、SLHX出口1072において、SLHX1068から退出する前に、第2の作業流体1050をさらに加熱する(すなわち、予熱する)。次いで、第2の作業流体1050は、SLHX出口1072において、SLHX1068から退出し、コンプレッサ入口1076において、コンプレッサ1074に進入する。導管が、SLHX出口1072をコンプレッサ入口1076に接続し、それによって、SLHX1068とコンプレッサ1074との間の流体連通を確立する。
【0154】
他の事例では、第2のヒートポンプサイクル1004は、SLHX1068を含まない。換言すると、第2の作業流体1050は、熱交換器出口1066において、熱交換器1044から退出し、コンプレッサ入口1076において、コンプレッサ1074に進入する。導管1052が、熱交換器出口1066をコンプレッサ入口1076に接続し、それによって、熱交換器1044とコンプレッサ1074との間の流体連通を確立する。
【0155】
図10に示される第2のヒートポンプサイクル1004を継続すると、コンプレッサ1074が、第2の作業流体1050をSLHX1068から受容する。換言すると、第2の作業流体1050は、SLHX出口1072において、SLHX1068から退出し、コンプレッサ入口1076において、コンプレッサ1074に進入する。導管1052が、SLHX出口1072をコンプレッサ入口1076に接続し、それによって、SLHX1068とコンプレッサ1074との間の流体連通を確立する。コンプレッサ1074内では、第2の作業流体1050が、より高い圧力に圧縮され、これは、第2の作業流体1050が、コンプレッサ出口1078において、コンプレッサ1074から退出する前に、温度を増加させる。したがって、低圧水蒸気が、より高い圧力に圧縮される。1つの事例では、第2の作業流体1050は、コンプレッサ出口1078において、コンプレッサ1074から退出するとき、中圧流体となる。1つの事例では、コンプレッサ1074は、高効率コンプレッサである。1つの事例では、コンプレッサ1074は、遠心コンプレッサであってもよい。1つの事例では、コンプレッサ1074は、2段階遠心コンプレッサであってもよい。1つの事例では、コンプレッサ1074は、電気的に動力供給されてもよい。モータ1061は、コンプレッサ1074を駆動する、シャフトを旋回させてもよい。1つの事例では、モータ1061は、高速および/または高効率モータであってもよい。1つの事例では、モータ1061は、電気的に動力供給されてもよい。
【0156】
1つの事例では、第2のコンプレッサ1063が、図10に示されるように、第2のヒートポンプサイクル1004の中に組み込まれてもよい。第2のコンプレッサ1063が、第2の作業流体1050をコンプレッサ1074から受容する。換言すると、第2の作業流体1050は、コンプレッサ出口1078において、コンプレッサ1074から退出し、第2のコンプレッサ入口1065において、第2のコンプレッサ1063に進入する。導管1052が、コンプレッサ出口1078を第2のコンプレッサ入口1065に接続し、それによって、コンプレッサ1074と第2のコンプレッサ1063との間の流体連通を確立する。他の事例では、第2のヒートポンプサイクル1004は、第2のコンプレッサ1063を含まない。したがって、熱交換器1080が、第2の作業流体1050をコンプレッサ1074から受容する。換言すると、第2の作業流体1050は、コンプレッサ出口1078において、コンプレッサ1074から退出し、熱交換器入口1082において、熱交換器1080に進入する。導管が、コンプレッサ出口1078を熱交換器入口1082に接続し、それによって、コンプレッサ1074と熱交換器1080との間の流体連通を確立する。
【0157】
第2のコンプレッサ1063内では、第2の作業流体1050が、より高い圧力に圧縮され、これは、第2の作業流体1050が、第2のコンプレッサ出口1067において、第2のコンプレッサ1063から退出する前に、温度を増加させる。1つの事例では、第2のコンプレッサ1063は、高効率コンプレッサである。1つの事例では、第2のコンプレッサ1063は、遠心コンプレッサであってもよい。1つの事例では、第2のコンプレッサ1063は、電気的に動力供給されてもよい。モータ1069は、第2のコンプレッサ1063を駆動する、シャフトを旋回させてもよい。1つの事例では、モータ1069は、高速および/または高効率モータであってもよい。1つの事例では、モータ1069は、電気的に動力供給されてもよい。1つの事例では、モータ1061は、コンプレッサ1074を駆動する、シャフトを旋回させてもよく、モータ1069は、第2のコンプレッサ1063を駆動する、別個のシャフトを旋回させてもよい(すなわち、コンプレッサは、異なるモータおよびシャフトを使用する)。別の事例では、1つのモータ(モータ1061またはモータ1069のいずれか)が、コンプレッサ1074および第2のコンプレッサ1063の両方を駆動する、シャフトを旋回させてもよい(すなわち、コンプレッサは、同一モータおよびシャフトを使用する)。コンプレッサのための例示的設計仕様は、図8に見られ得る。
【0158】
熱交換器1080が、第2のヒートポンプサイクル1004と第3の作業流体1008を熱的に結合する。1つの事例では、熱交換器1080が、第2の作業流体1050を第2のコンプレッサ1063から受容する。換言すると、第2の作業流体1050は、第2のコンプレッサ出口1067において、第2のコンプレッサ1063から退出し、熱交換器入口1082において、熱交換器1080に進入する。導管1052が、第2のコンプレッサ出口1067を熱交換器入口1082に接続し、それによって、第2のコンプレッサ1063と熱交換器1080との間の流体連通を確立する。他の事例では、第2のヒートポンプサイクル1004が、第2のコンプレッサ1063を含まないとき、熱交換器1080が、上記に説明されるように、第2の作業流体1050をコンプレッサ1074から受容する。
【0159】
熱交換器1080内では、第2の作業流体1050が、熱を放熱する。本熱放熱は、熱交換器出口1084において、熱交換器1080から退出する前に、第2の作業流体1050を凝縮させ得る。1つの事例では、熱交換器1080は、第2のヒートポンプサイクル1004の凝縮器であってもよく、それによって、凝縮器が、熱を放熱し、第2の作業流体1050は、凝縮器内で凝縮する。熱交換器1080内では、導管内を流動し得る、第3の作業流体1008が、熱を吸収する。本熱吸収は、第3の作業流体1008を水蒸気化し得、それによって、第3の作業流体1008は、熱交換器1080から退出するとき、蒸気となる。1つの事例では、熱交換器1080は、90%を上回るまたはそれに等しい効率で動作し得る。第3の作業流体1008は、図3に図示されるように、ポンプと、コンプレッサとをさらに含む、システムを通して、流動し得る。
【0160】
1つの事例では、図10から分かるように、エコノマイザ1071(すなわち、熱交換器)が、第2のヒートポンプサイクル1004の中に組み込まれてもよい。第2のヒートポンプサイクル1004が、エコノマイザ1071を含むとき、第2の作業流体1050の流体流は、一次流体流および二次流体流に分裂される。エコノマイザ1071内では、第2の作業流体1050の一次流体流が、熱を放熱し、第2の作業流体1050の二次流体流が、熱を吸収する。
【0161】
一次流体流では、エコノマイザ1071が、第2の作業流体1050をエコノマイザ1071の第1の通路内の熱交換器1080から受容する。換言すると、第2の作業流体1050が、熱交換器出口1084において、熱交換器1080から退出し、エコノマイザ入口1073において、エコノマイザ1071に進入する。導管1052が、熱交換器出口1084をエコノマイザ入口1073に接続し、それによって、熱交換器1080とエコノマイザ1071との間の流体連通を確立する。エコノマイザ1071の第1の通路内では、第2の作業流体1050が、熱を放熱し、それによって、エコノマイザ出口1075において、エコノマイザ1071から退出する前に、第2の作業流体1050を冷却する。
【0162】
二次流体流では、膨張弁1077が、第2の作業流体1050を熱交換器1080から受容する。換言すると、第2の作業流体1050は、熱交換器出口1084において、熱交換器1080から退出し、膨張弁入口1079において、膨張弁1077に進入する。導管1052が、熱交換器出口1084を膨張弁入口1079に接続し、それによって、熱交換器1080と膨張弁1077との間の流体連通を確立する。膨張弁1077内では、第2の作業流体1050は、より低い圧力に膨張され(すなわち、圧力は、低減され)、これは、第2の作業流体1050が、膨張弁出口1081において、膨張弁1077から退出する前に、温度を減少させる。1つの事例では、第2の作業流体1050は、部分的に、水蒸気化し得、それによって、第2の作業流体1050は、膨張弁1077内で2相流体となる。
【0163】
二次流体流では、エコノマイザ1071が、第2の作業流体1050をエコノマイザ1071の第2の通路内の膨張弁1077から受容する。換言すると、第2の作業流体1050は、膨張弁出口1081において、膨張弁1077から退出し、エコノマイザ入口1083において、エコノマイザ1071に進入する。導管1052が、膨張弁出口1081をエコノマイザ入口1083に接続し、それによって、膨張弁1077とエコノマイザ1071との間の流体連通を確立する。エコノマイザ1071の第2の通路内では、第2の作業流体1050が、熱を吸収し、それによって、エコノマイザ出口1085において、エコノマイザ1071から退出する前に、第2の作業流体1050を加熱する。第2の作業流体1050が2相流体である、1つの事例では、熱吸収は、2相流体の水蒸気品質を増加させる。
【0164】
二次流体流では、第2のコンプレッサ1063が、第2の作業流体1050をエコノマイザ1071の第2の通路から受容してもよい。換言すると、第2の作業流体1050は、エコノマイザ出口1085において、エコノマイザ1071から退出し、第2のコンプレッサ入口1065において、第2のコンプレッサ1063に進入する。導管1052が、エコノマイザ出口1085を第2のコンプレッサ入口1065に接続し、それによって、エコノマイザ1071と第2のコンプレッサ1063との間の流体連通を確立する。いくつかの事例では、第2の作業流体1050をエコノマイザ出口1085から搬送する、導管1052(すなわち、エコノマイザ1071の第2の通路から退出する導管1052)は、第2の作業流体1050をコンプレッサ出口1078から搬送する、導管1052(すなわち、コンプレッサ1074から退出する導管1052)と融合し、それによって、第2のコンプレッサ1063に進入する前に、2つの別個の流体流を融合してもよい(すなわち、両流体は、第2の作業流体1050となる)。1つの事例では、エコノマイザ出口1085からの導管1052内の第2の作業流体1050は、2相流体流であってもよく、コンプレッサ出口1078からの導管1052内の第2の作業流体1050は、中圧流体であってもよい。2相流体流(すなわち、エコノマイザ出口1085から退出する第2の作業流体1050)は、中圧流体(すなわち、コンプレッサ出口1078から退出する第2の作業流体1050)より低温であって、それとほぼ同等圧力であり得る。したがって、2つの流体流が、融合し、それによって、2つの流体を混合するとき、2相流体流は、中圧流体流を冷却し、それによって、第2のコンプレッサ1063の具体的作業を減少させ、蒸気発生システム1000の全体的効率を改良し得る。
【0165】
第2のヒートポンプサイクル1004が、第2のコンプレッサ1063を含まないような事例では、コンプレッサ1074が、第2の作業流体1050をエコノマイザ1071から受容してもよい。換言すると、第2の作業流体1050は、エコノマイザ出口1085において、エコノマイザ1071から退出し、コンプレッサ入口1076において、コンプレッサ1074に進入する。導管が、エコノマイザ出口1085をコンプレッサ入口1076に接続し、それによって、エコノマイザ1071とコンプレッサ1074との間の流体連通を確立する。
【0166】
SLHX1068が第2のヒートポンプサイクル1004の中に組み込まれるときのような事例では(図10から分かるように)、SLHX1068が、第2の作業流体1050をSLHX1068の第2の通路内の熱交換器1080から受容する。換言すると、第2の作業流体1050は、熱交換器出口1084において、熱交換器1080から退出し、SLHX入口1088において、SLHX1068に進入する。導管1052が、熱交換器出口1084をSLHX入口1088に接続し、それによって、熱交換器1080とSLHX1068との間の流体連通を確立する。SLHX1068の第2の通路内では、第2の作業流体1050が、熱を放熱し、それによって、SLHX出口1090において、SLHX1068から退出する前に、第2の作業流体1050を冷却する(すなわち、予冷する)。第2の作業流体1050の本予冷は、第2の作業流体1050が、熱交換器入口1028において、熱交換器1022に進入する前に、第2の作業流体1050の水蒸気品質を低下させ得、生じ得る、潜伝熱の量を増加させ得る。次いで、第2の作業流体1050は、SLHX出口1090において、SLHX1068から退出し、膨張弁入口1092において、膨張弁1060に進入する。導管1052が、SLHX出口1090を膨張弁入口1092に接続し、それによって、SLHX1068と膨張弁1060との間の流体連通を確立する。
【0167】
第2のヒートポンプサイクル1004が、SLHX1068を含まないときのような事例では、第2の作業流体1050は、エコノマイザ出口1075において、エコノマイザ1071から退出し、膨張弁入口1092において、膨張弁1060に進入する。導管1052が、エコノマイザ出口1075を膨張弁入口1092に接続し、それによって、エコノマイザ1071と膨張弁1060との間の流体連通を確立する。
【0168】
他の事例では、第2のヒートポンプサイクル1004は、SLHX1068を含むが、エコノマイザ1071を含まない。したがって、第2の作業流体1050の流体流は、一次流体流および二次流体流に分裂されない。故に、二次流体流が存在しないため、二次流体流と関連付けられる、膨張弁1077が存在しない。換言すると、第2の作業流体1050は、熱交換器出口1084において、熱交換器1080から退出し、SLHX入口1088において、SLHX1068に進入する。導管1052が、熱交換器出口1084をSLHX入口1088に接続し、それによって、熱交換器1080とSLHX1068との間の流体連通を確立する。次いで、第2の作業流体1050は、SLHX出口1090において、SLHX1068から退出し、膨張弁入口1092において、膨張弁1060に進入する。導管1052が、SLHX出口1090を膨張弁入口1092に接続し、それによって、SLHX1068と膨張弁1060との間の流体連通を確立する。
【0169】
他の事例では、第2のヒートポンプサイクル1004は、エコノマイザ1071を含まず、SLHX1068も含まない。したがって、膨張弁1060が、第2の作業流体1050を熱交換器1080から受容する。換言すると、第2の作業流体1050は、熱交換器出口1084において、熱交換器1080から退出し、膨張弁入口1092において、膨張弁1060に進入する。導管1052が、熱交換器出口1084を膨張弁入口1092に接続し、それによって、熱交換器1080と膨張弁1060との間の流体連通を確立する。
【0170】
1つの事例では、膨張弁1060が、第2の作業流体1050をSLHX1068から受容する。換言すると、第2の作業流体1050は、SLHX出口1090において、SLHX1068から退出し、膨張弁入口1092において、膨張弁1060に進入する。導管1052が、SLHX出口1090を膨張弁入口1092に接続し、それによって、SLHX1068と膨張弁1060との間の流体連通を確立する。他の事例では、第2のヒートポンプサイクル1004が、SLHX1068を含まないとき、膨張弁1060が、上記に説明されるように、第2の作業流体をエコノマイザ1071から受容する。別の事例では、第2のヒートポンプサイクル1004が、エコノマイザ1071を含まず、SLHX1068も含まないとき、膨張弁1060が、上記に説明されるように、第2の作業流体1050を熱交換器1080から受容する。膨張弁1060内では、第2の作業流体1050は、より低い圧力に膨張され、これは、第2の作業流体1050が、膨張弁出口1062において、膨張弁1060から退出する前に、温度を減少させる。
【0171】
第3の作業流体1008は、図10に図示されるように、熱を熱交換器1080から吸収し得る。換言すると、熱交換器1080は、第3の作業流体1008を受容してもよい。熱交換器1080内では、第2の作業流体1050が、熱を放熱し、第3の作業流体1008が、熱を吸収する。1つの事例では、熱交換器1080は、第2のヒートポンプサイクル1004の凝縮器を含んでもよく、それによって、凝縮器が、熱を放熱し、第3の作業流体1008が、熱を吸収する。第2の作業流体1050は、凝縮器内で熱を放熱するにつれて凝縮される。1つの事例では、熱交換器1080は、蒸気発生器であってもよい。蒸気発生器内では、第3の作業流体1008は、水蒸気化するために十分な熱を吸収し得る。
【0172】
1つの事例では、第3の作業流体1008は、導管(図10には示されない)を介して、熱交換器1080に供給されてもよい。換言すると、第3の作業流体1008のための導管は、熱交換器1080によって、第2のヒートポンプサイクル1004に結合される。
【0173】
1つの事例では、機械的ポンプ(図10には示されない)が、第3の作業流体1008の圧力を増加させてもよい。ポンプ301の類似実施形態は、図3に示される。機械的ポンプは、熱交換器1080の上流にあってもよく、それによって、熱交換器1080が、第3の作業流体1008を機械的ポンプから受容する。換言すると、第3の作業流体1008は、機械的ポンプ出口において、機械的ポンプから退出し、熱交換器入口において、熱交換器1080に進入する。導管が、機械的ポンプ出口を熱交換器入口に接続し、それによって、機械的ポンプと熱交換器1080との間の流体連通を確立する。第3の作業流体1008は、熱交換器出口において、熱交換器1080から退出し、導管に進入し得る。
【0174】
1つの事例では、蒸気コンプレッサ(図10には示されない)が、第3の作業流体1008の圧力および温度を増加させてもよい。蒸気コンプレッサ306の類似実施形態は、図3に見られ得る。蒸気コンプレッサは、熱交換器1080の下流にあってもよく、それによって、蒸気コンプレッサが、第3の作業流体1008を熱交換器1080から受容する。換言すると、第3の作業流体1008は、熱交換器出口において、熱交換器1080から退出し、蒸気コンプレッサ入口において、蒸気コンプレッサに進入する。導管が、熱交換器出口を蒸気コンプレッサ入口に接続し、それによって、熱交換器1080と蒸気コンプレッサとの間の流体連通を確立する。
【0175】
蒸気コンプレッサ内では、第3の作業流体1008が、より高い圧力および温度に圧縮される。1つの事例では、蒸気コンプレッサは、第3の作業流体1008の圧力および温度を増加させ、第3の作業流体1008が、蒸気コンプレッサ出口において、蒸気コンプレッサから退出する前に、第3の作業流体1008を蒸気に変える。蒸気は、蒸気コンプレッサ出口に接続される、導管に進入し得る。1つの事例では、蒸気コンプレッサは、摂氏120度に等しいまたはそれを上回る温度において、蒸気を送達する。1つの事例では、蒸気コンプレッサは、高効率コンプレッサである。1つの事例では、蒸気コンプレッサは、遠心コンプレッサであってもよい。1つの事例では、蒸気コンプレッサは、電気的に動力供給されてもよい。
【0176】
1つの事例では、第3の作業流体1008は、水である。熱交換器1080内では、水は、熱を第2のヒートポンプサイクル1004の第2の作業流体1050から吸収する。一実施例では、水の圧力は、水が、熱交換器出口において、熱交換器1080から退出するとき、標的蒸気飽和温度を上回るまたはそれに等しくてもよい。換言すると、水は、第2のヒートポンプサイクル1004から、蒸気に蒸発するために十分な熱を吸収し得る。熱交換器1080後、蒸気コンプレッサが、直接、蒸気の圧力および温度を増加させるために使用されてもよい。一実施例では、水の圧力は、水が、熱交換器出口において、熱交換器1080から退出するとき、標的蒸気飽和温度未満であってもよい。したがって、蒸気コンプレッサは、水の圧力を要求される飽和温度まで増加させるために使用されてもよい。
【0177】
図10の第1のヒートポンプサイクル1002に戻って参照すると、伝達流体1013が、熱を熱交換器1022に放熱し得る。換言すると、熱交換器1022が、伝達流体1013を受容する。熱交換器1022内では、伝達流体1013が、熱を放熱し、第1の作業流体1018が、熱を吸収する。1つの事例では、熱交換器1022は、第1のヒートポンプサイクル1002の蒸発器を含んでもよく、それによって、伝達流体1013が、熱を放熱し、蒸発器が、熱を吸収する。第1の作業流体1018は、蒸発器内で熱を吸収するにつれて蒸発される。1つの事例では、熱交換器1022は、低温蒸発器であってもよい。
【0178】
1つの事例では、伝達流体1013は、導管(図10には示されない)を介して、熱交換器1022に供給されてもよい。換言すると、伝達流体1013のための導管は、熱交換器1022によって、第1のヒートポンプサイクル1002に結合される。
【0179】
1つの事例では、機械的ポンプ(図10には示されない)が、伝達流体1013の圧力を増加させてもよい。機械的ポンプは、熱交換器1022の上流にあってもよく、それによって、熱交換器1022が、伝達流体1013を機械的ポンプから受容する。換言すると、伝達流体1013は、機械的ポンプ出口において、機械的ポンプから退出し、熱交換器入口において、熱交換器1022に進入する。導管が、機械的ポンプ出口を熱交換器入口に接続し、それによって、機械的ポンプと熱交換器1022との間の流体連通を確立する。伝達流体1013は、熱交換器出口において、熱交換器1022から退出し、導管に進入し得る。
【0180】
1つの事例では、伝達流体1013は、周囲空気であって、それによって、第1のヒートポンプサイクル1002の熱交換器1022は、周囲空気を熱源として利用する(すなわち、空気供給式)。第1のヒートポンプサイクル1002の熱交換器1022は、熱を周囲空気から捕捉してもよい。熱は、第1のヒートポンプサイクル1002の熱交換器1022によって吸収され、それによって、第1のヒートポンプサイクル1002内の第1の作業流体1018を蒸発させる。
【0181】
他の事例では、伝達流体1013は、低温熱源に接続される、液体であってもよい。1つの事例では、低温熱源は、周囲空気であってもよい。他の事例では、第1のヒートポンプサイクル1002は、別の低温熱源に結合されてもよい。例えば、低温熱源が、熱を空気、地面、または別の共同設置された冷却負荷に放熱する、液体ループであり得る。一実施例では、液体ループは、水を含有してもよい。
【0182】
図10の熱発生システムは、加えて、第1のヒートポンプサイクル1002および第2のヒートポンプサイクル1004と電気連通する、制御システムを含んでもよい。制御システムは、第1の熱源および/または第2の熱源から第3の作業流体1008への熱の送達を制御してもよい。第1の熱源は、第1のヒートポンプサイクル1002と、第2のヒートポンプサイクル1004とを含んでもよい。第2の熱源は、再生可能エネルギー源(例えば、太陽熱アレイ)を介して加熱される、畜熱ユニット等の代替熱源を含んでもよい。加えて、または代替として、制御システムは、第1および第2のヒートポンプサイクル1002、1004に供給される、電気動力源を制御してもよい。電気動力は、電気グリッドまたは再生可能エネルギー源によって選択的に供給されてもよい。
【0183】
この目的を達成するために、蒸気生産のために、階層式ヒートポンプシステム1102(図10からの第1および第2のヒートポンプサイクル1002および1004または図3の第1および第2のヒートポンプサイクル302および304等)を組み込む、エネルギー裁定取引システム1100の略図である、図11が、参照される。エネルギー裁定取引システム1100は、他の使用の中でもとりわけ、産業用途のための蒸気を発生させるために、熱を供給するための複数の熱エネルギー源を含む。加えて、または代替として、熱エネルギー源のうちの1つまたはそれを上回るものは、中央蒸気生産システムのための熱を供給することとは対照的に、蒸気を供給してもよい。
【0184】
1つの事例では、エネルギー裁定取引システム1100は、再生可能エネルギー源1104を含み、これは、電気グリッド1106と電気連通する、太陽熱アレイまたはグリッドであってもよい。電気グリッド1106は、階層式ヒートポンプシステム1102と電気連通し、動力供給することが可能である。階層式ヒートポンプシステム1102はまた、再生可能エネルギー源1104と電気連通し、これは、動力をそこに供給することが可能である。再生可能エネルギー源1104は、熱の形態におけるエネルギーを貯蔵することが可能である、熱エネルギー貯蔵システム等のエネルギー貯蔵システム1108に結合される。蓄熱システム1108は、加熱された流体(例えば、蒸気)を貯蔵することが可能である、1つまたはそれを上回る貯蔵容器を含んでもよい。エネルギー貯蔵システム1108は、1つまたはそれを上回るバッテリ等の畜電ユニットであってもよく、これは、電気を階層式ヒートポンプシステム1102に供給することが可能である。
【0185】
エネルギー裁定取引システム1100はまた、天然ガスボイラ等のボイラ1110を含んでもよい。しかしながら、ボイラ1110は、1つの燃焼用石炭、バイオマス、廃棄物、または別の好適な燃料等の異なるタイプのボイラであってもよい。ボイラ1110、階層式ヒートポンプシステム1102、再生可能エネルギー源1104、およびエネルギー保管システム1108はそれぞれ、制御システム1112によって電気的に制御されてもよい。制御システム1112は、蒸気および/または熱のいずれかの産業用途への送達を制御してもよい。ある事例では、ボイラ1110、階層式ヒートポンプシステム1102、およびエネルギー保管システム1108はそれぞれ(熱エネルギー貯蔵ユニットとして構成されるとき)、産業用途において使用するための、または別の使用のための蒸気1114を送達する。そのような事例では、ボイラ1110は、制御システム1112によって作動されると、蒸気1114を送達することが可能であって、階層式ヒートポンプシステム1102(ポンプ301、熱交換器380、および蒸気コンプレッサ306等の蒸気発生コンポーネントを含む)は、制御システム1112によって作動されると、蒸気1114を送達することが可能であって、エネルギー保管システム1108は、制御システム1112によって作動されると、蒸気1114を送達することが可能である。エネルギー裁定取引システム1110は、制御システム1112を伴わずに機能し、したがって、手動で制御されてもよい。
【0186】
制御システム1112は、裁定取引システム1000内の以下の例示的パラメータを利用して、所与の時間で動作するシステムを判定してもよい。パラメータは、限定ではないが、他の要因の中でもとりわけ、再生可能発電量(kWおよびkWh)、蓄熱容量または貯蔵されたエネルギー量(kWおよびkWh)、デバイス(例えば、ヒートポンプ、ボイラ、蓄熱)あたりの蒸気出力量、設備蒸気需要量(蒸気質量または体積流量および蒸気圧力)、および運営費(例えば、PPA率、グリッド電気率構造、および燃料価格)を含む。制御システム1112は、種々の源から生じる、蒸気質量、体積流量、および蒸気圧力を測定することができる。制御システム1112はまた、とりわけ、上記に列挙されたパラメータに基づいて、裁定取引システム1100の種々のエネルギー源を選択的にオンおよびオフにすることができる。
【0187】
制御システム1112は、以下のメトリック、すなわち、電気入力によって除算される蒸気出力量=ヒートポンプ効率と、天然ガス入力によって除算される蒸気出力量=ボイラ効率とを使用して、システム性能を計算してもよい。これらのメトリックは、ヒートポンプ、ボイラ、または他のシステムを動作させることがより経済的であるかどうかを判定するために使用されてもよい。PPA率、グリッド電気率構造、および燃料価格を含む、運営費は、蒸気を提供するために利用すべきシステムを検討するとき、要因として使用されてもよい。エネルギー裁定取引システム1110は、蒸気をエネルギー入力源のうちの1つまたはそれを上回るものから選択的に送達することによって、効率的かつ費用効果的に、蒸気を送達するために使用されることができる。エネルギー裁定取引システム1110は、蒸気生産プロセスにおける脱炭素化を最大限にすることが可能である。
【0188】
以下は、エネルギー裁定取引システム1110の例示的実施形態のリストを含む。従来、産業用蒸気1114は、ボイラ(例えば、天然ガスボイラ)1110から発生される。本構成では、蒸気が、1つの源のみによって提供され、エネルギー源入力を改変するための能力が存在しないため、裁定取引は、存在しない。
【0189】
エネルギー裁定取引システム1100を使用する、第1の裁定取引形態は、蓄熱システム1108を利用する、再生可能エネルギー源1104のみを介して、蒸気1114を提供するためのものである。すなわち、本構成では、ボイラは、存在しない。エネルギーは、再生可能源によって供給されるが、これは、高価な脱炭素化オプションである。
【0190】
エネルギー裁定取引システム1100を使用する、第2の裁定取引形態は、ボイラ1110と、再生可能エネルギー源1104から電気を供給される、階層式ヒートポンプシステム1102とのうちの一方または両方から蒸気1114を選択的に提供するためのものである。
【0191】
制御システムは、(発生されるkWh量を)再生可能エネルギー源1104と通信する。本事例では、発生される全ての電気は、ヒートポンプ1102に送信される。制御システム1112は、ヒートポンプ1102の蒸気出力量(例えば、流量および圧力)および設備からの蒸気需要量(例えば、流量および圧力)を監視することができる。制御システム1102は、ボイラ1110と通信し、設備によって要求される蒸気の残りを発生させることができる。ボイラ1110の蒸気出力量(例えば、流量および圧力)もまた、制御システム1112によって測定されることができる。
【0192】
エネルギー裁定取引システム1100を使用する、第3の裁定取引形態は、ボイラ1110と、再生可能エネルギー源1104から電気を供給される、階層式ヒートポンプシステム1102とのうちの一方または両方から蒸気1114を提供するためのものである。本構成では、再生可能エネルギー源1104はまた、電気の供給量が階層式ヒートポンプシステム1102の需要量を超えるとき、電気を電気グリッド1106に提供する。
【0193】
本構成では、再生可能エネルギー源1104からの過剰電気が存在し得る。本過剰電気は、グリッド1106に供給されることができ、これは、ひいては、電気グリッド1106に関する需要量のための信用取引を提供することができる(例えば、電気をヒートポンプシステム1102に供給するために)。本構成では、制御システム1112は、設備蒸気需要量およびヒートポンプ1102の蒸気出力量を監視してもよい。ヒートポンプ1102の蒸気出力量が、設備需要量全体を送達する場合、制御システム1102は、再生可能エネルギー源1104と通信し、過剰電気は、グリッド1106に回される(ネットメータリング)。再生可能エネルギー源1104が、十分な電気をヒートポンプ1102に対して生産しないとき、制御システム1112は、ボイラ1110と通信し、設備のために要求される残りの蒸気を提供するであろう。制御システム1112は、それぞれ、電気および燃料の現在のエネルギーコストを前提として、最も経済的に効率的燃料源(グリッドからの電気対ボイラのための燃料)を判定してもよい。
【0194】
エネルギー裁定取引システム1100を使用する、第4の裁定取引形態は、再生可能エネルギー源1104から電気供給される、階層式ヒートポンプシステム1102のみから蒸気1114を提供するためのものである。本構成では、再生可能エネルギー源1104はまた、電気の供給量が階層式ヒートポンプシステム1102の需要量を超えるとき、電気を電気グリッド1106に提供する。ボイラは、本構成では、使用されない。第3の裁定取引形態と同様に、第4の裁定取引形態では、再生可能エネルギー源から生産される過剰電気は、グリッド1106に回されることができる。この場合、制御システム1112は、入力として、蒸気需要量を設備から受信する。蒸気は全て、本裁定取引形態では、階層式ヒートポンプシステム1102によって提供されることになり、および制御システム1112は、ヒートポンプシステム1102への電気動力源を選択的に判定するであろう。再生可能エネルギー源1104が、ヒートポンプシステム1102の電気必要量の全てを提供することが可能である場合、ヒートポンプシステム1102は、任意の電気をグリッド1106から引き出さないであろう。再生可能エネルギー源1104から生産される過剰電気が存在する場合、過剰量は、グリッド1106に送信されるであろう(ネットメータリング)。ヒートポンプシステム1102の電気必要量が、再生可能エネルギー源1104によって生産され得る量を上回る場合、制御システム1112は、可能な限り多くの再生可能エネルギー1104を利用し、電気の残りは、グリッド1106から取り込まれるであろう。
【0195】
本形態では、システム1100は、ボイラ1110を含んでもよい。再生可能エネルギー源1104が、過剰電気を提供しない場合、制御システム1112は、ボイラ1110に信号伝達し、蒸気1114を送達する代わりに、グリッド1106と通信し、グリッド電気を取り込み、ヒートポンプ1102に動力供給する。これは、制御システム1112が、グリッド1106からの電気の一部で動作しているヒートポンプ1102がガスボイラ1110を動作させるより経済的であることを判定する場合、生じ得る。
【0196】
エネルギー裁定取引システム1100を使用する、第5の裁定取引形態は、再生可能エネルギー源1104から電気を供給される、階層式ヒートポンプシステム1102と、再生可能エネルギー源1104に接続される蓄エネルギーシステム1108とのうちの一方または両方から蒸気1114を提供するためのものである。本構成は、グリッド需要量課金を回避し、完全な脱炭素化をもたらす。グリッドおよびガスボイラは、本構成では、利用されない。制御システム1112は、ヒートポンプシステム1102からの蒸気出力量、設備の蒸気需要量、および再生可能エネルギー源1104内の再生可能発電量を監視してもよい。
【0197】
ヒートポンプシステム1102が、設備のための完全な蒸気需要量を提供し、再生可能エネルギー源からの過剰電気が存在する場合、電気は、畜エネルギーデバイス1108に回され、デバイス(例えば、畜エネルギーユニット、畜熱ユニット)を充電してもよい(デバイスの電荷/容量を測定する)。再生可能エネルギー源1104からの過剰電気が存在しない場合、制御システム1112は、畜エネルギーデバイス1108と通信し、熱/蒸気1114を放出し、ヒートポンプ1102との組み合わせにおいて、設備蒸気需要量を満たしてもよい。
【0198】
畜エネルギーデバイスが、完全に充電され、依然として、過剰電気が存在する場合、電気は、グリッド1106に回されるであろう。
【0199】
電気グリッド1106に接続される、再生可能エネルギー源1104を含む、エネルギー裁定取引システム1110を有することは、システムが、ユーザがグリッドから取り込まれるエネルギー(消費)のコストとグリッドに送信されるエネルギー(発電)のコストの差異に関して課金される、電気グリッド請求機構である、ネットメータリングを使用することを可能にする。
【0200】
以下は、本明細書に説明されるエネルギー裁定取引システム1110の一部である、またはそれと併用可能である、例示的コンピュータ1200の説明である。図12は、図11の制御システム1112等の本明細書に説明される本開示の種々の側面を実装するために使用され得る、好適なコンピューティングおよびネットワーキング環境1200の実施例を図示する。図12に図示されるように、コンピューティングおよびネットワーキング環境1200は、汎用目的コンピューティングデバイス1200を含むが、ネットワーキング環境1200は、スマートフォン、サーバコンピュータ、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、タブレットデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、プログラマブル消費者電子デバイス、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、状態機械、論理回路、上記のコンピューティングシステムまたはデバイスのいずれかを含む、分散型コンピューティング環境、および同等物等の他のコンピューティングシステムを含んでもよいことが検討される。
【0201】
コンピュータ1200のコンポーネントは、処理ユニット1202、データストレージ1204(例えば、システムメモリ)、およびコンピュータ1200の種々のシステムコンポーネントを処理ユニット1202に結合する、システムバス1206等の種々のハードウェアコンポーネントを含んでもよい。システムバス1206は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、および様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用するローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造のいずれかであってもよい。例えば、そのようなアーキテクチャは、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(EISA)バス、ビデオエレクトロニクス規格協会(VESA)ローカルバス、およびMezzanineバスとしても知られる周辺コンポーネント相互接続(PCI)バスを含んでもよい。
【0202】
コンピュータ1200はさらに、リムーバブル/非リムーバブル媒体および揮発性/不揮発性媒体を含む、様々なコンピュータ可読媒体1208を含んでもよいが、一過性伝搬信号を除外する。コンピュータ可読媒体1208はまた、コンピュータ記憶媒体と、通信媒体とを含んでもよい。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気記憶デバイス、または所望の情報/データを記憶するために使用され得、コンピュータ1200によってアクセスされ得る、任意の他の媒体等、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータ等の情報の記憶のために任意の方法または技術において実装される、リムーバブル/非リムーバブル媒体および揮発性/不揮発性媒体を含む。通信媒体は、搬送波または他のトランスポート機構等の変調されたデータ信号内のコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを含み、任意の情報送達媒体を含む。用語「変調されたデータ信号」は、信号内の情報をエンコーディングするような様式において設定または変化されるその特性のうちの1つまたはそれを上回るものを有する、信号を意味する。例えば、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続等の有線媒体、および音響、RF、赤外線、および/または他の無線媒体等の無線媒体、またはそれらのある組み合わせを含んでもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体上に記憶されたソフトウェア等のコンピュータプログラム製品として具現化されてもよい。
【0203】
データストレージまたはシステムメモリ1204は、読取専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)等の、揮発性/不揮発性メモリの形態におけるコンピュータ記憶媒体を含む。(例えば、始動の際)コンピュータ1200内の要素間で情報を伝達することに役立つ、基本ルーチンを含有する、基本入/出力システム(BIOS)は、典型的には、ROM内に記憶される。RAMは、典型的には、処理ユニット1202に直ちにアクセス可能であって、および/またはそれによってその上で現在動作されている、データおよび/またはプログラムモジュールを含有する。例えば、一実施形態では、データストレージ1204は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、ならびに他のプログラムモジュールおよびプログラムデータを保持する。
【0204】
データストレージ1204はまた、他のリムーバブル/非リムーバブル揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体を含んでもよい。例えば、データストレージ1204は、非リムーバブル不揮発性磁気媒体から読み取られる、またはそこに書き込まれる、ハードディスクドライブ、リムーバブル不揮発性磁気ディスクから読み取られる、またはそこに書き込まれる、磁気ディスクドライブ、および/またはCD-ROMまたは他の光学媒体等のリムーバブル不揮発性光ディスクから読み取られる、またはそこに書き込まれる、光ディスクドライブであってもよい。他のリムーバブル/非リムーバブル揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体は、磁気テープカセット、フラッシュメモリカード、デジタル多用途ディスク、デジタルビデオテープ、ソリッドステートRAM、ソリッドステートROM、および同等物を含んでもよい。上記に説明され、図12に図示される、ドライブおよびその関連付けられるコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ1200のためのコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および他のデータの記憶を提供する。
【0205】
ユーザは、ユーザインターフェース1210、またはタブレット、電子デジタイザ、マイクロホン、キーボード、および/または、一般に、マウス、トラックボール、またはタッチパッドと称される、ポインティングデバイス等の他の入力デバイスを通して、コマンドおよび情報を打ち込んでもよい。コマンドおよび情報は、それぞれの具体的パラメータを含む、照明および/または散水スケジュールを設定するためのものであってもよい。他の入力デバイスは、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星アンテナ、スキャナ、または同等物を含んでもよい。加えて、音声入力、ジェスチャ入力(例えば、手または指を介して)、または他の天然ユーザインターフェースもまた、マイクロホン、カメラ、タブレット、タッチパッド、グローブ、または他のセンサ等の適切な入力デバイスと併用されてもよい。これらおよび他の入力デバイスは、多くの場合、システムバス1206に結合される、ユーザインターフェース1210を通して、処理ユニット1202に接続されるが、パラレルポート、ゲームポートまたはユニバーサルシリアルバス(USB)等の他のインターフェースおよびバス構造によって接続されてもよい。モニタ1212または他のタイプのディスプレイデバイスもまた、ビデオインターフェース等のインターフェースを介して、システムバス1206に接続される。モニタ1212はまた、タッチ画面パネルまたは同等物と統合されてもよい。
【0206】
コンピュータ1200が、制御システム1112として動作するとき、図11のエネルギー裁定取引システム1100と関連付けられる、種々の入力および出力が存在してもよい。例えば、コンピュータ1200は、設備蒸気要件、ボイラ1110からの蒸気出力量、ヒートポンプサイクル1102からの蒸気出力量、および畜熱ユニット1108からの蒸気出力量と関連付けられる、種々の入力を含んでもよい。付加的入力は、再生可能エネルギー源1104からの電気生産量、およびグリッド1106へ、ヒートポンプ1102へ、および畜熱ユニット1108へを含む、再生可能エネルギー源からの流出量を含んでもよい。付加的入力はまた、ヒートポンプシステム1102の電気要件およびグリッド1106から供給されている電気の量を含むことができる。コンピュータ1200は、ヒートポンプシステム1102、再生可能エネルギー源1104、畜熱ユニット1108のそれぞれと電気連通してもよく、したがって、コンピュータ1200は、受信される種々の入力に基づいて、動作させるためのシステム1100のコンポーネントを作動させることができる。このように、種々のシステムとの通信はまた、出力であることができ、したがって、コンピュータ1200は、その動作を制御することができる。
【0207】
コンピュータ1200は、ネットワークインターフェースまたはアダプタ1214と遠隔コンピュータ等の1つまたはそれを上回る遠隔デバイスの論理接続を使用して、ネットワーク化またはクラウド-コンピューティング環境で動作し得る。遠隔コンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス、または他の一般的ネットワークノードであってもよく、典型的には、コンピュータ1200に関して上記に説明される要素の多くまたは全てを含む。図12に描写される論理接続は、1つまたはそれを上回るローカルエリアネットワーク(LAN)と、1つまたはそれを上回る広域ネットワーク(WAN)とを含むが、また、他のネットワークを含んでもよい。そのようなネットワーキング環境は、オフィス、企業全体のコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネットに一般的である。
【0208】
ネットワーク化またはクラウド-コンピューティング環境において使用されるとき、コンピュータ1200は、ネットワークインターフェースまたはアダプタ1214を通して、パブリックおよび/またはプライベートネットワークに接続されてもよい。そのような実施形態では、モデムまたはネットワークを経由して通信を確立するための他の手段は、ネットワークインターフェース、またはアダプタ1214もしくは他の適切な機構を介して、システムバス1206に接続される。インターフェースおよびアンテナを含む、無線ネットワーキングコンポーネントは、アクセスポイントまたはピアコンピュータ等の好適なデバイスを通して、ネットワークに結合されてもよい。ネットワーク化された環境では、コンピュータ1200に関して描写されるプログラムモジュールまたはその一部は、遠隔メモリ記憶デバイス内に記憶されてもよい。
【0209】
前述は、単に、本発明の原理を図示する。説明される実施形態に対する種々の修正および改変が、本明細書の教示に照らして、当業者に明白となるであろう。したがって、当業者は、多数のシステム、配列、および方法を考案することが可能であって、これは、本明細書に明示的に図示または説明されないが、本発明の原理を具現化し、したがって、本発明の精神および範囲内にあることを理解されたい。上記の説明および図面から、図示および説明される特定の実施形態は、例証目的のためのみのものであって、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが、当業者によって理解されるであろう。特定の実施形態の詳細の言及は、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】