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特表2024-524957マルチリンクを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】マルチリンクを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20240702BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240702BHJP
   H04W 76/15 20180101ALI20240702BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W84/12
H04W76/15
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578123
(86)(22)【出願日】2022-06-20
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 KR2022008730
(87)【国際公開番号】W WO2022265479
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0079667
(32)【優先日】2021-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0082262
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0103938
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0159671
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0041391
(32)【優先日】2022-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516079109
【氏名又は名称】ウィルス インスティテュート オブ スタンダーズ アンド テクノロジー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ゴンジュン・コ
(72)【発明者】
【氏名】ジュヒョン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】サンヒュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジンサム・カク
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA14
5K067BB21
5K067DD24
5K067JJ39
(57)【要約】
本発明は、無線通信システムにおいて複数個のリンクでそれぞれ動作する複数個のステーションを含むマルチリンク装置(Multi-Link Device:MLD)によって行われるデータ送/受信方法及び装置を開示する。具体的には、本発明のMLDは、前記第1リンクで動作する第1ステーション(Station:STA)又は第1AP(Access Point)から送信されたフレームを、前記第2リンクで動作する第2STAを介して受信し、メディアド同期遅延(Medium Sync Delay)の適用のためのメディアド同期遅延タイマー(Medium Sync Delay timer)が「0」でなければ、前記受信したフレームに基づいて前記第2STAの前記メディアド同期遅延タイマーをリセットできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1リンク及び第2リンクを含む複数個のリンクでそれぞれ動作する複数個のステーションを含むマルチリンク装置(Multi-Link Device:MLD)であって、
プロセッサは、
1つ以上のステーション(Station:STA)のうち1つのSTAから送信されたフレームを、前記第2リンクで動作する第2STAを介して受信し、
メディアド同期遅延タイマーが「0」でなければ、前記受信したフレームに基づいて、前記第2STAのメディアド同期遅延(Medium Sync Delay)の適用のためのメディアド同期遅延タイマー(Medium Sync Delay timer)をリセットし、
前記メディアド同期遅延は、前記第1リンクで前記第1STAのデータを送/受信した後、前記第2リンクでのデータ送/受信を制限するための区間を示し、
前記メディアド同期遅延タイマーは、前記フレームがRTS(request to send)フレーム以外の有効なMPDUに対するフレームである場合にリセットされるMLD。
【請求項2】
前記第1リンクと前記第2リンクは、各リンクでの送/受信が他のリンクで干渉を発生させ、同一MLD内で同時送/受信を支援しないNSTR(Non-Simultaneous Transmission and Reception)リンク対である、請求項1に記載のMLD。
【請求項3】
前記メディアド同期遅延タイマーは、前記第1リンクでの送信が終わった時点に始まる、請求項2に記載のMLD。
【請求項4】
前記MLDが単一ラジオ(Single Radio)で動作する場合に、前記メディアド同期遅延タイマーは、前記第1リンクでの送信が終わってから特定遅延時間が過ぎた時点に始まる、請求項1に記載のMLD。
【請求項5】
前記特定遅延時間は、リンクスイッチングのための遅延時間である、請求項4に記載のMLD。
【請求項6】
前記メディアド同期遅延タイマーは、前記フレームが前記第2STAと結合された(Associated)AP又は前記結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAPから送信されたフレームである場合にリセットされる、請求項1に記載のMLD。
【請求項7】
無線通信システムにおいて第1リンク及び第2リンクを含む複数個のリンクでそれぞれ動作する複数個のステーションを含むマルチリンク装置(Multi-Link Device:MLD)によって行われる方法であって、
前記方法は、
1つ以上のステーション(Station:STA)のうち1つのSTAから送信されたフレームを、前記第2リンクで動作する第2STAを介して受信する段階;及び
メディアド同期遅延タイマーが「0」でなければ、前記受信したフレームに基づいて、前記第2STAのメディアド同期遅延(Medium Sync Delay)の適用のためのメディアド同期遅延タイマー(Medium Sync Delay timer)をリセットする段階を含み、
前記メディアド同期遅延は、前記第1リンクで前記第1STAのデータを送/受信した後、前記第2リンクでのデータ送/受信を制限するための区間を示し、
前記メディアド同期遅延タイマーは、前記フレームがRTS(request to send)フレーム以外の有効なMPDUに対するフレームである場合にリセットされる方法。
【請求項8】
前記第1リンクと前記第2リンクは、各リンクでの送/受信が他のリンクで干渉を発生させ、同一MLD内で同時送/受信を支援しないNSTR(Non-Simultaneous Transmission and Reception)リンク対である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記メディアド同期遅延タイマーは、前記第1リンクでの送信が終わった時点に始まる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記MLDが単一ラジオ(Single Radio)で動作する場合に、前記メディアド同期遅延タイマーは、前記第1リンクでの送信が終わってから特定遅延時間が過ぎた時点に始まる、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記特定遅延時間は、リンクスイッチングのための遅延時間である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記メディアド同期遅延タイマーは、前記フレームが前記第2STAと結合された(Associated)AP又は前記結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAPから送信されたフレームである場合にリセットされる、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチリンクを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、モバイル機器の普及が拡大されるにつれ、それらに速い無線インターネットサービスを提供し得る無線LAN(Wireless LAN)技術が脚光を浴びている。無線LAN技術は、近距離で無線通信技術に基づいてスマートフォン、スマートパッド、ラップトップPC、携帯型マルチメディアプレーヤー、インベデッド機器などのようなモバイル機器を家庭や企業、または特定サービス提供地域において、無線でインターネットに接続し得るようにする技術である。
【0003】
IEEE(Istitute of Electronics Engineers) 802.11は、2.4GHのz周波数を利用した初期の無線LAN技術を支援した以来、多様な技術の標準を実用化または開発中である。まず、IEEE 802.11bは2.4GHzバンドの周波数を使用し、最高11Mbpsの通信速度を支援する。IEEE 802.11bの後に商用化されたIEEE 802.11aは2.4GHzバンドではなく5GHzバンドの周波数を使用することで、相当混雑した2.4GHzバンドの周波数に比べ干渉への影響を減らしており、OFDM技術を使用して通信速度を最大54Mbpsまで向上させている。しかし、IEEE 802.11aはIEEE 802.11bに比べ通信距離が短い短所がある。そして、IEEE 802.11gはIEEE 802.11bと同じく2.4GHzバンドの週は酢を使用して最大54Mpbsの通真相度を具現し、下位互換性(backward compatibility)を満足していて相当な注目を浴びたが、通信距離においてもIEEE 802.11aより優位にある。
【0004】
そして、無線LANで脆弱点として指摘されていた通信速度に関する限界を克服するために制定された技術規格として、IEEE 802.11nがある。IEEE 802.11nはネットワークの速度と信頼性を増加させ、無線ネットワークの運営距離を拡張することにその目的がある。詳しくは、IEEE 802.11nではデータ処理速度が最大540Mbps以上の高処理率(High Throughput、HT)を支援し、また、送信エラーを最小化しデータの速度を最適化するために送信部と受信部の両端共に多重アンテナを使用するMIMO(Multiple Inputs and Multiple Outputs)技術に基盤している。また、この規格はデータの信頼性を上げるために重複する写本を複数個送信するコーディング方式を使用している。
【0005】
無線LANの普及が活性化され、また、それを使用したアプリケーションが多様化するにつれ、IEEE 802.11nが支援するデータの処理速度より高い処理率(Very High Throughput、VHT)を支援するための新たな無線LANシステムに対する必要性が台頭している。そのうち、IEEE 802.11acは5GHz周波数で広い帯域幅(80MHz~160MHz)を支援する。IEEE 802.11ac標準は5GHz帯域でのみ定義されているが、従来の2.4GHz帯域の製品との下位互換性のために、初期11acチップセットは2.4GHz帯域での動作も支援すると考えられる。理論的に、この規格によると多重ステーションの無線LANの速度は最小1Gbps、最大単一リンク速度は最小500Mbpsまで可能になる。これはより広い無線周波数帯域幅(最大160MHz)、より多いMIMO空間的ストリーム(最大8個)、マルチユーザMIMO、そして、高い密度の変調(最大256QAM)など、802.11nで受け入れられた無線インタフェースの概念を拡張して行われる。また、従来の24GHz/5GHzに代わって60GHzバンドを利用してデータを送信する方式として、IEEE 802.11adがある。IEEE 802.11adはビームフォーミング技術を利用して最大7Gbpsの速度を提供する送信規格であって、大容量のデータや無圧縮HDビデオなど、高いビットレート動画のストリーミングに適合している。しかし、60GHz周波数バンドは障害物の通過が難しく、近距離空間でのデバイスの間でのみ利用可能な短所がある。
【0006】
一方、802.11ac及び802.11ad以後の無線LAN標準として、APと端末が密集した高密度環境における高効率及び高性能の無線LAN通信技術を提供するためのIEEE 802.11ax(High Efficiency WLAN,HEW)標準が開発され、完了段階にある。802.11axベース無線LAN環境では、高密度のステーションとAP(Access Point)の存在下に屋内/屋外で高い周波数効率の通信が提供される必要があり、これを具現するための様々な技術が開発されている。
【0007】
また、高画質ビデオ、実時間ゲームなどのような新しいマルチメディア応用を支援するために、最大送信速度を上げるための新しい無線LAN標準を開発し始めた。7世代無線LAN標準であるIEEE 802.11be(Extremely High Throughput,EHT)では、2.4/5/6GHzの帯域でより広い帯域幅と増加した空間ストリーム及び多重AP協調などによって最大で30Gbpsの送信率を支援することを目標に標準開発を進行している。IEEE 802.11beでは320MHzの帯域幅、多重リンク(Multi-link)動作、多重AP(Multi-Access Point、Multi-AP)動作、及び再送信動作(Hybrid Automatic Repeat Request、HARQ)などの技術が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施例は、マルチリンクを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明の一実施例は、マルチリンクを用いるステーションのシンク回復方法を提供することを目的とする。
【0010】
明細書で遂げようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に限定されず、言及していない別の技術的課題は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る第1リンク及び第2リンクを含む複数個のリンクでそれぞれ動作する複数個のステーションを含むマルチリンク装置(Multi-link Device:MLD)はプロセッサを含み、前記プロセッサは、1つ以上のステーション(Station:STA)のうち1つのSTAから送信されたフレームを、前記第2リンクで動作する第2STAを介して受信し、メディアド同期遅延タイマーが「0」でなければ、前記受信したフレームに基づいて、前記第2STAのメディアド同期遅延(Medium Sync Delay)の適用のためのメディアド同期遅延タイマー(Medium Sync Delay timer)をリセットし、前記メディアド同期遅延は、前記第1リンクで前記第1STAのデータを送/受信した後、前記第2リンクでのデータ送/受信を制限するための区間を示し、前記メディアド同期遅延タイマーは、前記フレームがRTS(request to send)フレーム以外の有効なMPDUに対するフレームである場合にリセットされる。
【0012】
また、本発明において、前記第1リンクと前記第2リンクは、各リンクでの送/受信が他のリンクで干渉を発生させ、同一MLD内で同時送/受信を支援しないNSTR(Non- Simultaneous Transmission and Reception)リンク対である。
【0013】
また、本発明において、前記メディアド同期遅延タイマーは、前記第1リンクでの送信が終わった時点に始まる。
【0014】
また、本発明において、前記MLDが単一ラジオ(Single Radio)で動作する場合に、前記メディアド同期遅延タイマーは、前記第1リンクでの送信が終わってから特定遅延時間が過ぎた時点に始まる。
【0015】
また、本発明において、前記特定遅延時間は、リンクスイッチングのための遅延時間である。
【0016】
また、本発明において、前記メディアド同期遅延タイマーは、前記フレームが前記第2STAと結合された(Associated)AP又は前記結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAPから送信されたフレームである場合にリセットされる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一実施例は、効率的にマルチリンクを用いる無線通信方法及びこれを用いる無線通信端末を提供する。
【0018】
本発明から得られる効果は、以上で言及した効果に限定されず、言及していない別の効果は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施例による無線LANシステムを示す図である。
図2】本発明の他の実施例による無線LANシステムを示す図である。
図3】本発明の一実施例によるステーションの構成を示す図である。
図4】本発明の一実施例によるアクセスポイントの構成を示す図である。
図5】STAがAPとリンクを設定する過程を概略的に示す図である。
図6】無線LAN通信で使用されるCSMA(Carrier Sense Multiple Access)/CA(Collision Avoidance)方法を示す図である。
図7】様々な標準世代別PPDU(PLCP Protocol Data Unit)フォーマットの一例を示す図である。
図8】本発明の実施例に係る様々なEHT(Extremely High Throughput)PPDU(Physical Protocol Data Unit)フォーマット及びこれを指示するための方法の一例を示す 図である。
図9】本発明の一実施例に係る多重リンク(multi-link)装置を示す図である。
図10】本発明の一実施例に係るTID-to-linkマッピング方法の一例を示す図である。
図11】本発明の一実施例に係るmulti-link NAV設定動作の一例を示す図である。
図12】本発明の一実施例に係るmulti-link NAV設定動作のさらに他の例を示す図である。
図13】本発明の一実施例に係るBSS分類及びそれに基づく動作の一例を示す図である。
図14】本発明の一実施例に係る無線LAN機能を示す図である。
図15】本発明の一実施例に係る上りリンク(Uplink:UL)多重ユーザ(multi user:MU)動作を示す図である。
図16】本発明の一実施例に係るトリガーフレーム(Trigger frame)フォーマットを示す図である。
図17】本発明の一実施例に係るトリガーベースPPDUフォーマットを指示するための方法を示す図である。
図18】本発明の一実施例に係るUL MU動作の一例を示す図である。
図19】本発明の一実施例に係る高い優先順位フレーム(high priority frame)の終了時間整列(end time alignment)を示す図である。
図20】本発明の一実施例に係る高い優先順位フレームの終了時間整列のさらに他の例を示す図である。
図21】本発明の一実施例に係る高い優先順位フレームの終了時間整列のさらに他の例を示す図である。
図22】本発明の一実施例に係るメディアアクセス復旧手順(medium access recovery procedure)の一例を示す図である。
図23】本発明の一実施例に係る多重リンクエレメント(Multi-Link element)及びMediumSyncDelayに関連したシグナリングの一例を示す図である。
図24】本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーリセット(timer reset)動作の一例を示す図である。
図25】本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーリセット動作の一例を示す図である。
図26】本発明の一実施例に係るメディア同期化OFDM ED閾値サブフィールドエンコーディング(Medium Synchronization OFDM ED Threshold subfield encoding)の一例を示す図である。
図27】本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーが0でない時の送信動作の一例を示す図である。
図28】本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーが0でない時の送信動作のさらに他の例を示す図である。
図29】本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーリセット動作のさらに他の例を示す図である。
図30】本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーリセットの一例を示す図である。
図31】本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーリセットのさらに他の例を示す図である。
図32】本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーリセットのさらに他の例を示す図である。
図33】本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーリセットのさらに他の例を示す図である。
図34】本発明の一実施例に係るnon-AP MLDの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で使用される用語は、本発明での機能を考慮してできる限り現在広く使用されている一般的案用語を選択しているが、これは該当技術分野に携わる技術者の意図、慣例、または新たな技術の出現などによって異なり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、このような場合は該当する発明の説明部分でその意味を記載する。よって、本明細書で使用される用語は単なる用語の名称ではなく、その用語が有する実質的な意味と本明細書全般にわたる内容に基づいて解釈すべきであることを明らかにする。
【0021】
明細書全体にわたって、ある構成が他の構成と「連結」されているとすると、これは「直接連結」されている場合だけでなく、その中間に他の構成要素を間に挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある構成要素が特定の構成要素を「含む」とすると、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素を更に含み得ることを意味する。加えて、特定閾値を基準に「以上」または「以下」という限定事項は、実施例によってそれぞれ「超過」または「未満」に適切に代替され得る。 以下、本発明において、フィールドとサブフィールドは同じ意味で使われてよい。
【0022】
図1は、本発明の一実施例による無線LANシステムを示す図である。
【0023】
無線LANシステムは、一つまたはそれ以上のベーシックサービスセット(Basic Service Set、BSS)を含むが、BSSは同期化に成功し互いに通信し得る機器の集合を示す。一般に、BSSはインフラストラクチャBSS(infrastructure BSS)と独立BSS(Independent BSS、IBSS)に区分されるが、図1はこのうちインフラストラクチャBSSを示している。
【0024】
図1に示すように、インフラストラクチャーBSS BSS1,BSS2は、1つ又はそれ以上のステーションSTA1,STA2,STA3,STA4,STA5、分配サービス(Distribution Service)を提供するステーションであるアクセスポイントAP-1,AP-2、及び複数のアクセスポイントAP-1,AP-2を連結させる分配システム(Distribution System)DSを含む。
【0025】
ステーション(Station、STA)は、IEEE 802.11標準の規定に従う媒体接続制御(Medium Access Control、MAC)と無線媒体に対する物理層(Physical Layer)インタフェースを含む任意のディバイスであって、広い意味では非アクセスポイントnon-APステーションのみならずアクセスポイントAPを全て含む。また、本明細書において、「端末」とはnon-APまたはAPを指すか、両者を全て指す用語として使用される。無線通信のためのステーションはプロセッサと通信部を含み、実施例によってユーザインタフェース部とディスプレーユニットなどを更に含む。プロセッサは無線ネットワークを介して伝送するフレームを生成するか、または前記無線ネットワークを介して受信されたフレームを処理し、その他にステーションを制御するための多様な処理を行う。そして、通信部は前記プロセッサと機能的に連結されており、ステーションのために無線ネットワークを介してフレームを送受信する。本発明において、端末はユーザ端末機(user equipment、UE)を含む用語として使用される。
【0026】
アクセスポイント(Access Point、AP)は、自らに結合された(associated)ステーションのために無線媒体を経由して分配システムDSに対する接続を提供する個体である。インフラストラクチャBSSにおいて、非APステーション間の通信はAPを経由して行われることが原則であるが、ダイレクトリンクが設定されている場合は非APステーションの間でも直接通信が可能である。一方、本発明において、APはPCP(Personal BSS Coordination Point)を含む概念として使用されるが、広い意味では集中制御器、基地局(Base Station、BS)、ノードB、BTS(Base Transceiver System)、またはサイト制御器などの概念を全て含む。本発明において、APはベース無線通信端末とも称されるが、ベース無線通信端末は、広い意味ではAP、ベースステーション(base station)、eNB(eNodeB)、及びトランスミッションポイントTPを全て含む用語として使用される。それだけでなく、ベース無線通信端末は複数の無線通信端末との通信で通信媒介体(medium)資源を割り当て、スケジューリング(scheduling)を行う多様な形態の無線通信端末を含む。
【0027】
複数のインフラストラクチャBSSは、分配システムDSを介して互いに連結される。この際、分配システムを介して連結された複数のBSSを拡張サービスセット(Extended Service Set、ESS)という。
【0028】
図2は、本発明の他の実施例による無線LANシステムである独立BSSを示す図である。図2の実施例において、図1の実施例と同じであるか相応する部分は重複する説明を省略する。
【0029】
図2に示したBSS3は独立BSSであってAPを含まないため、全てのステーション(STA6、STA7)がAPと接続されていない状態である。独立BSSは分配システムへの接続が許容されず、自己完備的ネットワーク(self-contained network)をなす。独立BSSにおいて、それぞれのステーション(STA6、STA7)はダイレクトに互いに連結される。
【0030】
図3は、本発明の一実施例によるステーション100の構成を示すブロック図である。図示したように、本発明の実施例によるステーション100は、プロセッサ110、通信部120、ユーザインタフェース部140、ディスプレーユニット150、及びメモリ160を含む。
【0031】
まず、通信部120は、無線LANパケットなどの無線信号を送受信し、ステーション100に組み込まれる又は外付けられて具備されてよい。実施例によれば、通信部120は、互いに異なる周波数バンドを用いる少なくとも1つの通信モジュールを含むことができる。例えば、前記通信部120は、2.4GHz、5GHz、6GHz及び60GHzなどの異なる周波数バンドの通信モジュールを含むことができる。一実施例によれば、ステーション100は、7.125GHz以上の周波数バンドを用いる通信モジュールと、7.125GHz以下の周波数バンドを用いる通信モジュールを備えることができる。それぞれの通信モジュールは、当該通信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に基づいてAP又は外部ステーションと無線通信を行うことができる。通信部120は、ステーション100の性能及び要求事項に応じて1回に1つの通信モジュールのみを動作させるか、同時に複数の通信モジュールを共に動作させることができる。ステーション100が複数の通信モジュールを含む場合に、各通信モジュールはそれぞれ独立した形態で備えられてもよく、複数のモジュールが1つのチップとして統合して備えられてもよい。本発明の実施例において、通信部120は、RF(Radio Frequency)信号を処理するRF通信モジュールを表すことができる。
【0032】
次に、ユーザインタフェース140は、ステーション100に備えられた多様な形態の入出力手段を含む。つまり、ユーザインタフェース部140は多様な入力手段を利用してユーザの入力を受信し、プロセッサ110は受信されたユーザ入力に基づいてステーション100を制御する。また、ユーザインタフェース部140は、多様な出力手段を利用してプロセッサ110の命令に基づく出力を行う。
【0033】
次に、ディスプレーユニット150は、ディスプレー画面にイメージを出力する。前記ディスプレーユニット150は、プロセッサ110によって行われるコンテンツ、またはプロセッサ110の制御命令に基づくユーザインタフェースなどの多様なディスプレーオブジェクトを出力する。また、メモリ160は、ステーション100で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムには、ステーション100がAPまたは外部のステーションと接続を行うのに必要な接続プログラムが含まれる。
【0034】
本発明のプロセッサ110は多様な命令またはプログラムを行い、ステーション100内部のデータをプロセッシングする。また、前記プロセッサ110は上述したステーション100の各ユニットを制御し、ユニット間のデータの送受信の制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ110はメモリ160に貯蔵されたAPとの接続のためのプログラムを行い、APが伝送した通信設定メッセージを受信する。また、プロセッサ110は通信設定メッセージに含まれたステーション100の優先条件に関する情報を読み取り、ステーション100の優先条件に関する情報に基づいてAPに関する接続を要請する。本発明のプロセッサ110はステーション100のメインコントロールユニットを指してもよく、実施例によってステーション100の一部の構成、例えば、通信部120などを個別的に制御するためのコントロールユニットを指してもよい。つまり、プロセッサ110は通信部120から送受信される無線信号を変復調するモデム、または変復調部(modulator and/or demodulator)であってよい。プロセッサ110は、本発明の実施例によるステーション100の無線信号送受信の各種動作を制御する。それに関する詳しい実施例は後述する。
【0035】
図3に示したステーション100は本発明の一実施例によるブロック図であって、分離して示したブロックはディバイスのエレメントを論理的に区別して示したものである。よって、上述したディバイスのエレメントは、ディバイスの設計に応じて一つのチップまたは複数のチップに取り付けられる。例えば、前記プロセッサ110及び通信部120は一つのチップに統合されて具現されてもよく、別途のチップで具現されてもよい。また、本発明の実施例において、前記ステーション100の一部の構成、例えば、ユーザインタフェース部140及びディスプレーユニット150などはステーション100に選択的に備えられてもよい。
【0036】
図4は、本発明の一実施例によるAP200の構成を示すブロック図である。図示したように、本発明の実施例によるAP200は、プロセッサ210、通信部220、及びメモリ260を含む。図4において、AP200の構成のうち図3のステーション100の構成と同じであるか相応する部分については重複する説明を省略する。
【0037】
図4を参照すると、本発明に係るAP 200は、少なくとも1つの周波数バンドにおいてBSSを運営するための通信部220を備える。図3の実施例において前述したように、前記AP 200の通信部220も、互いに異なる周波数バンドを用いる複数の通信モジュールを含むことができる。すなわち、本発明の実施例に係るAP 200は、異なる周波数バンド、例えば、2.4GHz、5GHz、6GHz及び60GHzのいずれかを用いる2つ以上の通信モジュールを共に備えることができる。好ましくは、AP 200は、7.125GHz以上の周波数バンドを用いる通信モジュールと、7.125GHz以下の周波数バンドを用いる通信モジュールを備えることができる。それぞれの通信モジュールは、当該通信モジュールが支援する周波数バンドの無線LAN規格に基づいてステーションと無線通信を行うことができる。前記通信部220は、AP 200の性能及び要求事項に応じて1回に1つの通信モジュールのみを動作させるか、同時に複数の通信モジュールを共に動作させることができる。本発明の実施例において、通信部220は、RF(Radio Frequency)信号を処理するRF通信モジュールを表すことができる。
【0038】
次に、メモリ260は、AP200で使用される制御プログラム及びそれによる各種データを貯蔵する。このような制御プログラムには、ステーションの接続を管理する接続プログラムが含まれる。また、プロセッサ210はAP200の各ユニットを制御し、ユニット間のデータの送受信の制御する。本発明の実施例によると、プロセッサ210はメモリ260に貯蔵されたステーションとの接続のためのプログラムを行い、1つ以上のステーションに対する通信設定メッセージを伝送する。この際、通信設定メッセージには各ステーションの接続優先条件に関する情報が含まれる。また、プロセッサ210はステーションの接続要請に応じて接続設定を行う。一実施例によると、プロセッサ210は通信部220から送受信される無線信号を変復調するモデム、または変復調部である。プロセッサ210は、本発明の実施例によるAP200の無線信号送受信の各種動作を制御する。それに関する詳しい実施例は後述する。
【0039】
図5は、STAがAPとリンクを設定する過程を概略的に示す図である。
【0040】
図5を参照すると、STA100とAP200間のリンクは大きくスキャニング(sanning)、認証(authentication)、及び結合(association)の3つのステップを介して設定される。まず、スキャニングステップは、AP200が運営するBSSの接続情報をSTA100が獲得するステップである。スキャニングを行うための方法としては、AP200が周期的に伝送するビーコン(beacon)メッセージS101のみを活用して情報を取得するパッシブスキャニング(passive sanning)方法と、STA100がAPにプローブ要請(probe request)を伝送しS103、APからプローブ応答(probe response)を受信してS105、接続情報を取得するアクティブスキャニング(active sanning)方法がある。
【0041】
スキャニングステップにおいて無線接続情報の受信に成功したSTA100は、認証要請(authentication request)を伝送しS107a、AP200から認証応答(authentication response)を受信してS107b、認証ステップを行う。認証ステップが行われた後、STA100は結合要請(association request)を伝送しS109a、AP200から結合応答(association response)を受信してS109b、結合ステップを行う。本明細書において、結合とは基本的に無線結合を意味するが、本発明はこれに限らず、広い意味での結合は無線結合及び有線結合を全て含む。
【0042】
一方、追加に802.1X基盤の認証ステップS111、及びDHCPを介したIPアドレス獲得ステップS113が行われる。図5において、サーバ300はSTA100と802.1X基盤の認証を処理するサーバであって、AP200に物理的に結合されて存在するか、別途のサーバとして存在してもよい。
【0043】
図6は、無線LAN通信で使用されるCSMA(Carrier Sense Multiple Access)/CA(Collision Avoidance)方法を示す図である。
【0044】
無線LAN通信を行う端末は、データを伝送する前にキャリアセンシング(Carrier Sensing)を行ってチャネルが占有状態(busy)であるのか否かをチェックする。もし一定強度以上の無線信号が感知されれば該当チャネルが占有状態と判別され、前記端末は該当チャネル対するアクセスを遅延する。このような過程をクリアチャネル評価(Clear Channel Assessment、CCA)といい、該当信号の感知有無を決定するレベルをCCA閾値(CCA threshold)という。もし端末に受信されたCCA閾値以上の無線信号が該当端末を受信者とすれば、端末は受信された無線信号を処理する。一方、該当チャネルから無線信号が感知されないかCCA閾値より小さい強度の無線信号が感知されれば、前記チャネルは遊休状態(idle)と判別される。
【0045】
チャネルが遊休状態と判別されれば、伝送するデータがある各端末は、各端末の状況によるIFS(Inter Frame Space)、例えば、AIFS(Arbitration IFS)、PIFS(PCF IFS)などの時間の後にバックオフ手順を行う。実施例によって、前記AIFSは従来のDIFS(DCF IFS)を代替する構成として使用される。各端末は、該当端末に決定された乱数(random number)だけのスロットタイムを前記チャネルの遊休状態の間隔(interval)の間に減少させながら待機し、スロットタイムを全て消尽した端末が該当チャネルに対するアクセスを試みる。このように、各端末がバックオフ手順を行う区間を競合ウィンドウ区間という。
【0046】
もし特定端末が前記チャネルのアクセスに成功すれば、該当端末は前記チャネルを介してデータを伝送する。しかし、アクセスを試みた端末が他の端末と衝突すれば、衝突した端末はそれぞれ新しい乱数を割り当てられて更にバックオフ手順を行う。一実施例によると、各端末に新しく割り当てられる乱数は、該当端末が以前割り当てられた乱数の範囲(競合ウィンドウ、CW)の2倍の範囲(2*CW)内で決定される。一方、各端末は、次の競合ウィンドウ区間で更にバックオフ手順を行ってアクセスを試みるが、この際、各端末は以前の競合ウィンドウ区間に残ったスロットタイムからバックオフ手順を行う。このような方法で無線LAN通信を行う各端末は、特定チャネルに対する互いの衝突を回避することができる。
【0047】
以下、本発明において、端末は、non-AP STA、AP STA、AP、STA、受信装置又は送信装置と呼ぶことができ、本発明がこれに限定されるものではない。また、本発明において、AP STAは、APと呼ぶことができる。
【0048】
<様々なPPDUフォーマットの実施例>
【0049】
図7には、様々な標準世代別PPDU(PLCP Protocol Data Unit)フォーマットの一例を示す。より具体的に、図7(a)は、802.11a/gに基づくレガシーPPDUフォーマットの一実施例、図7(b)は、802.11axに基づくHE PPDUフォーマットの一実施例を示し、図7(c)は、802.11beに基づくノン-レガシーPPDU(すなわち、EHT PPDU)フォーマットの一実施例を示す。また、図7(d)は、前記PPDUフォーマットで共通に用いられるL-SIG及びRL-SIGの細部フィールド構成を示す。
【0050】
図7(a)を参照すると、レガシーPPDUのプリアンブルは、L-STF(Legacy Short Training field)、L-LTF(Legacy Long Training field)及びL-SIG(Legacy Signal field)を含む。本発明の実施例において、前記L-STF、L-LTF及びL-SIGは、レガシープリアンブルと呼ぶことができる。
【0051】
図7(b)を参照すると、HE PPDUのプリアンブルは、前記レガシープリアンブルに、RL-SIG(Repeated Legacy Short Training field)、HE-SIG-A(High Efficiency Signal A field)、HE-SIG-B(High Efficiency Signal B field)、HE-STF(High Efficiency Short Training field)、HE-LTF(High Efficiency Long Training field)をさらに含む。本発明の実施例において、前記RL-SIG、HE-SIG-A、HE-SIG-B、HE-STF及びHE-LTFは、HEプリアンブルと呼ぶことができる。HEプリアンブルの具体的な構成は、HE PPDUフォーマットによって変形されてよい。例えば、HE-SIG-Bは、HE MU PPDUフォーマットのみにおいて用いられてよい。
【0052】
図7(c)を参照すると、EHT PPDUのプリアンブルは、前記レガシープリアンブルに、RL-SIG(Repeated Legacy Short Training field)、U-SIG(Universal Signal field)、EHT-SIG-A(Extremely High Throughput Signal A field)、EHT-SIG-A(Extremely High Throughput Signal B field)、EHT-STF(Extremely High Throughput Short Training field)、EHT-LTF(Extremely High Throughput Long Training field)をさらに含む。本発明の実施例において、前記RL-SIG、EHT-SIG-A、EHT-SIG-B、EHT-STF及びEHT-LTFは、EHTプリアンブルと呼ぶことができる。ノン-レガシープリアンブルの具体的な構成は、EHT PPDUフォーマットによって変形されてよい。例えば、EHT-SIG-AとEHT-SIG-Bは、EHT PPDUフォーマットのうち一部のフォーマットのみにおいて用いられてよい。
【0053】
PPDUのプリアンブルに含まれたL-SIGフィールドは、64 FFT OFDMが適用され、総64個のサブキャリアで構成される。このうち、ガードサブキャリア、DCサブキャリア及びパイロットサブキャリアを除く48個のサブキャリアが、L-SIGのデータ送信用に用いられる。L-SIGにはBPSK、Rate=1/2のMCS(Modulation and Coding Scheme)が適用されるので、総24ビットの情報を含むことができる。図7(d)には、L-SIGの24ビット情報構成を示す。
【0054】
図7(d)を参照すると、L-SIG、は、L_RATEフィールドとL_LENGTHフィールドを含む。L_RATEフィールドは、4ビットで構成され、データ送信に用いられたMCSを示す。具体的に、L_RATEフィールドは、BPSK/QPSK/16-QAM/64-QAMなどの変調方式と1/2、2/3、3/4などの符号率を組み合わせた6/9/12/18/24/36/48/54Mbpsの送信速度のうち1つの値を示す。L_RATEフィールドとL_LENGTHフィールドの情報を組み合わせると当該PPDUの全長を示すことができる。ノン-レガシーPPDUフォーマットでは、L_RATEフィールドを最小速度である6Mbpsに設定する。
【0055】
L_LENGTHフィールドの単位はバイトであり、総12ビットが割り当てられて最大4095までシグナルでき、L_RATEフィールドとの組合せで該当PPDUの長さを示すことができる。このとき、レガシー端末とノンレガシー端末はL_LENGTHフィールドを別個の方法で解析することができる。
【0056】
まず、レガシー端末又はノンレガシー端末がL_LENGTHフィールドを用いて該当PPDUの長さを解析する方法は次の通りである。L_RATEフィールドの値が6Mbpsを指示するように設定された場合に、64FFTの1個のシンボルデュレーションである4usの間に3バイト(すなわち、24ビット)が送信されてよい。したがって、L_LENGTHフィールド値に、SVCフィールド及びTailフィールドに該当する3バイトを足し、これを1個のシンボルの送信量である3バイトで割ると、L-SIG以後の64FFT基準シンボル個数が取得される。取得されたシンボル個数に1個のシンボルデュレーションである4usをかけた後に、L-STF、L-LTF及びL-SIGの送信にかかる20usを足すと、該当PPDUの長さ、すなわち、受信時間(RXTIME)が得られる。これを数式で表現すれば、下記の式1の通りである。
【0057】
【数1】
【0058】
このとき、
【数2】
は、xより大きい又は等しい最小の自然数を表す。L_LENGTHフィールドの最大値は4095であるので、PPDUの長さは、最大5.484msまでに設定されてよい。当該PPDUを送信するノン-レガシー端末は、L_LENGTHフィールドを下記の式2のように設定しなければならない。
【0059】
【数3】
【0060】
ここで、TXTIMEは、当該PPDUを構成する全体送信時間であり、下記の式3の通りである。このとき、TXは、Xの送信時間を表す。
【0061】
【数4】
【0062】
以上の式を参照すると、PPDUの長さは、L_LENGTH/3の切上げ値に基づいて計算される。したがって、任意のk値に対してL_LENGTH={3k+1,3k+2,3(k+1)}の3つの異なる値が、同一のPPDU長を指示する。
【0063】
図7(e)を参照すると、U-SIG(Universal SIG)フィールドは、EHT PPDU及び後続世代の無線LANのPPDUにおいて存続し、11beを含めてどの世代のPPDUであるかを区分する役割を担う。U-SIGは、64FFTベースのOFDMの2シンボルであり、総52ビットの情報を伝達することができる。このうち、CRC/テール9ビットを除く43ビットは、大きく、VI(Version Independent)フィールドとVD(Version Dependent)フィールドに区分される。
【0064】
VIビットは、現在のビット構成を後にも維持し続け、後続世代のPPDUが定義されても、現在の11be端末が、当該PPDUのVIフィールドから当該PPDUに関する情報を得ることができる。そのために、VIフィールドは、PHYバージョン、UL/DL、BSSカラー、TXOP、リザーブド(Reserved)フィールドで構成される。PHYバージョンフィールドは3ビットであり、11be及び後続世代の無線LAN標準を順次にバージョンで区分する役割を担う。11beは000bの値を有する。UL/DLフィールドは、当該PPDUが上りリンク/下りリンクPPDUのいずれであるかを区分する。BSSカラーは、11axで定義されたBSS別識別子を意味し、6ビット以上の値を有する。TXOPは、MACヘッダーで伝達されていた送信機会デュレーション(Transmit Opportunity Duration)を意味するが、PHYヘッダーに追加することにより、MPDUをデコードすることなく、当該PPDUが含まれたTXOPの長さを類推でき、7ビット以上の値を有する。
【0065】
VDフィールドは、11beバージョンのPPDUにのみ有用なシグナリング情報としてPPDUフォーマット、BWのように、如何なるPPDUフォーマットにも共通に用いられるフィールド、及びPPDUフォーマット別に異なるように定義されるフィールドで構成されてよい。PPDUフォーマットは、EHT SU(Single User)、EHT MU(Multiple User)、EHT TB(Trigger-based)、EHT ER(Extended Range)PPDUなどを区分する区分子である。BWフィールドは、大きく、20、40、80、160(80+80)、320(160+160)MHzの5個の基本PPDU BWオプション(20*2の冪乗の形態で表現可能なBWを基本BWと呼ぶことができる。)と、プリアンブルパンクチャリング(Preamble Puncturing)によって構成される様々な残りのPPDU BWをシグナルする。また、320MHzでシグナルされた後、一部の80MHzがパンクチャーされた形態でシグナルされてよい。また、パンクチャーされて変形されたチャネル形態は、BWフィールドで直接シグナルされてもよく、或いはBWフィールドとBWフィールド以後に現れるフィールド(例えば、EHT-SIGフィールド内のフィールド)を共に用いてシグナルされてもよい。仮に、BWフィールドを3ビットとする場合に、総8個のBWシグナリングが可能なので、パンクチャリングモードは最大で3個をシグナルできる。仮にBWフィールドを4ビットとする場合に総16個のBWシグナリングが可能なので、パンクチャリングモードは最大で11個をシグナルできる。
【0066】
BWフィールド以後に位置するフィールドは、PPDUの形態及びフォーマットによって異なり、MU PPDUとSU PPDUは同一のPPDUフォーマットでシグナルされてよく、EHT-SIGフィールドの前に、MU PPDUとSU PPDUを区別するためのフィールドが位置してよく、そのための追加のシグナリングが行われてよい。SU PPDUとMU PPDUは両方ともEHT-SIGフィールドを含んでいるが、SU PPDUで不要な一部のフィールドが圧縮(compression)されてよい。この時、圧縮が適用されたフィールドの情報は省略されるか、あるいはMU PPDUに含まれる本来フィールドのサイズよりも縮小したサイズを有してよい。例えば、SU PPDUの場合、EHT-SIGの共通フィールドが省略又は代替されるか、ユーザ特定フィールドが代替されるか、或いは1個に縮小するなど、異なる構成を有してよい。
【0067】
又は、SU PPDUは、圧縮されたか否かを示す圧縮フィールドをさらに含むことができ、圧縮フィールドの値によって一部のフィールド(例えば、RAフィールドなど)が省略されてよい。
【0068】
SU PPDUのEHT-SIGフィールドの一部が圧縮された場合に、圧縮されたフィールドに含まれる情報は、圧縮されていないフィールド(例えば、共通フィールドなど)で一緒にシグナルされてよい。MU PPDUの場合、複数ユーザの同時受信のためのPPDUフォーマットであるので、U-SIGフィールド以後にEHT-SIGフィールドが必須に送信される必要があり、シグナルされる情報の量が可変的であってよい。すなわち、複数個のMU PPDUが複数個のSTAに送信されるので、それぞれのSTAは、MU PPDUが送信されるRUの位置、それぞれのRUが割り当てられたSTA、及び送信されたMU PPDUが自分に送信されたか否かを認識しなければならない。したがって、APは、EHT-SIGフィールドに上のような情報を含めて送信しなければならない。そのために、U-SIGフィールドではEHT-SIGフィールドを効率的に送信するための情報をシグナルし、これは、EHT-SIGフィールドのシンボル数及び/又は変調方法であるMCSであってよい。EHT-SIGフィールドは、各ユーザに割り当てられたRUのサイズ及び位置情報を含むことができる。
【0069】
SU PPDUである場合、STAに複数個のRUが割り当てられてよく、複数個のRUは連続又は不連続してよい。STAに割り当てられたRUが連続しない場合、STAは、中間にパンクチャーされたRUを認識してこそ、SU PPDUを効率的に受信することができる。したがって、APは、SU PPDUに、STAに割り当てられたRUのうちパンクチャーされたRUの情報(例えば、RUのパンクチャリングパターンなど)を含めて送信できる。すなわち、SU PPDUの場合、パンクチャリングモードが適用されたか否か及びパンクチャリングパターンをビットマップ形式などで示す情報を含むパンクチャリングモードフィールドがEHT-SIGフィールドに含まれてよく、パンクチャリングモードフィールドは、帯域幅内で現れる不連続するチャネルの形態をシグナルできる。
【0070】
シグナルされる不連続チャネルの形態は制限的であり、BWフィールドの値と組み合わせてSU PPDUのBW及び不連続チャネル情報を示す。例えば、SU PPDUの場合、単一端末にのみ送信されるPPDUであるので、STAは、PPDUに含まれたBWフィールドから、自分に割り当てられた帯域幅が認識でき、PPDUに含まれたU-SIGフィールド又はEHT-SIGフィールドのパンクチャリングモードフィールドから、割り当てられた帯域幅のうちパンクチャーされたリソースが認識できる。この場合、端末は、パンクチャーされたリソースユニットの特定チャネルを除く残りのリソースユニットでPPDUを受信できる。このとき、STAに割り当てられた複数個のRUは、互いに異なる周波数帯域又はトーンで構成されてよい。
【0071】
制限された形態の不連続チャネル形態のみがシグナルされる理由は、SU PPDUのシグナリングオーバーヘッドを減らすためである。パンクチャリングは、20MHzサブチャネル別に行われてよいので、80、160、320MHzのように20MHzサブチャネルを複数個有するBWに対してパンクチャリングを行うと、320MHzの場合、プライマリーチャネルを除く残りの20MHzサブチャネル15個の使用有無をそれぞれ表現して、不連続チャネル(端部20MHzのみがパンクチーされた形態も不連続と見なす場合)形態をシグナルしなければならない。このように単一ユーザ送信の不連続チャネル形態をシグナルするために15ビットを用いることは、シグナリング部分の低い送信速度を考慮したとき、過大なシグナリングオーバーヘッドとなり得る。
【0072】
本発明は、SU PPDUの不連続チャネル形態をシグナルする手法を提案し、提案した手法によって決定された不連続チャネル形態を示す。また、SU PPDUの320MHz BW構成において主(Primary)160MHzと福(Secondary)160MHzのパンクチャリング形態をそれぞれシグナルする手法を提案する。
【0073】
また、本発明の一実施例では、PPDUフォーマットフィールドにシグナルされたPPDUフォーマットにしたがって、プリアンブルパンクチャリングBW値が指示するPPDUの構成を異ならせる手法を提案する。BWフィールドの長さが4ビットである場合を仮定し、EHT SU PPDU又はTB PPDUである場合には、U-SIG以後に1シンボルのEHT-SIG-Aをさらにシグナルするか、EHT-SIG-Aを全くシグナルしなくてよいので、これを考慮してU-SIGのBWフィールドのみを用いて最大で11個のパンクチャリングモードを全てシグナルする必要がある。しかしながら、EHT MU PPDUの場合、U-SIG以後にEHT-SIG-Bをさらにシグナルするので、最大で11個のパンクチャリングモードをSU PPDUと異なる方法でシグナルしてよい。EHT ER PPDUの場合、BWフィールドを1ビットに設定し、20MHz又は10MHzの帯域を用いるPPDUであるかをシグナルすることができる。
【0074】
図7(f)には、U-SIGのPPDUフォーマットフィールドでEHT MU PPDUと指示された場合に、VDフィールドのフォーマット特異的(Format-specific)フィールドの構成を示す。MU PPDUの場合、複数ユーザの同時受信のためのシグナリングフィールドであるSIG-Bが必須であり、U-SIG後に別途のSIG-A無しでSIG-Bが送信されてよい。そのために、U-SIGではSIG-Bをデコードするための情報をシグナルしなければならない。このようなフィールドは、SIG-B MCS、SIG-B DCM、SIG-Bシンボルの数(Number of SIG-B Symbols)、SIG-B圧縮(SIG-B Compression)、EHT-LTFシンボルの数(Number of EHT-LTF Symbols)フィールドなどである。
【0075】
図8は、本発明の実施例に係る様々なEHT(Extremely High Throughput)PPDU(Physical Protocol Data Unit)フォーマット及びこれを指示するための方法の一例を示す。
【0076】
図8を参照すると、PPDUは、プリアンブルとデータ部分で構成されてよく、一つのタイプであるEHT PPDUのフォーマットは、プリアンブルに含まれているU-SIGフィールドによって区別されてよい。具体的に、U-SIGフィールドに含まれているPPDUフォーマットフィールドに基づき、PPDUのフォーマットがEHT PPDUであるか否かが指示されてよい。
【0077】
図8の(a)は、単一STAのためのEHT SU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT SU PPDUは、APと単一STA間の単一ユーザ(Single User:SU)送信のために用いられるPPDUであり、U-SIGフィールド以後に追加のシグナリングのためのEHT-SIG-Aフィールドが位置してよい。
【0078】
図8の(b)は、トリガーフレームに基づいて送信されるEHT PPDUであるEHTトリガーベース(Trigger-based)PPDUフォーマットの一例を示す。EHTトリガーベースPPDUは、トリガーフレームに基づいて送信されるEHT PPDUであり、トリガーフレームに対する応答のために用いられる上りリンクPPDUである。EHT PPDUは、EHT SU PPDUとは違い、U-SIGフィールド以後にEHT-SIG-Aフィールドが位置しない。
【0079】
図8の(c)は、多重ユーザのためのEHT PPDUであるEHT MU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT MU PPDUは、1つ以上のSTAにPPDUを送信するために用いられるPPDUである。EHT MU PPDUフォーマットは、U-SIGフィールド以後にHE-SIG-Bフィールドが位置してよい。
【0080】
図8の(d)は、拡張された範囲にあるSTAとの単一ユーザ送信のために用いられるEHT ER SU PPDUフォーマットの一例を示す。EHT ER SU PPDUは、図8の(a)で説明したEHT SU PPDUよりも広い範囲のSTAとの単一ユーザ送信のために用いられてよく、時間軸上でU-SIGフィールドが反復して位置してよい。
【0081】
図8の(c)で説明したEHT MU PPDUは、APが複数個のSTAに下りリンク送信のために用いることができる。このとき、EHT MU PPDUは、複数個のSTAがAPから送信されたPPDUを同時に受信できるようにスケジューリング情報を含むことができる。EHT MU PPDUは、EHT-SIG-Bのユーザ特定(user specific)フィールドを通じて送信されるPPDUの受信者及び/又は送信者のAID情報を、STAに伝達することができる。したがって、EHT MU PPDUを受信した複数個の端末は、受信したPPDUのプリアンブルに含まれたユーザ特定フィールドのAID情報に基づいて空間再使用(spatial reuse)動作を行うことができる。
【0082】
具体的に、HE MU PPDUに含まれたHE-SIG-Bフィールドのリソースユニット割り当て(resource unit allocation,RA)フィールドは、周波数軸の特定帯域幅(例えば、20MHzなど)におけるリソースユニットの構成(例えば、リソースユニットの分割形態)に関する情報を含むことができる。すなわち、RAフィールドは、STAがPPDUを受信するために、HE MU PPDUの送信のための帯域幅で分割されたリソースユニットの構成を指示できる。分割された各リソースユニットに割り当て(又は、指定)されたSTAの情報は、EHT-SIG-Bのユーザ特定フィールドに含まれてSTAに送信されてよい。すなわち、ユーザ特定フィールドは、分割された各リソースユニットに対応する1つ以上のユーザフィールドを含むことができる。
【0083】
例えば、分割された複数個のリソースユニットのうち、データ送信のために用いられる少なくとも1つのリソースユニットに対応するユーザフィールドは、受信者又は送信者のAIDを含むことができ、データ送信に用いられない残りのリソースユニットに対応するユーザフィールドは、既に設定されたヌル(Null)STA IDを含むことができる。
【0084】
図8に示す2個以上のPPDUを、同一のPPDUフォーマットを示す値で指示することができる。すなわち、2個以上のPPDUを同一の値によって同一のPPDUフォーマットと指示することができる。例えば、EHT SU PPDUとEHT MU PPDUは、U-SIG PPDUフォーマットサブフィールドを用いて同一の値で指示することができる。このとき、EHT SU PPDUとEHT MU PPDUは、PPDUを受信するSTAの個数によって区別されてよい。例えば、1個のSTAのみが受信するPPDUは、EHT SU PPDUと識別されてよく、2個以上のSTAが受信するようにSTAの数が設定された場合に、EHT MU PPDUと識別されてよい。言い換えると、同一のサブフィールド値を用いて、図8に示す2個以上のPPDUフォーマットを指示することができる。
【0085】
また、図8に示すフィールドのうち一部のフィールド又はフィールドの一部の情報は省略されてよく、このように一部のフィールド又はフィールドの一部の情報が省略される場合を圧縮モード(compression mode)又は圧縮されたモード(compressed mode)と定義できる。
【0086】
図9は、本発明の一実施例に係る多重リンク(multi-link)装置を示す図である。
【0087】
図9を参照すると、1つ以上のSTAがアフィリエート(affiliate)されているデバイス(device)の概念が定義されてよい。さらに他の実施例として、本発明の一実施例によれば、1個超過(すなわち、2個以上の)のSTAがアフィリエートされているデバイスが定義されてよい。このとき、装置は論理的な(logical)概念であってよい。したがって、このような概念の1個以上又は1個超過のSTAがアフィリエートされているデバイスは、多重リンクデバイス(multi-link device:MLD)、多重バンド(multi-band)デバイス又は多重リンク論理的エンティティ(multi-link logical entity:MLLE)と呼ぶことができる。
【0088】
又は、上の概念のデバイスは、多重リンクエンティティ(multi-link entity:MLE)と呼ぶことができる。また、MLDは、一つのMAC SAP(medium access control service access point)をLLC(logical link control)まで有してよく、MLDは一つのMACデータサービス(MAC data service)を有してよい。
【0089】
MLDに含まれたSTAは、1つ以上のリンク(link)又はチャネル(channel)で動作することが可能である。すなわち、MLDに含まれたSTAは、互いに異なる複数のチャネルで動作することが可能である。例えば、MLDに含まれたSTAは、2.4GHz、5GHz、6GHzの互いに異なる周波数帯域のチャネルを用いて動作することが可能である。これにより、MLDはチャネル接続(channel access)における利得を得、全体ネットワークの性能を上げることができる。既存の無線LANは単一リンク(single link)で動作したが、MLD動作は、複数個のリンクを用いてより多いチャネル接続機会を得るか、チャネルの状況を考慮して複数個のリンクでSTAが効率的に動作することが可能である。
【0090】
また、MLDにアフィリエートされたSTAがAPである場合に、APがアフィリエートされたMLDはAP MLDであってよい。しかし、MLDにアフィリエートされたSTAがnon-AP STAである場合に、non-APがアフィリエートされたMLDはnon-AP MLDであってよい。
【0091】
また、AP MLD(Multi-link Device)は、1つ以上の無線アクセスポイント(AP)を含む機器であってよく、上位層に一つのインターフェースを介して連結された機器であってよい。すなわち、AP MLDは、一つのインターフェースを介してLLC(Logical Link Control)層に連結されてよい。AP MLDに含まれた複数のAPは、MAC層での一部の機能を共有してよい。AP MLD内の各APは個別のリンクで動作してよい。STA MLDは、1つ以上のnon-AP STAを含む機器であってよく、一つのインターフェースを介して上位層に連結された機器であってよい。
【0092】
すなわち、STA MLDは、一つのインターフェースを介してLLC層に連結されてよい。STA MLDに含まれた複数のSTAは、MAC層での一部の機能を共有してよい。また、STA MLDは、non-AP MLDと呼ぶことができる。このとき、前記AP MLD及びSTA MLDは、複数の個別リンクを用いて通信する多重リンク動作を行うことができる。すなわち、AP MLDが複数のAPを含んでいる場合に、各APは別個のリンクを構成し、STA MLDに含まれたそれぞれの端末と複数のリンクを用いたフレーム送受信動作を行うことができる。このとき、各リンクは2.4GHz、5GHz、又は6GHzの帯域で動作でき、各リンクでは帯域幅拡張動作を行うことができる。例えば、AP MLDが2.4GHz帯域で一つのリンク、5GHz帯域で2つのリンクを設定した場合に、2.4GHz帯域では帯域幅拡張方式を用いて40MHzの帯域幅でフレーム送信を行うことができ、5GHz帯域を用いるそれぞれのリンクでは不連続の帯域幅を用いて最大で320MHzの帯域幅でフレーム送信を行うことができる。
【0093】
一方、前記AP MLD或いはSTA MLDは、機器内部の干渉の問題から、MLD内の一つの端末が送信動作を行う間には他の端末が受信動作を行えないことがある。このようにMLD内の一つのAP或いは端末が送信動作を行う途中に前記MLD内の他のAP或いは端末が受信する動作をSTR(Simultaneous Transmit and Receive)という。前記AP MLDは全てのリンクに対してSTR動作が可能である。又は、前記AP MLDの一部のリンクでSTR動作が不可である。AP MLDにはSTR動作可能な端末MLDが接続されることもあり、一部又は全体のリンクに対してSTR動作が不可なMLDが接続されることもある。また、AP MLDに含まれたAPには、MLDに所属していない端末(例えば、IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax端末)がさらに接続されていることもある。
【0094】
AP MLDとSTA MLDは、図5で説明したスキャニング及び接続過程において多重リンク利用動作のための交渉過程を行うことができる。例えば、図5で説明したスキャニング過程において、AP MLDに含まれたAPは、ビーコンフレームに、多重リンク動作が利用可能であることを指示する指示子、利用可能なリンク個数、利用可能な複数個のリンク情報を含めて送信できる。又は、STA MLDに属している端末は、プローブ要請フレームに、多重リンク動作が利用可能であることを指示する指示子を含めて送信でき、AP MLDに属しているAPは、プローブ応答フレームに、多重リンク動作が利用可能であることを指示する指示子を含めることができる。このとき、APは、多重リンク動作時に利用可能なリンク個数、リンク情報などをさらに含めて送信できる。
【0095】
前記スキャニング過程でAP MLDの多重リンク動作するか否か及び利用リンク情報を確認したSTA MLDは、AP MLDと接続過程を行うことができる。このとき、前記AP MLDとSTA MLDは多重リンク動作のための交渉過程を始めることができる。このとき、前記多重リンク動作のための交渉過程は、AP MLDに属したAPとSTA MLDに属した端末間の接続過程で行われてよい。すなわち、STA MLDに属した任意の端末(例えば、STA1)がAP MLDに属した任意のAP(例えば、AP1)に接続要請フレームを送りながら、端末の多重リンク動作が利用可能であることを指示する指示子及び多重リンク動作を行うことを要請する要請指示子を送ることができる。前記端末から接続要請フレームを受信したAPは、多重リンク動作を要請する指示子を確認でき、APが多重リンク動作可能である場合に多重リンク動作に用いるリンク情報及び各リンクで用いられるパラメータなどを含めて多重リンク動作を許容する接続応答フレームを当該端末に送信できる。前記多重リンク動作のためのパラメータは、用いられる各リンクの帯域、帯域幅拡張方向、TBTT(Target Beacon Transmission Time)、STR動作の有無、のうち1つ以上を含んでよい。前記接続要請フレーム及び応答フレームが交換されて多重リンク動作の利用が確認されたAP MLD及びSTA MLDは、当該接続過程の後に、AP MLDに含まれた複数のAP及びSTA MLDに含まれた複数の端末を介して複数のリンクでフレーム送信動作を行うことができる。
【0096】
図9を参照すると、複数のSTAを含むMLDが存在してよく、MLDに含まれている複数のSTAは複数のリンクで動作してよい。図9で、APであるAP1、AP2、AP3を含むMLDをAP MLDと呼ぶことができ、non-AP STAであるnon-AP STA1、non-AP STA2、non-AP STA3を含むMLDをnon-AP MLDと呼ぶことができる。MLDに含まれているSTAは、リンク1(Link1)、リンク2(Link2)、リンク3(Link3)、又はリンク1~3のうち一部のリンクで動作できる。
【0097】
本発明の実施例によれば、多重リンク動作は多重リンク設定(multi-link setup)動作を含んでよい。多重リンク設定動作は、単一リンク動作で行われる結合(association)に対応する動作であってよい。多重リンクでフレームを交換するためには多重リンク設定が先行される必要がある。多重リンク設定動作は、多重リンク設定要素(multi-link setup element)を用いて行われてよい。ここで、多重リンク設定要素は、多重リンクに関連した能力情報(capability information)を含んでよく、能力情報は、MLDに含まれたSTAが一つのリンクでフレームを受信すると同時にMLDに含まれた他のSTAが他のリンクでフレームを送信できるかに関する情報を含んでよい。すなわち、能力情報は、MLDに含まれたリンクを通じてSTA(non-AP STA及び/又はAP(又は、AP STA)が互いに異なる送信方向に同時にフレームを送信/受信できるかに関する情報を含んでよい。また、能力情報は、利用可能なリンク又は動作チャネル(operating channel)に関する情報をさらに含んでよい。多重リンク設定は、ピアSTA(peer STA)間の交渉(negotiation)によって設定されてよく、一つのリンクを通じて多重リンク動作が設定されてよい。
【0098】
本発明の一実施例によれば、TIDとMLDのリンク間にマッピング関係が存在してよい。例えば、TIDとリンクがマップされる場合に、TIDは、マップされたリンクで送信されてよい。TIDとリンク間のマッピングは、送信方向ベース(directional-based)でなされてよい。例えば、MLD1とMLD2間の両方向の各方向に対してマッピングがなされてよい。また、TIDとリンク間のマッピングは基本(default)設定が存在してよい。例えば、TIDとリンク間のマッピングは基本的に、あるリンクに全てのTIDがマップされたことであってよい。
【0099】
図10は、本発明の一実施例に係るTID-to-linkマッピング方法の一例を示す図である。
【0100】
図10を参照すると、図9で説明したようにTIDとリンク間のマッピング関係が存在してよい。また、本発明において、TIDとリンク間のマッピング関係をTID-to-linkマッピング、TIDツーリンクマッピング、TIDマッピング、リンクマッピングなどと呼ぶことができる。TIDはトラフィック識別子(traffic identifier)であってよい。また、TIDは、QoS(quality of service)を支援するためにトラフィック、データなどを分類するID(identifier)であってよい。
【0101】
また、TIDは、MAC層よりも上位層で用いられたり割り当てられるIDであってよい。TIDは、TC(traffic categories)、TS(traffic streams)を示すことが可能である。また、TIDは、16個の値が可能であり、例えば、0から15までの値で示されてよい。また、接続政策(access policy)又はチャネル接続、媒体接続(medium access)方法によって個別のTID値を用いることが可能である。例えば、EDCA(HCF(hybrid coordination function)連結ベースのチャネル接続、拡張型分散チャネル接続)を用いる場合に可能なTID値は0~7であってよい。また、EDCAを用いる場合に、TID値はUP(user priority)を示すものであってよく、前記UPはTC又はTSに関するものであってよい。また、UPは、MACよりも上位層に割り当てられる値であってよい。また、HCCA(HCF controlled channel access)又はSPCAを用いる場合に可能なTID値は8~15であってよい。また、HCCA又はSPCAを用いる場合にTIDはTSIDを示すものであってよい。また、HEMM又はSEMMを用いる場合に可能なTID値は8~15であってよい。また、HEMM又はSEMMを用いる場合にTIDはTSIDを示すものであってよい。
【0102】
また、UPと接続カテゴリー(access category:AC)間のマッピング関係が存在してよい。ACは、EDCAにおいてQoSを提供するためのラベル(label)又はEDCAパラメータのセットを指示するラベルであってよい。EDCAパラメータ又はEDCAパラメータのセットは、チャネル連結に用いられるものであってよい。ACは、QoS STAで用いられてよい。
【0103】
ACの値はAC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOのうち一つに設定されてよい。AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOはそれぞれ、background、best effort、video、voiceを示すものであってよい。また、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOを細分化することが可能である。例えば、AC_VIがAC_VI primaryとAC_VI alternateに細分化されてよい。また、AC_VOがAC_VO primaryとAC_VO alternateに細分化されてよい。また、UP値又はTID値はAC値とマップされてよい。例えば、UP値又はTID値1、2、0、3、4、5、6、7はそれぞれ、AC_BK、AC_BK、AC_BE、AC_BE、AC_VI、AC_VI、AC_VO、AC_VOとマップされてよい。又は、UP値又はTID値1、2、0、3、4、5、6、7はそれぞれ、AC_BK、AC_BK、AC_BE、AC_BE、AC_VI alternate、AC_VI primary、AC_VO primary、AC_VO alternateとマップされてよい。また、UP値又はTID値1、2、0、3、4、5、6、7は順に優先度(priority)が高いものであってよい。すなわち、1の方が低い優先度であり、7の方が高い優先度であってよい。したがって、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOの順に優先度が高くなるものであってよい。また、AC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOはそれぞれ、ACI(AC index)0、1、2、3に該当してよい。
【0104】
したがって、TIDとAC間の関係が存在することが可能である。したがって、本発明のTID-to-linkマッピングは、ACとリンク間のマッピング関係であってよい。また、本発明において、TIDがマップされたといことは、ACがマップされたことであってよく、その逆であってよい。
【0105】
本発明の一実施例によれば、multi-linkの各リンクにマップされたTIDが存在してよい。例えば、特定TID又は特定ACが複数のリンクのうちいずれのリンクで送信、受信が許容されるかに対するマッピングが存在してよい。また、このようなマッピングは、リンクの両方向の各方向に対して個別に定義されてよい。また、前述したように、TIDとリンク間のマッピングは、基本(default)設定が存在してよい。例えば、TIDとリンク間のマッピングは基本的に、あるリンクに全てのTIDがマップされてよい。また、一実施例によれば、特定時点に、あるTID又はあるACは少なくとも一つのリンクとはマップされていてよい。また、マネジメントフレーム(management frame)又は制御フレーム(control frame)は、全てのリンクで送信されてよい。
【0106】
本発明において、リンクのいずれかの方向に対してマップされたTID又はACに該当するデータフレームが送信されてよい。また、リンクのいずれかの方向に対してマップされていないTID又はACに該当するデータフレームは送信されなくてよい。
【0107】
一実施例によればTID-to-linkマッピングがacknowledgmentにも適用されてよい。例えば、block ack agreementがTID-to-linkマッピングに基づき得る。又は、TID-to-linkマッピングはblock ack agreementに基づき得る。例えば、TID-to-linkマップされたTIDに対してblock ack agreementが存在することが可能である。
【0108】
TID-to-linkマッピングをすることによってQoSサービスを提供することが可能である。例えば、チャネル状態が良い或いはSTAが少ないリンクに、優先度の高いAC、TIDをマップすることによって、当該AC、TIDのデータを迅速に送信することが可能である。又は、TID-to-linkマッピングをすることにより、特定リンクのSTAが節電(power save)できるように(又は、doze状態に入るように)助けることができる。
【0109】
図10を参照すると、AP1とAP2を含むAP MLDが存在してよい。また、STA1とSTA2を含むNon-AP MLDが存在してよい。また、前記AP MLDに複数のリンクであるLink1とLink2が存在してよい。AP1とSTA1はLink1で結合(association)され、AP2とSTA2はLink2で結合されてよい。
【0110】
したがって、Link1は、AP1からSTA1へと送信するリンク及び/又はSTA1からAP1へと送信するリンクを含んでよく、Link2は、AP2からSTA2へと送信するリンク及び/又はSTA2からAP2へと送信するリンクを含んでよい。このとき、それぞれのリンクはTID及び/又はACがマップされていてよい。
【0111】
例えば、Link1でAP1からSTA1に送信するリンク、Link1でSTA1からAP1に送信するリンクには全てのTID、全てのACがマップされていてよい。また、Link2でSTA2からAP2に送信するリンクには、AC_VO又はAC_VOに該当するTIDのみがマップされていてよい。また、マップされたTID及び/又はACのデータのみが当該リンクで送信されることが可能である。また、リンクにマップされていないTID又はACのデータは当該リンクで送信されることが不可である。
【0112】
図11は、本発明の一実施例に係るmulti-link NAV設定動作の一例を示す図である。
【0113】
MLDが同時に送信又は受信する動作(STR;simultaneous transmit and receive;simultaneous transmission and reception)は制限的であってよく、これは、多重リンク(multi-link)で動作する複数のリンク間の周波数間隔と関連していてよい。
【0114】
したがって、本発明の実施例によれば、リンク間の間隔がm MHzであるとき、同時に送信又は受信することが制限的であり、mよりも大きいnに対してリンク間の間隔がn MHzであるとき、同時に送信又は受信することが制限的でなくてよい。本実施例は、同時に送信又は受信することが制限的である問題を解決するためのものであってよく、重複説明は省略されてよい。また、本実施例をSTR不可なMLDに対して適用することが可能である。
【0115】
本発明の一実施例によれば、多重リンクとして動作するリンク間に期間情報(duration information)が共有されてよい。一実施例として、前記期間情報は、プリアンブルのシグナリングフィールドで送信されるTXOP duration情報であってよい。前記シグナリングフィールドは、前述したU-SIGフィールドであってよい。又は、前記シグナリングフィールドは、前述したHE-SIG-Aフィールドであってよい。さらに他の実施例として、前記期間情報は、MAC headerが含むDuration/IDフィールドが指示する期間情報であってよい。さらに他の実施例として、前記期間情報は、L-SIGフィールドが含むLengthフィールド(L Length field)が指示する期間情報であってよい。一実施例によれば、U-SIGフィールド又はHE-SIG-A又はDuration/IDフィールドが指示する期間情報は、TXOP durationを指示する値であってよい。一実施例によれば、L-SIGフィールドが指示する期間情報は、前記L-SIGフィールドを含むPPDU(physical layer protocol data unit)の長さ又は前記L-SIGフィールドを含むPPDUの終わりを指示する値であってよい。
【0116】
また、本発明の実施例によれば、リンク間に共有された期間情報に基づく期間に送信又はチャネル接続を行うことを制限することができる。送信又はチャネル接続を制限する方法は、NAVを設定することを含んでよい。又は、送信又はチャネル接続を再開するためにNAVをリセットすることができる。このとき、NAVはintra-BSS NAVであってよい。Intra-BSS NAVは、intra-BSSフレーム(又は、PPDU)によって設定されるNAVであってよい。すなわち、MLDに属したSTAは、前記MLDに属した他のSTAに向かうフレーム(又は、PPDU)に基づいてNAVを設定することができる。
【0117】
本発明の一実施例によれば、inter-link NAVが存在してよい。Inter-link NAVは、多重リンクで動作する場合に、あるMLDに属した複数のリンクのSTAが用いるNAVであってよい。例えば、リンク1で受信した期間情報に基づいて設定したinter-link NAVに基づいてリンク2で送信をしなくてよい。また、inter-link NAVは、STR不可なMLDに対して存在又は利用することが可能である。例えば、inter-link NAVが設定された場合に、当該inter-link NAVを設定したMLDは、複数のリンク(又は、MLDが用いる全てのリンク)で送信又はチャネル接続をしなくてよい。
【0118】
また、NAVの種類としてintra-BSS NAVの他にbasic NAVが存在してよい。Basic NAVは、inter-BSSフレーム(又は、PPDU)によって設定されるNAVであってよく、intra-BSSかinter-BSSかが判断されないフレーム(又は、PPDU)によってもbasic NAVが設定されてよい。
【0119】
Inter-link NAVを別に用いる場合に、inter-link NAVを用いない場合に比べて、NAV設定がアップデートされる状況において長所を有し得る。例えば、他のリンクによって設定したNAVをリセットしても構わない状況が発生し得る。例えば、あるフレーム(又は、PPDU)に基づいてinter-link NAVを設定したが、前記フレーム(又は、PPDU)が同一MLDに向かうものでないと判断され、設定したinter-link NAVをリセットしても構わないことがある。仮に、リンク1とリンク2で動作するMLDが存在するとき、リンク1に対するNAVが、リンク1で受信したフレームに基づいて設定されていてよい。その後、リンク2のフレームに基づいてリンク1のNAVをアップデートしてよい。そして、リンク2によるNAVは維持する必要がなくなったとき、リンク1のNAVをリセットすれば、リンク1で受信したフレームに基づいて設定したNAV情報を失う不具合がある。仮にinter-link NAVを各リンクに対するNAVと共に用いれば、inter-link NAVをリセットしても各リンクに対するNAVが維持され、上記の不具合を解決することができる。
【0120】
本発明の実施例においてNAVを設定することを取り上げたが、本発明の実施例は、これに限定ず、物理層にチャネル接続を中断するように指示するか、チャネル状態をbusyと指示することにも適用可能である。また、NAVをリセットすることに限定されず、物理層にチャネル接続を続けるように指示したりチャネル状態をidleと指示することにも適用可能である。このとき、物理層とMAC層間に授受するprimitiveが用いられてよい。又は、MLDの一つのSTAと他のSTA間に授受するprimitiveが用いられてよい。又は、MLDの一つのMAC層と他のMAC層間に授受するprimitiveが用いられてよい。
【0121】
本発明の実施例によれば、MLDに属したSTAがPPDU受信を始めると、前記MLDに属した他のSTAはチャネル接続を止めなければならないことがある。前述したように、受信した期間情報に基づいてチャネル接続を止めてよいが、期間情報を含むフィールドの位置のため又はデコーディングなどにかかる時間のため、PPDUを受信し始めた時点から期間情報を得るまで時間が存在し得る。このため、この時間においてチャネルにアクセスして送信を始めると前述の問題につながり得る。このため、本発明の一実施例によれば、MLDのSTAは、前記MLDの他のSTAが受信を始めた時点からチャネル接続を中断することができる。また、前記MLDの他のSTAが受信を始めた後に受信したフレームが前記他のSTAに向かうものでないことを確認した場合にチャネル接続を再び始めることがてきる。
【0122】
図12は、本発明の一実施例に係るmulti-link NAV設定動作のさらに他の例を示す図である。
【0123】
図12は、図11で説明した実施例の具体的な方法に関する説明を具体化したものであり、重複説明は省略されてよい。
【0124】
前述したように、MLDに属したあるSTAが受信するフレーム又はPPDUに基づいて、同一MLDに属した他のSTAがチャネル接続又は送信を中止又は再開することができる。本発明において、チャネル接続又は送信を中止することは、NAVを設定する(アップデートする)、チャネルをbusyと判断する、又はCCAを中止するなどの動作を含んでよい。また、チャネル接続又は送信を再開することは、NAVをリセットする、NAV設定を取消(cancel)する、チャネルをidleと判断する、又はCCAを行うなどの動作を含んでよい。以下では、このような動作を、チャネル接続を中止し再開することとして指示できる。また、以下、MLDにSTA1とSTA2が属しており、STA1とSTA2はそれぞれLink1とLink2で動作するとして説明できる。また、フレームとPPDUを相互互換的に指示できる。また、この時のNAVは、図11で説明したようにintra-BSS NAV又はinter-link NAVであってよい。
【0125】
本発明の実施例によれば、STA1がフレーム受信し始めると、STA2はチャネル接続を中断してよい。また、STA1がL-SIGから期間情報(duration information)を取得したとき、STA2はチャネル接続を中断した状態を持続してよい。この時、STA2がチャネル接続を中断した状態を、STA1が受信したフレームの終わりまでと決定できる。また、STA1がL-SIGを確かにデコードできなかった場合(invalid L-SIGである場合)に、STA2はチャネル接続を再開できる。
【0126】
また、STA1が受信するフレームのU-SIGからTXOP durationとBSS colorを受信することができる。仮に、受信したBSS colorがintra-BSSであることを示すか、BSS colorがSTA1に該当するBSS colorである場合に、チャネル接続を中断できる。一実施例として、この時にチャネル接続を中断する期間は、受信したフレームの終わりまでであってよい。この場合、受信したフレームが終わった後、より早くチャネル接続を開始できる長所がある。他の実施例として、この時にチャネル接続を中断する期間はTXOP durationであってよい。この場合、L-SIGに基づいて中断したチャネル接続の期間はアップデートされてよい。この場合、受信するフレームに続くシーケンス(sequence)をよりよく保護できる長所がある。
【0127】
又は、STA1が受信するフレームのU-SIGからTXOP durationとBSS colorを受信したし、受信したBSS colorがintra-BSSでないことを示すか、BSS colorがSTA1に該当するBSS colorでない場合があり得る。又は、STA1がU-SIGを成功的にデコードできなかっ場合があり得る。このような場合、STA2はチャネル接続を再開できる。
【0128】
又は、STA1が受信するフレームのU-SIGから取得した情報が、当該フレームがSTA1が受信しないフレームであることを指示する場合に、STA2はチャネル接続を再開できる。例えば、U-SIGから取得したPHY identifierが、将来の標準に該当するID又は認識できないIDである場合に、STA2はチャネル接続を再開できる。
【0129】
また、U-SIGを受信する場合を説明したが、同実施例を、HE PPDUを受信するとき、HE-SIG-Aを受信する場合にも適用できる。例えば、HE-SIG-AはTXOP durationとBSS colorを含んでよく、よって、前述したような動作を行うことができる。
【0130】
また、STA1が受信するフレームのEHT-SIGからSTA-IDを受信していることがある。仮に、受信したSTA-IDがSTA1の受信するべき指示子であれば、例えば、STA-IDがSTA1を示す、STA-IDがSTA1の属したグループを示す、又はSTA-IDがbroadcastを示す場合に、STA2はチャネル接続を中断した状態を持続できる。
【0131】
又は、STA1が受信するフレームのEHT-SIGからSTA-IDを受信していることがある。仮に、受信したSTA-IDがSTA1に該当しない指示子であれば、例えば、STA-IDがSTA1に該当する指示子を示さない、STA-IDがSTA1属したグループを示さない、又はSTA-IDがbroadcastを示さない場合に、STA2はチャネル接続を再開できる。又は、STA1がEHT-SIGを成功的にデコードできなかった場合にもSTA2はチャネル接続を再開できる。
【0132】
また、EHT-SIGを受信する場合を説明したが、同実施例を、HE PPDUを受信するとき、HE-SIG-Bを受信する場合にも適用できる。例えば、HE-SIG-BはSTA-IDを含んでよく、よって、前述したような動作を行うことができる。
【0133】
また、STA1が受信するフレームのMAC headerを受信していることがある。仮に、受信したMAC headerが含むRA(receiver address)又はDA(destination address)がSTA1の受信するべき値を示す場合に、例えば、RA又はDAがSTA1を示す、STA1の属したグループを示す、又はSTA-IDがbroadcastを示す場合に、STA2はチャネル接続を中断した状態を持続できる。この時、中断するチャネルアクセスの期間は、受信したMAC headerが含む期間情報に基づき得る。より具体的には、中断するチャネルアクセスの期間は、受信したMAC headerが含むDuration/IDフィールドが指示する期間情報に基づき得る。
【0134】
また、STA1が受信するフレームのMAC headerを受信していることがある。仮に、受信したMAC headerが含むRA又はDAが、STA1に該当しない指示子である場合に、例えば、RA又はDAがSTA1に該当する指示子を示さない、STA1の属したグループを示さない、又はbroadcastを示さない場合に、STA2はチャネル接続を再開できる。又は、STA1が全てのMAC headerを受信していないことがある。例えば、STA1がA-MPDUに含まれた全てのMPDUを受信失敗することがある。この場合、STA2はチャネル接続を再開できる。
【0135】
図12で説明したチャネル接続中断と再開は、STA1でフレーム(又は、PPDU)を受信し始めて順次にデコードして行くにつれてデコードされる順に動作してよい。デコードされる順序は、PPDUフォーマット、フレームフォーマットなどに基づき得る。例えば、L-SIG、U-SIG、EHT-SIG、MAC headerの順にデコードできる(EHT PPDUの場合)。又は、L-SIG、HE-SIG-A、MAC headerの順にデコードできる(HE SU PPDU、HE TB PPDUの場合)。又は、L-SIG、HE-SIG-A、HE-SIG-B、MAC headerの順にデコードできる(HE MU PPDUの場合)。又は、L-SIG、MAC headerの順にデコードできる(11a/g PPDUの場合)。
【0136】
本発明の実施例によれば、先に言及したSTA-IDは、PPDU又はRU(resource unit)の意図した受信者を指示する値であってよい。また、STA-IDは、EHT-SIGフィールド又はHE-SIG-Bフィールドなどに含まれてよい。また、STA-IDは、単一STAに該当する値を示すことが可能である。例えば、複数のSTAがMLDに含まれるとき、STA-IDは前記複数のSTAのうち一つのSTAに該当する値を示すことが可能である。また、STA-IDは、STAのAID又はMAC addressに基づく値であってよい。
【0137】
図13は、本発明の一実施例に係るBSS分類及びそれに基づく動作の一例を示す図である。
【0138】
本発明の一実施例によれば、STAは、受信したフレーム又は受信したPPDUに基づいてBSSを分類(classify)(又は、判断)することが可能である。BSSを分類することは、受信したフレーム又は受信したPPDUが、分類するSTAの属したBSSに該当するか否かを分類する動作を含んでよい。又は、BSSを分類することは、受信したフレーム又は受信したPPDUが、分類するSTAの属したBSSから送信されたか否かを分類する動作を意味できる。また、BSSを分類することは、受信したフレーム又は受信したPPDUが、分類するSTAの属していないBSSに該当するか否かを分類する動作を含んでよい。又は、BSSを分類することは、受信したフレーム又は受信したPPDUが、分類するSTAの属していないBSSから送信されたか否かを分類する動作を意味できる。また、BSSを分類することは、受信したフレーム又は受信したPPDUがどのBSSに属したかを分類する動作を含んでよい。又は、BSSを分類することは、受信したフレーム又は受信したPPDUがどのBSSから送信されたかを分類する動作を意味できる。本発明の一実施例によれば、分類するSTAの属したBSSをintra-BSSと呼ぶことができる。又は、分類するSTAの属したBSSを含むBSSをintra-BSSと呼ぶことができる。また、intra-BSSでないBSSをinter-BSSと呼ぶことができる。又は、intra-BSSでないBSSはinter-BSSであるか又は分類されないBSSであってよい。又は、inter-BSSは、分類されないBSSを含んでよい。また、分類するSTAが属していないBSSをinter-BSSと呼ぶことができる。
【0139】
一実施例によれば、受信したフレーム又は受信したPPDUがintra-BSSに該当したり又はintra-BSSから送信されたと判断された場合に、前記受信したフレーム又は前記受信したPPDUをそれぞれintra-BSSフレーム、intra-BSS PPDUということができる。また、受信したフレーム又は受信したPPDUがinter-BSSに該当したり又はinter-BSSから送信されたと判断された場合に、前記受信したフレーム又は前記受信したPPDUをそれぞれinter-BSSフレーム、inter-BSS PPDUということができる。また、intra-BSSフレームを含むPPDUはintra-BSS PPDUであってよい。また、inter-BSSフレームを含むPPDUはinter-BSS PPDUであってよい。
【0140】
本発明の一実施例によれば、1つ以上のBSS分類条件に基づいてBSSを分類できる。例えば、前記1つ以上のBSS分類条件のうち少なくとも一つの条件を満たすか否かによってBSSを分類できる。
【0141】
前記BSS分類条件は、BSS colorに基づく条件を含んでよい。BSS colorは、BSSに対する識別子(identifier)であってよい。また、BSS colorは、PPDUのプリアンブル(preamble)、より具体的にはsignalingフィールド(例えば、HE-SIG-Aフィールド又はU-SIGフィールド又はVHT-SIG-Aフィールド)に含まれてよい。また、BSS colorは、送信者のMAC層からPHY層へ伝達されるTXVECTORに含まれてよい。また、BSS colorは、受信者のPHY層からMAC層に伝達されるRXVECTORに含まれてよい。TXVECTOR、RXVECTORに含まれるパラメタをそれぞれ、TXVECTORパラメータ、RXVECTORパラメータと呼ぶことができる。また、BSS colorは、TXVECTORパラメータ又はRXVECTORパラメータに含まれてよい。また、APが設定したBSS colorをSTAに知らせることができる。一実施例によれば、受信したPPDUに含まれたBSS colorに基づいてBSSを分類できる。仮に、STAの受信したPPDUに含まれたBSS colorが、STAに該当するBSSのBSS colorと異なる場合に、前記受信したPPDUをinter-BSS PPDUに分類できる。又は、仮に、STAの受信したPPDUに含まれたBSS colorが、STAに該当するBSSのBSS colorと異なり、その値が0でない場合に、前記受信したPPDUをinter-BSS PPDUに分類できる。また、仮に、STAの受信したPPDUに含まれたBSS colorが、STAに該当するBSSのBSS colorと同一である場合に、前記受信したPPDUをintra-BSS PPDUに分類できる。
【0142】
前記BSS分類条件はMAC addressに基づく条件を含んでよい。MAC addressは、フレームのMAC headerに含まれてよい。また、MAC addressは、RA(receiver address)、TA(transmitter address)、BSSID、SA(source address)、DA(destination address)などを含んでよい。一実施例によれば、受信したフレームに含まれたMAC addressに基づいてBSSを分類できる。仮に、受信したフレームに含まれたMAC addressが、STAに該当するBSSのBSSIDと異なる場合に、前記受信したフレームをinter-BSSフレームに分類できる。より具体的には、仮に受信したフレームに含まれたMAC addressがいずれも、STAに該当するBSSのBSSIDと異なる場合に、前記受信したフレームをinter-BSSフレームに分類できる。また、仮に、受信したフレームに含まれたMAC addressが、STAに該当するBSSのBSSIDと同一である場合に、前記受信したフレームをintra-BSSフレームに分類できる。より具体的には、仮に、受信したフレームに含まれたMAC addressのうち少なくとも一つがSTAに該当するBSSのBSSIDと同一である場合に、前記受信したフレームをintra-BSSフレームに分類できる。
【0143】
前記該当するBSSは、STAが結合(association)されたBSSを含んでよい。また、前記該当するBSSは、STAが結合されたBSSと同じ多重BSSIDセット(multiple BSSID set)に含まれたBSSを含んでよい。また、前記該当するBSSは、STAが結合されたBSSと同じco-hosted BSSIDセットに含まれたBSSを含んでよい。また、同じ多重BSSIDセット又は同じco-hosted BSSIDセットに含まれた1つ以上のBSSは、1つのフレームで前記1つ以上のBSSに関する情報が伝達されてよい。
【0144】
前記BSS分類条件は、VHT PPDUに含まれたPartial AIDフィールド値に基づく条件を含んでよい。Partial AIDフィールドは、VHT PPDUのプリアンブルに含まれてよい。また、Partial AIDフィールドは、VHT PPDUに含まれたVHT-SIG-Aフィールドに含まれてよい。一実施例によれば、Partial AIDフィールドは、BSS colorの一部を示すことが可能である。例えば、partial BSS color機能を用いる場合に、Partial AIDフィールドは、BSS colorの一部を示すことが可能である。又は、AID割り当て規定(AID assignment rule)を用いる場合に、Partial AIDフィールドは、BSS colorの一部を示すことが可能である。AID割り当て規定は、BSS colorに基づくAIDを割り当てる方法であってよい。またVHT PPDUのVHT-SIG-Aフィールドに含まれたGroup IDフィールドが既に設定された値である場合(例えば、Group IDフィールドが63に設定された場合)に、Partial AIDフィールドは、BSS colorの一部を示すことが可能である。一実施例によれば、受信したPPDUのPartial AIDフィールドがBSS colorの一部を示す場合に、受信したPartial AIDフィールド値が受信したSTAに該当するBSS colorの一部と異なると、前記受信したPPDUをinter-BSS PPDUに分類できる。
【0145】
また、受信したPPDUのPartial AIDフィールドがBSS colorの一部を示す場合に、受信したPartial AIDフィールド値が、受信したSTAに該当するBSS colorの一部と同一であれば、前記受信したPPDUをintra-BSS PPDUに分類できる。また、このとき、BSS colorの一部は、BSS colorの4LSBsであることが可能である。さらに他の実施例によれば、Partial AIDフィールドはBSSIDの一部を示すことが可能である。例えば、VHT PPDUのVHT-SIG-Aフィールドに含まれたGroup IDフィールドが既に設定された値である場合(例えば、Group IDフィールドが0に設定された場合)に、Partial AIDフィールドはBSSIDの一部を示すことが可能である。一実施例によれば、受信したPPDUのPartial AIDフィールドがBSSIDの一部を示す場合に、受信したPartial AIDフィールド値が、受信したSTAに該当するBSSIDの一部と異なると、前記受信したPPDUをinter-BSS PPDUに分類できる。また、受信したPPDUのPartial AIDフィールドがBSSIDの一部を示す場合に、受信したPartial AIDフィールド値が、受信したSTAに該当するBSSIDの一部と同一であれば、前記受信したPPDUをintra-BSS PPDUに分類できる。また、このとき、BSSIDの一部はBSSIDの9MSBsであることが可能である。また、Partial AIDフィールド値は、TXVECTORパラメータPARTIAL_AID又はRXVECTORパラメータPARTIAL_AIDに含まれてよい。また、Group IDフィールド値は、TXVECTORパラメータGROUP_ID又はRXVECTORパラメータGROUP_IDに含まれてよい。
【0146】
前記BSS分類条件は、APが、既に設定された条件のPPDUを受信する条件を含んでよい。例えば、前記既に設定された条件のPPDUは、下りリンクPPDUを含んでよい。一実施例によれば、下りリンクPPDUは、VHT MU PPDUを含んでよい。また、下りリンクPPDUは、上りリンクか又は下りリンクかを指示するシグナリングが、既に設定された値に設定されたPPDUを含んでよい。上りリンクか又は下りリンクかを指示するシグナリングは、HE PPDUのsignalingフィールドに含まれてよい。又は、上りリンクか又は下りリンクかを指示するシグナリングはU-SIGに含まれてよい。U-SIGは、EHT PPDU又はEHT標準以後のPPDUのプリアンブルに含まれてよい。
【0147】
また、intra-BSS PPDU又はinter-BSS PPDUに分類できない場合が存在し得る。例えば、前述したintra-BSS PPDUに分類する条件とinter-BSS PPDUに分類する条件をいずれも満たせない場合に、intra-BSS PPDU又はinter-BSS PPDUに分類できない。
【0148】
また、BSSを分類するとき、複数の条件による分類結果が一致しないと、既に設定された条件によって最終結果を決定することが可能である。例えば、BSS colorに基づく条件による結果とMAC addressに基づく条件による結果とが一致しない場合に、MAC addressに基づく条件による結果が優先するか、又はMAC addressに基づく条件による結果を最終結果として決定できる。又は、intra-BSS PPDUに分類する条件とinter-BSS PPDUに分類する条件を両方とも満たす場合に、intra-BSS PPDUに分類できる。
【0149】
本発明の一実施例によれば、STAは、分類したBSSに基づく動作を行うことができる。分類したBSSに基づく動作は、intra-PPDU節電(power save)動作を含んでよい。intra-PPDU節電動作は、受信したPPDUに基づく節電動作であってよい。既に設定された条件を満たす場合に、intra-PPDU節電動作を行うことが可能である。前記既に設定された条件は、受信したPPDUをintra-BSS PPDUに分類する条件を含んでよい。また、前記既に設定された条件は、受信したPPDUの意図した受信者(intended receiver)が前記PPDUを受信したSTAでない条件を含んでよい。例えば、PPDUに含まれたID又はaddressが前記PPDUを受信したSTAに該当しない場合に、前記PPDUの意図した受信者は、前記PPDUを受信したSTAでなくてよい。IDは、PPDUのプリアンブルに含まれてよい。例えば、IDは、PPDUのプリアンブルに含まれたSTA_IDであってよい。また、STA_IDは、HE MU PPDU又はEHT PPDUに含まれてよい。また、adderessは、前述したMAC addressであってよい。また、受信したPPDUに含まれた上りリンクか又は下りリンクかを指示するシグナリングが上りリンクを指示する場合に、前記PPDUの意図した受信者は、前記PPDUを受信したSTAでなくてよい。また、受信したPPDUの設定が、前記PPDUを受信したSTAが支援しないものに設定された場合に、前記PPDUの意図した受信者は、前記PPDUを受信したSTAでなくてよい。受信したPPDUの設定は、PPDUのMCS、空間ストリーム(spatial stream)個数、チャネル幅(channel width)などを含んでよい。また、受信したPPDUの設定を、前記PPDUを受信したSTAが支援しない場合に、PHY-RXEND.indication(UnsupportedRate)primitiveが受信されてよい。また、受信したPPDUが既に設定されたフォーマットである場合に、前記PPDUの意図した受信者は、前記PPDUを受信したSTAでなくてよい。前記既に設定されたフォーマットはTB PPDUを含んでよい。TB PPDUは、HE TB PPDU、EHT TB PPDUを含んでよい。また、TB PPDUは、トリガーするフレームによる応答として送信されるPPDUであってよい。トリガーするフレームは、トリガーフレームを含んでよい。トリガーするフレームは、トリガーする情報が含まれたフレームを含んでよい。トリガーする情報は、MAC header、例えば、A-controlフィールドに含まれてよい。また、トリガーする情報又はトリガーフレームに含まれた情報は、応答するPPDUの長さ、応答時に用いるRU、応答時に用いるPHY configuration、MAC configurationなどを含んでよい。intra-PPDU節電動作は、受信したPPDUの終わりまでdoze状態に入り得る動作であってよい。さらに他の実施例として、STAが受信したPPDU又はフレームの意図した受信者が前記STAでないと判断された場合に、PPDU又はフレームの受信又はデコーディングを中断できる。
【0150】
分類したBSSに基づく動作は、NAVを設定(又は、アップデート)する動作を含んでよい。一実施例によれば、STAが1つ以上のNAVを運用することが可能である。また、STAがPPDU又はフレームを受信した場合に、受信したPPDU又は受信したフレームに基づいて分類したBSSに該当するNAVを設定することが可能である。例えばintra-BSS NAVは、intra-BSS PPDUに該当するNAVであってよい。また、basic NAVは、intra-BSS PPDUでないPPDUに該当するNAVであってよい。又は、basic NAVは、inter-BSS PPDUに該当するNAVであってよい。また、受信したPPDU又は受信したフレームに基づいてNAVを設定する時に、受信したPPDU又は受信したフレームに含まれたduration情報を用いることが可能である。前記duration情報は、TXOPを含んでよい。TXOPは、TXOPフィールドに含まれた値を意味できる。TXOPフィールドは、PPDUのプリアンブルに含まれてよい。例えば、TXOPフィールドは、HE PPDUのHE-SIG-Aフィールドに含まれてよい。又は、TXOPフィールドは、EHT PPDU又はEHT以後標準のPPDUのU-SIGフィールドに含まれてよい。また、前記duration情報は、MAC headerに含まれてよい。例えば、前記duration情報は、MAC headerに含まれたDuration/IDフィールドに含まれてよい。
【0151】
分類したBSSに基づく動作は、空間再利用(spatial reuse)動作を含んでよい。また、分類したBSSに基づく動作は、チャネル接続動作を含んでよい。空間再利用動作はチャネル接続動作であってよい。STAがPPDU又はフレームを受信した時に、既に設定された条件を満たすと、空間再利用動作を行うことが可能である。既に設定された条件は、受信したPPDU又は受信したフレームがinter-BSSに該当する条件を含んでよい。また、既に設定された条件は、受信したPPDU又は受信したフレームの信号強度(signal strength)が閾値(threshold)よりも小さい条件を含んでよい。例えば、閾値は可変的であってよい。また、閾値は、OBSS PDベースの空間再利用(OBSS PD-based Spatial reuse)動作のための閾値であってよい。また、閾値は、CCA閾値以上の値であってよい。また、閾値は、送信しようとする電力(power)に基づく値であってよい。空間再利用動作は、PPDUを送信する動作を含んでよい。また、空間再利用動作は、PHYをリセットする動作を含んでよい。例えば、PHYをリセットする動作は、PHY-CCARESET.request primitiveを発行(issue)する動作であってよい。また、空間再利用動作は、受信したPPDU又は受信したフレームに基づいてNAVを設定しない動作を含んでよい。仮に、STAが空間再利用動作を行う場合に、受信したPPDU又は受信したフレームが送信又は受信される間に前記STAがPPDUを送信することが可能であってよい。
【0152】
図13を参照すると、BSS AとBSS Bが存在してよく、BSS AとBSS Bは互いに異なるBSSであってよい。また、BSS AとBSS Bは互いにinter-BSSに該当してよい。すなわち、BSS Aに結合(association)されたSTAがBSS Bで送信したPPDU又はフレームは、inter-BSS PPDU又はinter-BSSフレームに分類されてよい。また、BSS Aに属する(又は、BSS Aを運営するAPと結合された)STA1、STA2が存在してよい。BSS Bに属する(又は、BSS Bを運営するAPと結合された)STA3、STA4が存在してよい。図13を参照すると、STA1がPPDUを送信できる。また、STA1の送信したPPDUはBSSに対する情報を含んでよい。例えば、BSSに対する情報は、前述したBSSを分類するための情報であってよい。また、STA1の送信したPPDUは、Duration情報を含んでよい。
【0153】
STA2は、STA1の送信したPPDUを受信し、このPPDUに対するBSSを分類できる。また、STA2とSTA1はBSS Aに属しているので、STA2の受信したPPDUはintra-BSS PPDUに分類されてよい。また、STA2の受信したPPDUはUL PPDUであるか、STAが意図した受信者でないPPDUであってよい。したがって、前述した実施例によってSTA2はintra-PPDU節電を行うことが可能である。図13を参照すると、STA2は、受信したPPDU終わりの時間までdoze状態に入り得る。また、STA2は、受信したPPDUに含まれたDuration情報に基づいてNAVを設定することができる。STA2は、受信したPPDUをintra-BSS PPDUに分類したので、intra-BSS NAVを設定することが可能である。
【0154】
STA3は、STA1の送信したPPDUを受信し、このPPDUに対するBSSを分類できる。また、STA3とSTA1はそれぞれBSS B、BSS Aに属しているので、STA3の受信したPPDUはinter-BSS PPDUに分類されてよい。また、STA3は、受信したPPDUに含まれたDuration情報に基づいてNAVを設定できる。STA3は、受信したPPDUをinter-BSS PPDUに分類したので、basic NAVを設定することが可能である。
【0155】
STA4は、STA1の送信したPPDUを受信し、このPPDUに対するBSSを分類できる。また、STA4とSTA1はそれぞれBSS B、BSS Aに属しているので、STA4の受信したPPDUはinter-BSS PPDUに分類されてよい。また、STA4の受信したPPDUの信号強度が閾値よりも小さくてよい。したがって、STA4の受信したPPDUがinter-BSS PPDUに分類されたし、STA4の受信したPPDUの信号強度が閾値よりも小さいので、STA4は空間再利用(spatial reuse)動作を行うことが可能である。したがって、STA4は、チャネル接続、バックオフ手順(backoff procedure)を行うことができ、送信を始めることができる。例えば、STA1の送信したPPDUが終わらない時点に、STA4が送信を始めることが可能であってよい。
【0156】
図14には、本発明の一実施例に係る無線LAN機能を示す。
【0157】
図14を参照すると、ある標準の無線LANは他の標準の無線LANの機能を含んでよい。又は、ある標準の無線LANである場合に、他の標準の無線LANであってよい。ここで、無線LANはSTAを意味できる。さらに、ここで、無線LANは、STAを含むMLDを意味してよい。例えば、無線LAN標準は、以前世代の標準機能を含み、追加機能が含まれたものであってよい。例えば、HT STAは、OFDM PHY STAでもあり得る。また、HT STAは、OFDM PHY STAの機能の他、追加機能を行うこともできる。例えば、VHT STAはHT STAでもあり得る。また、VHT STAは、HT STAの機能の他、追加機能を行うこともできる。例えば、HE STAはVHT STAでもあり得る。また、HE STAは、VHT STAの機能の他、追加機能を行うこともできる。また、EHT STAはHE STAでもあり得る。また、EHT STAは、HE STAの機能の他、追加機能を行うこともできる。また、EHT標準以後の標準が存在してよい。本発明において、EHT標準以後の標準をNEXT標準と呼ぶことができ、NEXT標準に従うSTAをNEXT STAと呼ぶことができる。NEXT STAはEHT STAでもあり得る。また、NEXT STAは、EHT STAの機能の他、追加機能を行うこともできる。
【0158】
図14は、各標準のSTA間の関係を示すダイヤグラムである。図14を参照すると、EHT STAであれば、HE STAで、VHT STAで、HT STAで、OFDM PHY STAであり得る。また、NEXT STAであれば、EHT STAで、HE STAで、VHT STAで、HT STAで、OFDM PHY STAであり得る。
【0159】
図15には、本発明の一実施例に係る上りリンク(Uplink:UL)多重ユーザ(multi user:MU)動作を示す。
【0160】
図15を参照すると、APは、特定フレーム(例えば、トリガリングフレーム(triggering frame))を通じて少なくとも一つのSTAにPPDUの送信を指示でき、少なくとも一つのSTAは、APから送信された特定フレームに基づいて同一又は個別のフォーマットのPPDUを同時に送信できる。
【0161】
具体的には、図15に示すように、多重ユーザ送信(multi-user(MU) transmission)を指示(solicit)又はトリガー(trigger)するフレームは送信されてよく、このようなフレームに基づいて、1つ以上のSTAが送信又はこのようなフレームに対する応答ができる。この時、1つ以上のSTAがフレームに対する応答を送信する場合に、フレームに基づいて1つ以上のSTAは同時に(simultaneous)即時(immediate)応答でき、フレームに対する応答は、フレームが含まれたPPDUの末尾からSIFS後に送信が始まってよい。例えば、フレームが即時応答を指示する場合に、1つ以上のSTAは、フレームに対する応答を即時に送信できる。1つ以上のSTAに送信を指示又はトリガーするフレームは、トリガーフレーム(trigger frame)又はMACヘッダーに、1つ以上のSTAに上りリンク送信を指示したり又はトリガーするという情報を含むフレームであってよい。このとき、フレームは、MACヘッダーに、一つのSTAにのみ上りリンク送信をトリガーしたり又は指示する情報(例えば、TRS制御サブフィールド)を含んでよい。
【0162】
例えば、MACヘッダーに含まれる上りリンク送信を指示又はトリガーする情報は、HT制御フィールド(HT control field)、制御サブフィールド(control subfield)、又はA-制御サブフィールド(A-control subfield)に含まれるトリガーされた応答スケジューリング(triggered response scheduling:TRS)又はTRS制御サブフィールド(TRS control subfield)であってよい。
【0163】
上りリンク送信を指示又はトリガーするためのフレームはAPによって送信されてよく、上りリンク送信を指示又はトリガーするためのフレームがトリガーフレームである場合に、これに対する応答はトリガーベースPPDU(trigger-based PPDU:TB PPDU)フォーマットで送信されてよい。このとき、TB PPDDUは、前述したHE TB PPDU、EHT TB PPDUの他、次の標準で定義され得るNEXT TB PPDUも含んでよい。
【0164】
HE TB PPDUは、プリアンブル(preamble)、データ及びパケット延長(packet extension(PE))で構成されてよく、プリアンブルは、L-STF、L-LTF、L-SIG、RL-SIG、HE-SIG-A、HE-STF、HE-LTFを順に含んでよい。
【0165】
EHT TB PPDU及びNEXT TB PPDUもプリアンブル、データ及びPEなどで構成されてよく、EHT TB PPDU及びNEXT TB PPDUのプリアンブルは、L-STF、L-LTF、L-SIG、RL-SIG、U-SIG、(EHT-/NEXT-)STF、(EHT-/NEXT-)LTFを順に含んでよい。
【0166】
1つ以上のSTAにPPDUの送信を指示又はトリガーするフレームは、1つ以上のSTAがTB PPDUを送信するために必要な情報を含んでよい。例えば、フレームに含まれたタイプサブフィールドが「01」(B3 B2)であり、サブタイプサブフィールドが「0010」(B7 B6 B5 B4)である場合に、このようなタイプサブフィールド及びサブタイプサブフィールドを含むフレームは、制御フレームであるトリガーフレームであってよい。
【0167】
仮に、複数のSTAにTB PPDUの応答が指示又はトリガーされた場合に、複数のSTAが応答するPPDUのフォーマットが互いに異なると、応答を指示又はトリガーしたAPが、複数のSTAから送信される応答であるPPDUを受信し難いという問題が発生し得る。又は、複数のSTAが応答するPPDUのプリアンブルが含む情報がフォーマットによって互いに異なると、応答を指示又はトリガーしたAPが複数のSTAから送信される応答であるPPDUを受信し難いという問題が発生し得る。
【0168】
したがって、このような問題を解決するために、複数のSTAがAPのフレームに対する応答をする場合に、応答するPPDUのフォーマット及び/又はPPDUのプリアンブルに含まれた情報のタイプが同一となるように設定されてよい。例えば、複数のSTAがAPのフレームに対する応答としてHE TB PPDUを送信する場合に、複数のSTAが送信するプリアンブルをAPが成功的に受信できるように、L-STF、L-LTF、L-SIG、RL-SIG、HE-SIG-Aが含む情報が同一であるようにAPが情報を伝達するか、HE TB PPDUに含まれる情報に対する約束が定められてよい。しかし、仮に、HE TB PPDU、EHT TB PPDU、NEXT TB PPDUが重なるサブバンド(subband)で同時に送信される場合にTB PPDUフォーマットが互いに異なるため、APがそれを受信し難い問題が発生し得る。
【0169】
本発明の実施例によれば、HE STAは、HE TB PPDUを送信できる。また、EHT STAは、EHT TB PPDU又はHE TB PPDUを送信できる。また、NEXT STAは、NEXT TB PPDU又はEHT TB PPDU又はHE TB PPDUを送信できる。これは、図10で説明したように、ある標準のSTAは以前標準の機能を含み得るためである。
【0170】
図15に示すように、APは、HE STAとEHT STAにTB PPDUの送信をスケジュールするためのフレームを送信し、フレームを用いてTB PPDUの送信を指示又はトリガーした場合に、TB PPDUフォーマットに対する正確な指示又はプロトコルがないことがある。この場合、HE STAはフレームに対する応答としてHE TB PPDUを送信し、EHT STAはEHT TB PPDU又はHE TB PPDUで応答できる。この場合、APは、これらのSTAが送信したTB PPDUを受信し難いことがあり、APが複数個のSTAから成功的にTB PPDUを受信できず、送信に成功できなかったにもかかわらず、媒体(medium)が占有されてしまい、他のSTAの送信機会が減るという問題が発生し得る。
【0171】
以下、本発明において、STAに指示することは、STAからの応答を指示することを意味でき、トリガーと指示は同じ意味で使われてよい。
【0172】
また、HEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム、NEXTトリガーフレームはそれぞれ、HE、EHT、NEXT標準で定義したトリガーフレームであってよい。また、本発明において、HE TRS、EHT TRS、NEXT TRSはそれぞれ、HE、EHT、NEXT標準で定義したTRSであってよい。
【0173】
図16には、本発明の一実施例に係るトリガーフレーム(Trigger frame)フォーマットを示す。
【0174】
図16の(a)にはトリガーフレームフォーマットを示し、図16の(b)及び(c)にはそれぞれ、トリガーフレームに含まれるフィールドである共通情報フィールド(common info(information) field)及びユーザ情報フィールド(User Info field)を示す。
【0175】
図16の(a)を参照すると、トリガーMACヘッダーとして、フレームは、フレーム制御フィールド(Frame Control field)、デューレーションフィールド(Duration field)、アドレスフィールド(Address field)を含み、共通情報フィールドとユーザ情報リストフィールドを含んでよい。アドレスフィールドは、リソース割り当てフィールド(Resource Allocation(RA)field)、送信者アドレスフィールド(transmitter address:TA field)を含んでよい。
【0176】
共通情報フィールドは、トリガーフレームが指示する全てのSTAに共通に該当する情報を含んでよい。 図16の(b)は共通情報フィールドの一例を示す。
【0177】
ユーザ情報リストフィールドは、0個以上のユーザ情報フィールドを含んでよく、トリガーフレームの特定タイプを除くトリガーフレームのユーザ情報リストフィールドは、1個以上のユーザ情報フィールドを含んでよい。図16の(c)は、ユーザ情報フィールドの一例を示す。
【0178】
トリガーフレームは追加として、パディングフィールド(Padding field)及びフレームチェックシーケンス(Frame Check Sequence:FCS)フィールドをさらに含んでよい。パディングフィールドは、トリガーフレームを受信するSTAがトリガーフレームに対する応答を準備するのにかかる時間を確保するためにフレームの長さを増やすために用いられてよく、選択的にトリガーフレームに含まれてよい。
【0179】
図16の(b)を参照すると、共通情報フィールドはトリガータイプサブフィールドを含んでよい。トリガータイプサブフィールドは、トリガーフレームバリアント(trigger frame variant)を識別(identify)するために用いられてよい。又は、トリガーフレームのタイプは、トリガーフレームサブフィールドの値に基づいて指示されてよい。また、トリガータイプサブフィールドに基づいて、図12に示したトリガーディペンデント共通情報サブフィールド(Trigger Dependent Common Info subfield)及びトリガーディペンデントユーザ情報サブフィールド(Trigger Dependent User Info subfield)に含まれる情報及び長さが決定されてよい。例えば、トリガータイプサブフィールドは、共通情報フィールドのB0ビットからB3ビットで示されてよい。
【0180】
共通情報フィールドは、上りリンク長さサブフィールド(Uplink(UL) length subfield)を含んでよい。UL長サブフィールドは、トリガーフレームに対する応答であるTB PPDUの長さに関する情報を含んでよく、トリガーフレームに応答するフレームの長さに関する情報を含んでよい。また、UL長サブフィールドは、トリガーフレームに応答するTB PPDUのL-SIGの長さサブフィールドに含まれる値を指示できる。したがって、トリガーフレームを受信し、TB PPDUで応答するSTAは、受信したトリガーフレームに含まれたUL長サブフィールドの値に基づいて、TB PPDUのL-SIGに含まれた長さサブフィールドの値を設定できる。具体的には、TB PPDUで応答するSTAは、TB PPDUのL-SIGに含まれた長さサブフィールドを、受信したトリガーフレームに含まれたUL長サブフィールドの値に設定できる。例えば、STAは、UL長サブフィールドを示す共通情報フィールドのB4からB15ビットの値に基づいて、TB PPDUのL-SIGに含まれた長さサブフィールドを設定してTB PPDUを送信できる。
【0181】
また、共通情報フィールドは、上りリンク帯域幅サブフィールド(UL Bandwidth(BW) subfield)をさらに含んでよい。UL BWサブフィールドは、トリガーフレームに応答するTB PPDUのシグナリングフィールド(例えば、HE-SIG-A又はU-SIGなど)に含まれるBW値を指示でき、トリガーフレームに対する応答として送信されるTB PPDUの最大BWを示すことができる。したがって、STAは、トリガーフレームに含まれたUL BWサブフィールドの値に基づいて、TB PPDUのシグナリングフィールドに含まれるBW値を設定できる。
【0182】
また、共通情報フィールドは、トリガーフレームに対する応答であるTB PPDUのシグナリングフィールドに含まれる情報などをさらに含んでよい。したがって、STAは、トリガーフレームを受信した後、トリガーフレームに含まれた情報に基づいて、TB PPDUに含まれる情報を設定できる。
【0183】
図16の(c)を参照すると、ユーザ情報フィールドは、AID12サブフィールドを含んでよい。AID12サブフィールドは、AID12サブフィールドを含むユーザ情報フィールドの意図した受信者又はユーザ情報フィールドの機能を指示するために用いられてよい。したがって、AID12サブフィールドは、AID12サブフィールドを含むトリガーフレームの意図した受信者又はトリガーフレームの機能を指示する役割を担うこともできる。例えば、AID12サブフィールドの値が既に設定された値である場合に、ユーザ情報フィールドは、RA-RU(Random Access Resource Unit)を指示できる。すなわち、AID12サブフィールドの既に設定された値は、ユーザ情報フィールドがRA-RUを指示するということを示すことができる。具体的には、AID12サブフィールドの値が「0」である場合に、ユーザ情報フィールドは、結合しているSTA(associated STAs)のためのRA-RUを指示できる。例えば、AID12サブフィールドの値が「0」である場合に、ユーザ情報フィールドは、結合しているSTAのためのRA-RUを指示でき、AID12サブフィールドの値が「2045」である場合に、ユーザ情報フィールドは、結合していないSTA(unassociated STAs)のためのRA-RUを指示できる。AID12サブフィールドの値が指示するSTA ID(例えば、AID(association ID))に対応するSTAは、AID12サブフィールドを含むユーザ情報フィールド又はAIDサブフィールドを含むトリガーフレームによって応答が指示されてよい。例えば、AID12サブフィールドは、AID又はAIDの12LSBsを示すことができる。AID12サブフィールドが示す値に対応するSTAは、受信したトリガーフレームに対する応答としてTB PPDUを送信できる。この場合、AID12サブフィールドの値は「1」から「2007」の範囲(1及び2007を含む)であってよく、AID12サブフィールドが既に設定された値(例えば、「2046」など)である場合に、AID12サブフィールドの既に設定された値に対応するRUはいかなるSTAにも割り当てられなくてよい。また、AIDサブフィールドが既に設定された値(例えば、「4095」など)である場合に、既に設定された値は、トリガーフレームのパディングが始まることを指示できる。
【0184】
AID12サブフィールドを含むユーザ情報フィールドの情報は、AID12サブフィールドが指示するSTAに対応する情報であってよい。例えば、リソース割り当てサブフィールド(Resource Unit(RU) Allocation subfield)は、RUのサイズ(size)及び位置(location)などを指示できる。このとき、AID12サブフィールドを含むユーザ情報フィールドのRU割り当てサブフィールドの値は、AID12サブフィールドによって指示されるSTAに該当する情報であってよい。すなわち、AID12サブフィールドのRU割り当てサブフィールドによって指示されるRUは、AUD12サブフィールドによって指示されるSTAに割り当てられたRUであってよい。
【0185】
また、ユーザ情報フィールドは、トリガーフレームに対する応答として送信されるTB PPDUの生成のためのコーディング方法(UL FECコーディングタイプ)、変調(modulation)方法(UL HE-MCS、UL DCM)、及び電力(UL Target RSSI)などを指示できる。
【0186】
図17には、本発明の一実施例に係るトリガーベースPPDU(triggered-based(TB) PPDU)フォーマットを指示するための方法を示す。
【0187】
図17を参照すると、一つのSTAは、PPDUの送信を指示するトリガリングフレームによって指示されることに基づき、互いに異なるフォーマットのPPDUを選択的に送信できる。
【0188】
具体的には、EHT STAは、レガシーPPDU(例えば、HE TB PPDU)の他、EHT TB PPDUも選択的に送信でき、NEXT STAは、HE TB PPDU、EHT TB PPDU及び/又はNEXT TB PPDUを選択的に送信できる。この場合、一つのフレーム又は一つのPPDUで複数の標準がそれぞれ適用されるSTAを個別的にスケジュールできる。無線LANにおいて共同のリソースを複数の標準が適用されるSTAが共に用いるので、このような方法は長所になり得る。例えば、HE STA(EHT STA以外のHE STA)、EHT STAを、一つのフレームを用いてHE TB PPDUで応答するようにし得る。すなわち、non-AP STAはトリガリングフレームを送信し、HE STAの他にEHT STAにもHE TB PPDUの送信を指示することができる。
【0189】
また、TB PPDUフォーマットを選択するための情報が、トリガリングフレームであるトリガーフレーム、TRS、トリガーフレームを含むPPDU又はTRS制御サブフィールドを含むPPDUに含まれてよい。すなわち、TB PPDUのフォーマットを選択するための情報をトリガリングフレームに含めてAP STAが少なくとも一つのnon-AP STAに送信し、non-AP STAは、受信したトリガリングフレームに含まれた情報に基づいて、応答するPPDUのフォーマットを選択できる。その後、少なくとも一つのnon-AP STAは、選択されたフォーマットに基づいてPPDUをAPに送信できる。
【0190】
このようなトリガリングフレームに対する応答であるPPDUのフォーマット(TB PPDUフォーマット)に対する情報は、MACレベルに存在してよく、トリガリングフレームの一つであるトリガーフレームは、HEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム及びNEXTトリガーフレームに区別されてよく、それぞれのトリガーフレームに対する応答は、HE TB PPDU、EHT TB PPDU及びNEXT TB PPDUに区別されてよい。
【0191】
また、トリガーフレームをHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム、NEXTトリガーフレームに区別することは、トリガーフレームに対する応答であるTB PPDUフォーマットをそれぞれHE TB PPDU、EHT TB PPDU及びNEXT TB PPDUに区分することと同じ意味であってよい。
【0192】
TB PPDUのフォーマットを区別するためのトリガーフレームのフォーマットがHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム又はNEXTトリガーフレームのいずれのフレームであるかは、MACヘッダーに含まれるフレーム制御フィールド(Frame Control field)に基づいて識別されてよい。具体的には、タイプサブフィールド、サブタイプサブフィールド及び/又は制御フレーム拡張サブフィールド(Control Frame Extension subfield)に基づいてトリガーフレームのフォーマットが区分されてよい。また、タイプサブフィールド、サブタイプサブフィールド及び/又は制御フレーム拡張サブフィールドの値が既に設定された値である場合に、トリガーフレームはHEトリガーフレームと識別され、他の既に設定された値である場合に、トリガーフレームはEHTトリガーフレームと識別されてよい。また、タイプサブフィールド、サブタイプサブフィールド及び/又は制御フレーム拡張サブフィールドの値が他の既に設定された値である場合に、トリガーフレームはNEXTトリガーフレームと識別されてよい。
【0193】
例えば、タイプサブフィールドが01(B3 B2)で、サブタイプサブフィールドが0010(B7 B6 B5 B4)である場合に、タイプサブフィールド及びサブタイプサブフィールドを含むフレームのフォーマットはHEトリガーフレームであってよい。この場合、限定されたビット数が割り当てられたタイプサブフィールド(2ビット)、サブタイプサブフィールド(4ビット)、及び/又は制御フレーム拡張サブフィールド(4ビット)のエントリーをEHT標準、NEXT標準においてさらに用いる必要があり得る。
【0194】
又は、トリガーフレームのフォーマットがHEトリガーフレームであるか又はEHTトリガーフレームであるかは、トリガーフレームに含まれた共通情報フィールドに基づいて識別されてよい。すなわち、共通情報フィールドに含まれた特定サブフィールド(第1サブフィールド)の値に基づいて、トリガーフレームに対する応答として送信されるPPDUのフォーマットが決定されてよい。例えば、共通情報フィールドの値によってnon-AP STAはHE TB PPDU又はEHT TB PPDUを選択し、割り当てられたRUで送信できる。このとき、共通情報フィールドの他、ユーザ情報フィールドの特定サブフィールド(第2サブフィールド)もPPDUのフォーマットを識別するためにさらに用いられてよい。
【0195】
すなわち、トリガーフレームの共通情報フィールドに基づいて、トリガーフレームに対する応答であるPPDUのフォーマットを決定するためのvariantが決定されてよく、決定されたvariantによってPPDUのフォーマットが決定されてよい。例えば、共通情報フィールドによってPPDUのフォーマットを決定するためのvariantがHE variantと決定された場合に、non-AP STAはHE TB PPDUで応答でき、共通情報フィールドによってPPDUのフォーマットを決定するためのvariantがEHT variantと決定されると、non-AP STAはEHT TB PPDUで応答できる。
【0196】
このとき、PPDUのフォーマットを決定するためのvariantは、共通情報フィールドの他にもユーザ情報フィールドがさらに用いられてよい。
【0197】
例えば、トリガーフレームは、トリガータイプサブフィールドに基づいて、HEトリガーフレームであるか又はEHTトリガーフレームであるか又はNEXTトリガーフレームであるかが区分されてよい。例えば、トリガータイプサブフィールド値が既に設定された値である場合に、トリガーフレームはHEトリガーフレームであってよい。また、トリガータイプサブフィールド値が既に設定された値である場合に、トリガーフレームはEHTトリガーフレームであってよい。トリガータイプサブフィールド値が既に設定された値である場合に、トリガーフレームはNEXTトリガーフレームであってよい。
【0198】
例えば、トリガータイプサブフィールド値が0~7である場合にHEトリガーフレームであり、0~7でない場合にEHTトリガーフレーム又はNEXTトリガーフレームであってよい。トリガータイプサブフィールドは種々のトリガーフレームタイプを指示するが、この場合、限定されたトリガータイプサブフィールド空間(Trigger Type subfield space)を用いなければならないという短所がある。
【0199】
さらに他の実施例によれば、トリガーフレームのUL長サブフィールド(Length subfield)に基づいて、HEトリガーフレームであるか又はEHTトリガーフレームであるか又はNEXTトリガーフレームであるかが区分できる。例えば、UL長サブフィールド値をmod(remainder)演算した値に基づいて、HEトリガーフレームであるか又はEHTトリガーフレームであるか又はNEXTトリガーフレームであるかが区分できる。すなわち、UL長サブフィールドの値を用いて、トリガーフレームに対する応答として送信されるPPDUのフォーマットがHE PPDUであるか又はEHT PPDUであるかが決定されてよい。
【0200】
より具体的には、UL長サブフィールド値をmod(remainder)3演算した値(UL長サブフィールドを3で割った時の余り)に基づいて、HEトリガーフレームであるか又はEHTトリガーフレームであるか又はNEXTトリガーフレームであるかが区分できる。例えば、UL長サブフィールド値をmod 3した結果が0でない場合に、トリガーフレームはHEトリガーフレームであってよい。又は、UL長サブフィールド値をmod 3した結果が1である場合に、トリガーフレームはHEトリガーフレームであってよい。又は、UL長サブフィールド値をmod 3した結果が0である場合に、トリガーフレームはHEトリガーフレームでなくてよい。又は、UL長サブフィールド値をmod 3した結果が0である場合に、トリガーフレームはEHTトリガーフレーム又はNEXTトリガーフレームであってよい。
【0201】
すなわち、トリガーフレームのUL長サブフィールドの値をmod 3した値が0でない場合に、トリガーフレームに対する応答はHE TB PPDUで送信されてよく、UL長サブフィールドの値をmod 3した値が1である場合に、トリガーフレームに対する応答はHE TB PPDUで送信されてよい。
【0202】
また、トリガーフレームのUL長サブフィールドの値をmod 3した値が0である場合に、トリガーフレームに対する応答として送信されるPPDUのフォーマットはEHT TB PPDUであってよい。
【0203】
また、このような方法に追加のトリガーフレーム区分方法を共に用いてHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム、NEXTトリガーフレームを区分することが可能である。例えば、図16で説明する区分方法を共に用いてHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム、NEXTトリガーフレームを区分することが可能である。
【0204】
一実施例によれば、トリガーフレームのユーザ情報フィールド(User Info field)に基づいて、トリガーフレームのフォーマットがHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム又はNEXTトリガーフレームであるかが区分されてよい。
【0205】
すなわち、前述の共通情報フィールドと同様に、トリガフレームのフォーマットがHEトリガフレームであるか又はEHTトリガフレームであるかは、トリガフレームに含まれたユーザ情報フィールドに基づいて識別することができる。すなわち、ユーザ情報フィールドに含まれる特定のサブフィールド(第2サブフィールド)の値に基づいて、トリガフレームに応答として送信されるPPDUのフォーマットが決定されてよい。例えば、ユーザ情報フィールドの値によって、non-AP STAはHE TB PPDU又はEHT TB PPDUを選択し、割り当てられたRUで送信することができる。この場合、ユーザ情報フィールドの他にも共通情報フィールドの特定のサブフィールド(第1サブフィールド)がPPDUのフォーマットを識別するためにさらに用いられてよい。
【0206】
すなわち、トリガーフレームのユーザ情報フィールドに基づいて、トリガーフレームに対する応答であるPPDUのフォーマットを決定するためのvariantが決定されてよく、決定されたvariantによってPPDUのフォーマットが決定されてよい。例えば、ユーザ情報フィールドによって、PPDUのフォーマットを決定するためのvariantがHE variantと決定された場合に、non-AP STAはHE TB PPDUで応答でき、ユーザ情報フィールドによって、PPDUのフォーマットを決定するためのvariantがEHT variantと決定されると、non-AP STAはEHT TB PPDUで応答できる。
【0207】
このとき、PPDUのフォーマットを決定するためのvariantは、ユーザ情報フィールドの他にも共通情報フィールドがさらに用いられてよい。
【0208】
例えば、AID12サブフィールドに基づいて、HEトリガーフレームであるか又はEHTトリガーフレームであるか又はNEXTトリガーフレームであるかが区分されてよい。一実施例によれば、既に設定された値のAID12サブフィールドを含むか否かによって、HEトリガーフレームであるか又はEHTトリガーフレームであるか又はNEXTトリガーフレームであるかが区分されてよい。また、この場合、あるユーザ情報フィールドによって指示されたSTAが、トリガーフレームフォーマットを決定するために前記ユーザ情報フィールド後に存在するAID12サブフィールドを継続して確認すべきか否かが問題になり得る。このような問題を解決するために、どのトリガーフレームであるかを指示するAID12サブフィールドを含むユーザ情報フィールドは、ユーザ情報リストの前方に存在してよい。また、このようなシグナリング方法を理解できないHE STAが誤動作することを防止するために、HE STAに該当するユーザ情報フィールド後に、どのトリガーフレームであるかを指示するAID12サブフィールドを含むユーザ情報フィールドが存在することが可能である。
【0209】
また、このとき、ユーザ情報フィールドに含まれるAID12サブフィールド以外の他のサブフィールドの情報はTB PPDU応答に不要であり得るので、どのトリガーフレームであるかを指示するAID12サブフィールドを含むユーザ情報フィールドのサブフィールドは省略されてよい。すなわち、ユーザ情報フィールドの長さがAID12サブフィールドに基づいて異なってよい。 図17を参照すると、AID12サブフィールドは、応答するTB PPDUフォーマットを指示する役割を担うことができる。例えば、AID12サブフィールドが既に設定された値である場合に、前記既に設定された値に設定された前記AID12サブフィールドを含むトリガーフレームに対する応答は、EHT TB PPDUであってよい。例えば、AID12サブフィールド値が2047である場合に、前記AID12サブフィールドを含むトリガーフレームに対する応答は、EHT TB PPDUであってよい。また、AID12サブフィールドが既に設定された値である場合に、前記既に設定された値に設定された前記AID12サブフィールドを含むトリガーフレームに対する応答は、NEXT TB PPDUであってよい。例えば、AID12サブフィールド値が2048である場合に、前記AID12サブフィールドを含むトリガーフレームに対する応答は、NEXT TB PPDUであってよい。
【0210】
さらに他の実施例によれば、既に設定された値のAID12サブフィールドから既に設定された位置に存在するユーザ情報フィールドに基づいて応答する場合に、前記既に設定された値に該当するTB PPDUフォーマットで応答できる。例えば、既に設定された値のAID12サブフィールドよりも後に存在するユーザ情報フィールドに基づいて応答する場合に、前記既に設定された値に該当するTB PPDUフォーマットで応答できる。仮に、TB PPDUフォーマットを指示する値が複数個存在する場合に、既に設定された値1及び既に設定された値2の両方よりも後に存在するユーザ情報フィールドに基づいて応答する場合に、前記既に設定された値1に該当するTB PPDUフォーマット及び前記既に設定された値2に該当するTB PPDUフォーマットのうち、既に設定された優先順位に従うTB PPDUフォーマットで応答できる。 図17を参照すると、2047に設定されたAID12サブフィールドよりも後に存在するユーザ情報フィールドに基づいて応答する場合に、EHT TB PPDUで応答できる。また、2048に設定されたAID12サブフィールドよりも後に存在するユーザ情報フィールドに基づいて応答する場合に、NEXT TB PPDUで応答できる。また、2047に設定されたAID12サブフィールドと2048に設定されたAID12サブフィールドの両方よりも後に存在するユーザ情報フィールドに基づいて応答する場合に、NEXT TB PPDUで応答できる。また、2047に設定されたAID12サブフィールドと2048に設定されたAID12サブフィールドの両方よりも前に存在するユーザ情報フィールドに基づいて応答する場合に、HE TB PPDUで応答できる。
【0211】
本実施例において、AID12サブフィールドがトリガーフレームの種類を指示する例を取り上げたが、本発明はこれに限定されず、ユーザ情報フィールドの他のサブフィールドでトリガーフレームの種類を指示することも可能である。
【0212】
一実施例によれば、トリガーフレームのパディングフィールドに基づいて、HEトリガーフレームであるか又はEHTトリガーフレームであるか又はNEXTトリガーフレームであるかが区分されてよい。例えば、パディングフィールドがHEトリガーフレームであるか又はEHTトリガーフレームであるか又はNEXTトリガーフレームであるか指示する既に設定された値を含むか否かによって、HEトリガーフレームであるか又はEHTトリガーフレームであるか又はNEXTトリガーフレームであるかを決定できる。
【0213】
本発明の実施例によれば、本発明で説明する複数のトリガーフレーム区分方法を結合してHEトリガーフレーム、EHTトリガーフレーム、NEXTトリガーフレームを区分することが可能である。また、本発明においてトリガーフレームについて説明した内容は上記に限定されず、TRSに対しても適用可能である。
【0214】
本発明のさらに他の実施例として、APは、トリガリングフレームを用いて前記EHT PPDU及び前記HE PPDUの送信を共に指示できないことがある。すなわち、EHT APは、HE TB PPDUとEHT TB PPDUを共に指示するトリガーフレームを送信できず、一つのPPDUフォーマットのみ指示できる。
【0215】
図18には、本発明のさらに他の一実施例に係るUL MU動作を示す。
【0216】
前述したように、トリガーフレームの他、TRSによってもTB PPDUの送信を指示できる。また、TRSは、前述したようにHT制御フィールドに含まれてよい。例えば、HT制御フィールドがA-制御フィールドを含むとき、TRSを含むことが可能である。TRSは、TRS制御サブフィールドによって伝達されることが可能である。A-制御フィールドは、制御リストフィールドが連続して続く形態であってよい。また、制御リストフィールドがTRSを含んでよい。
【0217】
また、TRSを含むフレームの受信者(indented receiver)がTRSに応答することが可能である。例えば、TRSを含んでいるフレームが含むRAに該当するSTAがTRSに応答することが可能である。TRSは、前記TRSに応答するPPDU又はフレームの長さに関する情報(UL Data Symbols)、前記TRSに応答する時に用いるRUの位置及びサイズ(RU Allocation)、前記TRSに応答する時に電力(power)に関する情報(AP Tx Power、UL Target RSSI)、前記TRSに応答する時にモジュレーション(modulation)方法に関する情報(UL HE-MCS)などを含んでよい。
【0218】
図18の実施例は、図14図15で説明した問題を解決するための方法であり得る。また、前述したように、上記のトリガーフレームに関する実施例をTRSにも適用可能である。また、前述した内容は省略可能である。
【0219】
本発明の一実施例によれば、HE標準で定義したTRS(HE TRS)の他、EHT標準又はNEXT標準で定義するTRS(それぞれ、EHT TRS、NEXT TRS)も存在することが可能である。したがって、指示したTRSがHE TRS、EHT TRS、NEXT TRSのいずれかによって、前記TRSに応答するTB PPDUがそれぞれHE TB PPDU、EHT TB PPDU、又はNEXT TB PPDUであってよい。例えば、どの標準で定義したTRSであるかは、A-制御サブフィールドのControl IDサブフィールドによって決定することが可能である。追加の実施例として、TRSは、HE TRSとHE TRS以外のTRSの2つに分けることが可能である。
【0220】
又は、例えば、どの標準で定義したTRSであるかは、HT制御フィールドがHE variantか、EHT variantか、又はNEXT variantかによって決定されてよい。また、HT制御フィールドの既に設定されたビットの値によって、HE variantか、EHT variantか、又はNEXT variantかが決定されてよい。例えば、HT制御フィールドのB0、B1が1、1である場合に、HE variantであってよい。また、HT制御フィールドのB0、B1と追加のビット(例えば、B31)を用いて、HE variantか、EHT variantか、又はNEXT variantかが決定できる。
【0221】
本発明の一実施例によれば、TRSが含まれたPPDUフォーマットに基づいて、前記TRSに応答するTB PPDUフォーマットを決定することが可能である。すなわち、PPDUの送信を指示するPPDUがTRS制御サブフィールドを含む場合に、PPDUのフォーマットは、TRS制御サブフィールドを含むPPDUのフォーマットに基づいて決定されてよい。例えば、TRS制御サブフィールドを含むPPDUのフォーマットがHE PPDUである場合に、指示されるPPDUのフォーマットはHE PPDUであってよい。しかし、TRS制御サブフィールドを含むPPDUのフォーマットがEHT PPDUである場合に、指示されるPPDUのフォーマットはEHT PPDUであってよい。
【0222】
図18を参照すると、TRSがHE PPDUで伝達された場合に、前記TRSに応答するTB PPDUはHE TB PPDUであってよい。また、TRSがEHT PPDUで伝達された場合に、前記TRSに応答するTB PPDUはEHT TB PPDUであってよい。また、TRSがNEXT PPDUで伝達された場合に、前記TRSに応答するTB PPDUはNEXT TB PPDUであってよい。
【0223】
本発明の実施例によれば、TRSが含まれたPPDUフォーマットに基づいて、前記TRSが含むサブフィールドを異なるように解析できる。例えば、TRSがHE PPDUに含まれた場合に、TRSが含むUL HE-MCSサブフィールド(又は、MCSに関するサブフィールド)は、HE MCSテーブルに該当する値を指示できる。TRSがEHT PPDUに含まれた場合に、TRSが含むUL HE-MCSサブフィールド(又は、MCSに関するサブフィールド)は、EHT MCS tableに該当する値を指示できる。TRSがNEXT PPDUに含まれた場合に、TRSが含むUL HE-MCSサブフィールド(又は、MCSに関するサブフィールド)は、NEXT MCSテーブルに該当する値を指示できる。また、RU Allocationサブフィールドも、TRSが含まれたPPDUフォーマットに基づいて異なるように解析されてよい。
【0224】
図19には、本発明の一実施例に係る高い優先順位フレーム(high priority frame)の終了時間整列(end time alignment)を示す。
【0225】
本発明の実施例において、PPDUの送信終了時間を整列すること又は整列されたことを、終了時間整列、end time alignment、PPDU end time alignment、ending time alignmentなどと呼ぶことができる。
【0226】
本発明の一実施例によれば、MLDが複数のPPDUを送信する時に、前記複数のPPDUに高い優先順位フレームが含まれるか否かに基づいて、end time alignmentをするか否かを決定することができる。又は、MLDが複数のPPDUを送信する時に、前記複数のPPDUに高い優先順位フレームが含まれるか否かに基づいてend time alignment動作が異なってよい。また、本発明において、end time alignmentは、整列するPPDUの終了時間差が、既に設定された時間以下であることを意味できる。
【0227】
本発明の実施例において、MLDが複数のPPDUを同時に送信し始めることが可能である。また、MLDが送信する複数のPPDUの送信開始時間が正確に同一であるか又は複数の送信開始時間差が既に設定された時間以下である場合に、同時に送信し始めることといえる。また、MLDが複数のPPDUを同時に送信し始めることを、start time syncと呼ぶことができる。
【0228】
フレームが高い優先順位フレームであるか否かは、前記フレームに該当するTID(traffic identifier)又はAC(access category)に基づき得る。また、フレームが高い優先順位フレームであるか否かは、前記フレームのtype及びsubtypeに基づき得る。フレームのtype及びsubtypeはフレームのMAC headerで指示されてよい。又は、フレームは、割り当てられた時間区間内に送信される場合に、高い優先順位フレームであり得る。このとき、高い優先順位フレームの送信のための時間割り当ては、APによってなされてよい。また、一実施例によれば、フレームが高い優先順位フレームであるか否かは、絶対的な基準が存在してよい。例えば、既に設定されたTID又は既に設定されたACに該当するフレームは高い優先順位フレームであってよい。他の実施例によれば、フレームが高い優先順位フレームであるか否かは、他のフレームに相対的なものであってよい。例えば、フレームが高い優先順位フレームであるか否かは、前記フレームが他のリンクで送信されるフレームに対して高い優先順位であるかに基づいて決定されてよい。又は、フレームが高い優先順位フレームであるか否かは、送信者が判断してよい。
【0229】
また、non-STR MLDは、使用するリンク対(link pair)で同時に送信、受信することが制限されるMLDであってよい。このとき、同時に送信、受信することが制限されるリンク対を、non-STRリンク対又はNSTRリンク対と呼ぶことができる。逆に、同時に送信、受信することが制限されないリンク対を、STRリンク対と呼ぶことができる。
【0230】
本発明の実施例によれば、MLDが複数のPPDUを送信する時に送信するPPDUに高い優先順位フレームが含まれる場合に、end time alignmentを行わなくてよい。例えば、前記複数のPPDUが、同一MLDに属したSTAに送信されるものである時にも高い優先順位フレームが含まれる場合に、end time alignmentを行わなくてよい。また、複数のPPDUを送信するMLD又は受信するMLDの両方がSTRリンク対で動作しなくとも(すなわち、少なくとも一方のMLDはNSTRリンク対で動作しても)、高い優先順位フレームが含まれる場合に、end time alignmentを行わなくてよい。
【0231】
本発明の実施例によれば、MLDが複数のPPDUを送信する時に送信するPPDUに高い優先順位フレームが含まれる場合に、end time alignmentを行わないことは、高い優先順位フレームを含むPPDUが高い優先順位フレームを含まないPPDUよりも先に送信され始めた場合に限定されてよい。
【0232】
図19を参照すると、AP1とAP2の属したAP MLDが存在している。また、STA1とSTA2の属したnon-AP MLDが存在している。AP MLDとnon-AP MLDは、リンク1とリンク2で多重リンクセットアップ(multi-link setup)されていてよい。また、non-AP MLDに対してリンク1とリンク2はNSTRリンク対であってよい。AP1とSTA1はリンク1で動作でき、AP2とSTA2はリンク2で動作できる。AP MLDは複数のPPDUを送信できる。AP1が送信するPPDUとAP2が送信するPPDUとの時間が重なることがある。また、AP1が送信するPPDUは高い優先順位フレームを含まないことがある。AP2が送信するPPDUは高い優先順位フレームを含むことがある。また、AP1が送信するPPDUとAP2が送信するPPDUはstart time syncされるか、AP2が送信するPPDUがAP1が送信するPPDUよりも先に始めたものであることがある。このような場合に、AP1が送信するPPDUとAP2が送信するPPDUをend time alignmentしなくてよい。図19を参照すると、AP2が送信するPPDUがAP1が送信するPPDUよりも遅く終了している。仮に、AP1が送信するPPDUとAP2が送信するPPDUとをend time alignmentする場合に、AP2は、送信しようとする高い優先順位フレームを全て1つのPPDUで送信できずにPPDUを終了させなければならないことがある。したがって、高い優先順位フレームを含むPPDUに対してend time alignmentを行わないことで、高い優先順位フレームを速く送信することが可能である。
【0233】
また、図19の実施例において、AP1の送信するフレームは即刻応答(immediate response)を要求してよい。AP2の送信するフレームは即刻応答を要求してよい。
【0234】
しかしながら、図19の実施例において、STA1が、AP1の送信したフレームに対して応答することにより、高い優先順位フレームの受信を妨害することがある。
【0235】
したがって、本発明の実施例によれば、MLDのSTAは、他のリンクで高い優先順位フレームを受信している場合に、即刻応答を送信するように要求されても応答しなくてよい。図19の実施例において、STA2が高い優先順位フレームを受信しているので、STA1は、AP1の送信したフレームが要求する即刻応答を送信しなくてよい。
【0236】
また、本発明の実施例によれば、MLDがNSTRリンク対でフレームを受信したし、前記フレームが即刻応答を要求した時に、前記フレームに対する応答が他のリンクでの受信を妨害する場合に、応答しなくてよい。しかし、本発明の実施例によれば、これは、前記フレームが高い優先順位フレームでない場合に限定されることであってよい。すなわち、MLDがNSTRリンク対でフレームを受信したし、前記フレームが即刻応答を要求した時に、前記フレームに対する応答が他のリンクでの受信を妨害しても、必ず応答しなければならないことがある。
【0237】
図20には、本発明の一実施例に係る高い優先順位フレームの終了時間整列のさらに他の例を示す。
【0238】
本実施例は、end time alignment又はPPDUの終了時間と関連していてよく、送信MLD又は受信MLDがNSTRリンク対で動作すること、PPDUが即刻応答(immediate response)を要求するフレームを含むこと、PPDUがQoS Dataフレームを含むこと、PPDUが即刻応答を要求するQoS Dataフレームを含むこと、複数のPPDUを同一MLDのSTAが送信し、複数のPPDUを同一MLDのSTAが受信すること、などの関連した条件は、言及を省略してもよい。説明する実施例は、このような条件を満たす場合に行ってよい。
【0239】
図20を参照すると、AP1とAP2の属したAP MLDが存在している。また、STA1とSTA2の属したnon-AP MLDが存在している。AP MLDとnon-AP MLDは、リンク1とリンク2で多重リンクセットアップされていてよい。また、non-AP MLDに対してリンク1とリンク2はNSTRリンク対であってよい。AP1とSTA1はリンク1で動作でき、AP2とSTA2はリンク2で動作できる。AP MLDは複数のPPDUを送信できる。AP1の送信するPPDUとAP2の送信するPPDUとの時間が重なることがある。また、AP1の送信するPPDUは、高い優先順位フレームを含んでよい。AP2の送信するPPDUは、高い優先順位フレームを含まなくてよい。また、AP1の送信するPPDUとAP2の送信するPPDUとがstart time syncされていてもよく、AP1の送信するPPDUがAP2の送信するPPDUよりも先に始めていてもよい。
【0240】
図20(a)に示すCase 1と 図20(b)に示すCase 2は、end time alignmentを行わない実施例であってよい。
【0241】
Case 1は、AP2の送信したPPDUがAP1の送信したPPDUよりも後に終了している。このような場合、高い優先順位フレームは、デバイス内干渉(in-device interference)によって受信が妨害されることがない。しかし、高い優先順位フレームを含むPPDUに対する応答が、高い優先順位フレームを含まないPPDUの受信を妨害することがある。
【0242】
Case 2は、AP2の送信したPPDUがAP1の送信したPPDUよりも先に終了している。このような場合、AP2の送信したPPDUが即刻応答を要求する場合に、また、STA2が応答を送信した場合に、STA2の送信がリンク1で高い優先順位フレームの受信を妨害することがある。このため、高い優先順位フレームが早く受信に成功できないことがある。
【0243】
図20(c)に示すCase 3は、end time alignmentを行う実施例であってよい。したがって、高い優先順位フレームを含むPPDUを受信する時に、デバイス内干渉によって妨害を受けずに済む。Case 2のように高い優先順位フレームの受信が妨害される問題を解決することができる。
【0244】
本発明の一実施例によれば、高い優先順位フレームを含むPPDUを複数個送信する時も、既に設定された条件に基づいて、end time alignmentを行うか否かを決定することが可能である(Case 3)。より具体的には、高い優先順位フレームを含むPPDUを複数個送信する時にも、既に設定された条件でend time alignmentを行うことが可能である(Case 3)。このとき、少なくとも1つのPPDUが高い優先順位フレームを含む場合であってよい。既に設定された条件は、一つのPPDUは高い優先順位フレームを含み、他のPPDUは高い優先順位フレームを含まない場合を含んでよい。既に設定された条件は、高い優先順位フレームを含むPPDUが、高い優先順位フレームを含まないPPDUよりも先に送信され始めるか又は同時に送信され始める場合を含んでよい。また、既に設定された条件は、高い優先順位フレームを含まないPPDUのフレームが即刻応答を要請する場合を含んでよい。
【0245】
また、言及した既に設定された条件を組み合わせてend time alignmentを行うか否かを判断することができる。例えば、高い優先順位フレームを含むPPDU 1と高い優先順位フレームを含まないPPDU 2を送信する場合に、PPDU 1がPPDU 2よりも先に始めているか又は同時に始める場合に、PPDU 1とPPDU 2とをend time alignmentすることが可能である。より具体的には、高い優先順位フレームを含むPPDU 1と高い優先順位フレームを含まないPPDU 2を送信する場合に、PPDU 1がPPDU 2よりも先に始めているか又は同時に始める場合に、PPDU 2の含むフレームが即刻応答を要求すれば、PPDU 1とPPDU 2とをend time alignmentすることが可能である。また、end time alignmentする条件を満たさない場合に、end time alignmentを行わなくてよい。
【0246】
本発明の他の実施例によれば、高い優先順位フレームを含むPPDUを複数個送信する時にも、既に設定された条件に基づいて、end time alignmentを行うか否かを決定するか、PPDUをいつ終了するかを決定することが可能である(Case 1又はCase 3)。より具体的には、高い優先順位フレームを含むPPDUを複数個送信する時にも、既に設定された条件でend time alignmentを行うか、1つのPPDUの終了時点を決定することが可能である(Case 1又はCase 3)。より具体的には、高い優先順位フレームを含むPPDUを複数個送信する時にも、既に設定された条件でend time alignmentを行うか、高い優先順位フレームを含まないPPDUを、高い優先順位フレームを含むPPDUよりも後に終了することが可能である。既に設定された条件は、一つのPPDUは高い優先順位フレームを含み、他のPPDUは高い優先順位フレームを含まない場合を含んでよい。既に設定された条件は、高い優先順位フレームを含むPPDUが高い優先順位フレームを含まないPPDUよりも先に送信され始めるか又は同時に送信され始める場合を含んでよい。また、既に設定された条件は、高い優先順位フレームを含まないPPDUのフレームが即刻応答を要請する場合を含んでよい。
【0247】
また、言及した既に設定された条件を組み合わせてend time alignmentを行うか否かを判断することができる。例えば、高い優先順位フレームを含むPPDU 1と高い優先順位フレームを含まないPPDU 2を送信する場合に、PPDU 1がPPDU 2よりも先に始めているか又は同時に始める場合に、PPDU 1とPPDU 2とをend time alignmentするか、PPDU 2をPPDU 1よりも後に終了することが可能である。より具体的には、高い優先順位フレームを含むPPDU 1と高い優先順位フレームを含まないPPDU 2を送信する場合に、PPDU 1がPPDU 2よりも先に始めているか又は同時に始める場合に、PPDU 2に含まれたフレームが即刻応答を要求すれば、PPDU 1とPPDU 2とをend time alignmentするか、PPDU 2がPPDU 1よりも後に終了することが可能である。また、end time alignmentするか、又は一つのPPDUを他のPPDUよりも後に終了する条件を満たさない場合に、送信終了時間に対する制約がなくてよい。又は、end time alignmentするか、又は一つのPPDUを他のPPDUよりも後に終了する条件を満たさない場合に、必ずend time alignmentを行ってよい。
【0248】
図21には、本発明の一実施例に係る高い優先順位フレームの終了時間整列のさらに他の例を示す。
【0249】
図21の実施例では、図20などで説明した内容は言及を省略してもよい。本実施例は、end time alignment又はPPDUの終了時間と関連していてよく、送信MLD又は受信MLDがNSTRリンク対で動作すること、PPDUが即刻応答を要求するフレームを含むこと、PPDUがQoS Dataフレームを含むこと、PPDUが即刻応答を要求するQoS Dataフレームを含むこと、複数のPPDUを同一MLDのSTAが送信し、複数のPPDUを同一MLDのSTAが受信すること、などの関連した条件は、言及を省略してよい。説明する実施例は、このような条件を満たす場合に行うものであってよい。
【0250】
本発明の一実施例によれば、高い優先順位フレームを含むPPDUを複数個送信する時に、少なくとも2つのPPDUが高い優先順位フレームを含んでいるかに基づいて、end time alignmentを行うか否かを決定するか、PPDUをいつ終了するのかを決定することが可能である。又は、高い優先順位フレームを含むPPDUを複数個送信する時に、少なくとも2つのPPDUが高い優先順位フレームを含んでいるかに基づいて、end time alignmentを行うか否かを決定することが可能である。
【0251】
一実施例によれば、MLDが複数のPPDUを送信する時に送信する2つ以上のPPDUが高い優先順位フレームを含む場合に、PPDU終了時間に対する制約がなくてよい。例えば、このような場合に、前述したend time alignmentをはじめとするPPDU終了時間に対する制約を実行する条件を満たす場合にも、PPDU終了時間に対する制約が存在しなくてよい。例えば、一つのMLDが同一MLDに属したSTAに即刻応答を要求するフレーム(例えば、QoS Dataフレーム)を含むPPDUを送信し、これらのSTAがNSTRリンク対で動作しても、送信するPPDUに対してend time alignmentを行わなくてよい。これは、end time alignmentをするためには、パディング(padding)などのリダンダンシー(redundancy)をPPDUに含めなければならないことがあり、それだけにリダンダンシーが含まれたPPDUのフレームを受信完了する時点が遅れることがあるためである。また、end time alignmentをしない場合に、いずれか1つのPPDUがデバイス内干渉によって受信が妨害されることがあるためである。したがって、PPDUの終了時間に対する制約を適用するか否かを、送信するMLDが決定することが可能である。又は、PPDUの終了時間に対する制約に対して、受信するMLDが推奨(recommendation)することが可能であってよい。
【0252】
さらに他の実施例によれば、MLDが複数のPPDUを送信する時に、送信する2つ以上のPPDUが高い優先順位フレームを含む場合に、複数のPPDUに対してend time alignmentを行うことが可能である。例えば、MLDが2つのPPDUを送信する時に、送信する2つのPPDUがそれぞれ高い優先順位フレームを含む場合に、複数のPPDUに対してend time alignmentを行うことが可能である。これは、end time alignmentをしない場合に、いずれか1つのPPDUがデバイス内干渉によって受信が妨害されるためである。また、この実施例を、高い優先順位フレームを含む少なくとも2つのPPDUがいずれも即刻応答を要求する場合に限って適用できる。例えば、MLDが2つのPPDUを送信する時に、送信する2つのPPDUがそれぞれ高い優先順位フレームを含み、且つ即刻応答を要求する場合に、2つのPPDUに対してend time alignmentを行うことが可能である。
【0253】
図21を参照すると、AP1とAP2の属したAP MLDが存在している。また、STA1とSTA2の属したnon-AP MLDが存在している。AP MLDとnon-AP MLDはリンク1とリンク2で多重リンクセットアップされていてよい。また、non-AP MLDに対してリンク1とリンク2はNSTRリンク対であってよい。AP1とSTA1はリンク1で動作でき、AP2とSTA2はリンク2で動作できる。AP MLDは複数のPPDUを送信できる。AP1が送信するPPDUとAP2が送信するPPDUの時間が重なることがある。また、AP1が送信するPPDUとAP2が送信するPPDUは、高い優先順位フレームを含んでよい。また、AP1が送信するPPDUとAP2が送信するPPDUはstart time syncされていてもよく、されていなくてもよい。このような場合、AP1が送信するPPDUとAP2が送信するPPDUとをend time alignmentして送信できる。これは、AP1の送信するPPDUとAP2の送信するPPDUがそれぞれ即刻応答を要求するためである。このとき、AP1の送信するPPDUに含まれた高い優先順位フレームが即刻応答を要求するものであってよい。また、AP2の送信するPPDUに含まれた高い優先順位フレームが即刻応答を要求するものであってよい。
【0254】
図19図21の実施例において、PPDUが高い優先順位フレームを含むということは、PPDUが少なくとも1つの高い優先順位フレームを含むことを意味できる。また、PPDUが高い優先順位フレームを含まないということは、PPDUが高い優先順位フレームを一つも含まないことを意味できる。
【0255】
図22は、本発明の一実施例に係るメディアアクセス復旧手順(medium access recovery procedure)の一例を示す図である。
【0256】
本発明の一実施例によれば、MLD(multi-link device)が複数のリンクで同時に送・受信することが制限されてよい。制限されることは不可なことであってよい。また、同時に送・受信することは、少なくとも同時に(同一時点に)一つのリンクで送信し、他の少なくとも一つのリンクで受信することを含んでよい。また、複数のリンクで同時に送・受信することが制限されるか否かは、MLDのcapability及び各リンクに基づき得る。すなわち、複数のリンクで同時に送・受信することが制限されるMLDが存在してもよく、制限されないMLDが存在してもよい。また、MLDが或るリンクセットで動作する時に、複数のリンクで同時に送・受信することが制限されてもよく、前記MLDが前記或るリンクセットと異なるリンクセットで動作する時に、複数のリンクで同時に送・受信することが制限されなくてもよい。また、複数のリンクで同時に送/受信することが可能である場合に、これをSTR(simultaneous transmit(transmission) and receive(reception))と呼ぶことができる。STRが制限されることは、non-STR又はNSTRと呼ぶいうことができる。
【0257】
すなわち、同一MLDに含まれたSTAのそれぞれが複数個のリンクのそれぞれで同時に送/受信できる場合に、これをSTRと呼ぶことができ、このようなSTR動作が可能なリンクの対をSTRリンク対と呼ぶことができる。しかし、同一MLDに含まれたSTAのそれぞれが各リンクで送/受信動作を行う場合に、送/受信動作の干渉によって他のリンクでの送/受信が不可であれば、これをNSTRと呼ぶことができ、このようなNSTR動作に対するリンクの対を、NSTRリンク対と呼ぶことができる。
【0258】
STRが制限されないことを、STRと呼ぶことができる。また、或るMLDに対してSTRが制限されるか又は制限されないリンク対をそれぞれ、STRリンク対又はNSTRリンク対と呼ぶことができる。また、STRが制限されるか又は制限されないMLDをそれぞれ、STR MLD又はNSTR MLDと呼ぶことができる。MLDは、動作するリンクセットのうち少なくとも一つのリンク対がNSTRリンク対であるとき、NSTR MLDであってよい。本発明の実施例において、NSTR(又は、STR)リンク対で動作するMLDに対して記述したものは、NSTR(又は、STR)MLDに対して記述した実施例とも読むことができる。逆に、NSTR(又は、STR)MLDに対して記述したものは、NSTR(又は、STR)リンク対で動作するMLDに対して記述した実施例とも読むことができる。
【0259】
STRが制限されることは、MLDが一つのリンクでの送信が他のリンクに対して干渉として作用するためであり得る。より具体的には、STRが制限されることは、MLDの一つのリンクでの送信が、前記MLDが他のリンクで行われる受信に対して干渉として作用するためであり得る。このような干渉をデバイス内(in-device)干渉と呼ぶことができる。また、さらに他の実施例として、STRが制限されることは、MLDのラジオ(radio)の個数が制限されるためであり得る。例えば、単一ラジオ(single radio)で動作するMLDは、STRが制限されてよい。単一ラジオで動作するMLDは、1回に1つのリンクでのみ受信又は送信することが可能であり得る。又は、単一ラジオで動作するMLDは、複数のリンクで同時にリスニング(listening)又はモニタリング(monitoring)することが可能であるが、1回に1つのリンクでのみ受信又は送信することが可能であってよい。このとき、リスニング又はモニタリングは、既に設定された設定からなるPPDU又はフレームを受信することを意味できる。
【0260】
本発明の実施例によれば、MLDがNSTRリンク対で同時に送・受信することがないようにPPDUのend time alignmentを行うことができる。一実施例によれば、MLD1が複数のリンクで複数のPPDUをMLD2に送信できる。このとき、MLD1又はMLD2に対して複数のリンクに含まれたリンク対がNSTRリンク対である場合に、NSTRリンク対で送信されるPPDUのend time alignmentを行うことができる。PPDUのend time alignmentは、複数PPDUの終了時間の差を、既に設定された時間以下に合わせることであってよい。既に設定された時間は、8usであってよい。又は、PPDUがTriggerフレームを含み、Triggerフレームに含まれたCS Requiredサブフィールド(Triggerフレームに応答するか或いはキャリアセンス(carrier sense,CS)に基づいて決定するかを指示するサブフィールド)がCS結果に基づいて応答することを指示する場合に、既に設定された時間は、4usであってよい。PPDUがTriggerフレームを含み、Triggerフレームに含まれたCS Requiredサブフィールド(Triggerフレームに応答するか或いはCSに基づいて決定するかを指示するサブフィールド)がCS結果に基づいて応答することを指示する場合に、このようなPPDUよりも他のPPDUが先に終了し、これらをend time alignmentすると、既に設定された時間は4usであってよい。前記MLDは、即刻応答を要求するフレームを搬送する1つ以上のPPDUの終了時間が、CS Requiredサブフィールドが1に設定されたTriggerフレームを含む或るPPDUの終了時間よりも最大で4us早いことを保証しなければならない。また、PPDUのend time alignmentを行うことは、前記PPDUのうち少なくとも1つのPPDUが含むフレームが即刻応答を要求(solicit)する場合に限定されてよい。又は、PPDUのend time alignmentを行うことは、前記PPDUのうち少なくとも2つのPPDUが含むフレームが即刻応答を要求する場合に限定されてよい。End time alignmentを行うためにパディング(padding)を追加することが可能である。
【0261】
本発明の実施例によれば、MLDは、複数のリンクでPPDUを送信する時にstart time syncを行うことが可能である。前記MLDは、NSTRリンク対で動作するMLDであってよい。MLDは、各リンクでバックオフ手順(backoff procedure)又はバックオフカウンタ(backoff counter)に基づいて送信機会を得、PPDUを送信することが可能である。例えば、バックオフカウンタが0になったスロット境界(slot boundary)でPPDUを送信することが可能である。これは、DCF(distributed coordination function)を用いる場合であってよい。又は、バックオフカウンタが0になったスロット境界の次のスロット境界でPPDUを送信することが可能である。これは、EDCA(enhanced distributed channel access;EDCAF(EDCA function))を用いる場合であってよい。しかし、NSTRリンク対で動作するMLDは、一つのリンクでPPDUを送信し始めると他のリンクに影響を及ぼしてbusyと判断し、前記他のリンクで前記PPDUと同時に送信し難い問題があり得る。したがって、本発明の実施例によれば、バックオフカウンタが0に到達したSTAが送信を行わずにバックオフカウンタ0を保つことができる。また、バックオフカウンタ0を保つSTAは、同一MLDに属したSTAがバックオフカウンタが0に到達する時に送信することが可能である。
【0262】
本発明の一実施例によれば、NSTRリンク対で動作するMLDは、NSTRリンク対を構成するリンク1、リンク2がある場合に、リンク1で送信をすると、リンク2で受信し難いことがある。したがって、リンク2で、他のSTAから送信されるPPDU又はフレームの期間情報(duration information)を受信し難いことがある。リンク2でこのようなことが発生する場合に、NSTRリンク対で動作するMLDのリンク2で動作するSTAは、メディア同期(medium synchronization)を失ったと表現できる。又は、リンク2でこのようなことが発生する場合に、NSTRリンク対で動作するMLDのリンク2で動作するSTAがブラインド(blind)されたと表現できる。このような場合、NSTRリンク対で動作するMLDのリンク2で動作するSTAは、送信された期間情報を受信できず、もし期間情報を受信した場合であれば行うべきだったチャネルアクセス(channel access)を延期(defer)する動作をしないことがある。このため、他のSTAの送信及び受信を妨害することがある。
【0263】
図22を参照すると、リンク1、リンク2のそれぞれで動作するAP1、AP2が存在してよく、AP1とAP2は、同一MLDであるAP MLDに属していてよい。また、リンク1、リンク2のそれぞれで動作するSTA1、STA2が存在してよく、STA1とSTA2は、同一MLDであるnon-AP MLDに属していてよい。また、AP MLDとnon-AP MLDはリンク1とリンク2で多重リンクセットアップしていてよい。また、non-AP MLDはNSTR MLDであってよい。又は、non-AP MLDに対してリンク1とリンク2はNSTRリンク対であってよい。STA1がData 1を送信することができる。このような場合、Data 1を送信することは、STA2に干渉として作用することがある。したがって、STA2は、Data 1が送信される区間でブラインドであってよい。
【0264】
本発明の実施例によれば、STAがブラインドである間にSTAが期間情報を受信できないことから発生する問題を緩和するために、STAは一定時間間チャネルアクセスが制限されてよい。このようなこ一定時間をMediumSyncDelayと呼ぶことができる。又は、一定時間でチャネルアクセスが制限されることを、MediumSyncDelayを適用するといえる。一実施例によれば、一定時間でMediumSyncDelayを適用するために、MediumSyncDelay timerを0でない値に設定し、timerが0でない値である間にMediumSyncDelayを適用することができる。また、一定時間は、ブラインドが解除される時に始まってよい。又は、一定時間は、ブラインドを誘発した送信が終了した時点に始まってよい。 図22を参照すると、Data 1の送信が終了した後に、STA2はMediumSyncDelay timerを0でない値に設定できる。このとき、MediumSyncDeley timerをMediumSyncDelay値に設定できる。STA2は、MediumSyncDelayの間にチャネルアクセスが制限されてよい。例えば、MediumSyncDelayを適用するSTAは、NSTRリンク対で動作するMLDに属してよい。又は、MediumSyncDelayを適用するSTAは、NSTR MLDに属してよい。また、MediumSyncDelayを適用するSTAは、non-AP MLDに属してよい。
【0265】
一実施例によれば、ブラインドを誘発する送信期間が、既に設定された時間よりも短い場合に、MediumSyncDelayを適用しなくてよい。
【0266】
一実施例によれば、MediumSyncDelay値は、基本値が存在してよい。基本値は、PPDUの最大期間(maximum duration)であってよい。PPDUの最大期間は、5.484msであってよい。また、MediumSyncDelay値は、多重リンクセットアップしたpeer MLD(AP MLD)から送信された値であってよい。仮に、non-AP MLDがAP MLDからMediumSyncDelay値を受信できなかった場合に、MediumSyncDelay値として基本値を用いることができる。仮に、non-AP MLDがAP MLDからMediumSyncDelay値を受信した場合に、受信した値をMediumSyncDelay値として用いることができる。
【0267】
MediumSyncDelayを適用する時にチャネルアクセスが制限されることは、次の動作を含んでよい。例えば、チャネルアクセスが制限されることは、TXOP(transmit opportunity)を得ようと試みる時と関連することであってよい。チャネルアクセスが制限されることは、TXOPを得た場合に送信する最初のフレームの種類が制限されることを含んでよい。フレームの種類は、フレームのMACヘッダーが指示するTypeサブフィールド又はSubtypeサブフィールドによって定義されてよい。例えば、最初のフレームの種類は、RTS(request to send)フレームであってよい。RTSフレームは、Controlフレームの一種であってよい。また、Controlフレームである場合に、TypeサブフィールドのB3、B2ビットがそれぞれ、0、1に設定されてよい。また、RTSフレームである場合に、SubtypeサブフィールドのB7、B6、B5、B4ビットがそれぞれ、1、0、1、1に設定されてよい。このとき、ビットインデックスはFrame Controlフィールドのビットインデックスであってよい。B2はTypeサブフィールドのLSB(least significant bit)、B3はTypeサブフィールドのMSB(most significant bit)であってよい。B4はSubtypeサブフィールドのLSB、B7はSubtypeサブフィールドのMSBであってよい。したがって、STAが最初のフレームとしてRTSフレームを送信し、それに対する応答であるCTSフレームを受信できなかった場合に、送信を続けなくてよい。これにより、STAがブラインドの間に受信できなかった期間情報が存在しても、他のSTAの送信を大きく妨害しなくて済む。又は、チャネルアクセスが制限されることは、TXOPを得た場合に送信する最初のフレーム又はPPDUの大きさ又は長さが制限されることを含んでよい。例えば、最初のフレーム又はPPDUの大きさ又は長さは、既に設定された値よりも小さいべきであってよい。これにより、STAがブラインドの間に受信できなかった期間情報が存在しても、他のSTAの送信を大きく妨害しなくて済む。
【0268】
また、チャネルアクセスが制限されることは、CCA(clear channel assessment)閾値を変更することを含んでよい。より具体的には、チャネルアクセスが制限されることは、CCA(clear channel assessment)閾値を既存よりも低く変更することを含んでよい。一実施例によれば、CCA閾値以上(又は、超過)の信号を感知した場合に、チャネルがbusyであると判断できる。そうでない場合に、チャネルがidleであると判断できる。CCA閾値は、PPDU(Wi-Fi信号)を感知する閾値を含んでよい。このようなCCA閾値を使用するCCAを、CCA PD(preamble detection;packet detection)と呼ぶことができて、このとき、閾値を、CCA PD閾値又はPD閾値と呼ぶことができる。CCA閾値は、或る信号を感知する閾値を含んでよい。このようなCCA閾値を使用するCCAを、CCA ED(energy detection)と呼ぶことができ、このとき、閾値をCCA ED閾値又はED閾値と呼ぶことができる。より具体的には、チャネルアクセスが制限されることは、ED閾値を変更することを意味できる。MediumSyncDelayが適用されないとき、PD閾値は-82dBmであってよい。MediumSyncDelayが適用されないとき、ED閾値は-62dBmであってよい。MediumSyncDelayが適用されるとき、CCA閾値は、基本値が存在してよい。また、MediumSyncDelayが適用されるとき、CCA閾値は、多重リンクセットアップしたpeer MLD(AP MLD)から送信された値であってよい。仮に、non-AP MLDがAP MLDからMediumSyncDelayが適用される時にCCA閾値を受信できなかった場合に、MediumSyncDelayが適用されるとき、CCA閾値として基本値を使用することができる。仮に、non-AP MLDがAP MLDからMediumSyncDelayが適用される時にCCA閾値を受信した場合に、受信した値を、MediumSyncDelayが適用される時にCCA閾値として使用することができる。一実施例によれば、MediumSyncDelayが適用されるとき、ED閾値基本値は-72dBmであってよい。また、MediumSyncDelayが適用されるとき、ED閾値として指示可能な値は、-72dBm以上であってよい。MediumSyncDelayが適用されるとき、ED閾値はdot11MSDOFDMED閾値であってよい。MediumSyncDelayが適用される時にCCA閾値を適用されない時に比べて下げることは、これによって保守的にチャネルアクセスを行うことであってよい。既存のCCA閾値を使用するとき、idleと判断される信号が低いCCA閾値を使用する場合にbusyと判断され得るためである。また、一実施例によれば、本発明で言及するCCA閾値は、20MHzサブチャネルに該当する閾値であってよい。
【0269】
また、チャネルアクセスが制限されることは、MediumSyncDelayの間に送信試行回数が制限されることを含んでよい。例えば、STAは、MediumSyncDelayの間に一定回数を超えるように送信試行をしなくてよい。すなわち、STAがMediumSyncDelayの間に一定回数の送信失敗があった場合に、MediumSyncDelayの間にそれ以上送信試行をしなくてよい。このような一定回数は、MSD_TXOP_MAXであってよい。送信試行をしないためにバックオフ手順を呼び出す(invoke)ことができる。又は、送信試行をしないために、バックオフカウンタをリセットすることができる。一実施例によれば、このとき、競合ウィンドウ(contention window,CW)は変化させなくてよい(left unchanged)。CWは、バックオフカウンタをリセットする時に使われる値であってよい。例えば、バックオフカウンタをリセットする時にリセットする値で、0~CW値の範囲からランダムに選択された整数(integer)が使われてよい。また、送信試行をしないために、バックオフカウンタをリセットする時に再試行カウンタ(retry counter)を変化させなくてよい。仮に、再試行カウンタが既に設定された値に到達した場合に、送信を試みていたフレームに対してそれ以上送信を試みないか、送信を試みていたフレームを廃棄(discard)することができる。一実施例によれば、MSD_TXOP_MAX値は、基本値が存在してよい。基本値は1であってよい。また、MediumSyncDelay値は、多重リンクセットアップしたpeer MLD(AP MLD)から送信された値であってよい。仮にnon-AP MLDがAP MLDからMSD_TXOP_MAX値を受信できなかった場合に、MSD_TXOP_MAX値として基本値を使用することができる。仮にnon-AP MLDがAP MLDからMSD_TXOP_MAX値を受信した場合に、受信した値をMSD_TXOP_MAX値として使用することができる。
【0270】
図23は、本発明の一実施例に係る多重リンクエレメント(Multi-Link element)及びMediumSyncDelayに関連したシグナリングの一例を示す図である。
【0271】
図23を参照すると、MLDのSTAは、フレームにメディアド同期遅延に関連した情報を含めて送信することができる。
【0272】
具体的には、図23に示すような多重リンクエレメントが存在してよい。多重リンクエレメントを含むフレームに基づいて、多重リンク復旧(multi-link discovery)、セットアップ(setup)、動作(operation)が行われることが可能である。例えば、多重リンクエレメントは、Beaconフレーム、Probe Requestフレーム、Probe Responseフレーム、Authenticationフレーム、Association Requestフレーム、Association Responseフレーム、Reassociation Requestフレーム、Reassociation Responseフレームなどに含まれてよい。
【0273】
多重リンクエレメントは、Element ID、Length、Element ID Extension、Multi-Link Control、Common Info、Link Infoフィールドを含んでよい。Element ID又はElement ID Extensionは、前記Element ID又は前記Element ID Extensionを含むエメラルドがどのようなエレメントであるか、すなわち、多重リンクエレメントであるかを指示できる。Lengthフィールドは、前記Lengthフィールドを含むエレメントの長さを指示できる。Multi-Link Controlフィールドは、Typeサブフィールド、Presence Bitmapフィールドを含んでよい。Typeサブフィールドは、多重リンクエレメントのタイプをを指示できる。また、多重リンクエレメントのタイプに基づいて、多重リンクエレメントのフォーマットが決定されてよい。Presence Bitmapフィールドは、多重リンクエレメントに含まれ得るサブフィールドが含まれているか否かを指示できる。例えば、Presence Bitmapフィールドは、多重リンクエレメントが含むCommon Infoフィールドに含まれ得るサブフィールドが含まれているか否かを指示できる。Presence Bitmapフィールドが、含まれているか否かを示すサブフィールドは、MLD MAC address、Link ID Info、BSS Parameters Change Count、Medium Synchronization Delay Information、EML Capabilities、MLD Capabilitiesフィールド(サブフィールド)を含んでよい。また、Medium Synchronization Delay Informationフィールドは、MediumSyncDelayに関連した情報を含んでよい。
【0274】
Common Infoフィールドは、複数のリンク又は全てのリンクに関する情報を含んでよい。Common Infoフィールドは、複数のリンク又は全てのリンクに共通に必要な情報又は同一情報を含んでよい。Link Infoフィールドは、それぞれのリンクに対する情報を含んでよい。
【0275】
一実施例によれば、MediumSyncDelayに関連した情報は、基本値が存在してよい。また、MediumSyncDelayに関連した情報はシグナルされてよい。例えば、 図23に示したMedium Synchronization Delay Informationフィールドに、MediumSyncDelayに関連した情報が含まれてよい。MLDは、MediumSyncDelayに関連した情報を、基本値として初期化することができる。また、MLD(non-AP MLD)がpeer MLD(AP MLD)からMediumSyncDelayに関連した情報を受信できなかった場合に、MediumSyncDelayに関連した情報として基本値を使用することができる。MLD(non-AP MLD)がpeer MLD(AP MLD)からMediumSyncDelayに関連した情報を受信した場合に、MediumSyncDelayに関連した情報として、受信した値を使用することができる。
【0276】
Medium Synchronization Delay Informationフィールドは、Medium Synchronization Durationサブフィールド、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールド、Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールドを含んでよい。
【0277】
Medium Synchronization Durationサブフィールドは、MediumSyncDelayを指示できる。すなわち、Medium Synchronization Durationサブフィールドは、MediumSyncDelay timerを設定する値を指示できる。例えば、Medium Synchronization Durationサブフィールドは、8ビットであってよい。また、Medium Synchronization Durationサブフィールドは、32us単位の期間(duration)を指示できる。すなわち、Medium Synchronization DurationサブフィールドがAに設定された場合に、Medium Synchronization Durationサブフィールドが指示する時間は、A*32usであってよい。
【0278】
Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドは、MediumSyncDelayが適用される時にCCA閾値を指示できる。より具体的には、このとき、指示するCCA閾値は、CCA ED閾値であってよい。すなわち、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドは、dot11MSDOFDMED閾値を指示できる。Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドは、4ビットであってよい。Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示するCCA閾値は、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールド値に-72を足した値であり、その単位はdBmであってよい。したがって、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが0以上の値である時に指示するCCA閾値は、-72dBm以上の値であってよい。また、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示する最大CCA閾値は、-62dBmであってよい。この場合、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドは、0~10の値に設定されることが可能であってよい。このとき、11~15の値はreservedであってよい。すなわち、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールド値が0~10であるとき、それぞれ、-72dBm~-62dBmのCCA閾値を指示できる。
【0279】
Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールドは、MSD_TXOP_MAXを指示できる。すなわち、Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールドは、MediumSyncDelayが適用される間に最大送信試行回数を指示できる。Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールドは、4ビットであってよい。一実施例によれば、Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールド値がMSD_TXOP_MAX値であってよい。他の実施例によれば、Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールド値は、(MSD_TXOP_MAX+1)値であってよい。他の実施例によれば、Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールド値は、(MSD_TXOP_MAX-1)値であってよい。また、これは、Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールド値が最大値に設定されていない場合に限定されてよい。仮にMedium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールド値が最大値(4ビットである場合に15)に設定された場合に、送信試行回数に制限がないということを指示するものであってよい。
【0280】
図24は、本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーリセット(timer reset)動作の一例を示す図である。
【0281】
図24を参照すると、同一MLDに含まれたNSTRリンク対では、一つのリンクで送信を行えば他のリンクでは送/受信が不可であり、送信が終了すると、メディアリンク遅延が適用された後に送/受信が可能である。
【0282】
具体的には、MediumSyncDelayが適用されたSTAが余計にMediumSyncDelayを適用することを避けるための方法が存在し得る。例えば、NSTRリンク対で動作するMLDに属したSTAがブラインドされている間に受信できなかったかもしれない期間情報又はフレーム又はPPDUが存在することもあるため、MediumSyncDelayを適用した。しかし、実際にはブラインドされている間に受信できなかったものが存在しないかもしれない。このような場合にもMediumSyncDelayを適用することによってチャネルアクセスが制限される問題を減らす方法であってよい。
【0283】
一実施例によれば、MediumSyncDelayが適用されたSTAがMediumSyncDelayの間に有効な(valid)期間情報を受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセット(又は、設定)できる。本発明の実施例において、MediumSyncDelayが適用されたSTAは、MediumSyncDelayタイマーが0でない値であるSTAと同じ意味であってよい。また、STA又はMLDがMediumSyncDelayを適用することは、MediumSyncDelayタイマーを0でない値に設定することと同じ意味であってよい。また、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットすることは、MediumSyncDelay適用を終了することと同じ意味であってよい。
【0284】
本発明の実施例によれば、期間情報はフレームに含まれてよい。より具体的には、期間情報は、フレームが含むMACヘッダーに含まれてよい。より具体的には、期間情報は、MACヘッダーが含むDuration/IDフィールドに含まれてよい。したがって、MediumSyncDelayが適用されたSTAがMediumSyncDelayの間に有効なフレーム又はMPDUを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットできる。本発明において、フレーム、MPDU、MACヘッダー、Duration/IDフィールド、期間情報は、相互互換的に使われてよい。
【0285】
また、期間情報はPPDUに含まれてよい。より具体的には、期間情報は、PPDUが含むプリアンブルに含まれてよい。より具体的には、期間情報は、プリアンブルが含むTXOPフィールドに含まれてよい。また、TXOPフィールドは、HE PPDUが含むHE-SIG-Aフィールドに含まれてよい。また、TXOPフィールドは、EHT PPDU又はEHTよりも将来の標準のPPDUが含むU-SIGフィールドに含まれてよい。STAがPPDU又はTXOPフィールドを受信するとき、TXOPフィールド値に基づいてRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONが設定されてよい。RXVECTOR parameterは、STAのPHYからMACへ送信されるパラメータであってよい。したがって、期間情報はRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONを含んでよい。また、TXOPフィールド又はRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONは、UNSPECIFIEDと設定される場合が存在してよい。TXOPフィールド又はRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONはUNSPECIFIEDと設定される場合に、これは、期間情報が存在しないものであってよい。TXOPフィールド又はRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONは、UNSPECIFIED以外の値に設定される場合に、これは、期間情報が存在するものであってよい。したがって、MediumSyncDelayが適用されたSTAが、MediumSyncDelayの間にUNSPECIFIED以外の値であるRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONに該当するPPDUを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットできる。
【0286】
すなわち、要するに、0でないMediumSyncDelayタイマーを有するSTAが有効なフレーム(又は、valid MPDU)又はUNSPECIFIED以外の値であるRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットできる。
【0287】
しかし、本発明の実施例によれば、或る時点にMediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが複数個存在してよい。 図24を参照すると、リンク1とリンク2が多重リンクを構成することができる。また、リンク1で動作するAP1がトリガーフレームを送信できる。トリガーフレームは複数の(multiple)STAから応答を要求(solicit)することができる。また、前記複数のSTAの各STAに対して、リンク1とリンク2はNSTRリンク対であってよい。すなわち、前記複数のSTAのうち一つのSTAであるSTA1がリンク1で送信することは、前記STA1と同一MLDに属したSTA2に対して干渉として作用することがある。したがって、前記複数のSTAがリンク1で送信する間に前記複数のSTAの各STAと同一MLDに属したSTAはブラインド状態であってよく、ブラインドが終るとMediumSyncDelayタイマーを0でない値に設定できる。すなわち、トリガーフレームに対する応答として複数のTB PPDUが送信される間に、リンク2で動作する複数のSTAがブラインドであってよく、TB PPDU送信が終わった後に、複数のSTAがMediumSyncDelayタイマーを0でない値に設定できる。
【0288】
また、さらに他の実施例として、リンク1のSTA1がMediumSyncDelayを適用する間に、リンク1のSTA2がMediumSyncDelayを適用し始めることで或る時点にMediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが複数存在してよい。
【0289】
しかし、前述した実施例によれば、STAがMediumSyncDelayを適用する間に最初のフレームとしてRTSフレームを送信することが可能である。 図24を参照すると、リンク2のSTA2がMediumSyncDelayの間に最初のフレームとしてRTSフレームを送信したとき、MediumSyncDelayを適用していた他のSTAが前記RTSフレームを成功的に受信できたかもしれない。このような場合、前記他のSTAは、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能である。しかし、前記RTSフレームに対する応答であるCTSフレームが送信されないことがある。このような場合、実際にリンク2のSTAが受信できなかった期間情報が存在しているのに、MediumSyncDelay適用を終了する場合が発生し得る。このため、MediumSyncDelay適用を終了したSTAが、既に送信されているフレームの受信を妨害する可能性が高くなる。
【0290】
以下、このような問題点を解決するためのMediumSyncDelay適用のためのタイマーのリセットのためのフレームの種類を制限する方法について説明する。
【0291】
図25は、本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーリセット動作の一例を示す図である。
【0292】
図25では、メディアド同期遅延が適用されたSTAは、ブラインド区間が終了した後に、メディアド同期遅延の適用のためのメディアド同期遅延タイマーを動作させることができ、メディアド同期遅延タイマーは特定フレーム以外の有効なPPDUを受信した場合に、「0」にリセットさせることができる。
【0293】
具体的には、他のリンクでの送/受信によってMediumSyncDelayが適用される場合に、MediumSyncDelayが適用されるリンクのSTAは、MediumSyncDelayタイマーを、「0」でない値に設定して動作させることができる。この時、MediumSyncDelayタイマーは、他のリンクの送信が終了する時点に始まってよい。しかし、MLDが単一ラジオで動作するEMLSRモードである場合に、MediumSyncDelayタイマーは特定遅延以後に直ちに始まってよい。例えば、リンクスイッチングのための遅延時間又はリスニング動作(listening operation)に戻ってから直にMediumSyncDelayタイマーが始まってよい。
【0294】
その後、MediumSyncDelayが適用されるリンクのSTAは、有効なフレーム又は有効なMPDUに対するPPDUを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーが「0」でなければ、MediumSyncDelayタイマーを「0」にリセットできる。又は、受信パラメータ(RXVECTOR parameter)であるTXOP_Durationが特定されていない値以外の値であるPPDUを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーが「0」でなければ、MediumSyncDelayタイマーを「0」にリセットできる。このとき、有効なフレームは、RTSフレーム以外のフレームであってよい。
【0295】
このとき、有効なフレームは、MediumSyncDelayを発生させたSTAでない他のAP又はnon-AP STAが送信したフレームであってよく、APの送信した有効なフレームはRTSフレームを含むが、non-AP STAが送信した有効なフレームは、RTSフレーム以外のフレームであってよい。
【0296】
例えば、第1リンクで送信されたPPDUによって、NSTRリンク対である第2リンクで1つ以上のSTAの送/受信が制限され、PPDUの送信が終わった時点にMediumSyncDelayタイマーが動作してMediumSyncDelayが1つ以上のSTAに適用される場合に、第2リンクで1つ以上のSTAは、有効なフレームを受信するとMediumSyncDelayタイマーをリセットさせることができる。すなわち、特定周波数帯域が割り当てられた1つ以上のSTAは、同一BSS又は異なるBSSの20MHzで送信されたRTSフレーム以外の有効なMPDUに対するPPDUを受信すると、MediumSyncDelayタイマーをリセットさせることができる。このとき、PPDU又はフレームが、associated AP又は同一の多重BSSIDセットに含まれたAPから送信された場合に、受信したPPDU又はフレームがRTSフレームである場合にも、1つ以上のSTAはMediumSyncDelayタイマーをリセットさせることができる。
【0297】
すなわち、STAは、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが、有効なフレーム(又は、MPDU)を受信したとき、これが、MediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームであるかに基づいて、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されるか否かが決定されてよい。本発明の一実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが有効なフレーム(又は、MPDU)を受信しても、これがMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームである場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されなくてよい。すなわち、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが有効なフレーム(又は、MPDU)を受信したとき、これがMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームでない場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されてよい。前述した実施例によれば、MediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームは、RTSフレームであってよい。
【0298】
したがって、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが有効なフレーム(又は、MPDU)を受信したとき、これがRTSフレームであるかに基づいて、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されるか否かが決定されてよい。例えば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがRTSフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されなくてよい。また、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがRTSフレームでないフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されてよい。
【0299】
図25を参照すると、リンク2で動作する複数のSTAが、MediumSyncDelayを適用していてよい。また、MediumSyncDelayを適用しているリンク2のSTA2がTXOPを得、最初のフレームとしてRTSフレームを送信できる。また、前記複数のSTAは、前記RTSフレームを成功的に受信することができる。すなわち、前記複数のSTAは、前記RTSフレームから期間情報を成功的に受信することができる。しかし、前記複数のSTAは、受信したフレームがRTSフレームであるため、前記複数のSTAはMediumSyncDelayタイマーをリセットしなくてよい。したがって、前記RTSフレームに対する応答が続かない場合に、前記複数のSTAは、MediumSyncDelayを適用することを保つことにより、リンク2のチャネル又はリンク2での送信を保護することができる。仮に前記RTSフレームに対する応答が送信される場合に、前記RTSフレームに対する応答としてCTSフレームが送信されてよい。また、前記CTSフレームに続いてSTA2がフレーム(同図のSubsequent frame)を送信できる。この場合、前記複数のSTAは、前記RTSフレームに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットしなくとも、前記CTSフレーム又は前記subsequent frameに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることができる。したがって、不要にMediumSyncDelayを適用することを防止することが可能である。
【0300】
また、本発明の実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが有効なフレームを受信しても、これがPS-Pollフレームである場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されなくてよい。これは、PS-Pollフレームは期間情報を含まないためであり得る。すなわち、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが、PS-Pollフレームでない有効なフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されてよい。
【0301】
また、本発明の実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがPPDUを受信したとき又は有効なフレーム又はRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONを受信したとき、これがintra-BSSであるか又はinter-BSSであるかに基づいて、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されるか否かが決定されてよい。STAは、受信したフレーム(又は、PPDU)がintra-BSSフレーム(又は、PPDU)であるか又はinter-BSSフレーム(又は、PPDU)であるかを、受信したフレームが含むMAC addressフィールド又は受信したフレームを含むPPDUが含むBSS colorフィールドに基づいて判断できる。例えば、STAは、受信したフレームが含むMAC addressフィールド又は受信したフレームを含むPPDUが含むBSS colorフィールドが前記STAに該当する値に設定された場合に、受信したフレームをintra-BSSフレームとして判断できる。また、STAは、受信したフレームが含むMAC addressフィールド又は受信したフレームを含むPPDUが含むBSS colorフィールドが前記STAに該当する値に設定されていない場合に、受信したフレームをinter-BSSフレームとして判断できる。
【0302】
また、本発明の実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが受信したフレーム又はPPDUが、結合された(associated)AP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送ったものであるか否かに基づいて、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されるか否かが決定されてよい。例えば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが受信したフレーム又はPPDUが、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送ったものである場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されてよい。また、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが受信したフレーム又はPPDUが、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送ったものでない場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されなくてよい。これは、APが当該リンクのチャネル状況をよく知っている可能性が高いためであり得る。
【0303】
受信したフレームが含むMACヘッダーが含むMAC addressフィールドに基づいて、フレームが結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)の送ったものであるか否かが判断できる。例えば、受信したフレームが含むTA(transmitter address)フィールドに基づいて、フレームが結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)の送ったものであるか否かが判断できる。例えば、受信したフレームが含むTA(transmitter address)フィールドが、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)のアドレスに設定された場合に、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)の送ったものであってよい。また、受信したフレームが含むTA(transmitter address)フィールドが、結合されたAPのアドレスでもなく、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAPのアドレスでもない場合に、結合されたAPが送ったものでなく、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAPが送ったものでなくてよい。本実施例において、AP addressはBSSIDに言い換えられてよい。
【0304】
受信したフレームが含むMACヘッダーが含むMAC addressフィールドに基づいて、フレームが結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)に送ったものであるか否かが判断できる。例えば、受信したフレームが含むRA(receiver or recipient address)フィールドに基づいて、フレームが結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)に送ったものであるか否かが判断できる。例えば、受信したフレームが含むRAフィールドが、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)のアドレスに設定された場合に、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)に送ったものであってよい。また、受信したフレームが含むRAフィールドが、結合されたAP addressでもなく、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAPのアドレスでもない場合に、結合されたAPに送ったものでなくてよく、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAPに送ったものでなくてよい。本実施例において、AP addressはBSSIDに言い換えられてよい。
【0305】
受信したフレームが含むMACヘッダーが含むMAC addressフィールドに基づいて、フレームがinter-BSSから送ったものであるか否かが判断できる。例えば、受信したフレームが含むRA又はTA又はBSSIDフィールドに基づいて、フレームがinter-BSSから送ったものであるか否かが判断できる。例えば、受信したフレームが含むRAフィールド、TAフィールド、BSSIDフィールド(各フィールドが存在する場合にのみ条件に含まれる。)が全て、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)のアドレスでない値に設定された場合に、inter-BSSから送ったものであってよい。また、受信したフレームが含むRAフィールド又はTAフィールド又はBSSIDフィールド(各フィールドが存在する場合にのみ条件に含まれる。)のうち少なくとも1つが、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)のアドレス値に設定された場合に、intra-BSSから送ったものであってよい。本実施例において、AP addressはBSSIDに言い換えられてよい。
【0306】
受信したPPDUのプリアンブルが含むBSS colorが、受信したSTAのBSSに該当するBSS colorと同一であり、プリアンブルが、当該プリアンブルが下りリンクであると指示している場合に、前記受信したPPDUは、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)の送ったものであってよい。そうでない場合に、前記受信したPPDUは、結合されたAPが送ったものでもなく、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAPが送ったものでもなくてよい。
【0307】
Multiple BSSIDは、単一Beaconフレーム又は単一Probe Responseフレームで指示される複数のBSSIDであってよい。このとき、複数のBSSIDのそれぞれに該当する複数のBeaconフレーム又は複数のProbe Responseフレームを使用しないものであってよい。また、単一Beaconフレーム又は単一TIMフレームに含まれた単一TIMエレメントを用いて、複数のBSSIDに該当するbufferedフレームを指示できる。例えば、単一Beaconフレーム又は単一Probe Responseフレームが送信されてよく、このようなフレームがMultiple BSSIDエレメントを含んでよい。Multiple BSSIDエレメントは、複数のBSS又は複数のBSSIDを指示できる。また、前記単一Beaconフレーム又は前記単一Probe Responseフレームを送信したBSSIDを、transmitted BSSIDと呼ぶことができる。Multiple BSSIDエレメントが指示するBSSIDのうちtransmitted BSSIDを除くBSSIDを、nontransmitted BSSIDと呼ぶことができる。nontransmitted BSSIDではBeaconフレーム又はProbe Responseフレームを送信しなくてよい。1つのMultiple BSSIDエレメントが指示するBSSIDの集合を多重BSSIDセットと呼ぶことができる。又は、説明したtransmitted BSSIDとnontransmitted BSSIDの集合を、多重BSSIDセットと呼ぶことができる。多重BSSIDセットのBSSIDとして可能な最大個数は、2^n個であってよい。このとき、nは、Multiple BSSIDエレメントでシグナルされる値であってよい。例えば、nは、Multiple BSSIDエレメントに含まれたMaxBSSID Indicatorが指示する値であってよい。Multiple BSSIDエレメントを受信するSTAは、受信したMultiple BSSIDエレメントから、多重BSSIDセットに含まれるAPのアドレス又はBSSIDが分かる。
【0308】
本発明の実施例において、前述したリセットが許容されるか許容されない条件を結合して使用することが可能である。一実施例によれば、受信したフレームがMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレーム(RTSフレーム)であるか否かと、フレームの送信者又は受信者が結合された(associated)AP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)であるか否かが併せて考慮されてよい。
【0309】
例えば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが有効なフレーム(又は、MPDU)を受信しても、1)これがMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームであり、2)結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送信したフレームでない場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されなくてよい。すなわち、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが有効なフレーム(又は、MPDU)を受信したとき、1)これがMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームでないか、2)結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送信したフレームである場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されてよい。すなわち、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送信したMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されてよい。また、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)に送信されるか又はinter-BSSから送信されたMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されなくてよい。
【0310】
前述した実施例によれば、MediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームは、RTSフレームであってよい。したがって、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが有効なフレーム(又は、MPDU)を受信しても、1)これがRTSフレームであり、2)結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送信したフレームでない場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されなくてよい。すなわち、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが有効なフレーム(又は、MPDU)を受信したとき、1)これがRTSフレームでないか、2)結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送信したフレームである場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されてよい。すなわち、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送信したRTSフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されてよい。また、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)に送信されるか又はinter-BSSから送信されたRTSフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されなくてよい。
【0311】
他の実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが有効なフレーム(又は、MPDU)を受信しても、1)これがMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームであり、2)結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)に送信するフレームである場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されなくてよい。すなわち、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが有効なフレーム(又は、MPDU)を受信したとき、1)これがMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームでないか、2)結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)に送信するフレームでない場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されてよい。すなわち、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送信したか又はinter-BSSから送信されたMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されてよい。また、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)に送信されたMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されなくてよい。
【0312】
前述した実施例によれば、MediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームは、RTSフレームであってよい。したがって、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが有効なフレーム(又は、MPDU)を受信しても、1)これがRTSフレームであり、2)結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送信したフレームでない場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されなくてよい。すなわち、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが有効なフレーム(又は、MPDU)を受信したとき、1)これがRTSフレームでないか、2)結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送信したフレームである場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されてよい。すなわち、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送信したRTSフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されてよい。すなわち、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送信したか又はinter-BSSから送信されたRTSフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されてよい。また、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)に送信されたRTSフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されなくてよい。
【0313】
図26は、本発明の一実施例に係るメディア同期化OFDM ED閾値サブフィールドエンコーディング(Medium Synchronization OFDM ED Threshold subfield encoding)の一例を示す図である。
【0314】
図21図25で説明したように、MediumSyncDelayの間に変更されたCCA閾値を使用することができる。また、このとき、変更されたCCA閾値の基本値が存在し、変更されたCCA閾値をシグナルすることが可能である。また、前述したMedium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドを用いて、変更されたCCA閾値をシグナルすることが可能である。本発明の実施例において、前述した内容は省略されてよい。
【0315】
本発明の実施例によれば、MediumSyncDelayを適用しないとき、CCA ED閾値は-62dBmであってよい。しかし、規定(regulation)によって、-62dBmよりも低いCCA ED閾値を使用することが可能である。例えば、ヨーロッパのような特定地域で-72dBmのCCA ED閾値を使用することが可能である。しかし、 図23で説明したMedium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示できるCCA閾値は-72dBm以上であるので、MediumSyncDelayを適用する時に、そうでない時に比べてより低いCCA閾値を用いてチャネルアクセスを制限することを達成することは困難であり得る。 図26の実施例は、このような問題を解決するための方法であり得る。
【0316】
本発明の一実施例によれば、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示できる最小値は-72dBmよりも小さな値であってよい。例えば、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示できる最小値は、-82dBmであってよい。又は、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示できる最小値は、-77dBmであってよい。
【0317】
また、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示できる最大値は、-62dBmであってよい。又は、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示できる最大値は、-72dBmであってよい。
【0318】
また、本発明の実施例によれば、dot11MSDOFDMED閾値の基本値は、-72dBmよりも小さな値であってよい。例えば、dot11MSDOFDMED閾値の基本値は、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示できる最小値と同一であってよい。又は、dot11MSDOFDMED閾値の基本値は、-77dBmであってよい。又は、dot11MSDOFDMED閾値の基本値は、-82dBmであってよい。又は、dot11MSDOFDMED閾値の基本値は、-72dBmであってよい。
【0319】
本発明において、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールド値を、Fvalということができる。また、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドは、整数であってよい。また、dot11MSDOFDMED閾値は、dBm単位の整数であってよい。
【0320】
一実施例によれば、dot11MSDOFDMED閾値は、(-77+Fval)dBmであってよい。また、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドは4ビットであってよく、Fvalは0~15の範囲の整数であってよい。したがって、Fval 0~15が指示するdot11MSDOFDMED閾値はそれぞれ、-77~-62dBmであってよい。すなわち、このような場合、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示する最小値は、-77dBmであってよい。また、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示する最大値は、-62dBmであってよい。
【0321】
他の実施例によれば、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示するdot11MSDOFDMED閾値は、均一な間隔でなくてよい。例えば、Fval<=Aである場合に、dot11MSDOFDMED閾値は(-82+2*Fval)dBmであってよい。また、Fval>Aである場合に、dot11MSDOFDMED閾値は、(-82+5+Fval)dBmであってよい。すなわち、Fval>Aである場合に、dot11MSDOFDMED閾値は、(-77+Fval)dBmであってよい。また、Aは4であってよい。したがって、図23を参照すると、Fval 0~15が指示するdot11MSDOFDMED閾値はそれぞれ、-82、-80、-78、-76、-74、-72、-71、-70、-69、-68、-67、-66、-65、-64、-63、-62dBmであってよい。すなわち、このような場合、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示する最小値は、-82dBmであってよい。また、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示する最大値は、-62dBmであってよい。本実施例において、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドのサイズは、4ビットであってよい。
【0322】
他の実施例によれば、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示するdot11MSDOFDMED閾値は均一な間隔でなくてよい。例えば、Fval<=Bである場合に、dot11MSDOFDMED閾値は、(-82+Fval)dBmであってよい。また、Fval>Bである場合に、dot11MSDOFDMED閾値は、(-92+2*Fval)dBmであってよい。また、Bは10であってよい。したがって、Fval 0~15が指示するdot11MSDOFDMED閾値はそれぞれ、-82、-81、-80、-79、-78、-77、-76、-75、-74、-73、-72、-70、-68、-66、-64、-62dBmであってよい。すなわち、このような場合、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示する最小値は、-82dBmであってよい。また、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示する最大値は、-62dBmであってよい。本実施例において、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドのサイズは、4ビットであってよい。
【0323】
他の実施例によれば、dot11MSDOFDMED閾値は(-82+2*Fval)dBmであってよい。また、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドは4ビットであってよく、Fvalは0~15の範囲の整数であってよい。したがって、Fval 0~10が指示するdot11MSDOFDMED閾値はそれぞれ、-82、-80、-78、-76、-74、-72、-70、-68、-66、-64、-62dBmであってよい。この場合、Fval 11~15はreservedであってよい。すなわち、このような場合、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示する最小値は、-82dBmであってよい。また、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示する最大値は、-62dBmであってよい。本実施例において、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドのサイズは、4ビットであってよい。
【0324】
先の実施例では、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示するdot11MSDOFDMED閾値間隔が2dBmであるものを含む場合を示しているが、他の間隔であるものも可能である。
【0325】
本発明の実施例によれば、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドのサイズは4ビットよりも大きくてよい。例えば、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドのサイズは5ビットであってよい。これは、 図23で説明したものよりも広い範囲のCCA閾値を表現するためのものであってよい。Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドのサイズが5ビットである場合に、可能なFvalは、0~31であってよい。また、dot11MSDOFDMED閾値は(-82+Fval)dBmであってよい。したがって、Fvalが0~20のとき、それぞれ、dot11MSDOFDMED閾値-82dBm~-62dBmを指示できる。また、このとき、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールド21~31値は、reservedであってよい。
【0326】
Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドのサイズが4ビットよりも大きい実施例において、 図23で説明したMedium Synchronization Delay Informationのサイズを保つには、Medium Synchronization Delay Informationが含む他のサブフィールドのサイズを減らす必要があり得る。例えば、Medium Synchronization Durationサブフィールドは8ビットより小さくてよい。例えば、Medium Synchronization Durationサブフィールドは、7ビットであってよい。一実施例として、この場合、Medium Synchronization Durationサブフィールドは、前述したように32us単位の時間を示すことができる。このとき、Medium Synchronization Durationサブフィールドが指示する時間は、32*(2^7-1)usまでであってよい。Medium Synchronization Durationサブフィールドが指示する時間は、0から32*(2^7-1)usまでであってよい。他の実施例として、この場合、Medium Synchronization Durationサブフィールドは、64us単位の時間を示すことができる。このとき、Medium Synchronization Durationサブフィールドが指示する時間は、64*(2^7-1)us(8128us)までであってよい。Medium Synchronization Durationサブフィールドが指示する時間は、0から64*(2^7-1)usまでであってよい。
【0327】
例えば、Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールドは4ビットより小さくてよい。例えば、Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールドは3ビットであってよい。一実施例として、この場合、前述したように、Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールドは、送信試行回数を1単位で指示できる。MSD_TXOP_MAXを0~6の整数回数と指示できる。又は、MSD_TXOP_MAXを1~6の整数回数と指示できる。他の実施例によれば、Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールドは、送信試行回数を2単位で指示できる。例えば、Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールドは、MSD_TXOP_MAX 0、2、4、6、8、10、12を指示できる。又は、Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールドは、MSD_TXOP_MAX2、4、6、8、10、12、14を指示できる。Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールドは、MSD_TXOP_MAX 1、3、5、7、9、11、13を指示できる。Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールドは、MSD_TXOP_MAX 0、1、3、5、7、9、11を指示できる。Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールドは、4ビットよりも小さい場合にも、Medium Synchronization Maximum Number Of TXOPsサブフィールドが最大の値(例えば、3ビットで7値)と設定された時に送信試行回数に制限がないことを指示できる。
【0328】
更なる実施例によれば、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示できる最大値は、前述した実施例で示し得る最大値よりも1小さくてよい。また、このとき、各サブフィールド値は、前述したものよりも1小さくてよい。例えば、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが指示できる最大値は-63dBmであってよい。また、Medium Synchronization OFDM ED Thresholdサブフィールドが14、15である場合にそれぞれ、-64、-63dBmを指示できる。
【0329】
本発明の一実施例によれば、単一ラジオ(single radio)で動作するMLDは、1つのリンクで送信又は受信をしてから複数のリンクでリスニングが可能な状態に変更することに必要なレイテンシー(latency)が存在し得る。このようなレイテンシーは、単一ラジオで動作するMLDが指示することが可能である。例えば、 図23で説明した多重リンクエレメント又はEML Capabilitiesフィールドで指示することが可能である。したがって、単一ラジオで動作するMLDは、MediumSyncDelayタイマーを設定する時間が複数ラジオ(multi radio)で動作するMLDと異なってよい。前述した実施例では、MediumSyncDelayタイマーを送信の終わった時点に設定した。一実施例によれば、単一ラジオで動作するMLDは、MediumSyncDelayタイマーを、送信の終わった時点と前記レイテンシーに基づく時点に設定できる。
【0330】
例えば、単一ラジオで動作するMLDが、即刻応答を要求(solicit)するフレームを含むPPDUを送信した場合に、前記即刻応答を含むPPDUを受信してらかレイテンシーがさらに経った後にMediumSyncDelayタイマーを設定できる。これは、単一ラジオで動作するMLDがTXOP holderである場合に限定されてよい。
【0331】
また、単一ラジオで動作するMLDが、即刻応答を要求しないフレームのみを含むPPDUを送信した場合に、前記PPDUを送信してからレイテンシーがさらに経った後にMediumSyncDelayタイマーを設定できる。これは、単一ラジオで動作するMLDがTXOP holderである場合に限定されてよい。
【0332】
また、単一ラジオで動作するMLDがTXOP responderである場合に、TXOP holderがそれ以上フレームを送信しない時点からレイテンシーがさらに経った後にMediumSyncDelayタイマーを設定できる。又は、単一ラジオで動作するMLDは、TXOPが終了した時点からレイテンシーがさらに経った後にMediumSyncDelayタイマーを設定できる。また、これは、単一ラジオで動作するMLDがTXOP responderである場合に限定されてよい。
【0333】
すなわち、NSTRリンク対で動作するSTAは、MediumSyncDelayを適用するためのMediumSyncDelayタイマーを、「0」でない値に設定して動作させることができる。このとき、MediumSyncDelayタイマーは、他のSTAの送信が終了する時点に動作させることができる。しかし、単一ラジオで動作するMLDには、単一ラジオから複数ラジオに変更するためのリンクスイッチング又はリスニング動作に戻るための遅延などのような追加の遅延が必要であり得る。したがって、この場合、送信を終了して追加の遅延後にMediumSyncDelayタイマーを動作させることができる。例えば、MLDがEMLSRモードで動作する場合に、STAは、MediumSyncDelayタイマーをリスニング動作に戻った後に直ちに動作させることができる。
【0334】
図27は、本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーが0でない時の送信動作の一例を示す図である。
【0335】
図27の実施例は、図24で説明した問題を解決するためのものであってよい。また、前述した内容を省略されてよい。
【0336】
前述したように、本発明の一実施例によれば、STA(MLDに属したSTA)は、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能である。例えば、図25で説明したように、受信したフレームの種類(type)に基づいてリセットが許容されるか否かが決定されてよい。例えば、フレームの種類は、フレームのMACヘッダーが含む値に基づいて決定されてよい。より具体的には、フレームの種類は、MACヘッダーが含むFrame Controlフィールドに基づいて決定されてよい。さらに具体的には、フレームの種類は、Frame Controlフィールドが含むTypeサブフィールド及び/又はSubtypeサブフィールドに基づいて決定されてよい。一実施例によれば、Typeサブフィールドは、Frame ControlフィールドのビットインデックスB2~B3のビットに位置してよい。また、Subtypeサブフィールドは、Frame ControlフィールドのビットインデックスB4~B7のビットに位置してよい。更なる実施例によれば、フレームの種類は、Frame Controlフィールドが含むTypeサブフィールド及び/又はSubtypeサブフィールド及び/又はControl Frame Extensionサブフィールドに基づいて決定されてよい。Control Frame Extensionサブフィールドは、Frame ControlフィールドのビットインデックスB8~B11のビットに位置してよい。
【0337】
すなわち、フレームのType及びSubtypeに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されるか否かが決定されてよい。
【0338】
本発明の実施例によれば、TypeサブフィールドのB3及びB2が00、01、10であるものはそれぞれ、前記Typeサブフィールドを含むフレームがManagementフレーム、Controlフレーム、Dataフレームであることを指示できる。また、TypeサブフィールドのB3及びB2が11であるものは、
【0339】
Type extensionを指示できる。
【0340】
本発明の実施例によれば、RTSフレームは、CTSフレームを要求するフレームであってよい。又は、RTSフレームは、単一STAからCTSフレームを要求するフレームであってよい。RTSフレームは、Frame Controlフィールド、Durationフィールド、RAフィールド、TAフィールド、FCSフィールドを含んでよい。Durationフィールドは、前記Durationフィールドを受信するSTAがNAVを設定するための時間情報が含まれてよい。また、RAフィールドには、意図された対象受信者(intended immediate recipient)のアドレスが含まれてよい。例えば、STAの受信したRTSフレームが含むRAフィールドが前記STAのアドレスである場合に、前記RTSフレームに対してCTSフレームで応答することが可能である。また、フレームがRTSフレームであることは、前記フレームが含むFrame Controlフィールドに基づいて判断されてよい。例えば、フレームがRTSフレームであることは、前記フレームが含むFrame Controlフィールドに含まれたTypeサブフィールド、Subtypeサブフィールド基づいて判断されてよい。例えば、Typeサブフィールドが01(B3 B2)であり、Subtypeサブフィールドが1011(B7 B6 B5 B4)である場合に、前記Typeサブフィールド及び前記Subtypeサブフィールドを含むフレームがRTSフレームであることを指示できる。例えば、RTSフレームはControlフレームであってよい。
【0341】
図25で説明した実施例によれば、図21で説明した問題を解決するために受信したフレームの種類に基づいて、MediumSyncDelayタイマーをリセットできるか否かが決定されてよい。しかしながら、そうであるとしても、前述したリセットする条件によれば、STAがRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であるため、図22で説明した問題を完全に解決できないことがある。例えば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが複数個存在し得る。これらのうち1つのSTAが、MediumSyncDelayタイマーが0でないため、制限されたチャネルアクセスに基づいてフレームを送信することができる。このとき、送信するフレームはRTSフレームであってよい。前記一つのSTAが送信するPPDUフォーマットがTXOPフィールドを含むPPDUフォーマットである場合に、前記1つのSTAが送信したPPDUを受信するSTAは、RXVECTOR parameter TXOP_DURATIONが存在するPPDUを受信することができる。したがって、前記1つのSTAが送信したPPDUを受信するSTAは、RTSフレームに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットしなくとも、RXVECTOR parameter TXOP_DURATIONに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能である。すなわち、前記1つのSTAが送信したPPDUを受信するSTAが複数個存在し得るので、複数のSTAがMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能である。仮に、前記1つのSTAが送信したPPDUのシーケンス(sequence)が続かない場合に、不要にMediumSyncDelayタイマーをリセットしたことになる。例えば、MediumSyncDelayタイマーをリセットしたSTAが、制限されないチャネルアクセスに基づいてフレームを送信することにより、既存に送信中であるフレーム交換(exchange)を妨害することがある。
【0342】
図7及び図8などで説明したように様々なPPDUフォーマットが存在してよい。例えば、non-HT PPDU(又は、non-HT duplicate PPDU)、HT PPDU、VHT PPDU、HE PPDU、EHT PPDUなどが存在してよい。HTは、high throughput、IEEE 802.11n標準を意味できる。VHTは、very high throughput、IEEE 802.11ac標準を意味できる。HEは、high efficiency、IEEE 802.11ax標準を意味できる。EHTは、extremely high throughput、IEEE 802.11be標準を意味できる。
【0343】
本発明の実施例によれば、TXOPフィールドは、PPDUのプリアンブルに含まれてよい。より具体的には、TXOPフィールドは、HE-SIG-Aフィールド又はU-SIGフィールドに含まれてよい。また、HE PPDUはHE-SIG-Aフィールドを含んでよい。EHT PPDUはU-SIGフィールドを含んでよい。すなわち、HE PPDU又はEHT PPDUは、TXOPフィールドを含んでよい。例えば、PPDUのプリアンブルにTXOPフィールドを含んでよい。また、non-HT PPDU(又は、non-HT duplicate PPDU)、HT PPDU、VHT PPDUは、TXOPフィールドを含まなくてよい。
【0344】
本発明の実施例によれば、STAがTXOPフィールドを含むPPDUを受信する場合に、前記STAは、RXVECTOR parameter TXOP_DURATIONが存在するPPDUを受信するものであってよい。また、STAがTXOPフィールドを含むPPDUを送信する場合に、前記STAは、TXVECTOR parameter TXOP_DURATIONが存在するPPDUを送信するものであってよい。
【0345】
本発明の一実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが送信する時にPPDUフォーマットに制限があり得る。例えば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが送信する時にPPDUフォーマットが制限されることは、TXOPで最初のフレームを送信する時であってよい。また、PPDUフォーマットに対する制限がある場合に、STAは、TXOPフィールドを含むPPDUを送信(又は、使用)しなくてよい。また、PPDUフォーマットに対する制限がある場合に、STAは、TXOPフィールドを含まないPPDUを送信してよい。すなわち、PPDUフォーマットに対する制限がある場合に、STAは、HE PPDU又はEHT PPDUを送信しなく、non-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDU又はHT PPDU又はVHT PPDUを送信することができる。より具体的には、PPDUフォーマットに対する制限がある場合に、STAは、non-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUを送信することができる。
【0346】
したがって、一実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAは、TXOPフィールドを含むPPDUフォーマットを用いて送信しなくてよい。また、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAは、TXOPフィールドを含まないPPDUフォーマットを用いて送信してよい。また、これは、TXOPの最初のフレームを送信する時に限ることであってよい。すなわち、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAは、TXOPの最初のフレームを送信する時に、TXOPフィールドを含むPPDUフォーマットを用いて送信しなくてよい。また、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAは、TXOPの最初のフレームを送信する時に、XOPフィールドを含まないPPDUフォーマットを用いて送信してよい。また、前述したように、TXOPの最初のフレームとしてRTSフレームを送信することができる。
【0347】
図27を参照すると、リンク2で動作する複数のSTAがMediumSyncDelayを適用していてよい。また、MediumSyncDelayを適用しているリンク2のSTA2がTXOPを得、最初のフレームとしてRTSフレームを送信できる。また、STA2が最初のフレームを送信する時に、TXOPフィールドを含まないPPDUが用いられてよい。例えば、non-HT PPDU、non-HT duplicate PPDU、HT PPDU、VHT PPDUが用いられてよい。これにより、MediumSyncDelayを適用しているSTAが、STA2の送信したフレーム又はPPDUを受信してもTXOPフィールドを受信しないため、RXVECTOR parameter TXOP_DURATIONが存在しなくなる。すなわち、STA2の送信したフレーム又はPPDUを受信したSTAが、RXVECTOR parameter TXOP_DURATIONに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットしなくてよい。また、図22で説明した実施例によれば、STA2の送信したフレーム種類に基づいて、MediumSyncDelayタイマーをリセットしなくてよい。したがって、STA2が送信した最初のフレーム又は最初のフレームを含むPPDUを、MediumSyncDelayを適用しているSTAが受信しても、前記最初のフレーム又は前記最初のフレームを含む前記PPDUに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットしなくてよい。したがって、前記RTSフレームに対する応答が続かない場合に、前記複数のSTAはMediumSyncDelayを適用することを維持することにより、リンク2のチャネル又はリンク2での送信を保護することができる。仮に、前記RTSフレームに対する応答が送信される場合に、前記RTSフレームに対する応答としてCTSフレームが送信されてよい。また、前記CTSフレームに続いてSTA2がフレーム(図中、Subsequent frame)を送信することができる。このような場合、前記複数のSTAは、前記RTSフレームに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットしなくても、前記CTSフレーム又は前記subsequentフレームに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。したがって、不要にMediumSyncDelayを適用することを防止することができる。
【0348】
図28は、本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーが0でない時の送信動作のさらに他の例を示す図である。
【0349】
図28の実施例は、図24で説明した問題を解決するためのものであってよい。また、前述した内容を省略されてよい。
【0350】
図27で説明したように、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがTXOPの最初のフレームを送信する時に、TXOPフィールドを含むPPDUを使用することにより、前記PPDUを受信するSTAが前記TXOPフィールドに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットする問題が発生し得る。
【0351】
したがって、本発明の実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが送信する時に、TXVECTOR parameter TXOP_DURATION設定に制限があり得る。MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが送信する時に、TXVECTOR parameter TXOP_DURATIONをUNSPECIFIEDと設定できる。TXVECTOR parameter TXOP_DURATIONをUNSPECIFIEDと設定される場合に、TXOPフィールドに期間情報が存在しなくてよい。また、これは、STAがTXOPの最初のフレームを送信する場合に限ることであってよい。すなわち、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがTXOPの最初のフレームを送信する時に、TXOPフィールドを含むPPDUを用いる場合に、TXVECTOR parameter TXOP_DURATIONをUNSPECIFIEDと設定できる。これにより、このようなPPDUを受信するSTAは、RXVECTOR parameter TXOP_DURATIONが存在しても、その値がUNSPECIFIEDと設定されているため、RXVECTOR parameter TXOP_DURATIONに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットしなくてよい。
【0352】
TXVECTOR parameter TXOP_DURATION又はRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONがUNSPECIFIEDであるとき、TXOPフィールドは127に設定されてよい。すなわち、TXOPフィールドが7ビットである場合に、全てのビットが1に設定されたものが、UNSPECIFIEDを示すことができる。
【0353】
図28を参照すると、リンク2で動作する複数のSTAは、MediumSyncDelayを適用していてよい。また、MediumSyncDelayを適用しているリンク2のSTA2がTXOPを得、最初のフレームとしてRTSフレームを送信できる。このとき、STA2がTXOPフィールドを含むPPDUを使用する場合に、TXVECTOR parameter TXOP_DURATIONをUNSPECIFIEDと設定できる。したがって、前記複数のSTAのうち1つのSTAがSTA2の送信したPPDUを受信しても、RXVECTOR parameter TXOP_DURATIONがUNSPECIFIEDと設定されていてよい。したがって、前記1つのSTAがRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットしなくてよい。また、このとき、図25で説明したフレーム種類に基づくリセット許容の有無の実施例を共に使用すれば、前記1つのSTAは、STA2が送信したTXOPの最初のフレーム又はPPDUに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットしなくてよい。また、図22又は図24で説明したように、前記1つのSTAは、STA2が送信したフレームのシーケンスが続く場合に、続くフレーム又はPPDUに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能である。
【0354】
図29は、本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーリセット動作のさらに他の例を示す図である。
【0355】
図29の実施例は、図24で説明した問題を解決するためのものであってよい。また、前述した内容は省略されてよい。
【0356】
前述した実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAは、受信したフレーム(又は、フレームに含まれた期間情報)又はPPDU(又は、RXVECTOR parameter TXOP_DURATION)に基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能である。しかし、図24で説明した問題を解決するための方法が必要であり得る。
【0357】
したがって、本発明の一実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAは、フレーム(又は、フレームに含まれた期間情報)とPPDUのプリアンブル(又は、RXVECTOR parameter TXOP_DURATION)を全て受信した場合に、PPDUのプリアンブル(又は、RXVECTOR parameter TXOP_DURATION)に基づいてはMediumSyncDelayタイマーをリセットしなくてよい。また、このような場合、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAは、フレーム(又は、フレームに含まれた期間情報)に基づいてはMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。このとき、受信したということは、成功的に受信した場合又は有効なものを受信したことを意味できる。また、このとき、図22で説明した実施例を併せて用いることができる。
【0358】
本発明において、TXOPフィールド、TXVECTOR parameter TXOP_DURATION、RXVECTOR parameter TXOP_DURATIONは、相互互換的に使われてよい。
【0359】
図29を参照すると、リンク2で動作する複数のSTAは、MediumSyncDelayを適用していてよい。また、MediumSyncDelayを適用しているリンク2のSTA2がTXOPを得、最初のフレームとしてRTSフレームを送信できる。このとき、STA2がTXOPフィールドを含むPPDUを用いて送信できる。また、MediumSyncDelayタイマーが0でない1つのSTAは、STA2の送信したPPDUからTXOPフィールドとフレームを両方とも成功的に受信することができる。このとき、図26で説明した実施例によって、前記1つのSTAは、TXOPフィールドに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットしなくてよい。また、図22で説明した実施例によって、RTSフレームに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットしなくてよい。したがって、STA2の送信したフレームに対してシーケンスが続かない時にMediumSyncDelayタイマーをリセットする問題を解決することができる。また、図25又は図27で説明したように、前記1つのSTAは、STA2が送信したフレームのシーケンスが続く場合に、続くフレーム又はPPDUに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能である。
【0360】
図25で説明した実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが受信したフレーム又はPPDUがintra-BSSに該当するのか又はinter-BSSに該当するのかに基づいて、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されるか否かが決定されてよい。より具体的な実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが受信したフレーム又はPPDUがintra-BSSに該当する場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されなくてよい。また、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが受信したフレーム又はPPDUがinter-BSSに該当する場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されてよい。これは、intra-BSSフレーム又はintra-BSS PPDUを保護するためのものであってよい。
【0361】
本発明の実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがフレーム又はPPDUを受信した時に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されるか否かは、フレーム又はPPDUが上りリンクであるか又は下りリンクであるかに基づき得る。一実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがフレーム又はPPDUを受信したし、それが上りリンクである場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されなくてよい。また、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがフレーム又はPPDUを受信したし、それが下りリンクである場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されてよい。これは、下りリンクフレーム(又は、PPDU)はAPが送信したものであり、APは、BSSの全体的なチャネル状況をよく知っている確率が高く、上りリンクフレーム(又は、PPDU)はnon-AP STAが送信したものであり、non-AP STAはAPに比べてBSSの全体的なチャネル状況をよく知っていないことがあり得るためである。
【0362】
フレーム又はPPDUが上りリンクであるか又は下りリンクであるかは、前記フレームを含むPPDUのプリアンブル又は前記PPDUのプリアンブルが含むシグナリングに基づき得る。例えば、プリアンブルは、UL/DLフィールド又はUplinkフィールドを含んでよい。UL/DLフィールド又はUplinkフィールドは、1ビットであってよく、上りリンク又は下りリンクを指示することが可能である。又は、プリアンブルはGroup IDフィールドを含んでよい。Group IDフィールドは、前記Group IDフィールドを含むPPDUが上りリンクであるか又は下りリンクであるかによって、既に設定された値に設定されてよい。また、フレーム又はPPDUが上りリンクであるか又は下りリンクであるかは、前記フレーム又は前記PPDUに含まれるフレームが含むMACヘッダーに基づき得る。例えば、MACヘッダーはMAC addressを含んでよい。MAC addressは、上りリンクであるか又は下りリンクであるかを指示できる。例えば、TA(transmitter address)フィールドにAPのMACアドレスが設定された場合に、前記TAフィールドを含むフレームは下りリンクであってよい。RA(receiver address)フィールドにAPのMACアドレスが設定された場合に、前記RAフィールドを含むフレームは上りリンクであってよい。又は、
【0363】
一実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがPPDUを受信した時に、RXVECTOR parameter TXOP_DURATIONに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されるか否かが、前記PPDUが上りリンクであるか又は下りリンクであるかに基づいて決定されてよい。例えば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがPPDUを受信した時にUL/DLフィールドが上りリンクを指示する場合に、RXVECTOR parameter TXOP_DURATIONに基づいて、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されなくてよい。MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがPPDUを受信した時にUL/DLフィールドが下りリンクを指示する場合に、RXVECTOR parameter TXOP_DURATIONに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されてよい。
【0364】
更なる実施例によれば、受信したフレーム又はPPDUが上りリンクであるか又は下りリンクであるかに基づいて、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されるか否かが決定される実施例は、前記フレーム又は前記PPDUがintra-BSSに該当するのか又はinter-BSSに該当するのかによって、実行されるか否かが決定されてよい。すなわち、受信したフレーム又はPPDUが、1)上りリンクか又は下りリンクか、及び2)intra-BSSに該当するのか又はinter-BSSに該当するのかに基づいて、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されるか否かが決定されてよい。例えば、受信したフレーム又はPPDUがintra-BSSに該当する場合に、前述した実施例によって、上りリンクであるか又は下りリンクであるかに基づいて、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されるか否かが決定されてよい。また、受信したフレーム又はPPDUがinter-BSSに該当する場合に、上りリンクであるか又は下りリンクであるかに基づかずに、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されてよい。例えば、受信したフレーム又はPPDUがintra-BSSであり、上りリンクである場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されなくてよい。また、受信したフレーム又はPPDUがintra-BSSであり、下りリンクである場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されてよい。また、受信したフレーム又はPPDUがinter-BSSである場合に、上りリンクであるか又は下りリンクであるかに関係なくMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されてよい。
【0365】
図30は、本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーリセットの一例を示す図である。
【0366】
前述したように、MediumSyncDelayタイマーをリセットする動作が存在してよい。本実施例では、前述したのと異なる条件に基づいてリセットする動作を説明し、前述した内容は省略されてよい。
【0367】
本発明の一実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがLプリアンブルを成功的に受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。
【0368】
Lプリアンブルは、レガシープリアンブル(legacy preamble)、又は図7などで前述したレガシープリアンブルであってよい。又は、Lプリアンブルは、non-HT PHYプリアンブルと呼ぶことができる。Lプリアンブルは、non-HT(duplicate)PPDUフォーマットのプリアンブルであるためである。また、Lプリアンブルを成功的に受信した場合の動作は、L-SIGフィールドを成功的に受信した場合の動作と同一であってよい。Lプリアンブルは、L-SIGフィールドを含むためである。また、L-SIGフィールドは、Lプリアンブルの最後に存在するためであり得る。また、L-SIGフィールドを成功的に受信した場合は、前記L-SIGフィールドを含むPPDU(PHY protocol data unit)の長さ(duration)を指示するフィールドを成功的に受信した場合であってよく、このような場合、前記PPDUの長さを判断することが可能である。また、L-SIGフィールドを含むPPDUの長さは、前記L-SIGフィールドが含むRATEフィールド及びLENGTHフィールドに基づいて決定されてよい。前記RATEフィールド及び前記LENGTHフィールドはそれぞれ、前述したL_RATEフィールド、L_LENGTHフィールドであってよい。
【0369】
Lプリアンブルは、L-STF、L-LTF、L-SIGフィールドを含んでよい。L-STF、L-LTF、L-SIGフィールドは、PPDUの最先頭からそれぞれ8us、8us、4usを占めることができる。すなわち、LプリアンブルはPPDUの先頭20usに存在してよい。
【0370】
L-SIGフィールドは、RATE、reserved、LENGTH、parity、SIGNAL TAILフィールドを含んでよい。RATE及びLENGTHをそれぞれ、RATEフィールドが指示する値(Mbps)、LENGTHフィールドの値ということができる。LENGTHは次のように設定されてよい。
【0371】
LENGTH=Ceil((TXTIME-SignalExtension-20)/4)*RATE/8*4-3-m
【0372】
ここで、Ceil(x)は、 xより大きかったり同じ最も小さな整数(the smallest integer larger than or equal to x)であってよい。TXTIMEは、PPDU送信長又はPPDU長であってよい。SignalExtensionは、信号拡張(signal extension)の長さであってよい。SignalExtensionは、5GHz帯域又は6GHz帯域で0usであってよい。SignalExtensionは、2.4GHz帯域で6usであってよい。また、mは、HE PPDUに対して1又は2であってよい。また、mは、HE PPDU以外のPPDU(すなわち、non-HT(duplicate)PPDU、HT PPDU、VHT PPDU、EHT PPDU)に対して0であってよい。
【0373】
また、RXTIME又はPPDU長は、次のように計算されてよい。これは、L-SIG(又は、LENGTHフィールドとRATEフィールド)が指示するPPDU長であってよい。
【0374】
RXTIME=Ceil((LENGTH+3)/(RATE/8*4))*4+20+SignalExtension
【0375】
また、RATEが指示できる値は、6、9、12、18、24、36、48、54Mbpsであってよい。これは、20MHzチャネル間隔(channel spacing)である時の実施例であってよい。また、言及したRATEが指示可能な値を示すRATEフィールド値は、RATEフィールドのLSBからMSBまでの値がそれぞれ1101、1111、0101、0111、1001、1011、0001、0011である時のものであってよい。すなわち、RATEフィールドが1101である時に、RATEフィールドが指示するRATEは6Mbpsであってよい。
【0376】
仮に、RATEが6Mbpsであれば、LENGTH及びRXTIMEは、次の通りであってよい。
【0377】
LENGTH=Ceil((TXTIME-SignalExtension-20)/4)*3-3-m
【0378】
RXTIME=Ceil((LENGTH+3)/3)*4+20+SignalExtension
【0379】
Lプリアンブルを成功的に受信した場合にMediumSyncDelayタイマーをリセットすることは、前記Lプリアンブルを含むPPDUのデュレーション(duration)を成功的に受信、判断し得るためである。また、STAは、Lプリアンブルを成功的に受信した場合に、前記Lプリアンブルを含むPPDUのデュレーションにおいて媒体(medium)をbusyと判断するか、媒体(チャネル)アクセスを行わなくてよい。しかし、このような場合、図21図26で説明した有効な期間情報又は有効なMPDU又はRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONに基づいてリセットする実施例と比較して、フレーム交換シーケンスを保護することが困難になり得る。前述した有効な期間情報又は有効なMPDU又はRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONは、フレームシーケンスのデュレーションを指示できるが、Lプリアンブルが指示するデュレーションはPPDUのデュレーションであるためであり得る。しかし、図27の実施例は、図21図26で説明した実施例に比べて、MediumSyncDelayタイマーをリセットしてから早くチャネルアクセスをする可能性が高くなり得る。これは、LプリアンブルはPPDUの前の部分に存在するので、Lプリアンブルを成功的に受信し、有効な期間情報又は有効なMPDU又はRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONを成功的に受信できない場合が存在し得るためである。
【0380】
また、図24図25、及び図27図29で説明したMediumSyncDelayの間に最初のフレーム又はRTSフレームに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットする問題を解決するための実施例を、図30の実施例に適用することができる。本発明において、MediumSyncDelayの間に最初のフレーム又はRTSフレームと言及した実施例は、それに限定されず、それぞれ、RTSフレーム又はMediumSyncDelayの間に最初のフレームに置き換えて適用することも可能である。
【0381】
本発明の一実施例によれば、前述したように、受信したフレームがRTSフレームであるかに基づいてリセットするか否かが決定される時に、RTSフレームであるか否かがデュレーションに基づいて決定されてよい。デュレーションはPPDUデュレーションであってよい。本発明の一実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがLプリアンブルを成功的に受信した場合に、前記Lプリアンブルを含むPPDUのデュレーションがRTSフレームのデュレーションよりも長い場合に限ってMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。すなわち、前記Lプリアンブルを含むPPDUのデュレーションがRTSフレームのデュレーション以下である場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが不可であってよい。
【0382】
RTSフレームがnon-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUに含まれた場合に、PPDUデュレーションは次の通りであってよい。RATEが指示する値が6、9、12、18、24、36、48、54Mbpsである場合に、それぞれ、52、44、36、32、28、28、24、24usであってよい。したがって、52usと等しい又はより短いPPDUを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットしなくてよい。
【0383】
PPDUにフレームが含まれた場合に、PPDU長は次のように計算されてよい。
【0384】
PPDU duration=Ceil((FrameOctet*8+ServiceTailBits)/RATE/4)*4+Preamble
【0385】
FrameOctetは、MACフレームフォーマットでオクテット数(octet number)であってよい。RTSフレームでは、FrameOctetは20であってよい。ServiceTailBitsは、serviceフィールドとtailビットとのビット数の和であってよい。例えば、ServiceTailBitsは、22ビットであってよい。RATEは、先に言及したRATEであってよい。また、4は、OFDMシンボル長(us)であってよい。Preambleは、Non-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUである場合に、Lプリアンブルの長さであってよい。すなわち、Non-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUである場合に、Preambleは20usであってよい。
【0386】
本発明の一実施例として、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがLプリアンブルを成功的に受信した場合に、前記Lプリアンブルを含むPPDUのデュレーションがRTSフレームのデュレーションよりも長い場合に限ってMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能な実施例において、RTSフレームのデュレーションをLENGTHフィールドのみに基づいて判断することが可能である。したがって、このような場合、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがLプリアンブルを成功的に受信した場合に、前記Lプリアンブルを含むPPDUのデュレーションが54usよりも長い場合に限ってMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。
【0387】
又は、本発明の一実施例として、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがLプリアンブルを成功的に受信した場合に、前記Lプリアンブルを含むPPDUのデュレーションがRTSフレームのデュレーションよりも長い場合に限ってMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能な実施例において、RTSフレームのデュレーションをLENGTHフィールド及びRATEフィールドに基づいて判断することが可能である。すなわち、受信したRATEフィールド値に基づいてPPDUのデュレーションを比較する閾値が変わってよい。
【0388】
このような実施例において、RTSフレームを含むPPDUのデュレーションは、RTSフレームがnon-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUに含まれたことを仮定したものであってよい。
【0389】
さらに他の実施例によれば、RTSフレームを含むPPDUのデュレーションは、RTSフレームを含むPPDUフォーマットを判断した場合に、当該PPDUフォーマットのプリアンブル長及び/又はデータレート(data rate)を考慮してデュレーションを判断できる。
【0390】
しかしながら、このような実施例では、RTSフレームとオクテット数が同一である又は小さいフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットし難いことがある。例えば、CF-Endフレーム又はPS-Pollフレームは、オクテット数が20オクテットで、RTSフレームと同一であってよい。また、Ackフレーム又はCTSフレームは、RTSフレームに比べてオクテット数が小さくてよい。Ackフレーム又はCTSフレームは、14オクテットであってよい。
【0391】
また、高データレート(high data rate)を用いたPPDUを受信する場合にも、これに対してMediumSyncDelayタイマーをリセットし難いことがある。例えば、フレームのオクテット数がRTSフレームよりも大きくても、高いMCSを用いて短いPPDUで送信されてよく、この場合、PPDUデュレーションが閾値以下であるため、MediumSyncDelayタイマーをリセットし難いことがある。
【0392】
図30を参照すると、リンク2で動作する複数のSTAは、MediumSyncDelayを適用していてよい。また、MediumSyncDelayを適用しているリンク2のSTA2がTXOPを得、最初のフレームとしてRTSフレームを送信できる。MediumSyncDelayタイマーが0でないSTA3(例えば、前記複数のSTAのうち1つのSTA)は、前記RTSフレームを含むPPDU又はそれに続くCTSフレームを含むPPDU又はCTSフレームに続くsubsequentフレームを含むPPDUに基づいて、MediumSyncDelayタイマーをリセットするか否かを決定することができる。すなわち、STA3がLプリアンブルを成功的に受信した場合に、前記Lプリアンブルが指示するPPDUデュレーションに基づいて、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であるか否かが決定されてよい。仮に、PPDUデュレーションがRTSフレームを含むPPDUデュレーションよりも大きい場合に、リセットすることが可能であってよく、小さい又は同一である場合に、リセットすることが不可であってよい。
【0393】
一実施例によれば、RTSフレームを含むPPDUデュレーションは、52usであってよい。他の実施例によれば、RTSフレームを含むPPDUデュレーションは、RATEフィールドが6、9、12、18、24、36、48、54Mbpsを指示するとき、それぞれ、52、44、36、32、28、28、24、24usであってよい。これは、RTSフレームがnon-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUに含まれた場合であってよい。
【0394】
したがって、図30の実施例において、STA3は、RTSフレームを含むPPDUとCTSフレームを含むPPDUに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが不可であってよい。仮に、STA3がsubsequentフレームを含むPPDUを受信した場合に、前述した条件に基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であるか否かを判断できる。
【0395】
すなわち、図30で説明した実施例によれば、RTSフレームを送信したSTAから隠れた(hidden)位置に存在するSTAは、RTSフレーム及びそれに続くフレーム交換に基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが難しいことがある。これは、前記STAがチャネルアクセスすることに不利に作用することがある。
【0396】
図31は、本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーリセットのさらに他の例を示す図である。
【0397】
図31は、本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーリセットを示す図である。
【0398】
図31の実施例は、図30で説明した問題を解決するための実施例であってよい。また、前述した内容は省略されてよい。
【0399】
本発明の一実施例によれば、前述したように、受信したフレームがRTSフレームであるかに基づいてリセットされるか否かが決定される時に、RTSフレームであるか否かがデュレーションに基づいて決定されてよい。デュレーションは、PPDUデュレーションであってよい。本発明の一実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがLプリアンブルを成功的に受信した場合に、前記Lプリアンブルを含むPPDUのデュレーションがRTSフレームのデュレーションと異なる場合に限ってMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。すなわち、前記Lプリアンブルを含むPPDUのデュレーションがRTSフレームのデュレーションと同じ場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが不可であってよい。すなわち、図27で説明した実施例と比較して、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAがLプリアンブルを成功的に受信した場合に、前記Lプリアンブルを含むPPDUのデュレーションがRTSフレームのデュレーションよりも短い場合にも、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。
【0400】
RTSフレームのデュレーションは、図27における説明と同一であってよい。
【0401】
本発明においてPPDUのデュレーションとRTSフレームのデュレーションを比較する実施例を示したが、本発明はこれに限定されず、受信したPSDU(PHY service data unit)のオクテット数(RXVECTOR parameter PSDU_LENGTH)、フレームのオクテット数、L-SIGに含まれたLENGTHフィールド値などをRTSフレームに該当する値と比較する実施例にも適用できる。例えば、前述の受信した比較基準をRTSフレームに該当する値と比較し、互いに同一であればMediumSyncDelayタイマーをリセットできなく、互いに同一であなければMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。
【0402】
したがって、本実施例によって、RTSフレームより小さい又は短いフレーム若しくは高いデータレート又はMCSを使用した場合にも、そのようなフレーム又はPPDUに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。
【0403】
図31を参照すると、リンク2で動作する複数のSTAがMediumSyncDelayを適用していてよい。また、MediumSyncDelayを適用しているリンク2のSTA2がTXOPを得、最初のフレームとしてRTSフレームを送信できる。MediumSyncDelayタイマーが0でないSTA3(例えば、前記複数のSTAのうち1つのSTA)は、前記RTSフレームを含むPPDU又はそれに続くCTSフレームを含むPPDU又はCTSフレームに続くsubsequentフレームを含むPPDUに基づいて、MediumSyncDelayタイマーをリセットするか否かを決定することができる。すなわち、STA3がLプリアンブルを成功的に受信した場合に、前記Lプリアンブルが指示するPPDUデュレーションに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であるか否かが決定されてよい。仮に、PPDUデュレーションがRTSフレームを含むPPDUデュレーションと異なる場合に、リセットすることが可能であってよく、同じ場合に、リセットすることが不可であってよい。
【0404】
一実施例によれば、RTSフレームを含むPPDUデュレーションは、52usであってよい。他の実施例によれば、RTSフレームを含むPPDUデュレーションは、RATEフィールドが6、9、12、18、24、36、48、54Mbpsを指示するとき、それぞれ、52、44、36、32、28、28、24、24usであってよい。これは、RTSフレームがnon-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDUに含まれた場合であってよい。
【0405】
したがって、図31の実施例において、STA3は、RTSフレームを含むPPDUに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが不可であってよい。また、STA3がCTSフレームを含むPPDUを受信した場合に、CTSフレームを含むPPDUに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。仮に、STA3がsubsequentフレームを含むPPDUを受信した場合に、前述した条件に基づいて、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であるか否かを判断することができる。
【0406】
すなわち、図31で説明した実施例によれば、RTSフレームを送信したSTAから隠れた(hidden)位置に存在するSTAは、CTSフレーム又はCTSフレームを含むPPDUに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。
【0407】
しかし、図31の実施例の場合にも、RTSフレームと同じ長さのフレーム又はそのフレームを含むPPDUに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが難しいことがある。例えば、前述したように、CF-Endフレーム又はPS-Pollフレームは、RTSフレームとオクテット数が同一であるため、このようなフレームを含むPPDUに基づいてMediumSyncDleayタイマーをリセットすることが難しいことがある。また、高データレートを使用したPPDUを受信する場合にも、これに対してMediumSyncDelayタイマーをリセットし難いことがある。例えば、フレームのオクテット数がRTSフレームと異なっても、高いMCSを用いてRTSフレームが含まれた場合と同じ長さのPPDUで送信されてよく、このような場合、PPDUデュレーションが閾値と同一であるため、MediumSyncDelayタイマーをリセットし難いことがある。例えば、non-HT PPDU又はnon-HT duplicate PPDU以外のPPDU(HT PPDU、VHT PPDU、HE PPDU、EHT PPDU)は、L-SIGフィールドに含まれたRATEフィールドを常に既に設定された値、例えば6Mbpsを指示する値に設定することができる。そして、実際に使用するレートは、L-SIGフィールド以後に含まれるフィールド(例えば、HT-SIG、VHT-SIG-A、HE-SIG-A、U-SIG、EHT-SIGフィールドなど)に含まれてよい。したがって、L-SIGフィールドに含まれたRATEフィールドに基づいてPPDUデュレーションを判断する時に、RTSフレームを含むPPDUでない場合にも、RTSフレームを含むPPDUと同じデュレーションとして計算されることがある。
【0408】
図32は、本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーリセットのさらに他の例を示す図である。
【0409】
図32の実施例は、図30及び図31で説明した問題を解決するための実施例であってよい。また、前述した内容は省略されてよい。特に、デュレーションに関して前述した内容は省略されてよい。
【0410】
本発明の一実施例によれば、フレーム(MACフレーム)を受信したか否かによって、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であるか否かを決定する方法が異なってよい。例えば、フレームを受信したか、又はフレームを受信できず、プリアンブルのみを受信したかによって、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であるか否かを決定する方法が異なってよい。
【0411】
一実施例によれば、PPDUからフレームを受信した場合に、図25、及び図27図29で説明した実施例に基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。例えば、PPDUからフレームを受信した場合に、前記フレームがRTSフレームでなければ、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。又は、PPDUからフレームを受信した場合に、前記フレームがRTSフレームでなく、且つPS-Pollフレームでなければ、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。
【0412】
仮に、PPDUからフレームを受信できなかった場合に、図30及び図31で説明した実施例に基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。例えば、PPDUからフレームを受信できなかった場合に、前記PPDUからLプリアンブルを成功的に受信すると、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい(図30の実施例)。又は、PPDUからフレームを受信できなかった場合に、前記PPDUからLプリアンブルを成功的に受信したし、前記PPDUのデュレーションがRTSフレームを含むPPDUのデュレーションよりも大きいと、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい(図30の実施例)。又は、PPDUからフレームを受信できなかった場合に、前記PPDUからLプリアンブルを成功的に受信したし、前記PPDUのデュレーションがRTSフレームを含むPPDUのデュレーションと異なると、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい(図31の実施例)。
【0413】
RTSフレームのデュレーション又はRTSフレームを含むPPDUのデュレーションは、図30及び図31における説明と同一であってよい。
【0414】
本発明においてPPDUのデュレーションとRTSフレームのデュレーションとを比較する実施例を示しているが、本発明はこれに限定されず、受信したPSDU(PHY service data unit)のオクテット数(RXVECTOR parameter PSDU_LENGTH)、フレームのオクテット数、L-SIGに含まれたLENGTHフィールド値などを、RTSフレームに該当する値と比較する実施例にも適用可能である。例えば、前述の受信した比較基準をRTSフレームに該当する値と比較し、互いに同一である場合にMediumSyncDelayタイマーをリセットできなく、 互いに同一でない場合にMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。
【0415】
前述した実施例は、次のように記述することもできる。
【0416】
例えば、STAがLプリアンブル又はRTSフレームでないフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。このとき、STAは、MediumSyncDelayタイマー値が0でないSTAであってよい。また、受信したことは、成功的に受信したことを意味できる。
【0417】
又は、STAが、1)Lプリアンブルを受信したし、デュレーションがRTSフレームのデュレーションよりも長い場合に、又は2)RTSフレームでないフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。このとき、デュレーションは、Lプリアンブル又はL-SIGフィールドに含まれたLENGTHフィールドが指示するデュレーションであってよい。すなわち、STAが受信したPPDUでRTSフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが不可であってよい。また、STAが受信したPPDUでCTSフレーム又はCF-Endフレーム又はPS-Pollフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。又は、前記1)又は2)の条件に、又は3)UNSPECIFIED値でないRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットできる実施例が存在してよい。
【0418】
又は、STAが、1)Lプリアンブルを受信したし、デュレーションがRTSフレームのデュレーションと異なる場合に、又は2)RTSフレームでないフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。このとき、デュレーションは、Lプリアンブル又はL-SIGフィールドに含まれたLENGTHフィールドが指示するデュレーションであってよい。すなわち、STAが受信したPPDUでRTSフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが不可であってよい。また、STAが受信したPPDUでCTSフレーム又はCF-Endフレーム又はPS-Pollフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。又は、前記1)又は2)条件に、又は3)UNSPECIFIED値でないRXVECTOR parameter TXOP_DURATIONを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットできる実施例が存在してよい。
【0419】
また、本発明の実施例において、RTSフレームでないフレームを受信した場合にリセットする条件に、前述した実施例を併せて使用することができる。例えば、RTSフレームでないフレームを受信した場合だけでなく、RTSフレームを受信した場合にも、結合されたAP又は結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたBSSIDに該当するAPが送信したRTSフレームであれば、リセットすることが可能であってよい。又は、上りリンクであるか又は下りリンクであるかに基づいてリセットするか否かを判断する実施例を併せて使用することができる。
【0420】
図32を参照すると、リンク2で動作する複数のSTAは、MediumSyncDelayを適用していてよい。また、MediumSyncDelayを適用しているリンク2のSTA2がTXOPを得、最初のフレームとしてRTSフレームを送信できる。MediumSyncDelayタイマーが0でないSTA3(例えば、前記複数のSTAのうち1つのSTA)は、前記RTSフレームを含むPPDU又はそれに続くCTSフレームを含むPPDU又はCTSフレームに続くsubsequentフレームを含むPPDUに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットするか否かを決定することができる。すなわち、STA3がLプリアンブルを成功的に受信した場合に、前記Lプリアンブルが指示するPPDUデュレーションに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であるか否かが決定されてよい。このような場合、STA3はRTSフレームを含むPPDUのLプリアンブルに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることが不可であってよい。又は、STA3がRTSフレームでないフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。したがって、STA3がRTSフレームを含むPPDUのLプリアンブルに続いてRTSフレームを受信しても、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが不可であってよい。また、STA3が受信したsubsequentフレームを含むPPDUのデュレーションが、RTSフレームを含むPPDUデュレーションと同一であっても、STA3が前記subsequentフレームを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。又は、STA3がCTSフレームを受信した場合にも、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが可能であってよい。
【0421】
更なる実施例によれば、前述した実施例において、MediumSyncDelayタイマー値が0でないtimerを有するSTAがPPDU又はフレームを受信し、MediumSyncDelayタイマーをリセットできる否かを判断する実施例において受信したPPDU又はフレームがintra-BSSに該当する場合にのみリセット可能であると限定されてよい。これは、STAのbasic NAVのみが設定されており、intra-BSS NAVは設定されない場合には、フレーム又はPPDUを送信する場合が存在し得るためである。例えば、STAのbasic NAVのみが設定されており、intra-BSS NAVは設定されていない場合に、intra-BSS AP又は結合されたAPが前記STAにtriggeringフレーム(トリガーフレーム又はTRS Controlを含むフレーム)を送信した場合には、前記STAがフレーム又はPPDUを送信することが可能であってよい。
【0422】
図33は、本発明の一実施例に係るMediumSyncDelayタイマーリセットのさらに他の例を示す図である。
【0423】
図24図32で説明したように、MediumSyncDelayタイマーをリセットする動作が存在してよい。また、前述したように、このとき、リセットする動作を行うのか否かは、受信したフレームの種類に基づき得る。また、リセットする動作を行うか否かは、受信したフレームをどのSTAが送信したかに基づき得る。本発明において前述した内容は省略されてよい。
【0424】
図23で説明したように、複数のSTAがMediumSyncDelayタイマーが0でない場合が存在してよい。また、本発明の実施例によれば、前記複数のSTAはAP MLDに属したSTA(すなわち、AP)を含んでよい。例えば、AP MLDがNSTRリンク対で動作する場合が存在してよい。このようなAP MLDをNSTR AP MLD又はNSTR mobile AP MLD又はNSTR soft AP MLDと呼ぶことができる。
【0425】
図33を参照すると、NSTR mobile AP MLDであるAP MLDにAP1とAP2が属していてよい。また、AP1とAP2はそれぞれ、リンク1とリンク2で動作することができる。NSTR mobile AP MLDと結合(association)(多重リンクセットアップ)されたnon-AP MLDが存在してよい。前記non-AP MLDにはSTA1とSTA2が属していてよい。また、STA1とSTA2はそれぞれ、リンク1とリンク2で動作できる。リンク1、リンク2はそれぞれ、プライマリーリンク、ノンプライマリーリンクであってよい。例えば、AP1とSTA1がフレーム交換を行う場合が存在してよい。AP1がPPDU 1を送信できる。また、STA1がPPDU 2を送信できる。このような場合、AP1がPPDU 1を送信する間に該送信がAP2に干渉として作用し、PPDU 1を送信する間にAP2はブラインドされることがある。このような場合、AP2がブラインドを抜けた時にMediumSyncDelyタイマーを始めることができる。また、STA1がPPDU 2を送信する間に該送信がSTA2に干渉として作用し、PPDU 2を送信する間にSTA2はブラインドされることがある。このような場合、STA2がブラインドを抜けた時にMediumSyncDelyタイマーを始めることができる。このように、APを含む複数のSTAのMediumSyncDelayタイマーが0でない場合が存在し得る。
【0426】
このとき、図25で説明した一実施例によって、結合されたAP、又は結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに属したAPが送信した最初のフレームとして許容される種類のフレームを受信した時に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットすることが許容される場合に、図21で説明した問題のように、最初のフレームに続いてフレーム交換がなされない場合にも、最初のフレームに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットして既存のフレーム交換を妨害することがある。すなわち、図30で、AP2がMediumSyncDelayタイマーが0でない間にRTSフレームを最初のフレームとして送信できるが(例えば、この最初のフレームはSTA2ではなくSTA3に送信したものであり得る。)、これを受信したSTA2は、前記最初のフレームに基づいてMediumSyncDelayタイマーをリセットすることがある。このような場合、STA2が送信を始め、送信中のフレーム交換に干渉を誘発することがある。
【0427】
NSTR mobile AP MLDは、プライマリーリンクとノンプライマリーリンクを設定、割り当て、指定(designate)することができる。また、NSTR mobile AP MLDと多重リンクセットアップしたnon-AP MLDは、どのリンクがプライマリーリンクで、どのリンクがノンプライマリーリンクであるかに関する情報を、NSTR mobile AP MLDから受信して判断できる。NSTR mobile AP MLDは、プライマリーリンクでのみBeaconフレーム、Probe Responseフレーム、Association Responseフレーム、Reassociation Responseフレームを送信することが可能であってよい。NSTR mobile AP MLDは、ノンプライマリーリンクでBeaconフレーム、Probe Responseフレーム、Association Responseフレーム、Reassociation Responseフレームを送信することが不可であってよい。また、NSTR mobile AP MLDと多重リンクセットアップした(又は、しようとする)non-AP MLDは、プライマリーリンクでのみProbe Requestフレーム、Association Requestフレーム、Reassociation Requestフレームを送信することが可能であってよい。NSTR mobile AP MLDと結合(association)したり多重リンクセットアップした(又は、しようとする)non-AP MLDは、ノンプライマリーリンクでProbe Requestフレーム、Association Requestフレーム、Reassociation Requestフレームを送信することが不可であってよい。
【0428】
また、NSTR mobile AP MLD又はNSTR mobile AP MLDと結合したnon-AP MLDは、ノンプライマリーリンクでTXOPを開始(フレーム送信を開始)するためにプライマリーリンクを必ず共に使用する必要があり得る。例えば、ノンプライマリーリンクでPPDU送信を始めるために、プライマリーリンクでノンプライマリーリンクと同時にPPDU送信を始める必要があり得る。また、プライマリーリンクとノンプライマリーリンクで同時にPPDU送信を始めるためのバックオフ手順が存在し得る。例えば、バックオフカウンタが0に到達したリンクでバックオフカウンタ0値を維持し、バックオフカウンタ0であるリンクでは、他のリンクでバックオフカウンタが0に到達する時にPPDU送信を始めることができる。
【0429】
また、AP MLDは、自分がNSTR mobile AP MLDであるか、又はNSTR mobile AP MLDではなくAP MLD(STRリンク対で動作するAP MLD)であるかを指示できる。例えば、図20で説明した多重リンクエレメントが前記指示を含んでよい。より具体的には、多重リンクエレメントが含むCommon InfoフィールドのMLD Capabilitiesフィールドが前記指示を含んでよい。より具体的には、MLD CapabilitiesフィールドのB7ビットが前記指示を示すことができる。前記指示は、AP MLDが多重リンクエレメントを送信する場合に存在してよい。例えば、NSTR mobile AP MLDが多重リンクエレメントを送信する場合に、前記ビット値が1に設定されてよい。NSTR mobile AP MLDでないAP MLDが多重リンクエレメントを送信する場合に、前記bit値が0に設定されてよい。前記ビットを受信するnon-AP MLDは、前記ビットに基づいて、前記ビットを含む多重リンクエレメントがNSTR mobile AP MLDであるか否かを判断できる。
【0430】
また、NSTR mobile AP MLDは、Reduced Neighbor Reportエレメントを送信する時に、前記NSTR mobile AP MLDに該当するTBTT Informationフィールドに、MLD Parametersサブフィールドのみを含んでよい。また、NSTR mobile AP MLDでないAP MLDは、Reduced Neighbor Reportエレメントを送信する時に、前記AP MLDに該当するTBTT InformationフィールドにMLD Parametersサブフィールドのみを含む場合が存在しなくてよい。Reduced Neighbor Reportエレメントは、Beaconフレーム、Probe Responseフレーム、Association Responseフレーム、Reassociation Responseフレームに含まれてよい。したがって、TBTT Informationフィールドを受信するnon-AP MLDは、前記TBTT InformationフィールドがMLD Parametersフィールドのみを含むか否かによって、前記TBTT Informationフィールドに該当するAP MLDがNSTR mobile AP MLDであるか否かが判断できる。TBTT InformationフィールドにMLD Parametersサブフィールドのみを含むか否かは、TBTT Informationフィールドの長さ又はtypeを指示するフィールドに基づいて決定されてよい。例えば、MLD Parametersサブフィールドは、既に設定された長さ、例えば3オクテットであってよい。また、TBTT Informationフィールドの長さを指示する値が前記既に設定された長さを指示する場合に、前記TBTT InformationフィールドがMLD Parametersサブフィールドのみを含み、前記TBTT InformationフィールドがNSTR mobile AP MLDに該当するということが判断できる。
【0431】
本発明の一実施例によれば、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが有効なフレーム(又は、MPDU)を受信した時に、前記STAが結合(多重リンクセットアップ)したAP MLDであるが又はNSTR mobile AP MLDであるかに基づいて、MediumSyncDelayタイマーをリセットすることが許容されるか否かを判断することができる。図22で説明した実施例において、STAが受信したフレームが最初のフレームとして許容される種類のフレームであり、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送信したフレームでない場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されなかった。また、STAが受信したフレームが最初のフレームとして許容される種類のフレームでないか、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送信したフレームである場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容された。しかし、本発明の実施例において、これは、結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)がNSTR mobile AP MLDでないAP MLDに属した場合に限定されてよい。
【0432】
すなわち、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが有効なフレーム(又は、MPDU)を受信したとき、1)MediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームであり、2)NSTR mobile AP MLDでないAP MLDに属した結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送信したフレームでない場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されなくてよい。
【0433】
また、MediumSyncDelayタイマーが0でないSTAが有効なフレーム(又は、MPDU)を受信したとき、1)MediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームでないか、2)NSTR mobile AP MLDでないAP MLDに属した結合されたAP(又は、結合されたAPと同じ多重BSSIDセットに含まれたAP)が送信したフレームである場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されてよい。
【0434】
すなわち、STAが受信したフレームがMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレーム(例えば、RTSフレーム)である、結合されたAPがNSTR mobile AP MLDに属しており、受信したフレームを結合されたAPが送信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されなくてよい。
【0435】
また、STAが受信したフレームがMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレーム(例えば、RTSフレーム)であり、結合されたAPがNSTR mobile AP MLDでないAP MLDに属しており、受信したフレームを結合されたAPが送信した場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されてよい。
【0436】
また、STAが受信したフレームがMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレーム(例えば、RTSフレーム)であり、受信したフレームを結合されたAPが送信しない場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されなくてよい。
【0437】
また、STAが受信したフレームがMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレーム(例えば、RTSフレーム)でない場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されてよい。
【0438】
このとき、フレームを受信したSTAは、MediumSyncDelayタイマー値が0でない状態のSTAであってよい。
【0439】
フレームを結合されたAPが送信したか否かに基づいてMediumSyncDelayリセットを許容するか否かを判断する前記実施例は、non-AP MLDが判断する時に限るものであってよい。仮に、NSTR mobile AP MLDがMediumSyncDelayリセットを許容するか否かを判断する時は、受信したフレームの送信者に関係なく判断することができる。例えば、NSTR mobile AP MLDがMediumSyncDelayリセットを許容するか否かを判断する時は、受信したフレームを誰が送信したかに関係なく、受信したフレームがMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレームであるか否かのみに基づいて判断することができる。すなわち、NSTR mobile AP MLDに属したSTAが有効なフレームを受信した場合に、前記フレームがMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレーム(例えば、RTSフレーム)でない場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されてよい。また、NSTR mobile AP MLDに属したSTAが有効なフレームを受信した場合に、前記フレームがMediumSyncDelayの間に最初のフレームとして許容される種類のフレーム(例えば、RTSフレーム)である場合に、MediumSyncDelayタイマーを0にリセットする動作が許容されなくてよい。
【0440】
図34は、本発明の一実施例に係るnon-AP MLDの動作の一例を示すフローチャートである。
【0441】
図34を参照すると、複数個のSTAで構成されたMLDは、NSTRリンク対で動作する場合に、MediumSyncDelayを適用するためのMediumSyncDelayタイマーを、特定の場合に「0」にリセットすることができる。
【0442】
具体的には、第1リンク及び第2リンクを含む複数個のリンクでそれぞれ動作する複数個のステーションを含むマルチリンク装置(Multi-Link Device:MLD)は、1つ以上のステーション(Station:STA)のうち1つのSTAから送信されたフレームを、前記第2リンクで動作する第2STAを介して受信することができる(S34010)。
【0443】
その後、メディアド同期遅延タイマーが「0」でなければ、前記受信したフレームに基づいて、前記第2STAのメディアド同期遅延(Medium Sync Delay)の適用のためのメディアド同期遅延タイマー(Medium Sync Delay timer)をリセットすることができる(S34020)。
【0444】
この時、NSTRリンク対で動作するSTAは、メディアド同期遅延タイマーを「0」でない値に設定して動作させることができる。メディアド同期遅延タイマーは、他のSTAの送信が終了する時点に動作させることができる。しかし、単一ラジオで動作するMLDは、単一ラジオから複数ラジオに変更するためのリンクスイッチング又はリスニング動作に戻るための遅延などのような追加の遅延が必要であり得る。したがって、この場合、送信を終了してから追加の遅延後にMediumSyncDelayタイマーを動作させることができる。例えば、MLDがEMLSRモードで動作する場合に、STAは、MediumSyncDelayタイマーをリスニング動作に戻った後に直ちに動作させることができる。
【0445】
メディアド同期遅延が適用されるリンクのSTAは、有効なフレーム又は有効なMPDUに対するPPDUを受信した場合に、メディアド同期遅延タイマーが「0」でなければ、メディアド同期遅延タイマーを「0」にリセットすることができる。又は、受信パラメータ(RXVECTOR parameter)であるTXOP_Durationが特定値以外の値であるPPDUを受信した場合に、MediumSyncDelayタイマーが「0」でなければ、MediumSyncDelayタイマーを「0」にリセットすることができる。このとき、有効なフレームは、RTSフレーム以外のフレームであってよい。
【0446】
このとき、第1リンクと前記第2リンクは、各リンクでの送/受信が他のリンクで干渉を発生させ、同一MLD内で同時送/受信を支援しないNSTR(Non-Simultaneous Transmission and Reception)リンク対であってよい。
【0447】
例えば、第1リンクで送信されたPPDUによって、NSTRリンク対である第2リンクで1つ以上のSTAの送/受信が制限され、PPDUの送信が終わった時点にMediumSyncDelayタイマーが動作してMediumSyncDelayが1つ以上のSTAに適用される場合に、第2リンクで1つ以上のSTAは有効なフレームを受信すると、MediumSyncDelayタイマーをリセットさせることができる。すなわち、特定周波数帯域が割り当てられた1つ以上のSTAは、同一BSS又は他のBSSの20MHzで送信されたRTSフレームを除く有効なMPDUに対するPPDUを受信すると、MediumSyncDelayタイマーをリセットさせることができる。このとき、PPDU又はフレームが、結合されたAP又は同一の多重BSSIDセットに含まれたAPから送信された場合に、受信されたPPDU又はフレームがRTSフレームである場合にも、1つ以上のSTAはMediumSyncDelayタイマーをリセットさせることができる。
【0448】
以上、本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変形可能であるということが理解できよう。したがって、以上に述べた実施例はいかなる面においても例示的であり、限定的でないものとして理解すべきである。例えば、単一型として説明されている各構成要素は分散して実施されてもよく、同様に、
分散していると説明されている構成要素も結合された形態で実施されてよい。
【0449】
本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりは添付する特許請求の範囲によって定められ、特許請求の範囲の意味及び範囲並びにその均等概念から導出されるあらゆる変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
【図
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
【国際調査報告】