(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】位相シフター、位相変換ユニット、および位相変換方法
(51)【国際特許分類】
H01P 1/18 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
H01P1/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578167
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 KR2022008151
(87)【国際公開番号】W WO2023282479
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0089757
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0030208
(32)【優先日】2022-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514182333
【氏名又は名称】ギガレーン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GIGALANE CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ ジェ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム デ ホ
(72)【発明者】
【氏名】パク ウン グク
(72)【発明者】
【氏名】チョン ヒ ソク
(57)【要約】
本発明は、位相シフターに関し、複数の位相変換ユニットと連結され、前記複数の位相変換ユニットを通じて変更されるそれぞれの位相を同期化する動作部と、回転軸を有するモータ、前記回転軸と連動して回転する複数のギア、および前記複数のギアのうちいずれか一つと連結されて前記動作部に動力を伝達するスクリューが設けられ、前記モータ、前記複数のギア、および前記スクリューを通じて、前記動作部を駆動する駆動部とを含み、前記スクリューは、前記モータの外側に設けられる装着部に装着され、前記装着部上で軸回転することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の位相変換ユニットと連結され、前記複数の位相変換ユニットを通じて変更されるそれぞれの位相を同期化する動作部と、
回転軸を有するモータ、前記回転軸と連動して回転する複数のギア、および前記複数のギアのうちいずれか一つと連結されて前記動作部に動力を伝達するスクリューが設けられ、前記モータ、前記複数のギア、および前記スクリューを通じて、前記動作部を駆動する駆動部と、を含み、
前記スクリューは、前記モータの外側に設けられる装着部に装着され、前記装着部上で軸回転することを特徴とする、位相シフター。
【請求項2】
前記装着部には、少なくとも一つ以上の潤滑部材が設けられ、前記少なくとも一つ以上の潤滑部材は、前記装着部と前記スクリューの間で、前記スクリューの回転による摩擦または摩耗を減少させることを特徴とする、請求項1に記載の位相シフター。
【請求項3】
前記少なくとも一つ以上の潤滑部材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはポリエーテルイミド(PEI)を含む材質からなることを特徴とする、請求項2に記載の位相シフター。
【請求項4】
前記駆動部は、
前記スクリューに連結されて前記スクリューの回転により前記装着部上で循環移動され、前記スクリューの回転運動を直線運動に変換することによって前記動作部を駆動する循環部材、をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の位相シフター。
【請求項5】
前記駆動部は、
前記装着部の一側または他側で前記スクリューが貫通し、前記循環部材の移動範囲を制限する止め部材、をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の位相シフター。
【請求項6】
前記止め部材は、前記装着部の一側と他側にそれぞれ設けられる第1止め部材および第2止め部材を含み、前記循環部材は、前記第1止め部材および第2止め部材の間で循環移動されることを特徴とする、請求項5に記載の位相シフター。
【請求項7】
前記循環部材には、前記スクリューが貫通する第1貫通ホールが形成され、前記循環部材の循環移動時、前記循環部材は、前記第1貫通ホールの縁が前記止め部材の縁に支持されることによって循環移動が止まることになることを特徴とする、請求項5に記載の位相シフター。
【請求項8】
前記第1貫通ホールの縁には、第1係止突起が形成され、前記第1係止突起は、前記止め部材の縁に形成された第2係止突起に噛み合って支持されることを特徴とする、請求項7に記載の位相シフター。
【請求項9】
前記装着部の一側には、前記スクリューと離隔した地点にガイド部材が設けられ、前記循環部材には、前記ガイド部材が貫通する第2貫通ホールが形成され、前記循環部材の循環移動は、前記ガイド部材によってガイドされることを特徴とする、請求項4に記載の位相シフター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相シフター、位相変換ユニット、および位相変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、移動通信システムで新しく拡張された5Gサービスが導入されるにつれて、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)アンテナ技術が浮び上がっている。
【0003】
一般的に5GサービスでMIMOアンテナ技術にはビームフォーミング(beamforming)方式が適用されている。このようなビームフォーミング方式は、位相シフター(phase shift)がアンテナから放射されるビームの操向角度を変更する。また、位相シフターは、複数のアンテナごとに連結されてそれぞれのアンテナに伝送される信号の位相をシフト(shift)、すなわち位相を変換する複数の位相変換ユニットを含む。
【0004】
一方、5Gサービスを提供する基地局装備のアンテナは64個で構成されるが、位相シフターの位相変換ユニットの数もこれに対応するように構成される。例えば、2個のアンテナが1個の送受信機に連結されるハイブリッドビームフォーミング方式(2 sub-array方式)の場合、位相変換ユニットは32個であり得る。
【0005】
このように、位相変換ユニットの数が多くなると、複数の位相変換ユニットを通じて変換されるそれぞれの位相が同期化されない問題がある。
【0006】
発明の背景となる技術は、本発明に対する理解をより容易にするために作成された。発明の背景となる技術に記載された事項が先行技術として存在すると認めるものと理解されてはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、複数の位相変換ユニットによって変換されるそれぞれの位相を同期化できる位相シフター、位相変換ユニット、および位相変換方法を提供することにその目的がある。
【0008】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は、下記の記載から明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施例に係る位相シフターは、複数の位相変換ユニットと連結され、前記複数の位相変換ユニットを通じて変更されるそれぞれの位相を同期化する動作部と、回転軸を有するモータ、前記回転軸と連動して回転する複数のギア、および前記複数のギアのうちいずれか一つと連結されて前記動作部に動力を伝達するスクリューが設けられ、前記モータ、前記複数のギア、および前記スクリューを通じて、前記動作部を駆動する駆動部と、を含み、前記スクリューは、前記モータの外側に設けられる装着部に装着され、前記装着部上で軸回転される。
【0010】
前記装着部には、少なくとも一つ以上の潤滑部材が設けられ、前記少なくとも一つ以上の潤滑部材は、前記装着部と前記スクリューの間で、前記スクリューの回転による摩擦または摩耗を減少させることができる。
【0011】
前記少なくとも一つ以上の潤滑部材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはポリエーテルイミド(PEI)を含む材質からなり得る。
【0012】
前記駆動部は、前記スクリューに連結されて前記スクリューの回転により前記装着部上で循環移動され、前記スクリューの回転運動を直線運動に変換することによって前記動作部を駆動する循環部材、をさらに含むことができる。
【0013】
前記駆動部は、前記装着部の一側または他側で前記スクリューが貫通し、前記循環部材の移動範囲を制限する止め部材、をさらに含むことができる。
【0014】
前記止め部材は、前記装着部の一側と他側にそれぞれ設けられる第1止め部材および第2止め部材を含み、前記循環部材は、前記第1止め部材および第2止め部材の間で循環移動され得る。
【0015】
前記循環部材には、前記スクリューが貫通する第1貫通ホールが形成され、前記循環部材の循環移動時、前記循環部材は、前記第1貫通ホールの縁が前記止め部材の縁に支持されることによって循環移動が止まることになり得る。
【0016】
前記第1貫通ホールの縁には、第1係止突起が形成され、前記第1係止突起は、前記止め部材の縁に形成された第2係止突起に噛み合って支持され得る。
【0017】
前記装着部の一側には、前記スクリューと離隔した地点にガイド部材が設けられ、前記循環部材には、前記ガイド部材が貫通する第2貫通ホールが形成され、前記循環部材の循環移動は、前記ガイド部材によってガイドされ得る。
【0018】
その他の実施例の具体的な事項は、詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、位相シフターが支持フレーム上で複数の位相変換ユニットを含み、これに連結された動作部と駆動部によって同時に動作することによって、複数の位相をすべて同一に変換できる効果がある。
【0020】
本発明の多様かつ有益な長所と効果は、前述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施例を説明する過程でより容易に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施例に係る位相シフターの上面図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る位相変換ユニットを構成要素別に順次分解した分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る駆動部の斜視図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る位相変換ユニット内の回路パターンの重なった長さの変更方式を説明するための概略図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る動作部のガイドバーの斜視図である。
【
図6】
図1に図示されたA領域の断面を拡大した図面である。
【
図7A】本発明の一実施例に係る位相変換ユニット(ハウジングを含む)の斜視図である。
【
図7B】
図7Aの位相変換ユニットからハウジングを除いた斜視図である。
【
図8】本発明の多様な実施例に係る弾性部材の構造を説明するための斜視図である。
【
図9】本発明の多様な実施例に係る弾性部材の構造を説明するための斜視図である。
【
図10】
図1に図示されたB領域を拡大した斜視図である。
【
図11】本発明の一実施例に係る位相シフターの動作方式を説明するためのブロック図である。
【
図12】本発明の他の実施例に係る位相シフターを示した図面である。
【
図13】本発明の他の実施例に係る位相シフターに設置される駆動部を示した図面である。
【
図14】本発明の他の実施例に係る位相シフターに設置される駆動部を構成要素別に順次分解した分解斜視図である。
【
図15】本発明の他の実施例に係る位相シフターに設置される駆動部で装着部の循環部材と止め部材を示した拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
【0023】
本発明は、種々の異なる形態で具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。
【0024】
因みに、本発明で定義する位相変換ユニットは、一般的に、位相シフターであると理解され得る。
【0025】
図1は、本発明の一実施例に係る位相シフターの上面図である。
【0026】
図1に図示された通り、本発明の位相シフター10は、アンテナから放射されるビームの操向角度を変更できる装置であって、複数の位相変換ユニット200を通じてアンテナに伝送される信号の位相をシフト(shift)、すなわち位相を変換することができる。
【0027】
このために、位相シフター10は、支持フレーム100、位相変換ユニット200、動作部300、および駆動部400を含むことができる。
【0028】
支持フレーム100上には、複数の位相変換ユニット200を配置させることができる。支持フレーム100は、平面形フレームで構成され、複数の位相変換ユニット200を支持できる硬い素材、例えばアルミニウムのような金属素材で形成され得る。支持フレーム100は、複数の位相変換ユニット200をアレイ形態で配置させるための四角形状からなり得る。ただし、支持フレーム100の素材と形状は、前述した例に限定されるものではない。
【0029】
複数の位相変換ユニット200は、支持フレーム100上に複数のアレイ形態で配置され得る。具体的には、支持フレーム100上で複数の位相変換ユニット200が、第2方向に沿って互いに離隔したアレイ形態で配置され、このような位相変換ユニット200のアレイは、第1方向に沿って互いに離隔した複数のアレイで配置され得る。
【0030】
図1で複数の位相変換ユニット200は、支持フレーム100の中心を基準として上下、すなわち第2方向を基準として両側に一対のアレイAR1、AR2が配置されるものとして図示されたが、これに限定されるものではない。例えば、複数の位相変換ユニット200は、支持フレーム100上に三つ以上のアレイをなして配置されてもよい。
【0031】
動作部300は、複数の位相変換ユニット200と連結され、複数の位相変換ユニット200を通じて変換されるそれぞれの位相を同期化することができる。具体的には、動作部300は、複数の位相変換ユニット200内部に連結された伝送線路、すなわち、アンテナと連結された信号線全体の長さを変更させることによって、それぞれの位相を同期化することができ、より具体的な説明は、後述することにする。
【0032】
駆動部400は、動作部300を駆動することができる。具体的には、駆動部400は、動作部300との構造的な連動を通じて、動作部300を駆動することができる。
【0033】
図2は、本発明の一実施例に係る位相変換ユニットを構成要素別に順次分解した分解斜視図である。因みに、
図2は、右側に行くほどさらに多くの構成要素が分解されたことを示す図面である。
【0034】
図2に図示された通り、複数の位相変換ユニット200それぞれは、第1回路基板210、第2回路基板220、移動部材230、およびハウジング240を含むことができる。
【0035】
実施例により、第1回路基板210と第2回路基板220は、印刷回路基板(printed circuit board、PCB)であり、第1回路基板210は、第1回路パターン211を有することができ、第2回路基板220は、第2回路パターン221を有することができる。この時、第1回路パターン211および第2回路パターン221は、アンテナに信号を伝送する伝送線路の一部であり、回路パターンを構成することができる。
【0036】
第2回路基板220は、第2回路パターン221が第1回路パターン211と重畳連結され得るように、第2回路パターン221を有する面が第1回路基板210の第1回路パターン211を有する面と対向配置され得る。それにより、第2回路パターン221は、第1回路パターン211と一部の領域が重畳連結され得る。
【0037】
第2回路パターン221は、動作部300の駆動により、第1回路パターン211との重なった長さが変更され得る。具体的には、第2回路パターン221を有する第2回路基板220は、移動部材230の一面に配置され得、動作部300と連結された移動部材230が第1方向に移動することにより、第1回路パターン211と第2回路パターン221の重なった長さ、すなわち回路パターンの長さが変更され得る。例えば、第2回路基板220は移動部材230とともに第1方向に移動する反面、第1回路基板210は停止しているので、第2回路基板220が第1方向に沿って移動した分だけ回路パターンの長さが変更され得る。
【0038】
ハウジング240は、第1回路基板210上に配置され、第1回路パターン211および第2回路パターン221を収容することができる。実施例により、移動部材230とハウジング240は、第1回路パターン211と第2回路パターン221を通じて伝送される信号を歪曲させないように非伝導性素材で形成され得る。
【0039】
一方、
図2で、第1回路パターン211が第1回路基板210に形成されたものとして図示したが、第1回路パターン211は、ハウジング240に形成されてもよい。例えば、第1回路基板210の代わりにハウジング240に下部面が形成され、ハウジング240の下部面、すなわち移動部材230の一面と接触する面に第1回路パターン211が形成され得る。
【0040】
また、第2回路パターン221が第2回路基板220に形成されたものとして図示したが、第2回路パターン221は、移動部材230に形成されてもよい。すなわち、位相変換ユニット200は、第1回路基板210および第2回路基板220のうち一つ以上を省略することができ、これを通じて位相変換ユニット200の製作工数を減らすことができる。
【0041】
再び
図1を参照すると、動作部300は、複数の位相変換ユニット200と連結され、複数の位相を同期化することができる。具体的には、動作部300は、アレイ形態で配置された複数の位相変換ユニット200それぞれの一側を連結する複数の動作バー310と、複数の動作バー310を連結する一つ以上のガイドバー320とを含むことができる。実施例により、複数の動作バー310は、複数の位相変換ユニット200のアレイ個数に合うように配置され得る。例えば、複数の動作バー310は、一対のアレイAR1、AR2が配置されたため、一対が配置され得る。
【0042】
一つ以上のガイドバー320には複数の動作バー310が連結され、複数の動作バー310が同時に第1方向に沿って移動することができる。
【0043】
一つ以上のガイドバー320は、複数の動作バー310の両側をそれぞれ連結できる一対のガイドバー320形態で配置され得る。このような一対のガイドバー320が動作バー310の両側をそれぞれ連結すると、動作バー310の一側に連結されたガイドバー320の移動が歪んでも他側に連結されたガイドバー320により複数の位相変換ユニット200の移動が補正され得る。
【0044】
実施例により、
図1で一対の動作バー310の両側に一対のガイドバー320がそれぞれ連結されたものとして図示されたが、必要に応じて、一対のガイドバー320には三つ以上の動作バー310が連結されてもよい。例えば、第1動作バー310の両側に連結された一対の第1ガイドバー320および第2ガイドバー320は、第2動作バー310および第3動作バー310の両側にそれぞれ連結されて、第1ガイドバー320および第2ガイドバー320を通じて第1動作バー310、第2動作バー310、および第3動作バー310が同時に第1方向に沿って移動してもよい。
【0045】
このように、一つ以上のガイドバー320を通じて複数の動作バー310が同時に第1方向に沿って移動することができる。また、複数のガイドバー320を通じて複数の動作バー310が第1方向に沿って移動する間、ある一側が歪むことなく安定的に同時に移動することができる。
【0046】
また、複数の動作バー310が同時に移動することによって、動作部300は、複数の位相を同一に変換、すなわち同期化することができる。駆動部400は、支持フレーム100上に配置され、動作部300を駆動することができる。具体的には、駆動部400は、複数の動作バー310のうち少なくとも一つの動作バー310と連結されることによって、複数の動作バー310が第1方向に沿って移動できる駆動力を提供することができる。例えば、駆動部400は、アクチュエータであり得る。
【0047】
これまで、本発明の一実施例に係る位相シフター10について説明した。本発明によると、位相シフター10が支持フレーム100上で複数の位相変換ユニット200を含み、これに連結された動作部300と駆動部400により同時に動作することによって、複数の位相をすべて同一に同期化できる効果がある。
【0048】
以下では、複数の位相変換ユニット200を動作させるための、駆動部400の構造について説明することにする。
【0049】
図3は、本発明の一実施例に係る駆動部の斜視図である。
【0050】
図3に図示された通り、駆動部400は、モータ410および複数のギア420を含むことができる。モータ410は、回転軸を有することができ、複数のギア420は、モータ410の回転軸と連動して回転することができる。例えば、複数のギア420のうち最初に回転するギアは、モータ410の回転軸と連動して回転し、最初に回転するギアと連動されたギアが回転することができる。
【0051】
また、複数のギア420の回転は、複数の動作バー310の移動と連動され得る。それにより、複数のギア420は、モータ410から伝達される駆動力を通じて複数の動作バー310およびこれに連結された複数の位相変換ユニット200の移動部材230を同一に第1方向に移動させることができる。
【0052】
例えば、複数のギア420のうち最終に回転するギアと複数の動作バー310のうちいずれか一つがスクリュー421に連結され、ギアでの回転運動が複数の動作バー310の直線運動に変換され得る。
【0053】
一方、ギアは複数個で形成されるので、モータ410の回転速度がギア比により減速され得、複数の動作バー310の移動速度は、必要以上に速くないように減速され得る。
【0054】
図4は、本発明の一実施例に係る位相変換ユニット内回路パターンの重なった長さの変更方式を説明するための概略図である。
【0055】
図4に図示された通り、複数の位相変換ユニット200内の第1回路パターン211と第2回路パターン221は、斜線で表示された領域で重なり得る。このような重なった長さが増加するほど回路パターンの長さは短くなり、重なった長さが減少するほど回路パターンの長さは長くなり得る。
【0056】
モータ410と複数のギア420が駆動することにより、複数の動作バー310により第1回路パターン211と第2回路パターン221の重なった長さが変更され得、回路パターンの長さの差分Y1を通じて位相が変換され得る。
【0057】
すなわち、複数の動作バー310の駆動範囲は、第1回路パターン211および第2回路パターン221の重なった長さと対応し得る。例えば、複数の動作バー310の駆動範囲は、0mm~14mmであり得、回路パターンの重なった長さは、0mm~14mmであり得る。
【0058】
これまで本発明の一実施例に係る駆動部400について説明した。以下では、駆動部400で形成された駆動力によって動作する動作部300の構造について説明することにする。
【0059】
図5は、本発明の一実施例に係る動作部のガイドバーの斜視図である。因みに、
図5の左側図面はガイドバーを上側から見た図面であり、
図5の右側図面はガイドバーを下側から見た図面である。
【0060】
図5に図示された通り、ガイドバー320は、駆動部400により第1方向に沿って移動することができ、第1方向への円滑な移動のために一領域に第1ガイドローラ321と第2ガイドローラ323をさらに含むことができる。
【0061】
また、ガイドバー320はそれぞれ2個の第1ガイドローラ321と第2ガイドローラ323を含むことができ、第1ガイドローラ321と第2ガイドローラ323の個数は、必要に応じてそれぞれ1個または3個以上を含んでもよい。
【0062】
一方、ガイドバー320は、第1ガイドローラ321と第2ガイドローラ323との結合構造によって、第2方向および第3方向への移動が制約され得、第1方向に安定的に移動することができる。
【0063】
図6は、
図1に図示されたA領域の断面を拡大した図面である。
【0064】
図6に図示された通り、ガイドバー320は、位相シフター10の正面(第1方向基準)から見た断面が折り曲げられた形状をなし得、折り曲げられた部分を基準としてガイドバー320は、第1ガイド部分320a、第2ガイド部分320b、および第3ガイド部分320cに区分され得る。
【0065】
第1ガイド部分320aは、支持フレーム100と対向配置され得、第2ガイド部分320bは、第1ガイド部分320aで折り曲げられて支持フレーム100から遠ざかる方向に延長され得る。第3ガイド部分320cは、第2ガイド部分320bで折り曲げられて第1ガイド部分320aと平行に延長され得る。
【0066】
第1ガイドローラ321は、第1ガイド部分320aの上部に配置され得る。具体的には、第1ガイドローラ321は、下面が第1ガイド部分320aと接触し、側面が第2ガイド部分320bの一側面と接触することができる。
【0067】
第2ガイドローラ323は、第3ガイド部分320cの下部に配置され得る。具体的には、第2ガイドローラ323は、上面が第3ガイド部分320cと接触し、側面が第2ガイド部分320bの他側面と接触することができる。
【0068】
第1ガイドローラ321および第2ガイドローラ323は、支持フレーム100の平面上でガイドバー320の第1方向と垂直な第2方向の移動を制限させ、ガイドバー320の同一平面上の第1方向および第2方向と垂直な第3方向の移動を制限させることができる。具体的には、第1ガイドローラ321により第2ガイド部分320bが第2方向の一側(第2ガイドローラ323が配置された右側)への移動が制限され、第2ガイドローラ321により第2ガイド部分320bが第2方向の他側(第1ガイドローラ321が配置された左側)への移動が制限され得る。また、第1ガイドローラ321により第1ガイド部分320aが第3方向の一側(第1ガイドローラ321が配置された上側)への移動が制限され、第2ガイドローラ323により第3ガイド部分320cが第3方向の他側(第2ガイドローラ323が配置された下側)への移動が制限され得る。
【0069】
このように、ガイドバー320の一側に装着された第1ガイドローラ321および他側に装着された第2ガイドローラ323を通じてガイドバー320の第2方向への動きおよび第3方向への動きを制限するものの、第1方向へは円滑に動くことができる。
【0070】
また、第1ガイドローラ321には、支持フレーム100の平面上に位置した回転軸が挿入され、第1ガイドローラ321は、固定部材101を通じて回転軸に固定され得る。また、第2ガイドローラ323には、支持フレーム100の平面上に位置した回転軸が挿入され得る。図面に図示してはいないが、第2ガイドローラ323も、第1ガイドローラ321と同一に別途の固定部材(図示されず)を通じて回転軸に固定され得る。
【0071】
第1ガイドローラ321および第2ガイドローラ323は、互いに平行に配置された回転軸を中心に回転することによって、第2方向および第3方向で互いに対応するようにガイドバー320の動きを制限することによって、ガイドバー320の第2方向および第3方向への動きをより円滑に制限することができる。
【0072】
この他にも、第1ガイドローラ321および第2ガイドローラ323は、摩擦による損傷が最小化され得る素材からなり得る。実施例により、第1ガイドローラ321および第2ガイドローラ323は、耐熱性プラスチックのように摩耗に強い素材からなり得、具体的には、PPS(polyphenylene sulfide)、LCP(liquid crystal polymer)、およびPPTE(Polytetrafluoroethylene)のうちいずれか一つで形成され得る。
【0073】
このように、第1ガイドローラ321および第2ガイドローラ323が摩耗に強い素材で形成されることによって、ガイドバー310が反復的に移動する間ローラの摩耗によってガイドバー320の動きを制限する性能に低下が発生せず、位相シフター10の耐久性が向上し得る。
【0074】
これまで本発明の一実施例に係る動作部300の構造について説明した。以下では、動作部300の駆動により第1回路パターン211および第2回路パターン221の重なった長さを変更する位相変換ユニット200の構造について説明することにする。
【0075】
図7Aおよび
図7Bは、本発明の一実施例に係る位相変換ユニットの斜視図である。因みに、
図7Aはハウジングを含んだ図面であり、
図7Bはハウジングを除いた図面である。
【0076】
図7Aおよび
図7Bに図示された通り、複数の位相変換ユニット200それぞれは、第1回路パターン211および第2回路パターン221の重なった長さを変更するための移動部材230をさらに含むことができる。具体的には、
図7Bを参照すると、移動部材230は、位相シフター10の側面(第2方向)から見た断面が折り曲げられた形状をなし得、折り曲げられた形状を基準として区画された第1移動部分231および第2移動部分233を含むことができる。
【0077】
第1移動部分231には、第2回路基板220が配置され得、第2移動部分233は、第1移動部分231から延び、動作部300と固定結合され得る。例えば、第2移動部分233の突出部分は、動作部300のホールに挿入されて固定結合され得る。この時、突出部分の一端は、動作部300のホールに挿入された後に分離されることを防止するための係止形状を有することができる。
【0078】
移動部材230は、第2回路基板220と共に動作部300により第1方向に移動されて、第1回路パターン211および第2回路パターン221の重なった長さを変更することができる。
【0079】
実施例により、移動部材230に配置された第2回路基板220は、第3方向を基準として第1回路基板210と微細間隔離隔した状態であり得、移動部材230の弾性力を通じて第1回路パターン211に第2回路パターン221が密着され得る。具体的には、移動部材230は、第2回路パターン221が第1回路パターン211と密着可能であるように、第1回路基板210が位置した方向に第2回路基板220を弾性力を通じて加圧する弾性構造からなり得る。例えば、弾性構造は、形状または素材が弾性力を有する構造であり得る。
【0080】
まず、移動部材230の形状が弾性力を有する構造について説明することにする。
【0081】
図7Bに図示された通り、第1移動部分231が自由端からなるカンチレバー形状CTを具備することができる。具体的には、移動部材230が第1方向に移動する間、第1移動部分231に備えられたカンチレバー形状CTの自由端は、ハウジング240の内側面に接触して弾性力を得ることができる。このような弾性力を得た第1移動部分231は、第2回路基板220を加圧し、加圧された第2回路基板220の第2回路パターン221は、第1回路パターン211に密着され得る。この時、第1移動部分231は、第1回路パターン211と第2回路パターン221の密着は維持するものの、必要以上に加圧はしない程度の弾性力を有することができる。
【0082】
第1移動部分231がカンチレバー形状CTを容易に具備できるように、移動部材230は、プラスチック系列の素材で形成され得る。
【0083】
図7Aおよび
図7Bで、第1移動部分231に備えられたカンチレバー形状CTの自由端は、ハウジング240の内側面に接触して弾性力を得るものとして図示されたが、これに限定されるものではない。例えば、第1移動部分231に備えられたカンチレバー形状CTの自由端は、第2回路基板220に接触して弾性力を得てもよい。
【0084】
このように、移動部材230の形状が弾性力を有する構造で形成されることによって、第1回路基板210と第2回路基板220の密着は維持されるものの、必要以上に加圧しないので、回路パターンが損傷することを防止することができる。
【0085】
次に、移動部材230の素材が弾性力を有する構造について説明することにする。
【0086】
図8および
図9は、本発明の多様な実施例に係る弾性部材の構造を説明するための斜視図である。
【0087】
図8に図示された通り、移動部材230は、弾性力を提供するための弾性部材235をさらに含むことができる。
【0088】
弾性部材235は、第2回路基板220と第1移動部分231の間に配置され得、それにより、第2回路基板220を第1回路基板210が位置した方向に加圧することができる。例えば、弾性部材235は、ゴムやシリコンなどのように弾性素材であり得る。
【0089】
図面に図示してはいないが、弾性部材235の弾性力を下げて第2回路基板220の移動性を向上できるように、弾性部材235には、複数の貫通するホールが形成され得る。
【0090】
図8および
図9に図示された通り、弾性部材235は、突起237をさらに含むことができる。
【0091】
突起237は、第1移動部分231または第2回路基板220と接触する弾性部材235の両面のうち少なくとも一面に配置され得る。例えば、突起237は、第1移動部分231と接触する弾性部材235の一面に配置されるか、第1移動部分231および第2回路基板220と接触するように弾性部材235の両面に配置されてもよい。
【0092】
弾性部材235に突起237が配置されると、弾性部材235の面を通じて第2回路基板200を全体的に加圧する代わりに、突起237を通じて加圧力が部分的に集中されて加圧することになるので、加圧がより容易となり得る。
【0093】
実施例により、突起237の内側には第1方向に沿って所定の空いた空間GAPが形成されて加圧を容易にするものの、第2回路基板220に過度の加圧力が加えられることを防止することができる。
【0094】
図9に図示された通り、突起237は、内部領域に所定の空いた空間GAPを有することができる。
【0095】
弾性部材235が弾性素材である場合、第1回路基板210に向けられる第2回路基板220の加圧力が必要以上に高くなると、第2回路基板220の移動を阻害することができる。それに伴い、突起237を弾性部材235に形成し、ひいては突起237の内部領域を所定の空いた空間GAPで形成することによって、加圧力を低くすることができる。この時、突起237を通じて第2回路基板220が第1回路基板210を加圧することにより、突起237の空いた空間GAPが圧縮され得る。すなわち、空いた空間GAPは、第2回路基板220と移動部材230の間で押さえられて潰され得る。
【0096】
このように、突起237の内部領域に形成された所定の空いた空間GAPが加圧力を低くして、密着は維持するものの第2回路基板220の移動を向上させることができる。
【0097】
これまで本発明の一実施例に係る位相変換ユニット200と内部構成要素について説明した。前述した、位相変換ユニット200の形状と素材は、前述した例に限定されるものではない。
【0098】
以下では、複数の位相変換ユニット200を配置した位相シフター10の耐久性を向上するための構造について説明することにする。
【0099】
図10は、
図1に図示されたB領域を拡大した斜視図である。
【0100】
図10に図示された通り、位相シフター10は、固定部500をさらに含むことができる。
【0101】
固定部500は、支持フレーム100に両側が固定されるアーチ状からなり得、支持フレーム100に固定された両側の間に開口部を形成することができる。
【0102】
複数の動作バー310のうち一つ以上は、支持フレーム100と固定部500の間に形成された開口部を貫通することができ、該当動作バー310が第1方向および第2方向と垂直な第3方向への動きを制限することができる。
【0103】
このように、固定部500を通じて動作バー310の第3方向への動きを制限することによって、動作バー310が第1方向に移動する間、動作バー310が第3方向に浮くことなく安定した状態を維持することができる。
【0104】
実施例により、
図1で固定部500が複数の動作バー310それぞれに配置されたものとして図示されたが、必要に応じて、複数の動作バー310のうち駆動部400と直接連結される動作バー310は、固定部500の配置が除外されてもよい。例えば、固定部500は、駆動部400と直接的に動作が連動されない動作バー310に配置されて、該当動作バー310の動きのみを制限させることができる。これは、駆動部400が固定部500の代わりに動作バー310の第3方向への動きを制限できるためである。
【0105】
以下では、前述した位相シフター10の位相を変換するための一連の方法について説明することにする。
【0106】
図11は、本発明の一実施例に係る位相シフターの動作方式を説明するためのブロック図である。
【0107】
位相シフター10は、支持フレーム100、複数の位相変換ユニット200、動作部300、および駆動部400を含むことができ、各構成は、前記
図1~
図10に図示された位相シフター10と同一であるため、具体的な説明は省略することにする。
【0108】
図11に図示された通り、位相シフター10は、位相シフター10の動作を制御する制御部600をさらに含むことができる。具体的には、制御部600は、駆動部400に複数の位相変換ユニット200が動作するための電気的信号のような動作命令を提供することができ、このような動作命令は、プロセッサによって遂行可能な命令が記録されたコンピュータ読み取り可能な保存媒体から具現され得る。
【0109】
実施例により、制御部600は、駆動部400の動作を制御できるように、駆動部400のモータ410および複数のギア420の属性値を保存することができる。例えば、制御部20は、複数のギア420のギア歯数や、複数のギア420の回転比などを保存することができる。
【0110】
実施例により、制御部600は、
図11に図示された通り、複数の位相シフター10の動作を制御したり、複数の位相シフター10と個別連結された制御部600を通じて動作を制御したりすることができる。
【0111】
実施例により、制御部600は、管理者から入力された値を基準として位相シフター10の位相を変換させることができる。
【0112】
まず、制御部600は、変換しようとする位相に対応する入力値を取得することができる。入力値に対する一実施例として、制御部600は、位相シフター10の位相変換値を入力値として取得することができる。ここで、位相変換値は、0°~12°Tiltであり得、これに限定されなくてもよい。
【0113】
入力値に対する他の実施例として、制御部600は、位相変換ユニット200内の回路パターンの重なる長さ変更値または動作部300の駆動範囲値を入力値として取得することができる。ここで、回路パターンの重畳長さ値および動作部300の駆動範囲値は、0mm~14mmであり得、これに限定されなくてもよい。
【0114】
次に、制御部600は、入力値を取得した以後、入力値と制御部20に予め保存された参照値を利用して、複数の位相変換ユニット200を通じてそれぞれの位相を同一に変換するための結果値を生成することができる。具体的には、参照値は、演算式または比較データを含むことができる。例えば、演算式は、入力値に対する結果値を生成するための演算であり得、比較データは、複数の入力値とこれに対する結果値が予め演算されて羅列されたテーブルであり得る。すなわち、予め保存された比較データは入力値による結果値がすでに導き出されているところ、制御部600は、入力値に基づいて結果値をマッチングすることができる。
【0115】
参照値に対する一実施例として、制御部600に保存された参照値は、入力値の変換範囲と動作部300の駆動範囲に基づいて生成される相対比演算式または比較データを含むことができる。ここで、入力値の変換範囲は、位相変換ユニット200の位相変換範囲(例、0°~12°Tilt)であり得、動作部300の駆動範囲は、回路パターンの重畳長さの変更範囲(例、0mm~14mm)を意味し得る。より具体的には、相対比演算式は、位相がX°だけ変わるために、動作部300がYmmを移動しなければならないかに対する演算式であり得る。例えば、制御部600が、参照値が反映された相対比演算式にビームの傾き角度(ビームの方向を6°傾ける)を入力すると、動作部300の移動長さ値(7mm)を出力として得ることができる。すなわち、制御部600は、相対比演算式を通じて回路パターンの長さが7mm増加する出力値を演算することができる。
【0116】
参照値に対する他の実施例として、制御部600に保存された参照値は、複数のギア420に基づいて生成されるギア比演算式または比較データを含むことができる。ここで、ギア比演算式は、ギア420の歯数で得ることができるデータであり、制御部600は、複数のギア420のギア比演算式(例、被動ギア歯数/駆動ギア歯数)を保存し、入力値に対する結果値を生成する演算過程でギア比演算式を算入することができる。
【0117】
次に、制御部600は、結果値を生成した以後、結果値に基づいて動作部300および駆動部400を駆動させてそれぞれの位相を変換することができる。例えば、結果値は、回路パターンの長さ変更、すなわち、動作部300の移動長さを制御するための、駆動部400の回転量を制御する動作命令であり得る。
【0118】
実施例により、制御部600は、生成された結果値を基準として駆動部400を通じて動作部300を駆動できるように制御するものの、負荷の有無により駆動速度を制御することができる。具体的には、結果値は、駆動部400を通じて動作部300を低速または高速駆動させるための連続した値を含むことができ、連続した値に基づいて駆動部400を通じて動作部300が低速または高速駆動され得る。
【0119】
制御部600は、結果値に合うように予め設定された範囲だけ駆動部400を通じて動作部300を低速駆動させることができ、もし低速駆動時、予め設定された範囲だけ駆動する間駆動部400に負荷がかからない場合、制御部20は、駆動部を通じて動作部300を高速駆動させることができる。この時、「負荷」とは、動作部300が障害物にかかって駆動しない状態を意味し得る。
【0120】
このように、制御部20が駆動部400を通じて動作部300を予め設定された範囲だけ低速駆動させてから高速駆動させることによって、動作部300が高速駆動中に障害物によって損傷することを防止することができる。
【0121】
また、動作部300および駆動部400の動作は、駆動速度の変化により停止せず、連続的になされ得る。
【0122】
以下では、本発明の他の実施例に係る位相シフターを説明することにする。
【0123】
図12は、本発明の他の実施例に係る位相シフターを示した図面である。
図13は、本発明の他の実施例に係る位相シフターに設置される駆動部を示した図面である。
図14は、本発明の他の実施例に係る位相シフターに設置される駆動部を構成要素別に順次分解した分解斜視図である。
図15は、本発明の他の実施例に係る位相シフターに設置される駆動部で装着部の循環部材と止め部材を示した拡大図である。
【0124】
本発明の他の実施例に係る位相シフター20は、前述した位相シフター10と同一に、支持フレーム100と、支持フレーム100上に配置される複数の位相変換ユニット200と、複数の位相変換ユニット200と連結され、複数の位相変換ユニット200を通じて変更されるそれぞれの位相を同期化する動作部300と、動作部300を駆動する駆動部400とを含むものの、駆動部400は、回転軸を有するモータ410と回転軸と連動して回転する複数のギア420、および複数のギア420のうちいずれか一つと連結されて前記動作部300に動力を伝達するスクリュー421を含み、モータ410、複数のギア420、およびスクリュー421を通じて、動作部300を駆動することができる。
【0125】
スクリュー421は、モータ410の外側に設けられる装着部415に装着され、装着部415上で軸回転される。
【0126】
スクリュー421は、リードスクリュー、ボールスクリューのように循環部材430(例えば、ナット)が循環(すなわち、スクリューに沿って循環部材が前後に移動)するスクリューであり得る。
【0127】
また、装着部415には少なくとも一つ以上の潤滑部材423が設けられ、少なくとも一つ以上の潤滑部材423は、装着部415とスクリュー421の間で、スクリュー421の回転による摩擦または摩耗を減少させることができる。
【0128】
具体的には、
図13~
図14を参照すると、潤滑部材423は、スクリュー421の一端と他端に設けられる第1潤滑部材423aおよび第2潤滑部材423bを含むことができ、装着部415は、モータ410の側面で突出してスクリュー421が装着され得る貫通ホールの形状で形成され、スクリュー421は、装着部415に貫通して装着される。
【0129】
スクリュー421の端部には複数のギア420のうちいずれか一つが結合され、ギア420は他の複数のギア420と噛み合ってモータ410から駆動力の伝達を受けることになり、回転力が伝達されたスクリュー421は、円周方向に沿って形成されたねじ山とねじ山に連結された循環部材とを通じて回転運動を直線運動に変換することになるのである。
【0130】
この時、装着部415に装着されるスクリュー421は繰り返し回転するため、装着部415と接触する部位で摩擦または摩耗が発生し得、これに伴い、粉塵が発生して、粉塵による位相シフターの耐久性の減少や、位相変換ユニットの誤作動、駆動力伝達の効率性減少などの問題点を引き起こし得る。
【0131】
したがって、本発明の他の実施例に係る位相シフターでは、該当地点に少なくとも一つ以上の潤滑部材423、425を配置してスクリュー421と装着部415の間で発生する摩擦と摩耗を最小化し、これに伴い、粉塵の発生が防止されることによって位相シフターの耐久性を維持し、位相変換ユニットの誤作動を予防できるのである。
【0132】
この時、少なくとも一つ以上の潤滑部材423、425は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはポリエーテルイミド(PEI)を含む材質からなり得る。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)等の材質は、摩擦または摩耗耐久性が強く、やわらかい潤滑材の役割をすることができる材質である。
【0133】
駆動部400は、スクリュー421に連結されてスクリュー421の回転により装着部415上で循環移動され、スクリュー421の回転運動を直線運動に変換することによって動作部300を駆動する循環部材430、をさらに含むことができる。
【0134】
駆動部400は、装着部415の一側または他側でスクリュー421が貫通され、循環部材430の移動範囲を制限する止め部材425、をさらに含むことができる。この時、止め部材425の長さにより循環部材430が移動する区間を設定することができる。
【0135】
止め部材425は、装着部415の一側と他側にそれぞれ設けられる第1止め部材425aおよび第2止め部材425bを含み、循環部材430は、第1止め部材425aおよび第2止め部材425bの間で循環移動され得る。
【0136】
循環部材430には、スクリュー421が貫通する第1貫通ホール433が形成され、循環部材430の循環移動時、循環部材430は、第1貫通ホール433の縁が止め部材425の縁に支持されることによって循環移動が止まることになり得る。
【0137】
第1貫通ホール433の縁には第1係止突起435が形成され、第1係止突起435は、止め部材425の縁に形成された第2係止突起427に噛み合って支持され得る。この時、第1係止突起435はそれぞれ第1貫通ホール433の両端部にそれぞれ形成(
図15の435aおよび435b)され得、第2係止突起427はそれぞれ第1止め部材または第2止め部材に形成(
図15の427aおよび427b)され得、第1係止突起435a、435bはそれぞれ第2係止突起427a、427bが互いに対向しながら接触することによって、循環部材430の面と止め部材425の面が接触しながらロック現象が発生して循環部材430が止め部材425a、425bからよく分離されないことを防止することができる。
【0138】
装着部415の一側には、スクリュー421と離隔した地点にガイド部材417が設けられ、循環部材430には、ガイド部材417が貫通する第2貫通ホール437が形成され、循環部材430の循環移動は、ガイド部材417によりガイドされ得る。この時、ガイド部材417の両端は、装着部415に結合され得る。
【0139】
一方、スクリュー421は、回転軸を利用した回転動作に動作部300の移動が連動されることによって、モータ410から伝達される駆動力を通じて動作部300およびこれに連結された複数の位相変換ユニット200それぞれの一側を同じ方向に移動させることができる。
【0140】
また、動作部300は、複数の位相変換ユニット200を連結する複数の動作バー310、および複数の動作バー310を連結する一つ以上のガイドバー320を含み、スクリュー421は、複数の動作バー310のうちいずれか一つと連結され、複数のギア420のうちいずれか一つから伝達された回転力を通じて動作バー310を直線運動させることができる。
【0141】
以上、好ましい実施例を通じて本発明に関して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、請求の範囲内で多様に実施され得る。
【国際調査報告】