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特表2024-524966薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/30 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
A61M5/30 500
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578790
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 KR2022006671
(87)【国際公開番号】W WO2023054831
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0129752
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521526063
【氏名又は名称】バズ バイオメディック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BAZ BIOMEDIC CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョングク
(72)【発明者】
【氏名】ハム フィチャン
(72)【発明者】
【氏名】リ ソンフン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066FF02
4C066HH05
4C066HH13
4C066HH17
(57)【要約】
本発明は、使用者が薬物の注入モード、注入量、注入深さ及び注入速度を含む注入性能を調節できるように構成されることにより、利便性がより向上するという利点がある。また、ユーザインターフェースを通じて使用者が所望する注入性能を設定することができるので、便宜性が向上する。また、ソレノイドコイルに印加されるパルスの出力回数、周期、振幅、出力時間及び出力オフ時間を調節することにより、使用者が所望する薬物の注入性能で調節することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディーの外周面に巻かれたソレノイドコイルと、
前記ボディーの開口された前面に連通されるように結合されたシリンダーと、
前記シリンダーの前側の内側面に形成されて、外部から注入された薬物が収容される薬物収容部と、
前記シリンダーの前側に備えられて、前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部と、
前記ボディーの内部に備えられて、前記ソレノイドコイルに電源供給時に発生する磁力によって前進移動する運動磁性体と、
前記シリンダーの内部に備えられて、前記運動磁性体の前進移動時に、前記運動磁性体が加える衝撃力によって前進移動して、前記薬物収容部内の薬物を加圧するピストンと、
前記ソレノイドコイルにパルスを印加するパルス発生器と、
前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入モード、注入量、注入深さ及び注入速度のうち少なくとも1つを含む注入性能を使用者が設定可能にするユーザインターフェースと、
前記ユーザインターフェースを通じて設定された注入性能によって、前記パルス発生器から前記ソレノイドコイルに印加されるパルスの出力回数(N)、パルスの周期(T)、パルスの振幅、パルスの出力時間(ton)及びパルスが出力されない出力オフ時間(toff)のうち少なくとも一部を調節して、前記注入性能を制御する制御部と、
を含む、薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項2】
前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入モードを薬物を1回注入する単発モード、設定回数によって薬物を注入する点射モード、薬物の注入と遮断とを連続して繰り返す連射モードに区分して表示して、使用者が選択して設定させる、請求項1に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記単発モードが設定されれば、
前記パルスの出力回数を1回に設定し、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節する、請求項2に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記点射モードが設定されれば、
前記パルスの出力回数を前記設定回数に設定し、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節し、前記薬物の注入速度によって、前記パルスの周期を調節し、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いた時間を前記出力オフ時間(toff)に設定する、請求項2に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記連射モードが設定されれば、
前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節し、前記薬物の注入速度によって、前記パルスの周期を調節し、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いた時間を前記出力オフ時間(toff)に設定する、請求項2に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項6】
前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入量を設定範囲で使用者が増減させて設定させ、
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入量が大きいほど、前記パルスの出力時間(ton)を増加させる、請求項1に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項7】
前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入深さを設定深さ間隔で複数のレベルに区分して、使用者が前記レベルのうち何れか1つを選択して設定させ、
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さが深いほど、前記パルスの振幅を増加させる、請求項1に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項8】
前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入速度は、秒当たり注入回数で表示して使用者が増減させて設定させ、
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入速度が速いほど、前記パルスの周期を減少させ、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いた時間を前記出力オフ時間(toff)に設定する、請求項1に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項9】
前記ボディーと前記シリンダーとのうち少なくとも1つの内部に備えられて、前記ソレノイドコイルに電流供給遮断時に、前記ピストンが後退する方向に前記ピストンに弾性力を付与するピストン用弾性部材をさらに含む、請求項1に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項10】
前記ノズル部と前記薬物収容部との間の連通ホールを開閉するように備えられて、前記ピストンの前進移動時に、前記薬物収容部から薬物に加えられる油圧によって押されて、前記連通ホールを開放し、前記油圧の解除時に弾性復元されて、前記連通ホールを遮蔽するノズル部開閉弁をさらに含む、請求項1に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項11】
前記ボディーの外側で前記ソレノイドコイルの外側を取り囲むように備えられて、前記ソレノイドコイルで発生する熱を冷却流体を通じて吸収して冷却させる冷却チャンバをさらに含む、請求項1に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項12】
ボディーの外周面に巻かれたソレノイドコイルと、
前記ボディーの開口された前面に連通されるように結合されたシリンダーと、
前記シリンダーの前側の内側面に形成されて、外部から注入された薬物が収容される薬物収容部と、
前記シリンダーの前側に備えられて、前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部と、
前記ボディーの内部に備えられて、前記ソレノイドコイルに電源供給時に発生する磁力によって前進移動する運動磁性体と、
前記シリンダーの内部に備えられて、前記運動磁性体の前進移動時に、前記運動磁性体が加える衝撃力によって前進移動して、前記薬物収容部内の薬物を加圧するピストンと、
前記ノズル部と前記薬物収容部との間の連通ホールを開閉するように備えられて、前記ピストンの前進移動時に、前記薬物収容部から薬物に加えられる油圧によって押されて、前記連通ホールを開放し、前記油圧の解除時に弾性復元されて、前記連通ホールを遮蔽するノズル部開閉弁と、
前記ボディーの外側で前記ソレノイドコイルの外側を取り囲むように備えられて、前記ソレノイドコイルで発生する熱を冷却流体を通じて吸収して冷却させる冷却チャンバと、
前記ソレノイドコイルにパルスを印加するパルス発生器と、
前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入モード、注入量、注入深さ及び注入速度のうち少なくとも1つを含む注入性能を使用者が設定可能にするユーザインターフェースと、
前記ユーザインターフェースを通じて設定された注入性能によって、前記パルス発生器から前記ソレノイドコイルに印加されるパルスの出力回数(N)、パルスの周期(T)、パルスの振幅、パルスの出力時間(ton)及びパルスが出力されない出力オフ時間(toff)のうち少なくとも一部を調節して、前記注入性能を制御する制御部と、を含み、
前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入モードを薬物を1回注入する単発モード、設定回数によって薬物を注入する点射モード、薬物の注入と遮断とを連続して繰り返す連射モードに区分して表示して、使用者が選択して設定させ、
前記制御部は、
前記ユーザインターフェースを通じて前記単発モードが設定されれば、前記パルスの出力回数を1回に設定し、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節し、
前記ユーザインターフェースを通じて前記点射モードが設定されれば、前記パルスの出力回数を前記設定回数に設定し、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入速度によって、前記パルスの周期を調節し、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いた時間を前記出力オフ時間(toff)に設定し、
前記ユーザインターフェースを通じて前記連射モードが設定されれば、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節し、前記薬物の注入速度によって、前記パルスの周期を調節し、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いた時間を前記出力オフ時間(toff)に設定する、薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項13】
ボディーの外周面に巻かれたソレノイドコイルと、
前記ボディーの開口された前面に連通されるように結合されたシリンダーと、
前記シリンダーの前側の内側面に形成されて、外部から注入された薬物が収容される薬物収容部と、
前記シリンダーの前側に備えられて、前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部と、
前記ボディーの内部に備えられて、前記ソレノイドコイルに電源供給時に発生する磁力によって前進移動して、前記薬物収容部内の薬物を加圧するピストンと、
前記ソレノイドコイルにパルスを印加するパルス発生器と、
前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入モード、注入量、注入深さ及び注入速度のうち少なくとも1つを含む注入性能を使用者が設定可能にするユーザインターフェースと、
前記ユーザインターフェースを通じて設定された注入性能によって、前記パルス発生器から前記ソレノイドコイルに印加されるパルスの出力回数(N)、パルスの周期、パルスの振幅、パルスの出力時間(ton)及びパルスが出力されない出力オフ時間(toff)のうち少なくとも一部を調節して、前記注入性能を制御する制御部と、
を含む、薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項14】
外部から注入された薬物が収容される薬物収容部と、
前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部と、
前進及び後退を繰り返しながら、前記薬物収容部内の薬物を繰り返して加圧して、前記薬物収容部に収容された薬物をノズル部に吐き出させるピストン、電磁的な力を形成させて、前記ピストンを前進させるソレノイドコイル、及び前記ソレノイドコイルにパルスを印加するパルス発生器を含むソレノイドメカニズムと、
前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入量及び注入深さを調節するために、前記パルス発生器を制御する制御部と、
を含む、薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項15】
外部から注入された薬物が収容される薬物収容部と、
前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部と、
前進及び後退を繰り返しながら、前記薬物収容部内の薬物を繰り返して加圧して、前記薬物収容部に収容された薬物をノズル部に吐き出させるピストン、電磁的な力を形成させて、前記ピストンを前進させるソレノイドコイル及び前記ソレノイドコイルにパルスを印加するパルス発生器を含むソレノイドメカニズムと、
前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入量及び注入深さを使用者が設定可能にするユーザインターフェースと、
前記ユーザインターフェースに入力される設定情報に基づいて、前記パルス発生器を制御する制御部と、
を含む、薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項16】
内部に外部から注入された薬物が収容される薬物収容部が形成されているシリンダーと、
前記シリンダーの薬物収容部と連通されて、前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部と、
前記薬物収容部内の薬物を加圧して、前記薬物を前記ノズル部に向かって流す薬物加圧部と、
前記薬物加圧部を駆動させる駆動部と、
前記駆動部にパルスを印加するパルス発生器と、
前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入モード、注入量、注入深さ及び注入速度のうち少なくとも1つを含む注入性能を使用者が設定可能にするユーザインターフェースと、
前記ユーザインターフェースを通じて設定された注入性能によって、前記パルス発生器から前記駆動部に印加されるパルスの出力回数(N)、パルスの周期(T)、パルスの振幅、パルスの出力時間(ton)及びパルスが出力されない出力オフ時間(toff)のうち少なくとも一部を調節して、前記注入性能を制御する制御部と、
を含む、薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項17】
前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入モードを薬物を1回注入する単発モード、設定回数によって薬物を注入する点射モード、薬物の注入と遮断とを連続して繰り返す連射モードに区分して表示して、使用者が選択して設定させる、請求項16に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項18】
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記単発モードが設定されれば、
前記パルスの出力回数を1回に設定し、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節する、請求項17に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項19】
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記点射モードが設定されれば、
前記パルスの出力回数を前記設定回数に設定し、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節し、前記薬物の注入速度によって、前記パルスの周期を調節し、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いた時間をパルスが出力されない出力オフ時間(toff)に設定する、請求項17に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項20】
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記連射モードが設定されれば、
前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節し、前記薬物の注入速度によって、前記パルスの周期を調節し、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いた時間をパルスが出力されない出力オフ時間(toff)に設定する、請求項17に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無針注射システムに係り、より詳細には、薬物の注入モード、注入量、注入深さ及び注入回数を含む注入性能の調節が可能な無針注射システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、注射器は、薬液を生物体の組織の中に注射する器具である。注射器は、体内に刺す針(Needle)と、薬液が収容される注射筒と、注射筒の内部で往復運動し、前記針で薬液を押し込むピストンで構成される。針には、穴が開いており、注射する時、薬物を注入させる。
【0003】
最近、注射器の針に対する恐怖心を解消し、針による感染を予防するために、針のない注射器についての研究開発が活発になっている。
【0004】
しかし、従来の無針注射器は、所定量の薬物を皮膚の一箇所のみに一回に注入するように構成されるために、皮膚組織の損傷などが発生する恐れがある。
【0005】
また、1回注入後、再装填などの不便さが伴うために、皮膚美容などの分野で広い面積の皮膚に均一に複数回薬物の注入に使えない限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、使用者が薬物の注入性能を調節しながら、注射が可能であって、利便性が向上する無針注射システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による薬物注入性能の調節が可能な無針注射システムは、ボディーの外周面に巻かれたソレノイドコイル;前記ボディーの開口された前面に連通されるように結合されたシリンダー;前記シリンダーの前側の内側面に形成されて、外部から注入された薬物が収容される薬物収容部;前記シリンダーの前側に備えられて、前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部;前記ボディーの内部に備えられて、前記ソレノイドコイルに電源供給時に発生する磁力によって前進移動する運動磁性体;前記シリンダーの内部に備えられて、前記運動磁性体の前進移動時に、前記運動磁性体が加える衝撃力によって前進移動して、前記薬物収容部内の薬物を加圧するピストン;前記ソレノイドコイルにパルスを印加するパルス発生器;前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入モード、注入量、注入深さ及び注入速度のうち少なくとも1つを含む注入性能を使用者が設定可能にするユーザインターフェース;前記ユーザインターフェースを通じて設定された注入性能によって、前記パルス発生器から前記ソレノイドコイルに印加されるパルスの出力回数(N)、パルスの周期(T)、パルスの振幅(Amplitude)、パルスの出力時間(ton)及びパルスが出力されない出力オフ時間(toff)のうち少なくとも一部を調節して、前記注入性能を制御する制御部;を含む。
【0008】
前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入モードを薬物を1回注入する単発モード、設定回数によって薬物を注入する点射モード、薬物の注入と遮断とを連続して繰り返す連射モードに区分して表示して、使用者が選択して設定させる。
【0009】
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記単発モードが設定されれば、前記パルスの出力回数を1回に設定し、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節する。
【0010】
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記点射モードが設定されれば、前記パルスの出力回数を前記設定回数に設定し、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節し、前記薬物の注入速度によって、前記パルスの周期を調節し、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いたパルスの出力オフ時間(toff)を設定する。
【0011】
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記連射モードが設定されれば、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節し、前記薬物の注入速度によって、前記パルスの周期を調節し、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いたパルスの出力オフ時間(toff)を設定する。
【0012】
前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入量を設定範囲で使用者が増減させて設定させ、前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入量が大きいほど、前記パルスの出力時間(ton)を増加させる。
【0013】
前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入深さを設定深さ間隔で複数のレベルに区分して、使用者が前記レベルのうち何れか1つを選択して設定させ、前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さが深いほど、前記パルスの振幅を増加させる。
【0014】
前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入速度は、秒当たり注入回数で表示して使用者が増減させて設定させ、前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入速度が速いほど、前記パルスの周期を減少させ、前記パルスの出力オフ時間(toff)を減少させる。
【0015】
前記ユーザインターフェースは、使用者から前記注入モード、前記注入量、前記注入深さ及び前記注入速度をそれぞれ選択される選択部と、使用者から選択された前記注入モード、前記注入量、前記注入深さ及び前記注入速度をそれぞれ表示する表示部と、を含む。
【0016】
前記ユーザインターフェースは、前記制御部と有線または無線通信が可能な端末機を含む。
【0017】
前記ボディーと前記シリンダーとのうち少なくとも1つの内部に備えられて、前記ソレノイドコイルに電流供給遮断時に、前記ピストンが後退する方向に前記ピストンに弾性力を付与するピストン用弾性部材をさらに含む。
【0018】
前記ノズル部と前記薬物収容部との間の連通ホールを開閉するように備えられて、前記ピストンの前進移動時に、前記薬物収容部から薬物に加えられる油圧によって押されて、前記連通ホールを開放し、前記油圧の解除時に弾性復元されて、前記連通ホールを遮蔽するノズル部開閉弁をさらに含む。
【0019】
前記ボディーの外側で前記ソレノイドコイルの外側を取り囲むように備えられて、前記ソレノイドコイルで発生する熱を冷却流体を通じて吸収して冷却させる冷却チャンバをさらに含む。
【0020】
本発明の他の側面による薬物の注入性能の調節が可能な無針注射システムは、ボディーの外周面に巻かれたソレノイドコイル;前記ボディーの開口された前面に連通されるように結合されたシリンダー;前記シリンダーの前側の内側面に形成されて、外部から注入された薬物が収容される薬物収容部;前記シリンダーの前側に備えられて、前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部;前記ボディーの内部に備えられて、前記ソレノイドコイルに電源供給時に発生する磁力によって前進移動する運動磁性体;前記シリンダーの内部に備えられて、前記運動磁性体の前進移動時に、前記運動磁性体が加える衝撃力によって前進移動して、前記薬物収容部内の薬物を加圧するピストン;前記ノズル部と前記薬物収容部との間の連通ホールを開閉するように備えられて、前記ピストンの前進移動時に、前記薬物収容部から薬物に加えられる油圧によって押されて、前記連通ホールを開放し、前記油圧の解除時に弾性復元されて、前記連通ホールを遮蔽するノズル部開閉弁;前記ボディーの外側で前記ソレノイドコイルの外側を取り囲むように備えられて、前記ソレノイドコイルで発生する熱を冷却流体を通じて吸収して冷却させる冷却チャンバ;前記ソレノイドコイルにパルスを印加するパルス発生器;前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入モード、注入量、注入深さ及び注入速度のうち少なくとも1つを含む注入性能を使用者が設定可能にするユーザインターフェース;前記ユーザインターフェースを通じて設定された注入性能によって、前記パルス発生器から前記ソレノイドコイルに印加されるパルスの出力回数(N)、パルスの周期(T)、パルスの振幅、パルスの出力時間(ton)及びパルスが出力されない出力オフ時間(toff)のうち少なくとも一部を調節して、前記注入性能を制御する制御部;を含み、前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入モードを薬物を1回注入する単発モード、設定回数によって薬物を注入する点射モード、薬物の注入と遮断とを連続して繰り返す連射モードに区分して表示して、使用者が選択して設定させ、前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記単発モードが設定されれば、前記パルスの出力回数を1回に設定し、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節し、前記ユーザインターフェースを通じて前記点射モードが設定されれば、前記パルスの出力回数を前記設定回数に設定し、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節し、前記薬物の注入速度によって、前記パルスの周期を調節し、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いたパルスの出力オフ時間(toff)を設定し、前記ユーザインターフェースを通じて前記連射モードが設定されれば、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節し、前記薬物の注入速度によって、前記パルスの周期を調節し、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いたパルスの出力オフ時間(toff)を設定する。
【0021】
本発明の他の側面による薬物注入性能の調節が可能な無針注射システムは、ボディーの外周面に巻かれたソレノイドコイル;前記ボディーの開口された前面に連通されるように結合されたシリンダー;前記シリンダーの前側の内側面に形成されて、外部から注入された薬物が収容される薬物収容部;前記シリンダーの前側に備えられて、前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部;前記ボディーの内部に備えられて、前記ソレノイドコイルに電源供給時に発生する磁力によって前進移動して、前記薬物収容部内の薬物を加圧するピストン;前記ソレノイドコイルにパルスを印加するパルス発生器;前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入モード、注入量、注入深さ及び注入速度のうち少なくとも1つを含む注入性能を使用者が設定可能にするユーザインターフェース;前記ユーザインターフェースを通じて設定された注入性能によって、前記パルス発生器から前記ソレノイドコイルに印加されるパルスの出力回数(N)、パルスの周期、パルスの振幅、パルスの出力時間(ton)及びパルスが出力されない出力オフ時間(toff)のうち少なくとも一部を調節して、前記注入性能を制御する制御部;を含む。
【0022】
本発明のさらに他の側面による薬物注入性能の調節が可能な無針注射システムは、外部から注入された薬物が収容される薬物収容部;前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部;前進及び後退を繰り返しながら、前記薬物収容部内の薬物を繰り返して加圧して、前記薬物収容部に収容された薬物をノズル部に吐き出させるピストン、電磁的な力を形成させて、前記ピストンを前進させるソレノイドコイル、及び前記ソレノイドコイルにパルスを印加するパルス発生器を含むソレノイドメカニズム;前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入量及び注入深さを調節するために、前記パルス発生器を制御する制御部;を含む。
【0023】
本発明のさらに他の側面による薬物注入性能の調節が可能な無針注射システムは、外部から注入された薬物が収容される薬物収容部;前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部;前進及び後退を繰り返しながら、前記薬物収容部内の薬物を繰り返して加圧して、前記薬物収容部に収容された薬物をノズル部に吐き出させるピストン、電磁的な力を形成させて、前記ピストンを前進させるソレノイドコイル、及び前記ソレノイドコイルにパルスを印加するパルス発生器を含むソレノイドメカニズム;前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入量及び注入深さを使用者が設定可能にするユーザインターフェース;ユーザインターフェースに入力される設定情報に基づいて、前記パルス発生器を制御する制御部;を含む。
【0024】
本発明のさらに他の側面による薬物注入性能の調節が可能な無針注射システムは、内部に外部から注入された薬物が収容される薬物収容部が形成されているシリンダー;前記シリンダーの薬物収容部と連通されて、前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部;前記薬物収容部内の薬物を加圧して、前記薬物を前記ノズル部に向かって流す薬物加圧部;前記薬物加圧部を駆動させる駆動部;前記駆動部にパルスを印加するパルス発生器;前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入モード、注入量、注入深さ及び注入速度のうち少なくとも1つを含む注入性能を使用者が設定可能にするユーザインターフェース;前記ユーザインターフェースを通じて設定された注入性能によって、前記パルス発生器から前記駆動部に印加されるパルスの出力回数(N)、パルスの周期(T)、パルスの振幅、パルスの出力時間(ton)及びパルスが出力されない出力オフ時間(toff)のうち少なくとも一部を調節して、前記注入性能を制御する制御部;を含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、使用者が薬物の注入モード、注入量、注入深さ及び注入速度を含む注入性能を調節できるように構成されることにより、利便性がより向上するという利点がある。
【0026】
また、ユーザインターフェースを通じて使用者が所望する注入性能を設定することができるので、便宜性が向上する。
【0027】
また、ソレノイドコイルに印加されるパルスの出力回数、周期、振幅、出力時間及び出力オフ時間を調節することにより、使用者が所望する薬物の注入性能で調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態による無針注射器のピストンの前進移動状態を示す図面である。
【0029】
図2】本発明の実施形態による無針注射器のピストンの後退移動状態を示す図面である。
【0030】
図3】本発明の実施形態による薬物注入性能の調節が可能な無針注射システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【0031】
図4】本発明の実施形態による無針注射システムでユーザインターフェースの一例を示す図面である。
【0032】
図5】本発明の実施形態による無針注射システムの注入モードが単発モードである時のパルスの波形の一例を示す図面である。
【0033】
図6】本発明の実施形態による無針注射システムの注入モードが4回点射モードであり、第1注入量、第1注入速度に設定された場合、パルスの波形の第1例を示す図面である。
【0034】
図7】本発明の実施形態による無針注射システムの注入モードが4回点射モードであり、第2注入量、第1注入速度に設定された場合、パルスの波形の他の第2例を示す図面である。
【0035】
図8】本発明の実施形態による無針注射システムの注入モードが4回点射モードであり、第1注入量、第2注入速度に設定された場合、パルスの波形の他の第3例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明すれば、次の通りである。
【0037】
本発明の実施形態による無針注射システムは、注射針なしに薬物を加圧して皮膚に注入する無針注射器の注入性能を調節することができるシステムである。
【0038】
図1は、本発明の実施形態による無針注射器のピストンの前進移動状態を示す図面である。図2は、本発明の実施形態による無針注射器のピストンの後退移動状態を示す図面である。
【0039】
図1及び図2を参照すれば、本発明の実施形態による無針注射器は、ボディー10、シリンダー20、ソレノイドコイル30、運動磁性体90、ピストン40、ノズル部開閉弁50、運動磁性体用弾性部材110、ピストン用弾性部材120、ブロッカー70及び冷却チャンバ210を含む。
【0040】
前記無針注射器は、前記ソレノイドコイル30によって発生した磁力によって前記運動磁性体90が前進移動時に、前記運動磁性体90が前記ピストン40に衝突して、前記ピストン40を前進移動させるインパクト方式の注射器である。
【0041】
前記ボディー10は、中空状に形成され、長手方向に長く形成される。前記ボディー10の前面が開口されるように形成される。
【0042】
前記シリンダー20は、中空状に形成され、前記ボディー10の開口された前面に連通されるように結合される。前記シリンダー20の内部には、シリンダーメインホール21と薬物収容部22とが形成され、前側にノズル部31が備えられる。
【0043】
前記シリンダーメインホール21は、前記シリンダー20の内側の後側に形成され、少なくとも一部に前記ボディー10の前端が挿入されて螺合されるようにネジ山が形成される。
【0044】
前記薬物収容部22は、前記シリンダー20の前側の内側面に形成されて外部から注入された薬物が収容され、前記ピストン40によって加圧された薬物が通過するホールである。前記薬物収容部22は、前記シリンダーメインホール21よりも断面積が縮小されるように形成される。前記薬物収容部22の断面積は、薬物注入量によって設定しうる。前記薬物収容部22は、前記薬物収容部22の前側に行くほど断面積が次第に減少する縮小部と、前記縮小部から延びて断面積が再び増加する拡大部と、を含む発散ノズル状に形成される。前記縮小部には、前記ピストン40の後退移動時に発生する圧力差によって外部から薬物を供給する薬物供給ホール22cが形成される。前記薬物供給ホール22cには、薬物充填器25が結合される。
【0045】
前記ノズル部23は、前記シリンダー20の前側に備えられて、前記薬物収容部22に収容された薬物を前側に吐き出すためのホールが形成される。前記ノズル部23は、前記薬物収容部22に連通され、前側に行くほど断面積が次第に減少するように形成されて、前記薬物収容部22内に収容された薬物を噴射する。前記ノズル部23は、前記シリンダー20の端部に一体に形成されてもよく、前記シリンダー20の端部に取り替え可能に形成されてもよい。本実施形態では、前記シリンダー20は、前記シリンダーメインホール21と前記薬物収容部22とが形成された第1ブロックと、前記ノズル部23が形成された第2ブロックと、が互いに結合されていると説明している。但し、これに限定されず、前記第1ブロックと前記第2ブロックは、一体に形成されてもよい。
【0046】
前記ソレノイドコイル30は、前記ボディー10の外周面の前側に巻かれて、前記ピストン40の前進移動のために電流が印加されるコイルである。前記ソレノイドコイル30は、電流印加時に、前記運動磁性体90が前進移動する方向に磁力を発生させて、前記運動磁性体90を前進移動させる役割を果たす。
【0047】
前記ピストン40は、前記ボディー10と前記シリンダー20との内部に長手方向に長く挿入されて、前記薬物収容部22に収容された薬物を押し出す役割を果たす。前記ピストン40は、前記ボディー10の内部で前記運動磁性体90と別途に備えられ、前記運動磁性体90よりも前側に挿入される。前記ピストン40は、前記運動磁性体90の前進移動時に、前記運動磁性体90が加える衝撃力によって前進移動して、前記薬物収容部22内の薬物を前記ノズル部23に加圧する。前記ピストン40で前記シリンダー20の内部に位置する前側部の外周面には、半径方向に突出した第1フランジ部41が形成される。前記第1フランジ部41は、前記ピストン40の前進移動時に後述する長さ調節ブロッカー72に引っ掛かって、前記ピストン40の前進移動距離が制限される。前記ピストン40で前記ボディー10の内部に位置する後側部の外周面には、半径方向に突出した第2フランジ部42が形成される。
【0048】
前記運動磁性体90は、永久磁石ではなく、前記ソレノイドコイル30に電流印加時に発生する磁場によって一時的に磁性を有し、外部磁場が消えれば、磁性が消える素材で形成される。前記運動磁性体90は、鉄心であると説明している。
【0049】
前記運動磁性体用弾性部材110は、前記ボディー10の内部で前記運動磁性体90と前記ピストン40との間に前記ボディー10の長手方向に長く備えられる。前記運動磁性体用弾性部材110は、前記運動磁性体90が後退移動する方向に前記運動磁性体110に弾性力を付与する。前記運動磁性体用弾性部材110は、前記運動磁性体90の前進移動時に圧縮され、前記運動磁性体90の後退移動する方向に前記運動磁性体90に弾性力を付与する第1コイルバネである。前記運動磁性体用弾性部材110の一端は、前記ピストン40の後端に結合され、他端は、前記運動磁性体90の前端に結合されうる。
【0050】
前記ノズル部開閉弁50は、前記ノズル部23と前記薬物収容部22との間の連通ホールを開閉するように備えられる。前記ノズル部開閉弁50は、前記ピストン40の前進移動時に、前記薬物収容部22に収容された薬物によって加えられる油圧によって押されて、前記連通ホールを開放し、前記油圧の解除時に弾性復元されて、前記連通ホールを遮蔽する。
【0051】
前記ノズル部開閉弁50は、前記連通ホールに設けられたボール51と、前記ノズル部23に設けられて、前記ボールが前記薬物収容部22に向けた方向に弾性力を提供する弾性部材52と、を含む。前記ボール51は、前記拡大部に差し込まれるように形成される。本実施形態において、前記ノズル部開閉弁50は、ボール弁であると説明している。但し、これに限定されず、前記ノズル部開閉弁50は、ダックビル(Duckbill)弁、板チェック弁、電気制御弁など多様な弁を使用可能である。
【0052】
前記ピストン用弾性部材120は、前記ボディー10と前記シリンダー20とのうち少なくとも1つの内部に備えられて、前記ソレノイドコイル30に電流供給遮断時に、前記ピストン40が後退する方向に前記ピストン40に弾性力を付与する弾性部材である。前記ピストン用弾性部材120は、前記ピストン40の外周面に結合された第2コイルバネ121と第3コイルバネ122とを含むということを例として説明する。
【0053】
前記第2コイルバネ121は、前記ピストン40に外挿され、両端がシリンダー20と前記第1フランジ部41との間に備えられる。前記第2コイルバネ121は、前記ピストン40の前進移動時に、前記第1フランジ部41によって圧縮され、前記ピストン40の後退移動時に、前記ピストン40が後退移動する方向に前記第1フランジ部41に弾性力を付与する。
【0054】
前記第3コイルバネ122は、前記ピストン40に外挿され、両端が前記ボディー10と前記第2フランジ部42との間に備えられる。前記第2コイルバネ122は、前記ピストン40の前進移動時に、前記第2フランジ部42によって圧縮され、前記ピストン40の後退移動時に、前記ピストン40が後退移動する方向に前記第2フランジ部42に弾性力を付与する。
【0055】
前記ブロッカー70は、前記シリンダー20と前記ピストン40との間に着脱自在に結合される。前記ブロッカー70は、前記シリンダーメインホール21に結合されて固定された固定ブロッカー71と、前記固定ブロッカー71の内周面に螺合され、前記固定ブロッカー71に結合される長さを調節可能な長さ調節ブロッカー72と、を含む。
【0056】
前記固定ブロッカー71は、内周面に雌ネジ山が形成され、リング状に形成される。
【0057】
前記長さ調節ブロッカー72は、外周面に雄ネジ山が形成され、リング状に形成される。前記長さ調節ブロッカー72と前記ピストン40との間には、所定の間隔が形成されて、前記ピストン40は、前記長さ調節ブロッカー72の内部を通過して前進・後退移動する。
【0058】
前記冷却チャンバ210は、前記ボディー10の外側に着脱自在に結合され、前記ソレノイドコイル30を取り囲むように備えられて、前記ソレノイドコイル30から発生する熱を冷却流体を通じて冷却させる冷却手段である。前記冷却チャンバ210には、冷却流体供給管211と冷却流体排出管212とが結合される。
【0059】
前記冷却流体供給管211は、外部から前記冷却チャンバ210に冷却流体を供給する流路である。前記冷却流体排出管212は、前記冷却チャンバ210の冷却流体を外部に排出するための流路である。前記冷却流体供給管211と前記冷却流体排出管212には、それぞれ開閉弁(図示せず)が備えられうる。
【0060】
前記冷却チャンバ210が備えられることにより、前記ソレノイドコイル30の熱を吸収して一定温度に保持させることができるので、前記ソレノイドコイル30から発生した熱によって磁力が弱くなることを防止することができる。
【0061】
本実施形態では、前記ソレノイドコイル30を冷却させるために冷却流体を用い、冷却流体は、水または空気が使われていると説明しているが、これに限定されず、伝導冷却方式などを使用することも可能である。
【0062】
前記シリンダー20とピストン40との間にピストンカバー(図示せず)が備えられうる。前記ピストンカバー(図示せず)は、前記シリンダー20に固設される。前記ピストンカバー810は、前記シリンダー20の内部に備えられ、前記ピストン40の端部を覆うように配される。前記ピストンカバー(図示せず)は、前記ピストン40の前進移動時に、前記ピストン40によって前側に伸び、前記ピストン40の後退移動時に復元されるように伸縮可能な素材で形成されうる。
【0063】
図3は、本発明の実施形態による薬物注入性能の調節が可能な無針注射システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【0064】
図3を参照すれば、前記無針注射システムは、ユーザインターフェース2、制御部4及びパルス発生器6をさらに含む。
【0065】
本実施形態では、前記ユーザインターフェース2、前記制御部4及び前記パルス発生器6は、前記無針注射器と別途に備えられたと説明しているが、これに限定されず、前記無針注射器に一体に備えられてもよい。
【0066】
前記ユーザインターフェース2は、前記無針注射器の薬物の注入性能を使用者が設定可能にする。前記ユーザインターフェース2は、前記制御部4と有線または無線通信が可能な端末機を含む。前記端末機は、コンピュータ、スマートフォン、タブレットPCなどを含みうる。
【0067】
前記薬物の注入性能は、薬物の注入モード、薬物の注入量、薬物の注入深さ及び薬物の注入速度のうち少なくとも1つを含む。
【0068】
図4を参照すれば、前記ユーザインターフェース2は、使用者から前記注入モード(Mode)、前記注入量(Volume)、前記注入深さ(Level)及び前記注入速度(Speed)をそれぞれ選択される選択部2aと、使用者から選択された前記注入モード、前記注入量、前記注入深さ及び前記注入速度をそれぞれ表示する表示部2bと、を含む。すなわち、前記選択部2aは、注入モード選択部、注入量選択部、注入深さ選択部及び注入速度選択部を含む。また、前記ユーザインターフェース2は、使用者から入力された注入モード、注入量、注入深さ及び注入速度を保存することができる保存ボタンをさらに含む。
【0069】
前記ユーザインターフェース2は、前記薬物の注入モードを総3種のモードに区分して表示すると説明している。すなわち、前記注入モードは、前記無針注射器を作動させるスイッチがオンになる時、薬物を1回のみ注入する単発モード、前記スイッチがオンになる時、設定回数によって薬物を注入する点射モード、薬物の注入と遮断とを連続して繰り返す連射モードを含む。使用者は、前記注入モード選択部を通じて前記単発モード、前記点射モード及び前記連射モードのうち1つを選択して設定することができる。
【0070】
また、前記ユーザインターフェース2は、前記薬物の注入量を設定範囲で使用者が増減させて設定させる。本実施形態では、前記注入量は、約0.1~2.0μlの範囲内で調節可能であると説明している。使用者は、前記注入量選択部を通じて前記注入量を選択して設定することができる。
【0071】
また、前記ユーザインターフェース2は、前記薬物の注入深さを設定深さ間隔で複数のレベルに区分して表示して、使用者が前記レベルのうち何れか1つを選択して設定させる。本実施形態では、前記注入深さは、約0.2~5.0mmの範囲内で調節可能であると説明している。使用者は、前記注入深さ選択部を通じて前記注入深さを選択して設定することができる。
【0072】
また、前記ユーザインターフェース2は、前記薬物の注入速度は、秒当たり注入回数で表示して使用者が増減させて設定可能にする。すなわち、秒当たり注入回数は、後述するパルスの振動数または周波数である。本実施形態では、前記注入速度は、約1~30Hzであると説明している。
【0073】
前記パルス発生器6は、前記ソレノイドコイル30にパルス信号を印加する。前記パルス発生器6は、外部電力供給源(図示せず)から前記ソレノイドコイル30に電源を供給する電源供給部に含まれる。
【0074】
前記制御部4は、前記ユーザインターフェース2を通じて設定された注入性能によって、前記ソレノイドコイルに印加されるパルスの波形を調節して、前記注入性能を制御する。すなわち、前記制御部4は、前記パルスの出力回数(N)、周期、パルスの振幅、パルスの出力時間(ton)及びパルスが出力されない出力オフ時間(toff)を調節して、前記パルス発生器6に伝送する。
【0075】
前記のように構成された本発明の実施形態による無針注射システムの作動を説明すれば、次の通りである。
【0076】
前記無針注射器を使用する使用者は、前記ユーザインターフェース2を通じて所望の薬物の注入モード(Mode)、前記注入量(Voulme)、前記注入深さ(Level)及び前記注入速度(Speed)を設定することができる。使用者が、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入性能をそれぞれ設定すれば、前記注入性能に対する入力信号が、前記制御部4に伝送される。
【0077】
図5は、本発明の実施形態による無針注射システムの注入モードが単発モードである時のパルスの波形の一例を示す図面である。
【0078】
図5を参照して、使用者が、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入モードを前記単発モードに設定し、前記薬物の注入量は、第1注入量に設定し、前記注入深さは、第1レベルに設定した場合を例として説明する。
【0079】
前記単発モードが設定されれば、前記制御部4は、前記無針注射器のスイッチがオンになる時、出力されるパルスの出力回数(N)を1回に設定する。すなわち、前記パルスの出力回数(N)は、前記注入モードによって設定される。
【0080】
また、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入量が、前記第1注入量に設定されれば、前記制御部4は、前記第1注入量によってパルスの出力時間(ton)を第1出力時間(ton1)に設定する。すなわち、前記制御部4は、前記注入量と前記パルスの出力時間(ton)との関係に対するデータがあらかじめ保存されて、前記注入量が設定されれば、該設定された注入量に適した出力時間(ton)を導出することができる。前記パルスの出力時間は、前記パルスが後述する振幅で1回出力される時間である。前記注入量が大きく設定されるほど、前記パルスの出力時間(ton)が長く設定され、前記注入量が減少するほど、前記パルスの出力時間(ton)が短く設定される。
【0081】
また、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入深さが、前記第1注入深さに設定されれば、前記制御部4は、前記第1注入深さによってパルスの振幅(V)を第1振幅(V1)に設定する。すなわち、前記制御部4は、前記注入深さと前記パルスの振幅(V)との関係に対するデータがあらかじめ保存されて、前記注入深さが設定されれば、該設定された注入深さに適した振幅(V)を導出することができる。ここで、前記パルスの振幅は、電圧の大きさに該当する。前記注入深さが深く設定されるほど、前記パルスの振幅も大きく設定され、前記注入深さが減少するほど、前記パルスの振幅も小さく設定される。
【0082】
前記単発モードでは、薬物を1回のみ注入するために、薬物の注入速度を調節しない。すなわち、前記ユーザインターフェース2は、前記単発モードの設定時に、前記注入速度を設定する選択部を非活性化させることができる。
【0083】
前記のように、使用者が、前記単発モードを設定し、前記薬物の注入深さと前記薬物の注入量とを設定すれば、前記制御部4が、前記注入深さと注入量とによって、前記パルスの振幅(V)、前記パルスの出力時間(ton)をそれぞれ設定する。
【0084】
前記パルス発生器6は、前記制御部4が設定した第1振幅(V)、前記第1出力時間(ton1)でパルスを発生させ、前記パルスは、前記ソレノイドコイル30に印加される。
【0085】
図5を参照すれば、前記単発モード時に、前記パルスは、1回出力され、前記第1出力時間(ton1)の間に出力され、前記第1振幅(V1)を有する波形で発生することが分かる。
【0086】
前記ソレノイドコイル30に前記パルスが印加されれば、前記パルスの出力時間(ton)によって、前記ソレノイドコイル30が磁力を発生させる時間が調節され、前記運動磁性体90が、前記ピストン40に衝突する衝突時間が調節される。
【0087】
前記パルスの出力時間(ton)を増加させるほど、前記運動磁性体90と前記ピストン40との衝突時間が長くなり、前記ピストン40が前進移動した時間が長くなるので、前記薬物の吐出時間が長くなって、前記薬物の注入量が増える。したがって、前記パルスの出力時間が増加するほど、前記薬物の注入量が増加し、前記パルスの出力時間が減少するほど、前記薬物の注入量は減少する。前記パルスの出力時間を増減させることにより、使用者が所望する薬物の注入量に調節することができる。
【0088】
また、前記パルスの振幅(V)によって、前記ソレノイドコイル30に発生する磁力の大きさが調節され、前記磁力の大きさによって、前記運動磁性体90の前進速度が調節される。前記パルスの振幅を増加させるほど、前記運動磁性体90の前進速度が増加して、前記薬物の注入深さが増加する。したがって、前記パルスの振幅が増加するほど、前記薬物の注入深さが増加し、前記パルスの振幅が減少するほど、前記薬物の注入深さは減少する。すなわち、前記パルスの振幅を増減させることにより、使用者が所望する薬物の注入深さに調節することができる。
【0089】
一方、図6は、本発明の実施形態による無針注射システムの注入モードが4回点射モードであり、第1注入量、第1注入速度に設定された場合、パルスの波形の第1例を示す図面である。
【0090】
図6を参照して、使用者が、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入モードを前記点射モードに設定し、前記薬物の注入量は、第1注入量に設定し、前記注入深さは、第1レベルに設定し、前記注入速度は、第1注入速度に設定したと説明している。
【0091】
前記点射モードを設定時に、使用者は、前記注入回数も共に設定する。例えば、前記点射モードの設定時に、2回点射モード、3回点射モード、4回点射モードのうちから1つを選択して設定する。以下、4回点射モードが設定されていると説明している。
【0092】
前記4回点射モードが設定されれば、前記制御部4は、前記無針注射器のスイッチがオンになる時、出力されるパルスの出力回数(N)を4回に設定する。すなわち、前記スイッチが一回オンになる時、パルスは4回出力するので、一回のスイッチ動作で4回注入される。
【0093】
また、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入量が、前記第1注入量に設定されれば、前記制御部4は、前記第1注入量によってパルスの出力時間(ton)を第1出力時間(ton1)に設定する。すなわち、前記制御部4は、前記注入量と前記パルスの出力時間(ton)との関係に対するデータがあらかじめ保存されて、前記注入量が設定されれば、該設定された注入量に適した出力時間(ton)を導出することができる。前記パルスの出力時間(ton)は、前記パルスが後述する振幅で1回出力される時間である。前記注入量が大きく設定されるほど、前記パルスの出力時間(ton)が長く設定される。
【0094】
また、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入深さが、前記第1注入深さに設定されれば、前記制御部4は、前記第1注入深さによってパルスの振幅(V)を第1振幅(V1)に設定する。すなわち、前記制御部4は、前記注入深さと前記パルスの振幅(V)との関係に対するデータがあらかじめ保存されて、前記注入深さが設定されれば、該設定された注入深さに適した振幅(V)を導出することができる。ここで、前記パルスの振幅は、電圧の大きさに該当する。前記注入深さが深く設定されるほど、前記パルスの振幅も大きく設定され、前記注入深さが減少するほど、前記パルスの振幅も小さく設定される。
【0095】
また、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入速度が、前記第1注入速度に設定されれば、前記制御部4は、前記第1注入速度によって、前記パルスの周期(T)を設定する。ここで、前記注入速度は、秒当たり注入回数なので、前記パルスの周期(T)は、前記注入速度の逆数に設定される。例えば、前記注入速度が10に設定されれば、前記パルスの周期(T)は、1/10に設定しうる。
【0096】
前記制御部4は、前記注入速度によって、前記パルスの周期(T)を設定し、前記パルスの周期(T)で前記パルス出力時間(ton)を除いた残りの時間を前記パルスが出力されない出力オフ時間(toff)に設定する。ここで、前記パルスの出力オフ時間(toff)は、第1出力オフ時間(toff1)に設定したと説明している。
【0097】
前記制御部4は、前記注入速度が設定されれば、該設定された注入速度に適した前記パルスの周期(T)を導出することができる。ここで、前記注入速度は、振動数、すなわち、秒当たり注入回数または噴射回数なので、前記パルスの周期を減らすほど、パルスが出力された後、次のパルスがより迅速に出力されるので、秒当たり噴射回数が増加して注入速度が増加する。したがって、前記注入速度が速く設定されるほど、前記パルスの周期を短く調節し、前記注入速度が遅く設定されるほど、前記パルスの周期は長くなるように調節する。この際、前記注入速度によって、前記パルスの周期(T)を調節時に、前記パルスの周期内で前記パルスの出力時間(ton)が前記注入量によって変わるので、前記パルスの周期(T)で前記パルス出力時間(ton)を除いた残りの時間である前記パルスの出力オフ時間(toff)が調節される。
【0098】
前記のように、使用者が、前記点射モードを設定し、前記薬物の注入深さ、前記薬物の注入量及び前記薬物の注入速度をそれぞれ設定すれば、前記制御部4が、前記注入深さ、注入量及び前記注入速度によって、前記パルスの振幅(V)、前記パルスの出力時間(ton)及び前記パルスの出力オフ時間(toff)をそれぞれ設定する。
【0099】
前記パルス発生器6は、前記制御部4が設定した前記パルスの出力回数、周期、パルスの振幅(V)、前記パルスの出力時間(ton)及び前記パルスの出力オフ時間(toff)によってパルスを発生させ、前記パルスは、前記ソレノイドコイル30に印加される。
【0100】
図6を参照すれば、前記4回点射モード時に、前記パルスが4回出力され、前記パルスは、それぞれ前記第1出力時間(ton1)の間に出力され、前記第1出力オフ時間(toff1)の間に出力されず、前記第1振幅(V1)の波形で発生することが分かる。
【0101】
前記ソレノイドコイル30に前記パルスが印加されれば、前記パルスの出力時間によって、前記ソレノイドコイル30が磁力を発生させる時間が調節され、前記運動磁性体90が、前記ピストン40に衝突する衝突時間が調節される。
【0102】
前記パルスの出力時間(ton)を増加させるほど、前記運動磁性体90と前記ピストン40との衝突時間が長くなり、前記ピストン40が前進移動した時間が長くなるので、前記薬物の吐出時間が長くなって、前記薬物の注入量が増える。したがって、前記パルスの出力時間が増加するほど、前記薬物の注入量が増加し、前記パルスの出力時間が減少するほど、前記薬物の注入量は減少する。前記パルスの出力時間を増減させることにより、使用者が所望する薬物の注入量に調節することができる。
【0103】
また、前記パルスの振幅(V)によって、前記ソレノイドコイル30に発生する磁力の大きさが調節され、前記磁力の大きさによって、前記運動磁性体90の前進速度が調節される。前記パルスの振幅を増加させるほど、前記運動磁性体90の前進速度が増加して、前記薬物の注入深さが増加する。したがって、前記パルスの振幅が増加するほど、前記薬物の注入深さが増加し、前記パルスの振幅が減少するほど、前記薬物の注入深さは減少する。すなわち、前記パルスの振幅を増減させることにより、使用者が所望する薬物の注入深さに調節することができる。
【0104】
一方、図7は、本発明の実施形態による無針注射システムの注入モードが4回点射モードであり、第2注入量、第1注入速度に設定した場合、パルスの波形の他の第2例を示す図面である。
【0105】
図7を参照すれば、使用者が、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入モードを4回点射モードに設定するが、前記薬物の注入量は、前記第1注入量よりも大きな第2注入量に設定した場合である。また、前記注入深さは、第1レベルに設定し、前記注入速度は、第1注入速度に設定したと説明している。
【0106】
前記4回点射モードが設定されれば、前記制御部4は、前記無針注射器のスイッチがオンになる時、出力されるパルスの出力回数を4回に設定する。すなわち、前記スイッチが一回オンになる時、パルスは4回出力するので、一回のスイッチ動作で4回注入される。
【0107】
また、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入量が、前記第1注入量よりも大きな第2注入量に設定されれば、前記制御部4は、前記第2注入量によってパルスの出力時間(ton)を第2出力時間(ton2)に設定する。前記第2注入量は、前記第1注入量よりも大きなので、前記パルスの出力時間(ton)は、前記第1出力時間(ton1)よりも増加した前記第2出力時間(ton2)に設定される。すなわち、前記制御部4は、前記注入量と前記パルスの出力時間(ton)との関係に対するデータがあらかじめ保存されて、前記注入量が設定されれば、該設定された注入量に適した出力時間(ton)を導出することができる。前記注入量が大きく設定されるほど、前記パルスの出力時間は長く設定される。
【0108】
また、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入深さが、前記第1注入深さに設定されれば、前記制御部4は、前記第1注入深さによってパルスの振幅(V)を第1振幅(V1)に設定する。すなわち、前記制御部4は、前記注入深さと前記パルスの振幅(V)との関係に対するデータがあらかじめ保存されて、前記注入深さが設定されれば、該設定された注入深さに適した振幅(V)を導出することができる。
【0109】
また、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入速度が、前記第1注入速度に設定されれば、前記制御部4は、前記第1注入速度によって、前記パルスの周期(T)を設定する。
【0110】
前記制御部4は、前記注入速度によって、前記パルスの周期(T)を設定し、前記パルスの周期(T)の間に前記パルス出力時間(ton)を除いた残りの時間を前記パルスが出力されない出力オフ時間(toff)に設定する。
【0111】
したがって、前記パルスの出力オフ時間(toff)は、前記パルスの周期(T)の間に前記パルスの第2出力時間(ton2)を除いた残りの時間である第2出力オフ時間(toff2)に設定したと説明している。前記第2出力オフ時間(toff2)は、前記第1出力オフ時間(toff2)よりも短い時間である。前記注入量が、前記第1注入量よりも大きな第2注入量に設定されれば、前記パルスの出力時間(ton)は、前記第1出力時間(ton1)よりも長い前記第2出力時間(ton2)に設定されるが、前記注入速度は同一であって、前記パルスの周期(T)は同一なので、前記パルスの周期(T)で前記第2出力時間(ton2)を差し引き、残りの時間が第2出力オフ時間(toff2)が前記パルスの出力オフ時間(toff)に設定される。
【0112】
前記制御部4は、前記注入速度が設定されれば、該設定された注入速度に適した前記パルスの周期(T)を導出することができる。ここで、前記注入速度は、振動数、すなわち、秒当たり注入回数または噴射回数なので、前記パルスの周期を減らすほど、パルスが出力された後、次のパルスがより迅速に出力されるので、秒当たり噴射回数が増加して注入速度が増加する。したがって、前記注入速度が速く設定されるほど、前記パルスの周期を短く調節し、前記注入速度が遅く設定されるほど、前記パルスの周期は長くなるように調節する。この際、前記注入速度によって、前記パルスの周期(T)を調節時に、前記パルスの周期内で前記パルスの出力時間(ton)が、前記注入量によって変わるので、前記パルスの周期(T)で前記パルス出力時間(ton)を除いた残りの時間である前記パルスの出力オフ時間(toff)が調節される。
【0113】
前記のように、使用者が、前記4回点射モードを設定し、前記薬物の注入深さ、前記薬物の注入量及び前記薬物の注入速度をそれぞれ設定すれば、前記制御部4が、前記注入深さ、注入量及び前記注入速度によって、前記パルスの振幅(V)、前記パルスの出力時間(ton)及び前記パルスの出力オフ時間(toff)をそれぞれ設定する。
【0114】
前記パルス発生器6は、前記制御部4が設定した前記パルスの出力回数、パルスの振幅(V)、前記パルスの出力時間(ton)及び前記パルスの出力オフ時間(toff)によってパルスを発生させ、前記パルスは、前記ソレノイドコイル30に印加される。
【0115】
前記ソレノイドコイル30に前記パルスが印加されれば、前記パルスの出力時間によって、前記ソレノイドコイル30が磁力を発生させる時間が調節され、前記運動磁性体90が前記ピストン40に衝突する衝突時間が調節される。
【0116】
前記パルスの出力時間(ton)を増加させるほど、前記運動磁性体90と前記ピストン40との衝突時間が長くなり、前記ピストン40が前進移動した時間が長くなるので、前記薬物の吐出時間が長くなって、前記薬物の注入量が増える。したがって、前記パルスの出力時間が増加するほど、前記薬物の注入量が増加し、前記パルスの出力時間が減少するほど、前記薬物の注入量は減少する。前記パルスの出力時間を増減させることにより、使用者が所望する薬物の注入量に調節することができる。
【0117】
また、前記パルスの振幅(V)によって、前記ソレノイドコイル30に発生する磁力の大きさが調節され、前記磁力の大きさによって、前記運動磁性体90の前進速度が調節される。前記パルスの振幅を増加させるほど、前記運動磁性体90の前進速度が増加して、前記薬物の注入深さが増加する。したがって、前記パルスの振幅が増加するほど、前記薬物の注入深さが増加し、前記パルスの振幅が減少するほど、前記薬物の注入深さは減少する。すなわち、前記パルスの振幅を増減させることにより、使用者が所望する薬物の注入深さに調節することができる。
【0118】
図7を参照すれば、前記4回点射モード時に、前記パルスが4回出力され、前記パルスは、それぞれ前記第2出力時間(ton22)の間に出力され、前記第1出力オフ時間(toff1)の間に出力されず、前記第1振幅(V1)の波形で発生することが分かる。
【0119】
前記パルスの出力時間が、前記第1出力時間(ton1)よりも長い前記第2出力時間(ton2)に出力されることにより、前記パルスの出力時間(ton)が増加して前記運動磁性体90と前記ピストン40との衝突時間が長くなり、前記ピストン40が前進移動した時間が長くなるので、前記薬物の吐出時間が長くなって、前記薬物の注入量が増える。したがって、前記薬物を前記第1注入量よりも多くの第2注入量で注入することができる。
【0120】
一方、図8は、本発明の実施形態による無針注射システムの注入モードが4回点射モードであり、第1注入量、第2注入速度に設定した場合、パルスの波形の他の第3例を示す図面である。
【0121】
図8を参照すれば、使用者が、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入モードを4回点射モードに設定するが、前記薬物の注入速度を前記第1速度よりも速い第2速度に設定し、前記薬物の注入量は、前記第1注入量、前記注入深さは、第1レベルに設定した場合を例として説明する。
【0122】
前記4回点射モードが設定されれば、前記制御部4は、前記無針注射器のスイッチがオンになる時、出力されるパルスの出力回数(N)を4回に設定する。すなわち、前記スイッチが一回オンになる時、パルスは4回出力するので、一回のスイッチ動作で4回注入される。
【0123】
また、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入量が、前記第1注入量に設定されれば、前記制御部4は、前記第1注入量によってパルスの出力時間(ton)を第1出力時間(ton1)に設定する。すなわち、前記制御部4は、前記注入量と前記パルスの出力時間(ton)との関係に対するデータがあらかじめ保存されて、前記注入量が設定されれば、該設定された注入量に適した出力時間(ton)を導出することができる。
【0124】
また、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入深さが、前記第1注入深さに設定されれば、前記制御部4は、前記第1注入深さによってパルスの振幅(V)を第1振幅(V1)に設定する。すなわち、前記制御部4は、前記注入深さと前記パルスの振幅(V)との関係に対するデータがあらかじめ保存されて、前記注入深さが設定されれば、該設定された注入深さに適した振幅(V)を導出することができる。前記注入深さが深く設定されるほど、前記パルスの振幅も大きく設定される。
【0125】
また、前記ユーザインターフェース2を通じて前記注入速度が、前記第1注入速度よりも速い第2注入速度に設定されれば、前記制御部4は、前記第2注入速度によって、前記パルスの周期(T′)を設定する。
【0126】
前記制御部4は、前記注入速度と前記パルスの周期(T)との関係に対するデータがあらかじめ保存されて、前記注入速度が設定されれば、該設定された注入速度に適した前記パルスの周期(T)を導出することができる。ここで、前記注入速度は、秒当たり振動数、すなわち、秒当たり噴射回数なので、前記パルスの周期を減らすほど、パルスが出力された後、次のパルスがより迅速に出力されるので、秒当たり噴射回数が増加して注入速度が増加する。したがって、前記注入速度が速く設定されるほど、前記パルスの周期も短くなり、前記注入速度が遅く設定されるほど、前記パルスの周期は長くなるように調節する。
【0127】
前記注入速度が、前記第1注入速度よりも速い第2注入速度に設定されたので、前記パルスの周期は、前記第1注入速度である時の周期(T)よりも短い周期(T′)に設定される。
【0128】
前記制御部4は、前記パルスの周期(T′)で前記第1出力時間(ton1)を除いた残りの時間である第3出力オフ時間(toff3)に設定する。前記第3出力オフ時間(toff3)は、前記第1出力オフ時間(toff1)よりも短い時間である。
【0129】
図6図8とを比べると、前記注入量は、前記第1注入量で同一であって、前記パルスの出力時間(ton)は、前記第1出力時間(ton1)に同一であるか、前記注入速度が互いに異なるために、前記第3出力オフ時間(toff3)は、前記第1出力オフ時間(toff1)よりも短く設定される。
【0130】
前記パルスの出力オフ時間が短くなれば、パルスが出力された後、次のパルスがより迅速に出力されるので、秒当たり噴射回数が増加して注入速度が増加する。したがって、前記注入速度が速く設定されるほど、前記パルスの周期も短くなり、前記注入速度が遅く設定されるほど、前記パルスの周期は長くなるように調節する。また、前記注入速度が速く設定されるほど、前記パルスの出力オフ時間(toff)は短く設定され、前記注入速度が遅く設定されるほど、前記パルスの出力オフ時間(toff)は長く設定される。
【0131】
前記のように、使用者が、前記4回点射モードを設定し、前記薬物の注入深さ、前記薬物の注入量及び前記薬物の注入速度をそれぞれ設定すれば、前記制御部4が、前記注入深さ、注入量及び前記注入速度によって、前記パルスの振幅(V)、前記パルスの出力時間(ton)及び前記パルスの出力オフ時間(toff)をそれぞれ設定する。
【0132】
前記パルス発生器6は、前記制御部4が設定した前記パルスの出力回数、パルスの振幅(V)、前記パルスの出力時間(ton)及び前記パルスの出力オフ時間(toff)によってパルスを発生させ、前記パルスは、前記ソレノイドコイル30に印加される。
【0133】
図7を参照すれば、前記4回点射モード時に、前記パルスが4回出力され、前記パルスは、それぞれ前記第1出力時間(ton1)の間に出力され、前記第3出力オフ時間(toff3)の間に出力されず、前記第1振幅(V1)の波形で発生することが分かる。
【0134】
前記パルスの周期(T′)が短くなって、前記パルスの出力オフ時間が前記第1出力オフ時間(toff1)よりも短い前記第2出力オフ時間(toff3)に設定されることにより、前記パルスが出力されない時間が短くなってパルス間の出力間隔が減るので、前記薬物の秒当たり噴射回数が増加して、前記薬物の注入速度が速くなる。したがって、前記薬物をより速い第2注入速度で注入することができる。
【0135】
一方、図6ないし図8を参照して、前記点射モードで前記薬物の注入量と注入速度とを調節するパルスを例として説明したが、これに限定されず、前記連射モードにも適用可能である。
【0136】
一方、前記実施形態では、前記ノズル部開閉弁50が設けられていると説明したが、これに限定されず、前記ノズル部開閉弁50がないものも可能である。前記ノズル部開閉弁50がない場合、前記薬物収容部22に薬物があらかじめ充填される。
【0137】
また、前記実施形態では、前記薬物収容部内の薬物を加圧する薬物加圧部は、ピストン40であり、前記薬物加圧部を駆動させる駆動部は、ソレノイドコイル30を含むということを例として説明した。
【0138】
但し、これに限定されず、前記薬物加圧部は、前記ピストン40以外にも弾性膜のように前記薬物を加圧することができるものであれば、如何なるものでも適用可能である。
【0139】
また、前記駆動部は、前記ピストンや前記弾性膜のような前記薬物加圧部に圧力をかけることができるエネルギー源であり、前記パルス発生器によってパルスが印加されれば、パルス状に駆動力を発生させるものであれば、如何なるものでも適用可能である。
【0140】
例えば、前記駆動部は、空圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、ピエゾアクチュエータ、バネ装置などを含みうる。
【0141】
また、前記駆動部は、レーザビームを含むことも可能である。すなわち、レーザビームを薬物に直接照射することも可能であり、レーザビームを別途の密閉された圧力チャンバ内の作動流体に照射してバブルを発生させ、前記作動流体内から生成されたバブルによる体積膨張が弾性膜を伸張させて、前記薬物収容部内の薬物に瞬間的な圧力をかけるように構成されてもよい。
【0142】
また、前記駆動部は、電極を含んで、前記電極に高圧の電気を放電させれば、別途の密閉された圧力チャンバ内の作動流体にスパークと共に絶縁破壊が起こってバブルを発生させ、前記作動流体内から生成されたバブルによる体積膨張が弾性膜を伸張させて、前記薬物収容部内の薬物に瞬間的な圧力をかけるように構成されてもよい。
【0143】
本発明は、図面に示された実施形態を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明によれば、薬物の注入性能を調節することができる無針注射器システムを製造することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディーの外周面に巻かれたソレノイドコイルと、
前記ボディーの開口された前面に連通されるように結合されたシリンダーと、
前記シリンダーの前側の内側面に形成されて、外部から注入された薬物が収容される薬物収容部と、
前記シリンダーの前側に備えられて、前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部と、
前記ボディーの内部に備えられて、前記ソレノイドコイルに電源供給時に発生する磁力によって前進移動する運動磁性体と、
前記シリンダーの内部に備えられて、前記運動磁性体の前進移動時に、前記運動磁性体による前進移動とこれによる衝撃力によって、前記薬物収容部内の薬物を加圧するピストンと、
前記ソレノイドコイルにパルスを印加するパルス発生器と、
前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入モード、注入量、注入深さ及び注入速度のうち少なくとも1つを含む注入性能を使用者が設定可能にするユーザインターフェースと、
前記ユーザインターフェースを通じて設定された注入性能によって、前記パルス発生器から前記ソレノイドコイルに印加されるパルスの周期(T)、パルスの振幅、パルスの出力時間(ton)及びパルスが出力されない出力オフ時間(toff)のうち少なくとも一部を調節して、前記注入性能を制御する制御部と、
を含む、薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項2】
前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入モードを薬物を1回注入する単発モード、設定回数によって薬物を注入する点射モード、薬物の注入と遮断とを連続して繰り返す連射モードに区分して表示して、使用者が選択して設定させる、請求項1に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記単発モードが設定されれば、
前記パルスの出力回数を1回に設定し、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節する、請求項2に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記点射モードが設定されれば、
前記パルスの出力回数を前記設定回数に設定し、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節し、前記薬物の注入速度によって、前記パルスの周期を調節し、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いた時間を前記出力オフ時間(toff)に設定する、請求項2に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記連射モードが設定されれば、
前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節し、前記薬物の注入速度によって、前記パルスの周期を調節し、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いた時間を前記出力オフ時間(toff)に設定する、請求項2に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項6】
前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入量を設定範囲で使用者が増減させて設定させ、
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入量が大きいほど、前記パルスの出力時間(ton)を増加させる、請求項1に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項7】
前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入深さを設定深さ間隔で複数のレベルに区分して、使用者が前記レベルのうち何れか1つを選択して設定させ、
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さが深いほど、前記パルスの振幅を増加させる、請求項1に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項8】
前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入速度は、秒当たり注入回数で表示して使用者が増減させて設定させ、
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入速度が速いほど、前記パルスの周期を減少させ、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いた時間を前記出力オフ時間(toff)に設定する、請求項1に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項9】
前記ボディーと前記シリンダーとのうち少なくとも1つの内部に備えられて、前記ソレノイドコイルに電流供給遮断時に、前記ピストンが後退する方向に前記ピストンに弾性力を付与するピストン用弾性部材をさらに含む、請求項1に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項10】
前記ノズル部と前記薬物収容部との間の連通ホールを開閉するように備えられて、前記ピストンの前進移動時に、前記薬物に加えられる油圧前記連通ホールを開放し、前記油圧の解除時に、前記連通ホールを遮蔽するノズル部開閉弁をさらに含む、請求項1に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項11】
前記ボディーの外側で前記ソレノイドコイルの外側を取り囲むように備えられて、前記ソレノイドコイルで発生する熱を冷却流体を通じて吸収して冷却させる冷却チャンバをさらに含む、請求項1に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項12】
前記制御部は、
前記ユーザインターフェースを通じて設定された注入性能によって、前記パルス発生器から前記ソレノイドコイルに印加されるパルスの出力回数(N)を調節する、請求項1に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項13】
外部から注入された薬物が収容される薬物収容部と、
前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部と、
前進及び後退を繰り返しながら、前記薬物収容部内の薬物を繰り返して加圧して、前記薬物収容部に収容された薬物をノズル部に吐き出させるピストン、電磁的な力を形成させて、前記ピストンを前進させるソレノイドコイル、及び前記ソレノイドコイルにパルスを印加するパルス発生器を含むソレノイドメカニズムと、
前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入量及び注入深さを調節するために、前記パルス発生器を制御する制御部と、
を含む、薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項14】
外部から注入された薬物が収容される薬物収容部と、
前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部と、
前進及び後退を繰り返しながら、前記薬物収容部内の薬物を繰り返して加圧して、前記薬物収容部に収容された薬物をノズル部に吐き出させるピストン、電磁的な力を形成させて、前記ピストンを前進させるソレノイドコイル及び前記ソレノイドコイルにパルスを印加するパルス発生器を含むソレノイドメカニズムと、
前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入量及び注入深さを使用者が設定可能にするユーザインターフェースと、
前記ユーザインターフェースに入力される設定情報に基づいて、前記パルス発生器を制御する制御部と、
を含む、薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項15】
内部に外部から注入された薬物が収容される薬物収容部が形成されているシリンダーと、
前記シリンダーの薬物収容部と連通されて、前記薬物収容部に収容された薬物を前側に吐き出すように形成されたノズル部と、
前記薬物収容部内の薬物を加圧して、前記薬物を前記ノズル部に向かって流す薬物加圧部と、
前記薬物加圧部を駆動させる駆動部と、
前記駆動部にパルスを印加するパルス発生器と、
前記ノズル部を通じて吐き出されて皮膚に注入される薬物の注入モード、注入量、注入深さ及び注入速度のうち少なくとも1つを含む注入性能を使用者が設定可能にするユーザインターフェースと、
前記ユーザインターフェースを通じて設定された注入性能によって、前記パルス発生器から前記駆動部に印加されるパルスの周期(T)、パルスの振幅、パルスの出力時間(ton)及びパルスが出力されない出力オフ時間(toff)のうち少なくとも一部を調節して、前記注入性能を制御する制御部と、
を含む、薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項16】
前記ユーザインターフェースは、前記薬物の注入モードを薬物を1回注入する単発モード、設定回数によって薬物を注入する点射モード、薬物の注入と遮断とを連続して繰り返す連射モードに区分して表示して、使用者が選択して設定させる、請求項15に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項17】
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記単発モードが設定されれば、
前記パルスの出力回数を1回に設定し、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節する、請求項16に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項18】
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記点射モードが設定されれば、
前記パルスの出力回数を前記設定回数に設定し、前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節し、前記薬物の注入速度によって、前記パルスの周期を調節し、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いた時間をパルスが出力されない出力オフ時間(toff)に設定する、請求項16に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項19】
前記制御部は、前記ユーザインターフェースを通じて前記連射モードが設定されれば、
前記ユーザインターフェースを通じて設定された前記薬物の注入深さによって、前記パルスの振幅を調節し、前記薬物の注入量によって、前記パルスの出力時間(ton)を調節し、前記薬物の注入速度によって、前記パルスの周期を調節し、前記パルスの周期で前記パルスの出力時間(ton)を差し引いた時間をパルスが出力されない出力オフ時間(toff)に設定する、請求項16に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【請求項20】
前記制御部は、
前記ユーザインターフェースを通じて設定された注入性能によって、前記パルス発生器から前記ソレノイドコイルに印加されるパルスの出力回数(N)を調節する、請求項16に記載の薬物注入性能の調節が可能な無針注射システム。
【国際調査報告】