(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】制御弁
(51)【国際特許分類】
F16K 11/20 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
F16K11/20 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578856
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 CN2022100711
(87)【国際公開番号】W WO2022268155
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】202110712839.8
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110712845.3
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110712846.8
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511102675
【氏名又は名称】浙江三花汽車零部件有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 リーシン
(72)【発明者】
【氏名】ルー、 ヨンピン
(72)【発明者】
【氏名】チュ、 ハイジン
(72)【発明者】
【氏名】リン、 ロン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 ユン
【テーマコード(参考)】
3H067
【Fターム(参考)】
3H067AA23
3H067AA24
3H067AA32
3H067BB08
3H067CC33
3H067CC34
3H067DD03
3H067DD13
3H067DD32
3H067DD45
3H067EA12
3H067EA14
3H067EC00
3H067ED01
3H067FF12
3H067FF17
(57)【要約】
本発明は、制御弁を開示しており、この制御弁は、弁ボデー(41)、第1弁体(51)、第2弁体(52)、第1駆動軸(53)及び第2駆動軸(54)を含み、第1弁体(51)は、第1駆動軸(53)によって第1駆動部材(20)に伝動接続され、第2弁体(52)は、第2駆動軸(54)によって第2駆動部材(30)に伝動接続され、弁ボデー(41)は、第1位置制限部(412)と第2位置制限部(413)を含み、第1弁体(51)の本体は、球状構造であり、第1弁体(51)は、第1位置制限部(412)周りに偏向可能であり、第1弁体(51)の軸線と第1室(AC1)の室壁の軸線との間に角度を持つことが可能となり、及び/又は、第2弁体(52)の本体は、球状構造であり、第2弁体(52)は、第2位置制限部(413)周りに偏向可能であり、第2弁体(52)の軸線と第2室(AC2)の室壁の軸線との間に角度を持つことが可能となり、このように、弁体と対応する駆動部材との安定した嵌合を容易に実現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ボデーと弁体を含む制御弁であって、前記弁体は、第1弁体と第2弁体を含み、前記制御弁は、互いに連通する第1室と第2室を有し、前記第1室と前記第2室の配列方向は、前記制御弁の高さ方向と交わり、前記第1弁体の少なくとも一部は、前記第1室に位置しかつ回動可能であり、前記第2弁体の少なくとも一部は、前記第2室に位置しかつ回動可能であり、
前記弁ボデーは、前記弁体の軸方向の一方側に位置する底壁部と前記底壁部に固定接続される第1位置制限部と前記底壁部に固定接続される第2位置制限部とを含み、前記第1弁体は、前記第1位置制限部に位置制限されて嵌合される第1嵌合部を含み、前記第2弁体は、前記第2位置制限部に位置制限されて嵌合される第2嵌合部を含み、
前記第1弁体の本体は、球状構造であり、前記第1弁体は、前記第1位置制限部周りに偏向可能であり、前記第1弁体の軸線は、前記第1室の室壁の軸線との間に角度を持つことが可能となり、及び/又は、前記第2弁体の本体は、球状構造であり、前記第2弁体は、前記第2位置制限部周りに偏向可能であり、前記第2弁体の軸線は、前記第2室の室壁の軸線との間に角度を持つことを特徴とする制御弁。
【請求項2】
前記制御弁は、駆動アセンブリを含み、前記制御弁の高さ方向に沿って前記駆動アセンブリは、前記弁ボデーの一方側に位置し、前記駆動アセンブリは、ハウジング、第1駆動部材及び第2駆動部材を含み、前記ハウジングは、収容室を有し、前記第1駆動部材と前記第2駆動部材は、前記収容室に位置し、前記制御弁は、第1駆動軸と第2駆動軸を含み、前記第1駆動軸は、前記第1駆動部材に伝動接続され、前記第1駆動軸と前記第1弁体とは、一体構成であり又は伝動接続され、前記第2駆動軸は、前記第2駆動部材に伝動接続され、前記第2駆動軸と前記第2弁体とは、一体構成であり又は伝動接続されることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項3】
前記第1駆動軸と前記第1弁体とは、一体構成であり、前記第2駆動軸と前記第2弁体とは、別体で設けられかつ伝動接続され、前記第1弁体の本体は、柱構造であり、前記第1弁体は、前記第1位置制限部に位置制限されて設けられ、かつ、前記第1弁体と前記第1駆動軸とは、共に前記第1室の室壁と同軸に配設され、
前記第2弁体の本体は、球状構造であり、前記第2弁体は、前記第2位置制限部周りに偏向可能であり、前記第2駆動軸の軸線と前記第2室の軸線との間に角度を持たせることを特徴とする請求項2に記載の制御弁。
【請求項4】
前記弁ボデーは、第1側壁部と第2側壁部を含み、前記第1側壁部は、前記第1室の周壁を形成する又は少なくとも周壁の一部であり、前記第2側壁部は、前記第2室の周壁を形成する又は少なくとも周壁の一部であり、前記制御弁は、第1通路と第2通路を含む通路を有し、前記第1通路は、前記第1側壁部を貫通して第1連通口を形成し、前記第2通路は、前記第2側壁部を貫通して第2連通口を形成し、
前記制御弁は、第1密封部材と第2密封部材を含み、前記第1密封部材は、前記第1連通口と同数であり対応する第1連通口に連通する第1孔路を含み、前記第1密封部材は、前記第1側壁部と前記第1弁体との間に介在され、かつ、前記第1密封部材は、前記第1弁体と同軸に配設され、前記第1密封部材の高さは、前記第1弁体の本体部の高さとマッチングし、前記第2密封部材の数は、前記第2連通口の数と同じであり、前記第2密封部材は、対応する前記第2連通口に連通する第2孔路を含み、前記第2密封部材は、前記第2弁体の側面の一部と前記第2側壁部の壁面の一部との間に介在され、前記第2弁体の側面の他の一部と前記第2側壁部の壁面の他の一部との間に隙間を有し、前記制御弁の高さ方向に沿って、前記第2弁体の本体部の端面と前記弁ボデーとの間に隙間を有することを特徴とする請求項3に記載の制御弁。
【請求項5】
前記第1駆動軸は、歯形部を含み、前記第1駆動部材は、歯形孔を有する第1出力ギアを含み、前記歯形部の少なくとも一部は前記歯形孔内に位置し、
前記の第2駆動軸は、接続部を含み、前記接続部の外面の少なくとも一部は、対向設置された2つの非弧状表面と、2つの前記非弧状表面の間に位置する弧状表面とを含み、前記第2駆動部材は、接続孔を有する第2出力ギアを含み、前記接続孔の孔壁面の少なくとも一部は、対向設置された非弧状壁面と、2つの前記非弧状壁面の間に位置する弧状壁面とを含み、前記非弧状壁面と前記非弧状表面とは、互いに近接しかつ対向設置され、前記接続部の少なくとも一部は、前記接続孔内に位置することを特徴とする請求項4に記載の制御弁。
【請求項6】
前記第1位置制限部は、突出構造又は溝構造の一方であり、前記第1嵌合部は、突出構造又は溝構造の他方であり、前記第2位置制限部は、突出構造又は溝構造の一方であり、前記第2嵌合部は、突出構造又は溝構造の他方であり、
前記突出構造は、前記溝構造内に嵌入されかつ位置制限されて嵌合されることを特徴とする請求項2~請求項5のいずれか1項に記載の制御弁。
【請求項7】
前記第1位置制限部は、第1突出構造であり、前記第1突出構造は、前記底壁部から突出され、前記第1嵌合部は、第1溝構造であり、前記第1溝構造は、前記第1弁体から前記底壁部の表面に向かって前記第1弁体の内部へ延び、前記第1突出構造は、前記第1溝構造内に嵌入され、
前記第2位置制限部は、第2突出構造であり、前記第2突出構造は、前記底壁部から突出し、前記第2嵌合部は、第2溝構造であり、前記第2溝構造は、前記第2弁体から前記底壁部の表面に向かって前記第2弁体の内部へ延び、前記第2突出構造は、前記第2溝構造内に嵌入されることを特徴とする請求項6に記載の制御弁。
【請求項8】
前記第2突出構造は、前記第2溝構造に隙間嵌めされ、前記第2突出構造の外壁面と前記第2溝構造の内壁面との間の距離d1は、0≦d1≦0.06mmを満足することを特徴とする請求項7に記載の制御弁。
【請求項9】
前記第1駆動部材は、第1モータと前記第1モータに伝動接続される第1出力ギアを含み、前記第2駆動部材は、第2モータと前記第2モータに伝動接続される第2出力ギアを含み、前記弁ボデーは、蓋体部を含み、前記第1弁体の少なくとも一部と前記第2弁体の少なくとも一部は、いずれも前記底壁部と前記蓋体部との間に位置し、前記蓋体部は、第1貫通孔と第2貫通孔を有し、前記第1駆動軸は、前記第1貫通孔を貫通して前記第1出力ギアに伝動接続され、前記第2駆動軸は、前記第2貫通孔を貫通して前記第2出力ギアに伝動接続され、
前記第1貫通孔は、それぞれ前記第1出力ギア及び前記第1駆動軸と同軸に配設され、前記第2貫通孔と前記第2駆動軸との間に隙間嵌めが行われ、かつ、前記第2貫通孔を形成する孔壁と前記第2駆動軸における前記第2貫通孔の位置に対応する軸面との間の距離d2は、0≦d2≦0.05mmを満足することを特徴とする請求項8に記載の制御弁。
【請求項10】
前記第2駆動軸における前記第2弁体から離れる表面での中点から前記第1室の室壁の軸線までの間の距離d3は、0≦d3≦0.1mmを満足することを特徴とする請求項9に記載の制御弁。
【請求項11】
前記駆動アセンブリのハウジングは、第3貫通孔を有する下ハウジングを含み、前記第2駆動軸は、前記第2貫通孔と前記第3貫通孔を貫通して前記第2出力ギアに伝動接続され、
前記制御弁は、第1オイルシールと第2オイルシールを含み、前記第1オイルシールと前記第2オイルシールは、いずれも前記第2駆動軸の外周側に嵌挿され、前記第1オイルシールは、前記蓋体部と前記第2駆動軸との間に介在され、前記第2オイルシールは、前記下ハウジングと前記第2駆動軸との間に介在され、前記第1オイルシール及び前記第2オイルシールは、いずれも前記第2駆動軸の外面との間に圧縮量を有することを特徴とする請求項9に記載の制御弁。
【請求項12】
前記第1弁体は、離隔された第1導通室と第2導通室を含み、前記第1導通室は、前記第1弁体の外周面から前記第1弁体内部に窪んだ溝構造であり、前記第2導通室は請求項前記第1弁体を貫通し、前記第2弁体は、前記第2弁体の外周面から前記第2弁体内部に窪んだ溝構造である第3導通室を含み、前記制御弁は、前記第1室の壁部の少なくとも一部を形成する第1側壁部と、前記第2室の壁部の少なくとも一部を形成する第2側壁部とを含み、前記制御弁は、前記第1側壁部を貫通して第1連通口を形成する第1通路と前記第2側壁部を貫通して第2連通口を形成する第2通路とを有し、
前記第1導通室と前記第2導通室の少なくとも一方によって対応する少なくとも2つの前記第1連通口を導通し、前記第1導通室と前記第2導通室の一方、前記連通孔路、及び、前記第3導通室によって対応する前記第1連通口と前記第2連通口とを導通することを特徴とする請求項1~請求項5及び請求項7~請求項11のいずれか1項に記載の制御弁。
【請求項13】
前記第1通路の数は、7つであり、前記第1連通口の数は、7つであり、前記弁ボデーは、前記第1室と前記第2室とを連通する連通孔路を有し、前記連通孔路は、前記第1側壁部を貫通して第1孔口を形成し、7つの前記第1連通口と前記第1孔口は、前記第1側壁部の円周方向に沿って均等に分布し、
前記第1導通室の数は、3つであり、前記第2導通室の数は、1つであり、3つの前記第1導通室のうちの2つは、隣接して設けられかつ前記第1弁体の径方向に沿って前記第1弁体の一方側に位置し、前記第2導通室と1つの前記第1導通室は、前記第1弁体の径方向の他方側に位置し、
7つの前記第1連通口をそれぞれ第1口、第2口、第3口、第4口、第6口、第7口及び第8口と定義し、前記第1口、前記第2口、前記第3口、前記第4口、前記第1孔口、前記第6口、前記第7口及び前記第8口は、前記第1側壁部の円周方向に沿って順次に配列され、2つの第2連通口をそれぞれ第5口と 第9口と定義し、前記制御弁は、少なくとも以下の8つの動作モードのいずれかを含み、
第1動作モードにおいて、前記第1弁体は、第1位置に回転し、前記第1口と第2口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第3口と前記第4口とが他の1つの前記第1導通室を介して導通し、第6口と前記第7口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第8口とが、前記第2導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、
第2動作モードにおいて、前記第1弁体は、第2位置に回転し、前記第3口と第2口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第4口とが、他の1つの前記第1導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、前記第7口と前記第8口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第6口と前記第1口とが、前記第2導通室を介して導通し、
第3動作モードにおいて、前記第1弁体は、第3位置に回転し、前記第1口と第8口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第3口と前記第4口とが、他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第6口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、前記第2口と前記第7口とが、前記第2導通室を介して導通し、
第4動作モードにおいて、前記第1弁体は、第4位置に回転し、前記第1口と第2口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第4口とが、他の1つの前記第1導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、前記第6口と前記第7口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第3口と前記第8口とが、前記第2導通室を介して導通し、
第5動作モードにおいて、前記第1弁体は、第5位置に回転し、前記第3口と第2口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第7口と前記第8口とが、他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第6口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、前記第1口と前記第4口とが、前記第2導通室を介して導通し、
第6動作モードにおいて、前記第1弁体は、第6位置に回転し、前記第1口と第8口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第3口と前記第4口とが、他の1つの前記第1導通室を介して導通し、第6口と前記第7口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第2口とが、前記第2導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、
第7動作モードにおいて、前記第1弁体は、第7位置に回転し、前記第1口と第2口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第7口と前記第8口とが、他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第4口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、第6口と前記第3口とが、前記第2導通室を介して導通し、
第8動作モードにおいて、前記第1弁体は、第8位置に回転し、前記第1口と第8口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第2口と前記第3口とが、他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第6口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、前記第4口と前記第7口とが、前記第2導通室を介して導通することを特徴とする請求項12に記載の制御弁。
【請求項14】
前記制御弁の8つの動作モードのいずれかにおいて、前記第2弁体は、第9位置に回転し、前記第5口と前記連通孔路とが、前記第3導通室を介して導通し、前記第2弁体は、第10の位置に回転し、前記第9口と前記連通孔路とが、前記第3導通室を介して導通し、前記第2弁体は、第9位置と前記第10の位置との間に回転し、前記第5口と前記第9口とが、共に前記第3導通室を介して前記連通孔路に導通することを特徴とする請求項13に記載の制御弁。
【請求項15】
前記制御弁の高さ方向に沿って、前記第1側壁部に1つの前記第1連通口が配列され、前記第2側壁部に1つの前記第2連通口が配列され、
前記弁ボデーは、前記第1側壁部の外面に固定接続又は一体成型される第1接続部を含み、前記第1通路は、前記第1接続部を貫通し、
前記第1側壁部における前記第1側壁部の高さ方向に垂直な横断面は、開口を有する円環状構造であり、前記第1接続部の横断面の内面は、扇形構造であり、前記扇形構造は、前記第1側壁部の軸線方向から離れる円弧の弧長は、前記第1側壁部の軸線方向に近接する円弧の弧長よりも大きくなることを特徴とする請求項12に記載の制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、以下の3項の中国特許出願の優先権に基づき、その全ての内容は、援用されることで、本出願に参照され、即ち、
1、2021年06月25日にて、中国特許庁に提出され、出願番号が202110712839.8であり、発明の名称が「制御弁」である中国特許出願、
2、2021年06月25日にて、中国特許庁に提出され、出願番号が202110712845.3であり、発明の名称が「制御弁」である中国特許出願、及び
3、2021年06月25日にて、中国特許庁に提出され、出願番号が202110712846.8であり、発明の名称が「制御弁」である中国特許出願である。
【0002】
本発明は、流体制御という分野に関し、具体的に、制御弁に関する。
【背景技術】
【0003】
通常、制御弁の弁体は、駆動装置による駆動で回動することで、制御弁による複数の流路の流体制御を実現し、制御弁が2つの以上の弁体を有する場合に、如何に弁体と対応する駆動部材との安定した嵌合を実現するかは、1つの早急に解決すべき問題となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、弁体と対応する駆動部材との安定した嵌合を容易にする制御弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例である制御弁は、弁ボデーと弁体を含み、前記弁体は、第1弁体と第2弁体を含み、前記制御弁は、互いに連通する第1室と第2室を有し、前記第1室と前記第2室の配列方向は、前記制御弁の高さ方向と交わり、前記第1弁体の少なくとも一部は、前記第1室に位置しかつ回動可能であり、前記第2弁体の少なくとも一部は、前記第2室に位置しかつ回動可能であり、
前記弁ボデーは、前記弁体軸方向の一方側に位置する底壁部と前記底壁部に固定接続される第1位置制限部と前記底壁部に固定接続される第2位置制限部とを含み、前記第1弁体は、前記第1位置制限部に位置制限されて嵌合される第1嵌合部を含み、前記第2弁体は、前記第2位置制限部に位置制限されて嵌合される第2嵌合部を含み、
前記第1弁体の本体は、球状構造であり、前記第1弁体は、前記第1位置制限部周りに偏向可能であり、前記第1弁体の軸線は、前記第1室の室壁の軸線との間に角度を持つことが可能となり、及び/又は、前記第2弁体の本体は、球状構造であり、前記第2弁体は、前記第2位置制限部周りに偏向可能であり、前記第2弁体の軸線は、前記第2室の室壁の軸線との間に角度を持つことが可能となる。
【0006】
本発明の実施例である制御弁によれば、制御弁の弁体は、第1弁体と第2弁体を含み、弁ボデーは、第1位置制限部と第2位置制限部を含み、第1位置制限部は、第1弁体の第1嵌合部に位置制限されて嵌合されて第1弁体に対する位置制限を実現することができ、第2位置制限部は、第2弁体の第2嵌合部に位置制限されて嵌合されて第2弁体に対する位置制限を実現ことができ、第1弁体及び/又は第2弁体の本体を球状構造とすることで、球状構造の弁体が対応する位置制限部周りに偏向可能となり、制御弁は、組付過程において、弁体の偏向により、駆動軸と対応する駆動部材との伝動接続を容易に実現でき、弁体と対応する駆動部材との間の不安定性の低減を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】本発明の一実施例である制御弁の1つの角度での立体図。
【
図3】
図2に示す制御弁の1つの位置での部分断面図。
【
図4】本発明の一実施例である弁ボデーの部分断面図。
【
図5】
図2に示す制御弁の別の位置での部分断面図。
【
図7】
図6に示す制御弁のA-A方向に沿った断面図。
【
図8】
図6に示す制御弁のB-B方向に沿った断面図。
【
図10】本発明の一実施例である第2弁体と第2駆動軸との組み合わせ図。
【
図11】
図10に示す第2弁体と第2駆動軸との組み合わせ構成の断面図。
【
図12】本発明の一実施例である弁ボデーの部分図。
【
図13】本発明の一実施例である下ハウジングの図。
【
図14】本発明の一実施例である第1出力ギアの図。
【
図15】本発明の一実施例である第2出力ギアの図。
【
図16】本発明の一実施例である第2弁体、第2駆動軸と蓋体部及び下ハウジングとの間の距離、及び第2弁体の偏向原理の概略図。
【
図23】
図2に示す制御弁の他の位置での部分断面図。
【
図24】
図2に示す制御弁の第1動作モードにおける断面図。
【
図25】
図2に示す制御弁の第2動作モードにおける断面図。
【
図26】
図2に示す制御弁の第3動作モードにおける断面図。
【
図27】
図2に示す制御弁の第4動作モードにおける断面図。
【
図28】
図2に示す制御弁の第5動作モードにおける断面図。
【
図29】
図2に示す制御弁の第6動作モードにおける断面図。
【
図30】
図2に示す制御弁の第7動作モードにおける断面図。
【
図31】
図2に示す制御弁の第8動作モードにおける断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の様々な態様の特徴と実施例を詳細に説明するが、本発明の目的、及び利点をより明確かつ明らかにするために、以下、図面及び実施例を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
本文において、例えば、「第1」と「第2」等といった関係用語は、単に1つの部材を別の同じ名称を持つ部材と区別するためのものであり、これらの部材の間に如何なるこのような実際の関係又は順序が存在することを必ずしも要求又は暗示するものではない。
【0009】
図1から
図4に示すように、本発明の実施例は、制御弁1を提供し、駆動アセンブリ100、弁ボデー41及び少なくとも2つの弁体を含む。
弁体は、第1弁体51と第2弁体52を含み、第1弁体51の少なくとも一部と第2弁体52の少なくとも一部は、弁ボデー41内に位置し、回転弁体は、弁体の導通室に対応する制御弁1のポートを導通又は遮断することができ、一つの選択として、第1弁体51と第2弁体52は、いずれも駆動アセンブリ100による駆動で独立して回動可能であり、2つの弁体の導通室は、異なる制御弁1のポートを導通して、制御弁1による流体の制御機能を実現する。
さらに、第1弁体51と第2弁体52の配列方向が、制御弁1の高さ方向と交わり、
図1と
図3のように、第1弁体51と第2弁体52の配列方向は、制御弁1の高さ方向と垂直であり、弁ボデー41は、底壁部411、蓋体部418、及び、少なくとも一部が底壁部411と蓋体部418との間に位置する側壁部を含み、底壁部411と蓋体部418の一方は、側壁部に一体成型されることができ、他方は、溶接プロセスにより側壁部に密封して設けられることができ、本実施例では、底壁部411は、側壁部に一体成型され、蓋体部418は、側壁部に溶接設置可能である。
第1弁体51の少なくとも一部と第2弁体52の少なくとも一部は、蓋体部418と底壁部411との間に位置し、底壁部411と蓋体部418は、いずれも側壁部との間に密封して設けられ、制御弁内の流体の漏出を防止する。
制御弁1の高さ方向に沿って、駆動アセンブリ100は、弁ボデー41の一方側に位置し、
図4では、駆動アセンブリ100は、蓋体部418における底壁部411から離れる側に位置し、駆動アセンブリ100は、駆動により第1弁体51と第2弁体52を回動可能である。
本発明の実施例では、弁体の数は、2つであり、具体的に実施する場合に、弁体の数は、ユーザーの必要に応じて設定可能であり、例えば、弁体の数は、3つ、4つ等であってもよく、本発明では、これを限定しない。
【0010】
さらに、
図1から
図5を参照し、制御弁1は、第1室AC1、第2室AC2及び第1室AC1と第2室AC2を連通する連通孔路AC3を有し、第1室AC1と第2室AC2の配列方向は、制御弁1の高さ方向と交わり、例えば、
図3では、第1室AC1と第2室AC2の配列方向は、制御弁1の高さ方向と垂直であり、第1弁体51の少なくとも一部は、第1室AC1に位置しかつ駆動により回動可能であり、第2弁体52の少なくとも一部は、第2室AC2に位置しかつ駆動により回動可能であり、
図4のように、弁ボデー41の側壁部は、第1側壁部414と第2側壁部415を含む。
第1側壁部414は、第2側壁部415に固定接続されかつ密封して設けられ、又は、第1側壁部414は、第2側壁部415と一体成型され、第1側壁部414は、第1室AC1の周壁又は少なくとも周壁の一部であり、第2側壁部415は、第2室AC2の周壁又は少なくとも周壁の一部であり、連通孔路AC3の一端は、第1側壁部414に連通開口を形成し、連通孔路AC3の他端は、第2側壁部415に連通開口を形成することで、第1室AC1と第2室AC2を連通する。
さらに、
図4を参照し、弁ボデー41は、第1側壁部414と第2側壁部415とを接続する接続壁部419を含む。
そして、この接続壁部419は、第1側壁部414と第2側壁部415との間に位置してもよく、この接続壁部419は、連通孔路AC3の周壁又は少なくとも周壁の一部であり、一つの選択として、第1側壁部414、第2側壁部415及び接続壁部419を一体成型することができ、弁ボデー41の密封性を向上させる。
第1室AC1から第2室AC2に向かう方向に沿って、連通孔路AC3の孔径は、徐々に大きくなることで、連通孔路AC3は、大きな流通面積を有し、流体の流動抵抗を小さくするのに有利である。
【0011】
図4と
図5を参照して、制御弁1は、少なくとも5つの通路を有し、本発明の実施例では、制御弁1は、9つの通路を有することが可能であり、通路は、第1通路416と第2通路417を含む。
そして、この第1通路416の一端は、第1側壁部414を貫通して、第1室AC1に連通する第1連通口4141を形成し、第1通路416の他端は、制御弁1の外面を貫通して第1ポートVP1を形成することで、流体は、第1ポートVP1から制御弁1に対して出入り可能であり、第2通路417の一端は、第2側壁部415を貫通して、第2室AC2に連通する第2連通口4151を形成し、第2通路417の他端は、制御弁1の外面を貫通して第2ポートVP2を形成することで、流体は、第2ポートVP2から制御弁1に対して出入り可能であり。
本発明の実施例が提供した制御弁1において、第1弁体51及び/又は第2弁体52を回転させることにより、第1弁体20の導通室によって、少なくとも2つの第1連通口4141を導通することができ、複数の第1ポートVP1の間の導通を実現し、並びに、第1弁体20の導通室と第2弁体52の導通室によって第1連通口4141と第2連通口4151を導通して、第1ポートVP1と第2ポートVP2との間の様々な導通手段を実現し、制御弁1による流体の制御機能を実現する。
【0012】
図1、
図5から
図8に示すように、駆動アセンブリ100は、ハウジング10、第1駆動部材20及び第2駆動部材30を含む。
そして、このハウジング10は、収容室101を有し、第1駆動部材20と第2駆動部材30は、収容室101に位置し、第1駆動部材20は、第1モータ21と第1伝動ギア群22を含み、第1モータ21は、ウォーム構造によって第1伝動ギア群22に伝動接続されることができる第1出力軸を含み、第1伝動ギア群22は、第1出力ギア223を含み、第1モータ21が出力した動力は、第1出力ギア223に伝達可能であり、第1弁体51の回動駆動を容易にする。
第2駆動部材30は、第2モータ31と第2伝動ギア群32を含み、第2モータ31は、ウォーム構造によって第2伝動ギア群32に伝動接続されることができる第2出力軸を含み、第2伝動ギア群32は、第2出力ギア323を含み、第2モータ31が出力した動力は、第2出力ギア323に伝達可能であり、第2弁体52の回動駆動を容易にする。
本文における伝動接続は、溶接プロセス、締め金具等により固定接続されてもよく、一体成型で製作されてもよく、2つの部材を同期回動させることができればよい。
【0013】
第1弁体51と第2弁体52を個別に回動駆動させることを容易にするために、さらに、
図1、
図5から
図8を参照し、制御弁1は、第1駆動軸53と第2駆動軸54を含む。
そして、この第1駆動軸53と第1弁体51とは、一体構成であり又は伝動接続され、第2駆動軸54と第2弁体52とは、一体構成であり又は伝動接続され、第1弁体51は、第1駆動軸53によって第1駆動部材20に伝動接続され、第2弁体52は、第2駆動軸54によって第2駆動部材30に伝動接続される。
【0014】
本発明の実施において第1弁体51と第2弁体52、及び、2つの弁体にそれぞれ伝動接続された第1駆動部材20と第2駆動部材30を含むため、制御弁の、組立又は製造過程における誤差による弁体と対応する駆動部材との不安定な接続を低減するために、引き続き、
図1から
図10及び
図16を参照し、弁ボデー41は、弁体における駆動アセンブリ100から離れる側に位置する底壁部411と、第1室AC1内に位置しかつ底壁部411に固定接続される第1位置制限部412と、第2室AC2内に位置しかつ底壁部411に固定接続される第2位置制限部413とを含み、第1弁体51は、第1位置制限部412に嵌着して係合する第1嵌合部510を含み、第2弁体52は、第2位置制限部413に嵌着して係合する第2嵌合部520を含み、一つの選択として、第1位置制限部412と第1嵌合部510の一方は、突出構造であり、他方は、溝構造であり、第2位置制限部413と第2嵌合部520の一方は、突出構造であり、他方は、溝構造であり、突出構造は、溝構造内に嵌入され、位置制限されて嵌合される。
さらに、第1弁体51の本体は、球状構造であり、第1弁体51は、第1位置制限部412周りに偏向可能であり、第1弁体51の軸線と第1室AC1の室壁の軸線との間に角度を持たせることが可能となり、第1駆動軸53と第1弁体51とは、一体構成である場合に、第1駆動軸53の軸線と第1室AC1の室壁の軸線との間に角度を持ってもよく、及び/又は、第2弁体52の本体は、球状構造であり、第2弁体52は、第2位置制限部413周りに偏向可能であり、第2弁体52の軸線と第2室AC2の室壁の軸線との間に角度を持たせることが可能となり、第2駆動軸54と第2弁体52とは一体構成である場合に、第2駆動軸54の軸線と第2室AC2の室壁の軸線との間に角度を持たせる。
弁体を設けることにより、駆動軸を対応する位置制限部周りに偏向させるように駆動させることが可能であり、制御弁1の組付過程において、弁体の偏向により駆動軸と対応する駆動部材との伝動接続を容易に実現し、制御弁1の製造又は組立の誤差による2つの弁体と対応する2つの駆動部材との間の不安定な嵌合の低減を容易にし、制御弁1の少なくとも2つの弁体の安定した回転を容易に実現し、制御弁1の安定性を向上させる。
【0015】
第1駆動軸53と第1弁体51とは、一体構成であり、例えば、第1駆動軸53と第1弁体51とは、一体射出成型されることができ、第2駆動軸54と第2弁体52とは、別体で設けられ、かつ、伝動接続される。
例えば、
図5では、第2弁体52は、駆動軸取付孔を有し、第2駆動軸54は、駆動軸取付孔内に嵌挿され締まり嵌めされ、第1弁体51の本体は、柱構造であり、第1弁体51と第1駆動軸53は、第1位置制限部412に位置制限されて設けられ、かつ、第1弁体51と第1駆動軸53とは、共に第1室AC1の室壁と同軸に配設され、第2弁体52の本体は、球状構造であり、第2弁体52は、第2駆動軸54を第2位置制限部413周りに偏向させるように駆動させることが可能であり、第2駆動軸54の軸線と第2室AC2の軸線との間に角度を持たせる。
【0016】
制御弁1の密封性能を実現するために、
図1、
図5から
図8に示すように、制御弁1は、第1密封部材61と第2密封部材62を含む。
そして、この第1密封部材61は、第1連通口4141と同数で互いに連通している第1孔路611を含み、第1密封部材61は、第1側壁部414と第1弁体51との間に介在され、かつ、第1密封部材61は、第1弁体51と同軸に配設され、第1密封部材61の高さは、第1弁体51の本体部の高さとマッチングする。
第2密封部材62の数は、第2連通口4151の数と同じであり、第2密封部材62は、第2連通口4151に連通する第2孔路621を含む。
そして、第2密封部材62は、第2弁体52の側面の一部と第2側壁部415の壁面の一部との間に介在され、第2弁体52の側面の他の一部と第2側壁部415の壁面の他の一部との間に隙間を有し、制御弁1の高さ方向に沿って、第2弁体52の本体部の端面と弁ボデー41との間に隙間を有し、第2弁体52は、第2駆動軸54を第2位置制限部413周りに偏向可能となるように駆動させ、第2駆動軸54の軸線と第2室AC2の軸線との間に角度を持たせ、第1弁体51と第2弁体52がそれぞれの対応する駆動軸により対応する駆動部材と接続することを容易に実現する。
理解できることは、第1弁体51の本体部は、導通室を有する構成であり、例えば、
図9-1、
図9-2に示すように、第1弁体51の本体部は、頂板516、底板513及び頂板516と底板513との間に位置する複数の仕切板514を含む。
そして、これらの頂板516、底板513及び仕切板514は、第1弁体51の導通室を画成し、第2弁体52の本体部は導通室を有する構成であり、例えば、
図10に示すように、第2弁体52の本体部は、対向設置された頂面522、底面523、及び頂面522と底面523との間に位置する球面524を有し、第2弁体52は、頂面522と底面523との間に位置する。
【0017】
図7から
図15に示すように、制御弁1の通路の数は、9つであり、第1通路416の数は、7つであり、第2通路417の数は、2つであり、第1駆動軸53は、歯形部531を含み、第1駆動部材20は、歯形孔2231を有する第1出力ギア223を含み、歯形部531は、歯形孔2231内に嵌挿され、
図10と
図15に示すように、第2駆動軸54は、接続部541を含む。
そして、この接続部541の外面の少なくとも一部は、対向設置された2つの非弧状表面S1と、2つの非弧状表面S1の間に位置する弧状表面S2とを含み、第2駆動部材30は、接続孔3231を有する第2出力ギア323を含み、接続孔3231の孔壁面の少なくとも一部は、対向設置された非弧状壁面S3と、2つの非弧状壁面S3の間に位置する弧状壁面S4とを含む。
そして、非弧状壁面S3と非弧状表面S1とは、互いに近接しかつ対向設置され、接続部541は、接続孔3231内に嵌挿される。
上記の設置により、第1弁体51及び第2弁体52とそれぞれの対応する駆動部材との同期回動を容易に実現でき、かつ、第2駆動軸54の角度偏向調整を容易に実現することができる。
【0018】
図7から
図11、
図16を参照して、本発明の実施例では、第1位置制限部412は、第1突出構造であり、第1突出構造は、底壁部411から突出し、第1嵌合部510は、第1溝構造であり、第1溝構造は、第1弁体51から底壁部411の表面に向かって第1弁体51の内部へ延び、第1突出構造は、第1溝構造内に嵌入され、第2位置制限部413は、第2突出構造であり、第2突出構造は、底壁部411から突出し、第2嵌合部520は、第2溝構造であり、第2溝構造は、第2弁体52から底壁部411の表面に向かって第2弁体52の内部へ延びる。
そして、第2突出構造は、第2溝構造内に嵌入され、第2突出構造は、第2溝構造に隙間嵌めされ、第2突出構造の外壁面と第2溝構造の内壁面との間の公差は、±0.06mmであり、この場合に、第2突出構造の外壁面と第2溝構造の内壁面との間の距離d1は、0≦d1≦0.06mmを満足する。
【0019】
これに基づいて、
図5、
図16及び
図17を参照して、弁ボデー41は、蓋体部418を含む場合に、蓋体部418は、第1貫通孔4181と第2貫通孔4182を有し、第1駆動軸53は、第1貫通孔4181を貫通して第1出力ギア223に伝動接続され、第2駆動軸54は、第2貫通孔4182を貫通して第2出力ギア323に伝動接続される。
さらに、第1貫通孔4181は、それぞれ第1出力ギア223及び第1駆動軸53と同軸に配設され、第2貫通孔4182と第2駆動軸54との間に隙間嵌めが行われ、かつ、第2貫通孔4182の孔壁と第2駆動軸54における第2貫通孔4182の位置に対応する軸面との間の公差は、±0.05mmであり、即ち、第2貫通孔4182の孔壁と第2駆動軸54における第2貫通孔4182の位置に対応する軸面との間の距離d2は、0≦d2≦0.05mmを満足する。
【0020】
上記の構成の設置に基づいて、第2弁体52の本体部が、球状構造であり、第2弁体52と弁ボデー41との間の隙間構造及びd1とd2の距離により、第2弁体52は、第2駆動軸54を偏向させるように駆動させることが可能であり、第2駆動軸54における第2弁体52から離れる表面の中点から第1室AC1の室壁の軸線までの間の公差は、±0.1mmであり、即ち、第2駆動軸54における第2弁体52から離れる表面の中点から第1室AC1の室壁の軸線までの間の距離d3は、0≦d3≦0.1mmを満足する。
上記の設置により、第1弁体51と第2弁体52の組立精度の確保を容易にし、制御弁の安定性を向上させることができる。
【0021】
さらに、
図8、
図13、
図17及び
図18を参照して、駆動アセンブリ100の下ハウジング11は、第3貫通孔111を有し、第2駆動軸54は、蓋体部418の第2貫通孔4182と下ハウジング11の第3貫通孔111を貫通して第2出力ギア323に伝動接続され、制御弁1は、第1オイルシール63と第2オイルシール64を含む。
そして、これらの第1オイルシール63と第2オイルシール64とは、蓋体部418の厚さ方向の両側にそれぞれ設けられ、第1オイルシール63と第2オイルシール64は、いずれも第2駆動軸54の外周側に嵌挿され、蓋体部418は、第2弁体52に向けて設けられた第1突出部4183を有し、第2オイルシール64は、第1突出部4183と第2駆動軸54との間に介在され、下ハウジング11は、底シェル部113と第2突出部112を含む。
そして、底シェル部113は、収容室101の壁部を形成する又は少なくとも壁部の一部であり、第2突出部112の少なくとも一部は、底シェル部113における第2出力ギア323から離れる側に位置し、第1オイルシール63は、底シェル部113と第2駆動軸54との間に介在され、第1オイルシール63及び第2オイルシール64は、いずれも第2駆動軸54の外面との間に圧縮量を有する。
上記の設置により、一方は、制御弁の密封性能を容易に実現し、他方は、2つのオイルシールを設けかつ圧縮量を持つことで、第2弁体52による第2駆動軸54の偏向を容易に実現できる。
【0022】
制御弁1が1つの弁体を有する場合に、この弁体の本体は、球状構造であり、具体的な弁体の設置形態並びにこの球状構造弁体に接続される弁ボデー及びハウジングの位置関係は、上記のいずれかの実施形態の制御弁の構成と類似し、本発明は、これを限定せず、上記の設置により、球状構造による弁体の偏向によって弁体と対応する駆動部材との安定した接続を実現し、例えば、弁体と対応する駆動部材との嵌合精度を向上させ、良好な同軸度を実現することができる。
【0023】
図19から
図23を参照し、第1弁体51は、独立した空間に離隔された第1導通室511と第2導通室512を含み、第1導通室511は、第1弁体51の外周面から第1弁体51内部に窪んだ溝構造であり、この場合の第1導通室511は、第1弁体51の外周面を貫通して1つの第1導通口A1を形成し、第2導通室512は、第1弁体51を貫通し、この場合の第2導通室512は、第1弁体51の外周面を貫通して2つの第2導通口A2を形成し、第1導通口A1の断面積は、第2導通口A2の断面積よりも大きい。
第1導通室511と第2導通室512を設けることにより、第1弁体51が回転する時に複数の弁口の間の異なる導通モードを実現することができる。
図22に示すように、第2弁体52は、第2弁体52の外周面から第2弁体52内部に窪んだ溝構造である第3導通室521を含む。
【0024】
これに基づいて、第1弁体51を回転させることで、第1導通室511と第2導通室512の少なくとも一方、第1連通口4141によって、対応する少なくとも2つの第1ポートVP1を導通可能であり、例えば、第1弁体51を回転させる場合に、第1導通室511、第1連通口4141によって第1導通室511に対応する少なくとも2つの第1ポートVP1を導通可能であり、及び/又は、第1弁体51を回転させる場合に、第2導通室512、第1連通口4141によって第2導通室512に対応する少なくとも2つの第1ポートVP1を導通可能であり、並びに、第1弁体51と第2弁体52を回転させることにより、第1導通室511と第2導通室512の一方、第1連通口4141、連通孔路AC3、第3導通室521及び第2連通口4151によって対応する第1ポートVP1と第2ポートVP2を導通可能である。
この場合の第1弁体51は、少なくとも2つの第1ポートVP1を導通する機能だけでなく、第1ポートVP1、連通孔路AC3及び第2ポートVP2を導通する機能を実現することができ、上記の設置により、1つの制御弁1は、複数の流路を制御することができ、使用時に、より便利でコンパクトになる。
【0025】
第1弁体51と第2弁体52の回動を実現するために、
図19から
図23を参照し、制御弁1は、第1駆動軸53と第2駆動軸54を含み、第1駆動軸53と第1弁体51とは、一体成型又は伝動接続されることで、第1駆動軸53と第1弁体51とを同期回動させ、第2駆動軸54と第2弁体52とは、一体成型又は伝動接続されることで、第2駆動軸54と第2弁体52とを同期回動させる。
第1駆動軸53が第1弁体51をいずれかの位置に回転させるように駆動させると、第1導通室511と第2導通室512の一方は連通孔路AC3に連通することで、第1弁体51内を流通する流体が常に連通孔路AC3を通って第2室AC2内に流入することができ、第2駆動軸54は、第2弁体52を回転させるように駆動させることができ、これにより、第3導通室521が少なくとも1つの第2ポートVP2を導通する。
【0026】
制御弁1と流体制御システムにおける他の部材との組立を容易に実現し、制御弁1と他の部材との集積度を向上させるために、制御弁1の各弁口は、いずれも同一面に配置しかつ各ポートの向きが同じとなるように、制御弁1の第1ポートVP1と第2ポートVP2は、いずれも同一面に位置し、制御弁1と他の部材との組立ステップを比較的簡略化することができる。
他の例では、第1ポートVP1と第2ポートVP2は、ぞれぞれの側壁部の円周方向に沿って円周に配列されてもよい。
【0027】
第1弁体51が、少なくとも2つの第1ポートVP1を導通し、かつ、第1ポートVP1と連通孔路AC3を導通する機能を実現するために、
図9-1、
図9-2及び
図21を参照し、第1弁体51の本体は、柱状構造であり、第1弁体51は、頂板516、底板513及び頂板516と底板513との間に位置する仕切板514を含む。
そして、これらの頂板516、底板513は、第1弁体51の高さ方向に配列され、1つの第1導通室511は、第1弁体51の外周面を貫通して1つの第1導通口A1を形成し、1つの第2導通室512は、第1弁体51の外周面を貫通して2つの第2導通口A2を形成し、第1弁体51の円周方向に沿って、2つの第2導通口A2の間に少なくとも1つの第1導通口A1を有し、第1弁体51の径方向に沿って、第2導通室512は、第1導通室511よりも第1弁体51の軸線に近接する。
図9-1及び
図20から
図21では、第1弁体51は、3つの第1導通室511と1つの第2導通室512を有し、3つの第1導通室511のうちの2つは、隣接して設けられ、かつ、第1弁体51の径方向に沿って第1弁体51の一方側に位置し、第2導通室512と1つの第1導通室511は、第1弁体51径方向の他方側に位置する。
さらに、第1弁体51の回転角度に対して位置制限を行うために、第1弁体51は、頂板516から離れる方向に沿って底板513から突出した第1ストッパ515を含み、
図4を参照して、弁ボデー41は、弁ボデー41の底壁部から突出しかつ第1室AC1内に位置するストッパ1901を含み、ストッパ1901と第1ストッパ515とが互いに嵌合して第1弁体51の回転角度に対して位置制限を行う。
【0028】
さらに、
図20と
図24を参照し、第1通路416の数は、7つであり、第1ポートVP1の数は、7つであり、これに応じて第1連通口4141の数は、7つであり、連通孔路AC3は、第1側壁部414を貫通して第1孔口131を形成し、7つの第1連通口4141と第1孔口131は、第1側壁部414の円周方向に沿って均等に分布している。
制御弁の第2通路417の数は、2つであり、第2ポートVP2の数は、2つであり、連通孔路AC3は、第2側壁部415を貫通して第2孔口132を形成し、第2側壁部415の周方向に沿って、第2孔口132は、2つの第2ポートVP2の間に位置する。
【0029】
図20、
図24から
図31をさらに参照し、7つの第1通路416は、それぞれ第1口VP1、第2口VP2、第3口VP3、第4口VP4、第6口VP6、第7口VP7及び第8口VP8と表記される7つの第1連通口4141を形成し、第1口VP1、第2口VP2、第3口VP3、第4口VP4、第1孔口131、第6口VP6、第7口VP7及び第8口VP8は、第1弁体51の円周方向に沿って順次かつ均等に配列される。
この場合に、
図20に示すように、第1弁体51の円心及び隣接する2つの第1連通口4141の中点を通った接続線がなす角度は、45度であってもよく、隣接する第1連通口4141と第1孔口131との間の角度は、45度であってもよく、2つの第2通路417は、それぞれ第5口VP5と第9口VP9と表記される2つの第2連通口4151を形成し、制御弁は、少なくとも8つの動作モードのいずれかを含み、これに応じて、第1弁体51は、8つの位置のいずれかに回転可能となり、以下、制御弁の様々な動作モードを紹介し、制御弁の各弁口の導通状況を明確に分かりやすくするために、
図24から
図31では、各弁口の導通状況を黒の太線で概略的に描く。
【0030】
図20と
図24を参照して、制御弁は、第1動作モードM1にあり、第1弁体51は、第1位置に回転し、第1口VP1と第2口VP2とが、そのうちの1つの第1導通室511を介して導通し、第3口VP3と第4口VP4とが、他の1つの第1導通室511を介して導通し、第6口VP6と第7口VP7とがさらなる他の1つの第1導通室511を介して導通し、第5口VP5と第9口VP9の少なくとも一方と第8口VP8とが、第2導通室512、連通孔路AC3及び第3導通室521を介して導通し、例えば、
図24には、第5口VP5が第3導通室を介して連通孔路AC3に導通する場合の第2弁体52の位置が概略的に示され、第2弁体52を回転させることにより、第9口VP9と連通孔路AC3とを導通させ、又は、第5口VP5、第9口VP9を同時に連通孔路AC3に導通させることもでき、以下の動作モードにおいて主に第5口VP5と連通孔路AC3との導通を例に説明する。
【0031】
図20と
図25を参照して、制御弁は、第2動作モードM2にあり、第1弁体51は、第2位置に回転し、第3口VP3と第2口VP2とが、そのうちの1つの第1導通室511を介して導通し、第5口VP5と第9口VP9の少なくとも一方と第4口VP4とが他の1つの第1導通室511、連通孔路AC3及び第3導通室521を介して導通し、第7口VP7と前記第8口VP8とが、さらなる他の1つの第1導通室511を介して導通し、第6口VP6と第1口VP1とが第2導通室512を介して導通する。
【0032】
図20と
図26を参照して、制御弁は、第3動作モードM3にあり、第1弁体51は、第3位置に回転し、第1口VP1と第8口VP8とが、そのうちの1つの第1導通室511を介して導通し、第3口VP3と第4口VP4とが、他の1つの第1導通室511を介して導通し、第5口VP5と第9口VP9の少なくとも一方と第6口VP6とが、さらなる他の1つの第1導通室511、連通孔路AC3及び第3導通室521を介して導通し、第2口VP2と第7口VP7とが、第2導通室512を介して導通する。
【0033】
図20と
図27を参照して、制御弁は、第4動作モードM4にあり、第1弁体51は、第4位置に回転し、第1口VP1と第2口VP2とが、そのうちの1つの第1導通室511を介して導通し、第5口VP5と第9口VP9の少なくとも一方と第4口VP4とが、他の1つの第1導通室511、連通孔路AC3及び第3導通室521を介して導通し、第6口VP6と第7口VP7とが、さらなる他の1つの第1導通室511を介して導通し、第3口VP3と第8口VP8とが、第2導通室512を介して導通する。
【0034】
図20と
図28を参照して、制御弁は、第5動作モードM5にあり、第1弁体51は、第5位置に回転し、第3口VP3と第2口VP2とがそのうちの1つの第1導通室511を介して導通し、第7口VP7と第8口VP8とが、他の1つの第1導通室511を介して導通し、第5口VP5と第9口VP9の少なくとも一方と第6口VP6とが、さらなる他の1つの第1導通室511、連通孔路AC3及び第3導通室521を介して導通し、第1口VP1と第4口VP4とが第2導通室512を介して導通する。
【0035】
図20と
図29を参照して、制御弁は、第6動作モードM6にあり、第1弁体51は、第6位置に回転し、第1口VP1と第8口VP8とが、そのうちの1つの第1導通室511を介して導通し、第3口VP3と第4口VP4とが、他の1つの第1導通室511を介して導通し、第6口VP6と第7口VP7とが、さらなる他の1つの第1導通室511を介して導通し、第5口VP5と第9口VP9の少なくとも一方と第2口VP2とが、第2導通室512、連通孔路AC3及び第3導通室521を介して導通する。
【0036】
図20と
図30を参照して、制御弁は、第7動作モードM7にあり、第1弁体51は、第7位置に回転し、第1口VP1と第2口VP2とが、そのうちの1つの第1導通室511を介して導通し、 第7口VP7と第8口VP8とが他の1つの第1導通室511を介して導通し、第5口VP5と第9口VP9の少なくとも一方と第4口VP4とが、さらなる他の1つの第1導通室511、連通孔路AC3及び第3導通室521を介して導通し、第6口VP6と第3口VP3とが、第2導通室512を介して導通し、
図31には、第9口VP9が、第3導通室521を介して連通孔路AC3に導通する場合の第2弁体52の位置が概略的に示される。
【0037】
図20と
図31を参照して、制御弁は、第8動作モードM8にあり、第1弁体51は、第8位置に回転し、第1口VP1と第8口VP8とが、そのうちの1つの第1導通室511を介して導通し、第2口VP2と第3口VP3とが、他の1つの第1導通室511を介して導通し、第5口VP5及び第9口VP9の少なくとも一方と第6口VP6とが、さらなる他の1つの第1導通室511、連通孔路AC3及び第3導通室521を介して導通し、第4口VP4と第7口VP7とが、第2導通室512を介して導通し、
図31には、第9口VP9と第5口VP5が共に第3導通室521を介して連通孔路AC3に導通する場合の第2弁体52の位置が、概略的に示される。
【0038】
制御弁1の8つの動作モードのいずれかにおいて、隣接する2つのモードの間で第1弁体51が回転する角度は45度異なる。
さらに、
図24から
図29に示すように、第2弁体52は、第9位置に回転し、第5口VP5と連通孔路AC3とが第3導通室521を介して導通し、
図30に示すように、第2弁体52は、第10の位置に回転し、第9口VP9と連通孔路AC3とが第3導通室521を介して導通し、
図31に示すように、第2弁体52は、第9位置と第10の位置との間に回転し、第5口VP5と第9口VP9が、共に第3導通室521を介して連通孔路AC3に導通する。
【0039】
制御弁がより多くの弁口を有する場合に、複数の弁口の間の導通モードの切り替えを実現するために、制御弁は、さらに、3つの弁体又はこれ以上の弁体を含むことができる。
【0040】
図32をさらに参照し、第1連通口4141は、第1側壁部414の周方向に配列され、第2連通口4151は、第2側壁部415の周方向に配列され、制御弁1の高さ方向に沿って、第1連通口4141の中心と第2連通口4151の中心とは、制御弁1の同じ高さに位置し、即ち、第1連通口4141中心と第2連通口4151中心を通った平面は、制御弁1の高さ方向と垂直である。
第1連通口4141中心及び第2連通口4151の中心と弁ボデー41の底端の表面との距離をhとすることができ、hの具体的な数値は、ユーザーの必要に応じて設定可能である。
上記の設置により、各連通口を整然と配列することができ、制御弁1の高さ方向におけるサイズを小さくするのに有利である。
【0041】
一つの選択として、制御弁1に含まれる第1通路416の数は、7つであり、第2通路417の数は、2つであり、7つの第1通路416は、7つの第1ポートVP1を形成し、2つの第2流通通路102は、2つの第2ポートVP2を形成し、
図33を参照し、隣接する2つの第1ポートVP1の中心及び第1室AC1の軸線がなす角度аは、45度であり、隣接する2つの第1ポートVP1の内壁の間の最小距離mは、6ミリ以上であり、第1ポートVP1の横断面積は、第2ポートVP2の横断面積と等しいので、第1ポートVP1と第2ポートVP2は、同じ流体流通面積を有する。
【0042】
図2から
図20のように、弁ボデー41は、第1側壁部414に固定接続又は一体成型される第1接続部4101を含む。
そして、第1通路416の一部は、第1接続部4101内に位置し、第1側壁部414の横断面は、開口を有する円環状構造であればよく、第1接続部4101の横断面の内面は、扇形構造であり、第1接続部4101の横断面は、第1側壁部414から離れる円弧の弧長が、第1側壁部414に近接する円弧の弧長よりも大きくなり、横断面は、弁ボデー41の高さ方向に対して垂直な方向に沿って弁ボデー41を切断した断面である。
弁ボデー41は、第2側壁部415に固定接続又は一体成型される第2接続部4102を含み、第2流通通路102は、第2接続部4102を貫通し、第2接続部4102の横断面の内面は、矩形構造である。
【0043】
以上から、本発明の実施例である制御弁1によれば、制御弁1の弁体は、第1弁体51と第2弁体52を含む。
そして、この第1弁体51と第2弁体52は、対応する制御弁1のポートVPを導通するように回動可能であり、制御弁1の様々な流通手段を容易に実現し、弁ボデー41は、第1位置制限部412と第2位置制限部413を含む。
そして、第1位置制限部412は、第1弁体51の第1嵌合部510に位置制限されて嵌合されて第1弁体51に対する位置制限を実現することができ、第2位置制限部413は、第2弁体52の第2嵌合部520に位置制限されて嵌合されて第2弁体52に対する位置制限を実現することができ、第1弁体51及び/又は第2弁体52の本体を球状構造とすることで、弁体は、対応する位置制限部周りに偏向可能となる。
制御弁1は、製造又は組付過程において、弁体の偏向により駆動軸と対応する駆動部材との伝動接続を容易に実現することができ、制御弁1の製造又は組立における誤差による2つの駆動軸と2つの駆動部材との間の不安定な嵌合の低減を容易にし、普及及び応用が容易である。
【0044】
説明すべきは、以上の実施形態は、単に、本発明を説明するためのものであり、例えば、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」等の方向性に対する定義のように、本発明を限定するものではなく、本明細書は、上記の実施形態を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、当業者が依然として本発明を補正、組合せ又は均等な置換することが可能であり、本発明の精神及び範囲から逸脱しないすべての改良も本出願の請求項の範囲内に該当している。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ボデーと弁体を含む制御弁であって、前記弁体は、第1弁体と第2弁体を含み、前記制御弁は、互いに連通する第1室と第2室を有し、前記第1室と前記第2室の配列方向は、前記制御弁の高さ方向と交わり、前記第1弁体の少なくとも一部は、前記第1室に位置しかつ回動可能であり、前記第2弁体の少なくとも一部は、前記第2室に位置しかつ回動可能であり、
前記弁ボデーは、前記弁体の軸方向の一方側に位置する底壁部と前記底壁部に固定接続される第1位置制限部と前記底壁部に固定接続される第2位置制限部とを含み、前記第1弁体は、前記第1位置制限部に位置制限されて嵌合される第1嵌合部を含み、前記第2弁体は、前記第2位置制限部に位置制限されて嵌合される第2嵌合部を含み、
前記第1弁体の本体は、球状構造であり、前記第1弁体は、前記第1位置制限部周りに偏向可能であり、前記第1弁体の軸線は、前記第1室の室壁の軸線との間に角度を持つことが可能となり、及び/又は、前記第2弁体の本体は、球状構造であり、前記第2弁体は、前記第2位置制限部周りに偏向可能であり、前記第2弁体の軸線は、前記第2室の室壁の軸線との間に角度を持つことを特徴とする制御弁。
【請求項2】
前記制御弁は、駆動アセンブリを含み、前記制御弁の高さ方向に沿って前記駆動アセンブリは、前記弁ボデーの一方側に位置し、前記駆動アセンブリは、ハウジング、第1駆動部材及び第2駆動部材を含み、前記ハウジングは、収容室を有し、前記第1駆動部材と前記第2駆動部材は、前記収容室に位置し、前記制御弁は、第1駆動軸と第2駆動軸を含み、前記第1駆動軸は、前記第1駆動部材に伝動接続され、前記第1駆動軸と前記第1弁体とは、一体構成であり又は伝動接続され、前記第2駆動軸は、前記第2駆動部材に伝動接続され、前記第2駆動軸と前記第2弁体とは、一体構成であり又は伝動接続されることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項3】
前記第1駆動軸と前記第1弁体とは、一体構成であり、前記第2駆動軸と前記第2弁体とは、別体で設けられかつ伝動接続され、前記第1弁体の本体は、柱構造であり、前記第1弁体は、前記第1位置制限部に位置制限されて設けられ、かつ、前記第1弁体と前記第1駆動軸とは、共に前記第1室の室壁と同軸に配設され、
前記第2弁体の本体は、球状構造であり、前記第2弁体は、前記第2位置制限部周りに偏向可能であり、前記第2駆動軸の軸線と前記第2室の軸線との間に角度を持たせることを特徴とする請求項2に記載の制御弁。
【請求項4】
前記弁ボデーは、第1側壁部と第2側壁部を含み、前記第1側壁部は、前記第1室の周壁を形成する又は少なくとも周壁の一部であり、前記第2側壁部は、前記第2室の周壁を形成する又は少なくとも周壁の一部であり、前記制御弁は、第1通路と第2通路を含む通路を有し、前記第1通路は、前記第1側壁部を貫通して第1連通口を形成し、前記第2通路は、前記第2側壁部を貫通して第2連通口を形成し、
前記制御弁は、第1密封部材と第2密封部材を含み、前記第1密封部材は、前記第1連通口と同数であり対応する第1連通口に連通する第1孔路を含み、前記第1密封部材は、前記第1側壁部と前記第1弁体との間に介在され、かつ、前記第1密封部材は、前記第1弁体と同軸に配設され、前記第1密封部材の高さは、前記第1弁体の本体部の高さとマッチングし、前記第2密封部材の数は、前記第2連通口の数と同じであり、前記第2密封部材は、対応する前記第2連通口に連通する第2孔路を含み、前記第2密封部材は、前記第2弁体の側面の一部と前記第2側壁部の壁面の一部との間に介在され、前記第2弁体の側面の他の一部と前記第2側壁部の壁面の他の一部との間に隙間を有し、前記制御弁の高さ方向に沿って、前記第2弁体の本体部の端面と前記弁ボデーとの間に隙間を有することを特徴とする請求項3に記載の制御弁。
【請求項5】
前記第1駆動軸は、歯形部を含み、前記第1駆動部材は、歯形孔を有する第1出力ギアを含み、前記歯形部の少なくとも一部は前記歯形孔内に位置し、
前記の第2駆動軸は、接続部を含み、前記接続部の外面の少なくとも一部は、対向設置された2つの非弧状表面と、2つの前記非弧状表面の間に位置する弧状表面とを含み、前記第2駆動部材は、接続孔を有する第2出力ギアを含み、前記接続孔の孔壁面の少なくとも一部は、対向設置された非弧状壁面と、2つの前記非弧状壁面の間に位置する弧状壁面とを含み、前記非弧状壁面と前記非弧状表面とは、互いに近接しかつ対向設置され、前記接続部の少なくとも一部は、前記接続孔内に位置することを特徴とする請求項4に記載の制御弁。
【請求項6】
前記第1位置制限部は、突出構造又は溝構造の一方であり、前記第1嵌合部は、突出構造又は溝構造の他方であり、前記第2位置制限部は、突出構造又は溝構造の一方であり、前記第2嵌合部は、突出構造又は溝構造の他方であり、
前記突出構造は、前記溝構造内に嵌入されかつ位置制限されて嵌合されることを特徴とする請求項2に記載の制御弁。
【請求項7】
前記第1位置制限部は、第1突出構造であり、前記第1突出構造は、前記底壁部から突出され、前記第1嵌合部は、第1溝構造であり、前記第1溝構造は、前記第1弁体から前記底壁部の表面に向かって前記第1弁体の内部へ延び、前記第1突出構造は、前記第1溝構造内に嵌入され、
前記第2位置制限部は、第2突出構造であり、前記第2突出構造は、前記底壁部から突出し、前記第2嵌合部は、第2溝構造であり、前記第2溝構造は、前記第2弁体から前記底壁部の表面に向かって前記第2弁体の内部へ延び、前記第2突出構造は、前記第2溝構造内に嵌入されることを特徴とする請求項6に記載の制御弁。
【請求項8】
前記第2突出構造は、前記第2溝構造に隙間嵌めされ、前記第2突出構造の外壁面と前記第2溝構造の内壁面との間の距離d1は、0≦d1≦0.06mmを満足することを特徴とする請求項7に記載の制御弁。
【請求項9】
前記第1駆動部材は、第1モータと前記第1モータに伝動接続される第1出力ギアを含み、前記第2駆動部材は、第2モータと前記第2モータに伝動接続される第2出力ギアを含み、前記弁ボデーは、蓋体部を含み、前記第1弁体の少なくとも一部と前記第2弁体の少なくとも一部は、いずれも前記底壁部と前記蓋体部との間に位置し、前記蓋体部は、第1貫通孔と第2貫通孔を有し、前記第1駆動軸は、前記第1貫通孔を貫通して前記第1出力ギアに伝動接続され、前記第2駆動軸は、前記第2貫通孔を貫通して前記第2出力ギアに伝動接続され、
前記第1貫通孔は、それぞれ前記第1出力ギア及び前記第1駆動軸と同軸に配設され、前記第2貫通孔と前記第2駆動軸との間に隙間嵌めが行われ、かつ、前記第2貫通孔を形成する孔壁と前記第2駆動軸における前記第2貫通孔の位置に対応する軸面との間の距離d2は、0≦d2≦0.05mmを満足することを特徴とする請求項8に記載の制御弁。
【請求項10】
前記第2駆動軸における前記第2弁体から離れる表面での中点から前記第1室の室壁の軸線までの間の距離d3は、0≦d3≦0.1mmを満足することを特徴とする請求項9に記載の制御弁。
【請求項11】
前記駆動アセンブリのハウジングは、第3貫通孔を有する下ハウジングを含み、前記第2駆動軸は、前記第2貫通孔と前記第3貫通孔を貫通して前記第2出力ギアに伝動接続され、
前記制御弁は、第1オイルシールと第2オイルシールを含み、前記第1オイルシールと前記第2オイルシールは、いずれも前記第2駆動軸の外周側に嵌挿され、前記第1オイルシールは、前記蓋体部と前記第2駆動軸との間に介在され、前記第2オイルシールは、前記下ハウジングと前記第2駆動軸との間に介在され、前記第1オイルシール及び前記第2オイルシールは、いずれも前記第2駆動軸の外面との間に圧縮量を有することを特徴とする請求項9に記載の制御弁。
【請求項12】
前記第1弁体は、離隔された第1導通室と第2導通室を含み、前記第1導通室は、前記第1弁体の外周面から前記第1弁体内部に窪んだ溝構造であり、前記第2導通室は請求項前記第1弁体を貫通し、前記第2弁体は、前記第2弁体の外周面から前記第2弁体内部に窪んだ溝構造である第3導通室を含み、前記制御弁は、前記第1室の壁部の少なくとも一部を形成する第1側壁部と、前記第2室の壁部の少なくとも一部を形成する第2側壁部とを含み、前記制御弁は、前記第1側壁部を貫通して第1連通口を形成する第1通路と前記第2側壁部を貫通して第2連通口を形成する第2通路とを有し、
前記第1導通室と前記第2導通室の少なくとも一方によって対応する少なくとも2つの前記第1連通口を導通し、前記第1導通室と前記第2導通室の一方、前記連通孔路、及び、前記第3導通室によって対応する前記第1連通口と前記第2連通口とを導通することを特徴とする請求項1~請求項5及び請求項7~請求項11のいずれか1項に記載の制御弁。
【請求項13】
前記第1通路の数は、7つであり、前記第1連通口の数は、7つであり、前記弁ボデーは、前記第1室と前記第2室とを連通する連通孔路を有し、前記連通孔路は、前記第1側壁部を貫通して第1孔口を形成し、7つの前記第1連通口と前記第1孔口は、前記第1側壁部の円周方向に沿って均等に分布し、
前記第1導通室の数は、3つであり、前記第2導通室の数は、1つであり、3つの前記第1導通室のうちの2つは、隣接して設けられかつ前記第1弁体の径方向に沿って前記第1弁体の一方側に位置し、前記第2導通室と1つの前記第1導通室は、前記第1弁体の径方向の他方側に位置し、
7つの前記第1連通口をそれぞれ第1口、第2口、第3口、第4口、第6口、第7口及び第8口と定義し、前記第1口、前記第2口、前記第3口、前記第4口、前記第1孔口、前記第6口、前記第7口及び前記第8口は、前記第1側壁部の円周方向に沿って順次に配列され、2つの第2連通口をそれぞれ第5口と 第9口と定義し、前記制御弁は、少なくとも以下の8つの動作モードのいずれかを含み、
第1動作モードにおいて、前記第1弁体は、第1位置に回転し、前記第1口と第2口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第3口と前記第4口とが他の1つの前記第1導通室を介して導通し、第6口と前記第7口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第8口とが、前記第2導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、
第2動作モードにおいて、前記第1弁体は、第2位置に回転し、前記第3口と第2口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第4口とが、他の1つの前記第1導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、前記第7口と前記第8口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第6口と前記第1口とが、前記第2導通室を介して導通し、
第3動作モードにおいて、前記第1弁体は、第3位置に回転し、前記第1口と第8口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第3口と前記第4口とが、他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第6口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、前記第2口と前記第7口とが、前記第2導通室を介して導通し、
第4動作モードにおいて、前記第1弁体は、第4位置に回転し、前記第1口と第2口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第4口とが、他の1つの前記第1導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、前記第6口と前記第7口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第3口と前記第8口とが、前記第2導通室を介して導通し、
第5動作モードにおいて、前記第1弁体は、第5位置に回転し、前記第3口と第2口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第7口と前記第8口とが、他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第6口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、前記第1口と前記第4口とが、前記第2導通室を介して導通し、
第6動作モードにおいて、前記第1弁体は、第6位置に回転し、前記第1口と第8口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第3口と前記第4口とが、他の1つの前記第1導通室を介して導通し、第6口と前記第7口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第2口とが、前記第2導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、
第7動作モードにおいて、前記第1弁体は、第7位置に回転し、前記第1口と第2口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第7口と前記第8口とが、他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第4口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、第6口と前記第3口とが、前記第2導通室を介して導通し、
第8動作モードにおいて、前記第1弁体は、第8位置に回転し、前記第1口と第8口とが、そのうちの1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第2口と前記第3口とが、他の1つの前記第1導通室を介して導通し、前記第5口及び前記第9口の少なくとも一方と前記第6口とが、さらなる他の1つの前記第1導通室、前記連通孔路及び前記第3導通室を介して導通し、前記第4口と前記第7口とが、前記第2導通室を介して導通することを特徴とする請求項12に記載の制御弁。
【請求項14】
前記制御弁の8つの動作モードのいずれかにおいて、前記第2弁体は、第9位置に回転し、前記第5口と前記連通孔路とが、前記第3導通室を介して導通し、前記第2弁体は、第10の位置に回転し、前記第9口と前記連通孔路とが、前記第3導通室を介して導通し、前記第2弁体は、第9位置と前記第10の位置との間に回転し、前記第5口と前記第9口とが、共に前記第3導通室を介して前記連通孔路に導通することを特徴とする請求項13に記載の制御弁。
【請求項15】
前記制御弁の高さ方向に沿って、前記第1側壁部に1つの前記第1連通口が配列され、前記第2側壁部に1つの前記第2連通口が配列され、
前記弁ボデーは、前記第1側壁部の外面に固定接続又は一体成型される第1接続部を含み、前記第1通路は、前記第1接続部を貫通し、
前記第1側壁部における前記第1側壁部の高さ方向に垂直な横断面は、開口を有する円環状構造であり、前記第1接続部の横断面の内面は、扇形構造であり、前記扇形構造は、前記第1側壁部の軸線方向から離れる円弧の弧長は、前記第1側壁部の軸線方向に近接する円弧の弧長よりも大きくなることを特徴とする請求項12に記載の制御弁。
【国際調査報告】