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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】機敏な移動式シザーリフト装置
(51)【国際特許分類】
   B62B 5/04 20060101AFI20240702BHJP
   B62B 3/02 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B62B5/04 C
B62B3/02 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579022
(86)(22)【出願日】2022-06-21
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 US2022073064
(87)【国際公開番号】W WO2022272250
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】17/664,042
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/213,039
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519147359
【氏名又は名称】ベンドパック,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【弁理士】
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【弁理士】
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】クリッツァー,ジェフリー,エス.
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050BB02
3D050BB25
3D050EE08
3D050FF03
3D050HH06
3D050JJ05
(57)【要約】
移動式リフト装置は、複数組の高さ調整可能な3つのキャスターユニットを有する移動式ベースフレームと、フレームに取り付けられたフロアブレーキと、荷物デッキと、ベースフレームおよび荷物デッキの間に係合したシザーリンクと、荷物デッキ上で移動可能な荷物テーブルとを含む。アクチュエータは、シザーリンクと係合しており、これにより、シザーリンクを伸長および収縮する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動式リフト装置であって、
(a)ベースフレームと、
(b)前記ベースフレーム上に取り付けられ、荷物を上昇および下降させるように動作可能なリフト機構と、
(c)前記ベースフレームに連結され且つ前記ベースフレームの下方に延びる複数のキャスターユニットであって、互いに協働して前記ベースフレームを前記装置の支持面に対して動かせるようにする、複数のキャスターユニットと、
(d)前記ベースフレームに固定されたフロアブレーキ機構であって、前記フロアブレーキ機構はブレーキパッドを含み、前記ブレーキパッドを選択的に伸長させて前記ブレーキパッドのブレーキ位置において前記支持面と制動接触させて前記装置の位置を固定し、また、前記ブレーキパッドを解放位置まで退避させ、それにより、前記支持面上で前記装置を動かすことができるようにする、フロアブレーキ機構と、を備えた、移動式リフト装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
(a)前記複数のキャスターユニットの各々は、前記ベースフレームの角に配置され、前記ベースフレームに対して高さ調節可能であり、それにより、前記ベースフレームを凹凸のある支持面上で水平にすることを可能にする。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
(a)各キャスターユニットは、それぞれの旋回軸を中心に枢動可能な旋回キャスターを含む。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、
(a)各キャスターユニットは、それぞれの旋回軸を中心に移動するために前記キャスターユニット上に枢動可能に取り付けられた旋回キャスターを有するキャスタープレートを含む。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、各キャスターユニットは、
(a)実質的に垂直なプレート軸を中心に枢動できるように前記ベースフレームと枢動可能に係合したキャスタープレートと、
(b)相互に間隔をあけた関係で、それぞれの実質的に垂直な旋回軸を中心とした枢動を可能にするように前記キャスタープレートと枢動可能に係合した複数の旋回キャスターと、を含む。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、各キャスターユニットは、
(a)実質的に垂直なキャスターユニットシャフトであって、前記シャフトの垂直位置を前記ベースフレームに対して選択的に調節できるように前記ベースフレームと係合する、キャスターユニットシャフトと、
(b)三角形のキャスタープレートであって、前記キャスターユニットシャフトと枢動可能に係合しており、それにより、前記キャスターユニットシャフトを通って延びる実質的に垂直なプレート軸を中心に枢動できるようにする、キャスタープレートと、
(c)3つの旋回キャスターであって、間隔をあけた三角形の関係で前記キャスタープレートと枢動可能に係合しており、それにより、それぞれの実質的に垂直な旋回軸を中心に枢動できるようにする、旋回キャスターと、を含む。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
(a)前記フロアブレーキ機構が前記ブレーキ位置にラッチされる。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、
(a)それぞれのブレーキ機構が、横方向に互いに位置合わせされた関係で前記ベースフレームの両側において前記ベースフレームに固定される。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、前記リフト機構は、
(a)前記装置によって上昇させられる荷物を支持するように適合された実質的に平面状の荷物デッキと、
(b)前記荷物デッキを前記ベースフレームに連結するシザーリンクであって、前記シザーリンクの伸長または収縮によって前記荷物プレートをそれぞれ上昇または下降させることを可能にするシザーリンクと、
(c)前記シザーリンクの選択的な伸長および収縮を可能にするように前記シザーリンクに係合するアクチュエータと、を含む。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であって、前記リフト機構は、
(a)前記装置によって上昇させられる荷物を支持するように適合された実質的に平面状の荷物デッキと、
(b)荷物デッキ上に支持された実質的に平面状の荷物テーブルであって、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの制限された移動を可能にし、それにより、前記荷物テーブル上に配置された荷物の位置を調整する、荷物テーブルと、
(c)前記荷物デッキを前記ベースフレームに連結するシザーリンクであって、前記シザーリンクの伸長または収縮によって前記荷物プレートをそれぞれ上昇または下降させることを可能にするシザーリンクと、
(d)前記シザーリンクの選択的な伸長および収縮を可能にするように前記シザーリンクに係合するアクチュエータと、を含む。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、
(a)前記荷物デッキおよび前記荷物テーブルの間に係合し、それにより、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を容易にするベアリングのアレイを含む。
【請求項12】
請求項10に記載の装置であって、
(a)前記荷物テーブルは、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を制限するように前記荷物デッキに係合する制限部材を有する。
【請求項13】
請求項1に記載の装置であって、
(a)前記ベースフレームと係合し、それにより、前記装置の移動方向の制御を容易にするステアリングハンドルを含む。
【請求項14】
移動式リフト装置であって、
(a)前後フレーム端部と第1および第2の横方向フレーム側部とを有するベースフレームと、
(b)前記ベースフレームに取り付けられ、荷物を上昇および下降させるように動作可能なリフト機構と、
(c)フレーム端部とフレーム側部の各交差点に配置された各キャスターユニットであって、前記各キャスターユニットは互いに協働して、それにより、前記ベースフレームを前記装置の支持面に対して動かすことができるようにするキャスターユニットと、
(d)各キャスターユニットは、
(1)前記ベースフレームと枢動可能に係合し、それにより、実質的に垂直なプレート軸を中心とした枢動を可能にするキャスタープレートと、
(2)それぞれの実質的に垂直な旋回軸を中心に枢動できるように、相互に間隔をあけた関係で前記キャスタープレートと枢動可能に係合した複数の旋回キャスターと、を含み、
(e)前記ベースフレームの前記第1および第2の横方向フレーム側部のそれぞれに固定されたそれぞれのフロアブレーキ機構であって、各フロアブレーキ機構はブレーキパッドを含み、前記ブレーキパッドを選択的に伸長させてラッチして前記ブレーキパッドのブレーキ位置において前記支持面と制動接触させて前記装置の位置を固定し、また、前記ブレーキパッドを解放位置まで解放および退避させ、それにより、前記支持面上で前記装置を動かすことができるようにする、フロアブレーキ機構と、を備えた、移動式リフト装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、
(a)各キャスターユニットは、前記ベースフレームに対して高さ調節可能であり、それにより、前記ベースフレームを凹凸のある支持面上で水平にすることを可能にする。
【請求項16】
請求項14に記載の装置であって、各キャスターユニットは、
(a)実質的に垂直なキャスターユニットシャフトであって、前記シャフトの垂直位置を前記ベースフレームに対して選択的に調節できるように前記ベースフレームと係合する、キャスターユニットシャフトと、
(b)三角形であり且つ前記キャスターユニットシャフトと枢動可能に係合しており、それにより、前記キャスターユニットシャフトを通って延びる実質的に垂直なプレート軸を中心に枢動できるようにする、前記キャスタープレートと、
(c)3つの旋回キャスターであって、間隔をあけた三角形の関係で前記キャスタープレートと枢動可能に係合しており、それにより、それぞれの実質的に垂直な旋回軸を中心に枢動できるようにする、旋回キャスターと、を含む。
【請求項17】
請求項14に記載の装置であって、前記リフト機構は、
(a)前記装置によって上昇させられる荷物を支持するように適合された実質的に平面状の荷物デッキと、
(b)荷物デッキ上に支持された実質的に平面状の荷物テーブルであって、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの制限された移動を可能にし、それにより、前記荷物テーブル上に配置された荷物の位置を調整する、荷物テーブルと、
(c)前記荷物デッキを前記ベースフレームに連結するシザーリンクであって、前記シザーリンクの伸長または収縮によって前記荷物プレートをそれぞれ上昇または下降させることを可能にするシザーリンクと、
(d)前記シザーリンクの選択的な伸長および収縮を可能にするように前記シザーリンクに係合するアクチュエータと、を含む。
【請求項18】
請求項17に記載の装置であって、
(a)間隔をあけた関係で前記荷物デッキ上に配置されるベアリングのアレイであって、前記荷物テーブルと係合し、それにより、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を容易にする、ベアリングのアレイを含み、
(b)前記荷物テーブルは、前記荷物デッキの外周部に係合して、それにより、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を制限する懸架制限部材を含む。
【請求項19】
移動式リフト装置であって、
(a)前後フレーム端部と第1および第2の横方向フレーム側部とを有するベースフレームと、
(b)前記ベースフレームに取り付けられ、荷物を上昇および下降させるように動作可能なリフト機構と、
(c)フレーム端部とフレーム側部の各交差点に配置された各キャスターユニットであって、前記各キャスターユニットは互いに協働して、それにより、前記ベースフレームを前記装置の支持面に対して動かすことができるようにするキャスターユニットと、
(d)各キャスターユニットは、
(1)実質的に垂直なキャスターユニットシャフトであって、前記シャフトの垂直位置を前記ベースフレームに対して選択的に調節できるように前記ベースフレームと係合する、キャスターユニットシャフトと、
(2)三角形のキャスタープレートであって、前記キャスターユニットシャフトと枢動可能に係合しており、それにより、前記キャスターユニットシャフトを通って延びる実質的に垂直なプレート軸を中心に枢動できるようにする、キャスタープレートと、
(3)3つの旋回キャスターであって、間隔をあけた三角形の関係で前記キャスタープレートと枢動可能に係合しており、それにより、それぞれの実質的に垂直な旋回軸を中心に枢動できるようにする、旋回キャスターと、を含み、
(e)前記ベースフレームの前記第1および第2の横方向フレーム側部のそれぞれに固定されたそれぞれのフロアブレーキ機構であって、各フロアブレーキ機構はブレーキパッドを含み、前記ブレーキパッドを選択的に伸長させてラッチして前記ブレーキパッドのブレーキ位置において前記支持面と制動接触させて前記装置の位置を固定し、また、前記ブレーキパッドを解放位置まで解放および退避させ、それにより、前記支持面上で前記装置を動かすことができるようにする、フロアブレーキ機構と、を備えた、移動式リフト装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置であって、
(a)各キャスターユニットは、前記ベースフレームに対して高さ調節可能であり、それにより、前記ベースフレームを凹凸のある支持面上で水平にすることを可能にする。
【請求項21】
請求項19に記載の装置であって、各キャスターユニットは、
(a)実質的に垂直なキャスターユニットシャフトであって、前記シャフトの垂直位置を前記ベースフレームに対して選択的に調節できるように前記ベースフレームと係合する、キャスターユニットシャフトと、
(b)三角形であり且つ前記キャスターユニットシャフトと枢動可能に係合しており、それにより、前記キャスターユニットシャフトを通って延びる実質的に垂直なプレート軸を中心に枢動できるようにする、前記キャスタープレートと、
(c)3つの旋回キャスターであって、間隔をあけた三角形の関係で前記キャスタープレートと枢動可能に係合しており、それにより、それぞれの実質的に垂直な旋回軸を中心に枢動できるようにする、旋回キャスターと、を含む。
【請求項22】
請求項19に記載の装置であって、前記リフト機構は、
(a)前記装置によって上昇させられる荷物を支持するように適合された実質的に平面状の荷物デッキと、
(b)荷物デッキ上に支持された実質的に平面状の荷物テーブルであって、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの制限された移動を可能にし、それにより、前記荷物テーブル上に配置された荷物の位置を調整する、荷物テーブルと、
(c)前記荷物デッキを前記ベースフレームに連結するシザーリンクであって、前記シザーリンクの伸長または収縮によって前記荷物プレートをそれぞれ上昇または下降させることを可能にするシザーリンクと、
(d)前記シザーリンクの選択的な伸長および収縮を可能にするように前記シザーリンクに係合するアクチュエータと、を含む。
【請求項23】
請求項22に記載の装置であって、
(a)間隔をあけた関係で前記荷物デッキ上に配置されるベアリングのアレイであって、前記荷物テーブルと係合し、それにより、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を容易にする、ベアリングのアレイを含み、
(b)前記荷物テーブルは、前記荷物デッキの外周部に係合して、それにより、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を制限する懸架制限部材を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年6月21日に出願された米国特許仮出願第63/213,039号「MOBILE SCISSOR LIFT APPARATUS」、および、2022年5月18日に出願された米国特許出願第17/664,042号「AGILE MOBILE SCISSOR LIFT APPARATUS」に基づく優先権を主張しており、これらの開示内容全体をここに援用する。
【0002】
本発明は、移動式リフト装置に関し、より詳細には、正確かつ簡便に位置決めして荷物を昇降することができ、その荷物の昇降中における安定性のために駐機できる移動式リフト装置に関する。
【背景技術】
【0003】
車両を保守および修理する場合、修理または交換のために、トランスミッション、トランスアクスル、モータなどのような比較的大きく重い構成部品を取り外し、再び取り付けることが必要となる場合がある。上昇位置にある車両の下からこのような構成部品にアクセスすることが必要となる場合がある。
【0004】
自動車のような電気推進車両は、推進モータを作動させるために非常に大きな再充電可能なバッテリパックを採用している。このような車両は、バッテリのみで推進する場合は電気自動車(EV)と呼ばれ、内燃機関が車両に組み込まれている場合はハイブリッドと呼ばれる。電気自動車用バッテリは一般的に長寿命だが、いずれ交換が必要になり得る。バッテリの製造欠陥およびその他の事情により、早期の交換が必要になり得る。電気自動車用バッテリの重量は、乗用車の場合、約200~500キログラム(400~1200ポンド)またはそれ以上であり、通常、交換のために車両の下からアクセス可能である。
【0005】
車両メンテナンス中に自動車構成部品を昇降させるための機構は数多く存在する。このようなリフト機構は可動式であることが多く、それにより、作業対象の構成部品の下方に最適に配置することができ、広範囲の自動車構成部品に同リフト機構を使用することが容易になる。望ましくは、移動式リフト機構は、部品の昇降の間、安定性のために静止位置に駐機され、リフト機構によって支持された構成部品を移動させるために駐機状態から解放される。車両がシングルポストリフトではなく、2ポストリフトによって支持されている場合に、車両の下で自動車構成部品を昇降させるのがより便利であることが多い。例示的な2ポストリフト構成は、その開示内容全体をここに援用する米国特許第9,150,395号に開示されている。
【0006】
電気自動車のバッテリパックまたはバッテリは、典型的には、大型で比較的平坦なアセンブリであり、取り外し可能な締結具によって車両の下側の大きな浅い凹部またはウェル内に固定される。バッテリは、分離可能なコネクタによって車両の電気モータおよびシステムに電気的に接続されている。取り外しの際には、締結具を取り外しながらバッテリを下から支える。その後バッテリを下降させると、電気コネクタの構成部品を分離することができる。新しいバッテリの取り付け手順は、取り外しと逆の手順で行う。しかし、バッテリの取り付けには、バッテリを上昇させてバッテリ凹部内に入れる前に、機械式締結具と電気コネクタの構成部品を正確に位置合わせする必要がある。したがって、バッテリを車両の下の所定位置に上昇させる前に、そのようなバッテリを車両の下に正確に位置決めするための、機敏な移動性を有する移動式リフト装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、荷物の昇降中の安定性のために簡便に駐機でき、リフト装置を荷物と共にまたはリフト装置単体で移動させるために駐機状態から解放することができる移動式リフト装置の実施形態を提供する。
【0008】
移動式リフト装置の一実施形態は、前後フレーム端部および両側の横方向フレーム側部を有する水平なベースフレームと、前記ベースフレーム上に取り付けられ、荷物を上昇および下降させるように動作可能な電動リフト機構と、後方フレーム端部において横方向に間隔をあけた関係で取り付けられた一対の後輪と、前方フレーム端部近傍において横方向に間隔をあけた関係で前記ベースフレームから下方に延びた一対の脚であり、前記装置の支持面に接触することができるような長さの脚と、前輪を含む前輪ユニットと、フレーム前端に連結され、前記装置を動かすことができるようにするプルレバーと、前記前輪ユニットおよび前記ベースフレームの間に係合されたチルトアクチュエータであって、フレーム前端を傾けることを可能にするように選択的に動作可能であり、それにより、前記脚を上昇させて支持面から離して前記装置を動かせるようにし、また、前記脚を下降させて支持面に接触させて前記電動リフト機構を動作させられるように前記装置を安定させる、チルトアクチュエータと、を備える。
【0009】
前記装置の一実施形態において、前記前輪ユニットは前記フレーム前端に連結され、それにより、実質的に垂直な操舵軸を中心に前記ベースフレームに対して前記前輪を駆動させることを可能にする。前記プルレバーは、前記前輪ユニットによって前記フレーム前端に連結され、前記前輪ユニットに係合していてもよい。前記プルレバーは、前記チルトアクチュエータを動作させて前記脚を上昇および下降させることが可能になるように前記チルトアクチュエータにも係合していてもよい。前記各脚は、その下端において調節可能に伸長可能な面接触パッドを含んでいてもよい。
【0010】
前記装置の一実施形態において、前記電動リフト機構は、上昇または下降させる荷物を支持するリフトデッキと、前記デッキおよび前記ベースフレームの間で係合されるシザーリンクであって、前記シザーリンクを伸張および収縮させることによってそれぞれ前記デッキを上昇および下降させるシザーリンクと、前記シザーリンクを選択的に伸長および収縮させるように前記シザーリンクと係合したリニアリフトモータとを含む。前記リフト機構の一実施形態において、前記リフトデッキは複数の支持アームを含み、前記支持アームは前記デッキから外向きに延び且つアーム外端を有し、荷物支持パッドが前記アーム外端から立ち上がっており、前記支持パッドは互いに協働して前記リフト機構上に荷物を支持する。
【0011】
前記リフトデッキは、前記ベースフレームに対して前記デッキを斜めの姿勢で選択的に固定することを可能にするように前記リフト機構に係合してもよい。このために、前記リフト機構はチルトフレームを含んでいてもよく、前記チルトフレームは、チルトフレーム軸を中心として前記リフトデッキに対して前記チルトフレームを選択的に固定することを可能にするように前記リフトデッキに係合してもよい。前記チルトフレームと組み合わせて、前記リフト機構は荷物支持テーブルを含んでいてもよく、前記荷物支持テーブルは、前記チルトフレーム軸に対して実質的に垂直なテーブル軸を中心として前記チルトフレームに対してある角度で前記テーブルを選択的に固定することを可能にするように前記チルトフレームに枢動可能に係合してもよい。
【0012】
前記脚は前記ベースフレームの上方に延びて前デッキ支持部を形成し、一対の横方向に間隔をあけた後デッキ支持部は、後フレーム端部の付近において前記ベースフレームの上方に延びていてもよい。前記前後デッキ支持部は、下降位置において前記リフトデッキに係合し、それにより、前記リフトデッキを支持する。
【0013】
機敏な移動式リフト装置の一実施形態は、前後フレーム端部および両側の横方向フレーム側部を有するベースフレームと、前記ベースフレームに取り付けられ、荷物を上昇および下降させるように動作可能なリフト機構と、フレーム端部とフレーム側部の各交差点に配置された各キャスターユニットであって、前記各キャスターユニットは互いに協働して、それにより、前記ベースフレームを前記装置の支持面に対して動かすことができるようにするキャスターユニットと、前記ベースフレームに固定されたフロアブレーキ機構であって、前記フロアブレーキ機構はブレーキパッドを含み、前記ブレーキパッドを選択的に伸長させて前記ブレーキパッドのブレーキ位置において前記支持面と制動接触させて前記装置の位置を固定し、また、前記ブレーキパッドを解放位置まで退避させ、それにより、前記支持面上で前記装置を動かすことができるようにする、フロアブレーキ機構とを含む。前記フロアブレーキは前記ブレーキ位置にラッチされ、また、前記ブレーキパッドを退避させて前記支持面の係合から外すように解除されてもよい。前記装置は、横方向に間隔をあけた関係で前記フレーム側部のそれぞれに固定されたブレーキ機構を含んでいてもよい。前記装置は前記ベースフレームに係合したステアリングハンドルを含んでいてもよく、それにより、前記装置移動方向を制御することを容易にする。
【0014】
前記装置の一実施形態において、各キャスターユニットは旋回キャスターを含み、前記旋回キャスターは高さ調節可能であり、それにより、前記装置を凹凸のある支持面上で水平にすることを可能にする。一実施形態において、前記キャスターユニットは、実質的に垂直なプレート軸を中心に枢動できるように前記ベースフレームと枢動可能に係合したキャスタープレートと、相互に間隔をあけた関係で、それぞれの実質的に垂直な旋回軸を中心とした枢動を可能にするように前記キャスタープレートと枢動可能に係合した複数の旋回キャスターと、を含む。このようなキャスターユニットは、実質的に垂直なキャスターユニットシャフトであって、前記シャフトの垂直位置を前記ベースフレームに対して選択的に調節できるように前記ベースフレームと係合する、キャスターユニットシャフトと、三角形のキャスタープレートであって、前記キャスターユニットシャフトと枢動可能に係合しており、それにより、前記キャスターユニットシャフトを通って延びる実質的に垂直なプレート軸を中心に枢動できるようにする、キャスタープレートと、3つの旋回キャスターであって、間隔をあけた三角形の関係で前記キャスタープレートと枢動可能に係合しており、それにより、それぞれの実質的に垂直な旋回軸を中心に枢動できるようにする、旋回キャスターと、を含んでいてもよい。
【0015】
前記装置の一実施形態において、前記リフト機構は、前記装置によって上昇させられる荷物を支持するように適合された実質的に平面状の荷物デッキと、前記荷物デッキを前記ベースフレームに連結するシザーリンクであって、前記シザーリンクの伸長または収縮によって前記荷物プレートをそれぞれ上昇または下降させることを可能にするシザーリンクと、前記シザーリンクの選択的な伸長および収縮を可能にするように前記シザーリンクに係合するアクチュエータと、を含んでいてもよい。前記リフト機構は、荷物デッキ上に支持された実質的に平面状の荷物テーブルであって、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの制限された移動を可能にし、それにより、前記荷物テーブル上に配置された荷物の位置を調整する、荷物テーブルをも含んでいてもよい。前記リフト機構は、前記荷物デッキおよび前記荷物テーブルの間に係合し、それにより、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を容易にするベアリングのアレイを含んでいてもよい。前記荷物テーブルは、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を制限するように前記荷物デッキに係合する制限部材を有していてもよい。前記リフト機構の一実施形態において、前記荷物テーブルは、前記荷物デッキの外周部に係合して、それにより、前記荷物テーブルの移動を制限する懸架制限部材を含んでいてもよい。
【0016】
本発明の様々な目的および利点は、本発明の特定の実施形態を図示および例示する添付の図面を参照して以下の説明から明らかになるであろう。
【0017】
図面は、本明細書の一部を構成し、本発明の例示的な実施形態を含み、本発明の様々な目的および特徴を図示する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、電動リフト機構によって上昇位置にあるリフトデッキと共に示す、本発明の移動式シザーリフト装置の斜視図である。
【0019】
図2図2は、上昇位置にある荷物を支持するリフトデッキを示す、幾分拡大した側面図である。
【0020】
図3図3は、リフトデッキ、シザー機構およびベースフレームの一部を取り除いて、本装置の電動リフト機構の構成部品を図示する、幾分縮小した側面図である。
【0021】
図4図4は、リフトデッキおよびリフト機構を取り除いて、本装置の移動を可能にするために支持面から前脚の下端を上昇させるために伸長状態にあるチルトアクチュエータを図示する、拡大断片側面図である。
【0022】
図5図5は、図4に似た図であり、本装置による荷物の昇降を容易にするように前脚の下端を支持面に接触させるように退避状態にあるチルトアクチュエータを図示する図である。
【0023】
図6図6は、下降位置にある第1の変形リフトデッキを有するリフト装置の変形実施形態の斜視図である。
【0024】
図7図7は、下降位置にある上記変形実施形態の側面図である。
【0025】
図8図8は、本装置による作業対象となる不規則形状の荷物を支持するために用いられる指示ブロックを示す第1の変形リフトデッキの斜視図である。
【0026】
図9図9は、デッキの外周を超えて延びる荷物支持アームを有し、荷物支持パッドがアームの外端から立ち上がっている、第2の変形リフトデッキの斜視図である。
【0027】
図10図10は、第2の変形リフトデッキ上に支持され、リフトデッキに対してテーブルを傾斜させることができる、チルトテーブルを有する第2の変形リフトデッキの斜視図である。
【0028】
図11図11は、図10に似た図であり、チルトテーブルを取り除いて、リフトデッキに対して第1の軸を中心として枢動させることを可能にし、チルトフレームに対してチルトテーブルを第2の軸を中心として枢動させることを可能にする、第2の変形リフトデッキ上に支持されたチルトフレームを示す図である。
【0029】
図12図12は、第2の変形リフトデッキおよびチルトテーブルの左側面図である。
【0030】
図13図13は、第2の変形リフトデッキおよびチルトテーブルの後側面図である。
【0031】
図14図14は、電動リフトシステムの動作を制御するリフト制御システムの構成部品の概略ブロック図である。
【0032】
図15図15は、本発明による機敏な移動式シザーリフト装置の一実施形態の斜視図である。
【0033】
図16図16は、機敏な移動式シザーリフト装置の側面図である。
【0034】
図17図17は、リフト装置に採用された高さ調整可能な旋回キャスターユニットの一実施形態の拡大斜視図である。
【0035】
図18図18は、リフト装置の荷物デッキから分離して示された、本発明による可動式荷物テーブルの拡大斜視図である。
【0036】
図19図19は、リフト装置に採用されたラッチ式フロアブレーキの一実施形態の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
要件に従い本発明の具体的な実施形態を本明細書中に開示するが、開示される実施形態は本発明の例示に過ぎず、本発明は様々な形態で実施可能であることは言うまでもない。従って、本明細書中に開示される特定の構造的および機能的詳細は限定的なものとして解釈されるものではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、また、実質的に任意の適切な詳細を持つ構造において本発明を様々に採用することを教示する代表的な基礎として解釈されるものである。
【0038】
図面をより詳細に参照して、参照符号1は、本発明による移動式シザーリフト装置の一実施形態の全体を指す。リフト装置1は、全体として、ジャッキアップ可能かつ操舵可能な移動式ベース4と、ベース4によって支持されたモータ駆動または電動リフトアセンブリ6と、リフトアセンブリ6によって昇降されるように係合したリフトプラットフォームアセンブリ8とを含む。ジャッキアップ可能な移動式ベース4によって、リフト装置1は、図5に概略的に示すように、ベースの一部がガレージフロアと摩擦係合して店舗フロアなどの支持面12に対するリフト装置1の移動に抵抗する下降位置と、図4に概略的に示すように支持面12に対してリフト装置1が自由に転動可能な上昇位置との間を選択的に移動することができる。リフトプラットフォーム8は、リフトアセンブリ6の動作によって昇降される荷物10(図2)を支持する。
【0039】
図示された移動式ベース4は、長手方向に(または縦方向に)間隔をあけた前端および後端部材20によって連結された横方向に間隔をあけた左側および右側部材18によって形成されるベースフレーム16を含む。ベースフレーム部材18および20は、溶接などによって接合される細長いアングル部などで形成することができる。ベースフレーム16は、以下で説明するように、油圧パワーおよび制御アセンブリ24(図14)の構成部品を支持するための下部壁22を含んでいてもよい。
【0040】
ベースフレーム16は、後端部材20と側方部材18の後端との接合部付近のベースフレームの後端30に取り付けられた一対の横方向に間隔をあけた後輪28を含む。後輪28は、垂直軸を中心に旋回可能なキャスターとして形成されてもよく、あるいは、向きが固定されていてもよい。車輪28は、より高い安定性のためにリフトプラットフォームアセンブリ8の昇降中にかけることができるブレーキ(図示せず)を備えていてもよいことが予見される。横方向に間隔をあけた支持部または脚34は、ベースフレーム16の側方部材18に接合され、その下端38が支持面12に選択的に接触するようにそこから下方に延びている。下端38は、表面接触パッド40(図7)を備えてもよく、この表面接触パッド40は、支持表面12に接触してリフトプラットフォームアセンブリ8を水平方向に位置決めするように調節可能に伸縮可能である。図示されたベースフレーム16では、脚34の上端42は上方に延びて、前部デッキ支持部材を形成しており、この前部デッキ支持部材は、後部フレーム端部30の近くで側方フレーム部材18に接合された直立した後部デッキ支持部材44と協働して、リフトプラットフォームアセンブリ8をその下方位置で支持する。また、前方および後方デッキ支持部材42および44は、リフトプラットフォームアセンブリ8を下降させる際の停止部または下限高を形成する。
【0041】
ベースフレーム16の前端36を中心とするタング構造またはタング46は、前端部材20から前方に延び、操縦可能なフレームリフトアセンブリ48に支持されている。操舵可能なフレームリフトアセンブリ48は、後述するように、ジャッキ52の下端に取り付けられた車輪アセンブリ50と、ハンドル54とを含む。一般に、ジャッキ52は、後輪28に対してタング46、ベースフレーム16および車輪アセンブリ50を上昇させて、ベースフレーム16を後輪28を中心にして傾斜させ、支持面12から脚34の下端38を上昇させ、それにより、リフト装置1の操縦を容易にしたり、逆に、リフトプラットフォームアセンブリ8を昇降している間など、電動リフトアセンブリ6の操作中に安定性のために支持面に接触または係合するように脚34を下げるように車輪アセンブリ50に対してタング46およびベースフレーム16を後退させるように操作できる。
【0042】
図1図5を参照して、図示されたタング構造46は、前端部材20から前方に延び且つその各端部から上昇部材60が上方に延びた、一対の横方向に間隔をあけた下側タング部材58を含む。上昇部材60は、上昇部材60の各上端間に延びたクロス部材62を支持する。
【0043】
ジャッキ52は、ジャッキベース63に回転可能に支持されており、ジャッキベース63は、ジャッキベース63の横方向側面に連結されたタイリンク64によって前フレーム端部部材20に連結されている。ジャッキ52の上端は、クロス部材62の中間部に連結されている。
【0044】
ここに示す実施形態の車輪アセンブリ50は、ジャッキ52の底部に連結された車輪支持シャフト67の下端に連結されたアクスル66に回転可能に取り付けられた一対の前輪またはローラ65を備えている。車輪支持シャフト67は、ジャッキベース63を貫通して下方に延び、ジャッキベース63に対してジャッキ52と共に回転可能となっている。(図4参照)。
【0045】
ここに示す実施形態におけるジャッキ52は、作動液が入ったキャニスタ内に取り付けられ且つキャニスタに対して伸縮可能なピストンを有する従来の油圧キャニスタジャッキ52として構成することができる。キャニスタの外側に取り付けられたポンプは、キャニスタの外部チャンバからピストンを取り囲むシリンダの底部へ作動液を圧送して、ピストンをキャニスタに対して伸長させ、タング46およびベースフレーム16を車輪アセンブリ50に対し上昇させるように操作可能である。リリースバルブは、作動液がシリンダから流出してキャニスタに戻り、ピストンを選択的に下降させるように操作可能である。
【0046】
ハンドルまたはレバー54は、下端がジャッキ52に枢動可能に連結されており、これにより、ハンドル54を下方へ枢動するとポンプが係合または作動して作動液がチャンバからピストンを収容するシリンダへ圧送される。ハンドルの下端は、実質的に垂直な操舵軸を中心として車輪アセンブリ50の前輪65を手動で回転または操舵できるように、ジャッキ52に連結されている。シリンダリリースレバー70はハンドル54上に設けられていてもよく、シリンダリリースレバー70を操作して、ピストンを後退させるようにリリースバルブを操作することができる。
【0047】
ジャッキ52のピストンが伸長されると、ベースフレーム16は車輪28を中心として上方に傾けられ、脚34の下端38を上昇させて支持面12から離し、これにより、表面12上で装置1を移動させやすくする。通常、ベースフレーム16は、リフトプラットフォームアセンブリ8が下降位置にあるときのみ、図4に示す移動位置まで上昇させられる。逆に、電動リフトアセンブリ6は、ベースフレーム16が図5に示すより安定した駐機位置にあり、脚34の下端38が支持面12に接触しているときにのみ、リフトプラットフォームアセンブリ8を昇降させるように作動する。フレームリフトアセンブリ48は、パレットジャッキおよびスキッドジャッキに採用される構成部品に匹敵する。このようなジャッキユニットのさらなる詳細は、その開示内容全体をここに援用する米国特許第2,399,043号および第3462167号に記載されている。
【0048】
図1図3を参照して、図示されたリフトプラットフォームアセンブリ8は、上部デッキプレート78、左右側方プレート80および前後端部プレート82によって浅くて下方に開いた箱構造として形成され、溶接によって接合された矩形の荷物支持プラットフォームまたはデッキ76を含む。側方プレート80は、例えば、車両で作業中に整備士の工具を受けるために、側方プレート80に沿って延びる工具溝84を備えていてもよい。端部プレート82にもこのような工具溝が設けられることが予見される。上部デッキプレート78の下側は、横方向に間隔をあけた複数組の上部シザークレビス86(図3)を有し、上部シザークレビス86は、上部デッキプレート78に接合され、且つ、以下にさらに説明されるように、ベースフレーム16の前端部材20に接合されるように図示された複数組の下部シザークレビス88と垂直方向に位置合わせされている。デッキ78の下側には、前後デッキ支持部42および44の上端と位置合わせされ且つ係合する前後複数組の高さ止め部材90を設けることもできる。高さ止め部材90は、前後デッキ支持部42および44と係合することによって、リフトプラットフォームアセンブリの下側への移動を制限する。上部デッキプレート78の下側には、後述するように、左右上部シザーローラプレート92を設けることもできる。ベースフレーム16の側方部材18にも、同様の下部シザーローラプレート94を設けることができる。
【0049】
超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)または他の低摩擦ポリマーまたは材料の層96(図6および図7)を上部デッキプレート78の上面に固定して、例えば部品上のボルトまたはボルト穴を車両フレーム上のボルト穴またはボルトと位置合わせするなど、部品10をそれが固定される車両の部分と位置合わせするために、重い電池パックのような重い部品または荷物10を表面上で移動させることを容易にすることができる。また、低摩擦層96は、電池パックや他の部品の表面損傷を最小限に抑え、デッキプレートの表面上で重い駆動系構成部品や電池パックを摺動させる際に、デッキプレート78の表面を化学物質の流出や擦り傷や損傷から保護する。また、表面接触パッド40を用いて、上部デッキプレート78およびその上に支持された部品10の向きを前後左右に調整し、部品10が取り付けられる車両の部分に部品10の向きを合わせることもできる。
【0050】
図2および図3を参照して、動力リフトアセンブリ6は、リフトプラットフォームアセンブリ8を移動式ジャッキアセンブリ4上に支持し、その上に配置された任意の荷物10と共に、リフトプラットフォームアセンブリ8をそれに対して昇降させるように操作可能である。リフトアセンブリ6は、ベースフレーム16の左右側方部材18上に支持される左右シザーリフト機構100を含む。図示されたシザー機構100の各々は、各リンクの中間で枢動可能に連結されたリンク104およびリンク106の横方向に間隔をあけた左右の、垂直に連結された複数組のシザーリンク対102を含む。各シザー対102は、その端部がシザークレビス86または88の一方に枢動可能に連結された連結端部シザーリンク104と、そこに設けられたシザーローラを有するローラ端部シザーリンク106とを有する。上側連結端部リンク104の各々は、その両端部において、対応する下側連結端部リンク104に枢動可能に連結されている。同様に、上側ローラ端部リンク106の各々は、反対端部において、対応する下側ローラ端部リンク106に枢動可能に連結されている。
【0051】
横方向シザースペーサ110は、対応する上側および下側リンク104および106の間に延びている。油圧シリンダのような左右リニアモータ112は、ローラ端部リンク106のような複数組のリンク間の横方向スペーサ110の間に延びている。モータ112が伸長すると、シザー機構100が伸長してリフトプラットフォームアセンブリ8が上昇し、一方、モータ112が収縮すると、シザー機構100が収縮してアセンブリ8が下降する。シザー機構100が上昇または下降すると、ローラ端部リンク106の端部にあるローラ108は、それぞれ、上側および下側ローラプレート92および94に沿って前方または後方に転動する。
【0052】
図14を参照して、図示された油圧制御システムまたはアセンブリ24は、作動液タンクまたはリザーバ118、油圧ポンプ120、油圧バルブ122および油圧シリンダまたはリニアモータ112を含む。ポンプ120は、油圧コントロールユニット126(図6および図14)によって制御されて油圧ポンプモータ124によって駆動され、それにより、コントロールユニット126によって制御されてタンク118からバルブ122を介して作動液を圧送する。コントロールユニット126は、システム24にリフトプラットフォームアセンブリ8を選択的に上昇または下降させるための上下スイッチ128を含む。システム24は、リフトプラットフォームアセンブリ8の所望の移動上限および下限付近で作動する制限スイッチ130(図7および図14)を含んでいてもよい。システム24は、アセンブリ8を下降させる際には、流体をシリンダ112からポンプ120を通してタンク119に排出することを可能にするようにバルブ122を作動させるように構成されていてもよい。あるいは、モータ124、ポンプ120およびバルブ122が積極的に流体をシリンダ112からタンク118に戻るように圧送してもよい。
【0053】
図6図7および図8を参照して、移動式シザーリフト装置1の変形実施形態140が示されている。図示された装置140は、アセンブリ142の一対の側方部材146の各々に一対の分離された工具溝144を有する変形リフトプラットフォームアセンブリ142を含む。アセンブリ142は、側方部材146に形成されたねじ穴に取り外し可能にねじ込まれ得る複数のタイダウンリング148を含む。リング148は、アセンブリ142の昇降時および装置140の操縦時に、荷物10をアセンブリ142に固定することを可能にする。装置140は、リフトプラットフォームアセンブリ142を、梱包クレート(図示せず)内に配置されたときのように下降状態で固定する梱包アイボルト149を備えてもよい。アイボルト149は、装置1の脚部34の上端42および後部支持部44と同様に、上部デッキプレート150を貫通して、前後デッキ支持部材151の上端に通すことができる。また、アイボルト149は、このような梱包クレートから装置140を上昇させるのを容易にするために使用されてもよいし、装置140を使えるように取り外してもよい。
【0054】
図示された装置140は、構造を簡略化した変形タング構造152を含む。タング構造152は、前側ベースフレーム部材156から、ジャッキユニット48と実質的に類似し得るジャッキユニット158まで斜めに延びる一対のタング部材154を含む。他の点では、変形装置140は装置1と実質的に類似している。図8は、異なるサイズの複数のスペーサブロック160を有するアセンブリ8を示す。ブロック160は、例えば、荷物10の昇降中に、不規則な形状を有する荷物10をデッキプレート150上に所望の向きで支持するために使用することができる。
【0055】
図6および図7に示された移動式シザーリフト装置140の実施形態は、シザーリフト装置140の移動および操舵を容易にするように適合された変形ハンドル254も含む。ハンドル254は、ステム256およびグリップ258を含む。ハンドル254の下端は、そこに含まれるポンプを動作させるためにジャッキユニット48に枢動可能に連結される。ハンドル254の上側セグメントまたは上側部分258は下側セグメントまた下側部分260に対して鋭角(ここに示す実施形態では18度)に曲げられており、ハンドル254の下側部分260が垂直に延びるとき、上側部分258が上部デッキプレート150およびベースフレーム16から離れるように角度がついている。ハンドル254の下側部分260に対するハンドル254の上側部分258の角度は15度から20度の間であってよく、使用者によるリフト装置140の改良された操舵および操縦性を提供することが予見される。グリップ258は左右湾曲グリップセグメント263および264から形成されており、各グリップセグメント263および264はハンドル254の上端から外向きに延び、下方および内向きに湾曲して、その上端の下方で間隔をあけた関係でハンドル254の上側部分258に接触する。
【0056】
図9は、複数の斜め向き荷物支持アームアセンブリ162を含む変形リフトプラットフォームアセンブリ164を示す。各アセンブリ162は、外向きに延びるアーム166を含み、各アームはアーム166の端部から直立する接触パッドポスト170上に荷物接触パッド168を有する。アーム166は、その長さを調節するための伸縮自在部であってもよい。さらに、ポスト170は、その上の接触パッド168の垂直位置を調節するために、長さが調節可能であってもよい。アームアセンブリ162は、プラットフォームアセンブリ164よりも長いまたは幅広の荷物10を支持するように設けられてもよい。アーム166およびポスト170の各長さは、不規則な形状を有する荷物10を所望の向きで支持できるように調整されてもよい。
【0057】
図10図13は、リフトプラットフォームアセンブリ180の一実施形態を示し、リフトプラットフォームアセンブリ180は、リフトプラットフォームアセンブリ142および164と類似しているがリフトデッキ184にチルトテーブル182を追加できるように変形されており、これは、前後方向または左右方向またはそれを組み合わせた方向に制限された角度範囲で傾けることができる。チルトテーブル182のチルト能力により、荷物10を受け取る際に荷物10の一部を落とすことなく、あるいは荷降ろし時に部品の一部を手動で持ち上げることなく、不規則な下部形状を有する荷物10にテーブルが係合することが可能になる。また、チルトテーブル182のチルト能力により、ユーザは荷物10の向きを変えて、荷物および車両フレーム上のボルトやボルト穴などの締結手段の位置合わせをすることができる。図示されたプラットフォームアセンブリ180は、アセンブリ180の長手方向または前後軸190(図11)に対してチルトフレーム186を横方向に傾けるために、リフトデッキ184の前後端部188に枢動可能に取り付けられたチルトフレーム186を含む。チルトテーブル182は、チルトフレーム186に枢動可能に取り付けられており、これにより、横方向軸192を中心としてチルトテーブル182を前後に傾けることができる。
【0058】
より詳細には、図示されたチルトフレーム186は十字形であり、その両側から横方向に延びる一対のチルトフレームアーム196を有する細長い長手方向チルトフレーム部材194によって形成される。長手部材194の外側端部に取り付けられた端部ブラケット197は、リフトデッキ184の前後端部188に固定された前後チルトフレーム端部ブラケット198に枢動可能に連結されており、これにより、リフトデッキ184に対して長手方向軸190を中心にチルトフレーム186を傾けることができる。アーム196の外側端部は上方に延びるブラケット200を有し、このブラケット200にチルトテーブル182の側方部材202上の下方に延びるブラケット201が枢動可能に連結され、これにより、チルトフレーム186に対して横方向軸192を中心にチルトテーブル182を傾けることができる。
【0059】
リフトデッキ184に対するチルトフレーム186の側方チルト角を固定するために、側方チルト調節アセンブリまたは側方チルトアセンブリ204が、リフトデッキ184の側方部材204とチルトフレーム186の側方ブラケット200の1つとの間に係合される。同様に、チルトフレーム186に対するチルトテーブル182の端部チルト角を固定するために、端部チルト調整アセンブリまたは端部チルトアセンブリ208が、リフトデッキ184の端部ブラケット198とチルトフレーム186の長手部材194の端部ブラケット197との間に係合される。側方チルトアセンブリ204および端部チルトアセンブリ208は、構造および動作において実質的に類似している。チルトアセンブリ204および208の各々は、相対的に静止したベースクレビス210および相対的に可動なチルトクレビス212を含む。側方チルトアセンブリ204は、リフトデッキ184の側方部材206に固定されたベースクレビス210と、チルトフレーム186のアーム196の側方ブラケット200に固定されたチルトクレビス212とを含む。ねじ付きロッド214は、クレビス210および212のチルトピン216を通って延びており、チルトクレビス212をベースクレビス210に向かってまたはベースクレビス210から離れるように動かすように回転させることができる。同様に、端部チルトアセンブリ208は、チルトフレーム186の端部ブラケット197に固定されたベースクレビス210と、チルトテーブル182の端部部材218(図10)に固定されたチルトクレビス212とを含む。ねじ付きロッド214がクレビス210および212のチルトピン216を通って延び、チルトクレビス212をベースクレビス210に向かってまたはベースクレビス210から離れるように動かすように回転させることができる。構成の異なるチルト機構を採用してリフトデッキ184に対してチルトテーブル182を調節可能に傾けることができることが予見される。
【0060】
図15から図19を参照して、機敏な移動式シザーリフト装置250の一実施形態が図示されている。装置250は、機能的には装置1に類似しているが、装置250は、電気自動車のバッテリユニット(図示せず)のような荷物10(図2)を自動車の保守のために上昇させることを容易にするために、装置および装置の構成部品の高度に精密な動きを提供する多くの改良を有している。
【0061】
図示された装置250は、細長い前端および後端部材258および左右の横方向または側方部材260によって形成された矩形のベースフレーム254を含み、これらの部材は、ベースコーナー接合部または交差部262を形成するように溶接によって接合されている。キャスターユニット265は、各コーナー接合部262でベースフレーム254に固定されている。キャスターユニット265は互いに協働して、車両整備施設のコンクリートフロアのような支持面267の上方でベースフレーム265を支持する。ステアリングハンドル270はベースフレーム254の前端部材258に連結され、フロア267の上方で装置250の移動方向を制御する。ステアリングハンドル270がベースフレーム254に枢動可能に連結されていてもよいことが予見される。
【0062】
装置250は、車両の保守のために、電気自動車のバッテリユニット等の荷物10(図2)を支持、上昇、下降させるモータ駆動リフト機構275を含む。一般に、リフト機構275は、荷物プラットフォームアセンブリ277、シザーリンク280およびリフトアクチュエータ282を含む。シザーリンク280は、荷物プラットフォームアセンブリ275をベースフレーム254に連結し、リフトアクチュエータ282は、シザーリンク280を伸縮させて、荷物プラットフォームアセンブリ275によって支持される荷物10を昇降するように機能する。
【0063】
シザーリンク280は、構造および動作において、シザー機構100(図1)と実質的に類似していてもよい。アクチュエータ282は、油圧アクチュエータまたはシリンダ112(図1)と同様であってもよく、図14に模式的に図示されたものと同様の油圧構成部品24によって制御されて、それにより、シザーリンケージ280を伸縮させて荷物プラットフォームアセンブリ275を昇降させてもよい。油圧制御部品24は、油圧筐体284(図15)内に収容されていてもよい。制御構成部品24は、制御ケーブル(図示せず)で接続され、上下スイッチ128(図14)を有する油圧制御ペンダントまたはユニット287を含んでいてもよい。図示された制御ペンダント287は、ステアリングハンドル270の凹部に保持するための磁石を含む。
【0064】
油圧アクチュエータ282のバルブは、シリンダが積極的に伸縮しない限りにおいて典型的に閉じている。したがって、荷物プラットフォームアセンブリ277およびその上の荷物10が上昇させられると、アクチュエータ282はプラットフォームアセンブリ277を所定位置に保持する。アクチュエータ282の故障などによる荷物プラットフォームアセンブリ277の望ましくない下降をより積極的に制限するために、図示のシザーリンク280は、アクチュエータ282と同じシザーリンク280の構成部品と係合するラッチ機構286(図15)を含む。ラッチ機構290は、爪-ラチェット機構(詳細省略)を含み、アクチュエータ282の伸長中に爪が間隔をあけた複数の停止部材を乗り越える。仮にアクチュエータ282が故障した場合、プラットフォームアセンブリ277は、2つの隣接するストップ部材間の距離の最大値だけ下降する。ラッチ機構290に妨げられることなくプラットフォームを下降させるためには、爪が次の停止部材に係合するまでプラットフォームアセンブリ277を上昇させる必要があり、これにより爪が後退する。その時点で、プラットフォームアセンブリ277は、爪による干渉なしに下降させることができる。これと同様の機能を有するラチェット式ラッチ装置が、その全文を本明細書中に援用する米国特許第10,745,259号に記載されている。
【0065】
図17を参照すると、図示された装置250は移動性のために旋回キャスターユニット265を備えている。一般に、旋回キャスターアセンブリ290は、通常垂直な旋回軸300が延びる旋回取付シャフト298に回転可能に取り付けられた旋回フォーク296の端部を横切って延びるキャスターアクスル294に取り付けられて回転するキャスターホイール292を含む。表面267とのキャスターホイール292の摩擦は、キャスターホイール292の回転軸を形成する旋回軸300と旋回アクスル294との間のズレに起因して、キャスターフォーク296をそれが配置される構造物の進行方向に従わせる傾向がある。しかしながら、構造物の運動方向が少しでも変化すると、キャスター290がフロアとの接触点を中心に枢動し、これにより、キャスターが設置している構造物の望ましくないぐらつきまたは「スロウ(throw)」を望ましくない方向に生じさせる可能性がある。この傾向を克服するべく、いわゆるスロウ防止キャスターユニットが開発されている。スロウ防止キャスターユニットは、トリプルキャスターユニットや(セット上の舞台背景を移動させるために使用されることから)シアターキャスターとも呼ばれている。典型的なスロウ防止キャスターユニットは、使用される構造物に回転可能に取り付けられたキャスタープレートに取り付けられた3つのキャスターホイールを含む。キャスタープレートの自由回転は、プレート上の個々のキャスターの自由枢動と組み合わされ、移動方向を変えようとする際に、キャスターユニットが取り付けられた構造物のぐらつき傾向を克服する。
【0066】
図示されたキャスターユニット265は、スロウ防止タイプのキャスターアセンブリであり、キャスターシャフト軸308に沿ってキャスタープレート303に垂直な関係で延びるキャスターユニットシャフト307に回転可能に係合する三角形のキャスタープレート303を含む。キャスタープレート303は、三角形のキャスタープレート303の角のような三角形パターンで取り付けられた3つの旋回キャスターアセンブリ290を有する。図示されたキャスターユニット265は、支持面267に起こり得る不規則性のために装置250を水平にすることを可能にするべく高さが調節可能である。図示されたキャスターユニットシャフト307は、ねじ切りされたジャッキねじであり、その中にギア装置(図示せず)を有するキャスター高さ調節ギアユニット310を通っており、このギアユニット310内のねじ切りされたナット(図示せず)を介してシャフト307を回転させるようにハンドホイールまたはクランク312を回転させることができ、それにより、キャスタープレート303をベースフレーム254に対して垂直に移動させることができる。ギアユニット310は、旋回キャスターアセンブリ290と共に、その角262の1つでベースフレーム254に固定されている。図示された装置250において、ハンドホイール312は、側方部材260の一方の起立フランジを貫通するシャフトを有する。図示された装置250において、前部キャスターユニット265の構成部品は、適当なブラケット上でベースフレーム254の前端部材258の前側に取り付けられている。あるいは、ベースフレーム254は、キャスターユニット265がベースフレーム254の内側に取り付けられるように構成されてもよいことが予見される。
【0067】
安定性と安全性のために、荷物10の昇降中に装置250の位置を固定することが望ましい。いつかのキャスターアセンブリには、その位置を固定するための個別のブレーキが設けられているが、装置250に設けられた12個のキャスターアセンブリ290を固定/解除することは現実的ではない。このため、図示された装置250には、各側方部材260から下方に延びる一対のフロアロックまたはブレーキユニット315が設けられている。図19を参照して、各フロアブレーキユニット315はシャフト上に設けられたブレーキパッド317を含み、これを下降させることで支持表面267に弾性摩擦接触させ、それにより、表面267に対する装置250の位置を固定することができる。図示されたブレーキユニット315は、側方部材260またはそれに取り付けられたブラケットに固定できる取り付けプレート319を含む。ユニット315は、ブレーキパッド317を表面267に接触させてラッチする固定ペダルまたはブレーキペダル321を有する。ブレーキユニット315は、ブレーキパッド317を解放して、退避させるように操作可能な解放ペダル323を有する。フロアブレーキユニット315は、その全文を本明細書中に援用する米国特許第4,655,466号に開示されているフロア係合「脚」と機能的に類似していてもよい。
【0068】
図18を参照して、図示された荷物プラットフォームアセンブリ277は、荷物テーブルまたはスリッププレート327が摺動可能に配置された平面状の荷物デッキ325を含む。構造的に、荷物デッキ325は、リフトプラットフォームアセンブリ78(図1)および142(図6)と実質的に類似している。荷物デッキ325は、縦方向に間隔をあけた端部フレーム部材またはプレート334に接合された横方向に間隔をあけた側方フレーム部材またはプレート332によって形成された矩形の荷物デッキフレーム330を含む。上部デッキプレート336は、荷物デッキフレーム部材332および334の上面に接合されている。図示された荷物デッキ325は、側方フレーム部材332に取り付けられた工具溝またはパン338を備えている。さらに、側方フレーム部材332および端部部材334は、その使用中に装置250を安定させるためのハンドル340を備えることができる。図示されたデッキプレート336の上面は、ポリマーまたはプラスチックプレート342によって覆われていてもよく、その上に、規則的に間隔をあけたボールベアリング342のアレイが設けられている。
【0069】
荷物テーブル327は、荷物デッキ325と同様に構成され、端部フレーム部材またはプレート350と接合された側部フレーム部材またはプレート348によって形成された荷物テーブルフレーム345を含む。フレーム345は、ポリマーまたはプラスチックプレート355で覆われた荷物テーブルプレート352によって閉じられている。プレート355はゴムまたは弾性バンパーまたはパッド357のアレイを有し、ゴムまたは弾性バンパーまたはパッド357はプレート355上で規則的に間隔をあけられている。側方部材348および端部部材350は、ハンドル360を備えていてもよい。
【0070】
荷物テーブル327の寸法は、荷物テーブルフレーム346の長さおよび幅が荷物デッキフレーム330の長さおよび幅よりも大きく、それにより、荷物テーブル327の一部が荷物デッキ325に重なるようになっている。荷物テーブル327は荷物デッキ325に接合する必要はなく、必要に応じて一時的に荷物デッキ325に載せてもよい。荷物テーブル327が荷物デッキ325上に配置されると、荷物テーブルプレート352がボールベアリング342上に載り、それにより、荷物テーブル327は荷物デッキ325に対して相対的に移動可能となる。荷物テーブル327の移動は、張り出した側方フレーム部材348および端部フレーム部材350と、側方フレーム部材346および端部フレーム部材348によって形成される荷物デッキ325の外周部362との接触によって制限される。荷物デッキ325のハンドル340は、荷物テーブル327のハンドル360を用いて荷物10を支承する荷物テーブル327を位置決めする際に、装置250を安定させるために用いることができる。
【0071】
荷物デッキ325に対する荷物テーブル327の移動性は、キャスターユニット265によって提供されるベースフレーム254の移動容易性と組み合わせて、装置250上に支持された荷物の正確な位置決めを提供する。可動荷物テーブル327を除いた荷物デッキ325は、荷物支持アセンブリ162(図9)と共に使用してもよいし、図10から図13に示すようなチルトテーブル182と共に使用してもよい。
【0072】
本明細書において本発明の特定の形態を説明および図示したが、説明および図示した特定の形態または部品の配置に本発明が限定されるものではないことは言うまでもない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-02-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動式リフト装置であって、
ースフレームと、
記ベースフレーム上に取り付けられ、荷物を上昇および下降させるように動作可能なリフト機構と、
記ベースフレームに連結され且つ前記ベースフレームの下方に延びる複数のキャスターユニットであって、互いに協働して前記ベースフレームを前記装置の支持面に対して動かせるようにする、複数のキャスターユニットと、
記ベースフレームに固定されたフロアブレーキ機構であって、前記フロアブレーキ機構はブレーキパッドを含み、前記ブレーキパッドを選択的に伸長させて前記ブレーキパッドのブレーキ位置において前記支持面と制動接触させて前記装置の位置を固定し、また、前記ブレーキパッドを解放位置まで退避させ、それにより、前記支持面上で前記装置を動かすことができるようにする、フロアブレーキ機構と、を備えた、移動式リフト装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
記複数のキャスターユニットの各々は、前記ベースフレームの角に配置され、前記ベースフレームに対して高さ調節可能であり、それにより、前記ベースフレームを凹凸のある支持面上で水平にすることを可能にする。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
キャスターユニットは、それぞれの旋回軸を中心に枢動可能な旋回キャスターを含む。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、
キャスターユニットは、それぞれの旋回軸を中心に移動するために前記キャスターユニット上に枢動可能に取り付けられた旋回キャスターを有するキャスタープレートを含む。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、各キャスターユニットは、
質的に垂直なプレート軸を中心に枢動できるように前記ベースフレームと枢動可能に係合したキャスタープレートと、
互に間隔をあけた関係で、それぞれの実質的に垂直な旋回軸を中心とした枢動を可能にするように前記キャスタープレートと枢動可能に係合した複数の旋回キャスターと、を含む。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、各キャスターユニットは、
質的に垂直なキャスターユニットシャフトであって、前記シャフトの垂直位置を前記ベースフレームに対して選択的に調節できるように前記ベースフレームと係合する、キャスターユニットシャフトと、
角形のキャスタープレートであって、前記キャスターユニットシャフトと枢動可能に係合しており、それにより、前記キャスターユニットシャフトを通って延びる実質的に垂直なプレート軸を中心に枢動できるようにする、キャスタープレートと、
つの旋回キャスターであって、間隔をあけた三角形の関係で前記キャスタープレートと枢動可能に係合しており、それにより、それぞれの実質的に垂直な旋回軸を中心に枢動できるようにする、旋回キャスターと、を含む。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
れぞれのブレーキ機構が、横方向に互いに位置合わせされた関係で前記ベースフレームの両側において前記ベースフレームに固定される。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、前記リフト機構は、
記装置によって上昇させられる荷物を支持するように適合された実質的に平面状の荷物デッキと、
記荷物デッキを前記ベースフレームに連結するシザーリンクであって、前記シザーリンクの伸長または収縮によって前記荷物プレートを上昇または下降させることを可能にするシザーリンクと、
記シザーリンクの選択的な伸長および収縮を可能にするように前記シザーリンクに係合するアクチュエータと、を含む。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、前記リフト機構は、
記装置によって上昇させられる荷物を支持するように適合された実質的に平面状の荷物デッキと、
物デッキ上に支持された実質的に平面状の荷物テーブルであって、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの制限された移動を可能にし、それにより、前記荷物テーブル上に配置された荷物の位置を調整する、荷物テーブルと、
記荷物デッキを前記ベースフレームに連結するシザーリンクであって、前記シザーリンクの伸長または収縮によって前記荷物プレートを上昇または下降させることを可能にするシザーリンクと、
記シザーリンクの選択的な伸長および収縮を可能にするように前記シザーリンクに係合するアクチュエータと、を含む。
【請求項10】
請求項に記載の装置であって、
記荷物デッキおよび前記荷物テーブルの間に係合し、それにより、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を容易にするベアリングのアレイを含む。
【請求項11】
請求項に記載の装置であって、
記荷物テーブルは、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を制限するように前記荷物デッキに係合する制限部材を有する。
【請求項12】
移動式リフト装置であって、
1および第2の横方向フレーム側部有するベースフレームと、
記ベースフレームに取り付けられ、荷物を上昇および下降させるように動作可能なリフト機構と、
複数のキャスターユニットであって、前記複数のキャスターユニットのそれぞれは、前記ベースフレームの各コーナーに近接して配置され、前記複数のキャスターユニットは互いに協働して、それにより、前記ベースフレームを前記装置の支持面に対して動かすことができるようにする複数のキャスターユニットと、
前記複数のキャスターユニットのそれぞれは、
記ベースフレームと枢動可能に係合し、それにより、実質的に垂直なプレート軸を中心とした枢動を可能にするキャスタープレートと、
れぞれの実質的に垂直な旋回軸を中心に枢動できるように、相互に間隔をあけた関係で前記キャスタープレートと枢動可能に係合した複数の旋回キャスターと、を含み、
記ベースフレームの前記第1および第2の横方向フレーム側部のそれぞれに固定されたそれぞれのフロアブレーキ機構であって、各フロアブレーキ機構はブレーキパッドを含み、前記ブレーキパッドを選択的に伸長させてラッチして前記ブレーキパッドのブレーキ位置において前記支持面と制動接触させて前記装置の位置を固定し、また、前記ブレーキパッドを解放位置まで解放および退避させ、それにより、前記支持面上で前記装置を動かすことができるようにする、フロアブレーキ機構と、を備えた、移動式リフト装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、
キャスターユニットは、前記ベースフレームに対して高さ調節可能であり、それにより、前記ベースフレームを凹凸のある支持面上で水平にすることを可能にする。
【請求項14】
請求項12に記載の装置であって、各キャスターユニットは、
質的に垂直なキャスターユニットシャフトであって、前記シャフトの垂直位置を前記ベースフレームに対して選択的に調節できるように前記ベースフレームと係合する、キャスターユニットシャフトと、
角形であり且つ前記キャスターユニットシャフトと枢動可能に係合しており、それにより、前記キャスターユニットシャフトを通って延びる実質的に垂直なプレート軸を中心に枢動できるようにする、前記キャスタープレートと、
つの旋回キャスターであって、間隔をあけた三角形の関係で前記キャスタープレートと枢動可能に係合しており、それにより、それぞれの実質的に垂直な旋回軸を中心に枢動できるようにする、旋回キャスターと、を含む。
【請求項15】
請求項12に記載の装置であって、前記リフト機構は、
記装置によって上昇させられる荷物を支持するように適合された実質的に平面状の荷物デッキと、
物デッキ上に支持された実質的に平面状の荷物テーブルであって、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの制限された移動を可能にし、それにより、前記荷物テーブル上に配置された荷物の位置を調整する、荷物テーブルと、
記荷物デッキを前記ベースフレームに連結するシザーリンクであって、前記シザーリンクの伸長または収縮によって前記荷物プレートを上昇または下降させることを可能にするシザーリンクと、
記シザーリンクの選択的な伸長および収縮を可能にするように前記シザーリンクに係合するアクチュエータと、を含む。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、
隔をあけた関係で前記荷物デッキ上に配置されるベアリングのアレイであって、前記荷物テーブルと係合し、それにより、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を容易にする、ベアリングのアレイを含み、
記荷物テーブルは、前記荷物デッキの外周部に係合して、それにより、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を制限する懸架制限部材を含む。
【請求項17】
移動式リフト装置であって、
ベースフレームと、
前記ベースフレームに連結されて前記ベースフレームの下方に位置する複数のローラであって、前記ベースフレームを支持面上に支持し且つ前記支持面に対して前記移動式リフト装置を転動することを可能にするように適合された複数のローラと、
荷物デッキであって、前記ベースフレームに対して前記荷物デッキを上昇および下降させるリフト機構によって前記ベースフレームに連結された荷物デッキと、
前記荷物デッキ上に取り付けられたベアリングのアレイ上に支持された荷物テーブルであって、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を容易にし、それにより、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブル上に配置された荷物の位置を調節する荷物テーブルと、を備えた、移動式リフト装置。
【請求項18】
前記荷物デッキに係合して前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を制限する、前記荷物テーブル上の制限部材、をさらに備えている、請求項17に記載の移動式リフト装置。
【請求項19】
前記リフト機構は、
前記荷物デッキを前記ベースフレームに連結するシザーリンクであって、前記シザーリンクの伸長または収縮によって前記荷物デッキを上昇または下降させることを可能にするシザーリンクと、
前記シザーリンクの選択的な伸長および収縮を可能にするように前記シザーリンクに係合するアクチュエータと、を備えている、請求項17に記載の移動式リフト装置。
【請求項20】
前記複数のローラは少なくとも1つのキャスターユニットを備えている、請求項17に記載の移動式リフト装置。
【請求項21】
前記複数のローラは少なくとも1つのホイールを備えている、請求項17に記載の移動式リフト装置。
【請求項22】
前記ベースフレームに固定されたフロアブレーキ機構であって、前記フロアブレーキ機構はブレーキパッドを含み、前記ブレーキパッドを選択的に伸長させて前記ブレーキパッドのブレーキ位置において前記支持面と制動接触させて前記装置の位置を固定し、また、前記ブレーキパッドを解放位置まで退避させ、それにより、前記支持面上で前記装置を動かすことができるようにする、フロアブレーキ機構をさらに備えている、請求項17に記載の移動式リフト装置。
【請求項23】
それぞれのフロアブレーキ機構が、横方向に互いに位置合わせされた関係で前記ベースフレームの両側において前記ベースフレームに固定される、請求項22に記載の移動式リフト装置。
【請求項24】
ローリングテーブルであって、
ベースフレームと、
前記ベースフレームに連結されて前記ベースフレームの下方に位置する複数のローラであって、前記ベースフレームを支持面上に支持し且つ前記支持面に対して前記ローリングテーブルを転動することを可能にするように適合され、前記ベースフレームに対してそれぞれ高さ調節可能である、複数のローラと、
前記ベースフレームに連結され、前記ベースフレームの上方に支持される荷物デッキと、
前記荷物デッキ上に取り付けられたベアリングのアレイ上に支持された荷物テーブルであって、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を容易にし、それにより、前記荷物デッキに対する前記荷物テーブル上に配置された荷物の位置を調節する荷物テーブルと、を備えた、ローリングテーブル。
【請求項25】
前記荷物デッキに係合して前記荷物デッキに対する前記荷物テーブルの移動を制限する、前記荷物テーブル上の制限部材をさらに備えている、請求項24に記載のローリングテーブル。
【請求項26】
前記荷物デッキを前記ベースフレームに連結するリフト機構であって、前記ベースフレームに対して前記荷物デッキを上昇または下降させることを可能にするリフト機構をさらに備えている、請求項24に記載のローリングテーブル。
【請求項27】
前記リフト機構は、
前記荷物デッキを前記ベースフレームに連結するシザーリンクであって、前記シザーリンクの伸長または収縮によって前記荷物デッキを上昇または下降させることを可能にするシザーリンクと、
前記シザーリンクの選択的な伸長および収縮を可能にするように前記シザーリンクに係合するアクチュエータと、を備えている、請求項26に記載のローリングテーブル。
【請求項28】
前記複数のローラは少なくとも1つのキャスターユニットを備えている、請求項24に記載のローリングテーブル。
【請求項29】
前記複数のローラは少なくとも1つのホイールを備えている、請求項24に記載のローリングテーブル。
【請求項30】
前記ベースフレームに固定されたフロアブレーキ機構であって、前記フロアブレーキ機構はブレーキパッドを含み、前記ブレーキパッドを選択的に伸長させて前記ブレーキパッドのブレーキ位置において前記支持面と制動接触させて前記ローリングテーブルの位置を固定し、また、前記ブレーキパッドを解放位置まで退避させ、それにより、前記支持面上で前記ローリングテーブルを動かすことができるようにする、フロアブレーキ機構をさらに備えている、請求項24に記載のローリングテーブル。
【請求項31】
それぞれのフロアブレーキ機構が、横方向に互いに位置合わせされた関係で前記ベースフレームの両側において前記ベースフレームに固定される、請求項30に記載のローリングテーブル。
【請求項32】
前記複数のローラは複数のキャスターユニットを備え、前記複数のキャスターユニットのそれぞれは、
前記ベースフレームと枢動可能に係合し、それにより、実質的に垂直なプレート軸を中心とした枢動を可能にするキャスタープレートと、
それぞれの実質的に垂直な旋回軸を中心に枢動できるように、相互に間隔をあけた関係で前記キャスタープレートと枢動可能に係合した複数の旋回キャスターと、を含む、請求項24に記載のローリングテーブル。
【請求項33】
前記複数のキャスターユニットのそれぞれは、
実質的に垂直なキャスターユニットシャフトであって、前記シャフトの垂直位置を前記ベースフレームに対して選択的に調節できるように前記ベースフレームと係合する、キャスターユニットシャフトと、
三角形であり且つ前記キャスターユニットシャフトと枢動可能に係合した前記キャスタープレートであって、前記キャスターユニットシャフトを通って延びる実質的に垂直なプレート軸を中心に枢動できる、前記キャスタープレートと、
3つの旋回キャスターであって、間隔をあけた三角形の関係で前記キャスタープレートと枢動可能に係合しており、それにより、それぞれの実質的に垂直な旋回軸を中心に枢動できるようにする、旋回キャスターと、を含む、請求項32に記載のローリングテーブル。
【国際調査報告】