(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】車両のための電気的な給電ケーブルのコネクタ
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240702BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20240702BHJP
B60L 53/18 20190101ALI20240702BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
H02J7/00 S
H02J7/00 U
B60L53/16
B60L53/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579413
(86)(22)【出願日】2022-06-13
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 EP2022065946
(87)【国際公開番号】W WO2022268547
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】102021206603.8
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アルント クリスティアン デュール
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
5G503FA14
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125EE41
5H125FF12
5H125FF13
(57)【要約】
本発明は、車両との電気的接続のために構成された給電ケーブル(10)の二次コネクタ(15)であって、エネルギ給電装置(16)との分離可能な電気的接続のための差し込みコネクタ(1)と、特に、給電ケーブル(10)の連結器(6)との分離可能な電気的接続のためのケーブル端子(2)と、給電ケーブル(10)を通って流れる電流を最大値(100)に制限するように構成された制限ユニット(3)と、最大値(100)を設定し得る設定装置(7)と、を有する二次コネクタ(15)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両との電気的接続のために構成された給電ケーブル(10)の二次コネクタ(15)であって、前記二次コネクタ(15)は、
・エネルギ給電装置(16)との分離可能な電気的接続のための差し込みコネクタ(1)と、
・特に、前記給電ケーブル(10)の連結器(6)との分離可能な電気的接続のためのケーブル端子(2)と、
・前記給電ケーブル(10)を通って流れる電流を最大値(100)に制限するように構成された制限ユニット(3)と、
・前記最大値(100)を設定し得る設定装置(7)と、
を有する、二次コネクタ(15)。
【請求項2】
前記設定装置(7)は、前記最大値(100)を設定するための回転ホイール又はスライダ又はタッチスクリーン又はキーボードを有する、
請求項1に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項3】
前記最大値(100)は、前記設定装置(7)を介して複数の所定の値から選択可能であり、又は、
前記最大値(100)は、前記設定装置(7)を介して所定の間隔から無段階に設定可能である、
請求項1又は2に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項4】
前記二次コネクタ(15)は、特にユーザによって種々異なる最大値(100)を保存するように構成されたメモリ(19)を有する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項5】
前記二次コネクタ(15)は、ユーザ端末を介して前記最大値(100)を設定するために、前記ユーザ端末と通信するための通信モジュール(8)を有し、
前記通信モジュール(8)は、特に前記ユーザ端末とのワイヤレス通信のために構成されている、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項6】
前記二次コネクタ(15)は、前記設定装置(7)を介した前記最大値(100)の設定可能性を解放するように構成された解放ユニット(20)を有し、
前記解放ユニット(20)は、特に、遮断スライダ及び/又は機械的若しくは電子的なロック及び/又は指紋センサを有する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項7】
前記二次コネクタ(15)は、リセット機能を有し、
前記リセット機能が作動させられると、最大限に可能な最大値(100)、特に技術的に最大限に可能な最大値(100)が設定され、
特に前記リセット機能は、ユーザによって作動可能であり、及び/又は、前記給電ケーブルが前記エネルギ給電装置から分離されると作動させられる、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項8】
前記制限ユニット(3)は、特に前記最大値(100)が充電電流として最大限に要求可能であることを前記車両(12)に通知するために、前記車両(12)に、及び/又は、前記給電ケーブル(10)若しくは前記エネルギ給電装置(3)の充電コントロールロジックに、前記最大値(100)を出力するように構成されている、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の給電ケーブル(10)。
【請求項9】
前記二次コネクタ(15)は、検出装置(4)を有し、
前記検出装置(4)は、前記エネルギ給電装置(16)から供給される電流を監視し、供給される電流の中断(400)を検出するように構成されている、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項10】
前記二次コネクタ(15)は、出力ユニット(17)を有し、
前記出力ユニット(17)は、
前記検出装置(4)が前記中断(400)を検出した場合に、信号、特に音響的及び/又は光学的な警告を出力するように構成されており、及び/又は、
前記制限ユニット(3)によって設定された前記最大値(100)が、最大限に可能な最大値(100)よりも小さいこと、特に技術的に最大限に可能な最大値(100)よりも小さいことを知らせる信号を出力するように構成されている、
請求項9に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項11】
前記検出装置(4)は、特に所定の安全マージン(300)を伴う、前記中断(400)が検出される前に供給された電流に基づいて、制限値(200)を、最大値(100)として前記制限ユニット(3)に転送するように、及び/又は、最大値(100)として設定するための提案として出力するように構成されている、
請求項9又は10に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項12】
車両(12)のエネルギ蓄積器(11)を、電気エネルギを供給するエネルギ給電装置(16)に電気的に接続するための給電ケーブル(10)であって、前記給電ケーブル(10)は、
・接続線路(13)と、
・前記車両(12)との、特に前記エネルギ蓄積器(11)との分離可能な電気的接続のための車両端子(14A)を備えた、前記接続線路(13)に電気的に結合された又は結合可能な一次コネクタ(14)と、
・前記エネルギ給電装置(16)との分離可能な電気的接続のために設けられた、前記接続線路(13)に電気的に結合された又は結合可能な二次コネクタ(15)と、
を有し、
・前記二次コネクタ(15)は、前記給電ケーブル(10)を通って流れる電流を最大値(100)に制限するように構成された制限ユニット(3)を有し、
・前記二次コネクタ(15)は、前記最大値(100)を設定し得る設定装置(7)を有する、
給電ケーブル(10)。
【請求項13】
前記接続線路(13)は、前記二次コネクタ(15)に分離可能に電気的に接続されるように構成された連結器(6)を有する、
請求項12に記載の給電ケーブル(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の、特に車両のエネルギ蓄積器の電気的接続のための給電ケーブルのコネクタに関し、特に、エネルギ給電装置との接続を形成することが可能である。この場合、コネクタは、給電ケーブルをエネルギ給電装置に電気的に結合するために使用される。このようなコネクタを、二次コネクタと称することができ、その一方で、一次コネクタは、給電ケーブルを車両に接続するコネクタである。一次コネクタ及び二次コネクタを、充電プラグと称することもできる。さらに、本発明は、このようなコネクタを有する給電ケーブルに関する。給電ケーブルは、例えば少なくとも0.5kWの電力、好ましくは少なくとも2kWの電力を伝送するように設計された充電ケーブルであってよい。
【背景技術】
【0002】
従来技術
電気車両又はハイブリッド車両(例えば、自動車、トラック、ボート、飛行機、二輪車等)を充電するために、従来技術から種々異なるアプローチが公知である。特に、以下のケース群を区別することができる。すなわち、第1の充電状況では、車両の充電を、専用の充電インフラストラクチャを介して実施することができ、この専用の充電インフラストラクチャとは、特に固定的に設置された充電ステーションである。例えば、このような充電ステーションは、充電スタンド又はウォールボックスとして実現されている。代替的な充電状況では、例えば通常の家庭においてエネルギ給電のために使用されるような連続電流用差し込み口が設けられている。例えば、この差し込み口は、220Vのシュコー(Schuko)式の差し込み口であり、又は、その他の地域的な規格若しくは慣習に即して構成された差し込み口であり、この場合、三相交流端子を設けることもできる。このケースにおいては、充電ケーブルの接続線路は、基本的に、組み込まれた制御装置を有し、この組み込まれた制御装置は、インケーブルコントロールボックス(In-Cable-Control-Box:ICCB)とも称され、2つのコネクタの間において接続線路の内部に配置されている。この組み込まれた制御装置は、車両との通信のために、並びに、充電電流の解放及び設定のために使用される。なぜなら、シュコー型の差し込み口は、基本的に、充電スタンド又はウォールボックスとは異なり、車両とエネルギ給電装置との間の通信を仲介することができる通信線路を有していないからである。
【0003】
電気車両又はハイブリッド車両を充電するために家庭用差し込み口が使用される場合には、充電電流は、通常、家庭用差し込み口を保護するための最大値を下回っている最大値に制限される。ドイツにおいては、例えば16Aである通常の保護手段の場合、基本的に、充電ケーブルに組み込まれた制御装置は、13Aという最大電流消費が可能となるように設定されている。
【0004】
後で公開された独国特許出願公開第102021203362号明細書から、二次コネクタ及び充電ケーブルが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102021203362号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の開示
本発明に係る二次コネクタは、給電ケーブルとエネルギ給電装置との間の接続を可能にする。付加的に、二次コネクタは、設定可能な、ひいてはフレキシブルな電流制限を可能にする。したがって、一方では、エネルギ給電装置を過負荷から保護することが可能となり、他方では、給電ケーブルのための電流制限機能は、この機能が所望されている場合にのみ、すなわち、二次コネクタも存在している場合にのみ実現されている。例えば、本発明に係る二次コネクタは、電流制限機能が設けられている家庭用差し込み口のために構成可能である。これに加えて、例えば給電ケーブルにおいて、例えば二次コネクタを付け替えることにより、この給電ケーブルに対応する(他の)充電インフラストラクチャに接続するためのさらなる二次コネクタ、例えば電流制限を設定することができないType2規格のコネクタを使用することができる。したがって、二次コネクタを交換した際に、給電ケーブルのための電流制限が間違って維持されることが阻止されている。本発明は、家庭用差し込み口のための二次コネクタに限定されているわけではなく、特に電流制限機能を有する、例えばType2規格のプラグのような他の二次コネクタも含むということに留意されたい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
二次コネクタは、特に車両、特に車両のエネルギ蓄積器を、電気エネルギを供給するエネルギ給電装置に電気的に接続するための給電ケーブルの一部として使用可能である。二次コネクタは、特に連続電流用差し込み口若しくは家庭用差し込み口又は一般的な連続三相交流用差し込み口との電気的接続のために使用される。車両とエネルギ給電装置とは、それぞれ異なるユニット又はコンポーネントである。二次コネクタは、エネルギ給電装置との分離可能な電気的接続のために設けられた差し込みコネクタを有する。例えば、差し込みコネクタは、シュコー型のプラグである。同様に、差し込みコネクタを、専用の又は対応する充電インフラストラクチャに、例えばウォールボックス又は充電スタンドに接続されるように構成してもよい。差し込みコネクタは、例えばType2規格のプラグであってよい。特に、二次コネクタは、給電ケーブルの連結器との分離可能な電気的接続のためのケーブル端子を有する。
【0008】
二次コネクタは、制限ユニットをさらに有する。制限ユニットは、二次コネクタ及び/又は給電ケーブルを通って流れる電流を最大値に制限するために使用される。制限ユニットは、制限を行うように構成又は設計されている。したがって、制限ユニットは、特にエネルギ給電装置への過負荷に対する保護として、二次コネクタ及び/又は給電ケーブルを通って流れる電流に対する最大値を指定するために設けられている。流れる電流を最大値に制限することは、例えば、流れる電流が最大値を超えて増加できないようにする制限ユニットの独自の回路によって能動的に実施可能である。代替的又は付加的に、流れる電流を最大値に制限することは、車両に、及び/又は、給電ケーブルの充電制御装置に、及び/又は、エネルギ給電装置の充電コントロールロジックに、最大値を転送することによって(間接的又は受動的に)実施可能であり、これにより、最大値を上回る電流が、車両によって要求されなくなり、又は、エネルギ給電装置から供給されなくなる。
【0009】
二次コネクタは、有利には設定装置を有する。設定装置を介して、特にユーザによって最大値を設定することができる。
【0010】
したがって、二次コネクタは、流れる電流の最大値を(フレキシブルに)設定すること、及び、流れる電流を最大値に制限することを可能にする。特に設定装置を二次コネクタ内に構成することにより、一方では、ユーザが、二次コネクタを接続する際に設定装置に目をやることによって思い出させられて、場合によって最大値を適合させることが達成されている。したがって、最大値を設定することは、ユーザにとっては、二次コネクタとエネルギ給電装置との電気的接続の過程に直接的に結び付いている。これにより、最大値を設定することが失念される危険性が低減されている。他方では、二次コネクタが使用される場合にのみ最大値への制限が実施されるということが保証されている。したがって、給電ケーブルに、例えば種々異なる二次コネクタを取り付けることができる。設定装置及び制限ユニットが二次コネクタに取り付けられている場合には、この二次コネクタが、前述したように給電ケーブルにおいて(このような設定及び制限ユニットが設けられていない)他の二次コネクタによって置き換えられると、これらの設定装置及び制限ユニットが存在しなくなる。これにより、例えば非常に低く選択された電流制限が、他の充電状況に対して間違って維持されるということが回避されている。
【0011】
最大値がフレキシブルに設定されることにより、有利には、例えばヒューズのトリガが回避され、又は、二次コネクタが接続されている電流分岐への過負荷が回避される。例えば、このことは、例えば車庫内の家庭用差し込み口において、又は、個別に保護された電流分岐において、複数の車両を同時に充電したい場合に当てはまる可能性がある。ここで、それぞれの給電ケーブルが、例えば13Aという最大値に固定的に設定されていて、かつ、電流分岐が、最大16Aまでに設計又は保護されている場合には、同時に充電すると、ヒューズのトリガが発生する可能性がある。このことは、ユーザにとっての充電快適性を損ねる。また、充電される車両は1台だけであるが、それと同時にこの充電過程に並行して、例えば16Aで保護されている電流分岐においてさらに他の電気的な負荷も少なくとも一時的に動作させられるという状況も想像できる。これは、例えば冷蔵庫のような家電装置、又は、例えば穿孔機のような工具、又は、例えば剪定機又は芝刈り機のような園芸用装置であってよい。これら全てのケースにおいて、充電ケーブルのユーザが、目前の現場の状況を把握しながら設定装置によって充電電流の最大値をフレキシブルに制限することができると有利である。このようなフレキシブルな設定可能性は、二次コネクタが、選択された場所に残されていて、かつ、他の場所では、給電ケーブルの接続線路が、フレキシブルに設定されたさらに別の最大値を有する他の二次コネクタに接続される場合には、特に有利である。このようにして、流れる電流の最大値を、場所的な状況(電流分岐の性能)及び/又は時間的に必要とされる状況(複数の負荷を並行して動作させること)に依存して、特にユーザフレンドリーに設定することができ、ヒューズのトリガによる充電過程の突然の中断、又は、電流分岐への過負荷を回避することができる。
【0012】
従属請求項は、本発明の有利な発展形態を示す。
【0013】
設定装置は、好ましくは最大値を入力するための回転ホイール又はスライダ又はタッチスクリーン又はキーボードを有する。ユーザは、このようにして最大値を自分自身で指定することができる。
【0014】
回転ホイール又はスライダとして構成することにより、有利には設定装置を、特に簡単かつ低コストに製造することが可能となる。回転ホイール又はスライダは、ユーザにとって触覚的に良好に、かつ、直感的に操作可能である。タッチスクリーンとして構成することにより、有利には種々異なる設定過程のための利用が可能となり、また、タッチスクリーンとして構成することは、特に簡単に耐水性に実現可能であり、このことは、湿気の多い環境での充電過程にとって特に有利である。キーボードとして構成することにより、有利には最大値を、特に直感的かつ正確に設定することが可能となる。
【0015】
さらなる実施形態においては、給電ケーブルは、ディスプレイを有し、このディスプレイ上に提案として制限値が表示され、これにより、設定装置を介して最大値を設定する際に、ユーザに支援が提供される。
【0016】
1つの発展形態においては、最大値は、有利には設定装置を介して複数の所定の値から選択可能である。所定の値は、特に、例えば2A、4A、6A、8A、10A及び13Aのような固定的に設定された電流値である。設定装置が、例えば前述したように回転ホイール又はスライダを有するように構成されている場合には、回転ホイール及び/又はスライダは、好ましくは対応する所定の値に対応する係止段階を有し得る。タッチスクリーンを使用する場合には、各段階に対応する個々のスイッチフィールドを表示することができ、キーボードを使用する場合には、例えば固定的な最大値に個々のキーを対応付けることができる。これにより、最大値の簡単かつ直感的な設定可能性が提供されている。代替的又は付加的に、最大値は、設定装置を介して所定の間隔から無段階に設定可能である。所定の間隔は、例えば1Aと13Aとの間の間隔である。この関連における無段階とは、特にデジタル信号処理において不可避である最小の段階付けが、最大0.2A又は最大0.1Aであることを意味する。
【0017】
二次コネクタは、有利にはメモリを有する。メモリは、特にユーザによって種々異なる最大値を保存するために使用される。メモリは、種々異なる最大値を保存するように構成可能である。したがって、例えば設定装置が、前述したような回転ホイール又はスライダを有していない場合に、特に制限ユニットのための最大値として簡単かつ直感的に設定することができる所定の値を保存しておくことができる。これにより、二次コネクタの迅速なコンフィギュレーションを達成するために、特に種々異なるエネルギ給電装置に関する比較的頻繁に使用される種々異なる最大値を保存しておくことができ、簡単かつ手間をかけずに呼び出すことができる。例えば上述したように、電流の有意な制限が第1の車庫では8Aであり、かつ、第2の車庫では12Aである場合には、これら2つの最大値をメモリに保存しておくことができ、充電過程の場所に応じて迅速かつ単純に呼び出すこと及び/又は設定することができる。
【0018】
二次コネクタは、好ましくは通信モジュールを有する。通信モジュールは、特にユーザ端末との通信のために使用される。これにより、ユーザ端末を介して最大値を調整又は設定することができる。通信モジュールは、例えばユーザ端末とのワイヤレス通信のために構成可能である。
【0019】
ユーザ端末は、例えばスマートフォンである。これにより、ユーザ端末のユーザは、有利には、特に簡単に、かつ、比較的遠く離れた距離からも、二次コネクタをコンフィギュレーションすること、又は、最大値を設定することが可能となる。付加的に、例えば二次コネクタを現在通って流れる電流、及び/又は、二次コネクタを通って流れる電気エネルギを内容とする信号をユーザ端末に送出するように、通信モジュールを構成することができる。これにより、特に充電過程に関する統計及び/又は計算機能を、簡単かつ手間をかけずに実現することができ、又は、ユーザのために若しくはエネルギの供給業者のために呼び出すことができる。
【0020】
二次コネクタは、好ましくは設定装置を介した最大値の設定可能性を解放するように構成された解放ユニットを有する。解放ユニットは、例えば、遮断スライダ及び/又は機械的若しくは電子的なロック及び/又は指紋センサを有し得る。解放ユニットにより、例えば最大値の意図しない又は所望しない不正操作又は調整が実施されることが回避されている。このことは、例えばスライダ又は回転ホイールの偶然の変位によって起こる可能性がある。機械的なロックにより、例えば設定装置の機械的な調整可能性を阻止することができる。電子的なロックによれば、たとえ設定装置への機械的なアクセスが依然として提供されていたとしても、特に最大値の設定又は変更を阻止することができる。機械的なロックは、例えば前述したような回転スライダ又は回転ホイールのロックであってよい。電子的なロックは、有利には新たに設定された最大値の受信を、この入力が解放されていない場合には阻止するソフトウェアソリューションである。指紋センサを使用することにより、最大値の調整又は設定を、指紋センサによって一義的に認証された、これに対して権限を有する人物がこの設定を実施したわけではない場合に、特に有利には阻止することが可能となる。これにより、有利には二次コネクタの使用の安全性が向上する。
【0021】
有利な発展形態においては、二次コネクタは、リセット機能を有し、リセット機能が作動させられると、最大限に可能な最大値が設定又は入力される。最大限に可能な最大値は、例えば技術的に最大限に可能な最大値、すなわち、技術的な制限によって指定された最大値であってよい。例えば、リセット機能を、ユーザによって作動可能にすることができ、及び/又は、給電ケーブルがエネルギ給電装置から分離されると、例えば機械的及び/又は電気/電子的な手段によって作動させることができ、特に自動的に作動させることができる。リセット機能により、最大限に可能な最大値、例えば技術的に最大限に可能な最大値を設定又は入力することが可能となる。前述したように、(例えば、技術的に)最大限に可能な最大値は、特に二次コネクタ及び/又は給電ケーブルの許容電流に相当する値であってよい。換言すれば、ユーザは、設定された比較的小さい最大値を、リセット機能を介してリセットすることができ、これにより、二次コネクタ及び/又は給電ケーブルを通る物理的に最大限に可能な電流を許可することができる。これにより、有利には非常に迅速な調整又は設定を実施することができ、これにより、ユーザフレンドリー性が向上する。
【0022】
制限ユニットは、有利には、車両に、及び/又は、給電ケーブル若しくはエネルギ給電装置の充電コントロールロジックに、最大値を出力又は送信するように構成されている。特に、制限ユニットは、出力又は送信又は転送された最大値が充電電流として最大限に要求可能であることを車両に通知するように構成されている。これにより、給電ケーブルを通って流れる電流を、制限ユニットによって簡単かつ確実に制限することができる。制限ユニットは、このために車両及び/又は充電コントロールロジックに最大値を通知するだけであり、これにより、車両及び充電コントロールロジックは、最大値を上回らないような充電過程を開始する。車両及び/又は充電コントロールロジックへの最大値の転送は、例えば車両と充電コントロールロジックとの間の通信のために設けられた通信線路を介して実施可能である。代替的又は付加的に、車両及び/又は充電コントロールロジックによって読み出すことができる可変の許容電流符号化部を、給電ケーブルが有するように、最大値の転送を実施することができる。この許容電流符号化部は、特に給電ケーブルを通って流れる充電電流を制限するために使用可能である。代替的又は付加的に、最大値をワイヤレスで伝送又は出力又は送信することもできる。
【0023】
このようにして、有利には制限ユニットを、特にコンパクトに構成することが可能となる。なぜなら、電気的若しくは電子的な(能動的な)電流制限、又は、このために構成される回路を、必ずしも設ける必要がなくなるからである。これにより、二次コネクタをより簡単に、より低コストに、かつ、より省スペース又はよりコンパクトに、かつ、重量に鑑みてより軽量に構築することができる。
【0024】
二次コネクタは、好ましくは検出装置を有し、検出装置は、エネルギ給電装置から供給される電流を監視するように構成されている。さらに、検出装置は、特に供給される電流の中断を検出するように構成されている。このような中断が、特に予期せず及び/又は急激に、すなわち、充電過程の終了時ではないときに識別された場合には、この中断は、基本的にエネルギ給電装置の保護手段のトリガに起因している。したがって、二次コネクタにより、事前に流れた電流が大き過ぎること、及び、エネルギ給電装置への過負荷が引き起こされたことを識別することができる。検出装置は、有利には供給される電流が、例えば1s未満の時間間隔内で90%を超えて減少した場合に、中断を検出するように構成されている。有利には、供給される電流が、100ms未満の時間間隔内で90%を超えて減少した場合に、検出装置によって中断が検出される。電流のこのような急激な低下によって、エネルギ給電装置の保護手段がトリガされていることを推定することができる。給電ケーブルを通って流れる電流は、特に充電過程が、例えば車両によって終了された場合にも低下する可能性がある。しかしながら、このケースにおいては、電流の対応する急激な低下は存在せず、したがって、前述した基準に基づいて中断の検出を確実に実施することができる。あるいは、車両又はICCB又はエネルギ給電装置の充電コントロールロジックから二次コネクタに、電流が降下又は中断していることを知らせる信号を伝送することができる。このケースにおいては、予期される電流と、監視時に特定された電流との比較によって、例えば、目標値と実際値との比較において顕著な差が存在するかどうかを判定することができる。比較においてこのような顕著な差が存在する場合には、このことを、例えばヒューズのトリガを示唆する予期しない中断として理解することができる。
【0025】
検出装置によって、有利には、過負荷が存在していたことを確かに識別することができ、このことを、後続の充電過程のために、又は、ユーザの情報のために利用することができる。
【0026】
検出装置は、有利には制限値を、最大値として設定するように、又は、最大値に関する入力としてユーザに提案するように構成されている。
【0027】
二次コネクタは、有利には出力ユニットを有する。出力ユニットは、特に検出装置が中断を検出した場合に、信号、特に音響的及び/又は光学的な警告を出力するように構成されている。
【0028】
これにより、ユーザは、有利には設定された最大値が大き過ぎた可能性があることを認識することができ、この最大値を低減させることによってこれに応答することができ、これにより、充電過程の繰り返しの中断及び/又は電流分岐への持続的な過負荷を阻止することができる。
【0029】
代替的又は付加的に、出力ユニットは、制限ユニットによって設定された最大値が、最大限に可能な最大値よりも小さいことを知らせる信号を出力するように構成されている。最大限に可能な最大値とは、特に、二次コネクタ及び/又は給電ケーブルを損傷することなく、又は、二次コネクタ及び/又は給電ケーブルのその他の指定値を損ねることなく、二次コネクタ及び/又は給電ケーブルを通って流れることができる技術的に制約された最大限に可能な電流である。
【0030】
これにより、ユーザは、有利には充電過程が、最良のケースにおいて最大限に可能な最大値を利用していればかかるであろう時間よりも長時間かかる可能性があるということを認識することができる。このようにして、有利にはユーザが、以前にある1つの場所においてほんの小さい最大値を用いて充電を行った後に、次の充電場所では格段により大きい電流の取り出しが可能であろうにもかかわらず、間違ってこの小さい最大値を維持するということを阻止することができる。
【0031】
特に、出力ユニットから出力される信号を、特にスマートフォンのようなユーザ端末に伝送することもでき、これにより、このユーザ端末上で、給電ケーブルのユーザに対応する警告及び/又は示唆が示される。
【0032】
さらに好ましくは、検出装置は、中断が検出される前に供給された電流に基づいて、制限値を、最大値として制限ユニットに転送又は送信するように、及び/又は、最大値として設定するための提案として出力するように構成されている。検出装置は、特に(新たな)最大値又は制限値に対して、付加的に安全マージンを考慮するように構成されている。安全マージンは、特に特定された制限値の(すなわち、中断前に流れていた電流の)少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%である(例えば、中断電流値として10Aが特定された場合には、新たな制限値は、安全マージンが5%である場合には9.5Aであり、安全マージンが10%である場合には9.0Aである)。代替的又は付加的に、上記の安全マージンは、有利には少なくとも0.5A、特に有利には少なくとも1.0A、例えば正確に0.5A又は正確に1Aである。好ましくは、検出装置は、中断前に検出された最後の電流値に依存して制限値を特定するように構成されている。代替的に、検出ユニットは、中断前の所定の時間窓内(例えば、中断前の最後の100ms以内)で検出された複数の電流値からの平均値に依存して、制限値を特定するように構成されている。さらなる代替策として、検出装置は、中断前に検出された複数の電流値に対してフィルタリングを適用することによって制限値を特定するように構成されている。代替的に、電流の時間導関数を形成し、この導関数が限界値を上回った場合に中断ケースであると仮定することによって、制限値を特定することもできる。その後、限界値の手前に位置する電流値のうちの1つ又は複数を、(新たな)最大値又は制限値を決定するために使用することができる。
【0033】
代替的又は付加的に、(a)電流に関する目標値を読み出す又は特定するステップ、(b)電流に関する実際値を読み出す又は特定するステップ、(c)目標値と実際値とを、例えば差を求めること等によって比較するステップ、(d)例えば目標値と実際値との差の値が閾値を上回った場合に、この比較に依存して中断が存在するかどうかを判定するステップによって、中断を特定することができる。
【0034】
これらの全ての代替策を、有利に組み合わせることもできる。制限値が、前述したように中断前に検出された最後の電流値に依存して特定される場合には、特に検出装置は、流れる電流が低下しているイベントとして中断を特定する。電流の上記の低下前に特定された、流れる電流の測定された値は、特に、有利には上記の安全マージンを伴う、制限値として仮定することができる値である。したがって、中断前に検出された最後の電流値は、特に電流の低下が特定された最初の時点の電流値である。検出装置が、例えば現在の電流値が事前に特定された電流値よりも著しく小さいことを確認した場合には、中断が存在しており、事前に特定された電流値は、中断前に検出された最後の電流値である。制限値を特定するために、中断前に検出された複数の電流値からの平均値が使用される場合、この平均値は、重み付けされた平均値であってもよいし、又は、重み付けされてない平均値であってもよい。特に、中断に時間的により近いところに位置する測定された電流値を、時間的に中断までより大きい距離を有する測定された電流値よりも、特により大きく重み付けすることができる。中断前の所定の時間窓は、特に最大2sの時間期間を有するように構成されている。代替的に、時間窓は、最大1sの持続時間を有する。同様に、有利には、時間窓は、最大500ms、特に200ms持続する。電流値の特定が50msのサンプリング時間で実施される場合には、特に平均値を特定するために少なくとも4つの電流値が考慮され、代替的に10個の測定値又は20個の測定値又は40個の測定値が考慮される。前述した安全マージンによって、エネルギ給電装置の保護手段のトリガ公差も考慮しながら、制限値が保護手段のトリガ閾値を下回るようにすることが可能となる。したがって、このようにして特定された制限値を使用すると、エネルギ給電装置の保護手段が改めてトリガされるリスクが最小限に抑制されている。なぜなら、給電ケーブルを通って流れる電流は、エネルギ給電装置の上記の保護手段のトリガを既に事前にもたらさなかった値を、下回ったままに留まるからである。したがって、検出装置によって特定された制限値は、中断前に供給された電流に基づいているので、中断をトリガする電流を下回ったままに留められた電流の値である。この制限値は、制限ユニットがこの制限値を最大値として受信するように、制限ユニットに直接的に転送されてよい。代替的又は付加的に、さらに上記の制限値を、例えばユーザ又はディスプレイ又はユーザ端末に出力又は送信又は伝送することができ、これにより、この制限値は、例えばユーザによって最大値として入力又は設定するための提案として使用される。したがって、このようにして設定された最大値により、エネルギ給電装置の保護手段がさらにトリガされる危険性を低減することができる。なぜなら、給電ケーブルを通って最大限に流れる電流は、保護手段のトリガが事前に生じなかった値に制限されているからである。他方では、このことにより、最大限に可能な電流を、給電ケーブルを通って流すことが可能となる。なぜなら、最大値は、制限値に基づいて特定されるので、最大値をユーザによって、場合によっては間違って、推定する必要がなくなるからである。これにより、ヒューズのトリガ後でも、有利には電流分岐の安全性を維持することができると同時に、充電持続時間を最小限に抑制することができる。
【0035】
さらに、本発明は、給電ケーブルに関する。車両のエネルギ蓄積器を、電気エネルギを供給するエネルギ給電装置に電気的に接続するための給電ケーブルは、接続線路又は給電線路と、接続線路に電気的に結合された又は結合可能な一次コネクタとを有する。一次コネクタは、車両との、特に車両のエネルギ蓄積器との分離可能な電気的接続のために構成された車両端子を有する。一次コネクタは、例えばType2規格のプラグ、又は、車両との接続のために設計されたその他の種類のプラグである。給電ケーブルは、エネルギ給電装置との分離可能な電気的接続のために設けられた、接続線路に電気的に結合された又は結合可能な二次コネクタをさらに有する。二次コネクタは、特に接続線路又は給電線路に分離可能に接続されているが、代替的に、接続線路又は給電線路に分離不能又は非破壊では分離不能となるように接続されていてもよい。二次コネクタは、好ましくは制限ユニットを有する。制限ユニットは、二次コネクタ及び/又は給電ケーブルを通って流れる電流を最大値に制限するために使用され、又は、そのために構成されている。したがって、制限ユニットは、特にエネルギ給電装置への過負荷に対する保護として、二次コネクタ及び/又は給電ケーブルを通って流れる電流に対する最大値を指定するために設けられている。流れる電流の最大値を指定することは、例えば、制限ユニットの独自の回路によって能動的に実施可能であり、又は、車両に、及び/又は、給電ケーブルの充電制御装置に、及び/又は、エネルギ給電装置の充電制御装置に、(間接的又は受動的に)最大値を転送することによって実施可能である。二次コネクタは、有利には設定装置をさらに有する。設定装置を介して、特にユーザによって、最大値を設定することができる。したがって、二次コネクタは、特に流れる電流の最大値を設定すること、及び、流れる電流を最大値に制限することを可能にする。特に設定装置を二次コネクタ内に構成することにより、一方では、ユーザが、二次コネクタを接続する際に設定装置に目をやることによって思い出させられて、場合によって最大値を適合させることが達成されている。したがって、最大値を設定することは、ユーザにとっては、二次コネクタとエネルギ給電装置との電気的接続の過程に直接的に結び付いている。これにより、最大値を設定することが失念される危険性が低減されている。他方では、この制限ユニットと設定ユニットとを有する二次コネクタが使用される場合にのみ最大値への制限が実施されるということが保証されている。したがって、給電ケーブルに、例えば種々異なる二次コネクタを取り付けることができる。設定装置及び制限ユニットが二次コネクタに取り付けられている場合には、この二次コネクタが、前述したように給電ケーブルにおいて他の二次コネクタによって置き換えられると、例えばこれらの設定装置及び制限ユニットが存在し得なくなる。これにより、(低い)電流制限が、他の充電状況に対して間違って維持されるということが回避されている。
【0036】
給電ケーブルの接続線路又は給電線路は、有利には連結器を有する。連結器は、二次コネクタに分離可能に電気的に接続されるように構成されている。これにより、給電ケーブルに、特に種々異なる二次コネクタを取り付けることができる。したがって、例えば前述した二次コネクタの他に、他の種類のエネルギ給電装置との電気的接続を可能にする二次コネクタも収容するように、給電ケーブルを構成することができる。
【0037】
好ましい実施形態においては、二次コネクタ及び/又は給電ケーブルはさらに、学習モードと通常モードとの間で切り替え可能である。制限ユニットは、学習モードでは、二次コネクタ及び/又は給電ケーブルを通って流れる電流を、所定の規則に従って、設定された最大値まで徐々に増加させるように構成されている。制限ユニットは、通常モードでは、二次コネクタ及び/又は給電ケーブルを通って流れる電流を最大値に制限するように構成されている。学習モードと通常モードとの間の違いは、特に制限ユニットが、学習モードでは、直接的に最大値までの電流を可能にするのではなく、電流の増加を遅延させるということである。このようにして、特に設定された最大値に到達する前に、電流の起こりうる中断を確実に識別することができる。したがって、中断が生じているかどうか、及び、どの電流値において中断が生じたのかをより良好に識別することができる。これにより、制限値をより正確に特定することができる。代替的又は付加的に、検出装置は、学習モードにおいて、エネルギ給電装置から供給される電流の監視を、通常モード中よりも頻回の監視率で実施するように構成されている。このことにより、電流の中断をより良好かつより正確に特定することがさらに可能となり、これにより、制限値をより正確に特定することができる。通常モードにおいて、例えば50ms毎に電流値が特定され、又は、センサから読み出される場合には、学習モードでは、例えば10ms毎若しくは1ms毎に測定値が特定され、又は、上記の電流センサから読み出される。したがって、学習モードによって、制限値を確かにかつ確実に特定することができる。学習モードにおいて、電流が最大値まで増加している間に電流の中断が生じた場合には、給電ケーブルをエネルギ給電装置において改めて使用する際に、さらなる中断の確率が最小限に抑制されている。なぜなら、制限ユニット及び検出装置により、制限値を特定するための最大限に可能な精度に対する周辺条件が達成されているからである。学習モード中に中断が生じなかった場合には、流れる電流は、最大限で最大値をとることができ、これにより、最大値までの電流の増加が遅延することを除いて、充電過程へのさらなる影響は生じない。学習モードは、特に給電ケーブルを未知のエネルギ給電装置において最初に使用する際に、このエネルギ給電装置の保護手段をテストするために有利である。特に有利には、学習モードにおいて中断が検出された場合には、学習モードを複数回連続して適用することができる。この場合、事前に特定された制限値を、学習モードの新たな実行のための最大値として使用することができる。例えば、第1の最大値が13Aであって、かつ、10Aにおいて中断が生じた場合には、次の学習過程のために最大値を10Aに、又は、10Aから安全マージンを差し引いた値に、例えば9A又は9.5Aに、設定することができる。これにより、エネルギ給電装置の保護手段のトリガ閾値を、正確かつ確実に特定することができる。
【0038】
所定の規則は、有利には電流を増加させるための所定のランプである。所定のランプは、所定の開始値を起点としており、この開始値は、例えば0A又は1A又は2Aであってよい。この所定の開始値を起点として、ランプは、所定の勾配、例えば1A/s又は0.5A/s又は0.1A/sによる電流の増加を可能にする。所定のランプは、特に多段階で構成可能であり、複数の異なる勾配、例えば第1の勾配を有する第1の領域と、第2の勾配を有する第2の領域とを含み得るものであり、第2の勾配は、電流のより平坦な増加を可能にする(例えば、第1の勾配:最大値の2A下又は4A下までは1A/s、第2の勾配:最大値までは0.1A/s)。したがって、給電ケーブルを通って流れる電流は、まず始めに第1の勾配で増加し、続いて、最大値に到達するまで第2の勾配で増加する。したがって、電流が中断される危険性は、電流強度が上昇するにつれて増加するので、上記の最大値の領域においてより良好な監視が可能となる。所定のランプを、特に最大値に依存して選択された所定の開始点から始まるように構成してもよい。したがって、例えば上記のランプは、最大値の80%下から最大値までの領域、又は、最大値の50%下から最大値までの領域を含み得る。いずれのケースでも、制限値の検出を困難にするおそれのある電流の増加が急激には生じる可能性がないことが、ランプによって達成されている。ランプを使用することによって制限値を、むしろ簡単かつ確実に、特に正確にも特定することができる。
【0039】
以下においては、本発明の実施例を、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】規定通りに使用した場合における、本発明の1つの実施例による給電ケーブルの概略図である。
【
図2】本発明の1つの実施例による給電ケーブルの二次コネクタの概略詳細図である。
【
図3a】本発明の1つの実施例による給電ケーブルの第1の動作モード中における電流の流れを示す図である。
【
図3b】本発明の1つの実施例による給電ケーブルの第2の動作モード中における電流の流れを示す図である。
【
図4a】本発明の1つの実施例による給電ケーブルの二次コネクタの第1の概略詳細図である。
【
図4b】本発明の1つの実施例による給電ケーブルの二次コネクタの第2の概略詳細図である。
【
図5】本発明の1つの実施例による給電ケーブルの二次コネクタのさらなる概略詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
発明の実施形態
図1は、エネルギ蓄積器11を備えた車両12と、エネルギ給電装置16とを概略的に示す。エネルギ給電装置16は、ここでは(単なる例として)家庭用差し込み口として、例えばシュコー型の差し込み口として構成されている。しかしながら、原則的に、エネルギ給電装置16は、ウォールボックス若しくは充電スタンドのType2規格の差し込み口であってもよいし、又は、三相交流端子であってもよいが、これらの種類のうちの1つに限定されているわけではない。さらに、
図1は、本発明の1つの実施例による給電ケーブル10の規定通りの使用を示す。
【0042】
給電ケーブル10は、接続線路13又は給電線路13を有し、この接続線路13又は給電線路13の一方の端部は、一次コネクタ14に電気的に結合されており、他方の端部は、二次コネクタ15に結合されている。接続線路13又は給電線路13と一次コネクタ14及び二次コネクタ15との間の電気的結合は、永続的に存在していてよく、
図1には、代替的な実施形態が示されている。ここでは、接続線路13と一次コネクタ14及び二次コネクタ15との結合が、それぞれ分離可能な接続を介して実施されている。接続線路13は、このために連結器6及び付加連結器5を有し、連結器6は、二次コネクタ15との電気的接続のために使用される。付加連結器5は、一次コネクタ14との電気的接続のために使用される。二次コネクタ15は、このためにケーブル端子2を有し、このケーブル端子2は、接続線路13の連結器6との電気的接続のために構成されている。一次コネクタ14は、付加ケーブル端子9を有し、この付加ケーブル端子9は、接続線路13の付加連結器5との電気的接続のために構成されている。原則的に、一次コネクタ14又は二次コネクタ15の一方のみを接続線路13に分離可能に結合して、それぞれ他方のコネクタを接続線路に固定的に結合又は接続してもよい。
【0043】
一次コネクタ14は、車両端子14Aをさらに有し、この車両端子14Aを介して車両12との、特にエネルギ蓄積器11との電気的接続を形成することができる。二次コネクタ15は、差し込みコネクタ1を有し、この差し込みコネクタ1は、エネルギ給電装置16との分離可能な電気的接続のために構成されている。これにより、給電ケーブル10を介して車両12、特にエネルギ蓄積器11と、エネルギ給電装置16とを互いに電気的に接続することができる。
【0044】
二次コネクタ15は、例えばエネルギ給電装置16への過負荷を識別及び/又は回避するために電流制限機能を許可し又は可能にする。
図2に示されているように、有利には、二次コネクタ15は、給電ケーブル10を通って流れる電流を制限するように構成された制限ユニット3を有する。付加的に、有利には検出装置4及び/又は設定装置7が設けられている。検出装置4は、有利にはエネルギ給電装置16から供給された電流を監視するように構成されている。さらに、検出装置4は、好ましくは供給される電流の中断を検出するように構成されている。検出装置4の詳細については、
図3a及び
図3bを参照しながらさらに下の方で説明する。
【0045】
設定装置7により、最大値100を設定することが可能となり、この最大値100が制限ユニット3によって考慮される。設定装置7の詳細については、特に
図4a及び
図4bに示されており、さらに下の方で説明する。
【0046】
したがって、制限ユニット3は、給電ケーブル10及び/又は二次コネクタ15を通って流れるべき最大電流に相当する最大値100を、検出装置4及び/又は設定装置7から受信することができる。制限ユニット3は、この指定値を、流れる電流に対して能動的に影響を与えることによって自分自身で実現してもよいし、又は、代替的に、受信した最大値100を、給電ケーブル10及び/又は車両12及び/又はエネルギ給電装置16の充電コントローラに転送してもよい。最大値100がこのように転送されることにより、充電コントローラは、充電過程中における最大電流の指定値を考慮することが可能となり、特に充電電流を、最大限でも上記の最大値100までになるように設定することが可能となる。これに対して、制限ユニット3が、流れる電流に対して自分自身で影響を与えるように構成されている場合には、制限ユニット3は、例えば給電ケーブル10の別個の制御ユニットによって制御又は調整される充電過程とは関係なしに、自立的に電流を制限する。
【0047】
充電コントローラへの最大値100の転送は、単なる例として、給電ケーブル10に設けられた、車両12と給電ケーブル10の制御ユニットとの間、及び/又は、エネルギ給電装置16の充電コントローラとの間の通信のために構成された通信線路を介して実施可能である。代替的に、この転送を、ワイヤレスで実施してもよい。代替的に、有利には、給電ケーブル10及び/又は二次コネクタ15は、給電ケーブル10及び/又は二次コネクタ15の許容電流を知らせる符号化部を有する。この符号化部は、例えば電気抵抗であってよい。車両12及び/又はエネルギ給電装置16が上記の符号化部を識別すると、一方では、給電ケーブル10が接続されているということが、車両12及び/又はエネルギ給電装置16に把握される。他方では、この給電ケーブル10に対して最大限に負荷を加えることができる許容電流が把握される。したがって、この符号化部を制限ユニット3によって適合させることにより、給電ケーブル10及び/又は二次コネクタ15を通って流れる電流を制限することができる。これにより、車両12に、及び/又は、エネルギ給電装置16に、及び/又は、給電ケーブル10の制御ユニットに、最大値が簡単かつ確実に転送される。
【0048】
既に前述したように、検出装置4により、エネルギ給電装置16から供給される電流の中断を特定することが可能となる。
図3aには、時間tにわたる電流Iの推移を示す線図に基づいて、このことが概略的に示されている。
図3aには、給電ケーブル10が学習モードにあることがさらに示されている。制限ユニット3は、学習モードでは、給電ケーブル10を通って流れる電流を、所定の規則に従って、設定された最大値100まで徐々に増加させる。この場合、所定の規則は、流れる電流を徐々に増加させるための所定のランプ500を含む。したがって、
図3aに示されている線図では、開始時点t1において、例えば車両12の充電過程が開始される。しかしながら、車両12によって要求された電流は、最大値100まで直接的に解放されるわけではなく、例えば1A/sである所定の勾配を有する所定のランプ500に従って解放される。
図3aとは異なり
図3bは、給電ケーブル10が通常モードにある場合における対応する線図を示し、この通常モードでは、このような徐々の増加が実施されない。むしろ、この場合には、開始時点t1において、流れる電流が最大値100まで直接的に解放される。
【0049】
エネルギ給電装置16から供給される電流の、特に予期しない中断400、又は、充電コントロールロジック及び/又は車両によって計画されていない中断400が生じた場合には、エネルギ給電装置16の保護手段がトリガされていること、又は、その他の不所望な状態若しくはエラーを仮定することができる。特に有利には、二次コネクタ15は、加速度センサ(図示せず)、及び/又は、回転速度センサ、及び/又は、(例えば、二次コネクタと、エネルギ給電装置16の相手側差し込みコネクタとが差し込まれ合っているかどうかを識別する)力センサ、及び/又は、他のセンサを付加的に有し得るものであり、こうしたセンサに基づいて、二次コネクタ15の移動、ひいてはエネルギ給電装置16からの二次コネクタ15の分離が生じていないこと、ひいては電流の予期できる中断が生じていないことを特定することができる。供給された電流が、単なる例として1s未満の時間間隔内で、特に100ms未満の時間間隔内で、例えば90%を超えて減少した場合にのみ、検出装置4によって中断400が識別される。このような短期間での電流の急激な低下は、エネルギ給電装置16の保護手段の上記のトリガ又はその他のエラーケースを示唆している。これに対して、充電終了時点t2に到達したことに基づいて電流の低下が生じた場合には、
図3a及び
図3bに示されているように、この低下は、中断400の場合に相当するような急激なものとはならない。たとえ、ここで相当に急激な中断が起きたとしても、この急激な中断は、例えば車両12の充電コントロールロジック及び/又は給電ケーブル10及び/又はエネルギ給電装置16の充電制御装置によって計画されたものである。したがって、目標電流推移と、特定又は検出された実際電流推移とを、例えば差を求めることによって比較することにより、こうした中断を、計画されていない中断と区別することができる。
【0050】
検出装置4により、中断400前に流れていた電流値に基づいた制限値200を特定することができる。したがって、検出装置4は、例えば中断400前に検出された最後の電流値に依存して制限値200を特定するように構成可能である。代替的又は付加的に、検出装置4により、中断400前の複数の電流値に依存して、例えば中断400前の所定の時間窓内で検出された複数の電流値からの平均値に依存して、制限値200を特定することができる。このような平均値は、例えば中断400に時間的により近いところの電流値の方が、中断400までより大きい時間間隔を有する電流値よりも大きい重みを受け取るように重み付けされてよい。検出装置4によって制限値200を特定するさらなる代替策は、中断400前に検出された複数の電流値に対してフィルタリングを適用することである。この場合、例えば電流推移の時間導関数又は時間微分商を特定することによって、中断400を特定又は決定することもできる。導関数(又はその絶対値)が限界値を上回った場合には、このことを、中断についての指標として評価することができる。付加的に、有利には安全マージン300が考慮され、この安全マージン300は、特に特定された制限値200の少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、又は、少なくとも0.5A若しくは1.0Aである。このようにして、例えばエネルギ給電装置16の保護手段のトリガ又はその他のエラーケースをもたらした電流レベルを下回っている制限値200が特定される。この制限値200を制限ユニット3が新たな最大値100として使用するために、この制限値200を、検出装置4から直接的に制限ユニット3に転送又は送信することができる。代替的に、この制限値200を、入力されるべき最大値100についての提案として出力又は送信してもよく、例えばユーザ又はディスプレイに出力してもよい。これにより、給電ケーブル10のユーザに、最大値100を指定するための支援が提供される。特に、ユーザは、最大値100を推定する必要がなくなるが、こうしたユーザによる推定は、場合によっては非常に小さ過ぎる推定値をもたらす。このケースにおいては、技術的に可能な電流よりも少ない電流しか許可されない可能性があり、これにより、車両12の充電過程が不必要に延長される可能性がある。
【0051】
図3aに基づいて、学習モード中における中断400の検出について説明した。学習モードでは、単なる例として、流れる電流のサンプリングを通常モード中よりも頻回に実施することができる。電流のサンプリングは、例えば、ここには図示されていない電流センサによって実施可能である。電流センサは、例えば二次コネクタ内に配置されていてよい。電流センサは、例えばホールセンサ等であってよい。通常モードにおいて、例えば50ms毎に電流値が特定又は検出される場合には、学習モードでは、例えば10ms毎又は1ms毎に電流値が特定される。したがって、より細かいサンプリングと、所定のランプ500とにより、実際にどの電流レベルにおいて中断400が生じたのかを、通常モード中よりも正確に特定することができる。それでもなお、検出装置4は、通常モードにおいても中断400を検出するように構成されている。したがって、ユーザには、いずれのケースでも特定された制限値200による支援が提供されており、この場合、学習モードでは、このことを、通常モード中よりも正確に実施可能である。通常モードでは、これに対してランプ500による電流増加の遅延が実施されず、このことは、車両12のより迅速な充電をもたらす。学習モードは、有利には未知のエネルギ給電装置16において初めて充電されるべき場合に使用可能である。エネルギ給電装置16の保護手段のトリガ特性へのアプローチを達成する目的で、学習モードを、更新された最大値100を用いて複数回にわたって順次に適用することもできる。
【0052】
図2に概略的に示されているように、二次コネクタ15は、例えば、特に有利には位置センサ18(例えば、絶対座標の場合には、例えば、MACアドレス等を識別するためのGPSセンサ又はWLAN信号モジュール若しくは移動体無線データセルを検出するための又は相対データ若しくは充電箇所固有データのためのセンサ、例えばRFIDセンサ等)を含み得る。
【0053】
位置センサ18は、(換言すれば)例えばGPSセンサとして構成可能である。しかしながら、位置センサ18は、例えばWLAN信号又はMACアドレス又は移動体無線ネットワークにおける無線セル割り当てに基づいて(絶対的な)位置特定を実施するセンサ又は装置であってもよい。ある1つの場所への(相対的な)対応付けを可能にする他のセンサも可能である。この場合、位置センサ18は、例えばRFIDリーダであってよく、このRFIDリーダは、差し込み口に設けられたRFIDチップを読み出し、これによってある1つの場所を少なくとも間接的に特定することができる。なぜなら、差し込み口は、基本的に移動式ではないからである。
【0054】
この位置センサ18は、ここでは単なる例として示されているように、検出装置4内に設けられていてよい。しかしながら、位置センサ18を、検出装置4とは別個に構成することもできる。位置センサ18は、給電ケーブル10及び/又は二次コネクタ15の目下の現在地を特定するために使用される。位置センサ18により、(特定又は設定された)制限値200と、この制限値200が特定又は設定された場所との間の紐付けを行うことができ、及び/又は、例えば二次コネクタ15のメモリ19に保存することができる。したがって、制限値200が特定又は設定された場所は、エネルギ給電装置16の現在地に対応する。したがって、エネルギ給電装置16を現在地によって特徴付けることができ、これにより、このエネルギ給電装置16を改めて使用する際に、この保存された現在地を識別することができる。例えば、二次コネクタ15は、(例えば、位置センサに加えてメモリ19も二次コネクタ15内に設けられていることにより)、保存されているある1つの制限値200の紐付け先の場所に到達した際に、その場所に紐付けられている制限値200を、最大値100として制限ユニット3に転送するように構成可能である。代替的又は付加的に、二次コネクタ15は、例えば紐付けられている制限値200を、最大値100として設定するための提案として出力するように構成可能である。例えば、直前に説明した紐付けが検出装置4内で実施又は実行されるように、検出装置4を設計又は構成してもよい。その場合、位置センサ18及びメモリ19を、例えば検出装置4内に配置すること又は設けることができ、位置センサ18とメモリ19とを、二次コネクタ15内のそれぞれ異なる場所に、又は、それぞれ異なる構成部材の表面上若しくは内部に設けることもできる。したがって、給電ケーブル10のユーザは、既に実施された制限値200の特定を利用することができる。したがって、エネルギ給電装置16を繰り返し使用する際におけるエネルギ給電装置16の保護手段がトリガされる危険性が、有利には最小限に抑制されている。
【0055】
図4a及び
図4bには、二次コネクタ15のための2つの想定される実施例が示されている。
【0056】
図4aにおいては、設定装置7が、回転式調節器として構成されている。この回転式調節器により、例えば最大値100の連続的な設定、すなわち、無段階の設定をもたらすことができる。代替的に、複数の異なる係止段階を設けることも考えられ、これにより、例えば係止段階によって互いに分離されて、固定的に定義された複数の最大値100のみを設定することが可能となる。例えば、最大値の段階として1A、2A、4A、6A、8A、10A及び13Aを固定的に指定することができる。
【0057】
図4bにおいては、設定装置7が、例としてスライド式調節器として構成されている。ここでも
図4aのように、固定的に定義された最大値100への段階的な設定と同様に、最大値100の連続的な設定も可能である。
【0058】
有利には、(
図4a及び
図4bに示されているように)二次コネクタ15は、設定装置7を介した最大値100の設定可能性を解放するように構成された解放ユニット20をさらに有する。解放ユニット20は、例えば、遮断スライダ及び/又は機械的若しくは電子的なロック及び/又は指紋センサであってよい。これにより、意図せずに最大値の調整が実施されることが回避されている。これにより、最大値100の設定前に、解放ユニット20を介して解放を実施することができ、このことは、遮断スライダが使用されている場合には、特に単純に、例えば意図しない接触による設定装置の意図しない変位に対する保護である。これに対して、機械的及び/又は電子的なロック及び/又は指紋センサが使用されている場合には、権限のない不正操作に対する保護も可能となる。解放ユニット20による解放を、特に光学的及び/又は音響的に表示することができる。同様に、有利には最大値100を設定するための解放中、制限ユニット3が、二次コネクタ15及び/又は給電ケーブル10を通る如何なる電流の流れも許可しないようにすることも可能である。
【0059】
解放ユニット20による解放は、機械的に実施可能であり、したがって、設定装置7は、解放されていない場合には機械的にロックされている。代替的又は付加的に、この解放を電子的に実施することも可能であり、したがって、例えば新たな最大値100の受信は、たとえ設定装置7が依然として操作可能であったとしても、この受信が解放ユニット20によって解放されている場合にのみ実施される。
【0060】
図5は、二次コネクタ15のさらなる実施形態を概略的に示す。二次コネクタ15は、設定装置7としてタッチスクリーンを有し、設定装置7としてキーボードも同様に使用可能である。
【0061】
有利には、種々異なる最大値100を保存するために使用されるメモリ19(
図2を参照)が設けられている。このことは、特に設定装置7が、前述したようなスライダ及び/又は回転ホイールを有していない場合に有利である。種々異なる最大値を保存することによって、例えば給電ケーブル10が、種々異なる電源容量又は保護手段を備えた同一のエネルギ給電装置16において繰り返し使用される場合に、ユーザは、自分自身の好きな値を簡単かつ手間をかけずに選択することができる。メモリ19に格納されている値を、特に設定装置7としてのタッチスクリーン又はキーボードを介して選択することができ、最大値100として設定することができる。
【0062】
図5に示されているように、二次コネクタ15は、有利には出力ユニット17を有し、
図4a及び
図4bに示されている実施形態でも、出力ユニット17を設けることができる。出力ユニット17は、(任意選択肢としてのみ設けられている)検出装置4が上記の中断400を検出した場合に信号を出力するために使用される。さらに、出力ユニット17は、有利には制限ユニット3によって設定された最大値100が、二次コネクタ15及び/又は給電ケーブル10の最大限に可能な許容電流よりも小さいことを知らせる信号を出力するために使用される。信号の出力は、例えば直接的に音響的及び/又は光学的に実施可能である。代替的に、二次コネクタ15にユーザ端末を結合することもでき、このユーザ端末を介して上記の信号をユーザに出力することができる。
【0063】
特に有利には、ユーザ端末とのワイヤレス通信及び/又はワイヤード通信のための通信モジュール8が設けられている。特に、ユーザ端末を介して最大電流100を設定することができる。通信モジュール8は、有利には前述したようにユーザ端末を介して信号を出力するためにも使用可能である。
【0064】
有利には、二次コネクタ15は、電流の流れを制限することによって充電時間が何倍又はどのくらいの期間だけ延長されるのかを、例えば出力ユニット17及び/又は通信モジュール8を介して示すように、及び/又は、タッチスクリーンの構成部材であり得る若しくは別個に構成され得るディスプレイ(
図5を参照)を介して示すように構成されている。特に、二次コネクタ15は、選択された制限において、特定のエネルギ量の充電、例えば10kWhの充電のためにどのくらいの時間がかかる見込みであるかを示すように構成されている(
図5を参照:ここでは例として5時間14分が示されている)。このようにして、ユーザは、利用可能な充電時間(例えば、夜の20時から朝の6時まで)に合わせて最大電流を所期のように適合させることができる。
【0065】
任意選択肢として想定されるリセットスイッチ又はリセット装置は、図面には示されていない。このリセットスイッチ又はリセット装置によって、例えば、さらなる設定過程を実施する必要なく、ただ1回の操作過程によって最大値100を(技術的に)最大限に可能な最大値100へと直接的にセットすることができる。この(技術的に)最大限に可能な最大値は、シュコー型の二次コネクタ15の場合には、例えば13Aであってよい。
【0066】
二次コネクタ15が、好ましくは接続線路13から分離可能又は分離可能な要素として、すなわち、アダプタの形態で構成されていることは自明である。それでもなお、二次コネクタを、接続線路13及び/又は給電ケーブル10に固定的に、すなわち、非破壊では分離不能となるように接続することが可能である。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両
(12)との電気的接続のために構成された給電ケーブル(10)の二次コネクタ(15)であって、前記二次コネクタ(15)は、
・エネルギ給電装置(16)との分離可能な電気的接続のための差し込みコネクタ(1)と、
・特に、前記給電ケーブル(10)の連結器(6)との分離可能な電気的接続のためのケーブル端子(2)と、
・前記給電ケーブル(10)を通って流れる電流を最大値(100)に制限するように構成された制限ユニット(3)と、
・前記最大値(100)を設定し得る設定装置(7)と、
を有する、二次コネクタ(15)。
【請求項2】
前記設定装置(7)は、前記最大値(100)を設定するための回転ホイール又はスライダ又はタッチスクリーン又はキーボードを有する、
請求項1に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項3】
前記最大値(100)は、前記設定装置(7)を介して複数の所定の値から選択可能であり、又は、
前記最大値(100)は、前記設定装置(7)を介して所定の間隔から無段階に設定可能である、
請求項
1に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項4】
前記二次コネクタ(15)は、特にユーザによって種々異なる最大値(100)を保存するように構成されたメモリ(19)を有する、
請求項
1に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項5】
前記二次コネクタ(15)は、ユーザ端末を介して前記最大値(100)を設定するために、前記ユーザ端末と通信するための通信モジュール(8)を有し、
前記通信モジュール(8)は、特に前記ユーザ端末とのワイヤレス通信のために構成されている、
請求項
1に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項6】
前記二次コネクタ(15)は、前記設定装置(7)を介した前記最大値(100)の設定可能性を解放するように構成された解放ユニット(20)を有し、
前記解放ユニット(20)は、特に、遮断スライダ及び/又は機械的若しくは電子的なロック及び/又は指紋センサを有する、
請求項
1に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項7】
前記二次コネクタ(15)は、リセット機能を有し、
前記リセット機能が作動させられると、最大限に可能な最大値(100)、特に技術的に最大限に可能な最大値(100)が設定され、
特に前記リセット機能は、ユーザによって作動可能であり、及び/又は、前記給電ケーブルが前記エネルギ給電装置から分離されると作動させられる、
請求項
1に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項8】
前記制限ユニット(3)は、特に前記最大値(100)が充電電流として最大限に要求可能であることを前記車両(12)に通知するために、前記車両(12)に、及び/又は、前記給電ケーブル(10)若しくは前記エネルギ給電装置(
16)の充電コントロールロジックに、前記最大値(100)を出力するように構成されている、
請求項
1に記載の
二次コネクタ(15)。
【請求項9】
前記二次コネクタ(15)は、検出装置(4)を有し、
前記検出装置(4)は、前記エネルギ給電装置(16)から供給される電流を監視し、供給される電流の中断(400)を検出するように構成されている、
請求項
1に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項10】
前記二次コネクタ(15)は、出力ユニット(17)を有し、
前記出力ユニット(17)は、
前記検出装置(4)が前記中断(400)を検出した場合に、信号、特に音響的及び/又は光学的な警告を出力するように構成されており、及び/又は、
前記制限ユニット(3)によって設定された前記最大値(100)が、最大限に可能な最大値(100)よりも小さいこと、特に技術的に最大限に可能な最大値(100)よりも小さいことを知らせる信号を出力するように構成されている、
請求項9に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項11】
前記検出装置(4)は、特に所定の安全マージン(300)を伴う、前記中断(400)が検出される前に供給された電流に基づいて、制限値(200)を、最大値(100)として前記制限ユニット(3)に転送するように、及び/又は、最大値(100)として設定するための提案として出力するように構成されている、
請求項
9に記載の二次コネクタ(15)。
【請求項12】
車両(12)のエネルギ蓄積器(11)を、電気エネルギを供給するエネルギ給電装置(16)に電気的に接続するための給電ケーブル(10)であって、前記給電ケーブル(10)は、
・接続線路(13)と、
・前記車両(12)との、特に前記エネルギ蓄積器(11)との分離可能な電気的接続のための車両端子(14A)を備えた、前記接続線路(13)に電気的に結合された又は結合可能な一次コネクタ(14)と、
・前記エネルギ給電装置(16)との分離可能な電気的接続のために設けられた、前記接続線路(13)に電気的に結合された又は結合可能な二次コネクタ(15)と、
を有し、
・前記二次コネクタ(15)は、前記給電ケーブル(10)を通って流れる電流を最大値(100)に制限するように構成された制限ユニット(3)を有し、
・前記二次コネクタ(15)は、前記最大値(100)を設定し得る設定装置(7)を有する、
給電ケーブル(10)。
【請求項13】
前記接続線路(13)は、前記二次コネクタ(15)に分離可能に電気的に接続されるように構成された連結器(6)を有する、
請求項12に記載の給電ケーブル(10)。
【国際調査報告】