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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-09
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/619 20150101AFI20240702BHJP
【FI】
E05F15/619
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023580392
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 NZ2022050084
(87)【国際公開番号】W WO2023277707
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】777688
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505138978
【氏名又は名称】エイエスエスエイ・アブロイ・ニュージーランド・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ギャワリ,アユシュ・ディープ
(72)【発明者】
【氏名】ホーウッド,スチュワート
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA01
2E052CA06
2E052DA03
2E052DB03
2E052EA01
2E052EB02
2E052KA16
(57)【要約】
アクチュエータ組立体は、表面に組み付けるように構成される枢動ブラケットと、枢動ブラケットと枢動係合するように構成されるアクチュエータ基部と、アクチュエータ基部に連結するように構成されるアクチュエータ・カバーと、摩擦嵌合又はねじ接続を介してアクチュエータ基部を枢動ブラケットに連結させるように構成される端キャップとを備える。アクチュエータのためのサッシ・ブラケットであって、サッシ・ブラケットは、アクチュエータのチェーンに取り付けるように構成されるクリップと、窓サッシに取り付けるように構成される本体と、クリップを本体に解放可能に連結させるように構成されるピンとを備える。アクチュエータのためのチェーン・ガイドであって、チェーン・ガイドは、チェーンの細長凹部と嵌合するレールを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータ組立体であって、前記アクチュエータ組立体は、
表面に組み付けるように構成される枢動ブラケットと、
前記枢動ブラケットと枢動係合するように構成されるアクチュエータ基部と、
前記アクチュエータ基部に連結するように構成されるアクチュエータ・カバーと、
摩擦嵌合を介して前記アクチュエータ基部を前記枢動ブラケットに連結するように構成される端キャップと
を備える、アクチュエータ組立体。
【請求項2】
前記端キャップと前記アクチュエータ基部との間に高摩擦体を更に備える、請求項1に記載のアクチュエータ組立体。
【請求項3】
前記高摩擦体は高摩擦ワッシャである、請求項2に記載のアクチュエータ組立体。
【請求項4】
1つ又は複数の突起は、前記端キャップ及び前記アクチュエータ基部の一方に設けられ、前記端キャップ及び前記アクチュエータのもう一方の1つ又は複数の相補形凹部と係合する、請求項1から3のいずれか一項に記載のアクチュエータ組立体。
【請求項5】
1つ又は複数の突起は、前記端キャップ及び前記アクチュエータ・カバーの一方に設けられ、前記端キャップ及び前記アクチュエータ・カバーのもう一方の1つ又は複数の相補形凹部と係合する、請求項1から4のいずれか一項に記載のアクチュエータ組立体。
【請求項6】
前記1つ又は複数の突起は、前記1つ又は複数の相補形凹部と共に1つ又は複数のスナップ嵌合連結部を形成する、請求項4又は5に記載のアクチュエータ組立体。
【請求項7】
前記端キャップは、前記アクチュエータ基部と前記枢動ブラケットとの係合点を覆う、請求項1から6のいずれか一項に記載のアクチュエータ組立体。
【請求項8】
前記枢動ブラケットは、前記枢動ブラケットを前記表面に組み付けるように構成した側とは反対の筐体の側から見た際に視界から隠される、請求項1から7のいずれか一項に記載のアクチュエータ組立体。
【請求項9】
前記アクチュエータ基部は丸みのある外形を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のアクチュエータ組立体。
【請求項10】
前記枢動ブラケットは、前記組付けブラケットの長さ部に沿って離間する複数の固定点で前記表面に取り付けられるように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のアクチュエータ組立体。
【請求項11】
前記枢動ブラケットは、前記アクチュエータ基部の2つの両端で前記アクチュエータ基部と枢動係合するように構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載のアクチュエータ組立体。
【請求項12】
アクチュエータのためのサッシ・ブラケットであって、前記サッシ・ブラケットは、
アクチュエータのチェーンに取り付けるように構成されるクリップと、
窓サッシに取り付けるように構成される本体と、
前記クリップを前記本体に解放可能に連結するように構成されるピンと
を備える、サッシ・ブラケット。
【請求項13】
前記クリップは前記ピン回りに枢動するように構成される、請求項12に記載のサッシ・ブラケット。
【請求項14】
前記本体に最も近い前記クリップの端部は、前記ピンの長手方向軸に直交する平面に丸みがある、請求項13に記載のサッシ・ブラケット。
【請求項15】
前記ピンが前記クリップを前記本体に連結する連結位置に向かって前記ピンを付勢するように構成される付勢部材を更に備える、請求項12から14のいずれか一項に記載のサッシ・ブラケット。
【請求項16】
前記ピンは、解放位置に向かって移動できるように構成され、前記解放位置では、前記ピンは、前記付勢部材の付勢とは反対の力が前記ピンに加えられた際、前記クリップを前記本体に連結しない、請求項15に記載のサッシ・ブラケット。
【請求項17】
第2のピンと、それぞれが前記ピンの一方に連結される2つのタブとを更に備え、前記ピンは、互いから離れて付勢されてそれぞれの連結位置に入り、前記タブは、一緒に締め付けると、前記ピンを互いの方に移動させ、それぞれの解放位置に入れることができる、請求項16に記載のサッシ・ブラケット。
【請求項18】
前記付勢部材はばねである、請求項15から17のいずれか一項に記載のサッシ・ブラケット。
【請求項19】
前記ピンはねじを備える、請求項12から14のいずれか一項に記載のサッシ・ブラケット。
【請求項20】
前記本体は、ねじによって前記窓サッシに取り付けられるように構成され、少なくとも1つねじは、前記クリップと前記本体との連結点の各側に位置する、請求項12から19のいずれか一項に記載のサッシ・ブラケット。
【請求項21】
アクチュエータのためのチェーン・ガイドであって、前記チェーン・ガイドは、前記アクチュエータのチェーンの長さ部に沿って延びる細長凹部の側部の間に合うように寸法決定されたレールを備える、チェーン・ガイド。
【請求項22】
前記レールは、実質的にチェーン・ガイド平面内にあり、前記レールは、前記チェーンが前記チェーン・ガイド平面から外れて移動するのを制限するように構成される、請求項21に記載のチェーン・ガイド。
【請求項23】
前記チェーン・ガイドは、前記チェーンと前記アクチュエータの筐体との間の接触を防止するように構成される、請求項22に記載のチェーン・ガイド。
【請求項24】
前記レールは、前記チェーンが前記アクチュエータ内で折り畳まれている際に径方向外側である前記チェーンの側から前記細長凹部に進入するように構成される、請求項21から23のいずれか一項に記載のチェーン・ガイド。
【請求項25】
前記チェーンは成形される、請求項21から24のいずれか一項に記載のチェーン・ガイド。
【請求項26】
前記チェーンの近位端は、ギヤ・ボックスに取り付けられる、請求項21から25のいずれか一項に記載のチェーン・ガイド。
【請求項27】
前記チェーンと係合し、前記チェーンを案内するように構成される従属輪を備える、請求項21から26のいずれか一項に記載のチェーン・ガイド。
【請求項28】
前記従属輪はスプロケットを備える、請求項27に記載のチェーン・ガイド。
【請求項29】
アクチュエータ組立体であって、前記アクチュエータ組立体は、
表面に組み付けるように構成される枢動ブラケットと、
前記枢動ブラケットと枢動係合するように構成されるアクチュエータ基部であって、ねじ付き突起を有するアクチュエータ基部と、
前記アクチュエータ基部に連結するように構成されるアクチュエータ・カバーであって、ねじ付き突起を有するアクチュエータ・カバーと、
ねじ穴を有する締結器と
を備え、前記締結器は、前記アクチュエータ基部を前記枢動ブラケットに連結するため、前記突起上に螺入するように構成される、アクチュエータ組立体。
【請求項30】
アクチュエータであって、前記アクチュエータは、
請求項1から11のいずれか一項又は29に記載のアクチュエータ組立体と、
窓サッシに取り付けるように構成されるチェーンと、
前記チェーンを駆動移動するように構成されるモータと
を備える、アクチュエータ。
【請求項31】
電子制限器を更に備え、前記電子制限器は、前記モータに、前記チェーンの設定範囲を越えた前記チェーンの駆動移動を停止させるように構成される、請求項30に記載のアクチュエータ。
【請求項32】
前記設定範囲は調節可能である、請求項31のアクチュエータ。
【請求項33】
前記電子制限器は、前記範囲を設定するスイッチを備える、請求項32に記載のアクチュエータ。
【請求項34】
前記モータに関連付けられ、前記モータの回転量を示す信号を出力するように構成される符号器を更に備え、前記電子制限器は、前記符合器によって出力された前記信号と前記設定範囲との比較に基づき、前記チェーンの駆動移動を停止するように構成される、請求項30から33のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項35】
請求項21から28のいずれか一項に記載のチェーン・ガイドを更に備える、請求項30から34のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項36】
請求項12から20のいずれか一項に記載のサッシ・ブラケットを更に備える、請求項30から35のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ、アクチュエータ組立体、アクチュエータのためのサッシ・ブラケット、及びアクチュエータのためのチェーン・ガイドの1つ又は複数に関する。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータは、市場で入手可能であり、窓、ドア等のパネルの開閉のために使用されている。アクチュエータは、枠に組み付けられ、サッシを開閉するためにサッシに取り付けられたチェーンを引き伸ばし、引き込み得る。
【発明の概要】
【0003】
一例によれば、アクチュエータ組立体が提供され、アクチュエータ組立体は、表面に組み付けるように構成される枢動ブラケットと、枢動ブラケットと枢動係合するように構成されるアクチュエータ基部と、アクチュエータ基部に連結するように構成されるアクチュエータ・カバーと、摩擦嵌合を介してアクチュエータ基部を枢動ブラケットに連結するように構成される端キャップとを備える。
【0004】
第2の例によれば、アクチュエータのためのサッシ・ブラケットが提供され、サッシ・ブラケットは、アクチュエータのチェーンに取り付けるように構成されるクリップと、窓サッシに取り付けるように構成される本体と、クリップを本体に解放可能に連結させるように構成されるピンとを備える。
【0005】
第3の例によれば、アクチュエータのためのチェーン・ガイドが提供され、チェーン・ガイドは、アクチュエータのチェーンの長さ部に沿って延びる細長凹部の両側の間に合うように寸法決定されたレールを備える。
【0006】
第4の例によれば、アクチュエータ組立体が提供され、アクチュエータ組立体は、表面に組み付けるように構成される枢動ブラケットと、枢動ブラケットと枢動係合するように構成されるアクチュエータ基部であって、ねじ付き突起を有するアクチュエータ基部と、アクチュエータ基部に連結するように構成されるアクチュエータ・カバーであって、ねじ付き突起を有するアクチュエータ・カバーと、ねじ穴を有する締結器とを備え、締結器は、アクチュエータ基部を枢動ブラケットに連結するため、突起上に螺入するように構成される。
【0007】
第5の例によれば、アクチュエータが提供され、アクチュエータは、第1の例又は第4の例のアクチュエータ組立体と、窓サッシに取り付けるように構成されるチェーンと、チェーンを駆動移動するように構成されるモータとを備える。
【0008】
実施形態は、従属請求項2から11、13から20、22から28、又は31から36のいずれか一項により実施し得る。
【0009】
簡単な説明
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示し、上記の本発明の一般的な説明及び下記の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一例によるアクチュエータの等角図である。
図2図1のアクチュエータの上面図である。
図3図1のアクチュエータの側面図である。
図4図1のアクチュエータの分解図である。
図5A】一例によるサッシ・ブラケットの等角図である。
図5B図5Aのサッシ・ブラケットの別の等角図である。
図6A】別の例によるサッシ・ブラケットの等角図である。
図6B図6Aのサッシ・ブラケットの別の等角図である。
図7A】別の例によるサッシ・ブラケットの等角図である。
図7B図7Aのサッシ・ブラケットの別の等角図である。
図8A】別の例によるサッシ・ブラケットの等角図である。
図8B図8Aのサッシ・ブラケットの別の等角図である。
図9】一例によるチェーン駆動装置の部分分解図である。
図10】一例によるクラッチ組立体の分解図である。
図11】一例によるチェーンの一区分の上面図である。
図12図11のチェーンの一区分の側面図である。
図13図11のチェーンの一区分の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
アクチュエータの実施形態を動力式窓の状況で説明する。アクチュエータは、窓枠上に組み付けられ、サッシ・ブラケットによって窓サッシに接続される。しかし、他の実装形態では、アクチュエータは、他の建造要素を作動させるために使用し得る。例えば、アクチュエータは、ドアを開閉するためにドア枠上に組み付け得る。他の例では、アクチュエータは、天窓、雨戸又は空気ダンパーを作動するために使用し得る。組付け装置は、いくつかの適用例では逆転させてもよく、アクチュエータは、窓等の移動部材上に組み付けられ、サッシ・ブラケットによって枠等の固定部材に接続される。
【0012】
便宜上、アクチュエータは、図1に示す向きも参照して説明し、図2は上面図である。標示「上」、「側面」等は、外部の基準座標系ではなく、アクチュエータ自体に対するものである。アクチュエータは、適用例に応じて様々な向きで据え付け、使用でき、任意の特定の向き又は向きのセットでの使用に制限されない。
【0013】
図1から図3は、一例によるアクチュエータを示す。アクチュエータは、基部10と、カバー11と、枢動ブラケット3と、端キャップ12とを含む。基部10、カバー11、枢動ブラケット3及び端キャップ12は、アクチュエータ1を表面に組み付けるために使用し得る組立体を一緒に形成する。この組立体は、チェーン及びチェーン駆動構成要素等のアクチュエータの構成要素も収容でき、本明細書ではアクチュエータの本体と呼ぶ。
【0014】
基部10は、窓が一連の角度を通って開閉される際に基部が枢動し得るように、枢動ブラケット3に枢動接続される。カバー11は、アクチュエータ基部10に連結される。カバーは、この例では、カバーを完全又は部分的に取り外してアクチュエータ内の構成要素にアクセスし得るように、基部に解放可能に連結される。図4を更に参照して詳述するように、基部10は、摩擦嵌合を介して枢動ブラケット3に連結される。この例では、端キャップ12は、基部10及びカバー11にスナップ嵌合される。代替例では、端キャップは、ねじによって基部に螺入し得る。
【0015】
端キャップ12は、枢動ブラケット3と基部10との間の係合点も覆う。図1及び図3に示すように、端キャップ12は、側面に見え、枢動ブラケット3は、枢動ブラケット3が基部10に接続する点まで端キャップ12の下に延在する。いくつかの適用例では、枢動ブラケットが基部に接続する点は見えないことが好ましい場合がある。
【0016】
端キャップ12は、アクチュエータ1の側面まで枢動ブラケット3より更に外に延在する(即ち、端キャップ12は、側面で枢動ブラケット「を覆う」状態にある)ので、端キャップ12は、アクチュエータが組み付けられる枠の反対側、即ち上部から見た際に枢動ブラケット3も視界から隠す。図2の上面図に示すように、枢動ブラケットは端キャップ12の下に見えない。いくつかの適用例では、アクチュエータ1をこの側から見た際に枢動ブラケットが見えないことが好ましい場合がある。
【0017】
基部10は、丸みのある外形13を有する。このことにより、据付けの際、枢動ブラケット3上での基部の枢動に干渉せずに基部を枠の近くに配置可能にする。図1の例で示すように、基部10の下側は、基部10が枢動ブラケット3上で枢動する軸に直交する平面に丸みがある。カバー11及び/又は端キャップ12は、基部10と一貫した外観をもたらすように、丸みのある外形も有し得る。
【0018】
アクチュエータ1は、サッシ・ブラケット4を介して力を窓に伝達するチェーン5を有する。アクチュエータ本体から延在するチェーン5の部分は、窓を開位置に向かって押し、窓を閉位置に向かって引くように、圧縮及び張力に対して比較的強固である。しかし、チェーン5は、図4及び図11から図13を参照して更に詳述するように、アクチュエータ本体内に折り畳み得る。
【0019】
図1から図3に更に示されるのは、カバー11内の十字形状の開口6である。この開口6は、クラッチにアクセスし、クラッチを操作してチェーン5をチェーン駆動装置から分離するために使用され、チェーン駆動装置を操作せずにチェーン5をアクチュエータ1の本体から手動で引き伸ばすか又はアクチュエータ1の本体内に引き込むことを可能にする。
【0020】
開口8もアクチュエータ1の本体内に設けられ、アクチュエータ1の組立て後、内部構成要素(図4の印刷回路板組立体23等)へのアクセスを可能にする。電源線及び/又はデータ線は、この開口を通じてアクチュエータ本体に入れることができる。例えば、末端プラグの付いた配線ハーネスを開口を通じて挿入し、回路板23に差し込み得る。開口8を覆うように、カバー(図示せず)も設け得る。
【0021】
図4の分解図は、アクチュエータ1の構成要素をより詳細に示す。特に、基部10とカバー11と枢動ブラケット3と端キャップ12との間の接続の細部として、チェーン駆動装置22(モータ40とギヤ・ボックス43を含む)、チェーン・ガイド21及び回路板組立体23が見える。
【0022】
枢動ブラケット3は、2つの個別ブラケットではなく、アクチュエータ1の主本体をアクチュエータの両端で組み付ける単一ブラケットとし得る。枢動ブラケットは、各端部に組付け部分を有する細長中心部分を有する。使用に際し、細長中心部分は、表面(例えば窓枠)に取り付けられ、組付け部分は、表面から離れて、例えば約90°で突出する。この形態のブラケットは、特に容易に迅速に据え付け得る。細長中心部分は、2つの個別の組付けを注意深く測定、配置する必要なしに、容易に目視で、表面(例えば窓枠)の縁部に平行に位置合わせし得る。この視覚での位置合せは、2つの個別の組付けを使用する他のブラケット設計を使用すると実際に達成可能ではない。2つの組付け部分を互いに単一ブラケットに接続することは、2つの組付け部分の相対的な向きがブラケットの構造体によって固定されることも意味する。このことは、アクチュエータを組み立てる際、アクチュエータの両端における枢動軸が、2つの個別の組付けの相対的な向きを注意深く制御する必要なしに、自然に位置合わせされることを意味する。枢動軸が位置合わせされると、ポスト7等の組付け構成要素上への力を低減させる。このことは、構成要素の摩耗を低減し、アクチュエータの寿命を延長し得る。ブラケットは、組立て及び分解の間、表面上に置いたままにすることもできる。
【0023】
基部10及びカバー11はそれぞれ、枢動ブラケット3及び端キャップ12の一部を受け入れる差込み部分(それぞれ14及び29)を各端部に有する。部分ポスト7bも基部10の各端部上に設けられる。基部10上の部分ポスト7b及びカバー11上の部分ポスト7aは、円筒形ポスト7を一緒に形成し、円筒形ポスト7は、基部10と端キャップ12との間の高摩擦体28内に滑合する。代替例では、単体ポストを基部10上のみに設け得る。高摩擦体28は、アクチュエータを組み立てた際、枢動ブラケット3内の切欠き17を通じて延在し、端キャップ12内の凹部15に入る。基部10及びカバー11も、各端キャップ12の突起26を受け入れる凹部37を有する。突起及び凹部は、端キャップ12をアクチュエータ1の本体にスナップ嵌合させるスナップ嵌合連結部を形成する。
【0024】
他の例では、1つ又は複数の高摩擦体は、基部10の端部、カバー11の端部又は端キャップ12の1つ又は複数に取り付け得る。他の例では、高摩擦体は、高摩擦材料の1つ又は複数のブロック、隆起又はパッチとし得る。いくつかの例では、凹部15は、基部10の端部内、及び可能性としてはカバー11の端部内にも形成でき、7a及び7bによって形成されるポストと同様のポストは、端キャップ12上に形成される。
【0025】
また他の例では、高摩擦体は、除き得る。例えば、摩擦嵌合部又は支承部は、枢動ブラケット3の表面によって形成でき、基部10及び端キャップ12の一方又は両方は、直接接触する。
【0026】
カバー11は、組み立てられた際に基部10上に置かれる。基部10及びカバー11は、アクチュエータの筐体をもたらし得る。枢動ブラケット3は、切欠き17が差込み部分14及び29内にある状態で基部10及びカバー11と位置合わせされる。高摩擦ワッシャ28は、(7a及び7bによって形成される)ポスト上に置かれ、切欠き17を通じて延在する。端キャップ12は、高摩擦ワッシャ28が凹部15内にある状態でこの組立体上に置かれ、端キャップ12は適切な場所でスナップ嵌合する。
【0027】
高摩擦ワッシャ28は、(7a及び7bによって形成される)ポスト7上に密に嵌合し、摩擦嵌合部を形成する。高摩擦ワッシャ28は、切欠き17内にも密に嵌合し、更なる摩擦をもたらし得る。これにより、アクチュエータ基部10は、枢動ブラケット3上で摩擦支承により支持される。カバー11は、基部10上に支持される。ポスト7及びワッシャ28の正確な直径は(並びに可能性として切欠き17の正確な直径も)、摩擦嵌合に望まれる摩擦レベルに依存する。当業者は、摩擦嵌合の堅さが、ポスト7の直径が摩擦ワッシャ28の内径より小さい量の差に(及び任意で切欠き17の直径が高摩擦ワッシャ28の外径より大きい量の差にも)依存することを理解するであろう。アクチュエータ1は、使用に際して枢動ブラケット3上での枢動を目的とするので、多少の回転摺動を可能にする摩擦支承が設計されている。
【0028】
代替例では、摩擦ワッシャ(複数可)は、ねじ付き締結器(複数可)に代わり得る。ねじ付き締結器(複数可)はそれぞれ、ねじ穴を有する。これらの例では、対応するポスト(複数可)は、ねじ付き締結器(複数可)をポスト上に螺入し得るように、ねじ付き締結器のねじ山と相補形のねじ付き外面を有する。特に、基部10及びカバー11上の部分ポスト7a、7bはそれぞれ、これらの丸みのある表面上に部分ねじ部を有し、部分ポスト7a、7bを一緒にした際に連続ねじ部を形成し得る。ねじ付き締結器は、丸みのある周辺部を有してよく、丸ナットであってよい。これにより、ねじ付き締結器は、基部10をカバー11に接続し得る。
【0029】
端キャップ12上には、突起19及び27も設けられる。上側突起19は、組み立てた際に枢動ブラケット3の切欠き17内に延在する。下側突起27は、組み立てた際に枢動ブラケット3の細穴16内に延在する。突起19及び27は、アクチュエータが枢動ブラケット上で枢動する際、1つ又は複数の突起が切欠き17の側部又は細穴16の端部によって停止する限界まで、切欠き17及び細穴16内で移動する。
【0030】
上記したこの接続構成は、カバーを通過する固定ねじ等を有する必要性をなくす。例えば、いくつかのアクチュエータは、アクチュエータの基部上に螺入されるカバーを有する。これらのねじは、(図1の向きでは)アクチュエータの「上部」に位置することがあり、ねじは、窓付近の人に見える。いくつかの適用例では、アクチュエータの上部内にいくつかの見える固定ねじ等を有さないことが好ましい場合がある。
【0031】
上記した接続構成は、例えば、アクチュエータ1の整備、修理又は点検のためにカバー11を取り外す又は開放するのに迅速で単純な方法ももたらし得る。端キャップ12の上側突起26は、カバー11の凹部37から自由に取り外すことができ、カバー11の取外し又は開放を可能にする。下側突起26も、基部10から解放され、端キャップ12を取り外し得る。このことにより、必要な場合、アクチュエータ本体を枢動ブラケット3から容易に取り外し可能にし得る。
【0032】
この例では、端キャップ12をカバー11にスナップ嵌合させる突起26は、端キャップ12上に置かれ、対応する凹部37は、カバー11内に形成される。代替構成では、突起の1つ又は全ては、カバー11上にあり、対応する凹部は、端キャップ12上にあり得る。同様に、端キャップ12を基部にスナップ嵌合させる突起26の1つ又は全ては、基部10上にあり、対応する凹部37は、端キャップ12上にあり得る。
【0033】
一代替例では、突起26及び凹部37を使用してスナップ嵌合するのではなく、端キャップ12は、基部10及びカバー11上の適切な場所に摺動させ得る。これらの例では、相補形の細長突起及び凹部は、端キャップ12及び基部10及びカバー11上に設け得る。端キャップ12は、基部10及びカバー11上で垂直に下に摺動させ得る。
【0034】
この例では、2つの端キャップ12があり、アクチュエータ1の両端部に摩擦支承をもたらし、アクチュエータ1の両端でカバー11を基部10に連結させる。代替例では、アクチュエータの一端に単一のそのような端キャップがあってよい。もう一端での支承は、一端にもたらされる摩擦で十分であり得るので、低摩擦支承とし得る。カバーは、ヒンジ等の別の手段によってこの端部で基部に連結でき、ヒンジの反対側の端部でカバーを端キャップによって解放する際にカバーをヒンジ式に開放可能にする。
【0035】
枢動ブラケット3は、その長さ部に沿って取付け穴24を有する。この例では、4つのそのような穴24がある。このことにより、4つの異なる場所で枢動ブラケットを表面に取付け可能にする。他の例では、枢動ブラケットの長さ部に沿って、それぞれ、2つ、3つ、5つ以上の固定点で取り付ける2つ、3つ、5つ以上の穴24があり得る。このことにより、枠に沿ったアクチュエータの負荷を拡散させ、枢動ブラケットが組み付けられる表面の平面内で枢動ブラケットが回転しないようにするのに役立つ。
【0036】
チェーン駆動装置22は、基部10及びカバー11を組み立てた際に基部10及びカバー11内に収容される。このチェーン駆動装置22は、チェーン5をアクチュエータ1の本体から引き伸ばし、アクチュエータ1の本体内に引き込むように駆動させる。チェーン駆動装置22は、モータ40とギヤ・ボックス43を含む。図4には、ギヤ・ボックス43の上部から突出するクラッチ・スピンドル65の上端部が見える。このクラッチ・スピンドル65には、組み立てた際に開口6を介してアクセスでき、ユーザが開口6を通じて工具を挿入し、クラッチ・スピンドル65を押下することによってクラッチの操作を可能にする。
【0037】
モータ40は、印刷回路板組立体23に電気的に接続される。この印刷回路板組立体23は、モータ40が印刷回路板組立体23からの電力を受けることを可能にする。印刷回路板組立体23は、モータ40と印刷回路板組立体23との間のデータ信号を伝達するためにも使用し得る。例えば、回路板組立体は、モータ速度を監視するように、チェーン駆動装置22の電気モータ内の逆起電力を示す信号を受信し得る。
【0038】
アクチュエータ1は、チェーンが所望の範囲に達した際にチェーンの駆動を停止する電子制限器も含み得る。一例では、符号器は、チェーンの範囲に相関するモータ回転量を測定するため、モータ上に設けられる。モータが開放方向で所望の範囲に対応する量で回転すると、この回転は、PCB組立体上の処理回路によって検出し得る。次に、処理回路は、モータの駆動を停止させる。所望の範囲は、調節可能とし得る。例えば、100mm、150mm又は200mm等の様々な範囲の限度の間を選択するスイッチをアクチュエータ上に設け得る。
【0039】
図4に示すように、チェーン5の一部は、アクチュエータ1の本体内で折り畳まれている。このことにより、比較的長い長さのチェーン5を比較的小型のアクチュエータ本体内に収容可能にする。チェーン5は、チェーン・ガイド21によってアクチュエータ1の内部の周囲に案内される。従属輪44も、チェーン5を案内するために設けられる。チェーン・ガイド21は、チェーン・ガイド21の内側突出部を形成する長いレール25を含む。このレール25は、レール25の長さ部に沿って延びるチェーン5の(図13で64と標示される)陥没中心部分内に合うサイズで作製される。このことにより、チェーン5をレール25の平面内に保持する(即ち、チェーン5の「垂直な」脱線を制限する)のを支援し得る。
【0040】
チェーン・ガイド21は、比較的わずかな材料で形成し得る。チェーン・ガイド21は成形し得る。このことにより、チェーン・ガイド21の作製を、特に単純で費用対効果の高いものにする。チェーンはレール25によって支持、案内されるので、チェーンは板又は筐体上(又は2つのそのような板若しくは筐体の部品の間)に置かれる必要がない。このことにより、チェーンとチェーン・ガイドとの間の摩擦を低減でき、より円滑な動作をもたらし得る。チェーン・ガイドは、折り畳まれたチェーンの外側に置かれる。このことにより、チェーンを使用中の詰まりに対して特に強固にする。チェーン5の端部は、ギヤ・ボックス43に取り付けることができ、一定の長さのチェーン5がガイド上及びガイド外で動くことができ、チェーンがアクチュエータから完全に自由にならないようにする。
【0041】
4つの例示的サッシ・ブラケット4’、4’’、4’’’及び4’’’’は、図5A図5B図6A図6B図7A図7B図8A及び図8Bに示される。各サッシ・ブラケットは、本体30’、30’’、30’’’又は30’’’’と、クリップ31’、31’’、31’’’又は31’’’’と、ピン(これらの図では見えない。矢印(複数可)32’、32’’、32’’’又は32’’’’によって示される場所)とを含む。図8A及び図8Bのサッシ・ブラケット4’’’’は、2つのそのようなピン32’’’’を含む。ピン(複数可)は、窓を開閉する際、クリップ(したがってチェーン)に対する本体の枢動を可能にし得る。クリップは、アクチュエータのチェーンに取り付けるために設けられる。ピン(複数可)は、クリップを本体に解放可能に連結するように構成される。解放可能な取付けは、アクチュエータの整備、据付け又は交換をより単純、より迅速、より容易にし得る。例えば、チェーン(及びクリップ)は本体から分離でき、アクチュエータを枠から取り外す必要なく、本体の交換又はサッシ上の異なる場所への移動を可能にする。更に、このことは、修理又は再度ガラスを入れるために、アクチュエータを枠から取り外す必要なく、窓サッシを枠から取り外すことを可能にし得る。
【0042】
ピンは、様々な形態を取ってよい。例示的サッシ・ブラケット4’、4’’及び4’’’では、ピンはねじを含む。これらの例におけるピンは、32’、32’’、33’’’で挿入され、クリップ31’、31’’、31’’’を通過し、クリップを越えた端部で本体30’、30’’、30’’’に螺入される。この例では、ピンの遠端部は、ねじを構成する。ピンは、クリップ内に置かれる平坦な(ねじ部のない)軸部も有し得る。
【0043】
いくつかの例示的ブラケットでは、ピンは、クリップ内にばねで止め得る。これらの例では、ばねは、ピンが本体と係合する位置に向かってピンを「外側に」付勢するようにクリップ内に設けられる。ピンをばねの付勢に逆らって「内側に」押圧すると、ピンは、クリップ内に後退し、クリップの解放を可能にする。ばねに加えて、付勢は、ガスばね又は弾性ブロック等の他の付勢手段によってもたらし得る。これらの例では、2つのピンがあってよく、一方のピンは、クリップの各側から外に延在して本体のそれぞれの部分に入る。そのような例でクリップを解放するには、ユーザは両方のピンを「内側に」押圧する。
【0044】
例示的ブラケット4’’’’では、本体30’’’’内に両方がばねで止められる2つのピンがある。これらのピンは、2つのピンの間に置かれる単一のばねによって、ばね止めし得る。ピンをクリップ31’’’’から解放する2つのタブ36’’’’も設けられる。タブ36’’’’は、例えば、ピンと一体に形成する、ピンに直接接続する、又はピンと接触させることによって、ピンに連結され、タブからピンに力を伝達する。タブを一緒に締め付けると、ピンは、クリップから本体内に後退し、クリップの解放を可能にする。上述のブラケットと同様に、ばね以外の他の付勢手段を使用し得る。
【0045】
サッシ・ブラケットは、特殊工具を使用する場合にのみ、大きな力を加えた場合にのみ、又は安全ロックを更に操作する場合にのみ、クリップを本体から解放し得るように設計し得る。このことにより、子供又は無許可の人がサッシ・ブラケットをチェーンから外すのを防止又は阻止し得る。このことは、サッシ・ブラケットがチェーンから予期せずに解放されるのを防止するのに役立ち得る。このことは、現地の規制順守の保証もし得る。例えば、サッシ・ブラケット4’、4’’及び4’’’のねじ型ピンは、いたずら防止ねじの頭部のような特殊な「いたずら防止」頭部を有し得る。代替的に、各ピンの頭部は、クラッチ板及び圧力板を介して軸部に接続でき、クラッチ板及び圧力板は、ピンを取り外す際、ユーザが長手方向に強く押し、頭部からねじに回転を伝達する必要がある。別の例では、サッシ・ブラケット4’’’’のばねで止められるピンは、クリップの解放のために締付け工具又は手でかなり強くひねることを必要とするような、かなり強固な付勢要素を有し得る。別の例では、正確な鍵でロックを解除した場合にのみピンの移動を可能にするロックをサッシ・ブラケット4’、4’’、4’’’又は4’’’’上に設け得る。
【0046】
使用に際し、本体は、ねじ穴34’、34’’、34’’’又は34’’’’を通過するねじによってサッシに取り付けられる。安定のために、クリップが本体に連結される点の各側上に1つのねじ穴が設けられる。クリップは、穴33’、33’’、33’’’又は33’’’’を通過するチェーン・ピンによってチェーンに接続される。
【0047】
本体に最も近いクリップの端部35’、35’’、35’’’又は35’’’’は、ピン(複数可)の長手方向軸に直交する平面に丸みがある。このことにより、クリップがピン(複数可)回りに枢動する際にクリップが本体に干渉しないことを保証する。
【0048】
図9及び図10は、チェーン駆動装置22をより詳細に示す。電気モータ40はウォーム41を駆動する。この例では、モータ40はDCモータであるが、他のモータを使用し得る。このモータ40は、複合ギヤ45の上半部上に形成されるウォーム・ギヤ45aと係合し、このウォーム・ギヤ45aを駆動する。複合ギヤ45は、その下半部上に小さめのギヤ45bを含み、ギヤ45bは、複合ギヤ46の下半部上の大きめのギヤ46aと係合し、このギヤ46aを駆動する。複合ギヤ46の上半部上の小さめのギヤ46bは、クラッチ組立体50の(図10に標示される)ギヤ51を駆動する。
【0049】
図10の分解図に示すように、クラッチ組立体50は、ギヤ51と、スプロケット52と、クラッチ・シャフト53とを含む。スプロケット52は、チェーンと係合し、チェーンを駆動する。ギヤ51は、クラッチ・シャフト53を介してスプロケット52と解放可能に係合する。クラッチ・シャフト53は、下側スプライン54を含み、下側スプライン54は、ギヤ51のソケット56内に垂直に配置され、ソケット56内の相補形スプライン(図10では見えない)と係合し、ギヤ51からクラッチ・シャフト53に回転を伝達する。クラッチ・シャフト53は、上側スプライン55も含み、上側スプライン55は、スプロケット52のソケット58内に垂直に配置され、ソケット58の相補形スプラインと係合し、クラッチ・シャフト53からスプロケット52に回転を伝達する。(図9に示される)ばね67は、クラッチ・シャフト53をその上昇係合位置内に付勢するように、クラッチ・シャフト53の底部と(図9に示される)ギヤ・ボックス・カバー49との間に設けられる。ブッシュ57もソケット58の上部に設けられる。ブッシュ57は、クラッチ・シャフト53のスピンドル65を通過させる穴を有する。スピンドル65の上端部は、組み立てた際、ギヤ・ボックスの支持ブロック42内の穴59内に置かれ、穴59を介してスピンドル65の上端部にアクセス可能である。ギヤ・ボックス・カバー49は、ねじ48を使用して支持ブロック42の底部に取り付けられ、ギヤ及びクラッチ組立体を適切な場所で収容、保持する。
【0050】
スピンドル65の上端部は、組み立てた際、ギヤ・ボックスの支持ブロック42内の穴59内に置かれ、図1図2及び図4に示される開口6を介してスピンドル65の上端部にアクセスし得る。ブッシュ57は、ブロック42の下側に支承面をもたらす。
【0051】
上記で説明したように、クラッチ・シャフト53は、その上昇位置で垂直に配置され、ギヤ51及びスプロケット52と係合する。この上昇位置では、スプライン54及び55は、ギヤ51及びスプロケット52内のスプラインと係合する。このことは、ギヤ51の回転がスプロケット52に伝達されてチェーンを駆動することを意味し、その逆も同様である。ユーザが開口6を通じて工具を挿入してクラッチ・シャフト53を下げると、スプライン54は、ギヤ51内のスプラインから外れて下方に移動し、ギヤ51をスプロケット52から分離する。すると、スプロケット52及びクラッチ・シャフト53が自由に回転する間、チェーンを引き伸ばし、引き込み得る。
【0052】
チェーン5の3つの図を図11から図13に示す。チェーン5は、外側リンク61、内側リンク60及びピン62から構成され、ピン62は、外側リンク61と内側リンク60とを一緒に交互の順序で連結させる。ピンは、ピン軸63回りの回転を可能にし得、チェーン5を複数の角度を経て回転させ、アクチュエータ本体内に折り畳み得るようにする。しかし、チェーン5のうち、窓を係合するためにアクチュエータ本体から延在する部分は、比較的硬質のままであり、圧縮下で極端に屈曲しない。この種類のチェーンは、リジッド・チェーンとして公知であり、アクチュエータは、リジッド・チェーン・アクチュエータとして公知である。
【0053】
図13に示すように、凹部64は、チェーン5の中間に形成され、チェーン5の長さ部に沿って延びる。図4のレール25は、この凹部64内に合うように寸法決定され、アクチュエータ本体内でチェーンの案内を支援する。特に、レールは、凹部の側部64aと64bとの間に嵌合し得るが、レールの一部は、凹部64の外側にあってよい。他の適切なチェーン設計を使用し得る。
【0054】
解釈
用語「備える」及び他の文法上の形態は、別段に記載されていない限り、包括的な意味を有することを意図する。即ち、用語「備える」及び他の文法上の形態は、列挙される構成要素、及び可能性としては他の指定しない構成要素又は要素の包含を意味すると解釈されたい。
【0055】
本発明を特定の実施形態の説明によって説明してきたが、本発明は、これらの実施形態に限定されない。本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、これらの実施形態を修正することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】